JP2015226922A - 半導体基材における除去加工装置およびその方法 - Google Patents

半導体基材における除去加工装置およびその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レーザー加工により半導体基材に高いアスペクト比の除去加工を行なう。
【解決手段】 本発明のある実施形態では、レーザー光のパルスを放射するための光源100と、変換光学系200と、位置合わせするための位置合わせ装置300とを備える除去加工装置1000が提供される。光源100は半導体基材である加工対象物Wの内部に到達可能な波長のレーザーパルスを放射する。変換光学系200はビーム軸に沿った範囲であるピーク範囲に光強度のピークをもつベッセルビームVBとなるようレーザー光を変換する。これにより、ベッセルビームのパルスであるベッセルビームパルスが形成される。位置合わせ装置300は、ベッセルビームパルスのピーク範囲を、加工対象物の内部に位置づけられる除去ターゲットパスの一部または全部に重なるように位置を調節する。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体基材を加工対象物とする除去加工装置およびその方法に関する。さらに詳細には本発明は、レーザー光を用いる半導体基材における除去加工装置および除去加工の方法に関する。
近時、半導体集積回路の技術分野において高集積化・高密度化のための微細化が進展している。高集積化や高密度化の恩恵により各種の電子部品が高度化しつつあるものの、リソグラフィー上の限界、微細化された回路素子におけるリークの問題、といった技術的課題が存在している。この状況の下、半導体集積回路部品のパッケージにおける専有面積(フットプリント)あたりの回路密度を実質的に高めたり、集積回路間または外部との信号バンド幅を高めたりする手法が模索されている。なかでも有望な技術の一つが、集積回路の形成された複数のチップまたはダイの薄片を互いに重なるように相互接続する技術である。その相互接続は、板状基板を厚み方向に貫通する電気的導通路を形成し実現される。シリコン単結晶基板(以下「シリコン基板」という)に形成される電気的導通路はTSV(Through Silicon Via)とも呼ばれる。
TSVを形成する技術の大略は、まずシリコン基板にその両面をつなぐ貫通孔を形成し、次にその貫通孔内部に導体を埋め込むというものである。その貫通孔を形成する際の技術課題または性能指標が、貫通孔のサイズ、貫通孔の内径に対する貫通孔全長の比(アスペクト比)、貫通孔形状におけるテーパーの有無、および加工処理速度(スループット)である。TSV技術において貫通孔を形成する手法の有力なものの一つがいわゆるBOSCH(登録商標)法である。BOSCH法では、SFガスによるエッチング・モードと、Cガスによるパッシベーション・モードとを交互に繰り返すことにより、エッチングと保護膜形成を繰り返す。貫通孔の配置や形状は、シリコン基板の表面に形成する保護マスクの開口により決定され、当該開口に応じた平面配置および平面形状を持つシリコン基板の厚み方向に延びる貫通孔が形成される。
レーザーを利用して貫通孔を形成する手法がTSV技術の一つとして開示されている(特許文献1)。ガラスを加工対象物として、ベッセルビームのパルスにより微細な除去加工を行なう例が非特許文献1に開示されている。
特開2005−74663号公報
M.K. Bhuyan et. al., "High aspect ratio nanochannel machining using single shot femtosecond Bessel beams", Appl. Phys. Lett. 97, 081102 (2010)
従来のTSV技術とりわけBOSCH法にはいくつかの課題がある。BOSCH法では工程数が多く、マスクを形成するためのフォトリソグラフィー工程が必要となる。集積回路ではシリコン基板の表面に形成される保護膜を最初に除去する必要もある。保護膜除去の処理および貫通孔を形成する処理はガスを利用する化学的処理であるため、真空槽、真空系、ガス供給系、および排気系を要する。これらは大がかりな装置となり、ガス処理は環境負荷が高い。
これらの課題の少なくともいずれかはレーザー加工を採用することにより克服できる。レーザー加工においてマスクは一般に不要であり、雰囲気の減圧を要さず、雰囲気の制御も大抵は不要である。さらに環境負荷が高いガス処理も不要となる。レーザーでは保護膜も同時に除去できる。
ここで、特に半導体集積回路におけるダイ間の相互接続のためには、貫通孔の内径と、貫通孔の全長すなわち除去加工される板状の半導体基材の厚みとの比率(アスペクト比)が高いことが望ましい。厚みに対し相対的に小径の貫通孔を形成してアスペクト比の高い除去加工が実現されれば、半導体基材を大きく変更せず多数の相互接続を高い密度にて作製できる。また、接続の信頼性を高めるためには、内径が一定の貫通孔を形成することが望ましい。十分な信頼性をもつTSVを面積当たり多数形成するためには、テーパーを排除しつつ、アスペクト比を高めることが性能指標となる。半導体集積回路における微細化によるダイサイズの縮小を補完する技術として、これらの性能指標を追求することについての強い要請がある。
ところが、10μm〜100μm程度の内径をもつ微細な穴を形成するべくレーザーを集光光学系により集光させるビームでは、球面波を形成し焦点に集光させる。このため、照射の際に強い光強度が得られるビーム軸方向の限界範囲(被写界深度、depth of field)が小さくなりすぎる。被写界深度を外れた位置では光が広がることから、ビーム軸方向に深さを持つ貫通孔のような除去加工を高精度に行なうことには困難を伴う。また、集光光学系を利用したレーザー加工の場合、穴の壁面は円錐側面になってテーパーが生じるなど、一定の径の側面とはならない。テーパーが生じると、貫通孔を多数並べ電気的接続のために利用するような用途では、電気的接続の信頼性が確保しにくく、また、貫通孔の配列ピッチも狭めにくく、高密度の相互接続は実現しにくい。
本発明は上述した問題のいずれかを解決することを課題とする。本発明は、シリコン基板などの半導体基材の加工対象物に対し環境負荷が低く実用性の高い除去加工手法を提供することにより、精密な除去加工を利用する半導体回路装置の高度化に貢献するものである。これにより本発明は、例えばシリコンチップまたはシリコンダイを積層する場合の電気的接続のためのTSVを利用する任意の電子部品の高性能化を進展させる。
