JP2015230119A - 酸化反応速度定数算定法とスケール過熱損傷診断法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイラ過熱器、再熱器などの高温機器用材料の高精度化した酸化速度定数Kpの算定をすることと該算定した酸化速度定数Kpの値を用いて診断する水蒸気酸化又は高温水酸化スケール厚さの予測精度および前記スケールによる過熱クリープ損傷解析精度を従来より向上させること。
【解決手段】酸化反応速度定数(Kp)の算定法において、log(Kp)に定数を加算して正数化し、該正数化したlog(Kp)と絶対温度の逆数(1/T)の関係をべき乗則で次の回帰式(4)を算定する。
log(Kp)+c=a×(1/T)^b ・・・・・ (4)
c:log(Kp)値を正数化するための係数、a:べき乗則回帰係数、b:べき乗則回帰指数
また、上記算定法を用いてスケール厚さ(d)を d=(Kp×t)0.5から加熱伝熱管の内面酸化スケールによる減肉とメタル温度上昇による過熱損傷を診断するスケール過熱損傷を診断する。
【選択図】図1
【解決手段】酸化反応速度定数(Kp)の算定法において、log(Kp)に定数を加算して正数化し、該正数化したlog(Kp)と絶対温度の逆数(1/T)の関係をべき乗則で次の回帰式(4)を算定する。
log(Kp)+c=a×(1/T)^b ・・・・・ (4)
c:log(Kp)値を正数化するための係数、a:べき乗則回帰係数、b:べき乗則回帰指数
また、上記算定法を用いてスケール厚さ(d)を d=(Kp×t)0.5から加熱伝熱管の内面酸化スケールによる減肉とメタル温度上昇による過熱損傷を診断するスケール過熱損傷を診断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発電事業用のボイラを含む高温機器の水蒸気酸化スケールおよび高温水酸化スケールによる酸化反応速度定数算定法と該酸化反応速度定数算定法を用いる高温機器の水蒸気酸化スケールおよび高温水酸化スケールによる過熱損傷診断法に係り、特にボイラ伝熱管の内面の酸化スケールによる過熱損傷診断法の高精度化に関する。
火力発電用大型ボイラの伝熱管など、高温機器の水蒸気酸化スケールおよび高温水酸化スケールによる配管などの内面に生成する前記酸化スケールは、酸化鉄(Fe3O4)主体の酸化物であり、熱伝導率が1〜5W/mKで伝熱管材料の1/10以下のため、火炉内構造物のように熱負荷のある条件では、熱負荷Qおよび酸化スケール厚さdに比例し、酸化スケールの熱伝導率に反比例して前記酸化スケールの温度が上昇する。
前記酸化スケールの温度が上昇すると、ボイラ伝熱管などへのスケールの成長が加速され、前記伝熱管などのクリープ強度が低下する。前記伝熱管などの過熱損傷度に影響する伝熱管などの前記酸化スケールの成長は、酸化物中の酸素または鉄の拡散支配のため、次式の放物線則で成長することが知られている。
d=(Kp×t)0.5 ・・・・・ (1)
ここで、d:スケール厚さ(μm又はmm)、Kp:酸化速度定数、t:時間(h)
酸化速度定数Kpは、次式で示される。
ここで、d:スケール厚さ(μm又はmm)、Kp:酸化速度定数、t:時間(h)
酸化速度定数Kpは、次式で示される。
Kp=d2/t=A・exp(−E/RT) ・・・・・ (2)
ここで、t:時間(h)、A:材料係数、E:見かけの活性化エネルギ、R:ガス定数、T:絶対温度(K)
なお、活性化エネルギとは、ある特定の反応を起すために障壁を乗り越えるのに必要なエネルギであり、見かけの活性化エネルギの見かけとは、素反応ではなく全体の反応で律速過程を指すことが多いため、このような表現がされている。
ここで、t:時間(h)、A:材料係数、E:見かけの活性化エネルギ、R:ガス定数、T:絶対温度(K)
なお、活性化エネルギとは、ある特定の反応を起すために障壁を乗り越えるのに必要なエネルギであり、見かけの活性化エネルギの見かけとは、素反応ではなく全体の反応で律速過程を指すことが多いため、このような表現がされている。
酸化速度定数Kpの対数値は、次式のようになり、温度依存性の係数a,bを求めると任意の温度、時間条件でのスケール厚さが予測できるようになる。
log(Kp)=log(A)−E/(RT)=x+y×(1/T)・・・(3)
