JP2015221478A - ガラス部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な加工設備を利用することなく、ガラス部材のエッジ部の強度を容易に高めることが可能なガラス部材の製造方法を提供する。【解決手段】ガラス部材6の製造方法は、研磨処理を施すための研磨面4aにガラス部材6の下面6aが対向して接触するよう配置される下研磨パッド4が、所定の弾性を有し、ガラス部材6の下面6aとの接触で弾性変形することによりガラス部材6の下面6aとともに下面6aと交差するガラス部材6の側面6bにも接触し、ガラス部材の下面6aと側面6bとが交差する領域6Xを研磨する。【選択図】図3
Description
本発明はガラス部材の製造方法に関するものであり、例えばスマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション、ゲーム機などといった電子機器の表示装置の表示面の保護や外装カバーとして用いられるカバーガラス板の製造方法に関する。
スマートフォンに代表される携帯型の電子機器は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置を備える。これらの表示装置は傷が付くことを抑制し、高品位な表示性能を維持するために、通常カバーガラス板によってその表面が保護されている。また、デザイン的な要求からガラス製の外装カバーが用いられることもある。そして、携帯型の電子機器は操作時等に落下する可能性があり、カバーガラス板の強度を高める改善が望まれている。
その一方で、カバーガラス板のエッジ部には切削、研削、研磨等の加工上、チッピングやクラック等といった微小な欠損が発生し易いことが懸念されている。
ここで、発明者らはカバーガラス板の複数のサンプルについて曲げ試験を行い、カバーガラス板の割れの状態を観察した。それによれば、多くのサンプルにおいて、カバーガラス板の外縁のエッジ部に割れの起点が認められた。そして、そのカバーガラス板のエッジ部の状態に起因して破損が拡大する可能性が高いことをあらためて認識した。
このような課題を解決すべく提案された従来のガラス部材の製造方法に係る技術が特許文献1、2及び3に記載されている。
特許文献1、2及び3に記載されたガラス部材の製造方法ではガラス板のエッジ部に面取り部を形成している。面取り部はガラス板の主面に対して傾斜をなす平面や曲面で構成される。このような面取り部を形成することにより、ガラス板のエッジ部の強度を高め、エッジ部の状態がガラス板自体の破損に影響を与えることを抑制している。
しかしながら、上記特許文献に記載された従来のガラス部材の製造方法ではガラス板のエッジ部に面取り部を形成するために専用の加工機を利用している。専用の加工機を利用する場合、加工機自体を別途導入する必要があり、さらにガラス板のサイズに応じて工具を調整する必要もあるといった問題があった。また、上記特許文献に記載された従来のガラス部材の製造方法では好適な品質のガラス部材を安定して提供することは困難であると考えられ、生産性の面でも課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、特別な加工設備を利用することなく、ガラス部材のエッジ部の強度を容易に高めることが可能なガラス部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のガラス部材の製造方法は、研磨処理を施すための研磨面にガラス部材の第1面が対向して接触するよう配置される第1研磨部材が、所定の弾性を有し、前記ガラス部材の第1面との接触で弾性変形することにより前記ガラス部材の第1面とともに第1面と交差する前記ガラス部材の第2面にも接触し、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域を研磨し、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域に曲面の面取り部を形成することを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、前記ガラス部材の第1面と、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域と、を同時に研磨することを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、前記ガラス部材の第1面とは異なり、第2面と交差する第3面に研磨処理を施すための研磨面が対向して接触するよう配置される第2研磨部材が、所定の弾性を有し、前記ガラス部材の第3面との接触で弾性変形することにより前記ガラス部材の第3面とともに第2面にも接触し、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