JP2015231570A - 眼科撮影装置 - Google Patents

眼科撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015231570A
JP2015231570A JP2015176488A JP2015176488A JP2015231570A JP 2015231570 A JP2015231570 A JP 2015231570A JP 2015176488 A JP2015176488 A JP 2015176488A JP 2015176488 A JP2015176488 A JP 2015176488A JP 2015231570 A JP2015231570 A JP 2015231570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
region
unit
anterior segment
anterior
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015176488A
Other languages
English (en)
Inventor
亨 矢田
Toru Yada
亨 矢田
敏宏 岡下
Toshihiro Okashita
敏宏 岡下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2015176488A priority Critical patent/JP2015231570A/ja
Publication of JP2015231570A publication Critical patent/JP2015231570A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】各部位が鮮明に描出された単一の画像を得ることが可能な眼科撮影装置を提供する。
【解決手段】実施形態の眼科撮影装置は、撮影部と、制御部と、抽出部と、合成部とを備える。撮影部は、被検眼を撮影する。制御部は、複数の露出条件をあらかじめ記憶した記憶部を含み、複数の露出条件で撮影部に複数回の撮影を実行させる。抽出部は、複数回の撮影のそれぞれにより得られた画像から、当該露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する。合成部は、抽出された複数の部分領域を合成して合成画像を生成する。
【選択図】図3

Description

この発明は、前眼部を撮影可能な眼科撮影装置に関する。
前眼部を撮影可能な眼科撮影装置としては、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)や手術用顕微鏡などの眼科用顕微鏡がある。細隙灯顕微鏡は、被検眼にスリット光を照射する照明系と、スリット光により得られる前眼部の光切片を観察するための観察系とを有する(特許文献1を参照)。手術用顕微鏡は被手術眼の観察に使用される(特許文献2を参照)。また、前眼部の撮影は、眼底カメラによっても可能である。
従来の眼科撮影装置では、一度の撮影によって前眼部を画像化していた。具体的には、従来における前眼部の一枚の撮影画像(前眼部像と呼ぶことがある)は、一度のフラッシュ発光により撮影された画像として、又は動画像の一枚のフレームとして得られていた。
特開2009−178459号公報 特開2005−230558号公報
ところで、前眼部には、強膜、虹彩、水晶体などの部位が含まれる。これら部位は光反射特性が異なっている。したがって、各部位の撮影に好適な露出は同じではない。つまり、或る部位に露出を合わせて撮影した場合、この露出は他の部位については一般に適正ではない。このように不適正な露出で撮影された部位の画像は必ずしも鮮明ではなく、診断に有用な情報が得られないことがあった。
また、部位毎に露出を合わせて複数回の撮影を行うことにより複数枚の前眼部像を取得することも行われている。この場合、観察対象の部位を変更する度に表示画像を切り替える必要があるため、画像診断の作業が煩雑になるという問題があった。なお、露出を決定する条件(露出条件)としては、照明光量、絞り値、露光時間、検出感度などがある。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、各部位が鮮明に描出された単一の画像を得ることが可能な眼科撮影装置を提供することにある。
上記実施形態を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼を撮影する撮影部と、複数の露出条件をあらかじめ記憶した記憶部を含み、前記複数の露出条件で前記撮影部に複数回の撮影を実行させる制御部と、前記複数回の撮影のそれぞれにより得られた画像から、当該露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する抽出部と、前記抽出された複数の前記部分領域を合成して合成画像を生成する合成部とを備えることを特徴とする眼科撮影装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼科撮影装置であって、前記記憶部は、血管に対応する露出条件を少なくとも記憶することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の眼科撮影装置であって、前記記憶部は、病変部に対応する露出条件を少なくとも記憶することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科撮影装置であって、細隙灯顕微鏡、手術用顕微鏡及び眼底カメラのいずれかを含むことを特徴とする。
この発明に係る眼科撮影装置によれば、各部位に応じた露出条件で撮影された画像から当該部位に相当する部分領域を抽出し、これら部分領域を合成して1枚の画像を生成するように構成されているので、各部位が鮮明に描出された単一の画像を得ることが可能である。
この発明に係る眼科撮影装置の実施形態の外観構成の一例を表す概略側面図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における光学系の構成の一例を表す概略側面図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における動作の一例を表すフローチャートである。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた前眼部像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた前眼部像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた前眼部像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態による部分画像抽出処理の一例を説明するための概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた合成画像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における動作の一例を表すフローチャートである。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた前眼部像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた前眼部像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた合成画像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態について説明するための概略説明図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態が実行する処理を説明するための概略説明図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態が実行する処理を説明するための概略説明図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態により得られた合成画像の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態における制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態が実行する処理を説明するための概略説明図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態が実行する処理を説明するための概略説明図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態の変形例の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼科撮影装置の実施形態の変形例の構成の一例を表す概略ブロック図である。
