JP2015503533A - ヘテロレプチック金属錯体の製造 - Google Patents
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Abstract
ハロ橋かけ二量体によって反応混合物中へ導入されるハライドX−イオンのモル数に対して0〜5モル当量のハライドX−イオン用の捕捉剤の存在下で、ならびにハロ橋かけ二量体中の遷移金属のモル量を基準として、0〜0.8モルの添加塩のおよび、溶媒混合物の総体積を基準として、0〜10体積%の、反応混合物へのハロ橋かけ二量体の溶解度を高める可溶化剤の存在下で、50〜260℃の温度で25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物中で(μ−X)が橋かけハライドを表す一般式[LnM(μ−X)2MLn]のハロ橋かけ二量体を式L’−Hの配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによる、一般式[M(L)nL’](式中、MはIr、Rh、PtまたはPdであり、nは、M=IrまたはRhについては2であり、nは、M=PtまたはPdについては1であり、Lは、金属−C共有結合および配位ドナー原子−金属共有結合によって金属Mに配位した二座シクロメタル化配位子である)を有する遷移金属Mのヘテロレプチック錯体の製造方法。
Description
本発明は、有機発光ダイオード(OLED)などの有機デバイスに典型的には使用されるヘテロレプチック金属錯体の製造方法に関する。より具体的には本発明は、水と有機溶媒とを含む溶媒混合物が使用されるかかる方法に関する。
遷移金属(例えば、ロジウム、イリジウムおよび白金)のシクロメタル化金属錯体は、それらの光物理的および光化学的特性のために有用である。とりわけ、これらの化合物は、三重項励起状態からのそれらの強い発光のためにOLEDでリン光発光体として使用されている。
OLEDに使用されるリン光発光体はほとんど、シクロメタル化金属錯体、好ましくは二座シクロメタル化配位子が金属−C共有結合および/または配位N−金属共有結合によって金属に配位しているイリジウム錯体をベースとしている。
用語ホモレプチックは、すべての配位子が構造上同一である錯体を意味するが、用語ヘテロレプチックは、少なくとも2つの異なる配位子を含む錯体を指定する。
ヘテロレプチック錯体は、それらの光物理的、熱的および電子的特性ならびにそれらの溶解度がそれぞれ配位子の組合せで適切な配位子を選択することによって調整できるので特に興味深い。
さらに、幾つかの場合(例えば、(特許文献1)、ライン0103)にヘテロレプチック錯体は有機電子デバイスでより良好なデバイス寿命をもたらし得ることが観察されている。
(特許文献2)は、有機溶媒と水との混合物中でおよび出発原料によって導入される金属のモル量を好ましくは超える一定最小モル量で少なくとも2個の酸素原子を含む添加塩の存在下で金属ハライド錯体(例えばIrCl3・xH2O)から出発する金属錯体(ヘテロレプチックならびにホモレプチック)の製造方法を開示している。
(特許文献3)は、ハロ橋かけ二量体[LnM(μ−X)2MLn]をアリールピリジンL’配位子の有機金属誘導体と反応させることによるヘテロレプチック遷移金属錯体[M(L)nL’]の合成を記載している。
(特許文献4)は、異なるアルキルまたはアリール置換基を持った2つの二座シクロメタル化2−フェニルピリジン型配位子を含むヘテロレプチック錯体を開示している。記載されている合成は、あらかじめ形成されたトリスホモレプチック錯体のただ一つの配位子上での反応を含む複雑な多段階方法である。ヘテロレプチック錯体は実際に、ホモレプチック錯体の配位子の1つの化学修飾によって得られている。順番は以下のものである:先ず合成されなければならないトリスホモレプチック錯体から出発し、これに3つの配位子の1つのNBSでの臭素化、次にこの配位子上でのボロン酸エステル形成、および最後に第2タイプの配位子およびこうしてヘテロレプチック錯体を形成するためのこの配位子とブロモアレーンとのカップリングが続く。この合成が行われる方法を考えると、最終ヘテロレプチック錯体中に含まれる2つの配位子は同じ基本構造(例えば同じ2−フェニルピリジン主コア構造)を有するに違いなく、それはどちらかと言えば制限的であるように見える。この参考文献に記載されているヘテロレプチック錯体合成の別のタイプは、以下の通りに進行する:クロロ橋かけイリジウム二量体[L2Ir(μ−Cl)2IrL2]合成;クロリド配位子を除去するためのCH2Cl2/MeOH中またはエタノール中での銀トリフレートでの二量体処理;一晩190℃でトリデカン中での第2タイプの配位子での中間体「Irトリフレート」の処理。そうすることによって、4つの化合物の混合物が配位子スクランブリングのために形成され、その混合物は、カラムクロマトグラフィー、再結晶および昇華によって精製されなければならない。ある種の配位子(化合物12)で、最後の反応は、エタノール中16時間還流でより選択的に行うことができた。
(特許文献5)は、ただ一つのピリジルジベンゾ置換配位子を含む2つの異なる二座シクロメタル化2−フェニルピリジン型配位子を含むヘテロレプチック錯体を開示している。この合成は、(特許文献4)に記載されている通りである、すなわち、ハロ橋かけ二量体と銀トリフレートとの第1反応、引き続くエタノール中16時間還流での「Irトリフレート」中間体とピリジルジベンゾ置換配位子との反応である。
(特許文献6)は、(特許文献5)に類似の方法で製造される、2−フェニルピリジンおよびフェニルベンズイミダゾール型配位子を含むヘテロレプチック錯体を開示している。
(特許文献7)は、異なるアルキルおよび/またはアリール置換基を持った2つの二座シクロメタル化2−フェニルピリジン型配位子を含むヘテロレプチック錯体を記載している。それらは主として、2つの合成ルートを用いて製造される。一つは、有機溶媒中、ほとんどの場合エタノール中で「イリジウムトリフレート」中間体を第2配位子と反応させる工程を含む既に述べられたルートからなる。その程度がどちらかと言えば先験的に予測できない、配位子スクランブリングのために、このルートは、生成物化合物の混合物をもたらすと予期され、所望の生成物の精製をより困難にする。他の製造方法は、多段階合成(二量体合成;銀トリフレートでの二量体処理;ボロン酸エステル部分を含む1つの配位子を含む中間体トリスヘテロレプチック錯体を形成するためのエタノール中還流での第2型配位子のボロン酸エステル前駆体(それは前に製造されなければならない)との「Irトリフレート」中間体反応;配位子の第2型そしてこうして最終ヘテロレプチック錯体を形成するためのホウ酸エステル形態とブロモアレーンとのカップリング)に従い、このようにどちらかと言えば複雑な、時間を消費するならびに経済的に不利なものである。
(非特許文献1)は、クロロ橋かけ二量体[LPd(μ−Cl)2PdL]を、配位子S2CNEt2 −のナトリウム形態に相当する、NaS2CNEt2と反応させることによる、50体積%のメタノールと50体積%の水とを含む溶媒混合物を使用するPdL(S2CNEt2)錯体(L:フェニルピリジン配位子)の合成を記載している。
(非特許文献2)は、フェニルピリジン配位子およびアセチルアセトネート型配位子を持った2つのIr錯体の合成を開示している。25体積%水を含む溶媒混合物が使用され、反応は、クロロ橋かけ二量体中の遷移金属の1モル当たり5モル%の添加塩(Na2CO3)の存在下で実施されている。
(非特許文献3)は、50体積%の水を含む溶媒混合物中および出発ハロ橋かけ二量体中のIrの1モル当たり3.5モルの添加塩(Na2CO3)の存在下でのフェニルピリジン配位子および1つの他の配位子を持ったヘテロレプチックIr錯体の合成を記載している。
