JP2015508702A - 木材からの抽出方法 - Google Patents

Abstract

【課題】より安価でより信頼性の高い履行により木材を抽出する方法を提供する。【解決手段】本発明以下の木材からの抽出プロセスによって達成される。少なくとも第１組及び第２組の木材粒子を供給すること、第２組木材粒子からなる追加層の上に第１組の木材粒子からなる微細層を積層すること抽出溶媒が上面から下方に最初に微細層を通り次に追加層を通って流れる流動性抽出溶媒を使用して木材粒子を抽出することであり、第１組の木材粒子は第２組の木材粒子より微細である。【選択図】図１

Description

本発明は、木材からの抽出方法に関するものである。特に、タクシホリン及び／又はアラボノガラクタンが木材から抽出される。

木材は抽出前に切り刻まれるか、削られる。のこった木材チップ及び／又は削られた木材はパーコレータに充填され、適当な抽出流体が導入される。

本発明の目的は、より安価でより信頼性の高い履行により木材を抽出する方法を提供し、問題の材質からそれぞれの物質を、迅速で、生産性が高く、エネルギー効率がよく抽出することを可能にすることである。特に、エタノールの使用により、タクシホリンが木材から極力効率的に抽出され、及び／又は水の使用により、アラビノガラクタンが木材から極力効率的に抽出されるようにすることにある。

本発明は請求項１に記載の構成により解決される。従属項の目的は、本発明の好ましい実施形態である。
本発明の目的は、以下の工程を含む、木材からの抽出プロセスによって達成される。
少なくとも第１組及び第２組の木材粒子を供給すること、
第２組木材粒子からなる追加層の上に第１組の木材粒子からなる微細層を積層すること、
上面から下方に最初に微細層を通り次に追加層を通って流れる流動性抽出溶媒を使用して木材粒子を抽出すること、である。

本発明において、木材粒子の２つの組は、細かさが異なる。第１組の木材粒子は第２組の木材粒子より微細である。したがって、微細層は追加層より低い透過性を有する。層の透過性とは同じ層の厚さ、同じ圧力及び同じ時間において、層を通過することができる週出溶媒の量を意味する。異なる層の透過性を比較するために、同じ層の厚さ、同じ圧力及び同じ時間において層を通過する流速を計測しなければならない。低い流速はそれぞれの層の低い透過性を意味する。あるいは、異なる層の透過性は一定の流速で可変な圧力において測定される。同じ流速において高い圧力が必要とされれば、その層はより透過性が低いといえる。本発明のプロセスを実行するとき、個々の層はパーコレータにおいて好ましくは水平な層として設置される。この場合、抽出溶媒はパーコレータの上面から導入される。微細層は、抽出溶媒が最初に微細層を通って流れ、次いで第２組の木材粒子からなある追加層を通って流れるように配置される。微細層の低い透過性により微細層上の圧力は増加し、層の高さに沿って圧力を低下させる。これによって、抽出溶媒の循環性が向上する。

粒径に応じた理論的なネットの粒子の流れを示す。 濃度勾配を関数とした理論的なネットの粒子の流の特性を示す。 木材粒子名目の篩サイズを関数としたカラマツ木材からのタクシホリン抽出の進路を示す。

非常に小さい木材粒子、特に１ｍｍ未満のものは、低い透過性のために処理性の観点からは好ましくないが、粉砕の過程で不可避に生じる。本発明の微細層の主要な利点は、抽出過程で過剰な圧力低下を防止することにある。特に、微細層はパーコレータ床上の圧力低下を低減させることができ、これによって抽出溶媒の循環性向上することができる。抽出溶媒はパーコレータを通過して、特に複数のサイクルで通過する。それぞれの通過において、微細な木材粒子及び何らかの不純物が微細層に捕獲されて留まるように抽出溶媒は微細層を貫通する。その結果、パーコレータから究極的に排出される抽出溶媒は微細な木材粒子及び不純物を極力含まない。好ましくは、抽出溶媒はパーコレータから出た後ろ過する必要はなく、及び／又は本発明のプロセスはパーコレータの下流のろ過装置の耐用年数及び／又は精度を減らすことができる。微細層は予備ろ過装置としても機能する。

好ましい実施形態において、粒度分布の中間値によって微細木材粒子と粗い木材粒子の区別がなされる。したがって、第１組の木材粒子の全ての粒径分布の中間値（第１中間値）は第２組の木材粒子の全ての粒径分布の中間値（第２中間値）より低い。
粒径は、特に、木材粒子の名目の篩サイズである。木材粒子の名目の篩サイズは、材料の少なくとも質量分率９５％が通過するスクリーンの穴の大きさである。

