JP2015221424A - 有機性排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】難分解性有機物を含む有機性排水の処理に用いる粉末活性炭の使用量を簡便に制御し、運転コストを抑制した有機性排水の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定して、予め求めておいた検量線を用いて溶解性COD濃度を推定し、推定した溶解性COD濃度と粉末活性炭のCOD平衡吸着量とに基づいて粉末活性炭の必要量を算出し、当該粉末活性炭の必要量を当該生物処理水に添加して処理水を得ることを特徴とする、有機性排水の処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水の処理方法及び処理装置に関し、特に、産業排水、屎尿、下水又は塩類を含有する有機性排水の処理方法及び処理装置に関する。
排水基準の一つであるCOD(化学的酸素要求量:Chemical Oxygen Demand)には、測定方法の相違によりCODMn(酸性高温過マンガン酸法COD)、CODCr(クロム法COD)、CODOH(アルカリ性過マンガンカリウム法COD)などがある。
日本の排水基準等では、比較的酸化力が弱く生物分解性有機物の酸化に近いことからCODMnが採用されている。CODMnの形態は、SS性CODMn(懸濁物質:Suspended Solid)と溶解性CODMnとから構成される。溶解性CODMn濃度はNo.5A
ろ紙でろ過したろ過水や、孔径0.45μmまたは1μmのMF膜や繊維ろ紙のろ過水のCODMnを測定し、SS性CODMn濃度は排水のCODMn濃度から溶解性CODMn濃度を引くことで求められる。
以下、本明細書において、「CODMn」を単に「COD」と略す。
有機性排水のSS性CODは、無機凝集剤や有機凝結剤を添加して有機性排水の懸濁物質を凝集させ、重力沈殿、浮上処理、スクリーン、膜分離などの分離方法で排水から容易に除去できる。
有機性排水の溶解性CODは、生物処理、オゾン酸化などの酸化剤による化学酸化、活性炭吸着などで排水から除去している。このうち、生物処理は、排水基準項目の一つであるBOD(生物化学的酸素要求量:Biochemical Oxygen Demand)の低下に有効である。
しかし、COD成分はBOD成分と全く同一ではなく、BOD成分ではないCOD成分、すなわち生物分解性ではない有機成分は生物処理後の生物処理水中に残留してしまう。
また、化学酸化は、オゾンや過酸化水素などの高価な酸化剤を用いるため運転コストが高いという問題がある。活性炭吸着は、有機性排水のCOD成分除去及び色度成分除去に効果的である。
たとえば、特許文献1には、硝化脱窒槽中の有機性排水に粉末活性炭と塩化鉄を添加して、有機性排水中のリン酸イオンを不溶性のリン酸鉄として凝集させ、粉末活性炭に難分解性有機物である疎水性の低分子有機物を吸着させて分離除去するCOD低減方法が開示されている。粉末活性炭の添加量は、COD平衡吸着量から算出され、粉末活性炭のCOD平衡吸着量は残留COD濃度と粉末活性炭の平衡吸着量とをプロットした粉末活性炭の吸着等温線から求める、とされている。この方法では、活性炭吸着量を決定するために、毎回、処理水のCOD濃度を測定する必要があるため、サンプル採取や分析に時間がかかり、COD濃度の変動に迅速に対応できない。
特許文献2には、曝気槽に粉末活性炭を添加し、次いで膜分離槽にて粉末活性炭を含む濃縮汚泥を分離する、COD低減方法が開示されている。この方法では、濃縮汚泥を曝気槽に戻すことによって、粉末活性炭の使用量を低減させている。粉末活性炭の作用については、難分解性の有機物を吸着し、触媒作用により曝気空気の酸素を活性化し、活性化した酸素による酸化作用によって吸着している難分解性の有機物を徐々に易分解性の有機物へ分解するとされている。ここで、系内の粉末活性炭の濃度については5,000〜50
,000mg/L程度と記載されているが、その根拠は何ら説明されていない。また、特許文献2に開示されている粉末活性炭の濃度は、特許文献1に開示されている粉末活性炭の濃度よりも高いことから、粉末活性炭の使用量低減は達成されていない。
特許文献3には、凝集剤使用量を低減することを目的とする火力発電所排水の膜処理方法が開示されている。分離膜の目詰まりを防止するため、粉末活性炭を添加して四塩化炭素で抽出される低沸点油分(CCl油分)を除去することが提案されている。粉末活性炭の添加量は、CCl油分の2〜50倍とされている。この方法においては、粉末活性炭の添加量を決定するために、CCl油分の定量分析が必要となり、測定が煩雑である。
特許文献4には、浸漬型膜分離装置を内蔵する処理槽に、凝集剤を添加した被処理水と、活性炭と、を供給して、1つの処理槽内で、凝集・活性炭吸着・固液分離を行う高度水処理装置が開示されている。活性炭との混合前に凝集剤を添加するため、凝集剤の添加量を低減できるとの記載はあるが、凝集剤及び活性炭の具体的な添加量は記載されていない。よって、活性炭使用量の適正制御を行っているとはいえない。