(特許文献8)は、新規Ir錯体およびそれを使用するエレクトロルミネセントデバイスに関連している。配位子は、少なくとも1つの重水素原子を含み、合成は、33体積%の水を含む溶媒混合物中で、ハロ橋かけ二量体出発原料中の遷移金属の1モル当たり10モルの添加塩(K2CO3)の存在下で実施されている。
(特許文献9)は、特許請求されている化合物についてのプロセス条件に関する限り(特許文献8)に匹敵する、すなわち、かなりの量の添加塩(出発原料として使用されるハロ橋かけ二量体中のIr金属の1モル当たり10モル(K2CO3))が存在する開示を提供している。
(特許文献10)は、出発原料として使用される二核Ir錯体中のIrの1モル当たり10モルの炭酸水素ナトリウムの存在下でアセトンと水(50:50v/v)の溶媒混合物中でのフェニルピリジン配位子を含むヘテロレプチックIr錯体の合成をセクション309に開示している。
Leeseら著、J.organomet.Chem.335(1987)、293−299
Liら著、Dalton Trans.2011、40、1969
Liら著、Inorg.Chem.2011、50、5969
上に引用された文献はいずれも、費用効率的に、金属ハライド錯体またはハロ橋かけ二量体から出発して、良好な選択性でおよび高い収率で、特に比較的低い温度で、異なる主コア構造をベースとするヘテロレプチック金属錯体、特に金属−C共有結合および/または配位N−金属共有結合によって金属に配位した少なくとも2つの二座シクロメタル化配位子を含むものを製造する経済的におよび技術的に実現可能な方法の要件を満足できるほどには満たしていない。したがって、上に示された要件をより良く満たすことができる、ヘテロレプチック錯体の新規製造方法が必要とされている。
上記の不利点を克服することができ、低い温度でさえも高い収率をもたらすことができ、かつ異なる主コア構造の二座シクロメタル化配位子を含むヘテロレプチック錯体に特に好適であるヘテロレプチック遷移金属錯体の製造方法を提供することが本発明の目的であった。
この目的は、請求項1で定義されるような方法で達成される。本発明にしたがった方法の好ましい実施形態は、従属クレームに示されている。
本発明はしたがって、ハロ橋かけ二量体によって反応混合物中へ導入されるハライドX−イオンのモル数に対して0〜5モル当量のハライドX−イオン用の捕捉剤の、ならびにハロ橋かけ二量体中の遷移金属のモル量に対して、0〜1モル未満の添加塩の、および溶媒混合物の総体積を基準として、0〜10体積%の、反応混合物へのハロ橋かけ二量体の溶解度を高める可溶化剤の任意選択的に存在下で、50〜260℃の温度で25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物中で(μ−X)が橋かけハライドを表す一般式[LnM(μ−X)2MLn]のハロ橋かけ二量体を式L’−Hの配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによる、一般式[M(L)nL’](式中、MはIr、Rh、またはPtであり、nは、M=IrまたはRhについては2であり、nは、M=Ptについては1であり、Lは、金属−C共有結合および配位ドナー原子−金属共有結合(このドナー金属は好ましくは窒素原子である)によって金属Mに配位した二座シクロメタル化配位子であり、L’は二座配位子である)を有する遷移金属Mのヘテロレプチック錯体の製造方法を提供する。
本発明の過程で、少量にすぎない添加塩の存在下でまたは添加塩の不在下で、全体溶媒混合物の体積を基準として、25体積%超の水を含む有機溶媒と水との混合物の使用が、所望のヘテロレプチック錯体への良好な選択性および収率をもたらし得ることが意外にも分かった。
所望のヘテロレプチック錯体の収率は通常少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%であり、所望のヘテロレプチック化合物への選択率は通常70%超、より好ましくは75%超、特に好ましくは80%超である。
本発明の方法は、多種多様な配位子でうまくいき、したがって配位子構造は、特に制限の対象ではなく、当業者に公知の、そして文献に記載されているそれらの配位子から選択することができる。有機電子デバイスに有用な錯体用の好適なそれぞれの配位子は、詳細な説明を本明細書で加える必要がまったくないほど文献に記載されている。
本発明の方法にしたがって、一般式[LnM(μ−X)2MLn]または[L’nM(μ−X)2ML’n]のハロ橋かけ二量体が出発原料として使用される。かかるハロ橋かけ二量体は、例えば、配位子化合物L−HまたはL’−Hとの金属ハライドMX3・xH2O反応から、文献に記載されている公知の方法にしたがって得ることができる。それぞれの方法は、当業者に公知であり、文献に記載されている。
前述のように、配位子Lの構造は、特に制限の対象ではなく、遷移金属錯体用に当業者に公知のそれらの配位子から選択することができる。
同じことが配位子化合物L’−Hに適用され、ここで、L’は、先行技術分野で記載されているおよび当業者に公知の任意のタイプまたは構造の配位子から再び選択することができる。
本発明の好ましい実施形態にしたがって、使用される配位子LおよびL’の少なくとも1つは、一般式(1)
(式中、
Aは、好ましくは窒素原子である、D1ドナー原子を介して遷移金属に結合しており、置換基Rで置換されていてもよい、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
Bは、置換基Rで置換されていてもよく、かつその環が、金属−炭素共有結合によって遷移金属に配位している、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
AおよびBは、C−C、C−NまたはN−N共有結合によって連結されている)
の二座配位子である。
Aは、好ましくは窒素原子である、D1ドナー原子を介して遷移金属に結合しており、置換基Rで置換されていてもよい、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
Bは、置換基Rで置換されていてもよく、かつその環が、金属−炭素共有結合によって遷移金属に配位している、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
AおよびBは、C−C、C−NまたはN−N共有結合によって連結されている)
の二座配位子である。
好適な置換基Rは、それぞれ同じものであっても異なるものであってもよく、ハロゲン、NO2、CN、NH2、NHR1、N(R1)2、B(OH)2、B(OR1)2、CHO、COOH、CONH2、CON(R1)2、CONHR1、SO3H、C(=O)R1、P(=O)(R1)2、S(=O)R1、S(=O)2R1、P(R1)3 +、N(R1)3 +、OH、SH、Si(R1)3、1〜20個の炭素原子を有する直鎖の置換もしくは非置換アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、ここで、各場合に1つ以上の非隣接CH2基は、−O−、−S−、−NR1−、−CONR1−、−CO−O−、−CR1=CR1−もしくは−C≡C−、ハロアルキル、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基で任意選択的に置き換えられてもよい。これらの環系での置換基は、存在する場合、Rについて上に定義された置換基から好ましくは選択されてもよい。
