JP2014034534A - HSP90阻害剤とmTOR阻害剤の組み合わせ - Google Patents

HSP90阻害剤とmTOR阻害剤の組み合わせ Download PDF

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Abstract

【課題】HSP90阻害剤と他の抗腫瘍剤との併用療法のための抗腫瘍剤の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるトリアゾール化合物とmTOR阻害剤を含有する抗腫瘍剤。
Figure 2014034534

[式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を、Aは置換基を有するアミノ基を示す]
【選択図】図1

Description

本発明はHSP90阻害活性を有するトリアゾール化合物と、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mammalian target of rapamycin;mTOR)阻害剤を組み合わせた抗腫瘍剤に関する。また、前記HSP90阻害活性を有するトリアゾール化合物を含有することを特徴とする、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果増強剤、並びにmTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる方法に関する。
悪性腫瘍疾患の治療のため、新たな抗腫瘍化学療法の開発が求められている。近年では、細胞増殖に関与するシグナル伝達に関わる増殖因子や増殖因子受容体、並びにシグナル伝達経路に関わるタンパク質等の各種機能性分子が認知されてきている。そこで、これらの機能性分子を標的として、その機能を抑制させることを作用機作とする分子標的抗腫瘍剤が開発されている。
熱ショックタンパク(Heat Shock Protein;HSP)は細胞内に存在する分子シャペロンであり、その分子量によってHSP90、HSP70、HSP60、HSP40、small HSPsなど、幾つかのファミリーに分類される機能性分子である。分子シャペロンとは、タンパク質の機能的高次構造の形成を促進するため、標的タンパク質と一時的に複合体を形成するタンパク質の総称である。すなわち、分子シャペロンは、タンパク質の折り畳みや会合を助け、凝集を抑止する活性を持つ。
HSP90は、細胞内の全可溶性タンパク質の1〜2%を占める豊富に存在する分子シャペロンであり、細胞質に一様に分布しており、主に二量体として存在する。HSP90は、ATPに依存して、変性又は折り畳み状態ではないタンパク質の折り畳みを行なう機能を担う。HSP90は、細胞内のシグナル伝達系に関わる多様なタンパク質と相互作用することが知られている。すなわちHSP90は、多様な標的タンパク質の機能発現に必要な場合が多く、その作用機作は、HSP90が不安定な折り畳み状態にあるタンパク質を特異的に認識して、これと結合して複合体を形成する生化学的特性に基づいている。タンパク質の折り畳みにおけるHSP90単独の活性は弱く、同様の折り畳み活性を持つHSP70、p23など他の分子シャペロン(コシャペロン)と共同で機能している。
癌関連のシグナル伝達に関わる多様な標的タンパク質(ステロイドレセプター、Raf セリンキナーゼ、チロシンキナーゼ類)は、HSP90にその構造構築を依存している。したがって、HSP90が細胞周期の制御、細胞の癌化・増殖・生存シグナルに深く関与していることが明らかになっている。
ヒト腫瘍では多くのシグナル分子の調節が失われており、これらのシグナル分子の機能を維持するために、腫瘍はHSP90を必要としている(非特許文献1)。したがって、HSP90に作用して、その機能を阻害する化合物は、癌関連のシグナル伝達に関わる多様な標的タンパク質の分解を引き起こすことが分かっており、それに基づき癌細胞の増殖を抑制することが知られている。すなわちHSP90阻害剤は、標的タンパク質とHSP90を含むシャペロン複合体の構成を変化させ、該複合体から離脱した標的タンパク質を主にユビキチン・プロテアソ−ム系で分解させる。これによりHSP90の標的タンパク質量が減少し、それに伴う下流へのシグナル伝達を遮断し、癌細胞の増殖を抑制する事により抗腫瘍効果をもたらす。
特に、癌化する過程では複数の遺伝子異常が蓄積されており、タンパク質の変異が生じている。すなわち癌細胞では、生成した変異タンパク質が多く、正常タンパク質からなる正常細胞と比較して、より多くのシャペロン活性を必要とする。このため、多くの癌細胞ではHSP90の発現量が増加していることが知られている。これらのことから、HSP90阻害剤は、正常細胞ではなく癌細胞に選択的に作用することが期待される。さらに癌細胞は、異常なタンパク質発現が認められる事に加え、低酸素状態、栄養飢餓状態に置かれており、一種のストレス状態下にあるため、HSP90によるシャペロン活性への依存度合いが高いことが考えられる。したがって癌細胞は、HSP90阻害剤に対する感受性が、正常細胞と比較して高いことが期待される。そこでHSP90を標的分子とするHSP90阻害剤の探索的研究、並びにその抗腫瘍効果の検証がなされている。
HSP90阻害剤の探索的研究として、特許文献1には、5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体が、HSP90阻害活性を備え、且つ癌細胞増殖阻害活性を兼ね備える化合物である事を記載している。該化合物は動物実験においても優れた抗腫瘍効果を示し、制癌剤として有望であることが報告されている。また、特許文献2または特許文献3でも、HSP90阻害活性を有するトリアゾール化合物を報告している。
哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mammalian target of rapamycin;mTOR)は、セリン/スレオニンキナーゼであり、栄養素のセンサー及び細胞代謝のモニターとしての役割を持ち、様々な刺激に応じタンパク質合成を調節し、細胞の成長、増殖、血管新生、及び生存を調節する。mTORは細胞内情報伝達系において、その上流にはPI3K/AKTが位置し、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路を構成する。このシグナル伝達経路において、上流の多くの因子からシグナルを受容し、受容したシグナルにより複数の下流経路を調節する事から、mTORは多機能性シグナル伝達タンパク質とされている。
mTORは、mRNAの翻訳を広く調節してタンパク質合成に関与している。すなわち、mTORの下流には、セリン/スレオニンキナーゼのp70S6K1が位置する。p70S6K1は、リボゾームタンパク質S6上の重要なアミノ酸残基をリン酸化する事により、リボゾーム生合成に関わるタンパク質の機能を活性化させる機能を有する。また、mTORは4E−BP1のリン酸化も調節しており、4E−BP1によるeIF−4Eの活性化制御により効率的なタンパク質合成を行なっている。
以上のことから、mTORは、増殖因子や栄養素などによる刺激によりタンパク質の合成を調節する主要なセリン/スレオニンキナーゼであり、細胞の成長、増殖、及び血管新生を調節することが知られている。最近、mTORが腫瘍細胞の生理機能(細胞周期のG1期からS期への移行の促進)においても中心的な役割を果たしている事が明らかとなっている。癌細胞では、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路の制御異常が起こっている事が知られており、mTOR阻害剤を、癌細胞の増殖を抑制する抗腫瘍剤として用いるアプローチが注目されている。
mTORの特異的阻害剤として、シロリムス(sirolimus、別称としてラパマイシン(rapamycin))が知られている。シロリムスは、細胞内のFK506結合タンパク質(FKBP−12)と結合して複合体を形成し、この複合体がmTORと結合する事によってmTORの活性を阻害する。その結果、mTOR依存性のタンパク質合成が阻害され、最終的には細胞周期のG1期からS期への進行を抑制する。すなわち、mTORを阻害する事により、細胞の増殖を抑制することができる。
mTOR阻害活性を有する多くのシロリムス誘導体が報告されている。それらの中でエベロリムス(アフィニトール(登録商標))が、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び膵神経内分泌腫瘍を適応症とする抗腫瘍剤として認可されている。更にテムシロリムス(トーリセル(登録商標))が、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌を適応症とする抗腫瘍剤として認可され、臨床に供されている。mTOR阻害剤としてのシロリムス誘導体は、細胞内イムノフィリン受容体であるFKBP−12と結合し、mTORC1(mTOR−RAPTOR複合体)を直接阻害する。また、mTORC2(mTOR−RICTOR)に対する間接的な阻害作用として、シロリムス誘導体とFKBP−12の複合体が遊離mTORと結合する結果、mTORのmTORC2への取り込みを低下させる。このようなmTORが関わるシグナル伝達経路の遮断機構により、細胞増殖抑制効果を発揮すると考えられる。
悪性腫瘍疾患は薬物療法の医療満足度が十分でなく、治療効果を高める事を目的に複数の薬剤を組み合せて用いる併用化学療法が行なわれている。すなわち、抗腫瘍作用の作用機作や副作用の種類が異なる複数の薬剤を組み合わせた併用化学療法が開発されており、治療成績の向上に貢献している。特に近年では、細胞増殖に関与するシグナル伝達に関わる分子を標的とする分子標的抗腫瘍剤が開発され、臨床に供されている。したがって、これら分子標的抗腫瘍剤を用い、更により治療効果の高い併用療法の確立が希求されている。
HSP90阻害剤においても、抗腫瘍効果向上や薬剤耐性腫瘍に対する感受性向上を目的に、他の抗腫瘍剤との併用療法が試みられている(非特許文献2)。
HSP90阻害剤は、HSP90と標的タンパク質との複合体形成機能を阻害する事により癌細胞増殖阻害作用を発揮する。mTOR阻害剤による癌細胞の処理は、ホスホAKTの亢進をもたらす。ホスホAKTは、HSP90の標的タンパク質(クライアントタンパク質)であり、HSP90阻害剤と、その標的タンパク質(クライアントタンパク質)の機能阻害を作用機構とする抗腫瘍剤との併用は、抗腫瘍効果の増強が期待される。したがってHSP90阻害剤とmTOR阻害剤の併用療法の検討が行なわれている。特許文献4にはHSP90阻害剤としてゲルダナマイシン誘導体である17−AAGと、mTOR阻害剤であるラパマイシンとの併用例が報告されている。また特許文献5には、HSP90阻害剤として7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オンと、mTOR阻害剤であるエベロリムスとの併用例を報告している。
Hsp90 inhibitors as novel cancer chemotherapeutic agents. Trends in Molecular Medicine.2002, 8:4(Suppl.),S55−61. Hsp90 inhibitors and drug resistance in cancer:The potential benefits of combination therapies of Hsp90 inhibitors and other anti−cancer drugs. Biochemical Pharmacology 2012,83:8, 995−1004.
