JP2015223626A - NbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金とその製造方法、耐焼付性・耐摩耗性表面肉盛溶接層を備えた鋼材とその製造方法、並びに冷間工具 - Google Patents

NbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金とその製造方法、耐焼付性・耐摩耗性表面肉盛溶接層を備えた鋼材とその製造方法、並びに冷間工具 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性と耐焼付性の両方の性質を兼ね備えた冷間工具用素材がSKD11とWCしか存在しなかった現状に、WCよりも安価な中間価格帯の新たな合金と、斯かる合金を肉盛溶接層として具える鋼材とそれらの製造方法、並びにこれらの合金や鋼材から製造される冷間工具を提供する。
【解決手段】母材2となる金属材の表面にプラズマ粉体肉盛溶接法等の溶接技術により肉盛溶接層3を形成した鋼材1として、肉盛溶接層が、溶接の際に、オーステナイト系ステンレスに平均粒径が45μm未満のニオブ炭化物の細粒を少量分散させた混合物を適用することで、鋼材1の肉盛溶接層3に、オーステナイト系ステンレスが持っていない耐摩耗性と耐焼付性を付与した。また、オーステナイト系ステンレス中に平均粒径が45μm未満のニオブ炭化物の細粒を分散させた合金として、耐腐食性と耐焼付性を兼ね備えた新規な合金を得た。
【選択図】図1

Description

高い耐摩耗性と耐焼付性を有する新規合金と、この合金からなる肉盛溶接層を母材の表面に有し高い耐摩耗性と耐焼付性を具えた鋼材と、これらの合金と鋼材から製造される冷間工具に関するものである。
耐摩耗性と耐焼付性を有する金属の冷間加工用工具の材料としては、ダイス鋼であるSKD11や炭化タングステン(WC)等が知られている。SKD11は安価であり、炭素鋼等一般品に使われており、WCは高価であるので製品を選んで使われているのが一般的である。耐焼付性については、WCの方がSKD11よりも優れている。特にWCを用いた冷間加工工具は、長寿命で耐焼付にも優れているが、高価であるが故に使い方と対象品を慎重に選ぶ必要があり、また工具全体をWC製とする必要があるために、価格削減が困難である。
このような事情から、冷間加工工具の素材選択には、事実上、安価で耐焼付性が少し劣るSKD11か、高価なWCのどちらかを選ぶしかなく、選択肢が極めて狭かった。換言すると、安価で且つ高い耐摩耗性と耐焼付性を兼ね備えた冷間加工工具はこれまで存在していなかった。そこで、金属加工業界では、安価な、もしくは高価ではない中間価格帯の冷間加工工具の開発が望まれており、またそのような冷間加工工具や素材が開発されると、工具選択の選択肢が広がり、好ましい状況が生じるといえる。
合金の母材表面の硬度を向上させる手法の一つとして、硬質物質であるニオブ炭化物(NbC)を含む金属−炭化物複合皮膜を金属表面に溶接により形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1に開示された技術は、継目無管のプラグミル圧延に使用されるプラグとして、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、Ni基合金等の母材表面に、NbC粉末とステンレス鋼粉末からなるマトリックス金属の混合粉末をプラズマ粉体肉盛法によって金属−炭化物複合皮膜を形成するものである。一方、特許文献2に開示された技術は、熱間加工用工具及び継目無管鋼のプラグとして、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金等の母材表面に、NbC粉末とCo基合金又はNi基合金からなるマトリックス金属の混合粉末を、プラズマ粉体肉盛法等によって金属−炭化物複合皮膜を形成するものである。