同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基Rは、互いにもしくは置換基R1とさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよい。
R1は、それぞれ同じものであっても異なるものであってもよく、1〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基であってもよい。これらの環系での置換基は、存在する場合、Rについて上に定義された置換基から好ましくは選択されてもよい。
同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基R1は、互いにもしくは置換基Rとさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよい。
少なくとも1つの相違が存在するという条件付きで、本発明にしたがった方法の別の好ましい実施形態にしたがって、LおよびL’は両方とも式(1)の配位子から選択されてもよい。
別の実施形態にしたがって、本発明は、ハロ橋かけ二量体によって反応混合物中へ導入されるハライドX−イオンのモル数に対して0〜5モル当量のハライドX−イオン用の捕捉剤の存在下で、ならびにハロ橋かけ二量体中の遷移金属のモル量に対して、0〜1モル未満の添加塩のおよび、溶媒混合物の総体積を基準として、0〜10体積%の、反応混合物へのハロ橋かけ二量体の溶解度を高める可溶化剤の存在下で、50〜260℃の温度で25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物中で(μ−X)が橋かけハライドを表す一般式[LnM(μ−X)2MLn]のハロ橋かけ二量体を式L’−Hの配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによる、一般式[M(L)nL’](式中、MはIr、Rh、PtまたはPdであり、nは、M=IrまたはRhについては2であり、nは、M=PtまたはPdについては1であり、Lは、金属−C共有結合および配位ドナー原子−金属共有結合によって金属Mに配位した二座シクロメタル化配位子であり、L’は二座配位子である)を有する遷移金属Mのヘテロレプチック錯体の製造方法であって、配位子LおよびL’が、一般式(1)
(式中、
Aは、D1ドナー原子を介して遷移金属に結合しており、かつ置換基Rで置換されていてもよい、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
Bは、置換基Rで置換されていてもよく、かつその環が、金属−炭素共有結合によって遷移金属に配位している、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
AおよびBは、C−C、C−NまたはN−N共有結合によって連結されている)
の二座配位子を表す方法に関する。
Aは、D1ドナー原子を介して遷移金属に結合しており、かつ置換基Rで置換されていてもよい、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
Bは、置換基Rで置換されていてもよく、かつその環が、金属−炭素共有結合によって遷移金属に配位している、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
AおよびBは、C−C、C−NまたはN−N共有結合によって連結されている)
の二座配位子を表す方法に関する。
A、BおよびD1は好ましくは上に定義された通りである。
ドナー原子D1を含む、環Aは、好ましくは5もしくは6員環ヘテロアリール基、とりわけ好ましくは
(式中、R’’は、B環ならびに水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる基を含む、幅広い置換基から選択されてもよい)
からまたは
から選択される5員環ヘテロ環および
から選択される6員環ヘテロ環から選択される。
からまたは
Aはまた、環の1つが上に示されたような構造に似ている、アニールした環系の一部を形成してもよい。
特に好ましい実施形態にしたがって、環Aは、その5もしくは6員環ヘテロアリール基が、中性窒素原子である、ドナー原子D1を介して金属に結合している、上に定義されたような5もしくは6員環ヘテロアリール基から選択される。
Bは、5もしくは6員環アリール基もしくはヘテロアリール基から選択され、ここで、ヘテロアリール基は、環Aについて上に示された基から好ましくは選択されてもよい。環Bにとって特に好ましいアリール基は、フェニル、ビフェニルまたはナフチルである。
環Bはまた、非置換もしくは置換カルバゾリル基のまたは非置換もしくは置換ジベンゾフラニル基の一部を形成してもよい。
分子の残りへのSBFまたはオープンSBF単位の結合は、SBFまたはオープンSBF単位の好ましくは2、3または4位においてであり得るし、位置2または3での結合が最も好ましい。
本発明にしたがったハロ橋かけ二量体中の金属Mは、遷移金属Ir、Rh、PtまたはPd、好ましくはIrまたはPtの1つ、最も好ましくはIrを表す。
(それからLおよび/またはL’が選択されてもよい)式(1)の配位子の好ましい群は、以下の一般式:
(式中、R3およびR4置換基は、同じものであっても異なるものであってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基のような、H以外の基であり、R5〜R7は、同じものであっても異なるものであってもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択されてもよい)
で表される。R5〜R7が水素とは異なる場合、環は、1つ、2つまたは3つのそれぞれの置換基を有してもよい。好ましくはR3およびR4置換基は両方とも、アルキル基、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基である。好ましいR5置換基は、H、アルキル基、ヘテロアリール基およびアリール基からなる群から選択され;R5がアリール基もしくはヘテロアリール基である場合、それは好ましくは、イミダゾールまたはピラゾール部分との結合に対してパラ位で結合している。
で表される。R5〜R7が水素とは異なる場合、環は、1つ、2つまたは3つのそれぞれの置換基を有してもよい。好ましくはR3およびR4置換基は両方とも、アルキル基、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基である。好ましいR5置換基は、H、アルキル基、ヘテロアリール基およびアリール基からなる群から選択され;R5がアリール基もしくはヘテロアリール基である場合、それは好ましくは、イミダゾールまたはピラゾール部分との結合に対してパラ位で結合している。
このタイプの最も好ましい配位子は、以下のもの:
(式中、R8およびR9は、H、アルキル基、ヘテロアリール基およびアリール基からなる群から、好ましくはHおよび1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から選択される)
である。
である。
(それからLおよび/またはL’が選択されてもよい)式(1)の配位子の別の好ましい群は、以下の一般式:
(式中、R10〜R18は、同じものであっても異なるものであってもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択されてもよい)
で表される。
で表される。
配位子の別の好ましい群は、環BがSBFまたはオープンSBF基の一部であり、Aが上に言及された基から選択されるそれらの化合物から選択される。
