JP2015226339A - 電動車両の制御装置及び制御方法 - Google Patents

電動車両の制御装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電動駆動装置における電気部品等の仕様を適正化し、当該電動駆動装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、設計段階における電気部品の使用条件の検討を簡便化し且つ検討精度を向上させることのできる電動車両の制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】インバータとモータとの間を流れる電流値に基づき電流二乗時間積I2tを算出しS1、当該I2tが、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき、インバータとモータとの間の各電気部品における熱負荷の許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値に近づいたときには(S2がYes)、所定の出力制限値で制限したモータ出力となるよう電流を制限するS5〜S7。【選択図】図5

Description

本発明は、電動車両の制御装置及び制御方法に関する。
環境問題等を考慮して、モータ(電動機)のみで走行可能な電気自動車や燃料電池自動車、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド電気自動車等の電動車両の開発が進んでいる。電動車両は、駆動源としてのモータとして主に三相モータを用い、バッテリ電源からの直流電流を交流電流に変換するインバータを介してモータに電力が供給される。つまり、モータが駆動力又は回生力を出力する場合に、バッテリとインバータとの間では直流電流が、インバータとモータとの間では三相交流電流が流れることとなる。
このようにモータ、インバータ、バッテリの各装置間に電流が流れることで、これら各装置間の電力供給回路を構成する電線、ハーネス、及びコネクタ等の電気部品には、電流の二乗と通電時間に比例して発熱する。このため、各電気部品には上記発熱量に耐える仕様を備えている必要がある。
このような電気部品の保護及び仕様の適正化を目的とし、例えば特許文献1では、各バッテリからの直流電流の平均出力に基づき電流制限値を設けることが開示されている。
特開2006−288030号公報
特許文献1の技術のように、従来の電動車両では駆動源として用いられるモータの出力がバッテリの容量に比して低く、バッテリとインバータとの間の直流側の電気部品が上記発熱に対する耐久性を有していれば、電動駆動装置全体としての安全性を十分に確保することができていた。
しかしながら、近年ではさらなる燃費向上及び排ガス低減の観点から、モータの出力割合を増加させるためにモータが高出力化、即ち大電流化する傾向にある。そうすると、インバータとモータとの間の交流側の電気部品に対する発熱の影響も無視することができなくなってきている。特に三相電流はモータの回転速度により電圧が変動してしまうため、バッテリとインバータとの間の直流側の電流制限のみでは交流側の電気部品の仕様を満たす保証はない。
このようにインバータの直流側における電流制限だけでは、発熱を交流側の電気部品の仕様に対応した熱負荷の許容値内に抑えることができないおそれがあるために、実際には交流側の電気部品については、確実に安全性を確保すべく本来必要とする性能よりも大幅に高性能な電気部品を使用する必要がある。
また、車両の設計段階では、使用する電気部品を選定するため、車両走行時における電流が各電気部品の仕様を超えないように、車両走行中に実際に流れることが想定される電流プロファイルをシミュレーション等で作成し、検討している。
しかしながら、最初の設計段階後に、燃費改善のためにインバータの直流側の電流制限を緩和する等の使用条件の変更が発生する場合があるが、このような使用条件の変更があるたびに設計段階に戻って交流側の電気部品の再検討も必要なり、これは作業工数の増加を招いていた。また、車両走行中に実際に使われる使用条件を全て事前に検討することは困難であり、検討漏れが生じるおそれもある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、電動駆動装置において過剰仕様であった電気部品の仕様を適正化し、以て当該電動駆動装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、設計段階における電気部品の使用条件の検討を簡便化し、且つ検討精度を向上させることのできる電動車両の制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
(1)本適用例に係る電動車両の制御装置は、車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で直流及び交流の変換を行うインバータと、前記電動機と前記インバータとの間で電力の供給を行う回路であり、それぞれ所定の熱負荷の許容値を有する複数の電気部品からなる電力供給回路と、前記電力供給回路における電流値が、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき前記各電気部品の前記許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値を超えないように、前記インバータを制御する電流制限制御手段と、を備える。
