JP2015506928A - 末梢神経障害の回復を促進するための方法、システムおよび組成物 - Google Patents

末梢神経障害の回復を促進するための方法、システムおよび組成物 Download PDF

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Abstract

いくつかの実施形態は、限定されることなく、被験体の末梢神経障害の回復を促進するための治療方法を含む。当該治療方法は、サイモシンベータ4、アミノ酸配列LKKTETまたはLKKTNT、および/または、そのいずれかの保存的変異体、それらの材料のいずれかの生成を刺激する薬剤、またはその保存的変異体からなる治療上有効な量の組成物を、このような治療を必要とする被験体に投与するステップを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2011年12月23日に出願され全体が引用によりこの明細書中に援用される米国仮出願連続番号第61/579,951号の利益を主張する。
技術分野
いくつかの実施形態は、末梢神経障害の回復を促進する分野に関するが、これらに限定されない。
背景
末梢神経障害は、真性糖尿病の合併症のうち最も一般的で障害を引起こしやすいもののうちの1つである。当該技術において、末梢神経障害の回復を促進するための有効な方法、システムおよび組成物が依然として必要とされている。
概要
いくつかの実施形態の以下の実施例は、本発明をこの明細書中に記載されるこれらの実施形態だけに限定することなく、かつ、如何なる実施形態または主題の権利をも放棄することなく提供される。
いくつかの実施形態は、末梢神経障害の回復を促進する方法を含む。当該方法は、サイモシンベータ4、その保存的変異体を含むがこれらに限定されないアミノ酸配列LKKTETもしくはLKKTNTを含むペプチド剤、または、LKKTETペプチドもしくはLKKTNTペプチドの生成を刺激する刺激剤、もしくはその保存的変異体を含む、治療上有効な量の組成物を、このような処理を必要とする被験体に投与するステップを含む。
図面の簡単な説明
いくつかの実施形態をここで、添付の図面に関連付けて、他の実施形態の権利を放棄することなく、例示だけを目的として説明する。
Τβ4が坐骨神経における血管機能を向上させることを表すデータを示す画像およびデータ表現である。 Τβ4が血管壁におけるオクルディン免疫反応面積を増加させることを表すデータを示す画像およびデータ表現である。 神経機能に対するΤβ4の作用を表すデータを示すデータ表現である。 神経機能に対するΤβ4の作用を表すデータを示すデータ表現である。 Τβ4が糖尿病のマウスモデルにおける内皮細胞およびシュワン細胞上でのAng1発現をアップレギュレートすることを表すデータを示す画像およびデータ表現である。 Ang/Tie2シグナル伝達経路が内皮機能に対するΤβ4の作用を媒介することを表すデータを示す画像およびデータ表現である。 Τβ4で治療されたシュワン細胞によって分泌されるAng1が内皮機能を改善させることを表すデータを示す画像およびデータ表現である。
詳細な説明
この明細書中に明らかに開示される実施形態のみに限定することなく、如何なる実施形態または主題の権利をも放棄することなく、如何なる特定の理論にも縛られることなく、いくつかの実施形態は、糖尿病患者、たとえばII型糖尿病または真性糖尿病を患った患者などの末梢神経障害の回復を促進するための、サイモシンベータ4(「Τβ4」もしくは「TB4」とも)などのアクチン隔離ペプチド、および/または、アミノ酸配列LKKTETもしくはLKKTNT、あるいはその保存的変異体を含有するアクチン隔離ペプチドもしくはペプチド断片を含む他の薬剤を含む。
サイモシンβ4は、初めは、生体外での内皮細胞の遊走および分化中にアップレギュレートされるタンパク質として同定された。サイモシンベータ4は、当初、胸腺から単離されたものであって、さまざまな組織において同定される43アミノ酸で、4.9kDa遍在ポリペプチドである(たとえば配列番号1を参照されたい。但しこれには限定されない;正確な配列中にいくつかの種変異体が存在する可能性があり、任意およびすべてのこのような配列はいくつかの実施形態を含み得る。加えて、いくつかの実施形態は、単に一例として、限定されることなく、配列の一方端または両端にいくつかの化学基が追加されていてもよい。以下に列挙された配列番号2を参照されたい)。いくつかの役割、たとえば、内皮細胞の分化および遊走、T細胞分化、アクチン隔離、血管新生および創傷治癒における役割が、このタンパク質に起因している。
いくつかの実施形態は、被験体における末梢神経障害の回復を促進する方法を含む。当該方法は、KLKKTET(配列番号5)、LKKTETQ(配列番号6)、Τβ4のN−末端変異体、Τβ4のC−末端変異体およびΤβ4のアンタゴニストを含むがこれらに限定されない、アミノ酸配列LKKTETまたはLKKTNT(それぞれ配列番号3および配列番号4)、または、その保存的変異体、好ましくはサイモシンベータ4、および/またはΤβ4アイソフォーム、類似体または誘導体を含むポリペプチドであり得るペプチド剤を含む、治療上有効な量の組成物をこのような治療を必要とする被験体に投与するステップを含む。いくつかの実施形態はまた、酸化したΤβ4を利用してもよい。他の実施形態に従うと、薬剤はサイモシンベータ4以外であるかまたは酸化したΤβ4以外である。いくつかの実施形態においては、ペプチド剤は、組換えペプチドもしくは合成ペプチド、または単離ペプチドもしくは精製ペプチドであってもよい。
いくつかの実施形態に従って用いられ得る組成物は、サイモシンベータ4(Τβ4)、および/または酸化Τβ4、Τβ4のN−末端変異体、Τβ4のC−末端変異体およびΤβ4のアンタゴニストを含むΤβ4アイソフォーム、類似体もしくは誘導体など;本質的にアミノ酸配列LKKTETもしくはその保存的変異体を含むかまたはそれからなるポリペプチドまたはペプチド断片など、のペプチド剤を含む。この明細書中に引用により援用される国際出願番号PCT/US99/17282は、いくつかの実施形態に従うと有用になり得るΤβ4のアイソフォームと、いくつかの実施形態で利用され得るアミノ酸配列LKKTETおよびその保存的変異体とを開示する。この明細書中に引用により援用される国際出願番号PCT/GB99/00833(WO99/49883)は、いくつかの実施形態に従って利用され得る酸化サイモシンβ4を開示する。いくつかの実施形態が主としてΤβ4およびΤβ4アイソフォームに関連付けて以下に説明されるが、以下の説明が、末梢神経障害疾患抑制作用を有するアミノ酸配列LKKTETまたはLKKTNT、LKKTETもしくはLKKTNTまたはその保存的変異体を本質的に含むかまたはそれからなるペプチドおよび断片、ならびに/または、Τβ4のN−末端変異体、Τβ4のC−末端変異体およびΤβ4のアンタゴニストを含むΤβ4アイソフォーム、類似体もしくは誘導体に等しく適用可能となるように意図されたものであることが理解されるはずである。いくつかの実施形態はまた、酸化Τβ4を利用し得る。
いくつかの実施形態は、被験体における末梢神経障害の回復を促進する方法を含む。当該方法は、アミノ酸配列LKKTETもしくはLKKTNT、その保存的変異体を含むペプチド剤、または、LKKTETペプチドもしくはLKKTNTペプチド、もしくはその保存的変異体の生成を刺激する刺激剤を含む、治療上有効な量の組成物を、上記のような治療を必要とする被験体に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態は、被験体における末梢神経障害の回復を促進する方法を含む。当該方法は、アミノ酸配列KLKKTET、アミノ酸配列LKKTETQ、Τβ4のN−末端変異体、Τβ4のC−末端変異体、および/または、Τβ4のアイソフォームからなるペプチド剤を含む、治療上有効な量の組成物をこのような治療を必要とする被験体に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態は、この明細書中に記載されるペプチド剤を含有する治療上有効な量の組成物と罹患組織を接触させることによって、被験体における末梢神経障害の回復を促進する方法を含む。直接投与の例として、たとえば、この明細書中に記載されるペプチド剤を含む溶液、ローション、膏薬、ゲル、クリーム、ペースト、噴霧剤、懸濁液、分散液、ヒドロゲル、軟膏、または油をたとえば直接塗布するかまたは吸入させることによって組織に接触させることを含む。全身投与として、たとえば、注射用の水などの薬学的に許容可能な基材中にこの明細書中に記載されるペプチド剤を含有する組成物を静脈内注射、腹腔内注射および筋肉内注射することを含む。
