JP2017158793A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技への注目度を好適に高めることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】本パチンコ機10では、遊技球が第1作動口又は第2作動口に入球することに基づいて保留情報が取得され、この保留情報に基づいて当否判定が行われる。当否判定の結果が遊技者にとって有利な開閉実行モードへの移行に対応する結果であった場合には、移行前状態に設定される。開閉実行モードに移行すると、大入賞口へ遊技球を入球させることが可能となり、遊技者はその入球に基づいて賞球を得ることが可能となる。移行前状態において、第2作動口へ遊技球が入球し得る特定事象が発生すると、開閉実行モードが開始される。【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる(例えば特許文献1参照)。
特開2004−81853号公報
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、
遊技球を遊技領域に発射させる発射手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させることに対応するか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 第2作動口に設けられた電動役物を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 当否テーブルを説明するための説明図である。 振分テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 第2移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード終了後の移行処理を示すフローチャートである。 第1移行処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける開始用ゲート処理を示すフローチャートである。 保留情報の取得と開閉実行モードの開始の様子を説明するためのタイミングチャートである。 保留情報の取得と開閉実行モードの開始の様子を説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施形態における第3作動口を説明するための説明図である。 第3作動口と第3開始用ゲートの動作を説明するための説明図である。 保留情報の取得と開閉実行モードの開始の様子を説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施形態の変形例における、保留情報の取得と開閉実行モードの開始の様子を説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施形態の変形例における、第3作動口を説明するための説明図である。 第3の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。 演出制御装置のMPUにおける打ち分け報知用処理を示すフローチャートである。 打ち分け報知の内容を説明するための説明図である。 第4の実施形態において、(a)は遊技盤の構成を示す正面図であり、(b)は各作動口の関係を説明するための説明図である。 第5の実施形態において、(a)は第6作動口を説明するための説明図であり、(b)はゲート開閉処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域PEの下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域PEに向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域PEに向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域PEは、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51及び外レール部52によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部51及び外レール部52により遊技領域PEへの遊技球の誘導レールが構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は上記誘導レールによって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レールは、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レールの出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レールの出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,第1作動口(第1入球部、第1始動入球部)33,第2作動口(第2入球部、第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32,第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球が発生すると、それぞれ対応させて設けられている検知センサ(一般入賞センサ31a、可変入賞センサ32d,第1入賞センサ33a、第2入賞センサ34c、スルー入賞センサ35a)により検知される。そして、一般入賞口31、可変入賞装置32,第1作動口33及び第2作動口34への入賞が発生すると、所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行され、第1作動口33への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口33に係る賞球個数よりも第2作動口34に係る賞球個数を多くしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数が同じであってもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数を作動口33,34に係る賞球個数よりも少なくしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数と同じであってもよい。但し、可変入賞装置32の優位性を保つためには、可変入賞装置32に係る賞球個数が作動口33,34に係る賞球個数よりも多いほうが好ましい。その他、一般入賞口31に係る賞球個数を可変入賞装置32に係る賞球個数と同じ又はそれよりも多くしてもよい。後述するように、一般入賞口31は、遊技の中核をなす大当たり抽選を行わせる遊技や大当たり中の遊技とは関係のない入球部であるところ、一般入賞口31への入球に基づく賞球はこの中核をなす遊技を行ううえでの補助的な役割をなすといえる。その点、一般入賞口31に係る賞球個数が多いほど(又は一般入賞口31への入賞が発生し易い構成であるほど)、大当たり抽選を行わせる遊技等を行ううえで持ち球の減りを少なくする又はトータル的に得られる賞球を多くすることが可能となる。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル60の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
第1作動口33及び第2作動口34は、下側領域PE4において第2作動口34が第1作動口33の下方となるように上下に並べて配置されている。第1作動口33は上方に開放されており、上方から流下する遊技球が入球可能となっている。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
ここで、第2作動口34の構成について、図5を参照しながら説明する。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて図5(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図5(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では、第2作動口34へ遊技球が入賞できず、電動役物34aの開放状態では、第2作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、電動役物34aが遊技領域PE側に突出し、第2作動口34への入賞をガイドする。
第2作動口34に入球した遊技球が必ず通過する位置に、第2入賞センサ34cが設けられており、当該第2入賞センサ34cによって第2作動口34への入賞が検知される。また、第2入賞センサ34cの下流側において、第2入賞センサ34cを通過した遊技球が必ず通過する位置に、第1開始用センサ55aが設けられており、当該第1開始用センサ55aによって遊技球の通過が検知される。第1開始用センサ55aについては、後に詳細に説明する。
上記のとおり、第1作動口33は、遊技盤24の下側領域PE4に設置されている。この場合、第1作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路(図示略)を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は第1作動口33に入賞し易くなっている。
ちなみに、ステージ36aへの遊技球の誘導を可能とする誘導通路の入口部は、可変表示ユニット36において上側領域PE1と左側領域PE2との境界部分に対応した位置(図4における第1保留発光部45の上方の位置)に形成されており、それ以外の場所には形成されていない。
上記のように第1作動口33が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合のいずれにおいても第1作動口33への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口部が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易いように設定されている。
なお、これに限定されることはなく、左側領域PE2を流下した遊技球のみが第1作動口33への入賞が可能となる構成としてもよい。
ここで、第2作動口34の周辺の釘38の配置について説明する。図4、図5に示すように、遊技盤24の第2作動口34の上方に配置される複数の釘38として、左上方に配置される左釘群25と右上方に配置される右釘群26とが存在する。
左釘群25は、第1作動口33の外周を形成する作動口壁部33bの左下方から、第2作動口34の左方まで、第2作動口34の左上方において左方に向かうほど下り傾斜となるように1列に整列された一群の釘38である。左釘群25の各釘38は、相互の間隔が遊技球1個分の直径よりも狭くなるように配置されている。そのため、遊技球が左側領域PE2を流下するように第2作動口34を狙った場合、遊技球は当該左釘群25を通過することができず、第2作動口34へ到達することができない。また、左釘群25の上端の釘38と作動口壁部33bとの間隔も、遊技球1個分の直径よりも短くなるように配置されており、第1作動口33からのこぼれ球が左方に落下した場合において、当該こぼれ球が第2作動口34へ入球することがないようになっている。
一方、右釘群26は、作動口壁部33bの右下方から、第2作動口34の右方まで、第2作動口34の右上方において右方に向かうほど下り傾斜となるように1列に整列された一群の釘38である。右釘群26の各釘38は、基本的には相互の間隔が遊技球1個分の直径よりも広くなるように配置されている。そのため、遊技球が右側領域PE3を流下するように第2作動口34を狙った場合、遊技球は当該右釘群26を通過することができ、第2作動口34へ到達可能となっている。但し、右釘群26の上端の釘38と作動口壁部33bとの間隔は、遊技球1個分の直径よりも短くなるように配置されており、第1作動口33からのこぼれ球が右方に落下した場合において、当該こぼれ球が第2作動口34へ入球しにくいようになっている。
上記のように左釘群25、右釘群26が設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合よりも右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合の方が第2作動口34への入賞が発生し易い。より詳しくは、左側領域PE2を流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には、左釘群25と衝突して第2作動口34へ遊技球が到達しない。一方、右側領域PE3を流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には、右釘群26を通過して第2作動口34へ遊技球が到達可能である。
すなわち、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作された場合には、右側領域PE3と比較して、第1作動口33へは入賞し易い一方で、第2作動口34へは入賞しにくい。そして、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作された場合には、左側領域PE2と比較して、第1作動口33へは入賞しにくい一方で、第2作動口34へは入賞し易い。
ここで、第2作動口34には電動役物34aが設けられており、当該電動役物34aが開放状態の場合には第2作動口34へ入賞し易くなり、閉鎖状態の場合には第2作動口34へは入賞しにくい。そのため、右側領域PE3を狙った場合であっても、電動役物34aが閉鎖状態であると第2作動口34へは入賞しにくく、電動役物34aが開放状態となることで第2作動口34へ入賞し易くなる。そして、本パチンコ機10では、電動役物34aが開放状態となり易い状態(高頻度サポートモード)となりにくい状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、電動役物34aの状態によって、左側領域PE2を狙ったほうが良い場合(第1作動口33へ入賞させる場合)と、右側領域PE3を狙ったほうが良い場合(第2作動口34へ入賞させる場合)と、が異なるようになっている。
なお、釘38により左右の入賞率の差異を設ける構成に代え、又は加えて、樹脂等による遊技球誘導部を設けたり、第2作動口34の配置を変更するといった構成としてもよい。また、左側領域PE2よりも右側領域PE3を狙ったほうが第2作動口34への入賞率が高くなる構成であればよく、左側領域PE2を狙った場合であっても第2作動口34へ入賞する構成であってもよい。
可変入賞装置32は、下側領域PE4において、第1作動口33及び第2作動口34の下方に配置されている。そのため、可変入賞装置32へは、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合のいずれにおいても入賞が可能である。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した後、所定の開始用ゲートを遊技球が通過すると遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。つまり、本パチンコ機10では、内部抽選によって開閉実行モード(開閉実行状態)へ移行可能な状態となっても、すぐには開閉実行モードが開始されず、所定の開始用ゲートを遊技球が通過したことをトリガとして開閉実行モードが開始される構成としている。
本実施形態では、上記の所定の開始用ゲートの一種として、上記の第2作動口34が設けられている。既に説明したとおり、第2作動口34には第1開始用センサ55aが設けられており、第2作動口34に入賞した遊技球は当該第1開始用センサ55aにより検知される。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した後、第2作動口34への入賞が発生して第1開始用センサ55aによりその入賞した遊技球が検知されると、開閉実行モードが開始される。
第2作動口34への入賞が発生すると当該入賞した遊技球が第1開始用センサ55aに必ず検知されて開閉実行モードが開始されることから、第2作動口34を開閉実行モードの開始契機となる通過部として、第1開始用ゲート56aとも称することができる。
さらに本実施形態では、所定の開始用ゲートの一種として、左側領域PE2に第2開始用ゲート56bが設けられている(図4参照)。第2開始用ゲート56bの周囲の釘38は、当該第2開始用ゲート56bへの通過が発生し易いように配置されている。そのため、左側領域PE2を狙って発射ハンドル60が操作された場合には、第2開始用ゲート56bへ通過が発生し易く、右側領域PE3を狙って発射ハンドル60が操作された場合には、第2開始用ゲート56bの通過は発生しない。第2開始用ゲート56b内部には、遊技球を検知可能な第2開始用センサ55bが設けられており、第2開始用ゲート56bを遊技球が通過すると、当該第2開始用センサ55bによって検知される。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した後、第2開始用ゲート56bの遊技球の通過が発生して第2開始用センサ55bによりその通過した遊技球が検知されると、開閉実行モードが開始される。
つまり、本実施形態においては、内部抽選によって開閉実行モードへの移行に当選した後、第2作動口34への入賞(第1開始用ゲート56aの通過)、及び第2開始用ゲート56bの通過、のいずれかが発生した場合に、開閉実行モードが開始される構成となっている。
なお、以下の説明では、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した後、第1開始用センサ55a又は第2開始用センサ55bによって遊技球の通過が検知されるまでの状態を移行前状態ともいう。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、第1作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第1作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行可能な移行前状態となる。
第2結果表示部BSでは、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第2作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行可能な移行前状態となる。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
スルーゲート35は左右の遊技領域PE2,PE3にそれぞれ1つずつ設けられている。そのため、スルーゲート35へは、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合のいずれにおいても入賞が可能である。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、可変入賞装置32の開放が行われることとなる開閉実行モードに移行可能な状態とされる遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ31a、32d、33a、34c、35aなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)の検知センサ31a、32d、33a、34c、35aの検知結果に基づいて、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。また、MPU202には、開始用センサ55a,55bが接続されている。開始用センサ55a,55bの検知結果に基づいて、MPU202は開閉実行モードを開始させる。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2作動口34への入賞を特定した場合には、1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、第2作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組合せの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図7に基づいて説明する。図7は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における図柄列Z1〜Z3の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図9(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図9(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル60が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、又は1回の開放に対する開放限度時間が長く設定されていればよい。また、開放限度個数を同じ個数(10個)としたが、それぞれ相違させてもよく、この場合、高頻度入賞モードの開放限度個数の方が低頻度入賞モードよりも多くなるように設定するとよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
既に説明したとおり、第1作動口33及び第2作動口34へは、左側領域PE2を流下させた場合と右側領域PE3を流下させた場合とで入賞の発生し易さが異なっている。具体的には、第1作動口33は左側領域PE2を流下させた方が、右側領域PE3を流下させた場合よりも入賞が発生し易い。これに対して、第2作動口34は右側領域PE3を流下させた場合の方が、左側領域PE2を流下させた場合よりも入賞が発生し易い。
サポートモードの高低と左右の遊技領域PE2,PE3の関係をまとめると、低頻度サポートモードである場合には、左側領域PEを流下させた場合における第1作動口33への入賞が最も発生し易く、次に右側領域PE3を流下させた場合における第1作動口33への入賞が発生し易く、その次が、右側領域PE3を流下させた場合における第2作動口34への入賞であり、左側領域PE2を流下させた場合における第2作動口34への入賞が最も発生しにくい。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、右側領域PE3を流下させた場合における第2作動口34への入賞が最も発生し易く、次に左側領域PE2を流下させた場合における第1作動口33への入賞が発生し易く、その次が、右側領域PE3を流下させた場合における第1作動口33への入賞であり、左側領域PE2を流下させた場合における第2作動口34への入賞が最も発生しにくい。
このような関係により、基本的な遊技としては、低頻度サポートモードにおいては、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して第1作動口33への入賞を発生させ、高頻度サポートモードにおいては、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して、第2作動口34への入賞を発生させる、といった流れとなる。
