JP2015223372A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】可変始動口に遊技球が入球する頻度を高い状態から低い状態に戻すことを利用した新たな遊技性を備える遊技機を提供する。
【解決手段】始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される識別情報が特定態様で停止表示された場合に特定遊技を実行可能な遊技機であって、始動口として、第１態様と第１態様よりも遊技球の入球可能性が高い第２態様とに変化可能な可変始動口を有し、可変始動口を第２態様とするか否かの判定を行う判定手段と、判定の結果として第２態様とする旨の結果が得られる判定確率を、所定の確率または所定の確率よりも高い確率に設定する確率設定手段を備える。判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定された状態にて識別情報が特定態様で停止表示された後の判定の実行回数が所定回数になることに基づいて、判定確率が前記所定の確率に設定される。
【選択図】図３２

Description

本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機に対して適用することができる。

通常、弾球式の遊技機（パチンコ機）は、始動口と大入賞口等を備え、始動口に遊技球が入球することに基づいて特別図柄に関する当否判定を行い、特別図柄の変動表示を開始する。この特別図柄に関する当否判定の結果は、特別図柄の変動表示の結果（特別図柄の停止態様）で示され、この停止態様が当該当否判定の結果が当りであることを示す特定態様である場合に、大入賞口を開放状態に変化させる当り遊技を行う。また、この種の遊技機では、通常、始動口として遊技球の入球可能性が変化する可変始動口を備え、普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなると、当該可変始動口を遊技球の入球可能性が高い態様に変化させる。

ところで、この種の遊技機では、普通図柄に関する当否判定が当りとなる確率を、当り遊技の終了を契機に低確率から高確率に変動させることが行われている。これに対して、普通図柄に関する当否判定が当りとなる確率を高確率から低確率に変動させることを、特別図柄が当り態様で停止表示されることや、特別図柄の変動表示が所定回数実行されることに基づいて行っている（特許文献１を参照）。

特開２００８−３６１５４号公報

このように、従来の遊技機では、普通図柄の当否判定が当りとなる確率が高く、可変始動口に遊技球が入球する頻度が高い状態（以下、「高頻度状態」ともいう。）であるときに、特別図柄が特定態様で停止表示されること等に基づいて、普通図柄の当否判定が当りとなる確率を低くして、可変始動口に遊技球が入球する頻度を高い状態から低い状態に戻すことが行われている。ところが、可変始動口に遊技球が入球する頻度を高い状態から低い状態に戻すということに着目した遊技性を備える遊技機は、未だ提案されていないのが実状である。

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、可変始動口に遊技球が入球する頻度を高い状態から低い状態に戻すことを利用した新たな遊技性を備える遊技機を提供することである。

本発明の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づき変動表示される識別情報が特定態様で停止表示された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技を実行可能な遊技機であって、
前記始動口として、第１態様と該第１態様よりも遊技球の入球可能性が高い第２態様とに変化可能な可変始動口を有し、
前記可変始動口を前記第２態様とするか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定の結果として前記第２態様とする旨の結果が得られる判定確率を、所定の確率または前記所定の確率よりも高い確率に設定する確率設定手段と、
を備え、
前記判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定された状態にて前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記判定の実行回数が所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
ことを特徴とする。

本発明によると、判定手段の判定結果として可変始動口を第２態様とする旨の結果が得られる判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定されているときに識別情報が特定態様で停止表示された後、判定手段による判定の実行回数が所定回数になることに基づいて、判定確率が所定の確率に設定される。このため、判定確率の高い状態で識別情報が特定態様で停止表示された後の所定期間においても、可変始動口が第２態様となる頻度が高められ、可変始動口に遊技球が入球する頻度が高い状態（高頻度状態）に維持される。よって、判定確率の高い状態で識別情報が特定態様で停止表示された後、判定手段による判定の実行回数が所定回数になるまでの間に、可能な限り多くの遊技球を可変始動口に入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、識別情報の変動条件成立など）を得るという、新たな遊技を実現できる。

また、本発明では、
前記特定遊技が開始されてからの前記判定の実行回数が前記所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
こととしてもよい。

この場合、判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定されているときに識別情報が特定態様で停止表示された後、特定遊技が開始された後の判定手段による判定の実行回数が所定回数になるまでは、判定確率が当該高い確率に維持される。このため、特定遊技を実行しつつ、可能な限り多くの遊技球を可変始動口に入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、識別情報の変動条件成立など）を得ることができる。

更に、本発明では、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示された後、所定の開始条件の成立に基づき前記特定遊技が開始されるもので、
前記開始条件が成立してからの前記判定の実行回数が前記所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
こととしてもよい。

この場合、判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定されているときに識別情報が特定態様で停止表示されても、当該判定確率が所定の確率よりも高い確率に維持される。そして、開始条件が成立することで特定遊技を開始し、当該特定遊技開始後の判定手段による判定の実行回数が所定回数になることに基づいて、漸く判定確率が所定の確率に設定される。このように、判定確率が所定の確率に設定されるためには、開始条件が成立して特定遊技を開始することと、特定遊技開始後の判定手段による判定の実行回数が所定回数となることが必要となるため、判定確率が高い確率に維持される期間が、識別情報が特定態様で停止表示されてから開始条件が成立するまでの期間分、更に長くなる。よって、判定確率の高い状態で識別情報が特定態様で停止表示された後において、高頻度状態を長く継続することができ、可能な限り多くの遊技球を可変始動口に入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、識別情報の変動条件成立など）を得ることが更に容易である。

更に、本発明では、
前記所定回数は、予め定められた複数の回数の中から選択される一の回数に設定される
こととしてもよい。

この場合、判定確率の高い状態で識別情報が特定態様で停止表示された後の高頻度状態が維持される期間（所定回数）に「バラツキ」を生じさせることができるため、更に多様な遊技性を得ることができる。

更に、本発明では、
前記特定態様が複数設けられ、
前記判定確率が前記所定の確率よりも高い確率に設定された状態にて前記識別情報が特定態様で停止表示された場合、当該停止表示された前記特定態様の種類に基づいて前記所定回数が設定される
こととしてもよい。

この場合、可変始動口への遊技球の入球頻度が高い状態に維持される期間（所定回数）が、当該停止表示された特定態様の種類に基づいて設定されるため、更に多様な遊技性を得ることができる。

なお、本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方（つまり、遊技者に近接する方向）」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方（つまり、遊技者から離間する方向）を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。

更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材（以下、「扉型部材」という。）」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。

以上記述したように本発明によると、可変始動口に遊技球が入球する頻度を高い状態から低い状態に戻すことを利用した新たな遊技性を備えた遊技機を得ることができる。

本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。 遊技盤を示す正面図である。 （ａ）は演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図であり、（ｂ）は特別図柄表示部で実行される変動表示の態様を示す説明図であり、（ｃ）は情報表示装置を示す説明図である。 （ａ）および（ｂ）は振分装置および開始ゲートを示す説明図である。 電子制御装置を示すブロック図である。 普通図柄変動遊技を説明するための説明図である。 特別図柄変動遊技および大当り遊技を説明するための説明図である。 特図１大当り抽選（第１当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 特図２大当り抽選（第２当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 遊技機の特徴を説明するための説明図である。 遊技制御処理を示すフロー図である。 普通図柄遊技処理を示すフロー図である。 普通図柄遊技処理を示すフロー図である。 普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 役物連続作動装置作動処理を示すフロー図である。 （ａ）は第１抽選パターンテーブルを示す説明図であり、（ｂ）は第２抽選パターンテーブルを示す説明図であり、（ｃ）は第３抽選パターンテーブルを示す説明図である。 （ａ）は振分動作開始処理を示すフロー図であり、（ｂ）は振分動作停止処理を示すフロー図である。 大当り遊技処理を示すフロー図である。 大当り遊技終了時処理を示すフロー図である。 遊技盤を示す正面図である。 特別図柄変動遊技および大当り遊技を説明するための説明図である。 特図１大当り抽選（第１当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 特図２大当り抽選（第２当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 役物連続作動装置作動処理を示すフロー図である。 特別図柄変動遊技および大当り遊技を説明するための説明図である。 特図１大当り抽選（第１当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 特図２大当り抽選（第２当否判定）で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。 遊技機の特徴を説明するための説明図である。 遊技制御処理を示すフロー図である。 （ａ）は普図時短終了処理を説明するためのフロー図であり、（ｂ）は変形例４を示す説明図である。 役物連続作動装置作動処理を示すフロー図である。 （ａ）は特図１大当り抽選（第１当否判定）で使用するデータテーブルの一部を示す説明図であり、（ｂ）は特図２大当り抽選（第２当否判定）で使用するデータテーブルの一部を示す説明図である。 （ａ）は役物連続作動装置作動処理の一部を示す説明図であり、（ｂ）は変形例３を示す説明図である。 遊技盤を示す正面図である。 特別図柄変動遊技および大当り遊技を説明するための説明図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 遊技盤を示す正面図である。 特別図柄変動遊技および大当り遊技を説明するための説明図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 役物連続作動装置作動処理を示すフロー図である。 （ａ）は変形例６を説明するための説明図であり、（ｂ）は変形例７を説明するための説明図であり、（ｃ）は変形例９を説明するための説明図である。 変形例８の役物連続作動装置作動処理を示すフロー図である。

以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機（パチンコ機）１に適用した各具体例について説明する。

（１）機械的な構造
ａ．遊技機の全体構造
先ず、この遊技機１の全体構造について、図１を参照して説明する。この遊技機１は外枠２と、外枠２に装着された遊技機本体Ｈとを備える。この遊技機本体Ｈは、外枠２の左端側上下のヒンジＨ１、Ｈ２を用いて、外枠２の左端側に回動自在に組み付けてられている。また、遊技機本体Ｈは、遊技機１のうち外枠２を除く部分であって、本体枠３と、前面枠４と、前面枠４に一体化された皿部材５Ａと、遊技盤１０（図２を参照）と、裏機構盤１０２等を主要部としている。

本体枠３は遊技盤１０を保持可能な枠状体によって構成され、外枠２に嵌めこまれ、外枠２に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠３が遊技盤１０（図２を参照）を保持したとき、「遊技盤１０の盤面（表面）に構成される遊技領域１１」が、本体枠３の前方から視認可能とされる。

前面枠４は、本体枠３の前面側に配置され、本体枠３の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠４は、前後に貫通する視認窓４１ａを具備する枠本体４１と、視認窓４１ａに填め込まれたガラス板４３とを備える。そして、遊技盤１０に形成された遊技領域１１が前面枠４を閉じたときにその背後に位置するため、遊技領域１１は視認窓４１ａを介して前面枠４の前方から視認可能とされる。また、「上皿部材５および下皿部材６を一体化した皿部材５Ａ」は前面枠４に一体化され、本体枠３に対して前面枠４と一体で開閉可能とされている。

本遊技機１では、前面部の上方側および下方側の左右にスピーカＳＰ１〜ＳＰ４を内蔵し、これらのスピーカＳＰ１〜ＳＰ４を用いて遊技状態に応じた効果音や、その他の音（音声）を発生させる。また、前面枠４の前面部において、上皿部材５の配置位置を構成する箇所には、遊技機１から排出される遊技球を受け入れるための受入口５ｂを備える。更に、上皿部材５の裏側には、球貸表示基板４１０（図５を参照）および演出ボタン基板２２８（図５を参照）が設けられ、上皿部材５の上面部には「演出ボタンＳＷ」が配置されている。

上皿部材５の下方の部位には下皿部材６が設けられ、この下皿部材６の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材５から排出される遊技球を受け入れるための受入口６ａを備えている。また、下皿部材６の右端側には発射ハンドル９が設けられている。そして、本体枠３の前面部裏側であって、遊技盤１０よりも下方の左端側に位置する部位には、発射ハンドル９が接続された発射装置ユニット９０（図２を参照）が配設されている。なお、発射ハンドル９には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ（タッチセンサ）９ａが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ９ｂが装着されている。

ｂ．遊技盤１０の構成
次に、遊技盤１０の構成について図２を用いて説明する。この遊技盤１０は、正面視で略矩形状の樹脂製（アクリル製）の透明板若しくは合板を用いて構成される遊技盤本体１０Ａを備え、遊技盤本体１０Ａの前面部には樹脂製若しくは金属性の帯状体で構成される外側レール１２及び内側レール１３が配設されている。また、遊技盤本体１０Ａの前面部のうち、外側レール１２および内側レール１３が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位によって遊技領域１１が構成されている。

遊技盤本体１０Ａの前面部であって遊技領域１１内の部位には、中央装置２０と、第１始動口１７ａと、第２始動口１７ｂと、大入賞口３１ａと、一般入賞口４５、４６、４７と、普通図柄作動ゲート１６と、振分装置７０と、第１開始ゲート８０と、第２開始ゲート８１と、風車１９等が設けられ、遊技領域１１外の部位には情報表示装置６０が設けられている。なお、大入賞口３１ａは大入賞装置３１の入口部分によって構成される。

図２に示すように、内側レール１３は略Ｕ字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤１０の左上部に配設され、その左側方に位置する「外側レール１２の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口１１Ｓを形成している。また、外側レール１２の左端部は、発射装置ユニット９０の球出口９６ｊの斜め左上に近接配置されている。そして、発射装置ユニット９０から発射され、外側レール１２の内側を転動しつつ上昇する遊技球（符号Ｙを参照）は球進入口１１Ｓを通じて遊技領域１１に放出される。

中央装置２０は、枠部材２１と演出表示装置２７とを備えている。このうち、枠部材２１は、演出表示装置２７の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。また、演出表示装置２７は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置６０における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、演出表示装置２７の表示画面２７ａは、図３（ａ）に示すように、その略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄（背景図柄）や背景色（青、赤等の画面の地色）等を表示可能である。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で３つ（３桁）の演出図柄を表示する演出図柄表示領域２７ｂが、表示画面２７ａ上に設けられる。

図３（ａ）に示すように、表示画面２７ａの縁部側には第１保留表示領域２７Ｄと、第２保留表示領域２７Ｅが設けられる。このうち、第１保留表示領域２７Ｄでは、第１始動口１７ａへの入球に基づいて生ずる「第１特別図柄」に関する保留数（以下、「第１保留数」という。）が、「４個」を上限個数として表示され、第２保留表示領域２７Ｅでは、第２始動口１７ｂへの入球に基づいて生ずる「第２特別図柄」に関する保留数（以下、「第２保留数」という。）が「４個」を上限個数として表示される。

そして、何れの保留表示領域２７Ｄ、２７Ｅも、始動口１７ａ、１７ｂへの入球に基づき取得されたが、未消化（処理条件が未成立）の取得情報（判定用乱数値）の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の取得情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示される。なお、以下の説明において、第１始動口１７ａに遊技球が入球することを「第１始動入賞」と称し、第２始動口１７ｂに遊技球が入球することを「第２始動入賞」と称することがある。また、第２始動口１７ｂは「可変始動口」の具体例を構成する。

第１始動口１７ａは非可変式の始動口であり、大きさが不変の開口部（遊技球受入口）を上方に開口させている。また、第１始動口１７ａの開口部の大きさは、１球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。そして、第１始動口１７ａに入球した遊技球は、遊技盤本体１０Ａの後面に装着された通路部材（図示を省略）の第１始動口通路に流入し、この第１始動口通路に配置された第１始動口入球検知スイッチ１７ｓ（図５参照）によって検知される。

第２始動口１７ｂは枠部材２１の右側縁部２１ａに設けられ、遊技領域１１のうち中央装置２０よりも左側の領域（以下、左打ち領域という。）１１Ｌを流下する遊技球が入球可能となっている。この第２始動口１７ｂには、普通電動役物１７ｄが設けられ、この普通電動役物１７ｄは第２始動口１７ｂの開閉を行う開閉部材１７ｅと、この開閉部材１７ｅを作動させるための普通電動役物ソレノイド１７ｃ（図５参照）を備える。また、開閉部材１７ｅは略羽根形状に構成され、下端部の傾動軸１７ｐを基準に傾動可能とされている。この傾動軸１７ｐの軸心は前後方向に向けられているため、開閉部材１７ｅは遊技盤１０の前面部に略平行な面に沿って傾動可能である。更に、右側縁部２１ａの内部には、第２始動口１７ｂに入球した遊技球を検知するための第２始動口入球検知スイッチ１７ｔが配置されている（図５参照）。

