JP6532267B2 - 骨に使用するためのねじ構造ならびにその構造を備えたねじおよびタップ - Google Patents

骨に使用するためのねじ構造ならびにその構造を備えたねじおよびタップ Download PDF

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Description

本発明は、生物の骨に使用するためのねじ構造に関し、詳細にはヒトの骨に使用するためのねじ構造ならびにその構造を備えたねじおよびタップに関する。
これまで様々なねじの構造が提案されている。
ねじ孔が形成されていない材料に対して容易にねじを回転させながらねじ込むことができる構造として、ねじの先端部分にねじ山を密に配置し、ねじの後端部分にねじ山を等間隔に配置した第一のねじが提案されている(特許文献1)。
この第一のねじであれば、木材に対してねじを回転させながらねじ込んだ際に木材から木材の繊維が外部に飛び出すことを防ぐことができるとされる。
一方、ねじ孔が形成されていない材料に対して容易にねじを回転させながらねじ込むことができる異なる構造として、ねじ軸に対する垂直断面を基準として、ねじ先端部分ではねじ山の断面形状が丸みを帯びた三角形状であり、ねじの先端部分からねじ後端部分にかけてねじ山の断面形状が円形に変化する第二のねじも提案されている(特許文献2)。
この第二のねじであれば、材料に対して比較的容易にねじ孔を形成することができ、材料によるねじ山の破壊も防ぐことができるとされる。
特開2012−72840号公報 特公平6−60652号公報
ところで本発明者らが生物の骨、特にヒトの骨に使用するねじの構造を検討したところ、公知のねじ構造を備えたねじでは容易に前記骨に対してねじ孔を形成することができないことに気が付いた。
特にヒトの頭蓋骨に代表される骨の場合には、骨の厚みが小さく、骨の厚み方向に骨の強度が変化するため骨に対してねじ孔を形成することが容易ではない。
さらにねじを接触させる骨の外部とは反対側にある骨の内部には、重要な組織が存在する場合がある。
仮に前記骨に対してねじ孔を形成することが容易ではない場合には、ねじ孔を形成する際に骨表面の垂直方向に対して比較的大きな力を加えることが多くなる。
ところがねじを骨にねじ込む過程でねじ山がねじ孔の内部構造を破壊した場合には、ねじが勢いよく骨の内部に侵入するから、骨の内部に存在する重要な組織をねじにより損傷させる可能性もある。
この通り、生物の骨に使用するネジの場合は、単に骨に対して簡単にねじ込むことができるというだけでは足りず、ヒトの骨に対してねじ孔を形成する際に施術者が作業を安全に制御できることも要求される。
本発明の目的は、ヒトの骨に代表される生物の骨に対して簡単かつ安全に作業をすることのできるねじ構造を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討した結果、ねじ先の先端角が40±2度の範囲であり、ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方の第一のねじ山部の最大高さが0.20±0.02mmの範囲である骨用のねじ構造が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]ねじ先と、らせん状に形成されたねじ山と、対向する前記ねじ山の間に形成されたねじ溝と、を備え、
前記ねじ先が、略ねじ軸線上にあり、
前記ねじ先の先端角が、40±2度の範囲であり、
前記ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方に位置する第一のねじ山部の最大高さが、0.20±0.02mmの範囲であり、
第一のねじ溝部が、前記ねじ先からねじ山に沿って3/4ピッチ後方に位置する第二のねじ山部の前方にあり、
第一のねじ溝部の最深部が、第一のねじ溝部のうち最もねじ軸線に近い位置にあり、
前記ねじ先から第一のねじ溝部の最深部に引いた接線と、ねじ軸線との角度が、0〜3.0度の範囲であることを特徴とする、骨用ねじ構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
]第一のねじ山部が、前記ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方に位置し、