本発明の方法の別の好ましい実施形態にしたがって、Lおよび/またはL’は、さらにより好ましくはLおよびL’は、フェニルピリジン誘導体、フェニルイミダゾール誘導体、フェニルイソキノリン誘導体、フェニルキノリン誘導体、フェニルピラゾール誘導体、フェニルトリアゾール誘導体およびフェニルテトラゾール誘導体からなる群から選択されるシクロメタル化配位子から選択される。
ハロ橋かけ二量体中のハライドX−は、Cl−、Br−、I−およびF−から選択され、最も好ましくはX−は、クロリドまたはブロミドである。
本発明の方法にしたがって、ハロ橋かけ二量体と配位子化合物との反応は、その混合物が25体積%超の水を含む、有機溶媒と水との混合物中で実施される。この混合物は、好ましくは70体積%以下の有機溶媒および少なくとも30体積%の水、より好ましくは66体積%以下の有機溶媒および少なくとも34体積%の水を含有する。40〜60体積%の水分量が特に好適であると分かった。
この有機溶媒は、水と混和して単一相(すなわち、溶液)を形成する任意の溶媒であってもよい。好ましくは、有機溶媒は、C1〜C20アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールもしくはtert−ブタノール、オキサン、例えば、ジオキサンもしくはトリオキサン、C1〜C20アルコキシアルキルエーテル、例えば、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、C1〜C20ジアルキルエーテル、例えば、ジメチルエーテル、C1〜C20アルコキシアルコール、例えば、メトキシエタノールもしくはエトキシエタノール、ジオールもしくは多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールもしくはグリセロール、ポリエチレングリコール、またはジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)もしくはジメチルホルムアミド(DMF)、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。より好ましくは、有機溶媒は、ジオキサン、トリオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、2−エトキシエタノールおよびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種であってよい。最も好ましくは、有機溶媒はジオキサンまたはビス(2−メトキシエチル)エーテル(本明細書では以下ダイグライムと言われる)である。
反応温度は、50〜260℃の範囲に、好ましくは80〜150℃の範囲にある。これらの反応条件は、先行技術の反応条件よりも著しく穏和であり、反応がまた熱的におよび/または化学的に敏感な配位子を使っても実施できるという、そして配位子交換反応がこれらの温度で限定されているという利点を提供する。
ある具体的に実施形態では、この異性体は、1×103〜1×108Pa、好ましくは1×104〜1×107Pa、最も好ましくは1×105〜1×106Paの圧力で製造される。
配位子化合物L’−Hは、ハロ橋かけ二量体中の金属の量に対して、モル過剰で好ましくは使用される。もっと具体的な実施形態では、配位子化合物は、10〜3000モルパーセントの過剰量、好ましくは50〜1000モルパーセントの過剰量、最も好ましくは100〜800モルパーセントの過剰量で使用される。
本発明にしたがった方法は、ハライドイオンX−用の捕捉剤の存在下でまたは不在下で実施することができる。ハライドイオン捕捉剤が存在する場合、それは、ハロ橋かけ二量体によって反応混合物へ導入されるハライドX−イオンのモルあたり最大で5モルまで、好ましくは最大で3モルまでの量で使用される。好ましい捕捉剤は銀塩である。最も好ましい銀塩は、テトラフルオロボレート、トリフルオロアセテートまたはトリフレートである。
本発明にしたがった方法は、添加塩の存在下でまたは不在下で実施することができる。塩が存在する場合には、それは、ハロ橋かけ二量体中の金属の1モル当たり1モル未満、好ましくは0.5モル以下の量で使用される。しかし最も好ましくは、塩はまったく添加されない。
塩が添加される場合には、少なくとも2個の酸素原子を含有する塩が好ましくは使用される。
少なくとも2個の酸素原子を含有する好適な塩は、有機か無機かのいずれかであり得る。両性イオン化合物(いわゆる分子内塩)もまた本発明にしたがって使用することができる。少なくとも2個の酸素原子を持った前記塩中の酸素原子の少なくとも1個は、負に帯電していてもよい。酸素原子は、1,3−、1,4−または1,5−配置で塩中でさらに結合していてもよく、それは、2個の酸素原子が同じもしくは異なる原子に結合していてもよいことを意味する。1,3配置は、2個の酸素原子が同じ原子に結合していることを意味するのに対して、1,4および1,5は、酸素原子が同じ原子に結合しておらず、2個の酸素原子間中にそれぞれ2つ、3つの原子を持った構造を意味する。無機塩の例は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウムおよび/またはテトラアリールホスホニウム炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩またはホウ酸塩、特にそれぞれのアルカリ金属、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウム塩である。有機塩の例は、有機カルボン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウムおよび/またはテトラアリールホスホニウム塩、特にギ酸塩、酢酸塩、フロオロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、ピリジンカルボン酸塩、有機スルホン酸、特にMeSO3H、EtSO3H、PrSO3H、F3CSO3H、C4F9SO3H、フェニル−SO3H、オルト−、メタ−またはパラ−トリル−SO3Hの塩、α−ケト酪酸の塩、ならびにピロカテコールおよびサリチル酸の塩である。
別の好ましい実施形態にしたがって、本発明にしたがった方法は、いかなる添加塩基も不在下に実施される。
溶媒混合物へのハロ橋かけ二量体の溶解度が非常に低い、ある種の場合には、溶媒混合物の体積を基準として、最大で10体積%まで、好ましくは0.1〜10体積%の、さらにより好ましくは0.5〜5体積%の可溶化剤を反応溶媒への二量体の溶解度を向上させるために添加することが有利であると分かった。DMSOがある種の場合には可溶化剤として特にうまくいくことを示した。
反応中に生成した、プロトンイオン、H3O+が阻害効果を有する可能性があることを考えると、中和工程がヘテロレプチック錯体収率を向上させるために反応中に好ましくは実施され得るであろう。本発明のさらに他の実施形態は、ハロ橋かけ二量体[LnM(μ−X)2−MLn]を式L’−Hの二座配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによるヘテロレプチック金属錯体[MLnL’]の製造方法での25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物の使用に関する。
