JP2015224437A - 便器装置及び汚物搬送システム - Google Patents

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Koji Shimizu
晃治 清水
光次郎 渡
Kojiro Watari
光次郎 渡
晴生 山▲崎▼
Haruo Yamazaki
晴生 山▲崎▼
田村 秀樹
Hideki Tamura
秀樹 田村
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Abstract

【課題】従来よりも小さい操作荷重でフラッパ弁を開閉でき、便鉢内の水が外部に溢れるのを確実に回避できる便器装置を提供すること。【解決手段】排出口102dが形成された便鉢102を有する便器100を備える便器装置1であって、排出口102dに配置され、排出口102dを開閉するフラッパ弁112と、フラッパ弁112を回動させる第1回動軸113と、第1回動軸113に連結され、フラッパ弁112の回動に必要な力が付加される力点部Fと、力点部Fにおける第1回動軸113を中心とした回動円Cの接線L方向に付勢力が作用するように配置されるとともに力点部Fに連結され、フラッパ弁112を閉方向に付勢する付勢部115と、力点部Fと付勢部115とを連結する連結機構170と、を備え、連結機構170は、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときに、力点部Fと付勢部115との連結を解除することを特徴とする便器装置1である。【選択図】図2

Description

本発明は、便器装置及び汚物搬送システムに関する。
従来、下水道が未整備の地域では、汲み取り式の便槽を地下に備える簡易水洗便器が用いられている。この簡易水洗便器では、便鉢に形成された排出口を開閉するフラッパ弁が設けられ、このフラッパ弁を閉じて洗浄水を便鉢内に溜めることで、便槽からの臭気が遮断される。また、フラッパ弁の開閉動作が確実に行われることで、便鉢内の汚物及び溜水が確実に排出される。
フラッパ弁の開閉機構としては、バランス式と強制排出式が知られている。バランス式では、フラッパ弁の回動軸を境として一方側に汚物を受ける皿状の受け部が設けられ、他方側に錘が設けられる。これにより、便鉢内の溜水が一定量以上となると、フラッパ弁が回動して開くことで、便鉢内の汚物が排出される。
また強制排出式では、フラッパ弁を閉方向へ付勢するばねがフラッパ弁の回動軸に連結される。当該ばねには、洗浄操作レバーに連動したロッドが連結される。これにより、洗浄操作レバーを回動させると、ロッドを介してばねが引っ張られ、その付勢力から解放されたフラッパ弁が回動して開くことで、便鉢内の汚物が排出される。
ところがバランス式では、便鉢内の溜水量が少なく、便鉢内に汚物が付着し易いという問題があった。そのため溜水量を多く確保しようとすると、錘を大きくする必要があり、この場合にはフラッパ弁の受け部と排出口の開口縁とが強固に密着する結果、互いに固着してフラッパ弁が正常に動作しなくなるという問題があった。
これに対して強制排出式では、ロッド及びばねを介してフラッパ弁を直接回動させるため、溜水量を多く確保でき便鉢内の汚物の付着を抑制できるうえ、バランス式のような固着の問題や、汚物が少ない場合に流れないという問題は生じない。しかしながら、ばねの付勢力に抗して洗浄操作レバーを回動させる必要があり、操作荷重が大きいという問題があった。
そこで、フラッパ弁の開閉機構について種々の提案がなされている。例えば、フラッパ弁の回転軸にクランク機構を有する弁状態維持手段を設け、このクランク機構と外部固定点にばねを配置することで、フラッパ弁をばねの付勢力で閉じる簡易水洗便器装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この簡易水洗便器装置によれば、便鉢内の水が外部に溢れるのを確実に回避できるとされている。
特開2003−278253号公報
しかしながら特許文献1の簡易水洗便器装置では、フラッパ弁の開閉動作時にばねの付勢力がフラッパ弁に作用し続ける。特に、フラッパ弁の開閉動作の初期においては、徐々に大きくなるばねの付勢力に抗して、より大きな操作荷重でフラッパ弁を開閉させる必要があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも小さい操作荷重でフラッパ弁を開閉でき、便鉢内の水が外部に溢れるのを確実に回避できる便器装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、排出口(例えば、後述の排出口102d)が形成された便鉢(例えば、後述の便鉢102)を有する便器(例えば、後述の便器100)を備える便器装置(例えば、後述の便器装置1)であって、前記排出口に配置され、前記排出口を開閉するフラッパ弁(例えば、後述のフラッパ弁112)と、前記フラッパ弁を回動させる第1回動軸(例えば、後述の第1回動軸113)と、前記第1回動軸に連結され、前記フラッパ弁の回動に必要な力が付加される力点部(例えば、後述の力点部F)と、前記力点部における前記第1回動軸を中心とした回動円(例えば、後述の回動円C)の接線(例えば、後述の接線L)方向に付勢力が作用するように配置されるとともに前記力点部に連結され、前記フラッパ弁を閉方向に付勢する付勢手段(例えば、後述の付勢部115)と、前記力点部と前記付勢手段とを連結する連結機構(例えば、後述の連結機構170)と、を備え、前記連結機構は、前記フラッパ弁の開度が所定値以上のときに、前記力点部と前記付勢手段との連結を解除することを特徴とする便器装置を提供する。
前記便器装置は、前記第1回動軸に連結され、前記フラッパ弁の自重により生じる開方向の回動モーメントよりも大きな閉方向の回動モーメントを付加するウェイト部(例えば、後述のウェイト部114)をさらに備えることが好ましい。
前記連結機構は、前記第1回動軸とともに回動可能に設けられた第1歯車(例えば、後述の第1歯車171)と、前記第1回動軸の軸方向に沿って配置され、前記付勢手段による付勢力により回動する第2回動軸(例えば、後述の第2回動軸172)と、前記第2回動軸とともに回動可能に設けられ、前記第1歯車に対向して配置された第2歯車(例えば、後述の第2歯車173)と、を備え、前記第1歯車と前記第2歯車は、少なくとも一方が周方向の一部にのみ歯が形成されることで、前記フラッパ弁の開度が前記所定値未満のときに互いの歯が噛み合い、前記フラッパ弁の開度が前記所定値以上のときに互いの歯の噛み合いが解除されることが好ましい。
