以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている図示しない球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び遊技者が回動操作することが可能な打球発射装置の発射操作部24等が設けられている。この発射操作部24の回動角度を調節することで、打球発射装置が遊技球を打ち出す勢い(発射勢)を増減させることができる。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記発射操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、遊技盤30の構成例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート(始動領域))34が、遊技領域32のセンターケース40の右上側には、ミッション用ゲート(球通過領域)80がそれぞれ設けられている。また、ミッション用ゲート80の上方には、ゴムなどからなる球勢吸収部31aが設けられ、遊技領域32の球勢吸収部31aと対向する位置には、遊技球が間を通過可能な間隔を空けて上下方向に延びる壁31bが形成されている。この球勢吸収部31aと壁31bとによって、ミッション用ゲート80に向かって上下方向に延びる遊技球の通路が形成されている。
また、センターケース40右下側及び左下側には、一般入賞口35がそれぞれ三つずつ配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられている。始動入賞口36は常に遊技球が入賞可能な状態となっている。始動入賞口36の直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
また、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の右側には、上下方向に延びる壁31cが設けられている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲーム(普通変動表示ゲーム)の結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。つまり、普通変動入賞装置37は、普通変動表示ゲームの実行結果に基づいて遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換される第2始動入賞領域である。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ可能な状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。つまり、特別変動入賞装置38は、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能な変動入賞装置である。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの保留数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(保留数=始動記憶数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の保留数を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の保留数を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(10ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、その一部が普図始動ゲート34を通過する。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
特に、遊技領域32に向けて遊技球が強めに打ち出される(所謂右打ちをする)と、遊技球がセンターケース40の右側を流下するようになる。その際、遊技球の一部は球勢吸収部31aに衝突して勢いを吸収され、球勢吸収部31aと壁31bとの間を下方に落下してミッション用ゲート80を通過する。この壁31bにより遊技球を球勢吸収部31aに衝突させるように打ち出すだけで容易にミッション用ゲート80を通過させることが可能となっている。ミッション用ゲート80内には、該ミッション用ゲート80を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるミッションゲートスイッチ80a(図3参照)が設けられており、該ミッション用ゲート80を通過した遊技球の数をカウントできるようになっている。
センターケース40の右側を流下し、右側の一般入賞口35に入賞しなかった遊技球は、壁31cによって鉛直下方に流下方向を変えられ、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37に入賞することなく大入賞口38又はアウト口39に流入する。なお、本実施例では、ミッション用ゲート80を普図始動ゲート34から離して設けるとともに、壁31cを設けることによって、ミッション用ゲート80に向けて打ち出した遊技球を始動入賞させないようにしているが、壁31cを設けずにセンターケース40の右側を流下してきた遊技球を入賞可能としてもよいし、ミッション用ゲート80を通過した遊技球が普図始動ゲート34や始動入賞口36等に入賞できるようにミッション用ゲート80を配置しても良い。また普図始動ゲート34や他の入賞口35,36,37をミッション用ゲートと兼用させても良い。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図保留数の上限数未満でならば、普図保留数が加算(+1)されて普図保留記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図保留記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値並びに転落抽選乱数が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図保留記憶(特図始動記憶)として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。この特図保留記憶及び特図保留記憶領域の詳細については後述する。この特図保留記憶の記憶数(=保留数)は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図保留表示器54,55に表示される。
また、保留記憶の記憶数は、センターケース40の表示装置41においても表示される。表示装置41は、その表示領域の下部に、保留記憶を示す図柄(例えば○等:図54参照)を、特図1保留記憶、特図2保留記憶のどちらであるかは関係なく、記憶した順(入賞のあった順)に左から一列に表示する。このため、表示装置41に表示される保留記憶の数は、特図保留表示器54,55にそれぞれ表示される保留数の合計(最大で8個)となる。
また、表示装置41に表示される保留記憶を示す図柄は、例えば図59に示すように、その表示態様を変化させることが可能となっており、その表示態様が変化した保留記憶に対応する特図変動表示ゲームにおいて、特殊な結果(例えば大当り)になる可能性があることを示唆することができる。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの保留記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図保留数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
なお、本実施例では、特図変動表示ゲームを、保留記憶の発生順に、すなわち、表示装置41に表示される保留記憶の並び順で実行するようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、保留数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って保留記憶が記憶されて、保留数が1加算されるととともに、直ちに保留記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に保留数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、保留数が上限数未満ならば、保留数が1加算されて保留記憶が1つ記憶されることになる。そして、保留数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、保留数が1減算されるとともに、記憶された保留記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域(乱数セーブ領域等)として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、保留記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R大当りや10R大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、それぞれ後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。この変動パターンテーブルの詳細については後述する。
ところで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成したりして出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態(通常確率状態)或いは高確率状態)、普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、保留数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について説明する。図4は、演出制御装置300のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各
種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行したりする。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。このRAMには、遊技用マイコン111のRAM111Cに設けられている各種セーブ領域に対応する記憶領域(先読み記憶領域等)が設けられている。この先読み記憶領域については後述する。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ44a、遊技盤30に設けられたミッション用ゲート80内の遊技球の通過を検出するミッションゲートスイッチ80aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
従って、遊技制御装置100は、始動領域(普図始動ゲート34)への遊技球の通過に基づいて識別情報を変動表示する普通変動表示ゲームを行う普通変動表示ゲーム実行手段をなす。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力(始動入賞)に基づき保留記憶を記憶し、この保留記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り乱数値(判定情報)を抽出してROM111Bに記憶されている大当り判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき保留記憶を記憶し、この保留記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り乱数値(判定情報)を抽出してROM111Bに記憶されている大当り判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
なお、大当り判定値(特別結果情報)には高確率時のものと低確率時のものがあり、判定対象の保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム実行時の確率状態に応じて使い分けるようになっている。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(事前演出図柄コマンド等)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特別図柄の変動に伴う演出(単独演出、連続予告演出)や遊技者が参加可能なミッション等を表示する処理を行う。なお、連続予告演出及びミッションの詳細については後述する。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は10回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、確率状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、低確率状態(通常確率状態)に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
確率状態が高確率状態になると、特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選が行われる。この転落抽選に当選すると、対応する特図変動表示ゲームの終了後、特別遊技状態を経ずに確率状態が高確率状態から低確率状態に転落する。転落抽選に当選しない間は高確率状態が維持される。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、普通変動入賞装置37の動作状態として時短動作状態(普電サポート状態)を発生可能となっている。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
本実施例では、時短動作状態は、大当りの確率に関係なく(高確率状態であっても低確率状態であっても)発生可能となっているが、高確率状態の発生中は、普通変動入賞装置37の動作状態は必ず時短動作状態となるように設定されている。つまり、本実施例の遊技機10は、常に、高確率状態かつ時短動作状態、低確率状態かつ時短動作状態、低確率状態かつ通常動作状態の何れかの遊技状態となっている。以下、高確率状態かつ時短動作状態を確変状態、低確率状態かつ時短動作状態を時短状態、低確率状態かつ通常動作状態を通常状態と称する。
なお、高確率状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能とし、両方を同時に発生させるようにしたり、一方のみを発生させたりしてもよい。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、小特別遊技状態を発生可能となっている。小特別遊技状態では、特図1表示器51や特図2表示器52に小当り結果態様が表示され、大入賞口が0.5秒ずつ2回開放されることとなり、合計の開放時間が1秒とされる。なお、小特別遊技状態終了後の特図の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態は、小当り結果態様が停止表示される前と同じ状態となる。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図5には、特図変動表示ゲームの結果態様の一覧を示した。本実施例の遊技制御装置100で実行される特図変動表示ゲームの結果態様には、はずれの他、2種類の大当り(大当り1、大当り2)と、小当りが設定されている。特図変動表示ゲームの開始前に、大当り乱数、大当り図柄乱数等の判定情報に基づいて図柄情報が設定され、図柄情報に対応する結果態様が選択される。そして、選択された結果態様に基づき、特別遊技状態の実行態様(ラウンド数や大入賞口の開放時間)や付加遊技価値の量(高確率状態や時短動作状態を発生させるか否か等)が決定される。
具体的には、取得した大当り乱数が大当り判定値とも小当り判定値とも異なると判定されると、図柄情報が0に設定される。すると特図変動表示ゲームの変動結果がはずれとなる。
また、取得した大当り乱数が大当り判定値と一致し、大当り乱数図柄に基づいて図柄情報が1〜7の何れかに設定されると、特図変動表示ゲームの変動結果が大当り1となる。大当り1では、15ラウンド(大入賞口の開放時間は例えば25秒)の特別遊技状態が発生する。また、特別遊技状態の終了後は、特図の確率状態が高確率状態に設定されるとともに、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態に設定される。この高確率状態は、転落抽選に当選するまで継続される。また、時短動作状態は、特別遊技状態の終了後から特図変動表示ゲームが100回実行されるまでに転落抽選に当選、すなわち低確率状態に転落しなければ、100回目の特図変動表示ゲームの終了まで継続される。一方、特図変動表示ゲームが100回を超えてもなお高確率状態である場合は、転落抽選に当選するまで時短動作状態が継続される。
また、取得した大当り乱数が大当り判定値と一致し、大当り図柄乱数に基づいて図柄情報が8又は9に設定されると、特図変動表示ゲームの変動結果が大当り2となる。大当り2では、10ラウンド(大入賞口の開放時間は例えば25秒)の特別遊技状態が発生する。特別遊技状態の終了後は、特図の確率状態が高確率状態に設定されるとともに、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態に設定される。この高確率状態は、大当り1の場合と同様に転落抽選に当選するまで継続される。また、時短動作状態は、特別遊技状態の終了後から特図変動表示ゲームが50回実行されるまでに転落抽選に当選しなければ、50回目の特図変動表示ゲームの終了まで継続される。一方、特図変動表示ゲームが100回を超えてもなお高確率状態である場合は、転落抽選に当選するまで時短動作状態が継続される。
また、取得した大当り乱数が大当り判定値と異なり、小当り判定値と等しいと判定されると、図柄情報が10に設定される。すると特図変動表示ゲームの変動結果が小当りとなる。小当りでは、前述したように、大入賞口が0.5秒ずつ2回開放される小特別遊技状態が発生し、特図の確率状態及び普通変動入賞装置37の動作状態は、小特別遊技状態の前後で変化しない。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御処理について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する期間の時間値を設定(ステップS27)し、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるか否かの判定(ステップS35)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをRWMのチェックサム領域にセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。なお、特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細については後述する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う処理である。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定(先読み判定)を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)及び特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。この大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行って、特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)による保留記憶の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留記憶の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、特図2保留記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE:どちらの始動口スイッチかを示す種別情報)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION:実際の保留数)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの変動パターン乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221、A222、A223)。なお、変動パターン乱数1は、特図変動表示ゲームの後半の変動の系統を決定するための乱数であり、変動パターン乱数2は、後半変動の系統内の詳細を決定するための乱数である。また、変動パターン乱数3は、特図変動表示ゲームの前半の変動を決定するための乱数である。その後、転落抽選乱数を抽出してRWMの転落抽選乱数セーブ領域にセーブする(ステップA224)。
続けて、特図保留情報判定処理(ステップA225)を行い、特図1保留数と特図2保留数の合計を算出(ステップA226)する。そして、特図保留数の合計値に対応する変動順序フラグ領域のアドレスを算出(ステップA227)し、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを算出後のアドレスにセーブ(ステップA228)する。そして、事前遊技状態更新処理(ステップA229)を行い、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理(ステップA225)及び事前遊技状態更新処理(ステップA229)の詳細については後述する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA211;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA211にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA211;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
この処理により、始動入賞口36からの入賞が特図1保留記憶として、普通変動入賞装置37からの入賞が特図2保留記憶としてそれぞれ記憶される。そして、記憶された特図保留記憶には、始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらからの入賞であるかに関わらず、入賞のあった順に消化されるよう順番が付けられる。
図12には、上記特図始動口スイッチ共通処理において各種乱数をセーブした乱数セーブ領域について、図13には、始動口入賞フラグをセーブした変動順序フラグ領域についてそれぞれ示した。遊技用マイコン111のRAM111C(RWM)には、特図1保留記憶を記憶する特図1保留記憶領域、特図2保留記憶を記憶する特図2保留記憶領域、変動順序フラグを記憶するための変動順序フラグ領域などが設けられている。
特図1保留記憶領域(特図2保留記憶領域)は、特図1保留記憶(特図2保留記憶)の上限数である4つの保留セーブ領域に区切られ、各保留セーブ領域の中に、上記した大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3、転落抽選乱数をセーブするための乱数セーブ領域がそれぞれ設けられている。
そして、始動入賞口36(普通変動入賞装置37)に入賞があると、前述したステップA218〜A224の処理において、これらの保留セーブ領域のうち、最も番号の若い空き領域に各種乱数がセーブされ、特図1保留記憶(特図2保留記憶)が記憶されたことになる。例えば、特図1保留記憶が2つ記憶されている状態で、始動入賞口36(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、特図1保留記憶領域(特図2保留記憶領域)の保留記憶3用乱数セーブ領域に、各種乱数がセーブされ、3つ目の特図1保留記憶(特図2保留記憶)が記憶されたことになる。
また、保留1セーブ領域の特図1保留記憶(特図2保留記憶)に基づいて特図変動表示ゲームが実行されると、特図1保留記憶(特図2保留記憶)が消化される。このとき、2番目以降の保留セーブ領域に保留記憶がセーブされていれば、後述する特図1変動開始処理(特図2変動開始処理)において各保留セーブ領域に記憶されていた各保留記憶が一つ若い番号の保留セーブ領域にそれぞれシフトし、最後の保留記憶が記憶されていた保留セーブ領域がクリアされる。
従って、遊技制御装置100は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、判定情報を抽出して、変動表示ゲームの始動記憶として所定の上限数の範囲内で記憶することが可能な始動記憶手段をなす。
