JP2015230767A - 鏡装置およびその製造方法 - Google Patents

鏡装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015230767A
JP2015230767A JP2014115150A JP2014115150A JP2015230767A JP 2015230767 A JP2015230767 A JP 2015230767A JP 2014115150 A JP2014115150 A JP 2014115150A JP 2014115150 A JP2014115150 A JP 2014115150A JP 2015230767 A JP2015230767 A JP 2015230767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
layer
region
metal layer
island
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014115150A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6438217B2 (ja
Inventor
国治 松田
Kuniharu Matsuda
国治 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2014115150A priority Critical patent/JP6438217B2/ja
Publication of JP2015230767A publication Critical patent/JP2015230767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6438217B2 publication Critical patent/JP6438217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、連続する「海」状鏡領域の中に「島」状発光可能鏡領域を備え、高信頼性かつ安価な鏡装置を提供することである。【解決手段】本発明の鏡装置は、面状に広がりを有し、その一方の主面に、連続する「海」状の鏡領域、及び、該「海」状鏡領域の中に、「島」状の発光可能な鏡領域を複数備える鏡装置であって、該一方の主面は、透光性基板の一方の主面であり、該「海」状鏡領域においては、該透光性基板の他方の主面上に順に透明導電膜、及び陽極金属層が形成され、該陽極金属層が鏡面であり、かつ、該「島」状鏡領域においては、該透光性基板の他方の主面上に順に該透明導電膜、発光層を含む機能層、及び陰極金属層が形成され、該陰極金属層が鏡面であり、さらに、該陽極金属層と、該陰極金属層との間に電圧を印可することにより発光する。【選択図】 図1

Description

本発明は、鏡装置およびその製造方法に関し、特に、連続する「海」状の鏡領域の中に複数の「島」状の発光可能な鏡領域を備える鏡装置およびその製造方法に関する。
近年、白熱灯や蛍光灯に変わる照明光源として有機EL光源が注目され、多くの研究がなされている。また、テレビに代表されるディスプレイ部材においても液晶方式やプラズマ方式に変わる方式として有機EL方式が注目されている。
ここで有機EL光源は、ガラス基板や透明樹脂フィルム等の基材に、有機EL素子を積層したものである。また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL素子は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。有機EL光源は、自発光デバイスであるため、ディスプレイ材料として使用すると高コントラストの画像を得ることができる。また、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。また白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面上に発光するので、設置場所の制約が少ない。
有機EL光源の代表的な層構成は、ボトムエミッション型と称される構成であり、一般に、透光性のガラス基板に、透明電極層と、機能層と、裏面電極層が積層され、これらが封止部によって封止されたものであり、機能層中の発光層で発光した光がガラス基板を介して出射される構造である。以下、本明細書においてボトムエミッション型の有機EL光源パネルのことをBEPと省略して記載することとする。ここで、機能層は、複数の有機化合物を含む薄膜が積層されたものである。代表的な機能層の構成は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、ブロック層、電荷発生層等を含む構成であり、この中で、発光に寄与する発光層が必須の構成である。このような層構成の中で、対向する電極層及びこれに挟持された機能層について、これらの層の重畳部分の両電極層を含む部分が有機EL素子であり、両電極層間への電圧の印加により、発光層が発光する。
