JP2015500884A - 癌を治療するための低酸素活性化プロドラッグおよびmTOR阻害剤 - Google Patents

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Abstract

mTOR阻害剤と組み合わせた低酸素活性化プロドラッグの投与により、癌は治療される。

Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2011年12月22日に出願された米国出願第61/579,607号および2012年3月29日に出願された同第61/617,579号(これらのそれぞれは、参照によりその全体において本明細書に援用される)の35 U.S.C. 119(e)による優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、癌を治療するための方法、ならびに該方法に有用な医薬製剤および単位投与形態を提供する。そのため、本発明は、医学および薬理学の分野に関する。
発明の背景
TH-302は、癌の治療のための臨床開発における低酸素活性化プロドラッグである。PCT公報第2007/002931号、第2008/083101号、第2010/048330号、第2012/006032号、第2012/009288号および2012年3月30日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2012/031677号、2012年4月13日に出願されたPCT/US2012/033671号および2012年1月31日に出願された米国特許出願第61/593,249号(該文献のそれぞれは、参照により本明細書に援用される)を参照。TH-302は、低酸素条件下で、DNA架橋ブロモ-イソホスホルアミデート(bromo-isophosphoramidate)(時々、ブロモ-イソホスホルアミド(bromo-isophosphoramide)と称される)マスタード(mustard)(Br-IPM)を放出する。TH-302は、低濃度ではG2/M停止を誘導し、高濃度では汎細胞周期(pan-cell cycle)停止を誘導する。
細胞内キナーゼmTORは、癌の進行に重要な複数の経路において重要な役割を果たす。エベロリムス(商標名AfinitorおよびZortressとして市販)およびテムシロリムス(商標名Toriselとして市販)は、直接mTORを標的化し、腫瘍細胞増殖を低減させ、腫瘍新脈管形成を低減し、腫瘍細胞代謝を阻害する。
しかし、mTOR阻害剤は、癌細胞の成長(growth)および増殖(proliferation)を促進する経路を刺激し得るので、問題がある。例えば、mTORタンパク質複合体1(mTORC1)を阻害することによって腫瘍成長を妨げる間に、エベロリムス等のmTOR阻害剤は、MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)経路を活性化し得、この経路は、癌細胞の生存を促進し得る。Carracedo et al., J. Clin. Invest., 2008, 118(9):3065-3074参照。MAPKシグナル伝達は、低酸素誘導性因子(HIF)を活性化し、この因子は、低酸素における癌細胞の生存を補助する。Sang et al., J, Biol. Chem., 2003, 278, 14013-14019参照。
エベロリムスおよびテムシロリムスの両方は、腎細胞癌(RCC)の治療について承認されたが、かかる治療は、稀にしか治癒を生じない。RCCおよび他の癌に対する新しくかつより有効な療法が、差し迫って必要とされる。
本発明は、このニーズに応える。
発明の概要
第1の局面において、本発明は、癌を治療する方法を提供し、前記方法は、かかる治療を必要とする患者に、治療有効量のmTOR阻害剤と組み合わせた治療有効量の低酸素活性化プロドラッグを投与する工程を含む。
種々の態様において、該低酸素活性化プロドラッグは、式I:
Figure 2015500884

(式中、
Y2は、O、S、NR6、NCOR6またはNSO2R6であり、
ここでR6は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R3およびR4は独立して、2-ハロアルキル、2-アルキルスルホニルオキシアルキル、2-ヘテロアルキルスルホニルオキシアルキル、2-アリールスルホニルオキシアルキルおよび2-ヘテロアルキルスルホニルオキシアルキルからなる群より選択され;R1は、式L-Z3を有し;Lは、C(Z1)2であり;各Z1は独立して、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C6アシル、C1-C6ヘテロアシル、アロイルもしくはヘテロアロイルであり;または
Lは:
Figure 2015500884