域を研磨し、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域に曲面の面取り部を形成することを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、前記ガラス部材の第3面と、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域と、を同時に研磨することを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、第1研磨部材または第2研磨部材は、厚さが1mm〜4mm、硬度がアスカーC10〜アスカーC60のウレタンからなり、前記ガラス部材に対して加える研磨加工荷重が100g/cm2〜250g/cm2であることを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、第1研磨部材または第2研磨部材の少なくとも一方の前記研磨面に凹凸部を形成したことを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、第1研磨部材または第2研磨部材の少なくとも一方の前記研磨面にブラシ状部を形成したことを特徴としている。
また、上記構成のガラス部材の製造方法において、前記曲面の面取り部の曲率半径は、0.05mm以上0.2mm以下であることを特徴としている。
本発明の構成によれば、特別な加工設備を利用することなく、ガラス部材のエッジ部である第1面と第2面とが交差する領域、または第3面と第2面とが交差する領域に曲面の面取り部を形成することができる。したがって、本発明のガラス部材の製造方法によれば、ガラス部材のエッジ部の強度を容易に高めることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態に係るガラス部材の製造方法で用いる研磨装置について、図1及び図2を用いてその構造を説明する。図1及び図2はガラス部材の製造方法で用いる研磨装置の垂直断面図及び平面図である。
最初に、本発明の第1実施形態に係るガラス部材の製造方法で用いる研磨装置について、図1及び図2を用いてその構造を説明する。図1及び図2はガラス部材の製造方法で用いる研磨装置の垂直断面図及び平面図である。
なお、本発明に係るガラス部材の製造方法はここで説明する研磨装置でのみ実施できるものではなく、他の構造の研磨装置でも実施することが可能である。
研磨装置1は、図1に示すように所謂両面研磨機の構造をなす。研磨装置1は各々平面視円形をなす下定盤2、上定盤3、下研磨パッド4(第1研磨部材)及び上研磨パッド5(第2研磨部材)を備える。被研磨部材であるガラス部材6は下研磨パッド4と上研磨パッド5との間に挟まれる。
研磨装置1は、図2に示すように所謂遊星歯車機構を有する。なお、図2は上定盤3及び上研磨パッド5を取り外して上方から見た研磨装置1の平面図である。研磨装置1は平面視中央に配置した太陽歯車7と、その周囲に4個配置した遊星歯車であるキャリア8とを備える。なお、図2において、遊星歯車(キャリア8)の周面に設けた歯の描画は省略している。
4個のキャリア8各々には4個のガラス部材6が、平面視円形をなすホルダー9を介して支持される。ホルダー9とキャリア8との間にも不図示の歯車機構が設けられ、ホルダー9はキャリア8に対して相対的に回転する。
このような機構により、研磨装置1の各構成要素は、図2に矢印で示したように紙面と平行な平面内で各々回転する。なお、下定盤2及び上定盤3は、図1に示すように互いに反対方向に回転する。下研磨パッド4は下定盤2とともに、上研磨パッド5は上定盤3とともに、図2における紙面と平行な平面内で回転する。
ガラス部材6に対して上方から下方に向かって荷重(圧力)が加えられる。ガラス部材6は、その下面が所定の接触圧で下研磨パッド4に当接し、上面が所定の接触圧で上研磨パッド5に当接する。ガラス部材6と下研磨パッド4及び上研磨パッド5の間には例えば酸化セリウムなどの遊離砥粒を含む研磨剤が分散され、ガラス部材6の上面及び下面各々が研磨される。
続いて、ガラス部材6の製造方法の詳細について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4はガラス部材6の製造方法を説明するための部分拡大垂直断面図(下側及び上側)である。
下研磨パッド4(第1研磨部材)は、図3に示すようにガラス部材6対して研磨処理を施すための研磨面4aがガラス部材6の下面6a(第1面)に対向して接触する。下研磨パッド4は所定の弾性を有する例えばウレタンからなり、ガラス部材6の下面6aとの接触で、その研磨面4aが下方に凹むよう弾性変形する。これにより、下研磨パッド4はガラス部材6の下面6aとともに下面6aと交差するガラス部材6の側面6b(第2面)にも接触する。