上記課題を解決する具体的手段を探るため、本願の発明者は空間的に整形されたビームの一種であるベッセルビームに着目した。ベッセルビームはレーザーの波面を円錐状にして収束させることにより得られ、その円錐状の軸上の位置にて光強度がとりわけ強いピーク範囲が形成される。例えばアキシコン(AXICON)と呼ばれる光学素子を用いれば、上記円錐状の波面が形成されベッセルビームを得ることができる。ベッセルビームでは、ベッセル関数により表現される光電界により、センターローブのビーム軸上に延びた強い光強度が得られる。このピーク範囲は、ビーム軸に沿って延びた長い範囲に形成され、ピーク範囲自体が太くなることはない。ベッセルビームではシリコン基板の厚みを通過する程度以上にピーク範囲を延ばすことも容易である。
しかし、通常除去加工のために利用されるレーザーでベッセルビームを形成しても半導体基材を加工対象物とすると高いアスペクト比での加工は難しい。テーパーを排除することも困難である。この理由は、ベッセルビームを利用しても、照射側から加工を進行させることとなり、途中まで形成された穴の奥の位置において穴が深くなるほどに奥に十分な光は届かなくなるためである。ベッセルビームのセンターローブの光強度の強い領域は、円錐状の波面のまま斜めからビーム軸に集まる光が強め合うように干渉することによりビーム軸上にて形成される。しかし、穴が深くなると、その位置までの穴の内側壁をなす加工対象物により、ビーム軸に斜めから向かう光が遮蔽され、十分な光が届かない。
なお、通常のレーザー加工において光源となるレーザーは、例えばYAGレーザー(波長1.064μm)や、その二倍高調波(波長532nm)、三倍高調波(波長355nm)が典型である。レーザーによる除去加工は、本質的にはエネルギーの吸収を伴う加工であり、効率良く吸収を生じさせるには、加工対象物に吸収される波長域の光が選択される。加工対象物がシリコン基板の場合、その吸収端(バンド端、1.12eV、1.13μm)よりも短い波長となるこれらのレーザーを採用すれば、高い強度さえ得られれば、レーザー加工の原理であるアブレーション(化学結合のフォトンによる切断あるいはレーザーエネルギー吸収による急加熱と、それによる物質除去)を問題なく起こさせることができる。
そこで本願の発明者は、ベッセルビームの利点を活かすため、媒質外の場合と同様のプロファイルを、加工対象物の内部でも実現することができないか検討した。加工対象物の内部においてもベッセルビームのピークが形成され、そのピークの領域を除去加工に利用できるなら、基板の厚みに比べ小径の穴を形成する際にビームの広がりが問題にはなりにくい。そのためには、加工対象物(例えばシリコン基板)を透過することができる波長のレーザーを採用することが有用と判断した。
ただしその波長は、加工対象物による吸収がほとんどなくアブレーションの効率の点では不利な波長となる。加工対象物を透過する波長の光を使う以上、加工対象物の内部に形成されたベッセルビームのピークにおいても吸収がほとんど生じないからである。このため、加工対象物の内部にベッセルビームを形成することとそれにより加工を行なうことは、両立させがたい。
そこで本願の発明者は空間的のみならず時間的にもエネルギーを集中させることができるパルスに注目した。すなわち、加工対象物の内部にベッセルビームのピーク範囲を設けて空間的に光の強度を集中させることに加え、時間的にも集中させ光強度を瞬間的にでも強大にすれば、ピークの範囲では多光子吸収などによる非線形な吸収が生じ、アブレーションを生じさせることができるのではないかと考えた。そしてそのような除去加工を行ないうることを確認し本発明を創出するに至った。
すなわち本発明のある態様においては、半導体基材である加工対象物の内部に到達可能な波長のレーザー光のパルスを放射するための光源と、ビーム軸に沿った範囲であるピーク範囲に光強度のピークをもつベッセルビームとなるよう前記レーザー光を変換することにより、前記波長の前記ベッセルビームのパルスであるベッセルビームパルスを形成するための光学系と、前記ベッセルビームパルスの前記ピーク範囲を、前記加工対象物の前記内部に位置づけられる除去ターゲットパスの一部または全部に重なるよう位置合わせするための位置合わせ装置とを備える加工対象物への除去加工装置が提供される。
本発明の上記態様において加工対象物は半導体材料の基材である。応用上の加工対象物の典型例はシリコン基板であり、いわゆるシリコンウエハーやSOI(Silicon on Insulator)ウエハーを含む。除去加工の時点で加工対象物には、何らかの回路素子や配線、保護膜といった必要な他の材質や構造が作製されている場合がある。
レーザー加工として通常利用されるレーザーは半導体基材内部には到達できない。これに対し、本発明では、レーザーの波長を、半導体基材である加工対象物の内部に到達可能な波長を持つように設定する。そのような波長は一般的には、加工対象物に対し十分に高い透過率を示す波長となる。例えば、加工対象物となる半導体基材がシリコン基板であれば、シリコン単結晶の吸収端(バンド端1.13μm)よりも長波長の波長のレーザーを採用することが好ましい。レーザーは単一パルス(シングルショット)または繰り返しのパルス(マルチショット)で照射される。本出願の文脈における光源はレーザー光を直接放射する光源と、当該光源および必要に応じた何からの処理を光源からの光を対象に行なう要素の組合せと、の双方を含む。この要素の典型は、ビームの時間プロファイルを圧縮するパルス幅整形をおこなうものである。加えて本出願全般において、たとえば赤外域といった可視光ではない電磁波放射に対しても、慣例に従い「光」、「光源」、「発光」、「レーザー」等と光学分野の表現を用いる。
上記態様においては、ビーム軸に沿った範囲にて光強度がピークとなるベッセルビームが形成される。本出願ではこのピークの範囲を単にピーク範囲と呼ぶ。ベッセルビームのセンターローブにおいては、ビーム軸の周りのごく狭い範囲のみにて光強度がピークとなる。この範囲は、ビーム軸方向にも有限の範囲となる。適切な変換光学系を採用することにより、光源からのレーザーは所望の範囲にピークをもつベッセルビームに整形することができる。例えば、アキシコンとよばれる円錐面プリズムはそのような変換光学系の典型である。またここでのピークは、典型的には、ビーム軸に垂直な面内にて光強度が強いことを意味する。ただし、ピークとの用語は、最大であることや極大であることを意味するために必ずしも使用されていない。ベッセルビームパルスは、空間的にはベッセルビーム、時間的にはパルスとなったレーザーの1以上のパルスを示す。