第二のねじ山部が、前記ねじ先からねじ山に沿って3/4ピッチ後方に位置し、
前記ねじ先から引いた前記第一のねじ山部への第一の接線と前記ねじ先から引いた前記第二のねじ山部への第二の接線との角度が、40±2度の範囲であり、
全てのねじ山が、前記第一の接線および前記第二の接線の内側にある、上記[1]骨用ねじ構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
]ねじ山上にある第(2n)のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置するねじ山部を第(2n+2)のねじ山部とし、前記第(2n+2)のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置するねじ山部を第(2n+4)のねじ山部とした場合に、
nが2の場合に、前記第(2n)のねじ山部は、前記第二のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置し、
nが2以上20以下のいずれかの整数であり、
第(2n)のねじ山部と第(2n+2)のねじ山部との間隔が、
第(2n+2)のねじ山部と第(2n+4)のねじ山部との間隔と、
ねじ軸線方向を基準として略同一である、上記[1]または[2]の骨用ねじ構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
]nが2以上20以下のいずれかの整数であり、前記第(2n)のねじ山部の高さと、前記第(2n+2)のねじ山部の高さが、ねじ軸線の垂直方向を基準として略同一である、上記[]に記載の骨用ねじ構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
]上記[1]〜[]のいずれかに記載の骨用ねじ構造を備えた、骨用ねじを提供するものである。
また本発明の一つは、
]上記[1]〜[]のいずれかに記載の骨用ねじ構造を備えた、骨用タップを提供するものである。

本発明のねじ構造は、ねじ先の先端角が40±2度の範囲であり、ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方の第一のねじ山部の最大高さが0.20±0.02mmの範囲である。
このねじ構造を備えることにより、本発明のねじ構造はヒトの骨に代表される生物の骨に対して簡単かつ安全にねじ孔をあけ、かつそのねじ孔にねじ構造を形成することができる。
図1は、実施例1に係るねじ構造を説明するための模式図である。 図2は、実施例1に係るねじ構造を説明するための部分拡大模式図である。 図3は、ねじ構造100における先端構造の特徴を説明するための部分拡大模式図である。 図4は、ねじ構造100における各ねじ山部のピッチの関係を説明するための部分拡大模式図である。 図5は、ねじ構造110を説明するための部分拡大模式図である。 図6は、ねじ構造120を説明するための模式図である。 図7は、実施例4に係る骨用タップ300を説明するための模式図である。 図8は、実施例5に係る骨用ねじ400を説明するための模式図である。
以下に図面を参照しつつ実施例に基づいて本発明のねじ構造について説明する。なお、本実施例により本発明の内容は何ら限定されるものではない。
図1は実施例1に係るねじ構造を説明するための模式図である。
図1に示されるように、実施例1に係るねじ構造100は、本体部1と、首部2と、ねじ部3とから形成されている。
図2は、実施例1に係るねじ構造を説明するための部分拡大模式図である。
図2に示されるように、前記ねじ構造100のねじ部3は、ねじ先10と、ねじ軸線に沿ってらせん状に形成されたねじ山20と、対向するねじ山との間に形成されたねじ溝30とを備える。
実施例1の場合は、前記ねじ山20はねじ先10から形成されているが、本発明におけるねじ山は前記ねじ先10から0〜3mmの範囲内を起点として形成されることが好ましい。
図2における一点破線A−Aは、前記ねじ構造100のねじ軸線である。本発明では前記ねじ先10は略ねじ軸線上にある。