変動順序フラグ領域は、特図1保留記憶と特図2保留記憶の上限数の合計である8つ(8バイト)の始動口入賞フラグ領域に区切られている。そして、始動入賞口36(普通変動入賞装置37)に入賞があると、ステップA226,A227の処理において、当該入賞に対応する保留記憶が、現在記憶されている全ての保留記憶の中で何番目にあたるかが算出され、ステップA228の処理において、始動口1入賞フラグ(始動口2入賞フラグ)がセーブされ、特図変動表示ゲームの順番(何番目に第1、第2どちらの特図変動表示ゲームを実行するか)が決定される。
また、特図変動表示ゲームが実行され保留記憶が消化されたとき、2番目以降の始動口入賞フラグ領域に始動口入賞フラグがセーブされていれば、後述する特図1変動開始処理(特図2変動開始処理)において各始動口入賞フラグ領域に記憶されていた各始動口入賞フラグが一つ若い番号の始動口入賞フラグ領域にそれぞれシフトし、最後の始動口入賞フラグが記憶されていた始動口入賞フラグ領域がクリアされる。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該保留記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、特図保留情報判定処理では、まず、転落判定処理を行う(ステップA230)。この転落判定処理(ステップA230)の詳細については後述する。そして、事前判定確率フラグ領域から事前判定確率フラグを取得(ステップA231)する。この事前判定確率フラグは、対応する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行時の確率状態を示すもので、高確率状態になることを示す高確率フラグと、低確率状態になることを示す低確率フラグの2種類がある。
次に、取得した事前判定確率フラグが高確率フラグであるか否かを判定(ステップA232)し、高確率フラグである場合(ステップA232;Yse)は、高確率時の大当り判定値を設定(ステップA233)して、ステップA235に移行する。取得した事前判定確率フラグが高確率フラグではない、すなわち、低確率フラグである場合(ステップA232;No)は、低確率時の大当り判定値を設定(ステップA234)して、ステップA235に移行する。
ステップA235では、特図保留記憶領域の複数の保留セーブ領域のうち、対象となる領域から大当り乱数をロードする。そして、ステップA233又はA234で設定した大当り判定値(特別結果情報)と等しいか否か、すなわち、大当りであるか否かを判定(ステップA236)する。大当り乱数が大当り判定値と等しい場合(ステップA236;Yes)は、RWMの事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得(ステップA237)する。事前確率移行フラグは、確率状態が低確率状態に転落することを示す転落フラグ、確率状態が高確率状態に昇格することを示す昇格フラグ、そのままの確率状態を維持することを示す確率維持フラグの3種類がある。
そして、ステップA237で取得した事前確率移行フラグに昇格フラグを合成して、事前確率移行フラグ領域にセーブ(ステップA238)する。本実施例の事前確率移行フラグは、例えば1バイトの情報量を持っており、その中に、昇格フラグ用のビット、転落フラグ用のビットというようにフラグ毎のセーブ位置が指定されている。昇格フラグと異なる事前確率移行フラグの所定の空きビットに昇格フラグをセーブすることにより昇格フラグの合成が行われる。例えば、ステップA237で取得した事前確率移行フラグが0フラグであれば、合成により昇格することを示すフラグとなる。一方、取得したフラグが転落フラグであれば、合成により転落後に昇格することを示すフラグとなり、ある特図変動表示ゲームで転落抽選の当選(転落)と大当り(昇格)が同時に発生した場合にも対応可能となっている。このように、ステップA238では、必ず昇格フラグが合成されるため、大当りによる特別遊技状態の後は必ず高確率状態に移行することになる。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定(ステップA239)し、対象となる乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロード(ステップA240)する。このように、始動口スイッチ毎に大当り図柄情報テーブルを用意することで、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとで各結果態様の発生率を変化させることが可能となる。そして、ステップA239で設定した大当り図柄情報テーブルから、大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得(ステップA241)し、ステップA247に移行する。
ステップA236で、大当り乱数が大当り判定値と等しくない場合(ステップA236;No)は、転落フラグの有無を判定(ステップA242)し、転落フラグがない場合(ステップA242;No)は、確率維持フラグをRWMの事前確率移行フラグ領域にセーブ(ステップA243)して、ステップA244に移行する。一方、転落フラグがある場合(ステップA242;Yes)は、ステップA244にスキップする。ステップA244では、はずれ時の図柄情報を取得する。そして、判定結果が小当りであるか否かを判定(ステップA245)する。小当りであるか否かは大当り乱数を用いて判定する。判定結果が小当りである場合(ステップA245;Yes)は、小当り時の図柄情報を取得(ステップA246)して、すなわち、ステップA244で取得したはずれ時の図柄情報と置き換えて、ステップA247に移行し、小当りでない場合(ステップA245;No)は、ステップA247にスキップする。
ステップA247では、ステップA241,A244又はステップA246で取得した図柄情報を作業用の図柄情報領域にセーブする処理を行う。そして、事前遊技状態フラグ領域から事前遊技状態フラグを取得(ステップA248)する。事前遊技状態フラグには、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポート状態)になることを示す時短中フラグ(特図高確率状態)と、時短動作状態において特図変動表示ゲームを所定回数(時短変動回数)実行した後も当該時短状態が継続されることを示す事前時短継続フラグ(特図高確率状態)の2種類のフラグがあり、RWMの事前遊技状態フラグ領域がクリアされた状態は普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態(特図低確率状態)となっていることを示す。
事前遊技状態フラグを取得(ステップA248)した後は、事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得(ステップA249)する。そして、ステップA248,A249で取得した2つのフラグ(情報)から状態判別情報(MODE)を生成(ステップA250)する。そして、図柄情報領域から図柄情報(ACTION)を取得(ステップA251)し、ステップA250で生成した状態判別情報とステップA251で取得した図柄情報を合成して演出制御装置300へ送信するための事前演出図柄コマンドを生成(ステップA252)して、コマンド設定処理(ステップA253)を行う。次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備(ステップA254)した後、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備(ステップA255)する。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA256)を行う。続けて、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA257)を行う。この変動パターン設定処理(ステップA257)の詳細については後述する。
そして、設定された変動パターンの前半及び後半変動番号に対応する事前演出変動コマンドを生成し(ステップA258)、コマンド設定処理(ステップA259)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
この処理により、保留記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り保留記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
また、確率が昇格したのか、転落したのか、転落後に昇格したのか、変化無しなのかを示す事前確率移行フラグと事前遊技状態フラグからなる状態判別情報(MODE)を図柄情報(ACTION)とともにコマンドセットすることで、そのコマンドを受けたサブでは当該コマンドを起点とした連続予告演出の実行が可能となる。
また、先読み判定の結果が転落又は大当りとなった場合、先読み判定用の事前判定確率フラグ(高確率、低確率)を設定することにより、それ以降に記憶された保留記憶については事前判定確率フラグに応じた判定値で先読みを行う。具体的には、本処理を開始する時点の確率状態が高確率状態であっても、転落の先読み結果が出た場合には、それ以降の大当りの先読み判定が低確率時の大当り判定値に基づいて判定を行う。更にこの処理では、転落抽選乱数の判定が大当り乱数の判定よりも先に行われるため、大当りと確率状態の転落が同時に発生(1度も高確率での大当り判定を受けることができない)場合が起こる可能性がある。
従って、遊技制御装置100は、始動記憶手段に記憶される始動記憶の判定情報を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時における前記確率状態に応じて事前に判定することが可能な事前判定手段をなす。
なお、保留記憶に対応して記憶された大当り乱数値を事前に判定する時期は、当該保留記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該保留記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
図15には、ステップA252で演出制御装置300に送信する事前演出図柄コマンドの内容を示した。事前演出図柄コマンドは、前述した状態判別情報(MODE)と図柄情報(ACTION)の2種類の情報からなる。事前演出図柄コマンド(MODE)は、普通変動入賞装置37の動作状態(通常状態、時短状態)を示す事前遊技状態情報と、確率状態の移行(転落、昇格、転落後に昇格、維持)を示す事前確率移行情報が含まれている。
一方、事前演出図柄コマンド(ACTION)には、特図変動表示ゲームの結果態様(大当り1、大当り2、小当り、はずれ)を決定する図柄情報が含まれている。
〔転落判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理における転落判定処理(ステップA230)の詳細について説明する。図16に示すように、転落判定処理では、まず、RWMの事前判定確率フラグ領域に記憶されている事前判定確率フラグを取得する(ステップA261)。そして、取得した事前判定確率フラグが高確率フラグであるか否かを判定し(ステップA262)、高確率フラグである場合(ステップA262;Yes)は、特図保留記憶領域の複数の乱数セーブ領域のうち対象となる乱数セーブ領域から転落抽選乱数をロードする(ステップA263)。
そして、ロードした転落判定値が所定の転落判定値と等しいか否かを判定し(ステップA264)、等しい場合(ステップA264;Yes)は、低確率フラグをRWMの事前判定確率フラグ領域にセーブする(ステップA265)。続いて、転落フラグをRWMの事前確率移行フラグ領域にセーブし(ステップ(A266)、転落変動フラグをセットして(ステップA267)、転落判定処理を終了する。
ステップA262で高確率フラグでない、すなわち、低確率フラグである場合(ステップA262;No)、ステップA264にてロードした転落抽選乱数が転落判定値と異なる場合(ステップA264;No)は、転落判定処理を終了する。
〔事前遊技状態更新処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における事前遊技状態更新処理(ステップA229)の詳細について説明する。事前遊技状態更新処理は、特図変動表示ゲーム終了後の遊技状態(抽選確率や、普通変動入賞装置37の動作状態)を、先読みの段階で更新・管理しておくための処理である。
図17に示すように、事前遊技状態更新処理では、まず、RWMの事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得し(ステップA271)、取得した事前確率移行フラグが確率維持フラグであるか否か、すなわち、確率状態が移行するか否かを判定する(ステップA272)。ステップA272にて、確率維持フラグである場合(ステップA272;Yes)は、事前遊技状態フラグ領域をチェック(ステップA273)して、事前時短継続フラグの有無を判定する(ステップA274)。ステップA274にて、事前遊技状態フラグ領域に事前時短継続フラグがない場合(ステップA274;Yes)は、時短(普電サポート)中フラグの有無を判定する(ステップA275)。ステップA275にて時短中フラグがある場合(ステップA275;Yes)は、RWMの事前時短変動回数記憶領域の時短変動回数を更新(−1)し(ステップA276)、時短変動回数が0になったか否かを判定する(ステップA277)。
ステップA277で時短変動回数が0になった場合(ステップA277;Yes)は、事前判定確率フラグ領域から事前判定確率フラグを取得し(ステップA278)、取得したフラグが高確率フラグであるか否かを判定する(ステップA279)。ステップA278にて高確率フラグである場合(ステップA279;Yes)は、事前時短継続フラグをRWMの事前遊技状態フラグ領域にセットし(ステップA280)、事前確率移行フラグ領域をクリアして(ステップA289)、事前遊技状態更新処理を終了する。
ステップA274にて事前時短継続フラグがある場合(ステップA274;No)、ステップA277にて時短変動回数が0でない場合(ステップA277;No)は、ステップA289に移行する。
ステップA271で取得した事前確率移行フラグが確率維持フラグでない場合(ステップA272;No)は、取得した事前確率移行フラグが昇格フラグ又は昇格フラグを合成したフラグであるか否かを判定(ステップA281)する。ステップA281にて昇格フラグでも昇格フラグを合成したフラグでもない場合(ステップA281;No)は、取得した事前確率移行フラグは転落フラグということになるので、事前遊技状態フラグ領域をチェックして(ステップA282)、事前時短継続フラグの有無を判定する(ステップA283)。ステップA283にて、事前時短継続フラグがある場合(ステップA283;Yes)は、事前時短継続フラグをクリアする(ステップA284)。そして、事前遊技状態フラグ領域をクリアして普電サポート状態を終了させ(ステップA285)、ステップA289に移行する。ステップA283にて、事前時短継続フラグがない場合(ステップA283;No)は、ステップA289にスキップする。
ステップA275にて、事前遊技状態フラグ領域にあるのが時短(普電サポート)中フラグである場合(ステップA275;No)はステップA283に移行し、ステップA278にて、取得した事前判定確率フラグが高確率フラグでない場合(ステップA278;No)はステップA285に移行する。
ステップA281で、取得した事前確率移行フラグが昇格フラグ又は昇格フラグを合成したフラグである場合(ステップA281;Yes)は、高確率フラグをRWMの事前判定確率フラグ領域にセーブし(ステップA286)、図柄情報に応じた時短変動回数を事前時短変動回数記憶領域にセーブする(ステップA287)。この時短変動回数をセーブする処理(ステップA287)では、図柄情報が1〜7(大当り1)であった場合は時短変動回数として100をセットする。また、図柄情報が8,9(大当り2)であった場合は時短変動回数として50をセットする。そして、時短(普電サポート)中フラグをRWMの事前遊技状態フラグ領域にセットして(ステップA288)、ステップA289に移行する。
この処理により、遊技状態が高確率状態となっている間は、普通変動入賞装置37が普電サポート状態となるように仮設定される。また、特別遊技状態終了後に実行される特図変動表示ゲームが100(50)回に満たない内に確率状態が高確率状態から低確率状態に転落すると事前判定されると、100(50)回目の特図変動表示ゲームの終了とともに時短状態が終了するように仮設定される。一方、特別遊技状態終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が100(50)回を超えても高確率状態が維持されている場合には、確率状態の高確率状態から低確率状態への転落とともに時短状態が終了するように仮設定される。このように先読みの段階で遊技状態を事前に仮設定(判定)しておくことで、次回先読み時の判定処理の結果が変動表示ゲーム実行時の確率状態に応じた適切なものとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図18に示すように、特図普段処理では、まず、合計保留数(特図1保留数と特図2保留数の合計)を算出する(ステップA301)。そして、合計保留数が0であるか否かを判定し(ステップA302)、合計値が0である場合(ステップA302;Yes)は、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA303)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA304;No)と判定すると、客待ちデモ中フラグをRWMの客待ちデモフラグ領域にセーブする処理(ステップA305)を行う。続けて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA306)、コマンド設定処理(ステップA307)を行って、ステップA308に移行する。
一方、ステップA304にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモ中フラグは設定(ステップA305)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA306)され、コマンド設定処理(ステップA307)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA308に移行する。
ステップA308では、RWMの特図ゲーム処理番号領域に、特図普段処理に係る特図ゲーム処理番号「0」をセーブする。そして、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセット(ステップA309)し、RWMの大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブ(ステップA310)して、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、合計保留数が0でない場合(ステップA302;No)は、変動順序フラグ領域の先頭アドレスの始動口入賞フラグを取得する(ステップA311)。そして、取得した始動口入賞フラグが始動口1フラグであるか否かを判定し(ステップA312)、始動口1フラグであれば(ステップA312;Yes)、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。この特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA312で、取得した始動口入賞フラグが始動口1フラグでない場合(ステップA312;No)は、特図2変動開始処理(ステップA315)を行う。この特図2変動開始処理(ステップA315)の詳細については後述する。
そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA316)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
以上の処理により、特図1保留記憶、特図2保留記憶のどちらであるかは関係無く、入賞のあった順に特図変動表示ゲームが実行される。このため、転落と先読み判定された保留記憶の後に、大当りと先読み判定された別の保留記憶が割込み、特図変動表示ゲームの開始時に、本来高確率状態で判定して大当りになるところを、低確率状態で判定したために大当りではなくなってしまう、といった問題が発生するのを防止することができる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図19に示すように、まず、転落時情報設定処理を行う(ステップA321)。この転落時情報設定処理(ステップA321)の詳細については後述する。そして、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行い、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を行う(ステップA323)。大当りフラグ1設定処理では、設定された特図ゲームモードフラグの示す確率状態に応じて大当りの判定が行われる。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA324)を行った後、特図1停止図柄番号に対応する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA325)。特図1停止図柄設定処理では、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得したり、演出制御装置300に送信する飾り特図コマンドを取得したりする等の処理を行う。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報をロードした後(ステップA326)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA327)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA328)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA329)。続けて、変動パターンに関する情報の設定に係るテーブルを準備して(ステップA330)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA331)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームの変動態様(前半変動パターン及び後半変動パターン等)を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行い、RWMの特図1保留記憶領域の各保留セーブ領域をシフトして(ステップA334)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA335)。続けて、RWMの変動順序フラグ領域をシフトし(ステップA336)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA337)、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動パターン設定処理(ステップA331)及び変動開始情報設定処理(ステップA332)の詳細については後述する。
従って、遊技制御装置100は、始動記憶手段に記憶される始動記憶を設定された確率状態に応じて判定し、その判定結果に基づいて前記変動表示ゲームの実行制御を行うことが可能な変動実行制御手段をなす。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図20に示すように、まず、転落時情報設定処理を行う(ステップA401)。そして、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA402)を行い、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理を行う(ステップA403)。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA404)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA405)。特図2停止図柄設定処理では、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する、演出制御装置300に送信する飾り特図コマンドを取得する等の処理を行う。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報をロードした後(ステップA406)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA407)。