本発明の方法にしたがって合成された金属錯体は、有機デバイス、例えば、OLEDでリン光発光体として典型的には使用することができる。OLEDの構造に関しては、典型的なOLEDは、蛍光性材料かリン光性材料かのいずれかと、2つの電極間に置かれた、電荷輸送材料などの任意選択的に他の材料とを含むことができる、有機発光材料の層からなる。アノードは一般に、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明な材料であるが、カソードは一般に、AlまたはCaなどの金属である。OLEDは、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子ブロッキング層(EBL)、正孔ブロッキング層(HBL)、電子輸送層(ETL)および電子注入層(EIL)などの他の層を任意選択的に含むことができる。
リン光性OLEDは、かかるデバイスの内部量子効率が100%に近づく状態で、非常に効率的に電気エネルギーを光に変換するために電気リン光の原理を利用する。イリジウム錯体が現在広く使用されている。これらの錯体の中心にある重金属原子は、一重項状態と三重項状態間の項間交差を容易にする、強いスピン−軌道カップリングを示す。これらのリン光性材料を使用することによって、一重項および三重項励起子は両方とも、放射崩壊し、それ故に、一重項状態のみが発光に寄与するであろう標準的な蛍光性発泡体と比べてデバイスの内部量子効率を向上させることができる。固体状態照明でのOLEDの適用は、良好なCIE座標で高い輝度の達成を必要とする(白色発光のために)。
本発明にしたがって得られるリン光発光体を含む上記のOLEDは、有機デバイスの分野で従来用いられている任意の方法、例えば、真空蒸着、熱蒸着、印刷またはコーティングによって製造することができる。
ここで、本発明をいっそう理解できるように幾つかの実施形態を示す。しかし、上記の具体的な実施形態は、例示目的のために本明細書に記載されているにすぎないことに注目することが重要である。特定の手順、物質または条件は、決して本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。さらに、当業者にとって明白である、任意の他の方法、物質または条件もまた、本発明に問題なく含まれる。
反応はすべて暗所でおよび不活性雰囲気下に行った。
実施例において本明細書で後に述べられるクロロ橋かけ二量体[(L)2Ir(μ−X)2Ir(L)2]はすべて、約20時間還流で2−エトキシエタノールと水との3:1(v/v)混合物中でIrCl3.xH2Oをわずかに過剰の配位子化合物L−H(2.5〜3モル/モルIr)と反応させることからなる周知の手順を用いて得られた。
実施例1〜5:[Ir(L1−15)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体の合成
a)L1−15配位子化合物の合成
アルゴンでフラッシュした500mLの丸底フラスコ中で、9−(4−ブロモフェニル)−9−フェニル−9H−フルオレン(33g、83.0ミリモル)を乾燥DMF(200ml)に溶解させた。ピラゾール(8.52g、125ミリモル)、Cs2CO3(55g、166ミリモル)、Cu2O(6g、4.15ミリモル)およびサリシルアルドキシム(2.29g、16.6ミリモル)を生じた溶液に添加し、混合物を120℃で60時間加熱した。この溶液を次に、250mlのヘキサン/THF(v/v)8:2の混合物で希釈した。溶液をシリカの詰め物上にフラッシュし、それを先ずヘキサン/THF 9:1の溶液で溶出し、最後にヘキサン/THF(v/v)65:35の溶液で溶出した。有機相を真空で濃縮し、粗生成物をエタノール(96%)中の結晶化によってさらに精製して28gのL1−15配位子化合物を白色固体として生成した(87%収率)。
アルゴンでフラッシュした500mLの丸底フラスコ中で、9−(4−ブロモフェニル)−9−フェニル−9H−フルオレン(33g、83.0ミリモル)を乾燥DMF(200ml)に溶解させた。ピラゾール(8.52g、125ミリモル)、Cs2CO3(55g、166ミリモル)、Cu2O(6g、4.15ミリモル)およびサリシルアルドキシム(2.29g、16.6ミリモル)を生じた溶液に添加し、混合物を120℃で60時間加熱した。この溶液を次に、250mlのヘキサン/THF(v/v)8:2の混合物で希釈した。溶液をシリカの詰め物上にフラッシュし、それを先ずヘキサン/THF 9:1の溶液で溶出し、最後にヘキサン/THF(v/v)65:35の溶液で溶出した。有機相を真空で濃縮し、粗生成物をエタノール(96%)中の結晶化によってさらに精製して28gのL1−15配位子化合物を白色固体として生成した(87%収率)。
b)[Ir(L1−15)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体合成
表1に示されるように実施例1〜3では1:1(体積比)のダイグライムと水との溶媒混合物中で、ならびに実施例4では体積比70:30でのダイグライムと水との溶媒混合物中で、そして比較例5では体積比75:25でのダイグライムと水との溶媒混合物中で、あらかじめアルゴンでフラッシュした密封バイアルにおいて様々なジクロロ橋かけ二量体[(L)2Ir(μ−Cl)2Ir(L)2](表1に示されるような)を様々な配位子化合物L’−Hと反応させた。反応剤のモル比もまた表1に示す。
表1に示されるように実施例1〜3では1:1(体積比)のダイグライムと水との溶媒混合物中で、ならびに実施例4では体積比70:30でのダイグライムと水との溶媒混合物中で、そして比較例5では体積比75:25でのダイグライムと水との溶媒混合物中で、あらかじめアルゴンでフラッシュした密封バイアルにおいて様々なジクロロ橋かけ二量体[(L)2Ir(μ−Cl)2Ir(L)2](表1に示されるような)を様々な配位子化合物L’−Hと反応させた。反応剤のモル比もまた表1に示す。
各場合に、溶媒反応混合物中のクロロ橋かけ二量体濃度は、0.005モル/lに等しく、反応温度は144時間130℃であった。反応時間は、実施例2では90時間に限定された。
これらの実施例に関わる2つの配位子L1−15およびL1−1は、以下のものである:
冷却後に、沈澱物を吸引によって濾別し、水およびヘキサンで洗浄した。この「粗」回収固体は、CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することができた。表1は、収率データおよび内部標準としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを使用するNMRによって測定された純度を示す。
意外にも、得られた主生成物は、出発原料として使用される二量体[(L1−15)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−15)2]または[(L1−1)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−1)2]のタイプとは無関係に、常にヘテロレプチック錯体[Ir(L1−15)2(L1−1)]である。
実施例1および4の実験の結果は、有機溶媒と水との比が、得られる所望の生成物の量に著しく影響を及ぼすことを示す。
副生成物は少量で観察されるにすぎない。実施例1の精製試料中の主な副生成物は、トリスホモレプチック錯体Ir(L1−15)3であったが、実施例3では副生成物は精製試料中に1H−NMRによってまったく検出されなかった。
実施例6:[Ir(L1−15)2(L1−2)]ヘテロレプチック錯体の合成
[Ir(L1−15)2(L1−2)]ヘテロレプチック錯体は、L1−1配位子を含む[(L1−1)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−1)2]二量体を、L1−2配位子を含む[(L1−2)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−2)2]二量体で置き換えて実施例1での[Ir(L1−15)2(L1−1)]と同じ条件を用いて得られた。CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は40%に等しかった。実施例1におけるように、主な副生成物はトリスホモレプチック錯体[Ir(L1−15)3](3モル%)である。
