JP2015223167A - 低糖質野菜飲料 - Google Patents

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【課題】低糖質野菜飲料であっても、味わいが濃厚なものを提供すること。【解決手段】本願の発明者らが鋭意検討して見出したのは、粘度を調整することで、味わいが濃厚になる点である。この知見の下で本願発明者が完成させた発明は、味わいが濃厚な低糖質野菜飲料である。すなわち、当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、当該野菜飲料の粘度は、34乃至154cpである。当該粘度を付与するのは、不溶性固形分である、不溶性固形分を例示すると、トマトパルプである。【選択図】なし

Description

本発明が関係するのは、野菜飲料及びその製造方法であり、より詳しくは、低糖質の野菜飲料及びその製造方法である。
従来から野菜飲料が飲まれている理由は、健康の維持である。野菜飲料を例示すると、トマトジュース、トマトミックスジュース、野菜ミックスジュース等である。何れのジュースも、それらの主原料は、トマトである。トマトが含んでいるのは、ある程度の糖質である。
近年、健康維持の観点から飲料メーカーが訴求しているのは、低糖質である。特に、低糖質が訴求されているカテゴリは、いわゆるノンアルコールビールテイスト飲料である。特許文献1乃至3が開示するのは、ノンアルコールビールテイスト飲料であって、低糖質かつ香味の良い(例えば、キレ)ものである。
今後、野菜飲料でも、同様に要求されるのは、糖質含有量の低減である。野菜飲料の需要者が意識しているのは、前述のとおり、健康の維持である。当該需要者でさえも高い関心を抱くのは、野菜飲料における糖質含有量である。特に、需要者が糖尿病及びその予備軍である場合、当該糖質含有量は、より高い関心事である。特許文献4が開示するのは、野菜飲料であって、その含有糖質量が8g/100mL以下のものである。当該野菜飲料において、野菜汁(A)に対する柑橘類果汁(B)の比率(B/A)は、ストレート換算で、0.6以上である。
より低糖質な野菜飲料を実現する手段は、次のとおりである。第1の手段は、糖質含量の低い野菜原料(例えば、葉野菜)を使用することである。第2の手段は、主原料の濃度を下げることである。これらの手段の欠点は、何れも、野菜飲料の味わいが淡泊なことである。
特開2009−142233号公報 特開2003−250503号公報 特許第5291257号公報 特開2009−171881号公報
本発明が解決しようする課題は、低糖質野菜飲料の味わいが淡泊なことである。つまり、本発明が提供するのは、低糖質野菜飲料であって、その味わいが濃厚なものである。
本願の発明者らが鋭意検討して見出したのは、粘度を調整することで、味わいが濃厚になる点である。ここで、味わいとは、飲食物が舌に与える感覚であり、例示すると、呈味や食感等である。そのような知見は、全くの予想外であり、かつ、驚くべきものである。この知見の下で本願発明者が完成させた発明は、次のとおりである。
本発明に係る野菜飲料において、当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、当該野菜飲料の粘度は、34乃至154cpである。当該糖質の量は、より好ましくは、1.6乃至2.5g/100gである。当該粘度を付与するのは、不溶性固形分である。当該不溶性固形分を例示すると、トマトパルプ、コーンファイバー、不溶性ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、又はグルカンである。
本発明に係る野菜飲料において、当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、当該野菜飲料が含有する不溶性固形分の量は、1.1乃至2.6重量%である。当該糖質の量は、好ましくは、1.6乃至2.5g/100gである。当該当該不溶性固形分を例示すると、トマトパルプである。
本発明に係る野菜飲料の製造方法を構成するのは、調合工程及び充填工程である。当該調合工程で調合されるのは、野菜汁及び粘度付与原料である。それによって得られるのは、野菜飲料である。当該充填工程で充填されるのは、当該調合工程で得られた野菜飲料である。当該野菜飲料の充填先は、容器である。当該粘度付与原料は、凝固剤、増粘安定剤、又は不溶性固形分である。当該不溶性固形分は、トマトパルプ、コーンファイバー、不溶性ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、又はグルカンである。当該製法によって得られる野菜飲料の特性は、前述のとおりである。