いくつかの実施形態で使用されるペプチド剤は、この明細書中に記載されるように、任意の有効量で投与され得る。たとえば、この明細書中に記載されるペプチド剤は、約0.0001マイクログラム〜1,000,000マイクログラムの範囲内、より好ましくは約0.1マイクログラム〜5,000マイクログラムの範囲内、最も好ましくは約1マイクログラム〜100マイクログラムの範囲内の投与量で投与されてもよい。
いくつかの実施形態に従った組成物は、毎日、一日おき、一週間おき、一か月おきなどに、一投与日につき単回または複数回、たとえば、一投与日につき2回、3回、4回以上など、投与することができる。
多くのΤβ4アイソフォームが同定されており、Τβ4の公知のアミノ酸配列に対して約70%、約75%、または約80%以上の相似性を有する。このようなアイソフォームは、たとえば、Τβ4ala、Τβ9、Τβ10、Τβ11、Τβ12、Τβ13、Τβ14およびΤβ15を含む。Τβ4と同様に、Τβ10アイソフォームおよびΤβ15アイソフォームはアクチンを隔離することが判明している。Τβ4、Τβ10およびΤβ15、ならびにこれらの他のアイソフォームは、アクチン隔離またはアクチン結合の媒介に関与するように見えるアミノ酸配列、LKKTETまたはLKKTNTを共有する。如何なる特定の理論によっても縛られることは望まれないが、この明細書中に記載されるペプチド剤の作用は、少なくとも部分的には、このような薬剤の抗炎症作用に起因するものであるかもしれない。Τβ4はまた、アクチン重合を調整することができる(たとえば、β−サイモシンは、遊離したG−アクチンを隔離することによってF−アクチンを脱重合するように見える)。アクチン重合を調整するΤβ4の能力は、LKKTET配列またはLKKTNT配列を介してアクチンに結合するかまたはアクチンを隔離する能力に起因するものであるかもしれない。このため、Τβ4と同様に、抗炎症性であるおよび/またはアクチンを結合もしくは隔離するか、またはアクチン重合を調整する他のタンパク質は、アミノ酸配列LKKTETまたはアミノ酸配列LKKTNTを有するΤβ4アイソフォームを含め、この明細書中に記載されるように、単独で、または、Τβ4と組み合わせると、有効になる可能性がある。
このため、Τβ4ala、Τβ9、Τβ10、Τβ11、Τβ12、Τβ13、Τβ14およびΤβ15などのΤβ4アイソフォームならびにまだ同定されていないΤβ4アイソフォームを含む、この明細書中に記載される公知のLKKTETペプチドまたはLKKTNTペプチドがいくつかの実施形態の方法において有用になるであろうことが特に企図される。そのため、Τβ4アイソフォームを含む、この明細書中に記載されるLKKTETぺプチドまたはLKKTNTペプチドは、被験体において実施される方法を含むいくつかの実施形態の方法において有用である。いくつかの実施形態は、Τβ4や、Τβ4アイソフォーム、Τβ4ala、Τβ9、Τβ10、Τβ11、Τβ12、Τβ13、Τβ14およびΤβ15を含むこの明細書中に記載されるLKKTETペプチドまたはLKKTNTペプチドと、薬学的に許容可能な基材とを含む医薬組成物を提供する。
加えて、抗炎症作用および/またはアクチン隔離能力もしくはアクチン結合能力を有する他の薬剤もしくはタンパク質、または、適切な隔離、結合、流動もしくは重合アッセイにおいて実証されるようにアクチンを移動させるかもしくはアクチン重合を調整することができる他の薬剤もしくはタンパク質、または、LKKTETもしくはLKKTNTなどのアクチン結合を媒介するアミノ酸配列の存在によって同定される他の薬剤もしくはタンパク質は、たとえば、いくつかの実施形態の方法において同様に用いることができる。このようなタンパク質は、たとえば、ゲルソリン、ビタミンD結合タンパク質(DBP)、プロフィリン、コフィリン、デパクチン、Dnasel、ビリン、フラグミン、セベリン、キャッピングタンパク質、β−アクチニンおよびアクメンチン(acumentin)を含み得る。このような方法が被験体に実施される方法も含む場合、いくつかの実施形態はさらに、この明細書中に記載されるように、ゲルソリン、ビタミンD結合タンパク質(DBP)、プロフィリン、コフィリン、デパクチン、Dnasel、ビリン、フラグミン、セベリン、キャッピングタンパク質、β―アクチニンおよびアクメンチンを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態は、アミノ酸配列LKKTETまたはアミノ酸配列LKKTNTおよびその保存的変異体を含むポリペプチドの使用を含む。
「保存的変異体」という語またはその文法上の変形例は、この明細書中で用いられる場合、別の生物学的に同様の残留物によるアミノ酸残基の置換物(replacement)を示す。保存的変異体の例には、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンなどの疎水性残基と別のものとの置換物、極性残基と別のものとの置換例、たとえば、アルギニンとリジンとの置換物、グルタミン酸とアスパラギン酸との置換物、またはグルタミンとアスパラギンとの置換物、などが含まれる。
Τβ4は、いくつかの組織および細胞のタイプに局在化された。このため、この明細書中に記載されるΤβ4または別のペプチド剤などのLKKTETペプチドまたはLKKTNTペプチドの生成を刺激する薬剤は、組織および/または細胞からのペプチド剤の生成を引起こす組成物に追加することができるか、または当該組成物を含むことができる。このような刺激剤は、インスリン様成長因子(IGF−1)、血小板由来性成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF−β)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、サイモシンα1(Tα1)および血管内皮成長因子(VEGF)などの成長因子の族メンバを含み得る。より好ましくは、刺激剤は、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF−β)またはTGF−β上科の他のメンバである。
いくつかの実施形態に従うと、被験体は、この明細書中に規定されるペプチド剤の、被験体内での生成を刺激する刺激剤で治療される。
加えて、末梢神経障害の回復を促進する他の薬剤が、この明細書中に記載されるペプチド剤と共に組成物に加えられてもよい。たとえば、限定としてではなく、この明細書中に記載されるペプチド剤を、単独でまたは組合わせて、治療上有効な量の抗生物質、VEGF、KGF、FGF、PDGF、TGFβ、IGF−1、IGF−2、IL−1、プロサイモシンαおよび/またはサイモシンαといった薬剤のうちいずれか1つ以上と組合わせて、追加することができる。
いくつかの実施形態は、この明細書中に記載される治療上有効な量のペプチド剤を薬学的に許容可能な基材中に含む医薬組成物を含む。
治療効果をもたらす実際の投与量もしくは試薬、調合物または組成物は、被験体の体の大きさおよび健康状態を含む多くの要因に依存する可能性がある。しかしながら、当業者であれば、使用すべき適切な投与量を決定するために、以前にPCT/US99/17282に開示され、そこに引用される文献に開示されるように、臨床投与量を決定するための方法および技術を記載する教示を用いることができる。
好適な調合物は、この明細書中に記載されるペプチド剤を、約0.001重量パーセント〜50重量パーセントの範囲内の濃度、より好ましくは約0.01重量パーセント〜0.1重量パーセントの範囲内の濃度、最も好ましくは約0.05重量パーセントの濃度で含み得る。
