JP6221183B2 - メチルリモニトリルの新規な製造方法 - Google Patents
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Description
メチルリモニトリル中の化合物A(3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル)の割合が、60〜90組成%(好ましくは70〜85組成%、より好ましくは76〜83組成%、最も好ましくは約80組成%)の範囲であり、
化合物B(7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル)の割合が、0〜10組成%(好ましくは0〜5組成%、より好ましくは0〜2組成%、最も好ましくは約0組成%)の範囲であり、
メチルリモニトリル中の化合物C(3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル)の割合が、10〜30組成%(好ましくは15〜25組成%、より好ましくは17〜22組成%、最も好ましくは約20組成%)の範囲であり、これらは全て化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合は合計100組成%になり、
混合物中のメチルリモニトリルの総量、即ち、純度が、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定した場合、95〜100面積%(好ましくは97〜100面積%、より好ましくは98〜100面積%)であり、測定条件は、10種類の立体異性体(図2参照)が全てガスクロマトグラム中で異なるピークを示すように選択される、
メチルリモニトリルに当てはまる。
メチルリモニトリルの純度が95面積%、化合物Aの量が80組成%(A:(A+B+C)=80%)、化合物Bの量が0組成%、および化合物Cの量が20組成%のプロセス生成物がある場合、それは、実際、プロセス生成物の全重量に基づき、プロセス生成物中の化合物Aの量が76面積%(0.95×80%)であり、プロセス生成物中の化合物Bの量が0面積%であり、プロセス生成物中の化合物Cの量が19面積%(0.95×20%)であることを意味する。
従って、この必要は本発明により満たされ、本発明は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとを含む混合物の製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、反応および二酸化炭素と水の除去が、塩基および共塩基1の存在下、有機溶媒中で行われ、有機溶媒が水と異相共沸混合物を形成する溶媒である工程;
b)工程a)または工程c)を行った後に得られる反応混合物から溶媒と塩基を留去して反応混合物を得る工程であって、この工程を任意選択により共塩基2の存在下で行うことができる工程;
c)工程a)または工程b)を行った後に得られる反応混合物を共塩基2の存在下で異性化し、異性化された反応混合物を得る工程;
を含み、
工程c)の前または後に、工程b)を行うことができる方法に関する。
シアノ酢酸(CNA)および6−メチル−5−オクテン−2−オン(6−エチル−5−ヘプテン−2−オン;EH)を出発原料として使用する。通常、CNA対EHのモル比は、(0.5〜1.5mol):1molの範囲、好ましくは(0.7〜1.3mol):1molの範囲、より好ましくは(0.75〜1.1mol):1molの範囲、最も好ましくは(0.9〜1.1mol):1molの範囲である。
好適な塩基としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、2,3−ルチジン(2,3−ジメチルピリジン)、2,4−ルチジン(2,4−ジメチルピリジン)、2,5−ルチジン(2,5−ジメチルピリジン)、2,6−ルチジン(2,6−ジメチルピリジン)、2,3,4−コリジン(2,3,4−トリメチルピリジン)、2,3,5−コリジン(2,3,5−トリメチルピリジン)、2,3,6−コリジン(2,3,6−トリメチルピリジン)、2,4,6−コリジン(2,4,6−トリメチルピリジン)、およびピペリジン、ならびにこれらの任意の混合物がある。
好適な共塩基1は、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ピペリジン、モルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、酢酸アンモニウムおよびアンモニア水溶液ならびにこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
水と異相共沸混合物を形成するとは、溶媒と水が互いに混和しないまたは部分的にしか混和しない共沸混合物を、溶媒と水が形成することを意味する。
メチルリモニトリルの製造は、より詳細に後述する幾つかの工程に分割することができる。
a)塩基および共塩基1の存在下、有機溶媒中でCNAとEHとを反応させる工程;
b)任意選択により共塩基2の存在下で蒸留により有機溶媒と塩基を留去する工程;
c)工程b)で得られた反応混合物を共塩基2の存在下で所望の異性体比に異性化する工程;
d)希釈された酸で抽出する工程;
e)高沸点不純物(「高沸点物質」)を除去する工程;
f)低沸点化合物(「低沸点物質」)を除去し、未反応の6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)をリサイクルする工程;
である。
全工程a)〜f)はまた、バッチ式または連続式のいずれかで行うことができる。
本発明の別の利点は、工程a)〜c)をワンポット法として行うことができるということである。
反応は、0.3〜1.5バール(絶対圧力)の範囲の圧力で、好ましくは0.5〜1.2バール(絶対圧力)の範囲の圧力で、より好ましくは0.7〜1.0バール(絶対圧力)の範囲の圧力で行われる。EHとCNAとの反応およびH2OとCO2の除去を行う温度は、反応混合物を還流する温度によって決まる。
この工程は、100〜180℃の範囲の最終温度で、好ましくは120〜170℃の範囲の最終温度で、より好ましくは130〜160℃の範囲の最終温度で行われる。トルエンが溶媒であり、ピリジンが塩基である場合、この工程は、最も好ましくは140〜150℃の範囲の最終温度で行われる。留去された溶媒混合物(溶媒と塩基;とりわけトルエンとピリジン)を、メチルリモニトリル製造の更なる反応バッチに使用することができる、即ち、それを工程a)にリサイクルすることができる。
この工程は、100〜180℃の範囲の温度で、好ましくは120〜170℃の範囲の温度で、より好ましくは130〜160℃の範囲の温度で行われる。異性化を行う圧力は重要ではなく、実際的な理由で、0.1〜2バール(絶対圧力)の範囲内で選択される。最も好都合には、この工程は大気圧で行われる。
工程b)の後に工程c)を行う場合(好ましい)、工程c)で得られた未処理の生成物から、または、工程c)の後に工程b)を行う場合、工程b)で得られた未処理の生成物からメチルリモニトリルを抽出するために、好ましくは強酸の水溶液を抽出媒体として使用する。