本発明が提供できるのは、低糖質野菜飲料であって、濃厚な味わいを有するものである。
<本実施の形態に係る野菜飲料の概要>
本実施の形態に係る野菜飲料(以下、「本野菜飲料」という。)は、低糖質であって、味わいが濃厚なものである。野菜飲料とは、飲料であって、その原料の一部又は全部が野菜であるものである。野菜飲料を例示すると、トマトジュース、トマトミックスジュース、野菜ミックスジュース等である。低糖質とは、野菜飲料が含有する糖質の量が1.4乃至2.9g/100gであることであり、より好ましくは、当該含有量が1.6乃至2.5g/100gであることである。濃厚な味わいを決する要素は、野菜飲料の粘度である。当該粘度の範囲は、34乃至154cpである。当該粘度を付与する手段は、後述するが、例示すると、不溶性固形分である。野菜飲料が含有する不溶性固形分の量は、好ましくは、1.1乃至2.6重量%である。
<本野菜飲料の原料>
本野菜飲料の主な原料は、トマト、及びトマト以外の野菜である。トマト以外の野菜を例示すると、ナス科の野菜、セリ科の野菜、アブラナ科の野菜、アカザ科の野菜、キク科の野菜、ユリ科の野菜、ウリ科の野菜、モロヘイヤ、アスパラガス、ショウガ、シソ、アカジソ等である。これらのうちの一種又は二種以上は、組み合わせて配合される。念のため、ナス科の野菜を例示すると、ナス、パプリカ、ピーマン等である。セリ科の野菜を例示すると、セロリ、アシタバ、パセリ等である。アブラナ科の野菜を例示すると、キャベツ、紫キャベツ、メキャベツ、プチヴェール、ハクサイ、チンゲンサイ、ダイコン、ケール、クレソン、小松菜、ミズナ、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、ワサビ、マスタード等である。アカザ科の野菜を例示すると、ホウレンソウ、ビート等である。キク科の野菜を例示すると、レタス、シュンギク、サラダナ、ゴボウ、ヨモギ等である。ユリ科の野菜を例示すると、タマネギ、ニンニク、ネギ、ニラ等である。ウリ科の野菜を例示すると、キュウリ、ニガウリ、トウガン等である。これらトマト以外の野菜の糖質含有量は、比較的低い。
前述のとおり、野菜飲料に配合されるのは、望ましくは、野菜である。もっとも、本発明の範囲を逸脱しない範囲であれば、果汁が配合されてもよい。果汁の原料を例示すると、柑橘類、リンゴ、ウメ、モモ、サクランボ、アンズ、プラム、プルーン、カムカム、ナシ、洋ナシ、ビワ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、クランベリー、ブルーベリー、メロン、スイカ、キウイフルーツ、ザクロ、ブドウ、バナナ、グァバ、アセロラ、パインアップル、マンゴー、パッションフルーツ、レイシ等である。これらのうちの一種又は二種以上は、組み合わせて配合される。柑橘類を例示すると、レモン、オレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ミカン、ライム、スダチ、ユズ、シイクワシャー、タンカン等である。
<本野菜飲料の糖質>
本野菜飲料が含有する糖質の量は、前述のとおり、1.4乃至2.9g/100gであり、より好ましくは、当該含有量が1.6乃至2.5g/100gである。
糖質を定義するのは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)である。糖質を例示すると、単糖類、二糖類や三糖類乃至十糖類(いわゆるオリゴ糖)等である。単糖類を例示すると、グルコース、フラクトース、ガラクトースやマンノース等である。二糖類を例示すると、スクロース、乳糖、麦芽糖、トレハロースやセロビオース等である。オリゴ糖を例示すると、スタキオース、マルトトリオース、マルトテトラオースやマルトペンタオース等である。
糖質の量の算出方法は、野菜飲料全体の重量からタンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を差し引くことである。タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、及び水分の量の算出方法を開示するのは、栄養表示基準であり、具体的には、次のとおりである。タンパク質量の測定方法を例示すると、窒素定量換算法などである。脂質量の測定方法を例示すると、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法、レーゼゴットリーブ法などである。食物繊維の量の測定方法を例示すると、高速液体クロマトグラフ法、プロスキー変法、酵素一重量法、硫酸添加灰化法などである。水分量の測定方法を例示すると、カールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法、プラスチックフィルム法などである。糖質組成の分析、及び糖濃度(重量/容量%)の測定方法を例示すると、液体クロマトグラフィー法(Analytica−EBC(2010.8)8.7)などである。これらの測定方法は、いずれも、周知、慣用、公知又は公用されている。