名目の篩サイズ寸法の特に好ましい例は、ＤＩＮ ＥＮ １５１４９−１：２０１０及び／又はＤＩＮ ＥＮ １５１４９−２：２０１０のスクリーニングプロセスを含む。これらの基準によれば、積層されたスクリーンの適切な数は、名目の篩サイズ及び対応するサイズ分布を決めるのに使用される。この場合、個々のスクリーンの穴の直径及び／又はメッシュサイズは上面から底面に向けて減少する。スクリーンパックの水平の１−又は２−寸法の振れが生じる。また、これら２つの基準は粒径分布の中間値も規定する。したがって、中間値は分布を２つの等しい部分に分け、５０％の水平線による累積サイズ分布の交差点をグラフ上に表す。粒径分布のより小さい中間値を有する木材粒子は「微細木材粒子」に好ましく、したがって微細層に使用される。

第１組の中間値（第一中間値）の特に好ましい例は３ｍｍ以下であり、好ましくは２ｍｍ以下であり、特に好ましくは１ｍｍ以下であり、より特別に好ましくは０．５ｍｍ以下である。第１組の中間値が小さくなるほど溶媒が微細層をゆっくり通過する。したがって、圧力低下は中間値及び微細層の高さを選択することによって調整される。
好ましくは本プロセスは次の工程を含む。

木材粒子を供給すること、この際、木材は最初に多くのサイズの木材粒子に破砕される。切断及び／又は破砕及び／又は研削によって粉砕が実行される。破砕、切断又は研削された木材は分級される。分級は、特にスクリーニングによって行われる。分級によって、少なくとも第１組の木材粒子と第２組の木材粒子の区別を行う。第１組の十分に微細木材粒子が分離されることが必須である。全ての微細小片が第２組から分離される必要はない。
材料の切断又は破砕又は研削の分級に加えて、第１組に、製造されたおがくず及び／又は削りくずを加えることができる。また、分級の代わりとして、第１組は、処理されたおがくず及び／又は削りくず及び／又は木材粉からのみで形成することも可能である。

特に好ましい実施形態において、第１組と第２組の分級には、一定のメッシュサイズ又は特定の穴径を有するスクリーンは、好ましくは０．５ｍｍと７ｍｍの間である。実験によれば、２つの組の間で、特に１ｍｍから６ｍｍ、好ましくは１ｍｍと４ｍｍのメッシュサイズ又は穴径を有する２つの組の間で実用的な分離を行うことが可能である。水及び含有物並びに木材の粉砕の性質によって、分級されない材料は粒径分布に関して異なる特性を有する。したがって、第１組のスクリーニングは好ましいメッシュサイズ又は穴径を有して達成される。

また、各組において大きすぎる木材粒子の量に基づいて、微細と粗大な木材粒子の区別をすることができる。微細層中に大きすぎる木材小片が多すぎるほどなければ、有効な方法である。これは微細層全体の透過性が一定であることを保証する。したがって、第１組の木材粒子の７０％質量分率を超えるものは名目の篩サイズの４ｍｍ、好ましくは２ｍｍ、特に好ましくは１ｍｍを有する。木材の粉砕の過程において、第１組の木材粒子の量は、例えば、水及び樹脂含有物並びに適用される粉砕法に依存する。したがって、粉砕過程における木材粒子のサイズ分布は任意に設定することはできない。

抽出溶媒は、追加の層を貫通して相対的に確定的に邪魔されずに走る。これが、第２組は微細な木材粒子を可能な限り少なく有すべきであることの理由である。第２組の木材粒子の３０％質量分率こえるものが少なくとも名目篩サイズ２ｍｍ、好ましくは３ｍｍｍを有することが好ましい。

また、微細層中の木材粒子の微細度は十分に低いこと、できる限り大きく大きすぎる木材粒子が存在しないことが好ましい。したがって、上限は、第１組にある全ての木材粒子中の質量分率で６０％超え、好ましくは７０％超え、より好ましくは８０％超えの木材粒子の名目篩サイズで定義される。追加層において、抽出溶媒の明確で適切な流れを確保するためには、十分な量の木材粒子が存在している必要がある下限は、第２組の全ての木材粒子の質量分率で１０％超え、好ましくは２０％超え、特に好ましくは３０％超えの木材粒子の名目篩サイズで定義される。好ましくは、第１組の上限は第２組の下限以下であることが好ましい。特に好ましくは、第１組の上限は４ｍｍ、好ましくは２ｍｍ、最も好ましくは１ｍｍである。

破砕、切断又は研削された木材の性質に応じて、第１組以上、又は以下の材料が製造される。好ましくは微細層の層高さが特定される。第一に、微細層は抽出溶媒が十分に流れるのを確保するために高すぎてはならない。他方において、微細層は十分なろ過効果を得るために、また大きな圧力低下を避けるために一定の高さが必要である。全ての層の高さに基づいて、５％〜７０％、好ましくは５％〜５０％、特に好ましくは５％〜４０％の高さを有することが有利である。

好ましくは、木材粒子はパーコレータ中に積層される。本発明のプロセスは大量の抽出において好ましい。この場合の微細層の高さは、０．５ｍが有利であり、好ましくは１〜３ｍである。
好ましくは、カラマツ抽出が実行される。カラマツの赤味材の樹幹及び／又は根茎のみを使用することが特に好ましい。
また、本発明のプロセスにおいて、有機溶媒、特にエタノールを使用した木材からのタクシホリンの抽出が実行される。加えて、またはこれに替えて、水を溶媒として使用した木材からアラビノガラクトンの抽出が行われる。