特開平9−52105号公報 特開2007−160338号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された技術は、熱間工具に適用されるものであり、熱間での耐摩耗性評価と冷間での耐摩耗性評価は、使用環境、特に温度環境の相違から摩耗部分の様相と形態が全く異なるため、熱間工具に適用される条件を冷間工具に適用される条件に転用することはできない。その理由の一つとしては、特許文献1、2に記載の技術では、100μm程度の巨大なNbCの粒が用いられているが、NbCの硬度は極めて高く、このように巨大な硬質物質が表面に存在する工具を冷間で用いると、工具と接触する被加工材表面に擦過痕をつけてしまうのに対して、熱間では、被加工材が高温であり、加工後に表層部分は酸化物として落剥してしまうので、たとえ疵がついても実害が無い、ということが挙げられる。すなわち冷間では、被加工材はそのまま製品として出荷されるので、擦過痕が残存することは許されないという、熱間との顕著な相違がある。
さらに、特許文献1、2では、使用されるNbCの平均粒径が65〜135μm程度のものが好ましい、と開示されており、実施例では平均粒径が100μm(特許文献2、3)と120μm(特許文献2)のNbCを用いた実験例が開示されているが、この平均粒径は比較的大きいものであるとはいえ、この範囲よりも小さく市販もされていないNbC粉末を用いた場合の耐摩耗性についてはこれまで検討すらされてこなかった。その理由としては、比較的粒径の小さいNbCの粉末は、プラズマ粉体肉盛溶接することができないと当業者の間で言われてきており、それが当然のこととして信じられてきたことによるものと考えられる。
以上のような問題に鑑みて本発明は、比較的安価に入手できる冷間工具に適した斬新な合金及び鋼材として、オーステナイト系ステンレス中に比較的細かいNbC粉末を分散させた構成を有する合金とその製法、斯かる合金を表面肉盛層として備えた鋼材とその製法、耐焼付性と耐摩耗性の両方の性質を兼ね備えた冷間に適した斬新な鋼材と、斯かる鋼材の製造方法、並びにこれらの合金若しくは鋼材からなる有用な冷間工具の提供を主たる目的とするものである。
本発明の新規合金は、オーステナイト系ステンレス中に、平均粒径が45μm未満のニオブ炭化物の粉末を分散させてなることを特徴とするNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金である。
斯かる本発明は、細かい粒子のNbCを溶接することができないと考えられていたこれまでの常識を覆して、比較的安価に入手可能なオーステナイト系ステンレスに、硬質で耐摩耗効果があるNbCの細かい粉末を分散させることに初めて成功したものであり、耐摩耗性と耐焼付性の両方の特性を兼ね備えた新規な合金を創出したものである。このNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金は、これまでにSKD11かWCしか実質的に選択肢がなかった冷間工具の材料の分野において、SKD11やWCと同等かそれ以上の耐摩耗性と耐焼付性を有し、実質的にはSKD11とWCの中間価格帯で得られる有望な新規材料として極めて有用なものとなる。
ここで、オーステナイト系ステンレスは、鉄(Fe)を主体としてニッケル(Ni)やクロム(Cr)を比較的多く含有し、その他にマンガン(Mn)、モリブデン(Mo)を含有することがあるNi−Cr系ステンレス鋼の一種である。本発明における合金には、一般的なオーステナイト系ステンレスであればどのタイプのものも適用することができるが、粉末として添加することを考慮すると、オーステナイト系ステンレスの粉末の市販品として入手可能なSUS309やSUS316Lを適用することが好適である。
このような本発明のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金において、少量のニオブ炭化物粉末であっても十分な耐摩耗性と耐焼付性を有するものとするには、ニオブ炭化物の実質分散率を5%以上30%以下とすればよい。ニオブ炭化物の実質分散率は、摩耗した合金の断面内におけるニオブ炭化物の実面積率を算出することによって求めることができる。
このNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金は、オーステナイト系ステンレスの粉末と、粒径が45μm未満のNbCの粉末との混合物を原料として、鋳造又はプラズマ溶接により合金として製造することができる。鋳造の場合は、合金の原料となるオーステナイト系ステンレスを溶かした溶解炉にNbCの粉末を投入したものを型に流して鋳込む方法を採用することができる。プラズマ溶接による場合、高温を供給することができるプラズマ粉体溶接(Plasma Transferred Arc 溶接:以下、PTA溶接)法を用いて適宜の母材にオーステナイト系ステンレスとNbCの粉末の混合物を肉盛溶接し、その肉盛溶接層のみを抽出するという方法を採用することができる。