但し、左右いずれの領域PE2,PE3を流下させた場合であっても、頻度の差はあるものの、両作動口33,34への入賞が発生し得る構成であるため、低頻度サポートモードにおいて右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して第2作動口34を狙ってもよいし、高頻度サポートモードにおいて左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して第1作動口33を狙ってもよい。これは、どのような発射態様により遊技を行うかは遊技者の自由であり、このように遊技者の自由な操作を許容できる構成としておくことで、画一的な遊技となりにくく、遊技の多様化が図られる。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、振分テーブルとしては、図10(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図10(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図10(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図10(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、第1作動口33と第2作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口33及び第2作動口34のうち、第2作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び第2作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、図9(a)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、図9(b)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、図柄表示装置41におけるメイン表示領域Pにおける変動表示時間と、をMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報、通過検知情報)を保存する。例えば、第1作動口33への入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第1作動口用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口34への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア235に第2作動口用の入賞検知フラグを格納する。スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。大入賞口32aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に大入賞口用の入賞検知フラグを格納する。そして、第1開始用センサ55a又は第2開始用センサ55bにより遊技球の通過を検知した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に大当たり開始用の通過検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリア233に記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア233に格納する。また、演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第3保留発光部47を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図12及び図13のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、第2作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち第1作動口33,第2作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図13のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて演出制御装置82に送信されることとなるが、保留コマンドには第1作動口33及び第2作動口34への入賞のうちいずれの作動口への入賞に基づくものであるかの情報が含まれており、演出制御装置82においては当該保留コマンドを受信することにより保留表示領域Ga,Gbにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが第1作動口33への入賞に対応している場合には、第1作動口用の第1保留表示領域Gaに上記保留用画像を表示させるための処理を実行する。第1保留表示領域Gaにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば第1作動口用の始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Ga1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RaNが4であれば全ての保留表示領域Ga1〜Ga4に保留画像が表示されるようになっている。また、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが第2作動口34への入賞に対応している場合には、第2作動口用の第2保留表示領域Gbに保留画像を表示させるための処理を実行する。第2保留表示領域Gbにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば第2作動口用の始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Gb1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RbNが4であれば全ての保留表示領域Gb1〜Gb4に保留画像が表示されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部出力処理を実行する。ステップS401の外部出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードに移行可能な状態や開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、第2作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物34aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図15〜図18のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中又は開閉実行モードへ移行可能な移行前状態中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)又は移行前状態フラグ(移行前状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。また、移行前状態フラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を移行前状態に移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて移行前状態を終了させる場合、すなわち開閉実行モードへ移行させる場合に消去される。
開閉実行モード中又は移行前状態中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中又は移行前状態中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中又は移行前状態中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口33及び第2作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口33に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口34に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図9(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図9(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704〜ステップS712にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
具体的には、先ずステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図10(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図10(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。続くステップS710では、今回の遊技回の当否判定結果が、いずれの確変大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS710では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグのいずれかを格納する。その後、ステップS714に進む。
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS711に進む。ステップS711では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS712にて、今回の遊技回の当否判定結果が、通常大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS712では、通常フラグを格納する。その後、ステップS714に進む。
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS713に進む。ステップS713では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。またステップS713では、今回の遊技回の当否判定結果が、外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS713では、通常外れフラグ、特別外れフラグのいずれかを格納する。その後、ステップS714に進む。
ステップS709、ステップS712、ステップS713のいずれかの処理を実行した後は、ステップS714にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS801にて、今回の遊技結果が各大当たり結果及び特別外れ結果のうちのいずれかであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常フラグ及び特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技結果が通常外れ結果である場合には、ステップS802に進む。ステップS802では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS801及びステップS802の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS804にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が開閉実行モードへ移行する結果(いずれかの大当たり結果及び特別外れ結果)である場合又は同当否抽選の結果が通常外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチとスーパーリーチとが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ及びスーパーリーチそれぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組合せを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組合せを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS806にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。
なお、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
リーチ発生用変動表示時間テーブル及びリーチ非発生用変動表示時間テーブルは、第1結果表示部ASに対応する遊技回用のテーブルと第2結果表示部BSに対応する遊技回用のテーブルとがそれぞれ別々に設けられており、上記ステップS803やステップS805では、対応する変動表示時間テーブルを取得して変動表示時間を設定する。この場合、今回開始する遊技回が第1結果表示部ASに対応する遊技回である場合の方が、第2結果表示部BSに対応する遊技回である場合よりも、長い変動表示時間が選択され易いように、各変動表示時間テーブルが設定されている。
変動開始処理(図17)の説明に戻り、ステップS714の後は、ステップS715にて、変動コマンド及び種別コマンドを設定する。変動コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報、通常外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS715にて設定された変動コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS716にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図15)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709、ステップS711及びステップS713のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図19〜図23のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理では、図19のフローチャートに示すように、ステップS901の第1移行処理と、ステップS902の第2移行処理とに大別される。第1移行処理は、遊技回の遊技結果に基づいて遊技状態を開閉実行モードへ移行可能な移行前状態に移行させるための処理である。また、第2移行処理は、移行前状態において遊技状態を開閉実行モードへ移行させるとともに開閉実行モード中の各種制御を行い、開閉実行モード終了後に移行する遊技状態を設定するための処理である。
ここでは、先ず、第2移行処理について説明してから、その後、第1移行処理について説明する。
第2移行処理では、図20のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1001にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に移行前状態フラグが格納されているか否かを確認することで、移行前状態か否かを判定する。移行前状態フラグは、第1移行処理(ステップS901)にて格納されるフラグである。
移行前状態である場合には、ステップS1003にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に有効通過フラグが格納されているか否かを判定する。有効通過フラグは、移行前状態において第1開始用センサ55a又は第2開始用センサ55bの通過が検知されたことに基づいて格納されるフラグである。ステップS1002にて移行前状態ではない場合、又はステップS1003にて有効通過フラグが格納されておらずいずれの開始用センサ55a,55bでも遊技球の通過を検知していない場合には、開閉実行モードの開始タイミングではないとして、そのまま第2移行処理を終了する。ステップS1002及びステップS1003のいずれでも肯定判定した場合には、ステップS1004に進む。
ステップS1004では、移行前状態フラグ及び有効通過フラグを消去する。そしてステップS1005にて、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記の移行前状態フラグを消去するとともに、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1006では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1007にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1008にて、ラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。
ステップS1007又はステップS1008の処理を実行した後は、ステップS1009にて、ステップS1007又はステップS1008の処理結果に基づいて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、ステップS1007又はステップS1008にてセットされたラウンドカウンタRCに基づいて、そのラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
ステップS1009の処理を実行した後は、ステップS1010にて、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS1011にて外部信号設定処理を実行した後に、本第2移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり及び特別外れ信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1012に進む。ステップS1012では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本第2移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1013にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1101にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1102にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1103にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられたタイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマエリアTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマエリアTの値が「0」である場合には、ステップS1104に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS1105では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、実行中の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定し、高頻度入賞モードである場合には、高頻度入賞モードのラウンド遊技に対応する開放時間(30sec)をタイマエリアTにセットする。一方、低頻度入賞モードである場合には、低頻度入賞モードのラウンド遊技に対応する開放時間(0.2sec)をタイマエリアTにセットする。タイマエリアTのセットを行った後は、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタPCへ「10」をセットする。
各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1106にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1101にて大入賞口32aが開放中である場合にはステップS1107に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。タイマエリアTの値が「0」でない場合、ステップS1108にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1109にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS1110にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1107にてタイマエリアTの値が「0」の場合、又はステップS1110にて入賞カウンタPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合には、ステップS1111にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS1112ではラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントし、ステップS1113にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS1114にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS1117にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1113にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1018にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS1119にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
第2移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS1013にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1015にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本第2移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1016にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、移行前サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。なお、移行前サポートフラグは、開閉実行モードへ移行可能な移行前状態に設定する際に、サポートモードが高頻度サポートモードであった場合に格納されるフラグである。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。ステップS1204の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1206にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1207にて、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。ステップS1207の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1209にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1210にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1211にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS1211の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、今回の開閉実行モードが特別外れ結果を契機とする開閉実行モードであったことを意味する。この場合、ステップS1212にてフラグ維持処理を実行してから、本移行処理を終了する。フラグ維持処理では、開閉実行モードフラグを消去するとともに、高確率モードフラグを確認し、高確率モードフラグが格納されている場合には格納された状態を維持し、高確率モードフラグが格納されていない場合には格納されていない状態を維持する。また、ステップS1212のフラグ維持処理では、RAM204に移行前サポートフラグが格納されているか否かを判定し、移行前サポートフラグが格納されている場合には当該移行前サポートフラグを消去するとともに高頻度サポートフラグを格納する。移行前サポートフラグが格納されていない場合には格納されていない状態を維持する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持される。
第2移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS1016の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1017にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。つまり、ラウンド表示部RSにおけるラウンド表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了される場合に終了される。この場合に、開閉実行モードが低頻度入賞モードである場合には高頻度入賞モードに比べ、大入賞口32aの開閉回数が少なく且つ大入賞口32aの開放時間及び閉鎖時間が短く設定されている。したがって、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示されている期間は、高頻度入賞モードよりも短い。さらに言うと、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示される結果表示は、遊技回が終了する場合に開始され、次の遊技回が開始されるまで継続される。したがって、開閉実行モードに移行する場合には、上記結果表示は、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示される前から表示が開始され、当該ラウンド回数の内容の表示が終了された後まで継続される。つまり、結果表示は、ラウンド回数の内容の表示よりも長期間に亘って維持される。
その後、ステップS1018にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本第2移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
このように、第2移行処理によって開閉実行モードが行われるとともに、開閉実行モード後の遊技状態が設定される。開閉実行モード後においては、遊技回制御処理(図15)の各処理を行うことが可能となり(ステップS501:NO)、各保留エリアRa,Rbに記憶された保留情報に基づいて遊技回が開始される。
ここで、既に説明したとおり、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されている場合、遊技回制御処理におけるデータ設定処理(図16)では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を優先して消化する構成としている。第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を用いた当否判定・振分判定では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報を用いた当否判定・振分判定よりも遊技者に有利な判定が行われる。具体的には、第2結果表示部用保留エリアRbの保留情報の方が、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果(通常大当たり結果、15R確変大当たり結果)に振り分けられ易く、また、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果(通常大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果)に振り分けられ易い(図10参照)。特に、高頻度サポートモードに設定されれば、第2作動口34へ入賞し易くなり、すなわち第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報による判定を受けられ易くなり、遊技者にとっての有利な状態が連鎖するといえる。
但し、データ設定処理では、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されていない場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報による判定が行われる。つまり、仮に高頻度サポートモードに設定されることとなる開閉実行モードに移行したとしても、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されていなければ、上記のような有利な状態の連鎖は生じず、第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報による判定が行われてしまう。
特に、開閉実行モード中は下側領域PE4に配置されている可変入賞装置32への入賞を発生させるべく遊技球を発射すれば、同じく下側領域PE4に配置されている第1作動口33への入賞も発生し得るため、開閉実行モードの開始時に第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が記憶されていなくても、開閉実行モード中に第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が記憶され得る。その一方で、開閉実行モード中は低頻度サポートモードに設定されるため、第2作動口34への入賞は発生しにくく、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報は記憶されにくい。