<本野菜飲料の粘度>
本野菜飲料の粘度の範囲は、34乃至154cpである。粘度測定器は、B型粘度計である。B型粘度の測定方法は、周知、慣用、公知又は公用されている。
<本野菜飲料における粘度付与原料>
本実施の形態に係る野菜飲料において、粘度を付与する原料を例示すると、凝固剤、増粘安定剤、不溶性固形分等である。凝固剤を例示すると、寒天、こんにゃく粉、ゼラチン、葛粉等である。増粘安定剤を例示すると、増粘多糖類である。増粘多糖類を例示すると、難消化性デキストリン、カラギナン、ペクチン、サイリウムガム等である。不溶性固形分は、後述する。
<不溶性固形分>
不溶性固形分が許容するのは、不溶性固形分であって、その由来が配合原料であるものである。野菜飲料における不溶性固形分の含有量は、好ましくは、1.1乃至2.6重量%である。不溶性固形分を例示すると、トマトパルプ、コーンファイバー、不溶性ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、グルカン等である。特に、トマトパルプは、後述する。
不溶性固形分量の測定方法は、周知、慣用、公知又は公用されている。当該測定方法を例示すると、遠心法、加熱濾過法等であり、好適なのは、加熱濾過法である。
トマトパルプとは、生成物であって、トマトの搾汁液(トマトジュース)を固液分離処理して得られるものである。トマトの搾汁液が含むのは、トマトペーストやトマトピューレ等を還元してなる液である。固液分離処理を例示すると、遠心分離、膜分離、振動ふるい等である。トマトパルプを使用する利点は、糖質を減らしつつ粘度を確保できる点である。更なる利点は、食物繊維量等の栄養成分を確保できる点である。本実施の形態に係る食物繊維量は、従来の野菜飲料に劣らない。本実施の形態では、もちろん、市販のトマトパルプが採用されてもよい。
<本野菜飲料の製造方法>
本野菜飲料の製造方法(以下、「本製造方法」という。)を主に構成するのは、搾汁工程、調合工程、殺菌工程、充填工程、密封工程及び冷却工程である。搾汁工程とは、野菜から野菜汁を搾るための工程である。調合工程とは、当該野菜汁と他の物質とを混合撹拌し調合するための工程である。殺菌工程とは、調合された液体を殺菌するための工程である。充填工程とは、殺菌された液体を容器に詰めるための工程である。密封工程とは、容器を密封するための工程である。冷却工程とは、殺菌された液体又は充填後の製品を冷却するための工程である。これらの工程の一般的な説明のために本願明細書が取り込むのは、最新果汁・果実飲料辞典(社団法人日本果汁協会監修)の内容である。本実施の形態に特有な事項の説明は、以下のとおりである。
調合工程において、野菜飲料の糖質含有量を調整して、1.4乃至2.9g/100gとし、より好ましくは、1.6乃至2.5g/100gとする。さらに、野菜飲料の粘度も調整して、34乃至154cpとする。調合工程において、野菜汁に調合されるのは、粘度付与原料である。粘度付与原料を例示すると、前述のとおり、凝固剤、増粘安定剤、不溶性固形分等である。調合される不溶性固形分の量は、好ましくは、1.1乃至2.6重量%である。不溶性固形分を例示すると、前述のとおり、トマトパルプである。
本実施の形態に係る搾汁工程前において、野菜又はその細断物は、好ましくは、加熱される。当該加熱処理によって野菜又はその細断物に由来する酵素は、失活する。当該酵素失活後に得られる搾汁液が多く含むのは、ペクチン等の不溶性固形分である。他方、加熱されない場合、搾汁液が含む不溶性固形分の量は、比較的少ない。
本製造方法が排除しないのは、各種調味料及び食品添加物の添加である。当該添加物を例示すると甘味料、酸味料、香辛料、着色料、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、乳化剤、栄養強化剤等である。甘味料を例示すると、糖アルコールや高感度甘味料等である。糖アルコールを例示すると、エリスリトール、トレハロース、ソルビトール等である。高感度甘味料を例示すると、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア等である。
本実施の形態において、搾汁工程は、省略されてもよい。搾汁工程が省略される場合、調合される搾汁液は、市販の濃縮液や野菜のペースト等である。
