JP2015225305A - 光学製品、カメラレンズ、及びカメラ用フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な反射防止性能を有しながら、より一層高い耐久性能を有する光学製品を提供する。【解決手段】光学製品において、基体の片面又は両面に対して光学多層膜が形成されており、この光学多層膜は、最表層が酸化ケイ素膜となる状態で酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜を交互に積層した、11層以上の構造を有しており、前記最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下であって、前記最表層に隣接する層である第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下である。【選択図】図3
Description
本発明は、光学多層膜を有する光学製品、カメラレンズ、カメラ用フィルタに関する。
耐裂傷性や充分な硬さといった耐久性を向上したプラスチックレンズとして、下記特許文献1のものが知られている。
特許文献1のレンズは、レンズ基材上のハードコート層表面に、低屈折率膜と高屈折率膜とが交互に積層された反射防止層を備えており、当該低屈折率膜が酸化ケイ素膜(SiO2)であり、当該高屈折率膜が窒化ケイ素膜(Si3N4)であって、合わせて4〜5層となるように積層されている。
特許文献1のレンズは、レンズ基材上のハードコート層表面に、低屈折率膜と高屈折率膜とが交互に積層された反射防止層を備えており、当該低屈折率膜が酸化ケイ素膜(SiO2)であり、当該高屈折率膜が窒化ケイ素膜(Si3N4)であって、合わせて4〜5層となるように積層されている。
特許文献1の反射防止層は、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜が交互に4〜5層重ねられたものであり、可視光に対する反射防止性や耐久性について更に向上する余地があるものとなっている。
そこで、請求項1に記載の発明は、充分な反射防止性能を有しながら、より一層高い耐久性能を有する光学製品、カメラレンズ、カメラ用フィルタを提供することを目的とするものである。
そこで、請求項1に記載の発明は、充分な反射防止性能を有しながら、より一層高い耐久性能を有する光学製品、カメラレンズ、カメラ用フィルタを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光学製品にあって、基体の片面又は両面に対して光学多層膜が形成されており、前記光学多層膜は、最表層が酸化ケイ素膜となる状態で酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜を交互に積層した、11層以上の構造を有しており、前記最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下であり、前記最表層に隣接する層である第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、更に反射防止性能と耐久性能を向上する目的を達成するため、上記発明にあって、前記第1隣接層に隣接する層であって前記最表層ではない層である第2隣接層の物理膜厚が10nm以上50nm以下であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、反射防止性能及び耐久性能に優れたカメラレンズを提供する目的を達成するため、カメラレンズにあって、上記発明の光学製品を用い、基体がカメラレンズ基体であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記目的に加え、反射防止性能及び耐久性能に優れたカメラ用フィルタを提供する目的を達成するため、カメラ用フィルタにあって、上記発明の光学製品を用い、基体がカメラ用フィルタ基体であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、更に反射防止性能と耐久性能を向上する目的を達成するため、上記発明にあって、前記第1隣接層に隣接する層であって前記最表層ではない層である第2隣接層の物理膜厚が10nm以上50nm以下であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、反射防止性能及び耐久性能に優れたカメラレンズを提供する目的を達成するため、カメラレンズにあって、上記発明の光学製品を用い、基体がカメラレンズ基体であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記目的に加え、反射防止性能及び耐久性能に優れたカメラ用フィルタを提供する目的を達成するため、カメラ用フィルタにあって、上記発明の光学製品を用い、基体がカメラ用フィルタ基体であることを特徴とするものである。
本発明によれば、光学防止性能と耐久性能を両立することが可能な光学製品、カメラレンズ、カメラ用フィルタを提供することができる、という効果を奏する。
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面を用いて説明する。尚、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
本発明に係る光学製品では、基体の片面あるいは両面に対し、光学多層膜が形成されている。
本発明において、基体はどのような材質であっても良く、好ましくは透光性を有する。基体の材料(基材)の例として、ガラスや樹脂が挙げられる。
