JP2015506446A - 締結装置 - Google Patents

Abstract

ブラインドボルト用のピンであって、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端の間におけるシャフトとを有し、遠位端から軸方向に、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面が延設されており、ピンは、近位端に打込部位を備え、打込部位の断面積がシャフトの断面積よりも大きい。

Description

本発明は、締結装置に関する。特に、本発明は、これに限定されないが、たとえば中空筺体部分に構成部品を固定する際に用い、それによりその部分の内側への接近が全体的又は部分的に制限されるようにした締結装置に関する。

この種の多くの締結装置は、一般にブラインドボルトと呼称され、周知である。

本発明の目的は、公知の種類の締結装置を改良することにある。これに限定されないが、本発明の目的は、一旦係合すると、構成部品及び部分が共に継続して押し付けられる傾向を有する締結装置を提供することにある。本発明のさらなる目的は、たとえば振動力等の大きな環境要因に耐え得る締結装置を提供することにある。

したがって、本発明の第１の態様では、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端の間におけるシャフトとを有し、前記遠位端から軸方向に、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面が延設されており、前記ピンは、前記近位端に打込部位を備え、前記打込部位の断面積が前記シャフトの断面積よりも大きいブラインドボルト用のピンを規定している。

望ましくは、ピンは、外向きのテーパ面と内向きのテーパ面との間の接合部に頂点を有している。
代替的には、ピンは、外向きのテーパ面と内向きのテーパ面との間に実質的に一定の断面積を有する部位を備えていてもよい。

ある実施形態では、ピンは、内向きのテーパ面とシャフトとの間に、遠位端から軸方向に延設される第２の外向きのテーパ面を備えていてもよい。
望ましくは、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面、並びに第２の外向きのテーパ面がある場合には第２のテーパ面は、長さＬを有する先端部の少なくとも一部を形成する。

望ましくは、内向きのテーパ面は、少なくとも約０．２５Ｌの長さを有している。
望ましくは、内向きのテーパ面は、少なくとも、約０．３Ｌ、約０．３５Ｌ、約０．４Ｌ、約０．４５Ｌ、約０．５Ｌ、約０．５５Ｌ、又は約０．６Ｌの長さを有している。

望ましくは、第２の外向きのテーパ面とシャフトとの間の角度は、外向きのテーパ面とシャフトとの間の角度よりも大きい。
望ましくは、ピンの遠位端は、内向きのテーパ面とシャフトとの間の接合部、又は第２の外向きのテーパ面がある場合には第２のテーパ面よりも小さい断面積を有する。

望ましくは、ピンは、少なくとも一つの接面を備え、望ましくは、一つの接面又は複数の接面のそれぞれは、シャフトと打込部位との間の接合部を規定している。
望ましくは、一つの接面又は複数の接面のそれぞれは、シャフトの第１軸と直交している。

望ましくは、一つの接面又は複数の接面のそれぞれは、ピンの遠位端に対向している。
望ましくは、ピンは、ピンのほぼ全周に延設される単一の接面を備えている。
他の実施形態では、ピンの接面は、打込部位の断面積がシャフトの断面積よりも大きいように、近位端に向けて外向きに傾斜している。

望ましくは、ピンは、単一ボディを備えている。
望ましくは、一つ又は複数のピン、シャフト、打込部位、近位端、又は遠位端は、断面が円形である。他の断面形状として、たとえば三角形、四角形、楕円形が、本発明から逸脱することなく予測され得る。

本発明の第２の態様では、シャフトと、前記シャフトのいずれか一方の端の先端部とを備え、前記先端部は、長さＬを有し、軸方向且つ前記シャフトに向かう方向に延びており、前記先端部は、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面を連続的に備え、前記内向きのテーパ面は、少なくとも約０．２５Ｌの長さを有するブラインドボルト用のピンを規定している。

望ましくは、内向きのテーパ面は、少なくとも、約０．３Ｌ、約０．３５Ｌ、約０．４Ｌ、約０．４５Ｌ、約０．５Ｌ、約０．５５Ｌ、又は約０．６Ｌの長さを有している。
望ましくは、ピンは、シャフトの第２端に打込部位をさらに備えている。

望ましくは、打込部位の断面積は、シャフトの断面積よりも大きい。
本発明の第３の態様では、遠位端と、近位端と、該遠位端及び該近位端を貫通して延設される長手方向の孔とを有し、前記長手方向の孔は、前記近位端において、たとえばピンの頭を支えるための溝を有するボルトを規定している。

望ましくは、溝は、ボルトの内側面付近の少なくとも一部に延設されている。
望ましくは、溝は、一つ又は複数のショルダーを備えている。
ある実施形態では、ボルトは、ボルトの内側面のほぼ全周に延設される単一のショルダーを有していてもよい。