本発明のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金の製造にあたっては、オーステナイト系ステンレスとニオブ炭化物の粉末混合物中に占めるニオブ炭化物の粉末の重量比を、0%よりも多く60%以下とすることが望ましい。ニオブ炭化物の粉末は、重量比で0%を超える値とすることが前提(ニオブ炭化物の粉末をオーステナイト系ステンレス粉末に混合することが必須)であるが、重量比60%を超えた場合には、表面欠陥が生じた合金ができることから溶接不良が生じ易いといえ、本発明においては、ニオブ炭化物の粉末は、オーステナイト系ステンレスの粉末との混合物の0〜60重量%とすることが適切であるといえる。この範囲であれば、要求される耐摩耗性能や耐焼付性能、材料及び製造コストに応じてニオブ炭化物の粉末を適宜割合とすればよい。
このようにオーステナイト系ステンレスの粉末をマトリックスとして、45μm未満という細かいNbCの粉末を比較的少量だけ添加して溶接した場合、得られた合金中ではNbCの粉末の一部は、プラズマ溶接等の溶接時の熱によってNbCの表層部が(あるいは場合によっては芯部までが)融け、隣り合った同種のNbCの粒と結合して45μm以上の塊となるものも存在する可能性があるものの、大半のNbCの粉末は投入された際の大きさ(45μm)よりも小さい粒子として存在し、しかもニオブ(Nb)と炭素(C)とが分離せずNbCとして存在したままの状態であり、オーステナイト系ステンレス中にほぼ均一に分散しているため、合金全体として高い耐摩耗性と耐焼付性を獲得できることになるのである。
また、本発明に係る鋼材は、母材となる金属材の表面に、肉盛溶接層を形成した鋼材であって、この肉盛溶接層が、上述したNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金、すなわちオーステナイト系ステンレスに平均粒径が45μm未満のニオブ炭化物の粉末を分散させた合金からなるものであることを特徴としている。
本発明に係る鋼材は、比較的安価に入手できるオーステナイト系ステンレス中に小さいニオブ炭化物の粉末を分散させることによって、オーステナイト系ステンレスだけでは得られない耐摩耗性と耐焼付性とを兼ね備えた肉盛溶接層を母材の表面に有する鋼材である。特に、45μm未満という比較的小さいニオブ炭化物の粉末をオーステナイト系ステンレスに混在させた合金はこれまで存在せず、またこの合金を肉盛溶接層として有する鋼材としても従来にない全く新規なものであり、SKD11やWCと同等以上の耐摩耗性と耐焼付性を有し、しかもSKD11と同等かWCとの間の中間価格帯で得られる冷間加工工具用の鋼材として、極めて有用なものである。
斯かる鋼材においても、肉盛溶接層に占めるニオブ炭化物の実質分散率が5%以上30%以下であれば、少量のニオブ炭化物の添加で有効な耐摩耗性と耐焼付性を具えた肉盛溶接層を有する鋼材を得ることができる。
肉盛溶接層は、比較的厚い層を形成することができる上に、母材との剥離の問題も生じ難いといえる。このことと、一般的な腐食環境下での摩耗に対する肉盛溶接層の耐久性を考慮すると、肉盛溶接層の平均厚さを、2mm以上4mm以下とすれば十分である。一層盛りの肉盛溶接では、2mm程度の肉盛溶接層を形成するのが限界であるため、二層盛りの肉盛溶接層を形成する場合には、肉盛溶接層の総厚さの上限は4mmとなる。
一方、本発明の鋼材において母材となる金属材に適用される金属材は特に限定されるものではないが、炭素鋼の他に工具鋼やステンレス鋼なども使用可能であるが、安価であるという点で炭素鋼が適切である。
斯かる本発明の鋼材は、母材となる金属材の表面に、オーステナイト系ステンレスの粉末とニオブ炭化物の粉末との混合物をプラズマ粉体肉盛溶接法により溶接する溶接工程を経て製造することができる。
このようなPTA溶接法による鋼材の製造方法においては、オーステナイト系ステンレスの粉末との混合物に占めるニオブ炭化物の粉末の重量比を0%よりも多く60%以下とすることが望ましい。ニオブ炭化物の粉末は、溶接時に添加する粉末の混合物中に重量比で0%を超える値とすることが前提(ニオブ炭化物の粉末をオーステナイト系ステンレス粉末に混合することが必須)であるが、重量比60%を超えた場合には、開いた柘榴状の表面欠陥が生じて溶接不良が生じることから、60%を超えるニオブ炭化物の添加は不適切であるといえる。この範囲であれば、要求される耐摩耗性能と耐腐食性能に応じてニオブ炭化物の粉末を適宜割合とすればよい。
