様々な図面における同じ参照符号および記号は、同じ要素を示している。
いくつかのディスプレイは、ディスプレイ要素のアレイを封入するキャビティ内で流体を含む。いくつかの事例では、キャビティ内の電荷蓄積は、静電力の形成を生じ、静電力が、ディスプレイ要素への不正確な動作、または損傷を引き起こし得る。流体と接触している伝導性層の追加は、電荷蓄積を散逸させるように働き、したがって、潜在的に損傷を与える静電力を低減または除去することができる。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、ディスプレイ要素のキャビティ中の流体に電気的に接触して配設される、光吸収伝導性層である。光吸収伝導性層は、ディスプレイ要素の光路内のいかなる開口または他の光透過性領域をも実質的に遮断しないように形成される。いくつかの実装形態では、光吸収伝導性層は、開口および光透過性領域に及び、それらの両端間に延在するトレースを含む。トレースのサイズおよび間隔は、開口および光透過性領域の実質的な遮断を回避すると同時に、ディスプレイ要素のキャビティ内の電荷蓄積の有効な散逸を行うように選択される。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、透明伝導性層である。透明伝導性層は、流体に電気的に接触しているように、キャビティ内に配設される。透明伝導性層は、開口および光透過性領域の上に延在して、開口または光透過性領域を通過する光を実質的に遮断することなしに、キャビティ内の電荷蓄積の有効な散逸を行うことができる。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、複数の電気的に絶縁された伝導性領域を含む。各電気的に絶縁された領域は、ただ1つの画素に関連付けられる。画素に対応する各領域は、その画素のみに関連付けられたシャッターに電気的に接触している。伝導性領域およびシャッターは、伝導性スペーサによって、およびシャッターを支持する伝導性アンカによって形成された相互接続部を介して接続され得る。いくつかのそのような実装形態では、ディスプレイは、ディスプレイの活性ディスプレイ領域中の伝導性層と伝導性スペーサとの間の電気接続を保持しながら、基板のうちの1つまたは複数の変形を可能にする、スペーサのない領域を含む。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、ディスプレイ要素のすべてのシャッターのすべてに電気的に接続される。伝導性層は、伝導性スペーサを介して、または伝導性エッジシールを介して、シャッターに接続される。したがって、伝導性層、およびシャッターのすべては、共通の大域電位で動作され得る。
いくつかの実装形態では、電荷蓄積の散逸は、ディスプレイ装置のキャビティへの流体の充填中に達成され得る。そのような実装形態では、共通電位は、流体が充填されている間に伝導性層とディスプレイ要素のシャッターの両方に印加され得る。いくつかの他の実装形態では、共通電位は、流体の充填の完了後、除去され得る。
いくつかの実装形態では、電荷蓄積の散逸は、ディスプレイ装置の動作中に達成され得る。そのような実装形態では、伝導性層、またはその部分が、シャッターとして共通電位で保たれるように、伝導性層を、ディスプレイ装置中に含まれるディスプレイ要素に関連付けられたシャッターと電気的に接続することによって、電荷蓄積が散逸される。
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。ディスプレイデバイスのキャビティ内の、およびキャビティ中の流体に電気的に接触している伝導性層を含むことは、流体を通って移行する電荷を散逸させる助けになる。電荷を散逸させることによって、伝導性層は、電荷によって生成され得る静電力を低減する助けになる。静電力が低減されるので、これらの静電力の影響による光変調器の不正確な動作のリスクもまた低減される。
電荷は、キャビティのいくつかの非伝導性表面の上に累積し得る。キャビティ内で累積された電荷のすべてを散逸させることは−たとえば、いくつかの表面は、非伝導性の絶縁層でコーティングされることから利益を得るので−困難であり得るが、伝導性層を、開口プレート上、および/またはカバープレート上など、表面の少なくともいくつかの上に置くことによって、キャビティ内で累積される全体的な電荷を低減する。結果として、光変調器に作用する(電荷によって生成された)静電力に関連するリスクが低減される。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、迷光を吸収し、ディスプレイデバイスのコントラスト比を向上させる助けになるために、光吸収層であり得る。いくつかの他の実装形態では、伝導性層は、透明であり得、したがって、ディスプレイデバイスの開口の上に延在し、キャビティのより大きい部分を覆うことができる。このようにして、透明伝導性層は、ディスプレイデバイスのキャビティのより大きい部分の上の追加の電荷を散逸させることができる。
いくつかの実装形態では、光変調器と伝導性層とを同じ電位に置くことで、さらに、流体中の電荷を散逸させる助けになる。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス内の伝導性スペーサは、伝導性層および光変調器を電気的に接続することを助け得る。いくつかの実装形態では、流体の充填前または充填中に累積し得る電荷を散逸する助けになるために、伝導性層および光変調器は、流体がキャビティ中に充填される前に、等しい電位に置かれる。いくつかのそのような実装形態では、スペーサのない領域を含むことは、低い動作温度において気泡の形成を防止すると同時に、伝導性層および伝導性スペーサが電気接続を保持することを可能にする助けになり得る。
流体に接触している伝導性層を有することは、そのような接続を与えるために非伝導性層を通してエッチングするアセンブリプロセスステップを実行する必要なしに、ディスプレイデバイスの開口プレートとの電気接触を与える助けになる。
いくつかの実装形態では、伝導性層は、電気的に絶縁された伝導性領域を含む。電気伝導性領域は、絶縁された領域に近接して配置された対応するシャッターに結合され得る。そのような構成は、作動電圧が、シャッターの近くに位置する駆動アクチュエータに対してではなく、直接シャッターに対して選択的に印加される、駆動方式を可能にする利点を有する。
図1Aは、直視型MEMS方式ディスプレイ装置100の概略図を示している。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102a〜102d(全体として「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102a〜102dの状態を選択的にセットすることによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105で照射された場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するのに利用することができる。別の実装形態では、装置100は、装置の前面から発する周辺光の反射によって、画像を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわちフロントライトを使用して、画像を形成することができる。
いくつかの実装形態では、各光変調器102は、画像104中の画素106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、複数の光変調器を利用して、画像104中の画素106を形成することができる。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含み得る。特定の画素106に対応する色固有光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104中のカラー画素106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104中のルミナンスレベルを提供するために、画素106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義される最も小さいピクチャ要素に対応する。ディスプレイ装置100の構造構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の単一画素を形成する光を変調するのに使用される、機械構成要素と電気構成要素との組合せを指す。
ディスプレイ装置100は、投影型アプリケーションで通常見出される結像光学素子を含まなくてよいという点で、直視型ディスプレイである。投影型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面に形成される画像は、スクリーンまたは壁に投影される。ディスプレイ装置は、投影画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、ユーザは、光変調器を含み、場合によってはディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを強化するためのバックライトまたはフロントライトを含むディスプレイ装置を直接見ることによって、画像を見る。
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つのランプまたは複数のランプから発する光をフィルタリングし、または選択的に遮断する。場合によっては、各画素を均一に照明できるように、ランプからの光は、光ガイドまたは「バックライト」に注入される。透過直視型ディスプレイは、光変調器を含む一方の基板がバックライトのすぐ上に配置されるサンドイッチアセンブリ配列を円滑にするように、透明基板またはガラス基板の上に構築されることが多い。
各光変調器102は、シャッター108および開口109を含むことができる。画像104中の画素106を照明するために、シャッター108は、見ている人に向かって光が開口109を通るように配置される。画素106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、光が開口109を通過するのを妨げるように配置される。開口109は、各光変調器102中の反射材料または光吸収材料を通じてパターニングされた開口部によって画定される。
ディスプレイ装置は、シャッターの移動を制御するための、基板と、光変調器とに接続された制御マトリクスも含む。制御マトリクスは、画素の行ごとに、少なくとも1つの書込み許可相互接続110(「スキャンライン相互接続」とも呼ばれる)と、各画素列に対する1つのデータ相互接続112と、すべての画素に、または少なくとも、ディスプレイ装置100中の複数の列と複数の行の両方にある画素に共通電圧を与える1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気相互接続(相互接続110、112および114など)を含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、VWE」)の印加に応じて、所与の画素行に対する書込み許可相互接続110は、行中の画素を、新規シャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続112は、新規移動命令を、データ電圧パルスの形で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態において、シャッターの静電的な移動に直接寄与する。いくつかの他の実装形態では、データ電圧パルスは、スイッチ、たとえばトランジスタ、または、データ電圧よりも通常、規模が高い別個の作動電圧の、光変調器102への印加を制御する他の非線形回路要素を制御する。次いで、これらの作動電圧を印加した結果、シャッター108の静電駆動移動が生じる。
図1Bは、ホストデバイス120(すなわち、セルフォン、スマートフォン、PDA、MP3プレーヤ、タブレット、電子リーダーなど)のブロック図の一例を示している。ホストデバイス120は、ディスプレイ装置128、ホストプロセッサ122、環境センサ124、ユーザ入力モジュール126、および電源を含む。
ディスプレイ装置128は、複数のスキャンドライバ130(「書込み許可電圧源」とも呼ばれる)、複数のデータドライバ132(「データ電圧源」とも呼ばれる)、コントローラ134、共通ドライバ138、ランプ140〜146、ランプドライバ148、および、図1Aに示す光変調器102などのディスプレイ要素のアレイ150を含む。スキャンドライバ130は、スキャンライン相互接続110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ132は、データ相互接続112にデータ電圧を印加する。