このような構成の除去加工装置により半導体基材の材質が除去される理由について、本願の発明者は、個別の光子ではなく複数の光子が吸収に関与する多光子吸収が生じるためと推測している。この点については詳細な説明の欄にて後述する。
除去ターゲットパスとは、加工対象物となる物体の少なくとも一部を除去する位置を代表的して特定するための、加工対象物の内部に位置づけられる経路の範囲である。除去ターゲットパスの典型例は、板状の加工対象物に対しその両面を繋ぐ貫通孔を形成する場合、貫通孔が形成されるべき位置に想定される厚み方向に延び両面を繋ぐ線分である。また、深さ方向に厚みの途中の位置まで開けられた非貫通の穴を形成する場合は、厚み方向の線分である除去ターゲットパスもその途中の位置またはその近傍で終端する。
位置合わせ装置では、ベッセルビームパルスのピーク範囲がその除去ターゲットパスの一部または全部に重なるよう位置合わせする。位置合わせ装置は、光源と光学系とにより定まるベッセルビームのピーク範囲に対し加工対象物の相対位置を位置合わせするための任意の手段である。典型的な位置合わせ装置は機械装置により実現され、加工対象物を例えばコンピューター制御された可動ステージに載置して移動および停止させたり、光学系を移動および停止させたりするものである。それ以外にも、光学的手段により位置合せを行なうこともできる。なお、ベッセルビームを利用する加工は、加工対象物の位置合わせの自由度が高い。ガウシアンビームを集光して加工を行う通常のレーザー加工では、ピーク範囲が集光径の高々数倍ときわめて短いため、常に集光点に加工箇所を位置合わせしつつ加工を行う必要がある。これに対し、ベッセルビームのピーク範囲は加工対象物の厚さより十分長いため、ベッセルビーム加工においては、加工対象物をピーク範囲内のいずれかの位置に位置合わせすればよく、また、加工中に再度の位置合わせを行う必要もない場合が多い。
本発明は方法としても実施することができる。すなわち、本発明において、ビーム軸に沿って光強度のピークが得られるピーク範囲を、半導体基材の加工対象物の内部に位置づけられる除去ターゲットパスの一部または全部に重なるよう位置合わせする位置合せステップと、前記加工対象物の前記内部に到達可能な波長のレーザー光のパルスを光源から放射させるステップと、該レーザー光をベッセルビームとなるよう変換することにより、前記波長のベッセルビームのパルスであるベッセルビームパルスを形成し、該ベッセルビームパルスを、前記除去ターゲットパスのうち前記ピーク範囲に含まれる前記一部または全部に照射する照射ステップとを含む加工対象物への除去加工方法が提供される。
また、本発明においては、補助液を利用する態様での除去加工装置または除去加工方法も提供される。
本発明のいずれかの態様においては、レーザー加工の利点を活かしつつ、例えば高いアスペクト比の貫通孔や小径の貫通孔、さらにはテーパーレスの貫通孔など、従来困難であった形状の除去加工を実施することが可能となる。
ベッセルビームを示す説明図である。 本発明の実施形態の除去加工装置の構造を示す構成図である 本発明の実施形態の除去加工装置における位置合わせの様子を示す説明図である。 本発明の実施形態の除去加工方法の処理を示すフローチャートである。 本発明の補助液を利用する実施形態における除去加工装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施形態においてマルチショットの加工を通じて得られた貫通孔の直径(内径)を条件別に示すグラフである。 本発明の実施例における50μm厚シリコン基板に各条件により形成した貫通孔を撮影した光学顕微鏡写真である。 本発明の実施例の予備実験として波長1.5μmのフェムト秒パルスのベッセルビームパルスを利用した場合の入射パワーと透過率の関係を実測したグラフである。 本発明の実施例において形成された貫通孔の周囲の基板表面の様子を示す光学顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る除去加工装置および除去加工方法の実施形態(実施形態1および実施形態2)を説明する。当該説明に際し特に言及がない限り共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。
1.ベッセルビームパルスを利用した実施形態(実施形態1)
1−1.ベッセルビーム
本実施形態ではベッセルビームが利用される。図1はベッセルビームを示す説明図であり、図1(a)は紙面上の下方から上方に向かって紙面に平行に進行する平面波のビームBからベッセルビームVBを得る様子を示し、図1(b)はビーム軸と直交する平面におけるビームプロファイルを示す模式図である。ベッセルビームVBは軸対称のビームである。そのビーム軸にz軸が一致するxyz直交座標系(図1(a))を参照し説明すれば、ベッセルビームVBはxy面に平行な面、すなわちz軸を法線として持つ平面においてz軸の近傍に強い光強度を持つ。三次元的にはこのピークはz軸に沿うように延びたピーク範囲をなす。ピーク範囲は例えば図1(a)に示したz=0〜Lの全部またはそのうちの一部となり、具体的なピーク範囲はレーザー光のビームBの範囲やベッセルビームVBを形成する光学系である変換光学系200により決定される。ピーク範囲は円筒形状となっており、図1(a)では、ピーク範囲PKの円筒の軸上切断面を点線で示している。xy面に平行な面でみるとビームプロファイルは図1(b)に示すとおりとなる。このプロファイルはピーク範囲の異なるz軸上の位置では大きくは変化しない。そのため、ベッセルビームはピーク範囲においてz軸上の至る所で強い光強度をもち、z軸から外れると急速に弱くなる。
より具体的には、本出願におけるベッセルビームは、例えばガウシアンビームから生成されるガウシアン−ベッセルビームを含む。本出願におけるベッセルビームの範囲には、ベッセル関数を利用し表現される完全なベッセルビーム以外にも、実質的にベッセルビームと言いうるものも含む。本出願におけるベッセルビームではピーク範囲における光強度はビーム軸上でも必ずしも一定とはならない。これらは光学分野においてベッセルビームと通常呼ばれるものと同様である。
1−2.装置の構成