(2)本適用例に係る電動車両の制御装置において、前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流二乗時間積であるI2tを算出し、当該I2tが前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
(3)本適用例に係る電動車両の制御装置において、前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流値の移動平均である移動平均電流値を算出し、当該移動平均電流値が前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
(4)本適用例に係る電動車両の制御装置において、前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値が前記所定の電流制限値に近づくほど、前記電力供給回路における電流値を制限する割合を大きくすることで、前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
(5)本適用例に係る電動車両の制御装置において、前記電力供給回路の電気部品には前記電動機と前記インバータとを接続するケーブル及びコネクタを含んでいてもよい。
(6)本適用例に係る電動車両の制御方法は、車両の駆動源である電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で直流及び交流の変換を行うインバータと、を備える電動車両の制御方法であって、前記電動機と前記インバータとの間で電力の供給を行う回路でありそれぞれ所定の熱負荷の許容値を有する複数の電気部品からなる電力供給回路における電流値が、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき前記各電気部品の前記許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する。
(7)本適用例に係る電動車両の制御方法において、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流二乗時間積であるI2tを算出し、当該I2tが前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
(8)本適用例に係る電動車両の制御方法において、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における移動平均である移動平均電流値を算出し、当該移動平均電流値が前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
(9)本適用例に係る電動車両の制御方法において、前記電力供給回路における電流値が前記所定の電流制限値に近づくほど、前記電流値を制限する割合を大きくすることで、前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御してもよい。
上記手段を用いる本発明によれば、電動駆動装置における電気部品の仕様を適正化し、当該電動駆動装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、設計段階における電気部品の使用条件の検討を簡便化し、且つ検討精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置を備えた電動車両の概略構成図である。 図1の電動駆動装置を示すブロック図である。 各電気部品の許容熱負荷と電流制限値ラインとの関係を示すグラフである。 平均的な走行条件で走行したときのモータとインバータとの間の電流実効値IMの出力分布を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置のインバータECUが実行する電流制限制御ルーチンを示すフローチャートである。 2tと出力制限値の関係図である。
以下に、本発明を適用した実施形態の一例について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。本発明は、以下の実施形態およびその変形例を自由に組み合わせたものを含むものとする。
図1には本発明の一実施形態における電動車両の制御装置の概略構成図、図2には図1の電動駆動装置を示すブロック図がそれぞれ示されており、以下これらの図に基づき説明する。
図1に示す本実施形態における電動車両1は、エンジン2及びモータ3(電動機)を走行駆動源とするいわゆるパラレル型ハイブリッドのトラックであり、以下の説明では、単に車両とも称する。
エンジン2の出力軸にはクラッチ4が連結され、クラッチ4にはモータ3の回転軸を介して変速機5の入力側が連結されている。変速機5の出力側にはプロペラシャフト6を介して差動装置7が連結され、差動装置7には駆動軸8を介して左右の駆動輪9が連結されている。