希硫酸水溶液:1〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%;
希塩酸水溶液:1〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%;
希酢酸水溶液:5〜20重量%)、より好ましくは8〜15重量%;
を有し、前述の濃度を有する希硫酸水溶液が最も好ましい。
工程d)で得られた有機相から、有色成分および他の高沸点成分を除去し、無色透明から淡黄色の生成物(いわゆる「留出物」)を得る。この工程はまた、異性体比の安定性にも有益である。この工程に好適な条件:減圧、好ましくは0〜100ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力、より好ましくは10〜50ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力、最も好ましくは15〜30ミリバール(絶対圧力)の範囲の圧力での蒸留。
高沸点物質の除去により製造される留出物(工程e)の生成物)が二相性である場合、即ち、工程d)で逆抽出を行わない場合、さらに処理を行う前に、水相を分離しなければならない。
メチルリモニトリルは、10種類の立体異性体(化合物A、BおよびC)からなり、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(化合物A)は、実際、図2に示す4種類の立体異性体の混合物、即ち、3,7−ジメチル−2E,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2E,6Z−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2Z,6E−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−2Z,6Z−ノナジエンニトリルとの混合物である。
◇好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が60〜90組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜10組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が10〜30組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇より好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が70〜85組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜5組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が15〜25組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇さらにより好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が76〜83組成%の範囲であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜2組成%の範囲であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が17〜22組成%の範囲であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
◇最も好ましくは、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が約80組成%であり、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が約0組成%であり、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が約20組成%であり、これらは全て、化合物A、BおよびCを合わせた量に基づいており、組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になるメチルリモニトリル;
である。
◇工程a)〜c)、即ち、工程a)、c)およびb)だけを行う場合、粗製品質のメチルリモニトリルが得られる。本発明に関して「粗製品質」とは、さらなる精製を行う前であるが、組成%で前述した所望の立体異性体A、BおよびCの比を有するメチルリモニトリルを意味する。
本発明の最も好ましい実施形態は、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含む嗅覚品質のメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、反応および二酸化炭素と水の除去が、塩基としてのピリジン、および共塩基1としての酢酸アンモニウムもしくはアンモニア水溶液もしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物の存在下(好ましくは共塩基1としての酢酸アンモニウムまたはアンモニア水溶液または1,5−ジアミノペンタンの存在下)、有機溶媒としてのトルエン中で行われる工程;
b)トルエンとピリジンを留去して反応混合物を得る工程であって、共塩基2(1,4−ジアミノブタンもしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物;好ましくは1,4−ジアミノブタンまたは1,5−ジアミノペンタン、より好ましくは1,4−ジアミノブタン)の少なくとも一部を添加する工程;
c)工程b)を行った後に得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を共塩基2としての1,4−ジアミノブタンもしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物の存在下(好ましくは1,4−ジアミノブタンまたは1,5−ジアミノペンタンの存在下、より好ましくは1,4−ジアミノブタンの存在下)で得る工程;
d)異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、メチルリモニトリルを含有する有機相を水相から分離し、有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する工程;
d−2)任意選択により、工程d)で得られた水相をトルエンで逆抽出し、その後、トルエンを除去し、このようにして除去されたトルエンを任意選択により工程d−2)にリサイクルする工程;
e)工程d)で得られた有機相から有色成分および高沸点不純物を分離する工程;
f)工程e)で得られた留出物から低沸点不純物を分離し、嗅覚品質を達成する工程であって、これらの低沸点不純物が主にEHである工程;
f2)任意選択により、工程f)で得られたEHを工程a)にリサイクルする工程;
を含む方法である。