であり;
Z3は:
Figure 2015500884

からなる群より選択される式を有する生体還元性(bioreductive)基であり、
ここで、各X1は独立して、NまたはCR8であり;X2は、NR7、SまたはOであり;各R7は独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;R8は独立して、水素、ハロゲン、シアノ、CHF2、CF3、CO2H、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、アリール、CON(R7)2、C1-C6アシル、C1-C6ヘテロアシル、アロイルまたはヘテロアロイルである)
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である。本発明の種々の態様において、本発明に使用される化合物は、式Iの化合物であり、TH-281、TH-302またはTH-308である(構造を以下に示す)。
一態様において、低酸素活性化プロドラッグはTH-302である。種々の好ましい態様において、治療される癌は、腎細胞癌(RCC)、神経芽腫、および上衣下巨細胞星状細胞腫(SEGA)からなる群より選択される。
種々の態様において、TH-302は、ある用量(a dose)および頻度(frequency)で投与され、該用量および頻度は、PCT公報第2007/002931号、第2008/083101号、第2010/048330号、第2012/006032号、および第2012/009288号、ならびに2012年3月30日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2012/031677号および20112年4月13日に出願された第PCT/US2012/033671号に記載され、該公報のそれぞれは、参照により本明細書に援用される。いくつかの態様において、患者は、治療のために選択され、および/または治療の効力は、2012年1月31日に出願された、参照により本明細書に援用される米国特許出願第61/593,249号に記載される方法に従って評価される。
種々の態様において、mTOR阻害剤は、AZD8055、BEZ235、デフォロリムス(deforolimus)、エベロリムス、OSI-027、シロリムス、テムシロリムス、およびXL765からなる群より選択される。種々の態様において、mTOR阻害剤は、エベロリムスおよびテムシロリムスからなる群より選択される。種々の態様において、mTOR阻害剤は、FDAによって種々の癌の治療について承認された、または臨床設定において使用される1日量および頻度で投与される。
一態様において、本発明は、腫瘍に(即ち、癌患者に)、有効量の式1の化合物およびmTOR阻害剤を共投与する工程を含む、腫瘍の成長を阻害するインビボ方法を提供する。一態様において、腫瘍成長は、完全に阻害され、即ち、100% TGIが観察される。別の態様において、腫瘍退行があり、即ち、>100%のTGIが観察される。他の態様において、腫瘍成長は遅らせられる。一態様において、mTOR阻害剤は、エベロリムスまたはテムシロリムスである。一態様において、式1の化合物は、TH-302である。一態様において、TH-302は、1週間の連続する5日間に、1日に1回投与される。他の態様において、TH-302は、1週間に1回以下で投与される。これらの態様のうち、いずれかにおいて、TH-302療法は、複数週の間または複数月の間継続され得る。
一態様において、本発明は、腫瘍に(即ち、癌患者に)、有効量の式1の化合物を共投与する工程を含む、mTOR阻害剤で治療された腫瘍において腫瘍の低酸素を低減するインビボ方法を提供する。一態様において、腫瘍低酸素は、5%までだけ、10%までだけ、または15%以上までだけ、即ち、25%、50%または95%低減される。本明細書中で使用する場合、「mTOR阻害剤で治療された腫瘍」は、その1つ以上の腫瘍細胞が、mTOR阻害剤と接触した、mTOR阻害剤と接触している、またはmTOR阻害剤と接触することになっている腫瘍をいう。一態様において、mTOR阻害剤は、エベロリムスまたはテムシロリムスである。一態様において、式1の化合物は、TH-302である。一態様において、TH-302は、1週間の連続する5日間に、1日に1回投与される。他の態様において、TH-302は、1週間に1回以下で投与される。これらの態様のうち、いずれかにおいて、TH-302療法は、複数週の間または複数月の間継続され得る。
本明細書中で使用する場合、共投与することは、共投与された2つの薬物が、同時に腫瘍細胞中でそれらの薬理学的効果を発揮することを企図し;かかる共投与は、2つの薬物の同時(simultaneous)投与、同時(contemporaneous)投与、または連続的投与によって達成され得る。
第2の局面において、本発明は、本発明の方法における使用に適した医薬製剤および単位投与形態を提供する。一態様において、低酸素活性化プロドラッグおよびmTOR阻害剤は、別個の単位投与形態において別々に製剤化される。別の態様において、低酸素活性化プロドラッグおよびmTOR阻害剤は、混合物において、または他の組み合わせ医薬製剤および組み合わせ単位投与形態において、一緒に製剤化される。種々の態様において、低酸素活性化プロドラッグはTH-302である。
図1は、本発明の実施に有用な例示的なmTOR阻害剤の構造を示す。
発明の詳細な説明
本発明の実施は、当該分野の技術の範囲内の生化学、細胞生物学、免疫学、有機化学、医学、微生物学、分子生物学(組み換え技術など)、および薬理学の従来の技術の使用を含み得る。
定義
以下の本明細書および特許請求の範囲において、以下の意味を有する多くの用語に対する参照がなされる。全ての数値指定、例えばpH、温度、時間、濃度および重量(それらのそれぞれの範囲を含む)は、適切な場合に0.1、1.0または10.0の増分により典型的に(+)または(-)に変化し得る近似値である。全ての数値指定は、用語「約」が前につくと理解され得る。本明細書に記載される試薬は、当該技術分野で公知であり得るものの典型および同等物である。
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈においてそうではないと明確に記載されなければ複数の言及(reference)を含む。
用語「含む」は、任意の列挙された要素が必ず含まれ、他の要素が任意に含まれ得ることを意味する。「本質的にからなる」は、任意の列挙された要素が必ず含まれ、列挙された要素の基本的で新規な特徴に著しく影響を及ぼす要素が除外され、他の要素が任意に含まれ得ることを意味する。「からなる」は、列挙されたもの以外の全ての要素が除外されることを意味する。これらの用語のそれぞれで定義された態様は、本発明の範囲内にある。
式Iに関連する特定の用語を以下に定義する。
「アシル」は、-CO-アルキルのことをいい、ここで、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「アロイル」は、-CO-アリールのことをいい、ここで、アリールは、本明細書に定義されるとおりである。
「アルコキシ」は、-O-アルキルのことをいい、ここで、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「アルケニル」は、接頭番号(prefix)に示される数の炭素原子を有し、少なくとも1つであるが3個以下の二重結合を含む、直鎖の一価炭化水素ラジカルまたは分岐の一価炭化水素ラジカルのことをいう。例えば、(C2-C6)アルケニルとしては、エテニル、プロペニル、1,3-ブタジエニル等が挙げられる。アルケニルは、例えば重水素(「D」)、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジ(C1-C6)アルキルアミノ、ハロ、C2-C6アルケニルエーテル、シアノ、ニトロ、エチニル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、-COOH、-CONH2、モノまたはジ(C1-C6)アルキルカルボキサミド、-SO2NH2、-OSO2-(C1-C6)アルキル、モノまたはジ(C1-C6)アルキルスルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルスルホニルオキシ、およびアリールまたはヘテロアリールスルホニルオキシなどの置換基で任意に置換され得る。
「アルキル」は、接頭番号に示される数の炭素原子を有する、直鎖の飽和一価炭化水素ラジカルまたは分岐の飽和一価炭化水素ラジカルのことをいう。(C1-C6)アルキルは、例えば重水素(「D」)、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジ(C1-C6)アルキルアミノ、ハロ、C2-C6アルケニルエーテル、シアノ、ニトロ、エテニル、エチニル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、-COOH、-CONH2、モノまたはジ(C1-C6)アルキルカルボキサミド、-SO2NH2、-OSO2-(C1-C6)アルキル、モノまたはジ(C1-C6)アルキルスルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、アルキルスルホニルオキシ、ヘテロアルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシまたはヘテロアリールスルホニルオキシなどの置換基で任意に置換され得る。
接頭番号(C1-Cqq)、C1-qqおよびC1-Cqq(式中、qqは、2〜20の整数である)は、同じ意味を有する。例えば、(C1-C6)アルキル、C1-6アルキルまたはC1-C6アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、ペンチル等が挙げられる。本明細書の定義のそれぞれについて(例えば、アルキル、アルケニル、アルコキシ等)、アルキル部分の主鎖炭素原子の数を示す接頭番号が含まれない場合は、ラジカルまたはその部分は、6個以下の主鎖炭素原子を有する。
「アルキルアミノ」またはモノ-アルキルアミノは、-NH-アルキルのことをいい、ここで、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「アルキニル」は、接頭番号に示される数の炭素原子を有し、少なくとも1つであるが、2個以下の三重結合を含む、直鎖の一価炭化水素ラジカルまたは分岐の一価炭化水素ラジカルのことをいう。例えば、(C2-C6)アルキニルとしては、エチニル、プロピニル等が挙げられる。アルキニルは、例えば重水素(「D」)、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジ(C1-C6)アルキルアミノ、ハロ、C2-C6アルケニルエーテル、シアノ、ニトロ、エテニル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、-COOH、-CONH2、モノまたはジ(C1-C6)アルキルカルボキサミド、-SO2NH2、-OSO2-(C1-C6)アルキル、モノまたはジ(C1-C6)アルキルスルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルスルホニルオキシ、およびアリールまたはヘテロアリールスルホニルオキシなどの置換基で任意に置換され得る。
「アリール」は、6〜10個の環原子の、一価の単環式または二環式芳香族炭化水素ラジカルのことをいい、該ラジカルは独立して、1〜8個の置換基、例えば重水素(「D」)、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ-アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、COR(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、-(CR'R")n-COOR(式中、nは0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)または-(CR'R")n-CONRxRy(式中、nは0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、RxおよびRyは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルから選択される)から選択される1、2、3、4個または(of)5個の置換基で置換される。一態様において、RxおよびRyは一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。より具体的には、用語アリールとしては、限定されないが、フェニル、ビフェニル、1-ナフチルおよび2-ナフチル、ならびにそれらの置換形態が挙げられる。
「シクロアルキル」は、3〜7個の環炭素の一価環式炭化水素ラジカルのことをいう。シクロアルキル基は、1個以上の二重結合を有し得、また独立して、アルキル、任意に置換されたフェニルまたは-C(O)Rz(式中、Rzは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、または任意に置換されたフェニルである)から選択される1、2、3または4個の置換基で任意に置換され得る。より具体的に、用語シクロアルキルとしては、例えばシクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニルシクロヘキシル、4-カルボキシシクロヘキシル、2-カルボキサミドシクロヘキセニル、2-ジメチルアミノカルボニル-シクロヘキシル等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ」またはジ-アルキルアミノは、-N(アルキル)2のことをいい、ここで、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「ヘテロアルキル」は、独立してシアノ、-ORw、-NRxRyおよび-S(O)pRz(式中、pは0〜2の整数である)から選択される1、2または3個の置換基を有する、本明細書に定義されるアルキルラジカルのことをいい、ヘテロアルキルラジカルの結合点は、ヘテロアルキルラジカルの炭素原子を介することが理解される。Rwは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキサミド、またはモノ-もしくはジ-アルキルカルバモイルである。Rxは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリールまたはアラルキル(araalkyl)である。Ryは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル(araalkyl)、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキサミド、モノ-もしくはジ-アルキルカルバモイルまたはアルキルスルホニルである。Rzは、水素(ただしpが0である)、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル(araalkyl)、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノまたはヒドロキシアルキルである。代表的な例としては、例えば、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-メトキシエチル、ベンジルオキシメチル、2-シアノエチルおよび2-メチルスルホニル-エチルが挙げられる。上述のそれぞれについて、Rw、Rx、RyおよびRzはさらに、アミノ、ハロ、フルオロ、アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、OHまたはアルコキシで置換され得る。さらに、炭素原子の数を示す接頭番号(例えば、C1-C10)は、シアノ、-ORw、-NRxRyまたは-S(O)pRz部分以外のヘテロアルキル基の部分中の炭素原子の総数のことをいう。一態様において、RxおよびRyは一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。
「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである少なくとも1つの芳香環を有する、5〜12個の環原子の一価単環式、二環式または三環式ラジカルのことをいい、ヘテロアリールラジカルの結合点は、芳香環上にあることが理解される。ヘテロアリール環は任意に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、-COR(式中、Rは、水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、-(CR'R")n-COOR(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、または-(CR'R")n-CONRxRy(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、RxおよびRyは互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)から選択される1〜8個の置換基、好ましくは1、2、3または4個の置換基で独立して置換される。一態様において、RxおよびRyは一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。より具体的には、用語ヘテロアリールとしては、限定されないが、ピリジル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ピロロピリミジニル、インドリジニル、ピラゾロピリジニル、トリアゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、トリアゾロピリミジニル、ピロロトリアジニル、ピラゾロトリアジニル、トリアゾロトリアジニル、ピラゾロテトラジニル、ヘキサアザ-インデニル(indenly)、およびヘプタアザ-インデニル、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。そうではないと示されなければ、環内のヘテロ原子の配置は、構成環原子の結合特性により許容される任意の配置であり得る。
「ヘテロシクリル」または「シクロヘテロアルキル」は、3〜8個の環原子の飽和または不飽和の非芳香環式ラジカルのことをいい、1〜4個の環原子は、O、NR(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、P(=O)ORwまたはS(O)p(式中、pは、0〜2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCであり、ここで、1個または2個のC原子は、カルボニル基により任意に置き換えられ得る。ヘテロシクリル環は任意に、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-COR(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、-(CR'R")n-COOR(nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、または-(CR'R")n-CONRxRy (式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は独立して、水素またはアルキルであり、RxおよびRyは互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)から選択される、1、2、3または4個の置換基で独立して置換され得る。より具体的には、用語ヘテロシクリルとしては、限定されないが、テトラヒドロピラニル、N-メチルピペリジン-3-イル、N-メチルピロリジン-3-イル、2-ピロリドン-1-イル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1,1-ジオキソ-ヘキサヒドロ-1Δ6-チオピラン-4-イル、テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリジニル、イミダゾリニル、ピペラジニル、およびピペリジン-2-イル、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。炭素原子の数を示す接頭番号(例えば、C3-C10)は、ヘテロ原子の数を除くシクロヘテロアルキルまたはヘテロシクリル基の部分中の炭素原子の総数のことをいう。
「ヘテロアシル」は、-CO-ヘテロアルキルのことをいい、ここで、ヘテロアルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「ヘテロアロイル」は、-CO-ヘテロアリール(heteroayl)のことをいい、ここで、ヘテロアリールは、本明細書に定義されるとおりである。
「Rsulスルホニルオキシ」は、Rsul-S(=O)2-O-のことをいい、アルキルスルホニルオキシ、ヘテロアルキル(heteroakyl)スルホニルオキシ、シクロアルキルスルホニルオキシ、ヘテロシクリルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシおよびヘテロアリールスルホニルオキシが挙げられ、ここで、Rsulは、アルキル、ヘテロアルキル(heteroakyl)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれであり、アルキル、ヘテロアルキル(heteroakyl)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、本明細書に定義されるとおりである。アルキルスルホニルオキシの例としては、Me-S(=O)2-O-、Et-S(=O)2-O-、CF3-S(=O)2-O-等が挙げられ、アリールスルホニルオキシの例としては、
Figure 2015500884

