JP2015506996A - メチルリモニトリルの新規な製造方法 - Google Patents

メチルリモニトリルの新規な製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含むメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、反応および二酸化炭素と水の除去が塩基および共塩基の存在下、有機溶媒中で行われ、塩基がピリジンであり、共塩基が1,4−ジアミノブタンであり、有機溶媒が水と異相共沸混合物を形成する溶媒である工程;b)工程a)または工程c)を行った後に得られる反応混合物から溶媒およびピリジンを留去して反応混合物を得る工程;c)工程a)または工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を得る工程;を含み、工程c)の前または後に工程b)を行うことができる方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、メチルリモニトリルの製造方法に関する。メチルリモニトリルは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(化合物A)と、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル(化合物B)と、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(化合物C)との混合物である。
本発明の方法は、6−メチル−5−オクテン−2−オン(6−エチル−5−ヘプテン−2−オン;EH)をシアノ酢酸と反応させ、水と二酸化炭素を除去する工程を含み、反応および水と二酸化炭素の除去は、塩基および共塩基の存在下、有機溶媒中で、図1に示すように行われる。
ゲラニルニトリルの代わりに、ゲラニルニトリルの毒物学的欠点を有していない別の香料を使用する要求が高まっている。
3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(化合物A)と、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル(化合物B)と、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(化合物C)との混合物であり、混合物中の7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルと3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの量が混合物の全重量に基づき10〜30重量%の範囲であるメチルリモニトリルは、ゲラニルニトリルと類似の嗅覚特性を有することが既知である。
これはとりわけ、
メチルリモニトリル中の化合物A(3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル)の割合が、60〜90組成%(好ましくは70〜85組成%、より好ましくは76〜83組成%、最も好ましくは約80組成%)の範囲であり、
化合物B(7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル)の割合が、0〜10組成%(好ましくは0〜5組成%、より好ましくは0〜2組成%、最も好ましくは約0組成%)の範囲であり、
メチルリモニトリル中の化合物C(3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル)の割合が、10〜30組成%(好ましくは15〜25組成%、より好ましくは17〜22組成%、最も好ましくは約20組成%)の範囲であり、これらは全て化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合は合計100組成%になり、
混合物中のメチルリモニトリルの総量、即ち、純度が、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定した場合、95〜100面積%(好ましくは97〜100面積%、より好ましくは98〜100面積%)であり、測定条件は、10種類の立体異性体(図2参照)が全てガスクロマトグラム中で異なるピークを示すように選択される、
メチルリモニトリルに当てはまる。
「組成%」の意味をさらに説明するために、一例を記載する:
メチルリモニトリルの純度が95面積%、化合物Aの量が80組成%(A:(A+B+C)=80%)、化合物Bの量が0組成%、および化合物Cの量が20組成%のプロセス生成物がある場合、それは、実際、プロセス生成物の全重量に基づき、プロセス生成物中の化合物Aの量が76面積%(0.95×80%)であり、プロセス生成物中の化合物Bの量が0面積%であり、プロセス生成物中の化合物Cの量が19面積%(0.95×20%)であることを意味する。
このような生成物は、ジボダン(Givaudan)により「lemonile」の商標名で既に販売されている。lemonileは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルとの混合物であり、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル:7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル:3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの比=80:0:20であり、純度>98面積%である。
現在、このような生成物を工業的規模で効率的且つ経済的に製造する方法は知られていない。
[詳細な説明]