国際公開WO2006/095783号 国際公開WO2009/023211号 国際公開WO2007/134678号 国際公開WO2004/108080号 国際公開WO2010/060937号
癌細胞の生存にHSP90が依存することから、HSP90を標的分子とする抗腫瘍剤の開発が進められている。本発明の目的は、このHSP90阻害剤を用いたより治療効果の高い薬物療法として、他の抗腫瘍剤との併用療法を提供することである。特に、HSP90阻害剤として5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体と他の抗腫瘍剤による、優れた治療効果を発揮する併用療法を提供する事を課題とする。また、別の観点によると、5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体が、既存の抗腫瘍剤の治療効果増強作用を発揮し、既存の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤としての用途を提供する事にある。
更に別の観点では、悪性腫瘍治療のためのmTOR阻害剤療法において、更に治療効果を高める併用療法を提供する事を課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、一般式(1)で示される5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体とmTOR阻害剤を組み合せが、それぞれの単独使用による抗腫瘍効果と比較し、顕著に優れた抗腫瘍効果を発揮する事を見出した。すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とする。
(1)下記一般式(1)
Figure 2014034534
[式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)と、mTOR阻害剤(B)を組み合わせた抗腫瘍剤。
(2)別の観点によると、下記一般式(1)
Figure 2014034534
[式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)を有効成分として含有する事を特徴とする、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる抗腫瘍効果増強剤。
(3)また、癌治療におけるmTOR阻害剤の投与において、下記一般式(1)
Figure 2014034534
[式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)を併用で投与する事を特徴とする、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる方法、を包含する。
本発明によると、5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体とmTOR阻害剤を組み合せて使用する事により、治療効果が向上した抗腫瘍薬物療法を提供する事ができる。従来臨床治療に用いられているmTOR阻害剤療法に、前記トリアゾール誘導体を適用する事により、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強し、治療効果を向上させることができる。
したがって従来方法による抗腫瘍効果の更なる向上が達成できると共に、mTOR阻害剤に対する感受性が低下した悪性腫瘍に対して、十分な腫瘍増殖抑制作用をもたらし治療効果を維持する事ができる。
更に、それぞれ抗腫瘍剤の単独使用と同程度の抗腫瘍効果を得る場合において、各々の抗腫瘍剤の用量を相対的に減量することができ、望ましくない薬理作用の発現を抗腫瘍効果に悪影響を及ぼすことなく軽減する事ができる。
ヒト腎細胞癌786−Oの皮下移植マウスを用いた、エベロリムス(B−1)、トリアゾール化合物(A−1)、及び比較トリアゾール化合物(D)の単剤療法、並びに、エベロリムス(B−1)とトリアゾール化合物(A−1)の併用療法、及びエベロリムス(B−1)と比較トリアゾール化合物(D)の併用療法の抗腫瘍効果を示す図である。 ヒト腎細胞癌786−Oの皮下移植マウスを用いた、エベロリムス(B−1)高投与量、エベロリムス低用量、及びトリアゾール化合物(A−1)の単剤療法、並びに、エベロリムス(B−1)とトリアゾール化合物(A−1)の併用療法の抗腫瘍効果を示す図である。 ヒト腎細胞癌786−Oの皮下移植マウスを用いた、テムシロリムス(B−2)、トリアゾール化合物(A−1)、及び比較トリアゾール化合物(D)の単剤療法、並びに、テムシロリムス(B−2)とトリアゾール化合物(A−1)の併用療法、及びテムシロリムス(B−2)と比較トリアゾール化合物(D)の併用療法の抗腫瘍効果を示す図である。
本発明は、一般式(1)で示されるトリアゾール化合物と、mTOR阻害剤を組み合せて用いることを特徴とする。以下にその詳細について説明する。
本発明において、HSP90阻害活性を有するトリアゾール化合物(A)は、前記一般式(1)で示されるトリアゾール化合物である。すなわち、該トリアゾール環において、Y基の置換位置を3位とし、A基を有するフェニル基の置換位置を4位とし、X基を有する2,4−ジヒドロキシフェニル基の置換位置を5位とする[1,2,4]トリアゾール誘導体である。
前記一般式(1)で表されるトリアゾール化合物は、ケト−エノール互変異性体が存在し、下記一般式(1K)で示されるケト型異性体構造を取り得る。すなわち本発明において、前記(1)及び(1K)は同一化合物であり、本発明に係るトリアゾール化合物(A)は、一般式(1K)で示される化合物も包含するものである。
Figure 2014034534
一般式(1)のXは、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子である。以下にXの説明をする。
一般式(1)におけるXとして、直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。該アルキル基として好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、シクロヘキシルエチル基、等を挙げることができる。
該アルキル基は置換基を有しても良い。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、メルカプト基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素環または複素環アリール基、炭素数1〜4アルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数1〜4アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族又は芳香族アミノ基、アシル基、カルボキシル基、等を挙げることができる。Xとして置換基を有する該アルキル基の例としては、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、モルホリニルメチル基、ピペリジニルメチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、ピリジルメチル基、等を挙げることができる。
Xにおける直鎖状または分岐状の炭素数1〜8アルキル基としては、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基が好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。
