JP2015232605A - 偏光板用接着剤組成物、偏光板用接着剤、およびそれを用いてなる偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着力に優れる接着剤であり、種々の偏光板用保護フィルムと偏光子、特にはTAC以外の保護フィルムと偏光子の貼り合せにも好適であり、生産効率にも優れ、更に耐色抜け性にも優れた偏光板用接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる、また、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる偏光板用接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる、また、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる偏光板用接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、偏光板用接着剤組成物、偏光板用接着剤、およびそれを用いてなる偏光板に関するものであり、詳しくは液晶表示装置等に用いられる偏光板を構成する偏光子と保護フィルムの貼り合せに好適な活性エネルギー線硬化型のアクリル系接着剤に用いられる接着剤組成物に関するものである。
液晶表示装置は、液晶テレビ、コンピューターディスプレイ、携帯電話やデジタルカメラなどの画像表示装置として幅広く用いられている。かかる液晶表示装置は、液晶が封入されたガラス基板の両側に偏光板が積層された構成となっており、必要に応じて位相差板などの各種光学機能フィルムがこれに積層されている。
従来より、偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムよりなる偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両方の面に保護フィルムを貼り合わせた構成として用いられている。ここで、偏光子としては、高ケン化度のポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールを「PVA」と略記する。)を用いて製膜してなるPVA系フィルム中にヨウ素などの二色性材料が分散、吸着され、好ましくは更にホウ酸などの架橋剤によって架橋された、一軸延伸PVA系フィルムが広く用いられている。このような偏光子は、一軸延伸PVA系フィルムであるがゆえに、高湿度下においては収縮しやすくなるため、耐湿性や強度を補うことを目的に、偏光子に保護フィルムが貼り合わされる。
かかる保護フィルムとしては、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、およびポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる点で用いられているが、特にはトリアセチルセルロース(TAC)樹脂からなる保護フィルムが広く用いられてきた。
そして、これらの保護フィルムは、接着剤によって偏光子と貼り合わされるが、かかる接着剤としては、親水性表面をもつ偏光子に対する接着性の点から、PVA系樹脂水溶液、特に偏光子と同様の高ケン化度PVA系樹脂を主体とするPVA系樹脂水溶液が好ましく用いられている。
ところで、近年では、偏光板の薄膜化が求められており、これまで保護フィルムとして最も一般的に使用されてきたTACフィルムに代えて、アクリル系フィルムや環状ポリオレフィン系樹脂フィルムが使用されるようになってきたが、これらTACフィルムに代わる保護フィルムにおいては、従来のPVA系接着剤を用いて偏光子と強固に貼り合せることはできないものである。そのため、PVA系接着剤に替わるものとして、アクリル系フィルムや環状ポリオレフィン系樹脂フィルム等の保護フィルムの貼り合せに好適な種々の接着剤の開発が行なわれている。
また、PVA系接着剤は、水を用いて溶液または分散液として使用されるものであるために、接着剤の硬化の際に水を乾燥させる必要があり、かかる水の乾燥に長時間を要してしまい乾燥適正が悪く、偏光板の生産効率が低くなる点の改善も求められていた。
例えば、特許文献1では、芳香環を含まないエポキシ樹脂を主成分とし、光カチオン重合開始剤を含有する組成物からなる接着剤が提案されており、かかる接着剤は活性エネルギー線照射によるカチオン重合で硬化されるため、透湿度の低い樹脂フィルムを保護膜とする場合であっても、充分な接着強度で、外観不良などの問題を起こすことなく、偏光子の片面又は両面に保護膜が貼合された偏光板を提供できることが記載されている。
また、特許文献2では、硬化成分としてSP値が異なる3種のラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、偏光子と保護フィルムの接着性に優れ、かつ耐久性や耐水性に優れる接着剤として提案されている。
更に、特許文献3では、4−ブチルヒドロキシアクリレート:20〜90重量%、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンアクリレート:1〜70重量%、その他のラジカル重合性化合物:0〜15重量%、光重合開始剤:0.01〜20重量%、シランカップリング剤:0〜10重量%を含有してなり、硬化後のガラス転移温度が−80〜0℃となるような偏光板形成用ラジカル重合性接着剤組成物が提案されており、該接着剤組成物を用いることで、ポリビニルアルコール系偏光子と、アクリル系フィルムやシクロオレフィン系フィルムに代表される難接着性の保護フィルムとを構成層とし、接着力が大きく耐久性に優れる偏光板小片を形成し得る偏光板であり、打ち抜き加工性にも優れる偏光板が得られるとされている。
また、特許文献4では、水酸基を有しない(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、ホウ酸及び光重合開始剤を含有することを特徴とする紫外線硬化型組成物が提案されており、該接着剤組成物を用いることで、様々な保護フィルムのみならず、特にアクリル樹脂フィルムに対し、優れた接着強度を有する紫外線硬化型組成物が得られるとされている。
しかしながら、上記特許文献1の接着剤では、水系接着剤の代わりに、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤を使用するものであるが、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射後に暗反応があるので、長尺の硬化物を巻取りロール状にした場合、保管時に巻き癖がつきやすいという問題があった。しかも、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、硬化時の湿度の影響を受けやすく、硬化状態がバラつきやすいという問題も有しているものであった。
上記特許文献2のラジカル重合性紫外線硬化型接着剤では、接着剤層が相対的に硬いために経時での接着力の低下がおこり、耐打ち抜き加工性や耐久性の点で満足のいくものではなかった。
上記特許文献3のラジカル重合性接着剤組成物では、(メタ)アクリル酸モノマーの硬化時に硬化収縮を伴うために、初期接着の安定性が低くなり接着力が充分でないものであった。
上記特許文献4の紫外線硬化型組成物では、アクリル樹脂フィルムに対しては接着力を示すが、偏光子への接着力が充分でなく耐色抜け性も惰弱であった。
従って、上記活性エネルギー線硬化型の接着剤では、乾燥工程が必要なく水溶液として用いられるPVA系接着剤よりも生産効率は上がるものの、種々の偏光板用保護フィルムと偏光子を充分に接着することは困難であり、更なる改良が求められるものであった。
また、近年では、偏光板を高温高湿度下に長時間放置している場合に色抜け(退色)してしまうという問題も生じており、例えば、より過酷な評価となるが、温水中に浸漬した状態であっても色抜けしない、或いは色抜けが軽減された偏光板が求められている。このような耐色抜け性に優れた偏光板を得るための方法として、偏光子と保護フィルムとを貼り合わせる接着剤の改良も求められている状況の中で、上記特許文献1〜4の接着剤では、かかる耐色抜け性は得られないものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、接着力に優れる接着剤であり、種々の偏光板用保護フィルムと偏光子、特にはTAC以外の保護フィルムと偏光子の貼り合せにも好適であり、生産効率にも優れ、更に耐色抜け性にも優れた偏光板用接着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、活性エネルギー線硬化型の偏光板用の接着剤組成物において、接着剤となる際に金属または半金属のキレート化合物を存在させることにより、偏光子と保護フィルムの接着に優れ、更に、偏光板の耐色抜け性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる偏光板用接着剤組成物に関するものであり、また、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなる偏光板用接着剤組成物に関するものである。