ここで略ねじ軸線上にあるとの意味は、前記ねじ先10がねじ軸線にある場合と、前記ねじ軸線から垂直方向にプラスマイナス2.0mmの範囲内にある場合を含む。前記範囲は、プラスマイナス1.0mmの範囲なら好ましく、プラスマイナス0.5mm以内であればさらに好ましい。
また説明の便宜上本発明においては、前記ねじ構造100のうち、前記ねじ先10がある側を前記ねじ構造100の前方とし、前記ねじ先10がある側と反対側を後方とする。
ねじ先10から前記ねじ山20に沿って1/4ピッチ後方に進めた点が、第一のねじ山部21である。
前記第一のねじ山部21から1/2ピッチ後方に進めた点が第二のねじ山部22である。前記第二のねじ山部22から1/2ピッチ後方に進めた点が第三のねじ山部23である。同様に前記第三のねじ山部23から1/2ピッチ後方に進めた点が第四のねじ山部24である。
また第五のねじ山部25〜第八のねじ山部28の場合も同様である。
ここで1/4ピッチ後方に進めた点とは、本発明のねじ構造のねじ山のある一点のねじ山部から、らせん状の前記ねじ山に沿ってねじ軸線の周囲を1/4回転分後方に進めたところに位置する点のことをいう。
同様に1/2ピッチ後方に進めた点とは、本発明のねじ構造のねじ山のある一点のねじ山部から、前記ねじ山に沿ってねじ軸線の周囲を1/2回転分後方に進めたところに位置する点のことをいう。
図2に示す通り、前記ねじ構造100のねじ溝30は、前記ねじ軸線に沿ってらせん状に形成されたねじ山20のうち、対向するねじ山20,20の間に形成されている。
図3は、ねじ構造100における先端構造を説明するための部分拡大模式図である。
前記ねじ溝30のうち、第一のねじ溝部31は、第二のねじ山部22よりも前方に形成されていて、第一のねじ溝端部31aと第一のねじ溝端部31bとが、それぞれ第一のねじ溝部31の端部に対応する。
また第二のねじ溝部32は、前記第一のねじ山部21と第三のねじ山部23との間に形成されていて、第二のねじ溝端部32aと第二のねじ溝端部32bとが、それぞれ第二のねじ溝部32の端部に対応する。
同様に、第三のねじ溝部33は、前記第二のねじ山部22と第四のねじ山部24との間に形成されていて、第三のねじ溝端部33aと第三のねじ溝端部33bとが、それぞれ第三のねじ溝部33の端部に対応する。
前記ねじ構造100のねじ先10の先端部10aのうち、第一のねじ溝端部31aより前方は円錐形状となっていて、前記ねじ軸線と平行な面に対する射影像が先鋭三角形(図示せず)となる構造を備えている。
図3における破線aと破線bとは、それぞれねじ先10を始点として、それぞれ前記先鋭三角形の先端角と同じ角度、すなわち前記先端部10aの先端角θと同じ角度で交差している。
この破線aと破線bとの角度は40±2度の範囲である。前記先端角θが40±2度の範囲であれば、前記ねじ構造100を回転させながら生物の骨に接触させることにより、前記ねじ構造100の先端部10aを比較的容易かつ安全に生物の骨に対してねじ孔を形成しつつ骨内部に進入させることができる。
前記先端角θが38度未満の場合または42度を超える場合、前記ねじ構造100を回転させたとしても、生物の骨に対してねじ孔を形成することが困難となる。
また前記先端角θの値は、前記ねじ先10から前記第一のねじ山部21に接する第一の接戦である破線bおよび前記ねじ先10から前記第二のねじ山部22に接する第二の接戦である破線aにも適用されることが好ましい。
前記ねじ山部21および前記ねじ山部22にそれぞれ接する破線aおよび破線bの角度は40±2度の範囲であることが好ましい。
前記ねじ山部21および前記ねじ山部22にそれぞれ接する破線aおよび破線bの角度が40±2度の範囲であれば、前記ねじ構造100を回転させながら生物の骨に接触させることにより、前記ねじ構造100の先端部10aを比較的容易かつ安全に生物の骨に対してねじ孔を形成しつつ骨内部に進入させることができる。
本発明における全てのねじ山は、前記ねじ軸線を基準として前記破線aおよびbの内側にあることが好ましい。
次に前記第一のねじ山部21の高さは、前記ねじ軸線の垂直方向を基準として、前記ねじ軸線から0.20±0.02mmの範囲である。
前記第一のねじ山部21の高さが0.18mm以上の場合には、前記ねじ先10の先端部10aの強度の低下による前記先端部10aの破損を回避することができる。