一般式(1)のXとして、炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられる。該アルキニル基は、1−アルキニル基または2−アルキニル基である。該アルキニル基としては置換基を有していても良い。置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、炭素環または複素環アリール基、炭素数1〜4アルキルオキシ基、炭素数1〜4アルキルチオ基、脂肪族又は芳香族アミノ基、アシル基、アルキルシリル基、等が挙げられる。好ましい1−アルキニル基としてはエチニル基、3,3−ジメチルブタ−1−イニル基、2−フェニル−エチニル基、2−トリメチルシリル−1−エチニル基、等が挙げられる。2−アルキニル基としては、例えばプロパ−2−イニル基、ブタ−2−イニル基、3−フェニルプロパ−2−イニル基、4,4−ジメチルペンタ−2−イニル基、3−トリメチルシリルプロパ−2−イニル基、等が挙げられる。炭素数2〜10の2−アルキニル基が好ましく、プロパ−2−イニル基またはブタ−2−イニル基が特に好ましい。
一般式(1)のXとして、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示す。ハロゲン原子としては、臭素原子が好ましい。
一般式(1)のXとして、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、または炭素数2〜10の2−アルキニル基が好ましい。置換基Xとして特に好ましくは、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、プロパ−2−イニル基またはブタ−2−イニル基である。
一般式(1)において、Aは置換基を有するアミノ基を表す。Aにおける置換基を有するアミノ基としては、脂肪族1級アミノ基または脂肪族2級アミノ基が挙げられる。
脂肪族1級アミノ基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有するN−アルキルアミノ基を挙げることができる。例えばメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。脂肪族2級アミノ基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、若しくは環状の2級アミノ基が挙げられる。N,N−ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。脂肪族の環状の2級アミノ基としては、モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。Aで表される脂肪族アミノ基としては、脂肪族の環状の2級アミノ基が好ましく、モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基が好ましい。中でもモルホリノ基または4−メチルピペラジン−1−イル基が特に好ましい。
一般式(1)において、mは0乃至4の整数を表す。中でもmは0または1が好ましい。
すなわち一般式(1)における−(CH−A基としては、mが0または1であり、Aが脂肪族の環状の2級アミノ基が好ましく、モルホリノ基、メチル−モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、メチル−4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、メチル−ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、メチル−ピロリジン−1−イル基が特に好ましい。
本発明における前記トリアゾール化合物(A)として、特に好ましい例を以下に挙げる。
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−1)、
4−イソプロピル−6−{5−メルカプト−4−[4−(モルホリン−4−イル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−2)、
4−イソプロピル−6−{5−メルカプト−4−[4−(モルホリン−4−イルメチル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−3)、
4−{5−ヒドロキシ−4−[4−(モルホリン−4−イル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−6−イソプロピル−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−4)、
4−{5−ヒドロキシ−4−[4−(モルホリン−4−イルメチル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−6−イソプロピル−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−5)、
5−[5−(ブチン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−フェニル]−4−[4−(モルホリン−4−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−6)、
4−(ブチン−2−イル)−6−{5−メルカプト−4−[4−(モルホリン−4−イルメチル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−7)、
4−ブロモ−6−{5−メルカプト−4−[4−(モルホリン−4−イル)−フェニル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−ベンゼン−1,3−ジオール;(A−8)、
5−[2,4−ジヒドロキシ−5−(プロピン−2−ニル)−フェニル]−4−[4−(モルホリン−4−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−9)
本発明の一般式(1)に係るトリアゾール化合物(A)は、公知の製造方法により製造する事ができる。例えば、国際公開WO2006/095783号に開示される製造方法に従い、合成することができる。例えば、上記5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−1)は、前記特許文献の実施例2−5にて製造方法が開示されており、その記載の方法に従い合成することができる。その他の誘導体も前述の先行技術文献に開示の方法に従い調製できる。
本発明の前記トリアゾール化合物(A)は酸又は塩基と塩を形成する場合もあり、一般式(1)で表される化合物の塩を用いても良い。酸との塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩等の無機酸塩や、トリフロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩を挙げることができる。塩基との塩としては、例えばナトリウム塩等を挙げることができる。これらの塩は、定法によって製造することができる。
本発明の前記トリアゾール化合物(A)は、薬理活性有効成分をそのまま用いても良く、製剤基剤と併せて注射剤、点滴剤、錠剤、カプセル剤、散剤等の通常使用されている製剤を調製して使用して良い。製剤化に当たり、製剤基剤として通常使用されている薬学的に許容される担体、例えば結合剤、滑沢剤、崩壊剤、溶剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、保存剤、無痛化剤、色素、香料が使用できる。該トリアゾール化合物(A)は、上記医薬製剤化され、経静脈投与、経動脈投与、皮下投与、経口投与、経粘膜投与、等の周知の投与経路にて投与する事ができる。