ただしこの他にも、本発明に係る上述した鋼材の製造方法においては、オーステナイト系ステンレスの種類、オーステナイト系ステンレスの粉末とニオブ炭化物の粉末の混合割合、ニオブ炭化物の粉末のサイズ、母材の種類等については、求められる耐摩耗性や耐焼付性の程度、耐久性、コスト等によって、上述した通り種々アレンジすることができる。
さらに、本発明に係る冷間工具は、上述のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金からなるもの、若しくは上述の鋼材により形成されて肉盛溶接層を摺動面として設定したものである。このような冷間工具は、例えば次のようにして作製することも可能である。先ず、NbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金の溶接棒を、鋳造等の方法で事前に製造しておく。その後、工具強度を保たせるために、炭素鋼等の安価な強度部材を用いて、これを工具形状に近い形に予め成形あるいは加工する。その上で、その表面の必要な場所に、事前に製造しておいた溶接棒を用いて肉盛溶接を行う。もちろん、この肉盛溶接を直接PTA肉盛溶接によって行っても何ら問題はない。肉盛溶接完了後は、溶接表面にある溶接起因の凹凸を切削などの加工によって除去し、所定の工具形状に仕上げる。以上のような工程で冷間工具を作製することも可能である。このような本発明の冷間工具では、摩擦面(摺動面)がオーステナイト系ステンレス中にニオブ炭化物の細かい粒を適度に分散させた状態にあることから、従来のニオブ炭化物の巨大な粒を用いた場合のように工具と接触する被加工材表面に擦過痕をつけてしまう虞がなく、製品となる被加工材の品質や価値を向上することができる。また、SKD11やWCと同等以上の耐摩耗性と耐焼付性を兼ね備え、耐久性があって比較的安価な冷間工具はこれまで他には存在していないことから、本発明は特に素材加工産業において全く新しく有用な冷間工具を提供することができるものである。
本発明は、オーステナイト系ステンレス中にニオブ炭化物の小さい粒子を分散させた合金、もしくはオーステナイト系ステンレスとニオブ炭化物の合金から構成された肉盛溶接層を母材の表面に形成したものであるため、ニオブ炭化物の分散による耐摩耗性と耐焼付性の両方の特質をオーステナイト系ステンレスに付与した全く新しい合金や鋼材を提供することができるものである。またそれにより、斯かる合金や鋼材から製造される有用な冷間工具であれば、SKD11やWCと同等以上の耐摩耗性と耐焼付性を発揮することができ、従来はSKD11とWC以外に連関加工工具の材質の選択肢なかったという状況を一変させ、このような状況で用いられる冷間工具として耐久性があり比較的安価なものを新たに供給することができるようになる。
本発明の一実施形態に係る鋼材及びその製造工程をPTA溶接装置と共に示す概観図。 同実施形態に係る鋼材と比較例の肉盛溶接層の組織の状態を示す光学顕微鏡写真。 同実施形態に係る鋼材と比較例の試験片の冷間焼付試験及び冷間摩耗試験の概要を示す図。 同実施形態に係る鋼材と比較例の冷間焼付試験及び冷間摩耗試験を行った試験片の様子を写真で示す図。 同冷間焼付試験の結果を示すグラフ。 同冷間摩耗試験の結果を示すグラフ。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る鋼材1は、図1に示すように、母材2と、この母材2の表面に形成された肉盛溶接層3とから構成されるものであり、同図の通り、プラズマ粉体肉盛溶接(Plasma Transferred Arc 溶接:以下、PTA溶接)法により製造されるものである。
図1は、本実施形態に適用されるPTA溶接装置4の要部の概観と、母材2への肉盛溶接層3の形成過程を示す模式的な縦断面図である。この溶接装置4は、主としてPTA装置(トーチのみを図示している)を備えた通常のものであるので、以下に簡単に説明する。トーチ4は、適宜の駆動手段(図示省略)により、例えば図中の左右方向に移動可能とされている。具体的にトーチ4は、内側から順にタングステン電極41、内壁42、中壁43、外壁44により構成されている。内壁42は水冷式ノズルとして機能している。タングステン電極41と内壁42とによりプラズマガス供給用ノズルを構成しており、図中上方から供給されるプラズマガスPGをトーチ4の先端部に向けて送出するようにしている。