普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行わないと、開閉部材１７ｅが立設状態とされ、第２始動口１７ｂを閉鎖し、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球は不可能となる（第１態様、図２の破線を参照）。一方、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行うと、開閉部材１７ｅは傾動軸１７ｐを基準に左方向に傾動し、第２始動口１７ｂを開放するため、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球が可能となる（第２態様、図２の実線を参照）。ここで、本遊技機１では、第２始動口１７ｂが第２の態様（開放状態）となる時間（開放時間）を通常よりも長くする開放延長機能（開放延長手段）を備えている。そして、開放延長機能が未作動であるとき、第２始動口１７ｂの開放時間は所定時間（０．２秒）とされ、開放延長機能が作動すると、第２始動口１７ｂの開放時間が所定時間よりも長い時間に延長される。

第１始動口１７ａの右斜め下方には大入賞装置３１が配置されている。この大入賞装置３１は、遊技盤１０の前面部で開口する大入賞口３１ａと、この大入賞口３１ａを開放・閉鎖するための開閉板３１ｂと、この開閉板３１ｂを駆動するための大入賞口ソレノイド３１ｃ（図５参照）と、大入賞装置３１に入球した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ３１ｓ（図５参照）とを備えている。この大入賞装置３１は、開閉板３１ｂが起立姿勢となると、この開閉板３１ｂが大入賞口３１ａを閉鎖するため、大入賞口３１ａへの遊技球の入球が不可能（入球不能状態）となる。一方、開閉板３１ｂが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口３１ａが開放されるため、大入賞口３１ａへの遊技球の入球が可能（入球可能状態）となる。

遊技領域１１において第１始動口１７ａの左側方には、一般入賞口４５、４６、４７が設けられている。そして、何れの一般入賞口４５、４６、４７に入球した遊技球も、遊技盤１０の後面に装着された一般入賞口用の通路部材（図示を省略）に流入し、当該通路部材に設けられた一般入球検知スイッチ４５ｓ（図５参照）で検知される。また、中央装置２０の左側方には普通図柄作動ゲート１６が設けられている。この普通図柄作動ゲート１６は、遊技盤１０の前面部から突出する状態に配置され、通過検知スイッチ１６ｓ（図５を参照）を備え、普通図柄作動ゲート１６を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。

遊技領域１１のうち中央装置２０の右側方の部位（以下、右打ち領域という。）１１Ｒには、振分装置７０と、第１開始ゲート８０と、第２開始ゲート８１が設けられている。このうち、振分装置７０は上方から受け入れた遊技球を、第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１に誘導するものであり、上端で入球口７１を開口させている。また、図４（ａ）および（ｂ）に示すように、振分装置７０の内部であって上端側の部位には、入球口７１に入球した遊技球を下方に流下させる誘導路７２を備え、内部であって下端側の左端側には第１開始ゲート誘導路７３を備え、内部であって下端側の右端側には第２開始ゲート誘導路７４を備える。また、振分装置７０の内部であって上下方向に沿った中間部には振分手段７５を備える。

この振分手段７５は、略円柱状の本体部７５ａと、本体部７５ａの外周部から本体部７５ａの半径外側に突出する振分突起７５ｂとを備える。また、本体部７５ａの軸心位置が、遊技盤１０と略直交する方向に突出する回転軸７５ｃによって回転可能な状態に支持され、振分手段７５には所定の伝達機構を介して振分ソレノイド７７ｃ（図５を参照）の駆動力が伝達される。そして、振分ソレノイド７７ｃが消磁されていると、図４（ａ）に示すように振分突起７５ｂが右上がり傾斜した状態となり、誘導路７２を下方に通過した遊技球が第１開始ゲート誘導路７３に進入可能で、第２開始ゲート誘導路７４に進入不可能な状態（以下、第１誘導状態という。）となる。また、この第１誘導状態のとき、振分ソレノイド７７ｃを励磁すると、図４（ｂ）に示すように振分手段７５が正面視で右方向に僅かに回転し、振分突起７５ｂが左上がり傾斜した状態となり、誘導路７２を下方に通過した遊技球が第２開始ゲート誘導路７４に進入可能で、第１開始ゲート誘導路７３に進入不可能な状態（以下、第２誘導状態という。）となる。

主制御部２００Ａが振分ソレノイド７７ｃへの励磁と消磁とを交互に行うと、図４（ａ）に示す第１誘導状態と、図４（ｂ）に示す第２誘導状態とが交互に繰り返される（以下、振分動作と称することがある）。そして、第１開始ゲート誘導路７３の直下には第１開始ゲート８０が配設され、第２開始ゲート誘導路７４の直下には第２開始ゲート８１が配設されているため、振分手段７５によって第１開始ゲート誘導路７３に振り分けられた遊技球は、第１開始ゲート８０を通過し、第２開始ゲート８１に振り分けられた遊技球は、第２開始ゲート８１を通過する。なお、振分装置７０の前面部は透明な板状体が装着されているため、遊技者は振分手段７５が行う振分動作や、遊技球の移動態様を視認することができる。

第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１は、前述の普通図柄作動ゲート１６と同様に遊技盤１０の前面部から突出する状態に配置されている。また、第１開始ゲート８０は第１開始ゲートスイッチ８０ｓ（図５を参照）を備え、第２開始ゲート８１は第２開始ゲートスイッチ８１ｓ（図５を参照）を備え、何れも上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。ここで、第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１は開始領域の具体例を構成し、第１開始ゲートスイッチ８０ｓおよび第２開始ゲートスイッチ８１ｓは検知手段の具体例を構成する。

図２に示すように情報表示装置６０は、遊技盤１０の表面部であって、遊技領域１１の外側（遊技盤１０の表面外縁）に該当する外縁部１０Ｂのうち左下部位（左下外縁部）に配置されている。この外縁部１０Ｂの左下部位は視認窓４１ａの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、情報表示装置６０は前面枠４の前方からガラス板４３を通じて視認可能とされている（図１を参照）。この情報表示装置６０は、図３（ｃ）に示すように基板６０Ａを備え、この基板６０Ａに対して、第１特別図柄表示部６２ａと、第２特別図柄表示部６２ｂと、普通図柄表示部６３と、第１特別図柄保留表示部６４ａと、第２特別図柄保留表示部６４ｂと、普通図柄保留表示部６５等が設けられている。

第１特別図柄表示部６２ａ、第２特別図柄表示部６２ｂおよび普通図柄表示部６３は、何れも「７セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第１特別図柄表示部６２ａでは、「第１始動入賞」に基づいて第１特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第１特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間（例えば０．６秒）表示される。また、第２特別図柄表示部６２ｂでは「第２始動入賞」に基づいて第２特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第２特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間（例えば０．６秒）表示される。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」である場合には、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に外れ図柄が表示され、特別図柄に関する当否判定の結果が「大当り」である場合には、大当り図柄が表示される。

普通図柄表示部６３も、図３（ｃ）に示すように「７セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部６３において「０」〜「９」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「０」〜「９」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果（普通図柄に関する当否判定の結果）が一定時間（例えば、０．５秒）表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。

第１特別図柄保留表示部６４ａ、第２特別図柄保留表示部６４ｂおよび普通図柄保留表示部６５は何れも２個のＬＥＤを備え、対応する図柄（第１特別図柄、第２特別図柄、普通図柄）に関する保留数をＬＥＤの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のＬＥＤは「ゼロ」を表示し、点灯状態のＬＥＤは「１」を表示し、点滅状態のＬＥＤは「２」を表示することとすれば、２個のＬＥＤを用いて「ゼロ」〜「４」の整数を表示できる。

更に、多数の障害釘（図示を省略）は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域１１にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤１０の下方にはアウト口１８が設けられている。

（２）制御回路の構成
次に、図５を用いて本実施例の遊技機１の制御回路の構成について説明する。本遊技機１の制御回路は、主制御基板２００を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部２００Ａと、複数の副制御部（２２０Ａ、２２２Ａ、２４０Ａ、２６０Ａ）とを含んで構成されている。そして、副制御部としては、（ａ）サブ制御基板２２０を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部２２０Ａと、（ｂ）演出表示制御基板２２２を用いて構成され、演出表示装置２７の制御を司る演出表示制御部２２２Ａと、（ｃ）払出制御基板２４０を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部２４０Ａと、（ｄ）発射制御基板２６０を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部２６０Ａを備える。なお、本実施例では、始動口や大入賞口等の各種入賞口（入球口）への遊技球の入球に基づいて遊技者に付与する遊技価値を「賞球」としており、遊技球が入球した入賞口の種類に応じて、予め定められた数の賞球を払い出すものとしている。

これらの制御部（２００Ａ、２２０Ａ、２２２Ａ、２４０Ａ、２６０Ａ）を構成する制御基板（２００、２２０、２２２、２４０、２６０）は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭ、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース（ＰＩＯ）、ＣＰＵが演算を行うためのクロックを出力する発振器、ＣＰＵの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図５中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。

主制御部２００Ａは、通過検知スイッチ１６ｓ、第１開始ゲートスイッチ８０ｓ、第２開始ゲートスイッチ８１ｓ、第１始動口入球検知スイッチ１７ｓ、第２始動口入球検知スイッチ１７ｔ、一般入賞口入球検知スイッチ４５ｓ、大入賞口入球検知スイッチ３１ｓ等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部２２０Ａや、払出制御部２４０Ａ、発射制御部２６０Ａ等に向かって、後述する各種の信号（コマンド）を出力する。また、主制御部２００Ａ（主制御基板２００）を構成するＣＰＵ２０１により決定された所定の信号（コマンド）は、サブ制御基板２２０や払出制御基板２４０に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部２００は「判定手段」、「確率設定手段」、「高頻度状態発生手段」の具体例を構成する。

サブ制御部２２０Ａは、主制御部２００Ａからの各種信号（コマンド）を受け取ると、信号（コマンド）の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。このサブ制御部２２０Ａは、主制御部２００Ａからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部２２０Ａには、演出表示制御部２２２Ａと、アンプ基板２２４と、装飾駆動基板２２６と、演出ボタン基板２２８と、にそれぞれ電気的に接続され、演出ボタン基板２２８には演出ボタンＳＷが電気的に接続されている。

サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２０ａは、主制御基板２００からの制御信号を受けて演出表示制御基板２２２、アンプ基板２２４、装飾駆動基板２２６および演出ボタン基板２２８などの各基板を制御する。また、ＣＰＵ２２０ａは、主制御部２００Ａから送出された表示制御コマンド（表示制御信号）を受信し、ＲＯＭ２２０ｃに記憶されたプログラムに基づいて受信した表示制御コマンドを解析する。そして、ＣＰＵ２２０ａは、主制御部２００Ａから送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部２００Ａから送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部２２２Ａに対して送信する。また、払出制御部２４０Ａには主制御部２００Ａが双方向通信可能な状態に接続され、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。

（３）遊技機１による遊技の流れ
次に、本遊技機１で行われる遊技の概要について、図６〜図１０を用いて簡単に説明する。

ａ．普通図柄の変動遊技
本遊技機１では、普通図柄の変動遊技に関連する遊技状態が、普通図柄に関する時短なし状態（以下、普図通常状態という。）若しくは普通図柄に関する時短あり状態（以下、普図時短状態という。）に設定される。そして、普通図柄の変動遊技は普通図柄の変動表示によって構成されるが、普図時短状態の場合には普図通常状態の場合に比べて、変動表示の実行時間（変動時間）は短縮され、普通図柄に関する当否判定で当りと判定される確率（普通図柄当り確率）が高くされる。また、普図時短状態では第２始動口１７ｂの開放延長機能が作動し、普図通常状態では開放延長機能が作動しない。以下、普通図柄の変動遊技について更に説明する。

普通図柄の変動遊技は、図６に示すように、普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過することに基づき普通図柄表示部６３において開始される（Ｓ１、Ｓ２）。この普通図柄の変動遊技は、普通図柄表示部６３での普通図柄の変動表示によって構成され、変動表示の実行時間（変動時間）は「普図通常状態」のときに「１５秒」とされ、「普図時短状態」のときに「１秒」とされる。そして、変動表示の実行時間が経過すると普通図柄表示部６３の普通図柄の停止態様が表示され、普通図柄に関する当否判定の結果（普通図柄の変動表示の結果）を表示して普通図柄の変動表示を終了する。なお、本実施例における普通図柄の変動時間は一例であり、「普図通常状態」および「普図時短状態」の各々について、本実施例より長い時間であっても短い時間であってもよい。

普通図柄に関する当否判定の結果が「当り」となる確率（普通図柄当り確率）は、「普図通常状態」のときに「２／８９（＝１／４４．５）」、「普図時短状態」のときに「８６／８９（≒１／１．０３５）」とされる。この普通図柄当り確率は本発明の「判定確率」に相当するものである。普通図柄に関する当否判定の結果が「当り」の場合には、普通図柄の停止態様として「普通図柄の当り図柄」が表示され、当該当否判定の結果が「外れ」の場合には普通図柄の停止態様として「普通図柄の外れ図柄」が表示される。なお、本実施例における普通図柄当り確率は一例であり、「普図通常状態」および「普図時短状態」の各々について、本実施例より低い確率であっても高い確率であってもよい。

普通図柄表示部６３に当り図柄が表示されると（Ｓ３）、第２始動口１７ｂが所定時間に亘って１回だけ開放状態（第２態様）となり（Ｓ４）、普通図柄表示部６３に外れ図柄が表示されると（Ｓ５）、第２始動口１７ｂは閉鎖状態（第１態様）を維持する（Ｓ６）。そして、普通図柄表示部６３に当り図柄が表示されることに基づいて第２始動口１７ｂが開放状態（第２態様）となる場合、前述のように、遊技状態が「普図通常状態」のときには第２始動口１７ｂの開放時間が短くされ（例えば、０．２秒）、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球頻度が低くなる（所定時間での第２始動口１７ｂへの遊技球の入球可能数が少なくなる）。一方、「普図時短状態」のときには第２始動口１７ｂの開放時間が長くされ（例えば、５秒）、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球頻度が高くなる（所定時間での第２始動口１７ｂへの遊技球の入球可能数が多くなる）。

ｂ．特別図柄の変動遊技及び大当り遊技
次に図７等を用いて特別図柄の変動遊技及び大当り遊技を説明する。なお、以下の説明において、特別図柄の変動遊技において大当り図柄が停止表示される確率（特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる確率）を大当り確率と称し、遊技機１の大当り確率に関する状態を「特図確率状態」という。そして、「大当り確率」が高確率である場合の遊技状態を「特図高確率状態」と称し、低確率である場合の遊技状態を「特図低確率状態」と称することがある。

本遊技機１では、始動口（第１始動口１７ａ若しくは第２始動口１７ｂ）に遊技球が入球することに基づいて（Ｓ１０）、特別図柄の変動表示が開始される（Ｓ１２）。ここで、情報表示装置６０の第１特別図柄表示部６２ａで表示される第１特別図柄と、情報表示装置６０の第２特別図柄表示部６２ｂで表示される第２特別図柄は「本図柄」であり、主制御部２００Ａによって「停止表示させる図柄（停止図柄）」と「変動時間（変動パターン）」が決定される。また、第１特別図柄の変動表示と、第２特別図柄の変動表示は、図３（ｂ）に示すように、対応する特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）を構成する７セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄（以下、不完全図柄という。）の「循環表示」を行うことを内容とする。具体的には、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。ここで、第１特別図柄および第２特別図柄は識別情報の具体例を構成する。

そして、第１特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第１始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定（以下、「第１当否判定」という。）の結果が表示され、第２特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第２始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定（以下、「第２当否判定」という。）の結果が表示される。なお、図８および図９に示すように、特図確率状態が特図低確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても大当り確率が「１／３１５」とされ、特図高確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても大当り確率が「１／３１．５」とされる。

この特別図柄の変動表示において特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が外れ図柄で停止表示されると（Ｓ１４ｃ）、外れが確定する（Ｓ１６ｃ）。これに対して、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が大当り図柄で停止表示されると、条件装置が作動し（Ｓ１４）、大当り遊技の開始が待機される待機状態となる（Ｓ１５）。なお、本実施例では、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に停止表示される大当り図柄が乱数抽選により決定されるが、その詳細に関しては後述する。ここで、「大当り図柄」は「特別図柄の特定態様」の具体例を構成し、大当り遊技は特定遊技の具体例を構成する。