ディスプレイ装置のいくつかの実装形態において、データドライバ132は、特に画像104のルミナンスレベルがアナログ方式で導出されるべきである場合、ディスプレイ要素のアレイ150にアナログデータ電圧を提供するように構成される。アナログ動作において、光変調器102は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続112を通して印加されると、シャッター108における、ある範囲の中間開状態が生じ、その結果、画像104におけるある範囲の中間照明状態すなわちルミナンスレベルが生じるように設計される。他の場合には、データドライバ132は、2つ、3つまたは4つのデジタル電圧レベルの縮小セットのみをデータ相互接続112に印加するように構成される。これらの電圧レベルは、デジタル方式で、シャッター108の各々に対して、開状態、閉状態、または他の不連続状態(discrete state)をセットするように設計される。
スキャンドライバ130およびデータドライバ132は、デジタルコントローラ回路134(「コントローラ134」とも呼ばれる)に接続される。コントローラはデータを、行および画像フレームでグルーピングされた所定のシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ132に送る。データドライバ132は、直列並列データコンバータと、レベルシフティングと、一部のアプリケーション向けにはデジタルアナログ電圧コンバータとを含み得る。
ディスプレイ装置は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を含む。いくつかの実装形態において、共通ドライバ138は、たとえば、一連の共通相互接続114に電圧を供給することによって、ディスプレイ要素のアレイ150内のすべてのディスプレイ要素にDC共通電位を提供する。いくつかの他の実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに従って、ディスプレイ要素のアレイ150に対し電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイ150の複数の行および列中のすべてのディスプレイ要素の同時作動を駆動および/または開始することが可能であるグローバル作動パルスを出す。
異なるディスプレイ機能のためのドライバ(たとえば、スキャンドライバ130、データドライバ132、および共通ドライバ138)はすべて、コントローラ134によって時間同期される。コントローラからのタイミングコマンドが、ランプドライバ148と、ディスプレイ要素のアレイ150内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ132からの電圧の出力と、ディスプレイ要素作動を可能にする電圧の出力とにより、赤、緑および青および白色ランプ(それぞれ140、142、144、および146)の照明を調整する。
コントローラ134は、シャッター108の各々が、新規画像104に適した照明レベルにリセットされ得るためのシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新規画像104は、周期的間隔でセットされ得る。たとえば、ビデオディスプレイの場合、カラー画像104またはビデオフレームは、10〜300ヘルツ(Hz)の範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態において、アレイ150への画像フレームの設定は、交替画像フレームが、赤、緑および青など、交替する一連の色で照射されるように、ランプ140、142、144、および146の照明と同期される。それぞれの色のための画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが、20Hzを超過する周波数で交替される場合、人間の脳は、交替するフレーム画像を、広い連続する範囲の色を有する画像の知覚に平均する。代替実装形態では、原色をもつ4つ以上のランプが、ディスプレイ装置100において利用されてよく、赤、緑、および青以外の原色を利用する。
ディスプレイ装置100が、開状態と閉状態との間のシャッター108のデジタル切替えのために設計されるいくつかの実装形態において、コントローラ134は、前述のように、時分割グレースケールの方法によって画像を形成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、画素ごとに複数のシャッター108を使用することによって、グレースケールを提供することができる。
いくつかの実装形態において、画像状態104についてのデータは、コントローラ134によって、ディスプレイ要素アレイ150に、スキャンラインとも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によりロードされる。シーケンス中の行すなわちスキャンラインごとに、スキャンドライバ130は、アレイ150のその行について、書込み許可相互接続110に書込み許可電圧を印加し、続いて、データドライバ132が、選択された行中の各列について、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ150中のすべての行についてデータがロードされるまで繰り返す。いくつかの実装形態において、データローディングのための選択された行のシーケンスは、線形であり、アレイ150中の上から下に進む。いくつかの他の実装形態では、選択された行のシーケンスは、視覚的アーティファクトを最小限にするために擬似ランダム化される。また、いくつかの他の実装形態では、シーケンシングはブロックで編成され、この場合、ブロックに対して、画像状態104の特定の一部のみについてのデータが、たとえば、シーケンス中のアレイ150の5行おきにのみアドレス指定することによってアレイ150にロードされる。
いくつかの実装形態において、アレイ150に画像データをロードするためのプロセスは、アレイ150のディスプレイ要素を作動させるプロセスとは、時間的に分離される。これらの実装形態において、ディスプレイ要素アレイ150は、アレイ150中の各ディスプレイ要素に対するデータメモリ要素を含むことができ、制御マトリクスは、メモリ要素に記憶されたデータに従って、シャッター108の同時作動を開始するためのトリガ信号を、共通ドライバ138から搬送するためのグローバル作動相互接続を含み得る。
代替実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150と、ディスプレイ要素を制御する制御マトリクスとが、方形の行および列以外の構成で配列され得る。たとえば、ディスプレイ要素は、六角形アレイまたは曲線をなす行および列で配列され得る。概して、本明細書で使用するスキャンラインという用語は、書込み許可相互接続を共有する、任意の複数のディスプレイ要素を指すものである。
ホストプロセッサ122は全般的に、ホストの動作を制御する。たとえば、ホストプロセッサ122は、ポータブル電子デバイスを制御するための汎用または専用プロセッサであり得る。ホストデバイス120内に含まれるディスプレイ装置128に対して、ホストプロセッサ122は、画像データならびにホストに関する追加データを出力する。そのような情報は、環境センサからのデータ、たとえば周辺光もしくは温度、たとえば、ホストの動作モードもしくはホストの電源に残っている電力量を含むホストに関する情報、画像データの内容に関する情報、画像データのタイプに関する情報、および/または画像モードを選択する際に使用するディスプレイ装置に関する指示を含み得る。
ユーザ入力モジュール126は、ユーザの個人的好みをコントローラ134に直接、またはホストプロセッサ122を介して伝える。いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが「色をより濃く」、「コントラストをより良好に」、「電力をより低く」、「輝度を増して」、「スポーツ」、「ライブアクション」、または「アニメーション」などの個人的好みをプログラムしているソフトウェアによって制御される。いくつかの他の実装形態では、これらの好みは、スイッチまたはダイヤルなどのハードウェアを使用して、ホストに入力される。コントローラ134への複数のデータ入力はコントローラに対し、最適な画像化特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するように指示する。
環境センサモジュール124も、ホストデバイス120の一部として含まれ得る。環境センサモジュール124は、温度および/または周辺の採光条件など、周辺環境に関するデータを受信する。センサモジュール124は、デバイスが屋内またはオフィス環境で動作しているのか、明るい昼光の中の屋外環境で動作しているのか、夜間の屋外環境で動作しているのかを区別するようにプログラムされ得る。センサモジュール124は、コントローラ134が周辺環境に応答して表示条件を最適化できるように、この情報をディスプレイコントローラ134に通信する。
図2Aは、例示的なシャッター式光変調器200の透視図を示している。シャッター式光変調器200は、図1Aの直視型MEMS方式ディスプレイ装置100への組込みに適している。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッター202を含む。アクチュエータ204は、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205(「アクチュエータ205」)から形成され得る。シャッター202は、一方では、アクチュエータ205に結合する。アクチュエータ205は、表面203に対して実質的に平行である運動面における表面203の上方で、シャッター202を横方向に移動する。シャッター202の反対側は、アクチュエータ204によって加えられる力に対向する復元力を与えるスプリング207に結合する。
各アクチュエータ205は、シャッター202をロードアンカ208に接続するコンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とともに、機械的サポートとして働き、シャッター202を、表面203に近接して懸架されたまま保つ。表面203は、光を通過させるための1つまたは複数の開口穴211を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とシャッター202とを表面203に物理接続し、ロードビーム206を、バイアス電圧、一部の事例ではグランドに電気接続する。
基板がシリコンのような不透過性のものである場合、基板204を通して穴アレイをエッチングすることによって、基板に開口穴211が形成される。基板204がガラスやプラスチックのような透明なものである場合、基板203に堆積された遮光材料の層に開口穴211が形成される。開口穴211は概して、円形、楕円、多角形、蛇行状、または形状が不規則でよい。
各アクチュエータ205は、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216も含む。駆動ビーム216は、一方の端部において、駆動ビーム216の間で共有される駆動ビームアンカ218に結合する。各駆動ビーム216の他端は、自由に移動する。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端と、ロードビーム206の固定端との近くのロードビーム206に最接近するように湾曲される。
動作時、光変調器200を組み込むディスプレイ装置は、駆動ビームアンカ218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加され得る。駆動ビーム216とロードビーム206との間の得られる電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方に引き付け、ロードビーム206のシャッター端を、駆動ビーム216の固定端の方に引き付け、そうすることによって、シャッター202を、駆動アンカ218に向かって横に駆動する。コンプライアント部材206は、ビーム206および216の電位にわたる電圧が除去されたとき、ロードビーム206がシャッター202をその初期位置に押し戻すように、スプリングとして働き、ロードビーム206に蓄えられた応力を解放する。
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後にシャッターをその休止位置に戻すための、スプリングなどの受動復元力を組み込む。他のシャッターアセンブリは、「開」および「閉」アクチュエータの2種のセット、ならびにシャッターを開状態または閉状態のいずれかに移動させるための「開」および「閉」電極の別個のセットを組み込むことができる。
制御マトリクスによりシャッターおよび開口のアレイを制御して、画像が生じるようにし、多くの場合、適切なルミナンスレベルで画像を移動させるための様々な方法がある。一部のケースでは、制御は、ディスプレイの周囲にあるドライバ回路に接続された行および列相互接続の受動マトリクスアレイを用いて遂行される。他のケースでは、ディスプレイの速度、ルミナンスレベルおよび/または電力消散性能を向上させるために、切替えおよび/またはデータ記憶要素を、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各画素中に含めることが適切である。
