JP2015505563A - 姿勢安定性の改善およびドロキシドパの投与 - Google Patents

姿勢安定性の改善およびドロキシドパの投与 Download PDF

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Abstract

本発明は、反復性転倒者である患者の転倒を低減するための方法およびシステムを提供する。特にその組成物、システムおよび方法は、パーキンソン病患者、特に神経原性起立性低血圧症に罹患しているそのような患者に関係することができる。その組成物、システムおよび方法は、任意選択的にさらなる活性薬剤と組み合わせた、ドロキシドパの使用を含む。ドロキシドパの投与は、患者当たり1週間当たりの平均転倒回数を低減し、また、姿勢安定性の改善を示す患者のヘーンアンドヤール評定スケールスコアの改善を提供し、パーキンソン病の運動および/または非運動症状の重症度の改善を示す患者のパーキンソン病統一評定スケールスコアの改善を提供することを見出した。

Description

本出願は、患者における姿勢安定性を改善するための組成物、システムおよび方法を対象とする。より詳細には、本出願の組成物、システムおよび方法は患者へのドロキシドパの投与を含む。さらに、本出願は、立ち上がる、立っている状態を維持するおよび転倒に耐えるための能力を含む姿勢安定性に伴う機能を改善することを対象とする。
転倒は、多くの患者集団に影響を及ぼす恐れのある不慮の損傷の顕著な原因である。特に、転倒は様々な慢性の病気、特に姿勢の不安定性によって特徴付けることができる病気と連動する恐れがある。
パーキンソン病(「PD」)は、転倒がその状態の主要な、身体の自由を奪う(incapacitating)特徴である可能性がある慢性の病気の一例であるが、PDにおける転倒の疫学は当技術分野ではほとんど未知である。Bloemら(2001年)J.Neurol、248巻:950〜958頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。試験により、その疾患の過程の比較的早期においてでも、転倒は、PD患者の間で非常によくあることであることが示されている。推定によれば、PD患者の40%〜70%が毎年転倒しており、3分の1が転倒を繰り返していることが示されている。Balashら(2005年)J.Neurol.、252巻:1310〜1315頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。さらに、実際より少ない報告、および/または認知障害のあるPD患者において起こり得るいわゆる「転倒についての記憶喪失」のため、転倒の発生率は従来認識されているものより高い可能性がある。
試験データにより、そのような患者は、環境ハザードと無関係の固有の転倒に苦しむ傾向が高い割合であるので、外部転倒ハザード(例えば、階段、密集した家具等)の排除は、PD患者における転倒のごく一部しか排除できないことが示されている。それらの試験において、Bloemらは、患者が通常重心(center of mass)転倒をしている(ほとんどの場合、向きを変える際)ことを見出しており、これは、もとにある平衡障害が大部分の転倒を引き起こすことを示唆している。Ashburnら(2008年)Disability and Rehabilitation、30巻(16号):1205〜1212頁(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)による試験において、PD患者による転倒日記の使用により、転倒の45%は、患者が歩く、向きを変える、段を昇る(stepping up)もしくは降りる、または何かを1つの場所から他の場所に運ぶときに起こり;転倒の32%は、患者が立ち上がる、例えば、ある対象の方へかがむもしくは対象に手を伸ばす、洗濯する、衣服を着るまたは他の日々の仕事を遂行するときに起こり;転倒の21%は、患者が、例えば座席、車、ベッドまたは便所へまたはそこから移動するときに起こり;転倒の2%は、患者が、椅子から意図せずに滑り落ちるまたはベッドから転がり落ちるときに起こることが示されている。この試験は、立ち上がりによる大部分の転倒(69%)のもとにある原因は平衡を失うことによるものであることを示している。他方、すくみ(freezing)、加速歩行または思うように脚が動かないのは、記録されている転倒のそれぞれ約5%しか占めていない。Matinolliら(2011年)のActa.Neurol.Scand.、123巻:193〜200頁(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)によるさらに他の試験では、2年間の追跡調査で、反復性転倒者(recurrent faller)の25%は歩行(gait)のすくみを示しているが;反復性転倒者の51%は、歩行のすくみとは無関係の転倒であると報告されている。さらに、反復性転倒者の59%は神経原性起立性低血圧症(「NOH」)に罹患しており、非反復性転倒者の47%はNOHに罹患している。Bloemらによる試験によって、この試験において転倒の3分の2は、患者が、彼らの症状が良く制御されている(例えば、レボドパおよび/またはドーパミンアゴニスト、例えばアポモルヒネで)と考えている場合に起こっているので、抗パーキンソン投薬治療は平衡の問題を軽減していないことが示唆されている。これは、反復性転倒者の86%が抗パーキンソン投薬治療としてレボドパを服用していたMatinolliらによる試験と一致している。Matinolliらは、反復性転倒者は、非反復性転倒者と比べて姿勢の傾きの増大を示すと結論づけており、他の試験は、PDにおける姿勢の不安定性が従来の薬物療法に耐性を示すことを示唆している。Bloemら(1996年)Mov.Disord.、11巻:509〜521頁;Bonnetら(1987年)Neurology、37巻:1539〜1542頁;およびKlawans、HL(1986年)Mov.Disord.、1巻:187〜192頁を参照されたい。これらのすべてを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
特に、Kollerらの(1989年)Clin.Neuropharmacol.、2巻:98〜105頁(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)による試験において、PD患者の38%が転倒しており、13%は週に2回以上転倒している。起立性低血圧はまれであり、この試験では転倒と相関していなかった。しかし、転倒は姿勢の不安定性、動作緩慢および硬直と相関しているが、振戦とは相関していなかった。この試験における転倒の頻度は、PDにおける姿勢の不安定性の重症度のみに相関していた。さらに、頻繁な転倒者および姿勢の不安定性は、ドーパミン作動性療法によって変化しなかったが、歩行困難および動作緩慢を有する一部の転倒者はレボドパ療法によって改善されていた。この試験の結論は、頻繁な転倒は姿勢の不安定性によって引き起こされ、そのような不安定性はドーパミン作動性療法(例えば、レボドパ)に対して可逆的ではなく、PDにおける転倒は一般に薬物療法にそれほど応答しないということである。
レボドパはPD患者のための治療法として長年使用されてきたが、PDのいくつかの症状は、レボドパ療法に対して非応答性であることが確認されており、これは、ドーパミンニューロン以外の広い神経変性に帰すことができる。レボドパ療法はPDのすべての症状に対して有意の効果をもたらさないので、従来の研究は代替療法を見出すべく行われてきた。例えば、Narabayashiら(Proc.Japan Acad.、57巻、Ser.B,No.9、351〜354頁(1981年))は、PDのいくつかの症状はノルエピネフリン神経系の機能障害に起因するようであると主張している。ノルエピネフリン神経系を活性化するために、ドロキシドパを「歩行のすくみ」に苦しむPD患者に投与し、有益な効果を報告している。さらなる研究により、日本におけるドロキシドパの使用の承認に至っている(Narabayashiらの「clinical evaluation」、15巻(3号)423〜457頁(1987年):Clin.Eval.、15巻:423〜457頁、1987年10月を参照されたい)。しかし、歩行のすくみにおけるドロキシドパの効力比は、報告されている試験では必ずしも高くない。したがって、Societas Neurologica Japonica PA疾患指針では、ドロキシドパは、PD患者において任意選択的に試みられる医薬品と見なされている。それにもかかわらず、歩行のすくみにおけるドロキシドパの有効性はこれまで疑問視されてきた(Quinnらの「Acute administration of DL−threo DOPS does not affect the freezing phenomenon in parkinsonian patients」、Neurology、1984年、34巻:149頁を参照されたい)。
身体的活動性の自己規制、さらには社会的孤立をもたらす可能性のある軟部組織損傷、骨折および将来の転倒への不安を含む有害な結果の割合が高いため、転倒の低減は望ましいものである。したがって、特にPD患者における転倒の低減のためのさらなる介入のため、より特別には、薬物療法などの、広範な患者集団に対して安全であり、容易に導入される介入のためのニーズが当技術分野において依然として存在する。
本発明は、患者、特に転倒の履歴を有する患者および/または転倒する傾向または性向をもたらすもとにある疾患または状態を有する患者の転倒を低減するための組成物、システムおよび方法を提供する。より特別には、本発明の対象となる患者は、転倒関連状態の重症度の特性評価の対象となる患者を含むことができる。例えば、本発明にしたがって治療される患者にはパーキンソン病(「PD」)患者が含まれ、PDの重症度は、ヘーンアンドヤール評定スケールおよびパーキンソン病統一評定スケール(「UPDRS」)のそれぞれの版などの評定スケールによって特徴付けることができる。
本発明の組成物、システムおよび方法は、特に、ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグあるいはドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグを含む医薬組成物の投与を含むことができる。本発明の組成物、システムおよび方法は一般に、ドロキシドパを唯一の活性薬剤として含むことができる。別の方法では、ドロキシドパを、1つまたは複数の他の薬学的に活性な化合物と併用して投与することができる。
本明細書では本発明をPD患者の治療に関連して説明するが、患者における転倒を低減するためのこの組成物、システムおよび方法を、頻発する転倒がその特徴である疾患または状態に罹患している任意の患者または患者集団に拡大できることを理解すべきである。頻発する転倒はPD、特に神経原性起立性低血圧症(「NOH」)に罹患しているPD患者において確認されている症状であるので、本開示は、特に、この状態または状態の組合せに関連して本発明を説明する。しかし、本発明の主題は、上述したような他の状態を包含するものとする。
特定の実施形態では、本発明はPD患者、特にNOHに罹患しているPD患者における転倒を低減する方法を提供することができる。具体的には、その方法は、患者に有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグを投与することを含むことができる。そのような転倒の低減は、ドロキシドパの投与前の患者当たり1週間当たりのベースライン平均転倒回数と比較した患者当たり1週間当たりの平均転倒回数の投与後の低減によって示すことができる。例えば、投与後の患者当たり1週間当たりの平均転倒回数を、少なくとも20%、少なくとも50%、または本明細書でほかに開示するような別の定量化尺度で低減させることができる。患者の転倒回数は、電子手帳によるなどの患者の自己報告に基づいて確認することができる。
いくつかの実施形態では、転倒の低減は、姿勢の不安定性の低減が伴う可能性がある。特に、姿勢の不安定性の低減は、当技術分野で公認されている評定スケールによって特定可能である。例えば、姿勢の不安定性の低減は、ドロキシドパの投与前のベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアと比較して、改善されている患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアで示すことができる。具体的には、投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアを、少なくとも0.2ポイント、少なくとも0.3ポイント、少なくとも0.4ポイント、または本明細書でほかに開示するような別の定量化尺度で改善することができる。
他の例として、転倒の低減は、UPDRSスケールで測られるPD関連の運動および/または非運動症状の重症度の低減を伴う可能性がある。具体的には、そのような転倒の低減は、ドロキシドパの投与前のベースラインUPDRSスコアと比較して改善されている、患者についてのUPDRSスコアによって示すことができる。より具体的には、投与後のUPDRSスコアは、少なくとも4ポイント、少なくとも10ポイント、または本明細書でほかに開示するような別の定量化尺度で改善することができる。
さらなる実施形態では、本発明は、PD患者における姿勢の不安定性を改善する方法を提供することができる。より特別には、そのような改善は、姿勢の不安定性の指標であるベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアを示すPD患者においてであってよい。姿勢の不安定性を示す最小スコアは、例えば少なくとも0.5、少なくとも1.0のスコア、または本明細書で別に説明するような他の値であってよい。この方法は特に、患者に有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグを投与することを含むことができる。好ましくは、その投与は、患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアが、ベースラインスコアと比較して改善されるような投与である。例えば、そのようなスコアを、少なくとも0.2ポイント、少なくとも0.3ポイント、少なくとも0.4ポイント、または本明細書でほかに開示するような別の定量化尺度で改善することができる。
さらに他の実施形態では、本発明はPD患者、特にPD関連の運動および/または非運動症状の指標であるベースラインUPDRSスコアを示すPD患者の運動および/または非運動症状の重症度を改善する方法を提供することができる。そのような方法は、患者に、有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグを投与することを含むことができる。好ましくは、投与は、患者についての投与後のUPDRSスコアが、ベースラインスコアと比較して改善されるような投与である。具体的には、UPDRSスコアを、少なくとも5ポイント、少なくとも10ポイント、または本明細書でほかに開示するような別の定量化尺度で改善することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法は、1つまたは複数の追加の活性薬剤とのいくつかの組合せでドロキシドパを使用することを含むことができる。頻発する転倒に苦しむ患者、例えばPD患者、より具体的にはNOHに罹患しているPD患者に投与するのに適していることが認識されている他の任意の活性薬剤を、本発明によるドロキシドパと併用することができる。特定の実施形態では、そのような併用のための例示的な活性薬剤は、DOPAデカルボキシラーゼ阻害化合物、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害化合物、モノアミンオキシダーゼ阻害化合物、コリンエステラーゼ阻害化合物およびその組合せを含むことができる。
1つまたは複数の追加の活性薬剤を本発明によるドロキシドパと一緒に使用する場合、いくつかの実施形態では、その1つまたは複数の追加の活性薬剤を、単一の医薬組成物中でドロキシドパと一緒に投与することができる。他の実施形態では、その1つまたは複数の追加の活性薬剤を、ドロキシドパとは別個に投与することができる。活性薬剤が投与される形態を、本発明に応じて変えることもできる。例えば、特定の実施形態では、ドロキシドパを、持続放出形態、制御放出形態または即時放出形態で投与することができる。他の実施形態では、特に、ドロキシドパを、Lトレオ異性体が鏡像異性体的に濃縮された混合物の形態で投与することができる。本明細書において他で開示されるような、さらに他の投与のための形態が想定される。