この発明に係る眼科撮影装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では細隙灯顕微鏡について特に詳しく説明する。しかし、他の眼科撮影装置(手術用顕微鏡、眼底カメラ等)についても、以下の実施形態と同様の構成を適用することで同様の作用・効果を得ることが可能である。
まず方向を定義しておく。装置光学系において最も被検者側に位置するレンズ(対物レンズ)から被検者に向かう方向を前方向とし、その逆方向を後方向とする。また、前方向に直交する水平方向を左右方向とする。更に、前後方向と左右方向の双方に直交する方向を上下方向とする。
〈第1の実施形態〉
[外観構成]
第1の実施形態に係る細隙灯顕微鏡(眼科撮影装置)の外観構成について、図1を参照しながら説明する。細隙灯顕微鏡1にはコンピュータ100が接続されている。コンピュータ100は、各種の制御処理や演算処理を行う。なお、顕微鏡本体(光学系等を格納する筐体)とは別にコンピュータ100を設ける代わりに、顕微鏡本体に同様のコンピュータを搭載した構成を適用することも可能である。
細隙灯顕微鏡1はテーブル2上に載置される。なお、コンピュータ100は他のテーブル上又はその他の場所に設置されていてもよい。基台4は、移動機構部3を介して水平方向に移動可能に構成されている。基台4は、操作ハンドル5を傾倒操作することにより移動される。操作ハンドル5の頂部には、撮影開始を指示するための撮影ボタンが設けられている。
基台4の上面には、観察系6及び照明系8を支持する支持部15が設けられている。支持部15には、観察系6を支持する支持アーム16が左右方向に回動可能に取り付けられている。支持アーム16の上部には、照明系8を支持する支持アーム17が左右方向に回動可能に取り付けられている。支持アーム16、17は、それぞれ独立に同軸で回動可能とされている。支持アーム16を回動させることにより観察系6の光軸を偏向することができる(つまり観察方向を変更することができる)。また、支持アーム17を回動させることにより照明系8の光軸を偏向することができる(つまり照明方向を変更することができる)。
各支持アーム16、17は、電気的な機構によって回動されるように構成されていてもよいし、手動で回動されるように構成されていてもよい。前者の場合、支持アーム16(又は支持アーム17)を回動させるための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達して支持アーム16(又は支持アーム17)を回動させる伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、たとえばステッピングモータ(パルスモータ)により構成される。伝達機構は、たとえば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。
照明系8は上下方向にも振れるように構成されていてもよい。つまり、照明光の仰角や俯角を変更できるように構成されていてもよい。照明系8を回動させる機構は、観察系6のそれと同様に、電気的に又は手動で駆動される。観察系6についても同様である。
観察系6は、被検眼Eによる照明光の反射光を案内する左右一対の光学系を有する。この光学系は鏡筒本体9内に収納されている。鏡筒本体9の終端は接眼部9aである。検者は接眼部9aをのぞき込むことで被検眼Eを肉眼で観察する。
なお、照明光の反射光には、たとえば散乱光のように被検眼Eを経由した各種の光が含まれるが、これら各種の光を含めて「反射光」と呼ぶことにする。また、観察系6の周辺位置に、背景光を出力する光源が設けられていてもよい。
鏡筒本体9に対峙する位置には顎受け台10が配置されている。顎受け台10には、被検者の顔を安定配置させるための顎受部10aと額当て10bが設けられている。
鏡筒本体9の側面には、観察倍率を変更するための観察倍率操作ノブ11が配置されている。観察倍率は、電気的な機構によって変更することもできる。更に、鏡筒本体9には、被検眼Eを撮影するための撮像装置13が接続されている。撮像装置13は撮像素子を含んで構成されている。撮像素子は、光を検出して電気信号(画像信号)を出力する光電変換素子である。画像信号はコンピュータ100に入力される。撮像素子としては、たとえばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられる。照明系8の下方位置には、照明系8から出力される照明光束を被検眼Eに向けて反射するミラー12が配置されている。
[光学系の構成]
細隙灯顕微鏡1の光学系の構成について、図2を参照しながら説明する。細隙灯顕微鏡1は観察系6と照明系8を有する。
〔観察系〕
観察系6は左右一対の光学系を備えている。左右の光学系は、ほぼ同様の構成を有する。検者は、この左右の光学系により被検眼Eを双眼で観察することができる。なお、図2には、観察系6の左右の光学系の一方のみが示されている。符号O1は観察系6の光軸(観察光軸)である。前述した被検眼Eに対する観察方向の変更は、観察光軸O1の所定の基準位置に対する角度(観察角度)を変更することに相当する。
観察系6の左右の各光学系は、対物レンズ31、変倍光学系32、絞り33、リレーレンズ35、プリズム36及び接眼レンズ37を有する。対物レンズ31は、左右の光学系に共通であってもよい。ビームスプリッタ34は、左右の光学系の一方のみに又は双方に設けられる。接眼レンズ37は接眼部9a内に設けられている。符号Pは、接眼レンズ37に導かれる光の結像位置を示している。符号Ecは被検眼Eの角膜を、符号Epは虹彩を、符号Erは眼底をそれぞれ示している。符号Eoは検者眼を示している。
変倍光学系32は、複数(たとえば2枚)の変倍レンズ32a、32bを含んで構成される。各変倍レンズ32a、32bは観察光軸O1に沿って移動可能とされている。それにより、被検眼Eの肉眼観察像や撮影画像の倍率(画角)を変更できる。倍率の変更は、観察倍率操作ノブ11を操作することにより行われる。また、図示しないスイッチ等を用いて電動で倍率を変更するように構成してもよい。
ビームスプリッタ34は、観察光軸O1に沿って進む光を二分割する。ビームスプリッタ34を透過した光は、リレーレンズ35、プリズム36及び接眼レンズ37を介して検者眼Eoに導かれる。プリズム36は、2つの光学素子36a、36bを含み、光の進行方向を上方に平行移動させる。
他方、ビームスプリッタ34により反射された光は、リレーレンズ41及びミラー42を介して、撮像装置13の撮像素子43に導かれる。撮像素子43は、この反射光を検出して画像信号を生成する。
〔照明系〕
照明系8は、光源51、リレーレンズ52、照明絞り56、集光レンズ53、スリット形成部54及び集光レンズ55を有する。符号O2は、照明系8の光軸(照明光軸)を示す。前述した被検眼Eに対する照明方向の変更は、照明光軸O2の所定の基準位置に対する角度(照明角度)を変更することに相当する。
光源51は照明光を出力する。なお、照明系8に複数の光源を設けてもよい。たとえば、定常光を出力する光源(ハロゲンランプ、白色LED等)と、フラッシュ光を出力する光源(キセノンランプ、白色LED等)の双方を光源51として設けることができる。また、角膜観察用の光源と眼底観察用の光源とを別々に設けてもよい。
スリット形成部54は、スリット光(細隙光)を生成するためのスリットを形成する。スリット形成部54は、一対のスリット刃を有する。これらスリット刃の間隔を変更することによりスリット幅が変更される。