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA408)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA409)。
続けて、変動パターンに関する情報の設定に係るテーブルを準備して(ステップA410)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA411)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームの変動態様(前半変動パターン及び後半変動パターン等)を設定する変動パターン設定処理(ステップA412)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA413)を行い、RWMの特図1保留記憶領域の保留セーブ領域をシフトして(ステップA414)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA415)。続けて、RWMの変動順序フラグ領域をシフトし(ステップA416)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA417)、特図2変動開始処理を終了する。
以下に、図19に示す特図1変動開始処理における、転落時情報設定処理(ステップA321)、変動パターン設定処理(ステップA332)、変動開始情報設定処理(ステップA333)の各々について説明する。なお、図20に示した特図2変動開始処理における、転落時情報設定処理(ステップA401)、変動パターン設定処理(ステップA412)、変動開始情報設定処理(ステップA413)の各々は、以下に説明する転落時情報設定処理(ステップA321)、変動パターン設定処理(ステップA332)、変動開始情報設定処理(ステップA333)の各々と略同様であり、その説明を省略する。
〔転落時情報設定処理〕
まず、上述の特図1変動開始処理における転落時情報設定処理(ステップA321)の詳細について説明する。図21に示すように、転落時情報設定処理では、まず、遊技状態が高確率状態であるか否かを判定し(ステップ、A341)、高確率状態である場合(ステップA341;Yes)は、RWMの乱数セーブ領域から転落抽選用乱数をロードして準備する(ステップA342)。続いて、ロードした転落抽選用乱数が転落判定値(降下情報)と等しいか否かを判定し(ステップA343;Yes)、等しい(確率降下条件が成立した)場合(ステップA343;Yes)は、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率時を示す番号をセーブし(ステップA344)、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA345)。
この特図ゲームモードフラグ領域にセーブされる特図ゲームモードフラグは、先読みの結果(事前判定確率フラグや事前遊技状態フラグ)とは異なり、実際の遊技状態(特図の確率状態及び普通変動入賞装置37の動作状態)を示すもので、特図の確率状態を示すフラグと普通変動入賞装置37の動作状態を示すフラグはそれぞれ独立して設定可能(例えば、特図高確率/時短動作フラグ、特図低確率/時短動作フラグ、特図低確率/通常動作フラグ等)となっている。なお、ステップA345で特図低確率フラグをセーブするとしたのは、普通変動入賞装置37の動作状態は変化させずに、確率状態のみを低確率にするという意味である。
また、特図ゲームモードフラグとは別に、普図ゲームモードフラグがあり、普図の確率状態及び普通変動入賞装置37の動作状態をそれぞれ独立して設定可能となっている。
次に、時短継続フラグの有無をチェックし(ステップA346)、時短継続フラグがある場合(ステップA347;Yes)は、普電サポート状態での特図変動表示ゲームが設定された時短変動回数(100回又は50回)行なわれた後の転落ということで、時短動作状態の終了に関する信号を、外部情報出力データ領域にセーブするとともに、試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA348,A349)。そして、普図低確率・普電サポートなしフラグを普図ゲームモードフラグ領域にセーブし(ステップA350)、特図低確率/通常動作フラグを特図ゲームモードフラグ領域にセーブする(ステップA351)。そして、時短継続フラグをクリアし(ステップA352)、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(ステップA353)。続けて、確率情報コマンド(通常状態開始)をRWMの停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA354)、ステップA357に移行する。
ステップA347にて、時短継続フラグがない場合(ステップA347;No)は、普電サポート状態での特図変動表示ゲームの実行回数が設定された時短変動回数未満での転落ということで、特図低確率/時短動作フラグを特図ゲームモードフラグ領域にセーブし(ステップA355)、確率情報コマンド(時短状態開始)をRWMの停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA356)、ステップA357に移行する。
ステップA357では、コマンド設定処理(ステップA357)を行う。続いて、転落変動フラグをセットし(ステップA358)、転落抽選乱数用の乱数セーブ領域をクリアして(ステップA359)、転落時情報設定処理を終了する。
この処理により、転落抽選に当選すると、これから実行される特図変動表示ゲームの開始時に、すなわち、特別遊技常態の終了を経ずに確率状態が高確率状態から低確率状態に転落する。従って、遊技制御装置100は、変動表示ゲームが予め定めた確率降下条件を成立させた場合に特別遊技状態の終了を経ずに確率状態を高確率状態から通常確率状態に設定することが可能な確率降下手段をなす。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。図22に示すように、変動パターン設定処理では、まず、特図保留情報判定処理で取得した図柄情報がはずれ図柄か否かをチェックし(ステップA361)、はずれ図柄である場合(ステップA362;Yes)は、はずれ変動パターン選択テーブル1−1〜1−4の中から現在の保留数及び普通変動入賞装置37の動作状態に応じたテーブルを選んで設定する。このはずれ変動パターン選択テーブル1−1〜1−4の詳細については、ステップA366で選択されるはずれ変動パターン選択テーブル2、ステップA368,A371で選択される大当り変動パターン選択テーブルとともに後述する。
次に、転落変動フラグの有無をチェックし(ステップA364)、転落変動フラグがある場合(ステップA365;Yes)は、はずれ変動パターン選択テーブル2(リーチ無し)を再設定して(ステップA366)、ステップA373に移行する。
ステップA365で、転落変動フラグが無い場合(ステップA365;No)は、ステップA366をスキップしてステップA373に移行する。
ステップA362で、取得した図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA362;No)は、取得した図柄情報が大当り図柄か否かを判定(ステップA367)し、大当り図柄である場合(ステップA367;Yes)は、大当り変動パターン選択テーブル1(リーチ発生)を設定する(ステップA368)。そして、転落変動フラグの有無をチェックし(ステップA369)、転落変動フラグがある、すなわち、大当りと転落が重複している場合(ステップA370;Yes)は、大当り変動パターン選択テーブル2(リーチ無し)を再設定して(ステップA371)、ステップA373に移行する。
ステップA370で、転落変動フラグがない場合(ステップA370;No)は、ステップA371をスキップしてステップA373に移行する。
ステップA367で、取得した図柄情報が大当り図柄でない場合(ステップA367;No)は、小当り変動パターン選択テーブルを設定(ステップA372)し、ステップA373に移行する。
ステップA373では、変動パターン乱数1及び変動パターン乱数2からパターン選択ポインタを算出する。そして、ステップA363,A366,A368、A371又はA372で設定された変動パターン選択テーブルから、ステップA373で算出したポインタに対応する後半変動番号を取得する(ステップA374)。続いて、前半変動パターン選択テーブルを設定し(ステップA375)、変動パターン乱数3をパターン選択ポインタに設定する(ステップA376)。そして、ステップA375で設定した前半変動パターン選択テーブルから、ステップA376で設定したパターン選択ポインタに対応する前半変動番号を取得する(ステップA377)。そして、ステップA377で取得した前半変動番号及びステップA374で取得した後半変動番号をそれぞれセーブし(ステップA378)、変動パターン乱数1〜3用の乱数セーブ領域をクリアして(ステップA379)、変動パターン設定処理を終了する。
図23には、変動パターン設定処理において設定される変動パターン選択テーブルの一例を示した。これらの変動パターン選択テーブルは遊技用マイコン111のROM111Bに記憶されており、特図変動表示ゲームの結果やそのときの遊技状態、保留数等に応じて選択される。そして、設定された変動パターン乱数1の値を、変動パターンテーブルに参照することにより、当該特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生するか否か、また、どのようなリーチを発生させるかが決定される。
普電サポートなしの状態かつ保留数が1又は2の状態で、転落抽選、大当り抽選の結果が共にはずれとなった場合には、図23(a)に示すはずれ変動パターンテーブル1−1が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜45000であった場合にはリーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間10秒)を終了させ、45001〜48500であった場合にはノーマルリーチ(変動時間20秒)を、48501〜49400であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を、49401〜49900であった場合にはスペシャル2リーチ(変動時間100秒)を、49901〜50000であった場合にはスペシャル3リーチ(変動時間150秒)を、特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ発生させる。
普電サポートなしの状態かつ保留数が3〜8の何れかの状態で、転落抽選、大当り抽選の結果が共にはずれとなった場合には、図23(b)に示すはずれ変動パターンテーブル1−2が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜45000であった場合にはリーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間5秒)を終了させ、45001〜48500であった場合にはノーマルリーチ(変動時間10秒)を、48501〜49400であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を、49401〜49900であった場合にはスペシャル2リーチ(変動時間100秒)を、49901〜50000であった場合にはスペシャル3リーチ(変動時間150秒)を、特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ発生させる。リーチ無し及びノーマルリーチのときの変動時間が、図23(a)に示したテーブルよりも短くなっているのは、保留記憶の数が多く、全ての保留記憶を消化するのに図23(a)と同じ変動パターンでは時間がかかりすぎるためである。
普電サポートありの状態かつ保留数が1又は2の状態で、転落抽選、大当り抽選の結果が共にはずれとなった場合には、図23(c)に示すはずれ変動パターンテーブル1−3が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜45000であった場合にはリーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間5秒)を終了させ、45001〜48500であった場合にはノーマルリーチ(変動時間20秒)を、48501〜49400であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を、49401〜49900であった場合にはスペシャル2リーチ(変動時間100秒)を、49901〜50000であった場合にはスペシャル3リーチ(変動時間150秒)を、特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ発生させる。リーチ無しのときの変動時間が図23(a)に示したテーブルよりも短くなっているのは、現在の保留数が少ないとしても普通変動入賞装置37に入賞する遊技球が多くなって保留記憶も増えるためである。
普電サポートありの状態かつ保留数が3〜8の何れかの状態で、転落抽選、大当り抽選の結果が共にはずれとなった場合には、図23(d)に示すはずれ変動パターンテーブル1−4が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜45000であった場合にはリーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間3秒)を終了させ、45001〜48500であった場合にはノーマルリーチ(変動時間10秒)を、48501〜49400であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を、49401〜49900であった場合にはスペシャル2リーチ(変動時間100秒)を、49901〜50000であった場合にはスペシャル3リーチ(変動時間150秒)を、特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ発生させる。リーチ無し、ノーマルリーチのときの変動時間が図23(a)に示したテーブルよりも短くなっているのは、記憶されている保留記憶の数が多い上、普通変動入賞装置37に入賞する遊技球が多くなり、素早く消化する必要があるためである。
転落抽選の結果が当り、大当り抽選の結果がはずれとなった場合には、普通変動入賞装置37の動作状態、保留数に関わらず、図23(e)に示すはずれ変動パターンテーブル2が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1と2の値が0〜50000のいずれの値であっても、リーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間30秒)を終了させる。図柄の変動中は転落演出が行われる。
転落抽選の結果がはずれ、小当り抽選の結果が当りと判定された場合は、普通変動入賞装置37の動作状態、保留数に関わらず、図23(f)に示す小当り変動パターンテーブルが選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜24999であった場合にはリーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間40秒)を終了させ、25000〜50000であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を特図変動表示ゲームにおいて発生させる。
転落抽選の結果がはずれ、大当り抽選の結果が大当りと判定された場合は、普通変動入賞装置37の動作状態、保留数に関わらず、図23(g)に示す大当り変動パターンテーブル1が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜1000であった場合にはノーマルリーチ(変動時間20秒)を、1001〜15000であった場合にはスペシャル1リーチ(変動時間50秒)を、15001〜35000であった場合にはスペシャル2リーチ(変動時間100秒)を、35001〜50000であった場合にはスペシャル3リーチ(変動時間150秒)を、特図変動表示ゲームにおいてそれぞれ発生させる。
転落抽選の結果が当り、大当り抽選の結果が大当りと判定された場合は、普通変動入賞装置37の動作状態、保留数に関わらず、図23(h)に示す大当り変動パターンテーブル2が選択される。このテーブルを用いることにより、取得された変動パターン乱数1の値が0〜50000のいずれの値であっても、リーチを発生させることなく特図変動表示ゲーム(変動時間40秒)を終了させる。図柄の変動中は転落演出が行われる。変動パターンや転落演出の内容は、外れ変動パターン選択テーブル2に基づく変動パターンや転落演出と同様である。変動時間が外れ変動パターン選択テーブル2よりも長いのは、30秒間変動させ転落を報知した後、10秒間の復活演出が行なわれるためである。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA352)の詳細について説明する。図24に示すように、変動開始情報設定処理では、まず、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし(ステップA381)、コマンド設定処理を行う(ステップA382)。そして、前半変動時間値テーブルを設定して(ステップA383)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA384)。
続けて、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA385)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA386)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算(ステップA387)し、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA388)。
次いで、前半変動番号に対応する変動パターンコマンド(MODE)をセットし(ステップA389)、後半変動番号に対応する変動パターンコマンド(ACTION)をセットして(ステップA390)、コマンド設定処理(ステップA391)を行う。
次いで、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)をセットし(ステップA392)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA393)。そして、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)をセットして(ステップA394)、コマンド設定処理(ステップA395)を行う。
次いで、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA396)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA397)、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図25に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン情報)が、はずれ図柄パターンであるか否かをチェックする(ステップA501)。
そして、図柄情報がはずれ図柄である場合(ステップA502;Yes)は、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(ステップA503)。後半変動番号がリーチなしの番号である場合(ステップA504;Yes)は、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA505)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA508)を行う。また、後半変動番号がリーチなしの番号でない場合(ステップA504;No)、すなわちリーチありの場合は、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態となる場合であるはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA506)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA508)を行う。
一方、図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA502;No)、すなわち大当り又は小当りである場合は、大当り時/小当り時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA507)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA508)を行う。
特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA508)を行った後、特図停止時間ポインタに対応する特図表示時間を取得する処理(ステップA509)を行う。この処理では、ステップA505にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタ、ステップA506にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、ステップA507にて設定された大当り時又は小当り時の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する。
そして、取得した特図表示時間をRWMの特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA510)、特図表示中処理移行設定処理(ステップA511)を行って、特図変動中処理を終了する。特図表示中処理移行設定処理(ステップA511)では、特図表示中処理に係る特図ゲーム処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図26に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理(ステップA323)にて設定された小当りフラグ1及び特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理(ステップA403)にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA601)、RWMの小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA602)。
その後、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)にて設定された大当りフラグ1及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA402)にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA603)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA604)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA605)、大当りである(ステップA606;Yes)と判定すると、次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA610)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA611)を行う。