また、内壁42と中壁43とによりプラズマアーク収束及び粉体供給用ノズルを構成しており、図中上方から供給されるキャリアガスCGと、マトリックスとなるオーステナイト系ステンレスの粉末と、ニオブ炭化物(NbC)の粉末の混合物3aをトーチ4の先端部から放出するようにしている。さらに中壁43と外壁44とによりシールドガス供給用ノズルを構成しており、図中上方から供給されるシールドガスSGをトーチ4の先端部から噴射するようにしている。また、符号45及び46はそれぞれパイロットアーク電源、プラズマアーク電源を示している。パイロットアーク電源45は、タングステン電極41と母材2との間に電圧を発生させるためのものであり、プラズマアーク電源46は、発生した電圧を安定させるように制御するものである。プラズマガスPG、キャリアガスCG、シールドガスSGには、例えばアルゴン(Ar)ガスを適用することが好ましい。
本実施形態の鋼材1において、母材2には、機械構造用の炭素鋼・S50C(高低炭素鋼)を適用しているが、その他にも、S45C等強度部材として用いられる他の中炭素鋼、あるいは工具鋼やステンレス鋼等を母材2として適用することができる。
肉盛溶接層3のマトリックスとなるオーステナイト系ステンレスとしては、本実施形態ではステンレス・SUS309Lを適用している。その他、同じくオーステナイト系ステンレスであるSUS316Lなど、他のオーステナイト系ステンレスと総称される合金に含まれるものを利用することができる。PTA溶接法では、オーステナイト系ステンレスを粉末として供給しているため、市場において粉末として入手可能なオーステナイト系ステンレスは、SUS309LとSIS316Lだけであるので、本実施形態においてはこれらを使用することが好ましい。
肉盛溶接層3のSUS309Lに混合されるニオブ炭化物(NbC)は、粒径45μm未満の粉末(以下、このサイズの粉末を「細粒」という)を適用している。市販されているNbC粉末は、公称値では最小でも粒径150μmの粗大粒主体の粉末であるため、本実施形態では、市販の150μmまでのNbC粉末を目の粗さが45μmの篩にかけることにより細粒を得ている。本実施形態では、SUS309Lの粉末との混合物3aに占めるNbCの細粒の重量比を変化させて複数の試験片を作成している。具体的には、混合物3a中に20、40、60、80重量%でNbCの細粒を添加した4種類の肉盛溶接層3を備えた鋼材1の試験片を作成した。
また、NbCの細粒をSUS309Lに混合した肉盛溶接層3との比較のために、比較例として、細粒に代えて、粒径45μm以上75μm未満の粉末(以下、このサイズの粉末を「中粒」という)をSUS309Lに混合して肉盛溶接層を母材の表面に形成した試験片(NbCの中粒が混合物中に20、40、60、80重量%の4種類)と、粒径75μm以上150μm未満の粉末(以下、このサイズの粉末を「粗粒」という)をSUS309Lに混合して肉盛溶接層を母材の表面に形成した試験片(NbCの粗粒が混合物中に20、40重量%の2種類)も形成した。細粒の場合と同様に、市販の150μm程度のNbC粉末を目の粗さが75μmの篩にかけることにより中粒を得て、残ったものを粗粒として使用した。図2に、肉盛溶接時に添加する粉末の混合物3aにおいて、NbCの細粒を40%(a)、中粒を40%(b)、粗粒を40%(c)でそれぞれ混合して得られた肉盛溶接層の光学顕微鏡写真による肉盛溶接組織の写真を示す。各写真中、灰色部分がSUS309Lであり、SUS309L中に分散している歪な粒形状の塊がNbCの粒である。NbCの細粒を用いたPTA溶接後の肉盛溶接層3の平均粒径は、投入時の粒径よりも小さい45μm以下(同図(a))であり、NbCの中粒、粗粒をそれぞれ用いたPTA溶接後の肉盛溶接層3の平均粒径は、同じく投入時の粒径よりも小さい45μm以上75μm未満(同図(b))、75μm以上150μm未満(同図(c))である。SUS309L中のNbCの粒子のなかには近くのNbC粒子同士が大きく凝集しているものもあるが、大半は投入時の粒径よりも小さい粒となって存在している。同図(c)に示されるように、NbCの粗粒を用いた場合には溶接は可能であるが、NbCの粗粒が混合物中において60重量%以上となると、溶接されたNbCの粗粒に大きな軽石状態の穴の欠陥(写真中、黒い部分)が極めて多く観測されたため、NbCの粗粒が60%、80%は溶接不良発生率が高いと判断されたことにより、以下の焼付試験や摩耗試験を行わなかった。同図(a)(b)のNbCの細粒や中粒の写真でも黒い部分が見受けられるが、溶接組織全体でみると、溶接不良が高いといえるようなレベルではない。特に本実施形態の肉盛溶接層3では、NbCの細粒が溶接組織全体に亘ってほぼ均一に分散していることがわかる。なお、NbCの細粒が混合物3a中において40%の試料は、今回の下記の一連の実験がうまくいかなかったため、実験結果からは除外している。