この待機状態になると、第１開始ゲートスイッチ８０ｓ、第２開始ゲートスイッチ８１ａによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生する。このゲート有効期間内に遊技球が入球口７１を通じて振分装置７０に入球し（Ｓ１６）、その遊技球が第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１を通過すると（Ｓ２０、２０ｃ）、大当り遊技の実行パターンを設定する（Ｓ２２、２２ｃ）。具体的には、第１開始ゲート８０を通過すると第１抽選テーブル若しくは第３抽選テーブルを用いて大当り遊技の実行パターンを設定し（Ｓ２２）、第２開始ゲート８１を通過すると第２抽選テーブル若しくは第３抽選テーブルを用いて大当り遊技の実行パターンを設定する（Ｓ２２ｃ）。なお、Ｓ２２およびＳ２２ｃの処理の詳細に関して後述する。

このように大当り遊技の実行パターンを設定すると（Ｓ２２、Ｓ２２ｃ）、役物連続作動装置の作動を開始する処理（Ｓ２４、Ｓ２４ｃ）と、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理を行った後（Ｓ２６、Ｓ２６ｃ）、Ｓ２２およびＳ２２ｃの処理で設定された大当り遊技の実行パターンに基づいて、大当り遊技が開始される（Ｓ２８、Ｓ２８ｃ）。なお、図７、後述する図２４、図２９および図４２における「開始ゲート通過」とは、遊技球が対象となる開始ゲートをそのゲート有効期間内に通過したことを示す（有効なゲート通過があったことを示す）。

本実施例では、図８に示すように、前述のように当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に停止表示される大当り図柄が乱数抽選により決定される。具体的には、第１当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される大当り図柄が、「第１通常大当りの発生を示す大当り図柄（以下、通常Ａという。）」と、「第２通常大当りの発生を示す大当り図柄（以下、通常Ｂという。）」と、「第１確変大当りの発生を示す大当り図柄（以下、確変Ａという。）」と、「第２確変大当りの発生を示す大当り図柄（以下、確変Ｂという。）」とのうち何れかに決定される。ここで、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂを構成する「７セグメント表示体」のうち、２個のセグメントを発光させたものが「通常大当り（後述する）」を示し、「通常大当り」の種類（第１通常大当り、第２通常大当り等）を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。また、３個のセグメントを発光させたものが「確変大当り（後述する）」を示し、「確変大当り」の種類（第１確変大当り、第２確変大当り等）を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。但し、本明細書では、説明を簡略化するため、大当り図柄を「通常Ａ」、「通常Ｂ」、「確変Ａ」、「確変Ｂ」等のように「アルファべット」を用いて表現する。

また、第２当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される大当り図柄が「通常Ａ」と、「通常Ｂ」と、「確変Ａ」と、「確変Ｂ」と、「第３確変大当りの発生を示す大当り図柄（以下、確変Ｃという。）」とのうち何れかに決定される。また、本実施例では、第１当否判定および第２当否判定の双方について、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合、当該大当りが確変大当り（大当り遊技の終了後に遊技状態を特図高確率状態とする大当り）となる確率が「６０％」とされ、通常大当り（大当り遊技の終了後に遊技状態を特図低確率状態とする大当り）となる確率が「４０％」とされる。

また、大当り遊技を開始し、１回目のラウンド遊技が開始されると、以後、ラウンド遊技がインターバル（例えば、２秒のインターバル）を挟みつつ複数回行われる。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置３１に対して、大入賞口３１ａを１回だけ開放状態（入球可能状態）に変化させる開閉動作が施される。ここで、大当り遊技において、大入賞口３１ａに規定入賞数（１０個）の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口３１ａの開放時間が開放限度時間（３０秒）に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技を終了する。そして、ラウンド遊技は所定のインターバルを挟みつつ複数回行われ、最後のラウンド遊技（５回目、１０回目若しくは１５回目のラウンド遊技）を実行すると、エンディング時間の経過を待って大当り遊技が終了し、特別図柄の変動表示を開始することが可能となる。

また、本遊技機では、大当り遊技において実行される「ラウンド遊技」の回数は、発生した大当りの種類と、通過した開始ゲートの種類（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）と、ラウンド抽選の結果とに基づいて定められる。具体的には、発生した大当りが第１通常大当り、第２通常大当り、第１確変大当り若しくは第２確変大当りである場合に、遊技球が第１開始ゲート８０を通過すると、ラウンド遊技の回数が「１０回」に設定され、遊技球が第２開始ゲート８１を通過すると、ラウンド遊技の回数がラウンド抽選によって「５回」若しくは「１５回」に設定される。更に、発生した大当りが第３確変大当りである場合には、第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１の何れを通過しても、ラウンド遊技の回数が「１５回」に設定される。ここで、第３確変大当りは第２当否判定の結果が「大当り」である場合に発生するが、第１当否判定の結果が「大当り」である場合には発生しない。このため、第２当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第１当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。

確変大当り（第１確変大当り、第２確変大当り、第３確変大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（以下、確変ケースという。）では、当該大当り遊技の終了後に、特別図柄に関する確率変動機能（確率変動手段）が作動し、大当り確率が通常よりも高くなる「特図高確率状態」となる。また、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能が作動し、特別図柄の変動時間として短縮化された変動時間（例えば、５秒以下の変動時間）が選択される可能性が高くなる。この特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示（特別図柄に関する図柄変動遊技）の累積実行回数が「１０，０００回」になるまで（実質的に、次回の大当りを生ずるまで）継続される。

更に、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に普通図柄に関する時短機能が作動する（普図時短状態となる）。ここで、時短機能が作動すると、普通図柄に関する変動時間として短縮化された変動時間が選択され、普通図柄当り確率が高くなる。また、時短機能の作動とともに開放延長機能が作動し、第２始動口１７ｂの開放時間が延長される開放延長状態となる。この普通図柄に関する時短機能は、次回の大当り遊技が開始されるまで継続する。

通常大当り（第１通常大当り、第２通常大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（以下、通常ケースという。）では、当該大当り遊技の終了後に、特別図柄に関する確率変動機能（確率変動手段）が作動せず、「特図低確率状態」となるが、当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能と普通図柄に関する時短機能が作動する。このうち、特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示（特別図柄に関する図柄変動遊技）の累積実行回数が「１００回」になるか、次回の大当りが発生するまで（大当り図柄が停止表示されるまで）継続される。また、普通図柄に関する時短機能は、通常大当り（第１通常大当り、第２通常大当り）の発生に基づく大当り遊技を終了した場合においては、当該大当り遊技の終了後に大当りが発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当り遊技が開始されるまで継続される。

なお、演出表示装置２７の表示画面２７ａにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部２００Ａの制御の下で遊技上の演出を制御するサブ制御部２２０Ａによって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容（大当り、外れ）は、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂにおける「本図柄」の表示内容（大当り、外れ等）と矛盾を生じないものとされる。

この図柄変動演出では、図３（ａ）に示すように、演出表示装置２７の表示画面２７ａに演出図柄表示領域２７ｂが出現し、演出図柄の変動表示を開始する。そして、演出図柄の変動表示の実行時間（変動時間）が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間（約０．６秒間）実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の特別図柄表示部６２（６２ａ若しくは６２ｂ）による停止表示と同様に、特別図柄に関する当否判定の結果を表示するものである。

演出表示装置２７の表示画面２７ａでは、演出図柄表示領域２７ｂに３つ（３桁）の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「１」〜「９」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「１」〜「９」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、図柄変動演出では、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す停止図柄（大当り図柄）」と「外れ示す停止図柄（外れ図柄）」とがある。

ｃ．本遊技機の特徴
次に、図１０を用いて本遊技機１の特徴を説明する。ここで、図１０は、遊技機１の遊技状態が、普通図柄に関する時短機能が作動する普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）である場合に大当り図柄が停止表示された場合（以下、設例１という。）の一連の流れを示している。ここで、設例１では、遊技機１の遊技状態が「普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）」で「特図高確率状態（特図確変フラグＯＮ）」かつ「特図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」である場合に大当り図柄が停止表示されたケースを示しているが、遊技機１の遊技状態が「普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）」で「特図低確率状態（特図確変フラグＯＦＦ）」かつ「特図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」である場合に大当り図柄が停止表示されたケース（以下、設例２という。）についても、「普図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」を終了するタイミングは同様である。

設例１においては、大当り図柄が停止表示され、大当りを発生すると、条件装置が作動し（条件装置作動フラグＯＮ）、特図確率状態が特図低確率状態（特図確変フラグＯＦＦ）となるとともに特図時短状態が解除（特図時短フラグＯＦＦ）される。なお、図示を省略するが、設例２においては、大当り図柄が停止表示され、条件装置が作動したとき、特図時短状態が解除（特図時短フラグＯＦＦ）される。

図１０に示す設例１と、図示しない設例２においては、大当りを発生しても（大当り図柄が停止表示されても）、この段階では役物連続作動装置は作動しない（役物連続作動装置作動フラグＯＦＦ）ため、大当り遊技は開始されず、大当り遊技の開始を待機する期間（待機期間）となる。また、この段階では普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）が維持される。このように、本実施例では、条件装置が作動すると一連のプログラム処理に基づいて役物連続作動装置が作動するのではなく、開始条件が成立するまで役物連続作動装置は作動しない状態となる。

設例１および設例２では待機期間中に遊技球が開始ゲート（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）を通過すると、大当り図柄の停止（大当りの発生）に基づく大当り遊技を開始する。このとき、普図時短状態が解除される（普図時短フラグＯＦＦ）。

（４）主制御部２００Ａによる遊技制御の概要
図１１は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理（Ｓ８０）、普通図柄遊技処理（Ｓ１００）、普通電動役物遊技処理（Ｓ２００）、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）、大当り遊技処理（Ｓ６００）等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、電源投入後、４ｍｓｅｃ周期のタイマ割込みが発生する毎に、図１１のＳ８０〜Ｓ６００の処理を実行するように構成されている。

Ａ．賞球払出処理（Ｓ８０）
賞球払出処理（Ｓ８０）は入賞口（１７ａ、１７ｂ、３１ａ、４５〜４７）に遊技球が入球したときの賞球払出に関する処理であり、主制御部２００Ａから払出制御部２４０Ａに向かって、各入賞口に対応する払出個数を指定する払出信号」が出力される。これに対して、払出制御部２４０Ａを構成する払出制御基板２４０に搭載されたＣＰＵは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置１０９に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。

Ｂ．普通図柄遊技処理（Ｓ１００）
図１２及び図１３は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通図柄遊技処理が起動されると、ＣＰＵ２０１は通過検知スイッチ１６ｓの状態に基づいて普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過したか否かを判断する（Ｓ１０５）。このＳ１０５の処理において肯定判断される場合は（Ｓ１０５；ＹＥＳ）、普通図柄に関する保留数が所定数（本実施例では、４個）未満であるか否かが判断され（Ｓ１１０）、所定個数未満であると判断された場合には（Ｓ１１０；ＹＥＳ）、普通図柄に関する保留数を「＋１」するとともに、普通図柄に関する当否判定を行うための乱数値を取得して記憶した後（Ｓ１１５）、Ｓ１２０の処理に移行する。これに対して、Ｓ１０５の処理において否定判断される場合（Ｓ１０５；ＮＯ）及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には（Ｓ１１０；ＮＯ）、Ｓ１１５の処理を行うことなく、Ｓ１２０の処理に移行する。なお、以下の説明において、普通図柄に関する当否判定を普図当否判定という。

Ｓ１２０の処理においては、普通電動役物が作動中か否か（第２始動口１７ｂが開放状態であるか否か）が判断され（Ｓ１２０）、作動中の場合（Ｓ１２０；ＹＥＳ）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、作動中でない場合（Ｓ１２０；ＮＯ）、普通図柄表示部６３において普通図柄の変動表示を実行中か否かが判断される（Ｓ１２５）。そして、Ｓ１２５の処理において変動表示されていないと判断される場合には（Ｓ１２５；ＮＯ）、普通図柄表示部６３において、普通図柄が停止表示されているか否かが判断される（Ｓ１３０）。そして、普通図柄が停止表示されていると判断されると（Ｓ１３０；ＹＥＳ）、「普通図柄の停止表示時間（例えば、０．５秒）」が経過したか否かが判断される（図１３のＳ１６６）。そして、Ｓ１６６にて肯定判断されると（Ｓ１６６；ＹＥＳ）、Ｓ１６８の処理に移行し、Ｓ１６０にて否定判断されると（Ｓ１６６；ＮＯ）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

また、普通電動役物が作動中でなく（図１２のＳ１２０；ＮＯ）、普通図柄表示部６３において普通図柄の変動表示を実行中でなく（Ｓ１２５；ＮＯ）、しかも、普通図柄の停止表示を実行中でないと判断されると（Ｓ１３０；ＮＯ）、普通図柄に関する保留数が「０」であるか否か判定される（Ｓ１３５）。そして、この保留数が「０」と判断されると（Ｓ１３５；ＹＥＳ）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、この保留数が「０」でないと判断されると（Ｓ１３５；ＮＯ）、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断する（Ｓ１３８）。

ここで、普図時短フラグは普通図柄に関する時短機能の作動状況を示すフラグであり、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されると、開放延長機能が作動し、第２始動口１７ｂの開放時間が延長される開放延長状態となる。また、普通図柄に関する変動時間として短縮化された変動時間が選択され、更に普通図柄に関する当否判定において当りとなる確率が高くなる。

普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には（Ｓ１３８；ＹＥＳ）、Ｓ１１５の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する当否判定（普図当否判定）を高確率（例えば、当選確率「２／８９」）で行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−１」する処理を行った後（Ｓ１４０）、停止図柄を設定する処理（普図当否判定の結果が当りの場合には「当り図柄」を設定する処理、普図当否判定の結果が外れの場合には「外れ図柄」を設定する処理）を設定する処理を行う（Ｓ１４７）。

そして、「普通図柄の変動時間」として「短縮化した変動時間」を設定した後（Ｓ１４８）、普通図柄の変動表示を開始させ（Ｓ１５６）、一旦普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。ここで、Ｓ１４８の処理では、「短縮化した変動時間」として一義的に「１秒」と決定されるが、Ｓ１４８の処理では、乱数値と対応する状態で複数個（例えば、「１秒」、「２秒」、「３秒」、「４秒」の４個）記憶した変動時間決定テーブルを用いてもよい。この場合、Ｓ１４８の処理では乱数抽選によって「短縮化した変動時間」が設定される。

これに対して、普図時短フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ１３８；ＮＯ）、Ｓ１１５の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて普図当否判定を低確率（例えば、当選確率「８６／８９）で行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−１」する処理を行った後（Ｓ１５０）、停止図柄（普図当否判定の結果が当りの場合には「当り図柄」、普図当否判定の結果が外れの場合には「外れ図柄」）を設定する処理を行う（Ｓ１５２）。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間を設定した後（Ｓ１５４）、普通図柄の変動表示を開始させ（Ｓ１５６）、一旦普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。また、Ｓ１５４で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「普通図柄に関する変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。

なお、本実施例では「通常変動時間」が一義的に「１５秒」とされるが、Ｓ１６４の処理では、乱数値と対応する状態で複数個（例えば、「１５秒」、「３０秒」、「６０秒」、「１００秒」の４個）記憶した変動時間決定テーブルを用いてもよい。この場合、Ｓ１５４の処理では乱数抽選によって「通常変動時間（短縮化しない変動時間）」を設定することとしてもよい。更に、本実施例では開放延長機能が作動する場合には、開放延長機能が作動しない場合に比べて、普図当否判定が当りとなる確率を高くするとともに、普通図柄の変動時間を短縮化する態様を例示するが、開放延長機能の作動の有無にかかわらず普図当否判定が当りとなる確率を同一確率としたり、普通図柄の変動時間を短縮化しないこととしてもよい。