従って、この必要は本発明により満たされ、本発明は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとを含む混合物の製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、反応および二酸化炭素と水の除去が、塩基および共塩基の存在下、有機溶媒中で行われ、塩基がピリジンであり、共塩基が1,4−ジアミノブタンであり、有機溶媒が、水と異相共沸混合物を形成する溶媒である工程;
b)工程a)または工程c)を行った後に得られる反応混合物から溶媒およびピリジンを留去して、反応混合物を得る工程;
c)工程a)または工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を得る工程;
を含み、
工程c)の前または後に、工程b)を行うことができる方法に関する。
[出発原料]
シアノ酢酸(CNA)および6−メチル−5−オクテン−2−オン(6−エチル−5−ヘプテン−2−オン;EH)を出発原料として使用する。通常、CNA対EHのモル比は、(0.5〜1.5mol):1molの範囲、好ましくは(0.7〜1.3mol):1molの範囲、より好ましくは(0.75〜1.1mol):1molの範囲、最も好ましくは(0.9〜1.1mol):1molの範囲である。
[塩基]
ピリジンを塩基として使用する。
好ましくは、塩基の量は、EH1mol当たり0.5〜1.5molの範囲、より好ましくは、塩基の量は、EH1mol当たり0.7〜1.3molの範囲である。
[共塩基]
1,4−ジアミノブタン(「DAB」)を共塩基として使用する。それは、DSMおよび他の供給業者により製造されている中間体である。
好ましくは、共塩基の量は、EH1mol当たり0.005〜0.15molの範囲、より好ましくは、共塩基の量は、EH1mol当たり0.01〜0.1molの範囲、最も好ましくは、共塩基の量は、EH1mol当たり0.01〜0.05molの範囲である。
共塩基は、そのようなものとして、即ち、それ自体で、または水溶液としても使用することができる。これは大気圧で27〜28℃の融点を有する、即ち、室温で固体である1,4−ジアミノブタンにとりわけ有利であるが、その理由は、DABを水溶液にするとその添加が容易になるからである。このような水溶液の濃度は重要ではない。
[溶媒]
水と異相共沸混合物を形成するとは、溶媒と水が互いに混和しないまたは部分的にしか混和しない共沸混合物を、溶媒と水が形成することを意味する。
このような溶媒の好ましい例としては、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサンおよびヘプタンならびにこれらの混合物がある。より好ましくは、2種以上の溶媒の混合物ではなく、この群の溶媒を1種だけ使用する。最も好ましくは、トルエンを溶媒として使用する。
溶媒の量は、好ましくはEH1kg当たり0.5〜2kgの範囲、より好ましくは溶媒の量は、EH1kg当たり0.8〜1.5kgの範囲、さらにより好ましくは溶媒の量は、EH1kg当たり0.9〜1.2kgの範囲、最も好ましくは溶媒の量は、EH1kg当たり0.95〜1.15kgの範囲である。これらの好ましい量はまた、とりわけトルエンが溶媒である場合にも当てはまる。
[反応条件]
メチルリモニトリルの製造は、より詳細に後述する幾つかの工程に分割することができる。
これらの工程は:
a)塩基および共塩基の存在下でCNAとEHとを反応させる工程;
b)溶媒と塩基を留去する工程;
c)工程b)で得られた反応混合物(これにはまだ共塩基が存在する)を所望の異性体比に異性化する工程;
d)希釈された酸で抽出する工程;
e)高沸点不純物(「高沸点物質」)除去する工程;
f)低沸点化合物(「低沸点物質」)を除去し、未反応の6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)をリサイクルする工程;
である。
これらの工程のどれを行うかにより、得られる生成物の品質が異なり、それについては「生成物」の章でより詳細に説明する。
本発明の最も好ましい実施形態では、各工程a)〜f)に好ましい条件を全て実現する;ピリジンを塩基として前述の好ましい量で使用し、1,4−ジアミノブタンを共塩基として前述の好ましい量で使用し、トルエンを溶媒として前述の好ましい量で使用し、CNAおよびEHも前述の好ましい量で使用する。
全工程a)〜f)は、好ましくは不活性条件で行われる。
全工程a)〜f)はまた、バッチ式または連続式のいずれかで行うことができる。
本発明の別の利点は、工程a)〜c)をワンポット法として行うことができるということである。
[工程a)反応]
反応は、0.3〜1.5バール(絶対圧力)の範囲の圧力で、好ましくは0.5〜1.2バール(絶対圧力)の範囲の圧力で、より好ましくは0.7〜1.0バール(絶対圧力)の範囲の圧力で行われる。EHとCNAとの反応およびHOとCOの除去を行う温度は、反応混合物を還流する温度によって決まる。
[工程b)溶媒と塩基の留去]
この工程は、100〜180℃の範囲の最終温度で、好ましくは120〜160℃の範囲の最終温度で、より好ましくは130〜150℃の範囲の最終温度で行われる。トルエンが溶媒であり、ピリジンが塩基である場合、この工程は、最も好ましくは140〜146℃の範囲の最終温度で行われる。留去された溶媒混合物(溶媒と塩基;とりわけトルエンとピリジン)を、メチルリモニトリル製造の更なる反応バッチに使用することができる、即ち、それを工程a)にリサイクルすることができる。
この工程を行う圧力は、好ましくは0.05〜1バール(絶対圧力)の範囲、好ましくは0.1〜1バール(絶対圧力)の範囲である。
トルエンが溶媒であり、ピリジンが塩基である場合、溶媒混合物の除去中に、温度は140〜146℃に上昇する。この温度に達した後、溶媒混合物のさらなる除去中に、この温度を維持したまま、圧力を低下させる。
溶媒と塩基をほぼ完全に除去すると共に、それらを工程a)にリサイクルすること、任意選択により、溶媒混合物の一部をリサイクルまたはパージする前に低沸点副生成物を分離した後で、リサイクルすることが推奨される。
[工程c)工程b)で得られた反応混合物の所望の異性体比への異性化]
