JP2015221877A - 木炭スラリー燃料および製造方法 - Google Patents

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松尾 和芳
Kazuyoshi Matsuo
和芳 松尾
宮地 健
Takeshi Miyaji
健 宮地
厚史 石川
Atsushi Ishikawa
厚史 石川
富田 康弘
Yasuhiro Tomita
康弘 富田
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Abstract

【課題】高いエネルギ密度を有し、運搬や貯蔵が容易であり、且つ汎用ボイラーやディーゼルエンジン(内燃機関)等にも利用可能な木炭スラリー燃料および製造方法を提供することである。【解決手段】粉砕機2に木炭mを供給して木炭mの平均粒径が5μm以上40μm以下となるまで乾式で粉砕する乾式粉砕工程の後に、この木炭mと木炭をスラリー化するための液体Lと分散剤とを混合して湿式で粉砕してスラリー化する湿式粉砕スラリー化工程を経て木炭スラリー燃料を製造する。【選択図】図2

Description

本発明は、木炭スラリー燃料および製造方法に関し、詳しくは高いエネルギ密度を有しながら粘度が低く、ボイラーやディーゼルエンジン等で使用できる木炭スラリー燃料および製造方法に関するものである。
従来、木質系バイオマスの熱分解により燃料を得る熱分解プロセスが実施されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、バイオマスの熱分解ガスから液体燃料を製造する方法が提案されている。このとき固体燃料である木炭も同時に得られる。
この木炭は石灰焼成炉の石油コークス等の代替燃料(固形燃料)等に使用されるが、取扱い中の粉じん防止のために水をかけた状態で運搬され貯蔵される。木炭を燃料として使用する際、この水を気化するためにエネルギが消費され、木炭の単位質量あたりの発熱量が低くなってしまうので、この木炭の燃料としての価値は低いものとなる。つまり、この木炭は燃料として十分に利用されていない。
特開2010−77410号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされてものであり、その目的は高いエネルギ密度を有し、運搬や貯蔵が容易であり、且つ汎用ボイラーやディーゼルエンジン(内燃機関)等にも利用可能な木炭スラリー燃料および製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る木炭スラリー燃料の製造方法は、木炭にスラリー化するための液体を混合して木炭スラリー燃料を製造する木炭スラリー燃料の製造方法であって、木炭を乾式で粉砕する乾式粉砕工程と、その後、この乾式で粉砕された木炭に木炭をスラリー化するための液体と分散剤とを混合して湿式で粉砕してスラリー化する湿式粉砕スラリー化工程とを有し、前記乾式粉砕工程が、粉砕機に前記木炭を供給して、前記木炭の平均粒径が5μm以上40μm以下となるまで粉砕する工程であることを特徴とする。
本発明の木炭スラリー燃料は、木炭にスラリー化するための液体を混合して製造する木炭スラリー燃料であって、木炭スラリー燃料の全体に対する木炭の割合が5重量%以上40重量%以下であり、前記木炭の体積分布の50%粒子径が5μm以上20μm以下であり、体積分布の10%粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、体積分布の90%粒子径が20μm以上80μm以下であり、木炭スラリー燃料の粘度が、20℃のとき1000mPa・s以下であることを特徴とする。
本発明によれば、木炭を乾式で平均粒径が5〜30μmとなるまで粉砕した後に湿式で粉砕してスラリー化を行うことにより、繊維状(綿状)の木炭粒子の一部を球状に近い粒子形状に粉砕でき、この略球状の木炭粒子が繊維状の木炭粒子の間の空間に充填されるので、細密充填により木炭スラリー燃料のかさ密度を向上することができる。これにより、
木炭スラリー燃料のエネルギ密度を向上できる。また、スラリー化により取扱い中の粉じんを防止できるので、木炭の運搬や貯蔵が容易となる。