照明絞り56は、照明光の周縁部を遮蔽し、中央部分のみを透過させる。照明絞り56の透光部のサイズは変更可能に構成されていてもよい(つまり絞り値を変更できるように構成されていてもよい)。照明絞り56には、角膜Ecや水晶体による照明光の反射を低減させたり、照明光の明るさを調整したりといった作用がある。
[制御系の構成]
細隙灯顕微鏡1の制御系について、図3を参照しながら説明する。細隙灯顕微鏡1の制御系は、制御部101を中心に構成されている。
〔制御部〕
制御部101は、細隙灯顕微鏡1の各部を制御する。たとえば、制御部101は、観察系6の動作制御、照明系8の動作制御、撮像装置13の制御(撮像素子43の蓄積時間や感度やフレームレートの制御など)を行う。また、制御部101は、細隙形成部54を制御してスリット幅を変更させるように構成されていてもよい。更に、制御部101は、記憶部102に記憶されたデータの読み出し処理や、記憶部102に対するデータの書き込み処理などを行う。加えて、制御部101は各種の演算処理を実行する。
制御部101は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。このハードディスクドライブには、制御プログラムが予め記憶されている。制御部101の動作は、この制御プログラムと上記ハードウェアとの協働によって実現される。
制御部101は、細隙灯顕微鏡1の筐体内(たとえば基台4内)に配置されていてもよいし、コンピュータ100に配置されていてもよい。
〔記憶部〕
記憶部102は、細隙灯顕微鏡1の動作に供される各種データを記憶する。また、記憶部102には、細隙灯顕微鏡1により取得されたデータ(被検眼Eを撮影して得られる画像データなど)が格納される。記憶部102は、制御部101は、細隙灯顕微鏡1の筐体内(たとえば基台4内)に配置されていてもよいし、コンピュータ100に配置されていてもよい。
記憶部102には露出条件102aが記憶されている。露出条件102aには、前眼部の複数の部位に対応する複数の露出条件が記録されている。各露出条件は、対応する部位を撮影するための適正露光を示す。この適正露光は、たとえば、事前に実際に前眼部を撮影して決定された値でもよいし、臨床データ(たとえば多数の前眼部の撮影画像)から統計的に決定された値でもよい。
「前眼部の複数の部位」には、たとえば、水晶体、虹彩、強膜、血管及び病変部のうちの2つ以上が含まれる。すなわち、前眼部とは眼球の前側部分(角膜から水晶体までの部分)を意味し、前眼部には解剖学的に水晶体、虹彩及び強膜が含まれる。また、前眼部には血管も存在する。更に、前眼部に疾患を有する眼においては、その病変部が存在する。なお、血管や病変部については、それぞれ2つ以上の対象が含まれていてもよい。たとえば、2つ以上の病変部のそれぞれについて露出条件が記録されていてもよい。なお、本例において、「水晶体」には、生体部位としての水晶体に代えて配置される眼内レンズも含まれるものとする。
「露出」とは、撮像装置13の撮像素子43に照射される光の総量(明るさ)を意味する。露出条件とは、この露出を決定する条件を表す。露出条件の例としては、照明光量、絞り値、露光時間、検出感度などがある。露出は、これら露出条件の組み合わせによって決定される。露出条件102aには、前眼部の複数の部位のそれぞれと、これら露出条件との組み合わせが記録されている。なお、露出条件102aは、上記した露出条件を全て記録したものである必要はなく、これら露出条件のいずれかを含んでいなくてもよい。また、露出条件102aは、上記したもの以外の露出条件を含んでいてもよい。
また、露出条件102aは、撮像素子43に照射される光量の相対的な値を記録したものであってもよい。たとえば、露出条件102aは、撮像素子43に照射される光量の最大値(100%)に対する、各部位に対応する光量の値を記録した情報として構成できる。その具体例として、露出条件102aは、水晶体に対する露出条件(つまり相対光量)を80%、虹彩に対する露出条件を55%、強膜に対する露出条件を25%として設定されている。このように相対的な値を記録した露出条件102aが適用される場合、制御部101は、その記録された値に対応して装置各部を制御する(たとえば光源51の出力光量が制御される)。
〔表示部〕
表示部103は、制御部101の制御を受けて各種の情報を表示する。表示部103は、LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTディスプレイなど、任意の表示デバイスを含んで構成される。表示部103は、細隙灯顕微鏡1の筐体(検者側)に設けられていてもよいし、コンピュータ100に設けられていてもよい。
〔操作部〕
操作部104は、細隙灯顕微鏡1を操作するための操作デバイスや、細隙灯顕微鏡1に情報を入力するための入力デバイスを含んで構成される。たとえば、操作部104には、操作ハンドル5や、コンピュータ100のマウス、キーボードなどが含まれる。また、トラックボール、専用の操作パネル、スイッチ、ボタン、ダイアルなど、任意の操作デバイスや入力デバイスを用いることも可能である。
図3では、表示部103と操作部104とを別々に表しているが、これらを一体的に構成することも可能である。その具体例として、タッチパネル式のLCDを用いることができる。
〔画像処理部〕
画像処理部110は、撮像装置13により取得された画像や、外部から入力された画像に対して、各種の画像処理を施す。
画像処理部110は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。このハードディスクドライブには、画像処理用のコンピュータプログラムが予め記憶されている。制御部101の動作は、このコンピュータプログラムと上記ハードウェアとの協働によって実現される。
画像処理部110には、抽出部111と、合成部112とが設けられている。この実施形態では、露出条件102aに記録された複数の露出条件で被検眼Eの前眼部の撮影を複数回実行させる。それにより、露出の異なる複数枚の前眼部像が得られる。抽出部111と合成部112は、これら前眼部像を処理するものである。
(抽出部)
抽出部111は、複数枚の前眼部像のそれぞれから、当該前眼部像の取得時に適用された露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する。具体例として、水晶体、虹彩及び強膜に対応する3つの露出条件で3回の撮影が行われた場合、抽出部111は、次の3つの処理を実行する:(1)水晶体に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像から、水晶体に相当する画像領域(水晶体領域)を抽出する;(2)虹彩に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像から、虹彩に相当する画像領域(虹彩領域)を抽出する;(3)強膜に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像から、強膜に相当する画像領域(強膜領域)を抽出する。
このような抽出処理の手法の例を説明する。第1の手法として、抽出部111は、前眼部像における輝度分布に基づいて、前眼部像を複数の部分領域に分割する(たとえば連結領域に分割する)。更に、抽出部111は、これら部分領域の輝度を比較することで、各部分領域と前眼部の部位とを対応付ける。なお、輝度を比較する処理においては、各部分領域中の複数の画素における輝度の統計値(たとえば平均値)を求め、この統計値を比較するように構成することができる。また、前眼部像には瞼や睫毛が描出されていることもあるが、眼球に相当する画像領域(つまり上瞼と下瞼により囲まれた画像領域)についてのみ、上記分割処理を行うようにしてもよい。
具体例として、水晶体、虹彩及び強膜を考慮する場合、水晶体領域は最も暗く描出され、かつ強膜領域は最も明るく描出されることを利用する。すなわち、抽出部111は、水晶体に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像における部分領域のうち、最も輝度の低い部分領域を水晶体領域として選択し抽出する。また、抽出部111は、強膜に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像における部分領域のうち、最も輝度の高い部分領域(一般に2つ存在する)を強膜領域として選択し抽出する。また、抽出部111は、虹彩に対応する露出条件での撮影で得られた前眼部像における部分領域のうち、最も輝度の低い部分領域でも最も輝度の高い部分領域でもない部分領域を虹彩領域として選択し抽出する。なお、これら画像領域を区別するための輝度の閾値については、複数の前眼部像から統計的に取得することができる。また、当該前眼部像を解析して閾値を求める、又は事前に得られた閾値を調整するようにしてもよい。