また、低頻度サポートモード中に大当たり当選となり開閉実行モードへ移行した場合には、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数が少ない/保留情報が記憶されていないことが想定され、開閉実行モード後において、上記のような有利な状態の連鎖は生じにくい。
つまり、低頻度サポートモード中に大当たり当選となった場合には、そもそも第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されておらず、また、開閉実行モード中においても第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されない(記憶されにくい)ため、開閉実行モード終了時には、第2結果表示部用保留エリアRb側ではなく第1結果表示部用保留エリアRa側の保留情報による判定が行われることになり、せっかくの有利な状態の連鎖を有効に生かし切れない場合がある。
そこで、本実施形態では、開閉実行モードが開始される際に第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されているようにするための工夫が施されている。以下、そのための、第1移行処理について図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、開閉実行モード中か否かを判定する。ステップS1302では、移行前状態中であるか否かを判定する。ステップS1301及びステップS1302のいずれかで肯定判定した場合には、そのまま第1移行処理を終了する。
ステップS1302にて否定判定した場合、ステップS1303にて遊技回が終了するタイミングであるか否かを判定する。遊技回が終了するタイミングである場合には、ステップS1304に進み、今回終了する遊技回の遊技結果が、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果であるか否かを判定する。すなわち、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常フラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているかを確認する。いずれのフラグも格納されていない場合には、そのまま第1移行処理を終了する。
いずれかのフラグが格納されている場合、ステップS1305にて、現状のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かの判定を行う。高頻度サポートモードである場合には、ステップS1306にてRAM204の高頻度サポートフラグを消去することで、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。また、続くステップS1307では、移行前状態に設定する際にサポートモードが高頻度サポートモードであったことをMPU202が特定するために、RAM204の各種フラグ格納エリア235に移行前サポートフラグをセットする処理を実行する。これにより、開閉実行モード終了時に移行前のサポートモードへ復帰させるための処理(ステップS1212)を実行することが可能となる。
ステップS1305にて否定判定した場合、又はステップS1307の処理を実行した後は、ステップS1308に進む。ステップS1308では、RAM204に移行前状態フラグをセットする。これにより、遊技状態が開閉実行モードへ移行することが可能な移行前状態に設定される。
続くステップS1309では、移行前コマンドを設定する。この設定された移行前コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この移行前コマンドには、移行前状態への移行の契機となった遊技結果の情報、すなわち、移行前状態において開閉実行モードへ移行させた場合の開閉実行モードの種類の情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した移行前コマンドに基づいて、開閉実行モードへ移行可能な状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の移行前状態に対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
そして、ステップS1310にて、外部信号設定処理を実行してから、本第1移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。この信号出力状態は、一定時間(例えば0.5sec)経過後に停止状態に切り換えられる。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力されるとともに、その出力が一定時間経過後に停止されることで、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて、移行前状態が発生してその後に大当たりが発生することを把握することができる。
また、ステップS1310の外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり及び特別外れ信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。この信号出力状態は、一定時間(例えば0.5sec)経過後に停止状態に切り換えられる。これにより、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
なお、大当たり信号用の出力端子や、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子を、信号出力状態として維持する時間は、低頻度入賞モードの開閉実行モードに要する期間(1.0sec)よりも短く設定されている。これにより、大当たり信号用の出力端子や大当たり及び特別外れ信号用の出力端子といった共通の出力端子を用いて、大当たり状態の発生と大当たり状態の前の状態の発生とを上記管理制御装置において区別するとともに、開閉実行モードの発生と開閉実行モードの発生前の移行前状態の発生とを上記管理制御装置において区別することができる。
次に、移行前状態においていずれかの開始用ゲート56a,56bを遊技球が通過した場合の処理について、図24を参照しながら説明する。図24は、開始用ゲート処理を示すフローチャートである。開始用ゲート処理は、主制御装置81のMPU202にて所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
ステップS1401では、いずれかの開始用ゲート56a,56bを遊技球が通過したか否かを、RAM204の大当たり開始用の通過検知フラグを確認することで判定する。大当たり開始用の通過検知フラグは、タイマ割込み処理(図11)の各種センサ読み込み処理にて第2作動口34(第1開始用ゲート56a)に設けられた第1開始用センサ55a又は第2開始用ゲート56bに設けられた第2開始用センサ55bにて遊技球の通過を検知していると判定された場合に格納されるフラグである。大当たり開始用の通過検知フラグが格納されておらず、いずれの開始用ゲート56a,56bも遊技球の通過が発生していない場合には、そのまま本開始用ゲート処理を終了する。
いずれかの開始用ゲート56a,56bを遊技球が通過した場合には、ステップS1402にて移行前状態であるか否かを判定する。移行前状態か否かは、上記のとおり、移行前状態フラグの有無で判定できる。移行前状態ではない場合には、上記大当たり開始用の通過検知フラグを消去して、開始用ゲート処理を終了する。一方、移行前状態である場合には、ステップS1403にて、大当たり開始用の通過検知フラグを消去するとともに、RAM204に有効通過フラグを格納してから、本開始用ゲート処理を終了する。
すなわち、移行前状態中にいずれかの開始用ゲート56a,56bの通過が発生した場合に、有効通過フラグが格納されて、第2移行処理におけるステップS1002にて肯定判定されて開閉実行モードの開始用の処理に移行することが可能となる。換言すると、移行前状態ではない状態で開始用ゲート56a,56bの通過が発生していても、その通過は有効なものとされず、第2移行処理において開閉実行モードは開始されない。
この場合、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には、第2開始用ゲート56bの通過が比較的速やかに発生する。そのため、移行前状態に移行した場合、左側領域PE2を流下させれば、開閉実行モードを早期に発生させることができる。但し、上記のように、開閉実行モードの終了時に第2結果表示部BS側の保留情報が記憶されていない場合には、開閉実行モード終了後に高頻度サポートモードに設定されて第2結果表示部BS側の保留情報が取得され易い状態に移行しても、当該第2結果表示部BS側の保留情報が取得されるまでは(第1結果表示部AS側の保留情報が存在すれば)、遊技者にとって不利な第1結果表示部AS側の遊技回が実行されることになる。
一方、第1開始用ゲート56aは第2作動口34であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合には、第2作動口34への入賞が発生し得る。既に説明したとおり、移行前状態に設定されると、それまでのサポートモードの高低に関わらず、低頻度サポートモードに設定される。そのため、右側領域PE3を流下させた場合であっても、第2作動口34への入賞まで比較的長時間の時間(多量の遊技球の発射)を要する場合がある。しかし、第2作動口34への入賞を発生させて開閉実行モードを開始させれば、当該開始契機となる入賞に基づいて、第2結果表示部BS側の保留情報が取得される。そのため、開閉実行モード終了時において第2結果表示部BS側の保留情報が存在しない状況、すなわち遊技者にとって不利な第1結果表示部AS側の遊技回が先に実行されることを回避することができる。
本実施形態の遊技の流れを、図25及び図26を参照しながら説明する。
先ず、第2開始用ゲート56bを通過させて開閉実行モードが開始される場合について、図25を参照しながら説明する。なお、この例では、開閉実行モード開始前(移行前状態の設定前)のサポートモードは低頻度サポートモードであることを前提として説明する。低頻度サポートモードである場合には、左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させると、比較的、第1作動口33への入賞が発生し易い。
保留情報が記憶されていない状況で、t1のタイミングにて第1作動口33への入賞が発生すると、第1作動口33への入賞に対応する第1結果表示部ASにおける遊技回が開始される。この遊技回が、例えばt4のタイミングまで実行されるとして、そのt4のタイミングよりも前のタイミングであるt2のタイミングで再度第1作動口33への入賞が発生すると、当該入賞に基づく保留情報は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶される。また、t2のタイミングよりも後のタイミングであって、t4のタイミングよりも前のタイミングのt3のタイミングにおいて第2作動口34への入賞が発生した場合、当該入賞に基づく保留情報は、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶される。
ここで、t3のタイミングで第2作動口34への入賞が発生すると、第1開始用ゲート56aの通過も同時に(実際には入賞検知に少し遅れて)発生する(図示略)。但し、この場合、移行前状態には設定されていないため、有効通過フラグは格納されず(ステップS1402:NO)、開閉実行モードは開始されない。
t4のタイミングで上記t1のタイミングから実行されている遊技回が終了すると、続くt5のタイミングで次の遊技回が開始される。当該遊技回は、t3のタイミングで発生した第2作動口34への入賞に対応するものである。すなわち、t2のタイミングで発生した第1作動口33への入賞に対応する遊技回よりも、第2作動口34への入賞に基づく遊技回が先に実行される。この遊技回は、t7のタイミングまで実行される。
既に説明したとおり、第1結果表示部ASに対応する遊技回の変動表示時間よりも、第2結果表示部BSに対応する遊技回の変動表示時間の方が短い変動表示時間が選択され易い。つまり、優先して消化されるだけでなく、変動表示時間の短さといった観点からも、第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報よりも第2結果表示部用保留エリアRbの保留情報の方が貯まりにくいものといえる。
t7のタイミングよりも前のタイミングであるt6のタイミングで、第1作動口33への入賞が発生すると、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報は2個となる。これに対して、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報は0個である。t7のタイミングで上記遊技回が終了して、t8のタイミングで次の遊技回が開始される。この場合、上記のように第2結果表示部用保留エリアRbには保留情報が記憶されていないため、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報に基づいて遊技回が実行される。より具体的には、t8のタイミングで開始される遊技回は、t2のタイミングで発生した第1作動口33への入賞に対応するものである。
t8のタイミングで開始した遊技回がいずれかの大当たり結果に対応するものであった場合、t10のタイミングで当該遊技回が終了すると移行前状態に設定される。なお、t10のタイミングよりも前のタイミングであるt9のタイミングで第1作動口33への入賞が発生し、第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報は再び2個となっている。
第2開始用ゲート56bへの通過は、サポートモードの高低に関わらず、左側領域PE2を遊技球を流下させれば、比較的速やかに発生する。すなわち、t10のタイミングで設定された移行前状態において、t11のタイミングで第2開始用ゲート56bの通過が発生すると、第2開始用センサ55bにて遊技球の通過が検知される。これにより、開閉実行モードが開始される。
ちなみに、図25に示すように、サポートモードが低頻度サポートモードであり、左側領域PE2を流下させて遊技を行っていれば、移行前状態となる前のタイミングにおいても、第2開始用ゲート56bの通過は頻繁に発生する。但し、この場合、移行前状態には設定されていないため、有効通過フラグは格納されず(ステップS1402:NO)、開閉実行モードは開始されない。
t11のタイミングで開始した開閉実行モードが、t12のタイミングで終了し、サポートモードが高頻度サポートモードに設定されると、右側領域PE3を流下させて第2作動口34への入賞が発生し易い状態となる。この場合、遊技者にとって有利な第2結果表示部BS側の遊技回が頻繁に実行されることになる。既に説明したとおり、第2結果表示部BS側の振分判定では、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果に振り分けられ易い。そして、各大当たり結果後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定されることから、高頻度サポートモードへ設定されることで、再度、有利な振分判定を受けることが可能となる。このように、高頻度サポートモードに設定されることは、遊技者にとって有利な状態が連鎖するトリガとなるものといえる。
但し、t12のタイミングで開閉実行モードが終了した場合には、第2結果表示部用保留エリアRbには保留情報が記憶されておらず、第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が記憶されているため、t12のタイミングで開始される遊技回は、遊技者にとって不利な第1結果表示部AS側の遊技回となる。そして、仮にt12のタイミングで開始される遊技回が大当たり結果であると、遊技者にとって不利な第1結果表示部AS側の振分判定が行われる。既に説明したとおり、第1結果表示部AS側の振分判定では、高確率モードに設定される割合や高頻度サポートモードに設定される割合は第2結果表示部BS側の振分判定と同じであるものの、低頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果に振り分けられる場合がある。そのため、せっかく遊技者にとって有利な状態が連鎖するトリガとして高頻度サポートモードに設定されたのにもかかわらず、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果に振り分けられる場合と比較して十分な出球が得られない。
したがって、移行前状態において、左側領域PE2を流下するように発射ハンドル60を操作すれば、比較的速やかに開閉実行モードへ移行させることが可能である一方で、第2結果表示部BS側の保留情報が存在しない、又は少ない状況で当該開閉実行モードが終了する可能性がある。そうすると、遊技者にとって第2結果表示部BSよりも不利な振分判定が行われる第1結果表示部AS側の遊技回が実施され得る。
ちなみに、t12のタイミングで開閉実行モードが終了すると、高頻度サポートモードに設定されるため、右側領域PE3を流下させることで第2作動口34へ入賞し易くなる状態となる。そのため、t12のタイミングよりも後である、t13やt14のタイミングで第2作動口34への入賞が発生する。但し、上記のとおりt12のタイミングで第1結果表示部AS側の遊技回が開始されており、t13やt14のタイミングで取得された保留情報よりも先に、非優先側の第1結果表示部AS側の保留情報が消化される。
次に、第1開始用ゲート56aを通過させて開閉実行モードが開始される場合について、図26を参照しながら説明する。なお、この例でも、開閉実行モード開始前(移行前状態の設定前)のサポートモードは低頻度サポートモードであることを前提として説明する。
t1のタイミングにて第1作動口33への入賞が発生すると、第1作動口33への入賞に対応する第1結果表示部ASにおける遊技回が開始される。この遊技回が、例えばt3のタイミングまで実行されるとして、そのt3のタイミングよりも前のタイミングであるt2のタイミングで再度第1作動口33への入賞が発生すると、当該入賞に基づく保留情報は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶される。また、t1のタイミングから実行されている遊技回の遊技結果が大当たり結果であった場合、t3のタイミングで当該遊技回が終了すると、同タイミングで移行前状態に移行する。
移行前状態に移行した場合において、遊技者が右側領域PE3を流下するように発射ハンドル60を操作すると、上記図25の場合とは異なり、第2開始用ゲート56bの通過は発生しない。その一方で、第2作動口34への入賞は低頻度ながらも発生する。
t4のタイミングで第2作動口34への入賞が発生すると、第2結果表示部BS側の保留情報の取得が行われるとともに、第1開始用ゲート56aの通過が発生して、移行前状態から開閉実行モードに移行する。この場合、t5のタイミングで当該開閉実行モードが終了する際には、第1結果表示部AS側の保留情報だけでなく、t4のタイミングで取得された第2結果表示部BS側の保留情報も存在する。そうすると、t5のタイミングで開始される遊技回は、第2結果表示部BS側の遊技回となり、遊技者にとって有利な振分判定が行われる側の遊技回となる。
なお、t5のタイミングで開閉実行モードが終了すると高頻度サポートモードに設定されるため、当該高頻度サポートモードにおいては、比較的高頻度で第2作動口34への入賞が発生する。例えば、t5のタイミングで開始された遊技回の実行中である、t6やt7のタイミングで第2作動口34への入賞が発生すると、これらt6やt7のタイミングで取得された保留情報についての遊技回は、t2のタイミングで取得された第1結果表示部AS側の保留情報についての遊技回よりも先に実施される。
また、上記の例において、t5のタイミングで開閉実行モードが終了する際に、t4のタイミングで取得した第2結果表示部BS側の保留情報の他に、t2のタイミングで取得した第1結果表示部AS側の保留情報が存在することを前提で説明したが、第1結果表示部AS側の保留情報が存在しない状況であったとしても、t5の開閉実行モードの終了時においては、少なくともt4のタイミングで取得した第2結果表示部BS側の保留情報は存在している。そのため、開閉実行モード後において、なかなか遊技回が開始されない、といった事象も回避することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉実行モードの開始契機の一種を第2作動口34への入賞が発生する特定事象として、第2作動口34へ入賞した遊技球が必ず通過する位置に設けられた第1開始用センサ55aによって遊技球の通過が検知されること、とした。このようにしたことで、第2作動口34(第1開始用ゲート56a)を通過させて開閉実行モードを開始させた場合には、開閉実行モードの終了後には、少なくとも開始契機となった第2作動口34への入賞に基づく保留情報が記憶されている状態となり、開閉実行モード後においてなかなか遊技回が開始されない、といった不都合を回避することができる。
第2作動口34への入賞に基づく大当たり抽選は、第1作動口33への入賞に基づく大当たり抽選よりも遊技者にとって有利なものとなっている。つまり、開閉実行モード後において有利な側の抽選が受けられるようにすることで、開閉実行モード後において不利な側(第1作動口33への入賞に基づく抽選)が実行されることが抑制され、遊技者にとって好ましい遊技とすることができる。
第2作動口34への入賞に基づく大当たり抽選は、第1作動口33への入賞に基づく大当たり抽選よりも優先して先に実行されるものである。そのため、仮に開閉実行モードの開始前に第1作動口33への入賞に基づく保留情報が記憶されていても、開閉実行モードの開始時に第2作動口34への入賞に基づいて保留情報が記憶させれば、当該入賞に基づく抽選を開閉実行モード後において優先して行うことができる。
第2作動口34への入賞に基づく遊技回の変動表示時間は、第1作動口33への入賞に基づく遊技回の変動表示時間よりも短いものが設定され易い。そのため、第2作動口34側の保留情報の方が貯まりにくく、開閉実行モードの開始前において第2作動口34への入賞に基づく保留情報がない又は少ないといった事象が生じ易く、第2作動口34への入賞が発生する特定事象を開閉実行モードの開始契機とする意義が高まる。
第2作動口34には電動役物34aが設けられており、高頻度サポートモードでは第2作動口34へ入賞し易くなる一方で、低頻度サポートモードでは第2作動口34へ入賞しにくくなる。そのため、特に低頻度サポートモードにおいて大当たり結果となった場合には、第2作動口34への入賞に基づく保留情報がない又は少ないといった事象が生じ易く、第2作動口34への入賞が発生する特定事象を開閉実行モードの開始契機とする意義が高まる。
開閉実行モードの開始契機として、第2作動口34への入賞が発生する特定事象の他に、第2開始用ゲート56bを通過したこと、とし、低頻度サポートモード時において、当該第2開始用ゲート56bを第1開始用ゲート56aである第2作動口34よりも通過し易い構成とした。上記のように、低頻度サポートモード時においては、第2作動口34への入賞が発生しにくい構成であるため、移行前状態において第2作動口34への入賞を発生させようとすると、多くの持ち球を消費する可能性もあるし、入賞を発生させるために長時間を要する可能性もある。そのため、特に持ち球や遊技時間が限られている遊技者は、開閉実行モード終了後に確実に第2結果表示部BS側の遊技回を実施させることよりも、少ない発射球数でより早期に開閉実行モードを発生させることを望むとも考えられる。そこで、上記のように第1開始用ゲート56aとは別途、第2開始用ゲート56bを設けたことにより、遊技者にいずれの開始用ゲート56a,56bを通過させるかを選択させることができ、遊技者の多様なニーズに対応することが可能となる。
第1開始用ゲート56aを通過させる場合、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作し、第2開始用ゲート56bを通過させる場合、左側領域PE2を流下するように発射ハンドル60を操作するようにした。換言すると、右側領域PE3に向けて遊技球を発射させている場合には、第1開始用ゲート56aの通過は発生し得る一方、第2開始用ゲート56bの通過は発生しない。また、左側領域PE2に向けて遊技球を発射させている場合には、第2開始用ゲート56bの通過は発生し得る一方、第1開始用ゲート56aの通過は発生しない。このようにしたことで、遊技者が意図しない側のゲートの通過が発生してしまい、意図しない状況で開閉実行モードが開始されてしまう事象の発生を抑制することが可能となる。
ここで、遊技者としては、大当たりが連荘するような状況において、最初の大当たりにおいては開閉実行モードへ移行させることや、開閉実行モード後の遊技回がより有利な判定が受けられることに関心を寄せるものと考えられるが、その後の大当たりにおいては、開閉実行モードへ移行させること等よりも、大当たりが何回発生するかという点に関心が移行し、なかなか開閉実行モードに移行しないことの苛立ちは、最初の大当たりと比較して大きくなり得る。特に、連荘中であっても、移行前状態に設定されると、それまでの状態に関わらず、サポートモードは低頻度サポートモードに設定されるため、第1開始用ゲート56aへの通過は発生しにくくなる。その一方で、連荘中においては高頻度サポートモードの恩恵によって第2結果表示部BS側の保留情報が多く貯まっているものと考えられる。そこで、連荘中においては、移行前状態において、通過させにくい第1開始用ゲート56aではなく通過させ易い第2開始用ゲート56bを狙えばよく、サポートモードの高低と各ゲートの通過率とを、遊技者の関心事に関連させてうまく利用して、円滑な遊技進行を実現している。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第2作動口34の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、図25を参照しながら、本実施形態における第2作動口(以下の説明では、本実施形態における第2作動口を第3作動口340という)を説明する。なお、本実施形態においても、第3作動口340は下側領域PE4において第1作動口33の下方であって、可変入賞装置32の上方に設けられている。