ディスプレイ装置100は、代替実装形態では、上述のシャッターアセンブリ200などの横方向シャッター式光変調器以外のディスプレイ要素を含む。たとえば、図2Bは、ローリングアクチュエータシャッター式光変調器220の断面図を示している。ローリングアクチュエータシャッター式光変調器220は、図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。ローリングアクチュエータ式光変調器は、固定電極の反対側に配設され、電界の印加に伴ってシャッターとして機能するように特定の方向に移動するようにバイアスされた可動電極を含む。いくつかの実装形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224との間に配設された平面電極226および絶縁層224に取り付けられた固定端部230を有する可動電極222を含む。印加電圧がまったくない場合に、可動電極222の可動端部232は、固定端部230の方へ自由に回転して、回転状態をもたらす。電極222と電極226との間に電圧を印加すると、可動電極222は展開し、絶縁層224に横になり、それにより光が基板228を通るのを遮断するシャッターとして働く。可動電極222は、電圧が除去された後、弾性復元力によって回転状態に戻る。回転状態の方へのバイアスは、異方性応力状態を含むように可動電極222を製造することによって達成され得る。
図2Cは、例示的な非シャッター式MEMS光変調器250の断面図を示している。光タップ変調器250は、図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。光タップは、減衰全内部反射(TIR)の原理に従って作用する。すなわち、光252が光ガイド254にもたらされると、干渉がない状況において、光252はそのほとんどの部分について、TIRのために光ガイド254の前面または後面を通って光ガイド254を脱出することができない。光タップ250は、十分に高い屈折率を有するタップ要素256を有するので、タップ要素256が光ガイド254と接触したことに応答して、タップ要素256に隣接した光ガイド254の表面に衝突した光252は、光ガイド254を脱出してタップ要素256を通り、見ている人の方に向かい、それにより、画像の形成がもたらされる。
いくつかの実装形態では、タップ要素256は、柔軟な透明材料のビーム258の一部として形成される。電極260は、ビーム258の一方の側の部分をコーティングする。対向する電極262が、光ガイド254上に配設される。電極260および262にわたって電圧を印加することによって、光ガイド254に対するタップ要素256の位置は、光ガイド254から光252を選択的に抽出するように制御され得る。
図2Dは、エレクトロウェッティング式光変調アレイ270の例示的な断面図を示している。エレクトロウェッティング式光変調アレイ270は、図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。光変調アレイ270は、光キャビティ274上に形成された複数のエレクトロウェッティング式光変調セル272a〜d(全体として「セル272」)を含む。光変調アレイ270はまた、セル272に対応する1組のカラーフィルタ276を含む。
各セル272は、水(または他の透明な導電性または極性の流体)278の層、光吸収オイル280の層、(たとえば、酸化インジウムスズ(ITO)から作られた)透明電極282、および光吸収オイル280の層と透明電極282との間に位置する絶縁層284を含む。本明細書で説明する実装形態では、電極はセル272の後面の一部分を占める。
セル272の後面の残りは、光キャビティ274の前面を形成する反射開口層286から形成される。反射開口層286は、反射性金属または誘電鏡を形成する薄膜の積層などの反射性材料から形成される。セル272ごとに、光を通させるように反射開口層286中に開口が形成される。セルの電極282は、開口中に、および別の誘電体層によって分離された反射開口層286を形成する材料の上に堆積される。
光キャビティ274の残りは、反射開口層286に近接して配置された光ガイド288、および反射開口層286の反対側の光ガイド288の一方の側にある第2の反射層290を含む。一連の光リダイレクタ291は、光ガイドの後面上に、第2の反射層に近接して形成される。光リダイレクタ291は、拡散反射体または鏡面反射体のいずれかであり得る。LEDなどの1つまたは複数の光源292は、光ガイド288に光294を注入する。
代替実装形態では、追加の透明基板(図示せず)が光ガイド288と光変調アレイ270との間に配置される。この実装形態では、反射開口層286は、光ガイド288の表面上ではなく追加の透明基板上に形成される。
動作中、セル(たとえば、セル272bまたは272c)の電極282に電圧を印加すると、セル中の光吸収オイル280はセル272の1つの部分に集まる。その結果、光吸収オイル280は、反射開口層286中に形成された開口を光が通過するのを遮断しなくなる(たとえば、セル272bおよび272c参照)。次いで開口におけるバックライトを脱出した光は、セルを通り、1組のカラーフィルタ276中の対応するカラーフィルタ(たとえば、赤、緑または青)を通って脱出して、画像中にカラー画素を形成することができる。電極282が接地されたとき、光吸収オイル280は、反射開口層286中の開口をカバーし、開口を通過しようとする光294を吸収する。
電圧がセル272に印加されたときにオイル280が集まるエリアは、画像の形成に関連して無駄な空間を構成する。このエリアは、電圧が印加されるかまたはされないかに関係なく、透過しない。したがって、反射開口層286の反射部分を含めないことで、このエリアは、本来であれば画像の形成に寄与するために使用され得る光を吸収する。一方、反射開口層286を含めることで、本来であれば吸収されているこの光は、異なる開口を通る将来の脱出のために、光ガイド290に逆反射される。エレクトロウェッティング式光変調アレイ270は、本明細書で説明するディスプレイ装置に含めるのに適した非シャッター方式MEMS変調器の唯一の例ではない。他の形式の非シャッター方式MEMS変調器も同様に、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明する様々な形式のコントローラ機能によって制御され得る。
図3Aは、制御マトリクス300の例示的な概略図を示している。制御マトリクス300は、図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100に組み込まれた光変調器を制御するのに適している。図3Bは、図3Aの制御マトリクス300に接続されたシャッター式光変調器アレイ320の透視図を示している。制御マトリクス300は、画素アレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定することができる。各画素301は、アクチュエータ303によって制御される、図2Aのシャッターアセンブリ200などの弾性シャッターアセンブリ302を含み得る。各画素は、開口324を含む開口層322も含み得る。
制御マトリクス300は、シャッターアセンブリ302が形成される基板304の表面に、拡散または薄膜堆積電気回路として組み立てられる。制御マトリクス300は、制御マトリクス300中の画素301の各行に対するスキャンライン相互接続306と、制御マトリクス300中の画素301の各列に対するデータ相互接続308とを含む。各スキャンライン相互接続306は、書込み許可電圧源307を、対応する画素301の行中の画素301に電気接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源309(「Vdソース」)を、対応する画素の列中の画素301に電気接続する。制御マトリクス300中で、Vdソース309は、シャッターアセンブリ302の作動に使用されるエネルギーの大部分を提供する。このように、データ電圧源、Vdソース309は、作動電圧源としても働く。
図3Aおよび図3Bを参照すると、画素アレイ320中の各画素301または各シャッターアセンブリ302に対して、制御マトリクス300は、トランジスタ310とキャパシタ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、画素301が置かれているアレイ320中の行のスキャンライン相互接続306に電気接続される。各トランジスタ310のソースは、それに対応するデータ相互接続308に電気接続される。各シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の1つの電極、および対応するアクチュエータ303の電極のうちの1つと並列に電気接続される。シャッターアセンブリ302内のキャパシタ312の他方の電極およびアクチュエータ303の他方の電極は、共通または接地電位に接続される。代替実装形態では、トランジスタ310は、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各スキャンライン相互接続306にVweを順に印加することによって、シーケンス中のアレイ320中の各行を書込み可能にする。書込み可能にされた行に対して、行中の画素301のトランジスタ310のゲートへのVweの印加により、トランジスタ310を通してデータ相互接続308に電流が流れて、シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303に電位が印加される。行が書込み可能にされている間、データ電圧Vdが、データ相互接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを与える実装形態では、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされたスキャンライン相互接続306とデータ相互接続308との交差に置かれた画素301の所望の輝度との関係で変えられる。デジタル制御方式を提供する実装形態では、データ電圧は、比較的低規模の電圧(すなわち、グランドに近い電圧)になるように、またはVat(作動閾電圧)を満たし、もしくは超えるように選択される。データ相互接続308へのVatの印加に応答して、対応するシャッターアセンブリ内のアクチュエータ303が作動し、シャッターアセンブリ302内のシャッターを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にVweを印加するのをやめた後でも、画素301のキャパシタ312に蓄えられたままとどまる。したがって、シャッターアセンブリ302が作動するのに十分な程長い時間、行において電圧Vweを待ち、保持する必要はなく、そのような作動は、書込み許可電圧が行から除去された後も進行し得る。キャパシタ312は、アレイ320内のメモリ要素としても機能し、画像フレームの照明のために作動命令を記憶する。
アレイ320の画素301ならびに制御マトリクス300は、基板304上に形成される。アレイ320は、基板304上に配設された開口層322を含み、開口層322は、アレイ320中のそれぞれの画素301に対する1組の開口324を含む。開口324は、各画素中のシャッターアセンブリ302と整列される。いくつかの実装形態では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料から作られる。いくつかの他の実装形態では、基板304は、不透過性材料から作られるが、この場合、穴がエッチングされて開口324を形成する。
シャッターアセンブリ302は、アクチュエータ303とともに、双安定にされ得る。すなわち、シャッターは、いずれかの位置にシャッターを保持するための電力がほとんどまたはまったく要求されることなく、少なくとも2つの均衡位置(たとえば開または閉)に存在し得る。より具体的には、シャッターアセンブリ302は、機械的に双安定であり得る。シャッターアセンブリ302のシャッターが正しい位置でセットされると、その位置を維持するのに、電気エネルギーまたは保持電圧は要求されない。シャッターアセンブリ302の物理要素に対する機械的圧力が、シャッターを所定の場所で保持し得る。
シャッターアセンブリ302はまた、アクチュエータ303とともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。対向力は、図2Aに示すシャッター式光変調器200内のスプリング207などのスプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
光変調器アレイ320は、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実装形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2進「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中の複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口324が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
いくつかの他の実装形態では、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、光変調器アレイ320内のシャッターアセンブリ302の代わりに用いられ得る。