このような有機EL光源の応用製品として、特許文献1は、暗い場所で鏡を使って対象物を観察する場合に、新たに照明を用意する必要がないようにするために、鏡に極めて薄くて、かさばらない、照明用EL素子を内蔵することによって対象物を明るく照らし容易に対象物を鏡で観察できるようにした携帯や設置が便利なEL照明内蔵の鏡装置として、超薄型電界発光素子である有機EL素子を用いて、その有機EL装置の一部として、ガラスまたはプラスチック製のその基板の一部に非発光部分を形成し、その部分より裏側の有機EL素子の鏡面状陰極部分が透けて見えるような構造(特許文献1の図1、図2)とした鏡装置や、通常の鏡の一部を透明とし、その裏面に接するように、BEPを貼りつけた構造(特許文献1の図3)の鏡装置を提案している。
特開2002−329418号公報
本発明は、このような先行技術における問題点を解消するために為されたものであり、連続する「海」状鏡領域の中に、「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置であって、高信頼性かつ安価な鏡装置を提供することを目的としている。ここで、この「島」状発光可能鏡領域は、任意の形状及び個数であることが好ましく、また、この鏡装置は、均一に発光可能であり、かつ、電力ロスが低減された高効率のものであることが好ましい。
このような本発明の目的に対して、特許文献1の有機EL装置の基板の一部にその鏡面状陰極部分が透けて見えるようにした鏡装置は、BEPの一般的特性である、そのままの状態でBEPの陰極金属層が鏡面となることを利用するものであるが、この技術を用いて、連続する非発光の「海」状鏡領域の中に、任意の形状及び個数の「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置を作製しようとした場合には、以下の(1−1)〜(1−3)のような問題がある。
(1−1)透明陽極や発光層を、発光させたい形状に合わせて形成する必要があり、任意の形状や個数の発光可能鏡領域を備える鏡装置とするためには、そのパターンに合わせた透明陽極の加工や発光層等の製膜マスクを準備する必要があり、コストや納期の点で問題がある。特に、特許文献1の図2のように、非発光領域となる部分に透明絶縁膜を形成しようとすると、「島」状発光可能鏡領域に相当する部分以外の部分をくり抜いたシャドーマスクを使用して製膜する必要が生じるが、そのようなマスクは、「島」状発光可能鏡領域に相当する部分が、周囲と切り離されて空間に浮いた状態のマスクとなるので、実質的に作製困難である。
(1−2)「島」状発光可能鏡領域の透明陽極に外部から給電する場合、特許文献1の図1の方法では、発光可能鏡領域が鏡装置の外周に位置するため、その外周から給電可能であるが、「島」状発光可能鏡領域には、個別に電気絶縁された透明陽極を有するのみなので、外部から給電することはできない。また、特許文献1の図1の方法では、発光可能鏡領域が鏡装置の外周から給電された電気が、連続する一般に抵抗が高い透明陽極と介して、「島」状発光可能鏡領域の透明陽極に達する間に電圧降下を生じるため、全ての「島」状発光可能鏡領域を均一に発光させたり、電力ロスを低減したりすることが困難である。
(1−3)非発光「海」状鏡領域と「島」状発光可能鏡領域との鏡としての連続性については、特許文献1の図2の場合には、発光層及び透明絶縁層の透明性や屈折率を同等の値に調整することで、ほぼ連続する鏡として作製可能であるものの、特許文献1の図1の場合には、基板の上に、これと接して鏡面状陰極が形成されている非発光鏡領域と、透明電極及び発光層を介して鏡面状陰極が形成されている発光鏡領域とでは、鏡としての見え方に大きな差異が生じてしまい、連続する鏡としては視認されない可能性が高い。
また、このような本発明の目的に対して、通常の鏡の一部を透明とし、その裏面に接するように、BEPのガラス基板を貼りつけた鏡装置は、BEPの一般的特性である、そのままの状態でBEPの陰極金属層が鏡面となることを利用するものであるが、この技術を用いて、連続する非発光の「海」状鏡領域の中に、任意の形状及び個数の「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置を作製しようとした場合には、以下の(2−1)〜(2−3)のような問題がある。
(2−1)BEPを、発光させたい形状に合わせて形成する必要があり、任意の形状や個数の発光可能鏡領域を備える鏡装置とするためには、その形状や個数に合わせたBEPを準備する必要があり、現実的でない。
(2−2)「島」状発光可能鏡領域となるBEPの各々の、透明陽極および鏡面状陰極に外部から給電する場合、特許文献1の図3の方法では、各BEPの各電極に電気配線を接続する必要があり、特に、任意の形状、個数の「島」状発光可能鏡領域とする場合には、現実的ではない。
(2−3)非発光「海」状鏡領域と「島」状発光可能鏡領域との鏡としての連続性については、特許文献1の図3の場合には、透光性基板の上に、これと接して鏡面形成されている非発光鏡領域と、透光性基板、透明電極及び発光層を介して鏡面状陰極が形成されている発光鏡領域とでは、鏡としての見え方に大きな差異が生じてしまい、連続する鏡としては視認されない可能性が高い。
以上のことから、連続する「海」状鏡領域の中に、「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置を、現実的に提供する技術が必要とされている。