この工程は、100〜180℃の範囲の温度で、好ましくは120〜160℃の範囲の温度で、より好ましくは140〜150℃の範囲の温度で行われる。異性化を行う圧力は、重要ではなく、実際的な理由で、0.1〜2バール(絶対圧力)の範囲内で選択される。最も好都合には、この工程は大気圧で行われる。
溶媒と塩基は工程b)で除去されたため、それは、共塩基がまだ存在することを意味する。この共塩基は、図2に示すメチルリモニトリルの10種類の立体異性体を生成するための触媒である他に、異性化反応用の触媒でもある。
原則的に、工程b)の前に工程c)を行うこと、即ち、工程a)で得られた反応混合物をまず(高圧で)異性化した後、溶媒と塩基を除去することも可能であるが、この様式は推奨されず、その理由は、工程b)の後に工程c)を行う場合よりも、異性化の速度が遅くなり、また、工程c)の後に工程b)を行うと、工程b)中に異性体比がさらに変化し得るからである。さらに、これらの工程をa)、c)およびb)の順番に行う場合、好ましい所望の異性体比を得るために、工程a)中の共塩基DABの量を、好ましくはEH1mol当たりDAB0.02〜0.15molの範囲の量に増加させなければならない。
本発明に関して好ましい所望の異性体比は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(A)対7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル(B)対3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(C)の比が(76〜83組成%)対(0〜2組成%)対(17〜22組成%)の範囲、とりわけ3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(A)対7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル(B)対3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(C)の比が約80組成%対約0組成%対約20組成%であり、組成%で記載されているA、BおよびCの割合は合計100組成%になる。
[工程d)希釈された酸での抽出]
工程b)の後に工程c)を行う場合(好ましい)、工程c)で得られた未処理の生成物から、または、工程c)の後に工程b)を行う場合、工程b)で得られた未処理の生成物からメチルリモニトリルを抽出するために、好ましくは強酸の水溶液を抽出媒体として使用する。
このような抽出媒体の例としては、硫酸、塩酸、および酢酸の水溶液があり、硫酸の水溶液が好ましい。より好ましくは、抽出媒体は、次の濃度:
希硫酸水溶液:1〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%;
希塩酸水溶液:1〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%;
希酢酸水溶液:5〜20重量%)、より好ましくは8〜15重量%;
を有し、前述の濃度を有する希硫酸水溶液が最も好ましい。
工程c)/b)で得られた未処理の生成物に抽出媒体を添加すると、2相、即ち、有機相と水相が形成される。
工程c)/b)で得られた粗生成物の抽出媒体での処理は、好ましくは20〜90℃の範囲の温度で、より好ましくは40〜70℃の範囲の温度で、最も好ましくは50〜70℃の範囲の温度で行われる。
メチルリモニトリルを含有する有機相を水相から分離し、脱イオン水で洗浄する。脱イオン水での洗浄は、数回行うことができる。有機相は少量の水を含有することに留意しなければならない。この水は、次の工程e)の実施を妨げるものではないが、工程e)の後、工程f)を行う前に除去しなければならない。
水相、即ち、有機相を分離したときに得られる水相、および合わせた脱イオン洗浄水を、溶媒で、とりわけトルエンで逆抽出することもでき、それにより少量の水を含有するさらなる有機相が得られる。逆抽出によりメチルリモニトリルの収率は増加するが、工程e)の前に再度、溶媒を除去する必要があるという欠点がある。溶媒の除去、とりわけトルエンの除去は、精留または蒸留により達成することができる。溶媒の除去中、とりわけトルエンの除去中、少量の水も除去される。
[工程e)高沸点不純物(「高沸点物質」)の除去]
工程d)で得られた有機相から、有色成分および他の高沸点成分を除去し、無色透明から淡黄色の生成物(いわゆる「留出物」)を得る。この工程はまた、異性体比の安定性にも有益である。この工程に好適な条件:減圧、好ましくは0〜100ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力、より好ましくは10〜50ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力、最も好ましくは15〜30ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力での蒸留。
この工程は、当業者に既知の任意の好適な装置で、例えば、蒸発装置(バッチ運転もしくは連続運転)で、とりわけ薄膜式蒸発装置もしくは流下薄膜式蒸発装置で、または容器で行うことができる。
[工程f)低沸点化合物(「低沸点物質」)の除去、未反応の6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)のリサイクル]
高沸点物質の除去により製造される留出物(工程e)の生成物)が二相性である場合、即ち、工程d)で逆抽出を行わない場合、さらに処理を行う前に、水相を分離しなければならない。
高沸点物質の除去により製造された留出物(工程e)の生成物)または(必要に応じて)水相を除去した後の有機相を、好ましくはさらに処理して低沸点物質の除去工程に供し:未変換のEHを主に含有する低沸点化合物を、減圧下での蒸留または精留により分離する。