いくつかの実施形態に関してこの明細書中に記載される治療法は、被験体に対する、(たとえば、直接投与、局所注射、吸入または全身投与を含むが、これらに限定されない)従来の如何なる投与技術をも含む、この明細書中に記載されるペプチド剤のさまざまな投与ルートまたは送達ルートを含む。この明細書中に記載されるペプチド剤を用いるかまたは含む方法および組成物は、薬学的に許容可能な無毒な賦形剤または基材との混合物によって医薬組成物に調剤されてもよい。
実施例
以下の実施例は、本発明をこの明細書中に記載される実施形態だけに限定することなく、かつ、他の実施形態または主題の権利を放棄することなく提供される。
実施例1
背景:末梢神経障害は、真性糖尿病の合併症のうち最も一般的で障害を引起こしやすい合併症の1つである。我々は、サイモシンβ4(「Τβ4」)が坐骨神経における糖尿病誘発型の神経血管機能障害を改善させ、糖尿病性末梢神経障害からの神経機能の回復を促進するかどうかを評価した。我々の評価結果は、サイモシンベータ4がII型糖尿病マウスの末梢神経障害の回復を促進することを示している。
方法および結果:末梢神経障害を患ったdb/dbマウスのΤβ4治療により、坐骨神経中の機能血管密度および局所的な血流を実質的に増加させて、神経機能を改善させた。Τβ4は、アンギオポエチン−1(Ang1)の発現をアップレギュレートしたが、糖尿病患者の坐骨神経内の内皮細胞およびシュワン細胞におけるAng2発現は抑制した。生体外で、高グルコース条件下でΤβ4を用いて人の臍静脈内皮細胞(HUVECs:Human Umbilical Vein Endothelial Cells)を定温培養すると、高グルコース・ダウンレギュレート型のAng1発現(high glucose-downregulated Ang1 expression)および高グルコース低下型の毛状管形成(high glucose-reduced capillary-like tube formation)が完全に消失した。さらに、Τβ4で治療された人のシュワン細胞(HSCs:Human Schwann cells)から集められた順化培地を用いて高グルコース下でHUVECsを定温培養することにより、高グルコース低下型毛状管形成を有意に反転させた。Tie2に対する中和された抗体は、HUVECsに対するΤβ4および順化培地の作用を抑制した。Τβ4は、HSCs上のAktを活性化させ、一方、PI3K阻害剤(LY294003)でPI3K/Aktを阻害することでAktを不活性化し、Ang1アップレギュレーションに対するΤβ4の作用を抑制した。
我々の結果は、Τβ4が、糖尿病性末梢神経障害のあるマウスモデルにおいて坐骨神経の血管機能および末梢神経機能を著しく予想外に向上させたことを実証している。Τβ4は、如何なる特定の理論によっても縛られることなく、内皮細胞およびシュワン細胞に作用して、坐骨神経における血管機能を維持するおよび/または回復させることにより、糖尿病性神経障害状態下での末梢神経機能の改善を促進する可能性がある。
末梢神経障害は、真性糖尿病の合併症のうち最も一般的で障害を引起こしやすい合併症の1つである。実験動物および人の糖尿病性末梢神経障害に関する研究では、糖尿病性神経障害の発症が、著しい神経血管機能障害に密接に関連付けられることが示されている1−3。血管機能障害は、神経損傷につながる神経伝達速度障害が現れるよりも前に発生する3−5
サイモシンベータ4(Τβ4)、すなわち43アミノ酸の小さな4.9kDaポリペプチドは、主要な細胞内Gアクチン隔離ペプチドである。その複数の生物学的機能の中でも、Τβ4は、心筋梗塞および脈管形成後、血管形成をその発症中に促進する10、11。Τβ4は、現在、急性心筋梗塞を患った患者の治療のためのフェーズII臨床試験段階である12。Τβ4が糖尿病性神経障害に対して治療効果を有しているかどうかは、我々の業績以前には知られていなかった。
アンギオポエチン(Ang1およびAng2)ならびにそれらの受容体Tie−2は血管発生およびホメオスタシスを調節する17、18。Ang−1は、血管の安定化および成熟化を促進するのに対して、Ang2は、血管内皮成長因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)のバイオアベイラビリティに応じて、Ang1シグナル伝達の部分アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する17、19、20。Ang/Tie2シグナル伝達経路は、糖尿病のある状態で血管機能を媒介する際に重要な役割を果たす21、22。高血糖はAng1をダウンレギュレートし、Ang2をアップレギュレートする21、23。Ang1レベルが上昇すると、糖尿病によって誘発される未熟な血管構造が正常化される24。血管形成の増大によって生じるAng1が心筋梗塞を抑制するのに対して、Ang2レベルの上昇は、糖尿病を患ったネズミの梗塞を悪化させる21。糖尿病性末梢神経障害を患った患者は、Ang2を循環させるレベルが高くなっていた25。しかしながら、糖尿病性末梢神経障害に対するAng/Tie2シグナル伝達経路の作用はまだ大規模には研究されていない。
我々は、II型糖尿病のマウスモデルを用いて、Τβ4による糖尿病性末梢神経障害の治療が神経血管機能障害を改善し、末梢神経機能を向上させるかどうかを評価した。加えて、我々は、糖尿病性末梢神経障害がある状態でAng/Tie2シグナル伝達経路に対するΤβ4の作用を評価した。
方法:
動物 − 実験手順はすべて、実験動物の管理と使用に関するNIH指針(NIH Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に従って行なわれ、ヘンリー・フォード・ホスピタル(Henry Ford Hospital)の施設内動物管理使用委員会によって承認された。生後20週の雄のBKS.Cg-m+l+Lepdb/J(db/db)マウス(ジャクソン研究所(Jackson Laboratories)、バーハーバー(Bar Harbor)、メイン州(Maine))を用いた。同年齢のヘテロ接合体マウス(db/m)非浸透遺伝子型(ジャクソン研究所)を対照動物として用いた。
Τβ4治療 − Τβ4を投与量6mg/kgまたは24mg/kg(RegeneRx社、腹腔内注射(i.p.:intraperitoneal injection))で生後20週のdb/dbマウスに4週間にわたって3日おきに投与して治療した(n=10/群)。同じ容量の生理食塩水で治療された同年齢のdb/dbマウス(n=10/群)を対照群として用いた。Τβ4(3日おきに6mg/kgを腹腔内注射;n=10/群)または生理食塩水(n=10/群)で治療された同年齢のdb/mマウスを追加の対照群として用いた。すべてのマウスは最初の治療後8週間で殺処分した。Τβ4の投与量は公開済みの研究に基づいて選択された13
レーザドップラ血流測定による局所的坐骨神経血流の測定
局所的な坐骨神経血流は、レーザドップラ流速計(LDF PeriFlux PF4, Perimed AB, Jarfalla、スウェーデン)を用いて実験の終わり(最初の治療後8週目)に測定された26。簡潔にいえば、麻酔下で、マウスを定位フレーム上に載せた。左側の坐骨神経は中大腿領域で露出され、動物の直腸温度はフィードバック制御された水浴を用いて、測定期間中、37±1.0℃で維持された。マイクロマニピュレータを用いて、LDFプローブを坐骨神経の表面に配置して、灌流単位で表わされる相対的なフロー値を5分ごとに合計3回記録した。db/mマウスから得られた局所的な坐骨神経血流値はベースライン値として用いられた。データはベースライン値の百分率で示される。
神経生理学的測定
坐骨神経伝達速度は、先に記載したように、順方向記録技術で評価された27。簡潔にいえば、トリガ型単一矩形波電流パルスは、孤立パルス刺激装置(Model 2100, A-M Systems, Everett, WA)を用いて送達された。同時に行われた筋電図検査は、Grass Amplifier(Model P5, Grass Instruments, Quincy, MA)を用いて、内在する足筋肉に配置された2つの滅菌済み電極によって記録された。測定中、動物の直腸温度はフィードバック制御された水浴を用いて、37±1.0℃に維持された。運動神経伝達速度(MCV:Motor nerve conduction velocity)および知覚神経伝達速度(SCV:sensory nerve conduction velocity )は、公開済みの研究に従って計算された