前記便器装置は、前記第2回動軸に設けられ、前記フラッパ弁の開度が前記所定値以上のときに前記フラッパ弁の閉方向に前記第2回動軸が回動するのを規制するロック機構(例えば、後述のロック機構180)をさらに備えることが好ましい。
前記ロック機構は、前記フラッパ弁の開度が前記所定値未満のときに前記第2回動軸の回動規制を解除することが好ましい。
前記第2回動軸は、前記付勢手段による付勢力を前記第2歯車に伝達する付勢力伝達部(例えば、後述の付勢力伝達部172a)を備え、前記第2歯車は、前記付勢力伝達部からの付勢力を受ける付勢力受け部(例えば、後述の付勢力受け部173b,173c)と、前記付勢力伝達部からの付勢力を受けずに逃がす逃がし部(例えば、後述の逃がし部173d)と、を備えることが好ましい。
また、前記いずれかの便器装置と、前記排出口に連結されて汚物を排出する排出路と、を備える汚物搬送システムであって、前記排出路に、汚物を搬送するための搬送水を直接供給する搬送水供給装置を備えることを特徴とする汚物搬送システムを提供する。
本発明によれば、従来よりも小さい操作荷重でフラッパ弁を開閉でき、便鉢内の水が外部に溢れるのを確実に回避できる便器装置を提供できる。
第1実施形態に係る便器装置の部分断面側面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁が閉じている初期状態(止水状態)を示す斜視図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁が閉じている初期状態(止水状態)を示す側面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備えるウェイト部材の重量の設定方法を説明するための図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2歯車及び第2回動軸の断面図であり、第2回動軸の正転時に付勢力が伝達されている状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2歯車及び第2回動軸の断面図であり、第2回動軸の逆転時に付勢力が伝達されている状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2歯車及び第2回動軸の断面図であり、付勢力が伝達されていない状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2回動軸のうち切欠部及びロック機構が設けられている部分の斜視図であり、初期状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2回動軸のうち切欠部及びロック機構が設けられている部分の斜視図であり、ロック状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える第2回動軸のうち切欠部及びロック機構が設けられている部分の斜視図であり、ロックが解除された状態を示す図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁が開き始めて第2回動軸の回動がロックされたときの回動ロック状態を示す斜視図である。 図8のA−A線断面図である。 図8のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁がさらに開いて第1歯車が第2歯車から離脱した状態(歯車離脱状態)を示す斜視図である。 図10のA−A線断面図である。 図10のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁の全開状態を示す斜視図である。 図12のA−A線断面図である。 図12のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁が閉じてきて第1歯車が第2歯車と噛み合う状態(歯車噛み合い状態)を示す斜視図である。 図14のA−A線断面図である。 図14のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る便器装置が備える排出装置のフラッパ弁がさらに閉じて第2回動軸の回動ロックが解除された状態(ロック解除状態)を示す斜視図である。 図16のA−A線断面図である。 図16のB−B線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る汚物搬送システムの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る汚物搬送システムの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る汚物搬送システムの構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る汚物搬送システムの構成を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る汚物搬送システムの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<便器装置>
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る便器装置1の部分断面側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る便器装置1は、便器100と、排出装置110と、洗浄装置120と、地下等に設けられた図示しない汲み取り式の便槽と、を備える簡易水洗式の便器装置である。なお、図1に示す便器装置1では、後述する排出装置110のフラッパ弁112が閉じている状態を示している。
図1に示すように、便器100は、便器本体101と、便鉢102と、を備える。この便器100は、衛生陶器により形成される。
便器本体101は、上面に開口が形成されており、前方周壁部101aと、後方周壁部101bと、を備える。
前方周壁部101aは、前方側の上面周縁から下方に向かうに従い、内側に湾曲して形成される。前方周壁部101aの下端は、床FLに当接している。この前方周壁部101aの内側には、後述する便鉢102が配置される。
後方周壁部101bは、後方側の上面周縁から略鉛直下方に延びた後、内側に湾曲して形成される。後方周壁部101bの下端は、床FLに当接している。この後方周壁部101bの内側には、後述する排出装置110のウェイト部114やロック機構180、連結機構170等が配置される。