前記伝熱管などの管外面の高温酸化スケールに比べ水蒸気酸化スケールは、剥離や浮きが少なく安定した性状であることから、(1)から(3)式を用いてスケール厚さおよび運転時間から温度を予測し、過熱損傷診断に使用されている。
log(Kp)=log(A)−E/(RT)=x+y×(1/T)・・・(3)
前記伝熱管などの管外面の高温酸化スケールに比べ水蒸気酸化スケールは、剥離や浮きが少なく安定した性状であることから、(1)から(3)式を用いてスケール厚さおよび運転時間から温度を予測し、過熱損傷診断に使用されている。
ところで、ボイラ伝熱管のクリープ寿命は、温度および応力により大きく変化することから予防保全余寿命診断上、温度をいかに高精度に予測するかが重要となる。前記水蒸気酸化スケール厚さから当該メタルの温度の予測に用いる(3)式の係数a,bは、温度と時間が明確なスケール厚さデータの実験値や実機管測定値から求める。
図6は、ボイラの過熱器や再熱器に多用されているSTBA24鋼(2.25Cr1.0Mo鋼)のlog(Kp)と絶対温度の逆数(1/T)の関係を示す。図6のデータは公開文献より引用したもので、Kp=d2/t、T=273.15+℃で算定している。図中の直線αは、log(Kp)と絶対温度の逆数(1/T)の関係の直線回帰線であり、図中の数式が回帰式である。550℃から650℃の温度域のデータは、回帰線αとよく一致しているが、この温度域より低温側および高温側では、回帰線αより高めに偏移している。
図7は、STBA22鋼でのlog(Kp)と1/Tプロットである。本出願の発明者らが新たに研究した結果、ボイラの低温側のスケール厚さは、高温側文献データの回帰線βの延長線より高めになっている。
服部、他2「水蒸気酸化スケール厚さ測定によるボイラ過・再熱器管のクリープ寿命評価」 火力原子力発電、Vol.53 No.1 p30 (2002−1)
図8および図9は、図7の全データを直線又は対数回帰した結果である。いずれもボイラの高温側又は低温側で偏移が大きく、相関係数も低い値になっている。
従って、図8や図9に示すデータに対応するボイラの高温部では、温度や運転時間からの予測値の方が低めの酸化スケール厚さとなり、酸化減肉やスケールによる昇温過熱度の点から非安全側の診断となる。一方、ボイラの低温部では、スケール厚さからの温度予測値を実際より高く推定することから、クリープ寿命評価上、過度に安全側の診断となる。
従って、図8や図9に示すデータに対応するボイラの高温部では、温度や運転時間からの予測値の方が低めの酸化スケール厚さとなり、酸化減肉やスケールによる昇温過熱度の点から非安全側の診断となる。一方、ボイラの低温部では、スケール厚さからの温度予測値を実際より高く推定することから、クリープ寿命評価上、過度に安全側の診断となる。
ボイラの高温部、中温部、低温側それぞれフィットする3本の回帰線で予測する手法も考えられるが、これでは解析や算定が複雑で、長時間を要することになる。
本発明の目的は、ボイラ過熱器、再熱器などの高温機器用材料の高精度化した酸化速度定数Kpの算定をすることと該算定した酸化速度定数Kpの値を用いて診断する水蒸気酸化又は高温水酸化スケール厚さの予測精度および前記スケールによる過熱クリープ損傷解析精度を従来より向上させることにある。
本発明の目的は、ボイラ過熱器、再熱器などの高温機器用材料の高精度化した酸化速度定数Kpの算定をすることと該算定した酸化速度定数Kpの値を用いて診断する水蒸気酸化又は高温水酸化スケール厚さの予測精度および前記スケールによる過熱クリープ損傷解析精度を従来より向上させることにある。
上記目的は、酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))と絶対温度の逆数(1/T)の回帰式を算定する際、log(Kp)に定数を加算して正数化し、正数化log(Kp)値と1/Tの関係をべき乗則で回帰し、その係数で計算することで達成できる。
請求項1記載の発明は、ボイラを含む高温機器の水蒸気酸化スケールおよび高温水酸化スケール厚さの温度、時間依存性または酸化スケール厚さと運転時間から温度を予測する際に使用する酸化反応速度定数算定法において、
酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))に定数を加算して正数化し、該正数化した対数値(log(Kp))と絶対温度(T)の逆数(1/T)の関係をべき乗則で次の回帰式(4)
log(Kp)+c=a×(1/T)^b ・・・・・ (4)
ここで、Kp:酸化速度定数、c:log(Kp)値を正数化するための係数、a:べき乗則回帰係数、b:べき乗則回帰指数
を算定することを特徴とする酸化反応速度定数算定法である。
酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))に定数を加算して正数化し、該正数化した対数値(log(Kp))と絶対温度(T)の逆数(1/T)の関係をべき乗則で次の回帰式(4)
log(Kp)+c=a×(1/T)^b ・・・・・ (4)
ここで、Kp:酸化速度定数、c:log(Kp)値を正数化するための係数、a:べき乗則回帰係数、b:べき乗則回帰指数
を算定することを特徴とする酸化反応速度定数算定法である。
請求項2記載の発明は、酸化速度定数(Kp)は、次式(5)
Kp=d^2/t ・・・・・ (5)
ここで、d:スケール厚さ(μm又はmm)、t:時間(h)
に従って、スケール厚さ(d)の二乗を運転時間(t)で除して求めることを特徴とする請求項1記載の酸化反応速度定数算定法である。
Kp=d^2/t ・・・・・ (5)
ここで、d:スケール厚さ(μm又はmm)、t:時間(h)
に従って、スケール厚さ(d)の二乗を運転時間(t)で除して求めることを特徴とする請求項1記載の酸化反応速度定数算定法である。
請求項3記載の発明は、ボイラ過熱器管、再熱器管および水壁管を含む加熱伝熱管の内面酸化スケールによる減肉とメタル温度上昇による過熱損傷を診断するスケール過熱損傷診断法において、前記加熱伝熱管の内面の水蒸気酸化スケール又は高温水酸化スケール(硬質酸化スケール)を酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))と絶対温度の逆数(1/T)の関係式における、正数化べき乗則回帰式(4)を用いて、温度(T)及び酸化速度定数(Kp)からスケール厚さ(d)を次式(6)
d=(Kp×t)0.5 ・・・・・(6)
から算出することを特徴とするスケール過熱損傷診断法である。
(作用)
酸化を含め、ほとんどの化学反応は、アレニウスの式と呼ばれる前記数式(2)の活性化エネルギー支配で進むため、反応速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))と絶対温度の逆数(1/T)の関係は、直線関係となる。水蒸気酸化の反応速度が、図6から図8に示したように直線的ではなく、低温側及び高温側で高めになったことには、酸化条件や酸化生成物の化学構造が影響している。
d=(Kp×t)0.5 ・・・・・(6)
から算出することを特徴とするスケール過熱損傷診断法である。
(作用)
酸化を含め、ほとんどの化学反応は、アレニウスの式と呼ばれる前記数式(2)の活性化エネルギー支配で進むため、反応速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))と絶対温度の逆数(1/T)の関係は、直線関係となる。水蒸気酸化の反応速度が、図6から図8に示したように直線的ではなく、低温側及び高温側で高めになったことには、酸化条件や酸化生成物の化学構造が影響している。
空気中などの大気酸化では、300から450℃では、酸化スケールは極めて薄く、高温側データの直線回帰線の延長線とほぼ一致するが、水蒸気酸化又は高温水酸化では、その密度の関係から高めの反応速度となる。CrMo鋼の水蒸気酸化において、600から650℃以上で反応速度定数がより高めになるのはポーラスなウスタイト(FeO)が生成するためである。
FeOが生成する温度は、Cr量に依存し、高Cr鋼ではより高温となる。FeOが生成する温度域以下では、比較的緻密なマグネタイト(Fe3O4)やヘマタイト(αFe2O3)が生成する。
上述したように、水蒸気酸化や高温水酸化では、別の反応が生じるため反応速度定数の温度依存性も異なる。本来なら温度領域別に複数本の回帰線で評価すべきであるが各線の交点(折れ曲り点)が材料によって変化し、一義的に算定できないことから本発明では、高精度かつ一義的に解析できる正数化べき乗則を提案した。