さらなる実施形態では、本開示は、姿勢の不安定性の症状を示すパーキンソン病(PD)患者における姿勢の不安定性の改善において使用するための、有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む組成物を提供することができる。より特別には、その改善された姿勢の不安定性は、転倒の低減によって定義することができる。さらなる実施形態では、その姿勢の不安定性は、姿勢の不安定性の指標であるベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義することができ、姿勢の不安定性における改善は、ベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義することができる。さらなる実施形態では、姿勢の不安定性は、PD関連の運動または非運動症状の指標であるベースラインパーキンソン病統一評定スケール(UPDRS)スコアによって定義することができ、姿勢の不安定性における改善は、ベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のUPDRSスコアによって定義することができる。そのような組成物は、DOPAデカルボキシラーゼ阻害化合物、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害化合物、モノアミンオキシダーゼ阻害化合物、コリンエステラーゼ阻害化合物およびその組合せからなる群から選択される1つまたは複数の追加の活性薬剤をさらに含むことができる。さらに、そのドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、持続放出形態、制御放出形態または即時放出形態であってよい。特に、ドロキシドパは、Lトレオ異性体が鏡像異性体的に濃縮された混合物の形態であってよい。
これまで本発明を概括的な表現で説明してきたが、ここで添付の図面を参照することとする。
実施例1で説明する試験における、患者の全転倒回数を例示するグラフである。 実施例1で説明する試験における、患者当たり1週間当たりの転倒回数を例示するグラフである。 実施例1で説明する試験における、患者の転倒の経時的な累積分布を例示するグラフである。 2名の患者での完全解析セットの感度解析として、各治療群から最も多い転倒回数を排除して、実施例1で説明する試験において報告された患者の1週間での転倒回数を例示するグラフである。 5名の患者での完全解析セットの感度解析として、各治療群から最も多い転倒回数を排除して、実施例1で説明する試験において報告された患者の1週間での転倒回数を例示するグラフである。 実施例1で説明する試験において報告された、治療の最初の10日間を排除した場合の患者の転倒の累積分布を例示するグラフである。 実施例1で説明する試験の最後でのヘーンアンドヤール評定スケールスコアにおけるベースラインからの変化を例示するグラフである。 実施例1で説明する試験の最後でのMDS−UPDRSスコアにおけるベースラインからの変化を例示するグラフである。 実施例2で説明する試験における、患者当たり1週間当たりの転倒回数を例示するグラフである。 2名の患者、5名の患者または10名の患者での完全解析セットの感度解析として、各治療群から最も多い転倒回数を排除して、実施例2で説明する試験において報告された患者の1週間での転倒回数を例示するグラフである。
ここで、本発明を、種々の実施形態を参照することによって以下でより完全に説明することとする。これらの実施形態を、本開示が、徹底的で完全であり本発明の範囲を当業者に十分に伝達されるように提供する。実際、本発明を多くの異なる形態で具体化することができるが、本発明が、本明細書で示す実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用し得る法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈による別段の明らかな指定のない限り、複数の指示対象を含むものとする。
本発明は、PDの症状の治療、特に異常な姿勢の不安定性の治療において使用するため、より具体的には患者における転倒を低減するための組成物、システムおよび方法を提供する。本発明にしたがった「転倒(fall)」を構成するような事態が出現した場合、それは、「家具、壁または他の対象物に止まるための意図的な姿勢の変化を除いて、地面、床または他のより低いレベルに思わず止まること」という世界保健機関(World Health Organization)の定義に従ってよい。世界保健機関:WHOの高齢者の転倒防止に関するグローバルレポート(Global Report on Falls Prevention in Older Age)(2007年)を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。特定の実施形態(本文書に添付される実施例に関連するものなど)では、転倒を、個人が地面、床、または個人が動き始めたところよりちょっと低いレベルに不意に止まることと定義することができる。さらなる実施形態では、転倒を、代替的に以下のうちのいずれかと定義することができる:
「地面またはあるより低いレベルに意図せずに止まることであり、ただし、持続的で暴力的な打撃、意識の喪失、脳梗塞またはてんかん性発作におけるような突然の麻痺の発症の結果としてのものを除く」(Gibsonら(1987年)Danish Medical Bulletin 24(Suppl 4):1〜24頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする);
「転倒は、麻痺、てんかん性発作または圧倒的な外力の突然の出現の結果としてのもの以外の、個人をより低いレベルで、対象物上、床上、地面に着地させる意図せざる突然の姿勢の変化である」(Federら(2000年)British Medical Journal 321巻:1007〜1011頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする);
「地面、床または他のより低いレベルに意図せずに止まること」(Wolfら(1996年)Journal of the American Geriatrics Society、44巻:489〜497頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする);または
「予期せずに平衡を失い、結果として床、地面または膝のレベルより低い対象物に止まること」(Lachら(1991年)Journal of the American Geriatrics Society、39巻:197〜202頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)。
上方へ可動性のいずれの個人も転倒しがちである。しかし、上述したように、特定の患者集団を、転倒リスクの増大および/または転倒の発生率の増大によって特徴付けることができる。そのような「増大した」リスクおよび/または発生率は、転倒のリスクおよび/または発生率を増大させる疾患または状態に何ら苦しんでいない平均的な成人個人における転倒のランダムな出現に対するものであることと理解されるものとする。具体的には、そのような平均的な成人個人は、異常な身体活動を実行するときにたまに転倒する可能性があるが、通常の日常的な活動を行う際の転倒は、ランダムにかつ/またはたまにしか発生しない。これに対して、反復性転倒者は一般に、特定可能な頻度で転倒を引き起こす持続的な疾患または状態を経験する。例えば、頻発する転倒に苦しむまたはそれを示す患者は、特定の期間にわたる平均転倒回数で説明することができる。具体的には、特定の実施形態では、本発明による反復性転倒者は、平均して1カ月当たり少なくとも1回の転倒、1カ月当たり少なくとも2回の転倒、1カ月当たり少なくとも3回の転倒、1カ月当たり少なくとも4回の転倒、1カ月当たり少なくとも5回の転倒、1カ月当たり少なくとも6回の転倒、1カ月当たり少なくとも7回の転倒または1カ月当たり少なくとも8回の転倒を経験する患者であってよい。さらなる実施形態では、本発明による反復性転倒者は、平均して1週間当たり少なくとも0.1回の転倒、1週間当たり少なくとも0.2回の転倒、1週間当たり少なくとも0.4回の転倒、1週間当たり少なくとも0.5回の転倒、1週間当たり少なくとも0.6回の転倒、1週間当たり少なくとも0.8回の転倒、1週間当たり少なくとも1回の転倒、1週間当たり少なくとも1.2回の転倒、1週間当たり少なくとも1.4回の転倒、1週間当たり少なくとも1.5回の転倒、1週間当たり少なくとも1.6回の転倒、1週間当たり少なくとも1.8回の転倒、または1週間当たり少なくとも2回の転倒を経験する患者であってよい。さらなる実施形態では、本発明による反復性転倒者は、平均して1週間当たり0.1〜5回の転倒、1週間当たり0.1〜4.5回の転倒、1週間当たり0.1〜4回の転倒、1週間当たり0.1〜3.5回の転倒、1週間当たり0.1〜3回の転倒、1週間当たり0.5〜5回の転倒、1週間当たり0.5〜4.5回の転倒、1週間当たり0.5〜4回の転倒、1週間当たり0.5〜3.5回の転倒、または1週間当たり0.5〜3回の転倒を経験する患者であってよい。そのような平均転倒回数は好ましくは、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月または少なくとも1年間の期間にわたって患者が苦しむ転倒の回数によって定義される。
いくつかの実施形態では、したがって、本発明が提供する組成物、システムおよび方法は、反復性転倒者であることが分かっている任意の患者集団または反復性転倒者の特徴を示す任意の患者集団などの一般化された患者集団に適用することができる。他の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法は、転倒をまだ経験していないが、転倒を経験する可能性を増大させる状態と診断された患者に予防的な仕方で適用することができる。さらなる実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、転倒が、そのために転倒の症状がある一群の疾患または状態に罹患している任意の患者集団、そのために転倒の症状がある特定の疾患または状態に罹患している任意の患者集団、またはその身体的徴候が転倒と関連している疾患または状態の身体的徴候を示す任意の患者集団などの、もとにある特定の原因の症状である、あるいはそれと関連していると特徴付けられる患者集団に適用することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、姿勢の不安定性を示す患者に適用することができる。他の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、パーキンソン病(「PD」)に罹患している患者に適用することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、異常な姿勢の不安定性を示すPD患者に適用することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、神経原性起立性低血圧症(「NOH」)に罹患しているPD患者に適用することができる。より特別な実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、NOHに苦しみ、姿勢の不安定性を示すPD患者に適用することができる。さらなる実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法を、PD関連運動症状および/またはPD関連非運動症状に罹患している患者に適用することができる。
特定の実施形態では、本発明の組成物、システムおよび方法は、特にPD患者の転倒を低減するのに特に有用である可能性がある。上述したように、転倒は、その疾患に固有のものであり、一般に環境ハザードの排除によって軽快しない、確認されているしばしば身体の自由を奪うPDの結果である。
PDの一般に確認されている中核的運動症状には、安静時の振戦、硬直、無動(または動作緩慢)および姿勢の不安定性(ならびに屈曲した姿勢およびすくみ)が含まれる。他のPD関連運動症状は、マスク顔(hypomimia)、構音障害、嚥下障害、流涎症、腕の振りの減少、引きずり歩行、加速歩行、座位からの立ち上がりまたは寝返りの困難、小字症、日常の生活活動を実行するのが困難であることまたはそれが遅いこと(例えば、衛生、摂食等)、眉間反射、眼瞼けいれん、ジストニア、線条体の変形(striatal deformity)、脊柱側弯および前屈症を含むことができる。
様々なPD関連運動症状が、人がつまずくまたは足を踏み外すリスクを増大させる可能性があるが、すでに上述した試験が、PD患者における頻発する転倒が姿勢の不安定性と強く相関することを示していることに注目することは興味深いことである。さらに、そのような試験は一般に、ドーパミン作動性の薬理学的介入は、PD患者、特にその疾患の運動症状として姿勢の不安定性を示すPD患者における転倒を防止または低減するのに効果がないと考えられることを示している。
PDに罹患している患者は、非運動症状を示す可能性もある。そのような症状には、認知障害、精神緩慢、舌先現象(tip−of−the−tongue phenomenon)、うつ(depression)、感情鈍麻、快感消失、疲労、嗅覚消失、無味覚、疼痛、錯感覚、自律神経障害(起立性低血圧症、便秘、尿および性機能障害、多汗症および脂漏症を含む)および睡眠障害(REM行動障害、鮮明な夢(vivid dream)、日中の眠気、睡眠断片化および下肢静止不能症候群を含む)が含まれる。
本発明が患者における転倒を低減するために提供する実施形態において、その低減は、本発明による治療前の単位時間当たり患者当たりのベースライン平均転倒回数と比較した、投与後の単位時間当たり患者当たりの平均転倒回数の低減によって定義することができる。例えば、単位時間は時間、日、週、月または年で測ることができる。平均転倒回数は、当技術分野でさらに適用できる任意の方法を含む、上記で論じた方法のいずれかで特性評価することができる。特定の実施形態では、投与後の単位時間当たり患者当たりの平均転倒回数を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%低減させることができる。他の実施形態では、その低減を、より具体的に定量化することができる。例えば、単位時間当たり患者当たりの平均転倒回数を、少なくとも3.0回の転倒から2.5回未満の転倒に、少なくとも3.0回の転倒から2.0回未満の転倒に、少なくとも3.0回の転倒から1.5回未満の転倒に、少なくとも3.0回の転倒から1.0回未満の転倒に、少なくとも3.0回の転倒から0.5回未満の転倒に、少なくとも2.5回の転倒から2.0回未満の転倒に、少なくとも2.5回の転倒から1.5回未満の転倒に、少なくとも2.5回の転倒から1.0回未満の転倒に、少なくとも2.5回の転倒から0.5回未満の転倒に、少なくとも2.0回の転倒から1.5回未満の転倒に、少なくとも2.0回の転倒から1.0回未満の転倒に、少なくとも2.0回の転倒から0.5回未満の転倒に、少なくとも1.5回の転倒から1.0回未満の転倒に、少なくとも1.5回の転倒から0.5回未満の転倒に、または少なくとも1.0回の転倒から0.5回未満の転倒に低減させることができる。
患者または患者集団が苦しむ転倒の回数は、当技術分野で有用な任意の手段、具体的には患者による自己報告(例えば電子手帳による)を用いて特定することができる。したがって、種々の実施形態では、それによって有効性を評価するためのデータが収集される方法に関連して、本発明を定義することができる。例えば、規定された期間にわたって患者が苦しむ転倒回数を、患者または患者(複数)による自己報告を用いて樹立することができる。
本発明によって使用することができる1つの方法は、患者(または彼らの知らされている介護者)に、指定された単位時間にわたってその患者が転倒したかどうか、そうであれば何回転倒したかを思い出すように問う定期的な質問表である。これは有用な方法であるが、そのような定期的なデータ収集は転倒発生数が、実際より少なく報告される、または実際より多く報告される傾向があることに留意すべきである。
転倒についての自己報告データを収集するのに使用するための紙の日記または紙のカレンダーは、そのような手段が遡及的収集ではなく予測的データ収集に依存するので、特に有益である可能性がある。したがって、最近、紙の日記またはカレンダーが、自己報告データ収集のための優れた標準(gold standard)として記載されている。Hannanら(2010年)、American Journal of Epidemiology、171巻:1031〜1036頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。しかし、そのような手段は、電子的データ収集における技術的進歩に照らして若干原始的なものと考えられる。
データ収集のための電子日記は、「リアルタイム」でデータを獲得し、PD患者においてしばしば見られる手書きの困難さを克服し、データ消失のリスクを低減し、信頼性のある正確なデータによる完全性の増大を可能にする能力のため、既存の紙による手段より優れていると思われる。電子日記は時刻印、リマインダー機能、およびデータが入力されたら直ちにコンプライアンスについてモニターする能力を含むことができる。上記および他の利点のため、電子日記について、時宜を得た試験手順の完了に対する患者のコンプライアンスは約90%であることが確認されている。HuffordおよびShields(2002年4月)、Applied Clinical Trials:46〜56頁、http://www.ACTmagazine.comを参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