次に、本発明におけるmTOR阻害剤(B)について説明する。mTORは、その上流にPI3K/AKTが位置し、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路を構成し、シグナル伝達に応じタンパク質合成を調節するセリン/スレオニンキナーゼである。本発明で用いるmTOR阻害剤は、このmTOR活性を阻害する事により細胞の成長、増殖、血管新生、及び生存を調節する機能を阻害する作用を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。mTOR阻害剤として、シロリムス(sirolimus、別称としてラパマイシン(rapamycin))、またはシロリムス誘導体が知られており、これらを用いる事が好ましい。シロリムス誘導体としては、エベロリムス、テムシロリムスが知られている。またmTOR阻害活性を有するタクロリムス(FK506)誘導体を用いても良い。該タクロリムス誘導体としては、アスコマイシンが知られており好ましい例として挙げる事ができる。本発明に係るmTOR阻害剤(B)としては、シロリムス、エベロリムス、テムシロリムス、アスコマイシンから選択される1種以上を用いる事が好ましい。これらのシロリムス、エベロリムス、テムシロリムス、アスコマイシンは、各薬理活性有効成分をそのまま使用しても良く、若しくは遊離塩基体または医薬品として容認されるその他の塩であっても良く、更には、生体内でこれら薬理活性有効成分を遊離するプロドラッグであっても良い。
本発明に係るmTOR阻害剤(B)として、エベロリムス(アフィニトール(登録商標))は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び膵神経内分泌腫瘍を適応症とする抗腫瘍剤として認可されている。また、テムシロリムス(トーリセル(登録商標))が、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌を適応症とする抗腫瘍剤として認可されている。したがって十分な臨床実績を挙げている事から、本発明に係るmTOR阻害剤(B)としてエベロリムス及びテムシロリムスを挙げる事ができる。エベロリムス及びテムシロリムスは、医薬品として容認される賦形剤とともに、エベロリムスは経口用錠剤として、またテムシロリムスは静脈内投与用製剤として流通している。したがって、本発明に係るmTOR阻害剤(B)において、該エベロリムスまたはテムシロリムスは市場流通品をそのまま用いても良い。
本発明において、前記HSP90阻害作用を有する前記トリアゾール化合物(A)と、前記mTOR阻害剤(B)を組み合わせた抗腫瘍剤とは、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)を1人の患者に対して投与される使用態様を含む抗腫瘍剤を表すものである。つまり、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)を、悪性腫瘍疾患患者に対し併用で処理することを意図するものである。すなわち1人の患者に、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)を同時に、または逐次に、または前後して個別に投与することを含む抗腫瘍剤を指す。したがって、該トリアゾール化合物(A)と前記mTOR阻害剤(B)を含む抗腫瘍剤の態様として、特に限定されるものではなく、これらが併用で投与できる状態であれば良い。例えば、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)が別個の製剤であって良い。また、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)を混合して、一体に調製された医薬製剤であっても良い。また別の態様として、該トリアゾール化合物(A)を含む製剤型、及び該mTOR阻害剤(B)を含む製剤型を備え、これらを併用使用することを企図したキットであって良い。または、該トリアゾール化合物(A)を含む製剤型、及び該mTOR阻害剤(B)を含む製剤型、並びに前記2つの製剤型を含有する容器を含むキットの態様を挙げる事ができる。
本発明において、該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)は同時投与して用いて良く、該トリアゾール化合物(A)を投与した後、該mTOR阻害剤(B)を投与しても、その逆であっても良い。また、該トリアゾール化合物(A)は単回投与または間歇的投与であって、該mTOR阻害剤(B)は連日投与の組み合わせであっても良い。該トリアゾール化合物(A)及び該mTOR阻害剤(B)の前記投与とは、それぞれの薬剤について、単回投与、間歇投与、連日投与、等の医薬品で容認される一般的な投与方法を含むものである。例えば、該トリアゾール化合物(A)を1回投与し、該mTOR阻害剤(B)を連日投与、若しくは間歇的投与する態様であって良く、該トリアゾール化合物(A)は比較的短時間の静脈内点滴投与で、該mTOR阻害剤(B)は連日経口投与、若しくは間歇的静脈内投与で用いても良い。
本発明において、該トリアゾール化合物(A)及び該mTOR阻害剤(B)のそれぞれの投与量は、適切な臨床試験により抗腫瘍効果と副作用を確認しつつ決められるべきである。好ましくは、該mTOR阻害剤を至適許容投与量にて、連日または間歇的に投与する設定にて、該トリアゾール化合物(A)を適宜に用量増量する臨床試験により該トリアゾール化合物(A)と該mTOR阻害剤(B)のそれぞれの投与量設定をすることができる。しかしながら、本発明は該mTOR阻害剤の抗腫瘍効果の増強を達し得ることから、該mTOR阻害剤の減量を可能とするものである。したがって、該mTOR阻害剤の至適投与量は適宜増減されるべきである。これらの投与量設定方法は、当業者には自明な試験方法であり、適切な臨床試験方法に基づき、その結果によって直接決定することが出来る。
なお、動物を用いた基礎的抗腫瘍試験結果に基づくと、該トリアゾール化合物(A)の1回当たりの投与量は0.1〜1000mgで用いる事が好ましい。一方、該mTOR阻害剤の1回当たりの投与量は、公知の薬理活性結果に基づき1〜500mgで用いる事が好ましく、これらを適宜組み合せて用いることができる。特に、該mTOR阻害剤としてエベロリムスを用いる場合、1回当たりの投与量は1〜50mgであり連日投与することが好ましい。因みに、エベロリムスの臨床使用は、成人に対し10mgを1日1回経口的に投与する用法が推奨されている。また、テムシロリムスを用いる場合は、1回当たりの投与量は1〜200mgであり、間歇的に投与することが好ましい。一般的にテムシロリムスは、成人に対し25mgを1週間に1回、静脈内投与にて用いられている。本発明において、mTOR阻害剤(B)は、それぞれの臨床推奨投与用量で用いる事が好ましく、推奨投与用量を基準に適宜、増減用量して用いることが好ましい。
本発明の抗腫瘍剤は悪性腫瘍疾患の治療に用いられる。本発明による治療に適用される悪性腫瘍は、特に限定されるものではなく、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、直腸結腸癌、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞癌、前立腺癌、肝細胞癌、胃癌、膵臓癌、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌腫、頭部及び頸部の癌、メラノーマ、卵巣癌、胆管癌、中皮腫、神経内分泌腫瘍及び多発性骨髄腫、等広く一般の癌治療に適用することができる。特に、mTOR阻害剤療法が有効である悪性腫瘍が好ましく、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞癌、腎細胞癌、肝細胞癌、直腸結腸癌、神経内分泌腫瘍、前立腺癌に対する治療に適する。また、エベロリムスまたはテムシロリムスのmTOR阻害剤に対する感受性が低下した腎細胞癌、神経内分泌腫瘍、乳癌、非小細胞肺癌に対しても適用することができる。