実施例7:[Ir(L1−16)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体の合成
a)L1−16配位子化合物の合成
1)第1工程
1リットルの丸底フラスコ中で、1−(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)−ピラゾール(28g、71.3ミリモル)を乾燥THF(400ml)に溶解させ、この混合物を−40℃に冷却した。ヘキサン中のn−BuLi 1.6M(62.5ml、100ミリモル)を滴加し、溶液を2時間この温度で攪拌下にそのままにしておいた。溶液を−60℃にさらに冷却し、乾燥THF(150ml)中のCBr4(37.5g、113ミリモル)の溶液を滴加した。生じた溶液をこの温度で1時間攪拌するに任せた。溶液をNH4Clの飽和溶液(200ml)でクエンチし、MTBE(300ml)で2回抽出した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空下に濃縮した。粗固体を、ヘキサン/酢酸エチル 7:3(v/v)を溶離液として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、エタノール/トルエン(v/v)98.5:1.5を使用する結晶化によってさらに精製して生成物を白色固体として生成した(74%収率)。
1)第1工程
1リットルの丸底フラスコ中で、1−(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)−ピラゾール(28g、71.3ミリモル)を乾燥THF(400ml)に溶解させ、この混合物を−40℃に冷却した。ヘキサン中のn−BuLi 1.6M(62.5ml、100ミリモル)を滴加し、溶液を2時間この温度で攪拌下にそのままにしておいた。溶液を−60℃にさらに冷却し、乾燥THF(150ml)中のCBr4(37.5g、113ミリモル)の溶液を滴加した。生じた溶液をこの温度で1時間攪拌するに任せた。溶液をNH4Clの飽和溶液(200ml)でクエンチし、MTBE(300ml)で2回抽出した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空下に濃縮した。粗固体を、ヘキサン/酢酸エチル 7:3(v/v)を溶離液として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、エタノール/トルエン(v/v)98.5:1.5を使用する結晶化によってさらに精製して生成物を白色固体として生成した(74%収率)。
2)第2工程
前に製造した化合物(4.55g、9.66ミリモル)および2,4,6 トリメチルフェニルボロン酸(2.5g、15.2ミリモル)を、ジオキサン/水 91:9の混合物に溶解させ、生じた溶液をその後脱ガスした。K3PO4(6.6g、31.1ミリモル)、引き続き50mlの脱ガスジオキサン中の溶液でPd2dba3(0.435g、0.475ミリモル)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos、0.780g、1.90ミリモル)をこの溶液に添加した。還流温度での8時間の攪拌後に、反応を水(200ml)でクエンチし、メチル−第三ブチルエーテル(MTBE、200ml)で抽出した。有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液(200ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空下に濃縮した。粗固体を、ヘキサン/酢酸エチル(v/v)85:15を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を次に、熱ヘキサン(20ml)で2回洗浄して純L1−16配位子化合物を白色固体として生成した(50%収率)。
前に製造した化合物(4.55g、9.66ミリモル)および2,4,6 トリメチルフェニルボロン酸(2.5g、15.2ミリモル)を、ジオキサン/水 91:9の混合物に溶解させ、生じた溶液をその後脱ガスした。K3PO4(6.6g、31.1ミリモル)、引き続き50mlの脱ガスジオキサン中の溶液でPd2dba3(0.435g、0.475ミリモル)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos、0.780g、1.90ミリモル)をこの溶液に添加した。還流温度での8時間の攪拌後に、反応を水(200ml)でクエンチし、メチル−第三ブチルエーテル(MTBE、200ml)で抽出した。有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液(200ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空下に濃縮した。粗固体を、ヘキサン/酢酸エチル(v/v)85:15を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を次に、熱ヘキサン(20ml)で2回洗浄して純L1−16配位子化合物を白色固体として生成した(50%収率)。
b)[Ir(L1−16)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体合成
[Ir(L1−16)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体は、L1−15配位子化合物をL1−16配位子化合物で置き換えて実施例1における[Ir(L1−15)2(L1−1)]と同様に得られた。CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の収率は、15%に等しかった。
[Ir(L1−16)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体は、L1−15配位子化合物をL1−16配位子化合物で置き換えて実施例1における[Ir(L1−15)2(L1−1)]と同様に得られた。CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の収率は、15%に等しかった。
実施例8:Ag+変形を使用する[Ir(L1−16)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体の合成
0.261gの[(L1−1)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−1)2]二量体に、10mlのCH2Cl2と10mlのメタノールに溶解させた0.098gの銀トリフレートとを引き続いて添加した。室温で2時間攪拌した後、生じた混合物を濾過し、蒸発乾固した。1:1体積比のジオキサンと水との36mlの溶媒混合物を残留物上へ注いだ。生じた混合物を、アルゴンでフラッシュしたBuechi Miniclaveガラスオートクレーブに移した。0.735gの配位子化合物L1−16を添加した後、反応混合物を130℃で144時間加熱した。冷却後に、沈澱物を吸引によって濾別し、水およびヘキサンで洗浄した。CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は、47%に等しく、トリスホモレプチック[Ir(L1−16)3]が主な不純物として出現する(収率15%)、いかなる銀トリフレートも添加されずに行われた実施例7におけるよりも大きく高かった。