いくつかの評定スケールが、PDを有する患者における障害および能力障害の評価のために使用される。特に、PD患者における姿勢の不安定性と転倒の間の関係が確認されていること、ならびにPD患者における転倒に対する他のPD関連運動症状およびPD関連非運動症状の影響のため、2つのそのようなスケールは、本発明の効能を定義するのに特に有用である。
ヘーンアンドヤール段階分けスケールは、全般的なパーキンソン病様機能障害の重症度が、両側性運動障害(bilateral motor involvement)および損なわれた平衡/歩行と関係するという二重の概念に基づいている。Goetzら(2004年)Movement Disorder Society、19巻(9号):1020〜1028頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。したがって、ヘーンアンドヤール評定スケールは、疾患重症度の主指標として、姿勢の不安定性に非常に重みを置いている。結果として、PD患者のヘーンアンドヤール評定スケールスコアの改善は、運動障害、損なわれた平衡/歩行、特に転倒などの姿勢の不安定性に付随する問題に関する治療の効果の非常に有用な尺度として働くことができる。Goetzらによって報告されているように、日常生活に関わる作業の客観的かつ定量的な運動不全テストおよび評価により、客観的運動能力とヘーンアンドヤール評定スケールスコアとの間の有意の相関が確認されている。多くの場合、ヘーンアンドヤールスケール上での進行は、ドーパミン作動性治療(すなわちレボドパ治療)の開始のための決定因子であり得る。レボドパ治療は、ヘーンアンドヤールスケールでの一連の段階への待ち時間を延長させることが分かっている。興味深いことに、PD患者におけるヘーンアンドヤールスコアに積極的に影響を及ぼす治療はほとんどないことが示されている。そのほかは臨床的に適切な改善をもたらすPDの薬物治療でも、ヘーンアンドヤールスケールスコアが、より低い段階へ規則的に戻るわけではない。さらに、最近のドーパミン作動性療法のいくつかの研究は、10年間にわたる、ヘーンアンドヤールスケールのより高い段階に到達する患者の割合が、レボドパ時代以前の数字と同様であることを見出している。したがって、一般的なPD薬物療法はこれまで、ヘーンアンドヤールスケールスコアに積極的に影響を及ぼすことが示されていないようであり、実際、ヘーンアンドヤールスケールスコアの逆戻りをもたらすことが示された治療はほとんどない。したがって、特定の治療の結果として、PD患者についてのヘーンアンドヤールスケールスコアにおける統計的に有意な改善は、当技術分野において通常予期されるのを凌駕する、治療効能の驚くべき指標(indicator)である。
したがって、さらなる実施形態では、本発明は、PD患者における姿勢の不安定性を改善する方法を包含することができる。具体的には、PD患者を、姿勢の不安定性の指標であるベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアを示すものとして特性評価することができる。そのような方法では、効能を、本発明による治療の前に取られたベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって証明することができる。
より特別には、本発明の組成物、システムおよび方法は患者、特にPD患者、より特別には姿勢の不安定性を示すPD患者、さらにより特別にはNOHを有しまた姿勢の不安定性も示すPD患者のヘーンアンドヤール評定スケールの改善を提供することができる。そのような実施形態では、本発明を、特定の患者または患者集団における転倒を低減し、特定の患者または患者集団における転倒の発生率を低減する、あるいは特定の患者または患者集団における姿勢の不安定性を改善すると特徴付けることができる。他の実施形態では、本発明を、具体的には、特定の患者または患者集団のヘーンアンドヤール評定スケールスコアを改善すると特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、その患者または患者集団を、特定のベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアを示すと特徴付けることができ、そのようなスコアを、姿勢の不安定性の指標であるとさらに特徴付けることができる。姿勢の不安定性は、ある患者が、ヘーンアンドヤール評定スケールの特定の段階の範囲にあると分類するための特徴的特性であるが、データは、ヘーンアンドヤール段階分けカテゴリーを、段階指標命名法(stage indicator nomenclature)に基づいて厳密に適用すべきではないことを示している。Blaszczykら(2007年、7月4日にウェブ上で公開された「Assessment of postural instability in patients with Parkinson’s disease」、http://www.cmich.edu/chp/Documents/college_of_health_professions/Clinic/bridges/Assessment%20of%20postural%20instability%20in%20patients%20with%20parkinsons%20disease.pdf。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)は、1〜3の範囲のヘーンアンドヤール評定スケールスコアを有するPD患者が、頻発する転倒を伴う顕著な姿勢不安定性を示すことを示す試験を実施している。そのような試験は、特に、目を閉じて立っている間の中外斜位方向の動揺および動揺領域の増大がパーキンソン病様姿勢の不安定性の特徴であり(テストされた範囲全体にわたってヘーンアンドヤール評定スケールスコアを有する患者において明らかである)、すくみと無関係の転倒と相関していると判定している。Blaszczykらは特に、彼らの結果により、姿勢安定性の制御の低下は、疾患の発現とともに開始される連続的な過程であるが、それでも、効果的な代償機序が、そのもたらされる欠陥を、複合効果(compounding effects)によってついに転倒再発の増大となるその疾患の後期まであいまいにしている可能性があることが確認されたことを指摘している。したがって、3.0未満のヘーンアンドヤール評定スケールスコアは依然として姿勢の不安定性の指標であると見なすことができ、本発明による薬理学的介入の効果として、ヘーンアンドヤール評定スケールスコアの改善によって証明される姿勢安定性の改善が、当技術分野において示されているとはまだ考えられない。
一般に、ヘーンアンドヤール評定スケールスコアは、0.5または1.0単位の増分で1〜5で評価される。個々の患者についての複数の得点を平均して、連続した0〜5スケールにそって平均値を得ることができる。同様に、患者集団についての得点を平均して、連続した0〜5スケールにそってその集団についての平均値を得ることができる。したがって、本発明は、治療後(または投与後)のヘーンアンドヤール評定スケールスコアを、少なくとも0.2単位、少なくとも0.3単位、少なくとも0.4単位、少なくとも0.5単位、少なくとも0.6単位、少なくとも0.7単位、少なくとも0.8単位、少なくとも0.9単位または少なくとも1.0単位で改善させるように特徴付けることができる。さらに大幅な改善を本発明によって実現することができる。他の実施形態では、本発明を、全単位で、すなわち少なくとも0.5単位、少なくとも1単位、少なくとも1.5単位または少なくとも2単位で、PD患者についてのヘーンアンドヤール評定スケールスコアを改善すると特徴付けることができる。さらなる実施形態では、本発明は、治療前(またはベースライン)段階から、値がより小さい治療後段階まで、PD患者についてのヘーンアンドヤール評定スケール段階分けを改善すると特徴付けることができる。そのような改善は以下の:ベースラインヘーンアンドヤールスコアが4.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが4.0未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが3.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが3.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.8未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが3.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが3超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.2未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.5超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.5超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.3未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.5超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.5超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが2.0超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.2未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが1.8超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが1.8超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5未満である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが1.8超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.2未満である;またはベースラインヘーンアンドヤールスコアが1.8超であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0未満であることのいずれかとして定義することができる。さらに他の実施形態では、そのような改善は以下の:ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも4.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.5以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも4であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも3.5であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも3.5であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも3.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも3.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも2.5であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも2.5であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも2.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも2.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0以下である;ベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも1.5であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0以下である;またはベースラインヘーンアンドヤールスコアが少なくとも1.0であり、投与後のヘーンアンドヤールスコアが0.5以下であることのいずれかとして定義することができる。
パーキンソン病統一評定スケール(「UPDRS」)は、能力障害および機能障害を評価するための十分確立されているスケールである。PDの進行を追跡するためにUPDRSを利用した試験によれば、PDの過程は直線的ではなく、悪化の速度は変化しやすく、その疾患の初期において、また、姿勢の不安定性および歩行困難を有する患者においてより急速であることが示唆されている。UPDRSは、PD関連運動症状およびPD関連非運動症状をその4つの要素構造(すなわち、パートI−精神状態、挙動および気分;パートII−日常生活の活動;パートIII−運動;およびパートIV−合併症(complications))において考慮している。パーキンソン病様運動不全および能力障害の評価のために利用できるすべての臨床スケールのうち、UPDRSは最も一般的に使用されている手段の1つであり、米国および欧州の監督官庁は、新規薬物の承認のためにこのスケールを信頼している。個々のサブスケール(例えば、パートIIおよびIII)、ならびにフラクチュエーター(fluctuator)間でのオンスコアおよびオフスコアの際に得られたサブスケールスコアの平均値での全UPDRSスコアにおける有意の改善が、プラセボと比較して文書化されている。さらに、UPDRSの改善が、新規のPD治療を中心とする試験での患者において見られる。
UPDRSは、回答がゼロから増大してゆくスケールで評点される一連の質問に基づいている。より高いスコアは重症度の増大を示している。全スコアも、サブスケールスコアも考慮することができる。初期UPDRSスコア(またはベースラインスコア)を、治療後(または投与後)スコアに対して評価することができる。ここでスコアの減少は、患者の(または集団の)PD関連運動症状、PD関連非運動症状またはPD関連運動および非運動症状の重症度が低下していることを示している可能性がある。UPDRSスコアが全体としてまたはサブスケールベースで評価されるので、UPDRSスコアを、PD関連運動症状、PD関連非運動症状またはPD関連運動および非運動症状を示すものとして評価することが可能である。ゼロのUPDRSスコア(サブスケールで、または全体としてのテストで)を有する患者は、PD関連の運動および/または非運動症状(サブスケールまたは全体としてのテストに関して)を何ら示していないと見なされることになる。ゼロを超えるスコアは、そのスコアがサブスケールであるかまたは全体としてのテストであるかに応じて、PD関連の運動および/または非運動症状を示していると見なすことができる。より高いスコアは、PD関連症状の重症度がより高いことを示している。
したがって、本発明の組成物、システムおよび方法は、同じ患者について、治療後(または投与後)のUPDRSテストのスコアと治療前(またはベースライン)UPDRSテストのスコアを比較することによって、PD関連運動症状、PD関連非運動症状またはPD関連運動および非運動症状の重症度の改善に関して特徴付けることができる。種々の実施形態では、患者についての投与後のUPDRSスコアがベースラインスコアと比較して改善されている場合、PD関連運動症状、PD関連非運動症状またはPD関連運動および非運動症状の重症度が改善されていると定義することができる。特定の実施形態では、その改善は、UPDRSスコアにおける具体的な低減に基づいて定義することができる。具体的には、そのスコアは、少なくとも2ポイント、少なくとも4ポイント、少なくとも5ポイント、少なくとも6ポイント、少なくとも8ポイント、少なくとも10ポイント、少なくとも12ポイント、少なくとも14ポイント、少なくとも15ポイント、少なくとも16ポイント、少なくとも18ポイントまたは少なくとも20ポイント低減されてよい。そのような改善を、全体的UPDRSテストスコアと関連づける、パートIスコアと関連づける、パートIIスコアと関連づける、パートIIIスコアと関連づける、パートIVスコアと関連づける、または上記パートのいずれか2つもしくは3つの組合せと関連づけることができる。改善が、パートIIIまたはパートIIIを含むいくつかの組合せと関係する場合、その改善を、特にPD関連運動症状の重症度における改善と特徴付けることができる。改善が、パートIIIを含まないパートまたはパートの組合せと関係する場合、その改善を特に、PD関連非運動症状の重症度の改善と特徴付けることができる。さらなる実施形態では、その改善を投与後のUPDRSスコアとベースラインUPDRSスコアの間の変化パーセンテージに基づいて定義することができる。具体的には、スコアを、少なくとも2%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%または少なくとも25%低減することができる。さらに、上記で論じた任意の改善を、単一の患者についての単一のテストからのスコア、単一の患者についての複数のスコアの平均または患者集団についてのスコアの平均と関連づけることができる。したがって、本発明は明確に、本明細書で他に説明したような、個々の患者の治療ならびに患者集団の治療に関する。