トルエンでの逆抽出によりメチルリモニトリルの全収率は増加するが、工程e)の前にトルエンを再度除去しなければならないという欠点がある。トルエンの除去は、精留または蒸留により達成することができ、バッチ式または連続式で行うことができる。
好ましくは、この工程を行う、即ち、このようにして除去された未変換のEHを、完全に(好ましい)または部分的に工程a)にリサイクルする。
[実施例1]
[I)メチルリモニトリルの製造]
冷却器、ディーン・スターク装置および撹拌機を備えた0.5リットルの反応器(二重ジャケット)内で、トルエン153g(約180ml)、シアノ酢酸85.5g(1mol)、エチルヘプテノン(EH)140g(1mol)、ピリジン99g、および1,4−ジアミノブタン0.95g(0.01mol)をN2下で反応器に充填し、加熱する。混合物を2時間還流して水と二酸化炭素を除去する。その後、溶媒(主にトルエンとピリジンとからなる)を4時間以内ゆっくり留去する。それにより、内部温度は141℃に上昇し、溶媒をほぼ完全に除去するために、141℃の内部温度を維持することにより真空に引く(絶対圧力200ミリバールに低下させる)。その後、141℃でさらに4時間以内、反応混合物を異性化し、所望の異性体比を達成する。反応混合物の重量を測定し(148.8g)、GCにより分析した:EH11重量%、メチルリモニトリル78.8重量%(A:B:Cの異性体比=80.2:0.1:19.6−全て組成%の単位)。
Iで得られた反応混合物145.1gを希硫酸(8重量%H2SO4水溶液)52.1gで、30分間60℃で洗浄する。相分離後、有機層をさらに脱イオン水49.3gで、60℃で洗浄する。合わせた水層をトルエン41.8gで、60℃で逆洗浄する。このトルエンでの水層の逆抽出は省略することができ、収率の損失は極少量である。トルエンでの逆洗浄を省略すると、その結果、トルエンの留去工程も省略される。
合わせた有機層(抽出、逆抽出)49.8gを、浴温100℃および30ミリバールのロータリーエバポレータで1/2時間蒸留し、トルエン(5.23g)を除去する。その後、浴温を180℃に上昇させる。次の組成:トルエン4重量%、EH14重量%、メチルリモニトリル79重量%(A:B:C=72.3:0.2:27.5)を有する留出物34.83gを得る。高沸点不純物は残留物として残存する。
高沸点物質の除去により製造された留出物(III参照)をさらに処理して低沸点物質の除去工程に供し:主にEHとトルエンである低沸点化合物を、減圧下での蒸留または精留により分離する。これにより製造された留出物を、トルエン、ピリジンおよび1,4−ジアミノブタン(DAB)の存在下でのシアノ酢酸との反応に戻し、「新しい」EHを部分的に代替する。新しいEHを全部、低沸点物質除去工程の留出物で代替しても、反応はうまく進行する。従って、未変換のEHの除去およびリサイクルは、全収率を増加するのに有益である。
実施例2〜7の結果を本明細書に記載の表1に要約する。
変換率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オン(EH)の量に基づく。
収率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
選択性は、変換された6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表1に記載する。
反応時間(工程a)):特記しない場合、6時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
シアノ酢酸:6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル比=0.75mol/mol。
実施例8〜19の結果を本明細書に記載の表2に要約する。
変換率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンの量に基づく。
収率は、6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
選択性は、変換された6−エチル−5−ヘプテン−2−オンのモル量に基づくメチルリモニトリルのモル量である。
これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表2に記載する。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
シアノ酢酸:6−エチル−5−ヘプテン−2−オン:のモル比=0.75mol/mol。
[a)実施例20〜22:共塩基1,4−ジアミノブタンの量の変化]
結果を下記の表3に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表3に記載する。
反応時間(工程a)):特記しない場合、4時間(還流);蒸留(工程b))0.25時間、異性化(工程c))0時間。
結果を下記の表4に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表4に記載する。
結果を下記の表5に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表5に記載する。
結果を下記の表6に要約する。これらの実施例は、実施例1−I)およびII)で記載したように行われる、即ち、工程III)およびIV)を行わない。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表6に記載する。
結果を本明細書に記載の表7に要約する。これらの実施例は、実施例1−Iで記載したように行われる。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表7に記載する。
還流2時間、(部分的)溶媒除去に2時間、異性化に4時間。
結果を下記の表8に要約する。これらの実施例は、実施例1−Iで記載したように行われる。条件が実施例1のものと異なる場合、その差異をここにまたは表8に記載する。
還流(700ミリバール)2時間、溶媒除去に4時間、141℃での異性化に2時間。
Claims (16)
- 3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル(化合物A)と、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリル(化合物B)と、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリル(化合物C)との混合物を含むメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、前記反応および前記二酸化炭素と水の除去が、塩基および共塩基1の存在下、有機溶媒中で行われ、
前記有機溶媒が水と異相共沸混合物を形成する溶媒である工程;
b)前記工程a)または工程c)で得られる反応混合物から溶媒と塩基を留去し、反応混合物を得る工程であって、この工程を任意選択により共塩基2の存在下で行うことができる工程;
c)前記工程a)または工程b)で得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を共塩基2の存在下で得る工程;