図4Aおよび図4Bは、デュアルアクチュエータシャッターアセンブリ400の例示的な図を示している。図4Aに示すデュアルアクチュエータシャッターアセンブリ400は、開状態にある。図4Bは、閉状態にあるデュアルアクチュエータシャッターアセンブリ400を示している。シャッターアセンブリ200とは対照的に、シャッターアセンブリ400は、シャッター406の両側にアクチュエータ402および404を含む。各アクチュエータ402および404は、独立に制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ402は、シャッター406を開くのを担当する。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ404は、シャッター406を閉じるのを担当する。アクチュエータ402および404は両方とも、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ402および404は、シャッターがその上方で懸架されている開口層407に対して実質的に、平行な平面にあるシャッター406を駆動することによって、シャッター406を開閉する。シャッター406は、アクチュエータ402および404に取り付けられたアンカ408によって、開口層407の少し上方で懸架される。シャッター406の移動軸に沿って、シャッター406の両端に取り付けられたサポートを含むことにより、シャッター406の面外運動が低減され、基板に対して実質的に平行な平面への運動に閉じ込める。図3Aの制御マトリクス300との類似性によって、シャッターアセンブリ400とともに使用するのに適した制御マトリクスは、対向するシャッター開アクチュエータ402およびシャッター閉アクチュエータ404の各々につき、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを含み得る。
シャッター406は、光が通り得る2つのシャッター開口412を含む。開口層407は、3つの開口409からなるセットを含む。図4Aにおいて、シャッターアセンブリ400は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ402は作動しており、シャッター閉アクチュエータ404はその弛緩位置にあり、かつシャッター開口412の中心線が開口層の開口409のうちの2つの中心線と一致する。図4Bにおいてシャッターアセンブリ400は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ402はその弛緩位置にあり、シャッター閉アクチュエータ404は作動しており、かつシャッター406の遮光部分は、このとき開口409(点線として示す)を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口409は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が開口層407に形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。いくつかの他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形断面が、各シャッターとの対応を維持し得る間、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数のシャッターによって共有されるように連結され得る。
様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口412および409に通すために、開口層407中の開口409の対応する幅またはサイズよりも大きい幅またはサイズをシャッター開口412に与えることが有利である。閉状態において光が漏れるのを効果的に阻止するために、シャッター406の遮光部分が開口409と重なるのが好ましい。図4Bは、シャッター406内の遮光部分の辺と、開口層407内に形成される開口409の1つの辺との間の所定の重複416を示す。
静電アクチュエータ402および404は、その電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ400に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、そのアクチュエータが閉状態である(シャッターは開または閉のいずれかである)間に印加されると、対向アクチュエータに作動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。そのような対向力に対してシャッターの位置を維持するのに必要とされる最小電圧は、維持電圧Vmと呼ばれる。
図5は、シャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)502を組み込んだディスプレイ装置500の例示的な断面図を示している。各シャッターアセンブリ502は、シャッター503とアンカ505とを組み込んでいる。アンカ505とシャッター503との間で接続されると、表面の少し上でシャッター503を懸架するのを助けるコンプライアントビームアクチュエータについては図示していない。シャッターアセンブリ502は、プラスチックまたはガラスで作られた基板など、透明基板504上に配設される。基板504上に配設された後ろ向き反射層、反射膜506が、シャッターアセンブリ502のシャッター503の閉位置の下に置かれた複数の表面開口508を画定する。反射膜506は、表面開口508を通らない光を、ディスプレイ装置500の後ろに向かって逆反射する。反射開口層506は、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相堆積(CVD)を含むいくつかの気相堆積技法によって薄膜方式で形成された含有物をもたない微粒金属膜であり得る。いくつかの他の実装形態では、後ろ向き反射層506は、誘電鏡などの鏡から形成され得る。誘電鏡は、高および低屈折率の材料を交互に繰り返す誘電薄膜の積層として作製され得る。シャッターが自由に移動する反射膜506からシャッター503を分離する垂直ギャップは、0.5〜10ミクロンの範囲内である。垂直ギャップの規模は、図4Bに示す重複416など、閉状態における、シャッター503の辺と、開口508の辺との間の横の重複よりも小さいことが好ましい。
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度強化膜514を含む。光ガイド516は、透明材料、すなわちガラス材料またはプラスチック材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、バックライト516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1のパス上に画像を形成するためにディスプレイ装置500を離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリ502のアレイ中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
光ガイド516は、ランプ518から開口508の方に、したがってディスプレイの前面の方に光を向け直す1組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタ517は、代替可能に断面が三角形、台形になる、または湾曲することができる形状をもつ光ガイド516のプラスチック本体内に成形することができる。プリズム517の密度は概して、ランプ518からの距離とともに増大する。
いくつかの実装形態では、開口層506は、光吸収材料で作ることができ、代替実装形態では、シャッター503の表面は、光吸収材料または光反射材料のいずれかでコーティングすることができる。いくつかの他の実装形態では、開口層506は、光ガイド516の表面に直接堆積され得る。いくつかの実装形態では、開口層506は、(後で説明するMEMSダウン構成の場合のように)シャッター503およびアンカ505と同じ基板上に配設される必要はない。
いくつかの実装形態では、光源518は、異なる色、たとえば、赤色、緑色、および青色のランプを含み得る。人間の脳が、異なる色の画像を単一の多色画像に平均するのに十分なレートで、異なる色のランプで画像を連続して照明することによって、カラー画像が形成され得る。様々な色固有画像が、シャッターアセンブリ502のアレイを使用して形成される。別の実装形態では、光源518は、4つ以上の異なる色を有するランプを含む。たとえば、光源518は、赤色、緑色、青色および白色ランプ、または赤色、緑色、青色および黄色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、シアン色、マゼンタ色、黄色および白色ランプ、または赤色、緑色、青色および白色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、追加のランプが光源518に含まれ得る。たとえば、5つの色を使用する場合、光源518は、赤色、緑色、青色、シアン色および黄色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、白色、オレンジ色、青色、紫色および緑色ランプ、または白色、青色、黄色、赤色およびシアン色ランプを含み得る。6つの色を使用する場合、光源518は、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンタ色および黄色ランプ、または白色、シアン色、マゼンタ色、黄色、オレンジ色および緑色ランプを含み得る。
カバープレート522は、ディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の後ろ側は、コントラストを増すために、ブラックマトリクス524でカバーされ得る。代替実装形態では、カバープレートは、カラーフィルタ、たとえば、シャッターアセンブリ502のうちの異なるものに対応する、固有の赤色、緑色、および青色フィルタを含む。カバープレート522は、シャッターアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支えられ、ギャップ526を形成する。ギャップ526は、機械的サポートもしくはスペーサ527によって、および/またはカバープレート522を基板504に付着させる粘着シール528によって維持される。
粘着シール528は、流体530を封じ込める。流体530は、好ましくは約10センチポアズを下回る粘度、好ましくは約2.0を上回る比誘電率、および約104V/cmを上回る絶縁破壊強度で作られる。流体530は、潤滑剤としても働き得る。いくつかの実装形態では、流体530は、高い表面ぬれ性をもつ疎水性液体である。代替実装形態では、流体530は、基板504の屈折率よりも大きい、または小さい屈折率を有する。
機械的光変調器を組み込んだディスプレイは、数百、数千、または場合によっては数百万の可動要素を含み得る。いくつかのデバイスでは、要素が移動するたびに、静止摩擦が要素のうちの1つまたは複数を無効にする可能性がある。この移動は、(流体530とも呼ばれる)流体にすべての部品を浸し、MEMSディスプレイセルの流体空間またはギャップ内に(たとえば、接着剤で)流体を密閉することによって、促進される。流体530は通常、摩擦係数が低く、粘度が低く、長期的に劣化の影響が最小である。MEMS方式ディスプレイアセンブリが流体530用に液体を含むとき、液体は少なくとも部分的に、MEMS方式光変調器の可動部のうちのいくつかを囲む。いくつかの実装形態では、作動電圧を下げるために、液体は、70センチポアズを下回る粘度を有する。いくつかの他の実装形態では、液体は、10センチポアズを下回る粘度を有する。70センチポアズを下回る粘度をもつ液体は、4000グラム/モルを下回るか、または場合によっては400グラム/モルを下回る低分子量を有する材料を含み得る。そのような実装形態にも好適であり得る流体530は、限定はしないが、脱イオン水、メタノール、エタノールおよび他のアルコール、パラフィン、オレフィン、エーテル、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、または他の天然もしくは合成の溶剤もしくは潤滑剤を含む。有用な流体は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、たとえば、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサン、またはアルキルメチルシロキサン、たとえば、ヘキシルペンタメチルジシロキサンであり得る。有用な流体はアルカン、たとえば、オクタンまたはデカンであり得る。有用な流体はニトロアルカン、たとえば、ニトロメタンであり得る。有用な流体は芳香族化合物、たとえば、トルエンまたはジエチルベンゼンであり得る。有用な流体はケトン、たとえば、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンであり得る。有用な流体はクロロカーボン、たとえば、クロロベンゼンであり得る。有用な流体はクロロフルオロカーボン、たとえば、ジクロロフルオロエタンまたはクロロトリフルオロエチレンであり得る。これらのディスプレイアセンブリについて考えられる他の流体には、酢酸ブチルおよびジメチルホルムアミドが含まれる。これらのディスプレイについてのさらに他の有用な流体には、ハイドロフルオロエーテル、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ペンタノール、およびブタノールが含まれる。例示的な適切なハイドロフルオロエーテルには、エチルノナフルオロブチルエーテルおよび2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサンが含まれる。