上述したように、相当な数のPD患者はNOHにも苦しめられる。したがって、本発明は、特に、NOHに罹患しているPD患者の治療に関係することができる。NOH自体、立ち上がった直後の眩暈のため、転倒を引き起こす可能性があるが、本発明によって達成される転倒の低減を、単に、立ち上がった直後のそのような眩暈の減少によると誤って考えるべきではない。むしろ、本発明の組成物、システムおよび方法はPD患者の姿勢安定性を改善すると考えられ、この関連性は、NOHを有するPD患者のヘーンアンドヤール評定スケールスコアが本発明の組成物、システムおよび方法の適用によって改善されている、添付の実施例によって支持される。ヘーンアンドヤール評定スケールスコアが、PD患者の姿勢の不安定性と強く関係することが確認されているので、患者、特にNOHを有するPD患者を含むPD患者で見られる本発明の組成物、システムおよび方法を用いた転倒の低減は、姿勢安定性の改善によってもたらされると考えられる。本発明を定義するための要件とは考えられないが、いくつかの実施形態では、本発明を、NOHに罹患しているPD患者の転倒を低減するものと特徴付けることができる。そこでは、その低減は、PD患者の姿勢安定性の改善によってもたらされ、一般に、横になった姿勢または座った姿勢から立ち上がる際の短い時間枠内のみで起こる眩暈またはNOHの他の症状の改善に厳密には関係していない。姿勢安定性の改善は、ベースラインスコア(本発明による治療前)および治療後のスコアからのPD患者のヘーンアンドヤール評定スケールスコアの改善によって明らかに特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、姿勢安定性におけるこの改善は、特にその改善がUPDRSのパートIIIで示される、ベースラインスコア(本発明による治療前)および治療後スコアからのPD患者のUPDRSスコアの改善によって明らかに特徴付けることができる。
同様に、PD患者のUPDRSスコアの改善は、患者のPD関連運動症状ならびに患者のPD関連非運動症状における一般的な改善と特徴付けることができる。すでに上記で論じたように、種々の実施形態では、本発明を、本発明による治療前のベースラインスコアおよび治療後のスコアからの、患者の全UPDRSスコア(またはその1つ、2つまたは3つのパート)における具体的な低減によって証明されるように、PD関連運動症状、PD関連非運動症状、またはPD関連運動と非運動症状の両方の重症度を低減するものと説明することができる。
本発明の組成物、システムおよび方法は、特に、1つまたは複数の活性薬剤および1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含むものなどの1つまたは複数の医薬組成物として投与できる1つまたは複数の活性薬剤の使用を含むことができる。具体的には、本発明の組成物、システムおよび方法は、活性薬剤としてのドロキシドパの使用を含む。
ドロキシドパは、トレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン、トレオ−β,3−ジヒドロキシ−L−チロシン、(−)−(2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸およびトレオ−ドパセリンとして、また、一般的な用語のDOPS、トレオ−DOPSおよびL−DOPSとしても公知である。ドロキシドパの構造は以下の式(1)で表される。
Figure 2015505563
この化合物は、光学的に活性であり、L−トレオ−DOPS、D−トレオ−DOPS、L−エリトロ−DOPSおよびD−エリトロ−DOPSを含む種々の形態で提供することができる。これらの化合物は、ラセミ体でも存在することができる。本発明ではLトレオ異性体が一般に好ましいが、本発明は、他の形態のドロキシドパを取り込んだ組成物および使用方法も包含する。したがって、本開示を通して使用するように、「ドロキシドパ」という用語は、ドロキシドパの、任意の単離された異性体もしくは精製された異性体、または異性体の濃縮された混合物(例えば、Lトレオ異性体)ならびにラセミ体を包含するものとする。特に述べれば、本発明の実施形態は明らかに、ドロキシドパの上記異性体および/またはラセミ体のいずれも包含することができる。例えば、本発明は、特に、Lトレオ異性体が鏡像異性体的に濃縮された混合物の形態であるドロキシドパの使用を包含することができる。
ドロキシドパは、ドパデカルボキシラーゼ(DDC)の作用を介してノルエピネフリンへ直接転換される、ノルエピネフリンの合成アミノ酸前駆体である。ドロキシドパは神経原性起立性低血圧症(NOH)を治療するのに使用されており、PD患者の治療において使用されている。以下の:(1)それが、生体内に広く分布している芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼの作用によって1−ノルエピネフリンへ直接転換され、したがってノルエピネフリンを補充する効果を有すること;(2)血液脳関門を通した脳内へのその透過性が限定されていること;(3)中枢および末梢神経系内で低下しているノルエピネフリン活性化された神経機能を特異的に回復させること;および(4)種々の組織におけるアドレナリン受容体を介して、ノルエピネフリンとしての種々の作用を示すことを含む複数の薬理学的活性がドロキシドパについて観察されている。
本発明による使用のためのドロキシドパは、ドロキシドパのL−異性体を単離するのに特に有用な方法を含む慣用的な方法で調製することができる。例えば、米国特許第3,920,728号、同第4,319,040号、同第4,480,109号、同第4,562,263号、同第4,699,879号、同第5,739,387;および米国特許第5,864,041号を参照されたい。これらを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明は、ドロキシドパの薬学的に許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物およびプロドラッグも包含する。一実施形態では、本発明は、エステル結合の加水分解的または酵素的分解によるドロキシドパの脱炭酸の減速または遅延を可能にするドロキシドパエステルの使用を含む。当業者が認識されるように、ドロキシドパのエステルは、カルボン酸エステル基上の水素を適切な任意のエステル生成基で置き換えることによって生成させることができる。例えば、米国特許第5,288,898号(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)は、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステル、n−ペンチルエステル、イソペンチルエステル、n−ヘキシルエステルなどを含むN−メチルフェニルセリンの種々のエステルを開示しており、本発明はそのようなエステルならびに他のエステルを包含する。本発明で使用できるエステル生成基のさらなる例は米国特許第5,864,041号に開示されている。これを全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
ドロキシドパに加えて、本発明の組成物、システムおよび方法は、さらなる活性薬剤の使用を包含することができる。特定の実施形態では、ドロキシドパと併用される活性薬剤は、1つまたは複数のDOPAデカルボキシラーゼ(DDC)阻害剤を含む。DDCは、レボドパ(L−DOPAまたは3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン)および5−ヒドロキシトリプトファン(5−HTP)の脱炭酸の触媒作用をして、それぞれドーパミンおよびセロトニンを生成する。同様に、DDCは、ドロキシドパのノルエピネフリンへの転換の触媒作用をする。DDC阻害剤は、上述した転換を防止するものであり、中枢神経系内での転換に焦点を合わせ、したがってドロキシドパのCNS濃度を増大させるために、前駆体薬物(ドロキシドパなど)と併用するのに有用である。
DDCの活性を阻害するまたは減少させると一般に確認されているどの化合物も、本発明にしたがって使用することができる。本発明で有用なDDC阻害剤の非限定的な例は、ベンセラジド、カルビドパ、ジフルオロメチルドパ、α−メチルドパおよびその組合せを含む。
ドロキシドパとDDC阻害剤の組合せは、ドロキシドパの効果を、ノルエピネフリンレベルの増大に焦点を合わせるのに特に有益である可能性がある。ベンセラジドおよびカルビドパなどの多くのDDC阻害剤は中枢神経系に進入しない。むしろ、これらは、その末梢内に留まり、そこで、化合物(レボドパまたはドロキシドパなど)が脱炭酸して活性代謝産物(ノルエピネフリンなど)になるのを防止する。したがって、非CNS DDC阻害剤をドロキシドパと組み合わせて投与する場合、DDC阻害剤はその末梢でのドロキシドパの脱炭酸を防止し、したがってより多くのドロキシドパが損なわれずにCNSに進入できるようにする。CNS内に進入したら(したがってDDC阻害剤から分離される)、ドロキシドパをノルエピネフリンに転換させることができる。したがって、DDC阻害剤とドロキシドパの組合せは、ドロキシドパがCNS内でノルエピネフリンを提供する有効な能力を増大させ、それによって治療において有効であるようにするのに必要なドロキシドパの用量を低減することができる。
さらなる実施形態では、ドロキシドパと併用される活性薬剤は、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼの機能を少なくとも部分的に阻害する1つまたは複数の化合物(そのような化合物は一般に「COMT阻害剤」と称される)を含む。カテコール−O−メチルトランスフェラーゼは、S−アデノシル−L−メチオニンから、ドーパミン、エピネフリン、ノルエピネフリンおよびドロキシドパを含む種々のカテコール化合物(例えば、カテコールアミン)へのメチル基の移行を触媒作用する。COMT酵素は、カテコールアミンおよびカテコール構造を有する薬物の神経外の不活性化において重要であり、一般に、カテコールアミンの代謝およびそれらの代謝産物に関与する最も重要な酵素の1つである。これは、末梢および中枢神経系を含む大部分の組織中に存在する。
COMTの阻害剤は、それらの半減期を増大させることによってカテコール化合物の代謝および排除を遅延させる。したがって、COMT阻害剤は、天然由来のカテコール化合物のレベルを増大させるように、また、投与されたカテコール化合物(ドーパミンの直前の前駆体であり、一般にパーキンソン病の対症療法に使用されるL−β−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)など)の薬物動態を変更させるように機能することができる。COMTの阻害剤は末梢的に(化合物エンタカポンなど)作用することができるが、その他は(トルカポンなど)は血液脳関門を通過することができ、したがって中枢的および末梢的に作用することができる。
COMT阻害剤であると一般に認識されているどの化合物も、本発明による追加の活性薬剤として使用することができる。本発明で有用なCOMT阻害剤の非限定的な例には以下の:エンタカポン(COMTAN(登録商標))とも称される[(E)−2−シアノ−N,N−ジエチル−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)プロペンアミド];トルカポン(TASMAR(登録商標))とも称される4−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトロベンゾフェノン;およびニテカポンとも称される3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メチレン−2,4−ペンタンジオンが含まれる。上記例に加えて、米国特許第6,512,136号(この開示を引用することにより本明細書の一部をなすものとする)は、本発明によるCOMT阻害剤としても有用である可能性がある種々の置換された2−フェニル−1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1−エタノン化合物を記載している。同様に、米国特許第4,963,590号;英国特許第2200109号;米国特許第6,150,412号;および欧州特許第237929号はそれぞれ、本発明で使用するのに有用である可能性のあるCOMT阻害化合物の群を記載している。上記特許のそれぞれの開示を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
理論に拘泥しようとするわけではないが、ドロキシドパをCOMT阻害剤と組み合わせて提供することによって、ドロキシドパが治療に影響を及ぼす能力が保たれると考えられる。具体的には、COMTの作用を阻害することによって、COMT阻害化合物は、ドロキシドパ(ならびにノルエピネフリン自体)の代謝を減速または遅延させる。これは、投与されたドロキシドパのピーク血漿濃度(Cmax)と半減期の両方が増大することによって、ドロキシドパの全体的な血漿濃度に影響を及ぼす。これは、効果的な治療を制限することなく、ドロキシドパの投薬量の低減を可能にする点で特に有益である。さらに、COMT阻害剤とドロキシドパの組合せは、ドロキシドパ活性の持続期間を延長する(すなわち、ノルエピネフリン活性の持続期間を延長する)のに効果的であり、これは、ドロキシドパの投与頻度の低減を可能にすることができる。
本発明の他の実施形態によれば、ドロキシドパと併用される活性薬剤は、コリンエステラーゼの機能を少なくとも部分的に阻害する1つまたは複数の化合物を含む。そのようなコリンエステラーゼ阻害化合物は、抗コリンエステラーゼ化合物と称することもできる。コリンエステラーゼ阻害化合物は可逆的であっても非可逆的であってもよい。本発明は、好ましくは、可逆的コリンエステラーゼ阻害剤(競合的かまたは非競合的な阻害剤)と考えられる任意の化合物を包含する。非可逆的コリンエステラーゼ阻害剤は一般に、殺虫剤(ダイアジノンおよびSevinなど)および化学兵器(タビンおよびサリンなど)として用途が見出されるが、本発明には好ましくない。
コリンエステラーゼ阻害剤は、一般に、アセチルコリンエステラーゼなどのアセチルコリンの分解に関与する化学物質の活性を低下させるまたは阻止することによって、アセチルコリン(またはコリン作動性アゴニスト)のレベルを増大させる化合物を含むと理解すべきである。コリンエステラーゼ阻害剤は、アセチルコリンの放出の刺激、アセチルコリン受容体の応答の増進またはゴナドトロピン放出ホルモン(GNRH)誘発成長ホルモン放出の促進などの他の作用機序を有する化合物も含むことができる。さらに、コリンエステラーゼ阻害剤は、神経節伝達を増進させることによって作用することができる。
コリンエステラーゼ阻害剤(または抗コリンエステラーゼ化合物)であると一般に認識されているどの化合物も、本発明で有用である可能性がある。本発明によるドロキシドパと組み合わせるのに有用なコリンエステラーゼ阻害剤の非限定的な例には、以下の:ピリドスチグミン(MESTINON(登録商標)またはRegonol)とも称される3−ジメチルカルバモイルオキシ−1−メチルピリジニウム;ドネペジル(ARICEPT(登録商標))とも称される(±)−2,3−ジヒドロ−5,6−ジメトキシ−2−[[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]メチル]−1H−インデン−1−オン;リバスチグミン(Exelon)とも称される(S)−N−エチル−3−((1−ジメチル−アミノ)エチル)−N−メチルフェニル−カルバメート;ガランタミン(REMINYL(登録商標)またはRAZADYNE(登録商標))とも称される(4aS,6R,8aS)−4a,5,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−3−メトキシ−11−メチル−6H−ベンゾフロ[3a,3,2ef][2]ベンズアゼピン−6−オル;タクリン(COGNEX(登録商標))とも称される9−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン;ネオスチグミンとも称される(m−ヒドロキシフェニル)トリメチルアンモニウムメチルサルフェートジメチルカルバメート;メトリホナートまたはトリクロロホン(trichlorofon)とも称される1−ヒドロキシ−2,2,2−トリクロロエチルホスホン酸ジメチルエステル;フィゾスチグミンとも称される1,2,3,3A,8,8A−ヘキサヒドロ−1,3a,8−トリメチルピロロ−[2,3−b]−インドール−5−オルメチルカルバメートエステル;アンベノニウム(MYTELASE(登録商標))とも称される[オキサリルビス(イミノエチレン)]−ビス−[(o−クロロベンジル)ジエチルアンモニウム]ジクロリド;エドロホニウム(ENLON(登録商標))とも称されるエチル(m−ヒドロキシフェニル)ジメチルアンモニウム;デマルカリウム;チアフィゾベニン;フェンセリンおよびシムセリンが含まれる。