便鉢102は、上述したように前方周壁部101aの内側に配置される。便鉢102は、前方傾斜部102aと、後方傾斜部102bと、図示しない右側傾斜部及び左側傾斜部と、リム通水路102cと、排出口102dと、を備える。
前方傾斜部102a、後方傾斜部102b、右側傾斜部及び左側傾斜部は、それぞれ中央側に向かうに従い下方に傾斜している。隣接する傾斜部同士は、なだらかな曲面状に接続される。
リム通水路102cは、便鉢102の上部周縁に形成される。より詳しくは、リム通水路102cは、便鉢102の上端周縁から内側に延びて下方に垂下するリム105と、各傾斜部の上端部とに挟まれて形成される。このリム通水路102cには、後述する洗浄装置120の洗浄水供給管123から吐出される洗浄水が流通する。リム通水路102cに洗浄水が流通する際には、リム105によって洗浄水が外側に飛散するのが回避される。
排出口102dは、便鉢102の下端部において、鉛直下方に開口して形成される。排出口102dは、後述する排出装置110の排出管111に接続されている。汚物及び使用後の溜水Wは、後述する洗浄装置120から供給された洗浄水とともに、この排出口102dを介して排出される。
また図1に示すように、便器100には、便座130及び便蓋140が取り付けられている。便座130及び便蓋140は、便器本体101の後方側上面に、軸支部150を介して回動自在に軸支される。これにより、便座130及び便蓋140はそれぞれ独立して、便器本体101上に倒伏した倒伏状態と、便器本体101に対して略垂直方向に起立した起立状態と、を取り得る。
排出装置110は、排出管111と、フラッパ弁112と、第1回動軸113と、ウェイト部114と、付勢部115と、支持台116と、連結機構170と、ロック機構180と、を備える。ただし、図1では支持台116を省略している。
ここで、図2は、排出装置110のフラッパ弁112が閉じている初期状態(止水状態)を示す斜視図である。図3は、排出装置110のフラッパ弁112が閉じている初期状態(止水状態)を示す側面図である。また、図4Aは、図2のA−A線断面図であり、図4Bは、図2のB−B線断面図である。以下、排出装置110の各構成について、図2〜4Bを参照して説明する。
排出管111は、円筒状に形成され、便鉢102の下端部の周縁に接続される。汚物及び使用後の溜水Wは、洗浄装置120から供給される洗浄水とともにこの排出管111を介して排出される。排出管111は、下方に延びて形成され、床FL内に形成されて汲み取り式の便槽に連通された排出路160に接続される。
フラッパ弁112は、便鉢102の排出口102dに配置され、排出口102dを開閉する。フラッパ弁112は、受け部112aと、基端部112bとを含んで構成される。
受け部112aは、円形皿状に形成される。受け部112aは、排出口102dの開口縁に当接することで、排出口102dを塞ぐ。なお、排出口102dの開口外縁にはゴム製のシール部材Sが全周に亘って設けられており、これにより、フラッパ弁112が閉弁状態のときに排出口102dからの溜水Wの漏れが防止される。
基端部112bは、受け部112aの後方側から延出して形成される。基端部112bには、後述する第1回動軸113が挿通されて固定される。
第1回動軸113は、略水平方向(便器100の左右方向)に延びて形成され、排出管111の後方側部分に軸支される。これにより、フラッパ弁112の基端部112bに挿通されて固定された第1回動軸113は、フラッパ弁112を略鉛直方向に回動させる。
なお、第1回動軸113は、便器100の左右方向の一方側に向けて、排出管111の後方側部分から突出しており、当該突出部分に後述するウェイト部114等が連結される。
ウェイト部114は、第1回動軸113に連結され、フラッパ弁112の自重により生じる開方向の回動モーメントよりも大きな閉方向の回動モーメントを付加する。ウェイト部114は、固定リンク部材114aと、ウェイト部材114bと、を備える。
固定リンク部材114aは、略四角柱状のリンク部材で構成される。固定リンク部材114aの一端側は、上述の第1回動軸113に連結されて固定される。具体的には固定リンク部材114aは、フラッパ弁112が閉じたときに、便器100の後方側に略水平方向に延びた状態で、第1回動軸113に連結されて固定される。
ウェイト部材114bは、便器100の左右方向に延びる円柱状の鉄製の錘で構成される。ウェイト部材114bは、固定リンク部材114aの他端側に、略鉛直方向に回動可能に軸支される。
ウェイト部材114bは、フラッパ弁112が閉じているときは、後述のロック機構180を構成する解除板182上に載置される。また、このウェイト部材114bは、フラッパ弁112が開いたときは、上方に回動して解除板182から離間する。
ここで、ウェイト部材114bの重量の設定方法について説明する。
図5は、ウェイト部材114bの重量の設定方法を説明するための図である。具体的には、図5は、便鉢102内に汚物や溜水Wが無い状態、即ちフラッパ弁112を開方向に回動する力(開方向の回動モーメント)としては自重による重力のみである状態におけるフラッパ弁112とウェイト部材114bを示す図である。
図5に示すように、フラッパ弁112を開方向に回動する力(開方向の回動モーメント)は、フラッパ弁112の自重Whと、第1回動軸113からフラッパ弁112の重心までの距離Rhとを乗じることで算出される。また、フラッパ弁112を閉方向に回動する力(閉方向の回動モーメント)は、ウェイト部材114bの自重Wwと、第1回動軸113からウェイト部材114bを回動可能に軸支する軸(心)までの距離Rwとを乗じることで算出される。
本実施形態では、閉方向の回動モーメントが開方向の回動モーメントよりも大きくなるように、ウェイト部材114bの重量Wwが設定される。即ち、ウェイト部材114bの重量Wwは、下記式(1)を満たすように設定される。これにより、フラッパ弁112が開いて便鉢102内の汚物や溜水Wが排出されると、フラッパ弁112は自動的に閉じられる。
[数1]

Wh×Rh<Ww×Rw ・・・(1)
図2及び3に戻って、付勢部115は、第1回動軸113を中心とした後述する力点部Fの回動円Cの接線L方向に付勢力が作用するように配置される(図3参照)。また、付勢部115は、力点部Fに連結されてフラッパ弁112を閉方向に付勢する。この付勢部115は、ばね115aと、連結部材115bと、を備える。
ばね115aは、所定長さのつる巻きばねで構成される。ばね115aは、その一端が、排出装置110の固定部110aに固定部材110bを介して連結され、その他端が、連結部材115bを介して後述する第2回動軸172に連結される。より詳しくは、ばね115aの両端は、フック状に形成されて、固定部材110b及び連結部材115bに係合されて連結されている。