次に図面を参照し本実施形態の構成を説明する。図2は本実施形態の除去加工装置の構造を示す構成図である。以下、シリコン基板を加工対象物の半導体基材とする場合を説明する。光源100からはパルス状にされたシリコン基板の内部に到達可能な波長(例えば波長1.5μm)のレーザーが照射される。光源100は、例えばチタンサファイアレーザーのようなパルスレーザーから、光増幅され、さらに光パラメトリック増幅器(OPA)120により長波長化されて増幅されるものとしてもよい。その後、レーザーは、適宜調整のための光学系(例えばビームエキスパンダー150)を経由して、ベッセルビームを生成する変換光学系200に入射する。変換光学系200の典型例はアキシコンであり、当該円錐の軸がビームBのビーム軸の延長に位置するように配置される。アキシコンは、使用波長に対し透過性をもつ等方的屈折率媒体から構成され、円錐の底面(平面表面)と側面(円錐表面)とを有する素子である。アキシコンは、当該円錐の軸をビーム軸に合せて平面表面から光を入射させ、円錐表面から出射するように使用される。出射した光は屈折によりアキシコンの円錐面とは逆向きに頂点を持つ円錐面の波面となって進行する。この光はビーム軸に向かって傾斜して収束しながら進むため、ビーム軸上の有限の範囲にて強い強度が得られる。ピーク範囲はアキシコンの出射側円錐の頂点(図1(a)、z=0)から、アキシコンの頂角および屈折率によって定まる波面の円錐頂角と、アキシコンの直径またはアキシコンへの入射光の外径によって定まるビーム外延とにより決定される位置(図1(a)、z=L)の範囲に含まれる。ビームエキスパンダー150はこの遠端位置を調整する役割を持つ。必要に応じビームエキスパンダー150により遠端位置が調整される。詳しい解析によればベッセルビームは第1種ベッセル関数Jを含む数式を通じ電界および強度が記述される。実施の際には必要に応じ他の光学素子160も配置される。この光学素子160の例は、光の強度や照射またはその停止を制御するための可変NDフィルター162、シャッター164、ミラー166である。
半導体基材の加工対象物Wは、必要に応じ位置合わせ装置300となるステージに少なくとも一時的に固定される。位置合わせ装置300はベッセルビームVBが加工対象物Wに入射することを妨げない。除去加工の様子は必要に応じ観察光学系400を通じ画像化される。観察光学系400は、通常の光学顕微鏡の光学系と同様であり、対物レンズ420を通じ加工対象物Wの紙面上の上方の面の画像をカメラ430によって取得する。貫通孔が形成された場合に観察光学系400に除去加工のための波長の光がカメラ430に到達することを防ぐフィルター410も適宜配置される。カメラ430からの画像または映像は、必要に応じ処理、保存、または表示される。
ベッセルビームは加工対象物W内部においても依然ベッセルビームでありつづける。加工対象物に外部から入射する際に屈折しても、波面は、頂角が変化するものの円錐面でもあり、依然としてビーム軸に収束して進むからである。このため、図1に関連して上述したベッセルビームの性質は加工対象物の内部においても維持される。屈折の影響により、ピーク範囲の遠端位置が加工対象物の有無や加工対象物の厚みの影響をうける。この影響は屈折による波面の方向変化により説明され、波面の幾何学的な変化に伴う位置の変化にすぎない。本出願全般におけるピーク範囲との表現は、図1に示したようなベッセルビームによるピークが空間(真空または空気)において形成される場合のみならず、その一部または全部が屈折率媒体中に位置する場合まで含め、実際にピークが得られる範囲を示すこととする。例えば位置合わせなどにより光と屈折率媒体の位置関係が変化した場合、発生させたベッセルビームのピーク範囲が当該位置関係の変化に応じ変化する場合がある。
1−3.レーザー
本実施形態におけるレーザーの選択は除去加工の原理と密接に関連する。波長については上述したとおり加工対象物の吸収端の波長よりも長く設定される。これを満たさず吸収が強いと、加工対象物の内部に光が到達せず、加工対象物の内部にてベッセルビームは形成されない。加工対象物Wがシリコン基板である場合に好適なレーザーは、シリコン単結晶のバンドギャップ(1.12eV)に対応する1.13μmより長い波長を持つものであり、例えば1.5μmとされる。他の種類の半導体基材が加工対象物となる場合であっても、その加工対象物の吸収波長帯域を外れる長波長側にレーザーの波長が選ばれる。
除去加工の実施可能性を高める目的では、ベッセルビームによって強い光の範囲を位置的に制限することを含め、強い光強度を得ることが有用である。除去ターゲットパスのピークの範囲にある加工対象物の内部の材質により多光子吸収を生じさせるため、光電界を強めることが効果的となる。このため、レーザーパルスのパルス幅(パルス期間)を短くして光電界を強めることが好ましい。利用される光源のパルスレーザーは、パルス発振可能なレーザーやパルス励起されるレーザーを利用することができ、さらに必要に応じてビーム圧縮など任意の手法によって時間軸上でのパルスの圧縮も利用することができる。
光源がパルスレーザーであれば、上述した波長を適切に設定するためにも、光学結晶を利用することができる。上述した光パラメトリック増幅器(OPA)120は、波長の調整が容易とパルス発振の要件とを両立させることに役立つ。
1−4.ベッセルビームパルス
本実施形態におけるベッセルビームパルスは、レーザーの光からベッセルビームを生成することができる光学系に対し、パルス光を入力すれば得られる。ベッセルビームパルスの場合、空間的・時間的に限定された範囲に光が集中し、その際に光電界がレーザーによる高いコヒーレンスを維持している。ベッセルビームを利用する本実施形態においてはその領域がベッセルビームのピーク位置となるため、長く延びた領域に渡る除去加工が可能となる。
1−5.加工原理
上述したように本願発明者は、加工対象物に対し透過性をもつレーザーを利用しても、光電界が強大となることに応じた吸収が発現するなら、アブレーションが可能となると予測した。その原理となりうるものの典型が非線形吸収、特に多光子吸収である。光電界が位置的・時間的に圧縮された強大なものとなっていれば、コヒーレントに重ね合わされて強大化した電界の作用により仮想準位を媒介した複数の遷移を同時に起こすことができる。このような仮想準位を媒介した遷移の確率は、レーザーのパルス幅が短くなればなるほど高くなるが、励起された電子が緩和して熱となって散逸する時間内程度であれば十分な遷移確率が得られるとともに、非熱的な良好なアブレーション加工を実行することができる。なお、上述したように、加工対象物の内部へ到達可能な波長の光とすることは通常の意味での吸収を抑制することである。そのような条件とは、波長が加工対象物のバンド端(吸収端)の波長よりも長いことを意味しており、単一の光子のエネルギーのみのバンド間遷移が難しいことと同値である。そのような光を採用しつつも、2以上の光子が実質的に同時に作用することができるような領域を加工対象物の内部に意図的に作り出せるなら、加工対象物の当該領域におけるレーザーによる除去加工が可能となる。ベッセルビームのピークの位置において瞬間的に強大な光電界が形成されれば、ピークの範囲となる細長い範囲に渡り多光子吸収を生じさせることができる。その結果、加工対象物に十分なエネルギーが伝わり、アブレーションを起こさせることができる。多光子吸収のうち特に2光子吸収が作用することを期待する場合、バンドギャップが1光子分のエネルギーより大きく2光子分のエネルギーより小さくなるように、波長が選択される。