(式中、Rarは、H、メチルまたはブロモである)
が挙げられる。
「置換基」は、上述の基のそれぞれの定義に具体的に記載される置換基に加えて、重水素(deuterieum)、-ハロゲン、-OR'、-NR'R"、-SR'、-SiR'R"R'"、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R"、-OC(O)NR'R"、-NR"C(O)R'、-NR'-C(O)NR"R'"、-NR"C(O)2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R"、-NR'S(O)2R"、-CN、-NO2、-R'、-N3、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ、およびペルフルオロ(C1-C4)アルキルから選択される、0〜ラジカル上の開放性原子価(open valence)の総数の範囲の数のもののことをいい、ここでR'、R"およびR'"は独立して、水素、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、非置換アリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)-C1-4アルキル、および非置換アリールオキシ-C1-4アルキル、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、非置換C1-8アルキル、C1-8アルコキシもしくはC1-8チオアルコキシ基、または非置換アリール-C1-4アルキル基から選択される。R'およびR"が同じ窒素原子に結合する場合、それらは、窒素原子と一緒になって、3-、4-、5-、6-または7員環を形成し得る。例えば、-NR'R"は、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含むことを意味する。他の適切な置換基としては、1〜4個の炭素原子のアルキレン連結鎖(tether)により環原子に結合した上述のアリール置換基のそれぞれが挙げられる。アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、式-T2-C(O)-(CH2)q-U3-(式中、T2およびU3は独立して、-NH-、-O-、-CH2-または単結合であり、qは、0〜2の整数である)の置換基で任意に置き換えられ得る。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、式-A-(CH2)r-B-(式中、AおよびBは独立して、-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-または単結合であり、rは、1〜3の整数である)の置換基で任意に置き換えられ得る。そのように形成された新たな環の単結合の1つは任意に、二重結合で置き換えられ得る。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、式-(CH2)s-X5-(CH2)t-(式中、sおよびtは独立して、0〜3の整数であり、X5は、-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-または-S(O)2NR'-である)の置換基で任意に置き換えられ得る。-NR'-および-S(O)2NR'-の置換基R'は、水素または非置換C1-6アルキルから選択される。
本発明に使用される特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体(regioisomer)および個々の異性体(例えば、別々のエナンチオマー)は全て、本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明の化合物はまた、かかる化合物を構成する原子の一つ以上において、天然にはない割合の原子同位体を含み得る。例えば、化合物は、例えば限定されないが、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射性標識され得る。本発明の化合物の全ての同位体変更体は、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることを意図する。
本発明に関連する他の用語を以下に定義する。
「投与する」または患者への薬物の「投与」(およびこの文言の文法上の同等物)は、医学専門家による患者への投与であり得るかもしくは自己投与であり得る直接投与、および/または薬物を処方することの作用であり得る間接投与のことをいう。例えば、患者に薬物を自己投与することを指示し、および/または患者に薬物の処方箋を提供する医師は、患者に薬物を投与している。
「BD」または「bid」は、1日に2回投与することをいう。
「癌」は、浸潤により局所におよび転移により全身に広がり得る、無制限に増殖(growth)する可能性のある悪性の固形腫瘍、ならびに骨髄中の癌幹細胞起源であり得る種々の血液癌のことをいう。癌の例としては、限定されないが、副腎、骨、脳、乳房、気管支、結腸および/または直腸、胆嚢、胃腸管、頭部および頸部、腎臓、咽頭、肝臓、肺、神経組織、膵臓、前立腺、副甲状腺、皮膚、胃ならびに甲状腺の癌が挙げられる。癌の他の例としては、腺癌、腺腫、基底細胞癌、子宮頸部形成異常およびその場所の(in situ)癌、ユーイング肉腫、類表皮癌、巨細胞腫、多形グリア芽腫、毛様細胞腫瘍、腸神経節細胞腫(intestinal ganglioneuroma)、過形成角膜神経腫瘍(hyperplastic corneal nerve tumor)、ランゲルハンス島細胞癌、カポジ肉腫、平滑筋腫、白血病、リンパ腫、悪性カルチノイド、悪性黒色腫、悪性高カルシウム血症、マルファン症候群様体質腫瘍(marfanoid habitus tumor)、髄様癌、転移性皮膚癌、粘膜神経腫、骨髄異形成症候群、骨髄腫、菌状息肉腫、神経芽腫、骨肉腫、骨原性および他の肉腫、卵巣腫瘍、褐色細胞腫、真性赤血球増加症(polycythermia vera)、原発性脳腫瘍、小細胞肺腫瘍、潰瘍型および乳頭型の両方の扁平上皮癌、セミノーマ、軟部組織肉腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、腎細胞腫瘍または腎細胞癌、細網肉腫(veticulum cell sarcoma)、ならびにウィルムス腫瘍が挙げられる。また、癌の例としては、星状細胞腫、消化管間質腫瘍(GIST)、神経膠腫またはグリア芽腫、腎細胞癌(RCC)、肝細胞癌(HCC)、および膵臓神経内分泌癌が挙げられる。
「組み合わせ療法」または「組み合わせ治療」は、癌を治療するための、治療における2つ以上の薬物の使用、すなわち本明細書に記載される低酸素活性化プロドラッグとの、1つ以上のmTOR阻害剤、および任意に1つ以上の他の抗癌剤の使用のことをいう。「組み合わせ」における投与は、任意の様式での、両方の薬理学的効果が患者において同時に発現される2つの薬剤(例えば、癌を治療するための低酸素活性化プロドラッグおよびmTOR阻害剤)の投与のことをいう。したがって、組み合わせにおける投与は、単一の医薬組成物、同じ剤型もしくは同じ投与経路が、両方の薬剤の投与のために使用されること、または2つの薬剤が正確に同時に投与されることを必要としない。例えば、限定されないが、mTOR阻害剤は、本発明の低酸素活性化プロドラッグと共に、組み合わせ療法において投与され得ることが企図される。
「過剰増殖性疾患(hyperproliferative disease)」は、細胞の過剰増殖(例えば、細胞増殖の速度または量の異常な増加)を特徴とする疾患のことをいう。癌は過剰増殖性疾患である。癌以外の過剰増殖性疾患の例としては、限定されないが、アレルギー性血管炎(angiitis)および肉芽腫症(チャーグ-ストラウス病)、石綿肺症、喘息、萎縮性胃炎、良性前立腺過形成、水疱性類天疱瘡、セリアック病、慢性気管支炎および慢性閉塞性気道疾患、慢性静脈洞炎、クローン病、脱髄神経障害、皮膚筋炎、アトピー性皮膚炎などの湿疹、エウスターキオ管疾患(eustachean tube disease)、巨細胞動脈炎、移植片拒絶、過敏性肺炎、過敏性血管炎(ヘーノホ-シェーンライン紫斑病)、刺激性皮膚炎、炎症性溶血性貧血、炎症性好中球減少症、炎症性腸疾患、川崎病、多発性硬化症、心筋炎、筋炎、鼻ポリープ、鼻涙管疾患、腫瘍性脈管炎、膵炎、尋常性天疱瘡、原発性糸球体腎炎、乾癬、歯周病、多発性嚢胞腎疾患、結節性多発動脈炎、多発血管炎重複症候群(polyangitis overlap syndrome)、原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis)、関節リウマチ、血清病、外科的癒着(surgical adhesions)、狭窄または再狭窄、強膜炎、強皮症、胆管の狭窄、(十二指腸、小腸および結腸の)狭窄症、珪肺症およびじん肺症の他の形態、I型糖尿病、潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、結合組織障害に関連する脈管炎、先天性の補体系欠陥に関連する脈管炎、中枢神経系の脈管炎、ならびにヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられる。
「低酸素活性化プロドラッグ」は、正常酸素下で低酸素または無酸素下よりも活性が低いかまたは不活性の薬物のことをいう。低酸素活性化プロドラッグとしては、グルタチオン、GSH、NADHおよびNADPHを含む種々の還元剤、ならびに限定されないが、一電子転移酵素(シトクロムP450レダクターゼなど)および二電子転移(または水素化物イオン転移)酵素を含む還元酵素により活性化される薬物が挙げられる(米国特許出願公報第2005/0256191号、第2007/0032455号および第2009/0136521号、ならびにPCT公報第2000/064864号、第2004/087075号および第2007/002931号(該文献のそれぞれは参照により本明細書に援用される)参照)。本発明の方法に有用な低酸素活性化プロドラッグは、式Iの化合物であり、限定されないが、該式により定義されるZ3が2-ニトロイミダゾール部分である化合物が挙げられる。本発明の方法に有用な特定の低酸素活性化プロドラッグの例としては、限定されないが、TH-281、TH-302およびTH-308が挙げられる。TH-302および式Iの他の化合物の合成、製剤化および使用の方法は、上述の「発明の背景」に引用される、参照により本明細書に援用される種々の特許公報および特許出願に記載される。
用語「mTOR」またはラパマイシンの哺乳動物標的は、ラパマイシンの機構的標的、FK506結合タンパク質、またはラパマイシン関連タンパク質1(FRAP1)としても公知であるが、細胞成長、細胞増殖、細胞運動性、細胞生存、タンパク質合成、および転写を調節するセリン/トレオニンプロテインキナーゼであるタンパク質をいう。ヒトにおいて、mTORは、FRAP1遺伝子によってコードされる。
用語「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤をいい、その薬学的に許容され得る塩を含む。mTOR阻害剤の例としては、限定されないが、構造が以下に示されるラパマイシン(シロリムス)、およびラパマイシン誘導体、例えば、以下:
Figure 2015500884