又、基体と光学多層膜の間に、ハードコート膜を始めとする中間膜を1枚あるいは複数枚配置しても良いし、光学多層膜の上(空気側)に防汚膜を始めとする表面膜を形成しても良い。
本発明において、基体はどのような材質であっても良く、好ましくは透光性を有する。基体の材料(基材)の例として、ガラスや樹脂が挙げられる。
又、基体と光学多層膜の間に、ハードコート膜を始めとする中間膜を1枚あるいは複数枚配置しても良いし、光学多層膜の上(空気側)に防汚膜を始めとする表面膜を形成しても良い。
又、本発明において、光学多層膜は、下記の要件を適宜満たす。尚、光学多層膜は、両面に形成される場合、好ましくは何れの膜も下記の要件を満たし、更に好ましくは何れの膜も同一の積層構造となるようにする。
まず、光学多層膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層した合わせて11層以上の多層構造である。最も表層側(外側,空気側,基体から遠い側)の層、即ち最表層が低屈折率層であり、その隣接層(最表層に隣接する層,第1隣接層)が高屈折率層であり、以下交互に低屈折率層と高屈折率層が配置される。
次に、低屈折率層は、酸化ケイ素を用いて膜状に形成され、高屈折率層は、窒化ケイ素を用いて膜状に形成される。
酸化ケイ素は、好ましくは二酸化ケイ素(SiO2)である。又、窒化ケイ素は、ケイ素と窒素が結合しているものであり、ケイ素と窒素の割合はどのようなものであっても良いが、好ましくはケイ素:窒素=3:4(Si3N4)である。
又、最表層(低屈折率層,酸化ケイ素膜)の物理膜厚が30nm(ナノメートル)以上75nm以下であり、その隣接層である第1隣接層(高屈折率層,窒化ケイ素膜)の物理膜厚が2nm以上10nm以下である。
最表層が75nmを超え、あるいは第1隣接層の物理膜厚が10nmを超えると、可視領域(例えば400nm以上700nm以下)の波長を有する光、即ち可視光に対する最大反射率や平均反射率が不充分となる。具体的には、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たさなくなる。
一方、最表層が30nmを下回り、あるいは第1隣接層の物理膜厚が2nmを下回ると、硬さを充分に得られず、傷が付き易くなって耐裂傷性が充分でなくなる。
更に、その次の隣接層(第1隣接層に隣接する層であって最表層ではない層である第2隣接層)の物理膜厚が10nm以上50nm以下であると好ましい。第2隣接層は、低屈折率層であり、酸化ケイ素膜である。
第2隣接層(最表層を1番目として最表層から数えて3番目の層)の物理膜厚が10nmを下回ると、硬さを充分に得られず、傷が付き易くなって耐裂傷性が充分でなくなる。
一方、第2隣接層の物理膜厚が50nmを超えると、可視光に対する最大反射率や平均反射率の更に好ましい低さを得ることができなくなる。
上記の光学多層膜は、好適には真空蒸着法やスパッタ法等により形成される。
まず、光学多層膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層した合わせて11層以上の多層構造である。最も表層側(外側,空気側,基体から遠い側)の層、即ち最表層が低屈折率層であり、その隣接層(最表層に隣接する層,第1隣接層)が高屈折率層であり、以下交互に低屈折率層と高屈折率層が配置される。
次に、低屈折率層は、酸化ケイ素を用いて膜状に形成され、高屈折率層は、窒化ケイ素を用いて膜状に形成される。
酸化ケイ素は、好ましくは二酸化ケイ素(SiO2)である。又、窒化ケイ素は、ケイ素と窒素が結合しているものであり、ケイ素と窒素の割合はどのようなものであっても良いが、好ましくはケイ素:窒素=3:4(Si3N4)である。
又、最表層(低屈折率層,酸化ケイ素膜)の物理膜厚が30nm(ナノメートル)以上75nm以下であり、その隣接層である第1隣接層(高屈折率層,窒化ケイ素膜)の物理膜厚が2nm以上10nm以下である。
最表層が75nmを超え、あるいは第1隣接層の物理膜厚が10nmを超えると、可視領域(例えば400nm以上700nm以下)の波長を有する光、即ち可視光に対する最大反射率や平均反射率が不充分となる。具体的には、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たさなくなる。
一方、最表層が30nmを下回り、あるいは第1隣接層の物理膜厚が2nmを下回ると、硬さを充分に得られず、傷が付き易くなって耐裂傷性が充分でなくなる。
更に、その次の隣接層(第1隣接層に隣接する層であって最表層ではない層である第2隣接層)の物理膜厚が10nm以上50nm以下であると好ましい。第2隣接層は、低屈折率層であり、酸化ケイ素膜である。
第2隣接層(最表層を1番目として最表層から数えて3番目の層)の物理膜厚が10nmを下回ると、硬さを充分に得られず、傷が付き易くなって耐裂傷性が充分でなくなる。
一方、第2隣接層の物理膜厚が50nmを超えると、可視光に対する最大反射率や平均反射率の更に好ましい低さを得ることができなくなる。
上記の光学多層膜は、好適には真空蒸着法やスパッタ法等により形成される。
上記の光学製品において、好適には基体はカメラレンズ基体やカメラ用フィルタ基体であり、光学製品は、カメラレンズや、その前部に取り付けるカメラレンズフィルタである。
上記の光学製品によれば、優れた耐久性能と可視光に対する優れた反射防止性能を両立することができる。
特に、基体が樹脂である場合には、ガラスに比べて傷付き易いところ、上記の光学多層膜を表面に付与することで、反射を抑制しながら耐裂傷性を良好にすることができ、反射防止機能を付与しつつ耐久性を大幅に向上することができる。