また前記第一のねじ山部21の高さが0.22mm以下の場合には、前記ねじ構造100を回転させながら生物の骨に接触させた際に、前記ねじ構造100の先端部10aが骨内部に円滑に進入する。
図4は、ねじ構造100における各ねじ山部のピッチの関係を説明するための部分拡大模式図である。
前記第二のねじ山部22と前記第四のねじ山部24との1回転分のピッチxと、前記第四のねじ山部24と前記第六のねじ山部26との1回転分のピッチyとは略同一である。
ここで1回転分のピッチが略同一、とは、前記ねじ軸線と平行方向を基準に、互いに隣接するねじ山部の間隔がプラスマイナス2mm以内に収まる範囲のことをいう。
この範囲はプラスマイナス1mm以内であれば好ましく、プラスマイナス0.5mm以内であればさらに好ましい。
前記ねじ構造100の後部のねじ山の間隔を略同一にすることにより、骨にねじ孔を形成する際に、ねじ山部により前記ねじ孔を破壊することを防止することができる。このため、より安全にねじ孔が形成されていない骨に対して簡単かつ安全にねじ構造100を進入させることができる。
なお、本発明においては、前記第六のねじ山部26の後方のねじ山部についても、1回転分のピッチが略同一であることが好ましい。
前記第四のねじ山部24以降の後方のねじ山部の高さは、前記ねじ軸線の垂直方向を基準として略同一であることが好ましい。
ここで略同一とは、前記ねじ軸線からの垂直方向の距離が±2mm以内であることをいう。
実施例2は実施例1の変形例である。
実施例1の場合は、第一のねじ溝部31の最深部31cが前記ねじ軸線上に位置していた。
これに対して実施例2の場合は、第一のねじ溝部の最深部31cが前記ねじ軸線から離れている点が異なる。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
なお、ここでねじ溝部の最深部とは、前記ねじ溝部のうち、前記ねじ軸線の垂直方向を基準として前記ねじ軸線に最も近い部分をいう。
図5は、実施例2に係るねじ構造の第一のねじ溝部の構造を説明するための拡大部分模式図である。
破線cは、実施例2に係るねじ構造110の前記ねじ先10から引いた、前記第一のねじ溝部31の最深部31cへの接線である。
前記ねじ先10から第一のねじ溝部31の最深部31cに引いた接線cと、ねじ軸線との角度θ’は、0〜3.0度の範囲であれば好ましい。
前記接線と前記ねじ軸線との角度θ’が0〜3.0度の範囲であれば、前記ねじ構造110のねじ先10の先端部10aの強度を高く保つことができる。
実施例3は実施例1の変形例である。
実施例1の場合は、第一から第八までのねじ山部が存在したが、実施例3の場合は、第一から第十四までのねじ山部が存在する。
実施例3に係るねじ構造120の第一から第十四までのねじ山部は、それぞれ参照符号121〜134に対応する。
またそれぞれの対向するねじ山部の間に形成されるねじ溝部は、それぞれ参照符号231〜243に対応する。
実施例3に係るねじ構造120は、実施例1に係るねじ構造100と比較して、前記ねじ先10、第一のねじ山部21、第二のねじ山部22、第三のねじ山部23、第一のねじ溝部31、第二のねじ溝部32および第三のねじ溝部33は全く同じである。
図6は、ねじ構造120を説明するための部分拡大模式図である。
前記第四のねじ山部124の1ピッチの後方に、さらにねじ山部が存在する構造の場合には、各ねじ山部の1ピッチの間隔は略同一である。
ここで各ねじ山部の1ピッチの間隔とは、前記ねじ軸線と平行方向を基準として、ねじ山に沿って一回転分後方に進んだ際の距離をいう。
また各ねじ山部の1ピッチの間隔が略同一、とは、互いに隣接するねじ山部の間の1ピッチの間隔が、前記ねじ軸線と平行方向を基準にプラスマイナス2mm以内に収まる範囲のことをいう。
この範囲はプラスマイナス1mm以内であれば好ましく、プラスマイナス0.5mm以内であればさらに好ましい。
なお本発明においては、nが2以上の場合、第(2n)のねじ山部と第(2n+2)のねじ山部との1ピッチの間隔は、第(2n+2)のねじ山部と第(2n+4)のねじ山部との1のピッチの間隔と略同一であることが好ましい。nは2以上20以下の整数であればより好ましい。
また本発明においては、nが2以上の場合、前記ねじ軸線に対して垂直方向の各ねじ山部の高さは、第2nのねじ山を含めて後方の各ねじ山部以降について略同一であることが好ましい。