請求項1、2記載の発明によれば、ボイラを含む高温機器材料の300から700℃の広い温度範囲の酸化速度定数が、高精度に算定でき、水蒸気酸化スケール又は高温水酸化スケールの厚さを精度よく予測できる。
請求項3記載の発明によれば、スケール厚さと運転時間から温度および温度変化を算定できることからスケールによる過熱クリープ損傷率を高精度に予測でき、ボイラ機器の信頼性を向上できるので安定運転に寄与できる。
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について図面と共に説明する。
図1は、本実施例になるSTBA22鋼の酸化速度定数(Kp)の温度依存性回帰例である。なお、高温水酸化スケールは、約300〜450℃ほどの高温水によって出来たスケールを指し、水蒸気酸化スケールは450℃以上の蒸気条件で出来たスケールを指すので、酸化速度定数Kpは、高温水条件および蒸気条件でも一義的に評価が可能である。
図1は、本実施例になるSTBA22鋼の酸化速度定数(Kp)の温度依存性回帰例である。なお、高温水酸化スケールは、約300〜450℃ほどの高温水によって出来たスケールを指し、水蒸気酸化スケールは450℃以上の蒸気条件で出来たスケールを指すので、酸化速度定数Kpは、高温水条件および蒸気条件でも一義的に評価が可能である。
前記酸化速度定数Kpの対数値(log(Kp))に、3.0を加算して全て正数化し、絶対温度の逆数(1/T)との関係をべき乗則で回帰し、回帰係数(a=4.147×10^−12)および指数(b=−4.08)を求めたものである。この回帰法を採用すると相関係数は0.956となり、直線回帰法や対数回帰法に比べ約0.1高くなり、予測精度が上昇する。
なお、ここでの正数化値(c)や回帰係数、指数の数値は本発明において特定されたものではなく、正数化べき乗則回帰法でKpの温度依存性を求めることが本発明の趣旨である。
図2は、本実施例において、ボイラ用各種CrMo鋼の酸化速度定数(log(Kp))の(1/T)依存性をまとめたものである。ここでは、酸化実験の公開文献値および材料中のCr量依存性を回帰し、線引きしたものである。これらの回帰式を用いることによりボイラ用CrMo鋼のほとんどの鋼種に対して、スケール厚さの予測やスケール厚さからの温度予測が高精度にできるようになる。
本発明の酸化速度定数Kpの回帰式を用いてボイラ材料のスケール成長挙動や管内面スケールによる過熱クリープ損傷を診断することも本発明の範囲内である。
図3は、80,000hの運転で0.4から0,46mm厚のボイラ用材料(STBA24鋼)の酸化速度定数(Kp)回帰式を用いた管内水蒸気酸化スケールの成長予測線図である。
図3は、80,000hの運転で0.4から0,46mm厚のボイラ用材料(STBA24鋼)の酸化速度定数(Kp)回帰式を用いた管内水蒸気酸化スケールの成長予測線図である。
数式(1)及び数式(4)を用いてスケール厚さ(ds)と運転時間(t)から温度(T)を推定し、管内スケールによる温度上昇(ΔT)を(7)式で求め、昇温に伴うスケール成長加速を考慮したスケール成長予測線図である。
ΔT=K×Q×ds/λs ・・・・・ (7)
ここで、ΔT:昇温度(℃)、K:管形状係数(概要は平板係数1で計算可)、Q:熱負荷(W/m2)、ds:スケール厚さ(m)、λs:スケール熱伝導率(W/mK、通常1〜5)
図4は、図3のスケール成長に伴う温度変化線図である。熱負荷85,000W/m2の条件では初期約570℃から20万時間後には約600℃に上昇することが算定できる。
ここで、ΔT:昇温度(℃)、K:管形状係数(概要は平板係数1で計算可)、Q:熱負荷(W/m2)、ds:スケール厚さ(m)、λs:スケール熱伝導率(W/mK、通常1〜5)
図4は、図3のスケール成長に伴う温度変化線図である。熱負荷85,000W/m2の条件では初期約570℃から20万時間後には約600℃に上昇することが算定できる。
温度履歴が解析できると内圧応力および当該材料のクリープ強度からクリープ損傷率が診断できる。図5は、図3に示すボイラ用材料(STBA24鋼)の内圧応力が酸化減肉により25から30N/mm2に上昇し、温度が図4のように変化した場合のクリープ損傷率の変化である。