を含み、
工程c)の前または後に、工程b)を行うことができ、
前記塩基が、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,3,5−コリジン、2,3,6−コリジンおよび2,4,6−コリジンならびにこれらの任意の混合物からなる群から選択され、
前記共塩基1が、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ピペリジン、モルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、酢酸アンモニウムおよびアンモニア水溶液ならびにこれらの任意の混合物からなる群から選択され、
前記共塩基2が、1,4−ジアミノブタンもしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物からなる群から選択される、方法。 - 前記有機溶媒が、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサン、ヘプタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記工程がa)、b)およびc)の順番で行われる、即ち、工程b)が工程c)の前に行われる、請求項1または2に記載の方法。
- 前記除去された溶媒および前記塩基を工程a)にリサイクルする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、前記メチルリモニトリルを含有する有機相を前記水相から分離し、前記有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する追加の工程(工程d))を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記水相を前記溶媒で逆抽出し、前記溶媒を除去する追加の工程を含む、請求項5に記載の方法。
- 前記有機相から有色成分および高沸点不純物を分離する追加の工程(工程e))を含む、請求項5または6に記載の方法。
- 低沸点不純物を分離する追加の工程(工程f))を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記低沸点不純物が未変換の6−メチル−5−オクテン−2−オンを含有し、この低沸点6−メチル−5−オクテン−2−オンを完全にまたは部分的に反応(工程a))にリサイクルする追加の工程を含む、請求項8に記載の方法。
- 3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルと、3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと、7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの混合物を含む嗅覚品質のメチルリモニトリルの製造方法であって、次の工程:
a)6−メチル−5−オクテン−2−オンをシアノ酢酸と反応させ、二酸化炭素と水を除去する工程であって、前記反応および前記二酸化炭素と水の除去が、塩基としてのピリジン、および共塩基1としての酢酸アンモニウムもしくはアンモニア水溶液もしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物の存在下、有機溶媒としてのトルエン中で行われる工程;
b)トルエンとピリジンを留去して反応混合物を得る工程であって、共塩基2としての1,4−ジアミノブタンもしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物の少なくとも一部を添加する工程;
c)前記工程b)で得られる反応混合物を異性化し、異性化された反応混合物を共塩基2としての1,4−ジアミノブタンもしくは1,5−ジアミノペンタンもしくはピペリジンまたはこれらの任意の混合物の存在下で得る工程;
d)前記異性化された反応混合物を希釈された酸で抽出し、それにより有機相と水相が形成され、前記メチルリモニトリルを含有する有機相を前記水相から分離し、前記有機相を脱イオン水で1回以上洗浄する工程;
d−2)任意選択により、前記工程d)で得られた水相をトルエンで逆抽出し、その後、前記トルエンを除去し、前記このようにして除去されたトルエンを任意選択により工程d−2)にリサイクルする工程;
e)前記工程d)で得られた有機相から有色成分および高沸点不純物を分離する工程;
f)前記工程e)で得られた留出物から低沸点不純物を分離する工程であって、これらの低沸点不純物が主に未反応の6−メチル−5−オクテン−2−オンである工程;
f2)任意選択により、前記工程f)で得られた6−メチル−5−オクテン−2−オンを工程a)にリサイクルする工程;
を含む方法。 - 前記シアノ酢酸対6−メチル−5−オクテン−2−オンのモル比が、(0.5〜1.5mol):1molの範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ピリジンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.5〜1.5molの範囲である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記1,4−ジアミノブタンの量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1mol当たり0.005〜0.15molの範囲である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶媒の量が、6−メチル−5−オクテン−2−オン1kg当たり0.5〜2kgの範囲である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの割合が60〜90組成%の範囲であり、前記7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルの割合が0〜10組成%の範囲であり、前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルの割合が10〜30組成%の範囲であり、これらは全て前記化合物A、BおよびCを合せた量に基づいており、前記組成%で記載されているA、BおよびCの割合が合計100組成%になる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記3,7−ジメチル−3,6−ノナジエンニトリルと7−メチル−3−メチレン−6−ノネンニトリルとの総量が、前記3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリルの量に基づき0.01〜10重量%の範囲である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
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