モータ3は、直流及び交流の変換を行うインバータ10を介して、モータ3を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリ11と接続されており、主にこれらモータ3、インバータ10、及びバッテリ11により電動駆動装置が構成されている。
このように構成された車両1は、エンジン2又はモータ3で発生した駆動力が変速機5で変速された後、駆動輪9に伝達されることで走行する。また、例えば車両1の減速時や降坂路での走行時には、駆動輪9側からの逆駆動によりモータ3が発電機として作動する。そしてモータ3が発生した負側の駆動力は制動力として駆動輪9側に伝達されると共に、モータ3が発電した交流電力がインバータ10で直流電力に変換されてバッテリ11に充電される。
電動駆動装置は、同期電動機や誘導電動機等の公知の交流電動機を用いることができる。本実施形態においては、一例として、モータ3に三相交流モータを適用した例を説明する。詳しくは図2に示すように、モータ3は、永久磁石が貼り付けられたロータと、U相コイルU、V相コイルV、W相コイルWからなる三相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機である。
インバータ10はモータ3の三相コイルと対応し、一相につき一対のスイッチング素子(半導体素子)12a〜12f(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を有している。当該スイッチング素子12a〜12fは、一対のスイッチング素子同士(12aと12d、12bと12e、12cと12f)が直列に配設され、他の組のスイッチング素子とは並列に接続されている。インバータ10は、これらのスイッチング素子12a〜12fからなる三相ブリッジ回路と、電圧変動を平滑化するためのコンデンサ13とが並列に配列されて構成された電力変換器であり、直流電流と三相交流電流との変換を行い、供給する電力の電流を制御する。
インバータ10の交流側は、三相の電線14a、14b、14cから成るケーブル14を介してモータ3と接続されている。当該ケーブル14はモータ3側の接続部にモータ側コネクタ15、インバータ10側の接続部にインバータ側コネクタ16にそれぞれ接続されている。これらケーブル14、モータ側コネクタ15、インバータ側コネクタ16等の電気部品によりモータ3とインバータ10との間の電力の供給を行う電力供給回路が形成されている。
そしてこれらの電気部品には、当該電気部品の電流及び熱の特性に基づく熱負荷の許容値(上限値)が定められている。当該電気部品の導通時における発熱量(熱負荷)は公知の算出方法を適用することができ、例えば、電流の二乗と通電時間の時間積であるI2t(電流二乗時間積)や電流の二乗平均平方根であるIRMS、または、電流値の移動平均である移動平均電流値より求められる。
以下の本実施形態においては、一例として、I2tを適用した形態を説明するが、これに限定されず、電流の二乗平均平方根や移動平均電流値などを適用してもよい。
なお、電力供給回路を構成する電気部品として、ケーブルとコネクタのアセンブリ部品であるハーネスも含まれる。したがって、電気部品の熱負荷の許容値はアセンブリであるハーネスに対応するものであってもよい。
一方、インバータ10の直流側は、リレー部17を介してバッテリ11と接続されている。リレー部17はインバータ10及びバッテリ11の正極側の接続及び遮断を行う正極側リレー17aと、負極側の接続及び遮断を行う負極側リレー17bとから構成されている。
バッテリ11は例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池であり、複数のセル18(図2では直列)が配設され、ヒューズ19が設けられている。ヒューズ19の位置は特に限定されず、例えばセル18の間に設けられていてもよい。
また、車両1には、インバータ10と接続され当該インバータ10を制御するインバータECU20が搭載されている。なお、インバータECU20はインバータ10の他にもモータ3や図示しない各種装置や他のECUとも接続されており、例えばバッテリ11の状態やモータ3の要求出力等の情報が入力される。インバータECU20は、インバータ10の各スイッチング素子12a〜12fのON、OFFを行う駆動回路を介して、バッテリ11及びモータ3の状態や要求出力等に応じてインバータ10を制御する。
また、インバータECU20は、インバータ10においてモータ3の各相に対応して設けられている電流センサ21a、21b、21cと接続されており、当該インバータECU20は、インバータ10とモータ3との間の交流電流を検出する。具体的には、インバータECU20は、所定周期で各電流センサ21a、21b、21cから各相の電流を検出し、当該各相の電流からインバータ10とモータ3間の実効電流値Iを算出して記憶する。
さらに、インバータECU20には、上述したケーブル14、モータ側コネクタ15及びインバータ側コネクタ16の各電気部品における熱負荷の許容値(上限値)を超えないように定められた所定の電流制限値Lが記憶されている。
詳しくは、図3を参照すると、横軸が積算時間、縦軸がインバータ10とモータ3との間のI2tを取り、各電気部品の熱負荷の許容値と電流制限値ラインとの関係を示すグラフが示されている。