第2の手法として、抽出部111は、前眼部像の複数の部分領域の形状に基づいて、各部分領域と前眼部の部位とを対応付けることができる。たとえば、被検眼Eに対してアライメントを行って撮影した場合、水晶体領域は、前眼部像の中心位置に存在する円盤状の領域(低輝度の領域である)として特定され、虹彩領域は、水晶体領域の周囲に位置する環帯(アニュラス)状の領域として特定され、強膜領域は、虹彩領域の周囲に位置する眼球の領域(高輝度の領域である)として特定される。アライメントがなされていなくても、複数の部分領域の形状に基づいて部分領域と部位との対応付けを行うことができる。
第1、2の手法は抽出部111による自動処理であるが、この処理の一部を手動化することも可能である。たとえば、前眼部像を表示部103に表示させ、ユーザは操作部104を操作して各部位に相当する画像領域を指定する。この指定操作は、たとえば各部位の輪郭を指定したり、部位と部位との境界を指定したりするものである。抽出部111は、手動で指定された各部分領域の輝度値や形状に基づいて、各部分領域と前眼部の部位とを対応付ける。なお、抽出部111は、手動での指定結果を補正する処理を行ってもよい。
(合成部)
合成部112は、抽出部111により抽出された複数の部分領域を合成して、前眼部の合成画像を生成する。この合成処理は、複数の前眼部像から抽出された、異なる部位に対応する複数の画像(部分領域)をつなぎ合わせる処理である。なお、この合成処理の例としては、複数の部分領域をあたかもジグソーパズルのように組み合わせる処理や、各前眼部像の当該部分領域以外の画像領域を透明にした上で、複数の前眼部像を重畳させる(つまりレイヤを重ねる)処理などがある。
なお、詳細については後述するが、合成部112は、抽出された部分領域の形状やサイズを変更する処理を実行することもある。これは、複数の部分領域を好適につなぎ合わせるための処理である。
[動作]
細隙灯顕微鏡1の動作について説明する。
細隙灯顕微鏡1の動作の一例を図4に示す。この動作例は、虹彩を主たる観察対象とする場合の撮影手法の一例であり、可視光を用いた前眼部撮影を3回行うものである。可視光で撮影すると、撮影の度に被検眼Eが縮瞳するので、瞳孔に相当する画像領域、つまり水晶体に相当する画像領域が狭くなり、虹彩に相当する画像領域が広くなる。この動作例では、この現象を利用して、虹彩に相当する画像領域が広く、かつ各部位が鮮明に描出された前眼部像を得る。
なお、アライメントやピント合わせなどの予備的作業は完了しているものとする。また、当該撮影手法を細隙灯顕微鏡1に実行させるための操作、つまり撮影モードの指定もなされているものとする。制御部101は、この撮影モードの指定を受けて、この撮影モードに対応するコンピュータプログラムを読み出して装置各部を制御することにより、以下に説明する処理を細隙灯顕微鏡1に実行させる。
(ステップ1:撮影開始)
ユーザは、操作部104を操作して撮影開始を指示する。この操作は、たとえば操作ハンドル5の頂部の撮影ボタンを押下することによりなされる。
(ステップ2:水晶体用露出条件で撮影)
制御部101は、水晶体に対応する露出条件(水晶体用露出条件と呼ぶことがある)を露出条件102aから選択し、この水晶体用露出条件で被検眼Eの前眼部を撮影する。得られた前眼部像は、適用された露出条件に対応する部位(水晶体)を表す情報に関連付けられて記憶部102に記憶される。
この撮影により得られた前眼部像の一例を図5Aに示す。この前眼部像(第1前眼部像と呼ぶことがある)G1は、被検眼Eの前眼部を前方から撮影して得られたものであり、水晶体に相当する水晶体領域A1と、虹彩に相当する虹彩領域B1と、強膜に相当する強膜領域C1とを含んでいる。
(ステップ3:強膜用露出条件で撮影)
次に、制御部101は、強膜に対応する露出条件(強膜用露出条件と呼ぶことがある)を露出条件102aから選択し、この強膜用露出条件で被検眼Eの前眼部を撮影する。得られた前眼部像は、適用された露出条件に対応する部位(強膜)を表す情報に関連付けられて記憶部102に記憶される。
この撮影により得られた前眼部像の一例を図5Bに示す。この前眼部像(第2前眼部像と呼ぶことがある)G2には、水晶体領域A2、虹彩領域B2及び強膜領域C2が含まれている。前述した縮瞳の影響により、第2前眼部像G2の水晶体領域A2は、第1前眼部像G1の水晶体領域A1よりも面積が小さい。換言すると、第2前眼部像G2の虹彩領域B2は、第1前眼部像G1の虹彩領域B1よりも面積が大きい。
(ステップ4:虹彩用露出条件で撮影)
次に、制御部101は、虹彩に対応する露出条件(虹彩用露出条件と呼ぶことがある)を露出条件102aから選択し、この虹彩用露出条件で被検眼Eの前眼部を撮影する。得られた前眼部像は、適用された露出条件に対応する部位(虹彩)を表す情報に関連付けられて記憶部102に記憶される。
この撮影により得られた前眼部像の一例を図5Cに示す。この前眼部像(第3前眼部像と呼ぶことがある)G3には、水晶体領域A3、虹彩領域B3及び強膜領域C3が含まれている。前述した縮瞳の影響により、第3前眼部像G3の水晶体領域A3は、第2前眼部像G2の水晶体領域A2よりも面積が小さい。換言すると、第3前眼部像G3の虹彩領域B3は、第2前眼部像G2の虹彩領域B2よりも面積が大きい。
(ステップ5:部分領域の抽出)
抽出部111は、第1〜第3前眼部像G1〜G3のそれぞれから、その前眼部像の取得時に適用された露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する。本例では、抽出部111は、第1前眼部像G1から水晶体領域A1を抽出し、第2前眼部像G2から強膜領域C2を抽出し、第3前眼部像G3から虹彩領域B3を抽出する。
ここで、図5Dに示すように、水晶体領域A1と虹彩領域B3には重複部分がある。つまり、縮瞳の影響により、虹彩領域B3の内周B31が水晶体領域A1の外周A11よりも内側に存在し、内周B31と外周A11とに囲まれる領域が上記重複部分となる。抽出部111は、水晶体領域A1から、内周B31を外周とする略円盤状の部分領域A12を抽出する。この部分領域A12についても水晶体領域と呼ぶことにする。
なお、水晶体領域A1と虹彩領域B3との位置合わせは、上記3回の撮影が十分短い時間の間に行われたものであれば必要ない。つまり、被検眼Eが実質的に移動しないような短い時間で上記3回の撮影が実行されれば、前眼部像間の位置合わせは不要である。また、この総撮影時間については、縮瞳に掛かる時間や縮瞳から散瞳に転じる時間なども考慮される。この総撮影時間は、たとえば0.3秒以内に設定される。
一方、総撮影時間が比較的長い場合には、前眼部像間の位置合わせを行うことが望ましい(もちろん、総撮影時間が比較的短い場合にも位置合わせを実行してもよい)。この位置合わせ処理は、たとえば、第1〜第3前眼部像G1〜G3のそれぞれにおける特徴位置を特定し、3つの特徴位置が重なるように3つの前眼部像G1〜G3の位置(座標)を変更することにより実現される。特徴位置としては、瞳孔中心位置(重心位置)、虹彩中心位置(重心位置)、虹彩領域と強膜領域の境界位置、目頭位置、目尻位置などがある。特徴位置の特定は、画像の画素値(輝度等)に基づいて、又はパターンマッチング等の画像処理を用いて、実行できる。また、前眼部像全体を位置合わせする代わりに、抽出された部分領域を位置合わせするようにしてもよい。
(ステップ6:合成画像の生成)
合成部112は、抽出部111により抽出された水晶体領域A12、強膜領域C2及び虹彩領域B3を合成して合成画像Gを生成する(図5Eを参照)。以上で、本動作例の処理は終了となる。
[効果]
細隙灯顕微鏡1の効果について説明する。