特許文献5には、生物処理及び膜分離後の膜透過液に凝集剤を添加し、さらに活性炭による吸着処理後に膜分離を行う廃水の処理方法が開示されている。粉末状活性炭の添加量は100〜1000mg/L程度との記載はあるが、粉末活性炭の添加量を調節することは開示されていない。
特許文献6には、有機性汚水のSSを除去した分離水を生物処理した後に、凝集剤と粉末活性炭を添加し、膜分離する有機性汚水の処理方法が開示されている。粉末活性炭の注入量は500mg/Lとした実施例が記載されているが、粉末活性炭の添加量を調節することは開示されていない。
特許文献7には、河川水を生物処理し、固液分離した後の上澄水に凝集剤を添加し、さらに粉末活性炭を添加して、膜ろ過する河川浄化方法が開示されている。粉末活性炭の添加量は、膜ろ過装置の処理水の色度によって調節し、10〜100ppmであったと記載されている。
以上のように、粉末活性炭は有機性排水中のCOD成分除去に有効である。しかし、従来の有機性排水処理においては、処理水をサンプリングしてCOD濃度を測定し、放流に際しての排水基準値を満たすか否かを判断することが通常である。一般的な過マンガン酸カリウムを用いるCOD測定装置は、試料採取から測定までに1時間以上が必要であり、被処理水中のCOD濃度を実用的にモニターで連続監視することができないためである。また、自動測定に適する測定装置として、紫外線の吸収からCOD濃度を推定するUV装置があるが、UV値とCOD濃度との相関が一定ではない。
従来の排水処理装置では、活性炭吸着装置に充填された顆粒活性炭は一定量のCOD成分を吸着すると、活性炭処理水中のCOD濃度が規制値を超え(破過)るため、新しい活性炭との交換及び破過した廃活性炭の処分が必要となる。一方、粉末活性炭ではその添加量が少ないとCOD成分の除去が不十分で活性炭処理水中COD濃度が規制値を超える。過剰量の粉末活性炭を添加すると、粉末活性炭は高価であるから経済的ではなく、廃棄処分する活性炭を含む汚泥の量が増加し、産業廃棄物が増加することとなる。
特開平09-108692号公報 特開2002-192184号公報 特開平10-151457号公報 特開平07-232196号公報 特開2000-300963号公報 特開平06-047398号公報 特開2001-079561号公報
本発明は、上記従来の処理方法及び処理装置における問題点を解決し、難分解性有機物を含む有機性排水の処理に用いる粉末活性炭の使用量を簡便に制御し、運転コストを抑制した有機性排水の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、生物処理水中の電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)と、溶解性COD濃度との間に相関性があることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、生物処理水中の電気伝導率又は塩化物イオン濃度の測定値から溶解性COD濃度を推定し、当該COD濃度に相当する粉末活性炭のCOD平衡吸着量に基づき、粉末活性炭の必要量を決定することを特徴とする。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1]生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定して、予め求めておいた検量線を用いて溶解性COD濃度を推定し、推定した溶解性COD濃度と粉末活性炭のCOD平衡吸着量とに基づいて粉末活性炭の必要量を算出し、当該粉末活性炭の必要量を当該生物処理水に添加して処理水を得ることを特徴とする、有機性排水の処理方法。
[2]前記検量線は、処理対象となる排水処理設備における生物処理水の電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)と溶解性COD濃度とを測定して求めることを特徴とする、[1]に記載の処理方法。
粉末活性炭の必要量は、推定した溶解性COD濃度を粉末活性炭のCOD平衡吸着量で除算することによって算出することができる。
前記COD平衡吸着量は、処理対象となる排水処理設備における生物処理水に対する粉末活性炭の添加量と処理水中のCOD残留濃度から求めることができる。
前記粉末活性炭は、COD平衡吸着量が0.1kg−COD/kg−活性炭(乾燥重量)〜0.2kg−COD/kg−活性炭(乾燥重量)の新規活性炭であることが好ましい。前記粉末活性炭は、新規活性炭と再生活性炭との混合物であり、粉末活性炭の必要量(mg/L)を決定する際に、新規活性炭のCOD平衡吸着量の70%〜80%の値を用いることが好ましい。