図3に示すように、インバータECU20において定められている所定の電流制限値Lは時間に応じて低下する電流制限値ラインKLとして表すことができ、ケーブル14の許容値K1、モータ側コネクタ15の許容値K2、及びインバータ側コネクタ16の許容値K3はいずれも当該電流制限値ラインKLよりも高い値となる。
電流制限値ラインKLは車両1が平均的な走行条件下においてインバータ10からモータ3に出力される電流実効値Iの頻度に基づき、各電気部品の許容値K1、K2、K3を超えない範囲で定められている。具体的には図4に示すように、車両1が予め定めた平均的な走行条件で走行したときのモータ3とインバータ10との間の電流実効値IMの出力分布を計測し、最も頻度の高いIMaveに対し、例えば実用範囲で使用されると考えられる電流値の最大値(IMup)を電流制限値ラインKLに設定することができる。例えば、電流実効値IMの出力分布の4σの範囲での最大値IMupを電流制限値ラインKLに設定してもよい。
このような電流制限値ラインKLを設定することで、車両1の設計段階においては、上記ケーブル14、モータ側コネクタ15及びインバータ側コネクタ16等の交流側の電気部品として、許容値が当該電流制限値ラインKLよりも大きく、且つ電流制限値ラインKLに近い電気部品を選定することで、過剰仕様ではない適正な仕様の電気部品を選定することができる。
そして、インバータECU20は、実際に交流電流が電流制限値ラインKLを超えないように電流制限制御を行う。
具体的には、インバータECU20は、現時点から直近の1又は複数の所定期間(tx、ty、tz・・・)における電流実効値Iの二乗の積算値(電流二乗時間積(I2t)Iax、Iay、Iaz、・・・)を算出する。これらの所定期間は、上記ケーブル14、モータ側コネクタ15及びインバータ側コネクタ16の交流側の各電気部品の電流及び温度の特性に応じて設定される。本実施形態では所定期間の一例として、図3にも示すように、短期間(tx)、中期間(ty)、長期間(tz)の3つの期間を設定するものとして説明するが、設定される所定期間の数は電気部品の構成によって適宜決定される。
インバータECU20は、さらに電流制限値ラインKLから各期間における電流制限値(Lx、Ly、Lz)を算出する。そして、各期間におけるI2t(Iax、Iay、Iaz)と電流制限値(Lx、Ly、Lz)とを比較し、当該I2t(Iax、Iay、Iaz)が電流制限値(Lx、Ly、Lz)に近づいている場合又はこれを超えている場合には、インバータ10により交流電流を制限することで各電気部品の許容値を超えないようにしている(電流制限制御手段)。
ここで、図5にはインバータECU20が実行する電流制限制御ルーチンがフローチャートで示されており、当該フローチャートに沿って、インバータECU20が行うインバータ10の電流制限制御についてより詳しく説明する。
まずステップS1として、インバータECU20は、現時点までの短期間(tx)、中期間(ty)、長期間(tz)の3つの期間のそれぞれについての電流実効値Iの積分値を算出する。具体的には、インバータECU20は記憶されている電流実効値のログから、各期間に応じたサンプリング数(x、y、z)で、各時点の電流値(I1:現在の電流値、I2:現在から1つ前の計算周期で取得した電流値、・・・Ix、・・・Iy、・・・Iz)を取得する。そして下記数式1に基づき各期間におけるI2tであるIax、Iay、Iazを算出する。tsはソフトウェアの計算周期である。
Figure 2015226339
ステップS2では、下記数式2に示すように、上記ステップS2で算出したI2t(Iax、Iay、Iaz)のいずれかが、それぞれの期間に応じた電流制限値(Lx、Ly、Lz)に所定割合(αx、αy、αz)を乗じた値より大であるか否かを判別する。この電流制限値(Lx、Ly、Lz)に所定割合を乗じた値とは、電流制限を開始する閾値(以下、電流制限開始閾値という)であり、本実施形態では下記数式2で示すように所定割合を全て0.8としている。
(数2)
Iax>Lx×0.8
Iay>Ly×0.8
Iaz>Lz×0.8
ステップS2における上記数式2で示す条件が不成立な場合、即ち各期間のI2t(Iax、Iay、Iaz)のいずれもが、電流制限開始閾値以下である場合はステップS3に進む。
ステップS3では、インバータECU20は、電流制限を行うことなく、モータ出力Woutが要求出力Wrとなるようインバータ10の電流を制御し、当該ルーチンを終了する。
一方、上記ステップS2における上記数式2で示す条件が成立した場合、即ち各期間のI2t(Iax、Iay、Iaz)のうちのいずれかが電流制限開始閾値を上回った場合には、当該判別結果は真(Yes)となり、ステップS4に進む。
ステップS4では、下記数式3に示すように、各期間に応じた出力制限値(Dx、Dy、Dz)を算出する。出力制限値(Dx、Dy、Dz)は、0から1の無次元量であり、I2t(Iax、Iay、Iaz)が、電流制限値(Lx、Ly、Lz)に近いほど0に近づき、電流制限開始閾値に近いほど1に近づく値である。具体的には図6に示すように、下記数式3に基づくことで、例えば電流制限開始閾値が0.8×Lxの時は、Iax=1.0LxであればDx=0となり、Iax=0.9LxであればDx=0.5となり、Iax≦0.8LxであればDx=1となり、I2t(Iax、Iay、Iaz)が電流制限値(Lx、Ly、Lz)に近づくほど、電流値を制限する割合は大きくなる。