図2及び図3に示すように、ばね115aは、一端側よりも他端側の方が上方に配置されており、便器100の後方側に向かうに従って上方に傾斜している。このばね115aは、所定の長さ引っ張られてばねの弾性力による付勢力が発生した状態で、連結部材115bを介して第2回動軸172に連結される。これにより、便鉢102内の溜水Wの量が所定量以上となるまでは、フラッパ弁112が開いてしまうのが回避される。
なお、連結部材115bは、第2回動軸172に回動可能に連結されている。
支持台116は、第1支持部116aと、第2支持部116bと、を備える。
第1支持部116aは、上方に延びる略四角柱状の支持部材で構成される。第1支持部116aの上部には、後述する第2回動軸172が回動可能に挿通されて軸支される挿通孔116cが形成される。
第2支持部116bは、第1支持部116aと同様に上方に延びる略四角柱状の支持部材で構成される。第2支持部116bの上部には、後述する第2回動軸172が回動可能に挿通されて軸支される挿通孔116dが形成される。
また、第2支持部116bの第1支持部116a側には、第1支持部116a側に突出する凸部116eが形成される。この凸部116eには、後述するロック機構180の爪部183が配置される。
連結機構170は、力点部Fと付勢部115とを連結する。また、連結機構170は、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときに、力点部Fと付勢部115との連結を解除する。この連結機構170は、第1歯車171と、第2回動軸172と、第2歯車173と、を備える。
第1歯車171は、上述の第1回動軸113の先端に連結される。より詳しくは、第1歯車171は、その軸心に第1回動軸113の先端が連結され、第1回動軸113とともに回動する。この第1歯車171は、周方向の一部にのみ、歯171aが形成される。具体的には、第1歯車171は、後述する第2歯車173に対向する下方側の一部にのみ、歯171aが形成される。ただし、これに限定されず、第1歯車と第2歯車のうち、少なくとも一方が周方向の位置にのみ歯が形成されていればよい。
また、図に示すように、第1歯車171は、後述する第2歯車173よりも大径としたが、これに限定されない。例えば、第1歯車を第2歯車よりも小径としてもよく、両歯車の径を同一としてもよい。
第1歯車171は、フラッパ弁112の開度が所定値未満のときには、後述する第2歯車173と互いの歯が噛み合っている。また、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときには、第2歯車173との互いの歯の噛み合いが解除される。
ここで、第1歯車171の歯171aが設けられた部分は、フラッパ弁112の回動に必要な力が付加される力点部Fを構成する。即ち、この力点部Fには、第2歯車173と第1歯車171を介して、付勢部115による付勢力が付加される。
第2回動軸172は、第1回動軸113の軸方向に沿って配置される。第2回動軸172は、支持台116の挿通孔116c,116dに挿通されて、付勢部115による付勢力や、第1歯車171から第2歯車173を介して伝達される力により略鉛直方向に回動可能に軸支される。図2に示すように、第2回動軸172は、挿通孔116cを挿通した一端側が上方に屈曲した後、水平方向に屈曲し、上述の連結部材115bを介してばね115aに連結されている。即ち、第2回動軸172の一端側は、クランクとして機能する。
第2回動軸172には、付勢力伝達部172aと、切欠部172bと、が設けられている。
付勢力伝達部172aは、第2回動軸172に伝達された付勢部115による付勢力を、後述の第2歯車173に伝達する機能を有する。図4Bに示すように、付勢力伝達部172aは、第2回動軸172の付勢部115側、即ち第2歯車173が配置されている部分に設けられる。付勢力伝達部172aは、第2回動軸172の周方向の一部が大径化されてその外周から径方向外方に突出する凸部により形成される。この付勢力伝達部172aは、軸方向に延設されている。
この付勢力伝達部172aについては、後段でさらに詳述する。
切欠部172bは、図4Aに示すように、第2回動軸172のフラッパ弁112側、即ち後述するロック機構180が配置されている部分に設けられる。切欠部172bは、第2回動軸172の周方向の一部が小径化されて径方向内方に凹んだ凹部により形成される。この切欠部172bは、断面視で中心角が略45度の大きさで形成され、軸方向に延設されている。
この切欠部172bについては、後段でさらに詳述する。
図2及び3に戻って、第2歯車173は、上述の第1歯車171と対向する位置で、第1歯車171の下方に配置される。第2歯車173は、第2回動軸172と同軸上に配置され、その内部に第2回動軸172が内挿される。第2歯車173は、後述するロック機構118よりも付勢部115側に配置される。この第2歯車173は、全周に亘って歯173aが形成されるが、これに限定されないのは上述した通りである。
また上述したように、第2歯車173は、フラッパ弁112の開度が所定値未満のときには、第1歯車171と互いの歯が噛み合っている。また、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときには、第1歯車171との互いの歯の噛み合いが解除される。
ここで、図6A〜6Cは、第2歯車173及び第2回動軸172の断面図である。より詳しくは、図6Aは、第2回動軸172の正転時(フラッパ弁112の閉方向の回動時)に付勢力が伝達されている状態を示す図であり、図6Bは、第2回動軸172の逆転時(フラッパ弁112の開方向の回動時)に付勢力が伝達されている状態を示す図であり、図6Cは、付勢力が伝達されていない状態を示す図である。
図6A〜6Cに示すように、第2歯車173には、第2回動軸172を同軸上に内挿可能な中空部173eが軸方向に延設されている。この中空部173eは、断面視で中心角が略270度の小径部173fと、中心角が略90度の大径部173gとの組み合わせにより形成される。中空部173eには、大径部173gに付勢力伝達部172aが配置されるようにして、第2回動軸172が内挿される。
また図6A〜6Cに示すように、第2歯車173には、付勢力受け部173b,173cと、逃がし部173dと、が設けられている。具体的には、大径部173gの周方向の両端部は、付勢力受け部173b,173cを構成する。また、大径部173gの周方向の両端部間は、逃がし部173dを構成する。