テールフリックテストおよびホットプレートテスト − 温熱性痛覚過敏を調べるために、公開済みの方法に従ってテールフリックテストおよびホットプレートテストを採用した27−29。簡潔にいえば、テールフリックテストの場合、マウスは、円錐形のポリプロピレン管に拘束され、その管の開口部から尾を露出させた。マウスの尾を約2cmだけ52℃±0.2の湯浴に浸し、このげっ歯動物がぴくっと動くかまたはその尾を引っ込めるまでの時間を記録した28。ホットプレートテストの場合、マウスはプレキシガラスのチャンバ内または透明なガラス表面上に配置され、少なくとも20分間そこで順応させた。熱刺激メータ(IITC Model 39 Hot Plate Analgesia Meter, IITC Life Science, CA)を55℃(製造業者による設定)の床温度で用いた。放射熱に応じて足を引っ込めるまでの待ち時間を記録した29。10秒および15秒の遮断期間を挟むことにより、テールフリックテストおよびホットプレートテストのそれぞれによる組織損傷を回避した。両方のテストにおいて、1匹の動物ごとに少なくとも3つの読取り値が15分間隔で得られ、平均が計算された。
免疫組織化学 − 公開済みのプロトコルに従って、左側および右側の坐骨神経を中大腿レベルで分離し、4%のパラホルムアルデヒドに固定し、パラフィンに埋込んだ27。我々の公開済みプロトコルに従って免疫染色するために、各動物ごとに(60μmずつ隔てた)10列のうち1列における3つの横断面(6μm厚)または3つの縦断面(6μm厚)を用いた27。以下の一次抗体、すなわち、多クローン性ラビット抗Ang1(1:2000;Abcam, Cambridge, MA)、単クローン性マウス抗CD31抗体(1:500; BD Biosciences, San Jose, CA)、多クローン性ラビット抗フォン・ヴィレブランド因子(vWF:Von Willebrand Factor)(1:300;Dako, Carpenteria, CA)、単クローン性マウス抗オクルディン(1:200;Zymed, San Francisco, CA)、および、多クローン性ラビット抗S100(1:400、Abcam)を用いた。ラビットまたはヤギのIgGはネガティブ対照群として用いられた。断面は4’、6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)(1:5000)で対比染色された。
画像解析および定量化 − 坐骨神経における微小血管の灌流を検査するために、フルオレセイン・イソチオシアネート(FITC:fluorescein isothiocyanate)−デキストラン(2×10分子量、Sigma;50mg/mLの0.2ml)をマウスに10分間静脈内投与してから殺処分した30。坐骨神経は速やかに除去され、2%のパラホルムアルデヒドに2時間漬けられた。次いで、凍結した横断面については、神経をOCT化合物に包埋した。各々のマウスから60μm間隔で得られた3つの凍結した横断面(20μm/断面、厚さ)が画像解析に用いられた。断面は、マイクロコンピュータ撮像デバイス(MCID:Micro Computer Imaging Device)システム(Imaging Research Inc, St. Catharines, ON, Canada)によって20倍の顕微鏡対物レンズ(Zeiss Axiophot)下でデジタル化された30。FITC−デキストラン潅流容器の総数を数えて、総組織面積で割って血管密度を判断した。
vWFの免疫反応性血管形態および密度を解析するために、各々のマウスから得られた3つの切片を60μm間隔をあけて配置したものを用いた。1切片当たり3視野を20倍の対物レンズ下でランダムに撮像し、vWF免疫反応性血管周囲長とvWF陽性血管の総数とをMCIDを用いて測定した。
すべての解析は、研究中のサンプルが何であるかを知らされていない試験者によって行なわれた。
細胞培養
我々は、通常のグルコース媒体(NG)を、5mMグルコースを含有する媒体として規定する一方で、高グルコース媒体(HG)については、コントロール不良な糖尿病患者に多く見られるグルコースレベルに一致するよう選択された30mMグルコースを含有する媒体としている31。生体外での高血糖実験についてのこれらのグルコース濃度は他でも用いられてきた32、33
初代培養に由来する人のシュワン細胞(HSCs(Human Schwann cells);ScienCell Research Laboratories, Carlsbad, CA)および人の臍静脈内皮細胞(HUVEC(Human Umbilical Vein Endothelial Cells);American Type Culture Collection, ATCC, Manassas, VA)は、製造業者(ScienCell Research LaboratoriesおよびATCC)の指示に従って培養された。HSCsに対するΤβ4の作用を調べるために、HSCsは、24時間または72時間にわたり、さまざまな濃度のΤβ4(0ng/ml、25ng/ml、50ng/mlおよび100ng/ml)が存在する状態で、NG条件下またはHG条件下で培養された。細胞は、リアルタイムRT−PCRおよびウエスタンブロット解析のために採取された。HSCsから順化培地を集めるために、2.5×10HSCsを、1.2mlの規定された培地中の35mm直径の皿上で平板培養した(plated onto)。細胞は、24時間にわたり、Τβ4(100ng/ml)がある状態またはない状態で、NG条件下またはHG条件下で培養された。次いで、HSCsはPBSで3回洗浄され、新鮮な無血清媒体が追加されて過度のΤβ4汚染が回避された。細胞をさらに48時間培養し、上澄み(順化培地)を集めて、1000rpmで10分間にわたり遠心分離機にかけて、−80℃で保存した。
生体外での血管形成に対するΤβ4の作用を評価するために、毛状管評価解析を用いた34−36。簡潔に述べると、HUVECs(2×10細胞)を、Τβ4(0ng/ml、25ng/ml、50ng/mlおよび100ng/ml)がある状態またはない状態で、5時間にわたり、順化培地またはダルベッコ改変イーグル培地(DMEM:Dulbecco's Modified Eagle Medium)中で、Matrigel(BD Biosciences, Rockville, MD)によってコーティングされた96−ウェルプレート上で培養した。管の全長は、MCIDを用いて、各ウェルから3つのランダムな範囲で測定された37
リアルタイムRT−PCR
製造業者の指示に従って、細胞からの全RNAサンプルを、Stratagene Absolutely RNA MicroRNA分離キット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて分離した。相補的DNA(cDNA:complementary DNA)は、ランダムな六量体およびM−MLV逆転写酵素(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いて、同じ濃度のRNA生成物全体から逆転写された。SYBRグリーン・リアルタイムPCR方法38を用いて、製造業者によって提供される3段階プログラムパラメータによってABI 7000 PCR器具(Applied Biosystems, Foster City, CA)上で定量的PCRを以下のように実行した。50℃で2分、95℃で10分、次いで、95℃で15秒および60℃で1分を40サイクル。生成された増幅産物の特異性は解離反応プロットを調べることによって確認された。各サンプルは3回繰り返してテストされた。3つの独立した実験から得られたサンプルは、2−△△CT法を用いて、相対的な遺伝子発現を解析するのに用いられた39。リアルタイムPCRのための以下のプライマは、Primer Expressソフトウェア(ABI)を用いて設計された:グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)(FWD,AGA ACA TCA TCC CTG CAT CC(配列番号7);REV,CAC ATT GGG GGT AGG AAC AC(配列番号8))、および、Ang1(FWD,GAA GGG AAC CGA GCC TAT TC(配列番号9);REV,GCT GAA ATC AGC ACC GTG TA(配列番号10))、Ang2(FWD,CAG ATC CGG GCT CTA GAC AG (配列番号11);REV,TCC GGA AAT CGT TCT TCA TC(配列番号12))。