より一般的には、本発明によるコリンエステラーゼ阻害剤として有用な化合物は、カルバメート化合物、特にフェニルカルバメート、有機リン酸エステル化合物、ピペリジンおよびフェナントリン(phenanthrine)誘導体を含むことができる。本発明は、米国特許公開出願番号第2005/0096387号(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されているような、カルバモイルエステルであるコリンエステラーゼ阻害剤をさらに含む。
上記化合物の群および特定の化合物を、本発明で有用なコリンエステラーゼ阻害剤の種類の例を挙げるために提供しているが、これらは、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。実際、本発明は、以下の文献:Brzostowska,Malgorzataら、「Phenylcarbamates of(−)−Eseroline,(−)−N1−Noreseroline and(−)−Physovenol:Selective Inhibitors of Acetyl and,or Butyrylcholinesterase」、Medical Chemistry Research.(1992年)2巻、238〜246頁;Flippen−Anderson,Judith L.ら、「Thiaphysovenol Phenylcarbamates:X−ray Structures of Biologically Active and Inactive Anticholinesterase Agents」、Heterocycles.(1993年)36巻、1号;Greig,Nigel H.ら、「Phenserine and Ring C Hetero−Analogues:Drug Candidates for the Treatment of Alzheimer’s Disease」、Medicinal Research Reviews.(1995年)15巻、1号、3〜31頁;He,Xiao−shuら、「Thiaphysovenine and Carbamate Analogues:A New Class of Potent Inhibitors of Cholinesterases」、Medical Chemistry Research.(1992年)2巻、229〜237頁;Lahiri,D.K.ら、「Cholinesterase Inhibitors,β−Amyloid Precursor Protein and Amyloid β−Peptides in Alzheimer’s Disease」、Acta Neurologica Scandinavia.(2000年12月)102巻(s176)、60〜67頁;Pei,Xue−Fengら、「Total Synthesis of Racemic and Optically Active Compounds Related to Physostigimine and Ring−C Heteroanalogues from 3[−2’−(Dimethylamino0ethyl]−2,3−dihydro−5−methoxy−1,3−dimentyl−1H−indol−2−ol」、Helvetica Chimica ACTA.(1994年)77巻;Yu,Qian−shengら、「Total Syntheses and Anticholinesterase Activities of(3aS)−N(8)−Norphysostigmine,(3aS)−N(8)−Norphenserine,Their Antipodal Isomers,and Other N(8)−Substituted Analogues」、J.Med.Chem.(1997年)40巻、2895〜2901頁;およびJ.Med.Chem.、1999年、5月20日、42巻、1855〜1861頁の許可を得てリプリントされたYu,Q.S.ら、「Novel Phenserine−Based−Selective Inhibitors of Butyrylcholinesterase for Alzheimer’s Disease」に記載されている化合物を含む様々なさらなるコリンエステラーゼ阻害剤を取り込むことができる。これらの開示を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明のさらに他の実施形態によれば、ドロキシドパと併用される活性薬剤は、モノアミンオキシダーゼの機能を少なくとも部分的に阻害する1つまたは複数の化合物を含む。モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)は、一般に脱アミノ化によってモノアミン化合物に分解するように機能する、人体の脳および肝臓において通常見出される酵素であるモノアミンオキシダーゼの活性を阻害することによって作用すると理解されている化合物のクラスを含む。
モノアミンオキシダーゼ阻害剤の2つのアイソフォームであるMAO−AおよびMAO−Bが存在する。MAO−Aアイソフォームは、神経伝達物質(例えば、セロトニン、メラトニン、エピネフリン、ノルエピネフリンおよびドーパミン)として通常存在するモノアミンを優先的に脱アミノ化する。したがって、MAOIは、抗うつ剤として、また、広場恐怖症および社会不安障害などの他の社会的障害の治療のために歴史的に処方されてきている。MAO−Bアイソフォームは、フェニルエチルアミンおよび微量アミンを優先的に脱アミノ化する。ドーパミンは両方のアイソフォームを均等に脱アミノ化する。MAOIは、可逆的であっても非可逆的であってもよく、特異的アイソフォームに対して選択的であってよい。例えば、MAOIモクロベミド(ManerixまたはAurorixとしても公知である)は、MAO−BよりMAO−Aに対して約3倍以上選択的であることが知られている。本発明は、特にMAO−A選択的化合物および/またはMAO−B選択的化合物を包含することができる。特に、MAO−B選択的化合物ラサギリン(AZILECT(登録商標))を本発明において使用することができる。
MAOIであると一般に確認されているどの化合物も、本発明で有用である。本発明によるロキシドパと組み合わせるのに有用なMAOIの非限定的な例には以下の:ラサギリン、イソカルボキサジド(MARPLAN(登録商標));モクロベミド(Aurorix、ManerixまたはMoclodura);フェネルジン(NARDIL(登録商標));トラニルシプロミン(PARNATE(登録商標));セレギリン(ELDEPRYL(登録商標)、EMSAM(登録商標)または1−デプレニル);ラザベミド;ニアラミド;イプロニアジド(marsilid、iprozid、ipronid、rivivolまたはpropilniazida);イプロクロジド;トロキサトン;ハルマラ;ブロファロミン(Consonar);ベンモキシン(ノイラレックス(Neuralex));および特定のトリプタミン、例えば5−MeO−DMT(5−メトキシ−N,N−ジメチルトリプタミン)または5−MeO−AMT(5−メトキシ−α−メチルトリプタミン)が含まれる。
ドロキシドパとMAOIの組合せは、体内のノルエピネフリンのレベルを保つ効果を提供することができる。特定の実施形態では、MAOIは、ドロキシドパの転換により生成されるものを含むノルエピネフリンの分解におけるモノアミンオキシダーゼの作用を阻害する。したがって、ドロキシドパの半減期が延長されるので、ドロキシドパ血漿濃度はプラスの影響を受ける。これはやはり、治療効果を制限することなくドロキシドパ投薬量を減少させるのに特に有益である。さらに、MAOIとドロキシドパの組合せは、ドロキシドパの活性の持続期間を延ばすのにも有効である。これもやはり、ドロキシドパの投与頻度の低減を可能にすることができる。
ドロキシドパを追加の活性薬剤と組み合わせる場合、その組合せはドロキシドパの半減期を延長させ、そのような延長は、薬物代謝に対する効果、薬物の分配の容積またはこの2つの組合せによるなどの様々な経路において見ることができる。例えば、エンタカポンなどのCOMT阻害剤との組合せによってもたらされるドロキシドパ半減期の延長は、ドロキシドパの3−OM−ドロキシドパ(ドロキシドパの主要代謝産物)への代謝を阻止し、したがって体内でのドロキシドパの滞留時間を延長させる末梢活性の指標であることが示されている。分配の容積の増大は排除の器官に利用できる薬物の量の減少を示しており、これはさらに半減期に影響を及ぼす可能性がある。ドロキシドパをMAOIおよびコリンエステラーゼ阻害剤と組み合わせた場合に同様の効果が示されている。そのような効果は、米国特許公開番号第2008/0015181号に例示されている。この開示を全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
特定の実施形態では、上記化合物に加えて、本発明は、PDの治療において有用である追加の活性薬剤の使用を含むことができる。したがって、本発明は、ドロキシドパを、PDまたはその症状の治療に有用な1つまたは複数の化合物と組み合わせて投与することを包含することができる。いくつかの実施形態では、その追加のPD治療化合物は、転倒を低減するのに有用であると特定されたさらなる化合物であってよい。他の実施形態では、追加の活性薬剤は、異なるPD関連の症状または状態を改善するのに有用であると特定された化合物であってよい。
活性薬剤として本明細書で開示する様々な化合物の生物学的に活性な変異体も、特に本発明に包含される。そのような変異体は、元の化合物の一般的な生物学的活性を保持していなければならない。しかし、追加的な活性の存在は、本発明におけるその使用を必ずしも限定するものではない。そのような活性は、そのような活性を特定するのに一般に有用であると当技術分野の技術者が確認できる標準的な試験方法およびバイオアッセイを用いて評価することができる。
本発明の一実施形態によれば、生物学的に活性な適切な変異体は、本明細書で説明する化合物の類似体および誘導体を含む。実際、本明細書で説明するものなどの単一の化合物は類似した活性を有する、したがって本発明による有用性を有する類似体または誘導体のファミリー全体をもたらすことができる。同様に、本明細書で説明するものなどの単一の化合物は、本発明に有用な化合物のより大きなクラスの単一のファミリーメンバーを表すことができる。したがって、本発明は、本明細書で説明する化合物だけでなく、特に、当技術分野で一般に公知であり、当業者が確認できる方法で特定することができるものなどの、そのような化合物の類似体および誘導体もすべて包含する。
本明細書で活性薬剤として開示される化合物は、(R)型構造または(S)型構造のいずれであってもよくまたその混合物を含むこともできる、キラル中心を含むことができる。したがって、本発明は、適用できる場合、個別的かまたは任意の割合の混合物で、本明細書で説明する化合物の立体異性体も含む。立体異性体は、これらに限定されないが、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ混合物およびその組合せを含むことができる。そのような立体異性体は、鏡像異性体の出発原料を反応させるか、または本発明の化合物の異性体を分離することによって、慣用的な技術を用いて調製し、分離することができる。異性体は幾何異性体を含むことができる。幾何異性体の例には、これらに限定されないが、二重結合をはさんだcis型異性体またはtrans型異性体が含まれる。本発明の化合物の中で他の異性体が考慮される。その異性体は、純粋な形態でも、本明細書で説明する化合物の他の異性体との混合物でも使用することができる。光学的に活性な形態物を調製し、活性を判定するための様々な方法が当技術分野で公知である。そのような方法には、本明細書で説明する標準的なテストおよび当技術分野で周知の他の同様のテストが含まれる。本明細書で開示する化合物の光学異性体を得るために使用できる方法の例は、Robertsらの米国特許第8,008,285号(この開示を全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする)において論じられている。
本発明の化合物は、任意選択的に、鏡像異性体的に濃縮された組成物、例えば1つの鏡像異性体が過剰に、具体的には100%を含む95%以上または98%以上の程度まで存在する鏡像異性体の混合物で提供することができる。
活性薬剤として本明細書で説明する化合物は、それらが本発明による薬理学的活性を維持するという条件で、エステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは代謝産物の形態であってもよい。本発明の化合物のエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび他の誘導体は、当技術分野で一般に公知の方法、例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure、第4版(New York:Wiley−Interscience、1992年)(これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に記載されている方法などによって調製することができる。
本発明に有用な化合物の薬学的に許容される塩の例には酸付加塩が含まれる。しかし、薬学的に許容されない酸の塩も、例えば化合物の調製および精製において有用である可能性がある。本発明による適切な酸付加塩は有機および無機の酸を含む。好ましい塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびイセチオン酸から生成されるものが含まれる。他の有用な酸付加塩は、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩の具体的な例には、これらに限定されないが、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリド、ブロミド、ヨージド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩が含まれる。
適切な塩基で処理することによって、酸付加塩を遊離塩基に再転換させることができる。本発明で有用な化合物上に存在する可能性のある酸部分の塩基性塩の調製は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミンなどの薬学的に許容される塩基を用いて同様の方法で調製することができる。
本発明による活性薬剤化合物のエステルは、その化合物の分子構造中に存在し得るヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基の官能化によって調製することができる。アミドおよびプロドラッグも当業者に公知の技術を用いて調製することができる。例えば、アミドは、適切なアミン反応物質を用いてエステルから調製するか、またはそれらを、アンモニアまたは低級アルキルアミンと反応させることによって、酸無水物(anhydride)または酸クロリドから調製することができる。さらに、本発明の化合物のエステルおよびアミドは、適切な有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド)中、0℃〜60℃の温度で、カルボニル化剤(例えば、ギ酸エチル、無水酢酸、メトキシアセチルクロリド、塩化ベンゾイル、イソシアン酸メチル、エチルクロロホーメート、塩化メタンスルホニル)を適切な塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム)と反応させることによって作製することができる。薬学的に許容される溶媒和物の例には、これらに限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンと組み合わせた本発明による化合物が含まれる。
固体組成物の場合、本発明の方法で使用する化合物は様々な形態で存在することができることを理解されたい。例えば、これらの化合物は安定および準安定結晶形態ならびに等方性および非晶質形態で存在することができ、そのすべてが本発明の範囲内であるものとする。
本発明による活性薬剤として有用な化合物が塩基である場合、所望の塩を、遊離塩基の無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、または有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸、例えばグルクロン酸およびガラクツロン酸、α−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸および酒石酸、アミノ酸、例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸、芳香族酸、例えば安息香酸および桂皮酸、スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸などでの処理を含む、当技術分野で公知の適切な任意の方法で調製することができる。