スラリーは、一般的に固体粒子の平均粒径が小さくなると、固体粒子と液体との接触面積が大きくなり粘度が増加する。木炭の平均粒径が小さいほど、燃焼性は向上し燃焼面からは有利であるが、従来の概念ではスラリー粘度が極端に高くなるため、ハンドリングが困難になると考えられていた。しかし、木炭の平均粒径が5μm以上30μm以下となるまで乾式で粉砕した後に湿式で粉砕スラリー化して製造した本発明の木炭スラリー燃料は、平均粒径が小さくなるほど粘度が低下する傾向を示す。そのため固体粒子の濃度が高い、即ちエネルギ密度が高いにも関わらず、粘度が低く汎用ボイラーやディーゼルエンジン(内燃機関)等にも使用可能な木炭スラリー燃料を製造することができる。
ここで、例えば乾式粉砕工程で使用する粉砕機が、容器とこの容器に充填される複数の粉砕用充填物とを備える構成にすることもできる。即ち、球状や棒状の粉砕用充填物を充填し、容器を回転させて木炭を粉砕するいわゆるボールミルやチューブミルやロッドミルを使用することにより、木炭を効率的に微粉砕することができる。湿式粉砕スラリー化工程でもボールミルやチューブミル等の粉砕機を使用して、木炭を効率的に微粉砕する構成にすることができる。
また例えば乾式粉砕工程と湿式粉砕スラリー工程を各々チューブミル(連続式ボールミル)で行うことができる。これにより、木炭スラリー燃料を連続的に効率よく製造できる。
粉砕用充填物は、相対的に直径の大きい粉砕用ボールと、相対的に直径の小さい粉砕用ボールとを少なくとも含む混合物で構成することができる。この構成によれば、相対的に大きな粉砕用ボールは主に衝撃により木炭を粉砕し、相対的に直径の小さい粉砕用ボールは主に摩擦により木炭を粉砕するので、木炭粒子の一部を球状に粉砕して木炭のかさ密度を向上するには有利となる。また粉砕用充填物を球状のボールとすることにより、木炭粒子が広い範囲に広がる粒度分布を有するようになるので、一層粘度の低い木炭スラリー燃料を製造することができる。
湿式粉砕スラリー化工程が、タンクとこのタンク内に配置される筒状の固定壁とこの固定壁の内側で回転する回転羽根とを備える溶解機(ハイシェアミキサー等)で行われる構成にすることもできる。回転羽根の回転数を上げることにより(例えば数百〜数千rpm)、湿式粉砕スラリー化工程における木炭の粉砕とスラリー化を短時間に行うことができる。
湿式粉砕スラリー化工程において、木炭の平均粒径が例えば5μm以上20μm以下となるまで粉砕する構成にすることもできる。この構成により、粘度の低い木炭スラリー燃料を提供するには一層有利となる。
本発明の木炭スラリー燃料の製造方法の概要を例示する説明図である。 本発明の木炭スラリー燃料の製造装置の概要を例示する説明図である。 A重油を利用した木炭スラリー燃料の粘度を例示する図である。 本発明の木炭スラリー燃料の粒度分布を例示する図である。 木炭スラリー燃料の製造装置の別の実施形態の概要を例示する説明図である。 固定壁と回転羽根の概要を例示する説明図である。
以下、本発明の木炭スラリー燃料および製造方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、2に例示するように本発明の木炭スラリー燃料の製造方法は、まず、粒径が例えば3mm以下となるまでロールクラッシャー等で粗粉砕された木炭mを、木炭スラリー燃料の製造装置1に供給する。この実施形態では製造装置1は、乾式工程を行う粉砕機2および湿式スラリー化工程を行う粉砕機3の2台の粉砕機2、3で構成される。この粉砕機2、3は、略円筒状の容器4と、この容器4の内部に充填された複数の粉砕用充填物5とを備える。この粉砕用充填物5は、相対的に直径の大きい粉砕用ボール5aと、相対的に直径の小さい粉砕用ボール5bとの混合物で構成される。この粉砕機2、3は、いわゆるチューブボールミルと呼ばれるものであり、中心軸Cを回転軸とする容器4の回転により、木炭mを粉砕用充填物5で粉砕する。
乾式粉砕工程用の粉砕機2に供給された木炭mは、粉砕用充填物5から受ける衝撃により粉砕され、また粉砕用充填物5との摩擦により乾式粉砕される。球状の粉砕用充填物5は、木炭mを一様に粉砕しないので、粉砕された木炭mの粒度分布は棒状の粉砕用充填物を採用した場合よりも広がりを持ったものとなる。木炭mは粉砕により粒子径が小さくなるほど、繊維状(綿状)の形状から略球状の形状となる。そのため、球状の粉砕用充填物5の採用により、繊維状(綿状)の形状を残したままの木炭mに、略球状に微粉砕された木炭mが混合されるので、細密充填により木炭mのかさ密度を向上できる。