内圧応力によるクリープ損傷率は、次式で計算する。
Φc=h/hf・・・・・(8)
ここで、Φc:クリープ損傷率、h:運転時間(h)、hf:当該温度、応力条件でのクリープ破断寿命(h)
当該温度、応力条件でのクリープ破断寿命は、クリープ寿命評価に用いられるラーソンミラーパラメータ(LMP)法で解析する。
Φc=h/hf・・・・・(8)
ここで、Φc:クリープ損傷率、h:運転時間(h)、hf:当該温度、応力条件でのクリープ破断寿命(h)
当該温度、応力条件でのクリープ破断寿命は、クリープ寿命評価に用いられるラーソンミラーパラメータ(LMP)法で解析する。
LMP=T(C+log(h))・・・・・(9)
LMP=T(C+log(hf))・・・・・(10)
ここで、LMP:ラーソンミラーパラメータ、T:絶対温度(K=℃+273.15)C:材料定数、h:運転時間(h)、hf:クリープ寿命(h)
伝熱管材料のクリープ寿命LMPは、負荷応力の関数として次式で示され、応力と温度を入力するとクリープ破断寿命hfが算定できる。
LMP=T(C+log(hf))・・・・・(10)
ここで、LMP:ラーソンミラーパラメータ、T:絶対温度(K=℃+273.15)C:材料定数、h:運転時間(h)、hf:クリープ寿命(h)
伝熱管材料のクリープ寿命LMPは、負荷応力の関数として次式で示され、応力と温度を入力するとクリープ破断寿命hfが算定できる。
LMP=A0+A1(logσ)+A2(logσ)2+A3(logσ)3・・・(11)
ここで、A0、A1、A2、A3:材料定数、σ:応力(N/mm2)
内圧応力は、平均径の式を用い、周方向応力を算定する。
ここで、A0、A1、A2、A3:材料定数、σ:応力(N/mm2)
内圧応力は、平均径の式を用い、周方向応力を算定する。
σ=P(D−t)/2t・・・・・(12)
ここで、P:内圧(MPa)、D:外径(mm)、t:管厚(mm)
なお、クリープ損傷率は、ある時間ごとに損傷率を計算し、累積で算出している。
ここで、P:内圧(MPa)、D:外径(mm)、t:管厚(mm)
なお、クリープ損傷率は、ある時間ごとに損傷率を計算し、累積で算出している。
予防保全上、99又は95%下限クリープ損傷率が1.0になる時点を寿命としており、図5の例では12から16万時間が寿命となる。
Claims (3)
- ボイラを含む高温機器の水蒸気酸化スケールおよび高温水酸化スケール厚さの温度、時間依存性または酸化スケール厚さと運転時間から温度を予測する際に使用する酸化反応速度定数算定法において、
酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))に定数を加算して正数化し、該正数化した対数値(log(Kp))と絶対温度(T)の逆数(1/T)の関係をべき乗則で次の回帰式(4)
log(Kp)+c=a×(1/T)^b ・・・・・ (4)
ここで、Kp:酸化速度定数、c:log(Kp)値を正数化するための係数、a:べき乗則回帰係数、b:べき乗則回帰指数
を算定することを特徴とする酸化反応速度定数算定法。 - 酸化速度定数(Kp)は、次式(5)
Kp=d^2/t ・・・・・ (5)
ここで、d:スケール厚さ(μm又はmm)、t:時間(h)
に従って、スケール厚さ(d)の二乗を運転時間(t)で除して求める
ことを特徴とする請求項1記載の酸化反応速度定数算定法。 - ボイラ過熱器管、再熱器管および水壁管を含む加熱伝熱管の内面酸化スケールによる減肉とメタル温度上昇による過熱損傷を診断するスケール過熱損傷診断法において
前記加熱伝熱管の内面の水蒸気酸化スケール厚又は高温水酸化スケール厚(硬質酸化スケール厚)を酸化速度定数(Kp)の対数値(log(Kp))と絶対温度の逆数(1/T)の関係式における、正数化べき乗則回帰式(log(Kp)+c=a×(1/T)^b )を用いて、温度(T)及び酸化速度定数(Kp)からスケール厚さ(d)を次式(6)
d=(Kp×t)0.5 ・・・・・(6)
から算出する
ことを特徴とするスケール過熱損傷診断法。
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