上述の状況に鑑み、本発明者は、BEPの透明電極層が形成されてなる基板のその透明電極層に接して形成した金属層が非発光鏡領域の鏡面として使用できる点に注目した。すなわち、本発明の目的である連続する「海」状鏡領域の中に、「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置においては、複数の、好ましくは全ての「島」状発光可能鏡領域の陽極および陰極の各々を、極毎に共通電極、いわゆるコモン電極として、複数の発光可能鏡領域に同時に電圧を印加可能であることが好ましいところ、2つの極に対して、各々鏡面となる金属層を対応させることを試みた。そして、このような構成とすることで、上述の先行技術における問題点である、現実性やコスト、納期、給電の可能性と簡便性、透明電極層における電圧降下による発光ムラの発生の防止、鏡面連続性の問題点を一挙に解決できるのではないかと考えた。
このような考えのもと導き出された本発明は、
面状に広がりを有し、その一方の主面に、連続する「海」状の鏡領域3、及び、該「海」状鏡領域3の中に、「島」状の発光可能な鏡領域4を複数備える鏡装置1であって、
該一方の主面は、透光性基板10の一方の主面であり、
該「海」状鏡領域3においては、該透光性基板10の他方の主面上に順に透明導電膜11、及び陽極金属層13が形成され、該陽極金属層13が鏡面であり、かつ、
該「島」状鏡領域4においては、該透光性基板10の他方の主面上に順に該透明導電膜11、発光層を含む機能層15、及び陰極金属層16が形成され、該陰極金属層16が鏡面であり、さらに、
該陽極金属層13と、該陰極金属層16との間に電圧を印可することにより該発光する鏡装置1である。
上記、及び以下の記載において、説明の為に、図1における符号を付して記載するが、この符号の記載により、本発明が何らの制限を受けるものではない。
図1は、本発明の一実施形態における鏡装置1の断面概念図である。
また、図2は、図1の鏡装置1の、透光性基板10の一方の主面からみた、平面概念図である。なお、図1は図2のA−Aにおける断面概念図である。
本発明の構成によれば、連続する「海」状鏡領域の中に、任意の形状及び個数の「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置を提供することができる。
また、本発明の鏡装置1は、一般に高抵抗となる透明導電膜11にこれと接して、鏡金属層2の一部として、陽極金属層13が形成されているので、透明導電膜11面内での電圧降下が生じにくく、複数の発光可能領域間および発光可能領域内での輝度ムラが小さい。
さらに、本発明の鏡装置1は、消灯時において、「島」状鏡領域4と「海」状鏡領域3との境界部位が目立たないので、一体的な鏡面を形成するため、見栄えがよい。
また、前記陰極金属層16は、複数の「島」状発光可能鏡領域4に亘って連続して形成されてなることが好ましく、この連続して形成された複数の「島」状発光可能鏡領域4に亘る陰極金属層16を共通電極として、これと明導電膜11との間に外部から給電することで、これらの複数の「島」状発光可能鏡領域4毎に、同時に点灯および消灯が可能となる。この陰極金属層16を、1又は複数の領域を含むグループ毎に連続して形成することで、グループ毎に点灯および消灯することもできるが、より好ましくは、1つの本発明の鏡装置1に対して連続する単一の陰極金属層16とすることであり、全ての「島」状発光可能鏡領域4を同時に点灯および消灯できる。
また、前記陽極金属層13の前記「島」状鏡領域4側側面における前記透明導電膜11との境界線から、前記陽極金属層13の前記透明導電膜11とは反対側の面に亘って、少なくとも該「島」状鏡領域4側側面及びその該反対側の面へ延長する延長領域の全面が、第1絶縁層14で覆われていることが好ましく、陰極金属層16と陽極金属層13との間の短絡欠陥の発生が防止されと共に、機能層15への水分の浸入が防止されるので高信頼性の有機EL素子30を含む鏡装置となる。
また、前記複数の「島」状鏡領域4、及びこれに隣接する前記「海」状鏡領域3の隣接領域に亘って、前記機能層15が形成されていること好ましく、複数の発光可能「島」状鏡領域4に対応する機能層15を同時に形成できる。この「島」状鏡領域4を、1又は複数の領域を含むグループ毎に形成することで、グループ毎に、例えば異なる色の発光を生じる発光層とすることもできるが、より好ましくは、1つの本発明の鏡装置1に対して連続する単一の機能層15とすることであり、全ての「島」状発光可能鏡領域4を同時に形成できる。
また、前記複数の「島」状鏡領域4、及びこれに隣接する前記「海」状鏡領域3の隣接領域に亘って、前記陰極金属層16の前記機能層15と反対側の面を覆う第2絶縁層17が形成されていることが好ましく、機能層15への水分の浸入が防止されるので高信頼性の有機EL素子30を含む鏡装置となる。
この第2絶縁層17は、その前記「海」状鏡領域3に対応する領域の内部領域であって、かつ、前記陰極層16が形成されている領域であって、さらに、前記機能層15が形成されていない領域に、陰極電極6を形成するための、第2絶縁層17が形成されていない領域を有することが好ましく、機能層15への水分の浸入を防止しつつ、外部から陰極電極層16に、確実、かつ、簡便に給電できる構造となる。
また、この第2絶縁層17は、その鏡金属層2が形成されていない領域に、陽極電極7を形成するための、第2絶縁層17が形成されていない領域を有することが好ましく、外部から透明導電膜10に、確実、かつ、簡便に給電できる構造となる。
さらに、本発明は、本発明の鏡装置1の製造方法であって、順に、
前記透光性基板10上の前記透明導電膜11の前記「島」状鏡領域4に相当する領域にリフトオフ層12(図示せず)を形成する工程と、