一方、ステップA606にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA606;No)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA607)、大当りである(ステップA608;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA609)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA611)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA611)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA612)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA613)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率状態を低確率状態とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA614)、コマンド設定処理(ステップA615)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA616)、コマンド設定処理(ステップA617)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA618)、コマンド設定処理(ステップA619)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA620)、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA621)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA622)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA623)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA624)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA625)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA626)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を低確率状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を低確率状態とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態であることを示す情報や、大当り後の残り時短変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA608にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA608;No)と判定すると、図27に示すように、変動回数更新処理を行う(ステップA627)。この変動回数更新処理(ステップA627)の詳細については後述する。そして、小当りフラグ1が小当りかをチェックし(ステップA628)、小当りでない場合(ステップS629;No)は、小当りフラグ2が小当りかをチェックする(ステップA630)。そして、小当りでない場合(ステップS631;No)、すなわち、完全にはずれである場合は、特図表示中処理を終了する。
一方、小当りフラグ1をチェックした結果、小当りである場合(ステップS629;Yes)又は小当りフラグ2をチェックした結果、小当りである場合(ステップS631;Yes)は、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA632)、コマンド設定処理を行う(ステップA633)。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA634)、コマンド設定処理(ステップA635)を行う。
そして、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報かをチェックし(ステップA636)、特図1小当り開放情報である場合(ステップA637;Yes)、すなわち、特図1の小当り当選である場合は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA638)を行い、特図表示中処理を終了する。また、特図1小当り開放情報でない場合(ステップA637;No)、すなわち、特図2の小当り当選である場合は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理2(ステップA639)を行い、特図表示中処理を終了する。ステップA638,A639では、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。このとき、小当りの当選が特図1であるか特図2であるかによって設定する情報を異ならせることができるので、小当りの開始時の演出をそれぞれ異なるものとすることができる。
〔変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA627)の詳細について説明する。図28に示すように、変動回数更新処理では、まず、特図ゲームモードフラグ領域に記憶されているフラグをチェック(ステップA641)し、時短動作フラグの有無、すなわち、時短時(時短動作状態)であるかを判定し(ステップA642)、時短動作フラグがある場合(ステップA642;Yes)は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための時短変動回数を−1更新する(ステップA643)。なお、時短変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは100)が初期値として設定される。
その後、時短変動回数が0であるかを判定し(ステップA644)、時短変動回数が0である場合(ステップA644;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする期間が終了する場合は、確率状態を示す情報を取得して(ステップA645)、低確率状態であるか否かを判定する(ステップA646)。ステップA646で低確率でなければ(ステップA646;No)、時短継続フラグをセットし(ステップA647)、ステップA648へ移行する。また、ステップA642で時短時でないと判定した場合、ステップA644で時短変動回数が0でない場合には、ステップA648へスキップする。
ステップA648では、処理番号「0」をRWMの特図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA649)、不正監視期間中フラグをRWMの大入賞口不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップA650)、変動回数更新処理を終了する。
ステップA646で、低確率であれば(ステップA646;Yes)、処理番号「0」をRWMの特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA651)。そして、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA652)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA653)。そして、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/通常動作フラグをセーブする(ステップA654)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率/通常動作フラグをセーブし(ステップA655)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(通常状態開始)をセーブする(ステップA656)。そして、コマンド設定処理を行い(ステップA657)、変動図柄判別フラグ領域をリセットして(ステップA658)、変動回数更新処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図29に示すように、大当り終了処理では、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA701)、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA702)。
次に、RWMの遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA703)、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/時短動作フラグをセーブする(ステップA704)。そして、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率/時短動作フラグをセーブし(ステップA705)、停止図柄情報に対応するテーブル情報を設定する(ステップA706)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(確変状態開始)をセーブし(ステップA707)、コマンド設定処理を行う(ステップA708)。そして、大当り時の停止図柄情報をロードし(ステップA709)、図柄情報に対応する時短変動回数初期値(100又は50)をRWMの時短変動回数領域にセーブする(ステップA710)。そして、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブする(ステップA711)。そして、大当りの終了に関する信号を、RWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA712)、試験信号出力データ領域にもセーブする(ステップA713)。
次に、ラウンドLEDポインタ領域をリセットし(ステップA714)、不正監視期間中フラグを大入賞口不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップA715)、大当り終了設定処理を終了する。
この処理により、特別遊技状態の終了後、遊技状態が確変状態(高確率状態/時短動作状態)となる。従って、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了に基づいて、特別結果態様が停止表示される確率状態を通常確率状態よりも高い高確率状態に設定することが可能な確率上昇手段をなす。
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。
上述したように演出制御装置300は、図4に示したように、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコン311では主に図30に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図31に示す2ndメイン処理が行われる。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。図30に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。次に、先読み報知獲得ミッション処理(ステップB23)、ミッション獲得ミッション処理(ステップB24)を行う。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB25)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB26)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB27)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB28)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB29)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB30)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
なお、1stメイン処理における具体的な処理については、連続予告演出に関する処理(1stシーン制御処理(ステップB22))と、ミッションに関する処理(先読み報知獲得ミッション(ステップB23)、ミッション獲得ミッション処理(ステップB24))とに分けて、2ndメイン処理の後に説明する。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図31に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、ゲーム演出処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔ゲーム演出処理〕
次に、上述の2ndメイン処理におけるゲーム演出処理(ステップB41)の詳細について説明する。図32に示すように、ゲーム演出処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB201)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB201)では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、次の2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB202)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB202)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB203)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB204)を行う。さらに、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55の表示、すなわち、保留数の増減や遊技状態などに応じて表示装置41に表示される飾り特図保留数の表示を変化させる設定を行う保留表示処理(ステップB205)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB206)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB207)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって実行される演出制御のうち、連続予告演出(復活連続予告演出を含む)に関する処理及び連続予告演出の演出例について説明する。演出制御装置300は、連続予告演出に関する処理として、上述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を実行する。
〔1stシーン制御処理〕
図33には、1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細について示した。1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。
このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、シーンを変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う通常ゲーム処理(ステップB71)を行う。この通常ゲーム処理(ステップB71)の詳細については後述する。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。このエンディング処理(ステップB75)の詳細については後述する。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、保留記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンド)に基づいて連続予告などを設定する処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態に関する情報(確変状態(高確率状態かつ時短動作状態)開始、時短状態(低確率状態かつ時短動作状態)開始、通常状態(低確率状態かつ通常動作状態)開始)を含む確率情報コマンドに基づいて実際の遊技状態(内部確率など)を設定する確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行って、1stシーン制御処理を終了する。
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の1stシーン制御処理における通常ゲーム処理(ステップB71)の詳細について説明する。この通常ゲーム処理(ステップB71)は、変動パターンコマンドの受信時に当該変動表示ゲームの演出の設定を行う処理である。
図34に示すように、通常ゲーム処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB81)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB81;Yes)は、シーン変更後の最初の通常ゲーム処理になるので各種の設定を行う。まず、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB(プッシュボタン)情報をクリアし(ステップB82)、可動体リクエストセット処理(ステップB83)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動演出情報設定処理(ステップB84)を行う。この変動演出情報設定処理の詳細については後述する。そして、乱数シード初期化処理(ステップB85)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB86)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、RWMの特図ゲームモードフラグ領域をチェック(ステップB87)して、時短フラグの有無を判定(ステップB88)する。ステップB88で時短フラグがある場合(ステップB88;Yes)は、時短変動回数を−1更新(ステップB89)して、時短変動回数が0になったか否かを判定(ステップB90)する。この時短変動回数は、表示装置41などで表示するために、遊技制御装置100が設定・更新する時短変動回数とは別に演出制御装置300が独自に管理している。ステップB90で時短変動回数が0である場合(ステップB90;Yes)は、時短フラグをクリア(ステップB91)し、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB92)、通常ゲーム処理を終了する。
ステップB88で時短フラグがない場合(ステップB88;No)、ステップB90で残りの時短変動回数が0でない場合(ステップB90;No)は、ステップB92にスキップする。
一方、ステップB81で演出リクエストフラグがない場合(ステップB81;No)は、シーン変更後の最初の通常ゲーム処理ではないので、タイマにより表示演出状態を変更するか否かを判定する。まず、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB93)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0である場合(ステップB90;Yes)は、シーケンステーブルに設定された次シーンデータの設定(ステップB94)を行い、設定した次シーンデータが最終シーンであるか否かを判定する(ステップB95)。そして、変動表示ゲームの終了を設定し(ステップB96)、遊技状態報知設定処理(ステップB97)を行って、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。なお、遊技状態報知設定処理の詳細については後述する。
ステップB93で更新タイマの値が0でない場合(ステップB93;No)、ステップB95で最終シーンでないと判定した場合は、通常ゲーム処理を終了する。
〔変動演出情報設定処理〕
次に、上述の通常ゲーム処理における変動演出情報設定処理(ステップB84)の詳細について説明する。この変動演出情報設定処理では、飾り特図変動表示ゲームの実行態様(変動パターン、変動時間、連続予告を行うか否か)を設定する処理である。
図35に示すように、変動演出情報設定処理では、まず、飾り特図コマンドの図柄情報に基づいて停止図柄を設定する(ステップB101)。続いて、変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを設定し(ステップB102)、設定された変動パターンをチェックする(ステップB103)。ステップB103で変動パターンが転落変動パターンである、すなわち、はずれ変動パターンテーブル2又は大当り変動パターンテーブル2(図23参照)に基づいて決定された変動パターンである場合(ステップB104;Yes)は、転落変動フラグをセットして(ステップB105)、ステップB106に移行する。変動パターンが転落変動パターンでない場合(ステップB104;No)は、ステップB106にスキップする。この転落変動フラグは、演出制御装置300側で確率状態が高確率状態から低確率状態に転落することを示すもので、遊技制御装置100で用いられた転落フラグに相当する。
ステップB106では、変動パターンに対応する変動時間を設定し、そして、RWMの連続予告演出実行フラグ領域に、連続予告演出を実行中であることを示す連続予告実行中フラグ、又は復活連続予告演出を実行中であることを示す復活連続予告実行中フラグがあるか否かをチェックする(ステップB107)。連続予告演出とは、先読みの結果はずれと判定された保留記憶(はずれ保留)が複数ある状態で、先読みの結果転落又は大当りと判定された保留記憶(転落保留、大当り保留)が新たに記憶された場合に、当該はずれ保留に基づく特図変動表示ゲームの開始から、当該転落保留又は大当り保留に基づく特図変動表示ゲームが終了するまでの間、複数回の特図変動表示ゲームに亘って大当りが起きる可能性があることを予告する演出のことである。また、復活連続予告演出(復活予告演出)とは、転落保留が記憶された後に大当り保留が記憶された場合に、当該転落保留に基づく特図変動表示ゲームの終了後、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲームの終了まで、大当りが起きる可能性があることを予告する演出のことである。
ステップB107でどちらかの実行中フラグがある場合(ステップB108;Yes)は、先読み記憶領域に記憶されている連続予告演出情報領域の値を取得する(ステップB109)。この値は、複数種用意された予告設定データの各々に対応している。この先読み記憶領域及び予告設定データの詳細については後述する。そして、ステップB109で取得した値(予告データ)を予告演出情報として設定して(ステップB110)、変動演出情報設定処理を終了する。ステップB108で、どちらの実行中フラグもなければ(ステップB108;No)、変動演出情報設定処理を終了する。
〔遊技状態報知設定処理〕
次に、上述の通常ゲーム処理における遊技状態報知設定処理(ステップB97)の詳細について説明する。この遊技状態報知設定処理は、表示装置41の背景演出を変化させることで現在の遊技状態を報知するための処理である。
図36に示すように、遊技状態報知設定処理では、まず、特図変動表示ゲームにおいて連続予告が実行中であるか否かを判定し(ステップB111)、実行中である場合(ステップB111;Yes)は、連続予告演出中に複数回実行される特図変動表示ゲームのうち最後の特図変動表示ゲームが終了したか否かをチェックする(ステップB112)。最後の特図変動表示ゲームが終了した場合(ステップB113;Yes)は、復活連続予告実行中フラグの有無をチェックし(ステップB114)、実行中フラグが無い場合(ステップB115;Yes)は、転落変動フラグをクリアする(ステップB116)。そして、時短フラグの有無をチェック(ステップB117)し、時短フラグがある場合(ステップB118;Yes)は、時短状態であることを報知する時短背景演出を設定して(ステップB119)、遊技状態報知設定処理を終了する。
ステップB118で時短フラグがないと判定した場合(ステップB118;No)は、通常背景演出を設定(ステップB124)して、遊技状態報知設定処理を終了する。ステップB113で最終ゲーム終了でないと判定した場合(ステップB113;No)、ステップB115で復活連続予告実行中フラグがあると判定した場合(ステップB115;No)は、遊技状態報知設定処理を終了する。
ステップB111で、連続予告中でない、すなわち単独変動中と判定した場合(ステップB111;No)には、転落変動フラグの有無をチェックし(ステップB120)、転落変動フラグがある場合(ステップB121;Yes)は、ステップB116に移行する。一方、転落変動フラグが無い場合(ステップB121;No)は、遊技状態が高確率状態であるか否かを判定し(ステップB122)、高確率状態であれば(ステップB122;Yes)、高確率状態であることを報知する高確率背景演出を設定して(ステップB123)、遊技状態報知設定処理を終了する。ステップB122で、高確率状態で無いと判定した場合(ステップB122;No)は、ステップB124に移行する。