また粉砕用充填物5を異なる直径を有する粉砕用ボールで構成すると、木炭mの粒度分布をさらに広がりを持ったものとすることができる。この粉砕用ボールの直径は、大小の2種類に限らず、1種類でもよく、多種の直径を有する粉砕用ボールを混合して粉砕用充填物5としてもよい。
木炭mにおいて平均粒径とかさ密度との関係を測定したところ、木炭mの平均粒径が10μmの場合はゆるめかさ密度が0.269g/cm、かためかさ密度が0.391g/cmであり、平均粒径が31.5μmの場合にはゆるめかさ密度が0.202g/cm、かためかさ密度が0.360g/cmであり、平均粒径が小さい方がかさ密度は大きくなる。
乾式粉砕工程用の粉砕機2に供給された木炭mは、乾式で粉砕され、平均粒径が5μm以上40μm以下、望ましくは5μm以上20μm以下となるまで粉砕される。この粉砕機2で粉砕された木炭mは、容器4の下流側端部近傍に設置される仕切板6を乗り越えて、この仕切板の開口部7から徐々に湿式粉砕スラリー化工程用の粉砕機3に移動する。
湿式粉砕スラリー化工程用の粉砕機3に移動した木炭mは、粉砕機3に供給される例えばA重油やC重油や再生重油等の重質油や、ガソリンや軽油や灯油等の軽質油などで構成されるスラリー化するための液体Lと混合されながら、粉砕用充填物5により粉砕されスラリー化される。つまり、粉砕機3では木炭mの粉砕とスラリー化が同時に行われる。このスラリー化するための液体Lには、木炭スラリー燃料の全量に対して0.1重量%以上2.0重量%以下、望ましくは0.3重量%以上0.5重量%以下の分散剤が添加される。粉砕機3では、木炭mは湿式で粉砕スラリー化され、平均粒径が5μm以上20μm以下、望ましくは5μm以上15μm以下となるまで粉砕スラリー化される。
表1にスラリー化するための液体Lを再生重油として、木炭スラリー燃料を製造した際の条件と製造された木炭スラリー燃料の粘度の関係を示す。
Figure 2015221877
実施例1では、まず乾式粉砕工程用の粉砕機2で木炭mを乾式で約60分間粉砕して、粉砕後の木炭mの平均粒径を10μmとした。その後、スラリー化するための液体Lとして再生重油を湿式粉砕スラリー化工程用の粉砕機3に供給して、粉砕機3に移動した木炭mと混合する。このとき、スラリー全体に対する木炭濃度が26重量%となるように再生重油の供給量を調整した。またアルファスルホ脂肪酸エステルナトリウムと脂肪酸ナトリウムの混合物を同量の水で溶かして、分散剤として再生重油に添加した。添加した分散剤の量は、木炭スラリー燃料の全量に対して0.45重量%とした。
分散剤は脂肪酸系(陰イオン)の界面活性剤を利用することが望ましく、上記の他に脂肪酸カリウムを含むものを利用してもよい。また直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むものを利用することもできる。
粉砕機3では、再生重油を供給され湿式となる状態で木炭mを約60分間粉砕スラリー化した。その後、製造された木炭スラリー燃料の温度を20℃に調整して粘度を測定したところ、500mPa・sであった。実施例2では、スラリー全体に対する木炭濃度が30重量%となるように再生重油を供給したところ、粘度は900mPa・sとなった。木炭濃度が高くなる程、粘度が上昇することがわかる。
比較例1、2では乾式で約5分粉砕して、粉砕後の木炭mの平均粒径を31.5μmとした。また比較例3では乾式で数分粉砕して、粉砕後の木炭mの平均粒径を350μmとした。その後は、前述と同様に再生重油を供給して湿式の状態で木炭mを約60分間粉砕スラリー化して、製造された木炭スラリー燃料の粘度を測定した。この比較例1〜3の木炭スラリー燃料は、いずれも1000mPa・sを大幅に超える高い粘度を有するものとなった。
図3に例示するように、スラリー化するための液体Lとして再生重油よりも粘度の低いA重油を使用すると、製造される木炭スラリー燃料の粘度も低く抑えることができる。この木炭スラリー燃料は、A重油を使用する以外は、上記と同様の工程で製造した。また、スラリー全体に対する木炭濃度が30重量%と34重量%の2通りの場合について木炭スラリー燃料を製造して粘度を測定した。図3では、横軸に乾式粉砕後の木炭の平均粒径を示し、縦軸に20℃に調整して測定した粘度を示している。液体LをA重油とすると、乾式粉砕後の木炭の平均粒径を30μm以上としても40μm以下であれば、20℃で1000mPa・s以下の木炭スラリー燃料を得られることがわかる。
本発明では、木炭mを乾式で5〜40μmとなるまで粉砕した後に、湿式で粉砕スラリ