板金または成形プラスチックアセンブリブラケット532は、カバープレート522と、基板504と、バックライトと、他の構成要素部とを合わせて、辺の周りに保持する。アセンブリブラケット532は、複合ディスプレイ装置500に剛性を加えるために、ねじまたはインデントタブで固定される。いくつかの実装形態では、光源518は、エポキシポッティング化合物によって、所定の場所に成形される。反射体536は、光ガイド516の辺から漏れた光を光ガイド516に戻すのを助ける。シャッターアセンブリ502およびランプ518に制御信号ならびに電力を与える電気相互接続は、図5に示していない。
いくつかの他の実装形態では、図2A〜図2Dに示すように、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、ディスプレイ装置500内のシャッターアセンブリ502の代わりに用いられ得る。
図5はまた、ディスプレイカバープレート522上の静電荷蓄積(以下で「電荷蓄積」と呼ぶ)の一例をも示す。電荷蓄積は、負電荷540によって表される。図5は負電荷540を示すが、電荷蓄積はまた、正電荷、または正電荷および負電荷の組合せによっても表され得る。
ディスプレイ装置500の様々な部品を流体530中に浸すプロセスは、電荷がそのような部品から離れて流体530へ移行することを生じ得る。そのような電荷移行はまた、シャッター503が開位置と閉位置との間で繰り返し移動されるとき、シャッター503と流体530との間の摩擦から生じ得る。他の事例では、シャッター503など、帯電した表面との摩擦に無関係な電荷移行は、電荷蓄積を引き起こし得る。
原因にかかわらず、電荷蓄積は、ディスプレイ装置500の動作に望ましくない影響を生じ得る。詳細には、電荷蓄積は、ディスプレイ装置の様々な部分間に静電力を生じ得る。そのような静電力は、それらの部品の望ましくない移動を引き起こし得る。たとえば、シャッター503に対向するカバープレート522上の電荷蓄積は、シャッター503上の静電力を、シャッターの意図された動きの面外の方向に加え得る。これらの力は、シャッター503の移動を妨げることがある。そのような力の一例を、図5において矢印541によって示し、図5では、シャッター503がカバープレート522の方へ引っ張り上げられる。いくつかの事例では、電荷蓄積による静電力は、シャッター503がディスプレイ装置500内の他の表面にくっつく、または付着することを生じ得る。次いで、シャッター503は、望ましくない開位置、閉位置、または中間位置で動かなくなり得る。他の事例では、電荷蓄積が十分に大きい場合、生じた強い静電力が、シャッター503を支持するビームおよびアンカ505を曲げるか、または不可逆的に損傷を与えるのに十分な力で、シャッター503を引っ張ることがある。このことは、シャッター503が永続的に損傷を受け、対応する画素を実施不可能にすることを引き起こし得る。電荷蓄積を緩和する手法については、図7〜図13を参照しながら以下で詳細に説明する。
ディスプレイ装置500は、MEMSアップ構成と呼ばれ、MEMS方式光変調器が、基板504の前面、すなわち見ている人の方を向く表面上に形成される。シャッターアセンブリ502は、反射開口層506のすぐ上に構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる代替実装形態では、シャッターアセンブリは、反射開口層が形成される基板とは別個の基板上に配設される。複数の開口を画定する反射開口層が形成される基板は、本明細書では、開口プレートと呼ばれる。MEMSダウン構成において、MEMS方式光変調器を収容する基板は、ディスプレイ装置500におけるカバープレート522に取って代わり、上部基板の後面、すなわち見ている人に背を向けて、光ガイド516の方を向く表面にMEMS方式光変調器が配置されるように配向される。MEMS方式光変調器は、そうすることによって、反射開口層506からのギャップに直接対向して、かつギャップにわたって配置される。ギャップは、開口プレートと、MEMS変調器が形成される基板とを接続する、一連のスペーサポストによって維持され得る。いくつかの実装形態では、スペーサは、アレイ中の各画素内に、または各画素間に配設される。MEMS光変調器を、それらの対応する開口から分離するギャップまたは距離は、好ましくは10ミクロン未満、または重複416など、シャッターと開口との間の重複よりも小さい距離である。
図6は、ディスプレイのMEMSダウン構成において使用するための、光変調器基板および開口プレートの断面図を示す。ディスプレイアセンブリ600は、変調器基板602と開口プレート604とを含む。ディスプレイアセンブリ600はまた、シャッターアセンブリ606および反射開口層608のセットを含む。シャッターアセンブリ606は、シャッター616を含む。反射開口層608は、開口610を含む。変調器基板602と開口プレート604との間の所定のギャップまたは分離は、スペーサ612および614の対向セットによって維持される。スペーサ612は、変調器基板602上に、または変調器基板602の一部として形成される。スペーサ614は、開口プレート604上に、または開口プレート604の一部として形成される。アセンブリ中に、2つの基板602および604は、変調器基板602上のスペーサ612がそれらのそれぞれのスペーサ614と接触するように、整合される。
この例示的な例の分離または距離は、8ミクロンである。この分離を確立するために、スペーサ612は2ミクロンの高さであり、スペーサ614は6ミクロンの高さである。代替的に、スペーサ612と614の両方が、4ミクロンの高さであってもよく、または、スペーサ612が6ミクロンの高さであり得ると同時に、スペーサ614が2ミクロンの高さである。実際は、スペーサの全高が所望の分離を確立する限り、スペーサ高さの任意の組合せが用いられ得る。
スペーサを基板602と604の両方の上に設け、次いでアセンブリ中にそれらが整合または嵌合されることは、材料およびプロセスコストに関する利点を有する。8ミクロンよりも大きいスペーサなど、極めて高いスペーサを設けることは、フォトイメージ可能なポリマーの硬化、露光、および現像のために比較的長い時間を必要とし得るので、コストがかかり得る。ディスプレイアセンブリ600の場合のような嵌合するスペーサの使用は、基板の各々上のより薄いポリマーのコーティングの使用を可能にする。
別の実装形態では、変調器基板602上に形成されるスペーサ612は、シャッターアセンブリ606を形成するために使用された同じ材料およびパターニングブロックから形成され得る。たとえば、シャッターアセンブリ606のために用いられたアンカもまた、スペーサ612と同様の機能を実行することができる。この実装形態では、スペーサを形成するためのポリマー材料の別個の塗布は必要とされず、またスペーサのための別個の露光マスクは必要とされない。
図5のディスプレイ装置500と同様に、ディスプレイ装置600の様々な部品もまた、流体630中に浸され得る。そのような流体630は、流体530(図5に示す)について上記で説明したものと同様の特性を有し得る。その上、流体630はまた、シャッター616またはアクチュエータから、反射開口層608など、シャッター616に対向する表面へ電荷を転送し得る。生じた静電力は、上記で説明したように、シャッター616の望ましくない移動を引き起こし得る。たとえば、図6は、シャッター616の近傍における電荷蓄積620が、矢印621によって表された静電力を生じ、この静電力がシャッター616を開口プレート604に向かって下に引っ張ることを示している。
上記で説明したように、電荷蓄積および生じた静電力の存在は、シャッターアセンブリ(シャッターアセンブリ606など)への一時的または永続的な損傷を引き起こし、対応する画素を実施不可能にすることがある。電荷蓄積を緩和する手法については、図7〜図13を参照しながら以下で詳細に説明する。
電荷蓄積は、ディスプレイ装置のいかなる表面上でも起こり得る。たとえば、電荷は、シャッター、開口層、カバープレートなどに累積し得る。典型的には、これらの表面は非伝導性である。たとえば、シャッター503(図5に示す)は、典型的にはパッシベーション層でコーティングされる。パッシベーション層は、非伝導性であり、シャッター503を、特に、周囲の流体530(同じく図5に示す)との化学的相互作用から、および貼り付きなどから保護する。パッシベーション層が非伝導性であるので、パッシベーション層上の電荷蓄積は、容易に散逸されないことがある。電荷蓄積は、ディスプレイ装置の他の非伝導性表面上でも同様に起こり得る。ディスプレイ装置のすべての表面上のすべての電荷蓄積を完全に散逸させることは可能でないことがあるが、たとえば、カバープレートまたは開口プレート上で、シャッター503の近傍において伝導性層710または810を設けること(以下で説明する)で、かなりの量の電荷蓄積を散逸させる助けになり、それによって、電荷蓄積に関連するシャッター503の実施不可能性のリスクが実質的に低減される。
図7は、光吸収伝導性層を組み込んだディスプレイ装置の例示的な断面図を示す。ディスプレイ装置700は、図5のMEMSアップディスプレイ装置500と共通していくつかの要素を共有する。そのような共通の要素は、図5において使用された同じ数字によって参照される。ただし、ディスプレイ装置700は、電荷蓄積の望ましくない影響を緩和することを助ける、追加の機能を提供する。具体的には、ディスプレイ装置700は、光変調器基板504に面するカバープレート522の一方の側に配設された光吸収電気伝導性層710(以下で「伝導性層710」と呼ぶ)を含む。その上、伝導性層710は、その主面の1つが流体530に電気的に接触しているように配設される。伝導性層710は、限定はしないが、モリブデンクロム(MoCr)、モリブデンタングステン(MoW)、モリブデンチタン(MoTi)、モリブデンタンタル(MoTa)、チタンタングステン(TiW)、およびチタンクロム(TiCr)を含む、いくつかの光吸収伝導性材料の堆積および/または陽極酸化から形成され得る。上記の合金、または、粗い表面をもつニッケル(Ni)およびクロム(Cr)などの単純金属から形成された金属膜もまた、光を吸収するために有効であり得る。そのような膜は、高ガス圧(20mTorrを上回るスパッタリング雰囲気)におけるスパッタ堆積によって生成され得る。粗い金属膜はまた、金属粒子の分散の液体スプレーまたはプラズマスプレー塗布によって、続いて熱焼結段階によっても形成され得る。伝導性層710はまた、光吸収性および十分に伝導性である、樹脂ブラックマトリクス(RBM)を使用して形成され得る。
図5に関して上記で説明したように、シャッター503に近いカバープレート522上の電荷蓄積によって引き起こされた静電力は、シャッター503の動作に望ましくない影響を及ぼし得る。しかしながら、伝導性層710を含むことは、伝導性層710の近傍における電荷蓄積を散逸させることによって、デバイス実施可能性にとってのこの脅威を緩和する。電荷蓄積を散逸させることによって、伝導性層710は、静電力を低減または除去する。
伝導性層710は、電荷蓄積を散逸させるためのいくつかの方法で構成され得る。いくつかの実装形態では、伝導性層710は、接地電位に電気的に接続される。この接続は、電荷がカバープレート522から接地へ流れるための経路を与え、電荷蓄積を防止する。
いくつかの他の実装形態では、シャッターアセンブリの状態は、作動駆動ビームではなく、シャッターに作動電圧を選択的に印加することによって制御される。結果として、異なるシャッターは、しばしば異なる電圧にある。そのような実装形態では、伝導性層710は複数の領域に分割され、ただし、各領域は単一の画素に対応する。各領域は、その対応する画素のシャッターに、たとえば、その画素に関連付けられた伝導性アンカを介して電気的に接続される。さらに、伝導性層710の個々の領域は、互いから電気的に絶縁される。したがって、画素ごとに、伝導性層710の対応する領域は、その画素に隣接するカバープレート522におけるいずれかの電荷蓄積を散逸させる。電気的に絶縁された領域をもつ伝導性層の一例については、図11を参照しながら以下でさらに詳細に説明する。
いくつかの実装形態では、伝導性層710の電気的に絶縁された領域は、画素のグループに対応し得る。そのような実装形態では、画素のグループのすべてのシャッターが同じ電位で動作される。したがって、画素のグループに対応する伝導性層710の領域は、画素のグループのすべてのシャッターに電気的に接続される。