更に本発明は、前記偏光板用接着剤組成物を硬化してなる偏光板用接着剤、及び、上記偏光板用接着剤を介して偏光子と保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板をも提供するものである。
ここで、本発明においては、金属または半金属のキレート化合物を存在させ、さらに光塩基発生剤(C)を配合することが重要であるが、金属または半金属のキレート化合物を有することにより、偏光子を形成するポリビニルアルコール表面の水酸基と、接着剤中のキレート形成可能な官能基とが化学的結合を形成し、偏光子と保護フィルムの接着強度を高め、かつ、偏光子中のヨウ素の拡散を防ぐために偏光板の耐色抜け性が向上するものと推察される。さらに光塩基発生剤(C)を有することにより、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)の、特にアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(b1)の酸性度の中和が行われ、上記(B)成分の反応性が向上し、耐水性も向上するものと推測される。特に、光塩基発生剤は、紫外線等の照射により塩基成分が発生し、二重結合のアニオン硬化を行うものであり、上記(B)成分の弱酸性は耐水性に悪影響を及ぼすことから、光塩基発生剤を配合することで、中和の意味合いも有することができるものと考えられる。
本発明の偏光板用接着剤組成物は、偏光板の生産効率が高く、かつ、種々の偏光板用保護フィルムと偏光子、特にはアクリル系フィルムや環状ポリオレフィン系樹脂フィルム等のTAC以外の保護フィルムと偏光子を充分に接着することができ、更に、偏光板を高温高湿下や温水中に浸漬した状態であっても色抜けが抑制された耐色抜け性にも優れた偏光板を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、アクリル系モノマーとは、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくとも一方を有するモノマーであり、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種のアクリル系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、アクリル系モノマーとは、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくとも一方を有するモノマーであり、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種のアクリル系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
(偏光板用接着剤組成物)
本発明の偏光板用接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」と記載することがある。)は、
[I]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とするものであり、
また、
[II]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明の偏光板用接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」と記載することがある。)は、
[I]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とするものであり、
また、
[II]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とするものである。
〈キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)〉
本発明で用いられるキレート形成可能な金属または半金属化合物(A)としては、後述の光重合性化合物(B)とキレート形成が可能なものであればよく、例えば、金属または半金属のアルコレート、該アルコレートの加水分解物、該アルコレートの縮合物、アルコレートのキレート化合物、該キレート化合物の部分アルコレート化物、及び、金属または半金属のアシレートの群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、特には金属または半金属のアルコレート、該アルコレートのキレート化合物が好ましく、殊には下記一般式(1)で表される金属または半金属のアルコレート、該アルコレートのキレート化合物が好ましく用いられる。
なお、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)としては、上記化合物の中から1種だけを用いてもよいし、任意の2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるキレート形成可能な金属または半金属化合物(A)としては、後述の光重合性化合物(B)とキレート形成が可能なものであればよく、例えば、金属または半金属のアルコレート、該アルコレートの加水分解物、該アルコレートの縮合物、アルコレートのキレート化合物、該キレート化合物の部分アルコレート化物、及び、金属または半金属のアシレートの群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、特には金属または半金属のアルコレート、該アルコレートのキレート化合物が好ましく、殊には下記一般式(1)で表される金属または半金属のアルコレート、該アルコレートのキレート化合物が好ましく用いられる。
なお、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)としては、上記化合物の中から1種だけを用いてもよいし、任意の2種以上を併用してもよい。
(式中、Mは金属または半金属原子を表し、R1は同一または異なっていてもよい、炭素数1〜10の1価の有機基を表し、R2は同一または異なっていてもよい水素または炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよびnはそれぞれ0以上の整数を表し、m+nはMの原子価を表す。)
上記一般式(1)において、Mで表される金属または半金属原子としては、例えば、遷移元素金属、2族、12族、13族、14族の金属または半金属元素が挙げられ、特にはホウ素、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、マグネシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、バナジル、亜鉛、インジウム、カルシウム、マンガン、スズが好ましく、更にはホウ素、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、クロム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、インジウムが好ましい。また、通常、2〜4価の金属または半金属が用いられ、殊にはホウ素、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムが好ましく用いられる。更には、アルコレートやアシレートの状態が液体で、取り扱いの利便性の点からホウ素、ケイ素であることが最も好ましい。また、固体の状態でも、光重合性化合物(D)に易溶性であればよい。
上記一般式(1)において、R1で表される炭素数1〜10の1価の有機基としては、一般式(1)が金属または半金属のアルコレートである場合には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアネート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。かかる置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて10以下である。
また、一般式(1)が金属または半金属のアシレートである場合におけるR1としては、例えば、アセトキシル基、プロピオニロキシル基、ブチリロキシル基、バレリロキシル基、ベンゾイルオキシル基、トリオイルオキシル基などのアシルオキシル基を挙げることができる。
なお、一般式(1)中に、R1が2個以上存在するときは、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
なお、一般式(1)中に、R1が2個以上存在するときは、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