これにより製造された留出物は、好ましくは完全に(好ましい)または部分的に、溶媒(好ましくはトルエン)、塩基(ピリジン)および共塩基(DAB)の存在下でのシアノ酢酸との反応(工程a))に戻され、「新しい」EHを部分的に代替する。新しいEHを全部、低沸点物質除去工程の留出物で代替しても、反応はうまく進行する。従って、回収された未変換のEHの除去およびリサイクルは、全体的な収率を増加するのに有益である。副生成物の蓄積を回避するために、時々このリサイクル流の一部をパージすることが有利な場合がある。
塔底生成物は、メチルリモニトリルの含有量が>98面積%の香りのよい最終生成物である。
[生成物]
メチルリモニトリルは、10種類の立体異性体(化合物A、BおよびC)からなり、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(化合物A)は、実際、図2に示す4種類の立体異性体の混合物、即ち、3,7−ジメチル−2E,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2E,6Z−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2Z,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2Z,6Z−ノナジエンニトリルとの混合物である。
「7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル」(化合物B)という用語は、2種類の立体異性体、即ち、7−メチル−3−メチレン−6E−ノネンニトリルと7−メチル−3−メチレン−6Z−ノネンニトリル(図2参照)とを包含する。
3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(化合物C)はまた、4種類の立体異性体(図2参照)の混合物、即ち、3,7−ジメチル−3E,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3E,6Z−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3Z,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3Z,6Z−ノナジエンニトリルとの混合物である。
本発明の方法で得られる生成物は、
◇好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が60〜90組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜10組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が10〜30組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇より好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が70〜85組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜5組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が15〜25組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇さらにより好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が76〜83組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜2組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が17〜22組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇最も好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が約80組成%であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が約0組成%であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が約20組成%であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
である。
これらの工程のどれを行うかにより、得られる生成物の品質が異なる:
◇工程a)〜c)、即ち、工程a)、c)およびb)だけを行う場合、粗製品質のメチルリモニトリルが得られる。本発明に関して「粗製品質」とは、さらなる精製を行う前であるが、組成%で前述した所望の立体異性体A、BおよびCの比を有するメチルリモニトリルを意味する。
◇全工程a)〜f)を行う場合(下記の本発明の最も好ましい実施形態の説明および図7を参照)、嗅覚品質のメチルリモニトリルが得られる。本発明に関して「嗅覚品質」とは、香味料および香料として使用するのに好適であり、>98面積%の純度を有する純粋で、無色で、香りのよい生成物を意味する。
嗅覚品質のメチルリモニトリルの使用分野は、消費財または日用品の芳香化である。このような消費財および日用品の非限定例としては、清浄化組成物、例えば、精練組成物、クリーナー;表面、例えば、家具、床、キッチン機器、窓ガラスおよび窓、ならびにフロントガラスを処理するためのケア組成物;洗剤、柔軟剤;洗濯用処理組成物;テキスタイル処理組成物、例えば、アイロン掛け助剤;ならびに漂白剤および漂白液、トイレ用ブロック剤、水垢除去剤、芳香剤(エア・ケア);香料組成物、例えば、香水類用の香料組成物;化粧料組成物、ならびに、肥料、建築材料、金型用除去剤、消毒剤、およびカーケア用製品がある。
◇工程e)(高沸点物質の除去)を行わない場合、メチルリモニトリルは無色ではない。
◇工程f)(低沸点物質の除去)を行わない場合、メチルリモニトリルは悪臭を放つ。
