JP2015222210A - 転動部材の周面測定装置用触針 - Google Patents

転動部材の周面測定装置用触針 Download PDF

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【課題】転動部材の転動面と直接接触することで磨耗する部分のみを交換可能とし、コストダウンが可能な周面測定装置用触針を提供する。【解決手段】転動部材の転動面に直接接触して転動面の周面形状を測定する周面測定装置に用いられる触針であって、前記触針は、前記周面測定装置の本体に取付けられるための金属製のベース部と、該ベース部に嵌合され周面測定時に前記転動部材の前記転動面に直接接触する樹脂製の先端子とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受用部品の軌道輪や転動体等(以下「転動部材」という)。を、円周方向に測定する為の装置に用いる触針に関し、転動部材の転動面を直接測定するのに好適であり、特にウェービネスや真円度を測定するのに好適な転動部材の周面測定装置用触針に関する。
転動部材は、転がり軸受の回転時の振動抑制や回転精度等を確保するために、周面の径寸法や真円度やウェービネス等を精度よく検査して管理する必要がある。従来行なわれている、転動部材のウェービネスを測定する方法としては、転動部材を転がり軸受に組み込んで転がり軸受を回転させ、転がり軸受の振動を測定することにより間接的にウェービネス等を測定する方法がある。しかし、この方法では、転動部材を転がり軸受に組み込んだ後に測定するため、転動部材単品の品質保証には使い難い場合がある。
このため、図6に示すような転動部材の転動面のウェービネス等を直接測定する方法が提案されている(特許文献1)。図6において、転動部材としての、玉軸受の軌道輪である内輪102は転動面としての軌道面102aを有し、0zを軸として矢印の方向に一定の速度で回転している。内輪102の軌道面102aの周面測定装置101は、0y方向に上下する変位量を電気量に変換する図示しない発電手段を構成するカンチレバー103に取り付けられた触針104を有する。かかる触針104の先端部が軌道面102aに直接接触して、回転する内輪の軌道面102aのうねりによる変位量をカンチレバー103に伝え、ウェービネス等を正確に測定できるようになっている。図7に示すように、触針104のカンチレバー103に取付けられる為のねじ溝の形成された内方は金属部104bとされ、外方の内輪軌道面102aと直接接触する先端部を含む部分はプラスチック部104a(ナイロン製)とされ、両部材は一体とされている。
また、触針の磨耗防止を図るため、触針の先端部をダイヤモンド製とすることも提案されている(例えば、特許文献2。)。
特公平2−44005号公報 特開2012−194106号公報
ところで、触針の転動部材に触れる先端部がプラスチック製の場合は、測定を繰り返し行なっていると磨耗が進行していくため、所定のインターバル等でこの針先部分を交換する必要がある。しかし、特許文献1に開示されているように、内方の金属部104bと外方の先端部を含んだプラスチック部104aが一体になっていると、先端部のみが磨耗して交換の必要が生じた場合、触針104全体を交換しなければならないという問題がある。即ち、転動部材102に触れる部分であるプラスチック部104aのみ磨耗が進行するのに対し、金属部104bはほとんど原状のままであるにもかかわらず、プラスチック部104aと金属部104bとを含めた触針104全体を交換しなければならない。このためメンテナンス費用がかさんでしまう。従って、取替えが必要な部分のみを交換できることが望まれている。
また特許文献2に開示されているように、触針の先端部をダイヤモンド製とした場合は、確かに耐摩耗性は向上するが、ダイヤモンドが高価であり、コストダウンの余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、転動部材の転動面と直接接触することで磨耗する部分のみを交換可能とし、コストダウンが可能な周面測定装置用触針を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
転動部材の転動面に直接接触して転動面の周面形状を測定する周面測定装置に用いられる触針であって、
前記触針は、前記周面測定装置の本体に取付けられるための金属製のベース部と、該ベース部に嵌合され周面測定時に前記転動部材の前記転動面に直接接触する樹脂製の先端子とを有する周面測定装置用触針。
本発明によれば、触針は金属製のベース部に樹脂製の先端子を嵌合させる構成としたことにより、転動部材の転動面の測定により先端子が磨耗した場合は、該先端子のみを交換すればよく、メンテナンス費用を節減できる。また、先端子は樹脂製とされているため、高価なダイヤモンド等の特別な材料を用いる必要がなく、コストダウンを図れる。
本発明の触針を用いた周面測定装置の正面図である。 本発明の触針を用いた周面測定装置の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る触針の斜視図である。 図3の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る触針の先端子の説明図である。 従来の周面測定装置の斜視図である。 従来の触針の縦断面図である。