上記一般式(1)において、R2で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。また、R2で表されるものは水素でもよい。
なお、一般式(1)中に、R2が複数個存在するときには、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
なお、一般式(1)中に、R2が複数個存在するときには、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
本発明における金属または半金属のアルコレートの加水分解物とは、上記一般式(1)の金属または半金属アルコレートに含まれるOR2基が加水分解されたものであるが、金属または半金属アルコレートに含まれるOR2 がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
本発明における金属または半金属のアルコレートの縮合物とは、上記金属または半金属アルコレートの加水分解物が縮合してM−O−Mの構造を有するものであるが、本発明では、かかる加水分解物の水酸基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部の水酸基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
本発明における金属または半金属のアルコレートのキレート化合物とは、金属または半金属アルコレートの配位子のうち少なくとも一つがキレート結合された構造をもつ化合物である。かかる金属または半金属アルコレートのキレート化合物は、金属または半金属アルコレートと、β−ジケトン類、β−ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸エステル、ケトアルコールおよびアミノアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物との反応で得られたものであることが好ましい。
これらの化合物の中でも、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル類を用いることが好ましく、これらの具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらの中でも、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルを用いることが特に好ましい。
本発明におけるキレート化合物の加水分解物とは、上記した金属または半金属アルコレートの加水分解物と同様に、キレート化合物に含まれるOR2 基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
本発明における金属または半金属のアシレートとは、上記金属または半金属アルコレートの配位子のうち少なくとも一つがアシルオキシル基であるものである。
これらのキレート形成可能な金属または半金属化合物(A)のうち、金属または半金属アルコレートおよび金属または半金属アルコレートのキレート化合物の具体例としては、〔1〕ホウ酸、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリブチルボレート(ノルマル、イソ、ターシャリー、セカンダリーを含む)、トリプロピルボレート、トリイソプロピルボレート、トリメチルカルビトールボレートなどのホウ素化合物;
〔2〕水酸化チタン、テトラエトキシチタニウム、トリエトキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、エトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラプロポキシチタニウム、トリプロポキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラブトキシチタニウム、トリブトキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、トリエトキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、エトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタニウム、トリプロポキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウム、トリブトキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウムなどのチタニウム化合物;
〔3〕水酸化アルミニウム、トリエトキシアルミニウム、ジエトキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、エトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、ジプロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリブトキシアルミニウム、ジブトキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジエトキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、エトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジプロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジブトキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウム化合物;
〔4〕水酸化亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ビス(アセチルアセトナート)亜鉛、ジプロポキシ亜鉛、プロポキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ジブトキシ亜鉛、ブトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、エトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ビス(エチルアセトアセテート)亜鉛、プロポキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ブトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛などの亜鉛化合物;
〔5〕テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、およびこれらを加水分解(縮合)することにより得られる化合物などのケイ素化合物:
を挙げることができる。
を挙げることができる。
これらの金属または半金属のアルコレートおよび該キレート化合物のうち好ましいものとしては、ホウ酸、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート、水酸化アルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム、ジプロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、水酸化チタン、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、水酸化亜鉛、ジ(アセチルアセトナート)亜鉛、ジ(エチルアセトアセテート)亜鉛を挙げることができ、特に好ましい化合物はホウ酸、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート、水酸化アルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ(アセチルアセトナート)亜鉛などである。更には、常温液状での取り扱いの利便性、光重合性化合物(D)への溶解性や、偏光子を形成するポリビニルアルコール系樹脂の水酸基との反応性の点からホウ酸、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート等の炭素数1〜5のアルキル基を有するトリアルキルボレート、特にはトリブチルボレートであることが最も好ましい。
また、金属または半金属のアシレートの具体例としては、ジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジアセテート、ジ−i−プロポキシ・チタンジプロピオネート、ジ−i−プロポキシ・チタンジマロニエート、ジ−i−プロポキシ・チタンジベンゾイレート、ジ−n−ブトキシ・ジルコニウムジアセテート、ジ−i−プロピルアルミニウムモノマロニエートなどを挙げることができ、特に好ましい化合物はジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジアセテートなどのチタニウム化合物である。
〈該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)〉
また、本発明で用いられる上記の金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)としては、該官能基とエチレン性不飽和基を有する化合物であればよい。
また、本発明で用いられる上記の金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)としては、該官能基とエチレン性不飽和基を有する化合物であればよい。
上記の金属または半金属とキレート形成可能な官能基としては、例えば、β−ジケトン構造を有する、アセトアセチル基、マロン酸エステル類等のβ−ジケトン構造を有する官能基が挙げられるが、汎用性や利便性、水酸基との反応性の点からアセトアセチル基が好ましい。
本発明において、金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)が、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(b1)である場合、例えば、次の方法によって製造することができる。
(I)官能基含有エチレン性不飽和化合物(i)にジケテンを反応させる。該官能基としてはヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられ、官能基含有エチレン性不飽和化合物(i)として好適なものは、炭素数1〜10のアルキレン基を有する脂肪族系アセトアセチル基含有アルキル(メタ)アクリレート系化合物であり、特に好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート等である。
(II)上記官能基含有エチレン性不飽和化合物(i)とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
上記の(I)の場合のジケテンの反応は、無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。
上記の(II)アセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記の官能基含有エチレン性不飽和化合物(i)の中でも、汎用性や利便性、製造上もしくは保存時の安定性等の点からヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記の(II)アセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記の官能基含有エチレン性不飽和化合物(i)の中でも、汎用性や利便性、製造上もしくは保存時の安定性等の点からヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
〈光塩基発生剤(C)〉
本発明における光塩基発生剤(C)は、紫外線や可視光等の光照射により、分子構造が変化する、または、分子が開裂することにより、硬化触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
本発明における光塩基発生剤(C)は、紫外線や可視光等の光照射により、分子構造が変化する、または、分子が開裂することにより、硬化触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、従来から知られている光塩基発生剤を用いることができるが、好ましい光塩基発生剤としては、下記一式(2)〜(7)で表すことができる化合物を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記の中でも、特に上記式(2)および(3)に示される化合物が好ましく用いられる。
上記の光塩基発生剤(C)は、通常405nm以下に最大モル吸光係数を有するものであることが好ましい。
また、本発明においては、上記(C)成分とともに、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、ポリマー、酸基含有モノマーを適宜用いることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物、多価イソシアネート系化合物及びポリオール系化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物や、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物及び多価イソシアネート系化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。また、上記ポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂およびポリオキシアルキレン鎖を含有するポリマーの少なくとも一方であるポリマーが挙げられる。さらに、上記酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、これらの配合量は組成物全体の40重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは20重量%以下である。
〈光重合性化合物(D)〉
本発明においては、更に、光重合性化合物(D)(但し、上記光重合性化合物(B)を除く。)を含有してなることが塗工性、硬化性、接着性等の点から好ましい。
本発明においては、更に、光重合性化合物(D)(但し、上記光重合性化合物(B)を除く。)を含有してなることが塗工性、硬化性、接着性等の点から好ましい。
本発明で用いられる光重合性化合物(D)としては、上記光重合性化合物(B)を除くものであり、エチレン性不飽和基を1つ有するエチレン性不飽和化合物(d1)及びエチレン性不飽和基を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物(d2)の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
エチレン性不飽和基を1つ有するエチレン性不飽和化合物(以下、「単官能モノマー」と略記することがある。)(d1)としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリルレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート等が挙げられる。
更に、その他に、アクリル酸のミカエル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、アクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
また、エチレン性不飽和基を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物(以下、「多官能モノマー」と略記することがある。)(d2)としては、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
光重合性化合物(D)は上記の中から1種を用いてもよいし2種以上併用してもよい。
光重合性化合物(D)は上記の中から1種を用いてもよいし2種以上併用してもよい。
かくして本発明においては、[I]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)と、好ましくは更に、その他の光重合性化合物(D)(但し、光重合性化合物(B)を除く。)を含有してなる偏光板用接着剤組成物、また、[II]キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)と、好ましくは更に、その他の光重合性化合物(D)(但し、光重合性化合物(B)を除く。)を含有してなる偏光板用接着剤組成物とする。
(A)と(B)の配合割合については、(A)/(B)が重量比で1/99〜50/50であることが好ましく、特には5/95〜40/60、更には10/90〜30/70であることが好ましい。かかる(A)/(B)の値は小さすぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下や耐色抜け性の低下となる傾向があり、大きすぎると耐温水試験時の耐久性の低下を招く傾向がある。
(A)と(C)の配合割合については、(A)/(C)が重量比で99.1/0.1〜70/30であることが好ましく、特には99/1〜80/20、更には95/5〜85/15であることが好ましい。かかる(A)/(C)の値は小さすぎると耐水性が低下する傾向があり、大きすぎても耐水性が低下する傾向がある。