の矢印で示されるラパマイシンのヒドロキシ基の、水溶性エステルまたはエーテルを含むものが挙げられる。かかる水溶性エステルは、ヒドロキシ基の水素原子の位置に、限定されないが、-CO-REまたは-PO(RE)2部分(式中、REは、6個までのヒドロキシ基で任意に置換されたC1-C10アルキル、または6個までのヒドロキシ基で任意に置換されたC3-C8シクロアルキルである)を含む。かかる水溶性エーテルは、ヒドロキシ基の水素原子の位置に、限定されないが、RE部分(式中、REは上記のとおり定義される)を含む。mTOR阻害剤の他の非限定的な例としては、AZD8055、BEZ235(NVP-BEZ235)、クリソファン酸(クリソファノール)、デフォロリムス(リダフォロリムス(ridaforolimus)またはAP23573)、エベロリムス(RAD001)、GSK1059615、GSK2126458、KU-0063794、NU7441、OSI-027、パロミド(Palomid) 529(P529)、PI-103、PKI-587、PP242、ラパマイシン、テムシロリムス(Torisel)、WAY-600、WYE-125132、WYE-354、WYE-687、およびXL765が挙げられる。本発明の方法に有用な種々の例示的なmTOR阻害剤の構造は、図1に提供される。
「患者」または「被験体」は、哺乳動物、特にヒトのことをいい、従って、癌または別の過剰増殖性疾患を有する類人猿(simian)、畜牛、ウマ、イヌ、ネコおよびげっ歯動物などの獣医学目的および研究目的の動物を含む。
「薬学的に許容され得る塩」は、例示のみのために、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムを含む、当該技術分野において周知の種々の有機および無機の対イオン由来の薬学的に許容され得る塩のことをいい、該分子が塩基性の官能基を含む場合には、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸塩およびシュウ酸塩などの有機酸または無機酸の塩を含む。適切な塩としては、Stahl and Wermuth (編), Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, Selection, and Use; 2002に記載される塩が挙げられる。
QnDまたはqndは、n日毎に1回の薬物投与のことをいう。例えば、QD(またはqd)は、1日毎に1回または毎日1回の投薬のことをいい、Q2D(またはq2d)は、2日毎に1回の投薬のことをいい、Q7Dは、7日毎に1回または1週間に1回の投薬のことをいい、Q5Dは、5日毎に1回の投薬のことをいう。
症状(1つまたは複数)の「低減(reduction)」(およびこの文言の文法上の同義語)は、症状(1つまたは複数)の重症度もしくは頻度の低下、または症状(1つまたは複数)の除去のことをいう。
「再発または抗療性(refractory)」は、mTOR阻害剤もしくは低酸素活性化プロドラッグなどの薬剤による治療に抵抗性であるか、または薬剤を用いた治療に応答するが、かかる薬剤に抵抗性を有するかもしくは有することなく再発する癌の種類のことをいう。
TH-281は、式:
Figure 2015500884