[3]生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定する測定手段と、当該電気伝導率又は塩化物イオン濃度に相当する溶解性COD濃度を推定して、当該推定溶解性COD濃度と粉末活性炭のCOD平衡吸着量とに基づいて粉末活性炭の必要量を決定する演算手段と、当該必要量の粉末活性炭を当該生物処理水に添加する粉末活性炭添加手段と、を具備することを特徴とする有機性排水の処理装置。
[4]生物処理水に凝集剤を添加する混和槽をさらに具備し、
前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
前記粉末活性炭添加手段は、当該混和槽中の生物処理水に粉末活性炭を添加する
ことを特徴とする[3]に記載の処理装置。
[5]生物処理水に凝集剤を添加する混和槽と、当該混和槽の後段に設けられている処理槽と、をさらに具備し、
前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
前記粉末活性炭添加手段は、当該処理槽中の凝集剤混和後の生物処理水に粉末活性炭を添加する
ことを特徴とする[3]に記載の処理装置。
[6]生物処理水を受け容れる膜分離槽をさらに具備し、
前記測定手段は、当該膜分離槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
前記粉末活性炭添加手段は、当該膜分離槽中の生物処理水に粉末活性炭を添加する
ことを特徴とする[3]に記載の処理装置。
[7]生物処理水に凝集剤を添加する第1混和槽と、当該第1混和槽の後段に設けられている第1凝集沈殿槽と、当該第1凝集沈殿槽の後段に設けられている処理槽と、当該処理槽の後段に設けられている第2混和槽と、当該第2混和槽の後段に設けられている第2凝集沈殿槽と、をさらに具備し、
前記測定手段は、当該第1混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
前記粉末活性炭添加手段は、当該処理槽中の第1凝集沈殿処理を経た生物処理水に粉末活性炭を添加する
ことを特徴とする[3]に記載の処理装置。
[8]生物処理水に凝集剤を添加する混和槽と、当該混和槽の後段に設けられている凝集沈殿槽と、当該凝集沈殿槽の後段に設けられている膜分離槽と、をさらに具備し、
前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
前記粉末活性炭添加手段は、当該膜分離槽中の凝集沈殿処理を経た生物処理水に粉末活性炭を添加する
ことを特徴とする[3]に記載の処理装置。
本発明の処理装置は、従来の処理装置において必要とされていた顆粒活性炭吸着塔を含まない。
本発明によれば、煩雑なCOD濃度測定を行わずに、簡易な電気伝導率又は塩化物イオン濃度の測定によって、生物処理水中の溶解性COD濃度に対応した必要量の粉末活性炭を添加することができ、運転コスト削減及び処理水の安定化に寄与することができる。電気伝導率又は塩化物イオン濃度は、特殊な測定装置ではなく、市販の電気伝導率径又はイオン濃度計を用いて容易にオンラインで測定値が得られ、自動測定もできるため、溶解性COD濃度の推定及び粉末活性炭の必要量の算出、並びに必要量の粉末活性炭の添加までをコンピュータ制御することができる。
また、浄水処理などにより発生する使用済み活性炭を再生して、再生粉末活性炭として使用することも可能であり、資源の有効利用、ひいては廃棄物削減及びCO排出削減に寄与することができる。
さらに、COD成分に加えて、難生物分解性有機物に由来する色度も除去できる。
また、本発明の処理方法を凝集沈殿処理法に適用することで、無機凝集剤添加によって形成されるフロック中に取り込まれる不溶化物と粉末活性炭を同時に固液分離することができる。
凝集沈殿処理に適用する場合の本発明の処理フローを示す。 膜分離処理に適用する場合の本発明の処理フローを示す 生物処理槽、処理槽、凝集槽、及び固液分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、混和槽、処理槽、凝集槽、固液分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、処理槽、膜分離装置を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、膜モジュールを内蔵した膜分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、処理槽、膜モジュールを内蔵した膜分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、混和槽、処理槽、膜分離装置を内蔵した膜分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、混和槽、第1凝集槽、第1固液分離槽、処理槽、第2凝集槽、第2固液分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 生物処理槽、凝集剤混和層、凝集槽、固液分離槽、膜モジュールを内蔵した膜分離槽を具備する本発明の処理装置の一態様を示す説明図である。 