本実施形態の鋼材1の冷間焼付試験、冷間摩耗試験のために、縦30mm、横10mm、高さ25mmの試験片A(1)を作成した(図3参照)。高さ方向のうち、下から22〜24mm(平均厚さ23mm)の領域は、炭素鋼・S50Cからなる母材Aa(2)であり、表面から1〜3mm(平均厚さ2mm)の領域は、SUS309Lの粉末とNbCを母材Aa(2)の表面に形成した肉盛溶接層Ab(3)である。このような鋼材1を、肉盛溶接層Ab(3)におけるNbCの細粒が20〜80重量%(20%刻み、但し上述した理由により40%は除く)である3種類について作成した。
また、比較例として、肉盛溶接層AbにおけるNbCの中粒が10〜50重量%(20%刻み)である4種類について試験片Aを作成し、さらにSUS309L単体、従来の冷間工具に一般的に用いられるSKD11単体とWC単体の試験片もそれぞれ作成した。
図3は、冷間焼付試験及び摩耗試験の概要図である。本実施形態の5種の鋼材1を含む試験片Aの肉盛溶接層Abを、直径125mmの摺動面が炭素鋼・S45C製であるディスク5に室温25℃(冷間)で押し付けた。ディスク5の回転速度は毎分30回転、押し付け荷重は350kPa、押し付けを焼付発生までの間継続した。この試験を行った試験片の写真を図4に示す。同図の写真は、実施例の鋼材1のうち、肉盛溶接層3(Ab)のNbCの細粒の投入率が60%の試験片A(同図(a))と、SKD11単体がからなる試験片A(同図(b))の試験後の状態を示したものである。
焼付試験では、上述した試験において、ディスク5と試験片A(鋼材1)の肉盛溶接層Ab(3)との間で焼付が発生し、ディスク5を回転させるトルクが急上昇するまでの摺動距離を測定した。焼付発生までの摺動距離は、試験開始から焼付発生までに要した時間を測定し、その時間とディスク5の回転速度とディスク5の半径r(図3参照)とから算出した。
各試験片Aについての冷間焼付試験の結果を図5にグラフとして示す。同図のグラフでは、横軸にNbCの投入率を示し、縦軸に焼付発生までの距離を示している。まず、比較例としていずれもNbCを含まないSUS309L単体(●)、SKD11単体(○)、WC単体(◎)の各試験片Aの焼付発生までの距離は、それぞれ約0m、約70m弱、約120mであった。SUS309Lは試験開始直後に焼付が生じたことから、想定していた通り、SUS309Lだけでは耐焼付性がほとんどないことが裏付けられた。また、SKD11よりもWCの方が耐焼付性が優れているという結果は、当業界で一般的に言われてきた通りの特性順である。NbCの粗粒を肉盛溶接層Abに有する試験片A(▲)は、SKD11よりも僅かに良好な耐焼付性を示したが、特段に良いという訳ではなく、溶接時の粉末混合物に対して60重量%の投入率では上述の通り溶接性が悪かったことから鑑みると、本発明の肉盛溶接層としては不適であると判断された。また、NbCの中粒を肉盛溶接層Abに有する試験片A(■)は、SKD11よりも耐焼付性が劣ったことから、これも耐焼付性を得るという目的には不適であると判断された。一方、NbCの細粒を肉盛溶接層3に有する本実施形態の鋼材1からなる試験片A(◆)では、80重量%のものはNbCの中粒と同様の結果となったが、20重量%ではWCと同程度、60重量%ではWCを遙かに超える優れた耐焼付性を示した。このことから、NbCの細粒をSUS309Lの粉体との混合物3aに対して60%以下という割合で添加して肉盛溶接層3を形成した場合に、本来は耐焼付性を有さないマトリックスであるSUS309Lに良好な耐焼付性を付与することができるということが初めて実証された。