付勢力受け部173b,173cは、第2回動軸172に設けられた付勢力伝達部172aからの付勢力を受ける。また、逃がし部173dは、第2回動軸172に設けられた付勢力伝達部172aからの付勢力を受けずに逃がす。
即ち、図6Aに示すように、第2回動軸172が正転(フラッパ弁112の閉方向に回動)し、付勢力伝達部172aが付勢力受け部173bに当接すると、付勢力が第2歯車173に伝達される。
また、図6Bに示すように、第2回動軸172が逆転(フラッパ弁112の開方向に回動)し、付勢力伝達部172aが付勢力受け部173cに当接すると、付勢力が第2歯車173に伝達される。
これに対して、図6Cに示すように、付勢力伝達部172aが逃がし部173dに位置する場合には、第2回動軸172がいずれの方向に回動しても、付勢力が第2歯車173に伝達されることはない。
図2〜4Bに戻って、ロック機構180は、板ばね181と、解除板182と、爪部183と、を備える。ロック機構180は、上述の第2歯車173よりもフラッパ弁112側の第2回動軸172に設けられる。
このロック機構180は、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときにフラッパ弁112の閉方向に第2回動軸172が回動するのを規制する。また、このロック機構180は、フラッパ弁112の開度が所定値未満のときに第2回動軸172の回動規制を解除する。
板ばね181は、第2支持部116bの凸部116e上に軸方向に沿って延設される(図4A参照)。板ばね181の下部181aは、略鉛直方向に延びて形成される。また、板ばね181の上部181bは、第2回動軸172の外周形状に沿った形状を有し、その上端181cは外方に延びてフランジ状に形成される。
この板ばね181は、フラッパ弁112が閉じてウェイト部材114bが後述の解除板182上に載置されることで、外方に広がって撓む。また、この板ばね181は、フラッパ弁112が開いてウェイト部材114bが解除板182から離間することで、上記撓みが解消される。
解除板182は、便器100の後方側に延びる板状の部材で構成される。より詳しくは、解除板182は、段差を有して略水平方向に延設される。解除板182には、フラッパ弁112が閉じたときに上述のウェイト部材114bが載置される。
爪部183は、板ばね181の上端181cに、解除板182の一端が軸側に突出して連結されることで形成される。この爪部183は、第2回動軸172に設けられた切欠部172bの位置に対応して、軸方向に延設されている。
ここで、図7A〜7Cは、第2回動軸172のうち切欠部172b及びロック機構180が設けられている部分の斜視図である。より詳しくは、図7Aはその初期状態を示す図であり、図7Bはロック状態を示す図であり、図7Cはロックが解除された状態を示す図である。これら図7A〜7Cに示すように、第2回動軸172には、ロック機構180の位置に対応して上述の切欠部172bが設けられている。
先ず図7Aに示すように、フラッパ弁112が開き始める初期状態において、第2回動軸172の回動に伴い、ロック機構180の爪部183は、第2回動軸172の外周を摺動する。このとき、ウェイト部材114bは、解除板182上に載置されており、解除板182から離間していない。
次いで図7Bに示すように、第2回動軸172がさらに回動すると、ウェイト部材114bが解除板182から離間するため、爪部183が第2回動軸172の切欠部172bに引っ掛かって係合し、ロックされる。これにより、第2回動軸172が逆方向に回動(フラッパ弁112が閉方向に回動)して元の状態に戻るのが規制される。即ち、ばね115aは引っ張られて伸びた状態のまま保持される。
次いで図7Cに示すように、フラッパ弁112が閉じてウェイト部材114bが解除板182上に載置されると、板ばね181が外方に広がって撓む。これにより、第2回動軸172の切欠部172bに対する爪部183のロックが解除される。即ち、第2回動軸172の逆方向の回動規制が解除される。
図1に戻って、洗浄装置120は、洗浄タンク121と、洗浄水供給弁122と、洗浄水供給管123と、洗浄ワイヤ124と、洗浄操作レバー125と、を備える。
洗浄タンク121は、便器本体101の後方上面に設置される。洗浄タンク121は、便鉢102内を洗浄するとともに、用便後の汚物を排出するための洗浄水を貯留する。洗浄タンク121には、図示しない給水管が接続される。
洗浄水供給弁122は、洗浄タンク121内の下面に配置される。洗浄水供給弁122は、洗浄タンク121内の下面に形成された供給口を開閉する。
洗浄水供給管123は、洗浄水供給弁122により開閉される供給口と、便鉢102内のリム通水路102cを連通するように設けられる。洗浄水供給管123は、洗浄タンク121内の洗浄水を、リム通水路102cに向けて吐出する。
洗浄ワイヤ124は、洗浄水供給弁122と、後述する洗浄操作レバー125を連結する。これにより、洗浄水供給弁122は、洗浄操作レバー125の回動に連動して開閉する。
洗浄操作レバー125は、洗浄タンク121の側面に配置される。洗浄操作レバー125は、便器100の前後方向に回動可能となっている。洗浄操作レバー125は、上述の通り洗浄ワイヤ124により洗浄水供給弁122と連結される。これにより、洗浄操作レバー125を一方に回動させると、洗浄ワイヤ124が上方に引っ張られて洗浄水供給弁122が開くことで、洗浄タンク121内の洗浄水が洗浄水供給管123を介して便鉢102内のリム通水路102cに供給される。本実施形態の洗浄装置120は、例えば、1回の洗浄におよそ500cc以下(JISによる)の極少量の洗浄水を供給する。なお、このとき、後述するワイヤ117に連結された第2歯車173が回動してフラッパ弁112が開かないように、ワイヤ117が配設される。
洗浄操作レバー125は、ワイヤ117により第2歯車173に連結される。したがって、洗浄操作レバー125を他方に回動させることで、洗浄水の供給操作とともに、フラッパ弁112の開閉操作が可能となっている。
なお、ワイヤ117は、図示しない複数のガイドにより案内されている。これにより、ワイヤ117は、洗浄操作レバー125の他方への回動に連動して洗浄装置120側に引っ張られることで、第2歯車173を回動させる。
次に、本実施形態に係る便器装置1の動作について、図2、図4A及び4B、図8〜19Bを参照して説明する。
先ず、図2、4A及び4Bの初期状態(止水状態)では、便鉢102内の溜水Wの量が所定量未満であるため、フラッパ弁112は閉じたままであり、ウェイト部材114bは解除板182上に載置される。そのため図4Aに示すように、板ばね181が外方に撓み、爪部183は第2回動軸172の外周に当接していない。つまり第2回動軸172の回動はロックされていない。