また、多光子吸収は、電界が強大になることにより確率が増すため、光がピーク位置(図1、z軸)に到達するまでは多光子吸収の確率は小さい。つまり、多光子吸収が生じることは、ピーク位置までに通常の意味における吸収が生じることを意味してはいない。ベッセルビームを詳しくみると、ビーム軸におけるものより小さな強度のサイドローブがビーム軸に同軸な円筒面の位置に極大値を持つように多数生成される。光電界が強大な場合には、サイドローブにおいても確率的に吸収が生じうるものの、この確率は指数関数的に光電界の強度に応じ増大するため、ビーム軸のピーク範囲での吸収ははるかに強い。
ただし、加工対象物内部に到達可能な波長の光を使い、ベッセルビームを利用して目的の位置に光強度を集中させて加工をする場合に、加工が実際に生じているメカニズムが本出願で限定されてはいないことに留意すべきである。
1−6.ベッセルビームのピークの範囲と除去装置の構成
図2に示すように加工対象物Wは位置合わせ装置300に対し少なくとも一時的に固定されている。位置合わせ装置300はピーク範囲に対し加工対象物Wの相対位置を調整するよう動作する。
ここでは、板状体の加工対象物Wを対象に、その厚み方向(板状体の法線方向)に貫通する貫通孔を一度の位置合せあたり1つ形成し、その位置合わせを繰り返すことにより、y方向に並多数並ぶ貫通孔を形成する場合を例に説明する。図3は本実施形態の除去加工装置1000における位置合わせの様子を示す説明図である。z軸に沿って延びる光強度のピークにより板状体の法線方向の貫通孔を形成するため、加工対象物Wの向きは板状体の広がりがxy面に平行になるよう向いている。加工対象物Wの位置は、ピーク範囲PKが除去ターゲットパスTPの一つに合うように調整される。除去ターゲットパスTPは貫通孔が形成されるべき位置を代表しており仮想線により示している。
典型的には、ベッセルビームのピーク範囲が個別の除去ターゲットパスTPの範囲のすべてを含むように、上記位置合わせが行なわれる。貫通孔を形成する場合には、各除去ターゲットパスTPは、第1面(一の面)SFと第2面(他の面)SRとの間をつなぐ。個別の除去ターゲットパスTPは加工対象物Wに対し固定される3次元の線分である。図3に示す構成では、多数形成される貫通孔のうちの3つを、除去ターゲットパスTP1、TP2、TP3として示している。除去ターゲットパスTP1は貫通孔VH1が形成済みである。
ベッセルビームが得られるピーク範囲PKは長方形の点線の範囲により示している。ピーク範囲PKは、三次元的にはベッセルビームのピーク範囲を示すようにまっすぐに延びる円筒状の空間領域である。ピーク範囲PKは加工対象物Wによる屈折の影響を受ける。しかし、一つの貫通孔を一度の位置合わせのみにて形成する場合のピーク範囲PKは、加工対象物Wの第1面SFと第2面SRとをつなぐ除去ターゲットパスTPのいずれかの全体を含んでいる。
本実施形態の除去加工装置1000では、加工対象物Wと変換光学系200との間において、各回の位置合わせごとに相対位置が調整され、各回の調整後は少なくとも一時的に互いに固定される。上述の貫通孔を形成する除去加工に限定すると、この相対位置の調整は、各時点において未加工の除去ターゲットパスTPのうちのいずれかの全体がピーク範囲PKに含まれるようにされる。図3は除去ターゲットパスTP2に対応する貫通孔をまさに形成しようとしている状況を示している。その後対象の除去ターゲットパスTP2に対しベッセルビームパルスが照射される。本実施形態では、一度の位置合わせに対するパルスの照射は、単一パルス(シングルショット)またはそれ以上の多パルス(マルチショット)が照射される場合を含む。つまり一度の位置合わせにより貫通孔を1つ形成する場合にも、1パルスまたは多パルスが照射される。その場合の各パルスの照射エネルギーや、多パルスが照射される場合のショット数は、安定した除去加工が実現するように事前に条件を決定しておく。なお、典型的な動作条件の場合、加工対象物W(例えばシリコン基板)は光軸方向にほぼ垂直に保持されており、またベッセルビームのピーク範囲PKは、加工対象物Wの厚さに比べて十分長い。このため、除去ターゲットパスTP1、TP2、TP3のような異なる位置に対する除去加工を行なう場合でも、z軸方向の位置合わせは一度行なえば再度の位置合わせが不要となり、加工対象物Wとピーク範囲PKとの相対位置の位置合せがx−y平面内での移動のみで十分な場合もある。
ピーク範囲PKの位置において、ベッセルビームパルスに含まれる光子が加工対象物Wの半導体基材の材質に複数作用して化学結合を切断するアブレーションを生じさせ、その位置の材質が除去される。ピーク範囲PKを示す長方形はその円筒状の範囲の基準として描いている。この長方形はベッセルビームのセンターローブのうちのさらに強度が強い範囲のみを示す目安である。図3の貫通孔VH1は除去ターゲットパスTP1に対して照射されたベッセルビームパルスにより形成された貫通孔を示している。図3に示した除去ターゲットパスTP2に対してピーク範囲PKの位置にベッセルビームパルスが照射されれば、貫通孔VH1と同様の貫通孔が除去ターゲットパスTP2に対応し形成される。なお、貫通孔VH1は図ではピーク範囲PKよりも大径に描いているが両者のサイズは特段限定されない。
本実施形態で例えば貫通孔を形成するとした場合、貫通孔の向きに向かっても内径はほぼ一定であり、一方向に内径が小さくなってゆくようなテーパーはほとんど生じない。加工対象物の内部に到達する波長を利用するため、加工対象物内部でもベッセルビームとなり、ピーク範囲の太さはビーム軸上において変化しない事情は同様だからである。このため、貫通孔を形成する場合のアスペクト比は、貫通孔の全長対内径の比として10:1〜100:1程度を得ることができる。貫通孔の内径は、約5μm程度にまで縮小することができる。