また、普通電動役物が作動中でなく（Ｓ１２０；ＮＯ）、普通図柄表示部６３において普通図柄の変動表示を実行中の場合（Ｓ１２５；ＹＥＳ）、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断し（図１３のＳ１６０）、経過していない場合（Ｓ１６０；ＮＯ）、普通図柄遊技処理を終了して、図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間が経過すると（Ｓ１６０；ＹＥＳ）、普通図柄の変動表示を停止させた後（Ｓ１６２）、普通図柄の停止図柄の表示時間（停止表示時間）が設定される（Ｓ１６４）。この後、「普通図柄の停止表示時間」が経過すると（Ｓ１６６；ＹＥＳ）、Ｓ１６８の処理に移行する。

Ｓ１６８の処理においては、普通図柄表示部６３に停止表示された図柄が当り図柄（普通電動役物を作動させる図柄）であるか否か判定され（Ｓ１６８）、外れ図柄である場合（Ｓ１６８；ＮＯ）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、当り図柄である場合（Ｓ１６８；ＹＥＳ）、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否か（普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か）が判断される（Ｓ１７０）。

普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ１７０；ＹＥＳ）、「開放延長機能作動時の開放時間（５秒）」を設定する処理（Ｓ１７２）を行った後、この処理で設定した開放時間に基づいて普通電動役物を作動させて第２始動口１７ｂを開放状態とし（Ｓ１７６）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。これに対して、普図時短フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合（Ｓ１７８；ＮＯ）、「開放延長機能未作動時の開放時間（０．２秒）」を設定する処理（Ｓ１７４）を行った後、この処理で設定した開放時間に基づいて普通電動役物を作動させて第２始動口１７ｂを開放状態とし（Ｓ１７４）、普通図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

Ｃ．普通電動役物遊技処理（Ｓ２００）
図１４は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、ＣＰＵ２０１が図１１の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物１７ｄが作動中であるか否か（第２始動口１７ｂが開放状態であるか否か）が判断される。そして、作動中である（第２始動口１７ｂが開放状態である）と判断すると（Ｓ２０１；ＹＥＳ）、普通電動役物１７ｄの作動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ２０２）。この作動時間は第２始動口１７ｂを開放状態に維持する開放時間であって、遊技状態が普図通常状態（通常開放状態）である場合に「０．２秒」、普図時短状態（開放延長状態）である場合に「５．０秒」とされる。

そして、作動時間（開放時間）が経過したと判断すると（Ｓ２０２；ＹＥＳ）、普通電動役物１７ｄの作動を停止させることで開放状態にある第２始動口１７ｂを閉鎖状態とし（Ｓ２０６）、普通電動役物遊技処理を終了させる。但し、ＣＰＵ２０１が、普通電動役物１７ｄ（第２始動口１７ｂ）の開放中に（Ｓ２０２；ＮＯ）、第２始動口１７ｂに規定数（例えば、８個）の遊技球が入球したと判断すると（Ｓ２０４；ＹＥＳ）、前述の作動時間（開放時間）が経過していない場合でも、普通電動役物１７ｄの作動を停止させ（Ｓ２０６）、普通電動役物遊技処理を終了させる。

Ｄ．特別図柄遊技処理（Ｓ３００）
特別図柄遊技処理（Ｓ３００）が起動すると、図１５に示すように、先ず、第６１始動入賞若しくは第２始動入賞が発生したか否かが判断される（Ｓ３０１ａ、Ｓ３０１ｂ）。そして、Ｓ３０１ａの処理及びＳ３０１ｂの処理において否定的な判断がなされる場合（Ｓ３０１ａ；ＮＯ、Ｓ３０１ｂ；ＮＯ）、そのまま図１８に示すＳ３０８以降の処理に移行する。

ＣＰＵ２０１によって第１始動入賞が発生したと判断されると（Ｓ３０１ａ；ＹＥＳ）、第１保留数が所定数未満（本実施例は４未満）であるか否かが判断される（Ｓ３０２ａ）。このＳ３０２ａの処理において所定数未満と判断されると（Ｓ３０２ａ；ＹＥＳ）、これに応じて判定用乱数値を取得する（Ｓ３０３ａ）。この第１始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の所定アドレにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第１保留数が第１保留数メモリ（図示を省略）に累積的に記憶（加算記憶）され（Ｓ３０３ａ）、図１６のＳ３０８の処理に移行する。ここで、Ｓ３０３ａの処理で取得される判定用乱数値としては、（ａ）第１始動入賞に基づいて実行される第１当否判定に際して用いる当否判定乱数値、（ｂ）第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、（ｃ）「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。

ここで、第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値と、第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される（後述する。）。また、図１５〜図１７においては、ＣＰＵ２０１によって行われる処理のうち、第１始動入賞に基づいて実行される各処理（以下、特図１に関する処理という。）と、第２始動入賞に基づいて実行される各処理（以下、特図２に関する処理という。）のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数（算用数字）を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図１に関する処理」及び「特図２に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図１に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「ａ」を付し、「特図２に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「ｂ」を付して区別することがある。

また、ＣＰＵ２０１によって第２始動入賞が発生したと判断されると（Ｓ３０１ｂ；ＹＥＳ）、第２始動入賞に対応する第２特別図柄の保留数（第２保留数）が所定数未満（本実施例は４未満）であるか否かが判断される（Ｓ３０２ｂ）。このＳ３０２ｂの処理において所定数未満と判断されると（Ｓ３０２ｂ；ＹＥＳ）、これに応じて判定用乱数値を取得する（Ｓ３０３ｂ）。この第２始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の所定アドレスにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第２保留数が第２保留数メモリ（図示を省略）に累積的に記憶（加算記憶）され（Ｓ３０３ｂ）、図１６のＳ３０８の処理に移行する。ここで、Ｓ３０３ｂの処理で取得される判定用乱数値としては、（ａ）第２始動入賞に基づいて実行される第１当否判定に際して用いる当否判定乱数値、（ｂ）第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、（ｃ）「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。

Ｓ３０８の処理では、図１６に示すように、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される（Ｓ３０８）。具体的には、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）が大当り図柄で停止表示され、特別図柄の変動表示を新たに開始できない状態になると、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）される（図１７のＳ３５３の処理を参照）。この場合、Ｓ３０８の処理において肯定的な判断がなされる。そして、ＣＰＵ２０１は、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されていると（Ｓ３０８；ＹＥＳ）、特別図柄遊技処理を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

一方、Ｓ３０８の処理で、条件装置作動フラグが解除（ＯＦＦに設定）されていると判断すると（Ｓ３０８；ＮＯ）、特別図柄が変動中か否か（第１特別図柄および第２特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否か）を判断する（Ｓ３１０）。そして、特別図柄が変動中でない場合は（Ｓ３１０；ＮＯ）、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する（Ｓ３１２）。そして、特別図柄が変動表示されておらず（Ｓ３１０；ＮＯ）、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は（Ｓ３１２；ＮＯ）、変動表示を開始できるか否かを判断する（Ｓ３１４ａ、Ｓ３１４ｂ）。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を０．６秒とする。

この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第１保留数」と「第２保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のＣＰＵ２０１は、「第２保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する（Ｓ３１４ｂ）。つまり、「第２保留数」が「ゼロ」でない場合、前述の第２判定用乱数値メモリから、最も古い判定用乱数値を読み出し（Ｓ３１６ｂ）、第２特別図柄に関する当否判定処理（第２当否判定処理）を行う（Ｓ３２０ｂ）。なお、Ｓ３１６ｂで読み出す判定用乱数値はＳ３０３ｂで取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。

この第２当否判定処理（Ｓ３２０ｂ）では、第２当否判定に関する処理が行われる。この第２当否判定処理（Ｓ３２０ｂ）では遊技機１の遊技状態が特図高確率状態であるか否か（特図確変フラグがセットされているか否か）が判断され、特図高確率状態であるときには、「高確率用のデータテーブル」と「Ｓ３１６ｂの処理で読み出した判定用乱数値（大当り用判定乱数値）」とを用いて「大当り判定」が行われ、特図低確率状態であるときには、「低確率用のデータテーブル」と「Ｓ３１６ｂの処理で読み出した判定用乱数値（大当り用判定乱数値）」とを用いて「大当り判定」が行われる。

ＣＰＵ２０１は第２当否判定処理（Ｓ３２０ｂ）に続いて特図２図柄変動開始処理（Ｓ３３０ｂ）を実行する。この特図２図柄変動開始処理（Ｓ３３０ｂ）においてＣＰＵ２０１は、第２当否判定処理（Ｓ３２０ｂ）の結果に基づいて第２特別図柄の停止図柄（大当りの場合は大当り図柄、外れの場合は外れ図柄）を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第２特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板２２０に向かって所定のコマンドを送信することで、特図２図柄変動開始処理（Ｓ３３０ｂ）が終了するため、ＣＰＵ２０１は一旦特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。ここで、第２特別図柄の停止図柄（大当り図柄、外れ図柄）は第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される図柄であり、前述のＳ３１６ｂの処理で読み出した判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値を用いて決定される。また、第２特別図柄の変動表示を開始させた後にサブ制御基板２２０に向かって送信されるコマンドは「変動パターン指定コマンド」や「特別図柄停止情報指定コマンド」である。なお、特図２図柄変動開始処理（Ｓ３３０ｂ）で決定する変動パターンによって第２特別図柄の変動時間が特定され、後述する特図１図柄変動開始処理（Ｓ３３０ａ）で決定する変動パターンによって第１特別図柄の変動時間が特定される。

図１６に戻り、「第２保留数」が「ゼロ」であるとともに（Ｓ３１４ｂ；ＹＥＳ）、「第１保留数」が「ゼロ」でない場合（Ｓ３１４ａ；ＮＯ）には、第１判定用乱数値メモリから最も古い判定用乱数値を読み出し（Ｓ３１６ａ）、第１当否判定処理を行う（Ｓ３２０ａ）。そして、特図１図柄変動開始処理（Ｓ３３０ａ）を行った後、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了して、図１１の遊技制御処理に復帰する。ここで、Ｓ３２０ａの処理として行われる第１当否判定処理はＳ３２０ｂの処理として行われる第２当否判定処理と同様に行われ、Ｓ３３０ａの処理として行われる特図１図柄変動開始処理はＳ３３０ｂの処理として行われる特図２図柄変動開始処理と同様に行われる。この特図１図柄変動開始処理（Ｓ３３０ａ）においてＣＰＵ２０１は、第１当否判定処理（Ｓ３２０ａ）の結果に基づいて第１特別図柄の停止図柄（大当りの大当り図柄、外れの場合は外れ図柄）を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第１特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板２２０に向かって所定のコマンドを送信することで、特図１図柄変動開始処理（Ｓ３３０ａ）が終了するため、ＣＰＵ２０１は一旦特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

次に、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）のＳ３１０の処理（図１６参照）で、第１特別図柄又は第２特別図柄が変動中であると判断された場合は（Ｓ３１０；ＹＥＳ）、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動表示が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３４１）。その際、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ３４１；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３４１；ＹＥＳ）、変動している第１特別図柄又は第２特別図柄を停止させ（Ｓ３４４）、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板２２０に向かって出力する（Ｓ３４６）。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板２２０を介して演出表示制御基板２２２に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後（Ｓ３４８）、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３５０）。

Ｓ３５０の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば（Ｓ３５０；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了して、図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は（Ｓ３５０；ＹＥＳ）、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に大当り図柄が停止表示されたか否かを判断する（図１７のＳ３５２）。

図１７のＳ３５２の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、条件装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する（Ｓ３５３）。これにより、特別図柄の変動表示を新たに開始できない状態になる。このＳ３５３の処理に続いて、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、後述する「大当り遊技」の終了時等に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット（記憶）する（Ｓ３５４）。具体的には、「大当りの種類（確変大当り、通常大当り）」、「遊技状態フラグの状態」をセット（記憶）する（Ｓ３５４）。また、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の特定領域がＳ３５４の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機１の遊技状態」を示すフラグ、具体的には「特図確変フラグ」、「特図時短フラグ」、「普図時短フラグ」などであり、Ｓ３５４の処理においては、これらのフラグが「ＯＮ」「ＯＦＦ」の何れに設定されているかを示すデータ（現在の遊技状態を示すデータ）がセットされる。

なお、「特図確変フラグ」は、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率（特図確率状態）の設定状況を示すフラグであり、この「特図確変フラグ」がセット（ＯＮに設定）されると、大当り確率が高確率に設定された状態（特図高確率状態）となる。また、「特図時短フラグ」は、特別図柄の変動時間が短縮される状態（短縮変動状態）にあるか否かを示すフラグであり、この「特図時短フラグ」がセット（ＯＮに設定）されると短縮変動状態となる。また、「普図時短フラグ」は、第２始動口１７ｂ（普通電動役物１７ｄ）の開放時間が延長される状態（開放延長状態）にあるか否か、普通図柄の変動時間が短縮される状態（普図時短状態）にあるか否か、および普通図柄に関する当否判定が当りとなる確率（普通図柄当り確率）が通常よりも高くされる状態（普図高確率状態）にあるか否かを示すフラグであり、この「普図時短フラグ」がセット（ＯＮに設定）されると、開放延長状態になるとともに普図時短状態および普図高確率状態となる。なお、本実施例では、「特図確変フラグ」、「特図時短フラグ」および「普図時短フラグ」のＯＦＦからＯＮへの切り換わりタイミングが同一となっているが、「特図確変フラグ」および「特図時短フラグ」がＯＮからＯＦＦに切り換わるタイミングと、「普図時短フラグ」がＯＮからＯＦＦに切り換わるタイミングは一致しない。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１はＳ３５４の処理に続いて、開始ゲートスイッチ（第１開始ゲートスイッチ８０ｓ、第２開始ゲートスイッチ８１ｓ）を有効化する処理を行った後（Ｓ３５６）、Ｓ３８０以降の処理に移行する。ここで、Ｓ３５６の処理はＣＰＵ２０１が行う「有効化手段」としての処理の具体例を構成する。また、本遊技機１では、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されると、特別図柄に関する確変機能、特別図柄に関する時短機能は働かないこととしている。このため、Ｓ３８０以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了する。具体的には、Ｓ３８０の処理において、特図確変フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ３８０）、セットされていない場合は（Ｓ３８０；ＮＯ）、そのままＳ３８４の処理に移行し、セットされている場合は（Ｓ３８０；ＹＥＳ）、特図確変フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ３８２）を行った後、Ｓ３８４の処理に移行する。なお、Ｓ３８２の処理によって特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率に設定され、特図低確率状態となる

Ｓ３８４の処理においては、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し、セットされていない場合は（Ｓ３８４；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、Ｓ３８４の処理において、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３８４；ＹＥＳ）、特図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ３８６）、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。そして、図１８に示す役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）に移行する。このように、本遊技機１では普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）された状態で条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されても、普図時短フラグはセット（ＯＮに設定）されたままの状態とされる。

次に、図１７のＳ３５２の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には（Ｓ３５２；ＮＯ）、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される（Ｓ３９８）。そして、特図時短フラグがセットされていない（ＯＦＦに設定されている）場合には（Ｓ３９８；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３９８；ＹＥＳ）、特図時短カウンタの値を「−１」した後（Ｓ４００）、特図時短カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する（Ｓ４０４）。そして、「ゼロ」になっていない場合には（Ｓ４０４；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。

これに対して、Ｓ４０４の処理で特図時短カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には（Ｓ４０４；ＹＥＳ）、特別図柄および普通図柄に関する変動状態が短縮変動状態（時短状態）から通常変動状態（非時短状態）に切り換わることになる。このため、特図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ４１０）と、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ４１１）と、を行った後、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。ここで、「特図時短カウンタ」は変動短縮状態で行われる特別図柄の変動表示の上限実行回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄および普通図柄の変動表示で短縮変動状態が終了して、次回の変動表示から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄および普通図柄の変動表示は通常変動状態（非時短状態）で行われる。

Ｅ．役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）
役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）が起動すると、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、図１８に示すように、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断する（Ｓ５０５）。そして、条件装置作動フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ５０５；ＮＯ）、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。これに対して、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には（Ｓ５０５；ＹＥＳ）、Ｓ５１０の処理に移行する。

Ｓ５１０の処理では役物連続作動装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断する（Ｓ５１０）。そして、役物連続作動装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には（Ｓ５１０；ＮＯ）、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。これに対して、役物連続作動装置作動フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ５１０；ＹＥＳ）、Ｓ５１５の処理に移行する。