活性薬剤として本明細書で説明する化合物が酸である場合、所望の塩を、遊離酸の無機または有機塩基、例えばアミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などでの処理を含む、当技術分野で公知の適切な任意の方法で調製することができる。適切な塩の例には、アミノ酸、例えばグリシンおよびアルギニン、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、および環状アミン、例えばピペリジン、モルホリンおよびピペラジンから誘導される有機塩ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導される無機塩が含まれる。
本発明は、本明細書で説明する活性薬剤化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物をさらに含む。プロドラッグは一般に、個体の代謝系によって改変されるまで治療的に不活性である化合物をもたらす、部分の共有結合によって調製される。本明細書で説明する化合物のどれも、化合物の活性、生物学的利用能または安定性を増大させるため、あるいは化合物の特性を変えるために、プロドラッグとして投与することができる。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能性部分上に当技術分野で認識されている生物学的に不安定な保護基を有する薬力学的化合物の非活性変異体が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解(dehydrolyzed)、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化および/または脱リン酸化されて活性化合物を生成することができる化合物が含まれる。
多くのプロドラッグ配位子が公知である。一般に、遊離アミンまたはカルボン酸残基などの化合物の1個もしくは複数のヘテロ原子のアルキル化、アシル化または他の親油性修飾は極性を低下させ、細胞中への通過を可能にする。遊離アミンおよび/またはカルボン酸部分上の1個または複数の水素原子を置き換えることができる置換基の例には、これらに限定されないが、以下の:アリール;ステロイド;炭水化物(糖類を含む);1,2−ジアシルグリセロール;アルコール;アシル(低級アシルを含む);アルキル(低級アルキルを含む);スルホン酸エステル(アルキルまたはアリールアルキルスルホニル、例えばメタンスルホニルおよびベンジルを含む。そのフェニル基は、本明細書で示されているアリールの定義において提供されているような1つもしくは複数の置換基で、任意選択的に置換されている);任意選択的に置換されているアリールスルホニル;脂質(リン脂質を含む);ホスホチジルコリン;ホスホコリン;アミノ酸の残基または誘導体;アミノ酸アシルの残基または誘導体;ペプチド;コレステロール;あるいはインビボで投与された場合に遊離アミンおよび/またはカルボン酸部分を提供する他の薬学的に許容される離脱基が含まれる。これらのいずれも、所望の効果を達成するために、開示された活性薬剤と組み合わせて使用することができる。
本発明の方法で使用される個々の活性薬剤化合物をそのままの(raw)化学形態で投与することは可能であるが、化合物を医薬組成物として送達するのが好ましい。したがって、本発明によって、活性薬剤として本明細書で説明する1つまたは複数の化合物を含む医薬組成物が提供される。したがって、本発明の方法で使用される組成物は、上述したような薬学的に活性な化合物、または薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物、類似体、誘導体もしくはプロドラッグを含む。さらに、これらの組成物を様々に組み合わせて調製し送達することができる。例えば、組成物は、活性薬剤のすべてを含む単一の組成物を含むことができる。あるいは、組成物は、別個の活性薬剤を含むが、同時、連続して、または他の近接した所定の期間で投与されることになる複数の組成物を含みうる。
したがって、本明細書で説明する活性薬剤化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体および任意選択的に他の治療剤と一緒に調製し送達することができる。担体は、その組成物の他のいずれの薬剤とも適合しており、そのレシピエントに対して有害でないという点で許容されるものでなければならない。担体は、薬剤の何らかの望ましくない副作用を低減させることもできる。そのような担体は当技術分野で公知である。Wangら(1980年)J.Parent.Drug Assn.34巻(6号):452〜462頁を参照されたい。これを全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
組成物は、その組成物が本明細書で説明するような化合物の投与を達成する短期、急速発現、急速消失、制御放出、持続放出、遅延放出およびパルス放出組成物を含むことができる。Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版;Mack Publishing Company,Eaton,Pennsylvania、1990年)を参照されたい。これを全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明の方法で使用するための医薬組成物は、経口、非経口(静脈内、筋肉内、皮下、皮内、関節内、滑液嚢内、髄腔内、動脈内、心臓内、皮下、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内および経皮を含む)、局所(経皮、頬側および舌下を含む)、経膣、尿道および経直腸投与を含む様々な送達方式に適している。投与は鼻内噴霧、外科用インプラント、内部外科ペイント(internal surgical paint)、輸液ポンプ、またはカテーテル、ステント、バルーンもしくは他の送達デバイスによってもよい。最も有用かつ/または有益な投与方式は、特にレシピエントの状態、および治療を受ける障害によって変化する可能性がある。
医薬組成物は単位剤形で好都合に得られるようにすることができ、それによって、そのような組成物を製薬技術分野で一般に公知の方法のいずれかによって調製することができる。一般的に言えば、そのような調製方法は、本発明の活性化合物を1つまたは複数の成分からなってよい適切な担体または他のアジュバントと組み合わせる(種々の方法により)ステップを含む。次いでその活性薬剤と1つまたは複数のアジュバントの組合せを物理的に処理して、組成物を、送達に適した形態(例えば、錠剤の形状にするまたは水性懸濁液を形成させる)で提供する。
経口投薬に適した医薬組成物は、それぞれが所定量の活性薬剤を含む錠剤、カプセル剤、カプレット剤およびオブラート剤(急速に溶解するまたは泡立つものを含む)などの種々の形態を取ることができる。組成物は、散剤または顆粒剤、水性もしくは非水性液体中の液剤または懸濁剤の形態であっても、また液体乳剤(水中油型および油中水型)としてであってもよい。活性薬剤は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として送達することもできる。一般に理解されていることであるが、上記剤形の調製方法は一般に当技術分野で公知であり、そのようなどの方法も本発明による組成物の送達で使用するためのそれぞれの剤形の調製に適している。
一実施形態では、活性薬剤化合物を、不活性賦形剤または可食性担体などの薬学的に許容されるアジュバントと組み合わせて経口で投与することができる。経口用組成物は硬質または軟質のシェル型ゼラチンカプセル剤中に封入するか、圧縮して錠剤にするか、または患者の食事の食べ物の中に直接混ぜ込むことができる。組成物および製剤の割合は変動してよいが、そのような治療的に有用な組成物中の物質の量は、有効な投薬量が得られる量であることが好ましい。
種々の実施形態では、活性薬剤化合物を含む本開示による組成物は、ゼラチンなどの生理学的に分解性の組成物を用いて作製することができる。そのような硬カプセル剤は化合物を含み、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなど不活性固体賦形剤を含む追加の成分をさらに含むことができる。この化合物を含む軟質ゼラチンカプセル剤は、ゼラチンなどの生理学的に分解性の組成物を用いて作製することができる。そのような軟カプセル剤は、水またはピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油などの油媒体と混合できる化合物を含む。
舌下用錠剤は非常に急速に溶解するように設計される。そのような組成物の例には、酒石酸エルゴタミン、二硝酸イソソルビドおよびイソプロテレノールHCLが含まれる。これらの錠剤の組成物は、薬物に加えて、例えばラクトース、粉末スクロース、デキストロースおよびマンニトールなどの種々の可溶性添加剤を含む。本発明の固体剤形は任意選択的にコーティングすることができ、適切なコーティング材料の例には、これらに限定されないが、セルロースポリマー(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなど)、ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマーおよびコポリマーならびにメタクリル樹脂(EUDRAGIT(登録商標)の商標名で市販されているものなど)、ゼイン、セラックおよび多糖が含まれる。
医薬製剤の粉末状および顆粒状組成物は公知の方法を用いて調製することができる。そのような組成物は、患者に直接投与することができ、また、錠剤を形成させる、カプセル剤に充てんする、または水性もしくは油性のビヒクルをそれに添加することにより水性もしくは油性の懸濁液または溶液を調製するためなどのさらなる剤形の調製において使用することができる。これらの組成物のそれぞれは、分散または湿潤剤、懸濁化剤および保存剤などの1つまたは複数の添加物をさらに含むことができる。追加の添加剤(例えば、充てん剤、甘味剤、香味剤または着色剤)もこれらの組成物中に含めることができる。
経口投与に適した医薬組成物の液体組成物は液体形態か、または使用前に水もしくは他の適切なビヒクルで再構成するのを目的とした乾燥製品の形態で調製し、包装し販売することができる。
本明細書で説明する1つまたは複数の活性薬剤化合物を含む錠剤は、例えば、任意選択的に1つもしくは複数のアジュバントまたは補助成分を用いた圧縮または成形などの当業者に容易に知られている標準的な任意の方法で製造することができる。錠剤は、任意選択的にコーティングするかまたは割線を入れることができ、活性薬剤の徐放または制御放出をもたらすように処方することができる。
組成物中で使用するためのアジュバントまたは補助成分は、結合剤、充てん剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、界面活性剤、安定剤、保存剤、香味剤および着色剤などの当技術分野で許容できると一般に見なされている任意の薬剤用成分を含むことができる。結合剤は一般に、錠剤の凝集性を容易にし、圧縮された後、錠剤が損なわれないで確実に保持されるように使用される。適切な結合剤には、これらに限定されないが、デンプン、多糖、ゼラチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックスならびに天然および合成ゴムが含まれる。許容される充てん剤には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロースおよび微結晶性セルロースならびに可溶性材料、例えばマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウムおよびソルビトールが含まれる。滑沢剤は錠剤製造を容易にするのに有用であり、それらには、植物油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸が含まれる。錠剤の崩壊を容易にするために有用な崩壊剤は一般に、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ゴムおよび架橋ポリマーを含む。錠剤をかさ高にするために通常含められる賦形剤は、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉砂糖を含むことができる。組成物中で使用するのに適した界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性またはノニオン性の表面活性薬剤であってよい。活性薬剤の分解をもたらす反応、例えば酸化反応を阻止するまたは低減させるために、安定剤を組成物中に含めることができる。
固体剤形を、コーティングの塗布によるなどの、活性薬剤の遅延放出を提供するために処方することができる。遅延放出コーティングは当技術分野で公知であり、そのようなものを含む剤形は、公知の適切な任意の方法で調製することができる。そのような方法は一般に、固体剤形(例えば、錠剤またはカプレット剤)を調製した後、遅延放出コーティング組成物を塗布することを含む。塗布は、例えば無気噴霧、流動床コーティング、コーティングパンの使用などの方法によってよい。遅延放出コーティングとして使用するための材料は、本来、セルロース系材料(例えば、セルロースブチラートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびカルボキシメチルエチルセルロース)ならびにアクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルのポリマーおよびコポリマーなどのポリマー性のものであってよい。
本発明による固体剤形は、持続された放出であっても(すなわち、活性薬剤を長期間にわたって放出する)、遅延される、または遅延されない放出であってもよい。持続放出組成物は当技術分野で公知であり、一般に、可溶性プラスチック、親水性ポリマーまたは脂肪族化合物などの徐々に分解または加水分解される材料からなるマトリックス内に薬物を分散させることによって調製される。あるいは、固体剤形をそのような材料でコーティングすることができる。
非経口投与用の組成物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および組成物を対象レシピエントの血液と等張性にする溶質などの追加の作用剤をさらに含む水性または非水性の滅菌注射液剤が含まれる。その組成物は、懸濁化剤および増粘剤を含む水性または非水性の滅菌懸濁剤を含むことができる。非経口投与用のそのような組成物は、例えば密封アンプルおよびバイアルなどの単位用量または複数用量の容器中に存在させることができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば水(注射用)を添加するだけでよい、フリーズドライされた(凍結乾燥された)状態で貯蔵することができる。即時性の注射液剤および懸濁剤は、上述した類の滅菌した粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
本開示による使用のための組成物は経皮で投与することができる。そこでは、活性薬剤は、レシピエントの表皮との長時間の密な接触を保持するように適合された積層構造(通常「パッチ」と称される)中に混ぜ込まれている。一般に、そのようなパッチは、単層の「接着剤中薬物型」のパッチ、または活性薬剤が接着剤層から分離された層の中に含まれている多層パッチとして使用することができる。どちらのタイプのパッチも一般に、バッキング層、およびレシピエントの皮膚に付着させる前に取り除かれる裏地を含む。経皮薬物送達パッチは、半透過性膜および接着剤層によってレシピエントの皮膚から隔てられている、バッキング層の下に置かれたリザーバーを備えることもできる。経皮薬物送達は、受動拡散によって実施する、または、電気的輸送法(electrotransport)またはイオン導入法を用いて促進させることができる。
経直腸送達用の組成物には、経直腸坐剤、クリーム剤、軟膏剤、および液剤が含まれる。坐剤は、ポリエチレングリコールなどの当技術分野で一般に公知の担体と組み合わせた活性薬剤として存在することができる。そのような剤形は急速に、または長時間かけて崩壊するように設計することができ、その崩壊が完了する時間は短時間、例えば約10分間から長時間、例えば約6時間の範囲であってよい。
局所用組成物は経皮、頬側および舌下を含む、身体の表面に活性薬剤を送達するのに適切であり、当技術分野に公知の任意の形態であってよい。局所用組成物の典型的な例には、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、ペースト剤および液剤が含まれる。口内での局所投与用の組成物はロゼンジ剤も含む。
特定の実施形態では、本明細書で開示する化合物および組成物を医療用デバイスを介して送達することができる。そのような送達は一般に、これらに限定されないが、ステント、カテーテル、バルーンカテーテル、シャントまたはコイルを含む任意の挿入または埋め込み可能な医療用デバイスを介することができる。一実施形態では、本発明は、その表面が本明細書で説明するような化合物または組成物でコーティングされているステントなどの医療用デバイスを提供する。本発明の医療用デバイスは、例えば、本明細書で開示するものなどの疾患または状態を治療、防止、あるいはその過程に影響を及ぼすための任意の用途で使用することができる。