0.261gの[(L1−1)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−1)2]二量体に、10mlのCH2Cl2と10mlのメタノールに溶解させた0.098gの銀トリフレートとを引き続いて添加した。室温で2時間攪拌した後、生じた混合物を濾過し、蒸発乾固した。1:1体積比のジオキサンと水との36mlの溶媒混合物を残留物上へ注いだ。生じた混合物を、アルゴンでフラッシュしたBuechi Miniclaveガラスオートクレーブに移した。0.735gの配位子化合物L1−16を添加した後、反応混合物を130℃で144時間加熱した。冷却後に、沈澱物を吸引によって濾別し、水およびヘキサンで洗浄した。CH2Cl2/ヘキサン 8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は、47%に等しく、トリスホモレプチック[Ir(L1−16)3]が主な不純物として出現する(収率15%)、いかなる銀トリフレートも添加されずに行われた実施例7におけるよりも大きく高かった。
実施例9:[Ir(L1−12)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体の合成
アルゴンでフラッシュした100mlのバイアルに、0.403gのクロロ橋かけ二量体[(L1−12)2Ir(μ−Cl)2Ir(L1−12)2]、0.239gの1−(2,6−ジメチルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾールL1−1配位子化合物(L1−1配位子/二量体モル比:3.0モル/モル)およびダイグライムと水との60mlの1:1v/v混合物を導入した。密封した後、バイアルを130℃で撹拌しながら144時間加熱した。冷却後に、沈殿物を吸引によって濾別し、水およびヘキサンで洗浄した。粗固体を、CH2Cl2/ヘキサン8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して0.263gの所望のヘテロレプチック錯体(収率:49%)を得た。他の生成物は、1H−NMR分析によってまったく検出できなかった(内部標準としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを使用するNMR純度:100重量%)。
実施例10:[Ir(L1−12)2(L1−2)]ヘテロレプチック錯体の合成
[Ir(L1−12)2(L1−2)]ヘテロレプチック錯体は、L1−1配位子化合物をL1−2配位子化合物で置き換えて実施例9での[Ir(L12−12)2(L1−1)]についてと同じ条件を用いて得られた。「粗」回収生成物のNMR分析から推定される収率は47%に等しかった。CH2Cl2/ヘキサン8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は44%に等しかった。他の生成物は、1H−NMR分析によってまったく検出できなかった(内部標準としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを使用するNMR純度:100重量%)。より高い収率(「粗」回収生成物のNMR分析から72%)は、他の条件を変えずに、より大過剰のL1−2配位子(L1−2配位子/二量体モル比:7.0モル/モル)を使用することによって得られた。この物質を昇華によってさらに精製した。
実施例11:[Ir(L1−13)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体の合成
[Ir(L1−13)2(L1−1)]ヘテロレプチック錯体は、出発ジクロロ橋かけ二量体を、L1−13配位子を含むもので置き換え、そして密封バイアルの代わりにBuechi Miniclaveガラスオートクレーブを反応器として使用して実施例9での[Ir(L1−12)2(L1−1)]についてと同じ条件を用いて得られた。CH2Cl2/ヘキサン8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は45%に等しかった。他の生成物は、1H−NMR分析によってまったく検出できなかった(内部標準としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを使用するNMR純度:98重量%)。
実施例12:[Ir(L1−12)2(L1−8)]ヘテロレプチック錯体の合成
[Ir(L1−12)2(L1−8)]ヘテロレプチック錯体は、L1−1配位子化合物をL1−8配位子化合物で置き換えて実施例9での[Ir(L1−12)2(L1−1)]についてと同じ条件を用いて得られた。CH2Cl2/ヘキサン8:2(v/v)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後の単離収率は35%に等しかった。他の生成物は、1H−NMR分析によってまったく検出できなかった(内部標準としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを使用するNMR純度:100重量%)。この物質を昇華によってさらに精製した。
実施例の結果は、本発明にしたがった方法が異なる主コアの配位子(例えばフェニルイミダゾール、フェニルキノリン、フェニルピラゾール型配位子のような)を含むヘテロレプチック遷移金属錯体を容易な1段階合成で穏和な条件下に良好な収率および良好な純度で生成することを示す。
このように、本方法は、経済的におよび技術的に実現可能なやり方で有機電子デバイスにおいて有用な材料を提供する。
Claims (17)
- ハロ橋かけ二量体によって反応混合物中へ導入されるハライドX−イオンのモル数に対して0〜5モル当量のハライドX−イオン用の捕捉剤の存在下で、ならびにハロ橋かけ二量体中の遷移金属のモル量に対して、0〜1モル未満の添加塩のおよび、溶媒混合物の総体積を基準として、0〜10体積%の、前記反応混合物への前記ハロ橋かけ二量体の溶解度を高める可溶化剤の存在下で、50〜260℃の温度で25体積%超の水を含む有機溶媒と水との前記溶媒混合物中で、(μ−X)が橋かけハライドを表す一般式[LnM(μ−X)2MLn]のハロ橋かけ二量体を式L’−Hの配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによる、一般式[M(L)nL’](式中、MはIr、Rh、またはPtであり、nは、M=IrまたはRhについては2であり、nは、M=Ptについては1であり、Lは、金属−C共有結合および配位ドナー原子−金属共有結合によって前記金属Mに配位した二座シクロメタル化配位子であり、L’は二座配位子である)を有する遷移金属Mのヘテロレプチック錯体の製造方法。
- 置換基Rは、それぞれ同じものであっても異なるものであってもよく、ハロゲン、NO2、CN、NH2、NHR1、N(R1)2、B(OH)2、B(OR1)2、CHO、COOH、CONH2、CON(R1)2、CONHR1、SO3H、C(=O)R1、P(=O)(R1)2、S(=O)R1、S(=O)2R1、P(R1)3 +、N(R1)3 +、OH、SH、Si(R1)3、1〜20個の炭素原子を有する直鎖の置換もしくは非置換アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基から選択され、ここで、各場合に1つ以上の非隣接CH2基が、−O−、−S−、−NR1−、−CONR1−、−CO−O−、−CR1=CR1−もしくは−C≡C−、ハロアルキル、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基で任意選択的に置き換えられてもよく、あるいは同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基Rが、互いにもしくは置換基R1とさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよく、