前記「島」状鏡領域4、及び前記「海」状鏡領域3に亘る連続した領域に相当する領域に前記陽極金属層13を形成する工程と、
該リフトオフ層12を、少なくともその上の前記陽極金属層13を伴って、前記透明導電膜11から除去するリフトオフ工程と、を含む鏡装置の製造方法に関する。このような製造方法とすることで、外観に優れた鏡装置1を、簡便に製造することができる。
また、前記リフトオフ層12が、その全周を含み内側に幅を有する輪郭層121、及びそれ以外の内側の部分である本体層122からなり、
前記陽極金属層形成工程後に、順に、
該輪郭層121を、少なくともその上の前記陽極金属層を伴って、前記透明導電膜から除去する輪郭層リフトオフ工程と、
前記「島」状鏡領域4、及び前記「海」状鏡領域3に亘る連続した領域に相当する領域に第1絶縁膜17を形成する工程と、
該本体層122を、その上の前記陽極金属層13、及び該第1絶縁膜17を伴って、前記透明導電膜11から除去する本体層リフトオフ工程とを含むようにすることが好ましく、より信頼性が高い有機EL素子30を含む鏡装置とすることができる。
本発明の効果は、連続する「海」状鏡領域の中に、任意の形状及び個数の「島」状発光可能鏡領域を備える鏡装置を提供できることである。また、本発明の鏡装置は、鏡発光領域と鏡非発光領域の境界が目立たない連続した鏡領域を備え外観に優れる鏡装置とすることができる。
本発明の一実施形態における鏡装置1の、鏡装置1配置部における、断面概念図である。 図1の鏡装置1の、透光性基板10の一方の主面からみた、平面概念図である。 本発明の鏡装置1の製造方法の一実施態様における製造工程を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の技術常識内で種々変更が可能である。
(鏡装置1)
本実施形態の鏡装置1は、図1、及び図2に示すように、その透光性基板10の一方の主面である図1の下方からみて、図2に示すように、「海」状の非発光の鏡領域3と、「島」状の発光可能な鏡領域4とを含み、透光性基板10をその本体とする。
鏡装置1の他方の主面、即ち、透光性基板10の他方の主面には、一方の主面からみて鏡となるように、その鏡面を形成する鏡金属層2が配されている。本発明の特徴は、この鏡金属層2が、前記「海」状の鏡領域3に対応して透光性基板10上の透明導電膜11に接して形成された陽極金属層13と、前記「島」状の鏡領域4に対応して陰極金属層16とを含むことである。
この際、陽極金属層13と陰極金属層16とが、一方の主面からみて重なり合う重畳領域5を有するようにすることで、「海」状の鏡領域3と「島」状の鏡領域4とが連続して鏡領域を形成するようにしていることが本発明の特徴の一つである。また、この重畳領域5があることにより、金属層13、16が高水蒸気バリア性の金属材料で形成されているので、これらと、同様に高水蒸気バリア性の材料で形成されている絶縁層14、17とに、有機EL素子30、特にその機能層15が取り囲まれていることにより、本発明に係る発光可能な「島」状鏡領域4は、高い信頼性を有する。
この重畳領域5には、図1に示すように、第1絶縁膜14が存在することが必要であり、この第1絶縁膜により、陽極金属層13と陰極金属層16とが電気的に短絡しないよう絶縁しつつ、これらの電極層間に発光のための電圧を印加することが可能となる。
本発明の鏡装置1では、陽極金属層13の裏側(他方の主面側)に、機能層15を回りこませて形成可能なので、図1に示すように、重畳領域5には、第1絶縁膜14だけが存在する領域だけでなく、機能層15と第1絶縁膜が存在する領域が存在する。このような機能層15と第1絶縁膜が存在する領域を、発光可能な「島」状鏡領域4の周囲に設けることで、そこでの発光を十分余裕のあるものとすることができる。
(鏡装置1の製造方法)
図3は、本発明の鏡装置1の製造方法の一実施態様における製造工程を説明する説明図である。
本発明の鏡装置1の製造方法としては、以下の(1)から(8)の工程を順に実施する方法が挙げられる。
(1)透光性基板10上に形成された透明導電膜11上に、発光領域形状に適合させた形状のリフトオフ層12を複数形成する。
(2)陽極金属層13を複数のリフトオフ層12に亘って形成する。
(3)発光領域形状の外周部に相当する輪郭層121をリフトオフし、透明導電膜11を露出させる。
(4)陽極金属層13の側面を含む露出面の全面に第1絶縁膜14を形成する。このとき、前記輪郭層121をリフトオフした部分に第1絶縁膜14が埋め込まれ、当該部分の陽極金属層13の側面にも第1絶縁膜14が形成される。
(5)発光領域形状に相当する本体層122をリフトオフし、透明電極膜11を露出させる。
(6)発光領域に相当する前記複数のリフトオフ層12に亘り、これらを十分に覆う領域に、発光層を含む機能層15を形成する。
(7)機能層15の側面を含む露出面の全面に、これを十分に覆う陰極金属層16を形成する。
(8)少なくとも陰極金属層16の側面を含む露出面の全面に、これを十分に覆う第2絶縁膜17を形成する。
(透光性基板10)
本発明に係る透光性基板10は、本発明に係る鏡装置1の本体となる基板である。透光性及び絶縁性を有したものであれば、透光性基板2の材質については特に限定されるものではなく、例えば、フレキシブルなフィルム透光性基板やプラスチック透光性基板などから適宜選択され用いられる。特にガラス基板や透明なフィルム基板は透明性や加工性の良さの点から好適である。また、これらの基板に光取り出しのための透光性フィルム(いわゆるOCFフィルム)やその他の透光性フィルムを取り付けた基板や、光散乱層等を形成した基板も、本発明に係る透光性基板10である。