ー化することにより、20℃において1000mPa・s以下となる粘度の低い木炭スラリー燃料を提供することができる。木炭スラリー燃料の粘度が低くなる理由として、木炭mは粉砕により粒子径が小さくなるほど、繊維状(綿状)の形状の木炭粒子よりも略球状の木炭粒子の占める割合が多くなり、粉砕された木炭mが広がりを持った粒度分布を示すためであると考えられる。
図4に例示すように、実施例1で製造された木炭スラリー燃料の粒度分布(体積分布)を測定したところ、平均粒径となる体積分布の50%粒子径(以下50%径という)が9.2μmであり、体積分布の10%粒子径(以下10%径という)が1.7μmであり、体積分布の90%粒子径(以下90%径という)が28.2μmとなった。条件を変えながら異なる粒度分布を持つ木炭スラリー燃料を製造して測定したところ、50%径が8μm以上13μm以下であり、10%径が0.5μm以上3μm以下であり、90%径が20μm以上80μm以下である場合は、いずれの木炭スラリー燃料の粘度も20℃で1000mPa・s以下となった。
比較例として例えば50%径が13.4μm、10%径が4.7μm、90%径が25.2μmであり、上記よりも粒度分布の範囲の狭い木炭スラリー燃料の粘度は、40℃で1100mPa・sとなった。温度が40℃であっても1000mPa・sを超えるので、この比較例の木炭スラリー燃料の粘度は十分に低いとは言えない。
また、スラリー化するための液体Lとして使用する重質油(A重油、再生重油、C重油等)や軽質油(ガソリン、軽油、灯油等)の種類によっても、木炭スラリー燃料の粘度は変化する。そのため、再生重油より粘性の低いA重油をスラリー化するための液体Lとして使用する場合は、木炭粒子の粒度分布を50%径が5μm以上20μm以下、10%径が0.5μm以上5μm以下、90%径が20μm以上80μm以下としても、20℃で1000mPa・s以下の粘度を有する木炭スラリー燃料を得られる。また図3に例示するように、液体LをA重油とすると、木炭mを乾式粉砕で粉砕する際の平均粒径が30μm以上であっても、20℃において1000mPa・s以下となる粘度の低い木炭スラリー燃料を得られた。
元々粘性の高いC重油をスラリー化するための液体Lとして使用する場合は、木炭粒子の粒度分布を50%径が5μm以上〜13μm以下、10%径が0.5μm以上5μm以下、90%径が20μm以上80μm以下とすれば、70℃で1000mPa・s以下の粘度を有する木炭スラリー燃料を得られる。
またA重油よりもさらに粘度の低い軽油等の軽質油を液体Lとして使用する場合は、液体L自身の粘度が低いため、A重油と同様の条件下であっても容易に20℃で1000mPa・s以下の粘度を有する木炭スラリー燃料を得られる。
本発明の木炭スラリー燃料は、粘度が低いので汎用ボイラーやディーゼルエンジン(内燃機関)等に利用することができる。また、粘度が低いため、木炭濃度を増加させてエネルギ密度の高い燃料としても、汎用ボイラーやディーゼルエンジン(内燃機関)等で使用することができる。
図5および図6に例示する実施形態のように、製造装置1は、乾式粉砕工程を行うボールミル等の粉砕機2と、湿式粉砕スラリー化工程を行う溶解機8を組み合わせた構成とすることもできる。この溶解機8は、ハイシェアミキサーやホモジナイザーとも呼ばれ、タンク9と、このタンク9内の所定の位置に固定用フレーム10を介して吊持される筒状の固定壁11と、この固定壁11内で回転可能な状態に配置される回転羽根12とを備える。この回転羽根12は、例えばタンク9の外側の天面に設置される駆動モータ13に駆動シャフト14を介して連結される。この実施形態では固定用フレーム10は、円筒形状に形成され、その上端近傍がタンク9の天面を貫通した状態で、タンク9に固定される。駆動シャフト14は、この固定用フレーム10の内部を貫通する状態で配置され、回転羽根12と駆動モータ13とを連結している。また乾式粉砕工程で粉砕された木炭やスラリー化するための液体Lをタンク9内に供給するための供給口15が、タンク9の例えば上部に設置されている。この溶解機8は、高せん断力下で木炭をスラリー化する機能を有する。
この実施形態では固定壁11は、天面および底面を開放した円筒形状に形成され、その内壁面から軸心に向かって突設される複数の支柱16を備え、この支柱16の端部は固定用フレーム10に例えば外周面に固定される。この固定壁11の天面には円盤状の蓋体17が配置されている。この蓋体17は、固定用フレーム10が貫通する開口部を中心近傍に備えていて、蓋体17は固定用フレーム10に沿って上下方向に移動可能な状態で固定壁11の天面側に配置される。