又、基体がガラスである場合、樹脂に比べて屈折率が高く、従って基体そのままの状態では樹脂より光を反射してしまうところ、上記の光学多層膜を付与すれば、光の反射を抑制することができ、特にカメラレンズやカメラレンズフィルタ等では光の反射を充分に防止することが性能を発揮するための前提条件と考えられているところ、上記光学製品ではその条件を満足することが可能となる。
更に、基体がガラスである場合、樹脂に比べて傷付き難いが、上記の光学多層膜を表面に付与することで、更に耐裂傷性を良好にして耐久性をより一層向上することができる。カメラレンズやカメラ用フィルタ等において、屋外用に設計されたものや高級品を中心に、優れた反射防止性が永続するハイレベルの耐久性が求められることがあるところ、上記光学多層膜を有する光学製品では、かような要求に応えることができる。
上記の光学製品によれば、優れた耐久性能と可視光に対する優れた反射防止性能を両立することができる。
特に、基体が樹脂である場合には、ガラスに比べて傷付き易いところ、上記の光学多層膜を表面に付与することで、反射を抑制しながら耐裂傷性を良好にすることができ、反射防止機能を付与しつつ耐久性を大幅に向上することができる。
又、基体がガラスである場合、樹脂に比べて屈折率が高く、従って基体そのままの状態では樹脂より光を反射してしまうところ、上記の光学多層膜を付与すれば、光の反射を抑制することができ、特にカメラレンズやカメラレンズフィルタ等では光の反射を充分に防止することが性能を発揮するための前提条件と考えられているところ、上記光学製品ではその条件を満足することが可能となる。
更に、基体がガラスである場合、樹脂に比べて傷付き難いが、上記の光学多層膜を表面に付与することで、更に耐裂傷性を良好にして耐久性をより一層向上することができる。カメラレンズやカメラ用フィルタ等において、屋外用に設計されたものや高級品を中心に、優れた反射防止性が永続するハイレベルの耐久性が求められることがあるところ、上記光学多層膜を有する光学製品では、かような要求に応えることができる。
次いで、上記実施形態に係る本発明の実施例、及び本発明に属さない比較例を説明する。尚、本発明の実施形態は、以下の実施例に限定されない。
互いに同じ複数の基体に対し、各基体の両面においてそれぞれ異なる構造の光学多層膜を形成して、実施例及び比較例を作製した。
主に光学多層膜の層数の変化による特性の違いについて把握するため、実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5を作製した。
主に光学多層膜の最表層やこれに隣接する層の物理膜厚の変化による特性の違いについて把握するため、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4を作製した。
互いに同じ複数の基体に対し、各基体の両面においてそれぞれ異なる構造の光学多層膜を形成して、実施例及び比較例を作製した。
主に光学多層膜の層数の変化による特性の違いについて把握するため、実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5を作製した。
主に光学多層膜の最表層やこれに隣接する層の物理膜厚の変化による特性の違いについて把握するため、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4を作製した。
[実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5]
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5における基体は何れも、標準的なカメラ用フィルタ基体の態様である、直径74ミリメートル(mm)で厚さ2.0mmの透明な白板ガラス製のフラットな円盤であって、屈折率は1.56である。
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5における基体は何れも、標準的なカメラ用フィルタ基体の態様である、直径74ミリメートル(mm)で厚さ2.0mmの透明な白板ガラス製のフラットな円盤であって、屈折率は1.56である。
更に、この基体の両面に対し、次に説明する光学多層膜を形成した。
光学多層膜は、同じ基体においては両面とも同じ膜構造を有している。
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5では、次の表1に示すように、基体の各面における光学多層膜の層数が互いに相違し、順に片面で11層〜18層及び6〜10層である。
尚、表1において、最も基体側の層(基体に最も近い層)が層数1の行に対応し、最表層は、比較例1−1〜1−5で順に層数6〜10の行に対応し、実施例1−1〜1−8で順に層数11〜18の行に対応する。又、層数1〜18の行内の数字は物理膜厚(nm)を示し、当該数字の右に付した「H」は高屈折率層(窒化ケイ素膜)であることを、「L」は低屈折率層(酸化ケイ素膜)であることを示す。
光学多層膜は、同じ基体においては両面とも同じ膜構造を有している。
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5では、次の表1に示すように、基体の各面における光学多層膜の層数が互いに相違し、順に片面で11層〜18層及び6〜10層である。
尚、表1において、最も基体側の層(基体に最も近い層)が層数1の行に対応し、最表層は、比較例1−1〜1−5で順に層数6〜10の行に対応し、実施例1−1〜1−8で順に層数11〜18の行に対応する。又、層数1〜18の行内の数字は物理膜厚(nm)を示し、当該数字の右に付した「H」は高屈折率層(窒化ケイ素膜)であることを、「L」は低屈折率層(酸化ケイ素膜)であることを示す。