の化合物のことをいう。
TH-302は、式:
Figure 2015500884

の化合物のことをいう。
TH-308は、式:
Figure 2015500884

の化合物のことをいう。
薬物または薬剤の「治療有効量」は、癌または別の過剰増殖性疾患を有する患者に投与された場合に、意図された治療効果、例えば患者における癌または別の過剰増殖性疾患の一つ以上の発現の緩和(alleviation)、改善、緩和(palliation)または排除を有する薬物または薬剤の量のことをいう。一用量の投与によっては、治療効果は必ずしも生じるわけではなく、一連の用量の投与後のみに生じることがある。したがって、1回以上の投与において治療有効量が投与され得る。
「治療する」または症状または患者の「治療」は、臨床結果を含む有益または所望の結果を得るための工程を行うことをいう。本発明の目的について、有益または所望の臨床結果としては、限定されないが、条件的生存および腫瘍負荷もしくは体積の低減などの癌もしくは別の過剰増殖性疾患の一つ以上の症状の緩和もしくは改善、疾患の程度の低減、疾患の進行の遅延もしくは疾患の進行を遅らせること、疾患状態の改善、緩和もしくは安定化、または他の有益な結果が挙げられる。
本発明は部分的に、mTORの薬理学的な阻害は、本発明の方法に従って投与された場合、TH-302および式Iの他の薬物の効力を増強し得るという発見から生じる。以下の実施例に説明されるように、TH-302と組み合わせたエベロリムスの投与およびTH-302と組み合わせたテムシロリムスの投与は、RCCおよび神経芽腫モデルを含む癌の動物モデルにおいて、いずれの薬剤の単独投与を超える、優れた効力を示した。従って、エベロリムスまたはテムシロリムスと組み合わせての、本発明に従うTH-302などの低酸素活性化プロドラッグの投与は、癌治療の結果を改善し得る。
以下の実施例に記載される動物モデルに示されるように、エベロリムスと組み合わせてのTH-302の投与は、単一療法におけるいずれの薬剤の使用に対しても、効力プロフィールを改善した。以下の実施例1に記載されるように、RCCのCaki-1モデルにおいて、87%の腫瘍成長阻害(TGI)が、組み合わせ療法群において達成され、それに対して、エベロリムス単一療法からは52% TGIであり、またはTH-302単一療法からは57% TGIであった。以下の実施例1に記載されるRCCの786-Oモデルにおいて、エベロリムス単一療法は、49% TGIを提供し、一方、TH-302単一療法は、統計的に有意なTGIを示さなかった。しかし、TH-302が、本発明の方法に従って、エベロリムスと組み合わせて投与された場合、85% TGIが達成された。両方のモデルにおいて、体重減少(body weight loss)は、単一療法治療群および組み合わせ療法治療群の両方において5%未満であり、薬物毒性が最小であるまたは薬物毒性がないことと一致する。
従って、本発明の種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、癌を治療するために、エベロリムスと組み合わせて投与される。エベロリムスは、1日に1回の投与について承認されており、本発明の組み合わせ療法の種々の態様において、エベロリムスは、1日あたり1回の頻度で、FDA承認投薬量で投与され、これらの態様の多くにおいて、患者は、少なくとも5日の期間にわたって、および、しばしば、数週間から数か月以上の間、エベロリムスの複数回投与を受ける。以下に、より十分に記載するように、TH-302および式Iの他の化合物は、1週間あたり1回以下の頻度で都合よく投与され得、本発明の種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、上記に記載されるように投与されるエベロリムスと組み合わせて投与され、TH-302は、1週間あたり1回以下の頻度で投与される。これらの種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、4週間のサイクルにおいて投与され、ここで、TH-302は、連続する3週間の間、1週間あたり1回投与され、第4週には投与されない。これらの種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、3週間のサイクルで投与され、ここで、TH-302は、連続する2週間の間、1週間あたり1回投与され、第3週には投与されないか、または、ここで、TH-302は、3週のサイクルの第1週にのみ投与される。しかし、以下に記載するように、TH-302は、1週間あたり1回を超える頻度でも、エベロリムスと組み合わせて投与され得る。任意のこれらの態様において、化合物がTH-302である場合、用量は、以下に記載されるとおり、即ち、240〜670mg/m2であり得る。エベロリムスおよびTH-302または式Iの別の化合物が同じ日に与えられる場合、次いで、TH-302または式Iの別の化合物は、典型的に最初に与えられ、エベロリムスは、TH-302または式1の他の化合物の投与が停止された後、少なくとも30分間、および、しばしば、少なくとも2時間〜少なくとも4時間投与されない。任意の前述の態様において、癌は、RCCまたは神経芽腫であり得る。
以下の実施例3に記載されるように、同様に印象的な結果が、本発明の方法に従うTH-302と組み合わせての、RCCの治療における使用についても承認されているmTOR阻害剤であるテムシロリムスの同時投与によって得られた。786-Oモデルにおいて、テムシロリムス単一療法は、113%のTGIを提供し、一方、組み合わせ療法は、137-142%のTGIを提供した(腫瘍退行があった)。テムシロリムス単独での治療は、3%の体重減少を生じ、組み合わせ療法は、8-9%の体重減少を生じた。治療を停止した場合、体重は、正常に戻った。Caki-1モデルにおいて、組み合わせ療法についてのTGIは、100-101%であり、それと比べて、TH-302またはテムシロリムス単一療法についてのTGIは、90%未満であった。786-Oモデルにおける結果と類似していることに、組み合わせ療法治療群における最大体重減少は、7-9%であり、治療を停止した場合、正常に戻った。
従って、本発明の種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、癌を治療するために、テムシロリムスと組み合わせて投与される。テムシロリムスは、1週間に1回の投与について承認されており、本発明の組み合わせ療法の種々の態様において、テムシロリムスは、1週間あたり1回以下の頻度でFDA承認投薬量で投与され、これらの態様の多くにおいて、患者は、多くの週から数か月以上の期間にわたって、テムシロリムスの複数回投与を受ける。以下に、より十分に記載するように、TH-302および式Iの他の化合物は、1週間あたり1回以下の頻度で都合よく投与され得、本発明の種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、上記に記載されるとおり投与されるテムシロリムスと組み合わせて投与され、両方の化合物は、1週間あたり1回以下の頻度で投与される。これらの種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、4週間のサイクルにおいて投与され、ここで、TH-302は、連続する3週間の間、1週間あたり1回投与され、第4週には投与されない。これらの種々の態様において、TH-302または式Iの別の化合物は、3週間のサイクルにおいて投与され、ここで、TH-302は、連続する2週間の間、1週間あたり1回投与され、第3週には投与されないか、または、ここで、TH-302は、3週のサイクルの第1週にのみ投与される。任意のこれらの態様において、化合物がTH-302である場合、用量は、以下に記載されるとおり、即ち、240-670mg/m2であり得る。テムシロリムスおよびTH-302または式Iの別の化合物が同じ日に与えられる場合、次いで、TH-302または式Iの他の化合物は、典型的に最初に与えられ、テムシロリムスは、TH-302または式1の他の化合物の投与が停止された後、少なくとも30分間、および、しばしば、少なくとも2時間〜少なくとも4時間投与されない。任意の前述の態様において、癌は、RCCまたは神経芽腫であり得る。
以下の実施例4は、RCC動物モデルにおける研究を記載し、これは、エベロリムスまたはテムシロリムスのいずれかの投与は、ビヒクル対照の投与に比べて、腫瘍低酸素を有意に増大することを示す。TH-302は、Caki-1モデルにおける腫瘍中の低酸素領域のサイズを低減するが、786-Oモデルでは低減しない。興味深いことに、TH-302と組み合わせてのいずれかのmTOR阻害剤の共投与は、エベロリムスまたはテムシロリムスのいずれか単独によって引き起こされるものに比べて腫瘍低酸素を低減する。
動物モデル研究はまた、本発明の組み合わせ療法が、神経芽腫の治療に非常に効果的であることを示す。以下の実施例2に記載されるように、異所性SK-N-BE(2)神経芽腫モデルにおいて、TH-302またはエベロリムス単独は、それぞれ、45% TGIおよび40% TGIを示したが、組み合わせ療法は、64% TGIを達成した。重要なことには、毒性指標である体重減少は、試験された全ての群において微小(<5%)であり、単一療法に比べて、組み合わせ療法について有意な付加毒性がなかったことを示した。
まとめると、これらの研究の結果は、TH-302および式Iの他の化合物は、mTOR阻害剤が治療利益を提供する任意の癌療法における効力を改善するために、mTOR阻害剤と組み合わせて投与され得ることを示す。
低酸素活性化プロドラッグ投与
一局面において、本発明は、癌の治療を必要とする患者に、治療有効量の式Iの低酸素活性化プロドラッグおよび治療有効量のmTOR阻害剤を投与し、それにより癌を治療する工程を含む、癌の治療方法を提供する。一態様において、以前にmTOR阻害剤または式Iの低酸素活性化プロドラッグで治療されたが、治療にも関わらず癌が進行しているか、または癌の進行のために治療が中断された患者に組み合わせ療法が施与される。別の態様において、組み合わせ療法は、以前にmTOR阻害剤および/または低酸素活性化プロドラッグ以外の抗癌薬(1つまたは複数)で治療されたが、治療にも関わらず癌が進行している患者に、施与される。別の態様において、組み合わせ療法は、以前に抗癌薬で治療されなかった癌患者に施与される。以下に記載するように、種々の投薬スケジュールが、本発明に従って使用され得る。種々の態様において、mTOR阻害剤およびTH-302または式Iの別の化合物が同じ日に与えられる場合、次いで、TH-302または式Iの他の化合物は、典型的に最初に与えられ、mTOR阻害剤は、TH-302または式1の他の化合物の投与が停止された後、少なくとも30分間、および、しばしば、少なくとも2時間〜少なくとも4時間投与されない。
種々の態様において、式Iの低酸素活性化プロドラッグは、TH-281、TH-302およびTH-308からなる群より選択される。一態様において、投与される低酸素活性化プロドラッグはTH-302である。種々の態様において、TH-302または他の式Iの低酸素活性化プロドラッグは、1日に1回、3日毎に1回、毎週に1回、2週間毎に1回または3週間毎に1回以下の頻度で投与される。種々の態様において、TH-302または他の式Iの低酸素活性化プロドラッグは非経口投与される。種々の態様において、TH-302または他の低酸素活性化プロドラッグは経口投与される(参照により本明細書に援用される、2011年4月13日に出願されたPCT出願PCT/US2012/033671参照)。
一態様において、低酸素活性化プロドラッグはTH-302であり、これは、約240mg/m2〜約670mg/m2の1日用量で投与される。この範囲におけるTH-302の用量についての適切な投与スケジュールとしては、以下:
575mg/m2で1週間に1回;
670 mg/m2で3週間毎に1回;
300、340または480mg/m2で、21日のサイクル中、1日目および8日目;
240または340mg/m2で、21日のサイクル中、1日目、8日目および15日目;
240〜480mg/m2で、21日のサイクル中、1日目、4日目、8日目および11日目;
460mg/m2で、21日のサイクル中、1日目〜5日目;
240〜575mg/m2で、28日のサイクル中、1日目、8日目および15日目;
240〜575mg/m2、例えば480mg/m2で、28日のサイクル中、8日目、15日目および22日目、ここで、mTOR阻害剤投与は、1日目に開始される;ならびに
240〜670mg/m2で2週間毎に1回、これは手術に続き得る、
が挙げられる。上記スケジュールのそれぞれは、治療の「サイクル」と考えられ得る。一般に患者は、1サイクルよりも多くの治療を受けるが、治療のそれぞれのサイクルの間に、少なくとも1日、より一般的には1週間以上の中断があり得る。式Iの他の化合物は、一般的に、上記のスケジュールに、および、TH-302に比べて該化合物がどれほど活性であるかを考慮して調整された量に従って投薬される。
mTOR阻害剤を、本発明の低酸素活性化プロドラッグと組み合わせる場合、mTOR阻害剤は、本明細書の以下に開示される量および投薬頻度で、またはこの開示を考慮した当業者に対して明らかな量および頻度で、限定されないが、FDAなどの規制当局により癌の治療について承認された量および頻度などで投与される。
種々の態様において、治療される患者の癌は、転移性の癌または第1、第2もしくは第3のラインの治療に対して抗療性であり得る抗療性および/または再発性の癌である。種々の態様において、本発明の治療方法は、第1、第2または第3のラインの治療として施与される。本明細書で使用する場合、句「第1のライン」または「第2のライン」または「第3のライン」は、患者が受ける治療の順序のことをいう。第1のラインの治療は、診断後に与えられる最初の治療であり、第2または第3のラインの治療は、それぞれ、第1のラインの治療の後または第2のラインの治療の後に与えられる。そのため、第1のラインの治療は、疾患または状態についての第1の治療である。癌を有する患者において、第1のラインの治療は、手術、化学療法、放射線療法またはこれらの治療の組み合わせであり得る。第1のラインの治療はまた、第1の療法または第1の治療として当業者に呼ばれる。典型的に、患者は、第1のラインの療法に対して陽性の臨床的な応答を示さなかったか、またはわずかに陽性の応答のみを示したか、または第1のラインの治療が陽性応答の後停止されたが癌が再発した場合、患者はその後の化学療法計画(regimen)を受ける。この文脈において、「化学療法」は、古典的な細胞傷害性化学療法だけでなく、分子標的化療法および免疫療法を組み込んだ、その最も広い意味で使用される。