Ｓ５１５の処理では第１開始ゲート８０を遊技球が通過したか否かを判断する（Ｓ５１５）。具体的には、図１７のＳ３５６の処理で有効化された第１開始ゲートスイッチ８０ｓが遊技球の通過を検知したか否かを判断する（Ｓ５１５）。そして、第１開始ゲート８０を遊技球が通過したと判断すると（Ｓ５１５；ＹＥＳ）、今回発生した大当りが第３確変大当りであるか否かを判断し（Ｓ５２０）、他の大当り（第１通常大当り、第２通常大当り、第１確変大当り若しくは第２確変大当り）である場合には（Ｓ５２０；ＮＯ）、第１抽選テーブルを設定した後（Ｓ５４５）、Ｓ５６０の処理に移行し、第３確変大当りである場合には（Ｓ５２０；ＹＥＳ）、第３抽選テーブルを設定した後（Ｓ５５０）、Ｓ５６０の処理に移行する。

第１開始ゲート８０を遊技球が通過していないと判断すると（Ｓ５１５；ＮＯ）、第２開始ゲート８１を遊技球が通過したか否かを判断する（Ｓ５３５）。具体的には、図１７のＳ３５６の処理で有効化された第２開始ゲートスイッチ８１ｓが遊技球の通過を検知したか否かを判断する（Ｓ５３５）。そして、第２開始ゲート８１を遊技球が通過したと判断すると（Ｓ５３５；ＹＥＳ）、今回発生した大当りが第３確変大当りであるか否かを判断し（Ｓ５４０）、他の大当り（第１通常大当り、第２通常大当り、第１確変大当り若しくは第２確変大当り）である場合には（Ｓ５４０；ＮＯ）、第２抽選テーブルを設定した後（Ｓ５５５）、Ｓ５６０の処理に移行し、第３確変大当りである場合には（Ｓ５４０；ＹＥＳ）、第３抽選テーブルを設定した後（Ｓ５５０）、Ｓ５６０の処理に移行する。

また、何れの開始ゲート８０、８１も遊技球が通過していないと判断すると（Ｓ５１５；ＮＯ、Ｓ５３５；ＮＯ）、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を一旦終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。そして、遊技制御処理を繰り返して実行するうちに、第１開始ゲート８０を遊技球が通過すると、Ｓ５２０の処理、Ｓ５４５の処理を経てＳ５６０に移行する処理、若しくは、Ｓ５２０の処理、Ｓ５５０の処理を経てＳ５６０に移行する処理が実行される。また、第２開始ゲート８１を遊技球が通過すると、Ｓ５４０の処理、Ｓ５５０の処理を経てＳ５６０に移行する処理、若しくは、Ｓ５４０の処理、Ｓ５５５の処理を経てＳ５６０に移行する処理が実行される。ここで、例えば、遊技球が開始ゲート８０、８１を通過しないように遊技球を発射することで、Ｓ５１５およびＳ５３５の処理における否定的な判断を繰り返すことができ、この場合、普図時短状態を継続することができる。

Ｓ５６０の処理では、第１抽選テーブル（Ｓ５４５の処理で設定）、第２抽選テーブル（Ｓ５５５の処理で設定）、若しくは、第３抽選テーブル（Ｓ５５０の処理で設定）を用いて乱数抽選を行うことで、大当り遊技の実行パターンを設定する（Ｓ５６０）。具体的には、Ｓ５４５の処理で第１抽選テーブルが設定されていると、図１９（ａ）に示すように、今回実行する大当り遊技の実行パターンが、１００％の確率で「ラウンド遊技」を「１０回」行うパターンに決定される（Ｓ５６０）。以下、ラウンド遊技を「１０回」行う大当り遊技を「１０Ｒ大当り遊技」と称する。

Ｓ５５５の処理で第２抽選テーブルが設定されていると、図１９（ｂ）に示すように、今回実行する大当り遊技の実行パターンが５０％の確率で「ラウンド遊技」を「５回」行うパターンに決定され、５０％の確率で「ラウンド遊技」を「１５回」行うパターンに決定される（Ｓ５６０）。以下、ラウンド遊技を「５回」行う大当り遊技を「５Ｒ大当り遊技」と称し、ラウンド遊技を「１５回」行う大当り遊技を「１５Ｒ大当り遊技」と称する。

Ｓ５５０の処理で第３抽選テーブルが設定されていると、図１９（ｃ）に示すように、今回実行する大当り遊技の実行パターンが、１００％の確率で「ラウンド遊技」を「１５回」行うパターンに決定される（Ｓ５６０）。

ＣＰＵ２０１は大当り遊技の実行パターンを設定する処理を行うと（Ｓ５６０）、役物作動装置作動フラグをセット（ＯＮ）する処理を行う（Ｓ５６５）。このように役物作動装置作動フラグをセット（ＯＮ）すると（Ｓ５６５）、大当り遊技の開始条件が成立し、大当り遊技が開始されることとなる。続いて、ＣＰＵ２０１は開始ゲートスイッチ（第１開始ゲートスイッチ８０ｓ、第２開始ゲートスイッチ８１ｓ）を無効化する処理を行う（Ｓ５７０）。更に、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ５７５）、解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、そのままＳ５９５の処理に移行する。つまり、前述の普図通常状態（普図時短フラグが解除されている状態）で発生した大当り（所謂「初当り」）である場合には、そのままＳ５９５の処理に移行する。

Ｓ５７５の処理で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ５９０）、Ｓ５９５の処理に移行する。この場合、役物作動装置作動フラグがセット（ＯＮ）され、大当り遊技が開始されることで、普図時短フラグが解除（ＯＦＦに設定）され、普図通常状態となる。

Ｓ５９５の処理において、ＣＰＵ２０１は大当り開始コマンドをサブ制御基板２２０に送信する。そして、このＳ５９５の処理を行うと役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了する。

Ｆ．振分動作開始処理（Ｓ７００）および振分動作停止処理（Ｓ７５０）
次に、図２０（ａ）を用いて振分動作開始処理（Ｓ７００）の概要を説明し、図２０（ｂ）を用いて振分動作停止処理（Ｓ７５０）の概要を説明する。ここで、振分動作開始処理（Ｓ７００）および振分動作停止処理（Ｓ７５０）は、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）および役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）のサブルーチンとして、主制御部２００Ａ（主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１）が行う処理である。

図２０（ａ）に示すように振分動作開始処理（Ｓ７００）が起動すると、振分装置７０において振分動作を停止しているか否かを判断し（Ｓ７０５）、既に振分動作を行っている場合にはそのまま振分動作開始処理（Ｓ７００）を終了する。一方、振分動作を停止している場合には（Ｓ７０５；ＹＥＳ）、条件装置の作動開始タイミングであるか否かを判断し（Ｓ７１０）、作動開始タイミングである場合には（Ｓ７１０；ＹＥＳ）、振分動作を開始し（Ｓ７２０）、振分動作開始処理（Ｓ７００）を終了する。ここで、振分装置７０において振分動作を停止しているときには、振分ソレノイド７７ｃが消磁された状態に維持され、振分装置７０は第１誘導状態を維持する。これに対して、振分動作を開始すると、振分ソレノイド７７ｃへの励磁と消磁とが交互に繰り返され、第２誘導状態と第１誘導状態とが交互に実現される。

図２０（ｂ）に示すように振分動作停止処理（Ｓ７５０）が起動すると、振分装置７０において振分動作を実行しているか否かを判断し（Ｓ７５５）、振分動作を停止している場合にはそのまま振分動作停止処理（Ｓ７５０）を終了する。一方、振分動作を実行している場合には（Ｓ７５５；ＹＥＳ）、役物連続作動装置が作動開始タイミングであるか否かを判断し（Ｓ７６０）、作動開始タイミングである場合には（Ｓ７６０；ＹＥＳ）、振分動作を停止し（Ｓ７６５）、振分動作停止処理（Ｓ７５０）を終了する。なお、本実施例では、条件装置が作動を開始すると振分装置７０が振分動作を開始し、役物連続作動装置が作動を開始すると、振分装置７０が振分動作を終了する態様を例示したが、振分装置７０が終始、振分動作を実行していてもよい。

Ｇ．大当り遊技処理（Ｓ６００）
主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、図１１の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図２１に示す大当り遊技処理（Ｓ６００）において「条件装置作動フラグ」および「役物連続装置作動フラグ」がセットされていると判断すると（Ｓ６０１；ＹＥＳ、Ｓ６０２；ＹＥＳ）、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。

図２１は、大当り遊技処理（Ｓ６００）の流れを示すフローチャートである。大入賞口３１ａが開放されると、前述のように、所定の開放時間が経過するか、所定数の遊技球が大入賞口３１ａに入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。ここで、閉鎖状態（入球不能状態）の大入賞装置３１が開放状態（入球可能状態）となり、再び開放状態となることを内容とする遊技を「単位動作」と称することとする。この単位動作を所定回数（５、１０回若しくは１５回）行うと、所定のエンディング期間を経て大当り遊技が終了する。そして、大当り遊技が終了すると、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）の変動表示が実行可能な状態となる。以下、この図２１および図２２を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。

大当り遊技を開始すると、先ず、大入賞口３１ａが開放中か否かを判断する（Ｓ６０４）。ここで、大入賞口３１ａは「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後には大入賞口３１ａは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞口３１ａは開放中ではないと判断され（Ｓ６０４；ＮＯ）、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される（Ｓ６１２）。具体的には「大当り遊技開始後に実行された単位動作の回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する（Ｓ６１２）。

但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、Ｓ６１２の処理では必然的に否定的な判断がなされる（Ｓ６１２；ＮＯ）。このため、Ｓ６１４の処理に移行してインターバル時間（例えば、２秒）が経過したか否かを判断する（Ｓ６１４）。具体的には、大入賞口３１ａの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ６１４）。ここで、大入賞口３１ａの閉鎖時間（インターバル時間）とは、単位動作と単位動作との間で大入賞口３１ａが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り遊技が開始された直後には大入賞口３１ａは閉鎖状態となっているから、必然的に大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され（Ｓ６１４；ＹＥＳ）、大入賞口３１ａを開放させた後（Ｓ６１６）、図２１に示した大当り遊技処理を一旦終了して図１１の遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図１１に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理（Ｓ６００）を開始する。この際、前述のように、図１１に示した遊技制御処理を主制御基板２００のＣＰＵ２０１が一回実行するために要する時間は約４ｍｓｅｃとなっている。従って、図２１に示す大当り遊技処理（Ｓ６００）も約４ｍｓｅｃ毎に繰り返して実行される。そして、Ｓ６０４の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口３１ａの開放時間（３０秒）が経過したか否かを判断する（Ｓ６０６）。

大入賞口３１ａの開放時間が経過していれば（Ｓ６０６；ＹＥＳ）、大入賞口３１ａを閉鎖した後（Ｓ６１０）、図２１に示した大当り遊技処理（Ｓ６００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口３１ａの開放時間が経過していない場合は（６０６；ＮＯ）、大入賞口３１ａに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する（Ｓ６０８）。そして、遊技球の入球数が規定数に達した場合も（Ｓ６０８；ＹＥＳ）、大入賞口３１ａを閉鎖する（Ｓ６１０）。つまり、遊技球の入球数が規定数に達すると開放時間の経過を待たずに大入賞口３１ａを閉鎖する。

大入賞口３１ａの開放時間が経過せず（Ｓ６０６；ＮＯ）、入球数が規定数に達していない場合は（Ｓ６０８；ＮＯ）、大入賞口３１ａを開放させたまま、図２１の大当り遊技処理を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。

遊技機１の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合、図１１の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口３１ａの開放時間が経過するか（Ｓ６０６；ＹＥＳ）、若しくは、大入賞口３１ａに所定数の遊技球が入球して（Ｓ６０８；ＹＥＳ）、大入賞口３１ａが閉鎖される（Ｓ６１０）。こうして、１回の単位動作を終了する。

遊技機１の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理（Ｓ６００）が実行され、Ｓ６０４において大入賞口３１ａが閉鎖中と判断されると（Ｓ６０４；ＮＯ）、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される（Ｓ６１２）。ここで、「大当り遊技」が「５Ｒ大当り遊技」の場合は、その大当り遊技中に実行した単位動作の回数（ラウンド数）が「５」に達したか否かが判断され、「１０Ｒ大当り遊技」の場合は、その大当り遊技中に実行した単位動作の回数（ラウンド数）が「１０」に達したか否かが判断され、「１５Ｒ大当り遊技」の場合は、その大当り遊技中に実行した単位動作の回数（ラウンド数）が「１５」に達したか否かが判断される。

そして、単位動作の回数（ラウンド数）が設定回数に到達していなければ（Ｓ６１２；ＮＯ）、インターバル時間（例えば、２秒）が経過したことを確認した後（Ｓ６１４；ＹＥＳ）、再び大入賞口３１ａを開放状態とする新たな単位動作を実行する（Ｓ６１６）。一方、Ｓ６１２の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合（Ｓ６１２；ＹＥＳ）、以下に示す「大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）」を行った後、大当り遊技処理（Ｓ６００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。次に、図２２を用いて大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）」について説明する。

この大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）が起動すると、ＣＰＵ２０１は、図２２に示すように、「条件装置作動フラグ」および「役物連続装置作動フラグ」を解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ８０５）、前述の「参照用バッファ（図１７のＳ３５４を参照）」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄（以下、「今回の当り図柄」という。）の種類に関する情報を取得し（Ｓ８１０）、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。まず、今回の大当り図柄（図１６のＳ３４４の処理で停止した図柄）が、確変大当り図柄であるか否かを判断する（Ｓ８２０）。ここで、本実施例において「確変大当り図柄」は「第１確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ａ）」、「第２確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｂ）」若しくは「第３確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｃ）」である。

今回の大当り図柄が確変大当り図柄でない場合（Ｓ８２０；ＮＯ）、すなわち、今回の大当り図柄が通常大当り図柄（通常Ａ若しくは通常Ｂ）である場合には、ＣＰＵ２０１は特図時短カウンタに「１００」をセットする処理（Ｓ８２０）と、特図時短フラグをセットする処理（Ｓ８６０）と、普図時短フラグをセットする処理（Ｓ８７０）とを行った後、大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）を終了する。また、今回の大当り図柄が確変大当り図柄である場合（Ｓ８２０；ＹＥＳ）、特図確変フラグをセット（ＯＮに設定）する（Ｓ８２２）。そして、特図時短カウンタに「１０，０００」をセットする処理（Ｓ８４０）と、特図時短フラグをセットする処理（Ｓ８６０）と、普図時短フラグをセットする処理（Ｓ８７０）とを行った後、大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）を終了する。

（５）実施例の効果
本遊技機１によると、普通図柄当り確率が通常よりも高く、第２始動口１７ｂの開放時間が通常よりも長く、しかも、普通図柄の変動時間が短縮化される普図時短状態に設定されているときに、大当り図柄が停止表示されたとしても、第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１を遊技球が通過して大当り遊技を開始させない限り、普図時短状態（高頻度状態）が維持される。つまり、大当り図柄が停止表示されて条件装置が作動しても、大当り遊技を行う権利は獲得できたが、遊技球が第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１を遊技球が通過しなければ、大当り遊技が開始されない。

よって、大当り図柄が停止表示されたとしても、遊技球が第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１を通過しないように遊技球を発射することで、大当り遊技の開始を先延ばしにできる。このため、大当り図柄の停止表示後（条件装置の作動開始後）、大当り遊技が開始されるまでの間に、可能な限り多くの遊技球を第２始動口１７ｂに入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、特別図柄の変動条件成立など）を得るという、新たな遊技を実現できる。

また、本遊技機１は、前述のように特別図柄を２個（第１特別図柄、第２特別図柄）備え、第１始動入賞に基づく判定用乱数値よりも第２始動入賞に基づく判定用乱数値が優先的に処理される。しかも、第２当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技の方が、第１当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技よりも有利となる可能性が高い。そして、本遊技機１では、遊技球が第１開始ゲート８０や第２開始ゲート８１を通過しないように遊技球を発射し、高頻度に開放状態となる第２始動口１７ｂに対して、できるだけ多くの遊技球を入球させることで、大当り遊技が開始される前に、第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値を記憶させて、第２特別図柄に係る保留（第２保留）を確保することができる。これにより、大当り遊技の終了直後において第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値（第１特別図柄に係る保留：第１保留）が処理されるという事態を防止できる。