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5の光学多層膜は何れも、低屈折率層と高屈折率層を交互に蒸着した光学多層膜であって、低屈折率層は酸化ケイ素膜(SiO2)を用いて形成され、高屈折率層は窒化ケイ素膜(Si3N4)を用いて作成される。又、実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5の光学多層膜は何れも、最表層が低屈折率層となっている。
尚、酸化ケイ素膜の屈折率は、実施例1−1〜1−8ないし比較例1−1〜1−5において同じであり、窒化ケイ素膜の屈折率も同様である。
実施例1−1〜1−8ないし比較例1−1〜1−5の光学多層膜は、何れも真空蒸着法により形成した。
尚、酸化ケイ素膜の屈折率は、実施例1−1〜1−8ないし比較例1−1〜1−5において同じであり、窒化ケイ素膜の屈折率も同様である。
実施例1−1〜1−8ないし比較例1−1〜1−5の光学多層膜は、何れも真空蒸着法により形成した。
図1ないし図4に、実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5の可視領域における反射率分布を示す。又、表1の下部において、可視領域(400nm以上700nm以下の波長領域)での分光反射率分布における最大反射率(%)と平均反射率(%)を示す。更に、実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−5の当該最大反射率と当該平均反射率についてのグラフを、図5に示す。
これらの図表(特に図5)によれば、層数が11以上である実施例1−1〜1−8において、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たし、反射が充分に防止される。これに対し、層数が10以下である比較例1−1〜1−5において、当該条件を満たさず、充分な反射防止性能が得られない。
これらの図表(特に図5)によれば、層数が11以上である実施例1−1〜1−8において、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たし、反射が充分に防止される。これに対し、層数が10以下である比較例1−1〜1−5において、当該条件を満たさず、充分な反射防止性能が得られない。
[実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4]
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4は、層数の相違や各層の物理膜厚を除き、実施例1−1等と同様に作製した。
実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−2は、層数が11(片面当たり)であり、実施例2−5〜2−8及び比較例2−3〜2−4は、層数が18である。
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4に係る層構造等について、表1と同様に成る次の表2に示す。
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4は、層数の相違や各層の物理膜厚を除き、実施例1−1等と同様に作製した。
実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−2は、層数が11(片面当たり)であり、実施例2−5〜2−8及び比較例2−3〜2−4は、層数が18である。
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4に係る層構造等について、表1と同様に成る次の表2に示す。
図6及び図7に、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4の可視領域における反射率分布を示す。又、表2の下部において、可視領域(400nm以上700nm以下の波長領域)での分光反射率分布における最大反射率(%)と平均反射率(%)を示す。
これらの図表によれば、比較例2−2では最表層(層数11の行)の物理膜厚が78.15nmで75nmを超えており、又最表層に隣接する第1隣接層(層数10の行)の物理膜厚が15.00nmで10nmを超えており、更にその下の隣接層である第2隣接層(層数9の行)の物理膜厚が9.82nmで10nmを下回っているので、層数が11以上であっても、最大反射率や平均反射率が上記条件を満たさない。一方、比較例2−4では最表層(層数18の行)の物理膜厚が69.99nmで30〜75nmの範囲に入っているものの、第1隣接層(層数17の行)の物理膜厚が15.00nmで10nmを超えているので、層数が11以上であっても、可視領域における最大反射率や平均反射率が上記条件を満たさない。
これに対し、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1,2−3では層数が何れも11以上であり、最表層の物理膜厚が30〜70nmの範囲内であり、第1隣接層の物理膜厚が2〜10nmの範囲内であるため、可視領域における最大反射率や平均反射率が上記条件を満たし、充分な反射防止が得られる。