上記の[I]の場合には、(A)〜(D)を適宜配合して偏光板用接着剤組成物とすることができる。(A)〜(D)の各含有割合については、(A)〜(D)の合計に対して、(A)が0.1〜30重量%、(B)が0.5〜40重量%、(C)が0.1〜20重量%、(D)が30〜99重量%であることが好ましく、特には(A)が0.5〜20重量%、(B)が1〜30重量%、(C)が0.5〜15重量%、(D)が50〜98重量%、更には(A)が1〜15重量%、(B)が4〜20重量%、(C)が1〜10重量%、(D)が65〜94重量%であることが好ましい。かかる(A)の含有量が少なすぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下や、耐色抜け性の低下となる傾向があり、多すぎると耐温水試験時の耐久性の低下や、偏光子と保護フィルムの接着力の低下となる傾向がある。かかる(B)の含有量が少なすぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下となる傾向があり、多すぎると耐温水試験時の耐久性の低下となる傾向がある。かかる(C)の含有量が少なすぎると耐水性が低下する傾向があり、多すぎても耐水性が低下する傾向がある。かかる(D)の含有量が少なすぎると耐温水試験時の耐久性の低下となる傾向があり、多すぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下となる傾向がある。
本発明においては、(A)、(B)及び(C)、好ましくは更に(D)を含有する接着剤組成物として、偏光子に塗布し、通常50〜200℃、特に好ましくは60〜150℃で乾燥を行うことにより、キレート化合物(A−B)を形成することができる。また、(A)、(B)及び(C)、好ましくは更に(D)を含有する接着剤組成物とした後、通常50〜120℃、特に好ましくは60〜90℃で(A)と(B)を反応させてキレート化合物(A−B)を形成することができる。
また、[II]の場合には、(A)及び(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)と、好ましくは(D)とが含有されることになるが、更には、(A)と、(B)と、(C)と、(A)と(B)から形成されてなるキレート化合物(A−B)と、好ましくは(D)が含有されることにもなる。
かかるキレート化合物(A−B)の含有量は、0.5〜50重量%であることが好ましく、特には、1〜40重量%、更には、5〜30重量%であることが好ましい。
かかる含有量が少なすぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下や、耐色抜け性の低下となる傾向があり、多すぎると耐温水試験時の耐久性の低下や、偏光子と保護フィルムの接着力の低下となる傾向がある。
かかる含有量が少なすぎると偏光子と保護フィルムの接着力の低下や、耐色抜け性の低下となる傾向があり、多すぎると耐温水試験時の耐久性の低下や、偏光子と保護フィルムの接着力の低下となる傾向がある。
かかるキレート化合物(A−B)を形成させるに当たっては、通常20〜120℃、特には30〜80℃で混合すればよい。
本発明においては、上記の金属または半金属のキレート化合物を存在させることにより、偏光板の耐色抜け性に優れる効果を発揮することとなる。
本発明の偏光板用接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、重合開始剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、その他のアクリル系接着剤、その他の接着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、ポリオールなどの可塑剤、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の従来公知の添加剤や、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができるが、これら添加剤の配合量は、組成物全体の30重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは20重量%以下である。
また、上記添加剤の他にも、接着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
〈重合開始剤(E)〉
本発明においては、さらに重合開始剤(E)を含有させ、接着剤組成物を硬化させることが好ましい。
上記重合開始剤(E)としては、例えば、光重合開始剤(e1)、熱重合開始剤(e2)等の種々の重合開始剤を用いることが可能であるが、特には光重合開始剤(e1)を使用することが、ごく短時間の紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることが可能となる点で好ましい。
本発明においては、さらに重合開始剤(E)を含有させ、接着剤組成物を硬化させることが好ましい。
上記重合開始剤(E)としては、例えば、光重合開始剤(e1)、熱重合開始剤(e2)等の種々の重合開始剤を用いることが可能であるが、特には光重合開始剤(e1)を使用することが、ごく短時間の紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることが可能となる点で好ましい。
また、上記光重合開始剤(e1)を用いるときは、活性エネルギー線照射により接着剤組成物を硬化させ、熱重合開始剤(e2)を用いるときは、加熱により接着剤組成物を硬化させるのであるが、必要に応じて、両方を併用することも好ましい。
上記光重合開始剤(e1)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等が挙げられる。なお、これら光重合開始剤(e1)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
また、上記熱重合開始剤(e2)としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2′−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2′−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。なお、これらの熱重合開始剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記重合開始剤(E)の含有量については、上記(A)、(B)及び(C)の合計((D)が含有される場合は(A)〜(D)の合計)100重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.8〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。上記重合開始剤(E)の含有量が少なすぎると、硬化性に乏しく物性が安定しなくなる傾向がみられ、多すぎると低分子量成分が多くなり架橋密度が低下し耐水性や耐熱性などが低下する傾向がある。
かくして本発明の偏光板用接着剤組成物が得られる。本発明の偏光板用接着剤組成物は、好ましくは活性エネルギー線照射により硬化することにより、接着剤として機能するものであり、偏光子と保護フィルムを接着するための偏光板用接着剤として好適に用いることができるものである。
また、本発明の偏光板用接着剤組成物は溶剤を含んでいてもよいし、無溶剤型の組成物として用いてもよいが、接着性能に優れる点で、無溶剤型の組成物として用いた方が好ましい。
(偏光子)
上記偏光子としては、特に制限はなく、公知のものを使用することができる。
例えば、(i)PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン−ビニルアルコール系樹脂フィルム、等のビニルアルコール系樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性色素などの二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの(例えば、特開2001−296427号公報、特開平7−333426号公報参照。)、(ii)上記(i)において二色性材料とともに液晶性を有する複屈折材料をビニルアルコール系樹脂フィルム中に有するもの(例えば、特開2007−72203号公報参照。)、(iii)二色性材料を含有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを一軸延伸したもの(例えば、特開2001−356213号公報参照。)、(iv)PVA系樹脂やエチレン−ビニルアルコール系樹脂を脱水あるいは脱酢酸して連続するポリエン構造を導入し、これを延伸して得られるポリエン系フィルム(例えば、特開2007−17845号公報参照。)、などを挙げることができる。
中でも、偏光特性が優れる点から、PVA系フィルムにヨウ素が吸着された一軸延伸フィルムが好適である。
上記偏光子としては、特に制限はなく、公知のものを使用することができる。