望ましくは、ボルトは、近位端又は該近位端の方に、少なくとも一つのスロットとして、たとえば開口したスロットを備えている。
望ましくは、ボルトは、少なくとも二つのスロットを備え、仮に４つのスロットを備えるとすると、各スロットは、ボルトの外周付近で他のスロットと約９０°離間している。

望ましくは、ボルトは、外側ねじ山を備えている。
望ましくは、外側ねじ山は、近位端から軸方向に延設され、ボルトの長さに沿って少なくとも途中で終端している。

望ましくは、外側ねじ山は、ボルトの長さに沿って少なくとも４分の３で終端している。さらに望ましくは、外側ねじ山は、ボルトの長さに沿って少なくとも３分の２で終端している。

望ましくは、一つのスロット又は複数のスロットのそれぞれは、遠位端から延設され、外側ねじ山部位又は該外側ねじ山部位の付近において終端している。
望ましくは、ボルトは、一本又は複数本の脚を備えている。一本の脚又は複数本の脚のそれぞれは、遠位端から放射状に延設されていてもよく、望ましくは、テーパ部位で終端している。

望ましくは、一本の脚又は複数本の脚のそれぞれは、長手方向の孔内に配置されている。
望ましくは、一本の脚又は複数本の脚のそれぞれは、ボルトの遠位端において、長手方向の孔の開口又は該開口の近隣に配置されている。

望ましくは、一本の脚又は複数本の脚のそれぞれは、湾曲した内側面を備えている。
湾曲した内側面を有する脚を設けることによる効果は、ピンとボルトとの間の接触が最大化されることによって、ピンとボルトとの間におけるグリップ及びフリクションの少なくともいずれか一方の増大、並びにピンに付加される応力の減少の少なくともいずれか一方をもたらす。

望ましくは、ボルトは、たとえばボルトを把持するためのスパナ用に形成される、少なくとも一対の平面を備えている。
望ましくは、ボルトは、一対の平面を備えている。

望ましくは、ピン及びボルトの少なくともいずれか一方は、鉄から形成されている。しかし、ピン及びボルトの少なくともいずれか一方が十分な強度を有するならば、他の合金又は金属が用いられてもよい。

望ましくは、ピン及びボルトの少なくともいずれか一方には、熱処理、並びにコーティングを用いた仕上げの少なくともいずれか一方が行われる。
本発明の別の態様では、上述したボルト及び挿入ピンを備える締結装置を規定している。

望ましくは、締結装置は、ナットをさらに備えている。
本発明がより十分に理解され得るように、本発明に従う締結装置の望ましい実施形態について、単なる例示として、添付図面を参照し、以下に説明する。

ブラインドボルトの平面図を示す。 挿入ピンの平面図を示す。 図２における挿入ピンの先端の詳細図を示す。 ボルトの平面図を示す。 図４におけるＢ−Ｂ線に沿ったボルトの断面図を示す。 図５における矢印Ａの方向から見たボルトの側面図を示す。 図５における矢印Ｃの方向から見たボルトの側面図を示す。 本発明の第２実施形態における挿入ピンの平面図を示す。 図８における挿入ピンの先端の詳細図を示す。

まず、添付図面の図１を参照すると、概して１で示されるブラインドボルトは、ボルト２、挿入ピン３、及びナット４を備えている。ボルト２は、一方の端部から他方の端部まで延設され、且つ挿入ピン３が内部で摺動可能に保持される長手方向の孔５を有している。

図２では、近位端３１及び遠位端３２を備える挿入ピン３を示している。また、ピン３は、近位端３１と遠位端３２との間にシャフト３３を備えている。ピン３の各構成要素は、断面が円形であるものの、他の形状も、本発明の範囲から逸脱することなく予測され得る。たとえば、ピン３、シャフト３３、又は他の構成要素は、四角形、三角形、又は他の適切な断面形状を備えていてもよい。

遠位端３２から軸方向に延設されるピン３は、外向きのテーパ面３４、頂点３５、及び内向きのテーパ面３６を備えている。
説明している実施形態では、遠位端３２の詳細図を示す図３から理解されるように、ピン３は、内向きのテーパ面３６とシャフト３３との間に、遠位端３２から軸方向に延設される第２の外向きのテーパ面３７を備えている。第２の外向きのテーパ面３７とシャフト３３との間の角度は、第１の外向きのテーパ面３４とシャフト３３との間の角度よりも大きく、その結果として、第２の外向きのテーパ面３７は、第１の外向きのテーパ面３４よりも長さがかなり短い。