この構成で研磨装置1を作動させると、ガラス部材6の下面6aに加えて、ガラス部材の下面6aと側面6bとが交差する領域6Xが研磨される。これにより、図3に示すように、ガラス部材6の下面6aと側面6bとが交差する領域6Xに曲面が形成される。
同様に、上研磨パッド5(第2研磨部材)は、図4に示すようにガラス部材6対して研磨処理を施すための研磨面5aがガラス部材6の上面6c(第3面)に対向して接触する。上研磨パッド5は所定の弾性を有する例えばウレタンからなり、ガラス部材6の上面6cとの接触で、その研磨面5aが上方に凹むよう弾性変形する。これにより、上研磨パッド5はガラス部材6の上面6cとともに上面6cと交差するガラス部材6の側面6b(第2面)にも接触する。
この構成で研磨装置1を作動させると、ガラス部材6の上面6cに加えて、ガラス部材の上面6cと側面6bとが交差する領域6Yが研磨される。これにより、図4に示すように、ガラス部材6の上面6cと側面6bとが交差する領域6Yに曲面が形成される。
なお、上記構成では、下研磨パッド4及び上研磨パッド5を設けて、ガラス部材6の下面6a及び上面6cの両方を研磨することとしたが、いずれか一方のみを研磨することとしても良い。その場合、ガラス部材6の領域X、或いは領域Yのいずれか一方のみが研磨され、曲面が形成される。
このようにして、上記実施形態によれば、ガラス部材6の下面6aに対向して接触する下研磨パッド4がガラス部材6の下面6aと側面6bとが交差する領域6Xを研磨し、曲面を形成する。また、ガラス部材6の上面6cに対向して接触する上研磨パッド5がガラス部材6の上面6cと側面6bとが交差する領域6Yを研磨し、曲面を形成する。したがって、特別な加工設備を利用することなく、ガラス部材6のエッジ部である領域6Xまたは領域6Yに曲面の面取り部を形成することができる。すなわち、本実施形態のガラス部材6の製造方法によれば、ガラス部材6のエッジ部の強度を容易に高めることが可能である。
そして、ガラス部材6の下面6aと領域6Xとを同時に研磨する、またガラス部材6の上面6cと領域6Yとを同時に研磨するので、ガラス部材6のエッジ部の強度を効率良く高めることが可能である。
また、ガラス部材6の下面6aに保護シートを貼付し、下研磨パッド4でガラス部材6の下面6aを研磨することなく、ガラス部材6の領域6Xのみを研磨しても良い。同様に、ガラス部材6の上面6cに保護シートを貼付し、上研磨パッド5でガラス部材6の上面6cを研磨することなく、ガラス部材6の領域6Yのみを研磨しても良い。
この構成によれば、研磨装置1による研磨加工の前段階において、ガラス部材6の下面6aや上面6cを好適に形成した場合に、下面6aや上面6cに手を加えることなくガラス部材6の領域6Xまたは領域6Yのみを研磨することができる。したがって、不必要な加工を実行することなく、ガラス部材6のエッジ部の強度を高めることが可能である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るガラス部材の製造方法について、図5を用いて説明する。図5はガラス部材の製造方法を説明するための部分拡大垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
次に、本発明の第2実施形態に係るガラス部材の製造方法について、図5を用いて説明する。図5はガラス部材の製造方法を説明するための部分拡大垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
第2実施形態のガラス部材6の製造方法では、図5に示すように下研磨パッド4の研磨面4aに凹凸部4bを形成している。凹凸部4bは平面をなす研磨面4aから上方に向かって、例えば複数の半球状の凸部が突出することにより形成される。凹凸部4bは研磨面4aの一面に形成される。
この構成によれば、下研磨パッド4の凹凸部4bを利用して容易に、ガラス部材6のエッジ部である領域6Xに曲面の面取り部を形成することができる。なお、上研磨パッド5に同様の凹凸部を形成し、ガラス部材6の領域6Yに曲面の面取り部を形成しても良い。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るガラス部材の製造方法について、図6を用いて説明する。図6はガラス部材の製造方法を説明するための部分拡大垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
次に、本発明の第3実施形態に係るガラス部材の製造方法について、図6を用いて説明する。図6はガラス部材の製造方法を説明するための部分拡大垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