ウエスタンブロット解析
ウエスタンブロットは公開済みの方法に従って実行された38。簡潔に説明すると、等量のタンパク質を10%のSDSポリアクリルアミドゲルに塗布した。電気泳動後、タンパク質をニトロセルロース膜に転写し、次に、ブロットを以下の抗体で精査した。多クローンウサギ抗Ang1(1:1000;Abcam、Cambridge, MA)、多クローンウサギ抗Ang2(1:1000;Abcam)、Phospho−Akt(1:1000、Cell Signaling Technology, Inc. Danvers, MA)、およびAkt(1:1000;Cell Signaling Technology)。検出のために、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合二次抗体を用いた(1:2000)後、高度な化学ルミネセンス現像(Pierce, Rockford, IL)が発生した。結果は、β−アクチン抗体を用いて並行してウエスタンブロットを実行することによって確実に正規化された。光学濃度は、画像処理および解析プログラム(Scion Image, Ederick, MA)を用いて定量化された。
統計解析
データの正常性について評価した。データが正常でなかった場合、データ媒体変換が検討された。結果として、ランク付けされたデータを解析に用いた。一般化推定方程式(Generalize Estimating Equation(GEE))を用いた包括的検査を実行して、測定された機能回復についての集団差をテストした。解析を開始して、治療の全体群に対する効果をテストし、その後、全体群に対する効果が0.05レベルで検出された場合、0.05レベルでサブ群を解析した。用量効果がすべての結果に関して一致している(たとえば、正相関)場合、複数の結果に対する包括的テストは1つの結果よりも効率的となる。機能回復に対する有意な用量効果(包括的テストに基づいてp<0.05)は、個々の結果について0.05でさらにテストされるだろう。一元配置分散解析(one-way ANOVA)を用いて全体的な群効果をテストした。データは平均±SEとして示される。P<0.05の値は有意とみなされた。
結果:
我々のデータは、Τβ4が坐骨神経において糖尿病誘発型の血管機能不全を改善させることを示した。
db/dbマウスが神経脈管構造の障害を発症するどうかを調べるために、我々は、生後28週のマウスの坐骨神経における神経脈管の微細血管を検査した。神経脈管のvWF免疫反応性血管を解析することにより、db/dbマウスの血管周囲長が、同年齢のdb/mマウスと比較して著しく低下することが明らかになったが、血管密度は、これらの2つの群間ではさほど異なっていなかった(db/mマウスで73.5±10.5対56.9±6.4、p>0.05)(図1)。図1は、Τβ4が坐骨神経における血管機能を改善させることを示すデータを含む。パネルAからCは、代表的なdb/mマウス(A)、生理食塩水で治療されたdb/dbマウス(B)、およびΤβ4(24mg/kg、C)で治療されたdb/dbマウスから得られた坐骨神経の断面におけるvWF免疫反応性血管を示す。パネルDからFは、代表的なdb/mマウス(D)、生理食塩水(E)で治療されたdb/dbマウス、およびΤβ4(24mg/kg、F)で治療されたdb/dbマウスから得られた坐骨神経の断面におけるFITCデキストラン潅流血管を示す。パネルGおよびIは、vWF免疫反応性血管周囲長(G、n=6/群)の定量的データ、FITCデキストラン潅流血管(H、n=4/群)およびオクルディン免疫反応性血管(I、n=6/群)の密度、ならびに、db/mマウスを基準として100%とした坐骨神経血流の変化百分率(J、n=4/群)を示す。dm=db/mマウス;db=db/dbマウス。加えて、db/dbマウスは、オクルディン、密着結合タンパク質、免疫反応性血管の大幅な低下を示した(図1)。db/dbマウスの血管周囲長が短くなったことが血管機能に影響を与えるかどうかを調べるために、我々は、機能的血管7、26および局所血流量を表わす血漿潅流微細血管を測定した。血漿潅流血管を測定するために、我々は、FITCデキストランをマウスに静脈内注射し、次に、注射後、FITCデキストランが生理学的条件下で血管系全体にわたって循環するのに十分な時間である10分が経過してから、これらマウスを殺処分した。坐骨神経の断面上のFITCデキストラン潅流血管の定量解析により、db/dbマウスでは、db/mマウスに比べて、FITCデキストランによって潅流された微小血管密度が有意に低下していることが明らかになった(図1)。同時に、LDFによって測定された坐骨神経血流が、db/mマウスと比較して、db/dbマウスでは有意に低下していた(図1)。ともに、これらのデータは、糖尿病が坐骨神経における血管機能不全を引起こすことを示しており、このことは公開済みの研究と一致している6、7、40。しかしながら、生後20週から始めて4週間にわたり6mg/kgから24mg/kgの投与量のΤβ4で治療されたdb/dbマウスは、db/mマウスで測定されたレベルに近い、生理食塩水で治療されたdb/dbマウスと比較して、生後28週で、血管周囲長、オクルディン免疫反応性血管、FITCデキストラン潅流血管の密度、および坐骨神経血流について有意な増加を示した(図1)。同様に、図2のデータは、Τβ4が血管壁におけるオクルディン免疫反応面積を増加させることを示す。パネルAからLは、CD31免疫反応性血管(緑)が、代表的なdb/mマウス(A−D、dm)、生理食塩水で治療されたdb/dbマウス(E−H、db)、およびΤβ4で治療されたdb/dbマウス(24mg/kg、l−L)からオクルディン陽性(赤)であったことを示す。パネルMは、オクルディン免疫反応面積の百分率の定量的データを示す。#p<0.05対生理食塩水で治療されたdb/dbマウス。n=6/群。これらのデータは、Τβ4が坐骨神経における糖尿病誘発型の血管機能不全を改善させることを示す。
我々のデータは、Τβ4が糖尿病のマウスにおける神経機能を向上させることを示した。
末梢神経伝達の障害は、末梢神経障害を患っている糖尿病患者についての代表的指標であり41、42、血管機能不全は神経伝達に悪影響を及ぼす4、5。したがって、我々は、Τβ4による局所的な血流量の増大が坐骨神経における運動神経伝達速度および感覚伝達速度(MCVおよびSCV)に影響を及ぼすかどうかを評価した。電気生理学的記録では、MCVおよびSCVが、他者によって報告された値に匹敵する、同年齢のdb/mマウス(図3)と比較して、db/dbマウスでは著しく遅くなったことが示された7、43。図3は、神経機能に対するΤβ4の作用に関するデータを示す。Τβ4でdb/dbマウスを治療することにより、MCV(A)、SCV(B)、テールフリックテスト(C)およびホットプレートテスト(D)によって評価される神経機能が改善される。P<0.05および#P<0.05対、それぞれ、生理食塩水で処理されたdb/mマウスおよびdb/dbマウス。n=10/群。dm=db/mマウス;db=db/dbマウス。4週間にわたり投与量6mg/kgおよび24mg/kgのΤβ4でdb/dbマウスを治療することにより、生理食塩水で治療されたdb/dbマウスと比較して、Τβ4治療の終わりにおいて、かつ、治療の終了後4週間で、MCVおよびSCVの両方に著しい改善が見られた(図3)。次いで、我々は、テールフリックテストおよびホットプレートテストでの熱レイテンシを測定することによって、感覚機能に対するΤβ4治療の効果を調べた。db/dbマウスをΤβ4で治療することにより、Τβ4治療の終了時に始まった熱レイテンシを著しく改善させた。これは、治療の終了後(実験期間の終わり)少なくとも4週間続いた(図4)。非糖尿病マウスに対するΤβ4の作用を調べるために、我々は、Τβ4を6mg/kg投与してdb/mマウスを治療したが、上述の方法によって測定されるような如何なる機能上の変化も検出されなかった。図4を参照されたい。6mg/kgのΤβ4でdb/mマウスを治療しても、MCV(A)、SCV(B)、テールフリックテスト(C)およびホットプレートテスト(D)によって評価される神経機能に変化はなかった。n=10マウス/群。dm=db/mマウス。これらのデータは、Τβ4が糖尿病マウスの末梢神経機能を改善させることを示す。