従来の有機性排水の処理フローを示す説明図である。 実施例1における電気伝導率と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例1における塩化物イオン濃度と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例2における電気伝導率と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例2における塩化物イオン濃度と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例3における電気伝導率と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例3における塩化物イオン濃度と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例4における電気伝導率と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例4における塩化物イオン濃度と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例5における電気伝導率と溶解性COD濃度との検量線を示す。 実施例5における塩化物イオン濃度と溶解性COD濃度との検量線を示す。
好ましい実施形態
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る有機性排水の処理方法は、生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定して、予め求めておいた検量線を用いて溶解性COD濃度を推定し、推定した溶解性COD濃度を予め求めた粉末活性炭のCOD平衡吸着量で除算して粉末活性炭の必要量を算出し、当該粉末活性炭の必要量を当該生物処理水に添加して処理水を得ることを特徴とする。
本発明の処理対象排水は、醤油製造排水、漬け物排水、調味料製造排水、畜産加工品製造排水などの産業排水、下水、屎尿、浄化槽汚泥、埋立地浸出水など塩類及び有機物を含有する有機性排水であり、塩類が含まれていることによって、水中でイオンに解離し、電気伝導率もしくはイオン濃度として検出が容易である。特に、塩化物イオン濃度として100mg/L以上1wt%以下の塩類を含有している有機性排水の処理に好適である。塩化物イオン濃度が100mg/L未満では、他の共存イオンの影響があり、信頼性のある
電気伝導率及びイオン濃度を得ることができない。塩化物イオン濃度が1wt%を越えると、生物処理が不安定になり、特に塩化物濃度が変動する場合には生物処理が困難であり、本発明で用いる生物処理水を得ることができない。
粉末活性炭を添加する生物処理水は、生物処理によって有機物が除去された生物処理水、生物学的硝化脱窒素処理で有機物及び窒素が除去された生物処理水であることが好ましい。これらの生物処理水は、塩化物イオンなどの陰イオン濃度及び電気伝導率の変動が少ない。また、生物処理によってBOD成分と一緒に、生物分解性のCOD成分も除去されるため、生物処理水中の残留COD濃度の変動は少なく、電気伝導率又は塩化物イオン濃度との相関が強い。さらに、有機性排水中のCOD濃度が変動しても、生物処理によってBOD成分及び生物分解性のCOD成分、また、SS性COD成分を十分に除去することができるため、生物処理水中の溶解性COD濃度の変動は小さい。また、生物処理水の塩類濃度が高いほど、電気伝導率又は塩化物イオン濃度に対する溶解性COD濃度の比率(溶解性COD濃度/(塩化物イオン濃度又は電気伝導率)が小さく、塩類濃度が同じ場合には、生物処理水に残留する溶解性COD濃度が低いほど、電気伝導率又は塩化物イオン濃度に対する溶解性COD濃度の比率が大きくなるが、非定常排水の流入がなく、生物処理の条件を変更しない限り、電気伝導率又は塩化物イオン濃度に対する溶解性COD濃度の比率は一定であることがわかった。したがって、生物処理水中の溶解性COD濃度(mg/L)と電気伝導率(mS/m)又は塩素イオン濃度(mg/L)とを測定して得た検量線の傾きα(溶解性COD濃度(mg/L)/電気伝導率(mS/m)又は塩素イオン濃度(mg/L))は一定となる。本発明の処理対象排水が屎尿又は浄化槽汚泥である場合には、生物処理水の溶解性COD濃度(mg/L)/電気伝導率(mS/m)が0.1〜1.5、好適には0.3〜1.2であり、生物処理水の溶解性COD濃度(mg/L)/塩素イオン濃度(mg/L)が0.1〜1.0、好適には0.1〜0.6であることが望ましく、産業排水の場合には、生物処理水の溶解性COD濃度(mg/L)/電気伝導率(mS/m)が0.05〜0.30、好適には0.10〜0.20であり、生物処理水の溶解性COD濃度(mg/L)/塩素イオン濃度(mg/L)が0.03〜0.30、好適には0.03〜0.10であることが望ましい。