また図4Bに示すように、力点部Fには、付勢部115からの付勢力が第2歯車173を介して作用し、フラッパ弁112は閉方向に付勢されている。
次いで、図8は、フラッパ弁112が開き始めて第2回動軸172の回動がロックされたときの回動ロック状態を示す斜視図である。また、図9Aは図8のA−A線断面図であり、図9Bは図8のB−B線断面図である。
便鉢102内の溜水Wの量が所定量に達すると、図8に示すように、フラッパ弁112が徐々に開き始める。そのため、図9Bに示すように互いに歯が噛み合った第1歯車171及び第2歯車173がそれぞれ回動する。このとき、図9Aに示すように、ウェイト部材114bが上方に回動し始めて解除板182から離間し始める。すると、板ばね181の撓みが解消され、爪部183が軸側に移動する結果、回動する第2回動軸172の切欠部172bに爪部183が係合してロックされる。これにより、第2回動軸172の逆方向への回動が規制され、付勢部115のばね115aは引っ張られた状態で保持される。
なお、フラッパ弁112の開度はまだ小さいため、供給される洗浄水の方が、排出される水よりも多量であるため、便鉢102内の溜水量は徐々に増加する。
次いで、図10は、フラッパ弁112がさらに開いて第1歯車171が第2歯車173から離脱した状態(歯車離脱状態)を示す斜視図である。また、図11Aは図10のA−A線断面図であり、図11Bは図10のB−B線断面図である。
図10に示すように、便鉢102内の溜水Wの量が所定量以上となってフラッパ弁112がさらに開くと、図11Bに示すように第1歯車171が第2歯車173から離脱する。即ち、互いの歯の噛み合いが解除される。すると、第1歯車171は付勢力から解放されるため、勢いよく第1回動軸113が回動し、図11Bに示すようにウェイト部材114bも勢いよく上方に回動する。なお、このとき、爪部183は切欠部172bに係合してロックされたままである。
次いで、図12は、フラッパ弁112の全開状態を示す斜視図である。また、図13Aは図12のA−A線断面図であり、図13Bは図12のB−B線断面図である。
図12に示すように、フラッパ弁112が全開状態のときは、排出される水の方が多いため、洗浄操作レバー125を一方に回動させることで便鉢内に流入する水よりも非常に多量となるため、便鉢102内の溜水量は一気に減少する。このとき、図13Bに示すように、第1歯車171は第2歯車173から離脱したままである。また、図13Aに示すように、爪部183は切欠部172bに係合してロックされたままである。
次いで、図14は、フラッパ弁112が閉じてきて第1歯車171が第2歯車173と噛み合う状態(歯車噛み合い状態)を示す斜視図である。また、図15Aは図14のA−A線断面図であり、図15Bは図14のB−B線断面図である。
図14に示すように、便鉢102内の汚物や溜水Wが全て排出されると、ウェイト部114の作用により、フラッパ弁112が閉方向に回動する。すると、図15Bに示すように、第1歯車171が第2歯車173と再び噛み合うとともに、ウェイト部材114bが解除板182上に近接する。このとき、図15Aに示すように、爪部183は切欠部172bに係合してロックされたままである。
次いで、図16は、フラッパ弁112がさらに閉じて第2回動軸172の回動ロックが解除された状態(ロック解除状態)を示す斜視図である。また、図17Aは図16のA−A線断面図であり、図17Bは図16のB−B線断面図である。
図16に示すように、フラッパ弁112がさらに閉じてほぼ全閉状態となると、図17Aに示すように、ウェイト部材114bが解除板182上に載置される。すると、板ばね181が外方に撓むことで、爪部183と切欠部172bの係合が解除されてロックが解除される。これにより、第2回動軸172の回動規制が解除される。なお、ロック解除は、フラッパ弁112を閉方向に付勢して止水するための付勢力が保持されているため、ウェイト部材114bの荷重が小さくてもよい。
本実施形態に係る便器装置1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る便器装置1では、フラッパ弁112を回動させる第1回動軸113の力点部Fにおいて、フラッパ弁112を閉方向に付勢する付勢部115を、第1回動軸113を中心とした回動円Cの接線L方向に付勢力が作用するように配置した。また、力点部Fと付勢部115とを連結する連結機構170を設け、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときに、力点部Fと付勢部115との連結を解除する構成とした。
これにより本実施形態によれば、フラッパ弁112を閉方向に付勢する付勢部115を備えるため、汚物や溜水Wの重量によってフラッパ弁112が意図せず回動して開いてしまうのが抑制される。
また、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときに力点部Fと付勢部115との連結を解除することで、付勢部115からの付勢力がフラッパ弁112に伝達しなくなるため、従来よりも小さい操作荷重で、フラッパ弁112を一気に開くことができる。従って、従来よりも小さい操作荷重で、便鉢102内の水が外部に溢れるのを確実に回避できる。
また、本実施形態によれば、洗浄動作のみの1アクションで上記効果が得られる。
また本実施形態では、フラッパ弁112の自重により生じる開方向の回動モーメントよりも大きな閉方向の回動モーメントを付加するウェイト部114を、第1回動軸113に設けた。
これにより、力点部Fと付勢部115との連結が解除されてフラッパ弁112に付勢力が付加されないときに、ウェイト部材114bの自重により生じる閉方向の回動モーメントによって、フラッパ弁112を閉じることができる。従って、本実施形態によれば、排水後にフラッパ弁112を確実に初期状態(止水状態)に戻すことができる。
また本実施形態では、連結機構170を、第1回動軸113とともに回動可能に設けられて周方向の一部にのみ歯が形成された第1歯車171と、第1回動軸113の軸方向に沿って配置されて付勢部115による付勢力により回動する第2回動軸172と、第2回動軸172とともに回動可能に設けられて全周に亘って歯が形成された第2歯車173を含んで構成した。
また、第1歯車171と第2歯車173を、互いに対向して配置し、フラッパ弁112の開度が所定値未満のときに互いの歯が噛み合い、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときに互いの歯の噛み合いが解除されるように構成した。