Τβ4でdb/dbマウスを治療しても、血中グルコースレベルおよび動物の体重は有意に変化しなかった(表1および表2)。
我々のデータは、Τβ4が坐骨神経における血管新生促進遺伝子を調節することを示した。
Ang1レベルおよびAng2レベルの変質作用は糖尿病患者および実験的糖尿病において検出された21、25。これらの血管形成遺伝子に対するΤβ4の作用を調べるために、我々は、Ang1およびAng2のタンパク質レベルを測定した。図5は、Τβ4が糖尿病マウスの内皮細胞およびシュワン細胞上でのAng1発現をアップレギュレートすることを表すデータを示す。坐骨神経組織におけるAng1レベルおよびAng2レベルならびにβ−アクチンのウエスタンブロット解析(AおよびB)は内部対照群として用いられた。二重免疫蛍光検査染色の代表的な画像は、Ang1免疫反応性(C、F、G、J、赤、矢印)がCD31陽性血管(D、F、緑)およびS100陽性シュワン細胞(H、J、緑、矢印)に共定位されたことを示す。P<0.05および#P<0.05対db/mマウスおよび生理食塩水で治療されたdb/dbマウス。n=6/群。dm=db/mマウス;db=db/dbマウス。坐骨神経のウエスタンブロット解析は、db/dbマウスにおけるAng1レベルの大幅な低下およびAng2レベルの増加を示した(図5)のに対して、Τβ4でdb/dbマウスを治療することにより、Ang1発現が著しく増加したが、Ang2発現は低下した(図5)。二重免疫染色は、Ang1免疫反応性細胞がCD31(内皮細胞のマーカ)およびS100(シュワン細胞のマーカ)について陽性であることを明らかにした(図5)。総体的に、これらのデータは、Τβ4が糖尿病マウスにおける内皮細胞およびシュワン細胞上でのAng1発現をアップレギュレートすることを示す。
我々のデータは、Ang/Tie2シグナル伝達経路が内皮機能に対するΤβ4の作用を媒介することを示した。
上述の生体内データは、Ang1遺伝子およびAng2遺伝子が、糖尿病マウスにおける、Tβ4で改善された血管機能に影響することを示唆している。高血糖条件下での内皮細胞に対するこれらの遺伝子の因果関係を調べるために、我々は、内皮機能を生体外で調べるために広く用いられている毛状管形成評価解析を用いて、生体外で実験を行った34、35、37、44。図6は、Ang/Tie2シグナル伝達経路が内皮機能に対するΤβ4の作用を媒介することを表わすデータを示す。代表的な顕微鏡画像(A)および定量的データ(B)は、規定のグルコース(N)、高グルコース(H)、Τβ4を含む高グルコース(H+TB4、100ng/ml)、および、Tie2に対する中和抗体の存在下(+Tie2、5μg/ml)においてΤβ4を含む高グルコース中で培養されたHUVECsにおける毛状管形成を示す。リアルタイムRT−PCR(C)およびウエスタンブロット(D)データは、規定のグルコース(N)、高グルコース(H)、Τβ4(+TB4)を含む高グルコース、およびLY294003の存在下(+LY、10μΜ))でΤβ4を含む高グルコースで培養されたHUVECsにおけるAng1およびAng2のmRNAレベルおよびタンパク質レベルを示す。パネルEは、上に列挙されたさまざまな条件下で培養されたHUVECsにおけるpAktおよび総Aktのウエスタンブロット解析を示す。GAPDHおよびβ−アクチンはそれぞれ、mRNAおよびタンパク質のための内部対照群として用いられた。P<0.05、#P<0.05および$P<0.05対規定のグルコース(N)、高グルコース(H)およびΤβ4(100ng/ml)群を含む高グルコース。n=6/群。高グルコース条件下でHUVECsを培養することにより、規定のグルコース条件下で培養されたHUVECsと比較して、毛細管状管形成が低減された(図6)。しかしながら、Τβ4は、毛細管状管形成の低減に対する高グルコースの作用を抑制した(図6)。定量的RT−PCRおよびウエスタンブロット解析は、高グルコースでHUVECsを培養することにより、Ang1発現を実質的に低下させ、Ang2発現を増大させたことを示した(図6)のに対して、Τβ4は、Ang1およびAng2の高グルコース誘発型発現を消失させた(図6)。Ang1およびAng2の受容体であるTie2をTie2に対する移植抗体でブロックすることにより、Tβ4増加型の毛状管形成が抑制された(図6)。これらのデータは、Ang/Tie2シグナル伝達経路が、高血糖症下で、Tβ4によって改善された内皮機能を媒介する際に、重要な役割を果たすことを示す。
我々のデータは、T4で治療されたシュワン細胞によって分泌されたAng1が内皮機能を改善させることを示した。
内皮細胞に加えて、我々の生体内二重免疫染色データは、シュワン細胞がAng1を発現させたことを示した。したがって、我々は、シュワン細胞におけるアンギオポエチン発現に対するΤβ4の作用を調べた。図7は、T4で治療されたシュワン細胞によって分泌されたAng1が内皮機能を改善させることを表すデータを示す。リアルタイムRT−PCR(A)およびウエスタンブロット(B)のデータは、規定のグルコース(N)、高グルコース(H)、Τβ4(+TB4)を含む高グルコース、およびLY294003(+LY)がある状態でΤβ4を含む高グルコースで培養されたHSCsにおけるAng1およびAng2のmRNAレベルおよびタンパク質レベルを示す。パネルCは、上に列挙されたさまざまな条件下で培養されたHSCsにおけるpAktおよび総Aktについてのウエスタンブロット解析を示す。GAPDHおよびβ−アクチンは、それぞれ、mRNAおよびタンパク質のために内部対照群として用いられた。パネルDは、規定のグルコース(N)、高グルコース(H)、高グルコースおよびΤβ4(+TB4、100ng/ml)、ならびにLY294003(+LY)の存在下での高グルコースおよびΤβ4で培養されたHSCsから採取された上澄みにおけるAng1レベルのELISAデータを示す。代表的な顕微鏡画像(E)および定量的データ(F)は、規定のグルコース(N)、高グルコース(H)、高グルコースおよびΤβ4(+TB4、100ng/ml)、ならびに、Tie2に対する抗体(+Tie2)の存在下での高グルコースおよびΤβ4中のHSCsから集められた順化培地で培養されたHUVECsにおける毛状管形成を示す。P<0.05、#P<0.05および$P<0.05対規定のグルコース(N)、高グルコース(H)およびΤβ4(100ng/ml)群を含む高グルコース。n=6/群。高グルコースは、実質的に、Ang1をダウンレギュレートし、Ang2をアップレギュレートしたが、投与量100ng/mlのΤβ4により、HSCsにおけるアンギオポエチン発現に対する高グルコース作用が抑制された(図7;Τβ4もシュワン細胞におけるアンギオポエチン発現を調節することを示唆している)。次いで、我々は、シュワン細胞が、高グルコース条件下で血管機能を結果的に改善させるT4−アップレギュレート型Ang1を分泌するかどうかを調べた。我々は、マウスAng1を検出するのに特有のELISAを用いて、48時間にわたり培養されたHSCsから採取された上澄みにおけるAng1レベルを測定した。ELISAは、高グルコースで培養されたHSCsから得られた上澄みが、規定グルコース条件で集められた上澄みにおけるレベルと比較して、Ang1レベルが著しく低下しており、Τβ4がAng1レベルに対する高グルコースの作用を逆転させたことを示していた(図7)。