メチルリモニトリルの製造(工程a)の反応スキームを示す図である。 メチルリモニトリルの10種類の立体異性体(化合物A、B、C)を示す図である。 次の反応条件:CNA0.75mol、ピリジン1.2mol、1,4−ジアミノブタン0.04mol、およびEH1mol、EH1kg当たりトルエン1.1kg(反応混合物を4時間還流した);に関する濃度−時間図である。「A」は「化合物A」を意味し、「B」は、「化合物B」を意味し、「C」は「化合物C」を意味する。X軸は、反応時間を時間[h]の単位で記載し、Yl軸(左側)は化合物A、BおよびCの含有量を[面積%]の単位で記載し、Y2軸(右側)はEHの含有量を[面積%]の単位で記載している。 次の反応条件:CNA0.75mol、ピリジン1.2mol、酢酸アンモニウム0.04mol、およびEH1mol、EH1kg当たりトルエン1.1kg(反応混合物を6時間還流した);に関する濃度−時間図である。「A」は「化合物A」を意味し、「B」は、「化合物B」を意味し、「C」は「化合物C」を意味する。X軸は、反応時間を時間[h]の単位で記載し、Yl軸(左側)は化合物A、BおよびCの含有量を[面積%]の単位で記載し、Y2軸(右側)はEHの含有量を[面積%]の単位で記載している。 抽出し、140℃の温度で高沸点物質を除去した後のメチルリモニトリル異性体の安定性を示す図であり、X軸は時間を時間[h]の単位で記載し、Yl軸(左側)は化合物BおよびCの割合を[組成%]の単位で記載し、Y2軸(右側)は化合物Aの割合を[組成%]の単位で記載している。 次の条件:シアノ酢酸1mol、ピリジン1.2mol、1,4−ジアミノブタン0.01molおよびEH1molの混合物ならびにEH1kg当たりトルエン1.1kgを2時間還流、4時間以内の溶媒+塩基の除去(トルエおよびピリジンの除去)、141℃で4時間異性化;での、シーケンス全体、即ち、反応(工程a))、蒸留(工程b))、異性化(工程c))に関する濃度−時間図である。「A」は「化合物A」を意味し、「B」は、「化合物B」を意味し、「C」は「化合物C」を意味し、「蒸留開始」は「蒸留の開始」、即ち、ピリジンおよびトルエンの除去(工程b)の開始を意味し、「蒸留終了」は「蒸留の終了」、即ち、工程b)の終了を意味する。X軸は、(反応)時間を時間[h]の単位で記載し、Yl軸(左側)は化合物A、BおよびCの含有量を[面積%]の単位で記載し、Y2軸(右側)はEHの含有量を[面積%]の単位で記載している。 全工程a)〜f)を有する本発明の方法を視覚化する図である。
[本発明の最も好ましい実施形態]
本発明の最も好ましい実施形態は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含む嗅覚品質のメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、反応および二酸化炭素と水の除去が塩基としてのピリジンおよび共塩基としての1,4−ジアミノブタンの存在下、有機溶媒としてのトルエン中で行われる工程;
b)トルエンとピリジンを留去して反応混合物を得る工程;
c)工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化して、異性化された反応混合物を得る工程;
d)異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、メチルリモニトリルを含有する有機相を水相から分離し、有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する工程;
d−2)任意選択により、工程d)で得られた水相をトルエンで逆抽出し、その後でトルエンを除去し、このようにして除去されたトルエンを任意選択により工程d−2)にリサイクルする工程;
e)工程d)で得られた有機相から有色成分と高沸点不純物を分離する工程;
f)工程e)で得られた留出物から低沸点不純物を分離して、嗅覚品質を達成する工程であって、これらの低沸点不純物が主にEHである工程;
f2)任意選択により、工程f)で得られたEHを工程a)にリサイクルする工程;
を含む方法である。
工程a)、b)、c)、d)、e)およびf)は、前述のように、且つ所与の好ましい条件で行われる。
[工程d2)]
トルエンでの逆抽出によりメチルリモニトリルの全収率は増加するが、工程e)の前にトルエンを再度除去しなければならないという欠点がある。トルエンの除去は、精留または蒸留により達成することができ、バッチ式または連続式で行うことができる。
従って、好ましくは、逆抽出を行わない。しかし、それを行う場合、このようにして除去されたトルエンを、有利には工程d−2)にリサイクルし、更なる逆抽出を行うために再使用する。
高沸点物質の除去により製造された留出物(工程e)の生成物)が二相性である場合、さらに処理を行う前に水相を分離しなければならない。これは、逆抽出を行わない場合である。
[工程f2)]
好ましくは、この工程を行う、即ち、このようにして除去された未変換のEHを、完全に(好ましい)または部分的に工程a)にリサイクルする。
「嗅覚品質のメチルリモニトリル混合物」という用語は、この混合物の純度が>98面積%であることを意味する。
次の非限定例で、本発明をさらに説明する。
[実施例]
[実施例1]
[I)メチルリモニトリルの製造]
冷却器、ディーン・スターク装置および撹拌機を備えた0.5リットルの反応器(二重ジャケット)内で、トルエン153g(約180ml)、シアノ酢酸85.5g(1mol)、エチルヘプテノン(EH)140g(1mol)、ピリジン99g、および1,4−ジアミノブタン0.95g(0.01mol)をN下で反応器に充填し、加熱する。混合物を2時間還流して水と二酸化炭素を除去する。その後、溶媒(主にトルエンとピリジンとからなる)を4時間以内ゆっくり留去する。それにより、内部温度は141℃に上昇し、溶媒をほぼ完全に除去するために、141℃の内部温度を維持することにより真空に引く(絶対圧力200ミリバールに低下させる)。その後、141℃でさらに4時間以内、反応混合物を異性化し、所望の異性体比を達成する。反応混合物の重量を測定し(148.8g)、GCにより分析した:EH11重量%、メチルリモニトリル78.8重量%(A:B:Cの異性体比=80.2:0.1:19.6−全て組成%の単位)。