例えば、(i)PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン−ビニルアルコール系樹脂フィルム、等のビニルアルコール系樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性色素などの二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの(例えば、特開2001−296427号公報、特開平7−333426号公報参照。)、(ii)上記(i)において二色性材料とともに液晶性を有する複屈折材料をビニルアルコール系樹脂フィルム中に有するもの(例えば、特開2007−72203号公報参照。)、(iii)二色性材料を含有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムを一軸延伸したもの(例えば、特開2001−356213号公報参照。)、(iv)PVA系樹脂やエチレン−ビニルアルコール系樹脂を脱水あるいは脱酢酸して連続するポリエン構造を導入し、これを延伸して得られるポリエン系フィルム(例えば、特開2007−17845号公報参照。)、などを挙げることができる。
中でも、偏光特性が優れる点から、PVA系フィルムにヨウ素が吸着された一軸延伸フィルムが好適である。
かかる偏光子の厚さは、通常0.1〜100μmであり、特に0.5〜80μm、更に1〜60μmのものが好適に用いられる。
(保護フィルム)
上記保護フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両面に貼り合わせることで、偏光子の問題点である高湿度下での耐久性不足を補うことができるものである。
さらに、本発明で用いられる保護フィルムに求められる特性としては、透明性、機械強度、熱安定性、水分遮断性、光学的等方性などを挙げることができる。
上記保護フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両面に貼り合わせることで、偏光子の問題点である高湿度下での耐久性不足を補うことができるものである。
さらに、本発明で用いられる保護フィルムに求められる特性としては、透明性、機械強度、熱安定性、水分遮断性、光学的等方性などを挙げることができる。
かかる保護フィルムの材料としては、光学特性や耐久性などの点から、セルロースエステル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂が好適に用いられる。
また、その他の材料として、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、(含フッ素)ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、その他の材料として、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、(含フッ素)ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記セルロースエステル系樹脂フィルムに用いられるセルロースエステル系樹脂としては、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースが代表的であるが、その他にもセルロースの低級脂肪酸エステルや、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなどの混合脂肪酸エステルを用いることができる。
上記環状オレフィン系樹脂フィルムに用いられる環状オレフィン系樹脂としてはノルボルネン系樹脂を挙げることができる。かかるノルボルネン系樹脂には、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体、ノルボルネンモノマーを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加共重合させた樹脂などを包含するものである。
ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二量体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエンなどの三環体;テトラシクロペンタジエンなどの七環体;これらのメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニルなどのアルケニル、エチリデンなどのアルキリデン、フェニル、トリル、ナフチルなどのアリールなどの置換体;さらにこれらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、アミノ基、無水酸基、シリル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの炭素、水素以外の元素を含有する基を有する置換体などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂フィルムの市販品としては、JSR社製「ARTON」、日本ゼオン社製「ZEONOR」、「ZEONEX」、日立化成社製「OPTOREZ」、三井化学社製「APEL」などを挙げることができる。
上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムに用いられる(メタ)アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体〔例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など〕、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高ガラス転移温度の(メタ)アクリル系樹脂、ゴム−アクリル系グラフト型コアシェルポリマーなどが挙げられる。
かかる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの市販品としては、三菱レイヨン社製「アクリペットVRL20A」、「アクリペットIRD−70」、UMGABS社製「MUX−60」などが挙げられる。
なお、上記保護フィルムは、必要に応じて、セルロースエステル系樹脂からなるフィルムに対するアルカリ液によるケン化処理や、環状オレフィン系樹脂からなるフィルムに対するコロナ放電処理やプラズマ処理などの表面親水化処理を施したものであってもよい。
また、保護フィルム表面の接着剤との親和性を高めるために、親水化以外の各種表面処理を行うことも可能であり、保護フィルムの表面に(メタ)アクリル酸エステル系ラテックスやスチレン系ラテックス、ポリエチレンイミン、ポリウレタン/ポリエステル共重合体などを含有する易接着層やアンカーコート層を設けたり、シランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤による表面処理方法などを挙げることができる。なお、上述の各種表面処理法を併用することも可能である。
また、帯電防止剤を保護フィルム表面に塗布あるいはフィルム中に含有させたものも好ましく用いられる。
また、帯電防止剤を保護フィルム表面に塗布あるいはフィルム中に含有させたものも好ましく用いられる。
かかる保護フィルムの厚みは特に限定されないが、通常は偏光子よりも厚いものが用いられ、偏光子の基材として強度付与の機能をもつものであり、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、かかる保護フィルムは、偏光子の積層されない面にハードコート層を設けたり、スティッキング防止、反射防止、アンチグレアなどの各種処理を施すことも可能である。さらに、位相差板や視野角拡大フィルムなどの、各種光学機能フィルムを、積層することも可能である。
(偏光板)
本発明の偏光板は、偏光板用接着剤を介して上記の偏光子と保護フィルムが貼り合わされてなるものである。詳しくは、偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両面に、本発明の偏光板用接着剤を用いて保護フィルムを貼り合わせてなるものであり、通常は、液状とした偏光板用接着剤組成物を偏光子あるいは保護フィルム、あるいはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせ、圧着し、活性エネルギー線照射を行なうことで偏光板が形成される。
本発明の偏光板は、偏光板用接着剤を介して上記の偏光子と保護フィルムが貼り合わされてなるものである。詳しくは、偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両面に、本発明の偏光板用接着剤を用いて保護フィルムを貼り合わせてなるものであり、通常は、液状とした偏光板用接着剤組成物を偏光子あるいは保護フィルム、あるいはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせ、圧着し、活性エネルギー線照射を行なうことで偏光板が形成される。