これらの図表によれば、比較例2−2では最表層(層数11の行)の物理膜厚が78.15nmで75nmを超えており、又最表層に隣接する第1隣接層(層数10の行)の物理膜厚が15.00nmで10nmを超えており、更にその下の隣接層である第2隣接層(層数9の行)の物理膜厚が9.82nmで10nmを下回っているので、層数が11以上であっても、最大反射率や平均反射率が上記条件を満たさない。一方、比較例2−4では最表層(層数18の行)の物理膜厚が69.99nmで30〜75nmの範囲に入っているものの、第1隣接層(層数17の行)の物理膜厚が15.00nmで10nmを超えているので、層数が11以上であっても、可視領域における最大反射率や平均反射率が上記条件を満たさない。
これに対し、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1,2−3では層数が何れも11以上であり、最表層の物理膜厚が30〜70nmの範囲内であり、第1隣接層の物理膜厚が2〜10nmの範囲内であるため、可視領域における最大反射率や平均反射率が上記条件を満たし、充分な反射防止が得られる。
又、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4について、硬度ないし耐裂傷性に関する試験を、JIS規格に係る鉛筆法(JIS−K5600−5−4)により行った。
即ち、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4の各表面に対して、各種の硬度を有する鉛筆を所定の押圧力で適用し、目視可能な傷が付着するか否かを調べた。鉛筆の硬度の種類は、7H,8H,9H,10Hとした。
次の表3に、当該試験の結果を示す。尚、「○」は鉛筆の適用によっても傷が見受けられなかったことを示し、「×」は鉛筆の適用部分に傷が発見されたことを示す。
即ち、実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−4の各表面に対して、各種の硬度を有する鉛筆を所定の押圧力で適用し、目視可能な傷が付着するか否かを調べた。鉛筆の硬度の種類は、7H,8H,9H,10Hとした。
次の表3に、当該試験の結果を示す。尚、「○」は鉛筆の適用によっても傷が見受けられなかったことを示し、「×」は鉛筆の適用部分に傷が発見されたことを示す。
表3によれば、第1隣接層の物理膜厚が1nmで2nmを下回っている比較例2−1,2−3において、硬度7H〜9Hの鉛筆には耐えたものの、硬度10Hの鉛筆により傷が付いてしまった。
これに対し、実施例2−1〜2−8や比較例2−2,2−4では、硬度7H〜10Hの全ての鉛筆によっても傷が付かず、耐裂傷性が発揮された。
これに対し、実施例2−1〜2−8や比較例2−2,2−4では、硬度7H〜10Hの全ての鉛筆によっても傷が付かず、耐裂傷性が発揮された。
[まとめ等]
実施例1−1〜1−8,2−1〜2−8のように、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜が交互に配されて最表層が酸化ケイ素膜でこれに隣接する第1隣接層が窒化ケイ素膜である光学多層膜にあって、層数が11以上であり、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲内で、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲内であると、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たし、充分な反射防止機能を付与することができる。
又、少なくとも実施例2−1〜2−8のように、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜が交互に配されて最表層が酸化ケイ素膜で第1隣接層が窒化ケイ素膜である光学多層膜にあって、層数が11以上であり、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲内で、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲内であると、10Hの鉛筆によっても傷が付着しない程度に耐久性を高めることができる。
これに対し、比較例1−1〜1−5のように、光学多層膜の層数が11未満であると、上記条件を満たす程に充分な反射防止機能を付与することができない。
又、比較例2−1〜2−4のように、光学多層膜の層数が11以上であっても、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲外であるか、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲外であると、充分な反射防止性能あるいは充分な耐久性能を確保できない。
尚、実施例1−1〜1−8,2−1〜2−8のように、第1隣接層に隣接する(最表層ではない)第2隣接層に係る物理膜厚を10nm以上50nm以下の範囲内とすると、より一層充分な反射防止性能ないし耐久性能を確保することができる。
実施例の光学多層膜は、様々な基体に対して形成することが可能である。例えば、ガラス製や合成樹脂製の眼鏡レンズ基体に形成して、可視光に対する反射防止性能を有しながら耐久性に優れた眼鏡レンズ(度無しを含む)を作製することができる。又、風防基体に対して上記光学多層膜を形成して、実施例と同様の特性を有する時計用風防を作製することができる。更に、カメラレンズ基体に対して上記光学多層膜を付与して、実施例と同様の特性を有するカメラレンズを作製することができる。
実施例1−1〜1−8,2−1〜2−8のように、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜が交互に配されて最表層が酸化ケイ素膜でこれに隣接する第1隣接層が窒化ケイ素膜である光学多層膜にあって、層数が11以上であり、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲内で、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲内であると、可視光に対する最大反射率が0.7%以下で、且つ平均反射率が0.6%以下という条件を満たし、充分な反射防止機能を付与することができる。