(透明導電膜11)
透明導電膜11の素材は、透明であって、導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。透明導電膜11は、点灯等において有機EL素子30に正孔を供給する陽極(アノード)であることが、特性の高い素子を形成する観点から好ましく、ITOで形成されていることがより好ましい。
透明導電膜11は、その透明性を維持しつつその層内での電圧降下の発生を防止する観点から、その中に、超薄膜金属層や金属細線を備えるようにすることができる。
(リフトオフ層12)
本発明に係るリフトオフ層12は、選択したリフトオフ工程に適合する材料により構成され、その形状はフォトリソグラフィ工程やスクリーン印刷等によって形成してもよい。
輪郭層121のリフトオフは、領域が発光形状の輪郭に限定されるため、レーザによる除去にて実施するのが効率的である。本体層122のリフトオフは、全面をレーザにより除去することで行っても良いが、リフトオフ領域が広域になる場合にはレーザ等による起点形成工程の併用を含む溶媒や溶液によるウェットプロセスにて行っても良い。
(陽極金属層13)
陽極金属層13の材料としては、反射率や導電性が高い銀又はアルミニウムが好ましく、より好ましくは銀である。
(絶縁膜14、17)
絶縁膜14、17の材質は、絶縁性及び水蒸気バリア性に代表される封止性を有していれば、特に限定されるものではないが、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成されていることが好ましく、Si−O、Si−N、Si−H、N−H等の結合を含む窒化珪素や酸化珪素、及び両者の中間固溶体である酸窒化珪素であることが特に好ましい。
また、第1絶縁膜17としては、後述する乾式法封止層とすることが好ましい。
また、第2絶縁膜17としては、封止性能を高める観点から、多層構造の絶縁封止層を使用することが好ましい。陰極金属層16側から乾式法によって形成される乾式法封止層と、湿式法によって形成される湿式法封止層がこの順に積層されて形成されていることが好ましい。
乾式法封止層は、スパッタや真空蒸着、化学気相蒸着によって形成される層であり、シランガスやアンモニアガス等を原料としてプラズマCVD法で成膜される層とすることが好ましい。このような乾式法封止層は、水分含量が少ない雰囲気下で実施される有機EL素子30の形成工程に引き続き成膜できる。
湿式法封止層は、液体状又はゲル状の原料を塗布した後、化学反応を介して成膜される層である。湿式法封止層は、より詳細には、緻密性を有したシリカを素材としていることが好ましい。また、湿式法封止層はポリシラザン誘導体を原料とするのが好ましい。ポリシラザン誘導体を用いてシリカ転化によって湿式法封止層を成膜した場合、シリカ転化時に重量増加を生じ、体積収縮が小さい。また、シリカ膜転化時(固化時)に樹脂の耐え得る温度で十分にしかもクラックを生じ難くすることができる。
このように、湿式法封止層は、乾式法封止層とは異なる材料を封止層として積層したものであることが好ましく、相互の欠陥を補完することにより、封止性能を高め、経時的な新たなダークスポットの発生を防止したり、発生したダークスポットの拡大化を抑制したりすることができる。
絶縁膜14、17の平均厚みは、1μmから10μmであることが好ましく、2μmから5μmであることがより好ましい。
(機能層15)
機能層35は、透明導電膜11と陰極金属層16との間に設けられ、少なくとも一層の有機化合物を含む発光可能な発光層を備えた層である。機能層15は、主に有機化合物からなる複数の層から構成されている。この機能層15は、一般的な有機EL装置に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、この機能層15は、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造であることが一般的である。
一般に、機能層15は、消灯時において、透明あるいはほぼ透明であり、本発明に係る機能層15は透明である。
(陰極金属層16)
陰極金属層16の材料としては、前記陽極金属層13と同一の材料とすることが、鏡金属層2全体の反射率を統一し、本発明に係る境界の連続性効果を奏さしめる観点から好ましく、また、点灯等において有機EL素子30に電子を供給する陰極(カソード)であることが、特性の高い素子を形成する観点から好ましく、銀で形成されていることがより好ましい。
1 鏡装置
2 鏡金属層
3 「海」状の鏡領域
4 「島」状の鏡領域
5 重畳領域
10 透光性基板
11 透明導電膜
12 リフトオフ層
13 陽極金属層
14 第1絶縁膜
15 機能層
16 陰極金属層
17 第2絶縁膜
30 有機EL素子(積層体)
121 輪郭層
122 本体層

Claims (7)

  1. 面状に広がりを有し、その一方の主面に、連続する「海」状の鏡領域、及び、該「海」状鏡領域の中に、「島」状の発光可能な鏡領域を複数備える鏡装置であって、
    該一方の主面は、透光性基板の一方の主面であり、
    該「海」状鏡領域においては、該透光性基板の他方の主面上に順に透明導電膜、及び陽極金属層が形成され、該陽極金属層が鏡面であり、かつ、