本発明の他の実施形態では、本明細書で説明する1つまたは複数の活性薬剤を含む医薬組成物を断続的に投与する。治療有効用量の投与は、例えば持続放出組成物で連続的な仕方で遂行することができ、また、日に1、2、3回もしくはそれ以上の投与で所望の1日投薬量レジメンにしたがって遂行することができる。「中断の期間」という語句は、組成物の連続的な持続放出または連日投与の中断期間を表そうとするものである。中断の期間は、連続的な持続放出または連日投与の期間より長くても短くてもよい。中断の期間の間、関係する組織中の組成物の成分レベルは、治療の際に得られる最大レベルより実質的に低い。好ましい中断期間の長さは、使用する組成物の有効用量濃度および形態に依存する。中断期間は少なくとも2日間、少なくとも4日間または少なくとも1週間であってよい。他の実施形態では、中断期間は少なくとも1カ月、2カ月、3カ月、4カ月またはそれ以上である。持続放出組成物を使用する場合、中断期間は、体内での組成物のより長い滞留時間を考慮して拡大しなければならない。あるいは、持続放出組成物の有効用量の投与の頻度をそれに応じて低下させることができる。断続的な本発明の組成物の投与のスケジュールは、その疾患または障害の所望の治療効果、最終的には治療が達成されるまで続行することができる。
組成物の投与は、本明細書で説明するような薬学的に活性な薬剤を投与する、または、本明細書で説明する1つもしくは複数の薬学的に活性な薬剤を1つもしくは複数の他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて(すなわち、共投与)投与することを含む。したがって、本明細書で説明する薬学的に活性な薬剤を固定した組合せ(すなわち、両方の活性薬剤を含む単一の医薬組成物)で投与することができることが理解される。あるいは、薬学的に活性な薬剤を同時に投与する(すなわち、別個の組成物を一度に投与する)ことができる。他の実施形態では、薬学的に活性な薬剤を逐次的に投与する(すなわち、1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を投与し、次いで1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を別個に投与する)。当業者は、所望の治療効果が、好ましい投与方法を決めることになることを理解されよう。
治療有効量の本発明による組成物の送達は、治療有効用量の組成物の投与によって得られる。したがって、一実施形態では、治療有効量は、本明細書で説明する治療方法のいずれかを達成するのに効果的な量である。これは、これらに限定されないが:PD患者、特にNOHに罹患しているPD患者における転倒を低減するのに効果的な量;PD患者、特に姿勢の不安定性を示すベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアを示すPD患者における姿勢の不安定性を改善するのに効果的な量;および、PD患者、特にPD関連の運動および/または非運動症状を示すベースラインUPDRSスコアを示すPD患者における運動症状および/または非運動症状の重症度を改善するのに効果的な量を含む。
本発明による医薬組成物中に含まれる活性薬剤は、重大な有毒作用がないもとで、インビボで治療量の活性薬剤を患者に送達するのに十分な量で存在する。薬物組成物中の活性薬剤の濃度は薬物の吸収、不活性化および排出速度ならびに当技術分野で公知の他の因子に依存することになる。投薬値は、緩和されることになる状態の重症度によっても変動することに留意すべきである。任意の特定の対象について、具体的な投薬レジメンは個人の要求、およびその組成物の投与を管理または監督する専門家の判断によって時間とともに調節されるべきであり、本明細書で示す投薬量範囲は例示に過ぎず、特許請求される組成物の範囲または実践を限定しようとするものではないことをさらに理解すべきである。活性薬剤は一度に投与するか、または、複数のより小さい用量に分割して様々な間隔で投与することもできる。
本発明による治療有効量は、レシピエントの体重にもとづいて決定することができる。治療有効量は固定用量に関連して説明することができる。さらに他の実施形態では、本明細書で開示する1つまたは複数の活性薬剤の治療有効量を、活性薬剤の投与によって達成されるピーク血漿濃度に関して説明することができる。もちろん、治療量は、1日を通して投与される複数の分割用量に分割することができることを理解すべきである。薬学的に許容される塩およびプロドラッグの有効投薬範囲は、患者の分配容積と併せて、送達される親分子の重量および半減期に基づいて計算することができる。塩またはプロドラッグがそれ自体で活性を示す場合、有効投薬量は、塩またはプロドラッグの重量を用いるか、または当業者に公知の他の手段によって上述したように推定することができる。
本明細書で説明する1つまたは複数の活性薬剤を含む本発明の組成物は、治療有効量で哺乳動物、好ましくはヒトに投与されることになると考えられる。本明細書で説明する状態または疾患のいずれかの治療のための化合物または組成物の有効用量は、慣用的な技術を使用し、同様の環境下で得られた結果を観察することによって容易に決定することができる。組成物の有効量は、対象の体重、性別、年齢および病歴に応じて変化すると予測される。これらに限定されないが、関係する具体的な疾患、その疾患の関与または重症度の度合い、個々の患者の応答、投与される具体的な化合物、投与の方式、投与される製剤の生物学的利用能特性、選択される用量レジメンおよび同時投薬治療の使用を含む他の因子も、送達される組成物の有効量に影響を及ぼす可能性がある。化合物は、治療を受ける状態に付随する望ましくない症状および臨床的兆候を緩和するのに十分な期間優先的に投与される。効能および投薬量を決定するための方法は当業者に公知である。例えば、Isselbacherら(1996年)Harrison’s Principles of Internal Medicine 13版、1814〜1882頁を参照されたい。これを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
特定の実施形態では、ドロキシドパの治療有効量は約10mg〜約3gを含む。本発明による組合せの一部として用いられる場合、そのような治療有効量は、単一用量で提供されるドロキシドパの量を表す。ドロキシドパが塩、エステル、アミドまたは他の薬学的に許容される形態として提供される場合、薬剤形態のドロキシドパの量は、治療有効量のドロキシドパを送達するのに必要な程度に変動する可能性があることを理解すべきである。さらに、ドロキシドパの治療有効量が単一用量の量で提供されている場合、様々な状態の治療のために複数用量の組合せを指示することが可能なので、本明細書で指示される投薬量は、24時間の過程にわたって投与できるドロキシドパの最大量を必ずしも表さない。
さらなる実施形態では、ドロキシドパの治療有効量は様々な範囲を含むことができ、その適切な範囲は、治療を受ける状態の重症度、およびそれとドロキシドパが組み合わせられる1つまたは複数の追加の化合物にもとづくことができる。特定の実施形態では、ドロキシドパの治療有効量は、約10mg〜約2g、約10mg〜約1g、約20mg〜約900mg、約30mg〜約850mg、約40mg〜約800mg、約50mg〜約750mg、約60mg〜約700mg、約70mg〜約650mg、約80mg〜約600mg、約90mg〜約550mg、約100mg〜約500mg、約100mg〜約400mgまたは約100mg〜約300mgを含む。
持続、延長または連続放出処方物として提供される場合などのさらに他の実施形態では、ドロキシドパの治療有効量は、さらにより多い量であってよい。当技術分野で理解されているように、そのような処方物は、時間とともに薬物を徐々に放出する単一剤形で、増大した量の薬物を提供する。そのような処方物で使用するためのドロキシドパの治療有効量は、上記有効量、およびそうでない場合に所与の状態を治療するのに必要な決められた投与頻度に照らして計算することができる。
本発明によるドロキシドパと組み合わせられる1つまたは複数の追加の化合物の治療有効量は、その剤形中に含まれるドロキシドパの量およびドロキシドパと追加の化合物(複数可)の所望の比の関連で決定することができる。有利なことには、本発明は、処方の組合せにおける高い柔軟性を可能にする。例えば、1つまたは複数の追加の化合物によってもたらされる保存効果は、ドロキシドパをより少ない量で使用して、それでもドロキシドパ単独で用いた治療効果と同じ、またはそれより良好な効果を達成できるようにする。同様に、1つまたは複数の追加の化合物について一般に推奨される投薬量より少ない1つまたは複数の追加の化合物の量を用いることによって、ドロキシドパの治療効果を増大させることができる。
一実施形態では、ドロキシドパと1つまたは複数の追加の化合物の比は約500:1〜約1:10の範囲である。さらなる実施形態では、ドロキシドパと追加の化合物(複数可)の比は、約250:1〜約1:5、約100:1〜約1:2、約80:1〜約1:1、約50:1〜約2:1または約20:1〜約3:1の範囲である。
本発明によるドロキシドパと組み合わせられる1つまたは複数の追加の化合物は、他の適応症のためにその化合物単独で使用するのに一般に推奨される量で含めることができる。しかし、上述したように、本発明によれば、追加の化合物(複数可)を、特にDDC阻害剤、COMT阻害剤、コリンエステラーゼ阻害剤およびMAO阻害剤の関連で一般に推奨される量より少ない量で使用することができる。特定の実施形態では、ドロキシドパと組み合わせられるDDC阻害剤、COMT阻害剤、コリンエステラーゼ阻害剤またはMAO阻害剤の治療有効量は、約1mg〜約200mgの範囲である。もちろん、この範囲は例であり、上述したように、組合せで含まれるドロキシドパの量およびその組合せでの化合物の所望の比に応じて変動する可能性がある。
本発明は、本明細書で説明する1つまたは複数の活性薬剤を含む組成物を提供する製品も含むことができる。その製品は、本発明による使用に適した組成物を、乾燥形態かまたは液体形態で任意の担体と一緒に含むバイアルまたは他の容器を含むことができる。特に、その製品は、本発明による組成物を備えた容器を含むキットを含むことができる。そのようなキットでは、組成物を異なる様々な組合せで送達することができる。例えば、組成物はすべての活性薬剤を含む単一投薬物を含むことができる。あるいは、2つ以上の活性薬剤を提供する場合、組成物は、それぞれが1つまたは複数の活性薬剤を含み、その投薬物が、併用、連続または近接した時間での投与を目的とした複数の投薬物を含むことができる。例えば、投薬物は、それぞれは単一の活性薬剤を含むが、組み合わせて投与するためにブリスターパック、バッグなどで提供される、固体形態(例えば、錠剤、カプレット剤、カプセル剤など)であっても液体形態(例えば、バイアル)であってもよい。
製品は、本発明の方法を実行するための、容器上のラベルの形態および/または容器が包装されている箱の中に収められた挿入物の形態の取扱説明書をさらに含む。この取扱説明書は、バイアルが包装されている箱の上に印刷されていてもよい。取扱説明書は、対象または現場作業者が医薬組成物を投与できるようにするための、十分な投薬量および投与情報などの情報を含む。現場の作業者は、その組成物を投与する可能性のある任意の医師、看護士、技術者、配偶者または他の介護者を包含すると予測される。医薬組成物は対象によって自己投与されてもよい。
ここで、本発明を、以下の実施例を具体的に参照して説明することとするが、これらは本発明を限定しようとするものではなく、むしろ例示的な実施形態を提供しようとするものである。これらの実施例は、パーキンソン病を有する患者における転倒を低減するためのドロキシドパの効果を例示するものである。
[実施例1]
多施設(multi−center)、二重盲検、ランダム化、並行群プラセボ対照試験を、PD患者の転倒を低減するためのドロキシドパの臨床効果を評価するために、10週間のコースにわたって実施した。この試験は、2週間の二重盲検用量漸増期間、続く8週間の二重盲検治療期間を含んだ。患者の適格性を判断するためにスクリーニング期間(最大で14日間)を用いた。試験を通して、訪問個別評価(visit specific assessments)を、患者の最初のドロキシドパの1日量に続いて、3時間(許容される範囲は2〜5時間であった)実施した。すべてのスクリーニング評価に首尾よく合格した患者についてベースライン測定を続行した。ベースライン訪問の最後に、適格患者を、ドロキシドパかまたはプラセボでの治療にランダムに割りつけた(ランダム化は二重盲検、1:1であった)。患者は、100mgTIDのドロキシドパまたは対応するプラセボで二重盲検漸増期に入った。治療を、100mg TIDの増分で、最大600mg TIDまで段階的に増進させた。用量漸増期間が終了したら、患者を、それらの漸増用量で8週間の二重盲検治療後に、試験訪問に戻した。この試験は、27名のプラセボ治療患者および24名のドロキシドパ治療患者を含んだ。
この試験の間、ドロキシドパ治療患者によって報告された79回の転倒と比較して、プラセボ治療患者によって合計197回の転倒が報告された。図1を参照されたい。患者の3分の1超は転倒を全く経験せず、少数(ドロキシドパを施された9名の患者およびプラセボを施された12名の患者)が頻発する転倒を経験した。上記データを患者当たり1週間当たりの転倒回数に標準化すると、プラセボ治療にランダムに割りつけられた患者は、患者当たり1週間当たり平均して0.93回の転倒を経験した。ドロキシドパ治療にランダムに割りつけられた患者は、患者当たり1週間当たり平均して0.39回の転倒を経験した。図2を参照されたい。これは、プラセボ治療患者と比較して、ドロキシドパ治療患者によって報告された転倒回数における約60%の低減を表す。患者によって報告された転倒の累積数の分析にもとづくと、プラセボ治療群の転倒回数の経時的な相対増加は、ドロキシドパ治療群の経時的な相対増加と比較して、一貫してより大きかった。図3を参照されたい。
この試験において、各群において何人かの患者は正規分布していなかった、すなわち各群の若干の患者は、それぞれの群の残りの患者よりずっと多い転倒を経験していることは明らかであった。各群内での転倒のこの不均衡に照らして治療効果のロバスト性を評価するために、感度解析を実施した。各治療群において最も多い転倒回数を経験した上位2名の患者または上位5名の患者を分析から除いた場合でも、ドロキシドパに好都合な有益な治療効果は明らかであった。それぞれ図4および図5を参照されたい。各治療群の上位2名の患者を除いた場合、ドロキシドパ群にランダムに割りつけられた患者の患者当たり1週間当たり0.16回の転倒と比較して、プラセボ群にランダムに割りつけられた患者は患者当たり1週間当たり平均して0.54回の転倒を経験した。同様に、各治療群の上位5名の患者を除いた場合、ドロキシドパ群にランダムに割りつけられた患者の患者当たり1週間当たり0.10回の転倒と比較して、プラセボ群にランダムに割りつけられた患者は患者当たり1週間当たり平均して0.20回の転倒を経験した。さらに、試験の最初10日間からのデータを除いた場合、患者の全転倒数についてのドロキシドパに好都合な有益な治療効果はやはり明らかであった。図6を参照されたい。
試験での患者を、ヘーンアンドヤール評定スケールおよびUPDRSの運動障害学会(Movement Disorder Society)の支援による改訂版を用いて評価して、これらの2つのスケールによって証拠づけられる治療の効果を評価した。各テストを用いた各患者についてのベースラインスコアを、ドロキシドパまたはプラセボでの治療の前に確立し、各テストについての治療後スコアを試験の最後に確立した。ドロキシドパで治療された頻発する転倒を有する患者は、プラセボで治療された頻発する転倒を有する患者より、ヘーンアンドヤールスコアとUPDRSスコアの両方において著しい改善を経験した。このデータを以下の表1aにまとめる。ここで、反復性転倒者を試験の過程で2回以上の転倒を経験した患者と定義し、非反復性転倒者を、試験の間にゼロ回かまたは1回の転倒を経験した患者と定義する。
Figure 2015505563
ヘーンアンドヤール評定スケールは疾患重症度の主要指数(primary index)として姿勢の不安定性に著しく重みを付けているので、ヘーンアンドヤールスコアは、PD患者集団におけるNOHに対する治療効果の有用な尺度として働くと考えられる。この試験の最後に、ドロキシドパ治療患者は、それらのヘーンアンドヤール評定スケールスコアにおいて、平均してベースラインからの改善(変化:−0.4ポイント)を経験している(すなわち、スコアの減少)が、それらのヘーンアンドヤール評定スケールスコアにおいてプラセボ治療患者はベースラインの変化を経験しておらず、ドロキシドパに好都合な、−0.4単位の顕著な治療差異をもたらしている。図7を参照されたい。個々の患者におけるヘーンアンドヤール評定スケールスコアの分析にもとづいて、より高い割合のドロキシドパ治療患者が、それらのヘーンアンドヤール評定スケールスコアにおいて、プラセボ治療患者(27名の患者中の5名;19%)と比較して、試験の最後に改善を経験している(24名の患者中の10名;42%)。より低い割合のドロキシドパ治療患者が、プラセボ治療患者(27名の患者中の10名;37%)と比較して、試験の最後にそれらのヘーンアンドヤール評定スケールスコアの悪化を経験している(24名の患者中の3名;13%)。このデータは表1bにまとめる。