図27(a)に示すように、第3作動口340は、通過型のゲートとなっており、遊技領域PEを流下する遊技球が第3作動口340を通過すると、第3作動口340の下流側の所定領域に排出される構成となっている。第3作動口340の左下方には、複数の釘38が遊技球1個分の直径未満の間隔で整列された左下釘群27が埋設されており、第3作動口340の右下方には、複数の釘38が遊技球1個分の直径未満の間隔で整列された右下釘群28が埋設されており、これら左下釘群27及び右下釘群28によって第3作動口340の下流側の上記所定領域が規定されている。そして、これら左下釘群27及び右下釘群28によって所定領域が囲まれていることによって、遊技領域PEを流下する遊技球が、第3作動口340を介することなく当該所定領域に流入しないようになっている。なお、当該所定領域の下方の領域はアウト口37に連通されており、第3作動口340を通過した遊技球は、アウト口37を介して排出される。
第3作動口340には、第3入賞センサ340cが設けられており、当該第3入賞センサ340cによって第3作動口340を遊技球が通過したことが検知される。なお、第3入賞センサ340cによって遊技球の通過が検知されると、第1の実施形態と同様に、第3作動口340への入賞に対応する賞球(1個)が払い出されるとともに、保留情報の取得が行われ、第2結果表示部用保留エリアRbに当該保留情報が記憶される。
第3作動口340には、第3電動役物340aが設けられている。第3電動役物340aは、上記第1の実施形態の電動役物34aに対応するものである。すなわち、第3電動役物340aは、一対のガイド片からなり、遊技盤24の背面側に配置された第3電動役物駆動部340bによって、図27(a)に示す閉鎖状態と、図27(b)に示す開放状態とに切り換えられる。第1の実施形態と同様に、第3作動口340の左方には左釘群25が設けられており、サポートモードの高低や第3電動役物340aの状態に関わらず左側領域PEからの第3作動口340への入賞が発生しにくくなっている。また、第1の実施形態と同様に、第3作動口340の右方には右釘群26が設けられており、第3電動役物340aが開放状態であることを条件として、右側領域PE3からの第3作動口340への入賞が発生し得るようになっている。また、第1の実施形態と同様に、第3作動口340の上方には第1作動口33が設けられており、左釘群25や右釘群26は、第1作動口33の作動口壁部33bから連続するように設けられている。なお、スルーゲート35への入賞に基づいて、第3電動役物340aを開放状態とするか否かのサポート抽選が実行される。
第3作動口340の下方であって、左下釘群27及び右下釘群28に囲まれた所定領域には、遊技盤24の盤面と直交する方向を回転軸として回転する回転体350が設けられている。回転体350は、回転体350の回転軸が延在する方向の厚みが遊技球の直径よりも若干分厚く、盤面と平行となる径方向の半径が遊技球の直径よりも若干大きい円盤状の役物である。回転体350には回転軸に向けて陥没させた陥没部351が1個の遊技球よりも若干大きめに形成されており、当該陥没部351にて遊技球を収容しながら回転することが可能となっている。陥没部351は複数設けられており、具体的には、回転体350の周方向に90度ずつ4つ設けられている。
回転体350には、遊技盤24の背面側に配置される回転体駆動部350aが接続されており、当該回転体駆動部350aは主制御装置81に接続されている。主制御装置81は、回転体350を常時一定周期で時計と反対周りで回転させるように回転体駆動部350aを駆動制御する。
回転体350の回転周期は、本実施形態では、半周約3.0sec(1周約6.0sec)に設定されており、当該半周分の時間は、高頻度サポートモード中における1回の遊技回の変動表示時間(約2.0sec)よりも長く、高頻度サポートモード中における1回のサポート抽選に要する時間、すなわち第3電動役物340aの閉鎖時間(約1.8sec)よりも長く設定されている。また、高頻度サポートモード中における1回のサポート抽選において第3電動役物340aの開放状態が維持される時間、すなわち第3電動役物340aの開放時間(約1.9sec)よりも長く設定されている。
回転体350は、第3作動口340の下方において、左右に若干ずらして配置されている。具体的には第3作動口340の下方において、第3作動口340の左右方向の中心から、回転体350の回転軸が左右方向の一方である左方に遊技球半個分未満のずれ量でずれるように回転体350が配置されている。一方、回転体350の右上方(真上を0度として、時計回りで約30度の位置)において、右下釘群28と回転体350との間には、待機釘29が埋設されている。待機釘29と回転体350の周面との距離は、遊技球1個分未満となるように待機釘29が配置されている。そのため、第3作動口340を通過した遊技球は、回転体350の周面と当接してから、回転体350が回転する方向と逆方向である右方に流下して、待機釘29と当接して回転体350の周面上で停留する。回転体350が回転して、当該停留位置に陥没部351が到達すると停留している遊技球は陥没部351に収容されて回転体350の回転とともに回転する。
遊技球が待機釘29と当接する停留位置には、遊技球1個のみが停留可能となっている。そして、左下釘群27と回転体350の周面との間隔は遊技球1個分の直径よりも広く設定されている。そのため、上記停留位置に遊技球が停留している状況で、後続の遊技球が第3作動口340を通過して落下してくると、当該停留している遊技球と衝突するとともに、左方に振り分けられて回転体350の下方に落下してアウト口37から排出される。
回転体350の下方には、通過型のゲートである第3開始用ゲート560が設けられており、第3開始用ゲート560を通過する遊技球は、第3開始用センサ550によって検知される。第3開始用センサ550は、第1の実施形態における第1開始用センサ55aに対応するものである。第3開始用センサ550は主制御装置81に接続されており、その検知情報は主制御装置81のMPU202に入力される。そして、移行前状態において、第3開始用ゲート560を遊技球が通過すると、第3開始用センサ550の検知情報が主制御装置81に入力されて開閉実行モードが開始される。
第3開始用ゲート560は、回転体350の真下に配置されており、回転体350の陥没部351が真下を向く位置に配置されている状況において、陥没部351に収容されていた遊技球が落下して当該第3開始用ゲート560を通過する。第3開始用ゲート560は、回転体350と、遊技球1個分の直径よりも狭い間隔で配置されており、陥没部351を介さない第3開始用ゲート560の通過が規制されている。
なお、回転体350の陥没部351には、当該陥没部351に収容される遊技球をひっかける係止部が設けられている(図示略)。係止部による遊技球のひっかけは、陥没部351が真下に配置される位置まで回転体350が回転することにより解除される。これにより、陥没部351に収容された遊技球は、第3開始用ゲート560の真上に到達するまで陥没部351に収容され続け、真上に到達すると第3開始用ゲート560に向けて落下するようになる。
第3作動口340へ入球した遊技球の動きについて、図28を参照しながら説明する。
図28(a)に示すように、右側領域PE3を流下する遊技球が第3作動口340に到達した場合において、第3電動役物340aが開放状態であれば、当該遊技球は第3作動口340に入賞する。図28(b)に示すように、第3作動口340に入賞した遊技球は、回転体350へ向けて落下し、第3作動口340と回転体350の中心のずれにより、回転体350の周面と待機釘29とによって回転体350の周面上で停留する。
なお、第3作動口340に入賞したタイミングにおいて、空の陥没部351が真上を向く位置に回転体350が配置されていれば、入賞した遊技球は待機釘29側に停留することなく陥没部351に直接収容される。また、停留位置に遊技球が停留している状況で、後続の遊技球が第3作動口340へ入賞して、当該入賞した遊技球が第3作動口340から落下してくると、当該遊技球は停留している遊技球と衝突して、待機釘29とは反対側である左方に落下する。
ちなみに、回転体350の周面上で遊技球が停留する停留位置が、回転体350の真上よりも、回転体350が回転する方向と反対方向にずれた位置となるように、回転体350の位置や待機釘29の位置を設定していることから、当該停留位置に停留している遊技球は陥没部351が真上に到達するよりも速く当該陥没部351に収容される。そのため、停留位置が上記とは反対側(回転体350の左上)に配置される構成と比較して、遊技球が第3作動口340から落下した場合において、待機位置に停留したり陥没部351に収容されることなく回転体350の下方に落下する確率が低くなっている。
回転体350が回転し、陥没部351が上記停留している遊技球に対応する位置まで到達すると、図28(c)に示すように、当該遊技球は陥没部351に収容される。回転体350が更に回転し、遊技球を収容していた陥没部351が第3開始用ゲート560の真上に到達すると、図28(d)に示すように、当該陥没部351に収容されていた遊技球は第3開始用ゲート560へ向けて落下して、第3開始用ゲート560を通過し、第3開始用センサ550によってその通過が検知される。そして、第3開始用ゲート560を通過したタイミングが移行前状態であれば、当該通過に基づいて開閉実行モードが開始される。
なお、本実施形態においても、左側領域PE2に第2開始用ゲート56bが設けられており、回転体350を介して第3開始用ゲート560を通過させるか、第2開始用ゲート56bを通過させるか、を遊技者が選択可能となっている。
本実施形態における、第3作動口340への入賞タイミングと、開閉実行モードの開始タイミングとの関係について、図29を参照しながら説明する。
サポートモードが高頻度サポートモードである状況で、t1のタイミングで第3電動役物340aが開放状態となると、開放時間(約1.9sec)が経過するt6のタイミングまで当該開放状態が維持される。第3電動役物340aが開放状態であれば、第3作動口340への入賞が可能となり、例えばt2のタイミングで第3作動口340への入賞が発生する。この場合、t2のタイミングにおいて遊技回が実施されていない状況であれば、t2のタイミングで第3作動口340への入賞が発生すると、対応する賞球の払い出しが行われるとともに、第2結果表示部BS側の遊技回が開始される。この遊技回は高頻度サポートモード時の変動表示時間(本実施形態では、一律で約2.0sec)に亘って継続し、t7のタイミングで終了する。なお、図では変動表示が終了するまでの期間を遊技回の期間とし、停止結果が保持されて確定表示が行われる期間を遊技回と遊技回との間の期間として表現している。そして、上記変動表示時間とは、変動表示が終了するまでの期間に確定表示が行われる期間を加えた期間を意味している。
例えば、t2のタイミングで入賞した遊技球が、回転体350の陥没部351へ直接収容される場合、回転周期の半周分(4分の1周分×2)の待機時間(3.0sec)を経て、t8のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。なお、t8のタイミングは移行前状態ではないため、開閉実行モードは開始されない。
ここで、本実施形態における待機時間は、高頻度サポートモード中の1回の遊技回の変動表示時間よりも長くなるように設定されている。そのため、例えばt2のタイミングで開始された遊技回が大当たり結果であったとしても、t2のタイミングで開始された遊技回の開始契機となった遊技球は、当該遊技回が終了するt7のタイミング以降であるt8のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。そのため、大当たり発生となる遊技回の開始契機となる入賞の遊技球を、大当たり発生に基づく開閉実行モードの開始契機とすることができる。
一方で、待機時間は、高頻度サポートモード中の2回の遊技回の変動表示時間よりは短くなるように設定されている。そのため、大当たり結果が報知されているのにもかかわらず、なかなか第3開始用ゲート560の通過が発生しない、といった中だるみの発生が抑制されている。
t1のタイミングで開放状態となった第3電動役物340aに対して、t3のタイミングで第3作動口340へ入賞した遊技球は、回転体350上の停留位置にて一旦保持される。そして、陥没部351が当該停留位置に対応する位置まで回転するt5のタイミングで陥没部351へ収容される。そして、t5のタイミングから待機時間が経過するt11のタイミングで、第3開始用ゲート560の通過が発生する。つまり、第3作動口340への入賞が発生したタイミングで、当該入賞した遊技球が回転体350の陥没部351に直接収容されずに一旦停留位置にて保持されると、入賞から第3開始用ゲート560の通過までの時間は、待機時間よりも長くなる。
上記のようにt2のタイミングで入賞した遊技球は、回転体350の陥没部351に直接収容される。換言すると、t2のタイミングよりも後のタイミングであってt4のタイミング以前のタイミングで入賞した遊技球は、t2のタイミングで入賞した遊技球が収容される陥没部351と4分の1周ずれた陥没部351に収容される。そうすると、t4のタイミングで収容される遊技球が第3開始用ゲート560を通過するまでの時間は、最長で、半周分の待機時間に、4分の1周弱の時間を加えた時間となる(t2のタイミングよりも若干後のタイミングから、t11のタイミングまでの時間)。この場合、第3作動口340への入賞から第3開始用ゲート560の通過までの時間は、高頻度サポートモード中の開放時間と閉鎖時間との合計(t1からt9のタイミングまでの時間)よりも長くなる。
また、t3のタイミングで第3作動口340へ入賞した遊技球が、回転体350上の停留位置にて一旦保持される場合、当該保持されている状況であるt4のタイミングで、後続の遊技球が第3作動口340へ入賞すると、t4のタイミングで入賞した遊技球は停留位置にて保持もされないし、陥没部351へ収容もされず、そのままアウト口37へ向けて落下する。つまり、この場合、第3作動口340への入賞のみが発生し、第3開始用ゲート560の通過は発生しない。
例えば、t7のタイミングで開始される遊技回が、大当たり結果に対応するものであり、t10のタイミングで当該遊技回が終了する場合、当該t10のタイミングでサポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わり、同t10のタイミングで遊技状態も移行前状態に設定される。
ここで、本パチンコ機10では、移行前状態に設定されて高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられると、実施中のサポート抽選は一旦消去されて、低頻度サポートモードにおけるサポート抽選が再度行われる構成としている。そのため、高頻度サポートモード中において比較的短時間で実施され開放状態となり易いサポート抽選は、長時間で実施され開放状態となりにくいサポート抽選として再度実施される。また、サポートモードの切り替え時に、第3電動役物340aが開放状態であれば、サポートモードの切り替えに際して第3電動役物340aは強制的に閉鎖状態に切り替えられる。このようにすることで、サポートモードの切り替えが発生したことを遊技者は見た目上わかり易い事象で把握することができる。
例えば、t10のタイミングよりも前のタイミングであるt9のタイミングで第3電動役物340aが開放状態にされていたとすると、本実施形態では、当該開放状態が維持される開放時間が経過していなくても、t9のタイミングで低頻度サポートモードに切り換えられることに基づいて第3電動役物340aも閉鎖状態に切り替えられる。一方、このように第3電動役物340aが閉鎖状態に切り替えられると、移行前状態に設定された後は、第3作動口340への入賞が発生しにくくなる。
但し、上記のように、第3作動口340への入賞が発生してから第3開始用ゲート560を通過するまでの待機時間が、1回の遊技回の変動表示時間よりも長くなるように設定されているため、t7よりも前のタイミングであるt3のタイミングで第3作動口340へ入賞した遊技球が、t7のタイミングで開始された遊技回が終了するt10のタイミングよりも後のt11のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。
また、上記待機時間は、高頻度サポートモードにおいて第3電動役物340aを開放させるためのサポート抽選に要する時間、すなわち第3電動役物340aが閉鎖状態である閉鎖時間(約1.8sec、サポート側の変動表示時間)よりも長くなるように設定されている。そのため、例えばt12のタイミングで第3電動役物340aが開放状態から閉鎖状態に切り替えられる場合、同t12のぎりぎりのタイミングで第3作動口340への入賞が発生すると、当該入賞した遊技球は、t12のタイミングからの閉鎖時間が経過して第3電動役物340aが再び開放状態とされるt13のタイミングよりも後の、t15のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。このt15のタイミングは、未だ移行前状態には設定されておらず、高頻度サポートモードであって、第3作動口340への入賞が可能なタイミングである。
そして、t13のタイミングで開放状態とされた第3電動役物340aの開放時間の経過前のt16のタイミングで、移行前状態に設定される場合、それよりも前のt14のタイミングで第3作動口340へ入賞していれば、t14からt15のタイミングまでの停留時間を含めた待機時間の経過するt17のタイミングで第3開始用ゲート560の通過が発生して、開閉実行モードが開始される。
これに対して、t20のタイミングで第3電動役物340aが開放状態から閉鎖状態に切り替えられる場合、同t20よりも前のt18のタイミングで第3作動口340への入賞が発生すると、当該入賞した遊技球は、t18からt19の停留時間を含めて待機時間が経過するt23のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。t23のタイミングは、t20のタイミングから閉鎖時間が経過して次に開放状態とされるt22のタイミングよりも後のタイミングである。このt20からt22の閉鎖時間中であるt21のタイミングで、移行前状態に設定された場合、低頻度サポートモードに切り替えられるため、t22のタイミングでは第3電動役物340aは開放状態とされない。そのため、第3作動口340への入賞は発生しなくなる。但し、上記のとおり、t23のタイミングで第3開始用ゲート560の通過が発生すれば、このt23のタイミングは移行前状態であるため、当該通過に基づいて開閉実行モードが開始される。
つまり、サポート抽選に要する時間よりも待機時間が長いため、サポート抽選に要する時間中、つまり第3電動役物340aが閉鎖状態である期間中に移行前状態に設定されたとしても、それよりも前に開放状態であった期間中に発生した入賞で開閉実行モードを開始させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第3作動口340への入賞後に、第3開始用センサ550によって検知される第3開始用ゲート560の通過が発生し得る構成において、高頻度サポートモード中に第3作動口340を通過した遊技球が、低頻度サポートモードに切り替わってから第3開始用センサ550により検知されるようにした。このようにすることで、高頻度サポートモード中に発生した第3作動口340への入賞を利用して開閉実行モードを開始させることができ、移行前状態においてなかなか第3作動口340への入賞が発生せずに開閉実行モードが開始されないといった不都合や、高頻度サポートモード中に右側領域PE3を流下させていた発射態様を、開閉実行モードを開始させるためだけに左側領域PE2を流下される発射態様に切り換えさせるといった煩わしさを低減することが可能となる。
第3作動口340へ入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過するまでの期間である待機時間を、高頻度サポートモード中の1回の遊技回の変動表示時間よりも長い時間となるようにしたため、第3作動口340への入賞に基づいて開始された遊技回にて大当たり結果になったとしても、移行前状態に設定されてから第3開始用ゲート560の通過が発生し、新たに第3作動口340の入賞を発生させる必要が生じない。
また、第3作動口340へ入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過するまでの期間である待機時間を、高頻度サポートモード中の2回の遊技回の変動表示時間よりも短い時間となるようにしたため、上記のように移行前状態に設定された後に第3開始用ゲート560の通過が発生するようにしつつも、通過の発生待ちの時間が中だるみしてしまう、といった事象を回避することができる。
なお、本実施形態では、高頻度サポートモード中の変動表示時間を一律で同じ時間が設定される構成としたが、異なる変動表示時間が設定される構成としてもよい。例えば、大当たり結果や特別外れ結果となる遊技回やリーチ表示が発生する通常外れ結果の遊技回は、それ以外の遊技回の変動表示時間よりも長い変動表示時間が設定され易い構成としてもよい。このようにすれば、高頻度サポートモード中であっても各遊技回の抑揚をつけることができる。この場合、移行前状態への設定が行われ得る遊技回の変動表示時間よりも待機時間を長くするとよく、上記大当たり結果や特別外れ結果となる遊技回やリーチ表示が発生する通常外れ結果の遊技回に設定される変動表示時間よりも待機時間が長くなるように回転体350の回転周期や変動表示時間を定めるとよい。
また、高頻度サポートモード中の変動表示時間が、記憶されている保留情報の数に応じて異なる構成としてもよい。例えば、保留情報の数が多いほど短い変動表示時間が設定される構成としてもよい。このようにすれば、高頻度サポートモード中の各遊技回をスムーズに消化することが可能となるとともに、保留情報が少なければ長い変動表示時間となるため、遊技回が実施されていない待ちの期間を少なくすることができる。この場合、開閉実行モード後に第2結果表示部BS側の保留情報が記憶されていればよい、という観点からすると、第2結果表示部BS側の保留情報の数が1個の場合の変動表示時間より待機時間が長くなるように、回転体350の回転周期や変動表示時間を定めるとよい。
サポート抽選との関係では、上記待機時間を、高頻度サポートモードにおいて1回のサポート抽選に要する時間よりも長くなるように設定した。このようにすることで、サポート抽選に要する時間、すなわち、第3電動役物340aが閉鎖状態であるタイミングで移行前状態に設定された場合、その直前の開放状態の最終タイミングで第3作動口340へ入賞していれば、当該入賞した遊技球は移行前状態に設定された後のタイミングで第3開始用ゲート560を通過することになる。逆に、第3電動役物340aが閉鎖状態であるタイミングで移行前状態に設定されず、開放状態であるタイミングで移行前状態に設定されるのであれば、当該移行前状態に設定された際の開放状態中に第3作動口340への入賞が発生していればよい。つまり、上記のような時間の関係としたことで、移行前状態に設定されるよりも前において第3電動役物340aが開放状態となっている状況で第3作動口340への入賞が発生すれば、その入賞した遊技球は、移行前状態に設定後に第3開始用ゲート560を通過し易くなる。よって、当該遊技球により開閉実行モードを開始させることができる。
第3作動口340への入賞が発生してから、第3開始用ゲート560の通過が発生するまでの時間は、1回のサポート抽選に要する時間と、開放状態が維持される時間とをあわせた時間よりも長い時間となり得るようにしたが、待機時間自体を1回のサポート抽選に要する時間と、開放状態が維持される時間とをあわせた時間よりも長い時間となるようにしてもよい。このようにすれば、1回のサポート抽選に要する時間中に移行前状態に設定された場合、その直前の開放状態中のどのタイミングで第3作動口340への入賞が発生していたとしても、当該入賞した遊技球によって開閉実行モードを開始させることが可能となる。
また、1回のサポート抽選に要する時間を一律のものとしたが、異なる時間が設定される構成としてもよい。この場合、待機時間を、例えば、当該1回のサポート抽選に要する時間の平均値よりも長い時間となるようにしてもよいし、最長の時間よりも長い時間となるようにしてもよい。
待機時間を設けるための構成として、回転体350を用い、回転体350の回転周期によって、待機時間を定めた。これにより、例えば待機時間を変更したり、変動表示時間の変更を行うなどする設計変更を施す際、待機時間との関係は回転体350の回転周期を変更(回転速度を変更)すればよく、軽微な変更で上記の各関係を担保することができる。
第3作動口340へ入賞した遊技球は、回転体350上の待機位置にて一旦保持されてから陥没部351に収容される。このようにしたことで、回転体350の回転位置(陥没部351の位置)によって、遊技球が収容される確率が低くなるといった事象が回避される。
また、回転体350上の待機位置にて遊技球が保持されている場合、後続の遊技球は待機位置に保持された遊技球と衝突して、陥没部351に収容されることなく回転体350下方に落下する。つまり、第3作動口340へ入賞した遊技球は、回転体350を介して第3開始用ゲート560を通過する場合もあれば、第3開始用ゲート560を通過しない場合もある。換言すると、第3作動口340に入賞した遊技球の一部が第3開始用ゲート560を通過する。これにより、第3作動口340への入賞率を高めることで第3開始用ゲート560前で遊技球が詰まってしまう、といった事象が回避される。また、第3開始用ゲート560通過前に、第3作動口340への入賞に基づいて保留情報を取得させる、という観点からすると、第3開始用ゲート560の通過数以上に第2結果表示部BS側の保留情報が取得されるため、好ましい結果となる。
第3作動口340への入賞が発生してから第3開始用ゲート560を通過するまでの待機時間(3.0sec)は、第3電動役物340aの1回の開放時間(1.9sec)よりも長くなるように設定されている。これにより、一の開放時間中に第3作動口340へ入賞した遊技球は、当該一の開放時間が終了してから第3開始用ゲート560を通過する。つまり、第3作動口340へ入賞できなくなってから、第3開始用ゲート560の通過が発生することになり、注目すべきポイントが重複してしまって、各事象の発生を見逃しやすくなるといった不都合を抑制している。
待機時間は、遊技球の発射周期(0.6sec)と第2結果表示部BS側の最大保留個数(4個)との積(2.4sec)よりも長くなるように設定されている。すなわち、第3作動口340への入賞が発生してから、開閉実行モードが開始されるまでの間に、第2結果表示部BS側の最大保留個数分の遊技球が第3作動口340へ入賞し得る。このようにすれば、開閉実行モード終了後直後において第2結果表示部BS側の遊技回を途切れさせることなく好適に実施することが可能となる。
<サポートモードの切り替えの変形例>