回転羽根12は、駆動シャフト14の下端近傍から水平方向に突設される複数の羽根部材18を備えている。この複数の羽根部材18は、例えば鉛直方向に平行な平面を有する板状部材で構成され、平面視において駆動シャフト14を中心に所定の間隔をあけて放射状に配置されている。この回転羽根12は、固定壁11に比べて平面視における直径を小さく形成され、円筒状の固定壁11の内側に配置される。図5では、説明のため固定壁11の内側に配置される回転羽根12とこの回転羽根12に連結される駆動シャフト14とを破線で示している。図6では、説明のため固定壁11から回転羽根12を下方に引き下げた状態を示している。
乾式粉砕工程で使用される粉砕機2の容器4に供給された木炭mは、粉砕用充填物5から受ける衝撃および摩擦により粉砕され、溶解機8の供給口15に供給される。乾式粉砕工程で微粉砕された木炭mと、木炭をスラリー化するための液体LであるA重油やC重油や再生重油等の重質油や軽質油等と、分散剤とが、この供給口15からタンク9内に供給される。駆動モータ13から駆動シャフト14を介して動力を受ける回転羽根12を、例えば数百〜数千rpmで回転させる。この回転羽根12の回転により、回転羽根12と固定壁11との間の木炭および重質油の混合物に高いせん断力が生じ、木炭の粉砕とスラリー化が行われる。
表2にこの実施形態の製造装置1を使用し、スラリー化するための液体Lを再生重油として、木炭スラリー燃料を製造した際の条件と製造された木炭スラリー燃料の粘度の関係を実施例3として示す。
Figure 2015221877
実施例1、2は、前述の表1に示したものと同一である。実施例3では、まず乾式粉砕工程用の粉砕機2で木炭mを乾式で約60分間粉砕して、粉砕後の木炭mの平均粒径を1
0μmとした。その後、スラリー化するための液体Lとして再生重油を、乾式粉砕工程で微粉砕された木炭mと共に、溶解機8のタンク9内に供給して、粉砕スラリー化を行った。このとき、スラリー全体に対する木炭濃度が26重量%となるように再生重油の供給量を調整した。またアルファスルホ脂肪酸エステルナトリウムと脂肪酸ナトリウムの混合物を同量の水で溶かして、分散剤として木炭スラリー燃料に添加した。添加した分散剤の量は、木炭スラリー燃料の全量に対して0.45重量%とした。
溶解機8では、再生重油を供給され湿式となる状態で木炭mを約60分間粉砕スラリー化した。その後、製造された木炭スラリー燃料の温度を20℃に調整して粘度を測定したところ、505mPa・sであった。湿式粉砕スラリー化工程で溶解機8を使用するこの実施形態でも、実施例1で製造された木炭スラリー燃料と同程度の粘度を有する木炭スラリー燃料を得ることができる。
粉砕用充填物5と共に大型の容器4を回転させる粉砕機と異なり、溶解機8の回転羽根12の回転数は容易に増加させることができるので、この回転羽根12の回転数の増加により溶解機8内のスラリーの滞留時間を短縮することができる。そのため、溶解機8を小型化により木炭スラリー燃料の製造装置1全体を小さく構成した場合であっても、木炭スラリー燃料の単位時間当たりの製造量を減らすことなく維持できる。溶解機8内のスラリーの滞留時間は、回転羽根12の回転数により異なるが、例えば10〜50分など60分よりも短縮することができる。
溶解機8は、例えばタンク9の内壁面を固定壁11として利用して、駆動シャフト14からタンク9の内壁面近傍に向かって突設される複数の羽根部材18を備えるなど、タンク9内の木炭と重質油を混合してスラリー化し、木炭を粉砕することができる構成であればよい。また乾式粉砕工程および湿式粉砕スラリー化工程では、上記した粉砕機や溶解機の他に、公知の粉砕機や攪拌機等を利用して行うこともできる。
表3にスラリー化するための液体LをA重油として、添加剤の添加方法と製造された木炭スラリー燃料の粘度の関係を実施例4、5として示す。
Figure 2015221877