結果:EH変換率:85.6%;EHに基づくメチルリモニトリルの収率:75.3%;EHに基づくメチルリモニトリルの選択性:87.9%。
[II)反応混合物の抽出]
Iで得られた反応混合物145.1gを希硫酸(8重量%HSO水溶液)52.1gで、30分間60℃で洗浄する。相分離後、有機層をさらに脱イオン水49.3gで、60℃で洗浄する。合わせた水層をトルエン41.8gで、60℃で逆洗浄する。このトルエンでの水層の逆抽出は省略することができ、収率の損失は極少量である。トルエンでの逆洗浄を省略すると、その結果、トルエンの留去工程も省略される。
結果:メチルリモニトリルの抽出収率:99.7%。
[III)トルエンと高沸点物質の除去]
合わせた有機層(抽出、逆抽出)49.8gを、浴温100℃および30ミリバールのロータリーエバポレータで1/2時間蒸留し、トルエン(5.23g)を除去する。その後、浴温を180℃に上昇させる。次の組成:トルエン4重量%、EH14重量%、メチルリモニトリル79重量%(A:B:C=72.3:0.2:27.5)を有する留出物34.83gを得る。高沸点不純物は残留物として残存する。
結果:留出物中のメチルリモニトリルの収率:92%(即ち、蒸留に使用されたメチルリモニトリル92%)。別の実施例では、収率96.5%を達成した。
[IV)未反応の6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)のリサイクル]
高沸点物質の除去により製造された留出物(III参照)をさらに処理して低沸点物質の除去工程に供し:主にEHとトルエンである低沸点化合物を、減圧下での蒸留または精留により分離する。これにより製造された留出物を、トルエン、ピリジンおよび1,4−ジアミノブタン(DAB)の存在下でのシアノ酢酸との反応に戻し、「新しい」EHを部分的に代替する。新しいEHを全部、低沸点物質除去工程の留出物で代替しても、反応はうまく進行する。従って、未変換のEHの除去およびリサイクルは、全収率を増加するのに有益である。
[実施例2〜7:塩基の変化]
実施例2〜7の結果を本明細書に記載の表1に要約する。
変換率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量に基づく。
収率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
選択性は、変換された6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表1に記載する。
反応時間(工程a)):特記しない場合、6時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
シアノ酢酸:6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル比=0.75mol/mol。
化合物Cはそれ以上化合物Aに異性化しないため、共塩基として酢酸アンモニウムを用いてメチルリモニトリルの所望の立体異性体比を得ることは可能ではない、表1の実施例5および6を参照。
[実施例8〜19:共塩基の変化]
実施例8〜19の結果を本明細書に記載の表2に要約する。
変換率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンの量に基づく。
収率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
選択性は、変換された6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表2に記載する。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
シアノ酢酸:6−エチル−5−ヘプテン−2−オン:のモル比=0.75mol/mol。
[実施例20〜39:ピリジン−1,4−ジアミノブタン]
[a)実施例20〜22:共塩基1,4−ジアミノブタンの量の変化]
結果を下記の表3に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表3に記載する。
シアノ酢酸の量=0.75mol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量=1mol;ピリジンの量=1.25mol。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
Figure 2015506996

[b)実施例23〜26:塩基ピリジンの量の変化]
結果を下記の表4に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表4に記載する。
シアノ酢酸の量=0.75mol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量=1mol;1,4−ジアミノブタンの量=0.04mol。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
Figure 2015506996

[c)実施例27〜29:シアノ酢酸の量の変化]
結果を下記の表5に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表5に記載する。
シアノ酢酸の量:xmol、ピリジンの量=1.65・xmol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量=1mol;1,4−ジアミノブタンの量=0.04mol。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