Figure 2015226339
続くステップS5において、インバータECU20は上記ステップS4において各期間に応じて算出した出力制限値(Dx、Dy、Dz)のうち最小となる出力制限値(以下、最小出力制限値Dminという)を選出する。
さらにステップS6において、インバータECU20は、モータ3への要求出力Wrが、このときのモータ回転数でのシステムの最大出力値(例えばインバータ10の最大出力電流、モータ3の最大出力トルク等が挙げられるが、ここではモータ3の最大出力とする)Wmaxに最小出力制限値Dminを乗算した値より大であるか否かを判別する。
当該判別結果が偽(No)である場合、即ち要求出力Wrが制限したモータ出力(Wmax×Dmin)以下である場合には、上述したステップS3に進む。ステップS3において、インバータECU20は上述したように、電流制限を行うことなく、モータ出力Woutが要求出力Wrとなるようインバータ10の電流を制御し、当該ルーチンを終了する。
一方、ステップS6の判別結果が真(Yes)である場合、即ち要求出力Wrが制限したモータ出力(Wmax×Dmin)より大きい場合には、ステップS7に進む。
ステップS7において、インバータECU20は、モータ出力Woutが最大モータ出力Wmaxに最小出力制限値Dminを乗算した値となるようインバータ10の交流電流を制限し、当該ルーチンを終了する。つまり、当該ステップS7は、ステップS3のようにモータ出力Woutが要求出力Wrとなるようインバータ10の電流を制御すると、インバータ10からモータ3への交流電流が電流制限値(Lx、Ly、Lz)を超えるおそれがあるため、最少出力制限値Dminにより制限したモータ出力Woutとなるよう、交流電流の出力を制限している。
本実施形態に係る電動車両の制御装置及び制御方法は、例えば、以下の特徴を有する。
前述のように、特許文献1に開示されるようなバッテリとインバータとの間の直流電流制限のみを備える制御装置及び制御方法では、モータの高出力化を図る近年の電動車両における電気部品の仕様を最適化することは実質的に困難であり、結果として交流電流側の電気部品の過剰仕様を招いていた。
しかしながら、本実施形態に係る制御装置及び制御方法によれば、インバータECU20は、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき、前記各電気部品の許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値Lを設定することで、当該電流制限値Lを基準として交流側の電気部品を選定することができる。特に当該電流制限値Lより大きく、且つ当該電流制限値Lに近い許容値を備える電気部品を選定することで、過剰仕様ではない適正な使用の電気部品を選定することができる。これにより、不要な高性能部品を用いることがなくなり、モータの高出力化を図る電動車両においても実質的な電動駆動装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
そして、インバータECU20が電流制限値Lを超えないようにインバータ10に対して電流制限制御することで、許容値が電流制限値Lに近くとも、電気部品の安全性を確保することができる。
また、本実施形態に係る電動車両の制御装置及び制御方法においては、前述の通り、バッテリ11とインバータ10との間の直流側の電流制限とは独立してインバータ10とモータ3との間の交流側の電流制限を行うことができる。このように電力供給回路内で直流側の電流制限とは独立して交流側の電流制限を設けることにより、例えばインバータ10の直流側又は交流側の電気部品を仕様の異なる電気部品に変更した場合でも、交流側の電気部品の許容値が電流制限値Lより大きいものであれば、電流制限制御により安全性は維持される。つまり、設計段階において直流側の電気部品の使用条件の検討工程と交流側の電気部品の使用条件の検討工程とを切り離すことにより、設計工程を著しく簡便化することができ、且つ検討精度を向上させることができる。
また、上記ステップS1で行っているように、現時点から直近の所定期間における電流二乗時間積であるI2t(Iax、Iay、Iaz)を算出し、当該I2tが電流制限値(La、Ly、Lz)を超えないように制御することで、交流電流の変化を含めた精度の高い電流制限制御を実現することができる。
また、上記ステップS4で算出している出力制限値(Dx、Dy、Dz)はI2t(Iax、Iay、Iaz)が電流制限値(La、Ly、Lz)に近づくほど大きくなるよう設定されていることで、車両1の状態に応じて徐々に電流を制限することができ、より適切な電流制限制御を実現している。
以上のことから本実施形態に係る電動車両の制御装置及び制御方法によれば、電動駆動装置における電気部品の仕様を適正化し、当該電動駆動装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、設計段階における電気部品の使用条件の検討を簡便化し、且つ検討精度を向上させることができる。