かかる接着剤組成物を偏光子あるいは保護フィルム上に塗工するにあたっては、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等を用いたり、ディッピング方式による塗工を行なうことができる。
かかる貼り合わせ、および圧着には、例えばロールラミネーターなどを用いることができ、その圧力は0.1〜10MPaの範囲から選択される。
かかる活性エネルギー線照射には、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。なお、電子線照射を行なう場合は、上記光重合開始剤(e1)を用いなくても硬化可能である。
かかる紫外線照射を行なう時の光源としては、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト、LED等が用いられる。
かかる紫外線照射は、2〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜2000mJ/cm2の条件で行われる。
かかる紫外線照射は、2〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜2000mJ/cm2の条件で行われる。
特に上記高圧水銀ランプの場合は、例えば、5〜3000mJ/cm2、好ましくは50〜2000mJ/cm2の条件で行われる。
また、上記無電極ランプの場合は、例えば、2〜2000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2の条件で行われる。
また、上記無電極ランプの場合は、例えば、2〜2000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2の条件で行われる。
そして、照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は、数秒〜数十秒、場合によっては数分の1秒でもよい。一方、上記電子線照射の場合には、例えば、50〜1000keVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射量とするのがよい。
かかる活性エネルギー線(電子線、紫外線等)の照射方向は、任意の適切な方向から照射することができるが、偏光子の劣化を防げる点で、透明保護フィルム側から照射することが好ましい。
上記により得られる本発明の偏光板における接着剤層の厚さは、通常0.01〜10μm、好ましくは0.01〜5μm、特に好ましくは0.01〜2μm、更に好ましくは0.01〜1μmである。かかる厚さが薄すぎると接着力自体の凝集力が得られず、接着強度が得られない傾向があり、厚すぎると打ち抜き加工時の割れ等により偏光板の加工性が低下する傾向がある。
本発明の偏光板用接着剤組成物は、初期および経時での接着力に優れる接着剤となるため、種々の偏光板用保護フィルムと偏光子、特にはTAC以外の保護フィルムと偏光子の貼り合せに好適に用いることができ、更に乾燥工程が必要なく偏光板の生産効率にも優れ、また、偏光板の耐色抜け性にも優れたものである。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
以下の各成分を用意した。
〔キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)〕
・(A−1)ホウ酸(和光純薬工業社製)
・(A−2)トリブチルボレート(関東化学社製「ほう酸トリ−n−ブチル」)
・(A−1)ホウ酸(和光純薬工業社製)
・(A−2)トリブチルボレート(関東化学社製「ほう酸トリ−n−ブチル」)
〔金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)〕
・(B−1)2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(日本合成化学工業社製「AAEM」)
・(B−1)2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(日本合成化学工業社製「AAEM」)
〔光塩基発生剤(C)〕
・(C−1)(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル]ピペリジン(和光純薬工業社製「WPBG−027」)
・(C−2)9−アントリルメチル−N,N−ジエチルカルバメート(和光純薬工業社製「WPBG−018」)
・(C−1)(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル]ピペリジン(和光純薬工業社製「WPBG−027」)
・(C−2)9−アントリルメチル−N,N−ジエチルカルバメート(和光純薬工業社製「WPBG−018」)
〔光重合性化合物(D)〕
・(D−1)アクリロイルモルホリン(興人社製「ACMO」)
・(D−2)ジメチルアクリルアミド(興人社製「DMAA」)
・(D−3)エチレングリコールジアクリレート(日立化成社製「FA−222A」)
・(D−1)アクリロイルモルホリン(興人社製「ACMO」)
・(D−2)ジメチルアクリルアミド(興人社製「DMAA」)
・(D−3)エチレングリコールジアクリレート(日立化成社製「FA−222A」)
〔重合開始剤(E)〕
・(E−1)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「イルガキュア184」)
・(E−2)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)
・(E−1)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「イルガキュア184」)
・(E−2)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)
〔実施例1〕
<偏光板用接着剤組成物の作製>
調製用フラスコにホウ酸(A−1)5部、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(B−1)5部、ジメチルアクリルアミド(D−2)85部を仕込み、60℃に加温してホウ酸を溶解する。次に、エチレングリコールジアクリレート(D−3)5部を加え充分に混合する。室温まで冷却後、イルガキュア184(E−1)1.5部、ルシリンTPO(E−2)1.5部、及び(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル]ピペリジン(C−1)0.5部を仕込み、混合、溶解することで偏光板用接着剤組成物を得た。
<偏光板用接着剤組成物の作製>
調製用フラスコにホウ酸(A−1)5部、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(B−1)5部、ジメチルアクリルアミド(D−2)85部を仕込み、60℃に加温してホウ酸を溶解する。次に、エチレングリコールジアクリレート(D−3)5部を加え充分に混合する。室温まで冷却後、イルガキュア184(E−1)1.5部、ルシリンTPO(E−2)1.5部、及び(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル]ピペリジン(C−1)0.5部を仕込み、混合、溶解することで偏光板用接着剤組成物を得た。
〔実施例2〜3、比較例1〜4〕
上記で用意した各配合成分を、後記の表1示す割合で配合すること以外は実施例1と同様にして偏光板用接着剤組成物を調製した。
上記で用意した各配合成分を、後記の表1示す割合で配合すること以外は実施例1と同様にして偏光板用接着剤組成物を調製した。
<偏光板試験片の作製>
まず、60μmのPVAフィルムを、水温30℃の水槽に浸漬しつつ、1.5倍に延伸した。次に、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる染色槽(30℃)にて240秒浸漬しつつ1.3倍に延伸し、さらにホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成のホウ酸処理槽(50℃)に浸漬するとともに、同時に3.08倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った。その後、乾燥して総延伸倍率6倍の偏光子を製造した。
次いで、大きさ200mm×75mm、厚み75μmアクリルフィルム(三菱レイヨン社製、商品名「アクリプレン」)に上記で得られた偏光板用接着剤組成物をバーコーター(No.10)で膜厚5μmとなるように塗工した接着剤組成物層付きアクリルフィルムを2枚作製した後、大きさ150mm×60mmの上記偏光子の両面に重ね合わせ、ロール機を用いてニップ圧2MPaで貼り合わせ、積層フィルムを得た。