次に、我々は、HSCsから採取された順化培地でHUVECsを培養することによる毛細管状管形成に対する上澄みの作用を調べた。規定のグルコースで培養されたHSCsから集められた順化培地と比較して、高グルコース条件下で培養されたHSCsから得られた順化培地は、結果として、毛細管状管形成を著しく低減させた(図7)。対照的に、高グルコース条件下でΤβ4で治療されたHSCsから集められた順化培地は、毛細管状管形成を有意に増大させた。Tie2に対する中和抗体がある状態では、毛細管状管形成に対するΤβ4順化培地の作用が抑制された(図7)。ともに、これらのデータは、内皮Ang1に加えて、Τβ4で治療されたシュワン細胞によって分泌された溶解可能なAng1が内皮細胞機能を改善させることを示す。
我々のデータは、PI3K/Aktシグナル伝達経路がAng1発現に対するΤβ4の作用を媒介することを示した。
細胞内シグナル伝達経路が内皮細胞およびシュワン細胞上のΤβ4アップレギュレート型Ang1/Ang2に関与するかどうかをさらに評価するために、我々は、内皮前駆細胞遊走に対するΤβ4の作用を媒介することが示されたPI3K/Aktシグナル伝達経路を調べた45。HUVECsおよびHSCsのウエスタンブロット解析は、高グルコース条件が、規定グルコースと比べて、pAktレベルを有意に低下させたことを示した(図6および図7)。高グルコース条件下でΤβ4でHUVECsおよびHSCsを治療することによりpAktレベルを有意に高めたが、これはPI3K阻害剤LY294002によって十分に遮断されており(図6および図7)、Τβ4がPI3K/Aktシグナル伝達経路を活性化することを示している。さらに、LY294002は、高グルコース条件下でHUVECsおよびHSCsに対するAng2発現ではなくAng1に対するΤβ4の作用を完全に抑制した(図6および図7)。これらのデータは、PI3K/Aktシグナル伝達経路が内皮細胞およびシュワン細胞上でのT4調節型Ang1発現に関わっていることを示唆する。
我々の研究は、Τβ4が、糖尿病性末梢神経障害のマウスモデルにおいて坐骨神経血管機能および末梢神経機能を著しくかつ予想外に改善したことを初めて実証するものである。Ang/Tie2シグナル伝達経路は、如何なる特定の理論によっても縛られることなく、改善された血管機能に対するΤβ4の作用を媒介し得る。糖尿病性末梢神経障害に対するΤβ4の作用はこれまで研究されてこなかった。我々の研究では、十分に確立されたII型糖尿病のマウスモデルを用いて、Τβ4が糖尿病性末梢神経障害を改善させることを示すが、これは、坐骨神経伝達速度の障害の抑制、糖尿病性末梢神経障害のための重要なパラメータ、ならびに熱的刺激および機械的刺激に対する反応の改善によって証明される。我々のデータは、いくつかの実施形態において、限定されることなく、Τβ4が糖尿病性末梢神経障害の治療に用いられる可能性のあることを示す。
実験用動物および人についての糖尿病性末梢神経障害に関する研究論文は、糖尿病性神経障害の発現が、著しい神経血管機能不全に密接に関連付けられることを示している1−3。血管機能不全は、神経損傷につながる神経伝達速度障害が現れるよりも前に起こるものである3−5。我々のデータは、Τβ4が、糖尿病性神経障害の神経機能の改善に付随して、坐骨神経における血漿潅流血管および局所血流量を実質的に増加させることを実証した。これは、Τβ4によって血管機能を正常化させることが、神経伝達速度障害について観察された抑制に寄与し得ることを示唆している。
Ang/Tie2シグナル伝達経路は血管ホメオスタシスを調節する17、18。Ang1は血管成熟化を促進し、Ang2はTie2結合のためにAng1の競合的阻害剤として作用し、血管を不安定にする17、19、20。高血糖症はAng1をダウンレギュレートし、Ang2をアップレギュレートする21。Ang1レベルを上げることにより、糖尿病によって誘発された未熟な脈管構造が正常化される24。血管形成を増大させることによって得られるAng1が心筋梗塞を抑制するのに対して、Ang2レベルの上昇は糖尿病ラットの梗塞症を悪化させる21。糖尿病性末梢神経障害を患った患者では、Ang2を循環させるレベルが著しく上昇した25。我々のデータは、高血糖症が内皮細胞およびシュワン細胞上のAng1をダウンレギュレートし、Ang2をアップレギュレートしたのに対して、Τβ4がAng1およびAng2の発現を逆転させたことを示す。Τβ4は有力な血管形成因子であり、始原細胞分化を促進しかつ内皮細胞遊走を方向付けることによって、血管形成および脈管形成をその発現中に調節する10、46、47
中和抗体でTie2を遮断することで生体外での血管形成に対するΤβ4の作用を抑制したことを示す我々のデータは、Ang/Tie2シグナル伝達経路が、生体内で観察されたTβ4改善型血管機能を媒介することを示唆している。我々のデータは、如何なる特定の理論にも縛られることなく、PI3K/Akt経路の活性化によってΤβ4がAng1を調節することをさらに示唆している。
シュワン細胞は、末梢神経の変質および再生を調節する多数の因子を分泌する48−50。我々の研究では、シュワン細胞によって分泌されたAng1およびAng2が高血糖症条件下で内皮機能に影響を及ぼし、シュワン細胞上のTβ4上昇型Ang1レベルが生体外での血管形成の増大につながることが判明した。こうして、Τβ4は、如何なる特定の理論によっても縛られることなく、内皮細胞およびシュワン細胞に作用して、坐骨神経における血管機能を維持および/または回復させてもよく、これにより、糖尿病性神経障害がある状態でも末梢神経機能の改善を促進し得る。
この明細書中に開示される実施形態のみに限定されることなく、かつ他の実施形態または主題の権利を放棄することなく、いくつかの実施形態を含む組成物は、個々の患者の臨床症状、投与の部位および方法、投与のスケジューリング、患者の年齢、性別、体重、および医師に公知である他の要因を考慮に入れて、適切な医療行為に従って投与および投薬される。このため、この明細書中における目的としての「治療上有効な量」は、当該技術において公知であるこのような考察事項によって決定される。この量は、当業者によって適切な手段として選択されるものとして、疾患の指標の低下、疾患の頻度もしくは重篤性の低下、または症状および他の指標の改善もしくは消失を含むがこれらに限定されない改善を達成するのに有効でなければならない。
投与はさまざまな方法で行うことができる。単独で投与することもでき、または、薬学的に許容可能な基材、希釈剤、補助剤および賦形剤と組合わせて活性成分として投与することもできる。投与は、経口投与、皮下投与であってもよく、または、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与および鼻腔内投与を含む非経口投与であってもよく、さらには髄腔内および点滴技術であってもよく、または、疾患部位もしくは病態部位に対する局所投与もしくは直接接種によってなされてもよい。化合物の注入も有用である。治療されている患者は温血動物や、特に人を含む哺乳動物であってもよい。薬学的に許容可能な基材、希釈剤、補助剤および賦形剤ならびに注入基材は、一般に、いくつかの実施形態の活性成分に反応しない不活性で無毒な固形または液状の充填剤、希釈剤または封入材料を指している。
人が一般にこの明細書中において例示される実験動物よりも長く治療され、この治療が疾患経過の長さおよび薬品有効性に比例した長さであることに留意されたい。投与量は、ある期間にわたる一回投与量あってもよく、または複数回投与量であってもよい。治療の長さは、概して、疾患経過の長さ、薬品有効性および治療されている患者のタイプに比例している。
いくつかの実施形態で非経口投与する場合、一般に、単位投与ごとに注射可能な形状(溶液、懸濁液、乳剤)で調剤されることとなる。注射に適した医薬調合物は、無菌水溶液または分散液、および、無菌注射溶液または分散液中に還元させるための無菌粉末剤を含む。基材は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)、その好適な混合物および植物油を含む溶媒または分散媒体であってもよい。