細隙灯顕微鏡1は、撮影部と、制御部101(及び記憶部102)と、抽出部111と、合成部112とを有する。撮影部は、観察系6と照明系8を含んで構成され、被検眼Eの前眼部を撮影する。制御部101は、前眼部の複数の部位に対応する複数の露出条件で撮影部に複数回の撮影を実行させる。抽出部111は、複数回の撮影のそれぞれにより得られた画像から、当該露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する。合成部112は、抽出された複数の部分領域を合成して前眼部の合成画像を生成する。
この細隙灯顕微鏡1によれば、前眼部の各部位に応じた露出条件で撮影された画像から当該部位に相当する部分領域を抽出し、これら部分領域を合成して1枚の前眼部像を生成するように構成されているので、各部位が鮮明に描出された単一の前眼部像を得ることが可能である。
また、この実施形態では、撮影部は可視光を用いて撮影を行い、また、複数の部位のいずれかは虹彩である。そして、制御部101は、複数回の撮影のうち虹彩に対応する露出での撮影を最後に実行させるように撮影部を制御する。
このような構成によれば、被検眼Eの縮瞳を利用して、広い虹彩領域を有する合成画像を得ることが可能となる。したがって、虹彩を主たる観察対象とする診断などに有効である。
また、部分画像の合成対象となる複数の部位としては、水晶体、虹彩、強膜、血管及び病変部のうちの2つ以上が含まれる。なお、上記動作例では、水晶体、虹彩及び強膜を対象としている。部位の選択は任意である。血管や病変部が「複数の部位」に含まれる場合においては、適当な露出条件で撮影された血管や病変部の画像が得られる。また、2以上の血管や2以上の病変部を選択し、選択された血管ごとに又は病変部ごとに露出条件を変更しつつ撮影を行うことができる。それにより、各血管や各病変部が鮮明に描出された画像が得られる。また、虹彩の両側の強膜に応じた2つの露出条件を適用して撮影を行うことも可能である。
〈第2の実施形態〉
第2の実施形態では、縮瞳を利用した他の撮影手法について説明する。この撮影手法では、水晶体(瞳孔)を主たる観察対象とする。この実施形態に係る眼科撮影装置は、第1の実施形態の細隙灯顕微鏡1と同様の構成を有する。以下、第1の実施形態の構成を準用して説明を行う。
この実施形態における細隙灯顕微鏡1の動作の一例を図6に示す。この動作例では、可視光を用いた前眼部撮影を2回行う。なお、アライメントやピント合わせなどの予備的作業は完了しているものとする。また、当該撮影手法に対応する撮影モードの指定もなされているものとする。
(ステップ11:撮影開始)
ユーザは、操作部104を操作して撮影開始を指示する。
(ステップ12:水晶体用露出条件で撮影)
制御部101は、水晶体用露出条件を露出条件102aから選択し、被検眼Eの前眼部を撮影する。得られた前眼部像は、適用された露出条件に対応する部位(水晶体)を表す情報に関連付けられて記憶部102に記憶される。
この撮影により得られた前眼部像の一例を図7Aに示す。この前眼部像(第1前眼部像)H1は、水晶体領域D1、虹彩領域E1及び強膜領域F1を含んでいる。
(ステップ13:強膜用露出条件で撮影)
次に、制御部101は、強膜用露出条件を露出条件102aから選択し、被検眼Eの前眼部を撮影する。得られた前眼部像は、適用された露出条件に対応する部位(強膜)を表す情報に関連付けられて記憶部102に記憶される。
この撮影により得られた前眼部像の一例を図7Bに示す。この前眼部像(第2前眼部像)H2には、水晶体領域D2、虹彩領域E2及び強膜領域F2が含まれている。縮瞳の影響により、第1前眼部像H1の水晶体領域D1は、第2前眼部像H2の水晶体領域D2よりも面積が大きい。
(ステップ14:部分領域の抽出)
抽出部111は、第1、第2前眼部像H1、H2のそれぞれから、その前眼部像の取得時に適用された露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する。本例では、抽出部111は、第1前眼部像H1から水晶体領域D1及び虹彩領域E1を抽出し(これら部分領域D1、E1を一体として抽出してもよい)、第2前眼部像H2から強膜領域F2を抽出する。なお、本例では、重複領域について考慮する必要はない。
(ステップ15:合成画像の生成)
合成部112は、抽出部111により第1前眼部像H1から抽出された水晶体領域D1及び虹彩領域E1と、第2前眼部像H2から抽出された強膜領域F2とを合成して合成画像Hを生成する(図7Cを参照)。以上で、本動作例の処理は終了となる。
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、前眼部の各部位に応じた露出条件で撮影された画像から当該部位に相当する部分領域を抽出し、これら部分領域を合成して1枚の前眼部像を生成するので、各部位が鮮明に描出された単一の前眼部像を得ることが可能である。
また、この実施形態では、撮影部は可視光を用いて撮影を行い、また、複数の部位のいずれかは水晶体である。そして、制御部101は、複数回の撮影のうち水晶体に対応する露出での撮影を最初に実行させるように撮影部を制御する。
このような構成によれば、被検眼Eの縮瞳を利用して、広い水晶体領域を有する合成画像を得ることが可能となる。したがって、水晶体(瞳孔)を主たる観察対象とする診断などに有効である。
その他、第1の実施形態で説明した構成や動作をこの実施形態に適用することにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
〈第3の実施形態〉
この発明では、前眼部撮影を複数回行う。よって、撮影ごとに瞼の位置が異なることが考えられる。つまり、或る撮影時には比較的目を開いており、別の撮影時には比較的目を細めていることが有り得る。特に、可視光で何度も撮影を行うと、眩しさから目を細めてしまう可能性が少なからずある。
そうすると、複数の前眼部像における被検眼に相当する画像領域の大きさや形状が異なってしまう。そのような複数の前眼部像に対して上記実施形態をそのまま適用すると、2つ又は3つ以上の部分領域の上辺や下辺の位置や形状が一致せず、いびつな合成画像が得られてしまう。なお、「辺」には、線分だけでなく曲線も含まれるものとする。
たとえば、第1の実施形態で説明した動作例において患者が3回目の撮影(虹彩用露出条件での撮影)で目を細めると、図8に示すようないびつな合成画像G′が得られてしまう。合成画像G′は、1回目の撮影による水晶体領域A12′と、2回目の撮影による強膜領域C2′と、目を細めた3回目の撮影による虹彩領域B3′とを合成したものである。虹彩領域B3′の上辺と下辺は、それぞれ強膜領域C2′の上辺と下辺と滑らかにつながっていない。
[構成]
そこで、この実施形態では、このような不都合を防止するための技術を提供する。この実施形態に係る眼科撮影装置の一例を図9に示す。この細隙灯顕微鏡200は、第1の実施形態の細隙灯顕微鏡1と同様のハードウェア構成を有する(図1及び図2を参照)。以下、第1の実施形態の構成を準用して説明する。
細隙灯顕微鏡200の制御系は、第1の実施形態とほぼ同様である。ただし、この実施形態の画像処理部110には特定部113が設けられている。更に、抽出部111が実行する処理も第1の実施形態と一部異なる。以下、これら相違点を中心に説明する。
(特定部)
特定部113は、複数回の撮影により得られた複数の前眼部像のうち、被検眼Eの前眼部に相当する前眼部領域の面積が最も狭い一の画像を特定する。この一の画像を基準前眼部像と呼ぶことがある。
「前眼部領域」について説明する。前述のように、前眼部像には、被検眼E(眼球)だけでなく瞼や睫毛も描出される。前眼部領域は、このような前眼部像全体のうち眼球に相当する画像領域(つまり上瞼と下瞼により囲まれた画像領域)を意味する。
特定部113が実行する処理についてより詳しく説明する。特定部113は、まず、各前眼部像における前眼部領域を特定する。この処理は、たとえば、前眼部像の画素値(輝度等)に基づいて眼球と瞼との境界を特定することにより実行される。また、パターンマッチング等の画像処理を用いて眼球に相当する画像領域の外周を特定したり、上瞼の下辺及び下瞼の上辺を特定したりするよう構成することも可能である。
続いて、特定部113は、各前眼部像における前眼部領域の面積を求める。この処理は、たとえば、前眼部領域に含まれる画素の個数をカウントすることにより実行される。ただし、複数の前眼部像の撮影倍率が異なる場合には、これら撮影倍率の違い(倍率比など)を考慮して全ての前眼部像のサイズを合わせてから面積を求める。なお、前眼部領域の面積を求める手法は、これに限定されるものではない。