第3実施形態のガラス部材6の製造方法では、図6に示すように下研磨パッド4の研磨面4aにブラシ状部4cを形成している。ブラシ状部5cは平面をなす研磨面4aから上方に向かって、例えば複数の繊維体が生えることにより形成される。ブラシ状部4cは研磨面4aの一面に形成される。
この構成によれば、下研磨パッド4のブラシ上部4cを利用して容易に、ガラス部材6のエッジ部である領域6Xに曲面の面取り部を形成することができる。なお、上研磨パッド5に同様のブラシ状部を形成し、ガラス部材6の領域6Yに曲面の面取り部を形成しても良い。
続いて、ガラス部材の製造方法の実施例1について、図7及び図8を用いて説明する。図7は実施例に係るガラス部材の製造方法における強度試験の説明図、図8は実施例1に係るガラス部材の製造方法で製造したガラス部材6の評価に関する説明図である。
実施例の説明に先立って、実施例の評価に利用するガラス部材6の強度試験について、図7を用いて説明する。ガラス部材6の強度試験は、図7に示す4点曲げ強度試験機101とその試験条件に従って行った。
先の実施形態で製造したガラス部材6である被試験部材Wは、4点曲げ強度試験機101の台座部102の上面から上方に向かって突出する形で形成された2つの支持部103の上に載置される。2つの支持部103は互いに平行をなして対向する板状であり、それらの間隔(D1)が60mmである。支持部103の先端は半径(R1)が3mmの曲面をなし、被試験部材Wの下面に線接触する。
4点曲げ強度試験機101の上側には押圧部材104が設けられる。押圧部材104はその下面から下方に向かって突出する形で形成された2つの押圧部105を備える。2つの押圧部105は互いに平行をなして対向する板状であり、それらの間隔(D2)が20mmである。さらに、押圧部105は支持部103に対しても平行をなす。押圧部105の下端は半径(R2)が3mmの曲面をなす。試験時、押圧部材104は下降し、押圧部105の下端が被試験部材Wの上面に線接触する。押圧部材104の下降速度(V)は1mm/minである。
押圧部105の下端が被試験部材Wの上面に線接触した後、さらに押圧部材104を下降させると、被試験部材Wの略中央部が下方に湾曲する。さらに押圧部材104を下降させると、被試験部材Wは押圧部材104による試験荷重に耐え切れず、破断する。この破断時の強度を、被試験部材Wの強度として評価する。
そして、上記構成の4点曲げ強度試験機101を用いて強度試験を行った結果に対して、図7に示す強度評価を設定した。800MPa以上の強度が得られた被試験部材W(ガラス部材6)を◎(最良)とした。以下、700〜799MPaの強度を○(良好)とし、500〜699MPaの強度を△(可)とし、499MPa以下の強度を×(不可)とした。
実施例1では、図8に示すように下研磨パッド4として3種類の材料を使用して被試験部材であるガラス部材6を作成した。下研磨パッド4の材料は厚さ2.0mm及び4.0mm、硬度アスカーC11のウレタンAと、厚さ1.4mm、硬度アスカーC53のウレタンBと、である。さらに、比較例として、研磨による面取り加工を実施していないガラス部材6を用いた。
なお、他の加工条件としては、ガラス部材6に対して上方から下方に向かって加える研磨加工荷重が238g/cm2であり、研磨時間が10分である。
下研磨パッド4として3種類の材料を使用して研磨による面取り加工(ガラス部材6の領域6Xの研磨)を実施した結果、図8に示すように形状に差異が見られるものの、すべてにおいて概ね良好な面取り形状が得られた。面取り加工を実施していない比較例はシャープなエッジ形状となっている。
これら4種類の被試験部材について4点曲げ強度試験機101を用いて強度試験を行った結果、ウレタンA及びBからなる3種類の材料を使用して研磨した被試験部材に良好な強度が得られた。特に、厚さ2.0mm、硬度アスカーC11のウレタンAで面取り加工を実施した被試験部材において最良の強度性能が得られた。そして、強度的に優位なガラス部材6の領域6Xの曲率半径は0.05mm以上、0.2mm以下であることが好ましい。
続いて、ガラス部材の製造方法の実施例2について、図9を用いて説明する。図9は実施例2に係るガラス部材の製造方法で製造したガラス部材6の評価に関する説明図である。
実施例2では、図9に示すようにガラス部材6に対して上方から下方に向かって加える研磨加工荷重を3つの条件に変更して被試験部材であるガラス部材6を作成した。研磨加工荷重は63、111、238g/cm2である。さらに、比較例として、研磨による面取り加工を実施していないガラス部材6を用いた。
なお、他の加工条件としては、下研磨パッド4の材料として厚さ2.0mm、硬度アスカーC11のウレタンAを使用し、研磨時間が10分である。