本発明の該トリアゾール化合物(A)とmTOR阻害剤(B)を含有する抗腫瘍剤は、更に他の抗腫瘍剤(C)を組み合せて用いる事もできる。他の抗腫瘍剤(C)は特に限定されるものではなく、抗腫瘍剤として認可されている医薬品を用いる事ができる。すなわち、シクロホスファミド、イホスファミド、マイトマイシンC等のアルキル化剤、シスプラチン、カルボプラチン、オギザリプラチン等の白金錯体、ドキソルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、アムルビシン等のアントラサイクリン系抗腫瘍剤、エトポシド、エトポシドホスフェート、テニポシド等のエトポシド類、イリノテカン、ノギテカン等のカンプトテシン類、パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン類、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン等のビンカアルカロイド類、5―フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル合剤(UFT)、テガフール・ギメラシル・オテラシルカルシウム合剤(S−1)、フルツロン、カペシタビン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド等の核酸代謝拮抗剤、メトトレキサート、ペメトレキセド等の葉酸代謝拮抗剤、プレドニゾロン、デキサメタゾン等のステロイド類、トラスツズマブ、セツキシマブ等の抗EGFR抗体、ベバシズマブ等の抗VEGF抗体を用いることができる。
本発明の特に好ましいトリアゾール化合物(A)とmTOR阻害剤(B)の組み合わせ例を挙げる。
該トリアゾール化合物(A)は、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−1)を用いる事が好ましい。
前記(A−1)とエベロリムス(B−1)の組み合わせが好ましく、腎細胞癌、神経内分泌腫瘍の治療において有効である。すなわち、該(A−1)とエベロリムス(B−1)の各有効用量を投与する事を含む腎細胞癌または神経内分泌腫瘍の治療方法を提供する事ができる。
また前記(A−1)とテムシロリムス(B−2)の組み合わせも好ましく、腎細胞癌、神経内分泌腫瘍の治療において有効である。すなわち、該(A−1)とテムシロリムス(B−2)の各有効用量を投与する事を含む腎細胞癌または神経内分泌腫瘍の治療方法を提供する事ができる。
本願は、mTOR阻害剤を用いる癌治療において、前記トリアゾール化合物(A)が、該mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強する作用を示す事を見出したことに基づき、該トリアゾール化合物(A)が、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果増強剤となる新たな用途発明を開示するものである。
また、更に別の発明態様として、前記トリアゾール化合物(A)をmTOR阻害剤と併用で投与する事による、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強する方法を開示するものである。
該トリアゾール化合物(A)により抗腫瘍効果が増強されるmTOR阻害剤とは、前述と同義である。好ましくはシロリムス、エベロリムス、テムシロリムス、アスコマイシン、が挙げられる。特に好ましくは、エベロリムス、テムシロリムスである。
該mTOR阻害剤の抗腫瘍効果増強を目的に、該トリアゾール化合物(A)を用いるためには、該mTOR阻害剤の至適許容投与量で連日または間歇的に投与する設定にて、該トリアゾール化合物(A)の至適用量を単回、間歇、または連日投与をする事により達成される。
該トリアゾール化合物(A)の成人に対する1回当たりの投与量は0.1〜1000mgで用いる事が好ましい。これを単回投与、若しくは間歇的に投与する事が好ましい。
該mTOR阻害剤の1回当たりの投与量は、公知の薬理活性結果に基づき1〜500mgで用いる事が好ましく、これらを適宜組み合せて用いることができる。特に、該EGFR阻害剤としてエベロリムスを用いる場合、1回当たりの投与量は1〜50mgであり連日投与することが好ましい。テムシロリムスを用いる場合は、1回当たりの投与量は1〜200mgであり、間歇的に投与することが好ましい。このmTOR阻害剤の投与において、該トリアゾール化合物(A)を1回当たりの投与量は0.1〜1000mgで用いる事が好ましい。該トリアゾール化合物(A)の投与量は、抗腫瘍効果の反応性を確認した上で、適宜増減しても良い。
すなわち本発明によると、mTOR阻害剤による悪性腫瘍治療において、該トリアゾール化合物(A)を併せて使用する事により、抗腫瘍効果の増強作用が発揮され、より高い治療効果を達成できる。若しくは、mTOR阻害剤に対する薬剤感受性が低下した悪性腫瘍に対しても、mTOR阻害剤の薬剤治療に、該トリアゾール化合物(A)を組み合わせることで薬剤感受性を回復させる事ができ、mTOR阻害剤による薬物治療を長期に継続させることができる。更に、それぞれ抗腫瘍剤の単独使用と同程度の抗腫瘍効果を得る場合において、各々の抗腫瘍剤の用量を相対的に減量することができ、望ましくない薬理作用の発現を抗腫瘍効果に悪影響を及ぼすことなく軽減する事ができる。
本発明の一般式(1)で表されるトリアゾール化合物(A)とエベロリムス(B−1)またはテムシロリムス(B−2)を組み合せて用いる事の有用性を実施例にて説明する。
1.供試薬剤
本発明の一般式(1)で表されるトリアゾール化合物(A)として、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;(A−1)を用いた。当該(A−1)は、国際公開WO2006/095783号の実施例2−5に開示される製造方法に従い合成した。また、比較例として公知のHSP90阻害剤である比較トリアゾール化合物(化合物D:Ganetespib)を用いた。比較トリアゾール化合物(D:Ganetespib)は、国際公開WO2007/139952号の実施例4に開示される製造方法に従い合成した。エベロリムス(B−1)はアフィニトール錠(登録商標)5mgをそのまま用いた。テムシロリムス(B−2)はトーリセル(登録商標)点滴静注液25mgをそのまま用いた。
エベロリムス(B−1)は錠剤を粉砕し、蒸留水で懸濁して供した。テムシロリムス(B−2)は等量の添付希釈用液を添加し、日本薬局方生理食塩液で10倍希釈して投与に供した。比較トリアゾール化合物(D:Ganetespib)はジメチルスルフォキシドに溶解し、クレモフォール(登録商標)RH40を20%含有させた日本薬局方ブドウ糖注射液で10倍希釈して投与に供した。トリアゾール(A−1)は日本薬局方ブドウ糖注射液に溶解して投与に供した。
2.移植腫瘍
ヒト腎細胞癌細胞株である786−O(ATCCカタログナンバー、CRL−1932)を、10%FBSを添加したRPMI−1640メディウム中で増殖させた。増殖させた786−O細胞は、1×10個程度をHBSSにて懸濁し、スキッドマウス皮下に注射した。細胞が腫瘍を形成したのち、腫瘍を取り出して腫瘍片を作成し、スキッドマウス皮下へ套管針を用いて移植した。同様の操作で移植を繰り返し、腫瘍を維持させ、移植腫瘍を調製した。