本発明において指標として用いることができる電気伝導率は、電解質溶液中での2個の平面電極の電気伝導率セルで測定した電気抵抗の逆数で単位はS/mであることが好ましい。
本発明において指標として用いることができる塩化物イオン濃度は、イオン電極(イオン選択性電極)を用いて測定することが好ましい。イオン電極とは、pHガラス電極以外の各種のイオンに感応する電極であり、水溶液中の特定のイオン濃度を測定することができる。イオン電極では水溶液中の陽イオン濃度を測定することもできるが、有機性排水中の陽イオン濃度の測定の信頼性は低い。有機性排水中の陰イオンとしては、塩化物イオンばかりでなく、硝酸イオンや硫酸イオンもある。しかし、生物処理において硝化脱窒素処理される場合には窒素が除去されるため、硝酸イオンは使用できない。また、硫酸イオンはカルシウムと反応し、石膏などの不溶性の塩を生成するため、硫酸イオンが減少する。すなわち、硝酸イオンや硫酸イオンは、溶解性COD濃度との相関が低いため、使用できない。塩化物イオンは、溶解性であるため減少する可能性が少なく、塩化物イオンを含む薬剤を添加しない限り増加する可能性も少ないため、有機性排水の処理状況によって変動しにくく、溶解性COD濃度との相関が高い。
本発明において、電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定する対象となる生物処理水は、凝集沈殿処理及び膜分離処理のいずれにおいても凝集剤添加前の生物処理水である。
図1〜図2を参照しながら、本発明の処理方法の基本的な手順を説明する。図1は凝集
沈殿処理法の場合の処理フローであり、図2は膜分離処理法の場合の処理フローである。
排水の水質は処理対象となる排水処理場によって異なるため、処理対象となる排水処理場における生物処理水中の溶解性COD濃度(mg/L)と電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)とを測定して、X軸を溶解性COD濃度(mg/L)、Y軸を電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)とする検量線を作成し、検量線の傾きを係数αとする。
用いる粉末活性炭の種類によってCOD平衡吸着量は異なるため、用いる粉末活性炭の吸着等温線からCOD平衡吸着量を求める。COD平衡吸着量は、ラボ試験で求めることも、実際の排水処理場での実測値に基づいて求めることもできる。排水処理に一般的に使用されている粉末活性炭のCOD平衡吸着量は0.1〜0.2kgCOD/kgACであるため、本願明細書においては0.1kgCOD/kgAC及び0.2kgCOD/kgACをCOD平衡吸着量として説明する。
予め求めておいた検量線を用いて、生物処理後の生物処理水の電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)を測定し、当該電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)に係数αを乗算して、溶解性COD推定値(mg/L)を算出する。
溶解性COD推定値(mg/L)を粉末活性炭のCOD平衡吸着量で除算して、粉末活性炭の添加量を算出して、算出した量の粉末活性炭を添加する。
粉末活性炭は、生物処理水に添加する。凝集沈殿処理を行う場合には、無機凝集剤及びpH調整剤の添加時又は添加後に、生物処理水に粉末活性炭を添加する。膜分離処理又は凝集・膜分離処理を行う場合には、膜分離処理時又は処理前に、生物処理水に粉末活性炭を添加する。
粉末活性炭は、ヤシガラ系もしくは石炭系が好ましく、溶解性色度や溶解性COD成分などの難分解性有機物の吸着除去には、有機物を吸着できる細孔径を有する石炭系が好適である。粉末活性炭の吸着能を示す指標としてヨウ素吸着性能が一般に用いられている。ヨウ素吸着性能が700mg/g以上1200mg/g未満であることが好ましい。ヨウ素吸着性能が700mg/g未満では溶解性COD成分吸着性能も低下し、1200mg/g以上の粉末活性炭は高価であり調達が困難であり、実用的ではない。粉末活性炭は微細粒子であるほど表面積が広く、吸着性能が優れるが、価格及び調達の面から実用的な粒径範囲は50μm以下5μm以上である。1μm以下の活性炭は、微細粒子の会合で粗大粒子となる上に高価であり実用的ではない。市販品の最小粒径は約10μmであり、市販品を用いることが好ましい。また、粉末活性炭としては、新規活性炭(新炭)でも廃活性炭を再生した再生活性炭(再生炭)でもよいが、再生炭の場合には、吸着性能が劣化しているため、必要添加量の算出の場合にCOD平衡吸着量を70%〜80%程度に見積もることが好ましい。再生炭は、浄水の高度処理時に発生する顆粒状使用済み活性炭を再生及び粉砕して使用することができるため、使用済み活性炭の処分に伴う廃棄物削減やCO排出削減に寄与できるという効果もある。