また、本遊技機１では「普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂ」と、「開始ゲート（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）」が、遊技領域１１のうち中央装置２０を間に挟んで互いに反対の位置に存在するため、第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１への遊技球の通過を避けて、第２始動口１７ｂに遊技球を入球させることが容易である。具体的には、右打ち領域１１Ｒに第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１を設け、左打ち領域１１Ｌに普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂを設ける。このため、大当り図柄が停止表示された後は、暫く遊技球を左打ち領域１１Ｌに向かって発射することで、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球を狙いつつ普図時短状態を維持できる。

次に実施例１の変形例（以下、変形例１という。）について説明する。この変形例１では、図２の代わりに図２３を用いる点と、図７の代わりに図２４を用いる点、図８および図９の代わりに図２５および図２６を用いる点と、図１７の代わりに図２７を用いる点と、図１８の代わりに図２８を用いる点と、図４および図１９を用いない点が実施例１と異なる。その他の点に関しては実施例１と同様である。以下、変形例１に関し、実施例１との相違点を中心に説明する。

図２３に示すように変形例１の遊技盤１０は振分装置７０を備えない点と、開始ゲート８５の数が１個である点が実施例１の遊技盤１０と異なる。また、変形例１においても、右打ち領域１１Ｒに開始ゲート８５を備え、左打ち領域１１Ｌに普通図柄作動ゲート１６を備える。

次に図２４を用いて、変形例１の特別図柄の変動遊技の特徴を説明する。変形例１の遊技機においても、始動口（第１始動口１７ａ若しくは第２始動口１７ｂ）に遊技球が入球することに基づいて（Ｓ１０）、特別図柄の変動表示が開始される（Ｓ１２）。そして、第１特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第１始動入賞」に基づいて実行される第１特別図柄に関する当否判定（第１当否判定）の結果が表示され、第２特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第２始動入賞」に基づいて実行される第２特別図柄に関する当否判定（第２当否判定）の結果が表示される。なお、変形例１においても特図確率状態が特図低確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率（大当り確率）は「１／３１５」とされ、特図確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率（大当り確率）は「１／３１．５」とされる。

この特別図柄の変動表示において特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が外れ図柄で停止表示されると（Ｓ１４ｃ）、外れが確定する（Ｓ１６ｃ）。これに対して、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が大当り図柄で停止表示されると、条件装置が作動し（Ｓ１４）、大当り遊技の待機状態となる（Ｓ１５）。なお、本実施例では、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に停止表示される大当り図柄が乱数抽選により決定されるが、この大当り図柄によって実行予定の大当り遊技のラウンド数が特定される。

大当り遊技の待機状態になると、開始ゲートスイッチ８５ｓによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生する。このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート８５を通過すると（Ｓ２１）、役物連続作動装置の作動を開始させる処理（Ｓ２４）を行う。そして、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ２５）を行った後、大当り遊技が開始される（Ｓ２８）。

変形例１においても、図２５および図２６に示すように、第１当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される大当り図柄が「第１通常大当りの発生を示す大当り図柄（通常Ａ）」と、「第２通常大当りの発生を示す大当り図柄（通常Ｂ）」と、「第１確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ａ）」と、「第２確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｂ）」とのうち何れかに決定される。また、第２当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される大当り図柄が「通常Ａ」と、「通常Ｂ」と、「確変Ａ」と、「確変Ｂ」と、「第３確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｃ）」とのうち何れかに決定される。また、変形例１においても、第１当否判定および第２当否判定の双方について、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合、当該大当りが確変大当りとなる確率が「６０％」とされ、通常大当りとなる確率が「４０％」とされる。

但し、変形例１では、大当り遊技において実行される「ラウンド遊技」の回数が、大当り図柄の種類に基づいて定められる点が実施例１と異なる。具体的には、大当り図柄が「通常Ａ」若しくは「確変Ａ」に決定されると、ラウンド遊技の回数が「１０回」に設定され、「通常Ｂ」若しくは「確変Ｂ」に決定されると、ラウンド遊技の回数が「１２回」に設定され、「確変Ｃ」に決定されると、ラウンド遊技の回数が「１５回」に設定される。そして、図２５および図２６に示すように、第２当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第１当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。

変形例１においても確変大当りを生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（確変ケース）では、当該大当り遊技の終了後に「特図高確率状態」となる。また、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能が作動し、この特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１０，０００回」になるまで（実質的に、次回の大当りを生ずるまで）継続される。更に、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に普通図柄に関する時短機能が作動する（普図時短状態となる）。この普通図柄に関する時短機能は、次回の大当り遊技が開始されるまで継続する。

通常大当りを生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（通常ケース）では、当該大当り遊技の終了後に「特図低確率状態」となるが、当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能と普通図柄に関する時短機能が作動する。このうち、特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当りが発生するまで（大当り図柄が停止表示されるまで）継続される。また、普通図柄に関する時短機能は、通常大当りの発生に基づく大当り遊技を終了した場合においては、当該大当り遊技の終了後に大当りが発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当り遊技が開始されるまで継続される。

変形例１の特別図柄遊技処理においては、図２７に示すように、Ｓ３７０の処理が付加されている点が実施例１の特別図柄遊技処理と異なる。具体的には、大当り図柄が停止表示され（Ｓ３５２）、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）され（Ｓ３５３）、更に、Ｓ３５４の処理を実行すると、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置３１の開閉パターンをセットする処理を行う（Ｓ３７０）。具体的には、「第１通常大当り」若しくは「第１確変大当り」の場合は、大入賞口３１ａの開放限度時間を「３０秒」とするラウンド遊技を「１０ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「第２通常大当り」若しくは「第２確変大当り」の場合は、大入賞口３１ａの開放限度時間を「３０秒」とするラウンド遊技を「１２ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「第３確変大当り」の場合は、大入賞口３１ａの開放限度時間を「３０秒」とするラウンド遊技を「１５ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。その後の処理（Ｓ３８０以降の処理）に関しては実施例１の特別図柄遊技処理と同様である。

変形例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）は、図２８に示すように「大当りの実行パターン」を抽選で設定する処理が排除されている点とが、実施例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）と異なる。つまり、変形例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）では、図２７のＳ３５６の処理で有効化された開始ゲートスイッチ８５ｓが遊技球を検知したと判断すると（Ｓ５１６；ＹＥＳ）、役物作動装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する処理を行った後（Ｓ５６５）、開始ゲートスイッチ８５ｓを無効化する（Ｓ５７０）。更に、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ５７５）、解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、そのままＳ５９５の処理に移行する。また、Ｓ５７５の処理で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）し、Ｓ５９５の処理に移行する。この変形例１に示すように、大当り図柄でラウンド数を決定する遊技機においても実施例１と同様な効果が得られる。

次に、実施例２の遊技機について説明する。この実施例２では、図７の代わりに図２９を用いる点と、図８および図９の代わりに図３０および図３１を用いる点と、図１０の代わりに図３２を用いる点と、図１１の代わりに図３３を用いる点と、図３４（ａ）が付加されている点と、図１８の代わりに図３５を用いる点が実施例１と異なる。その他の点に関しては実施例１と同様である。以下、実施例２に関し、実施例１との相違点を中心に説明する。

まず、図２９〜図３２を用いて、実施例２の遊技機における特別図柄の変動遊技及び大当り遊技の流れを簡単に説明する。なお、実施例２においても、普通図柄の変動遊技については図６、図１２、図１３に基づき、実施例１と同様に実行される。

図２９に示すように、実施例２の遊技機においても役物連続作動装置の作動を開始する処理（Ｓ２４、Ｓ２４ｃ）までの「遊技の流れ」は実施例１の遊技機１と同様である。但し、実施例２の遊技機においては、役物連続作動装置の作動を開始する処理を行う時点で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には、終了カウンタに所定の値（実施例２では「８」）をセットする処理を行った後（Ｓ２７、Ｓ２７ｃ）、Ｓ２２およびＳ２２ｃの処理で設定された大当り遊技の実行パターンに基づいて、大当り遊技が開始される（Ｓ２８、Ｓ２８ｃ）。そして、終了カウンタの値が「ゼロ」になると、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）し、普図時短状態が終了する（Ｓ２９、Ｓ２９ｃ）。ここで、終了カウンタとは、大当り遊技の開始後において普図時短状態を維持したまま実行可能な「普通図柄の変動表示」の回数を示すものである。この終了カウンタには、普図時短状態で大当り遊技が開始されるときに「８」がセットされる。そして、終了カウンタの値が「ゼロ」になると普図時短状態が終了し、普図通常状態となる。つまり、大当り遊技が開始された後、普通図柄の変動表示が「８回」行われると、普図時短状態が終了して普図通常状態となる。

実施例２においても、図３０に示すように、第１当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される大当り図柄が、「第１通常大当りの発生を示す大当り図柄（通常Ａ）」と、「第２通常大当りの発生を示す大当り図柄（通常Ｂ）」と、「第１確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ａ）」と、「第２確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｂ）」とのうち何れかに決定される。また、図３１に示すように、第２当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選（振分抽選）によって、第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される大当り図柄が「通常Ａ」と、「通常Ｂ」と、「確変Ａ」と、「確変Ｂ」と、「第３確変大当りの発生を示す大当り図柄（確変Ｃ）」とのうち何れかに決定される。また、第１当否判定および第２当否判定の双方について、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合、当該大当りが確変大当りとなる確率が「６０％」とされ、通常大当りとなる確率が「４０％」とされる。

また、実施例２の遊技機においても発生した大当りが第１通常大当り、第２通常大当り、第１確変大当り若しくは第２確変大当りである場合に、遊技球が第１開始ゲート８０を通過すると、ラウンド遊技の回数が「１０回」に設定され、遊技球が第２開始ゲート８１を通過すると、ラウンド遊技の回数がラウンド抽選によって「５回」若しくは「１５回」に設定される。更に、発生した大当りが第３確変大当りである場合には、第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１の何れを通過しても、ラウンド遊技の回数が「１５回」に設定される。

実施例２においても、確変大当り（第１確変大当り、第２確変大当り、第３確変大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（確変ケース）では、当該大当り遊技の終了後に「特図高確率状態」となる。また、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能が作動する。この特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１０，０００回」になるまで（実質的に、次回の大当りを生ずるまで）継続される。更に、確変ケースでは当該大当り遊技の終了後に普通図柄に関する時短機能が作動する（普図時短状態となる）。この普通図柄に関する時短機能は、次回の大当り遊技が開始された後、普通図柄の変動表示が８回行われるまで継続する。

実施例２においても、通常大当り（第１通常大当り、第２通常大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（通常ケース）では、当該大当り遊技の終了後に「特図低確率状態」となるが、当該大当り遊技の終了後に当該大当り遊技の終了後に特別図柄に関する時短機能と普通図柄に関する時短機能が作動する。このうち、特別図柄に関する時短機能は、大当り遊技の終了後に大当りを発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当りが発生するまで（大当り図柄が停止表示されるまで）継続される。また、普通図柄に関する時短機能は、通常大当り（第１通常大当り、第２通常大当り）の発生に基づく大当り遊技を終了した場合において、当該大当り遊技の終了後に大当りが発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当り遊技が開始された後において普通図柄の変動表示が８回行われるまで継続される。

次に、実施例２の遊技機１の特徴について図３２を用いて説明する。ここで、図３２は、遊技機１の遊技状態が、普通図柄に関する時短機能が作動する普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）である場合に大当り図柄が停止表示された場合（以下、設例３という。）の一連の流れを示している。設例３では、遊技機の遊技状態が「普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）」で「特図高確率状態（特図確変フラグＯＮ）」かつ「特図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」である場合に大当り図柄が停止表示されたケースを示しているが、遊技機の遊技状態が「普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）」で「特図低確率状態（特図確変フラグＯＦＦ）」かつ「特図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」である場合に大当り図柄が停止表示されたケース（以下、設例４という。）についても、「普図時短状態（特図時短フラグＯＮ）」が終了するタイミングは同様である。

設例３においては、大当り図柄が停止表示され、大当りを発生すると、条件装置が作動し（条件装置作動フラグＯＮ）、特図確率状態が特図低確率状態（特図確変フラグＯＦＦ）となるとともに特図時短状態が解除（特図時短フラグＯＦＦ）される。なお、設例３においても、大当り図柄が停止表示され、条件装置が作動したとき、特図時短状態が解除（特図時短フラグＯＦＦ）される。

図３２に示す設例３と、図示しない設例４においては、大当りを発生しても（特別図柄が大当りで停止表示されても）、この段階では役物連続作動装置は作動しない（役物連続作動装置作動フラグＯＦＦ）ため、大当り遊技は開始されず、大当り遊技の開始を待機する期間（待機期間）となる。また、この段階では普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）が維持される。このように、本実施例では、条件装置が作動すると一連のプログラム処理に基づいて役物連続作動装置が作動するのではなく、条件装置が作動すると開始条件が成立するまで役物連続作動装置は作動しない状態となる。

設例３および設例４では待機期間中に遊技球が開始ゲート（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）を通過すると、大当り図柄の停止（大当りの発生）に基づく大当り遊技を開始する。この後、普通図柄の変動表示が８回行われると、普図時短状態が解除される（普図時短フラグＯＦＦ）。このため、大当りが発生し、条件装置が作動しても、開始ゲート（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）を遊技球が通過し、更に、普通図柄の変動表示が所定回数行われるまでの間、普図時短状態（普図時短フラグＯＮ）が維持されることになる。

次に図３３を用いて実施例２の遊技制御処理を説明する。この実施例２の遊技制御処理では、普図時短終了処理（Ｓ１８０）が付加されている点が実施例１の遊技制御処理（図１１）と異なる。また、実施例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）は図３５に基づいて実行される。以下、普図時短終了処理（Ｓ１８０）と実施例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）について説明する。ここで、普図時短終了処理（Ｓ１８０）は、大当り遊技の開始後において普図時短状態を終了させるための処理である。

普図時短終了処理（Ｓ１８０）が起動すると、図３４（ａ）に示すように、ＣＰＵ２０１は役物連続作動装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断する（Ｓ１８２）。そして、役物連続作動装置作動フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ１８２；ＮＯ）、普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了し、図３３の遊技制御処理に復帰する。これに対して、役物連続作動装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合には（Ｓ１８２；ＹＥＳ）、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ１８４；ＮＯ）、解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ１８４；ＮＯ）、普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了し、図３３の遊技制御処理に復帰する。このように、大当り遊技を実行していない場合（Ｓ１８２で否定的に判断される場合）と、大当り遊技の実行中であって普図通常状態である場合（Ｓ１８４で否定的に判断される場合）には、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する必要がないため、普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了する。

ＣＰＵ２０１は役物連続作動装置作動フラグおよび普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ１８２；ＹＥＳ、Ｓ１８４；ＹＥＳ）、普通図柄が確定表示されたか否かを判断する（Ｓ１８６）。具体的には、普通図柄の変動表示が停止し、更に停止表示時間が経過したか否か（図１３のＳ１６６の処理で肯定的に判断される状態であるか否か）判断する。そして、Ｓ１８６の処理で否定的に判断される場合には（Ｓ１８６；ＮＯ）、一旦普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了し、図３３の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄が確定表示されたと判断すると（Ｓ１８６；ＹＥＳ）、終了カウンタの値を「−１」する処理を行った後（Ｓ１８８）、終了カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する（Ｓ１９０）。

そして、終了カウンタの値が「ゼロ」でない場合には（Ｓ１９０；ＮＯ）、そのまま普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了する。この場合、次回の「普通図柄の変動表示」においても普図時短状態が維持されることになる。これに対して、終了カウンタの値が「ゼロ」である場合には（Ｓ１９０；ＹＥＳ）、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ１９２）、普図時短終了処理（Ｓ１８０）を終了する。この場合、普図時短状態から普図通常状態に移行する。

次に図３５を用いて実施例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）の特徴を説明する。実施例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）においても、Ｓ５７０までの処理は実施例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）と同様である。この実施例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）では、Ｓ５７５の処理で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、終了カウンタに所定値（本実施例２では「８」）をセットする処理を行った後（Ｓ５８８）、Ｓ５９５の処理に移行する。この場合、役物作動装置作動フラグがセット（ＯＮ）されて大当り遊技が開始されても、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されたままとされ、普図時短状態が維持される。