Figure 2015505563
同様に、UPDRSは、このスケールがPD患者の運動および非運動症状の重症度を評価するために使用されるので、PD患者の転倒の原因であり得る症状の改善を評価するための有用なテストである。この試験において、ドロキシドパ治療患者は、プラセボ治療患者の11.4ポイントの改善と比較して、ベースラインから15.8ポイントの改善(すなわち、減少)を経験している。図8を参照されたい。さらに、UPDRSスコアの4つの成分のそれぞれも、プラセボに対するドロキシドパの有益性を示している。全UPDRSスコアにけるドロキシドパに好都合な4.4ポイントの治療差は、PDの運動特性における顕著な改善を反映しており、ヘーンアンドヤール評定スケールスコアについて観察される改善を映している。
[実施例2]
多施設、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照試験を、PD患者の転倒を低減するためのドロキシドパの臨床効果を評価するために実施した。この試験は、2週間の二重盲検用量漸増期間、続く8週間の二重盲検治療期間を含んだ。患者の適格性を判断するためにスクリーニング期間(最大で14日間)を用いた。次いで患者を、治療群およびプラセボ群にランダムに割りつけた。患者は、100mg TIDのドロキシドパまたは対応するプラセボで二重盲検漸増期に入った。治療を、100mg TID増分の増分で、最大600mg TIDまで段階的に増進させた。用量漸増期間が終了したら、患者を、それらの漸増用量で1、2、4および8週間の二重盲検治療後に、試験訪問に戻した。この試験は、78名のプラセボ治療患者および69名のドロキシドパ治療患者を含んだ。
この試験の結果は、ドロキシドパ治療群についての患者当たり1週間当たり転倒の割合が、プラセボ治療群より明らかに少ないことを示している。これを図9に例示する。ドロキシドパに好都合な有益な治療効果は、各治療群において最も多い転倒回数を経験した上位2名の患者、上位5名の患者および上位10名の患者を分析から除いた場合でも、やはり明らかであった。これらの結果について図10を参照されたい。
これらの発明が関係する当業者は、上記説明で提供された教示の利益を有する、本明細書で示した本発明の多くの改変および他の実施形態を想起されよう。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、改変および他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に包含されることを理解すべきである。特定の用語を本明細書で使用したが、これらは、総称的で説明的な意味で使用されるのに過ぎず、限定のため使用されるものではない。

Claims (36)

  1. パーキンソン病(PD)患者の姿勢の不安定性を改善する方法であって、有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを前記PD患者に投与するステップを含む方法。
  2. 改善された姿勢の不安定性が転倒の低減によって定義される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記転倒の低減が、ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与前の患者当たり1週間当たりのベースライン平均転倒回数と比較した、患者当たり1週間当たりの平均転倒回数の投与後の低減によって定義される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記投与後の患者当たり1週間当たりの平均転倒回数が、少なくとも20%低減される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記投与後の患者当たり1週間当たりの平均転倒回数が、少なくとも50%低減される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記転倒回数を、患者または患者の介護者による報告に基づいて特定する、請求項2に記載の方法。
  7. 投与の前、前記PD患者が反復性転倒者である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記PD患者が、投与の前に、少なくとも6週間の期間にわたって1週間当たり平均して少なくとも0.2回の転倒を経験している、請求項7に記載の方法。
  9. 前記姿勢の不安定性が、前記姿勢の不安定性の指標であるベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義され、前記姿勢の不安定性の改善が前記ベースラインスコアと比較して改善されている、前記患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアが、少なくとも0.2ポイント改善される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアが、少なくとも0.3ポイント改善されている、請求項9に記載の方法。
  12. 前記投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアが、少なくとも0.4ポイント改善される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記改善が以下の:
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、4.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが4.0未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、3.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、3.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.8未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、3.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、3.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.2未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.5超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.5超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.3未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.5超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.5超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、2.0超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.2未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、1.8超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.8未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、1.8超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5未満である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、1.8超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.2未満である;または
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、1.8超であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0未満であることの
    少なくとも1つによって定義される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記改善が以下の:
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも4であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.5以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも4であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも3.5であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが3.0以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも3.5であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも3.0であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.5以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも3.0であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも2.5であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが2.0以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも2.5であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも2.0であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.5以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも2.0であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0以下である;
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも1.5であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが1.0以下である;または
    前記ベースラインヘーンアンドヤールスコアが、少なくとも1.0であり、前記投与後のヘーンアンドヤールスコアが0.5以下であることの
    少なくとも1つによって定義される、請求項9に記載の方法。
  15. 前記姿勢の不安定性が、PD関連の運動または非運動症状の指標であるベースラインパーキンソン病統一評定スケール(UPDRS)スコアによって定義され、前記姿勢の不安定性の改善が、前記ベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のUPDRSスコアによって定義される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記投与後のUPDRSスコアが、少なくとも5ポイント改善される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記投与後のUPDRSスコアが、少なくとも10ポイント改善される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記症状が運動症状である、請求項15に記載の方法。
  19. 前記運動症状が、前記PD患者の頻発する転倒と関連している、請求項18に記載の方法。
  20. PD患者が、さらに神経原性起立性低血圧症(NOH)に罹患している、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. DOPAデカルボキシラーゼ阻害化合物、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害化合物、モノアミンオキシダーゼ阻害化合物、コリンエステラーゼ阻害化合物およびその組合せからなる群から選択される1つまたは複数の追加の活性薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記1つまたは複数の追加の活性薬剤を、単一の医薬組成物中で前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと一緒に投与する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記1つまたは複数の追加の活性薬剤を、前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグとは別個に投与する、請求項21に記載の方法。
  24. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、持続放出形態で投与する、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、制御放出形態で投与する、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、即時放出形態で投与する、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、Lトレオ異性体が鏡像異性体的に濃縮されている混合物の形態で投与する、請求項1から26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 姿勢の不安定性の症状を示すパーキンソン病(PD)患者の姿勢の不安定性の改善に使用するための、有効量のドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む組成物。
  29. 前記改善された姿勢の不安定性が、転倒の低減によって定義される、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記姿勢の不安定性が、前記姿勢の不安定性の指標であるベースラインヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義され、前記姿勢の不安定性の改善が前記ベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のヘーンアンドヤール評定スケールスコアによって定義される、請求項28に記載の組成物。
  31. 前記姿勢の不安定性が、PD関連の運動または非運動症状の指標であるベースラインパーキンソン病統一評定スケール(UPDRS)スコアによって定義され、前記姿勢の不安定性の改善が、前記ベースラインスコアと比較して改善されている、患者についての投与後のUPDRSスコアによって定義される、請求項28に記載の組成物。
  32. DOPAデカルボキシラーゼ阻害化合物、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害化合物、モノアミンオキシダーゼ阻害化合物、コリンエステラーゼ阻害化合物およびその組合せからなる群から選択される1つまたは複数の追加の活性薬剤をさらに含む、請求項28から31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが持続放出形態である、請求項28から32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが制御放出形態である、請求項28から32のいずれか1項に記載の組成物。
  35. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが即時放出形態である、請求項28から32のいずれか1項に記載の組成物。
  36. 前記ドロキシドパまたは薬学的に許容されるそのエステル、アミド、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが、Lトレオ異性体が鏡像異性体的に濃縮されている混合物の形態である、請求項28から35のいずれか1項に記載の組成物。
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