次に、冷間摩耗試験では、図3に示した試験によって摩耗、焼付を生じた試験片A(図4参照)について、ディスク5と試験片Aとが摺動した際に、半径rのディスク5の回転数から得られるディスクの移動距離当たり(単位摺動長(mm単位)当たり)における摩耗痕幅がどれくらいであるかを測定、算出することによって、耐摩耗性を判断した。図6に示した冷間摩耗試験結果のグラフでは、この単位摺動長当たりの摩耗痕幅を縦軸として、NbCの実質分散率(NbC粒分散率)を横軸としている。NbCの実質分散率は、摩耗試験に供した試験片の摩耗断面内におけるNbCの実面積率(摩耗痕を横から観察した時に、摩耗箇所に当初試験前にあったNbCの面積を%で表す)を光学顕微鏡画像から算出している。ここで、耐摩耗性の指標をNbCの投入率ではなく、実質分散率(実面積率)とした理由は、PTA肉盛溶接技術の特性による。すなわち、PTA肉盛溶接に際しては、ノズルから鉛直方向下方に噴出するプラズマに粉体を乗せて溶接が行われるが、ノズルは水平面内で溶接方向に垂直な方向に揺動しながら溶接が進行する。ノズルが揺動する方向の位置を固定すると溶接方向のNbC実密度は安定しているが、左右の揺動方向に見ると端部と中央部では実密度が異なることになる。それは、端部ではノズルの往行程が一旦止まった後にノズルが複行程に入るために、単位面積当たりの投入NbC量に中央部とは差が出来るためである。そのため、慎重に実密度を測定すれば、同一の試験片であっても異なる実密度の部分での摺動試験が可能となる。上述した試験では、摩耗痕幅が大きくない場合がほとんど(耐摩耗性が良い)であったので、細かい差の理由を特定するために実面積率(実質分散率)を採用した。ただし、NbCの投入率で言えば、20%以上60%以下の試験片を用いている。
その結果、まず、比較例としていずれもNbCを含まないSKD11単体(○)、WC単体(◎)の単位摺動長当たりの摩耗痕幅は、それぞれ約10、約16.5(X10−5mm/mm)であった。NbCの粗粒を肉盛溶接層Abに有する試験片A(▲)では、NbC粒分散率が約10%と約30%の試料が得られ、それぞれ約7、約5(X10−5mm/mm)の結果となり、WCよりも良好な耐摩耗性が示された。また、NbCの中粒を肉盛溶接層Abに有する試験片A(■)では、NbC粒分散率が約5%、約25%、約45%の試料が得られ、それぞれ約10、約8、約11(X10−5mm/mm)の結果となり、WCと同等かそれ以上の良好な耐摩耗性が示された。一方、NbCの細粒を肉盛溶接層3に有する本実施形態の鋼材1からなる試験片A(◆)では、NbC粒分散率が約5%、約30%、約60%の試料が得られ、それぞれ約6、約7、約15(X10−5mm/mm)の結果となり、特に5%と30%のNbCではWCよりも優れた耐摩耗性が示され、60%のNbCではSKD11と同程度の耐摩耗性が示された。すなわち、冷間摩耗試験結果からみると、実質分散率が約60%以下のNbCの細粒、約45%以下のNbCの中粒、約30%以下のNbCの粗粒であれば、少なくともSKD11以上かWCと同程度、若しくはWCよりも優れた耐摩耗特性があることが初めて実証された。
以上の冷間焼付試験と冷間摩耗試験の結果を、溶接性も含めて総合的に勘案すると、母材1の表面に肉盛溶接層3を形成する場合、SUS309Lの粉末との混合物3aにおいてNbCの細粒(平均粒径45μm未満)を60%以下の割合で添加した肉盛溶接層3であれば、冷間での耐摩耗性と耐焼付性の両方を兼ね備えた鋼材1を得ることができる。特にNbCは、肉盛溶接層3における実質分散率を5%以上30%以下とした場合に、これまで最高の性質を備えているといわれてきたWCと同等以上の優れた冷間耐摩耗性能と冷間耐焼付性能が得られることが明らかとなった。すなわち、本実施形態の鋼材1における肉盛溶接層3は、SUS309L中に少量のNbCの細粒を分散させた場合に、全く新しいタイプの冷間における耐摩耗性と耐焼付性を有するNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金、換言すればNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス溶接被膜であるといえる。
したがって、本実施形態の鋼材1により冷間工具を製造すれば、摩擦面(摺動面)となる肉盛溶接層には少量のNbCの細粒をSUS309Lをはじめとするオーステナイト系ステンレス中に分散させればよいことから、これまで事実上SKD11とWCしか存在しなかった耐摩耗性と耐焼付性を兼ね備えた斬新且つ有用な冷間工具を、比較的安価で市場に提供することができる。冷間加工用工具に硬質物質を分散させると、被加工材の表面に疵をつけるとこれまで考えられており、そのような工具は作製されて来なかったという業界の事情があったが、本発明において、NbCの細粒をオーステナイト系ステンレスに投入し分散させると、当初想定した以上の効果が得られたことは、当該技術分野において画期的なことであるといえる。