Figure 2015506996

[d)実施例30〜32:6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の添加時間の変化]
結果を下記の表6に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表6に記載する。
シアノ酢酸の量=0.75mol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量=1mol;ピリジンの量=1.3mol;1,4−ジアミノブタン(DAB)の量=0.04mol。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
Figure 2015506996

[e)実施例33〜39:異性化に対する温度、共塩基の量および濃度の影響]
結果を本明細書に記載の表7に要約する。これらの実施例は、実施例1−Iで記載したように行われる。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表7に記載する。
シアノ酢酸の量=1mol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量=1mol;ピリジンの量=1.2mol;
還流2時間、(部分的)溶媒除去に2時間、異性化に4時間。
[f)実施例40〜42:未変換のEHのリサイクル]
結果を下記の表8に要約する。これらの実施例は、実施例1−Iで記載したように行われる。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表8に記載する。
シアノ酢酸の量=1mol;6−エチル−5−ヘプテン−2−オンの量=1mol;ピリジンの量=1.3mol、1,4−ジアミノブタンの量=0.01mol。
還流(700ミリバール)2時間、溶媒除去に4時間、141℃での異性化に2時間。
Figure 2015506996

表8から分かるように、未変換のEHをさらなる反応バッチに成功裏に使用することができる。
Figure 2015506996

Figure 2015506996

Figure 2015506996

Claims (19)

  1. 3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含むメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
    a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、前記反応および前記二酸化炭素と水の除去が、塩基および共塩基の存在下、有機溶媒中で行われ、前記塩基がピリジンであり、前記共塩基が1,4−ジアミノブタンであり、前記有機溶媒が、水と異相共沸混合物を形成する溶媒である工程;
    b)前記工程a)または工程c)を行った後に得られる反応混合物から前記溶媒およびピリジンを留去して、反応混合物を得る工程;
    c)前記工程a)または工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を得る工程;
    を含み、
    工程c)の前または後に、工程b)を行うことができる方法。
  2. 前記有機溶媒が、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサン、ヘプタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機溶媒がトルエンである、請求項1および/または2に記載の方法。
  4. 前記工程がa)、b)およびc)の順番で行われる、即ち、工程b)が工程c)の前に行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記除去された溶媒およびピリジンを工程a)にリサイクルする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、前記メチルリモニトリルを含有する有機相を前記水相から分離し、前記有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する追加の工程(工程d))を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記水相を前記溶媒で逆抽出し、前記溶媒を除去する追加の工程を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記有機相から有色成分および高沸点不純物を分離する追加の工程(工程e))を含む、請求項6および/または7に記載の方法。
  9. 低沸点不純物を分離する追加の工程(工程f)を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記低沸点不純物が未変換の6−メチル−5−オクテン−2−オンを含有し、この低沸点6−メチル−5−オクテン−2−オンを完全にまたは部分的に前記反応(工程a))にリサイクルする追加の工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含む嗅覚品質のメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
    a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、前記反応および前記二酸化炭素と水の除去が塩基としてのピリジンおよび共塩基としての1,4−ジアミノブタンの存在下、有機溶媒としてのトルエン中で行われる工程;
    b)トルエンとピリジンを留去して反応混合物を得る工程;
    c)前記工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を得る工程;