容器詰め工程で使用される容器を例示すると、金属缶、紙容器、ペットボトル、ビン等である。紙容器が含むのは、紙容器であってその内部を保護する手段が金属箔やプラスチックフィルム等であるものであるが、これに限らない。
本実施例において、本発明に係る野菜飲料を具現化したのは、実施例1乃至3である。言うまでもなく、これらの実施例によって、本発明に係る特許請求の範囲は、限定されない。
<実施例1>
実施例1において配合したのは、トマトパルプ(RI=4)、ハクサイ濃縮汁(RI=20)、セロリ濃縮汁(RI=20)、シソ濃縮汁(RI=15)、及びレモン濃縮汁(RI=50)である。各原料を配合した量は、表1のとおりである。特に、トマトパルプの配合量は、10kg/100kgである。トマトパルプは、生成物であって、トマトペーストを還元してなる液を遠心分離して得られたものである。
<実施例2>
実施例2において配合した原料は、実施例1のものと同様である。各原料を配合した量は、表1のとおりである。特に、トマトパルプの配合量は、20kg/100kgである。
<実施例3>
実施例3において配合したのは、実施例1の原料に加えて、トマト濃縮汁(RI=25)である。各原料を配合した量は、表1のとおりである。特に、トマトパルプの配合量は、20kg/100kgである。また、トマト濃縮汁の配合量は、2.5kg/100kgである。
<比較例1>
比較例1において配合したのは、ハクサイ濃縮汁、セロリ濃縮汁、シソ濃縮汁、及びレモン濃縮汁である。他方、トマトパルプは、配合しなかった。各原料を配合した量は、表1のとおりである。
<比較例2>
比較例2において配合したのは、トマトパルプ、ハクサイ濃縮汁、セロリ濃縮汁、シソ濃縮汁、及びレモン濃縮汁である。トマトパルプの配合量は、5kg/100kgである。他の原料の配合量は、比較例1と同様である。
<比較例3>
比較例3において配合したのは、比較例1の原料に加えて、トマト濃縮汁である。トマトパルプは、配合しなかった。各原料を配合した量は、表1のとおりである。特に、トマト濃縮汁の配合量は、6.3kg/100kgである。
<比較例4>
比較例4において配合したのは、比較例2の原料に加えて、トマト濃縮汁である。各原料を配合した量は、表1のとおりである。特に、トマトパルプの配合量は、25kg/100kgである。トマト濃縮汁の配合量は、3.0kg/100kgである。
<各サンプルの作製>
各サンプルを作製した手順は、次のとおりである。
(1)配合された各原料を加水して均一化した。
(2)均一化された原料を加熱した。
(3)加熱された原料をPETボトルに充填した。
以上の手順で得られた各野菜飲料の糖質量、B型粘度、及び不溶性固形分量をそれぞれ測定した結果は、表1のとおりである。
<RIの測定方法>
本測定で採用したRIの測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社製)である。
<糖質含有量の測定方法>
本測定で採用した糖質の量の算出方法は、サンプル全体の重量から(1)タンパク質、(2)脂質、(3)食物繊維、(4)灰分、及び(5)水分の量を差し引くことである。本測定で採用したタンパク質の測定方法は、窒素定量換算法である。本測定で採用した脂質の測定方法は、酸分解法である。本測定で採用した食物繊維の測定方法は、酵素―重量法である。本測定で採用した灰分の測定方法は、直接灰化法である。本測定で採用した水分の測定方法は、減圧加熱乾燥法である。
<粘度の測定方法>
粘度を測定した手順は、次のとおりである。測定条件は、(1)サンプルの温度を調節して20℃とした。(2)ロータ回転数を100rpmとした。(3)粘度の測定をロータの回転開始後60秒後とした。本測定で採用した測定器は、B型粘度計(TVB−10 東機産業社製)である。
<不溶性固形分の測定方法>
不溶性固形分を測定した手順は、次のとおりである。(1)サンプルを定量して10gとした。(2)定量されたサンプル10gを遠沈管に投入した。(3)遠沈管に投入されたサンプル10gに蒸留水を加えた。(4)加水されたサンプルを遠心分離(17,000〜20,000Gで10分間)した。(4)遠心分離後に上澄み液を捨てた。(5)残渣に再び加水した。(6)加水された残渣を遠心分離した。(7)前述の(4)乃至(6)を繰り返して可溶性成分を除去した。(8)不溶性残渣を濾紙(ADVANTEC No.5A)に洗い流した。(9)洗い流された不溶性残渣を乾燥させた。(10)乾燥後の質量を測定した。当該測定において、サンプル10g中の不溶性固形分量とは、乾燥後の不溶性固形分の質量及び濾紙の質量から濾紙の質量を差し引いた値である。本測定で採用したのは、高速冷却遠心機(HITACHI himac CR22N)である。
Figure 2015223167