ここで、第1の実施形態や本実施形態では、移行前状態に設定されることに基づいてサポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられる構成としたが、移行前状態に設定される場合にはサポートモードの切り替えは実施されず、開放実行モードが開始される際にサポートモードの切り替えを実施する構成としてもよい。具体的には、移行前状態に設定するための第1移行処理(図23)中の、ステップS1305〜ステップS1307の処理を、当該第1移行処理ではなく、開閉実行モードへ移行させるための第2移行処理(図20)にて行う(例えば、開閉実行モードの開始処理、ステップS1005)。このようにすれば、高頻度サポートモード中に大当たり当選となり、移行前状態に設定された場合であっても、高頻度サポートモード自体は継続しているため、比較的速やかに第2結果表示部BS側の保留情報を取得させるとともに、開始用ゲート(第1開始用ゲート56a、第3開始用ゲート560)を通過させることが可能となる。なお、これは他の実施形態等においても同様である。
この構成を、上記第2の実施形態に適用する場合、以下のように変形してもよい。
本変形例では、回転体350の回転周期を上記第2の実施形態のものよりも短いもの(具体的には、半周約1.5sec)とする。そのため、第3作動口340へ入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過するまでの待機時間も、第2の実施形態のものよりも短くなる。つまりこの待機時間は、高頻度サポートモード中の遊技回の変動表示時間(2.0sec)よりも短いものであり、待機時間は第3電動役物340aの開放時間(1.9sec)や閉鎖時間(1.8sec)よりも短い。
図30(a)に示すように、t1からt4のタイミングまでが第3電動役物340aの開放時間であるとして、t3のタイミングで第3作動口340へ入賞した遊技球は、上記第2の実施形態よりも短い時間に設定された待機時間が経過するt5のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。
t2のタイミングで終了する遊技回が大当たり結果であった場合、t2のタイミングで移行前状態に設定される。一方、変形例では、t2のタイミングではサポートモードの切り替えは実行されない。そのため、t2のタイミング以降であっても第3電動役物340aは開放状態が維持されるし、第3作動口340への入賞は可能である。
そして、上記のように、t2のタイミングよりも後のタイミングであるt3のタイミングで第3作動口340への入賞が発生すると、当該入賞した遊技球は、t5のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。これにより、開閉実行モードが開始されるとともに、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられる。
以上のように、サポートモードの切り替えを、移行前状態の設定時ではなく、それよりも後のタイミング(開始用ゲートの通過時)に行う構成とすれば、移行前状態に移行してからであっても、第2結果表示部BS側の保留情報を取得させつつ開始用ゲートの通過を発生させることが可能である。
ここで、待機時間は短いほど、第3作動口340への入賞と、開閉実行モードの開始といった、遊技者が気になる事象同士を密接に関係付けることが可能となり、関心どころを集約して注目度を高めることができる。その点、第1の実施形態では、待機時間がほぼゼロ(同時に発生する)構成となっている。
これに対して、待機時間が長いほど、開閉実行モードが開始される様を遊技球の移動を見ながら楽しむ時間が長くなる。特に、回転体350によって遊技球が移動する場合、遊技領域PEをそのまま流下するよりもゆっくりとしたスピードで移動するため、遊技球が移動して開閉実行モードが開始される様をよりじっくりと楽しむことが可能となる。
さらに、移行前状態に設定される際に高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられない構成であれば、当該待機時間中に後続の遊技球が第3作動口340へ入賞する余地を残すことができ、より多くの第2結果表示部BS側の保留情報を取得させることが可能となる。
つまり、移行前状態において第3作動口340への入賞を発生させて第2結果表示部BS側の保留情報を取得させた後、当該入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過して開閉実行モードが開始される(低頻度サポートモードに切り替えられる)までの待機時間中に、後続の遊技球が第3作動口340へ入賞すれば、第2結果表示部BS側の保留情報は更に取得される。この場合、より多くの保留情報を取得させる、といった観点からすると、待機時間は、第3電動役物340aとの関係では、開放時間よりも長い時間であることが好ましく、より好ましくは、開放時間と閉鎖時間との合計よりも長い時間であることが好ましい。また、第2結果表示部BS側に上限個数となる保留情報を取得させる、といった観点からは、待機時間は、遊技球の発射周期(0.6sec)と上限個数(4個)との積よりも長い時間であることが好ましい。
<待機時間を設けるための変形例>
待機時間を設けるための回転体350の構成の変形例を以下に示す。
第1の変形例として、回転体350の回転速度が周期的に変更される構成とする。例えば、低速→低速→高速→高速→低速、、、と4分の1回転ずつ速度が変化する構成とすると、待機時間の長さが、複数ある陥没部351のいずれに収容されるかによって変化する、すなわち、第3作動口340への入賞タイミングに応じて待機時間の長さが変化する構成となる。
具体的には、図30(b)に示すように、例えば、t6のタイミングで入賞した遊技球が陥没部351に収容された場合、そのタイミングから4分の1周は低速で回転し、次の4分の1周は高速で回転するものとすると、t6のタイミングで入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過するt8のタイミングまでの待機時間はT1となる。一方、t7のタイミングで入賞した遊技球が陥没部351に収容された場合、そのタイミングから4分の1周は高速で回転し、次の4分の1周も高速で回転するものとすると、t7のタイミングで入賞した遊技球が第3開始用ゲート560を通過するt9のタイミングまでの待機時間はT1よりも短いT2となる。この例において、4分の1周を低速で回転し、次の4分の1周も低速で回転する場合の待機時間は、T1よりも長いT3となる。
このように、第3作動口340へ入賞したタイミングによって、待機時間が異なる構成とすれば、遊技球の移動を見て楽しむ遊技においてバリエーションが増え、遊技の多様化が図られる。また、待機時間中に保留情報を取得させる、といった観点からすると、待機時間が変化することにより、取得可能な保留情報の数も異なることになり、開閉実行モード後の遊技回を含めた有利度を変化させることができる。つまり、上記T3の待機時間となるように開閉実行モードが開始される場合には保留情報を多く取得され、T2の待機時間となるように開閉実行モードが開始される場合には取得される保留情報はT3の場合よりも少なくなる。
第2の変形例として、回転体350又はそれとは異なる役物を利用して、遊技回の終了タイミングで経過するように、待機時間を設定する。例えば、第3作動口340へ入賞した遊技球を停留させる停留部を設け、実行中の遊技回が終了するタイミングで当該停留部による停留が解除されて第3開始用ゲート560を通過するようにする。
具体的には、図30(c)に示すように、t10のタイミングで入賞した遊技球は、実行中の遊技回が終了するt11のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。この場合の待機時間T4は、t10のタイミングで入賞した時点での遊技回の残りの変動表示時間である。また、t12のタイミングで入賞した遊技球は、実行中の遊技回が終了するt14のタイミングで第3開始用ゲート560を通過する。この場合の待機時間T5は、t11のタイミングで入賞した時点での遊技回の残りの変動表示時間であり、上記T4よりも長い。
なお、t12のタイミングで入賞した遊技球が、t14のタイミングで第3開始用ゲート560の通過待ちの状況であるt13のタイミングで第3作動口340への入賞が発生した場合、この遊技球は、第3開始用ゲート560を通過させることなくアウト口37へ排出する構成とするとよい。
上記のようにすることで、遊技回が大当たり結果となり、移行前状態に設定されると、そのタイミングで(実際には少し遅れて)、第3開始用ゲート560の通過が発生して開閉実行モードが開始される。つまり、移行前状態に設定されるよりも前に入賞した遊技球が、移行前状態に設定される際に第3開始用ゲート560を通過することになり、移行前状態に設定されてからの実質的な待機時間を極限まで短くすることができる。
第3の変形例として、図31に示すように、回転体350と第3開始用ゲート560との間隔を、遊技球1個分以上の広さとなるように設定する。このようにすれば、回転体350の陥没部351に収容された遊技球が、第3開始用ゲート560の真上に到達して回転体350から落下しても、一部の遊技球がゲートの縁等にはじかれて、第3開始用ゲート560を通過しなくなる。
つまり、第3作動口340へ入球した遊技球の一部が第3開始用ゲート560を通過する構成となる。換言すると、第3作動口340への入賞数と、第3開始用ゲート560の通過数と、を異ならせる構成となる。このようにすれば、第2結果表示部BS側の保留情報の取得され易さと、開閉実行モードの開始され易さと、のバランスを調節することができる。
例えば、上記のように、第3開始用ゲート560の通過数の方が、第3作動口340の入賞数よりも少なくなる構成とすれば、移行前状態において第3作動口340へ入賞させた場合に早期に開閉実行モードが開始される場合と、なかなか開閉実行モードが開始されない場合とが生じる。この場合、なかなか開閉実行モードが開始されなければ、その分、第3作動口340への入賞を発生させる必要が生じ、第2結果表示部BS側の保留情報は多く取得されることになり、開閉実行モード後の有利度が向上し得る。そして、サポートモードの切り替えが、移行前状態の設定よりも後であれば、なかなか開閉実行モードが開始されなくても、第3作動口340への入賞自体は高頻度で発生し得るため、持ち球の減りは少なく済むものと考えられる。
また、第3開始用ゲート560と第3作動口340の位置関係を逆とする(第3開始用ゲート560を通過した遊技球が、その後に第3作動口340に入賞する構成とする)等して、第3開始用ゲート560の通過数の方が、第3作動口340の入賞数よりも多くなる構成とすれば、移行前状態において開閉実行モードを開始させるために第3開始用ゲート560を通過させると、その一部で第2結果表示部BS側の保留情報が取得されることになる。そのため、開閉実行モード後に第2結果表示部BS側の保留情報が存在する状況と、存在しない状況とが生じ、遊技の多様化が図られる。
この場合、例えば、第3開始用ゲート560を通過した遊技球のごく一部(例えば、10分の1の遊技球)が第3作動口340を通過するようにし、第2結果表示部BS側の当否判定や振分判定では、ほぼ100%の確率で大当たり結果となるように設定する。このようにすると、第3開始用ゲート560を通過させて開始させた開閉実行モード後には、10回に1回の割合で、再度大当たり結果となって開閉実行モードが発生する、といった斬新な遊技を実現することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、遊技盤24の構成が上記第1,第2の実施形態と異なっている。以下、異なる構成について図32を参照しながら説明する。なお、上記第1,第2の実施形態と同じ構成については、図32において符号を同じものとして示しており、これらの構成については、説明を基本的には省略する。
本実施形態においては、第2作動口34や第3作動口340に対応する作動口が下側領域PE4に設けられていない。当該対応する作動口としては、右側領域PE3に第4作動口342として設けられている。
第4作動口342は、上方に向けて開放されており、第1作動口33と同様に、入球率を変化させる役物(電動役物34aや第3電動役物340a)は設けられていない。第4作動口342を狙って右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させた場合の第4作動口342への入球率は、第1作動口33を狙って左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させた場合の第1作動口33への入球率よりも低くなるように、釘38その他の役物が配置されている。
第4作動口342の真上には、通過型のゲートである第4開始用ゲート561が設けられている。第4開始用ゲート561は、上記開始用ゲート56や第3開始用ゲート560に対応するものであり、内部に開始用センサ55a、55bや第3開始用センサ550に対応する第4開始用センサ551が設けられている。第4開始用ゲート561を遊技球が通過すると、第4開始用センサ551によってその通過が検知され、移行前状態であることを条件として、開閉実行モードが開始される。第4作動口342と第4開始用ゲート561とは、その間隔が遊技球の直径よりも短い間隔となるように配置されており、第4開始用ゲート561を通過することなく第4作動口342へ遊技球が入球することが規制されている。
本実施形態では、上記各実施形態における第2開始用ゲート56bに対応する開始用ゲートとして上記第4開始用ゲート561とは別に、第5開始用ゲート562が設けられている。第5開始用ゲート562は、左側領域PE2に設けられており、左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させることで通過可能となっている。第5開始用ゲート562には、内部に第5開始用センサ552が設けられており、移行前状態であれば、当該第5開始用センサ552によって検知された場合も、開閉実行モードが開始される。
つまり、本実施形態では、開閉実行モードの開始契機となる開始用ゲートとして、第4開始用ゲート561と第5開始用ゲート562とが設けられている。そして、それぞれ右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させると、第4開始用ゲート561を通過可能であって且つ第5開始用ゲート562は通過不可となり、左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させると、第5開始用ゲート562を通過可能であって且つ第4開始用ゲート561は通過不可となる。第4開始用ゲート561を通過させた場合には、その後に第4作動口342への入賞が発生し、第2結果表示部用保留エリアRbへの保留情報の記憶が行われる一方で、第5開始用ゲート562を通過させた場合には、その後に第2結果表示部用保留エリアRbへの保留情報の記憶は行われない。
第4開始用ゲート561と第5開始用ゲート562とを比較すると、第4開始用ゲート561よりも第5開始用ゲート562の方が遊技球を通過させ易いように、釘38やその他役物が配置されている。また、第4開始用ゲート561及び第5開始用ゲート562の下流側である下側領域PE4には、上記第1,第2の実施形態と同様に、可変入賞装置32が配置されている。
以上のような構成によって、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数によって、打ち分けを行わせることが可能となる。すなわち、移行前状態において、第2結果表示部用保留エリアRbに十分な保留情報が記憶されていない場合には、第4開始用ゲート561を通過するように遊技球を発射させ、第2結果表示部用保留エリアRbに十分な保留情報が記憶されている場合には、第5開始用ゲート562を通過するように遊技球を発射させる。
この場合、上記のように第4開始用ゲート561よりも第5開始用ゲート562の方が通過させ易くなっているため、第2結果表示部用保留エリアRbに十分な保留情報が記憶されている場合に、なかなか開閉実行モードが開始されない、といった不都合を回避することが可能となっている。また、仮に第2結果表示部用保留エリアRbに十分な保留情報が記憶されていなくても、例えば遊技ホールの閉店時間間際のように、開閉実行モード後の当否抽選のことよりも、先ずは早期に開閉実行モードへ移行させたい場合には、第5開始用ゲート562を狙わせて、早期に開閉実行モードを開始させることが可能となる。
ここで、第4開始用ゲート561についても、遊技球が通過し易い構成とすることも可能である。しかし、第4開始用ゲート561の通過率を高め過ぎると、第4作動口342への入賞率も高められてしまい、出球率が高騰するおそれがある。また、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されていなければ、開閉実行モードを開始するよりも、保留情報を記憶させることの方が重要であると考える遊技者にとっては、仮に第4開始用ゲート561へなかなか通過させることができずに、開閉実行モードが開始されなくても、苛立ちは少ないものと考えられる。これらの観点から、第4開始用ゲート561については、通過しにくい構成とし、出球率の高騰を抑えつつ、開閉実行モードの開始タイミングを調節することができる。
本実施形態は、以下の構成を加えてもよい。
図33は、演出制御装置82のMPU242にて実行される打ち分け報知用処理について示すフローチャートである。打ち分け報知用処理は、例えば所定周期(2msec周期)で起動される。
先ず、ステップS1501にて、遊技回中であるか否かを判定する。遊技回中ではない場合には、本報知用処理を終了する。遊技回中である場合には、ステップS1502にて、実行中の遊技回の遊技結果がいずれかの大当たり結果又は特別外れ結果であるか否か、すなわち開閉実行モードへ移行させることが可能となる移行前状態の契機となる遊技回であるか否かを判定する。この判定は、主制御装置81から受信している種別コマンドを解析することによって判定することができる。移行前状態の契機となる遊技回である場合には、ステップS1503にて、当たり用報知抽選処理を実行する。当たり用報知抽選処理では、ROM243から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244から抽選用のカウンタを取得して抽選を実行する。この場合、ステップS1503では、例えば50%の確率で当選するように設定されている。
ステップS1502にて、移行前状態の契機となる遊技回ではないと判定した場合には、ステップS1504に進み、実行中の遊技回がスーパーリーチに対応する遊技回であるか否かを判定する。スーパーリーチであるか否かの判定は、実行中の遊技回に設定されている変動表示時間を把握することで判定することができる。より詳しくは、主制御装置81から受信している変動用コマンドを解析することで判定することができる。スーパーリーチに対応する遊技回である場合には、ステップS1505にて、外れ用報知抽選処理を実行する。外れ用報知抽選処理では、ROM243から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244から抽選用のカウンタを取得して抽選を実行する。この場合、ステップS1505では、例えば2%の確率で当選するように設定されており、当たり用報知抽選処理の当選確率よりも低く設定されている。また、ステップS1504にてスーパーリーチに対応する遊技回ではない場合には、そのまま本報知用処理を終了する。
ステップS1503又はステップS1505の抽選処理を実行した後は、ステップS1506にて、これらの抽選処理の結果が当選結果であったか否かを判定する。外れ結果であった場合には、そのまま本報知用処理を終了する。当選結果であった場合には、ステップS1507に進む。
ステップS1507では、現在、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数が所定数(2個)以上であるか否かを判定する。かかる判定は、主制御装置81から受信している保留コマンドやシフトコマンドによって把握することができる。所定数以上の保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている場合には、ステップS1508にて左側領域PE2を流下させるように指示する報知である左打ち報知を設定してから、本報知用処理を終了する。一方、所定数未満である場合には、ステップS1509にて右側領域PE3を流下させるように指示する報知である右打ち報知を設定してから、本報知用処理を終了する。左打ち報知又は右打ち報知が設定されると、演出制御装置82は表示制御装置212に当該報知に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41にて左打ち報知又は右打ち報知を実行するように制御する。
左打ち報知及び右打ち報知の例について、図34を参照しながら説明する。
左打ち報知及び右打ち報知は、遊技回中において当該遊技回が終了するよりも前の所定のタイミングで実行される。所定のタイミングとしては例えばリーチ表示が行われている最中のタイミングとして設定されている。例えば、図34(a1)に示すように、リーチ表示が行われている最中において、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が2個記憶されていると、図34(a2)に示すように、表示画面Gの特定領域UHにおいて、「左を狙って大当たりを待つんだ!!」という表示によって左打ち報知がなされる場合がある。この特定領域UHは、リーチ表示中の図柄列Z1〜Z3と重なる領域に設定されており、図柄列Z1〜Z3よりも前面側に表示される。特定領域UHの表示は、一定期間(例えば3sec)に亘って実行され、リーチ表示が終了するよりも前のタイミングで特定領域UHの表示は終了する。つまり、左打ち報知は、リーチ表示が行われている所定の期間において実施され、リーチ表示が終了するよりも前のタイミング、すなわち、遊技回の変動表示が終了するよりも前のタイミングで終了するように設定される。
また、例えば、図34(b1)に示すように、リーチ表示が行われている最中において、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されていない場合には、図34(b2)に示すように、表示画面Gの特定領域UHにおいて、「右を狙って大当たりを待つんだ!!」という表示によって右打ち報知がなされる場合がある。この特定領域UHは、リーチ表示中の図柄列Z1〜Z3と重なる領域に設定されており、図柄列Z1〜Z3よりも前面側に表示される。特定領域UHの表示は、一定期間(例えば3sec)に亘って実行され、リーチ表示が終了するよりも前のタイミングで特定領域UHの表示は終了する。つまり、右打ち報知も、リーチ表示が行われている所定の期間において実施され、リーチ表示が終了するよりも前のタイミング、すなわち、遊技回の変動表示が終了するよりも前のタイミングで終了するように設定される。
以上のようにすることで、左右の開始用ゲート561,562のいずれを狙うべきかを遊技者に報知するとともに、その報知を、遊技回中の期待演出としても利用することができる。つまり、左打ち報知及び右打ち報知が行われることによって、今回の遊技回が移行前状態の契機となる遊技回であると遊技者は期待して、当該遊技回の注目度がより高められる。
ここで、例えば、遊技回のリーチ中においては、遊技球の発射を停止してそのリーチを見守る行為が行われる場合がある。この場合、遊技ホールの管理者にとっては、遊技球の発射と停止を繰り返して不当に利益を得ようとする行為との見分けがつきにくくなる、という不都合が懸念される。これに対して、上記のように、左右の打ち分け報知を遊技回が終了するよりも前に実施する構成としたことで、遊技球の発射を継続させるように促すことができ、結果として、不正行為を発見し易くなる。
また、遊技者としても、上記のような打ち分け報知が遊技回の終了を待たず、すなわち移行前状態の移行よりも前に、より早期に実施されることによって、第2結果表示部用保留エリアRbへ保留情報を記憶させるための発射をより長く実施することが可能となる。特に、第4作動口342への入賞率が低く設定されていることから、仮に、移行前状態に移行してから第4作動口342へ入賞させようとしても、なかなか第4作動口342への入賞が発生せず、例えば開閉実行モードの開始契機となった保留情報のみが記憶された状態で開閉実行モードが終了することも考えられる。そうすると、開閉実行モード終了後に1回だけは第2結果表示部BSの遊技回を確保できるものの、その後については、第1結果表示部ASの遊技回が実行されてしまう可能性が高い。その点、上記のように、より長くその期間が確保されていることで、なるべく多くの保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されるようにすることが可能となる。
ここで、通常時においても右側領域PE3を流下させて、第4作動口342への入賞を発生させる行為も考えられる。しかし、既に説明したとおり、右側領域PE3を流下させている場合には、第1作動口33への入賞率が左側領域PE2を流下させている場合よりも低くなる。その点、通常時においては、左側領域PE2を流下させる方が遊技者にとっては有利な遊技となる。但し、いずれの作動口を狙うかは、遊技者が選択すべき内容であり、上記のように通常時においても右側領域PE3を流下させることを許容することで、遊技者の選択の余地を残し、遊技の多様性を確保することが可能となる。
なお、左側領域PE2を遊技球を流下させて遊技を行っている状況においても第2結果表示部用保留エリアRb側に保留情報が取得されるよう、例えば下側領域PE4に第2結果表示部BS用の作動口を別途設けてもよい。
また、左打ち報知については、既に第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が所定数以上記憶されている場合であり、早期に報知する必要性は右打ち報知と比較して低いものと考えられる。その点、左打ち報知については、遊技回終了後に実施し、又は実施せず、右打ち報知について遊技回終了前に実施する構成としてもよい。但し、各報知の実施タイミングを揃えたほうが、左右いずれの報知かといった内容に注目させることができるし、報知タイミングを異ならせるよりも処理構成の簡素化が図られる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、第1作動口33が上記第1〜第3の実施形態とは異なる位置に設けられている。具体的には、図35(a)に示すように、上記第3の実施形態において示した第5開始用ゲート562の真下に配置されている。なお、本実施形態における第1作動口33に対応する作動口を上記各実施形態と区別すべく、第5作動口330として示す。第5作動口330への入賞が発生すると、第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が記憶され、第1結果表示部ASにおける遊技回が実行される。
また、第5作動口330への入賞を発生させようとすると、その直上に配置される第5開始用ゲート562に通過させることになる。つまり、本実施形態では、開閉実行モードの開始契機として、第1結果表示部AS側の保留情報を取得させる場合と、第2結果表示部BS側の保留情報を取得させる場合と、を遊技者に選択させる構成となる。