ここで各ねじ山部以降について略同一であるとは、前記ねじ軸線に対して垂直方向の各ねじ山部の高さがプラスマイナス2mm以内に収まる範囲のことをいう。
この範囲は、プラスマイナス1mm以内であれば好ましく、プラスマイナス0.5mm以内であればさらに好ましい。
ねじ構造110後方のねじ山部を上述の通り調整することにより、骨にねじ孔を形成する際に、ねじ山部により前記ねじ孔を破壊することを防止することができる。このため、より安全にねじ孔が形成されていない骨に対して簡単かつ安全にねじ構造120を進入させることができる。
実施例4は実施例1の応用例である。
図7は、実施例3に係る骨用タップ300を説明するための模式図である。
実施例3に係る骨用タップ300は、実施例1に使用したねじ構造100の本体部1に代えて、本体部310を備えている。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
前記本体部310は、器具接続用溝320と、器具接続用突出部330とを備えている。
ねじ軸線に対して垂直方向を基準とした前記器具接続用突出部330の断面は正六角形であり、前記器具接続用突出部330とはめ合わせることのできる回転装置(図示せず)を使用して、前記骨用タップ300を回転させることができる。
なお、前記器具接続用突出部330の断面の形状は回転装置との間の空転を防止するため、円形以外の形状が好ましく、正多角形であればより好ましい。
前記骨用タップ300の素材としては、チタン、アルミニウム、ステンレス等の金属材、焼結セラミック等の無機材等を使用することができる。
前記骨用タップ300のねじ先10からねじ部3の後端までのねじ軸線方向の長さは2〜50mmの範囲であれば好ましい。
また前記ねじ部3の外径は2〜20mmの範囲であれば好ましい。
前記首部2のねじ軸線方向の長さは、0.5〜10mmの範囲であれば好ましい。
前記ねじ先10から前記本体部310後端のねじ軸線方向の長さは、20〜200mmの範囲であれば好ましい。
本発明の骨用タップに使用するねじ部3の構造は実施例4に示したものに代えて、実施例2または3に示すねじ部の構造等に変形することも可能である。
本発明の骨用タップを使用すれば、ヒトの骨に代表される生物の骨に対して簡単かつ安全にねじ孔をあけ、かつそのねじ孔にねじ構造を形成することができる。
実施例5は実施例1の応用例である。
図8は、実施例5に係る骨用ねじ400を説明するための模式図である。
実施例5に係る骨用ねじ400は、実施例1に使用したねじ構造100の本体部1および首部2に代えて、本体部410を備えている。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
前記本体部410は、後方に略球面状に張り出した部分を備えた円錐状の頭部420と、連結部430とを備えている。
ねじ軸線に対して垂直方向を基準とした本体部410の断面形状は六角形であり、前記本体部410を指等で回転させることにより、骨に対して前記骨用ねじ400を設置することができる。
なお、前記本体部410の断面形状は円形以外が好ましく、多角形であればより好ましい。
また前記骨用ねじ400を骨に設置した後、前記連結部430を切断することも可能である。
前記骨用ねじ400の素材としては、チタン、アルミニウム、ステンレス等の金属材、焼結セラミック等の無機材、合成樹脂などの有機材を使用することができる。
前記骨用ねじ400の素材は、生体内で吸収される生分解性樹脂等を採用することもできる。
前記骨用ねじ400のねじ先10からねじ部3の後端までのねじ軸線方向の長さは2〜50mmの範囲であれば好ましい。
また前記ねじ部3の外径は2〜20mmの範囲であれば好ましい。
前記ねじ先10から前記本体部410後端のねじ軸線方向の長さは、5〜100mmの範囲であれば好ましい。
本発明の骨用ねじ400に使用するねじ部3の構造は実施例5に示したものに代えて、実施例2または3に示すねじ部等の構造に変形することも可能である。
本発明の骨用ねじを使用すれば、ヒトの骨に代表される生物の骨に対して簡単かつ安全にねじ孔をあけ、かつそのねじ孔にねじ構造を形成することができる。
本発明に係る骨用ねじ構造は大量生産が可能であり、特にヒトの頭蓋骨等の骨部にボルト留めを必要とする用途に適している。