これにより、フラッパ弁112が一定角以上の開度になると、第1歯車171が第2歯車173歯車から離脱して付勢力が伝達されなくなることで、上記効果が確実に奏される。
また本実施形態では、フラッパ弁112の開度が所定値以上のときにフラッパ弁112の閉方向に第2回動軸172が回動するのを規制するロック機構180を、第2回動軸172に設けた。
これにより、フラッパ弁112が一定以上の開度になると第2回動軸の回動がロックされ、フラッパ弁112が開いた位置に相当する付勢部115のばね115aの付勢力が保持される。そのため、フラッパ弁112が再び一定以下の開度になり、第1歯車171が第2歯車173歯車に噛み合って連結する際に、フラッパ弁112を閉方向に付勢して止水するための付勢力が保持されているため、ウェイト部材114bの荷重を小さくできる。
また本実施形態では、フラッパ弁112の開度が所定値未満のときに第2回動軸172の回動規制を解除するように構成した。
これにより、フラッパ弁112が再び一定以下の開度になった際に、ロックが解除されて再びフラッパ弁112に閉方向の付勢力が伝達されるため、確実に止水できる。
また本実施形態では、付勢部115による付勢力を第2歯車173に伝達する付勢力伝達部172aを第2回動軸172に設けた。また、付勢力伝達部172aからの付勢力を受ける付勢力受け部173b,173cと、付勢力伝達部172aからの付勢力を受けずに逃がす逃がし部173dを第2歯車173に設けた。
これにより、第2回動軸172の回動がロックされた際に、第2回動軸172に設けた第2歯車173は付勢力を受けない状態で回動できる。即ち、付勢力を受けない状態で第2歯車173は回動できるため、ウェイト部材114bの荷重が小さくても第1歯車171と第2歯車173を確実に噛み合わせることができ、力点部Fと付勢部115とを確実に連結できる。
<汚物搬送システム>
[第2実施形態]
次に、本発明の汚物搬送システムについて説明する。
ここで、図18は、本発明の第2実施形態に係る汚物搬送システム4の構成を示す図である。図18に示すように、本実施形態の汚物搬送システム4は、少量の洗浄水で洗浄する簡易水洗便器が設定された集合住宅8に好ましく適用される。
汚物搬送システム4は、便器装置1Aと、立て管80と、高置上水槽81と、給水管82と、排出管41と、横管42と、セプティックタンク43と、搬送ポンプ44と、搬送管45と、分岐搬送管46と、を備える。
便器装置1Aは、上述の第1実施形態に係る便器装置1と比べて、洗浄装置120Aの洗浄タンク121の位置が便器100から離隔している以外は同様の構成である。
立て管80は、上下に1本延びて設けられる。立て管80には、複数の便器装置1Aの排出装置110に接続される複数の排出管41が接続される。即ち、立て管80は、複数の便器装置1Aから排出された汚物や洗浄水が流れ込む。
高置上水槽81は、集合住宅8の屋上等に配置される。高置上水槽81は、上下に延びる給水管82を介して、複数の便器装置1Aの洗浄装置120Aが備える洗浄タンク121に上水を供給する。
排出管41は、各便器装置1Aに対応して複数設けられる。複数の排出管41は、その上端が各便器装置1Aの排出装置110に接続され、比較的緩やかに下方に傾斜して、その下端が立て管80に接続される。
横管42は、立て管80の下端に接続され、比較的緩やかに下方に傾斜して、後述するセプティックタンク43に接続される。
セプティックタンク43は、排出管41、立て管80及び横管42を介して排出された汚物等を浄化する便槽である。セプティックタンク43は、一次処理槽431と、二次処理槽432とを含んで構成される。二次処理槽432には、浄化により得られた水分を搬送するための搬送ポンプ44が配置される。
搬送管45は、その下端が搬送ポンプ44に接続される。搬送管45は、上下に延びるとともに、各便器装置1Aに延びる複数の分岐搬送管46に分岐される。複数の分岐搬送管46は、それぞれ、排出管41の最上流部に接続される。これにより、搬送ポンプ44によって搬送管45及び分岐搬送管46を介して搬送された搬送水が、各排出管41の最上流部に供給される。
以上の構成を備える本実施形態に係る汚物搬送システム4の動作について説明する。
用便後、便器装置1Aから汚物等が排出されると、緩やかに傾斜した排出管41に、汚物が洗浄装置120Aから供給された洗浄水とともに流れ込む。このとき、便器装置1Aでは極少量(例えば、300cc)の洗浄水しか供給されないため、緩やかに傾斜した排出管41の途中で、汚物等が流れずに滞留する。
そこで、搬送ポンプ44を間欠的に一定時間作動(例えば、15分おきに10秒作動)させ、二次処理槽432中の水分を所定量、搬送管45及び分岐搬送管46を介して排出管41の最上流部に供給する。これにより、排出管41内における汚物の滞留を回避でき、汚物等を速やかにセプティックタンク43まで排出できる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、便器装置1Aの排出装置110(具体的には排出口102d)に接続される排出管41に、汚物を搬送するための搬送水を直接供給するように、汚物搬送システム4を構成した。
これにより本実施形態によれば、極少量の洗浄水しか使用しない簡易水洗便器装置としての便器装置1Aを備える汚物搬送システム4において、複数の排出管41の詰まりを確実に回避できる。
[第3実施形態]
図19は、本発明の第3実施形態に係る汚物搬送システム5の構成を示す図である。
本実施形態に係る汚物搬送システム5は、上述の第2実施形態と比べて、集合住宅9の造りの違いに起因して、排出管51の傾斜角度が急である。そのため、排出管51の最上流部に搬送水を搬送するための搬送管等は設けられていない点が相違する。
またその代わりに、一端が搬送ポンプ54に接続され、他端が横管52の最上流部に接続された搬送管55が設けられている点が相違する。その他の構成は第4実施形態と同様である。
本実施形態によれば、比較的傾斜が緩やかな横管52の最上流部に、汚物を搬送するための搬送水を直接供給することで、横管52の詰まりを確実に回避できる。
[第4実施形態]
図20は、本発明の第4実施形態に係る汚物搬送システム6の構成を示す図である。
本実施形態に係る汚物搬送システム6は、上述の第3実施形態と比べて、搬送ポンプ54及び搬送管55が設けられていない点が相違する。
またその代わりに、上流端が高置上水槽91に接続されるとともに、下流端が横管52に最上流部に接続された搬送管62と、この搬送管62の途中に設けられた開閉弁61とを備える点が相違する。その他の構成は第5実施形態と同様である。