図35(b)に示すように、第1結果表示部AS側の第5作動口330と第2結果表示部BS側の第4作動口342とを比較すると、第5作動口330へ入賞させた場合には賞球は3個であり、第4作動口342へ入賞させた場合の賞球(1個)よりも多い。また、第5作動口330の方が、第4作動口342よりも入賞させ易いように釘38等が配置されている。一方で、当否抽選における振分テーブルは、第1結果表示部AS側の第5作動口330の方が第2結果表示部BS側の第4作動口342よりも不利となるように設定されている(図10参照)。
以上のように、両作動口330,342を打ち分け可能とするとともに、移行前状態において両作動口330,342のいずれの入賞を発生させても開閉実行モードを開始させることが可能とすることで、賞球、入賞率、当否抽選における振分テーブル等を考慮して、遊技者が開閉実行モードの開始契機をいずれとするかを選択する、といった斬新な遊技とすることが可能となる。
ここで、開閉実行モードがいずれかの確変大当たり結果に基づくものである場合には、開閉実行モード後の遊技回は高確率モードで実施される。そのため、開閉実行モードの開始契機となる保留情報が大当たり結果となる可能性が、低確率モード時よりも高くなる。そうすると、上記の開閉実行モードの開始契機を選択する遊技において、振分テーブルの影響が強くなるといえる。そのため、第5作動口330への入賞を開閉実行モードの開始契機とするよりも、第4作動口342への入賞を開閉実行モードの開始契機としたほうが、遊技者にとって有利となり得る。
その一方で、開閉実行モードが通常大当たり結果に基づくものである場合には、開閉実行モード後の遊技回は低確率モードで実施されるため、上記開始契機を選択する遊技において、振分テーブルの影響は弱くなる。そのため、第4作動口342への入賞を開閉実行モードの開始契機とするよりも、第5作動口330への入賞を開閉実行モードの開始契機としたほうが、遊技者にとって有利となり得る。
このように、開閉実行モード後の当否抽選モードの高低も開始契機の選択に影響するため、遊技者が選択する上での思考がより複雑なものとなり、遊技の多様化が図られている。
<第5の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態において示した第2作動口34及び開始用ゲート56の構成が異なっている。なお、本実施形態における第2作動口34に対応する作動口を、上記各実施形態と区別すべく、第6作動口343として示す。また、本実施形態における開始用ゲート56に対応する開始用ゲートを、上記各実施形態と区別すべく、第6開始用ゲート563として示す。なお、本実施形態の第6開始用ゲート563は、通過型のゲートではなく、入球した遊技球が排出通路を通じて遊技領域PEとは異なる領域に排出される構成である。その点、第6開始用ゲート563は、第6開始用入球部563とも称することができる。
図36(a1)及び図36(a2)に示すように、第6作動口343及び第6開始用ゲート563は、ユニット化されて遊技盤24に設置されている。第6作動口343及び第6開始用ゲート563は共に上向きに開放されている。また、第6作動口343が上方となるようにして第6作動口343と第6開始用ゲート563は鉛直方向に並んでいる。第6開始用ゲート563には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての第6電動役物343aが設けられている。第6作動口343に入球した遊技球は第6入賞センサ343cによって検知され、また、第6開始用ゲート563を通過する遊技球は第6開始用センサ553によって検知される。
第6電動役物343aは、上記の電動役物34aに対応するものである。第6電動役物343aは、第6開始用ゲート563に遊技球が通過しにくい閉鎖状態と、閉鎖状態よりも遊技球が通過し易い開放状態とに切り換えられる。
第6作動口343を構成する作動口ケース343bは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース343bの上辺長(すなわち第6作動口343の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、第6電動役物343aが閉鎖状態にある場合において左右の第6電動役物343a間の距離よりも大きい長さとされている。また、第6電動役物343aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース343bと第6電動役物343aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう第6作動口343と第6開始用ゲート563の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、第6電動役物343aの閉鎖状態では遊技球が第6開始用ゲート563を通過できず、第6電動役物343aが開放されることで第6開始用ゲート563への通過が可能となる。特にこのとき、第6電動役物343aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり第6作動口343の作動口ケース343bが略台形状をなしておりそれが障害となることから、第6電動役物343aが十分に開放されるまでは第6開始用ゲート563への遊技球の通過が不可能となり、第6電動役物343aのほぼ全開状態でのみ通過が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース343bの側面に当たって外側に弾かれ、第6開始用ゲート563に直接入賞することはない。このようにすることで、第6開始用ゲート563への通過をより限定的なものとすることができる。
第6電動役物343aの開閉処理について、図36(b)を参照しながら説明する。
ステップS1601では、第6作動口343への入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生した場合には、ステップS1602にてゲート開放処理として、第6電動役物343aを開放状態としてから、本開閉処理を終了する。これにより、第6開始用ゲート563の遊技球の通過が許容される。すなわち、開閉実行モードを開始させることが可能となる。
ステップS1601にて第6作動口343への入賞が発生していないと判定した場合には、ステップS1603にて第6開始用ゲート563の遊技球の通過が発生したか否かを判定する。第6開始用ゲート563の通過が発生した場合には、ステップS1604にてゲート閉鎖処理として、第6電動役物363を閉鎖状態としてから、本開閉処理を終了する。これにより、第6開始用ゲート563を遊技球が通過できなくなる。すなわち、開閉実行モードを開始させることができなくなる。ステップS1603にて否定判定した場合には、そのまま本開閉処理を終了する。
以上のようにすることで、移行前状態において第6開始用ゲート563を通過させて開閉実行モードへ移行させようとするためには、少なくとも第6作動口343への入賞が必要となり、開閉実行モード後において第2結果表示部BS側の遊技回が実行されない、といった事象を回避することができる。
上記構成において、第6開始用ゲート563と第6作動口343との配置を逆にしてもよい。すなわち、第6開始用ゲート563を上側、第6作動口343を下側に配置して、第6開始用ゲート563の通過に基づいて第6作動口343の入賞が許容される構成とする。この場合であっても、開閉実行モード移行後(すなわち第6開始用ゲート563の通過後)に、第6開始用ゲート563を通過させることができ、開閉実行モード終了時の第2結果表示部BS側の遊技回を確保することは可能である。この場合、第6作動口343の位置によっては、遊技者は、開閉実行モードを開始させた後、発射強度と調節して第6作動口343へ入賞させないようにすることも可能であり、開閉実行モード後に第1結果表示部AS側の遊技回を積極的に行わせたい(第2結果表示部BS側の遊技回を行わせたくない)、といった要望にも応じることができる。但し、第6開始用ゲート563への通過によって第6作動口343が入賞し易くなるのであるから、第6作動口343の入賞率が高騰することを抑制する、という観点からすると、上記のように第6作動口343側の入賞に基づいて第6開始用ゲート563の通過が許容される構成の方が好ましい。
第6作動口343や第6開始用ゲート563への入賞に基づいて、電気駆動によって第6電動役物343aの開閉制御を行う構成としたが、入球した遊技球の自重を受けて開放状態と閉鎖状態とに切り換わる機械式の非電動役物によって上記構成を実現してもよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)開閉実行モードへの移行が可能となる場合には、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの切り替えが行われる構成としたが、サポートモードの切り替えが行われない構成としてもよい。具体的には、上記各実施形態のように、移行前状態に設定される場合に低頻度サポートモードに切り替えられる構成や、第2の実施形態において示した開閉実行モードへ移行する場合に低頻度サポートモードに切り替えられる構成に代え、低頻度サポートモードに切り替えられない構成としてもよい。この場合であっても、低頻度サポートモード中に移行前状態に設定された場合や開閉実行モードが開始された場合においては、第2結果表示部BS側の第2作動口34等の入賞を発生させて開閉実行モードを開始させれば、開閉実行モード後には第2結果表示部BS側の遊技回を実施することができる。また、高頻度サポートモード中に移行前状態に設定された場合や開閉実行モードが開始された場合においては、移行前状態や開閉実行モード中に第2結果表示部BS側の保留情報が多数記憶され得るため、開閉実行モード後の遊技回として第2結果表示部BS側の遊技回をより確実に実施可能とする、という観点からすると好ましい。
また、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの切り替えを、移行前状態に設定されるよりも後のタイミングであって、開閉実行モード開始よりも前のタイミングで行う構成としてもよい。この場合、例えば、移行前状態の設定を行うタイミングで、所定の時間を計測するカウンタの更新を開始し、当該カウンタが所定の時間の経過に対応する数値となったことに基づいて、サポートモードの切り替えを行う構成とするとよい。
さらに、サポートモードの切り替えを、低頻度サポートモードに切り替えるのではなく、低頻度から高頻度、低頻度から低頻度、又は高頻度から高頻度に切り替えられる構成としてもよい。例えば、移行前状態となった遊技結果に応じたサポートモードに設定される構成としてもよいし、遊技結果に関わらず又は遊技結果に応じた確率で抽選等によって設定するサポートモードの高低を決定する構成としてもよい。また、移行前状態となることに基づいて、強制的に高頻度サポートモードに設定される構成としてもよい。高頻度サポートモードに設定される構成とすれば、例えば第1の実施形態でいうと、第1開始用センサ55aを通過させ易くなり、通常時の第2作動口34への入球率を高め過ぎずに、速やかな開閉実行モードの開始を実現することができる。
(2)スルーゲート35を常時遊技球が通過可能な構成としたが、例えば、移行前状態となることに基づいて通過可能な状態となる構成としてもよい。通過可能な状態とは、例えば電動役物34aのように開放状態と閉鎖状態とに切替可能な役物をスルーゲート35に設けるとよく、移行前状態となることに基づいて、該スルーゲート35への入賞が可能となるように開放状態に切り替えられる構成とするとよい。このようにすれば、移行前状態において当該スルーゲート35を通過させて電動役物34a等を開かせる、といった段階を経た遊技とすることができる。そしてこの場合、通常時(移行前状態以外)におけるサポート抽選の当選確率を考慮しなくてもよくなるため、移行前状態において高確率でサポート状態とすることができ、速やかな開閉実行モードの開始を実現することができる。
ちなみに、上記構成の場合、高頻度サポートモード中はスルーゲート35に入賞可能であって、低頻度サポートモード中はスルーゲート35に入賞不可となるように役物の開閉制御を行う構成とするとよい。
(3)第2結果表示部BS側の作動口と、開閉実行モードの開始契機となる開始用ゲートとの構成は、上記のものに限定されない。例えば、第1の実施形態のように作動口に開始用ゲートが内蔵される(兼用される)構成の場合、1のセンサによって保留取得と開閉実行モードの開始用情報の取得を実現する構成としてもよい。また、作動口への入賞検知センサよりも後に開始用センサが配置される構成ではなく、開始用センサよりも後に入賞検知センサが配置される構成としてもよい。また、第2の実施形態のように、作動口と開始用ゲートを別々に設ける構成の場合、作動口の下流側に開始用ゲートが配置される構成に限定されず、開始用ゲートの下流側に作動口が配置される構成であってもよい。また、開始用ゲートと作動口とが別々の領域に配置されており、第5の実施形態のように、作動口への入賞に基づいて開始用ゲートの入賞が許容される構成としてもよいし、開始用ゲートの入賞に基づいて作動口への入賞が許容される構成としてもよい。
更に、開始用ゲートの通過検知をタイマ割込み処理(図11)の各種センサ読み込み処理で常時実施する構成としたが、移行前状態において作動口への入賞が発生した場合に、開始用ゲートの通過検知を行う構成としてもよい。
(4)第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報よりも第2結果表示部用保留エリアRbの保留情報を優先的に当否判定する構成としたが、その逆であってもよく、入賞順(取得順)に当否判定する構成としてもよい。例えば、第1結果表示部用保留エリアRaが優先される構成においては、より第2結果表示部用保留エリアRb側へ保留情報を早期に取得させたい(すなわち第1側よりも先に取得させたい)と遊技者は考えるであろうから、高頻度サポートモードに設定されるよりも以前である開閉実行モードの開始時に第2側の保留情報を取得させる意義は高まるものと考えられる。
(5)第2の実施形態において、回転体350の陥没部351に遊技球が収容されて当該陥没部351が下を向いても遊技球が落下しないようにする構成として、係止部を設けたが、係止部を設けない構成としてもよい。係止部を設けない場合、陥没部351から遊技球が落下する回転角度は一定であるため、当該落下する箇所に、第3開始用ゲート560を設ければよい。また、落下しないようにする構成として、例えば回転体350の周囲に釘38等による落下防止用の役物を設ける構成としてもよい。また、落下しないようにする構成として、陥没部351への流入及び陥没部351からの流出が停留位置及び第3開始用ゲート560上以外では規制されるようにシャッタを設ける構成としてもよい。
(6)第2の実施形態において、回転体350の周面上で遊技球が一旦停留する構成としたが、停留する(陥没部351への収容待ちとなる)構成は上記のものに限定されない。例えば、第3作動口340を通過した遊技球が、回転体350とは別途設けられた停留部にて停留する構成とし、当該停留部の底面を回転体350に向けて下り傾斜となるようにする等して、回転体350の回転角度によって停留部にて停留する遊技球が回転体350の陥没部351への収容可能となる又は収容不可となる構成としてもよい。
また、回転体350の陥没部351に収容待ちとなって停留する遊技球の個数は1個に限定されず、複数個であってもよい。
さらに、第3作動口340への入賞タイミングと回転体350の回転角度との関係で、回転体350の周面上で遊技球が一旦停留する構成としたが、停留せずに第3作動口340へ入賞した遊技球が回転体350の陥没部351にちょうど収容されるタイミングで回転体350に到達した場合は、同陥没部351に収容される一方、それ以外のタイミングで回転体350に到達した場合には、陥没部351に収容されない構成としてもよい。このようにすれば、移行前状態において、第3開始用ゲート560を通過させるよりも前に第3作動口340への入賞回数を多くする(タイミングが合わなければ第3作動口340への入賞だけが発生する)ことが可能となる。
(7)第2の実施形態において、第3作動口340を通過した遊技球が第3開始用ゲート560に到達するまでの期間を回転体350によって確保する構成としたが、例えば、第3作動口340を通過してから第3開始用ゲート560に到達するまでの流下通路によって、その期間を確保する構成としてもよい。具体的には、流下通路をジグザグにする等して垂直落下よりも長い流下経路となるように通路を構成する、底部や壁部を凸凹にする等して流下速度を低下させる構成とする、可動役物によって第3作動口340を通過した遊技球の流下経路や流下速度を調節する、等としてもよい。
(8)第2の実施形態において、回転体350の回転速度(半周に要する期間、待機時間)は上記のものに限定されず、少なくとも、第3作動口340を通過した遊技球が第3開始用ゲート560に到達するまでに、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長い期間が確保されていれば、後続の遊技球は第3作動口340に到達し得る。また、発射周期と保留上限個数(4個)との積よりも長い期間が確保されていれば、上限個数分の後続の遊技球が第3作動口340に到達し得る。さらに、高頻度サポートモード中の1回のサポート抽選に要する閉鎖時間(約1.8sec)よりも長い期間であれば、第3電動役物340aが1回開放状態となり得るチャンスはあり、サポート抽選に要する閉鎖時間及び開放状態が維持される開放時間(約1.9sec)の合計期間よりも長い期間であれば、第3作動口340へより確実に入賞させることが可能となる。
(9)第2の実施形態において、第3電動役物340aの開閉タイミングを異ならせて後続の遊技球が第3作動口340に到達し易いようにしてもよい。具体的には、サポートモードの高低に関わらず、移行前状態に移行することに基づいて、サポート抽選に要する期間(閉鎖時間)をそれまでの期間よりも短くする(例えば1.8secから0.5secに変更する)、また、開放状態が維持される期間(開放時間)をそれまでの期間よりも長くする(例えば1.9secから4.0secに変更する)、等して、第3作動口340に到達し易い構成としてもよい。
上記の開閉タイミングの変更契機は、移行前状態に移行する(設定される)ことに限定されず、開閉実行モードに移行する(設定される)ことであってもよいし、移行前状態に移行してから所定期間が経過することであってもよい。
(10)低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとで、電動役物34a、340aの開放時間や閉鎖時間だけでなく、開放回数を異ならせることで、第2結果表示部BS側の作動口34,340への入賞頻度が向上する構成としてもよい。
(11)第3の実施形態において、左右の打ち分け報知を行う構成としたが、少なくとも一方(特に右打ち報知)が行われる構成であれば、いずれを狙うべきかを遊技者は把握可能である。
(12)第3の実施形態において、第4開始用ゲート561よりも第5開始用ゲート562の方が通過率が高くなるのであれば、例えば開放状態と閉鎖状態とに切換可能な電動役物によって、通過率の高低を設定してもよい。この場合、第4開始用ゲート561側に電動役物を設けて通過率を低くしてもよいし、第5開始用ゲート562側に電動役物を設けて通過率を高くしてもよい。
(13)第3,第4の実施形態において、第4開始用ゲート561と第5開始用ゲート562の位置は上記のものに限定されない。少なくとも打ち分けによる効果を奏するためには、一方を狙って遊技球を発射操作している状況では他方には到達しない位置の関係となっていればよい。
(14)第1,第3〜第5の実施形態においても、第2の実施形態のように、第2結果表示部BS側の作動口への入賞と、開閉実行モードの開始契機となる開始用ゲートの通過と、が1対1で対応していなくてもよい。例えば、作動口へ入賞した遊技球のうち、所定の割合の遊技球が開始用ゲートを通過する構成としてもよい。具体的には、例えば、作動口へ入賞した遊技球が必ず通過する位置に振分装置を設ける。振分装置は、所定個数の遊技球が通過すると開始用ゲート側に遊技球を振り分けるとともに、所定個数の遊技球が通過するまでは開始用ゲートとは異なる領域に遊技球を振り分ける構成とする。これにより、所定個数として例えば4個とすると、4個の作動口への入賞のうち1個は開始用ゲートへ通過することになる。この場合、所定個数を、保留上限個数以上とすれば、開閉実行モードの開始時に第2結果表示部用保留エリアRbの保留上限個数分の保留情報を取得させることが可能となる。
また、逆に、開始用ゲートを通過した遊技球のうち、所定の割合の遊技球が作動口へ入賞する構成としてもよい。
これらの場合、上記所定の割合を、上記のように振分装置を用いて一定の割合となるようにしてもよいし、第2の実施形態のように遊技球の挙動によってランダムとなる構成としてもよいし、抽選等によって振分先を決定する構成としてもよい。また、作動口と開始用ゲートとを共通化する場合、作動口への入賞と判定する割合と、開始用ゲートの通過と判定する割合と、を異ならせる構成としてもよい。
また、振分装置を用いる場合、電気駆動により振分先が変更される(主制御装置81等により制御される)構成であってもよいし、非電動式で遊技球の自重等によって振分先が変更される構成であってもよい。
(15)第4の実施形態のように、移行前状態において第5作動口330及び第4作動口342のいずれを狙っても開閉実行モードへ移行させることが可能な構成において、有効となる開始用ゲート561,562を抽選や、移行前状態の移行の契機となった遊技結果等によって選択する構成としてもよい。この場合、例えば、高頻度サポートモードに移行し得る大当たり結果に基づいて移行前状態に移行した場合には、第4作動口342側の第4開始用ゲート561を有効とし、高頻度サポートモードに移行しない非明示2R確変大当たり結果や特別外れ結果に基づいて移行前状態に移行した場合には、第5作動口330側の第5開始用ゲート562を有効とする。このようにすれば、開閉実行モード後に第2結果表示部BS側の遊技回が積極的に行われる高頻度サポートモード時にのみ、第2結果表示部用保留エリアRb側に保留情報を記憶させつつ開閉実行モードを開始させることが可能となる。換言すると、開閉実行モード後に高頻度サポートモードに移行しないのにもかかわらず、第2結果表示部用保留エリアRb側の保留情報が記憶される事象を回避することができる。なお、第2結果表示部BS側の方が遊技者にとって有利であることを利用して、移行前状態に移行時の抽選等によって当選すれば、その特典として第2結果表示部BS側の保留情報が取得される構成(第4開始用ゲート561側が有効となる構成)としてもよい。
(16)移行前状態に移行してから開始用ゲートを通過させるまでの期間の長短によって、その後の有利度が異なる構成としてもよい。例えば、移行前状態に移行してから早期に開始用ゲートを通過させるほど開閉実行モードやその後に得られる有利度が高くなる構成とすると、開始用ゲートの通過率との関係で、第3,第4の実施形態のようにいずれを狙うかといった遊技の面白味を増加させることが可能となる。期間に応じて有利度が異なる構成としては、開閉実行モード後における高頻度サポートモードの継続回数や高確率モードの継続回数、当否抽選の確率等の遊技者の利益に直結する部分を変更してもよいし、例えば、レア画像・レア演出が表示・発生し易くなるといった演出上の特典であってもよい。
(17)移行前状態において、対応する保留情報が取得されることなく開始用ゲートの通過が発生した場合には、その通過を無効とする構成としてもよい。このようにすれば、開閉実行モードの開始時において、より確実に対応する保留情報を取得させることが可能となる。この場合、保留情報の取得よりも開始用ゲートの通過が先に発生し得る構成においては、開始用ゲートの通過が発生してから所定期間に亘って保留情報の取得の有無を監視し、取得されれば上記開始用ゲートの通過を有効なものとして扱い、取得されなければ開始用ゲートの通過を無効なものとして扱う構成としてもよい。
(18)開始用ゲートの通過に際して賞球が払い出される構成としてもよい。このようにすれば、遊技者に対して開始用ゲートを通過させたことに対する満足感を提供することができる。但し、出球率を高め過ぎない、といった観点からすると、開始用ゲートの通過個数と同数又はそれよりも少ない個数の賞球とするとよい。
(19)開始用ゲートの通過に基づいて、所定の抽選を行う構成としてもよい。例えば、当該所定の抽選によって、開閉実行モード中の演出内容が異なる、開閉実行モード後の演出内容が異なる、といった構成としたり、当該所定の抽選によってその後の有利度が異なる構成としてもよい。
(20)上記各実施形態において、第1結果表示部AS側の振分判定よりも第2結果表示部BS側の振分判定の方が、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果に振り分けられる確率や、開閉実行モード後に高頻度サポートモードに設定される大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としたが、第1結果表示部AS側よりも第2結果表示部BS側のほうが遊技者にとって有利となる構成であればよい。例えば、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる大当たり結果に振り分けられる確率と、開閉実行モード後に高頻度サポートモードに設定される大当たり結果に振り分けられる確率と、のいずれかが第1結果表示部AS側よりも第2結果表示部BS側の方が高い構成であってもよい。
また、例えば、第1結果表示部AS側の当否抽選よりも第2結果表示部BSの当否抽選の方が大当たり当選となる確率が高い構成であってもよい。さらに、第1結果表示部ASの振分判定よりも第2結果表示部BSの振分判定の方が高確率モードに設定され得る大当たり結果に振り分けられる確率が高い構成であってもよい。
高確率モードに設定され得る大当たり結果に振り分けられる確率が、第2結果表示部BS側の方が高くなる構成として、例えば、開閉実行モード中に所定の通過部を遊技球が通過することで、当該開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定される構成とする。そして、当該所定の通過部の通過の可否を、開閉実行モード中の可変入賞装置32の開閉態様によって異ならせる構成とする。すなわち、大入賞口32aに入賞した遊技球が通過する通路において、上記所定の通過部と、それとは異なる領域とに振り分ける振分装置を設ける。当該振分装置は例えば周期的に振分先を変更するように動作するように主制御装置81等によって制御される構成とする。また、大当たり当選となって振り分けられる大当たり結果の種類として、所定の通過部側に振り分けられ易いタイミングで大入賞口32aへ入賞するように、可変入賞装置32の開閉パターンが定められている大当たり結果と、所定の通過部側に振り分けられにくいタイミングで大入賞口32aへ入賞するように可変入賞装置32の開閉パターンが定められている大当たり結果と、を設ける。そして、第2結果表示部BS側の当否抽選で大当たり当選となった場合には、上記所定の通過部側に振り分けられ易い大当たり結果となり易く、第1結果表示部AS側の当否抽選で大当たり当選となった場合には、上記所定の通過部側に振り分けられにくい大当たり結果となり易いようにする。このようにすることで、実質的に高確率モードに設定され得る確率を、第1結果表示部AS側と第2結果表示部BS側とで異ならせることが可能となる。