図4は、本実施形態の除去加工方法の処理を示すフローチャートである。位置合せステップS102においては、上述した位置合わせを必要に応じ処理を示している。その後、レーザーパルスが放射される(S104)。そのレーザーパルスは、ベッセルビームの変換光学系200によりベッセルビームパルスに変換され、加工対象物Wに照射される(S106)。このベッセルビームパルスの照射のために、1パルスまたは多パルスでの照射が実行される。図3に示したように、貫通孔を一度の位置合せあたり1つ形成する場合、ベッセルビームパルスの照射S106にて貫通孔が一つ形成される。除去加工を行なうべき除去ターゲットパスTPが残されている場合(S108、Yの分岐)再び位置合せステップS102に戻り、残されていない場合(S108、Nの分岐)には終了する。
2.ベッセルビームパルスに補助液を併用する実施形態(実施形態2)
次に、補助液を利用する実施形態について説明する。実施形態1のための説明はそのすべてを引用することにより本実施形態の一部をなすものとする。
2−1.着想
後述する実施例にて示すように、シリコン基板を加工対象物Wとして実際に実験をしたところ、パルスエネルギーをいくら大きくしてもシリコン基板が厚くなると貫通穴を形成するのが難しい場合があった。他方、除去加工が可能なエネルギーの場合はサイドローブによるダメージが残る。サイドローブによるダメージを防止できるような小さいエネルギーのパルスを利用した除去加工は補助液を利用することにより可能となる。
2−2. 装置の構成
本実施形態においてはベッセルビームパルスに加え補助液を利用することにより、より厚いシリコン基板に高いアスペクト比を目指して除去加工を行なう。図5は本発明の補助液を利用する実施形態における除去加工装置1000Aの概略構成を示す説明図である。補助液容器500には補助液ALが収容されている。補助液ALは、加工対象物Wの第2面SRに接している。加工対象物Wに例えば図3のように設定される除去ターゲットパスTPは、第2面SRに届きそこで終端している。位置合わせ装置300は、変換光学系200からのベッセルビームパルスが加工対象物Wの内部を通りピーク範囲(図5には図示しない)が第1面SFに補助液に到達するように、位置合わせする。
2−3.補助液
補助液は、加工対象物Wを通り第2面SRを出射したレーザー光を受けると、加工対象物Wの第2面SR側からのエッチングを助ける作用をもつ。このような作用を持つ任意の液体が本実施形態の補助液となり得る。その一例は硝酸銀(AgNO)水溶液である。
補助液を利用すれば、アブレーションを生じさせるほどに強いピークが得られない場合にも、ピーク範囲に限定した除去加工が可能となる。例えば、加工対象物Wが厚い場合、加工対象物Wの内部に到達可能なレーザーの波長を適切に選択しても、低い確率にて生じる多光子吸収等のために特に出射側表面近くにおいて十分な強度のピークが得られないことがある。そのような場合も補助液により第2面SR側からエッチングが促進されれば加工が容易となる。
3.実施例
次に本発明の実施例を説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。以下の説明においては、これまでに説明した図面も引き続き参照し、説明済みの要素の符号はそのまま用いる。
3−1.実施例1
本願の発明者らは、図2に示す実施形態1の除去加工装置1000を利用して実際に貫通孔を形成した。加工対象物Wは50μm厚のシリコン単結晶基板とした。図4に示す工程にレーザー光源100はチタンサファイアレーザー(Libra−HE, Coherent Inc.)とした。OPA120(TOPAS, Coherent Inc.)を通じて1.5μmの波長のガウシアンビームを得た。OPA120からの出射パルスは、50fs、0.55mJ(最大)、p偏光であり、繰り返し周期は1kHzであった。その位置において約2mm径のガウシアンビームであったものの、ビームエキスパンダー150により5mm径にビーム径を拡大した。なお、ビームエキスパンダー150はf1=120mmの凹レンズとf2=300mmの凸レンズにより構成した。可変NDフィルター162によりエネルギーを調整可能にし、シャッター164(SH1/M−SC10、Thorlabs Inc.)により1ms分解能のパルス数(ショット数)の制御を行なった。加工対象物Wは第1面SFがアキシコン(変換光学系200)の頂部の上方約7.5mm離れた位置になるよう配置した。
光学的な条件、特に光源100、変換光学系200の設定と加工対象物Wの配置の関係は次の通りである。変換光学系200のために、アキシコン角20度をもつアキシコン(AX2520−C、Thorlabs Inc.)を採用した。アキシコンの媒質の屈折率は波長1.5μmの際に1.445であった。これによる偏角β(deviation angle、図3)は、9.61°である。ここで、第1種ベッセル関数J(x)=0の根xの最小値x=2.4048に相当する真空または空気中における半径の値は上記条件の場合3.4μmである。このことは、真空または空気中において、当該ベッセルビームのピーク軸(図2のz軸)と一致した軸をもつ直径6.8μmの円筒面の位置において、弱め合う干渉のため光の強度が0となることを意味している。この範囲をセンターローブと呼ぶ。上述したベッセルビームは、図2のz軸上においても強度分布を有しており、強度の最大値を与えるz軸上の位置zmaxは7.5mm、強度の最大値の80%を与え被写界深度の目安となる距離zDOFは11.9mmと計算される。アキシコンの頂部からzmax程度離れた位置に第1面SFがあり、空気中における距離zDOF(11.9mm)も考慮すれば、加工対象物Wの厚みは50μm厚の第2面SRもピーク範囲内になる。
3−1−1.実験1−1
最初に単一パルスでパルスエネルギーを50μJ、100μJ、200μJ、300μJと変化させ、フェムト秒パルスのベッセルビームパルスによるアブレーションを調査した。このような実験はOPAのシングルトリガーモードで実行可能である。入射側(第1面SF側)におけるアブレーションは、100μJ以上のパルスエネルギーで観察された(図示しない)。このアブレーション領域は、センターローブのうちの光が強いピーク範囲に限定され、数ミクロンの内径となった。ただし、出射側(表面SR側)におけるアブレーションはいずれのエネルギーでも観察されなかった。ただしこのことはシングルパルスでの加工が不可能なことを意味していない。特定の条件での実験例に過ぎないためである。
3−1−2.実験1−2