次いで、積層フィルムのアクリルフィルム側の両側から、高圧水銀ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:130mW/cm2、積算露光量:900mJ/cm2(365nm)で紫外線照射を行ない、接着剤組成物を硬化させ、得られた積層フィルムを偏光板試験片とした。
まず、60μmのPVAフィルムを、水温30℃の水槽に浸漬しつつ、1.5倍に延伸した。次に、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる染色槽(30℃)にて240秒浸漬しつつ1.3倍に延伸し、さらにホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成のホウ酸処理槽(50℃)に浸漬するとともに、同時に3.08倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った。その後、乾燥して総延伸倍率6倍の偏光子を製造した。
次いで、大きさ200mm×75mm、厚み75μmアクリルフィルム(三菱レイヨン社製、商品名「アクリプレン」)に上記で得られた偏光板用接着剤組成物をバーコーター(No.10)で膜厚5μmとなるように塗工した接着剤組成物層付きアクリルフィルムを2枚作製した後、大きさ150mm×60mmの上記偏光子の両面に重ね合わせ、ロール機を用いてニップ圧2MPaで貼り合わせ、積層フィルムを得た。
次いで、積層フィルムのアクリルフィルム側の両側から、高圧水銀ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:130mW/cm2、積算露光量:900mJ/cm2(365nm)で紫外線照射を行ない、接着剤組成物を硬化させ、得られた積層フィルムを偏光板試験片とした。
上記で得られた偏光板試験片を用いて、下記の通り性能評価を行った。
[接着性]
偏光板試験片を120mm×25mmにカットし、2枚のアクリルフィルムに90°方向の応力をかけた際のアクリルフィルムと偏光子の接着具合を下記基準で評価した。
(評価基準)
◎…強固に接着している
○…接着している
×…接着していない
偏光板試験片を120mm×25mmにカットし、2枚のアクリルフィルムに90°方向の応力をかけた際のアクリルフィルムと偏光子の接着具合を下記基準で評価した。
(評価基準)
◎…強固に接着している
○…接着している
×…接着していない
[耐色抜け性]
偏光板試験片を50mm×50mmにカットし、60℃の温水に浸漬させ、48時間後の偏光板試験片の色調を観察し、下記基準で評価した。
○…試験前の状況と色調変化なし
△…僅かに色抜け(退色)した
×…完全に色抜け(退色)した
偏光板試験片を50mm×50mmにカットし、60℃の温水に浸漬させ、48時間後の偏光板試験片の色調を観察し、下記基準で評価した。
○…試験前の状況と色調変化なし
△…僅かに色抜け(退色)した
×…完全に色抜け(退色)した
[耐水性]
偏光板試験片を50mm×50mmにカットし、60℃の温水に浸漬させ、48時間後の偏光板試験片の密着性を観察し、下記基準で評価した。
○…試験片端部からの剥がれなし
△…試験片端部から5mm未満の範囲において剥がれあり
×…試験片端部から5mm以上の範囲に剥がれあり
偏光板試験片を50mm×50mmにカットし、60℃の温水に浸漬させ、48時間後の偏光板試験片の密着性を観察し、下記基準で評価した。
○…試験片端部からの剥がれなし
△…試験片端部から5mm未満の範囲において剥がれあり
×…試験片端部から5mm以上の範囲に剥がれあり
キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)、及び、光塩基発生剤(C)を含有してなる実施例1〜3の偏光板用接着剤組成物は、偏光子と保護フィルムを充分に貼り合せることができるうえに、耐色抜け性にも耐水性にも優れた効果を有するものであった。これに対して、キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)を含有しない比較例1及び比較例3や、金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)を含有しない比較例2及び比較例4の接着剤組成物では、接着性はおろか、耐色抜け性や耐水性の点においても劣るものであり、偏光板用接着剤組成物として実用に供することなどできないものであった。このことから、本発明の偏光板用接着剤組成物が非常に優れていることがわかる。
本発明の偏光板用接着剤組成物、更にかかる接着剤組成物からなる偏光板用接着剤は、偏光子と保護フィルムとの接着性に優れるうえ、乾燥工程が必要なく生産効率にも優れたものであり、更に、偏光板の耐色抜け性にも優れたものであり、とりわけ、TACフィルムに限らず、アクリル系フィルムや環状ポリオレフィン系樹脂フィルム等の保護フィルムと偏光子の貼り合せにも有用なものである。
Claims (11)
- キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)と、該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とする偏光板用接着剤組成物。
- キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)及び該金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)より形成されてなるキレート化合物(A−B)と、光塩基発生剤(C)とを含有してなることを特徴とする偏光板用接着剤組成物。
- キレート形成可能な金属または半金属化合物(A)が、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、チタニウム化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物、及びケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板用接着剤組成物。
- 金属または半金属とキレート形成可能な官能基を含有する光重合性化合物(B)が、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(b1)であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の偏光板用接着剤組成物。
- アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(b1)が、炭素数1〜10のアルキレン基を有する脂肪族系アセトアセチル基含有アルキル(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項4記載の偏光板用接着剤組成物。
- さらに光重合性化合物(D)(但し、光重合性化合物(B)を除く。)を含有してなることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の偏光板用接着剤組成物。
- 光重合性化合物(D)が、エチレン性不飽和基を1つ有するエチレン性不飽和化合物(d1)及びエチレン性不飽和基を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物(d2)の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6記載の偏光板用接着剤組成物。
- さらに重合開始剤(E)を含有してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の偏光板用接着剤組成物。
- 請求項1〜8いずれか一項に記載の偏光板用接着剤組成物を硬化してなることを特徴とする偏光板用接着剤。
- 請求項1〜8いずれか一項に記載の偏光板用接着剤組成物を活性エネルギー線照射により硬化してなることを特徴とする偏光板用接着剤。
- 請求項9または10記載の偏光板用接着剤を介して偏光子と保護フィルムが貼り合わされてなることを特徴とする偏光板。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014118702A JP2015232605A (ja) | 2014-06-09 | 2014-06-09 | 偏光板用接着剤組成物、偏光板用接着剤、およびそれを用いてなる偏光板 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016089084A (ja) * | 2014-11-07 | 2016-05-23 | 協立化学産業株式会社 | 光硬化性樹脂組成物 |
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2014
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