このような構成においては、第1結果表示部AS側と第2結果表示部BS側とで、有利度の差が上記各実施形態よりも大きくなる。そのため、高頻度サポートモードに設定される開閉実行モード終了後に、第2結果表示部BS側ではなく第1結果表示部AS側の遊技回が実施されることによる遊技者のデメリットは大きくなる。その点、開閉実行モードの開始契機に合わせて第2結果表示部BS側の保留情報が取得される構成とすれば、開閉実行モード後に確実に第2結果表示部BS側の遊技回を実行することが可能となる。
(21)電動役物34a,340aを設け、当該電動役物34a,340aの開閉態様によって、第2作動口34や第3作動口340の入球し易さを変化させる構成としたが、第1結果表示部AS側と第2結果表示部BS側の入賞率の関係からすると、第1作動口33側に電動役物を設け、通常時は当該電動役物が開放状態となり易いモードに設定されることで第2結果表示部BS側よりも第1結果表示部AS側の方が入賞率が高くなり、当該電動役物が開放状態となりにくいモードに設定されることで第2結果表示部BS側の方が第1結果表示部AS側よりも入賞率が高くなる構成としてもよい。要は、第2結果表示部BSと第1結果表示部ASとで、第2結果表示部BSのほうが入賞しにくければよく、また、移行前状態に設定されるなどの契機によって、第1結果表示部ASと第2結果表示部BSとの入賞し易さの相対的な差に変化が生じる構成であればよい。その観点からすると、例えば高頻度サポートモードに設定されることで、第1結果表示部AS側よりも第2結果表示部BS側の保留情報が取得され易い構成としたが、第2結果表示部BS側の保留情報が取得され易くなればよく、高頻度サポートモードに設定されても第1結果表示部AS側の方が保留情報が取得され易い構成であってもよい。
(22)高頻度サポートモード中の遊技回の遊技結果が、変動表示時間の終了よりも先に把握/予測可能な構成としてもよい。例えば、遊技回の最中の演出の一種として、開閉実行モード(移行前状態)への移行が確定する(高確率で移行する)ことを示す特別演出を実行可能な構成とする。このようにすると、遊技者は、遊技回の変動表示の最中で、当該遊技回が終了すると移行前状態に設定されることを把握することができる。移行前状態に設定されると高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに移行するのであるから、例えば第2の実施形態であれば、低頻度サポートモードに移行するよりも前に、すなわち、上記特別演出が発生した遊技回が終了するよりも前に、第3作動口340への入賞を発生させて保留情報を取得させ、また、第3作動口340への入賞を発生させておいてその後に早期に開閉実行モードが開始される(第3開始用ゲート560への通過が発生する)ようにするものと考えられる。よって、各遊技回の演出内容への注目度を向上させることができる。
(23)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴群に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動口34,340,342,330,343)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段(主制御装置81による第1移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象(開始用ゲート56a,560〜563の通過)が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段(主制御装置81による第2移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、発射手段により発射された遊技球が始動入球部に入球すると、特別遊技状態へ移行させることが可能か否かの判定が行われる。移行判定の結果が移行対応結果であると、先ず、特別遊技状態の移行前に移行前状態に設定される。そして、その移行前状態に滞在している状況で、始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は始動入球部へ遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象が発生すると、特別遊技状態に移行する。このように、始動入球部への入球は、特別遊技状態へ移行させるか否かの移行判定が行われる契機となるとともに、特別遊技状態へ移行させる契機ともなる。したがって、始動入球部への注目度を高めることが可能となるだけでなく、機能の集約化によって、限られた遊技領域において斬新な遊技を実現することが可能となる。
なお、第2設定手段について、「遊技状態が前記移行前状態である状況で、前記始動入球部へ遊技球が入球し得る特定事象が発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」や、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に所定の割合で発生する特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に通過する経路上に設けられた所定の通過部を通過する特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に発生し得る特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」と表現してもよい。
特徴A2.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動口34,340,342,330,343)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させることに対応するか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段(主制御装置81による第1移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段(主制御装置81による第2移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、発射手段により発射された遊技球が始動入球部に入球すると、特別情報が取得されてその情報が取得情報記憶手段に記憶される。そして、記憶された特別情報に基づいて、特別遊技状態へ移行させることが可能か否かの判定が行われる。移行判定の結果が移行対応結果であると、先ず、特別遊技状態の移行前に移行前状態に設定される。そして、その移行前状態に滞在している状況で、始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は始動入球部へ遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象が発生すると、特別遊技状態に移行する。このように、始動入球部への入球は、特別遊技状態へ移行させるか否かの移行判定が行われる契機となるとともに、特別遊技状態へ移行させる契機ともなる。したがって、始動入球部への注目度を高めることが可能となるだけでなく、機能の集約化によって、限られた遊技領域において斬新な遊技を実現することが可能となる。
さらに、移行前状態において始動入球部への入球が発生して特別遊技状態へ移行させる構成とすれば、少なくとも特別遊技状態の終了時には当該移行時に発生した始動入球部への入球に基づく特別情報が取得情報記憶手段に記憶されていることになる。このようにすれば、特別遊技状態の終了時に特別情報がなく、移行判定→特別遊技状態→移行判定、といった一連の流れの遊技が円滑に行えない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記構成は、「前記移行前状態及び前記特別遊技状態において、前記移行判定手段による前記移行判定の実行を制限する手段」を備える構成とすると、特別遊技状態後に移行判定を迅速に行わせるための効果がより明確なものとなる。
また、第2設定手段について、「遊技状態が前記移行前状態である状況で、前記始動入球部へ遊技球が入球し得る特定事象が発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」や、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に所定の割合で発生する特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に通過する経路上に設けられた所定の通過部を通過する特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」、「前記始動入球部へ遊技球が入球する場合に発生し得る特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段」と表現してもよい。
特徴A3.前記始動入球部として、第1始動入球部(第1作動口33、第5作動口330)及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部(第2作動口34、第3作動口340、第4作動口342、第6作動口343)が設けられており、
前記第1始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定と前記第2始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定とで、遊技者にとっての有利度が異なるように設定されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの始動入球部へ入球させるかによって、遊技者にとっての有利度が異なる構成において、その始動入球部への入球が生じる場合に発生し得る特定事象を特別遊技状態の移行契機とすれば、更なる遊技性の向上を図ることができる。
特徴A4.前記第2始動入球部の入球に基づいて行われる前記移行判定の方が、前記第1始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定よりも、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定されており、
前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記第2始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生する場合とは、有利な移行判定が行われる側の第2始動入球部への入球が生じる場合であり、この特定事象が発生すると、特別遊技状態に移行する。このようにすれば、もともと注目が集まる第2始動入球部への入球といった事象を用い、より遊技性を向上させることができる。
特に、特徴A2のような特別情報が記憶される構成に本構成を適用すれば、少なくとも特別遊技状態の終了後には第2始動入球部への入球に基づいて取得される特別情報が記憶されていることになり、有利な移行判定が特別遊技状態後に行われることになる。このようにすれば、特別遊技状態へ移行することのメリットを高めることができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A5.前記始動入球部として、第1始動入球部(第1作動口33、第5作動口330)及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部(第2作動口34、第3作動口340、第4作動口342、第6作動口343)が設けられており、
前記第1始動入球部への入球に基づいて取得される特別情報についての前記移行判定よりも、前記第2始動入球部への入球に基づいて取得される特別情報についての前記移行判定を、優先して実行することが可能な優先手段(主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記第2始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生する場合とは、移行判定が優先して実行される第2始動入球部への入球が生じ得る場合であり、この特定事象が発生すると特別遊技状態への移行する。このようにすることで、特別遊技状態後に移行判定が行われる場合、仮に特定事象の発生前に第1始動入球部への入球部基づいて取得された特別情報が記憶されていたとしても、特定事象の発生に基づいて取得された優先側の特別情報についての移行判定を確実に行わせることができる。
特徴A6.前記始動入球部として、第1始動入球部(第1作動口33、第5作動口330)及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部(第2作動口34、第3作動口340、第4作動口342、第6作動口343)が設けられており、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が遊技球が入球しにくい構成であり、
前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生する又は入球する場合に当該入球よりも前に発生する特定事象に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、普段であれば入球しにくく特別情報が取得されにくい側についての移行判定を、特別遊技状態後に確実に行わせることができる。このようにすれば、特別遊技状態の優位性をより高めることができ、遊技への注目度向上に役立てることが可能となる。
特徴A7.前記特別遊技状態前後において、前記第1始動入球部と前記第2始動入球部との入球し易さの相対的な差を変化させることが可能な変化手段(電動役物34a、第3電動役物340a、主制御装置81における第1、第2移行処理においてサポートモードの高低を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態前において第1始動入球部の方が入球し易い場合には、特別遊技状態に移行させる特定事象によって第2始動入球部への入球に基づく特別情報が取得されることで、特別遊技状態後に入球し易くなる第2始動入球部への入球に基づく特別情報についての移行判定を、特別遊技状態後において第2始動入球部への入球を待たずにより迅速に開始することができる。また逆に、特別遊技状態前において第2始動入球部の方が入球し易い場合には、特別遊技状態に移行させる特定事象をより迅速に発生させることが可能となるし、特別遊技状態後においては入球しにくくなる第2始動入球部への入球に基づく移行判定を特別遊技状態とセットで行わせることが可能となり、特別遊技状態の優位性が高められる。
特に、特徴A6では、第1始動入球部よりも第2始動入球部の方が遊技球が入球しにくい構成であるため、第1始動入球部と第2始動入球部との入球し易さの相対的な差を変化させる変化手段としては、普段であれば入球しにくい第2始動入球部を入球し易いように変化させることで第1始動入球部との入球し易さの相対的な差を変化させる構成や、普段であれば入球し易い第1始動入球部を入球しにくいように変化させることで第2始動入球部との入球し易さの相対的な差を変化させる構成が考えられる。
特徴A8.前記始動入球部として、第1始動入球部(第1作動口33、第5作動口330)及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部(第2作動口34、第3作動口340、第4作動口342、第6作動口343)が設けられており、
前記第2始動入球部には当該第2始動入球部への入球率を変化させる変化手段(電動役物34a、第3電動役物340a、主制御装置81における第1、第2移行処理においてサポートモードの高低を設定する処理を実行する機能)が設けられており、
前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生する又は入球する場合に当該入球よりも前に発生する特定事象に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2始動入球部への入球率が変化する場合があり、このような第2始動入球部へ入球する場合とは、特定事象が発生し得る場合である。特定事象が発生すると特別遊技状態へ移行する構成であるため、変化手段が設けられていることによって、移行前状態において、特別遊技状態への移行させ易さが変化する。つまり、第2始動入球部への入球率を高めれば特別遊技状態へ移行し易くなるし、第2始動入球部への入球率を低くすれば特別遊技状態へ移行しにくくなる。このようにすれば、当否抽選(移行判定)の確率を変化させることなく、特別遊技状態への移行し易さを異ならせることが可能となり、新たな遊技を創出することができる。
特徴A9.前記特定事象は、前記第2始動入球部へ入球した後に発生する構成であり、
前記第2始動入球部への入球が発生してから前記特定事象が発生するまでの特定期間が予め定められた所定期間以上となるように、前記特定期間を担保するための担保手段(回転体350)を備えていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A8の構成においては、例えば、第2始動入球部への入球率が高められている状況では特別遊技状態への移行がスムーズに行えるようになる一方、第2始動入球部への入球に基づく特別情報が十分に取得されていない状況で特別遊技状態への移行が発生する可能性がある。その点、特徴A9のように担保手段を備えることで、第2始動入球部への入球が発生してから特定事象が発生するまでの特定期間において、第2始動入球部への入球を更に発生させることも可能となり、上記のような不都合の発生を回避することが可能となる。
特徴A10.前記担保手段は、前記変化手段が前記第2始動入球部の入球率が低い状態から高い状態に切り換えるまでに要する単位期間(1回の閉鎖時間)よりも長い期間を前記所定期間として、前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態において第2始動入球部への入球が発生してから特定事象が発生するまでの所定期間において、変化手段は第2始動入球部の入球率が高くなる状態に切り換えられる。これにより、所定期間中において、第2始動入球部への入球をより確実に発生させることが可能となる。
特徴A11.前記始動入球部として、第1始動入球部(第4作動口342)及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部(第5作動口330)が設けられており、
前記第1始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定と前記第2始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定とで、遊技者にとっての有利度が異なるように設定されており、
前記第1始動入球部と前記第2始動入球部とで遊技球の入球し易さが異なる構成であり、
前記第2設定手段は、前記第1始動入球部又は前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生する又は入球する場合に当該入球よりも前に発生する特定事象に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態において特別遊技状態への移行を発生させる際、入球し易さ、移行判定の有利度等を加味して、いずれの始動入球部へ入球させて特別遊技状態への移行を発生させるかを、遊技者に選択させることが可能となる。このように、遊技者が選択可能な構成とすれば、遊技への積極参加を促し得るようになり、遊技への注目度向上に役立てることが可能となる。
特徴A12.前記発射手段によって第1の発射強度で遊技球が発射されている場合には、当該発射された遊技球は前記第1始動入球部に到達可能であって且つ前記第2始動入球部に到達しにくく、前記発射手段によって前記第1の発射強度とは異なる第2の発射強度で遊技球が発射されている場合には、当該発射された遊技球は前記第2始動入球部に到達可能であって且つ前記第1始動入球部に到達しにくくなるように、前記第1始動入球部と前記第2始動入球部との位置が設定されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が意図する始動入球部とは異なる始動入球部に入球してしまう、といった事象の発生が抑制され、遊技者がいずれの始動入球部への入球を発生させて特別遊技状態へ移行させるか、といった遊技をより好適に実現することが可能となる。
特徴A13.前記始動入球部への入球が発生したことに基づいて、遊技球の通過が許容される通過部(第3開始用ゲート560、第6開始用ゲート563)が設けられており、
前記第2設定手段は、前記移行前状態において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球が発生した場合に通過部の通過が許容されて、その通過部に遊技球を通過させることが特定事象となる。このようにすれば、始動入球部への入球が発生するまでは通過部を通過させることができず、特別遊技状態への移行をより確実に管理することができる。この場合、始動入球部への入球率は変化しないため、始動入球部への入球率を不当に高め過ぎない、といったメリットもある。
<特徴B群>
特徴B1.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(第3作動口340)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段(主制御装置81による第1移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に入球した遊技球が通過可能な通過部(第3開始用ゲート560)と、
遊技状態が前記移行前状態である状況で、前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段(主制御装置81による第2移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部への入球が発生してから当該入球した遊技球が通過部を通過するまでの特定期間が予め定められた所定期間以上となるように、前記特定期間を担保するための担保手段(回転体350)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて行われる移行判定において特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となると、特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態となり、その移行前状態において通過部を遊技球が通過すると特別遊技状態に設定される。このような構成において、始動入球部への入球から通過部の通過までの特定期間が所定期間以上となるように当該期間が担保されている。そのため、始動入球部への入球した遊技球が通過部を通過するまでに、後続の遊技球が更に始動入球部へ入球する可能性が高まり、その後の移行判定をよりスムーズに行わせることが可能となる。よって、移行判定といった抽選と、通過部への通過といった遊技球の動作との2段階で特別遊技状態へ移行させるといった特殊な遊技を好適に実現することができる。
特徴B2.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(第3作動口340)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球することに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段(主制御装置81による第1移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に入球した遊技球が通過可能な通過部(第3開始用ゲート560)と、
遊技状態が前記移行前状態である状況で、前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段(主制御装置81による第2移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部への入球が発生してから当該入球した遊技球が通過部を通過するまでの特定期間が予め定められた所定期間以上となるように、前記特定期間を担保するための担保手段(回転体350)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて特別情報が取得されて取得情報記憶手段に記憶される。記憶された特別情報は、特別遊技状態に移行させるか否かの移行判定が順次行われ、当該移行判定の結果が移行対応結果となると、特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態となり、その移行前状態において通過部を遊技球が通過すると特別遊技状態に設定される。このような構成において、始動入球部への入球から通過部の通過までの特定期間が所定期間以上となるように当該期間が担保されている。そのため、始動入球部への入球した遊技球が通過部を通過するまでに、後続の遊技球が更に始動入球部へ入球して特別情報が記憶される可能性が高まり、その後の移行判定をよりスムーズに行わせることが可能となる。よって、移行判定といった抽選と、通過部への通過といった遊技球の動作との2段階で特別遊技状態へ移行させるといった特殊な遊技を好適に実現することができる。
特徴B3.前記始動入球部への入球率が向上する第1状態と当該第1状態よりも入球率が低い第2状態とに変化することが可能な変化手段(第3電動役物340a)を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球率を変化させる構成を利用して、移行前状態において通過部の通過率、すなわち、特別遊技状態への移行させ易さを変化させることができる。このようにすることで、始動入球部への入球率と特別遊技状態への移行し易さとがリンクした特徴B1や特徴B2の遊技性を、より多様なものとすることが可能となる。
特徴B4.前記担保手段は、前記変化手段が前記第2状態から前記第1状態となるまでに要する期間(閉鎖時間)よりも長い期間となるように、前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球が発生してから通過部を通過するまでの期間において、変化手段が第2状態から第1状態に変化して始動入球部への入球率が向上し得る。そのため、移行前状態において始動入球部への入球後であって、当該入球した遊技球が通過部を通過するまでの期間において、後続の遊技球が始動入球部に入球する可能性が高くなる。よって、特別遊技状態への移行と移行判定とによる遊技を遅滞なく行わせることが可能となる。