1,310,410 本体部
2 首部
3 ねじ部
10 ねじ先
20 ねじ山
21,121 第一のねじ山部
22,122 第二のねじ山部
23,123 第三のねじ山部
24,124 第四のねじ山部
25,125 第五のねじ山部
26,126 第六のねじ山部
27,127 第七のねじ山部
30 ねじ溝
31,231 第一のねじ溝部
31a 第一のねじ溝部の最深部
32,232 第二のねじ溝部
32a 第二のねじ溝部の最深部
33,233 第三のねじ溝部
34,234 第四のねじ溝部
35,235 第五のねじ溝部
36,236 第六のねじ溝部
100,110,120 ねじ構造
128 第八のねじ山部
129 第九のねじ山部
130 第十のねじ山部
131 第十一のねじ山部
132 第十二のねじ山部
133 第十三のねじ山部
134 第十四のねじ山部
237 第七のねじ溝部
238 第八のねじ溝部
239 第九のねじ溝部
240 第十のねじ溝部
241 第十一のねじ溝部
242 第十二のねじ溝部
243 第十三のねじ溝部
300 骨用タップ
320 器具接続用溝
330 器具接続用突出部
400 骨用ねじ
420 頭部
430 連結部
A−A ねじ軸線
a,b 先端部の先端角の角度を説明するための補助線
c ねじ先から第一のねじ溝部の最深部に引いた接線
θ 先端部の先端角
θ’ 接線cとねじ軸線との角度

Claims (6)

  1. ねじ先と、らせん状に形成されたねじ山と、対向する前記ねじ山の間に形成されたねじ溝と、を備え、
    前記ねじ先が、略ねじ軸線上にあり、
    前記ねじ先の先端角が、40±2度の範囲であり、
    前記ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方に位置する第一のねじ山部の最大高さが、0.20±0.02mmの範囲であり、
    第一のねじ溝部が、前記ねじ先からねじ山に沿って3/4ピッチ後方に位置する第二のねじ山部の前方にあり、
    第一のねじ溝部の最深部が、第一のねじ溝部のうち最もねじ軸線に近い位置にあり、
    前記ねじ先から第一のねじ溝部の最深部に引いた接線と、ねじ軸線との角度が、0〜3.0度の範囲であることを特徴とする、骨用ねじ構造。
  2. 第一のねじ山部が、前記ねじ先からねじ山に沿って1/4ピッチ後方に位置し、
    第二のねじ山部が、前記ねじ先からねじ山に沿って3/4ピッチ後方に位置し、
    前記ねじ先から引いた前記第一のねじ山部への第一の接線と前記ねじ先から引いた前記第二のねじ山部への第二の接線との角度が、40±2度の範囲であり、
    全てのねじ山が、前記第一の接線および前記第二の接線の内側にある、請求項1記載のねじ構造。
  3. ねじ山上にある第(2n)のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置するねじ山部を第(2n+2)のねじ山部とし、前記第(2n+2)のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置するねじ山部を第(2n+4)のねじ山部とした場合に、
    nが2の場合に、前記第(2n)のねじ山部は、前記第二のねじ山部からねじ山に沿って1ピッチ後方に位置し、
    nが2以上20以下のいずれかの整数であり、
    第(2n)のねじ山部と第(2n+2)のねじ山部との間隔が、
    第(2n+2)のねじ山部と第(2n+4)のねじ山部との間隔と、
    ねじ軸線方向を基準として略同一である、請求項1または2に記載のねじ構造。
  4. nが2以上20以下のいずれかの整数であり、前記第(2n)のねじ山部の高さと、前記第(2n+2)のねじ山部の高さが、ねじ軸線の垂直方向を基準として略同一である、請求項に記載のねじ構造。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の骨用ねじ構造を備えた、骨用ねじ。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の骨用ねじ構造を備えた、骨用タップ。
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