いくつかの他の実装形態では、すべての画素のすべてのシャッター503が、動作中に同じ大域電位で動作される。そのような実装形態では、伝導性層710は、すべてのシャッター503に電気的に接続される。いくつかの実装形態では、伝導性層710は、伝導性スペーサ527を介してシャッター503に電気的に接続される。いくつかの他の実装形態では、エッジシール528は、エッジシール528が伝導性層710を、シャッター503に結合する相互接続部に電気的に接続することができるように、伝導性材料を組み込んでいる。伝導性層710とシャッター503とを同じ電位で維持することで、カバープレート522上の電荷蓄積を低減または除去する。
図7の伝導性層710は、ブラックマトリクス524内に形成されたギャップ712までのみに延在するように示される。伝導性層710は、光路521中にないので、見ている人に向かって漏洩する迷光を防止し、したがって、ディスプレイのコントラスト比を向上させるために、光吸収性であり得る。
いくつかの事例では、ギャップ712中のカバープレート522上の電荷蓄積は、シャッター閉位置であるとき、シャッター503上に静電力を加え得る。結果として、シャッター503は、閉位置で動かなくなり得る。このリスクを緩和するために、いくつかの実装形態では、伝導性層710は、ギャップ712中の電荷蓄積もまた有効に散逸され得るように、ギャップ712内まで、及びギャップ712に渡って延在する伝導性トレースを含む。
いくつかの実装形態では、トレースは、伝導性層710と同じ材料から作られ得る。したがって、トレースもまた、光吸収性となり、ディスプレイ装置700によって放出されている光線521を吸収し得る。光の遮断は、典型的には、伝導性層710をパターニングするために使用されるリソグラフィプロセスを仮定すれば、トレースを可能な限り(水平面において、または伝導性層710の平面において)狭くすることによって低減され得る。いくつかの実装形態では、トレースの幅、およびトレース間の間隔は、トレースがギャップ712の約10%より多く遮断しないように選択される。トレースの伝導率がより高い、いくつかの他の実装形態では、トレースは、ギャップ712のわずか約5%またはわずか約1%を遮断するように、一層狭くされ得る。
図8は、透明伝導性層を組み込んだディスプレイ装置の例示的な断面図を示す。ディスプレイ装置800は、図5のMEMSアップディスプレイ装置500と共通していくつかの要素を共有する。そのような共通の要素は、図5において使用された同じ数字によって参照される。ディスプレイ装置800は、透明伝導性層810を組み込んでいる。透明伝導性層810は、光変調器基板504に対向するカバープレート522の近くの電荷蓄積を散逸させる。図7の光吸収層710は、ブラックマトリクス524内に形成されたギャップ712中に部分的なカバレージを与えたが、透明伝導性層810は、ブラックマトリクス524によって形成されたギャップ812全体の上にカバレージを与える。結果として、ギャップ812中の電荷蓄積は、透明伝導性層810によって有効に散逸され得る。透明伝導性層810は、透明であるので、ディスプレイ装置800からの光出力を実質的に低減しない。
透明伝導性層810は、様々な手法を使用して電荷蓄積を散逸させるために用いられ得る。伝導性層710(図7に示す)に関して上記で説明した手法と同様に、透明伝導性層810は、接地電位に接続され得るか、またはシャッター503のすべてに共通電圧を与える大域相互接続部に接続され得る。いくつかの実装形態では、透明伝導性層810は、電気的に絶縁された領域に分割され得る。各領域は、1つまたは複数の画素に対応し、1つまたは複数の画素に電気的に接続される。
いくつかの実装形態では、透明伝導性層810は、電気伝導性であり、かつ可視スペクトルにおける波長に対して光学的に透明である、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明伝導性酸化物(TCO)であり得る。いくつかの他の実装形態では、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)およびインジウムドープ酸化カドミウムなど、他のTCOもまた使用され得る。
図9は、光吸収伝導性層を有するディスプレイ装置のMEMSダウン構成において使用するための、光変調器基板および開口プレートの例示的な断面図を示す。ディスプレイ装置900は、図6のMEMSダウンディスプレイ装置600と共通していくつかの要素を共有する。そのような共通の要素は、図6と同じ数字によって参照される。ただし、ディスプレイ装置900は、その影響について図6に関して上記で説明した、電荷蓄積の望ましくない影響を緩和することを助ける、追加の機能を提供する。詳細には、ディスプレイ装置900は、変調器基板602に面する開口プレート604上に配設された光吸収電気伝導性層910(以下で「伝導性層910」と呼ぶ)を含む。具体的には、伝導性層910は、反射開口層608の上に堆積される。その上、伝導性層910は、その主面の1つが流体630に電気的に接触しているように配設される。伝導性層910は、伝導性層710の形成について上記で図7に関して説明した材料のいずれかから、そのプロセスのいずれかで形成され得る。
図6に関して上記で説明したように、反射開口層608上の電荷蓄積によって引き起こされた静電力は、シャッター616の動作に望ましくない影響を及ぼし得る。しかしながら、伝導性層910を含むことは、伝導性層910の近傍における電荷蓄積を散逸させることによって、シャッター616の実施可能性に対するこのリスクを緩和する。電荷蓄積を散逸させることによって、伝導性層910は、電荷蓄積によって引き起こされる静電力を低減または除去する。
いくつかの事例では、シャッター616に対向する、開口608の近くの電荷蓄積は、閉位置であるときにシャッター616上に加えられる静電力を生成し得る。これらの静電力の結果として、シャッター616が閉位置で動かないようにされるリスクがある。このリスクに対処するために、いくつかの実装形態では、伝導性層910は、開口608中の電荷蓄積もまた有効に散逸され得るように、開口610内まで、及び開口610に渡って延在するトレースを含む。
上記の図7のMEMSアップ構成に関して上記で説明したトレースと同様に、伝導性層910のトレースもまた、伝導性層710と同じ材料を構成し得る。その上、いくつかの実装形態では、トレースの幅および間隔は、トレースが開口610の約10%より多く遮断しないように選択される。さらに、トレースの伝導率がより高い、いくつかの他の実装形態では、トレースは、開口610のわずか約5%からわずか約1%を遮断するように、一層狭くされ得る。
伝導性層910は、様々な手法を使用して電荷蓄積を散逸させるために用いられ得る。図7に関して説明した伝導性層710に関して上記で説明した手法と同様に、伝導性層910は、接地電位に接続され得るか、または、伝導性スペーサ612および608を介して、もしくは伝導性エッジシールによって、すべてのシャッター616の大域電位に接続され得る。いくつかの実装形態では、伝導性層910は、電気的に絶縁された領域に分割され得る。そのような実装形態では、各領域は、1つまたは複数の画素に対応し、1つまたは複数の画素に電気的に接続される。
図10は、透明伝導性層を有するディスプレイ装置のMEMSダウン構成において使用するための、光変調器基板および開口プレートの例示的な断面図を示す。この例では、透明伝導性層1010は、反射開口層608の近くの電荷蓄積を散逸させるために、反射開口層608の全体の上に配設される。開口610の上に延在することによって、透明伝導性層1010はまた、開口610中の電荷蓄積をも散逸させる。結果として、開口610中の電荷蓄積による静電力が低減または除去される。したがって、これらの静電力がシャッター616を閉位置で動かなくなるようにさせるリスクもまた、低減または除去される。
上記で説明した図8のMEMSアップ構成の透明伝導性層810と同様に、透明伝導性層1010は、いくつかの実装形態では、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、またはインジウムドープ酸化カドミウムなど、透明伝導性酸化物(TCO)であり得る。
透明伝導性層1010は、様々な手法を使用して電荷蓄積を散逸させるために用いられ得る。伝導性層910(図9に示す)に関して上記で説明した手法と同様に、透明伝導性層1010は、接地電位に接続され得るか、またはすべてのシャッター616の大域電位に接続され得る。いくつかの実装形態では、伝導性層1010は、電気的に絶縁された領域に分割され得る。そのような実装形態では、各領域は、1つまたは複数の画素に対応し、1つまたは複数の画素に電気的に接続される。
図11は、光吸収伝導性層1100の例示的な上面図を示す。光吸収伝導性層1100は、図7および図9にそれぞれ示す光吸収伝導性層710および910として使用するために好適な光吸収層の一例である。詳細には、光吸収伝導性層1100は、開口層または基板1104の上に形成された、複数の電気的に絶縁された伝導性領域1110を含む。好適な材料には、図7に示す光吸収伝導性層710について述べた材料のいずれかが含まれる。各領域1110は、画素に対応する。各領域は、すべての他の領域から電気的に絶縁される。伝導性層1100は、光吸収性および電気伝導性材料によって形成される。伝導性層1100の各領域1110は、光吸収伝導性材料の堆積および/または陽極酸化、ならびにその後に続く、電気的に絶縁された領域1110を画素ごとに画定するための、リソグラフィ、エッチングなどのいくつかの微細加工技法のいずれかから形成され得る。
伝導性層1100の各領域1110は、ギャップまたは開口部1112を含み、ギャップまたは開口部1112は、画素のカバープレート中のギャップもしくは開口部、または画素の開口層中の開口に対応する。各領域1110はまた、点線によって示された少なくとも1つのロケーション1127を含み、そこで、伝導性領域1110は伝導性スペーサと接触し、伝導性スペーサは、次に伝導性領域1110を対応する画素の1つまたは複数のシャッターに電気的に接続する。
いくつかの実装形態では、伝導性層1100の1つの領域1110は、2つ以上の画素に対応し得る。そのために、伝導性層1100は、伝導性層1100の1つの領域1110が2つ以上の画素と重複するように、微細加工される。いくつかの他の実装形態では、伝導性層1100は、ディスプレイ装置中のすべての画素を覆うただ1つの領域を含み得る。そのような場合、伝導性層1100は、ロケーション1127において伝導性スペーサを介して、または伝導性エッジシールを介して、すべての画素のすべてのシャッターに電気的に接続される。
いくつかの実装形態では、伝導性層1100の各領域1110は、図7に示すMEMSアップ構成の伝導性層710を表し得る。そのような実装形態では、ギャップ1112が、ブラックマトリクス524内に形成された開口部712に対応し得、点線が、伝導性層710が伝導性スペーサ527と接触するロケーションに対応し得、かつ基板1104が、図7に示す光変調器基板504に対応し得る。図7を参照しながら上記で説明したように、開口部712は、光変調器基板504の開口508と整合される。さらに、電気伝導性スペーサ527は、伝導性層710をアンカ505に接続し、アンカ505は、次にシャッター503に電気的に接続される。このようにして、画素ごとに、対応する領域1110が、図7に示す対応するシャッター503に電気的に接触している。
いくつかの他の実装形態では、図11に示す領域1110は、図9を参照しながら上記で説明したMEMSダウン構成の伝導性層910に対応する。そのような実装形態では、ギャップ1112が、開口610に対応するようになり、ロケーション1127が、伝導性層910が伝導性スペーサ612と接触するロケーションに対応するようになり、かつ基板1104が、伝導性層910がその上に形成される、反射開口層608または開口プレート604に対応するようになる。
図12は、ディスプレイ装置において使用するための光吸収伝導性トレースの層1210の例示的な上面図を示す。層1210は、層1210全体にわたって延びるいくつかの伝導性トレース1205を含む。1つの例示的な領域1201中では、伝導性トレース1205は同じ方向に配向されるが、別の例示的な領域1202中では、伝導性トレースは2つ以上の方向に配向される。これらの2つの領域は、説明のために示される。いくつかの実装形態は、複数のトレース領域を含み得、トレースが異なる領域中で異なるパターンを有するが、いくつかの他の実装形態では、層1210全体が、均一なパターンおよび配向を有する伝導性トレース1205を含み得る。
図12はまた、点線によって、下にある画素領域1203をも示す。各画素領域1203は、開口部1212とコンタクトロケーション1227とを含む。開口部1212は、画素に関連付けられたカバープレート中のギャップもしくは開口部に、または、画素に関連付けられた開口層中の開口に対応し得る。各コンタクトロケーション1227は、伝導性トレース1205が下にある画素の伝導性スペーサと接触するロケーションに対応する。層1210はまた、図5および図7に示すエッジシール528など、伝導性エッジシールにも電気的に接続される。伝導性エッジシールは、伝導性トレース1205の各々を互いに、および1つまたは複数の下にある画素領域のシャッターに電気的に接続することができる。