研磨加工荷重を3つの条件に変更して研磨による面取り加工(ガラス部材6の領域6Xの研磨)を実施した結果、図9に示すように形状に差異が見られるものの、すべてにおいて概ね良好な面取り形状が得られた。面取り加工を実施していない比較例はシャープなエッジ形状となっている。
これら4種類の被試験部材について4点曲げ強度試験機101を用いて強度試験を行った結果、研磨加工荷重を増加する度に良好な強度が得られた。そして、238g/cm2の研磨加工荷重で面取り加工を実施した被試験部材において最良の強度性能が得られた。なお、実施例1同様、強度的に優位なガラス部材6の領域6Xの曲率半径は0.05mm以上、0.2mm以下であることが好ましい。
上記のように、ガラス部材6の製造方法は、下研磨パッド4が厚さ1mm〜4mm、硬度アスカーC10〜アスカーC60のウレタンからなり、ガラス部材6に対して加える研磨加工荷重が100g/cm2〜250g/cm2である。これにより、ガラス部材6のエッジ部である領域6Xに、良好な強度性能が得られる曲率半径が0.05mm以上、0.2mm以下の曲面の面取り部を形成することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、例えばスマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション、ゲーム機などといった電子機器の表示装置の表示面の保護や外装カバーとして用いられるカバーガラス板の製造方法において利用可能である。
1 研磨装置
2 下定盤
3 上定盤
4 下研磨パッド(第1研磨部材)
4a 研磨面
4b 凹凸部
4c ブラシ状部
5 上研磨パッド(第2研磨部材)
5a 研磨面
6 ガラス部材
6a 下面(第1面)
6b 側面(第2面)
6c 上面(第3面)
2 下定盤
3 上定盤
4 下研磨パッド(第1研磨部材)
4a 研磨面
4b 凹凸部
4c ブラシ状部
5 上研磨パッド(第2研磨部材)
5a 研磨面
6 ガラス部材
6a 下面(第1面)
6b 側面(第2面)
6c 上面(第3面)
Claims (8)
- 研磨処理を施すための研磨面にガラス部材の第1面が対向して接触するよう配置される第1研磨部材が、所定の弾性を有し、前記ガラス部材の第1面との接触で弾性変形することにより前記ガラス部材の第1面とともに第1面と交差する前記ガラス部材の第2面にも接触し、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域を研磨し、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域に曲面の面取り部を形成することを特徴とするガラス部材の製造方法。
- 前記ガラス部材の第1面と、前記ガラス部材の第1面と第2面とが交差する領域と、を同時に研磨することを特徴とする請求項1に記載のガラス部材の製造方法。
- 前記ガラス部材の第1面とは異なり、第2面と交差する第3面に研磨処理を施すための研磨面が対向して接触するよう配置される第2研磨部材が、所定の弾性を有し、前記ガラス部材の第3面との接触で弾性変形することにより前記ガラス部材の第3面とともに第2面にも接触し、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域を研磨し、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域に曲面の面取り部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス部材の製造方法。
- 前記ガラス部材の第3面と、前記ガラス部材の第3面と第2面とが交差する領域と、を同時に研磨することを特徴とする請求項3に記載のガラス部材の製造方法。
- 第1研磨部材または第2研磨部材は、厚さが1mm〜4mm、硬度がアスカーC10〜アスカーC60のウレタンからなり、前記ガラス部材に対して加える研磨加工荷重が100g/cm2〜250g/cm2であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のガラス部材の製造方法。
- 第1研磨部材または第2研磨部材の少なくとも一方の前記研磨面に凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガラス部材の製造方法。
- 第1研磨部材または第2研磨部材の少なくとも一方の前記研磨面にブラシ状部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガラス部材の製造方法。
- 前記曲面の面取り部の曲率半径は、0.05mm以上0.2mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のガラス部材の製造方法。
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