なお本発明の構成は、上述した実施形態に限られるものではない。以上の実施形態では、SUS309L中にNbCの細粒を分散させた肉盛溶接層を母材の表面に形成した鋼材について説明したが、この肉盛溶接層と同様の構成からなるNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金とすることもできる。さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で鋼材における母材や肉盛溶接層若しくはNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス系合金のマトリックスであるオーステナイト系ステンレスの材料を変更したり、同合金や肉盛溶接層に添加されるNbCの粒径や投入率を変更することは、冷間工具として使用される環境や要求される仕様に応じて適宜変更することができる。その他、肉盛溶接層を含む鋼材や合金の製造方法、適用される冷間工具についても上記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、オーステナイト系ステンレス中にニオブ炭化物を分散させた合金や、この合金を肉盛溶接層として母材の表面に形成した鋼材により、耐摩耗性と耐焼付性とを兼ね備えた新たな合金及び鋼材とそれらの製法、並びに斯かる鋼材から製造される冷間工具を創出するものであり、金属材料分野やその用途としての素材加工産業などにおいて、極めて有益なものとなり得る。
1…鋼材
2…母材
3…肉盛溶接層

Claims (12)

  1. オーステナイト系ステンレス中に、平均粒径が45μm未満のニオブ炭化物の粉末を分散させてなることを特徴とするNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金。
  2. 前記ニオブ炭化物の実質分散率が5%以上30%以下である請求項2に記載のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金の製造方法であって、
    前記オーステナイト系ステンレスの粉末と、粒径が45μm未満の前記ニオブ炭化物の粉末との混合物を原料として、鋳造又はプラズマ溶接により合金を製造することを特徴とするNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金の製造方法。
  4. 前記混合物中の前記ニオブ炭化物の粉末の重量比を、0%よりも多く60%以下としている請求項3に記載のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金の製造方法。
  5. 母材となる金属材の表面に、肉盛溶接層を形成した鋼材であって、
    前記肉盛溶接層が、請求項1に記載のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス合金からなるものであることを特徴とする鋼材。
  6. 前記肉盛溶接層における前記ニオブ炭化物の実質分散率が5%以上30%以下である請求項5に記載の鋼材。
  7. 前記肉盛溶接層の平均厚さを、2mm以上4mm以下としている請求項5又は6の何れかに記載の鋼材。
  8. 前記母材となる金属材は、炭素鋼、ステンレス鋼、工具鋼から選択される何れか一種である請求項5乃至7の何れかに記載の鋼材。
  9. 請求項5乃至8の何れかに記載の鋼材の製造方法であって、
    前記母材となる金属材の表面に、前記オーステナイト系ステンレスの粉末と前記ニオブ炭化物の粉末との混合物をプラズマ粉体肉盛溶接法により溶接する溶接工程を含むことを特徴とする鋼材の製造方法。
  10. 当該溶接工程において、前記混合物中の前記ニオブ炭化物の粉末の重量比を、0%よりも多く60%以下としている請求項9に記載の鋼材の製造方法。
  11. 請求項1に記載のNbC分散強化型オーステナイト系ステンレス系合金により形成されたことを特徴とする冷間工具。
  12. 請求項5乃至8の何れかに記載の鋼材により形成され、前記肉盛溶接層を摺動面として設定したものであることを特徴とする冷間工具。
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