次に、ショット数を増加させ多パルスでの加工を試行したところ、観察光学系400により貫通孔が観察された。系統的に条件を変更して加工処理を繰り返し、測定を実施した。図6は本実施形態において多パルスの加工を通じて得られた貫通孔の直径(内径)を条件別に示すグラフである。パルスのエネルギーは360μJ(図6(a))、250μJ(図6(b))、187μJ(図6(c))とした。内径は、多数の同様の条件で加工サンプルを作製し、第1面SF(FRONT)、第2面SR(REAR)の付近において観察された値それぞれの平均値を求めた。加工に使用したショット数は、360μJについて300〜700ショット、250μJについて500〜1500ショット、および187μJについて620〜1500ショットの範囲とした。各エネルギーにおけるショット数の下限は安定して貫通孔が得られた最小のショット数である。
360μJ(図6(a))では、約300ショットに達して初めて貫通孔が観察された。しかし、このショット数付近では第2面SR側の内径の偏差が大きかった。500〜600ショット付近では、第1面SFと第2面SRの内径がほとんど一致しており一定の内径すなわちテーパーレスの貫通孔が形成された可能性が高い。ショット数をさらに増やしたところ、再び第2面SR側の偏差が増加した。同様の状況は250μJ(図6(b))でもみられ、この場合には約800ショット数において一定の内径の貫通孔が形成された。187μJ(図6(c))でも貫通孔は形成され、例えば1000ショット程度で第1面SFと第2面SRでの内径がほぼ一致した。なお187μJよりも小さなエネルギーでは、ショット数を増大させても、貫通孔の兆候は第2面SR側ではみられなかった。本実施例では1kHzの繰り返し周波数であるため、数百m秒〜1秒程度で内径が揃った1つの貫通孔が形成された。
図7は、本実施例における50μm厚シリコン基板に各条件により形成した貫通孔を撮影した光学顕微鏡写真であり、360μJ×500ショット(図7(a)、(b))、250μJ×800ショット(図7(c)、(d))、187μJ×1000ショット(図7(e)、(f))である。貫通孔の内径は約3μm〜約8μmであり、貫通孔の内径に対する貫通孔の全長(50μm)の比率であるアスペクト比は約6(内径約8μm)〜約17(内径約3μm)であった。これらのような、小径の貫通孔や高いアスペクト比の貫通孔は、他の手法により形成されたとの報告はない。形成された貫通孔は、TSVへの適用が可能である。
なお、第1面SFの貫通孔周囲には、サイドローブによるリング状のダメージが残り、エネルギーが小さい条件(187μJ×1000ショット)の場合もそのダメージは完全には排除しえなかった。シリコン基板を例えば100μm厚などと厚くした場合には、より大きなエネルギーのパルスとより多数のショット数が必要となるため、第1面SFの貫通孔周囲のリング状ダメージは、それが問題となる場合には対処するのが望ましい。
さらに、試行した範囲では550μJ/ショットのエネルギーが最大の出力であった。しかしその場合には100μm厚のシリコン基板に一度の位置合わせにより貫通孔を形成することはできなかった。
3−2.実施例2
本願の発明者らは、図4に示す補助液を利用する除去加工装置1000Aの構成により一層厚いシリコン基板(500μm厚)に貫通孔を形成する実験を試みた。
3−2−1.実験2−1
まず予備実験のための実験2−1において、500μm厚のシリコン基板に対しパルス当たりのエネルギーを変更し透過率を測定した。図8は本実施例の予備実験として波長1.5μmのフェムト秒パルスのベッセルビームパルスを利用した場合の入射パワーと透過率の関係を実測したグラフである。図8の横軸の入射パワーはパルス当たりのエネルギーを変更した場合の違いを示し、1kHzの繰り返し周波数にて照射した際のパワーである。つまり10mWの位置は10μJのパルスエネルギーとした場合に相当する。図8に示すように、パルスエネルギーを強めることにより透過率が単調に低下した。このことは非線形の吸収が生じることを意味している。
3−2−2.実験2−2
次に、上記実験2−1の結果を踏まえ、実験2−2として、50μJのパルスエネルギーを採用し補助液ALを利用して貫通孔が形成されるか実験した。50μJのパルスエネルギーを採用した理由は、次の通りである。まず、補助液ALは化学反応により除去加工を補助する作用をもつものの、あまりに小さいエネルギーの場合、その効果が期待しがたい。他方、187μJでは実験2−2より50μm厚のシリコン基板でもサイドローブによる第1面SFでのダメージが生じたことから、それよりも小さいエネルギーを選択するべきである。これらを勘案して50μJのパルスエネルギーを採用した。なお、50μJのパルスエネルギーは除去加工装置1000(図2)により50μm厚のシリコン基板の場合にも貫通孔を形成できない弱いエネルギーである。
補助液ALは0.5M/Lの硝酸銀AgNO水溶液とし、図4に示したとおりに第2面SRのみ補助液ALに接触させ、第1面SFは大気に接していた。この条件で、一度の位置合わせに対し50μJのパルスエネルギーのベッセルビームパルスを1kHzの繰り返し周波数で10分間照射し続けた。硝酸銀AgNO水溶液の光による分解を防止するため照射は暗室にて実施した。その結果、500μm厚のシリコン基板に対しても、光学顕微鏡の観察で透過光が透過することにより貫通孔が形成されたことを確認した。貫通孔の内径は約5μmと測定された。これはアスペクト比で100程度に相当する高いアスペクト比の貫通孔である。
貫通孔の周囲への影響は、補助液ALに接していた第2面SR側が第1面SF側に比べ影響が大きかった。第1面SF側ではリング状のダメージが完全には除去されなかった。図9は、本実施例において形成された貫通孔の周囲の基板表面の様子を示す光学顕微鏡写真であり、第1面SF側(図9(a))および第2面SR側(図9(b))である。
本実施例の結果から、補助液を利用する場合の除去加工メカニズムは、硝酸銀AgNOがフェムト秒パルスに曝されたことによる光化学分解を起こし銀微粒子が生じたためと考えている。銀微粒子は波長1.5μmのフェムト秒パルスに対して線形吸収(1光子吸収)を示すことから、フェムト秒パルスがシリコン裏面近傍の銀微粒子により効率よく吸収され、そのエネルギーがシリコンに移譲することによりエッチングが生じると考えている。
4.変形例
本発明は上述した各実施形態を変形した種々の実施形態により実施することができる。これを変形例として説明する。
4−1.変形例1:非貫通の孔
上述した説明は主に貫通孔を形成する場合を中心に説明した。本発明では非貫通の孔(メクラ孔)を形成するために利用することもできる。非貫通の孔を形成するにはピーク範囲の両端の少なくとも一方が加工対象物内部に位置するように配置する。この場合、ピーク範囲の両端のうちの他方は、加工対象物のいずれかの表面にて終端する。なお、除去加工の時点で非貫通の穴であっても、事後的に加工対象物が研磨等により薄板化されれば、非貫通の穴を実質的に貫通孔と同様の相互接続のための通路として利用することも可能である。