別の局面において、本発明の治療法は、癌以外の過剰増殖性疾患を治療するために使用される。
低酸素活性化プロドラッグの調製方法および医薬組成物、ならびに種々の式Iの低酸素活性化プロドラッグを投与することにより癌を治療する他の方法がDuan et al., J. Med. Chem. 2008, 51, 2412-2420、ならびにPCT公報第2007/002931号、第2008/083101号、第2010/048330号、第2012/006032号および第2012/009288号、ならびにPCT特許出願PCT/US2012/031677号およびPCT/US2012/033671号(該文献のそれぞれは参照により本明細書に援用される)に記載される。
本発明の方法と組み合わせて使用され得る、癌を治療する他の方法は当業者に公知であり、例えばPhysician's Desk Reference, Medical Economics Company, Inc., Oradell, NJの2010年以降の最新版;Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics., Eds. Hardman et al., McGraw-Hill. New York. (US) 2011, 第12版、ならびに米国食品医薬品局およびNCCNガイドライン(National Comprehensive Cancer Network)の公報に見られる製品記載に記載される。かかる方法は、本発明の治療方法を実施するために、この開示を参照して、当業者により適切に改変され得る。
一態様において、TH-302は、100mgのバイアル中に提供され、凍結乾燥され、D5Wに溶解され、注入ポンプを介して、約30〜60分間かけて静脈(i.v.)投与される。注入容量は、注入の間に与えられる総用量(mg)に依存する。約1000mg未満の用量が注入される場合は、約500mLのD5Wが注入に使用される。用量が約1000mgよりも多い場合、約1000mLのD5Wが注入に使用される。TH-302(または式Iの別の化合物)およびmTOR阻害剤が同じ日に患者に投与される種々の態様において、TH-302(または式Iの他の化合物)が最初に投与され、mTOR阻害剤は、約30分から4時間以上の遅延の後にのみ投与される。
mTOR阻害剤投与
任意のmTOR阻害剤が、本発明に従って、低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて投与され得る。種々の態様において、低酸素活性化プロドラッグは、式Iの化合物である。種々の態様において、式Iの化合物はTH-302である。本発明に従う有用な種々の例示的かつ非限定的なmTOR阻害剤および若干のこれらの例示的かつ非限定的な投薬スケジュールは、以下に記載される。
AZD8055は、0.8nMのIC50を有する選択的でかつ経口的に生体利用可能な(bioavailable)ATP-競合性mTORキナーゼ阻害剤であり、これは、本発明の方法および組成物に有用である。これは、10、20、40、60、90、または120mgで1日に2回(BD)癌患者に経口投与され、本発明の方法におけるかかる用量および頻度で、患者に投与され得る。参照により本明細書に援用されるBanerji et al., J. Clin. Oncol. 29: 2011(suppl; abstr 3096)参照。多形グリア芽腫、未分化星状細胞腫、退形成型希突起膠腫、悪性神経膠腫および脳幹神経膠腫などの脳の癌を治療するために、AZD8055は、1日に1回120mgで投与され得、この用量は、本発明の方法における使用のために適切である。この治療計画において、患者は、外科的治療群または非外科的治療群であるかどうかに依存して、異なって治療され得る。非外科的治療群の患者は、例えば、42日サイクルの治療の間、毎日AZD8055を経口摂取し得る。外科的治療群の患者は、7日間、毎日AZD8055を経口摂取し得、次いで、腫瘍除去手術を受け、次いで、手術の少なくとも3週後、患者は、AZD8055の投与を再開し、該薬物を摂取し続け、TH-302などの低酸素活性化プロドラッグは、手術前治療期間もしくは手術後治療期間のいずれかまたは両方において、組み合わせて投与され得る。従って、本発明の一態様において、AZD8055は、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、120mgまでの1日量で投与される。本発明の方法の種々の態様において、AZD8055の1日量は、10、20、40 60、90、または120mgである。本発明の方法の種々の態様において、AZD8055は毎日投与される。
BEZ235(NVP-BEZ235)は、本発明の方法および組成物における使用のために適切なPI3KおよびmTOR(IC50<6nM)の阻害剤である。癌の治療のために、これは、10mg〜1100mgの範囲の用量で、ゼラチンカプセルとして1日1回投与され(参照により本明細書に援用されるBurris et al., J. Clin. Oncol. 28:15s, 2010 (suppl; abstr 3005)参照)、この単位投与形態およびこれらの投薬量は、本発明の方法に従って使用され得る。BEZ235は、本発明の方法に従って、800mg、1000mg、1400mgおよび1600mgで1日1回、SDS(固体分散系)サシェ(sachet)としても投与され得る。従って、本発明の種々の態様において、BEZ235は、1600mgまでの1日量で投与される。種々の態様において、BEZ235の1日量は、限定されないがTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと共投与した場合、800mg、1000mg、1400mgまたは1600mgである。他の態様において、BEZ235の1日量は、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて投与した場合、100、200、300、400、500、600または700mgである。本発明の方法の種々の態様において、AZD8055は毎日投与される。
デフォロリムス(リダフォロリムス)は、本発明の方法および組成物における使用のために適切なmTORの低分子阻害剤である。デフォロリムスは、例えば、進行しかつ以前に治療された肉腫を治療するために、2週間毎に5日間、1日1回、30分の静脈注入(infusion)として、12.5mgの用量で投与され得る。従って、本発明の一態様において、デフォロリムスは、限定されないがTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、12.5mgの量で投与される。種々の態様において、デフォロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1日1回投与される。種々の態様において、デフォロリムスは、2週間毎に少なくとも5日間、1日1回投与される。
エベロリムス(RAD001)は、SDZ-RAD、サーティカン、ゾルトレス(zortress)、またはアフィニトール(afinitorm)としても公知だが、0.6nMのIC50を有するmTOR阻害剤であり、これは、本発明の方法および組成物における使用のために適切である。エベロリムスは、膵臓起源の進行した進行性神経内分泌腫瘍または腎細胞癌の治療のために、TH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1日1回、5mg/日、10mg/日または20mg/日、典型的には、10mg/日で投与され得る。エベロリムスは、また、上衣下巨細胞星状細胞腫の治療のために、体表面積に基づく初期用量で、5-10ng/mLのトラフ濃度を達成するためのその後の滴定を伴って、本発明の方法に従って投与され得る。エベロリムスは、2.5mg、5mg、7.5mg、および10mg錠剤として市販されている。かかる錠剤は、賦形剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース一水和物、ヒプロメロース(hypromellose)、クロスポビドンおよび無水ラクトースを含む。従って、本発明の一態様において、エベロリムスは、本明細書に記載されるように投与されるTH-302などの式Iの化合物の投与と組み合わせて、5-20mgの1日量で毎日投与される。本発明の方法の種々の態様において、投与されるエベロリムスの1日量は、5、10、15または20mgである。本発明の方法の種々の態様において、エベロリムスは、毎日投与される。
OSI-027は、本発明の方法および組成物における使用のために適切な別のmTOR阻害剤である。進行した固形腫瘍またはリンパ腫を有する患者は、3つのスケジュール、1-3日目 q7d(S1)、1週間に1回(S2)および1日1回連続して(S3)で、OSI-027の種々の用量を受け、ここで、S1およびS2スケジュール患者は、10、15および20mgで投与され、S3患者は、5、10および20mgで投与される(参照により本明細書に援用されるTan et al., J. Clin. Oncol. 28:15s, 2010(suppl; abstr 3006)参照)。従って、本発明の一態様において、OSI-027は、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、20mgまでの1日量で投与される。本発明の方法の種々の態様において、投与されるOSI-027の1日量は、5、10、15または20mgである。本発明の方法の種々の態様において、OSI-027は、毎日投与されるか、または1週間に3回投与されるか、または1週間に1回投与される。
ラパマイシン(シロリムス)は、ラパミューン(rapamune)としても公知であるが、本発明の方法および組成物において有用なmTOR阻害剤である。ラパマイシンは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1週間に1回投与される10、20、30および60mgの用量で、癌患者に投与され得る。腎細胞癌の治療のために、シロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、単独またはエルロチニブと組み合わせて、単回6mg負荷用量および、次いで2mgの1日用量として、投与され得る。肝細胞癌を治療するために、シロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1週間に1回、30mgで経口投与され得る。転移性粘液様(mixoid)G2またはG3(FNCLCC)軟骨肉腫などの粘液様(mixoid)軟骨肉腫の治療のために、シロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、28日毎に、1-7日目および15-21日目の経口シクロフォスファミド200mg/日と組み合わせて、1-21日目に、投与され得る(1mg×3/日)。再発性多形グリア芽腫の治療のために、シロリムスは、2mg/日で投与され得、4-12ナノグラム/mlの血清レベルを達成するように調節され、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、連続的経口毎日投与で、ゲフィチニブと組み合わせて共投与され得る。
従って、本発明の一態様において、シロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、低用量で毎日投与される。かかる低用量療法におけるシロリムスの1日量は、例えば、限定されないが2-3mgであり得る。従って、投与されるシロリムスの1日量は、2または3mgであり得る。別の態様において、シロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1週間に1回、高い1日用量で投与される。かかる高用量療法におけるシロリムスの1日量は、約5mgから約60mgまでの範囲にある。種々の態様において、高用量療法の1日量は、10mg、20mg、30mgまたは60mgである。
テムシロリムス(トーリセル)は、本発明の方法および組成物における使用のために適切なmTOR阻害剤である。テムシロリムスは、例えば、腎細胞癌を治療するために、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1週間に1回、30-60分の期間にわたって注入される25mgの用量で投与され得る。トーリセルは、典型的に25mg/mLで処方され、投与前に希釈される。テムシロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、抗療性固形悪性疾患を有する患者において3週間毎に投与されるドセタキセルと組み合わせて1週間に1回投与され得、ここで、テムシロリムスおよびドセタキセルの以下の量が投与される:60mg/m2ドセタキセル/15mg/m2テムシロリムス、60mg/m2ドセタキセル/25mg/m2テムシロリムス、および50mg/m2ドセタキセル/15mg/m2テムシロリムス。ユーイング肉腫について、テムシロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、単独または1週間に1回i.v.投与されるシクツムマブ(cixutumumab)6mg/kgと組み合わせて、4週間のサイクルにおいて、毎週25mgでi.v.投与され得、8週間後に再分類され得る。去勢抵抗性転移性前立腺癌の治療のために、テムシロリムスは、1週間に1回およびPSA/CTC進行(progression)の際に、抗アンドロゲンと組み合わせて、およびいずれの様式でも、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、25mgをi.v.投与され得る。従って、本発明の一態様において、テムシロリムスは、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、1週間に1回、25mgの1日量で投与される。種々の態様において、テムシロリムスは、1週間に1回、25mg/m2または約35mgの1日量で投与される。