    該「島」状鏡領域においては、該透光性基板の他方の主面上に順に該透明導電膜、発光層を含む機能層、及び陰極金属層が形成され、該陰極金属層が鏡面であり、さらに、
    該陽極金属層と、該陰極金属層との間に電圧を印可することにより該発光する鏡装置。
  2. 前記陰極金属層16が、複数の「島」状発光可能鏡領域に亘って連続して形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の鏡装置。
  3. 前記陽極金属層の前記「島」状鏡領域側側面における前記透明導電膜との境界線から、前記陽極金属層の前記透明導電膜とは反対側の面に亘って、少なくとも該「島」状鏡領域側側面及びその該反対側の面へ延長する延長領域の全面が、第1絶縁層で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鏡装置。
  4. 前記複数の「島」状鏡領域、及びこれに隣接する前記「海」状鏡領域の隣接領域に亘って、前記機能層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鏡装置。
  5. 前記複数の「島」状鏡領域、及びこれに隣接する前記「海」状鏡領域の隣接領域に亘って、前記陰極金属層の前記機能層と反対側の面を覆う第2絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鏡装置。
  6. 請求項1に記載の鏡装置の製造方法であって、順に、
    前記透光性基板上の前記透明導電膜の前記「島」状鏡領域に相当する領域にリフトオフ層を形成する工程と、
    前記「島」状鏡領域、及び前記「海」状鏡領域に亘る連続した領域に相当する領域に前記陽極金属層を形成する工程と、
    該リフトオフ層を、少なくともその上の前記陽極金属層を伴って、前記透明導電膜から除去するリフトオフ工程と、を含む鏡装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の鏡装置の製造方法であって、
    前記リフトオフ層が、その全周を含み内側に幅を有する輪郭層、及びそれ以外の内側の部分である本体層からなり、
    前記陽極金属層形成工程後に、順に、
    該輪郭層を、少なくともその上の前記陽極金属層を伴って、前記透明導電膜から除去する輪郭層リフトオフ工程と、
    前記「島」状鏡領域、及び前記「海」状鏡領域に亘る連続した領域に相当する領域に第1絶縁膜を形成する工程と、
    該本体層を、その上の前記陽極金属層、及び該絶縁膜を伴って、前記透明導電膜から除去する本体層リフトオフ工程と、を含む鏡装置の製造方法。
JP2014115150A 2014-06-03 2014-06-03 鏡装置およびその製造方法 Active JP6438217B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014115150A JP6438217B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 鏡装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014115150A JP6438217B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 鏡装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015230767A true JP2015230767A (ja) 2015-12-21
JP6438217B2 JP6438217B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=54887456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014115150A Active JP6438217B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 鏡装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6438217B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034586A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki 電界発光素子
JP2005332616A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示装置および電子機器
US20130188339A1 (en) * 2012-01-19 2013-07-25 Ching-Chiun Wang Mirror device with illumination and mirror box using the same
WO2014073071A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 パイオニア株式会社 ミラー装置
WO2014073070A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 パイオニア株式会社 ミラー装置