    d)前記異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、前記メチルリモニトリルを含有する有機相を前記水相から分離し、前記有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する工程;
    d−2)任意選択により、前記工程d)で得られた水相をトルエンで逆抽出し、その後で前記トルエンを除去し、このようにして除去されたトルエンを任意選択により工程 d−2)にリサイクルする工程;
    e)前記工程d)で得られた有機相から有色成分と高沸点不純物を分離する工程;
    f)前記工程e)で得られた留出物から低沸点不純物を分離する工程であって、これらの低沸点不純物が未反応の6−メチル−5−オクテン−2−オンを含有する工程;
    f2)任意選択により、前記6−メチル−5−オクテン−2−オンを工程a)にリサイクルする工程;
    を含む方法。
  12. 前記シアノ酢酸対6−メチル−5−オクテン−2−オンのモル比が、(0.5〜1.5mol):1molの範囲、好ましくは(0.7〜1.3mol):1molの範囲、より好ましくは(0.75〜1.1mol):1molの範囲、最も好ましくは(0.9〜1.1mol):1molの範囲である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ピリジンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.5〜1.5molの範囲であり、好ましくは前記ピリジンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.7〜1.3molの範囲である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記1,4−ジアミノブタンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.005〜0.15molの範囲であり、好ましくは前記1,4−ジアミノブタンの量が6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.01〜0.1molの範囲であり、より好ましくは前記1,4−ジアミノブタンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.01〜0.05molの範囲である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記溶媒の量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1kg当たり0.5〜2kgの範囲であり、好ましくは前記溶媒の量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1kg当たり0.8〜1.5kgの範囲であり、より好ましくは前記溶媒の量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1kg当たり0.9〜1.2kgの範囲であり、最も好ましくは前記溶媒の量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1kg当たり0.95〜1.15kgの範囲である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が60〜90組成%の範囲であり、前記7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜10組成%の範囲であり、前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が10〜30組成%の範囲であり、これらは全て前記化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、前記組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が70〜85組成%の範囲であり、前記7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜5組成%の範囲であり、前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が15〜25組成%の範囲であり、これらは全て前記化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、前記組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が76〜83組成%の範囲であり、前記7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜2組成%の範囲であり、前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が17〜22組成%の範囲であり、これらは全て前記化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、前記組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が約80組成%であり、前記7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が約0組成%であり、前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が約20組成%であり、これらは全て前記化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、前記組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
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