いくつかの実装形態では、伝導性トレース1205の幅、および伝導性トレース1205間の間隔は、トレースが各ギャップ1212の約10%より多く遮断しないように選択される。トレースの伝導率がより高い、いくつかの他の実装形態では、トレースは、各ギャップ1212のわずか約5%またはわずか約1%を遮断するように、一層狭くされ得る。
いくつかの実装形態では、伝導性トレース1205を有する図12の伝導性層1210は、図7に示すMEMSアップ構成の伝導性層710として働き得る。そのような実装形態では、画素領域1203が、ディスプレイ装置700の個々のディスプレイ要素に対応し、ギャップまたは開口部1212が、カバープレート522上でブラックマトリクス524内に形成されたギャップまたは開口部712に対応し、かつコンタクトロケーション1227が、伝導性層710が伝導性トレース527と接触するロケーションに対応し、伝導性トレース527が、伝導性層710をシャッター503に電気的に接続する。
同様に、いくつかの他の実装形態では、伝導性トレース1205を有する図12の伝導性層1210は、図9に示すMEMSダウン構成の伝導性層910として働き得る。そのような実装形態では、画素領域1203が、ディスプレイ装置900の個々のディスプレイ要素に対応し、ギャップまたは開口部1212が、開口610に対応し、かつコンタクトロケーション1227が、伝導性層910が伝導性スペーサ612と接触するロケーションに対応し、伝導性スペーサ612が、伝導性層910をシャッター616に電気的に接続する。
いくつかの他の実装形態では、伝導性層1210は、図11の伝導性層1100の領域1110と同様の領域に分割され得る。そのような実装形態では、伝導性層1205は、下にある画素領域を表す領域1203内で絶縁され得る。
図13は、ディスプレイ装置のキャビティ内の電荷蓄積を低減するための方法1300の例示的なフロー図を示す。方法1300について、本明細書では、一例として、図8のディスプレイ装置800のMEMSアップ構成のパッケージングを参照しながら説明する。ただし、方法1300はまた、図7および図9〜図12に示すものなど、他のディスプレイ装置構成のパッケージングにも適用され得ることを理解されたい。
この方法は、キャビティの第1の平坦面を画定する第1の基板を設けることで始まる(段階1301)。図8を参照すると、第1の基板は、光変調器基板504であり得、光変調器基板504は、キャビティの第1の平坦面を画定する。光変調器基板504は、シャッターアセンブリ502およびスペーサ527が配設される表面を与える。
その後、キャビティの第2の平坦面を画定する第2の基板が設けられる(段階1302)。第2の平坦面は、第1の平坦面に対向して配設される。図8を参照すると、第2の平坦面は、カバープレート522であり得る。次いで、第2の平坦面上の透明電気伝導性層が設けられる(段階1303)。図8を参照すると、透明電気伝導性層は、カバープレート522上に配設された透明伝導性層810であり得る。図7に関して上記で説明したように、電気伝導性層は、上記に記載したいくつかの光吸収伝導性材料の堆積および/または陽極酸化によって、第2の基板上に堆積され得る。
第2の平坦面の上に透明伝導性層を設けた後、第1の平坦面に取り付けられた光変調器と、電気伝導性層の主面とに接触している、流体が設けられる(段階1304)。図8を参照すると、段階1304において設けられた流体は、流体530であり得、また光変調器は、光変調器基板504に取り付けられるシャッター503であり得る。このようにして、流体530は、シャッター503および透明電気伝導性層810と接触している。
最後に、キャビティ内の電荷の一部分が、伝導性層を介して散逸される(段階1305)。再び図8を参照すると、伝導性層810は、カバープレート522の近くの電荷蓄積を散逸させる。電荷の散逸は、キャビティへの流体の充填中、またはディスプレイ装置800の通常動作中に行われ得る。流体の充填中に、電荷蓄積が、動いている流体と、ディスプレイ装置800の様々な表面との間の摩擦により生じ得る。そのような場合、共通電位が、そのような流体の充填前および充填中に、伝導性層と光変調器の両方に印加され得る。2つの基板間に形成されたキャビティが充填されている間、光変調器および伝導性層の共通電位が、流体充填プロセスから生じる電荷蓄積の散逸を行う。充填の完了後、いくつかの実装形態では、共通電位が除去される。
いくつかの他の実装形態では、流体は、伝導性層および光変調器への共通電位の印加前に充填され得る。
いくつかの他の実装形態では、電荷蓄積は、シャッター503と流体530との間の摩擦により、ディスプレイ装置800中の様々な帯電した表面からの電荷移行により、または他の理由により、動作中に生じ得る。そのような実装形態では、電荷蓄積は、図7〜図12に関して上記で説明した手法のいずれかを通して、伝導性層をシャッター503と電気的に接続することによって散逸され得る。
上記で説明したように、ディスプレイ中の伝導性層は、電荷蓄積を散逸させるためのいくつかの方法で構成され得る。これらの方法のいくつかでは、電荷散逸は、それぞれ図7に示す、伝導性スペーサ527などの伝導性スペーサを介して、シャッター503などのシャッターに、伝導性層を電気的に結合することによって達成される。伝導性層およびシャッターを共通電位において維持するために、シャッターと伝導性層との間の電気接続が、様々な動作環境における動作中に維持される。
ただし、周囲の温度変化または圧力変化は、ディスプレイ中の気泡の形成につながり得る。気泡の形成を防止するために、ディスプレイの基板のうちの1つまたは複数が、変形するように構成され得る。スペーサが、伝導性層を対応するシャッターに電気的に接続する働きをしない実装形態では、たとえば、そのような接続のためにエッジシールに依拠するとき、スペーサと伝導性層との間にギャップが残され、基板変形のための空間が与えられ得る。しかしながら、伝導性スペーサを用いる実装形態では、そのようなギャップは、スペーサによって与えられる電気接続を切断することになる。したがって、図7に関して説明した伝導性スペーサによって与えられる電気接続を維持しながら、基板変形を可能にする、代替構成が望ましい。1つのそのような構成を、図14A〜図14Cに示す。
図14Aは、その外周の周りに拡大されたスペーサのない領域をもつ、例示的なディスプレイ1400の上面図を示す。図14Bは、図14Aに示すディスプレイの側面図を示す。次に図14Aおよび図14Bを参照すると、ディスプレイ1400は、ディスプレイ要素1405のアレイを支持する第1の基板1402と、第1の基板1402からセルギャップ1409だけ分離された第2の基板1404とを含む。第1の基板1402と第2の基板1404との間のエリアは、セルと呼ばれる。第1の基板1402および第2の基板1404のうちの少なくとも1つは、可とう性である。ディスプレイ1400は、画像を形成するために使用されるディスプレイ領域1406を含む。ディスプレイ領域1406は、幅1411と長さ1413とを有する。
第1の基板および第2の基板は、伝導性スペーサ1407によって分離される。伝導性スペーサ1407は、ディスプレイ領域1406内に配置され、第1の基板1402上のディスプレイ要素1405を、第2の基板1404の上の伝導性表面に電気的に接続する。第1の基板1402および第2の基板1404は、ディスプレイ領域1406の外周に沿って、ポリマーシーラントなどのエッジシール1410によって互いに接合される。好適なシーラントの例には、熱硬化、または紫外光によって硬化され得る、エポキシ樹脂が含まれる。他の好適なシーラントには、湿気がセルに入ることを防止しながら、基板が整合された後に硬化のために使用され得る、接着剤が含まれ得る。
ディスプレイ領域1406とエッジシール1410との間に、ディスプレイ1400は、第1の基板1402および第2の基板1404のうちの一方(「変形基板」)がその内部で他方に向かって変形することができ、そのような変形がスペーサ1407によって制限されることのない、実質的なスペーサのない領域1408を含む。スペーサのない領域1408は、変形基板がディスプレイ1400の動作温度範囲内で気泡形成を防止するために十分変形することを可能にするために、十分に大きい。いくつかの実装形態では、スペーサのない領域は、約1〜20ミリメートル程度の幅を有する。いくつかの実装形態では、ディスプレイ1400の動作温度範囲は、約0℃を上回る。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイの動作範囲は、約−30℃を上回る。
図14Cは、図14Aに示すディスプレイの拡大されたスペーサのない領域の斜視図を示す。詳細には、図14Cは、スペーサのない領域が十分につぶされたときの斜視図を示す。次に図14A〜図14Cを参照すると、スペーサのない領域1408は、1つの側でエッジシール1410およびディスプレイ領域中の最外のスペーサ1407によって画定される。ディスプレイがホストデバイスに組み込まれるとき、ユーザが変形基板の変形を見ることを防止するために、ホストデバイスは、ディスプレイ領域のみが見えるように、スペーサのない領域1408を実質的に覆うベゼルを含む。
スペーサのない領域1408の幅は、少なくとも、領域内の変形基板が完全につぶされること(すなわち、第1の基板1402および第2の基板1404が接触する時点)から生じる体積低減が、ディスプレイの動作温度の範囲内の最低温度まで温度が低下することによって影響された流体の体積低減を十分に相殺するように、必要とされる分だけ幅広い。たとえば、ディスプレイ1400の動作範囲が約−30℃よりも大きい場合、スペーサのない領域1408の幅1414は、少なくとも、ディスプレイ1400が、周囲温度が約−30℃である環境において動作することから生じた、ディスプレイ中の流体の体積の低減を補償するために、変形基板が十分に変形することができるように、十分に大きい。この幅1414は、変形することになる基板の厚さ、その係数、ディスプレイ領域1406の総面積、および流体の熱膨張係数(CTE)に基づいて計算され得る。いくつかの実装形態では、流体のCTEは、温度低下の結果として対応されることが必要になる体積低減を規定する。いくつかの実装形態では、スペーサのない領域1408の幅1414は、ディスプレイ領域1406の対応する幅1411に基づいて計算され得る。いくつかの実装形態では、スペーサのない領域の幅は、以下の式を使用し、xについて解くことで計算される。
CV=(L・x・H)+((W−2x)(H))
ただし、
CVは、計算された流体の体積低減であり、
Lは、ディスプレイ領域1406およびスペーサのない領域1408の長さであり、
Hは、第1の基板1402と第2の基板1404との間のセルギャップであり、
Wは、ディスプレイ領域1406およびスペーサのない領域1408の幅であり、
xは、スペーサのない領域1408の最小幅である。
この式は、スペーサのない領域1408の1つの側の体積低減が、ディスプレイ領域1406およびスペーサのない領域1408の長さと、セルギャップ1409の高さと、スペーサのない領域1408の最小幅との積の半分((x・L・H)/2)に等しいと仮定する。
図15Aおよび図15Bは、複数のディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはその若干異なる形態はまた、テレビ、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイス、およびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形など、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから形成され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャもしくはシンボルを含む他の取外し可能な部分と交換され得る取外し可能な部分(図示せず)を含み得る。
ディスプレイ30は、本明細書で説明したように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む様々なデバイスのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイ、OLED、超ねじれネマチック(STN)ディスプレイ、LCDもしくは薄膜トランジスタ(TFT)LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはブラウン管(CRT)もしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。加えて、ディスプレイ30は、本明細書で説明するように、機械的光変調器方式ディスプレイを含み得る。