本実施形態によれば、開閉弁61を間欠的に一定時間、開弁することで、高置上水槽91内の上水を、搬送管62を介して横管52に最上流部に直接供給できるため、横管52の詰まりを確実に回避できる。
[第5実施形態]
図21は、本発明の第7実施形態に係る汚物搬送システム7の構成を示す図である。
本実施形態に係る汚物搬送システム7は、上述の第4実施形態と比べて、集合住宅9の屋上等に配置された雨水受けパン71と、この雨水受けパン71により取得された雨水を高置上水槽91に供給する雨水供給管72とを備える点が相違する。その他の構成は第4実施形態と同様である。
本実施形態によれば、雨水受けパン71で取得した雨水を、雨水供給管72を介して高置上水槽91に供給することで、雨水を有効利用できる。
[第6実施形態]
図22は、本発明の第6実施形態に係る汚物搬送システム10の構成を示す図である。
本実施形態に係る汚物搬送システム10は、上述の第3実施形態と比べて、横管52に延出部52Xが設けられている点と、搬送ポンプ54及び搬送管55が設けられていない点が相違する。また、搬送水タンク21と、搬送管22と、搬送弁23と、搬送水供給口24と、を備える点が相違する。その他の構成は第3実施形態と同様である。
搬送水タンク21内には、所定量の搬送水が貯留される。
搬送管22は、上流側が搬送水タンク21に接続され、下流側が後述する搬送水供給口24に接続される。この搬送管22には、後述する搬送弁が開くことで、搬送水が流通する。
搬送弁23は、搬送管22の途中に設けられる。搬送弁23は、間欠的に一定時間、開弁するように設定される。この搬送弁23が開くことで、搬送水タンク21内の搬送水が横管52の最上流部に供給される。また、この搬送弁23が閉じることで、搬送水の供給が停止される。
搬送水供給口24は、横管52の最上流部に設けられる。搬送水供給口24は、無底円錐台形状を有し、下流側、即ち横管52側ほど小径となるように配置される。この搬送水供給口24には上述の搬送管22が接続され、この搬送水供給口24を介して、搬送水が横管52の最上流部に供給される。
本実施形態によれば、第5実施形態と同様の効果が奏される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、排出口102dを、便鉢102の下端部で鉛直下方に開口して形成したが、これに限定されない。例えば、上記実施形態のような床排水ではなく、壁排水を採用して、便器の後方に開口して排出口を形成してもよい。
上記実施形態では、第1歯車171の歯を周方向の一部にのみ形成し、第2歯車173の歯を全周に亘って形成したが、これに限定されない。第1歯車と前記第2歯車のうち、少なくとも一方が周方向の一部にのみ歯が形成されていればよい。
1,1A…便器装置
4,5,6,7,10…汚物搬送システム
21…搬送水タンク21(搬送水供給装置)
22,45,55,62…搬送管(搬送水供給装置)
23…搬送弁(搬送水供給装置)
24…搬送水供給口(搬送水供給装置)
41…排出管(排出路)
44,54…搬送ポンプ(搬送水供給装置)
52…横管(排出路)
61…開閉弁(搬送水供給装置)
71…雨水受けパン(搬送水供給装置)
72…雨水供給管(搬送水供給装置)
91…高置上水槽(搬送水供給装置)
100…便器
102…便鉢
102d…排出口
112…フラッパ弁
113…第1回動軸
114…ウェイト部
115…付勢部(付勢手段)
170…連結機構
171…第1歯車
172…第2回動軸
172a…付勢力伝達部
173…第2歯車
173b,173c…付勢力受け部
173d…逃がし部
180…ロック機構
C…回動円
F…力点部
L…接線

Claims (7)

  1. 排出口が形成された便鉢を有する便器を備える便器装置であって、
    前記排出口に配置され、前記排出口を開閉するフラッパ弁と、
    前記フラッパ弁を回動させる第1回動軸と、
    前記第1回動軸に連結され、前記フラッパ弁の回動に必要な力が付加される力点部と、
    前記力点部における前記第1回動軸を中心とした回動円の接線方向に付勢力が作用するように配置されるとともに前記力点部に連結され、前記フラッパ弁を閉方向に付勢する付勢手段と、
    前記力点部と前記付勢手段とを連結する連結機構と、を備え、
    前記連結機構は、前記フラッパ弁の開度が所定値以上のときに、前記力点部と前記付勢手段との連結を解除することを特徴とする便器装置。
  2. 前記第1回動軸に連結され、前記フラッパ弁の自重により生じる開方向の回動モーメントよりも大きな閉方向の回動モーメントを付加するウェイト部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の便器装置。
  3. 前記連結機構は、
    前記第1回動軸とともに回動可能に設けられた第1歯車と、
    前記第1回動軸の軸方向に沿って配置され、前記付勢手段による付勢力により回動する第2回動軸と、
    前記第2回動軸とともに回動可能に設けられ、前記第1歯車に対向して配置された第2歯車と、を備え、
    前記第1歯車と前記第2歯車は、少なくとも一方が周方向の一部にのみ歯が形成されることで、前記フラッパ弁の開度が前記所定値未満のときに互いの歯が噛み合い、前記フラッパ弁の開度が前記所定値以上のときに互いの歯の噛み合いが解除されることを特徴とする請求項1又は2に記載の便器装置。
  4. 前記第2回動軸に設けられ、前記フラッパ弁の開度が前記所定値以上のときに前記フラッパ弁の閉方向に前記第2回動軸が回動するのを規制するロック機構をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の便器装置。
  5. 前記ロック機構は、前記フラッパ弁の開度が前記所定値未満のときに前記第2回動軸の回動規制を解除することを特徴とする請求項4に記載の便器装置。
  6. 前記第2回動軸は、前記付勢手段による付勢力を前記第2歯車に伝達する付勢力伝達部を備え、
    前記第2歯車は、前記付勢力伝達部からの付勢力を受ける付勢力受け部と、前記付勢力伝達部からの付勢力を受けずに逃がす逃がし部と、を備えることを特徴とする請求項3から5いずれかに記載の便器装置。
  7. 請求項1から6いずれかに記載の便器装置と、
    前記排出口に連結されて汚物を排出する排出路と、を備える汚物搬送システムであって、
    前記排出路に、汚物を搬送するための搬送水を直接供給する搬送水供給装置を備えることを特徴とする汚物搬送システム。
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