実施例２の遊技機によると、遊技状態が普図時短状態に設定されているとき、大当り図柄が停止表示されても、大当り遊技の開始後に実行される普図当否判定（普通図柄に関する当否判定）の実行回数、換言すると普通図柄の変動表示回数が所定回数になるまで普図時短状態が維持される（高頻度状態）。そして、大当り図柄が停止表示された後に、開始ゲート（第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１）に遊技球を通過させることで大当り遊技が開始され、当該大当り遊技開始後における普通図柄の変動表示の回数（普通図柄に関する当否判定の実行回数）が所定回数（８回）になることに基づいて、漸く普図通常状態となる。

このように実施例２の遊技機では、大当り図柄が停止表示されても、遊技球が開始ゲート（第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１）を通過しないように遊技球を発射することで、大当り遊技の開始を先延ばしにできる。しかも、普図時短状態で大当り図柄が停止表示された場合に、当該大当り遊技の開始後に実行される普図当否判定の回数が所定回数になるまで普図時短状態が維持される。このため、普図時短状態で大当り図柄が停止表示された場合において、高頻度状態を長く継続することができ、可能な限り多くの遊技球を第２始動口１７ｂに入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、特別図柄の変動条件成立など）を得るという、新たな遊技を実現することができる。

また、実施例２においても、特別図柄を２個（第１特別図柄、第２特別図柄）備え、第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値よりも第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値が優先的に処理される。しかも、第２当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技の方が、第１当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技よりも有利となる可能性が高い。そして、本遊技機１では、遊技者が、普図時短状態が継続される間に第２始動口１７ｂに遊技球を入球させることで、第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値を取得し、確保することができる。これにより、大当り遊技の終了直後において第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値が処理されるという事態を防止できる。

また、実施例２においても、「普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂ」と、「開始ゲート（第１開始ゲート８０、第２開始ゲート８１）」とが、遊技領域１１のうち中央装置２０を間に挟んで反対の位置に存在するため、第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１への遊技球の通過を避けて、第２始動口１７ｂに遊技球を入球させることが容易である。具体的には、右打ち領域１１Ｒに第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１を設け、左打ち領域１１Ｌに普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂを設ける。このため、大当り図柄が停止表示された後は、暫く遊技球を左打ち領域１１Ｌに向かって発射することで、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球を狙いつつ普図時短状態を維持できる。

次に実施例２の第１の変形例（以下、変形例２という。）について説明する。この変形例２は、前述の変形例１（実施例１の変形例）に対応するものであり、図２の代わりに図２３を用いる点と、図１７の代わりに図２７を用いる点と、図１８の代わりに図２８を用いる点と、図３０および図３１を用いない点と、図４および図１９を用いない点が実施例２と異なる。また、変形例２においては「普図時短」の欄の内容を図３６（ａ）の「普図時短」の欄の内容に変更することを除いて前述の図２５の内容を適用でき、「普図時短」の欄の内容を図３６（ｂ）の「普図時短」の欄の内容に変更することを除いて前述の図２６の内容を適用できる。つまり、変形例２においても、「普図時短の終期」が異なることを除いて、前述の図２５、図２６に示す内容（変形例１の内容）がそのまま適用できる。

この変形例２においても、実施例２と同様に、確変大当り（第１確変大当り、第２確変大当り、第３確変大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（確変ケース）では、普通図柄に関する時短機能が、次回の大当り遊技が開始された後、普通図柄の変動表示が８回行われるまで継続する。また、通常大当り（第１通常大当り、第２通常大当り）を生じ、開始条件が成立して大当り遊技を実行するケース（通常ケース）では、普通図柄に関する時短機能が、当該大当り遊技の終了後に大当りが発生することなく実行される特別図柄の変動表示の累積実行回数が「１００回」になるか、累積実行回数が「１００回」になる以前に次回の大当り遊技が開始された後において普通図柄の変動表示が８回行われるまで継続される。

図３７（ａ）に示すように、変形例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）も、Ｓ５７０までの処理は図２８に示す変形例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）と同様である。この変形例２の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）では、Ｓ５７５の処理で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、終了カウンタに所定値（変形例２では「８」）をセットする処理を行った後（Ｓ５８９）、Ｓ５９５の処理に移行する。この変形例２に示すように、大当り図柄に基づいてラウンド数を決定する遊技機においても実施例２と同様な効果が得られる。

ここで、実施例２および変形例２では、普図時短状態で大当り遊技を開始する場合において、普図時短状態を維持しつつ実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数であって、終了カウンタにセットする値で特定される）を一律に「８回」とする態様を例示したが、この実行可能な普通図柄の変動表示回数（以下、「実行可能回数」ともいう）にバラツキを持たせてもよい。具体的には、図３５のＳ５８８の処理や図３７（ａ）のＳ５８９の処理を行う際に乱数抽選を行って実行可能回数（所定回数）を複数の候補から選択してもよい。例えば、実行可能回数（所定回数）の候補を、「１回（選択率；１０％）」、「２回（選択率；１５％）」、「３回（選択率；２５％）」、「４回（選択率；２５％）」、「５回（選択率；２５％）」、「６回（選択率；１０％）」とし、乱数抽選で当該候補の中から実行可能回数（所定回数）を決定し、実行可能回数（所定回数）に対応する値を終了カウンタにセットしてもよい。

また、普図時短状態で大当り図柄が停止表示されて大当り遊技を実行する場合、停止表示された大当り図柄に基づいて実行可能回数（所定回数）を決定してもよい。例えば、変形例２においては、図３７（ｂ）の変形例３に示すように、実行可能回数（所定回数）を普図時短状態で停止表示された大当り図柄の種類に基づいて定めて（例えば、「通常Ａ」である場合に「５回」、「確変Ｂ」である場合に「８回」等）もよい。この場合、変形例２の図３７（ａ）のＳ５８９の処理においては、図１７に示す参照用バッファ（Ｓ３５４）を参照して、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄（今回の当り図柄）の種類に関する情報を取得する。そして、この取得した情報に基づいて、所定の値（例えば、大当り図柄が通常Ｂなら「７」）を終了カウンタにセットすることになる。

更に、普図時短状態で大当り図柄が停止表示されて大当り遊技を実行する場合、停止表示された大当り図柄に関する情報に加えて、他の情報を参酌して実行可能回数（所定回数）を決定してもよい。例えば、実施例２においては、図３４（ｂ）に示すように、実行可能回数（所定回数）を「普図時短状態で停止表示された大当り図柄の種類」と「遊技球が通過した開始ゲートの種類」とに基づいて定めてもよい（以下、変形例４という。）。この変形例４では、例えば、遊技球が第１開始ゲート８０若しくは第２開始ゲート８１を通過したとき、通過したゲートの種類を記憶する処理を図３５の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）に追加する。そして、図３５のＳ５８８の処理においては、図２７に示す参照用バッファ（Ｓ３５４）を参照して、今回の大当り図柄の種類に関する情報を取得し、当該取得した情報と、通過したゲートの種類に関する情報に基づいて、所定の値（例えば、大当り図柄が通常Ｂで、通過したゲートが第２開始ゲート８１ならば「１１」）を終了カウンタにセットすることになる。なお、他の情報としては、例えば、今回の大当りを発生するまでの遊技球の発射数（発射数が多いほど、救済として、終了カウンタに大きな値をセット）等を例示することもできる。

これらの「実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数）を乱数抽選に基づいて決定する態様」、「実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数）を大当り図柄の種類に基づいて決定する態様」、「実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数）を大当り図柄の種類および他の情報に基づいて決定する態様」等によると、第２始動口１７ｂに遊技球が入球する頻度が高い状態に維持される期間（所定回数）に、「バラツキ」を生じさせることができるため、遊技の多様化を図ることができる。また、実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数）が何れの回数になるかによって遊技者の受ける利益が異なるため、所定回数を複数設けることで遊技者の期待感を高めることができる。特に、第２始動口１７ｂに遊技球が入球する頻度が高い状態に維持される期間（所定回数）が、普図時短状態で停止表示された大当り図柄の種類に基づいて設定される場合、遊技者は期待感を抱きつつ特別図柄の変動表示の推移を見守る。そして、当該変動表示が大当り図柄で停止表示された場合、その大当り図柄の種類に一喜一憂することになるため、遊技の多様化を図ることができるばかりか、遊技興趣を効果的に高めることができる。

なお、このように「実行可能な普通図柄の変動表示回数（所定回数）を決定する態様」において、決定された変動表示回数（所定回数）を非報知としてもよいが、報知することとしてもよい。例えば、決定された変動表示回数（所定回数）を特定するデータを主制御部２００Ａ（主制御基板２００）からサブ制御部２２０Ａ（サブ制御基板２２０）に送信し、サブ制御部２２０Ａ（サブ制御基板２２０）が当該受信したデータに基づいて、演出表示装置２７やスピーカＳＰ１〜ＳＰ４で、決定された変動表示回数（所定回数）を報知する演出を行ってもよい。例えば、「普通図柄の変動表示回数が５回になるまで第２始動口１７ｂを狙え」とか、「チャンスタイム５回」等と演出表示装置２７の表示画面２７ａに表示したり、スピーカＳＰ１〜ＳＰ４で発声してもよい。

次に、実施例２の更に他の変形例（以下、変形例５という。）について説明する。この変形例５では、図２の代わりに図３８を用いる点と、図２９の代わりに図３９を用いる点、図２５および図２６に対して図３６に示す変更を加える点（変形例２と同様）と、図２７の代わりに図４０を用いる点と、図３３に示す遊技制御処理のうち役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）が省略されている点が異なるが、その他の点に関しては実施例２と同様である。以下、変形例５に関し、実施例２との相違点を中心に説明する。

図３８に示すように、変形例５の遊技盤１０は振分装置７０を備えない点と、開始ゲート８０，８１を備えない点と、普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂが右打ち領域１１Ｒに配置されている点と、第２始動口１７ｂの態様が異なる点が実施例２の遊技盤１０と異なる。変形例５の第２始動口１７ｂは普通図柄作動ゲート１６の下方に配置されている。この第２始動口１７ｂは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片１７ｆ、１７ｆが開閉するべく形成され、一対の可動翼片１７ｆ、１７ｆを作動させるための普通電動役物ソレノイド１７ｃ（図５参照）を備える。また、第２始動口１７ｂの内部には、当該第２始動口１７ｂに入球した遊技球を検知するための第２始動口入球検知スイッチ１７ｔが配置されている（図５参照）。

普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行わないと、一対の可動翼片１７ｆ、１７ｆが立設状態（図３１の実線を参照）とされ、一対の可動翼片１７ｆ、１７ｆ間に１球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球可能性が低い第１入球状態（第１態様）となる。一方、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行うと、一対の可動翼片１７ｆ、１７ｆが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し（図３１の破線を参照）、遊技球の入球可能性が高くなる第２入球状態（第２態様）となる。なお、変形例５において開放延長機能が作動すると第２始動口１７ｂが第２入球状態（第２の態様）となる時間が長くなり（例えば、「５秒」）、開放延長機能が作動しない状態である場合には、第２始動口１７ｂが第２入球状態（第２の態様）となる時間が短くなる（例えば、「０．２秒」）。

次に図３９を用いて、変形例５の特別図柄の変動遊技の特徴を説明する。変形例５の遊技機においても、始動口（第１始動口１７ａ若しくは第２始動口１７ｂ）に遊技球が入球することに基づいて（Ｓ１０）、特別図柄の変動表示が開始される（Ｓ１２）。そして、第１特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第１始動入賞」に基づいて実行される第１特別図柄に関する当否判定（第１当否判定）の結果が表示され、第２特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第２始動入賞」に基づいて実行される第２特別図柄に関する当否判定（第２当否判定）の結果が表示される。なお、変形例５においても、特図確率状態が特図低確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率（大当り確率）は「１／３１５」とされ、特図確率状態である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率（大当り確率）は「１／３１．５」とされる。

この特別図柄の変動表示において特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が外れ図柄で停止表示されると（Ｓ１４ｃ）、外れが確定する（Ｓ１６ｃ）。これに対して、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）が大当り図柄で停止表示されると、条件装置が作動し（Ｓ１４）、続いて役物連続作動装置が作動する（Ｓ２４）。なお、本変形例５では、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）に停止表示される大当り図柄が乱数抽選により決定されるが、この大当り図柄によって実行予定の大当り遊技のラウンド数が特定される。そして、普図時短フラグがセット（ＯＮ設定）されていれば、終了カウンタに所定の値（例えば、８）をセット（ＯＮに設定）する処理（Ｓ２７ｅ）を行った後、大当り遊技が開始される（Ｓ２８）。そして、大当り遊技が開始した後に、普通図柄の変動表示が「８回」行われると普図時短フラグが解除（ＯＦＦ設定）される（Ｓ３０ｅ）。

また、変形例５においても、「普図時短状態の終期（継続期間）」に関する事項（図３８を参照）を除いて、前述の図２５、図２６に示す事項がそのまま適用され、「普図時短状態の終期（継続期間）」に関する事項（図３６を参照）の内容に関しては変形例２と同様である。

変形例５の特別図柄遊技処理（Ｓ３００）は、図４０に示すように、Ｓ３５３の処理に続いてＳ３５３ｄの処理を行う点と、Ｓ３５６の処理（図２７参照）を行わない点と、Ｓ３８８およびＳ３９０の処理が付加されている点が、実施例２の特別図柄遊技処理（Ｓ３００）と異なる。具体的には、大当り図柄が停止表示されると（Ｓ３５２；ＹＥＳ）と、条件装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する処理（Ｓ３５３）と、役物連続作動装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する処理とを行い（Ｓ３５３ｄ）、これにより大当り遊技の開始条件が成立することとなる。

Ｓ３５３ｄの処理を行うと、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、後述する「大当り遊技」の終了時等に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット（記憶）する（Ｓ３５４）。続いて、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置３１の開閉パターンをセットする処理を行う（Ｓ３７０）。そして、特図確変フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ３８０）、セットされていない場合は（Ｓ３８０；ＮＯ）、そのままＳ３８４の処理に移行する。一方、Ｓ３８０の処理において、特図確変フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３８０；ＹＥＳ）、特図確変フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ３８２）、Ｓ３８４の処理に移行する。

Ｓ３８４の処理においては、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し、セットされていない場合は（Ｓ３８４；ＮＯ）、そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を終了する。一方、Ｓ３８４の処理において、特図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３８４；ＹＥＳ）、終了カウンタに所定の値（例えば「８」）をセットした後（Ｓ３９０）、特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図１１の遊技制御処理に復帰する。

変形例５の遊技機によると、普図時短状態に設定されているとき、特別図柄が停止表示されても、その後、普通図柄の変動表示が所定回数（変形例５では８回）行われるまで普図時短状態が維持される。このように、開始ゲートを備えない遊技機においても、大当り図柄が停止表示されて条件装置が作動した後に、可能な限り多くの遊技球を第２始動口１７ｂに入球させて、それに基づく利益（賞球等の遊技価値、特別図柄の変動条件成立など）を得るという、新たな遊技を実現できる。

また、変形例５の遊技機も、特別図柄を２個（第１特別図柄、第２特別図柄）備え、第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値よりも第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値が優先的に処理される。しかも、第２当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技の方が、第１当否判定の結果が大当りになることに基づき実行される大当り遊技よりも有利となる可能性が高い。そして、本遊技機１では、普図時短状態が継続される間に第２始動口１７ｂに遊技球を入球させることで、第２始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値を取得し、確保することができる。これにより、大当り遊技の終了直後において第１始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値が処理されるという事態を防止できる。

次に、実施例３の遊技機について説明する。この実施例３では、図２３の代わりに図４１を用いる点と、図２４の代わりに図４２を用いる点、図２７の代わりに図４３を用いる点と、図２８の代わりに図４４を用いる点が変形例１と異なる。その他の点に関しては変形例１と同様である。以下、実施例３に関し、変形例１との相違点を中心に説明する。