3.腫瘍皮下移植マウスによる抗腫瘍試験
スキッドマウスで継代維持したヒト腎細胞癌腫瘍である786−Oを、各スキッドマウスの背側部皮下に套管針を用いて移植した。腫瘍体積が概ね100〜150mmに達したときに、供試薬剤の投与を開始した。腫瘍の計測は,投与開始日から観察期間終了まで週2回行い、腫瘍の長径(L)と短径(W)をノギスを用いて測定した。計測した腫瘍の長径と短径を用いて,腫瘍体積を式(L×W×1/2)から算出した。
[試験例1]
ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスをヒト腎細胞癌異種移植片モデルとして用いて、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)を組み合わせた抗腫瘍効果を、トリアゾール化合物(A−1)、エベロリムス(B−1)及び比較トリアゾール化合物(D:Ganetespib)の各単独投与、並びに比較トリアゾール化合物(D)とエベロリムス(B−1)の併用投与による抗腫瘍効果と比較した。
各薬剤の投与量及び用法は、トリアゾール化合物(A−1)は20mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内に投与した。エベロリムス(B−1)は5mg/kgの用量で、1日1回、21日間経口的に投与した。比較トリアゾール化合物(D)は125mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内に投与した。併用投与は、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)の併用投与は、該トリアゾール化合物(A−1)を20mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内に投与すると共に、エベロリムス(B−1)を5mg/kgの用量で、1日1回を21日間、経口的に投与した。また、比較トリアゾール化合物(D)とエベロリムス(B−1)の併用投与は、該比較トリアゾール化合物(D)を125mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内投与すると共に、エベロリムス(B−1)を5mg/kgの用量で、1日1回を21日間、経口的に投与した。
各薬剤投与群(5群)に無投与群(コントロール群)を加えて、異種移植片モデル各群5匹にて抗腫瘍試験を行なった。投与開始から21日目における各群腫瘍体積を、無投与群の相対腫瘍体積を100とした相対腫瘍体積(T/C(%))を表1に示した。T/C(%)は、式(投与群相対腫瘍体積/無投与群相対腫瘍体積×100)により算出した。また、投与開始日の腫瘍体積を1とした相対腫瘍体積を算出した経時的腫瘍増殖曲線を図1に示した。
[表1]ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスによる抗腫瘍効果試験結果
Figure 2014034534
表1及び図1から明らかなように、投与開始後から21日目において、エベロリムス(B−1)は無投与群に対して90%の腫瘍増殖抑制をもたらした。トリアゾール化合物(A−1)の単独投与は51%の増殖抑制をもたらした。これに対し、該トリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)を組み合わせて投与すると、腫瘍増殖抑制作用が96%と強力に増強された抗腫瘍効果がもたらされた。一方、比較トリアゾール化合物(D)の単独投与は最大耐性投与量で投与したにも関わらず、35%の増殖抑制と弱く、更に、比較トリアゾール化合物(D)とエベロリムス(B−1)の併用投与は84%と、エベロリムス(B−1)の単独投与に対して上乗せ効果を示さなかった。以上の結果から、トリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)を組み合わせて投与する薬物治療は、比較トリアゾール化合物(D)とエベロリムス(B−1)の組み合わせよりも優れた抗腫瘍効果が得られることが明らかとなった。
したがって本発明に係るトリアゾール化合物(A)とエベロリムス(B−1)の併用療法が、既存のHSP90阻害剤とエベロリムスの併用療法と比較して、顕著に優れる抗腫瘍効果が得られることが明らかとなった。
[試験例2]
ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスをヒト腎細胞癌異種移植片モデルとして用いて、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)をエベロリムス単剤療法の至適投与量の1/10量の投与で組み合わせた抗腫瘍効果を、トリアゾール化合物(A−1)、エベロリムス(B−1)の各単独投与による抗腫瘍効果と比較した。
各薬剤の投与量及び用法は、トリアゾール(A−1)は20mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内に投与した。エベロリムス(B−1)は0.5mg/kg及び比較用量として5mg/kgの用量で1日1回、21日間経口的に投与した。併用投与は、本発明に係るトリアゾール(A−1)とエベロリムス(B−1)の併用投与は、該トリアゾール化合物(A−1)を20mg/kgの用量で、週1回を3回、尾静脈内に投与すると共に、エベロリムス(B−1)を0.5mg/kgの用量で、1日1回を21日間、経口的に投与した。
各薬剤投与群(4群)に無投与群(コントロール群)を加えて、異種移植片モデル各群5匹にて抗腫瘍試験を行なった。投与開始から21日目における各群腫瘍体積を、無投与群の相対腫瘍体積を100とした相対腫瘍体積(T/C(%))を表1に示した。T/C(%)は、式(投与群相対腫瘍体積/無投与群相対腫瘍体積×100)により算出した。また、投与開始日の腫瘍体積を1とした相対腫瘍体積を算出した経時的腫瘍増殖曲線を図2に示した。
[表2]ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスによる抗腫瘍効果試験結果
Figure 2014034534
表2及び図2から明らかなように、投与開始後から21日目において、エベロリムス(B−1)0.5mg/kgは無投与群に対して63%の腫瘍増殖抑制をもたらした。トリアゾール化合物(A−1)の単独投与は49%の増殖抑制をもたらした。これに対し、トリアゾール化合物(A−1)とエベロリムス(B−1)0.5mg/kgを組み合わせて投与すると、腫瘍増殖抑制作用が89%と強力に増強された抗腫瘍効果がもたらされた。この効果はエベロリムス(B−1)5mg/kgを単独投与したときの効果が90%であることから、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)を組み合わせて投与することによりエベロリムス(B−1)0.5mg/kgの効果をその10倍量の効果まで増強していると考えられる。以上の結果から、本発明に係るトリアゾール化合物(A)とエベロリムス(B−1)を組み合わせて投与する薬物治療が、優れた抗腫瘍効果が得られることを示している。
[試験例3]
ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスをヒト腎細胞癌異種移植片モデルとして用いて、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)とテムシロリムス(B−2)を組み合わせた抗腫瘍効果を、トリアゾール化合物(A−1)、テムシロリムス(B−2)及び比較トリアゾール化合物(D:Ganetespib)の各単独投与、並びに比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用投与による抗腫瘍効果と比較した。