次に、特定部113は、これら前眼部領域の面積を比較し、面積が最小の前眼部領域を有する前眼部像を特定する。この前眼部像が前述の基準前眼部像である。
(抽出部)
抽出部111は、基準前眼部像とそれ以外の前眼部像とで異なる処理を実行する。基準前眼部像に対し、抽出部111は、第1の実施形態と同様に、その前眼部領域から部分領域を抽出する。
一方、基準前眼部像以外の各前眼部像(対象前眼部像と呼ぶことがある)に対し、抽出部111は、その前眼部領域のうち、基準前眼部像の前眼部領域(基準前眼部領域と呼ぶことがある)との共通範囲の画像領域を抽出する。この処理についてより詳しく説明する。基準前眼部領域は、前述のように面積が最小の前眼部領域である。
抽出部111は、たとえば、必要に応じて画像位置合わせ処理(前述)を適用した後、対象前眼部像と基準前眼部像とを重ね合わせる(又は、対象前眼部領域と基準前眼部領域とを重ね合わせる)。
第1の実施形態と同様の第1前眼部像(対象前眼部像)J1と第3前眼部像(基準前眼部像)J3とを重ね合わせた状態を図10に示す。対象前眼部像J1の前眼部領域を破線で表し、基準前眼部像J3の前眼部領域を実線で表す。基準前眼部像の選択方法より、基準前眼部像J3は対象前眼部像J1の内部に位置する。
抽出部111は、対象前眼部像J1の水晶体領域A1と、基準前眼部領域A3+B3+C3(A3、B3、C3の和集合、つまり基準前眼部領域全体)との共通範囲を求める。図10に示す場合、共通範囲は水晶体領域A1全体となる。抽出部111は、この共通範囲に相当する画像領域として水晶体領域A1を抽出する。
同様に、第1の実施形態と同様の第2前眼部像(対象前眼部像)J2と第3前眼部像(基準前眼部像)J3とを重ね合わせた状態を図11に示す。対象前眼部像J2の前眼部領域を破線で表し、基準前眼部像J3の前眼部領域を実線で表す。基準前眼部像の選択方法より、基準前眼部像J3は対象前眼部像J2の内部に位置する。
抽出部111は、対象前眼部像J2の強膜領域C2と、基準前眼部領域A3+B3+C3との共通範囲を求める。図11に示す場合、共通範囲は、対象前眼部像J2の強膜領域C2のうち、基準前眼部像J3の強膜領域C3で囲まれた部分となる。抽出部111は、この共通範囲に相当する画像領域C2′を、この対象前眼部像J2の強膜画像として抽出する。
なお、合成対象の部分領域に重複部分がある場合(図5Dを参照)、抽出部111は、この重複部分を解消するための抽出処理を実行する。本例では、抽出部111は、第1の実施形態と同様に、水晶体領域A1から、虹彩領域B3の内周を外周とする略円盤状の部分領域A12を抽出する。この部分領域A12についても水晶体領域と呼ぶことにする。
(合成部)
合成部112は、第1の実施形態と同様に、抽出部111により抽出された複数の部分領域を合成して、前眼部の合成画像を生成する。
本例では、第1前眼部像J1からは上記の水晶体領域A12が、第2前眼部像J2からは図11に示す強膜領域C2′が、そして第3前眼部像からは図10及び図11に示す虹彩領域B3が、それぞれ抽出される。合成部112は、これら部分画像A12、C2′、B3を合成することで、図12に示す合成画像Jを生成することになる。合成画像Jは、複数回の撮影のうち被検眼Eが最も目を細めた状態で撮影が行われたときの眼球の露出範囲に限定して、複数の前眼部像の部分領域を合成したものである。
[効果]
この実施形態に係る細隙灯顕微鏡200の効果について説明する。
細隙灯顕微鏡200には、複数回の撮影により得られた複数の画像のうち、前眼部領域の面積が最も小さい一の画像(基準前眼部像)を特定する特定部113が設けられている。抽出部111は、基準前眼部像について、第1の実施形態と同様に、その前眼部領域から部分領域を抽出する。また、抽出部111は、基準前眼部像以外の各画像(対象前眼部像)について、その前眼部領域のうち、基準前眼部像の前眼部領域との共通範囲の画像領域を、当該対象前眼部像の部分領域として抽出する。そして、合成部112は、抽出部111により抽出された複数の部分領域を合成して合成画像を生成する。
このような構成によれば、撮影ごとに瞼の位置が異なった場合であっても好適な合成画像を得ることができる。
なお、複数の前眼部像における前眼部領域の面積の相異(差や比)の程度に応じて、この実施形態に係る処理の実行の有無を判断するようにしてもよい。たとえば、複数の前眼部像における前眼部領域の面積の差の最大値(つまり面積が最大のものと最小のものとの差)と、所定の閾値とを比較し、この面積の差の最大値が閾値以下である場合には上記処理を実行せず、閾値を超える場合には上記処理を実行するように構成することができる。
また、前眼部領域の面積と実質的に同一の評価値を用いて基準前眼部像を特定することもできる。このような評価値としては、上瞼と下瞼との距離(たとえば当該距離の最大値等)、目頭や目尻において上瞼と下瞼とが成す角度などがある。前者の場合、当該距離が最小となる前眼部像を基準前眼部像として選択する。後者の場合、当該角度が最小となる前眼部像を基準前眼部像として選択する。また、後者と類似の評価値として、瞼の縁端領域の向きやその変化がある。たとえば上瞼の下辺は上に凸な曲線と考えることができ、その曲線の傾き(接線方向)やその変化に基づいて基準前眼部像を選択することが可能である。
〈第4の実施形態〉
上記の実施形態では、前眼部の複数の部位に相当する複数の部分画像を合成している。また、複数の部分画像は、各々異なる露出条件で撮影されたものである。よって、合成画像において、隣接する部分画像の境界が不自然に見える可能性がある。この実施形態では、この問題を解決する技術について説明する。
[構成]
この実施形態に係る眼科撮影装置の一例を図13に示す。この細隙灯顕微鏡300は、第1の実施形態の細隙灯顕微鏡1と同様のハードウェア構成を有する(図1及び図2を参照)。以下、第1の実施形態の構成を準用して説明する。
細隙灯顕微鏡200の制御系は、第1の実施形態とほぼ同様である。ただし、この実施形態の画像処理部110には作成部114が設けられている。また、合成部112が実行する処理も第1の実施形態と一部異なる。以下、これら相違点を中心に説明する。なお、この実施形態においては、作成部114及び合成部112が「合成部」に相当する。
(作成部)
作成部114は、隣接する2つの部分領域に基づいて、これら部分領域の境界に直交する方向における透過率の変化を表すガウスフィルタを作成する。
「隣接する2つの部分領域」とは、境界を共にする部分領域の組、つまり境界を共有する部分領域の組を意味する。その具体例として、水晶体領域と虹彩領域との組、虹彩領域と強膜領域との組がある。また、前眼部の或る部位に存在する血管や病変部を考慮する場合には、当該部位に相当する部分領域と、当該血管や当該病変部に相当する部分領域との組も、隣接する部分領域に該当する。なお、このような組が複数存在する合成画像を生成する場合、作成部114は、これら複数組のうちの少なくとも1つについてガウスフィルタを作成するものであればよい。
「境界に直交する方向」とは、隣接する部分領域の境界が曲線である場合、又は境界を曲線とみなした場合においては、その曲線上の任意の位置における接線に直交する方向を意味する。また、境界の少なくとも一部が線分である場合、この線分上の任意の位置において当該線分に直交する方向が「境界に直交する方向」となる。
なお、境界の少なくとも一部が曲線である場合には、曲線上の位置に応じて「境界に直交する方向」が変化する。この場合、曲線上の各位置についてガウスフィルタを作成してもよいし、1つ以上の位置についてのみガウスフィルタを作成してもよい。後者においては、たとえば当該ガウスフィルタを他の位置に適用することも可能である。
ガウスフィルタの作成手法について、その一例を説明する。本例では、第1の実施形態で合成画像G(図5Eを参照)を生成する場合を取り上げる。なお、以下の処理は合成画像Gが生成される前に実行される。
作成部114は、必要に応じ、抽出部111により抽出された水晶体領域A12、虹彩領域B3及び強膜領域C2を受ける。作成部114は、水晶体領域A12と虹彩領域B3との境界や、虹彩領域B3と強膜領域C2との境界に対して、ガウスフィルタの作成処理を実行する。以下、虹彩領域B3と強膜領域C2との境界に対するガウスフィルタの作成処理について説明する(図14及び図15を参照)。