JP2014229547A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 コニカミノルタ株式会社 発光装置
US20150318512A1 (en) * 2012-11-20 2015-11-05 Osram Oled Gmbh Optoelectronic Device and Method for Producing an Optoelectronic Device
JP6276086B2 (ja) * 2014-03-27 2018-02-07 株式会社カネカ 有機elパネルを備える鏡装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034586A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki 電界発光素子
JP2005332616A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示装置および電子機器
US20130188339A1 (en) * 2012-01-19 2013-07-25 Ching-Chiun Wang Mirror device with illumination and mirror box using the same
WO2014073071A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 パイオニア株式会社 ミラー装置
WO2014073070A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 パイオニア株式会社 ミラー装置
US20150318512A1 (en) * 2012-11-20 2015-11-05 Osram Oled Gmbh Optoelectronic Device and Method for Producing an Optoelectronic Device
JP2014229547A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 コニカミノルタ株式会社 発光装置
JP6276086B2 (ja) * 2014-03-27 2018-02-07 株式会社カネカ 有機elパネルを備える鏡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6438217B2 (ja) 2018-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI470848B (zh) 有機發光二極體裝置
US20100308353A1 (en) Double sided organic light emitting diode (oled)
US8389981B2 (en) Organic light emitting diode lighting equipment
EP2693841B1 (en) Organic electroluminescence light emitting device, manufacturing method thereof, and organic electroluminescence illumination device
CN100565970C (zh) 有机电致发光装置制造方法及有机电致发光装置
TWI573309B (zh) 發光裝置
JP6285183B2 (ja) 電流拡散バスを備えた大面積発光電気パッケージ
WO2000001204A9 (fr) Ecran electroluminescent
TWI470849B (zh) 發光元件
JP2008135325A (ja) 有機el表示装置とその製造方法
WO2008146838A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP2009152148A (ja) 有機発光装置
JP4981371B2 (ja) 有機el素子
KR102652261B1 (ko) 유기발광소자를 이용한 조명장치
JP3882523B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置
CN108493210B (zh) 一种有机发光显示面板及其有机发光显示装置
JP2007073305A (ja) 有機el発光装置およびその製造方法
JP2004152699A (ja) 発光装置及び照明装置
CN103915466A (zh) 有源矩阵有机发光二极管面板及其制造方法
JP6438217B2 (ja) 鏡装置およびその製造方法
KR102006476B1 (ko) 유기전계발광표시장치 및 그 제조방법
KR102153390B1 (ko) 유기전계발광표시장치 및 그 제조방법
JP6276086B2 (ja) 有機elパネルを備える鏡装置
WO2018193822A1 (ja) 電子デバイスおよびその製造方法
JP2008123882A (ja) 有機el素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6438217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250