実施例4では、まず乾式粉砕工程用の粉砕機2で木炭mを乾式で約60分間粉砕して、粉砕後の木炭mの平均粒径を10μmとした。スラリー化するための液体LとしてのA重油と、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウムと脂肪酸ナトリウムの混合物を同量の水で溶かした分散剤とを溶解機8のタンク9内に供給して事前に混合して約10分間撹拌させた。その後、乾式粉砕工程で微粉砕された木炭mを、液体Lと分散剤が既に入っている溶解機8のタンク9内に供給して、湿式となる状態で木炭mを約60分間粉砕スラリー化した。このとき、スラリー全体に対する木炭濃度を26重量%として、分散剤はスラリー
全体に対して0.45重量%とした。その後、製造された木炭スラリー燃料の温度を20℃に調整して粘度を測定したところ、100mPa・sであった。
一方、実施例5では、木炭mを供給されたタンク9に、液体LとしてのA重油と分散剤と事前混合を行わずにそれぞれ供給した。その他の条件は実施例4と同様である。製造された木炭スラリー燃料の粘度を測定したところ、200mPa・sであった。
実施例4と5の比較より、スラリー化するための液体Lと分散剤とを事前に混合して撹拌させた後に、乾式粉砕工程で微粉砕された木炭mに供給する方が、木炭スラリー燃料の粘度を低くできるので望ましい。
これら木炭mの製造方法の一例としては、バイオマスを大気から遮断した無酸素状態にして、熱分解させて製造する方法がある。
1 製造装置
2 粉砕機
3 粉砕機
4 容器
5 粉砕用充填物
5a 相対的に直径の大きい粉砕用ボール
5b 相対的に直径の小さい粉砕用ボール
6 仕切板
7 開口部
8 溶解機
9 タンク
11 固定壁
12 回転羽根

Claims (7)

  1. 木炭にスラリー化するための液体を混合して木炭スラリー燃料を製造する木炭スラリー燃料の製造方法であって、
    木炭を乾式で粉砕する乾式粉砕工程と、その後、この乾式で粉砕された木炭に木炭をスラリー化するための液体と分散剤とを混合して湿式で粉砕してスラリー化する湿式粉砕スラリー化工程とを有し、
    前記乾式粉砕工程が、粉砕機に前記木炭を供給して、前記木炭の平均粒径が5μm以上40μm以下となるまで粉砕する工程であることを特徴とする木炭スラリー燃料の製造方法。
  2. 前記粉砕機が、容器とこの容器に充填される複数の粉砕用充填物とを備える請求項1に記載の木炭スラリー燃料の製造方法。
  3. 前記湿式粉砕スラリー化工程が、容器とこの容器に充填される複数の粉砕用充填物とを備える粉砕機で、前記乾式粉砕工程で粉砕された木炭を粉砕してスラリー化する請求項1または2に記載の木炭スラリー燃料の製造方法。
  4. 前記粉砕用充填物が、相対的に直径の大きい粉砕用ボールと、相対的に直径の小さい粉砕用ボールとを少なくとも含む混合物で構成される請求項2または3に記載の木炭スラリー燃料の製造方法。
  5. 前記湿式粉砕スラリー化工程が、タンクとこのタンク内に配置される筒状の固定壁とこの固定壁の内側で回転する回転羽根とを備える溶解機で、前記乾式粉砕工程で粉砕された木炭を粉砕してスラリー化する請求項1または2に記載の木炭スラリー燃料の製造方法。
  6. 前記湿式粉砕スラリー化工程が、木炭の平均粒径が5μm以上20μm以下となるまで粉砕する工程である請求項1〜5のいずれかに記載の木炭スラリー燃料の製造方法。
  7. 木炭にスラリー化するための液体を混合して製造する木炭スラリー燃料であって、
    木炭スラリー燃料の全体に対する木炭の割合が5重量%以上40重量%以下であり、
    前記木炭の体積分布の50%粒子径が5μm以上20μm以下であり、体積分布の10%粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、体積分布の90%粒子径が20μm以上80μm以下であり、
    木炭スラリー燃料の粘度が、20℃のとき1000mPa・s以下であることを特徴とする木炭スラリー燃料。
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KR20210071885A (ko) * 2020-07-21 2021-06-16 배석진 석유화학제품폐기물을 이용한 분말재생연료 및 그 생산 장치

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KR102344255B1 (ko) 2020-07-21 2021-12-29 배석진 석유화학제품폐기물을 이용하는 분말재생연료 제조방법 및 그 분말재생연료용 가연성분말 생산장치

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