以下、本発明に係る転動部材の周面測定装置用触針の各実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の触針を用いた周面測定装置1の、転動部材12がセットされた状態を示す正面図、図2は側面図、図3は本発明の第1実施形態に係る触針の斜視図、図4は図3の縦断面図である。測定装置1は、フレーム10上のハウジング11に支持されたスピンドル2と、触針4を備えた検出器3と、検出器3を支持するホルダ5と、検出器3をホルダ5に対して位置調整可能とする調整機構6と、を備える。
スピンドル2は、フレーム10上に設置されたハウジング11に回転自在に支持されている。スピンドル2の先端(図2中左方側の端部)には、被測定物である転動部材(内輪)12が取付けられている。
検出器3は、転動部材12の上方に位置し、転動部材12の転動面である軌道面12aと直接接触して表面の凹凸や振動を測定する為の触針4を備えている。検出器3は、触針4の図中上下方向の変位を検出し、触針4の変位に応じた電気信号を不図示の情報処理装置に送信するようになっている。
ホルダ5は、水平部5aと垂直部5bとを有する略L字状の部材であり、ハウジング11に固定支持されている。垂直部5bには上述した検出器3が、垂直部5bに対して上下方向に位置調節可能に取付けられている。
調整機構としてのハンドル6及びこのハンドル6の操作に連動して作動する不図示のねじ機構により、検出器3は図2中上下方向に位置調節可能とされている。従って、転動部材12を測定する際には、このハンドル6を操作することで、転動部材12に適した測定条件となるよう触針4の位置を設定する。
触針4は、図3、4に詳細が示されているように、測定装置1本体の検出器3に取付けられるためのベース部4bと、該ベース部4bと嵌合される先端子4aとを備えている。ベース部4bは金属製(例えば鉄製)とされ、図4から明らかなように、検出器3に設けられた雄ねじ(不図示)と螺合するための雌ねじ4b1と、先端子4aを受け入れるための嵌合凹部4b2と、雌ねじ4b1と嵌合凹部4b2とを連結している連通穴4b3とを有する。一方先端子4aは樹脂製とされ、ベース部4bの嵌合凹部4b2と嵌合するための嵌合部4a2と、転動部材12の軌道面12aと接触するための先端部4a1とを有する。先端部4a1の磨耗を抑える為に、先端子4aは耐摩耗性と摺動性に優れた材料から形成するのが好ましく、例えば直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(L−PPS樹脂)が好ましい。
ベース部4bに先端子4aが嵌合された触針4は、ベース部4bの雌ねじ4b1を検出器3に設けられた雄ねじと螺合させることにより、測定装置1本体に取付けられる。
転動部材12の測定にあたっては、図1のセット位置において、スピンドル2を例えば矢印方向に回転させ、転動部材12の振動や円周方向のウエービネス等を測定する。転動部材12の振動や円周方向の表面の凹凸を触針4が検知し、触針4の変位に応じた電気信号を不図示の情報処理装置に送信する。送信された信号は、予め情報処理装置内に記憶されている判断基準と対比されることで、軌道面12aの周面形状などが評価される。
このとき、触針4の先端子4aの先端部4a1は、測定対象である転動部材12の軌道面12aが図2に示されたように凹曲面の場合には、1箇所で接触する為には、凸形状になっていることが好ましい。さらに、触針4の先端子4aの先端部4a1は、凹曲面の曲率半径より小さい曲率半径の凸面を有することが好ましく、各種の転動部材に対応する為には、先端部4a1の凸面の曲率半径が1mm以下であることがより好ましい。また、軌道面12aに傷を付け難くする為には、先端部4a1の凸面の曲率半径が0.1mm以上であることが好ましく、測定時に転動部材12の軌道面12aに潤滑剤として潤滑油やグリースを塗布することが好ましい。
測定を繰り返すことにより、転動部材12と直接接触する先端子4aが磨耗し、磨耗状態が許容範囲を超えてしまった場合は、触針4を交換する必要がある。このときは、一旦触針4全体を検知器3から取外し、更にベース部4bから磨耗した先端子4aを取外す。この取り外しにあたっては、ベース部4bの雌ねじ4b1側から連通穴4b3内に棒状の治具を貫通させ、先端子4aを押し出す。この後、新規な先端子4aをベース部4bの嵌合凹部4b2に嵌合させ、かかる状態の触針4を再び検出器3に取付ける。
このように、極めて容易に触針4の更新を行なうことができ、また交換の必要な先端子4aのみを取り替えることで、交換費用を節減することができる。
<第2実施形態>
図5は第2実施形態の触針の先端子24aを取り出して示す図である。先端子24aの先端の転動部材と接触する先端部24a1は平面になっている。測定対象の転動部材が球面ころのように、測定面が凸面になっている場合に好適に使用できる。その他の部分については、第1実施形態と同様である。
上述の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限
定されるものではない。例えば、L−PPS樹脂には各種充填剤を任意量含有させることができる。
1 転動部材の周面測定装置
4 触針
4a、24a 先端子
4b ベース部
12 転動部材
12a 転動面

Claims (1)

  1. 転動部材の転動面に直接接触して転動面の周面形状を測定する周面測定装置に用いられる触針であって、
    前記触針は、前記周面測定装置の本体に取付けられるための金属製のベース部と、該ベース部に嵌合され周面測定時に前記転動部材の前記転動面に直接接触する樹脂製の先端子とを有することを特徴とする周面測定装置用触針。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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