この処理により、表示装置41の背景などが確率状態に応じて変化し確率状態の報知が可能となる。連続予告で転落の場合は連続予告演出の終了時、単独変動での転落の場合は当該変動の終了時、連続予告又は単独変動での大当りの場合は大当り終了時に、表示装置41に映される背景が変更される。つまり、復活連続予告演出が実行される場合には、結果が大当りしかないので、連続予告演出開始時の背景が復活連続予告演出の終了まで維持された状態となる。すなわち、転落を契機に連続予告していたときに低確率大当りになった場合、大当りまで延長する。途中で転落していても、実行中の連続予告演出は変化しないので連続予告演出が終了するまでは転落が起きたことは分からない。
従って、遊技制御装置100は、確率状態が通常確率状態に設定されているのか高確率状態に設定されているのかを遊技者に報知することが可能な確率状態報知手段をなす。
〔エンディング処理〕
次に、上述の1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB74)の詳細について説明する。このエンディング処理は、大当り終了に伴って発生する時短状態の継続期間(時短変動回数)を設定する処理である。
図37に示すように、エンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB131)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB131;Yes)は、小当りエンディングのシーケンステーブルを設定する(ステップB132)。
次に、大当りが終了したか否かを判定し(ステップB133)、終了した場合(ステップB133;Yes)は、大当りエンディングのシーケンステーブルを再設定する(ステップB134)。そして、時短フラグをセットし(ステップB135)、大当りの図柄情報に対応する時短変動回数をセットする(ステップB136)。この時短変動回数をセットする処理(ステップB136)では、図柄情報が1〜7(大当り1)であった場合は時短変動回数として100をセットする。また、図柄情報が8,9(大当り2)であった場合は時短変動回数として50をセットする。次に、確変モード演出情報を演出情報として設定し(ステップB137)、ステップB138に移行する。ステップB133で大当りが終了していないと判定した場合(ステップB133;No)は、B138にスキップする。
ステップB138では、エンディング時間設定処理を行う。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB139)、エンディング処理を終了する。
また、ステップB131で演出リクエストフラグがない場合(ステップB131;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB140)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB160;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB140;Yes)は、次シーンデータを設定する(ステップB141)。そして、設定した次シーンデータに基づく次シーンが最終シーンであるか否かを判定し(ステップB142)、最終シーンである場合(ステップB142;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB143)、エンディング処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、上述の1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)の詳細について説明する。図38に示すように、先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンド)を受信したか否かを判定(ステップB151)し、受信した場合(ステップB151;Yes)は、複数ある先読み記憶領域のうち保留数nに対応する保留n領域(n=1〜8)を、ステップB77で受信した保留数コマンドに基づいてセット(ステップB152)し、事前演出図柄コマンドに基づいて確率移行情報及び図柄情報をセーブ(ステップB153)し、事前演出変動コマンドに基づいて変動パターン情報をリーチ発生情報領域にセーブ(ステップB154)する。続いて、現在の状態が大当り中であるか否かを判定(ステップB155)し、大当り中でない場合(ステップB155;No)は、連続予告演出設定処理(ステップB156)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。なお、先読み記憶領域及びステップB156における連続予告演出設定処理の詳細については後述する。
ステップB151で先読みコマンドを受信していない場合(ステップB151;No)、ステップB154で大当り中である場合(ステップB155;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。
図39には、先読み記憶領域に記憶される情報の一覧を示した。演出制御装置300の主制御用マイコン311に内蔵されるRAMには、先読み記憶領域が設けられている。先読み記憶領域内には連続予告演出実行フラグ領域及び特図1保留数の上限値と特図2保留数の上限値の合計である8つの保留領域が設けられている。
連続予告演出実行フラグ領域には、連続予告実行中フラグ又は復活連続予告実行中フラグが記憶される。
各保留領域には、保留記憶が特図1のものか特図2のものかを示す特図種別情報を記憶する領域、確率状態の移行(転落、昇格、転落後に昇格、維持)を示す情報を記憶する領域、図柄情報(大当り1,2、小当り、はずれ)を記憶する領域、リーチが発生するか否かを示す変動パターン情報を記憶する領域、連続予告演出又は復活連続予告演出を実行するのに用いるデータを示す情報を記憶する領域がそれぞれ設けられている。
そして、遊技制御装置100に保留記憶が記憶され、前述した保留数コマンド受信処理(ステップB77)が実行されることにより、当該保留記憶に対応する保留領域に特図種別情報が設定され、先読みコマンド受信処理のステップB153の処理により確率移行情報領域及び図柄情報領域に確率移行情報及び図柄情報がそれぞれ設定され、先読みコマンド受信処理のステップB154の処理によりリーチ発生情報領域に変動パターン情報が設定される。また、連続予告演出設定処理のステップB173又はB183の処理により連続予告演出情報領域に連続予告設定データに対応する値(予告データ)が設定される。特図変動表示ゲームが実行され保留記憶が消化されるのに合わせて、各保留領域に記憶されていた各情報が一つ若い番号の始動口入賞フラグ領域にシフトし、最後の情報を記憶していた保留領域がクリアされる。
〔連続予告演出設定処理〕
次に、上述の先読みコマンド受信処理における連続予告演出設定処理(ステップB155)の詳細について説明する。図40に示すように、連続予告演出設定処理では、まず、遊技制御装置100に保留記憶が記憶されたことに基づいて受信した事前演出図柄コマンドに含まれる確率移行情報に転落、昇格又は転落後に昇格を示す、すなわち、確率維持以外を示す確率移行情報があるか否かをチェック(ステップB161)し、該当する確率移行情報がある場合(ステップB162;Yes)は、連続予告実行中フラグがセットされているか否か、すなわち、連続予告演出が実行中であるか否かをチェック(ステップB163)する。
連続予告実行中フラグがセットされていない場合(ステップB164;No)は、保留数(特図1と特図2の保留数の合計)が2以上であるか、すなわち、連続予告を行うために必要な2回以上の変動表示ゲームが実行されるか否かを判定(ステップB165)する。保留数が2以上である場合(ステップB165;Yes)は、判定対象数を2に設定(ステップB166)する。判定対象数は、ステップB162で確率状態の移行ありと判定された最新の保留記憶よりも前に記憶された保留記憶の内容(確率移行情報、図柄情報、変動パターン情報等)を判定する範囲(保留記憶の数)を決めるものである。なお、本処理は保留記憶が2以上のときに行われる、すなわち、当該保留記憶の前に少なくとも1つ保留記憶が記憶されていることになっているので、この場合は最新の保留記憶の1つ前の保留記憶の内容(図柄情報、変動パターン情報等)のみ判定することになる。
そして、事前演出図柄コマンドに含まれる状態判別情報を取得(ステップB167)し、当該最新の保留記憶の消化時に普電サポートが行なわれるか否かを判定(ステップB168)する。ステップB168で普電サポートが行われない場合(ステップB168;No)は、ステップB170にスキップする。一方、普電サポートが行われる場合(ステップB168;Yes)は、判定対象数を4に再設定、すなわち、最新の保留記憶の3つ前までの保留記憶の内容(確率移行情報、図柄情報、変動パターン情報等)を判定するようにして(ステップB169)、ステップB170に移行する。これは、普電サポートが行なわれていれば、変動時間が短く、多くの保留記憶を早く消化できるためである。
ステップB170では、判定対象数に対応する分の先行保留記憶(判定対象数が2の場合には最新の保留記憶の1つ前の保留記憶で、判定対象数が4の場合には最新の保留記憶の3つ前の保留記憶まで)の内容が全て完全はずれ保留(先読みの結果、大当りでも小当りでもなく、リーチの発生もないと判定された保留記憶)であるか否かをチェックし、全て完全はずれ保留である場合(ステップB171;Yes)は、確率移行情報と判定対象となった最も古い先行保留記憶から最新の保留記憶までの順番(保留記憶が判定対象数以上ある場合には判定対象数となり、判定対象数以下の場合にはその時の保留記憶数となる)に応じた連続予告設定データを取得(ステップB172)し、取得した連続予告設定データに対応する値(予告データ)をRWMの対応する保留領域の連続予告演出情報領域に設定する(ステップB173)。そして、RWMの連続予告演出実行フラグ領域に連続予告実行中フラグをセーブして(ステップB174)、連続予告演出設定処理を終了する。
つまり、普電サポート中ではない状態で確率状態の移行を伴う保留記憶が前から2番目に記憶されたと仮定した場合には、1番目の保留記憶が完全はずれであることが連続予告演出を実行するための条件(連続予告実行条件)ということになり、普電サポート中に確率状態の移行を伴う保留記憶が前から6番目に記憶されたと仮定した場合には、3番目〜5番目の始動記憶が完全はずれであることが連続予告演出を実行するための条件(連続予告実行条件)ということになる。そして、この連続予告実行条件を満たさないこと(例えば、確率状態の移行を伴う保留記憶の直前の保留記憶に小当りやリーチが含まれている等)が予告中止条件を満たすこととなる。
ステップB162で該当する確率移行情報がない、すなわち、確率維持を示す確率移行情報がある場合(ステップB162;No)、ステップB165で保留数が2より少ない場合(ステップB165;No)、ステップB171で当該保留記憶の前に記憶された保留記憶が完全はずれでないものが含まれている場合(ステップB171;No)は、連続予告演出設定処理を終了する。
ステップB164で連続予告中フラグがセットされている場合(ステップB164;Yes)は、復活連続予告フラグがセットされているか否かをチェックする(ステップB175)。復活連続予告フラグがセットされている場合(ステップB176;Yes)は、当該保留記憶に対応する図柄情報が大当りであるか否かをチェック(ステップB177)し、大当りである場合(ステップB178;Yes)は、連続予告発生中に最後に実行される特図変動表示ゲームの契機となる保留記憶の事前確率移行情報が転落であるか否かをチェック(ステップB179)する。転落である場合(ステップB180;Yes)は、保留数の差が2以下であるか否かを判定(ステップB181)する。保留数の差とは、当該保留記憶が連続予告の最終保留記憶からいくつ後に記憶されているかを示す数である。保留数の差が2以下である場合(ステップB181;Yes)は、保留数の差に応じた復活連続予告設定データを取得(ステップB182)し、取得した復活連続予告データに対応する値(予告データ)を連続予告演出情報領域に設定(ステップB183)する。そして、復活連続予告実行中フラグをRWMの連続予告演出実行フラグ領域にセーブ(ステップB184)して、連続予告演出設定処理を終了する。
ステップB176で復活連続予告フラグがセットされている場合(ステップB176;No)、ステップB178で図柄情報が大当りではない場合(ステップB178;No)、ステップB180で事前確率移行情報が転落でない場合(ステップB180;No)、ステップB181で保留数の差が2を超える場合(ステップB181;No)は、連続予告演出設定処理を終了する。
この処理により、先読みの結果が大当りの場合以外に転落となった場合にも連続予告が行われる。すなわち、連続予告が始まるとその後に大当りか転落の何れかとなる。このため、従来のように連続予告の開始がそのまま大当りの報知になっていたときに比べ、どちらになるのか分からない連続予告演出を終わりまで楽しむことができる。
また、転落保留の後2つ目までに大当り保留が記憶されれば、予告演出の終了後に復活予告演出が続けて行われる。このため、復活予告演出が長くなりすぎず、遊技者が飽きてしまうのを防ぐことができる。
従って、遊技制御装置100は、事前判定手段による判定結果が予め定めた連続予告実行条件を成立させる場合に、当該判定結果に対応する始動記憶よりも前に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームを起点として複数の変動表示ゲームに亘って連続する連続予告演出を実行することが可能な連続予告演出実行手段をなす。
また、遊技制御装置100は、連続予告演出実行手段により実行された連続予告演出に続けて1又は複数の変動表示ゲームに亘って継続する復活予告演出を実行する復活予告演出実行手段をなす。
なお、本実施例では、連続予告の設定タイミングを新たな保留記憶の記憶時として、当該保留記憶に基づいて連続予告演出における最終ゲームを実行するようにしたが、新たな保留記憶の記憶時に一つ前の保留記憶の内容に基づいて連続予告の設定を行うパターンを混在させることにより、連続予告の最終ゲームがどのタイミングで行われるのかを分かりづらくしてもよい。
また、復活連続予告の実行には新たな保留記憶が大当り保留であることを条件としているが、外れの場合に所定確率で復活連続予告に突入させてもよい。その場合には、最終結果をはずれとする。
図41には、ステップB172で取得される連続予告設定データの一覧((a)〜(i))を、図42には、ステップB182で取得される復活連続予告設定データ((a),(b))の一覧をそれぞれ示した。演出制御装置のプログラムROM321には、複数種の連続予告設定データ及び吹く数種の復活連続予告設定データが格納されている。
連続予告設定データは、連続予告演出における演出内容(本実施例では表示する文字)を決定するためのもので、確率移行情報(転落、大当り、転落後に大当り)と連続予告時の特図変動表示ゲームの実行回数(判定対象数)に応じて使い分けられるようになっている。
先読みの結果転落と判定された保留記憶(転落保留)の一つ前の保留記憶の内容のみが判定された場合は、図41(a)に示したデータが選択され、先読みの結果大当りと判定された保留記憶(大当り保留)の一つ前の保留記憶の内容のみが判定された場合は、図41(d)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて「もしかして」、転落となる2回目のゲームにおいて「ヤバイ!!」の文字が表示される。
また、先読みの結果転落の後大当りになると判定された保留記憶(復活保留)の一つ前の保留記憶の内容のみが判定された場合は、図41(g)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて「もしかして」、転落(後にとなる2回目のゲームにおいて「キター!」の文字が表示される。
このように、連続回数が2回のデータ((a)、(d)、(g))のうち第1予告は、確率移行情報に関係なく類似する文字を表示するようになっているため、連続予告演出の第1予告の内容だけではその後の結果が分かりにくくなっている。
転落保留の一つ前と2つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(b)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて「むむむ!」、2回目のゲームにおいて「もしかして!」、転落となる3回目のゲームにおいて「ヤバイ!」の文字が表示される。
また、大当り保留の一つ前と2つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(e)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいては文字が表示されない、すなわち、実質的に連続予告演出が開始されていないのと同じ状態となる。2回目のゲームにおいて初めて「もしかして!」の文字が表示されて連続予告演出が開始され、大当りとなる3回目のゲームにおいて「熱いかも!」の文字が表示される。
また、復活保留の一つ前と2つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(h)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて「むむむ!」、2回目のゲームにおいて「もしかして!」、の文字が表示される。
このように、連続回数が3回のデータ((b)、(e)、(h))も、大当り時の第1予告を除き、確率移行情報に関係なく類似する文字を表示するようになっているため、連続予告演出の内容だけではその後の結果が分かりにくくなっている。
転落保留の一つ前から3つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(c)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいては文字が表示されない、すなわち、実質的に連続予告演出が開始されていないのと同じ状態となる。2回目のゲームにおいて初めて「もしかして!」の文字が表示されて連続予告演出が開始され、3回目のゲームにおいて「熱いかも!」、転落となる4回目のゲームにおいて「ヤバイ!」の文字が表示される。
また、大当り保留の一つ前から3つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(f)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、連続予告演出実行中の1回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて「むむむ!」、2回目のゲームにおいて「ヤバイ!」、3回目のゲームにおいて「なんの!」、大当りとなる4回目のゲームにおいて「キタキター!」の文字が表示される。
また、復活保留の一つ前から3つ前の保留記憶の内容が判定された場合は、図41(i)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、連続予告演出は特図変動表示ゲームの実行毎のカウントダウンとなり、連続予告演出の開始から大当りの確定が報知されることになる。
前述したように、図41(e)のデータと、図41(c)のデータが設定された場合には、第1予告(1回目の特図変動表示ゲーム実行時)での文字表示を行わない。このため、遊技者には2回目の特図変動表示ゲームの開始から連続予告演出が発生したように見える。このように、連続予告演出の見た目上の発生を遅らせることにより、連続予告の結果保留記憶が何処に記憶されているのか分かりにくくすることができる。
復活連続予告設定データは、復活連続予告演出における演出内容(本実施例では表示する文字)を決定するためのもので、大当り保留が転落保留のいくつ後に記憶されたかに応じて使い分けられるようになっている。
転落保留の1つ後に大当り保留が記憶された場合は、図42(j)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、転落直後の飾り特図変動表示ゲームにおいて「負けるものか!」の文字が表示され、大当りとなる。
転落保留の2つ後に大当り保留が記憶された場合は、図42(k)に示したデータが選択される。このデータを用いることにより、転落直後の飾り特図変動表示ゲームにおいて「まだまだ!」の文字が表示され、2回目のゲームにおいて「キタキター!」の文字が表示され、大当りとなる。
次に、本実施形態の遊技機10において、確率状態の変化が起きると先読み判定された保留記憶が記憶された場合の、飾り特図変動表示ゲームにおける演出例について説明する。図43は連続予告演出の終了後に大当りが発生する場合、図44は連続予告演出の終了後に確率状態が転落する場合、図45は連続予告演出の終了後に復活連続予告演出が実行され、その後に大当りが発生する場合、図46は連続予告が行われずに転落又は大当りが発生する場合をそれぞれ示している。
〔連続予告演出例1〕
先ず、連続予告演出の終了後に大当りが発生するパターンについて説明する。例えば、図43(a)に示すように、遊技状態が高確率状態で、6つの保留記憶M1〜M6が記憶され、各保留記憶M1〜M6の先読み結果が記憶された順に、保留1:特図1はずれ、保留2:特図2はずれ、保留3:特図2はずれ、保留4:特図2大当り、保留5:特図1はずれ、保留6:特図2はずれ、と判定されたとする。これらの保留記憶M1〜M6の中には転落となるものが含まれていないため、いずれも高確率時の大当り判定値によって先読み判定されている。表示領域の下部にはこれらの保留記憶M1〜M6を示す図柄(例えば「○」)が表示されている。なお、図43(b)〜(h)の大当りとなる保留記憶を指す「当」の文字(図44の「転」や図46の「転/当」の文字も同様)は、説明に際し大当り(転落、転落の後大当り)と判定された保留記憶の位置を示すためのもので、実際には表示されていない。このため、遊技者は他の保留記憶と区別することができない。
保留記憶M6が記憶された後、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図43(b)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図43(c)に示すように、保留記憶M1に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M1は消化されるため、残りの保留記憶M2〜を示す図柄が左方へシフトする。このとき、大当りと先読み判定された保留記憶M4の前にある保留記憶M1〜M3は全てはずれであるため、連続予告が開始される。表示装置41の表示領域中央には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出として「大当り時連続4回」の連続予告設定データに基づく文字が表示される。連続予告演出が開始されてから1回目の特図変動表示ゲームでは、第1予告の文字(ここでは「むむむ!」)D1が表示される。表示領域の上部では高確率状態を示す表示(例えば「熱熱モード中」等の文字)が表示されている。
やがて、図43(d)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図43(e)に示すように、保留記憶M2に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M2は消化されるため、残りの保留記憶M3〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第2予告の文字(ここでは「ヤバイ!」)D2が表示される。図43(e)に示すように、第2予告の文字D2は、第1予告の文字D1よりも大きく表示され、その内容も第1予告より期待感の高いものとなっている。
やがて、図43(f)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図43(g)に示すように、保留記憶M3に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M3は消化されるため、残りの保留記憶M4〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第3予告の文字(ここでは「なんの!」)D3が表示される。図43(g)に示すように、第3予告の文字D3は、第1,第2予告の文字D1,D2よりも大きく表示され、その内容も第1,第2予告より期待感の高いものとなっている。
やがて、図43(h)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図43(i)に示すように、保留記憶M4に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M4は消化されるため、残りの保留記憶M5〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第4予告の文字(ここでは「キタキター!」)D4が表示される。図43(i)に示すように、第4予告の文字D4は、第1〜第3予告の文字D1〜D3よりも大きく表示され、その内容も第1〜第3予告より期待感の高いものとなっている。このように、遊技が進行するに従って表示させる文字等を変化させることにより、興趣の高い予告演出とすることができる。