前述の測定の結果、比較例4が示した糖質含有量は、3.0g/100gである。比較例4に係る当該糖質含有量と従来野菜飲料に係る糖質含有量3.6g/100g(カゴメ野菜ジュース)との差分は、小さいことから、比較例4については、以降の評価は、不実施とした。
<各サンプルにおける味わいの濃厚さの評価>
実施例1乃至3並びに比較例1乃至3を官能評価するにあたり、評価した項目は、味わいの濃厚さである。味わいの濃厚さに寄与するものとして選んだ評価指標は、2項目であり、具体的には、とろみ感及びうま味である。とろみ感とは、食感であって、各サンプルを口に含んだときに舌で感じるものである。うま味とは、うま味であって、各サンプルを飲みこんだ後に舌に残るものである。各項目の評価において採用したのは、評点法である。評価基準は、比較例1(対照サンプル)を0点として、以下のとおりである。
0点:対照と同じ
1点:僅かに感じる
2点:やや感じる
3点:感じる
4点:やや強く感じる
5点:強く感じる
6点:かなり強く感じる
評価者は、専門パネラー6名であった。評価結果は、表2のとおりである。
Figure 2015223167
各評価項目における閾値は、「2点:やや感じる」とした。当該点数において、各評価項目における官能を明らかに判別できたからである。
以上の評価結果を考察すると、粘度を34乃至154cpとした場合に、淡泊な味わいは、対照と比較して、解消されていた。すなわち、当該粘度が確保されたことで、とろみ感が得られた。また、当該粘度が確保されたことで、飲みこんだ後でも、うま味が持続的に感じられた。粘度34乃至154cpに対応するのは、不溶性固形分量1.1乃至2.6重量%である。
本発明が有用な分野は、飲料及びその製造方法、より詳しくは、野菜飲料及びその製造方法である。

Claims (13)

  1. 野菜飲料であって、
    当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、
    当該野菜飲料の粘度は、34乃至154cpである、もの。
  2. 請求項1の野菜飲料において、
    前記糖質の量は、1.6乃至2.5g/100gである、もの。
  3. 請求項1又は2の野菜飲料において、
    前記粘度を付与するのは、不溶性固形分である、もの。
  4. 請求項1乃至3の何れかの野菜飲料において、
    前記不溶性固形分は、トマトパルプ、コーンファイバー、不溶性ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、又はグルカンである、もの。
  5. 野菜飲料であって、
    当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、
    当該野菜飲料が含有する不溶性固形分の量は、1.1乃至2.6重量%である、もの。
  6. 請求項5の野菜飲料において、
    前記糖質の量は、1.6乃至2.5g/100gである、もの。
  7. 請求項5又は6に記載の野菜飲料において、
    前記不溶性固形分は、トマトパルプである、もの。
  8. 野菜飲料の製造方法であって、
    当該製法を構成するのは、調合工程及び充填工程であり、
    前記調合工程で調合されるのは、野菜汁及び粘度付与原料であり、それによって得られるのは、野菜飲料であり、
    前記充填工程で充填されるのは、前記調合工程で得られた野菜飲料であり、その充填先は、容器であり、
    前記粘度付与原料は、凝固剤、増粘安定剤、又は不溶性固形分である、こと。
  9. 請求項8の製造方法において、
    前記不溶性固形分は、トマトパルプ、コーンファイバー、不溶性ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、又はグルカンである、こと。
  10. 請求項8又は9の製造方法において、
    前記野菜飲料の含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、前記野菜飲料の粘度は、34乃至154cpである、こと。
  11. 請求項10の製造方法において、
    前記糖質の量は、1.6乃至2.5g/100gである、こと。
  12. 請求項8又は9の製造方法において、
    当該野菜飲料が含有する糖質の量は、1.4乃至2.9g/100gであり、かつ、
    当該野菜飲料が含有する不溶性固形分の量は、1.1乃至2.6重量%である、こと。
  13. 請求項12の製造方法において、
    前記糖質の量は、1.6乃至2.5g/100gである、こと。
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