破砕、切断又は研削された木材からのサンプリングは、ＤＩＮ ＥＮ １４７７８：２０１１により実行され、木材粒子の大きさ及びサイズ分布は、ＤＩＮ ＥＮ １５１４９−１：２０１０及び／又はＤＩＮ ＥＮ １５１４９−２：２０１０により決められることが好ましい。
いくつかの微細層またはいくつかの追加層が必要により積層される。

抽出は、理論的にはＦｉｃｋの分散規則に基づく。これから、溶媒中において抽出材料から必要とされる分散距離が短いほど、抽出材料から目標物質がより速く抽出されることが予測される。これにより、使用される抽出材料の粒径が小さいほど、克服される分散距離は短くなり、したがって、溶媒中に流れる理論的なネットの粒子の流は大きくなる。図１は、粒径に応じた理論的なネットの粒子の流れを示す。
他方で、溶媒に対する粒子中の製品濃度の濃度勾配が大きいほど、抽出材料から目標製品がより迅速に抽出できる。

これから、使用される溶媒の循環速度または量が大きいほど、分散を促進する濃度は大きくなり、したがって溶媒中の理論的なネットの粒子に流れは大きくなる。図２は濃度勾配を関数とした理論的なネットの粒子の流の特性を示す。
使用された粒子の大きさを関数としたカラマツからのタクシホリンの抽出に関する一連の実験が行われた。この場合、抽出時間、抽出温度、混合、抽出材料に対する溶媒の比率は一定に維持された。図３は、木材粒子名目の篩サイズを関数としたカラマツ木材からのタクシホリン抽出の進路を示す。

Claims (12)

1. 木材の抽出方法であって、
   少なくとも第１組及び第２組の木材粒子を供給すること、
   前記第２組の木材粒子からなる追加層の上に前記第１組の木材粒子からなる微細層を積層すること、
   上面から下方に最初に前記微細層を通り次に前記追加層を通って流れる流動性抽出溶媒を使用して木材粒子を抽出すること、
   を含み、
   前記第１組の木材粒子は前記第２組の木材粒子より微細であり、前記微細層は前記追加層より低い透過性を有することを特徴とする木材の抽出方法。
2. 前記第１組の木材粒子の全ての粒子の粒径分布の中間値である第１中間値は前記第２組の木材粒子の全ての粒子の粒径分布の中間値の第２中間値より低く、前記粒径は名目上の篩サイズである請求項１に記載の方法。
3. 前記第１中間値は３ｍｍ以下であり、好ましくは２ｍｍ以下であり、特に好ましくは１ｍｍ以下である請求項２に記載の方法。
4. 前記少なくとも第１組及び第２組の木材粒子を供給することは、
   木材を粉砕して種々の大きさの木材粒子にすること、及び
   前記木材粒子を篩にかけ、少なくとも前記第１組及び前記第２組に分級することを含む請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. メッシュサイズ又は穴径が０．５ｍｍ〜７ｍｍ、好ましくは１ｍｍ〜６ｍｍ、特に好ましくは１ｍｍ〜４ｍｍである篩を使用して、前記第１組及び前記第２組の分級がなされることを特徴とする請求項４に記載の方法。
6. 前記第１組の前記木材粒子の質量分率で７０％超は、最大４ｍｍの、好ましくは最大２ｍｍ、特に好ましくは最大１ｍｍの名目上の篩サイズを有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記第１組の前記木材粒子の質量分率で３０％超は、少なくとも２ｍｍ、好ましくは少なくとも３ｍｍの名目上の篩サイズを有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記第１組の全ての木材粒子の６０％超、好ましくは７０％超、特に好ましくは８０％超の名目上の篩サイズが第１の限界値以下であり、少なくとも３ｍｍの名目上の篩サイズを有し、且つ
   前記第２組の全ての木材粒子の１０％超、好ましくは２０％超、特に好ましくは３０％超の名目上の篩サイズが第２の限界値以上であり、前記第１の限界値は前記第２の限界値以下の値であることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記第１の限界値は名目上の篩サイズで４ｍｍ、好ましくは２ｍｍ、特に好ましくは１ｍｍである請求項８に記載の方法。
10. 前記微細層の層高さは、全ての層の合計の高さの５〜７０％、特に５〜５０％、特に５〜４０％である請求項１〜９のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記木材粒子はパーコレータに積層され、前記微細層の高さは少なくとも０．５ｍ、好ましくは少なくとも１ｍである請求項１〜１０のいずれか一項に記載の方法。
12. エタノールを抽出溶媒として使用してタクスフォリンが木材から抽出され、及び／又は水を抽出溶媒として使用してアラビノガラクタンが木材から抽出される請求項１〜１１のいずれか一項に記載の方法。

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