そして、図43(j)に示すように、連続予告演出が終了すると、第1、第2特別図柄が停止してリーチ状態となる。そして、図43(k)に示すように、大当りの結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。
〔連続予告演出例2〕
次に、連続予告演出の終了後に確率状態の転落が発生するパターンについて説明する。例えば、図44(a)に示すように、遊技状態が高確率状態で、6つの保留記憶M11〜M16が記憶され、各保留記憶M11〜M16の先読み結果が記憶された順に、保留1:特図1はずれ、保留2:特図2はずれ、保留3:特図2はずれ、保留4:特図2転落、保留5:特図1はずれ、保留6:特図2はずれ、と判定されたとする。これらの保留記憶M11〜M16のうち、保留記憶M4は確率状態を転落させるものであるため、保留記憶M1〜M3は高確率時の大当り判定値によって、保留記憶M4〜M6は低確率時の大当り判定値によって先読み判定されている。表示領域の下部にはこれらの保留記憶M11〜M16を示す図柄(例えば「○」)が表示されている。
保留記憶M6が記憶された後、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図44(b)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図44(c)に示すように、保留記憶M11に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M11は消化されるため、残りの保留記憶M12〜を示す図柄が左方へシフトする。このとき、転落と先読み判定された保留記憶M14の前にある保留記憶M11〜M13は全てはずれであるため、連続予告が開始される。表示装置41の表示領域中央には、特別図柄が変動表示されるが、この場合の連続予告は「転落時連続4回」の連続予告設定データに基づいて実行されるので第1予告の文字は表示されない。このため、遊技者にとっては連続予告が始まっていないのと同じ状態となっている。表示領域の上部では高確率状態を示す表示(例えば「熱熱モード中」等の文字)が表示されている。
やがて、図44(d)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図44(e)に示すように、保留記憶M12に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M12は消化されるため、残りの保留記憶M13〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第2予告の文字(ここでは「もしかして!」)D12が表示され、ここで初めて遊技者にも連続予告演出が開始されたことが分かるようになる。
やがて、図44(f)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図44(g)に示すように、保留記憶M13に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M13は消化されるため、残りの保留記憶M14〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第3予告の文字(ここでは「熱いかも!」)D13が表示される。図44(g)に示すように、第3予告の文字D13は、第2予告の文字D12よりも大きく表示され、その内容も第2予告より期待感の高いものとなっている。
やがて、図44(h)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図44(i)に示すように、保留記憶M14に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M14は消化されるため、残りの保留記憶M15〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第4予告の文字(ここでは「ヤバイ!」)D14が表示される。図44(i)に示すように、第4予告の文字D14は、第2,第3予告D12,13の文字よりも大きく表示され、その内容も第2,第3予告より期待感の高いものとなっている。
そして、図44(j)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、連続予告演出が終了するとともに、確率状態の転落を告げる表示がなされる。そして、図44(k)に示すように、保留記憶M15に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。表示領域の上部には低確率状態を示す表示(例えば「通常モード突入」等の文字)が表示される。
〔復活連続予告演出例〕
次に、連続予告演出の後、復活連続予告演出が行われ、その後に大当りが発生するパターンについて説明する。例えば、図45(a)に示すように、遊技状態が高確率状態で、6つの保留記憶M21〜M26が記憶され、各保留記憶M21〜M26の先読み結果が記憶された順に、保留1:特図1はずれ、保留2:特図2はずれ、保留3:特図2はずれ、保留4:特図2転落、保留5:特図1はずれ、保留6:特図2大当り、と判定されたとする。これらの保留記憶M21〜M26のうち、保留記憶M4は確率状態を転落させるものであるため、保留記憶M21〜M23は高確率時の大当り判定値によって、保留記憶M24〜M26は低確率時の大当り判定値によって先読み判定されている。表示領域の下部にはこれらの保留記憶M21〜M26を示す図柄(例えば「○」)が表示されている。
保留記憶M26が記憶された後、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図45(b)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図45(c)に示すように、保留記憶M21に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M21は消化されるため、残りの保留記憶M22〜を示す図柄が左方へシフトする。このとき、転落と先読み判定された保留記憶M24の前にある保留記憶M21〜M23は全てはずれであるため、連続予告が開始される。表示装置41の表示領域中央には、特別図柄が変動表示されるが、この場合の連続予告は「転落時連続4回」の連続予告設定データに基づいて実行されるので第1予告の文字は表示されない。このため、遊技者にとっては連続予告が始まっていないのと同じ状態となっている。表示領域の上部では高確率状態を示す表示(例えば「熱熱モード中」等の文字)が表示されている。
やがて、図45(d)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図45(e)に示すように、保留記憶M22に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M22は消化されるため、残りの保留記憶M23〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第2予告の文字(ここでは「もしかして!」)D22が表示され、ここで初めて遊技者にも連続予告演出が開始されたことが分かるようになる。
やがて、図45(f)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図45(g)に示すように、保留記憶M23に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M23は消化されるため、残りの保留記憶M24〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第3予告の文字(ここでは「熱いかも!」)D23が表示される。図45(g)に示すように、第3予告の文字D23は、第2予告の文字D22よりも大きく表示され、その内容も第2予告より期待感の高いものとなっている。
やがて、図45(h)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図45(i)に示すように、保留記憶M24に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M24は消化されるため、残りの保留記憶M25〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、連続予告演出の第4予告の文字(ここでは「ヤバイ!」)D24が表示される。図45(i)に示すように、第4予告の文字D24は、第2,第3予告の文字D22,D23よりも大きく表示され、その内容も第2,第3予告より期待感の高いものとなっている。
そして、図45(j)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、連続予告演出が終了するとともに、確率状態の転落を告げる表示がなされる。そして、図45(k)に示すように、保留M25に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。このとき、転落と先読み判定された保留記憶M24の2つ後ろにある保留記憶M26が大当りであるため、復活連続予告が開始される。表示装置41の表示領域中央には、特別図柄が変動表示されるとともに、復活連続予告演出として「復活時連続2回」の復活連続予告設定データに基づく文字が表示される。図45(k)は復活連続予告演出が開始されてから1回目の特図変動表示ゲームであるため、第1予告の文字(ここでは「まだまだ!」)D25が表示される。また、復活予告演出が実行されたことにより、表示領域上部の確率状態を示す表示は、確率状態が転落していても高確率状態を示したままとなる。
やがて、図45(l)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図45(m)に示すように、保留記憶M26に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M26は消化されるため、残りの保留記憶を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示されるとともに、復活連続予告演出の第2予告の文字(ここでは「キタキター!」)D26が表示される。図45(m)に示すように、第2予告の文字D26は、第1予告の文字D25よりも大きく表示され、その内容も第1予告より期待感の高いものとなっている。
そして、図45(n)に示すように、連続予告演出が終了し、第1、第2特別図柄が停止してリーチ状態となる。そして、図45(o)に示すように、大当りの結果態様が表示され、特図変動表示ゲームが終了する。
〔連続予告なし演出例〕
次に、連続予告演出は行われずに転落又は大当りが発生するパターンについて説明する。例えば、図46(a)に示すように、遊技状態が高確率状態で、6つの保留記憶M31〜M36が記憶され、各保留記憶M31〜M36の先読み結果が記憶された順に、保留1:特図1小当り、保留2:特図2はずれ、保留3:特図2転落又は大当り、保留4:特図2はずれ、保留5:特図1はずれ、保留6:特図2はずれ、と判定されたとする。これらの保留記憶M31〜M36の内、少なくともM31,M32は高確率時の大当り判定値によって先読み判定されている。保留記憶M33〜M36は、保留記憶M33の先読み結果次第で使用する大当たり判定値が異なる。すなわち、保留記憶M33の結果が転落でなければ高確率時の大当たり判定値で先読み判定され、転落であれば低確率時の大当たり判定値で判定される。表示領域の下部にはこれらの保留記憶M31〜M36を示す図柄(例えば「○」)が表示されている。
保留記憶M36が記憶された後、実行中であった特図変動表示ゲームが終了し、図46(b)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図46(c)に示すように、保留記憶M31に基づく第1特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M31は消化されるため、残りの保留記憶M32〜を示す図柄が左方へシフトする。このとき、表示装置41の表示領域中央には特別図柄が変動表示されるが、転落又は大当りと先読み判定された保留記憶M33の前にある保留記憶M31の先読み判定結果が小当りであるため、連続予告は実行されない。
やがて、図46(d)に示すように、特別図柄が停止表示され小当りの結果態様(例えば全ての特別図柄が奇数)が表示されると、図46(e)に示すように、小特別遊技状態となって特別変動入賞装置38の開閉扉38aが開放される。なお、この小当りを契機として背景の状態を曖昧(例えば高確率状態を示す「熱熱モード中」の表示を「?????」に変えてしまう)にし、そのときの確率状態を分からないようにしても良い。このような設定は、小当りと同時に転落が起きた場合などに効果的であるが、そのまま高確率状態を報知し続けても良い。
やがて、小特別遊技状態が終了すると、図46(f)に示すように、保留記憶M32に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M32は消化されるため、残りの保留記憶M33〜を示す図柄が左方へシフトする。表示領域中央部には、特別図柄が変動表示される。
やがて、図46(g)に示すように、はずれの結果態様が表示されると、図46(h)に示すように、保留記憶M33に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M33は消化されるため、残りの保留記憶M34〜を示す図柄が左方へシフトする。表示装置41の表示領域中央には特別図柄が変動表示される。また、確率状態が転落するため、図46(i)に示すように、確率状態が転落するか維持されるかが、演出(例えば、2つのキャラクタを戦わせ一方が勝てば確率維持、負ければ転落のようなバトルゲーム)の形で表示される。
やがて、図46(j)に示すように、確率状態の転落が表示される。保留記憶M33が転落かつはずれであった場合には、図46(k1)に示すように、保留記憶M34に基づく第2特図変動表示ゲームが開始される。変動開始に伴い保留記憶M34は消化されるため、残りの保留記憶M35〜を示す図柄が左方へシフトする。このとき、表示装置41の表示領域中央には特別図柄が変動表示され、表示領域上部には確率状態が低確率状態に行こう下ことを示す表示(例えば「通常モード突入」)がなされる。一方、保留記憶M33が転落かつ大当たりであった場合には、図57(k2)に示すように、保留記憶M33に基づく特図変動表示ゲームが継続変動する。このとき、表示領域には大当たりを予感させる表示(例えば「まだまだ!」)がなされ、やがて、図46(l)に示すように、大当たりの結果態様が表示され、特図変動表示ゲームが終了する。
次に、演出制御装置300によって実行される演出制御のうち、各種ミッションに関する処理及びミッション発生時の演出例について説明する。本実施例の演出制御装置300は、ミッションに関する処理として、上述の1stメイン処理における先読み報知獲得ミッション処理(ステップB23)及びミッション獲得ミッション処理(ステップB24)を実行する。
制御処理の説明に先立ち、各種ミッションの発生の流れについて説明する。本実施例の遊技機10は、各種のミッションを発生させることが可能となっている。ミッションには、大きく分けて先読み報知獲得ミッションとミッション獲得ミッションの2種類があり、大当りの終了後、ミッション獲得ミッションが発生し、このミッションを達成すると先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得できる。権利獲得後に大当りが発生すると先読み報知獲得ミッションが発生し、このミッションを達成すると保留記憶の先読み結果が報知される。このように2段階でミッションが発生するようになっている。
具体的には、遊技機に電源が投入されると、図47に示すように、初期状態(ステップS101)となる。初期状態においては、遊技状態が通常状態(低確率状態、通常動作状態)となっており、先読み報知獲得ミッションを発生させる権利を有した状態(ステップS102)となっている。この状態で遊技が開始され、特図変動表示ゲームで大当り(ステップS103)になると、その後に発生する特別遊技状態において先読み報知獲得ミッションが発生(ステップS104)する。この先読み報知獲得ミッションを達成(ステップS105)すると、先読み報知獲得ミッションのエンディングにおいて保留記憶の先読み報知(予告演出)が行われる。このとき、保留記憶の中に大当り保留が含まれていれば、大当り保留の存在が報知(ステップS106)される。ステップS106の後、大当り(特別遊技状態)が終了(ステップS107)すると、ミッション獲得ミッションが発生(ステップS108)する。このミッション獲得ミッションを達成(ステップS109)すると、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得(ステップS110)し、ステップS102の状態に戻る。
ステップS105でミッションを達成しても先読み保留の中に大当り保留が含まれていなければ、大当りの報知はされない(ステップS111)。そして、大当りが終了(ステップS112)すると、ステップS110の先読み報知獲得ミッションの発生権利の獲得となる。
ステップS108で発生したミッションを達成できなかった(ステップS113)ときは、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得できず(ステップS114)、ステップS115に進む。この後は、大当りの発生までミッションは発生せず、新たに大当りが発生(ステップS116)すると、その終了後(ステップS107)にミッション獲得ミッション(ステップS108)が発生する。
ステップS104で発生した先読み報知獲得ミッションを達成できなかった(ステップS117)ときは、ステップS117の後、大当りが終了(ステップS118)すると、ミッション獲得ミッションが発生(ステップS119)する。このミッション獲得ミッションを達成(ステップS120)すると、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得(ステップS121)し、ステップS102の状態に戻る。
一方、ミッションを達成できなかった(ステップS122)ときは、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得できず、ステップS115に進む。
このようにして先読み報知獲得ミッションを発生させることにより、大当り保留が記憶されても、ミッションを達成するまで大当りの先読み報知が行われないので、保留記憶が記憶された後も遊技を継続するようになり、ミッション獲得ミッションを発生させることにより、大当り先読み報知がなされた後も、次の先読み報知のために遊技を継続するようになる。このため、大当りの先読み報知がなされるまで、或いは大当りの発生まで遊技を行なわなくなる(所謂止め打ちが行われる)のを防止することができる。
以下、上記ミッションを発生させるための具体的な制御処理について説明する。
〔先読み報知獲得ミッション処理〕
まず、上述の1stメイン処理における先読み報知獲得ミッション処理(ステップB23)の詳細について説明する。図48に示すように、先読み報知獲得ミッション処理では、まず、処理番号を取得(ステップB301)し、処理番号に応じて分岐処理(ステップB302)を行う。ステップB302で取得した処理番号が「0」の場合は、発生させるミッションの種類を決定する報知獲得ミッション情報設定処理(ステップB303)を行う。処理番号が「1」の場合は説明表示共通設定処理(ステップB304)を行い、処理番号が「2」の場合は報知獲得ミッション実行処理(ステップB305)を行う。処理番号が「3」の場合は先読み報知情報設定処理(ステップB306)を行い、処理番号が「4」の場合は先読み報知実行処理(ステップB307)を行う。なお、ステップB303〜B307で行われる各処理の詳細については後述する。コマンド識別子による分岐処理(ステップB302)により選択された上述の各処理を行った後、先読み報知獲得ミッション処理を終了する。
図49には、先読み報知獲得ミッションの種類及びその内容について示した。本実施例の遊技機10は、先読みの結果が大当りになると、飾り特図変動表示ゲームの実行中に所定の先読み報知獲得ミッション(第1操作ミッション)を発生可能となっている。図49に示すように、先読み報知獲得ミッションには、ボタン操作ミッション1,2、発射操作ミッション1の3種類があり、設定された図柄情報(当りの種類)に基づいてこれらの何れか選択されるようになっている。
具体的には、図柄情報が1〜5の場合、特図変動表示ゲームの結果(当り種別)は大当り1(15R)となり、ボタン操作ミッション1が発生する。ボタン操作ミッション1は、特別遊技状態が8〜15ラウンドの間に発生する。ミッションの内容は、前面枠12に備えられた演出ボタン25を押す操作を行わせるというもので、所定時間内に演出ボタン25を所定回数押すことができればミッションの達成となる。ボタン操作ミッションが開始される直前の7ラウンド目の特別遊技状態実行中には、当該ミッションについての説明が表示され、ミッションを達成した場合には、当該特別遊技状態の終了時(エンディング中)に先読み結果が報知される。
図柄情報が6,7の場合、特図変動表示ゲームの結果(当り種別)は大当り1(15R)となり、発射操作ミッション1が発生する。本実施例の発射操作ミッション1は、11〜15ラウンド目の特別遊技状態のインターバル中(11ラウンドと12ラウンドの間、・・14ラウンドと15ラウンドの間)で発生する。ミッションの内容は、遊技領域32に設けられたミッション用ゲート80を遊技球が通過するように発射操作部24の回動操作を行わせるというもので、所定時間内に遊技球をミッション用ゲート80に通すことができればミッションの達成となる。発射操作ミッションが開始される直前の11ラウンド目の特別遊技状態実行中には、当該ミッションについての説明が表示され、ミッションを達成した場合には、当該特別遊技状態の終了時(エンディング中)に先読み結果が報知される。このように、インターバル中にミッションを発生させることで、インターバル中の止め打ちを防止することができる。
図柄情報が8,9の場合、特図変動表示ゲームの結果(当り種別)は大当り2(10R)となり、ボタン操作ミッション2が発生する。ボタン操作ミッション2は、発生する時期がボタン操作ミッション1とは異なり、特別遊技状態が7〜10ラウンドの間で発生する。それに伴い、6ラウンド中に当該ミッションについての説明が表示される。その他の点についてはボタン操作ミッション1と同様である。
上記の各ミッションは何れも特別遊技状態が中盤以降にさしかかったところで発生するようになっている。これは、このタイミングであれば保留記憶がある程度記憶され、効果的に先読み報知を行うことができると考えられるからである。
〔報知獲得ミッション情報設定処理〕
次に、上述の先読み報知獲得ミッション処理における報知獲得ミッション情報設定処理(ステップB303)の詳細について説明する。図50に示すように、報知獲得ミッション情報設定処理では、まず、大当りが発生したか否かを判定(ステップB311)し、大当りが発生した場合(ステップB311;Yes)は、先読み報知獲得ミッションの発生権利であるミッション発生権利フラグの有無をチェック(ステップB312)する。ステップB313でミッション発生権利フラグがある場合(ステップB313;Yes)は、大当り時の図柄情報に基づいてミッション情報(ボタン操作、発射操作)を設定(ステップB314)する。
次に、ミッション達成数カウンタをリセット(ステップB315)し、ステップB314で設定されたミッションに応じたカウンタ更新数をセット(ステップB316)する。更新数とは、1つのミッションを達成したときにカウンタに加算する数である。本実施例では、ボタン操作ミッションであれば、更新数は「1」、発射操作ミッションなら「2」に設定される。なお、更新数は、複数回のミッションを達成しなければ全ての保留記憶の報知が行なわれないような値であれば「1」又は「2」以外の数でもよい。次に、ミッション発生権利フラグをリセット(ステップB317)し、処理番号を1に設定(ステップB318)して、報知獲得ミッション情報設定処理を終了する。
ステップB311で大当りが発生していないと判定した場合(ステップB311;No)、ステップB313でミッション発生権利フラグがないと判定した場合(ステップB313;No)は、報知獲得ミッション情報設定処理を終了する。
従って、演出制御装置300は、第2ミッション達成判定手段が判定した第2操作ミッションの達成結果に基づいて次回の特別遊技状態の発生中に第1操作ミッションが発生することを規制することが可能なミッション規制手段をなす。
〔説明表示共通設定処理〕
次に、上述の先読み報知獲得ミッション処理における説明表示共通設定処理(ステップB304)の詳細について説明する。この説明表示共通設定処理は、これから何のミッションが発生するか表示するための処理である。
図51に示すように、報知獲得ミッション情報設定処理では、まず、設定されたミッション情報に基づくミッション説明発生タイミングであるか否かをチェック(ステップB321)し、発生タイミングである場合(ステップB322;Yes)は、設定されたミッション情報の説明表示を設定(ステップB323)して、ステップB324に移行する。一方、発生タイミングでない場合(ステップB322;No)は、ステップB324にスキップする。