ある実施形態では、ピン３は、第２のテーパ面７を備える必要がない。こうした実施形態では、内向きのテーパ面３６は、シャフト３３に直接取り付けられている。
すべての実施形態では、内向きのテーパ面３６の一番細い部分をネック３８と規定している。

ピン３の遠位端３２は、先端面３９を備えている。先端面３９は、ネック３８の断面積よりも小さい断面積を有している。
図３の実施形態では、外向きのテーパ面３４、内向きのテーパ面３６、及び第２の外向きのテーパ面３７は、共に長さＬを有する先端部を規定している。内向きのテーパ面３６は、約０．４７Ｌの長さを有している。

図２を再度参照すると、ピン３の近位端３１は、打込面４０を備えている。近位端３１は、シャフト３３の断面積よりも大きい断面積を有している。また、ピンは、シャフト３３の第１軸から直交して延設される面４１を備えている。面４１は、ピン３のほぼ全周に延設されている。このように、面４１は、シャフト３３と近位端３１との間の接合部である。

図示しないが、別の実施形態では、ピン３は、面４１を備える必要がない代わりに、隆起部又は突起を備えていてもよい。代替的には、シャフトは、シャフトの断面積よりも大きい断面積を有する近位端を形成するために、打込面に向けて外向きに徐々に傾斜させてもよい。

図４では、ボルト２の平面図を示す。ボルト２は、遠位端２１及び近位端２２を備えている。ボルト２の約３分２に沿って近位端２２から延設される部分は、外側ねじ部分２３を構成し、この外側ねじ部分２３に沿ってナット４が移動可能である。近位端２２は、スパナがボルト２を把持することができるように、正反対向きの一対の平面２４を備えている。

ボルト２の遠位端２１は、実質的に平坦な外側面を備えている。図示しないが、ある実施形態では、遠位端２１の外側面は、グリップを付与するための一つ又は複数の円周リブもしくは窪みを備えていてもよい。

遠位端２１から軸方向に延設されるボルト２は、ねじ部分２３に向けて延設される複数のスロット２５を備えている。スロット２５は、ねじ部分２３に近接して終端している。
図５は、図４におけるＢ−Ｂ線に沿った断面図を示す。長手方向の孔５は、遠位端２１から近位端２２までボルト２を貫通していることが理解され得る。孔５は、この孔５に沿って実質的に一定の断面積を有している。しかし、近位端２２に向かって、ボルト２は、内側面部位の付近に延設されるショルダー２６を備えている。そのため、ボルト２は、孔５の断面積よりも大きい断面積を有する溝２７を備えている。さらに、ボルト２は、遠位端２１から軸方向に延設され、且つ内側テーパ面２８と共に終端する複数の脚２９を備えている。ボルト２は、孔５の断面積よりも小さい断面積を有する開口を遠位端２１に有している。

説明している実施形態では、図６からも理解され得るように、ボルト２は、ボルト２の外周付近に９０°おきに配置された４つのスリット２５を備えている。理解され得るように、各脚２９は湾曲した内側面２９０を備え、使用時において、この内側面２９０はピンの外周を抱え込む。

図７は、正反対向きの一対の平面２４を有するボルト２を示す。また、図７は、内側面のほぼ全周に延設されるショルダー２６を示す。
図８及び図９は、本発明に従うピン３´の別の実施形態を示す。遠位端３２´から軸方向に延設されるピン３´は、外向きのテーパ面３４´、頂点３５´、及び内向きのテーパ面３６´を備え、これらは共に長さＬを有する先端部を規定している。内向きのテーパ面３６´は、約０．５６Ｌの長さを有している。

特に図１〜図４を参照し、ブラインドボルト１の作用について説明する。始めに、使用者は、ナット４をボルト２の近位端２２に当接させ、数回転ナット４を回転させる。次に、ボルト２の遠位端２１が、中空管の壁に固定されるように構成部品を貫通させる。ボルト２の遠位端２１が、容易に接近できない内側の壁に突出して位置するように、ボルト２が管内の開口に通される。次に、挿入ピン３が長手方向の孔５内に部分的に配置され、ピン３の面４０が、望ましくはハンマーにより打ち込まれる。ハンマーを打ち込むことにより、ピンの面４１が溝２７に進入するとともに、ボルト２のショルダー２６に隣接する。そのため、ピン３の打込面４０は、ボルト２の近位端２２と同一平面に位置している。ピン３が孔５を貫通し、ピン３の遠位端３２が複数の脚２９の後方テーパ面２８に係合する。そして、ピン３の頂点３５がテーパ面２８を通過するまで、ピン３の遠位端３２によって、複数の脚２９が外側に広がり、これによりボルト２の遠位端２１が外側に広がる。