必要に応じて、たとえば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合には必要とされる粒径を維持することによって、かつ、界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持することができる。綿実油、ごま油、オリーブオイル、大豆油、コーンオイル、ひまわり油またはピーナッツ油およびエステル、たとえばイソプロピルミリステートなど、の非水性賦形剤を、選択された実施形態のための溶媒系として使用してもよい。加えて、抗菌性保存料、酸化防止剤、キレート剤および緩衝剤を含む組成物の安定性、生殖不能性および等浸透圧性を高めるさまざまな添加剤を加えることができる。微生物の作用は、さまざま抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実に防止することができる。多くの場合、等浸透圧剤、たとえば、砂糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいだろう。注射可能な剤型を長期間にわたって吸収させるには、吸収を遅延させる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを用いることによって可能となる。使用される如何なる賦形剤、希釈剤または添加剤も、選択された実施形態に適合性のあるものでなければならない。
無菌注射溶液は、必要に応じて、さまざまな他の成分を含む必要量の適切な溶媒に所望の実施形態を混合することによって準備することができる。
いくつかの実施形態を含む薬理学的調合物は、さまざまな賦形剤、補助剤、添加剤および希釈剤などの適合性のある如何なる基材をも含む注射可能な調合物として患者に投与することができるか、または、実施形態は、遅効性の皮下注入物もしくは標的送達システムの形で患者に非経口投与することができる。他の多くのこのような注入物、送達システムおよびモジュールが当業者には周知である。
いくつかの実施形態を含む組成物は、如何なる好適な形であってもよく、内服用または外用であってもよい。内服用の調合剤は、経口摂取または注射に適した粉末剤、錠剤、分散可能な果粒カプセル剤、溶液、懸濁液および乳剤を含む。
局所用組成物は、創傷包帯、経皮的貼付剤などの形で適用されてもよい。
いくつかの実施形態においては、この明細書中に開示されるものだけに限定されることなく、かつ、他の実施形態または主題の権利を放棄することなく、被験体の状態、発症した総合的症状のレベル、投与のルートおよび/または頻度、ならびに、当業者に公知であるかもしくは当業者にとって利用可能であり、かつ、優れた科学的もしくは医学的な基準および手法に合わせて適用される他の考慮事項および技術に従って、治療上有効な投与量が決定され得る。
いくつかの実施形態は、限定されることなく、人および他の哺乳動物を含むがこれらに限定されない如何なるタイプの動物と共に用いられてもよい。
添付物、表および引用された参考文献はすべて、この明細書中に十分に記載されるように、引用によりそれらが全体がこの明細書中に援用される。
この明細書中において記載および主張されているように、その精神および範囲から逸脱することなく、実施形態にはさまざまな変更または変形がなされ得ることが認識されるだろう。本発明が上述の好ましい実施形態および代替的な実施形態に関して特に図示および説明されてきたが、当業者であれば、この明細書中に記載される発明の実施形態のさまざまな代替例が、添付の請求項の範囲内に規定されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明を実施する際に採用され得ることを理解するはずである。添付の請求項が本発明の範囲を規定し、これらの請求項およびそれら同等例の範囲内に収まる方法および装置がこれにより包含されるものと意図される。本発明のこの説明は、この明細書中に記載される要素の新奇かつ非自明な組合せをすべて含むものと理解されるはずであり、請求項は、これらの要素の新奇かつ非自明的な如何なる組合せに対する本願またはこれ以降の出願においても提示され得る。
上述の実施形態は例示的なものであり限定的なものではない。また、本願またはこれ以降の出願において主張され得るあらゆる可能な組合せにとって必須となる特徴または要素は1つもない。上述の説明を読むと、提供される実施例以外の多くの実施形態および応用例が当業者にとって明らかになるだろう。本発明の範囲は、上述の説明に関連付けて判断されるべきではなく、添付の請求項に付与される同等例の範囲全体とともに、このような請求項に関して判断されるべきである。この明細書中において説明される技術が将来発展し、開示されたシステムおよび方法がこのような将来の実施形態に組込まれるだろうことが予想および意図される。要約すると、本発明が変更および変形可能であり、添付の請求項によってのみ限定されることが理解されるはずである。
請求項において用いられる用語はすべて、この明細書中においてそれとは逆の明らかな記載がない限り、それらの最も広範囲で合理的な構造、および、当業者によって理解される通常の意味が付与されるよう意図されている。特に、「1つ(a)」、「その(the)」、「前記(said)」などの単数形を用いた場合、それは、請求項がそれとは逆の限定を明らかに規定していない限り、指定された要素の1つ以上を指していると読み取られるべきである。請求項がその同等例の「1つ(a)」または「第1(first)」の要素と記載する場合、このような請求項は、2つ以上のこのような要素を必要とすることも除外することもなく、1つ以上のこのような要素を組み込んだものと理解されるべきである。
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Claims (11)

  1. 被験体における末梢神経障害の回復を促進するための治療方法であって、配列番号1、配列番号3および/または配列番号4、これらの配列のうちいずれかの保存的変異体、またはこれらの配列のうちいずれかの生成を刺激する刺激剤、またはその保存的変異体を含む、治療上有効な量の組成物を、このような治療を必要とする被験体に投与するステップを含む、方法。
  2. 前記神経障害は前記被験体の糖尿病に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記糖尿病は真性糖尿病である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物は、配列番号1、配列番号3および/または配列番号4、刺激剤、および/または、そのいずれかの保存的変異体を含む組成物の成分の約1マイクログラムから約100マイクログラムの範囲内の投与量で前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記薬剤は、前記組織に対する直接投与によって、または、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、吸入投与、経皮投与もしくは経口投与によって、前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組成物は全身投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記組成物は直接投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記組成物は、溶液、ゲル、クリーム、ペースト、ローション、噴霧剤、懸濁液、分散液、軟膏、ヒドロゲルまたは軟膏調合物の形である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記配列のうちいずれかは、組換えペプチドまたは合成ペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 被験体における末梢神経障害を治療するための薬物であって、配列番号1、配列番号3および/または配列番号4、これらの配列のいずれかの保存的変異体、またはこれらの配列のいずれかの生成を刺激する刺激剤、またはその保存的変異体を含む、薬物。
  11. 被験体の末梢神経障害を治療するための、請求項10に記載の薬物の使用。
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