図４１に示すように、実施例３の遊技盤１０は、普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂが右打ち領域１１Ｒに配置されている点が変形例１の遊技盤１０と異なる。また、開始ゲート８６において遊技球が通過する部位の横幅は普通図柄作動ゲート１６において遊技球が通過する部位の横幅よりも大きくされ（例えば、２倍の大きさ）、右打ち領域１１Ｒに遊技球を発射すると、高い確率で遊技球が開始ゲート８６を通過する。なお、実施例３の第２始動口１７ｂは前述の変形例５の第２始動口１７ｂと同様である。

次に図４２を用いて、実施例３の特別図柄の変動遊技の特徴を説明する。実施例３の遊技機においても、Ｓ１５に至るまでの処理は変形例１と同様である。実施例３では、大当り遊技の待機状態となると（Ｓ１５）、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期を設定する（Ｓ１５ｄ）。そして、この有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ８６ｓによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生する。このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート８６を通過すると（Ｓ２１）、役物連続作動装置の作動を開始させる処理（Ｓ２４）を行う。そして、普図時短フラグがセット（ＯＮ）されている場合には、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ２６）を行った後、大当り遊技が開始される（Ｓ２８）。

実施例３の特別図柄遊技処理（Ｓ３００）は、図４３に示すように、開始ゲートスイッチ８６ｓを有効化する時期を設定する処理（Ｓ３６０）が追加されている点が、変形例１の特別図柄遊技処理（Ｓ３００）と異なる。具体的には、大当り図柄が停止表示され（Ｓ３５２；ＹＥＳ）、条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）され（Ｓ３５３）、更に、Ｓ３５４の処理を実行すると、開始ゲートスイッチを有効化する時期を設定する（Ｓ３６０）。つまり、実施例３では条件装置作動フラグがセット（ＯＮに設定）されると、直ちに開始ゲートスイッチ８６が有効化されるのではなく、条件装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）した後、所定時間（例えば、２０秒）が通過したときに開始ゲートスイッチ８６が有効化される。このため、条件装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）した後、所定時間が経過する前に遊技球が開始ゲートスイッチ８６を通過しても、開始ゲートスイッチ８６による検知は無効とされ、大当り遊技が開始されることはない。なお、Ｓ３７０以降の処理に関しては変形例１の特別図柄遊技処理と同様である。

実施例３の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）は、図４４に示すように、開始ゲートスイッチが有効化されているか否かを判断する処理（Ｓ５１３）が追加されている点が変形例１の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）と異なる。つまり、実施例３の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）では、Ｓ５１０の処理で肯定的な判断がなされると（Ｓ５１０；ＹＥＳ）、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化されているか否かを判断する（Ｓ５１３）。そして、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化されていれば（Ｓ５１３；ＹＥＳ）、Ｓ５１６の処理に移行し、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化されていなければ（Ｓ５１３；ＮＯ）、一旦、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技制御処理を繰り返して実行するうちに、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化されると（Ｓ５１３；ＹＥＳ）、Ｓ５１６の処理に移行する。

Ｓ５１６の処理では、有効化された開始ゲートスイッチ８６ｓが遊技球を検知したか否か（有効化済みの開始ゲート８５を遊技球が通過したか否か）を判断する。そして、否定的な判断がなされると（Ｓ５１６；ＮＯ）、一旦、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。一方、肯定的な判断がなされると（Ｓ５１６；ＹＥＳ）、役物作動装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する処理（Ｓ５６６）と、開始ゲートスイッチ８６ｓを無効化する処理（Ｓ５７０）とを行い、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否か判断する（Ｓ５７５）。そして、普図時短フラグが解除（ＯＦＦに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＮＯ）、そのままＳ５９５の処理に移行する。また、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ５９０）、Ｓ５９５の処理に移行する。

実施例３によると、変形例１の効果に加え、以下の効果が得られる。つまり、実施例３では大当り図柄が停止表示されても、開始ゲートスイッチ８６ｓが直ちに有効化されるのではなく、所定時間（例えば、２０秒）が通過したときに有効化される。このため、大当り図柄の停止表示後に開始ゲート８６への遊技球の通過を避けるように遊技球を発射しなくても、大当り遊技の開始を遅らせることができる。そして、「普通図柄作動ゲート１６および第２始動口１７ｂ」と「開始ゲート８６」を右打ち領域１１Ｒに集中させても（左打ち領域１１Ｌに集中させてもよい）、大当り図柄の停止表示から直ぐに開始ゲートスイッチ８６ｓによって遊技球が検知されることはない。このため、開始ゲートスイッチ８６ｓ（開始領域）を第２始動口１７ｂ（可変始動口）の近傍に設けたとしても、開始ゲートスイッチ８６ｓによる検知が有効となるまでの間、遊技者は遊技球が開始ゲートスイッチ８６ｓ（開始領域）を通過することを気にせずに第２始動口１７ｂ（可変始動口）への入球を狙うことができる。従って、大当り図柄の停止表示から大当り遊技が終了するまでの間、遊技球の発射態様を変化させる必要がない（大当り図柄の停止表示から大当り遊技が終了するまでの間、右打ちを継続すればよい）。

ここで、実施例３では開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期を所定の時期（例えば、大当り図柄が停止表示されてから２０秒が経過した後）としたが、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期にバラツキを持たせてもよい。例えば、図４５（ａ）の変形例６に示すように、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期（大当り遊技開始からの経過時間）を設定する処理（図４３のＳ３６０の処理を参照）において乱数抽選を行い、当該時期を複数の候補から選択してもよい。また、図４５（ｂ）の変形例７に示すように、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期を設定する処理（図４３のＳ３６０の処理を参照）において、停止表示された大当り図柄の種類に基づき当該時期を決定してもよい。この場合、例えば、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期を、大当り図柄の種類によって異なる期間に設定してもよい（例えば、大当り図柄が通常Ａであれば「大当り遊技開始から６秒後」、確変Ｂであれば「大当り遊技開始から１０秒後」等）。この場合、遊技を更に多様化でき、遊技興趣を向上させることが更に容易である。

なお、変形例６や変形例７において、開始ゲートスイッチ８６ｓが有効化される時期が決定された場合、当該時期を非報知としてもよいが、報知することとしてもよい。例えば、当該決定された時期を特定するデータを主制御部２００Ａ（主制御基板２００）からサブ制御部２２０Ａ（サブ制御基板２２０）に送信し、サブ制御部２２０Ａ（サブ制御基板２２０）が当該受信したデータに基づいて、演出表示装置２７やスピーカＳＰ１〜ＳＰ４で、当該決定された時期を報知する演出を行ってもよい。例えば、「５秒間、第２始動口１７ｂを狙え」とか、「チャンスタイム５秒間」等と演出表示装置２７の表示画面２７ａに表示したり、スピーカＳＰ１〜ＳＰ４で発声してもよい。

また、実施例３、変形例６および変形例７を、実施例１、実施例２若しくは変形例２の変形例としてもよい。例えば、実施例１および実施例２においても、大当り図柄が停止表示されたとき、第１開始ゲート８０および第２開始ゲート８１を有効化する時期を設定してもよい。また、変形例２においても、大当り図柄が停止表示されたとき、開始ゲート８５を有効化する時期を設定してもよい。

以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

すなわち、実施例１〜実施例３においては、遊技領域１１に開始ゲート（開始領域）を設け、大当り遊技（特定遊技）の開始条件を遊技球が開始ゲート（開始領域）を通過することとした。但し、実施例１〜実施例３、変形例１〜４、６、７においても、変形例５と同様に、遊技盤として開始ゲート（開始領域）を備えないものを用いてもよい。例えば、図４６に示すように、「ファンファーレ演出を終了すること」を大当り遊技（特定遊技）の開始条件として、実施例１〜実施例３等に示す制御処理を行ってもよい。この点に関し、変形例８として説明する。

ここで、変形例８の遊技機においては、ＣＰＵ２０１は条件装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）するタイミングで、ファンファーレ開始コマンドをサブ制御基板２２０に送信する。これに対し、ファンファーレ開始コマンドを受信したサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２０ａは、演出表示装置２７やスピーカＳＰ１〜ＳＰ４等においてファンファーレ演出（大当りの発生を盛り上げる演出）を開始する。そして、ＣＰＵ２０１はファンファーレ期間（例えば、１５秒）を終了するタイミングでサブ制御基板２２０に向かって、「ファンファーレ終了コマンド」を送信する。このファンファーレ終了コマンドを受信したサブ制御基板２２０の２２０ａはファンファーレ演出（大当りの発生を盛り上げる演出）を終了する。そして、ＣＰＵ２０１はファンファーレ終了コマンドを送信するタイミングで役物連続作動装置を作動させ、大当り遊技を開始し、１回目のラウンド遊技を開始させる。

この変形例８では、図２３から開始ゲート８５が排除されている点と、図２７から開始ゲートスイッチを有効化する処理（Ｓ３５６）が排除されている点と、役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を図４６に基づいて行う点が異なるが、その他の点は変形例１と同様である。変形例８の役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）は、図４６に示すように、Ｓ５０５およびＳ５１０の処理で肯定的な判断を得ると（Ｓ５０５；ＹＥＳ、Ｓ５１０；ＹＥＳ）、ファンファーレ演出の終了タイミングであるか否かを判断する（Ｓ５１４）。そして、肯定的に判断される場合には（Ｓ５１４；ＹＥＳ）、Ｓ５６５の処理に移行し、否定的に判断される場合には（Ｓ５１４；ＮＯ）、一旦役物連続作動装置作動処理（Ｓ５００）を終了し、図１１の遊技制御処理に復帰する。後者の場合、遊技制御処理を繰り返して行ううちに、Ｓ５１４の処理で肯定的に判断されると（Ｓ５１４；ＹＥＳ）、Ｓ５６５の処理に移行する。

Ｓ５６５の処理では役物作動装置作動フラグをセット（ＯＮに設定）する処理を行う（Ｓ５６５）。そして、普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し（Ｓ５７５）、解除（ＯＦＦに設定）されている場合には（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、そのままＳ５９５の処理に移行する。また、Ｓ５７５の処理で普図時短フラグがセット（ＯＮに設定）されていると判断すると（Ｓ５７５；ＹＥＳ）、普図時短フラグを解除（ＯＦＦに設定）し、Ｓ５９５の処理に移行する。そして、Ｓ５９５の処理において、ＣＰＵ２０１は大当り開始コマンドをサブ制御基板サブ制御基板２２０に送信する。この大当り開始コマンドは、「ファンファーレ終了コマンド」としても機能する。この変形例８では遊技盤１０から開始ゲート（開始領域）を排除することで、遊技機や制御の簡略化が図られる。

また、実施例１、２および各変形例においては、遊技盤の盤面（遊技領域１１）に開始ゲートを設ける態様を例示したが、遊技盤の盤面（遊技領域１１）以外の箇所に開始ゲートを設けることもできる。例えば、図４５（ｃ）の変形例（以下、変形例９という。）に示す第２始動口１７ｂに入球した遊技球が通過する経路上（第２始動口１７ｂを構成する装置自体、第２始動口１７ｂに入球した遊技球が流入する通路部材）に開始ゲートスイッチ８６ｓを設け、遊技盤の盤面（遊技領域１１）に開始ゲートを排除してもよい。この変形例９では、遊技球が第２始動口１７ｂに入球すると、当該遊技球は必ず開始ゲートスイッチ８６ｓを通過する。この場合、大当り遊技を開始するためには、必ず第２特別図柄に関する判定用乱数値を１個取得することになる。このため、第２特別図柄に関する判定用乱数値を取得した状態で大当り遊技を開始できるため、大当り遊技を終了した直後に、いきなり第１特別図柄に関する判定用乱数値が処理（当否判定、変動表示等）される事態を確実に防止できる。

実施例１では、普通図柄に関する有利状態（普図時短状態）で大当り図柄が停止表示されたとき、当該有利状態を大当り遊技開始まで維持する態様を例示し、実施例２では、普通図柄に関する有利状態（普図時短状態）で大当り図柄が停止表示されたとき、当該有利状態を大当り遊技開始後の普通図柄の変動表示が所定回数実行されるまで維持する態様を例示した。そして、この有利状態として普図時短状態を例示した。この普図時短状態では、通常（普図通常状態）の場合に比べて、普通図柄の変動表示の実行時間（変動時間）が短縮され、普通図柄に関する当否判定で当りとなる確率が高くされ、第２始動口１７ｂの開放延長機能が作動することとしたが、「普通図柄に関する有利状態」は各実施例に示す普図時短状態に限定されない。例えば、普通図柄の変動表示の実行時間（変動時間）を短縮することと、普通図柄に関する当否判定で当りとなる確率を高くすることと、第２始動口１７ｂの開放延長機能が作動すること、とのうちの１個若しくは２個を実現し、「普通図柄に関する有利状態」としてもよい。例えば、普通図柄に関する当否判定で当りとなる確率を高くすることを行うが、普通図柄の変動表示の実行時間（変動時間）を短縮することと、第２始動口１７ｂの開放延長機能を作動させることを行わない「普通図柄に関する有利状態」であってもよいし、第２始動口１７ｂの開放延長機能を作動させることを行うが、普通図柄に関する当否判定で当りとなる確率を高くすることと、普通図柄の変動表示の実行時間（変動時間）を短縮することを行わない「普通図柄に関する有利状態」であってもよい。

また、各実施例では、第１特別図柄と第２特別図柄を備える遊技機への適用例を示したが、本発明は特別図柄が１個の遊技機に対しても好適に適用できる。大当り図柄が停止した後に可変入球口（第２始動口１７ｂ）への入球頻度が高い期間（普図時短状態）を設けると、特別図柄が１個の遊技機においても、大当り遊技を終了した直後に判定用乱数値が一切存在せず、特別図柄の変動表示を直ちに開始できないという事態を防止できるからである。特に、大当り遊技後に特図高確率状態が始まるのにもかかわらず、特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、遊技者にストレスを与えることになるため、当該事態を防止できる点で、本発明は大きな意義を有している。

また、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口（第１始動口、第２始動口、大入賞口等）への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益（遊技価値）を遊技者に付与する遊技機１に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益（遊技価値）を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量（遊技価値の大きさ）を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のＲＡＭに記憶することによって、遊技上の利益（遊技価値）を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。

なお、遊技上の利益（遊技価値）をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機（いわゆる封入式遊技機）を例示できる。この種の遊技機（いわゆる封入式遊技機）においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。

本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。

１；遊技機、
１７ａ；第１始動口、
１７ｂ；第２始動口（可変始動口）、
８０，８１、８５、８６；開始ゲート（開始領域）、
８０ｓ，８１ｓ、８５ｓ、８６ｓ；開始ゲートスイッチ（検知手段）、
２００；主制御部（判定手段、確率設定手段、高頻度状態発生手段）。

Claims (5)

1. 始動口への遊技球の入球に基づき変動表示される識別情報が特定態様で停止表示された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技を実行可能な遊技機であって、
   前記始動口として、第１態様と該第１態様よりも遊技球の入球可能性が高い第２態様とに変化可能な可変始動口を有し、
   前記可変始動口を前記第２態様とするか否かの判定を行う判定手段と、
   前記判定の結果として前記第２態様とする旨の結果が得られる判定確率を、所定の確率または前記所定の確率よりも高い確率に設定する確率設定手段と、
   を備え、
   前記判定確率が所定の確率よりも高い確率に設定された状態にて前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記判定の実行回数が所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
   ことを特徴とする遊技機。
2. 前記特定遊技が開始されてからの前記判定の実行回数が前記所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
   ことを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
3. 前記識別情報が前記特定態様で停止表示された後、所定の開始条件の成立に基づき前記特定遊技が開始されるもので、
   前記開始条件が成立してからの前記判定の実行回数が前記所定回数になることに基づいて、前記判定確率が前記所定の確率に設定される
   ことを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
4. 前記所定回数は、予め定められた複数の回数の中から選択される一の回数に設定される
   ことを特徴とする請求項１〜３の何れか一項に記載の遊技機。
5. 前記特定態様が複数設けられ、
   前記判定確率が前記所定の確率よりも高い確率に設定された状態にて前記識別情報が特定態様で停止表示された場合、当該停止表示された前記特定態様の種類に基づいて前記所定回数が設定される
   ことを特徴とする請求項１〜３の何れか一項に記載の遊技機。

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