各薬剤の投与量及び用法は、トリアゾール化合物(A−1)は20mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内に投与した。テムシロリムス(B−2)は12.5mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内に投与した。併用投与は、本発明に係るトリアゾール化合物(A−1)とテムシロリムス(B−2)の併用投与は、該トリアゾール化合物(A−1)を20mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内に投与すると共に、テムシロリムス(B−2)を12.5mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内に投与した。また、比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用投与は、該比較トリアゾール化合物(D)を125mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内投与すると共に、テムシロリムス(B−2)を12.5mg/kgの用量で週1回を3回、尾静脈内に投与した。
各薬剤投与群(5群)に無投与群(コントロール群)を加えて、異種移植片モデル各群5匹にて抗腫瘍試験を行なった。投与開始から21日目における各群腫瘍体積を、無投与群の相対腫瘍体積を100とした相対腫瘍体積(T/C(%))を表1に示した。T/C(%)は、式(投与群相対腫瘍体積/無投与群相対腫瘍体積×100)により算出した。また、投与開始日の腫瘍体積を1とした相対腫瘍体積を算出した経時的腫瘍増殖曲線を図1に示した。
[表3]ヒト腎細胞癌腫瘍786−O皮下移植スキッドマウスによる抗腫瘍効果試験結果
Figure 2014034534
本試験例3において、比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用投与群において1匹の毒性死が認められた。したがって比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用投与は最大耐性投与量以上の用量設定の可能性がある。
表3及び図3から明らかなように、投与開始後から21日目において、テムシロリムス(B−2)は無投与群に対して68%の腫瘍増殖抑制をもたらした。トリアゾール化合物(A−1)の単独投与は51%の増殖抑制をもたらした。これに対し、トリアゾール化合物(A−1)とテムシロリムス(B−2)を組み合わせて投与すると、腫瘍増殖抑制作用が86%と強力に増強された抗腫瘍効果がもたらされた。一方、比較トリアゾール化合物(D)の単独投与は最大耐性投与量で投与したにも関わらず、35%と弱い増殖抑制効果であった。該比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用投与は、63%の増殖抑制効果であり、テムシロリムス(B−2)の単独投与と比較して、併用による腫瘍増殖抑制効果の増強は認められなかった。比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の併用群が、毒性死亡例が認められており、過剰投与量傾向であったにもかかわらず腫瘍増殖抑制効果が不十分であったことを考慮すると、本発明に係るトリアゾール化合物(A)とテムシロリムス(B−2)の併用投与が顕著に優れた抗腫瘍効果を示す事が明らかとなった。以上の結果から、トリアゾール化合物(A−1)とテムシロリムス(B−2)を組み合わせて投与する薬物治療が、比較トリアゾール化合物(D)とテムシロリムス(B−2)の組み合わせよりも優れた抗腫瘍効果が得られることを示している。
したがって本発明に係るトリアゾール化合物(A)とテムシロリムス(B−2)の併用療法が、既存のHSP90阻害剤とテムシロリムスの併用療法と比較して、顕著に優れる抗腫瘍効果が得られることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 一般式(1)
    Figure 2014034534
    [式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)と、mTOR阻害剤(B)を組み合わせた抗腫瘍剤。
  2. 前記一般式(1)において、Xがエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、ハロゲン原子である請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  3. 前記一般式(1)において、mが0または1であり、Aがモルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基である請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  4. 前記mTOR阻害剤(B)が、エベロリムスまたはテムシロリムスである請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  5. 一般式(1)
    Figure 2014034534
    [式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)を有効成分として含有する事を特徴とする、mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる抗腫瘍効果増強剤。
  6. 前記一般式(1)において、Xがエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、ハロゲン原子である請求項5に記載の抗腫瘍効果増強剤。
  7. 前記一般式(1)において、mが0または1であり、Aがモルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基である請求項5に記載の抗腫瘍効果増強剤。
  8. 癌治療におけるmTOR阻害剤の投与において、一般式(1)
    Figure 2014034534
    [式中、Xは直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルキニル基、またはハロゲン原子を示し、Yは硫黄原子または酸素原子を示し、mは0〜4の整数を示し、Aは置換基を有するアミノ基を示す]で表されるトリアゾール化合物(A)を併用で投与する事を特徴とする前記mTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる方法。
  9. 前記一般式(1)において、Xがエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、ハロゲン原子である、請求項8に記載のmTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる方法。
  10. 前記一般式(1)において、mが0または1であり、Aがモルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基である、請求項8に記載のmTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強させる方法。
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