作成部114は、必要に応じ、虹彩領域B3と強膜領域C2との境界Rを曲線で近似する。この近似曲線も境界Rと呼ぶ。作成部114は、境界R上の任意の位置Pにおける接線を求め、この接線に直交する方向を求める。この直交方向を「x方向」とする。また、位置Pから見て虹彩領域B3側の向きを+x方向とし、その逆の向きを−x方向とする。
次に、作成部114は、+x方向に向かって透過率が減少する第1のガウスフィルタGF1を生成する(図15を参照)。ガウスフィルタGF1は、周知のように、次式により定義される。
Figure 2015231570
更に、作成部114は、図15に示す座標系の縦軸(透過率を表す座標軸)に対し、第1のガウスフィルタGF1をx方向において反転させて、第2のガウスフィルタGF2を作成する(図示せず)。
なお、x方向におけるガウスフィルタのスケールは任意に設定される。このスケール(σの値)は、予め設定されたデフォルト値であってもよいし、対象となる部分領域等に基づいてその都度設定した値であってもよい。後者の例として、2つの部分領域について、その境界上の対象位置の近傍の画素値(輝度等)の相異(差、比等)に基づいて、当該スケールを設定することができる。
(合成部)
合成部112は、第1、第2のガウスフィルタGF1、GF2と、水晶体領域A12、虹彩領域B3及び強膜領域C2とを受ける。合成部112は、フィルタ処理の対象となる2つの部分領域のうち+x側に位置する虹彩領域B3に対して第1のガウスフィルタGF1を適用する。このとき、虹彩領域B3と第1のガウスフィルタGF1とは、互いのx方向が一致され、かつ、図15の座標系の原点が位置Pに一致されて、フィルタ処理が実行される。同様に、合成部112は、−x側に位置する強膜領域C2に対して第2のガウスフィルタGF2を適用する。
このフィルタ処理は、1つ以上の位置Pに対してそれぞれ実行される。また、或る位置Pについて上記フィルタ処理を実行し、その近傍位置に対しても同じガウスフィルタを用いて同様のフィルタ処理を行うようにしてもよい。
また、合成部112は、水晶体領域A12と虹彩領域B3との境界に対しても同様のフィルタ処理を行う。更に、虹彩領域B3や強膜領域C2と、瞼に相当する部分領域(瞼領域)との境界などについても、同様のフィルタ処理を施すことが可能である。
続いて、合成部112は、フィルタ処理が施された水晶体領域A12、虹彩領域B3及び強膜領域C2(並びに瞼領域等)を合成して合成画像Gを生成する。
以上の例では、境界と共にする2つの部分領域の双方に対してガウスフィルタを適用しているが、その一方のみにガウスフィルタを適用するように構成することも可能である。
[効果]
この実施形態に係る細隙灯顕微鏡300の効果について説明する。
細隙灯顕微鏡300には、隣接する2つの部分領域の境界に直交する方向における透過率の変化を表すガウスフィルタを作成する作成部114が設けられている。更に、合成部112は、2つの部分領域の一方又は双方にガウスフィルタを適用した後に、合成画像の生成を行う。
特に、作成部114は、境界に直交する方向において所定の向きに向かって透過率が減少する第1のガウスフィルタGF1と、これを反転させた第2のガウスフィルタGF2とを生成する。更に、合成部112は、2つの部分領域のうち所定の向きの側に位置する一方の部分領域に対して第1のガウスフィルタGF1を適用し、かつ、他方の部分領域に対して第2のガウスフィルタGF2を適用する。そして、合成部112は、これらフィルタ処理後の部分画像に基づいて合成画像を生成する。
このような構成によれば、隣接する部分画像の境界の近傍領域に対してガウスフィルタによりぼかしを入れることができるので、これら部分領域のつながり部分の不自然さを解消することができる。
[変形例]
以上に説明した構成は、この発明を実施するための一具体例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。以下、このような変形の一例を説明する。
〔変形例1〕
上記の実施形態では、複数の露出条件を予め記憶している構成について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、事前の撮影により得られた前眼部像を解析して露出条件を決定することができる。そのための構成の一例を図16に示す。
図16に示す構成は第1の実施形態の変形例である。この変形例では、前眼部の複数回の撮影を行う前に、前眼部の事前撮影を行う。この事前撮影は、所定の露出条件で実行される。事前撮影により得られた画像を事前画像と呼ぶことがある。また、事前撮影で適用された露出条件を事前露出条件と呼ぶことがある。事前画像と事前露出条件は、たとえば記憶部102に記憶される。
制御部101には決定部105が設けられている。決定部105は、被検眼Eの事前画像を解析して複数の露出条件を決定する。この処理の例を説明する。まず、決定部105は、事前画像と事前露出条件とを受ける。
決定部105は、事前画像における複数の部分領域を特定し、各領域の露出状態を判定する。露出状態の判定結果は、たとえば、適正露出、露出アンダー(暗すぎる)、露出オーバー(明るすぎる)に分類される。また、露出アンダー又は露出オーバーの場合については、適正露出に対するズレ量を求めるようにしてもよい。
次に、決定部105は、取得された露出状態のズレ量に基づいて、各部分領域が適正露出になるような露出条件を決定する。制御部101は、決定部105により得られた各部分領域の露出条件を記憶部102に記憶させる。これが露出条件102aとなる。
この変形例によれば、被検眼ごとに露出条件102aを求めることができるので、合成画像における各部位の鮮明さの向上を図ることが可能である。
〔変形例2〕
この変形例は画像の表示処理に関する。この変形例に係る眼科撮影装置(細隙灯顕微鏡)の構成例を図17に示す。図17に示す構成は第1の実施形態の変形例である。
制御部101は、合成部112により生成された合成画像を表示部103に表示させる。ユーザは、操作部104を操作し、合成画像中の位置を指定する。この操作は、たとえばマウスによるクリック操作である。操作部104は「第1の指定部」に相当する。また、記憶部102には、合成画像の生成に供された複数の前眼部像が記憶されている。
制御部101は選択部106を有する。選択部106は、複数の前眼部像のうちから、指定された位置を含む部分領域が抽出された画像を選択する。すなわち、合成画像は、抽出部111により複数の前眼部像から抽出された複数の部分領域を合成して生成されたものである。よって、操作部104による指定位置は、これら部分領域のいずれかに含まれる。選択部106は、合成画像における指定位置を含む部分画像を特定し、更に、この部分画像が抽出された前眼部像を特定する。選択部106は「第1の選択部」に相当する。
制御部101は、選択部106により選択された前眼部像を表示部103に表示させる。このとき、当該前眼部像と合成画像とを並べて表示させるようにしてもよいし、合成画像の表示を終了させるとともに当該前眼部像を表示させるようにしてもよい。
具体例として、第1の実施形態の合成画像G(図5Eを参照)が表示されている場合、ユーザは、マウス(操作部104)を用いて、合成画像G中の所望の位置をクリックする。たとえば水晶体領域A12中の位置がクリックされたとすると、選択部106は、記憶部102に記憶されている前眼部像G1〜G3のうちから、水晶体領域A12が抽出された前眼部像G1(図5Aを参照)を選択的に読み出す。制御部101は、読み出された前眼部像G1を表示部103に表示させる。
この変形例によれば、合成画像において注目する部位があったときに、その元画像(前眼部像)を選択的に表示させて観察に供することができる。
〔変形例3〕
この変形例も画像の表示処理に関する。この変形例に係る眼科撮影装置(細隙灯顕微鏡)は、変形例2と同様の構成を有する(図17を参照)。
ユーザは、操作部を操作し、合成画像に描出された複数の部位のうちのいずれかを指定する。この操作は、たとえば次のようにして行われる。まず、制御部101は、所定の操作画面を表示部103に表示させる。この操作画面には、合成画像に描出された複数の部位を示す情報が選択可能な態様で提示されている。この提示態様としては、アイコンやボタン等のソフトウェアキーがある。また、複数の部位を示す情報をプルダウンメニューとして提示することも可能である。ユーザは、操作部104を用いて所望の部位を選択する。操作部104は「第2の指定部」に相当する。