以上で本発明に係る電動車両の制御装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態の電動車両1はエンジン2及びモータ3を駆動源とするハイブリッド自動車であるが、本発明はモータのみを駆動源とする電気自動車や燃料電池自動車にも同様に適用することができる。
上記実施形態では、電流制限値ラインKLを平均的な走行条件で走行したときのモータ3とインバータ10との間における電流実効値IMの出力分布から4σに対応する値に設定しているが、これは例えば3σとするなど、他の方法で設定してもよい。
また上記実施形態では、I2tを算出する所定期間として3つの期間を設定しているが、当該所定期間は3つに限られるものでない。また、電流制限開始閾値を電流制限値Lx×0.8としているが、当該電流制限開始閾値の設定もこれに限られるものでなく、0.8以外の割合を設定してもよいし、例えば予め定めた所定値としてもよい。
1 車両
2 エンジン
3 モータ(電動機)
10 インバータ
11 バッテリ
12a〜12f スイッチング素子
13 コンデンサ
14 ケーブル
15 モータ側コネクタ
16 インバータ側コネクタ
20 インバータECU(電流制限制御手段)
21a、21b、21c 電流センサ

Claims (9)

  1. 車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、
    前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、
    前記バッテリと前記電動機との間で直流及び交流の変換を行うインバータと、
    前記電動機と前記インバータとの間で電力の供給を行う回路であり、それぞれ所定の熱負荷の許容値を有する複数の電気部品からなる電力供給回路と、
    前記電力供給回路における電流値が、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき前記各電気部品の前記許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値を超えないように、前記インバータを制御する電流制限制御手段と、
    を備える電動車両の制御装置。
  2. 前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流二乗時間積であるI2tを算出し、当該I2tが前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項1記載の電動車両の制御装置。
  3. 前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流値の移動平均である移動平均電流値を算出し、当該移動平均電流値が前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項1記載の電動車両の制御装置。
  4. 前記電流制限制御手段は、前記電力供給回路における電流値が前記所定の電流制限値に近づくほど、前記電力供給回路における電流値を制限する割合を大きくすることで、前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の電動車両の制御装置。
  5. 前記電力供給回路の電気部品には前記電動機と前記インバータとを接続するケーブル及びコネクタを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の電動車両の制御装置。
  6. 車両の駆動源である電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で直流及び交流の変換を行うインバータと、を備える電動車両の制御方法であって、
    前記電動機と前記インバータとの間で電力の供給を行う回路でありそれぞれ所定の熱負荷の許容値を有する複数の電気部品からなる電力供給回路における電流値が、平均的な走行条件下において出力される電流値の頻度に基づき前記各電気部品の前記許容値を超えない範囲で定められた所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する電動車両の制御方法。
  7. 前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における電流二乗時間積であるI2tを算出し、当該I2tが前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項6記載の電動車両の制御方法。
  8. 前記電力供給回路における電流値として前記電気部品に対応する所定期間における移動平均である移動平均電流値を算出し、当該移動平均電流値が前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項6記載の電動車両の制御方法。
  9. 前記電力供給回路における電流値が前記所定の電流制限値に近づくほど、前記電流値を制限する割合を大きくすることで、前記所定の電流制限値を超えないように前記インバータを制御する請求項6から8のいずれか一項に記載の電動車両の制御方法。
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