ディスプレイデバイス40の構成要素は、図15Aに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含んでおり、その中に少なくとも部分的に収容された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40はネットワークインターフェース27を含んでおり、ネットワークインターフェース27はアンテナ43を含んでおり、アンテナ43はトランシーバ47に結合され得る。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40に表示されることのある画像データのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は、画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も、画像ソースモジュールの働きをすることができる。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタリングするか、または別の方法で操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続され得る。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続され得る。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されてよく、アレイドライバ22は、次いでディスプレイアレイ30に結合され得る。図15Aに明示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40における1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように構成され、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計における実質的にすべての構成要素に電力を提供することができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信できるように、アンテナ43およびトランシーバ47を含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を緩和するためのいくつかの処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE 16.11規格、たとえばIEEE 16.11(a)、(b)、もしくは(g)、またはIEEE 802.11規格、たとえばIEEE 802.11a、b、g、n、およびそのさらなる実装形態に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または3G、4Gもしくは5G技術を利用するシステムなど、ワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される他の既知の信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号を、プロセッサ21によって受信でき、さらにプロセッサ21によって操作できるように前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号を、アンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信できるように処理することができる。
いくつかの実装形態では、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られることになる画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作全体を制御することができる。プロセッサ21は、圧縮された画像データなどのデータを、ネットワークインターフェース27または画像ソースから受信し、そのデータを生の画像データへ、または生の画像データに素早く変換できるフォーマットへと処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは通常、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、彩度およびグレースケールレベルを含み得る。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを含み得る。調整ハードウェア52は、スピーカ45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であってよく、またはプロセッサ21もしくは他の構成要素に組み込まれてもよい。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、直接プロセッサ21から、またはフレームバッファ28から取得でき、かつ生画像データをアレイドライバ22への高速送信に向けて適切に再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ディスプレイアレイ30でスキャンするのに適した時間的順序を有するように、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができる。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれること、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれること、またはアレイドライバ22とハードウェアで完全に統合されることがある。
アレイドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信することができ、ビデオデータを、ディスプレイ要素のディスプレイのx−yマトリクスから来る数百、場合によっては数千(またはそれよりも多く)のリード線に1秒当たり多数回適用される波形の並列セットに再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するタイプのディスプレイのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来型のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来型のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来型のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(機械的光変調器ディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と統合され得る。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、携帯電話、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて有用であり得る。
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーパッドもしくは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と統合されたタッチセンシティブスクリーン、または感圧性もしくは感熱性の膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
電源50は、様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用した実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントまたは光起電デバイスもしくはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、またはプラスチック太陽電池もしくは太陽電池塗料を含む太陽電池であってもよい。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に位置し得るドライバコントローラ29に制御プログラマビリティが存在する。いくつかの他の実装形態では、アレイドライバ22に制御プログラマビリティが存在する。上述の最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、および様々な構成で実施され得る。
本明細書で開示した実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムのプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性は、全体的にそれらの機能に関して説明し、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびプロセスにおいて示してきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示した態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有の回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示した構造およびそれらの構造の同等物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアにおいて、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明した対象の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
ソフトウェアで実装される場合、機能を1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶すること、またはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。本明細書で開示した方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含み、これらは、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にし得る任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、あらゆる接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はレーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上に1つまたは任意の組合せまたはセットのコードおよび命令として存在し得る。
本開示で説明した実装形態の様々な修正形態が当業者にはすぐに理解でき、本明細書に定める一般的原理は、本開示の趣旨または範囲から離れることなく他の実装形態に適用できる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、この原理および本明細書で開示する新規の特徴と合致する最大の範囲を認めるものである。
さらに、当業者は、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切に配向されたページ上の図の方位に対応する相対位置を示しており、実装される任意のデバイスの適切な方位を反映していない場合があることを容易に諒解する。
個別の実装形態との関連で本明細書で説明しているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装されてもよい。反対に、単一の実装形態との関連で説明している様々な特徴は、複数の実装形態で個別に、または任意の適切な副組合せで実装されてもよい。さらに、特徴は一定の組合せで機能するものとして上述され、当初はそういうものとして特許請求されることもあるが、特許請求される組合せによる1つまたは複数の特徴は、場合によっては、当該組合せにより実施可能であり、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形を対象にし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これについては、所望の結果を達成するために、そのような動作を示された特定の順序でもしくは順次に実行すること、またはすべての示された動作を実行することを要求するものとして理解すべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作を、概略的に示す例示的なプロセスに組み込むことができる。たとえば、1つまたは複数の追加の動作は、示された動作のいずれかの前、示された動作のいずれかの後、示された動作のいずれかと同時に、または示された動作のいずれかの間に実行され得る。いくつかの状況において、マルチタスキングおよび並列処理は有利であり得る。また、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離については、すべての実装形態でかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品への統合、または複数のソフトウェア製品へのパッケージ化が可能であると理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、請求項に記載のアクションは、異なる順序で実行されながらもなお、望ましい結果を達成することが可能である。