R1は、同じものであっても異なるものであってもよく、1〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基から選択され、あるいは同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基R1が互いにもしくは置換基Rとさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよい、請求項2に記載の方法。 - LおよびL’が両方とも、一般式(1)の配位子から選択される、請求項2または3に記載の方法。
- ハロ橋かけ二量体によって反応混合物中へ導入されるハライドX−イオンのモル数に対して0〜5モル当量のハライドX−イオン用の捕捉剤の存在下で、ならびにハロ橋かけ二量体中の遷移金属のモル量に対して、0〜1モル未満の添加塩のおよび、溶媒混合物の総体積を基準として、0〜10体積%の、前記反応混合物への前記ハロ橋かけ二量体の溶解度を高める可溶化剤の存在下で、50〜260℃の温度で25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物中で、(μ−X)が橋かけハライドを表す一般式[LnM(μ−X)2MLn]のハロ橋かけ二量体を式L’−Hの配位子化合物と、または一般式[L’nM(μ−X)2−ML’n]のハロ橋かけ二量体を式L−Hの配位子化合物と反応させることによる、一般式[M(L)nL’](式中、MはIr、Rh、PtまたはPdであり、nは、M=IrまたはRhについては2であり、nは、M=PtまたはPdについては1であり、Lは、金属−C共有結合および配位ドナー原子−金属共有結合によって前記金属Mに配位した二座シクロメタル化配位子であり、L’は二座配位子である)を有する遷移金属Mのヘテロレプチック錯体の製造方法であって、配位子LおよびL’が、一般式(1)
Aは、D1ドナー原子を介して前記遷移金属に結合しており、かつ置換基Rで置換されていてもよい、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
Bは、置換基Rで置換されていてもよい、かつその環が、金属−炭素共有結合によって前記遷移金属に配位している、5もしくは6員環アリールもしくはヘテロアリール環および縮合環からなる群から選択され、
AおよびBは、C−C、C−NまたはN−N共有結合によって連結されている)
の二座配位子を表す、方法。 - 置換基Rが、それぞれ同じものであっても異なるものであってもよく、ハロゲン、NO2、CN、NH2、NHR1、N(R1)2、B(OH)2、B(OR1)2、CHO、COOH、CONH2、CON(R1)2、CONHR1、SO3H、C(=O)R1、P(=O)(R1)2、S(=O)R1、S(=O)2R1、P(R1)3 +、N(R1)3 +、OH、SH、Si(R1)3、1〜20個の炭素原子を有する直鎖の置換もしくは非置換アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基から選択され、ここで、各場合に1つ以上の非隣接CH2基が、−O−、−S−、−NR1−、−CONR1−、−CO−O−、−CR1=CR1−もしくは−C≡C−、ハロアルキル、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基で任意選択的に置き換えられてもよく、あるいは同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基Rが、互いにもしくは置換基R1とさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよく、
R1は、同じものであっても異なるものであってもよく、1〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基もしくはアルコキシ基または3〜20個の炭素原子の分岐もしくは環状のアルキル基もしくはアルコキシ基、5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系または5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基もしくはヘテロアリールアミノ基から選択され、あるいは同じ環上または異なる環上のいずれかの、2つ以上の置換基R1が互いにもしくは置換基Rとさらなる単環もしくは多環の、脂肪族環もしくは芳香環系を規定してもよい、請求項5に記載の方法。 - 前記遷移金属がPtおよびIrから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記遷移金属がIrである、請求項7に記載の方法。
- ハライドイオンX−用の前記捕捉剤が銀塩である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記可溶化剤がジメチルスルホキシドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- C1〜C20アルコール、オキサン、C1〜C20アルコキシアルキルエーテル、C1〜C20ジアルキルエーテル、C1〜C20アルコキシアルコール、ジオールまたは多価アルコール、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒、好ましくはジオキサン、トリオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、2−エトキシエタノールおよびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つが使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- フェニルピリジン誘導体、フェニルイミダゾール誘導体、フェニルキノリン誘導体、フェニルイソキノリン誘導体、フェニルピラゾール誘導体、フェニルトリアゾール誘導体およびフェニルテトラゾール誘導体からなる群から選択される配位子Lおよび/またはL’が使用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 9,9’−スピロビフルオレン単位または9,9−ジフェニル−9H−フルオレン単位を含む配位子が使用される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反応が80〜150℃の範囲の温度で実施される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- MがIr、Rh、PtまたはPdであり、かつLおよびL’が上に定義された式(1)の二座配位子を表す、ハロ橋かけ二量体[LnM(μ−X)2MLn]を式L’−Hの二座配位子化合物と、またはハロ橋かけ二量体[L’nM(μ−X)2−ML’n]を式L−Hの配位子化合物と反応させることによるヘテロレプチック金属錯体[MLnL’]の製造方法における、25体積%超の水を含む有機溶媒と水との溶媒混合物の使用。
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