第1の実施形態で説明したように、記憶部102には、前眼部像と、その撮影において適用された露出条件に対応する部位を表す情報とが、互いに関連付けられて記憶されている。
制御部101は選択部106を有する。選択部106は、記憶部102に記憶されている上記関連付けの情報を参照することで、複数の前眼部像のうちから、指定された部位に対応する前眼部像、つまり指定された部位に対応する露出条件での撮影により得られた前眼部像を選択する。選択部106は「第2の選択部」に相当する。
制御部101は、選択部106により選択された前眼部像を表示部103に表示させる。このとき、当該前眼部像と合成画像とを並べて表示させるようにしてもよいし、合成画像の表示を終了させるとともに当該前眼部像を表示させるようにしてもよい。
この変形例によれば、ユーザは、合成画像に描出されている部位のうち所望のものを選択指定するだけで、その元画像(前眼部像)を観察することができる。
〔その他の変形例〕
上記の実施形態や変形例では、患者の眼球に相当する部分の画像領域(前眼部領域)に対する処理について特に説明した。一方、それ以外の画像領域については、複数回の撮影で得られた画像のいずれかからこれを抽出し、前眼部領域の合成画像に合成することが可能である。「それ以外の画像領域」は、前眼部像から前眼部領域を除いた画像領域であり、瞼や睫毛のように患者の顔において眼球の近傍にある部位に相当する。なお、第3の実施形態においては、特定部113により特定された基準前眼部像から「それ以外の画像領域」を抽出することが望ましい。
以上、この発明に係る眼科撮影装置の様々な構成例を説明したが、これら構成例のうちの2つ以上を任意に組み合わせて実施することが可能である。
1 細隙灯顕微鏡(眼科撮影装置)
6 観察系
8 照明系
13 撮像装置
31 対物レンズ
51 光源
101 制御部
102 記憶部
102a 露出条件
103 表示部
104 操作部
105 決定部
106 選択部
110 画像処理部
111 抽出部
112 合成部
113 特定部
114 作成部
O1 観察光軸
O2 照明光軸
E 被検眼

Claims (4)

  1. 被検眼を撮影する撮影部と、
    複数の露出条件をあらかじめ記憶した記憶部を含み、前記複数の露出条件で前記撮影部に複数回の撮影を実行させる制御部と、
    前記複数回の撮影のそれぞれにより得られた画像から、当該露出条件に対応する部位に相当する部分領域を抽出する抽出部と、
    前記抽出された複数の前記部分領域を合成して合成画像を生成する合成部と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記記憶部は、血管に対応する露出条件を少なくとも記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記記憶部は、病変部に対応する露出条件を少なくとも記憶する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科撮影装置。
  4. 細隙灯顕微鏡、手術用顕微鏡及び眼底カメラのいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科撮影装置。
JP2015176488A 2015-09-08 2015-09-08 眼科撮影装置 Pending JP2015231570A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176488A JP2015231570A (ja) 2015-09-08 2015-09-08 眼科撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176488A JP2015231570A (ja) 2015-09-08 2015-09-08 眼科撮影装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011118300A Division JP5808576B2 (ja) 2011-05-26 2011-05-26 眼科撮影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015231570A true JP2015231570A (ja) 2015-12-24

Family

ID=54933424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015176488A Pending JP2015231570A (ja) 2015-09-08 2015-09-08 眼科撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015231570A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019514569A (ja) * 2016-05-02 2019-06-06 ノバルティス アーゲー レーザ手術のための患者のアイレジストレーション用オーバレイ画像形成

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019514569A (ja) * 2016-05-02 2019-06-06 ノバルティス アーゲー レーザ手術のための患者のアイレジストレーション用オーバレイ画像形成

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11986244B2 (en) Wide field fundus camera with auto-montage at a single alignment
JP6321430B2 (ja) 眼科装置
US10226174B2 (en) Ocular fundus imaging systems, devices and methods
JP4865257B2 (ja) 眼底撮影装置及びプログラム
US7506982B2 (en) Ophthalmologic photographing apparatus
JP4244160B2 (ja) 眼底カメラ
US20190269323A1 (en) Ocular Fundus Imaging Systems Devices and Methods
JP2020529226A (ja) 眼科撮像の改良のためのシステムおよび方法
WO2011038457A1 (en) Imager, module for an imager, imaging system and method
MX2011004021A (es) Aparato y metodo para procesamiento de imagen del ojo.
JP2016179004A (ja) スリットランプ顕微鏡及びその制御方法
JP5808576B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2012213555A (ja) 眼底撮影装置
JP2004024470A (ja) 眼科撮影装置
JP2019155147A (ja) スリットランプ顕微鏡を含む眼科システム
JP2015231570A (ja) 眼科撮影装置
EP4238479A1 (en) Ophthalmological observation device
JP2019048161A (ja) レーザ治療装置
JP6490472B2 (ja) 眼科撮影装置、およびその制御方法
JP5465210B2 (ja) 眼底撮影装置
CN114364306A (zh) 裂隙灯显微镜、眼科信息处理装置、眼科系统、裂隙灯显微镜的控制方法以及记录介质
JP7171162B2 (ja) 眼科撮影装置
JP5160958B2 (ja) 眼底撮影装置及び眼底画像処理装置
JP6691596B2 (ja) 眼科撮影装置
JP6860637B2 (ja) 眼科撮影装置、およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20161226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161227