又、少なくとも実施例2−1〜2−8のように、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜が交互に配されて最表層が酸化ケイ素膜で第1隣接層が窒化ケイ素膜である光学多層膜にあって、層数が11以上であり、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲内で、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲内であると、10Hの鉛筆によっても傷が付着しない程度に耐久性を高めることができる。
これに対し、比較例1−1〜1−5のように、光学多層膜の層数が11未満であると、上記条件を満たす程に充分な反射防止機能を付与することができない。
又、比較例2−1〜2−4のように、光学多層膜の層数が11以上であっても、最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下の範囲外であるか、第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下の範囲外であると、充分な反射防止性能あるいは充分な耐久性能を確保できない。
尚、実施例1−1〜1−8,2−1〜2−8のように、第1隣接層に隣接する(最表層ではない)第2隣接層に係る物理膜厚を10nm以上50nm以下の範囲内とすると、より一層充分な反射防止性能ないし耐久性能を確保することができる。
実施例の光学多層膜は、様々な基体に対して形成することが可能である。例えば、ガラス製や合成樹脂製の眼鏡レンズ基体に形成して、可視光に対する反射防止性能を有しながら耐久性に優れた眼鏡レンズ(度無しを含む)を作製することができる。又、風防基体に対して上記光学多層膜を形成して、実施例と同様の特性を有する時計用風防を作製することができる。更に、カメラレンズ基体に対して上記光学多層膜を付与して、実施例と同様の特性を有するカメラレンズを作製することができる。
Claims (4)
- 基体の片面又は両面に対して光学多層膜が形成されており、
前記光学多層膜は、
最表層が酸化ケイ素膜となる状態で酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜を交互に積層した、11層以上の構造を有しており、
前記最表層の物理膜厚が30nm以上75nm以下であり、
前記最表層に隣接する層である第1隣接層の物理膜厚が2nm以上10nm以下である
ことを特徴とする光学製品。 - 前記第1隣接層に隣接する層であって前記最表層ではない層である第2隣接層の物理膜厚が10nm以上50nm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学製品。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学製品にあって、基体がカメラレンズ基体である
ことを特徴とするカメラレンズ。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学製品にあって、基体がカメラ用フィルタ基体である
ことを特徴とするカメラ用フィルタ。
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JPH11121728A (ja) * | 1997-10-14 | 1999-04-30 | Sony Corp | 固体撮像素子 |
JP2006258414A (ja) * | 2005-02-17 | 2006-09-28 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 炉内部観察装置及び炉内部観察方法 |
WO2013183457A1 (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-12 | 旭硝子株式会社 | 光学素子 |
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2014
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-
2015
- 2015-05-25 WO PCT/JP2015/064919 patent/WO2015182551A1/ja active Application Filing
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11121728A (ja) * | 1997-10-14 | 1999-04-30 | Sony Corp | 固体撮像素子 |
JP2006258414A (ja) * | 2005-02-17 | 2006-09-28 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 炉内部観察装置及び炉内部観察方法 |
WO2013183457A1 (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-12 | 旭硝子株式会社 | 光学素子 |
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