XL765は、本発明の方法および組成物における使用のために適切な、mTOR、p110α、β、γおよびδについて、それぞれ、157、39、113、9および43nMのIC50値を有する混合型mTOR/PI3k阻害剤である。XL765は、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、28日サイクルの間、1日1回(例えば、70、90および100mg単位用量)および1日2回(例えば、15、35、50および60mg単位用量)、癌患者に投与され得る。従って、本発明の一態様において、XL765は、本明細書に記載されるように投与される非限定的にTH-302を含む式Iの低酸素活性化プロドラッグと組み合わせて、100mgまでの1日量で投与される。種々の態様において、XL765は、15、30、50、70または90mgの1日量で投与される。種々の態様において、XL765は、1日1回投与される。他の態様において、XL765は、1日2回投与される。
以下の化合物は、本発明の方法および組成物に有用な他のmTOR阻害剤である。クリソファン酸(クリソファノール)は、EGFR/mTOR経路阻害剤である。GSK1059615は、PI3Kα(0.4nM)、β(0.6nM)、γ(5nM)、δ(2nM)およびmTOR(12nM)のIC50値を有する汎(pan)-PI3K可逆的阻害剤である。GSK2126458は、PI3Kについて19pMのKiを有するPI3KおよびmTOR阻害剤である。KU-0063794は、mTORC1およびmTORC2について、それぞれ、10nMのIC50を有するmTOR阻害剤である。NU7441は、DNA-PK、mTORおよびPI3-Kについて、それぞれ、0.01、1.7および5μMのIC50値を有する選択的DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)阻害剤である。パロミド(Palomid)529(P529)は、NCI-60細胞株パネルにおいて<35μMのGI50を有する抗腫瘍PI3K/Akt/mTOR阻害剤である。PI-103は、DNA-PK、p110α、mTORC1、PI3-KC2β、p110δ、mTORC2、p110βおよびp110γについて、それぞれ、2、8、20、26、48、83、88、150nMのIC50値を有する細胞浸透性ATP競合性PIK3ファミリーメンバーの阻害剤である。PKI-587は、PI3K-αおよびmTORについて、それぞれ、0.4nMおよび<0.1μMのIC50を有する高度に二元性(dual)のPI3K/mTORキナーゼ阻害剤である。PP242は、8nMのIC50を有する選択的mTOR阻害剤である。WAY-600は、9nMのIC50を有するATP競合性mTOR阻害剤である。WYE-125132は、0.19nMのIC50を有するATP競合性かつ特異的mTORキナーゼ阻害剤である。WYE-354は、5nMのIC50を有するmTOR阻害剤である。WYE-687は、7nMのIC50を有するATP競合性mTOR阻害剤である。
したがって、本発明によると、TH-302または別の式Iの化合物は、任意に他の治療と組み合されて、mTOR阻害剤と共投与される。本発明の医薬組成物中の一つより多くの化合物を使用することにより相乗効果が達成され得、すなわち、式Iの化合物は、式Iの別の化合物、またはmTOR阻害剤、またはその両方、または別の抗癌剤のいずれかである、活性成分としての少なくとも別の薬剤と組み合される。本発明の方法に有用な活性成分は、同時に(混合製剤として)または連続してのいずれかで使用され得る。したがって、本発明はまた、哺乳動物において異常な細胞増殖または癌を阻害するための化合物または医薬組成物に関し、該化合物または医薬組成物は、ある量の別のmTOR阻害剤(および任意に別の抗癌治療薬)と組み合された、ある量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、該化合物、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグおよびmTOR阻害剤(および別の抗癌治療薬)のある量は一緒になって、患者における異常な細胞増殖または癌の阻害に有効である。したがって、本明細書に記載される組み合わせ療法は、公知の抗癌剤と組み合わせた使用に適している。
本発明はまた、式Iの化合物およびmTOR阻害剤(またはその薬学的に許容され得る塩、誘導体、溶媒和物および立体異性体、例えば全ての割合のその混合物、ならびに任意に、有効量のさらなる医薬活性成分)の有効量の別々のパックからなる、キット中にパッケージ化され得る一連の品目に関する。該セットまたはキットは、箱、個別の瓶、袋またはアンプルなどの適切な容器を含む。例えば、該セットは、それぞれが有効量の式Iの化合物およびmTOR阻害剤(またはその薬学的に許容され得る塩、誘導体、溶媒和物および立体異性体、例えば全ての割合のその混合物および任意に有効量のさらなる医薬活性成分)を含み、それぞれが溶解形態または凍結乾燥形態である、別々のアンプルを含み得る。本発明のセットまたはキットはまた、癌などの疾患を治療するために本発明に従って化合物をどのように投与するかを説明する、書面の指示書を含む物品または書面の指示書にユーザーを案内する物品を含み得る。
本発明はまた、異常な細胞増殖活性により生じ、媒介され、および/または広げられる癌などの疾患の予防もしくは治療的処置のため、および/または該疾患のモニタリングのための、式Iの化合物およびmTOR阻害剤化合物および/またはその生理学的に許容され得る塩の使用に関する。
さらに、本発明は、異常な細胞増殖活性により生じ、媒介され、および/または広げられる癌などの疾患の予防的もしくは治療的処置のため、および/または該疾患のモニタリングのための医薬の製造のための、式Iの化合物およびmTOR阻害剤および/またはその生理学的に許容され得る塩の使用に関する。
式Iの化合物およびmTOR阻害剤および/またはその生理学的に許容され得る塩はまた、さらなる医薬活性成分の調製のための中間体として使用され得る。好ましくは、該医薬は、例えば活性成分と、少なくとも1つの固体、液体および/または半液体担体もしくは賦形剤とを合わせることにより、および任意に適切な剤型の1つ以上の他の活性物質と組み合わせて、非化学的な様式で調製される。
本発明の別の対象は、異常な細胞増殖活性により生じ、媒介され、および/または広げられる癌などの疾患の予防的もしくは治療的処置、および/または該疾患のモニタリングにおける使用のための、本発明の式Iの化合物およびmTOR阻害剤および/またはその生理学的に許容され得る塩である。本発明の別の好ましい対象は、癌などの過剰増殖性障害の予防的もしくは治療的処置および/または該障害のモニタリングにおける使用のための、本発明の式Iの化合物およびmTOR阻害剤および/またはその生理学的に許容され得る塩に関する。
式Iの化合物およびmTOR阻害剤に関する、その任意の好ましい態様を含む本明細書のこれまでの教示は、過剰増殖性障害の予防的もしくは治療的処置および/または該障害のモニタリングにおける使用のための式Iの化合物およびmTOR阻害剤およびそれらの塩に限定されることなく、有効かつ適用可能である。
本開示を読む際に当業者に明らかであるように、本発明の方法および組成物において使用されるmTOR阻害剤は、当業者に公知の種々の方法において製剤化され得る。特定のmTOR阻害剤の例示的製剤は、当該分野で公知であり、市販されている。
実施例1.RCCの治療のためにエベロリムスと組み合わせたTH-302のインビボ活性
2つの腎細胞癌(RCC)異所性異種移植片モデルを、Caki-1または786-O細胞のヌードマウスの側腹部(flank)への皮下移植によって確立した。腫瘍サイズが約150mm3であったとき、動物を、エベロリムス(5mg/kg、QD×19、p.o.)、TH-302(50mg/kg、QD×5/週×3週、i.p.)またはエベロリムスおよびTH-302の両方で治療した。組み合わせ群において、両方の薬物を、1日目に投与した。Caki-1モデルにおいて、組み合わせ群において87% TGIが観察され、それに対して、エベロリムス単一療法からは52% TGIであるかまたはTH-302単一療法からは57% TGIであった。免疫組織化学を使用した薬力学的研究は、エベロリムスの治療の7日後、細胞増殖(核抗原Ki67の発現により測定した)、微小血管(microvessel)密度(脈管形成マーカーCD31による)およびS6リボソームタンパク質(p-S6)のリン酸化は、有意に低下し、腫瘍組織における低酸素の上昇と一致したことを示した。786-Oモデルにおいて、エベロリムス単一療法は、49% TGIを生じ、一方、TH-302単一療法は、統計的に有意な効力を示さなかった。しかし、TH-302をエベロリムスと合わせた場合、85%のTGIが達成された。両方のモデルにおいて、体重減少(body weight loss)は、単一療法治療群および組み合わせ療法治療群の両方において5%未満であり、最小の薬物毒性または薬物毒性なしと一致した。これらのインビボモデルにおいてみられる組み合わせ療法のインビボ相加性と対照的に、TH-302は、インビトロ細胞傷害性アッセイにおいてエベロリムスとの相加的効果は示さなかった。細胞を、通常酸素または低酸素のいずれかの下、2時間、TH-302および10-20μMのエベロリムスで処理した。洗浄により薬物を除去した後、細胞を、新しい培地で、37℃でさらに3日間、エベロリムスの存在下でインキュベートした。AlamarBlueを用いて細胞生存力を測定した。この観察は、癌細胞自律的相乗性(autonomous synergy)ではなく、微小環境における相加性と一致する。
実施例2.神経芽腫を治療するためのエベロリムスと組み合わせたTH-302のインビボ活性
エベロリムスと組み合わせてのTH-302の抗腫瘍活性は、SK-N-BE(2)細胞の移植によって生成される異所性神経芽腫において示された。腫瘍サイズが約150mm3であったときに、動物を、エベロリムス(5mg/kg、QD×19、経口)、TH-302(50mg/kg、QD×5/週×3週、i.p.)またはエベロリムスおよびTH-302の両方で治療した。エベロリムスおよびTH-302の投与は、同じ日に開始した。TH-302またはエベロリムス単一療法は、それぞれ、45% TGIおよび40% TGIを示したが、組み合わせ療法は、64% TGIを達成した。重要なことに、毒性指標である体重減少は、試験された全ての群において非常に微小(<5%)であり、エベロリムスとの組み合わせにおいてTH-302により有意には増加しなかった。TH-302は、インビトロ細胞傷害性アッセイにおいてエベロリムスにより相加的効果を示さない。
実施例3.RCCを治療するためのテムシロリムスと組み合わせてのTH-302のインビボ活性
腎細胞癌(RCC)異所性異種移植片を、Caki-1または786-O細胞のヌードマウスの側腹部への皮下移植により確立した。腫瘍サイズが約150mm3であったときに、動物を、テムシロリムス(20mg/kg、QD×19、i.p.)、TH-302(50mg/kg、QD×5/週×2〜3週、i.p.)またはテムシロリムスおよびTH-302の両方で、2つの異なるスケジュールで治療した。1つの組み合わせ治療群において、テムシロリムスおよびTH-302の投与は、両方とも1日目に開始した;もう一方の組み合わせ治療群において、TH-302投与は、最初のテムシロリムスの投与の後8日目に開始した。従って、2つのTH-302単一療法群は、比較群として役に立った(1つの群は1日目に開始し、もう1つの群は8日目に開始する)。786-Oモデルにおいて、テムシロリムスは、単一療法として有意な阻害を示し、113%のTGIを提供した;驚くべきことに、抗腫瘍活性は、組み合わせ療法群において、TGI 137-142%に上昇した。Caki-1モデルにおいて、102% TGIが、組み合わせ療法群の1日目に観察され、101% TGIが、組み合わせ療法群の8日目に観察され、これらは、テムシロリムス単一療法群からの79% TGI、単一療法群1日目のTH-302からの79% TGI、および単一療法群8日目のTH-302からの89%と好ましく対比(compare)された。両方のモデルにおいて、テムシロリムス単一療法は、5%未満の最大体重減少を生じ、TH-302との組み合わせ療法は、8-10%の体重減少を生じた。体重は、治療を停止した場合、正常に戻った。
実施例4.TH-302は、RCC異種移植片腫瘍において、mTOR阻害剤誘導性低酸素を低減する
786-OまたはCaki-1 RCC異種移植片腫瘍を保持するヌードマウスを、4つの群(6-8マウス/群):それぞれ、ビヒクル、mTOR阻害剤、TH-302単一療法、およびmTORと組み合わせたTH-302にランダム化した。mTOR阻害剤単一療法群において、動物に、QD×8計画で投与し、腫瘍を最後の治療の4時間後にサンプリングした。TH-302単一療法群において、150mg/kgを、動物に腹腔内的に投与し、腫瘍を、TH-302治療の72時間後にサンプリングした。組み合わせ療法群において、TH-302を、mTOR阻害剤の最後の投与の4時間後に投与し(QD×8、経口)、腫瘍を、72時間後にサンプリングした。ピモニダゾールを、安楽死処理(euthanization)の1時間前に投与した(腫瘍を、安楽死処理の際にサンプリングした)。
5mg/kgの用量のエベロリムスを、786-O異種移植片モデルに経口投与した。採取した組織の顕微鏡的評価に基づいて、エベロリムスは、腫瘍において低酸素を増大させた。形態計測分析において、腫瘍低酸素割合(fraction)は、ビヒクル処置群において2.3±0.8%であったことと比べると、エベロリムス単一療法群において、6.3±1.5%であった。TH-302単一療法群において、腫瘍低酸素割合は、3.7±1.2%であった。TH-302が、エベロリムスと組み合わせて投与された場合、腫瘍低酸素割合は、5.0±1.7%であった。
20mg/kgの用量のテムシロリムスを、Caki-1異種移植片モデルにおいて腹腔内的に投与した。腫瘍低酸素の有意な増大は、テムシロリムス単一療法群において観察された。腫瘍低酸素割合は、ビヒクル処置群において7.5±1.9%であったことと比べると、テムシロリムス治療後、12.8±0.7%であった(p<0.05)。TH-302単一療法群において、腫瘍低酸素割合は、4.3±0.7%であった。TH-302が、テムシロリムスと組み合わせて投与された場合、低酸素割合は、7.9±0.5%であり、テムシロリムス単一療法群において観察されたものとは有意に異なった(p<0.05)。
本発明は、特定の局面、態様および最適な特徴に関して特に開示されているが、かかる局面、態様および最適な特徴の改変、改善および変更が、本発明の範囲内でなされ得ることは、当業者により理解される。