ステップB324では、ミッション説明の終了タイミングであるか否かをチェックし、終了タイミングである場合(ステップB325;Yes)は、ミッション情報の説明表示をリセット(ステップB326)する。そして、処理番号を「2」に設定(ステップB327)し、説明表示共通設定処理を終了する。
一方、ステップB325でミッション説明の終了タイミング出ないと判定した場合(ステップB325;No)は、説明表示共通設定処理を終了する。
〔報知獲得ミッション実行処理〕
次に、上述の先読み報知獲得ミッション処理における報知獲得ミッション実行処理(ステップB305)の詳細について説明する。図52に示すように、報知獲得ミッション情報設定処理では、まず、設定されたミッション情報に基づくミッション発生タイミングであるか否かをチェック(ステップB331)し、発生タイミングである場合(ステップB332;Yes)は、ミッション実行中フラグをセット(ステップB333)する。そして、設定されたミッション情報に対応するミッション開始表示を設定(ステップB334)し、達成数カウンタ値の表示を設定(ステップB335)して、ステップB336に移行する。
ステップB332で発生タイミングでないと判定した場合(ステップB332;No)は、ステップB336にスキップする。
ステップB336では、ミッション実行中フラグの有無をチェックし、実行中フラグがある場合(ステップB337;Yes)は、設定されたミッション情報に応じたミッション達成条件が成立したか否かをチェック(ステップB338)する。そして、ミッション達成条件が成立した場合(ステップB339;Yes)は、ミッション達成数カウンタにカウンタ更新数を加算更新(ステップB340)して、ステップB341に移行する。一方、ミッション達成条件が成立していない場合(ステップB339;No)は、ステップB341にスキップする。
ステップB341では今回のミッションの終了条件が成立したか否かをチェックする。終了条件は、ミッションが達成される、ラウンドが終了する、の何れかである。ステップB342で終了条件が成立した場合(ステップB342;Yes)には、ミッション実行中フラグをリセット(ステップB343)する。そして、最終ミッションの終了であるか否かをチェック(ステップB344)し、終了である場合(ステップB345;Yes)は、処理番号「3」をセット(ステップB346)して、報知獲得ミッション実行処理を終了する。
ステップB337でミッション実行中フラグがないと判定した場合(ステップB337;No)、ステップB342で今回のミッションの終了条件が成立していないと判定した場合(ステップB342;No)、ステップB345で最終ミッションの終了でないと判定した場合(ステップB345;No)は、報知獲得ミッション実行処理を終了する。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態の発生中に操作部の操作に基づいて課題を達成可能な第1操作ミッションを複数回発生させることが可能な第1操作ミッション発生手段、第1操作ミッション発生手段が発生させた第1操作ミッションが達成されたか否かを判定し、その達成回数をカウントする第1ミッション達成判定手段をなす。
〔先読み報知情報設定処理〕
次に、上述の先読み報知獲得ミッション処理における先読み報知情報設定処理(ステップB306)の詳細について説明する。この先読み報知情報設定処理は、ミッションのエンディングに移行するための処理である。
図53に示すように、先読み報知情報設定処理では、まず、ミッション達成数カウンタの値をチェック(ステップB351)し、値が0よりも大きい、すなわち、少なくとも一回はミッションを達成している場合(ステップB352;Yes)は、先読み報知を行うことを示す先読み報知フラグをセット(ステップB353)する。そして、ミッション達成数カウンタの値を報知カウンタにセット(ステップB354)する。報知カウンタとは、保留記憶の先読み結果をいくつ明かすかを判定する(この段階では全ての保留記憶の先読み結果は遊技者に報知されていない)ためのものである。そして、情報取得ポインタに「1」をセットし、参照先として先読み記憶領域をセット(ステップB355)する。
次に、情報取得ポインタに対応する保留記憶領域から図柄情報を取得(ステップB356)し、図柄情報が大当り図柄情報でない場合(ステップB357;No)は、情報取得ポインタを+1加算更新(ステップB358)する。そして、ミッション達成数カウンタの値を−1減算更新(ステップB359)し、更新後の値が0になった場合(ステップB360;Yes)は、大当り数カウンタの値が0であるか否かを判定(ステップB361)する。一方、達成数カウンタの値が0にならない場合(ステップB360;No)は、ステップB356に戻り、達成数カウンタの値が0になるまでステップB356〜B360を繰り返す(ループ処理)。ステップB361で大当りカウンタの値が0であると判定した場合(ステップB361;Yes)は、ミッション発生権利フラグをセット(ステップB362)し、処理番号を「5」にセット(ステップB371)して、先読み報知情報設定処理を終了する。
ステップB357で図柄情報が大当り図柄情報である場合(ステップB357;Yes)は、大当り数カウンタを+1加算更新(ステップB363)し、1/3振り分け(ステップB364)を行う。ステップB364の処理により、1/3の確率でステップB35
8に移行し、2/3の確率でステップB365に進む。ステップB365では、情報取得
ポインタの値を報知カウンタに上書きセットする。そして、先読み大当り報知フラグをセット(ステップB366)し、後述する先読み報知実行処理において報知カウンタを減算更新する際の減算数をセット(ステップB368)する。この減算数をセットする処理では、報知カウンタの値が偶数であれば減算数を「2」とし、奇数であれば減算数を「1」とする。そして、大当り数カウンタをリセット(ステップB369)し、ミッション発生権利フラグをリセット(ステップB370)して、ステップB371に移行する。
ステップB352でミッション達成数カウンタの値が0より大きくない、すなわち0である場合(ステップB352;No)は、先読み報知フラグをリセット(ステップB367)してステップB368に移行する。ステップB361で大当り数カウンタの値が0でないと判定した場合は、ステップB368に移行する。
この処理により、先読み結果は、ミッションの達成数に応じた分だけ報知されることになる。つまり、記憶されている保留記憶の数以上(発射操作ミッションの場合は保留記憶数の半数以上)のミッションを達成できれば全ての保留記憶の先読み結果が報知され、ミッションの達成回数が保留記憶の数に届かなければ、一部しか報知されないことになる。また、途中に大当り保留が記憶されていれば、その後に続く保留記憶の先読み報知を行うことになっていても、大当り保留の先読み報知がなされた時点で先読み報知を終了する。
従って、演出制御装置300は、達成した操作ミッションの種類と達成回数に基づいて予告演出の実行対象とする始動記憶の数を決定する予告数決定手段、予告演出実行手段が実行する予告演出を中止させることが可能な予告演出中止手段をなす。
また、大当り保留があり先読み報知を行わなかった場合にもミッション獲得ミッションを発生させることになるので、大当りが報知されていないのに、その後ミッションが発生することで、報知されていない大当り保留の存在を示唆することができる。
また、大当り保留が記憶されていても所定の確率で先読み報知しないようにしているため、はずれ保留と思っていた保留記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて大当りになる可能性が残り、大当り保留が先読み報知されなかった場合でも期待感を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施例では、保留記憶全てを確認する前に大当り保留があればその時点で先読み終了としたが、そのような場合でも全ての保留記憶を先読み報知するようにしてもよい。
〔先読み報知実行処理〕
次に、上述の先読み報知獲得ミッション処理における先読み報知実行処理(ステップB307)の詳細について説明する。図54に示すように、先読み報知実行処理では、まず、先読み報知開始タミング、すなわちミッションのエンディング(大当り中)であるか否かをチェック(ステップB381)し、報知開始タイミングである場合(ステップB382;Yes)は、先読み報知フラグの有無を判定(ステップB383)する。ステップB383で先読み報知フラグがあると判定した場合(ステップB383;Yes)は、ミッション成功表示を設定(ステップB384)して、報知実行中フラグ及び減算数に応じた保留表示更新条件をセット(ステップB386)する。一方、ステップB383で先読み報知フラグがないと判定した場合(ステップB383;No)は、ミッション失敗表示を設定(ステップB385)して、ステップB386に移行する。
次に、報知実行中フラグの有無をチェック(ステップB387)し、報知実行中フラグがある場合(ステップB388;Yes)は、保留表示更新条件の成立をチェック(ステップB389)する。ステップB389で更新条件が成立したと判定した場合(ステップB390;Yes)は、報知カウンタの値を先読み報知情報設定処理のステップB368でセットされた減算数分減算更新(ステップB391)して、報知カウンタの値が0になったか否かを判定(ステップB392)する。ステップB392で報知カウンタの値が0になったと判定した場合(ステップB392;Yes)は、報知実行中フラグをリセット(ステップB393)する。そして、大当り報知フラグの有無をチェック(ステップB394)し、大当り報知フラグがある場合(ステップB395;Yes)は、該当する保留記憶を示す図柄に特殊エフェクト表示を設定(ステップB396)する。
次に、エンディング終了タイミングであるか否かをチェック(ステップB398)し、終了タイミングである場合(ステップB399;Yes)は、各種フラグ及びカウンタをリセット(ステップB400)し、処理番号を「0」に設定(ステップB401)して、先読み報知実行処理を終了する。
ステップB392で報知カウンタの値が0になっていないと判定した場合(ステップB392;No)、ステップB395で大当り報知フラグがないと判定した場合(ステップB395;No)は、該当する保留記憶を示す図柄に通常エフェクト表示を設定(ステップB397)してステップB398に移行する。また、ステップB388で報知実行中フラグがないと判定した場合(ステップB388;No)も、ステップB388に移行する。
ステップB399でエンディング終了タイミングでないと判定した場合(ステップB399;No)は、先読み報知実行処理を終了する。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態の発生中に、第1操作ミッションの達成回数に応じた数の始動記憶を対象として始動記憶手段に記憶されている始動記憶の事前判定結果を示唆する予告演出を実行することが可能な予告演出実行手段をなす。
〔ミッション獲得ミッション処理〕
次に、上述の1stメイン処理におけるミッション獲得ミッション処理(ステップB24)の詳細について説明する。図55に示すように、ミッション獲得ミッション処理では、まず、処理番号を取得(ステップB411)し、処理番号に応じて分岐処理(ステップB412)を行う。ステップB412で取得した処理番号が「0」の場合は遊技者に課すミッション獲得ミッションの種類を決定する報知獲得ミッション情報設定処理(ステップB413)を行う。ミッションの種類については後に図56で説明する。処理番号が「1」の場合は、説明表示共通設定処理(ステップB414)を行い、処理番号が「2」の場合はミッション獲得ミッション実行処理(ステップB415)を行う。ステップB413及びステップB415で行われる各処理の詳細については後述する。また、説明表示共通設定処理(ステップB414)は、先読み報知獲得ミッション処理における説明表示共通設定処理(ステップB304)と同様であるためその説明を省略する。コマンド識別子による分岐処理(ステップB412)により選択された上述の各処理を行った後、ミッション獲得ミッション処理を終了する。
図56には、ミッション獲得ミッションの種類及びその内容について示した。本実施例の遊技機10は、大当りが終了すると、飾り特図変動表示ゲームの実行中に所定のミッション獲得ミッション(第2操作ミッション)を発生させるようになっている。ミッション獲得ミッションには、ボタン操作ミッション3,4、発射操作ミッション2〜5の6種類があり、大当り保留が何番目に記憶されているかに基づいてこれらの何れか選択されるようになっている。
具体的には、大当り保留が一番前に記憶されている場合、ボタン操作ミッション3が発生する。ボタン操作ミッション3は、初回変動中、すなわち、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲーム実行中に発生する。ミッションの内容は、前面枠12に備えられた演出ボタン25を押す操作を行わせるというもので、所定時間内に演出ボタン25を所定回数(5回)押すことができればミッションの達成となる。初回変動開始時、すなわち、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
大当り保留が前から2番目に記憶されている場合、発射操作ミッション2を発生させる。発射操作ミッション2は、1〜2回目の変動中、すなわち、当該大当り保留の1つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始から当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲームの終了にかけて発生する。ミッションの内容は、遊技領域32に設けられたミッション用ゲート80を遊技球が通過するように発射操作部24の回動操作を行わせるというもので、所定時間内に所定数(1個)の遊技球をミッション用ゲート80に通すことができればミッションの達成となる。初回変動開始時、すなわち、当該大当り保留の1つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
大当り保留が前から3番目に記憶されている場合、ボタン操作ミッション4が発生する。ボタン操作ミッション3は、3回目の変動中、すなわち、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲーム実行中に発生する。ミッションの内容は、ボタン操作ミッション3とほぼ同様で、所定時間内に演出ボタン25を所定回数(10回)押すことができればミッションの達成となる。3回目の変動開始時、すなわち、当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
大当り保留が前から4番目に記憶されている場合、発射操作ミッション3を発生させる。発射操作ミッション2は、3〜4回目の変動中、すなわち、当該大当り保留の1つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始から当該大当り保留に基づく特図変動表示ゲームの終了にかけて発生する。ミッションの内容は、発射操作ミッション2とほぼ同様で、所定時間内に所定数(2個)の遊技球をミッション用ゲート80に通すことができればミッションの達成となる。3回目の変動開始時、すなわち、当該大当り保留の1つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
大当り保留が前から5番目又は6番目に記憶されている場合、発射操作ミッション4を発生させる。発射操作ミッション4は、大当り保留が前から5番目の場合は3〜5回目の変動中、6番目の場合は3〜6回目の変動中に発生する。ミッションの内容は、発射操作ミッション2,3とほぼ同様で、所定時間内に所定数(3個)の遊技球をミッション用ゲート80に通すことができればミッションの達成となる。3回目の変動開始時、すなわち、大当り保留が前から5番目の場合は当該大当り保留の2つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時、大当り保留が前から6番目の場合は当該大当り保留の3つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
大当り保留が前から7番目又は8番目に記憶されている場合、発射操作ミッション5を発生させる。発射操作ミッション4は、大当り保留が前から7番目の場合は3〜7回目の変動中、8番目の場合は3〜8回目の変動中に発生する。ミッションの内容は、発射操作ミッション2〜4とほぼ同様で、所定時間内に所定数(4個)の遊技球をミッション用ゲート80に通すことができればミッションの達成となる。3回目の変動開始時、すなわち、大当り保留が前から7番目の場合は当該大当り保留の4つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時、大当り保留が前から8番目の場合は当該大当り保留の5つ前に記憶された保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム開始時には、当該ミッションについての説明が表示される。
なお、各ミッションはそれぞれ達成難易度が異なっており、大当り保留が後ろに記憶されているほど難易度が高くなるよう設定されている。従って、演出制御装置300は、予告演出が実行された特別遊技状態の終了から次回の特別遊技状態が発生するまでの期間に基づいて前記操作ミッションの達成難易度を設定する難易度設定手段をなす。
〔ミッション獲得ミッション情報設定処理〕
次に、上述のミッション獲得ミッション処理におけるミッション獲得ミッション情報設定処理(ステップB413)の詳細について説明する。図57に示すように、ミッション獲得ミッション情報設定処理では、まず、大当りが終了したか否かを判定(ステップB421)し、大当り終了でない場合(ステップB421;No)は、ミッション獲得情報設定処理を終了する。一方、大当り終了の場合(ステップB421;Yes)は、ミッション発生権利フラグの有無をチェック(ステップB422)する。ステップB422でミッション発生権利フラグがないと判定した場合(ステップB423;Yes)は、先読み記憶領域の各保留記憶領域の何れかに大当り保留があるか否かをチェック(ステップB425)する。
ステップB425で大当り保留があると判定した場合(ステップB425;Yes)は、当該大当り保留の前に記憶されている保留記憶の数に応じたミッション情報を設定(ステップB426)し、達成判定用カウンタをリセット(ステップB428)する。そして、処理番号を「1」に設定して、ミッション獲得ミッション情報設定処理を終了する。
ステップB425で大当り保留がないと判定した場合(ステップB425;No)は、ミッション情報をランダムに選択して設定(ステップB427)して、ステップB428に移行する。
従って、演出制御装置300は、予告演出が実行された特別遊技状態の終了から次回の特別遊技状態が発生するまでの期間に基づいて前記操作ミッションの達成難易度を設定する難易度設定手段をなす。
〔ミッション獲得ミッション実行処理〕
次に、上述のミッション獲得ミッション処理におけるミッション獲得情報設定処理(ステップB415)の詳細について説明する。図58に示すように、ミッション獲得ミッション実行処理では、まず、設定されたミッション情報に基づくミッション発生タイミングであるか否かをチェック(ステップB431)し、発生タイミングである場合(ステップB432;Yes)は、ミッション実行中フラグをセット(ステップB433)する。そして、設定されたミッション情報に対応するミッション開始情報を設定(ステップB434)し、達成判定用カウンタの表示を設定(ステップB435)して、ステップB436に移行する。ステップB432でミッション発生タイミングではないと判定した場合(ステップB432;No)は、ステップB436にスキップする。
ステップB436ではミッション実行中フラグの有無をチェックし、実行中フラグがある場合(ステップB437;Yes)は、設定されたミッション情報に応じた達成要件の成立をチェック(ステップB438)する。達成要件は、制限時間中の所定回数のボタン操作、図柄変動中ミッション用ゲートに遊技球を通過させる、の何れかである。ステップB439で達成要件が成立したと判定した場合(ステップB439;Yes)は、達成判定用カウンタを+1加算更新してステップB441に移行する。一方、達成要件が成立していないと判定した場合(ステップB439;No)は、ステップB441にスキップする。
ステップB441では、今回のミッションの終了条件が成立したか否かをチェックする。終了条件は、ミッションの達成、変動終了の何れかである。終了条件が成立した場合(ステップB442;Yes)は、達成判定用カウンタが達成条件に到達しているか否かをチェック(ステップB443)する。ステップB444で達成条件に到達していると判定した場合(ステップB444;Yes)は、最終ミッションの終了であるか否かをチェック(ステップB445)する。ステップB446で、最終ミッションの終了であると判定した場合(ステップB446;Yes)は、ミッション達成表示を設定(ステップB447)し、ミッション発生権利フラグをセーブ(ステップB448)する。そして処理番号を「0」にセット(ステップB449)し、ミッション実行中フラグをリセット(ステップB452)して、ミッション獲得ミッション実行処理を終了する。
ステップB444で、達成条件に到達していないと判定した場合(ステップB444;No)は、ミッション非達成表示を設定(ステップB450)し、処理番号を「0」に設定(ステップB451)して、ステップB452に移行する。
従って、演出制御装置300は、特別遊技状態が終了してから次回の特別遊技状態が発生するまでの間に、前記操作部の操作に基づいて達成可能な課題を遊技者に課す第2操作ミッションを複数回発生させることが可能な第2操作ミッション発生手段、第2操作ミッション発生手段により第2発射操作ミッションが発生される場合に、当該第2発射操作ミッションの達成条件として前記球通過検出手段が検出する遊技球数を設定する遊技球数設定手段、第2操作ミッション発生手段が発生させた前記第2操作ミッションが達成されたか否かを判定し、操作ミッションの達成回数をカウントする第2ミッション達成判定手段、ミッション達成判定手段の判定結果に基づいて、次回の特別遊技状態の発生中における予告演出の実行を規制することが可能な予告演出規制手段をなす。
次に、本実施形態の遊技機10においてミッションが発生した場合における演出例について説明する。図59は大当りの先読み保留がある状態で先読み報知獲得ミッションを完遂した場合、図60は大当りの先読み保留がない状態で先読み報知獲得ミッションを一部達成した場合、図62は図59,61のミッションにおいて報知の実行方法を変形させた場合、図65はミッション獲得ミッションとして発射操作ミッションを行う場合、図67はミッション獲得ミッションとしてボタン操作ミッションを行う場合をそれぞれ示している。
〔先読み報知獲得ミッション演出例1〕
先ず、大当りと先読み判定された保留記憶がある状態で先読み報知獲得ミッションが発生した場合における演出例について説明する。特図変動表示ゲームの実行に際し、図柄情報が1〜5の何れかに設定されると、当該特図変動表示ゲームの結果は大当り1となり、15ラウンドの特別遊技状態が発生する。このとき、先読み報知獲得ミッションの権利を獲得していれば、当該特別遊技状態の間に先読み報知獲得ミッション(ボタン操作ミッション)が発生する。図59に示すように、表示装置41の表示領域の左上部には、特別遊技状態であることが表示されている。表示領域の右上部には、特別変動入賞装置38の開閉扉38aが開いているときは現在のラウンド数が表示され、開閉扉38aが閉じているときはインターバル中であることが表示されている。インターバルの間、表示領域の中央部には、これから開始されるラウンド数が表示される。表示領域の下部には、保留記憶M41〜M46を示す図柄(例えば「●」)が表示されている。なお、先読み報知獲得ミッション開始前の保留記憶M41〜M46を示すこれらの図柄は全て同じ表示態様(本実施例では全て黒く塗りつぶされている)となっており、それぞれの先読み結果は遊技者には分からないようになっている。
特別遊技状態の6ラウンド目が終了すると、図59(a)に示すように、インターバルに入り、表示領域の中央部には、次の7ラウンド目の開始予告が表示される。そして、7ラウンド目が開始されると、図59(b)に示すように、表示領域の中央部にミッション内容の説明(各ラウンド中に3回のボタン操作)が、遊技者に対する指令の形で表示される。そして、7ラウンド目が終了すると、図59(c)に示すように、インターバルに入り、表示領域の中央部には、次の8ラウンド目の開始予告が表示される。
そして、8ラウンド目が開始されると、先読み報知獲得ミッションが開始される。表示領域の中央部には、図59(d)に示すように、1回のミッション達成に必要な演出ボタン25のプッシュ回数と、それに対して実際にボタンを押した回数を示す表示(例えば0/3)や、発生するミッションの全回数と、それに対して実際に達成したミッションの回数(例えば0/8)が表示される。8ラウンド目が終了するまでに演出ボタン25が3回押されると、図59(e)に示すように、8ラウンド目のミッション達成(例えば「クリア」等の文字)が表示され、ミッションの達成数が加算される(0/8から1/8になる)。