特徴B5.前記担保手段は、前記変化手段が前記第2状態から前記第1状態となり、その後前記第2状態となるまでに要する期間(開放時間)よりも長い期間となるように、前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態において始動入球部への入球後であって、当該入球した遊技球が通過部を通過するまでの期間において、変化手段が第1状態となっている状況で始動入球部に到達し易くなり、当該期間における始動入球部への入球がより確実なものとなる。
特徴B6.前記変化手段の制御モードとして、前記変化手段が前記第1状態となる頻度及び前記第1状態が維持される期間の少なくとも一方が、相対的に高低となるように高モード(高頻度サポートモード)と、低モード(低頻度サポートモード)と、が設定されており、
前記制御モードの設定を実行するモード設定手段(主制御装置81における第1、第2移行処理においてサポートモードの高低を設定する処理を実行する機能)を備え、
前記モード設定手段は、前記第1設定手段により前記移行前状態に設定されるタイミング以降のタイミングで前記制御モードを前記低モードに設定することが可能な特定手段(主制御装置81によるステップS1306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態となると始動入球部への入球率が低下する。このように、始動入球部へ入球させて移行判定を行わせて移行前状態に設定させるという第1の遊技と、通過部を通過させて特別遊技状態に設定させる第2の遊技、という段階的な遊技が設定されている構成において、移行判定の契機となる始動入球部への入球率が、移行前状態に設定されるタイミング以降で低下するため、遊技者の関心先を通過部側に移しやすい。
但し、特別遊技状態は始動入球部に入球した遊技球が通過部を通過することで設定される構成であるため、始動入球部への入球率が低下すると、特別遊技状態を発生させることが難しくなる。これに対して、始動入球部へ入球した遊技球が通過部を通過するまでの特定期間が所定期間以上となるように担保されているため、特定期間中に制御モードに切り替えが行われれば、入球率が高い状況で入球した遊技球が、入球率が低くなってから通過部を通過するという事象が発生し易くなる。よって、移行前状態に設定されてから特別遊技状態に設定される、といった段階的な設定を経る遊技性を好適に実現することができる。
特徴B7.前記特定手段は、前記第1設定手段により前記移行前状態に設定されるタイミングで前記制御モードを前記低モードに設定することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、低モードに設定されるタイミングが明確となり、遊技の公平性が担保されるし、移行前状態に設定させる第1の遊技と、特別遊技状態に設定させる第2の遊技との区別がよりつき易い。この場合であっても、特定期間が担保されていることから、第1の遊技と第2の遊技との区別を明確なものとしつつも、第1の遊技中に発生した始動入球部への入球を第2の遊技において発生する通過部の通過に関連付けることができ、遊技をわかり易く且つ面白くすることが可能となる。
特徴B8.前記特定手段は、前記第2設定手段により前記特別遊技状態に設定されるタイミングで前記制御モードを前記低モードに設定することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態に設定されてからも特別遊技状態に設定されるまでは低モードに設定されない。そのため、それ以前の制御モードが高モードであれば、比較的速やかに始動入球部への入球が発生して特別遊技状態に設定させることができる。また、始動入球部への入球に基づいて、その後のスムーズな移行判定を行わせることも可能となる。
特徴B9.前記特定手段は、前記担保手段によって前記特定期間が担保されることにより、前記第1設定手段により前記移行前状態に設定されるタイミング以降のタイミングで前記制御モードを前記低モードに設定することが可能となる構成であることを特徴とする特徴B6乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上記特徴B乃至B8の効果を担保手段との関係で好適に奏することができる。
特徴B10.前記発射手段は、予め定められた発射周期で前記遊技領域へ向けて遊技球を発射する構成であり、
前記担保手段は、前記発射周期よりも長い期間となるように、前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行前状態において、始動入球部への入球が発生してから当該入球した遊技球が通過部を通過するまでの期間において、当該遊技球の次に発射された後続の遊技球が始動入球部に到達し得る。そのため、当該期間において始動入球部への入球が発生する可能性を担保することができる。
特徴B11.前記始動入球部へ遊技球が入球することに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について前記移行判定を行うものであり、
前記担保手段は、前記発射周期と前記所定数との積よりも長い期間となるように、前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも特定期間において、取得情報記憶手段に記憶させることが可能な上限個数分の遊技球が、始動入球部に到達し得る。そのため、特定期間において上限個数分の特別情報を記憶させることも可能となる。
特徴B12.前記移行判定手段による移行判定が行われることに基づいて所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回演出を開始させ、前記移行判定の結果に対応する報知を行って当該遊技回演出を終了させる遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記担保手段は、前記遊技回制御手段によって1回の前記遊技回演出が行われる期間よりも長い期間となるように前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部へ遊技球が入球して移行判定が行われると、遊技回演出が実行される構成において、始動入球部へ入球した遊技球は、遊技回演出が終了するよりも後のタイミングで、通過部を通過する。これにより、遊技回演出が終了して移行前状態に設定された場合、当該移行前状態に設定される契機となった始動入球部へ入球した遊技球が、移行前状態に設定されてから通過部を通過するようにすることが可能となる。よって、新たに始動入球部への入球を発生させなくても特別遊技状態が発生することになる。但し、よりスムーズな移行判定を行わせるためには、新たな始動入球部への入球を発生させる必要があり、上記構成であっても、スムーズな移行判定のための入球が発生する余地は確保されている。
特徴B13.前記担保手段は、前記遊技回制御手段によって2回の前記遊技回演出が行われる期間よりも短い期間となるように前記特定期間を担保することが可能な構成であることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴B12の効果を奏しつつも、担保手段により担保される期間が無制限に長くならず、スムーズな遊技進行を妨げることがない。
特徴B14.前記担保手段は、前記始動入球部に入球した遊技球が前記通過部まで流下することに要する期間を前記特定期間とする構成であることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の流下に要する期間を利用する構成であるため、遊技機内部の処理として期間を担保する構成と比較して、見た目上公正なものとなり得るし、比較的簡素な構成で特徴B1や特徴B2の効果を奏することが可能となる。
特徴B15.前記担保手段は、前記始動入球部に入球した遊技球を受け、当該遊技球を所定の速度で前記通過部まで移動させる移動体であることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の流下に要する期間を利用しつつも、移動体によって当該遊技球を移動させる構成であるため、遊技球の流下速度に関わらず、特定期間を長く担保するとともに、特定期間をより一定なものとすることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による発射操作に対応する発射強度で遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第1通過部(例えば、第1作動口33、第4作動口342)及び第2通過部(例えば、第4開始用ゲート561)と、
所定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が前記第1通過部を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
を備え、
前記所定条件として、少なくとも前記第1通過部の通過を含む第1条件(入賞に基づいて取得された保留情報が開閉実行モードへの移行に対応する結果であったこと)と、前記第2通過部の通過を含む第2条件(開始用ゲートを通過したこと)と、が設定されており、
前記遊技状態移行手段は、前記第1条件及び前記第2条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させるものであり、
前記遊技領域には、前記第1通過部を通過する遊技球が前記第2通過部を通過可能な第1ルートと、前記第1通過部を通過する遊技球が前記第1ルートよりも前記第2通過部を通過しにくい第2ルートとが設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下するように遊技球を発射させると第1条件及び第2条件が成立して有利状態に移行し、第2ルートを流下するように遊技球を発射させると第1ルートと比較して第1条件のみが成立する場合が多く、有利状態には移行しにくくなる。但し、第2ルートを流下するようにした場合であっても、第1通過部を通過させれば特典付与手段によって特典は付与される。このように、流下させるルートによって成立する条件と付与される特典とが異なるような、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴C2.遊技者による発射操作に対応する発射強度で遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第1通過部(例えば、第1作動口33、第4作動口342)及び第2通過部(例えば、第4開始用ゲート561)と、
所定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が前記第1通過部を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
を備え、
前記所定条件として、少なくとも前記第1通過部の通過を含む第1条件(入賞に基づいて取得された保留情報が開閉実行モードへの移行に対応する結果であったこと)と、前記第2通過部の通過を含む第2条件(開始用ゲートを通過したこと)と、が設定されており、
前記遊技状態移行手段は、前記第1条件及び前記第2条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させるものであり、
前記遊技領域には、前記発射手段により所定発射強度以上の発射強度で発射された遊技球が流下する第1領域と、前記所定発射強度未満の発射強度で発射された遊技球が流下する第2領域とが設定されており、
前記第1領域を流下する遊技球が通過可能なルートとして前記第1通過部を通過する遊技球が前記第2通過部を通過可能な第1ルートと、前記第2領域を流下する遊技球が通過可能なルートとして前記第1通過部を通過する遊技球が前記第1ルートよりも前記第2通過部を通過しにくい第2ルートとが設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下するように所定発射強度以上の発射強度で遊技球を発射させると第1条件及び第2条件が成立して有利状態に移行し、第2ルートを流下するように所定発射強度未満の発射強度で遊技球を発射させると第1ルートと比較して第1条件のみが成立する場合が多く、有利状態には移行しにくくなる。但し、第2ルートを流下するようにした場合であっても、第1通過部を通過させれば特典付与手段によって特典は付与される。このように、流下させるルートによって成立する条件と付与される特典とが異なるような、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴C3.遊技者による発射操作に対応する発射強度で遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、所定の演出を行う演出手段(図柄表示装置41)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な第1通過部(例えば、第1作動口33、第4作動口342)及び第2通過部(例えば、第4開始用ゲート561)と、
所定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球が前記第1通過部を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
を備え、
前記所定条件として、少なくとも前記第1通過部の通過を含む第1条件(入賞に基づいて取得された保留情報が開閉実行モードへの移行に対応する結果であったこと)と、前記第2通過部の通過を含む第2条件(開始用ゲートを通過したこと)と、が設定されており、
前記遊技状態移行手段は、前記第1条件及び前記第2条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させるものであり、
前記遊技領域には、前記演出手段の左右一方であって遊技球が流下可能な第1領域と、前記第1領域とは逆方向であって遊技球が流下可能な第2領域とが設定されており、
前記第1領域を流下する遊技球が通過可能なルートとして前記第1通過部を通過する遊技球が前記第2通過部を通過可能な第1ルートと、前記第2領域を流下する遊技球が通過可能なルートとして前記第1通過部を通過する遊技球が前記第1ルートよりも前記第2通過部を通過しにくい第2ルートとが設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下するように演出手段の左右一方に設けられた第1領域に向けて遊技球を発射させると第1条件及び第2条件が成立して有利状態に移行し、第2ルートを流下するように演出手段の第1領域の反対側である第2領域に向けて遊技球を発射させると第1ルートと比較して第1条件のみが成立する場合が多く、有利状態には移行しにくくなる。但し、第2ルートを流下するようにした場合であっても、第1通過部を通過させれば特典付与手段によって特典は付与される。このように、流下させるルートによって成立する条件と付与される特典とが異なるような、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴C4.前記特典付与手段は、遊技球が前記第1ルートを流下して前記第1通過部を通過したことに基づいて付与する特典よりも、前記第2ルートを流下して前記第1通過部を通過したことに基づいて付与する特典の方が、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下させると、第1条件及び第2条件が成立して有利状態に移行させることが可能となり得るものの、第2ルートを流下させる方が、第1通過部通過に基づいて付与される特典は多い。そのため、特典付与手段により付与される特典と、所定条件成立に基づいて移行する有利状態とのバランスによって、いずれのルートを流下させるか、といった遊技とすることができ、興趣向上が図られる。
特徴C5.前記遊技領域は、前記第1ルートを流下させた場合よりも前記第2ルートを流下させた場合の方が、前記第1通過部に遊技球を通過させ易いように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定条件のうちの一方の条件(第2条件)が成立しない第2ルートの方が、第1条件を成立させるためには好ましい。そのため、例えば、第1条件が成立するまでは第2ルートを流下させ、第1条件が成立した後は、第1ルートを流下させる、といった遊技を行わせることができ、成立している条件によって、遊技者による発射手段の操作の切り換えを行わせる、といった斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴C6.前記発射手段によって第1の発射強度で遊技球が発射されている場合には、当該発射された遊技球は前記第1ルートの方が前記第2ルートよりも流下し易く、前記発射手段によって前記第1の発射強度とは異なる第2の発射強度で遊技球が発射されている場合には、当該発射された遊技球は前記第2ルートの方が前記第1ルートよりも流下し易くなるように、前記第1通過部及び前記第2通過部との位置が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第1の発射強度となるように発射手段を操作すると、第2ルートではなく第1ルートを流下し易くなり、第2の発射強度となるように発射手段を操作すると、第1ルートではなく第2ルートを流下し易くなる。このようにすることで、遊技球の流下態様の偏り等によって遊技者の意図しない側のルートを流下してしまう事象の発生を抑制することができ、遊技者が意図する遊技を好適に実現することが可能となる。
特徴C7.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と前記開状態より入球しにくい閉状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段における前記開状態と前記閉状態の切換制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態は、前記可変入球手段により前記可変入球手段が前記開状態とされる切換制御が行われる期間であり、
前記可変入球手段は、前記第1ルートを流下する遊技球及び前記第2ルートを流下する遊技球のいずれもが到達可能な位置に配置されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば第2ルートによって第1条件のみを成立させ、その後第1ルートで第2条件をも成立させて有利状態に移行させた場合には、その移行時において、第1ルートを流下するように遊技球が発射されている。この場合、流下させるルートを切り換えなくても、そのまま可変入球手段へ遊技球を入球させることができ、スムーズな遊技進行を実現できる。また、例えば、特徴C4のように、第2ルートの方が有利な場合においては、有利状態中に第2ルートを流下させつつ可変入球手段を狙うと、より遊技者にとって有利なものとなり得る。以上のように、両ルート上に可変入球手段を設ければ、多様な遊技態様に対応させることが可能となる。
特徴C8.少なくとも前記第1条件に基づいて、前記第1ルートを流下させるべきことを示唆する第1報知(右打ち報知)を所定の報知手段(図柄表示装置41)にて実行可能な報知実行手段(演出制御装置82による打ち分け報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状いずれのルートを流下させるべきかを、第1報知によって遊技者は認識することができる。このようにすることで、複雑な遊技性であっても遊技者の理解を促し、遊技の公平性を担保することができる。
特徴C9.前記報知実行手段は、前記第1条件が成立するよりも前のタイミングで、前記第1報知を実行可能な構成であることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、第2ルートを流下させている最中に、第1報知が行われれば、第1ルートに事前に切り換えて、有利状態へ移行させるための準備を事前に行うことが可能となる。よって、スムーズな遊技を実現することができる。
特徴C10.前記特典付与手段は、前記第1ルートを流下して前記第1通過部を通過した場合に付与する特典として、前記第1通過部を通過した個数と同数又はそれ以下の遊技球の払い出しを行うことが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれも第1条件が成立し得る第1ルートと第2ルートとを別々に設ける意義をより高めることができる。つまり、第1ルートを流下させると、第1条件及び第2条件のいずれもが成立し得るため、一見、遊技者にとっては有利なものと見えるが、上記構成のように第1通過部を通過したことによる特典は、通過した個数と同数又はそれ以下の遊技球の払い出しが行われるだけであり、第1ルートによっていくら第1通過部を通過させて遊技球の増加は見込めない。そのため、第2ルート側の特典によっては、第2ルートを流下させたほうが有利な場合も生じ得る。
特徴C11.前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、所定の抽選を実行する抽選手段(主制御装置81による当否抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第1条件は、前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて実行される前記所定の抽選の結果が当選結果であったことであることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に第1通過部を通過させても第1条件は成立せず、所定の抽選に当選するまで第1条件が成立しない。そのため、第1ルートを流下させた場合において、1の流下で第1条件及び第2条件のいずれもが成立する事象の発生を抑制することができる。これにより、第2ルートの存在意義を高めることが可能となる。
なお、上述した各特徴A〜C群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A〜C群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A〜C群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A〜C群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル60)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、33…第1作動口、34…第2作動口、41…図柄表示装置、55a…第1開始用センサ、55b…第2開始用センサ、60…発射ハンドル、81…主制御装置、82…演出制御装置、PE…遊技領域。

Claims (5)

  1. 遊技球を遊技領域に発射させる発射手段と、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部と、
    前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
    前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させることに対応するか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
    前記移行判定手段による移行判定の結果が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させることに対応する移行対応結果となったことに基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な移行前状態に設定する第1設定手段と、
    前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象が、遊技状態が前記移行前状態である状況で発生したことに基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態に設定する第2設定手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記始動入球部として、第1始動入球部及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部が設けられており、
    前記第2始動入球部の入球に基づいて行われる前記移行判定の方が、前記第1始動入球部への入球に基づいて行われる前記移行判定よりも、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定されており、
    前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記第2始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象により、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記始動入球部として、第1始動入球部及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部が設けられており、
    前記第1始動入球部への入球に基づいて取得される特別情報についての前記移行判定よりも、前記第2始動入球部への入球に基づいて取得される特別情報についての前記移行判定を、優先して実行することが可能な優先手段を備え、
    前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生し得る又は前記第2始動入球部に遊技球が入球する場合に当該入球よりも先に発生し得る特定事象により、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記始動入球部として、第1始動入球部及び当該第1始動入球部とは異なる第2始動入球部が設けられており、
    前記第2始動入球部には当該第2始動入球部への入球率を変化させる変化手段が設けられており、
    前記第2設定手段は、前記第2始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて発生する又は入球する場合に当該入球よりも前に発生する特定事象により、遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
  5. 前記特定事象は、前記第2始動入球部へ入球した後に発生する構成であり、
    前記第2始動入球部への入球が発生してから前記特定事象が発生するまでの特定期間が予め定められた所定期間以上となるように、前記特定期間を担保するための担保手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
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