次に、使用者は、ナットが管の外側面に係合するように、ナット４を回転させ続ける。ナット４の回転の継続によって、外側に広がった遠位端が、制限された内側面に隣接し、これにより管に構成部品が固定される。スパナは、平面２４においてボルト２に係合するために用いられ、さらに最後にナット４を締めつけることで、ボルト２が開口を通過して後退するように動作させる。これによって、ボルト２の複数の脚２９がピン３の内向きのテーパ部位３６に食い込み、これによりピン３が前方に継続して押し付けられる。しかし、ピン３の面４１がボルト２のショルダー２６に隣接するため、ピン３が孔５を通過することはできない。その代わりに、ボルト２及びピン３が反対方向に動作し、これにより、使用者がナット４の締めつけを完了させた後にも構成部品及び壁が共に継続して押し付けられる。

当然ながら、先端部が外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面を連続的に備えると記載した場合、これらのテーパ面の間に、たとえば他の外向きのテーパ面、他の内向きのテーパ面、又は一定の断面積を有する面といった一つ又は複数の構成要素が存在し得る。

Claims (21)

1. ブラインドボルト用のピンであって、
   近位端と、
   遠位端と、
   前記近位端及び前記遠位端の間におけるシャフトと
   を有し、前記遠位端から軸方向に、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面が延設されており、前記ピンは、前記近位端に打込部位を備え、
   前記打込部位の断面積が前記シャフトの断面積よりも大きいピン。
2. 前記外向きのテーパ面及び前記内向きのテーパ面は、長さＬを有する先端部の少なくとも一部を形成している請求項１に記載のピン。
3. 前記内向きのテーパ面は、少なくとも約０．２Ｌの長さを有する請求項２に記載のピン。
4. 前記ピンは、少なくとも一つの接面を備える請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載のピン。
5. 前記一つの接面又は前記複数の接面のそれぞれは、前記シャフトの主たる長軸と直交している請求項４に記載のピン。
6. 前記一つの接面又は前記複数の接面のそれぞれは、前記ピンの前記遠位端に対向している請求項４又は請求項５に記載のピン。
7. ブラインドボルト用のピンであって、
   シャフトと、
   前記シャフトの一端における先端部と
   を備え、前記先端部は、長さＬを有し、軸方向且つ前記シャフトに向かう方向に延びており、
   前記先端部は、外向きのテーパ面及び内向きのテーパ面を連続的に備え、
   前記内向きのテーパ面は、少なくとも約０．２Ｌの長さを有するピン。
8. 前記シャフトの第２端に打込部位をさらに備える請求項７に記載のピン。
9. 前記打込部位の断面積は、前記シャフトの断面積よりも大きい請求項７又は請求項８に記載のピン。
10. 遠位端と、近位端と、該遠位端及び該近位端を貫通して延設される長手方向の孔とを有するボルトであって、
    前記長手方向の孔は、前記近位端において、たとえばピンの頭を支えるための溝を有し、
    使用時において、前記ピンの内向きのテーパ面に接触する一本又は複数本の脚を備えるボルト。
11. 前記一本の脚又は前記複数本の脚のそれぞれは、前記長手方向の孔内に配置される請求項１０に記載のボルト。
12. 前記一本の脚又は前記複数本の脚のそれぞれは、前記ボルトの前記遠位端において、前記長手方向の孔の開口又は該開口の近傍に配置される請求項１０又は請求項１１に記載のボルト。
13. 前記一本の脚又は前記複数本の脚のそれぞれは、湾曲した内側面を備える請求項１０〜請求項１２のいずれか一項に記載のボルト。
14. 前記溝は、前記ボルトの内側面付近の少なくとも一部に延設されている請求項１０〜請求項１３のいずれか一項に記載のボルト。
15. 前記溝は、一つ又は複数のショルダーを備える請求項１０〜請求項１４のいずれか一項に記載のボルト。
16. 前記近位端又は該近位端の方に、少なくとも一つのスロットとして、たとえば開口したスロットを備える請求項１０〜請求項１５のいずれか一項に記載のボルト。
17. 外側ねじ山を備える請求項１０〜請求項１６のいずれか一項に記載のボルト。
18. 請求項１〜請求項９のいずれか一項に記載のピンと、請求項１０〜請求項１７のいずれか一項に記載のボルトとを備える締結装置。
19. 添付図面を参照し、本明細書に具体的に記載したピン。
20. 添付図面を参照し、本明細書に具体的に記載したボルト。
21. 添付図面を参照し、本明細書に具体的に記載した締結装置。

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