4−2.変形例2:複数回の位置合わせを利用する除去加工
上述した説明の特に貫通孔に関する説明では、一度の位置合わせで貫通孔の全長に渡り除去加工を行なう例を説明した。本発明を実施する際には複数の位置合わせを利用して一つの貫通孔、より一般には、複数の位置合わせを利用して一つの除去ターゲットパスに対応する除去加工形状を形成する場合もある。例えば、図3に示したピーク範囲PKをZ軸向きに短くなるように設定する。第1面SF側にそのピーク範囲PKを位置合わせして貫通孔の第1面SF側を部分的に形成し、その後に第2面SR側にピーク範囲PKをずらして位置合わせし直し、貫通孔の第2面SR側を形成して貫通孔を貫通させることが有用である。2段階のみならずより多段階としてもよいし、光の入射側を基準にした順序を逆にすることも可能である。これらの場合一つの除去ターゲットパスTPに渡る加工を実現するために、ピーク範囲PKはその一部のみを含む位置合わせを複数回繰り返すこととなる。
4−3.変形例3:複数の除去ターゲットパスTPを組み合わせる除去加工
さらに本発明は複数の除去ターゲットパスを組み合わせる除去加工を行うことによって実施することもできる。最終的には単一となる除去加工形状を、複数の除去ターゲットパスを組み合わせて得ることにより、目的通りの形状の除去加工を行なうことができる。典型的には、複数の除去ターゲットパスを組み合わせて、内径の広い貫通孔を作製したり、矩形断面の貫通孔を形成したり、また、線型の除去加工を行なって半導体基材の切断加工を行なうことも可能である。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は除去加工を施した半導体基材を利用する任意の装置に使用可能である。
1000、1000A 除去加工装置
100 光源
120 光パラメトリック増幅器
150 ビームエキスパンダー
160 光学素子
162 フィルター
164 シャッター
166 ミラー
200 変換光学系
300 位置合わせ装置
400 観察光学系
410 フィルター
420 対物レンズ
430 カメラ
500 補助液容器
VH1 貫通孔
SF 第1面
SR 第2面
TP、TP1、TP2、TP3 除去ターゲットパス
AL 補助液

Claims (10)

  1. 半導体基材である加工対象物の内部に到達可能な波長のレーザー光のパルスを放射するための光源と、
    ビーム軸に沿った範囲であるピーク範囲に光強度のピークをもつベッセルビームとなるよう前記レーザー光を変換することにより、前記波長の前記ベッセルビームのパルスであるベッセルビームパルスを形成するための光学系と、
    前記ベッセルビームパルスの前記ピーク範囲を、前記加工対象物の前記内部に位置づけられる除去ターゲットパスの一部または全部に重なるよう位置合わせするための位置合わせ装置と
    を備える加工対象物への除去加工装置。
  2. 前記除去ターゲットパスが前記加工対象物の一の表面から他の表面まで前記加工対象物を横切っており、
    前記ピーク範囲が前記除去ターゲットパスの全部を含んでおり、
    これにより、前記一の表面と前記他の表面との間をつなぐ貫通孔が前記加工対象物に形成される、請求項1に記載の除去加工装置。
  3. 前記光源は、前記加工対象物をなす材質により多光子吸収が生じうる短い時間幅に前記パルスのパルス幅を設定可能なものである、請求項1に記載の除去加工装置。
  4. 前記除去ターゲットパスが前記加工対象物のいずれかの表面で終端しており、
    前記波長の光を受けると前記加工対象物のエッチングを助ける作用をもつ補助液が前記表面にて前記加工対象物に接触しており、
    前記位置合わせ装置は、前記ベッセルビームパルスが前記加工対象物の内部を通り、前記ピーク範囲が前記表面にて前記補助液に到達するように位置合わせするものであり、
    これにより、前記補助液が前記ベッセルビームパルスを受けて前記加工対象物のエッチングを助けるように作用する、請求項1に記載の除去加工装置。
  5. 前記半導体基材がシリコン単結晶基板であり、
    前記波長が1.12μmより長いものである、請求項1または請求項3に記載の除去加工装置。
  6. ビーム軸に沿って光強度のピークが得られるピーク範囲を、半導体基材の加工対象物の内部に位置づけられる除去ターゲットパスの一部または全部に重なるよう位置合わせする位置合せステップと、
    前記加工対象物の前記内部に到達可能な波長のレーザー光のパルスを光源から放射させるステップと、
    該レーザー光をベッセルビームとなるよう変換することにより、前記波長のベッセルビームのパルスであるベッセルビームパルスを形成し、該ベッセルビームパルスを、前記除去ターゲットパスのうち前記ピーク範囲に含まれる前記一部または全部に照射する照射ステップと
    を含む加工対象物への除去加工方法。
  7. 前記除去ターゲットパスが前記加工対象物の一の表面から他の表面まで前記加工対象物を横切っており、
    前記ピーク範囲が前記除去ターゲットパスの全部を含んでおり、
    これにより、前記一の表面と前記他の表面との間をつなぐ貫通孔が前記加工対象物に形成される、請求項6に記載の加工対象物への除去加工方法。
  8. 前記パルスのパルス幅が、前記加工対象物をなす材質により多光子吸収が生じうる短い時間幅に設定されている、請求項6に記載の加工対象物への除去加工方法。
  9. 前記除去ターゲットパスが前記加工対象物のいずれかの表面で終端しており、
    前記波長の光を受けると前記加工対象物のエッチングを助ける作用をもつ補助液を前記表面にて前記加工対象物に接触させるステップを、前記照射ステップより前にさらに含んでおり、
    前記位置合せステップが、前記ベッセルビームパルスが前記加工対象物の内部を通り、前記ピーク範囲が前記表面にて前記補助液に到達するように位置合わせするものであり、
    これにより、前記補助液が前記照射ステップにて前記ベッセルビームパルスを受けて前記加工対象物のエッチングを助けるように作用する、請求項6に記載の加工対象物への除去加工方法。
  10. 前記半導体基材がシリコン単結晶基板であり、
    前記波長が1.12μmより長いものである、請求項6に記載の加工対象物への除去加工方法。
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