特別遊技状態の8ラウンド目が終了すると、図59(f)に示すように、インターバルに入り、表示領域の中央部には、次の9ラウンド目の開始予告が表示される。そして、9ラウンド目が開始されると、図59(g)に示すように、表示領域の中央部には、8ラウンド目と同様に、演出ボタン25を押した回数(0/3)や、ミッションの達成数(1/8)が表示される。9ラウンド目が終了するまでに演出ボタン25が3回押されると、9ラウンド目のミッション達成が表示され、ミッションの達成数が加算される(1/8から2/8になる)。以降、図60(h)に示す15ラウンド目の終了まで、インターバルとミッションとが交互に繰り返される。
15ラウンド目までの全てのミッションが終了すると、図60(i)に示すように、ミッションのエンディングが始まる。エンディングでは、図60(j)〜(l)に示すように、保留記憶M41から順に先読み結果を一つずつ報知していく。本実施例では、画面上の雷雲Cから各保留記憶に順番に雷を落としていき、雷を落とされた保留記憶は先読み結果を報知する表示態様(先読み報知態様)に変化するようになっている。この場合は、全8回のミッションを完遂したので8つ全ての保留記憶の先読み結果が報知されることになる。ここで、これから先読み結果を報知する保留記憶の中(ここでは保留記憶M44)に大当り保留が含まれている場合は、図60(m)に示すように、当該大当り保留を示す図柄の表示態様が変化するときに、外れ保留とは異なり特殊エフェクトがかけられた(例えば、図柄が輝いているように見える)状態となる。
このように、先読み報知の途中で大当り保留の存在が報知されると、その時点で保留記憶の先読み報知は終了となり、図60(n)に示すように、保留記憶M44より後の先読み結果が報知されずに、大当りの先読み結果が報知されたことを祝う言葉(例えば「ゲットおめでとう!!」等)が表示され、続いて、図60(o)に示すように、所定時間(例えば5秒)後にエンディング終了させる予告が表示され、所定時間経過後、エンディングが終了する。
〔先読み報知獲得ミッション演出例2〕
次に、大当りと先読み判定された保留記憶がない状態で先読み報知獲得ミッションが発生した場合における演出例について説明する。特図変動表示ゲームの実行に際し、図柄情報が6又は7に設定されると、当該特図変動表示ゲームの結果は大当り1となり、15ラウンドの特別遊技状態が発生する。このとき、先読み報知獲得ミッションの権利を獲得していれば、当該特別遊技状態の間に先読み報知獲得ミッション(発射操作ミッション)が発生する。図61に示すように、表示装置41の表示領域の左上部、右上部、下部等の表示は上記の演出例1と同様である。なお、演出例2においても、先読み報知獲得ミッション開始前の保留記憶M51〜M56を示すこれらの図柄は全て同じ表示態様(全て黒く塗りつぶされた状態)となっており、それぞれの先読み結果は遊技者には分からないようになっている。
特別遊技状態の11ラウンド目が開始されると、図61(a)に示すように、表示領域の中央部に、ミッション内容の説明(各インターバル中にミッション用ゲート80に遊技球を通過させる)が、遊技者に対する指令の形で表示される。そして、11ラウンド目が終了するとインターバルに入り、先読み報知獲得ミッションが開始される。表示領域の中央部には、図61(b)に示すように、このミッションの上限回数と、それに対して実際に達成したミッションの回数(例えば0/4)が表示される。インターバルが終了するまでにミッション用ゲート80を遊技球が通過すると、11ラウンド後インターバルのミッション達成(例えば「通過」等の文字)が表示され、ミッションの達成数が加算される(0/4から1/4になる)。
11ラウンド後のインターバルが終了すると、図61(c)に示すように、12ラウンド目に入り、表示領域の中央部には、ミッションの達成数とともに、ミッションの残り発生回数が表示される。そして、12ラウンド後のインターバルが開始されると、図61(d)に示すように、表示領域の中央部には、11ラウンド後のインターバルと同様に、ミッションの達成数が表示される。12ラウンド後のインターバルが終了するまでにミッション用ゲートを遊技球が通過すると、図61(d)に示すように、ミッション達成が表示され、ミッションの達成数が加算される(1/4から2/4になる)。以降、図61(g)に示す14ラウンド後のインターバルまではこれまで説明してきたのと同様にミッションが進行していく。
14ラウンド後のインターバルが開始されると、図61(h)に示すように、表示領域の中央部には、11〜13ラウンド後のインターバルと同様に、ミッションの達成数(3/4)が表示される。14ラウンド後のインターバルが終了するまでに遊技球をミッション用ゲートに通過させることができないと、図61(h)に示すように、ミッション非達成(例えば「MISS」等の文字)が表示され、ミッションの達成数の表示はそのまま(3/4)となる。
15ラウンド後のインターバルまでの全てのミッションが終了すると、図62(j)に示すように、ミッションのエンディングが始まる。エンディングでは、図62(k)〜(m)に示すように、保留記憶M51から順に先読み結果を報知していく。発射操作ミッションの場合は一度に2個ずつ先読み結果を報知していく。この場合は、全4回のミッションのうち3回を達成したので6つの保留記憶の先読み結果が報知されることになる。先読み報知を行った結果、大当り保留が含まれていない場合は、図62(n)に示すように、大当り保留が表示されなかったことを知らせる言葉(例えば「ざんねーん」の文字)が表示される。続いて、図62(o)に示すように、所定時間(例えば5秒)後にエンディング終了させる予告が表示され、所定時間経過後、図62(p)に示すように、エンディングが終了する。
〔先読み報知獲得ミッション演出の変形例〕
次に、大当りと先読み判定された保留記憶がある状態で先読み報知獲得ミッションが発生した場合における演出の変形例について説明する。本変形例では、上記演出例1,2と同様にしてミッションが進行するが、エンディングにおける先読み報知の方法が上記演出例1,2と異なっている。具体的には、ミッションの達成数に応じて先読み報知の上限数を決定し、エンディング期間中の特別変動入賞装置38への遊技球の入賞毎に報知を行うというものである。なお、エンディングを除いたミッションの流れ(図63(a)〜図64(i))については、ミッションの開始ラウンドが異なる(1ずれている)以外は図59(a)〜(g)と同様に進行するので、その説明を省略する。
14ラウンド目までの全てのミッションが終了すると、図64(i)に示すように、15ラウンド目にミッションのエンディングが始まる。ミッションのエンディングでは、図64(j)〜(l)に示すように、保留記憶M61から順に先読み結果を一つずつ報知していく。この場合は、全8回のミッションを完遂したので8つ全ての保留記憶の先読み結果が報知されることになる。ただし、本変形例では、先読み結果の報知が自動的に進行するようになっておらず、雷雲が保留記憶M61を示す図柄の上方で静止した状態となる。本変形例では、エンディングは特別遊技状態の15ラウンド目に行われるため、この間特別変動入賞装置38が開放されている。ここに遊技球が1つ入賞すると、図64(j)に示すように、その入賞を契機として、保留記憶M61の先読み報知が実行される。以降、図64(k)、(l)に示すように、特別変動入賞装置38に遊技球が入賞する毎に保留記憶M62,M63…の先読み報知が実行される。
図64(m)に示すように、先読み報知の途中で大当り保留の存在が報知されると、その時点で保留記憶の先読み報知は終了となり、図64(n)に示すように、保留記憶M64より後の先読み結果が報知されずに、大当りの先読み結果が報知されたことを祝う言葉が表示され、続いて、図64(o)に示すように、エンディングが終了する。
本変形例のようにした場合、15ラウンド目の間に特別変動入賞装置38に遊技球の入賞が少なければ、先読み報知された保留記憶の数がミッションの達成数に届かなくても先読み報知が終了してしまう可能性があるので、遊技者は、エンディングの間も特別変動入賞装置38に向けて遊技球を打ち続けることとなる。このため、遊技機の稼働率が更に高めることができる
〔ミッション獲得ミッション演出例1〕
次に、ミッション獲得ミッションとして発射操作ミッションが発生した場合における演出例について説明する。図65(a)に示すように、先読み報知獲得ミッションにおいて先読み報知が行われ特別遊技状態が終了すると、図65(b)に示すように、保留記憶M71に基づく特図変動表示ゲームが開始される。先読み報知では、4番目の保留記憶M74が大当り保留であることが報知されたため、保留記憶M74より後の保留記憶は先読み報知されなかったが、次の特図変動表示ゲームが開始されるときに、保留記憶M74より後の保留記憶についても一斉に表示態様が「●」から「○」に切り替わる。以降、図65(e)に示す保留記憶M72に基づく特図変動表示ゲームの終了までの説明は省略する。また、特別遊技状態の終了後であるため確率状態は高確率状態となっており、表示装置41の表示領域上部には高確率であること(例えば「熱熱モード中」の文字)が表示される。
保留記憶M73に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、図65(f)に示すように、表示領域の中央部に、ミッション内容の説明(2回のミッション中にミッション用ゲート80に遊技球を2つ通過させる)が、遊技者に対する指令の形で表示される。そして、ミッション獲得ミッションの第1ミッションが開始される。特別遊技状態の終了時、大当り保留M74は4番目に記憶されていたので、ミッション獲得ミッションは発射操作ミッション3となる。ミッションの間、ミッションに関連する表示の背後では特別図柄が変動している。表示領域の中央部には、図65(g)に示すように、第1ミッションの上限回数と、それに対して実際に達成したミッションの回数(例えば0/2)が表示される。特図変動表示ゲームが終了するまでにミッション用ゲート80を遊技球が2つ通過すると、ミッション達成(例えば「通過」等の文字)が表示され、ミッションの達成数が加算される(0/2から2/2になる)。そして、表示領域には、図65(h)に示すように、外れの結果態様が停止表示され、保留記憶M73に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
大当り保留M74に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、図66(i)に示すように、ミッション獲得ミッションの第2ミッションが開始される。ミッションの間、ミッションに関連する表示の背後では特別図柄が変動している。表示領域の中央部には、第1ミッションの上限回数と、それに対して実際に達成したミッションの回数(例えば、遊技球が一つミッション用ゲート80を通過していれば1/2)が表示される。特図変動表示ゲームが終了するまでにミッション用ゲート80を遊技球が2つ通過すると、図66(j1)に示すように、ミッション達成(例えば「通過」等の文字)が表示され、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得したことが報知される。そして、図66(k)に示すようにリーチ状態となり、図66(l)に示すように、大当りの結果態様が停止表示され、大当り保留M74に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
一方、特図変動表示ゲームが終了するまでにミッション用ゲート80に遊技球を2つ通過させることができないと、図66(j2)に示すように、ミッションに失敗したことが報知される。そして、図66(k)に示すようにリーチ状態となり、図66(l)に示すように、大当りの結果態様が停止表示され、大当り保留M74に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
〔ミッション獲得ミッション演出例2〕
次に、ミッション獲得ミッションとしてボタン操作ミッションが発生した場合における演出例について説明する。図67(a)に示すように、先読み報知獲得ミッションにおいて先読み報知が行われ特別遊技状態が終了すると、図67(b)に示すように、保留記憶M81に基づく特図変動表示ゲームが開始される。先読み報知では、報知する保留記憶数が6つであったか、先読み報知が行われた後に保留記憶M87、M88が記憶されたため、保留記憶M87、M88は先読み報知されなかったが、次の特図変動表示ゲームが開始されるときに、保留記憶M87、M88についても一斉に表示態様が「●」から「○」に切り替わる。以降、図67(e)に示す保留記憶M82に基づく特図変動表示ゲームの終了までの説明は省略する。また、特別遊技状態の終了後であるため確率状態は高確率状態となっており、表示装置41の表示領域上部には高確率であること(例えば「熱熱モード中」の文字)が表示される。
保留記憶M83に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、図67(f)に示すように、表示領域の中央部に、ミッション内容の説明(2回のミッションの制限時間内に演出ボタン25を10回押す)が、遊技者に対する指令の形で表示される。そして、ミッション獲得ミッションの第1ミッションが開始される。特別遊技状態の終了時、大当り保留は記憶されていなかったので、ミッション獲得ミッションはランダムに選択される(本演出例ではボタン操作ミッション4が選択されたとする)。ミッションの間、ミッションに関連する表示の背後では特別図柄が変動している。表示領域の中央部には、図67(g)に示すように、第1ミッションの達成に必要な演出ボタン25の押し回数と、それに対して実際に演出ボタン25を押した回数(例えば0/10)が表示される。特図変動表示ゲームが終了するまでに演出ボタン25を10回押すと、図67(h)に示すように、ミッション達成(例えば「クリア!」等の文字)が表示される。そして、表示領域には、図68(h)に示すように、外れの結果態様が停止表示され、保留記憶M83に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
保留記憶M84に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、図68(j)に示すように、ミッション獲得ミッションの第2ミッションが開始される。ミッションの間、ミッションに関連する表示の背後では特別図柄が変動している。表示領域の中央部には、第1ミッションの達成に必要な演出ボタン25の押し回数と、それに対して実際に演出ボタン25を押した回数(例えば0/10)が表示される。特図変動表示ゲームが終了するまでに演出ボタン25を10回押すと、図68(k1)に示すように、先読み報知獲得ミッションの発生権利を獲得したことが報知される。そして、図68(l)に示すように、はずれの結果態様が停止表示され、大当り保留M84に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
一方、特図変動表示ゲームが終了するまでに演出ボタン25を10回押すことができないと、図68(k2)に示すように、ミッションに失敗したことが報知される。そして、図68(l)に示すように、はずれの結果態様が停止表示され、大当り保留M84に基づく特図変動表示ゲームが終了する。
以上のように、遊技機10は、遊技領域32に設けられる所定の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動させる特別変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示することが可能な表示装置41と、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能な変動入賞装置(特別変動入賞装置38)とを備え、変動表示ゲームの停止表示結果が特別結果態様(大当り)となった場合に、変動入賞装置を開状態に変換する特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者が操作することが可能な操作部(発射操作部24、演出ボタン25)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき判定情報を抽出して変動表示ゲームの始動記憶(保留記憶)として所定の上限数の範囲内で記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶される始動記憶の判定情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の発生中に操作部の操作に基づいて課題を達成可能な第1操作ミッションを複数回発生させることが可能な第1操作ミッション発生手段(演出制御装置300)と、第1操作ミッション発生手段が発生させた第1操作ミッションが達成されたか否かを判定し、その達成回数をカウントするミッション達成判定手段(演出制御装置300)と、始動記憶の事前判定結果を、第1操作ミッションの達成回数に応じた個数分示唆する予告演出(先読み報知)を実行することが可能な予告演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えるようにしている。
従って、第1操作ミッションの達成回数と始動記憶の事前判定結果に基づく予告演出の実行とが関連付けられる。このため、遊技者は予告演出の実行対象となる始動記憶がより多くなるよう意識して第1操作ミッションを達成するようになる。従って、特別遊技状態中における予告演出に遊技性を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10は、予告演出実行手段(演出制御装置300)により実行される予告演出の実行を中止させることが可能な予告演出中止手段(演出制御装置300)を備え、予告演出実行手段は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶(保留記憶)を特定しながら特別遊技状態の発生を示唆する予告演出(先読み報知)を順次実行することが可能に構成され、予告演出中止手段は、予告演出実行手段が第1操作ミッションの達成回数に応じた数分の予告演出を実行するまでの間に特別遊技状態の発生を示唆する予告演出を実行した場合には、その後の予告演出の実行を中止させるようにしている。
従って、予告演出の実行途中において特別遊技状態の発生が示唆されることで予告演出を中止することにより、その後の遊技進行が明らかになり過ぎて遊技者の期待感を殺いでしまうことを回避できる。また、次回の特別遊技状態中の第1操作ミッションやその後に実行される予告演出に対する期待感を維持することができる。
また、遊技機10の第1操作ミッション発生手段(演出制御装置300)は、達成難易度の異なる複数種類の第1操作ミッション(先読み報知獲得ミッション)を発生可能であり、予告演出実行手段は、達成した第1操作ミッションの種類と達成回数に基づいて予告演出の実行対象とする始動記憶の数を決定する予告数決定手段(演出制御装置300)を備え、予告数決定手段は、達成難易度が高い第1操作ミッションほど、一回の達成に対して予告演出(先読み報知)の実行対象とする始動記憶(保留記憶)の数を多く設定するようにしている。
従って、難易度の高い第1操作ミッションをある回数達成した場合、難易度の低い第1操作ミッションを同回数達成した場合に比べて予告演出の実行対象となる始動記憶が多くなる。つまり、難易度の高い第1操作ミッションでは達成回数が少なくても、難易度の低い第1操作ミッションを多数達成したときと同程度の予告演出を実行することが可能となる。このため難易度の異なる第1操作ミッションを共に楽しむことができ、第1操作ミッションの遊技性が向上する。
また、遊技機10の予告演出実行手段(演出制御装置300)は、第1操作ミッション(先読み報知獲得ミッション)の終了に基づいて予告数決定手段が予告演出(先読み報知)の実行対象とする始動記憶(保留記憶)の数を決定した場合には、当該始動記憶の数を上限として、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)に遊技球が入賞したことを契機として予告演出を実行するようにしている。
従って、予告数決定手段によって予告演出の実行対象となる始動記憶の上限数が決定され、予告演出の実行有効期間中に変動入賞装置に遊技球の入賞があれば予告演出が行われる。つまり、予告演出を実行することが決定されても、予告演出の実行有効期間中に変動入賞装置への遊技球の入賞がなければ予告演出は実行されない。このため、変動入賞装置への遊技球の入賞状態に遊技者の目を向けることが可能となり、淡々と消化されていた特別遊技状態の興趣が向上する。
また、遊技機10は、特別遊技状態の終了後から次回の特別遊技状態が発生するまでの間に操作部(発射操作部24、演出ボタン25)の操作に基づいて課題を達成可能な第2操作ミッション(ミッション獲得ミッション)を発生させることが可能な第2ミッション発生手段(演出制御装置300)と、第2操作ミッション発生手段が発生させた第2操作ミッションが達成されたか否かを判定する第2ミッション達成判定手段(演出制御装置300)と、第2ミッション達成判定手段が判定した第2操作ミッションの達成結果に基づいて次回の特別遊技状態の発生中に第1操作ミッションが発生することを規制することが可能なミッション規制手段(演出制御装置300)と、を備え、第2ミッション発生手段は、予告演出実行手段により特別遊技状態の発生を示唆する予告演出(先読み報知)が実行されたことに基づいて第2操作ミッションを発生させ、ミッション規制手段は、第2操作ミッションが達成されなかったことに基づいて、第1操作ミッションの発生を規制するようにしている。
従って、特別遊技状態の終了後から次回の特別遊技状態が発生するまでの間に発生する第2操作ミッションを達成することにより、次回の特別遊技状態の発生後に予告演出の契機となる第1操作ミッションが発生する。このため、遊技者は、第1操作ミッションに挑戦するために第2操作ミッションの達成に努めることとなり、特別遊技状態の終了から次回の特別遊技状態の発生までの間の遊技性が向上し遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10は、遊技領域32に遊技球を発射する発射装置と、遊技領域を流下してきた遊技球が通過可能な球通過領域(ミッション用ゲート80)と、球通過領域を流下してきた遊技球が通過可能な球通過領域(ミッション用ゲート80)と、球通過領域を通過する遊技球を検出可能な球通過検出手段(ミッションゲートスイッチ80a)と、を備え、操作部は、操作することにより発射装置に遊技球を発射させる発射操作部24を含み、第2操作ミッションは、発射操作部の操作により遊技領域に発射された遊技球が球通過領域を通過することによって達成となる発射操作ミッションを含むようにしている。
従って、操作ミッションが遊技球の発射を伴うので、特別遊技状態の終了後から次回の特別遊技状態が発生するまでの間に遊技球を発射させることを促すことができ、遊技機の稼動率が向上する。
また、遊技機10は、予告演出(先読み報知)が実行された特別遊技状態の終了から次回の特別遊技状態が発生するまでの期間に基づいて第2操作ミッション(ミッション獲得ミッション)の達成難易度を設定する難易度設定手段(演出制御装置300)を備え、難易度設定手段は、第2操作ミッション発生手段(演出制御装置300)が第2操作ミッションを発生させる場合に、当該第2操作ミッションの達成条件として球通過検出手段(ミッションゲートスイッチ80a)により検出させる遊技球数を設定する遊技球数設定手段(演出制御装置300)を備え、遊技球数設定手段は、次回の特別遊技状態が発生するまでの期間が長いほど遊技球数を多く設定するようにしている。
従って、次回の特別遊技状態が発生するまでの期間が長いほど第2操作ミッションの達成のためにより多くの遊技球数を遊技球検出手段に検出させる必要がある。事前に特別遊技状態の発生が示唆された場合、それまでの期間が長いほど遊技球の発射が滞るようになるが、第2操作ミッションの難易度が高まることで、ミッション期間中により多くの遊技球が集中して発射されるので、結果的に次回の特別遊技状態が発生するまでの期間が短い場合と同じように遊技球を使わせることができる。
また、遊技機10の予告演出実行手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)の事前判定により変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が特別結果態様となると判定された場合に、所定の確率で特別遊技状態の発生を示唆する予告演出(先読み報知)を実行するようにしている。
従って、事前判定の結果が特別結果態様でも予告演出がなされない場合がある。逆に言えば、予告演出が実行されなかった場合であっても特別結果態様となる可能性を残すことができるので、遊技者は、特別遊技状態の発生を示唆する予告演出が実行されなかった始動記憶に対応する変動表示ゲームも期待感を持って楽しむことができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。