Claims (12)

  1. 癌を治療するための方法であって、かかる治療を必要とする患者に、治療有効量のmTOR阻害剤と組み合わせた治療有効量の低酸素活性化プロドラッグを投与する工程を含む、方法。
  2. 低酸素活性化プロドラッグが、式I:
    Figure 2015500884

    (式中、
    Y2は、O、S、NR6、NCOR6またはNSO2R6であり;
    R6は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
    R3およびR4は独立して、2-ハロアルキル、2-アルキルスルホニルオキシアルキル、2-ヘテロアルキルスルホニルオキシアルキル、2-アリールスルホニルオキシアルキルおよび2-ヘテロアルキルスルホニルオキシアルキルからなる群より選択され;
    R1は、式L-Z3を有し;
    Lは、C(Z1)2であり;
    各Z1は独立して、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C6アシル、C1-C6ヘテロアシル、アロイルもしくはヘテロアロイルであり;
    またはLは:
    Figure 2015500884

    であり;
    Z3は:
    Figure 2015500884

    からなる群より選択される式を有する生体還元性(bioreductive)基であり、
    各X1は独立して、NまたはCR8であり;
    X2は、NR7、SまたはOであり;
    各R7は独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
    R8は独立して、水素、ハロゲン、シアノ、CHF2、CF3、CO2H、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、アリール、CON(R7)2、C1-C6アシル、C1-C6ヘテロアシル、アロイルまたはヘテロアロイルである)
    の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1記載の方法。
  3. 前記mTOR阻害剤が、AZD8055、BEZ235、デフォロリムス、エベロリムス、OSI-027、シロリムス、テムシロリムスおよびXL765からなる群より選択される、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記低酸素活性化プロドラッグがTH-302であり、前記mTOR阻害剤が、エベロリムスまたはテムシロリムスである、請求項3記載の方法。
  5. 前記癌が、脳の癌、去勢抵抗性転移性前立腺癌、ユーイング肉腫、神経芽腫、膵臓起源の神経内分泌腫瘍、腎細胞癌、肉腫および上衣下巨細胞星状細胞腫からなる群より選択される、請求項1〜4いずれか記載の方法。
  6. 前記癌が、神経芽腫、膵臓起源の神経内分泌腫瘍、腎細胞癌、および上衣下巨細胞星状細胞腫からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
  7. TH-302、mTOR阻害剤および少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬製剤。
  8. 前記mTOR阻害剤が、AZD8055、BEZ235、デフォロリムス、エベロリムス、OSI-027、シロリムス、テムシロリムスおよびXL765からなる群より選択される、請求項7記載の医薬組成物。
  9. 腫瘍と、mTOR阻害剤と組み合わせた有効量の式1の化合物を接触させる工程を含む、腫瘍の成長を阻害するインビボ方法。
  10. 腫瘍に、有効量の式1の化合物を共投与する工程を含む、mTOR阻害剤で治療された腫瘍における腫瘍低酸素を低減するインビボ方法。
  11. 前記mTOR阻害剤が、エベロリムスまたはテムシロリムスである、請求項9または10記載の方法。
  12. 式1の化合物がTH-302である、請求項9または10記載の方法。
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