凝集沈殿処理法に適用する場合、無機凝集剤としては塩化第二鉄やポリ硫酸鉄などの鉄系凝集剤、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)などを使用することができる。無機凝集剤と一緒に添加するpH調整剤によって、生物処理水のpHを中性域〜酸性域、好ましくはpH5付近に調整することで、溶解性COD成分ばかりでなく色度に影響する難分解性有機物の除去効果を高めることができ、粉末活性炭の必要添加量を少量とすることができる。また、固液分離性を高めるために、有機高分子凝集剤
を添加することが好ましい。
膜分離処理法に適用する場合、別個の膜分離装置を設置してもよいし、凝集槽の内部に浸漬させた膜分離装置を用いてもよい。後者の浸漬型が小型で動力費が削減できるため好ましい。膜分離装置の分離膜としては、UF膜やMF膜を用いることができるが、フロックの分離には孔径が大きく透過水量が大きいMF膜が好適である。平膜型の有機膜、チューブラー型の有機膜、セラミックなど市販の分離膜を制限なく用いることができる。浸漬型膜分離装置の駆動力としては吸引ポンプによる吸引圧力を用いることが好ましい。また、浸漬型膜分離装置の場合、分離膜表面の閉塞防止のために、分離膜の下方に散気管などを設けて空気を連続的に流通させることが好ましい。さらに、粉末活性炭と生物処理水中の溶解性COD成分との接触効率を向上させるために、生物処理水を攪拌することが好ましく、別個の散気管又は攪拌装置を設けることが好ましい。
具体的態様を図3〜図10を参照しながら説明する。
図3に、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集沈殿処理フローの一例を示す。図3に示す処理装置は、生物処理槽10、処理槽20、凝集槽30及び固液分離槽40を含む。生物処理槽10と処理槽20との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD濃度を算出し、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽20には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90も接続されている。処理槽20にて、粉末活性炭、無機凝集剤及びpH調整が添加された生物処理水は、凝集槽30に送られる。凝集槽30には、高分子凝集剤添加装置100が接続されており、生物処理水にさらに高分子凝集剤が添加される。次いで、生物処理水は、固液分離槽40に送られ、沈殿物と、上澄み液とに分離される。沈殿物には、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分を吸着した粉末活性炭、凝集剤により凝集した溶解性COD成分や色度成分、生物処理水に含まれるSS成分を含む汚泥が含まれる。上澄み液は処理水として放流される。
図4は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集沈殿処理フローの別の例を示す。図4に示す処理装置は、生物処理槽10、混和槽21、処理槽20、凝集槽30及び固液分離槽40を含む。生物処理槽10と混和槽21との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。混和槽21には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90が接続されており、生物処理水に無機凝集剤及びpH調整剤を添加する。無機凝集剤を添加することで、生物処理水の溶解性COD成分の一部がフロックに取り込まれて不溶化する。無機凝集剤及びpH調整剤が添加された生物処理水は、処理槽20に送られる。粉末活性炭供給装置70は、処理槽20に接続されており、演算処理装置60からの指令により必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽20にて粉末活性炭が添加された生物処理水は、凝集槽30に送られる。凝集槽30には、有機高分子凝集剤添加装置100が接続されており、生物処理水にさらに有機高分子凝集剤が添加される。次いで、生物処理水は、固液分離槽40に送られ、沈殿物と、上澄み液とに分離される。沈殿物には、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分を吸着した粉末活性炭、凝集剤により凝集した溶解性COD成分や色度成分、生物処理水に含まれるSS成分を含む汚泥が含まれる。上澄み液は処理水として放流される。無機凝集剤を粉末活性炭よりも先に添加することで生物処理水中の溶解性COD成分が減少し、図3に示す無機凝集剤と粉末活性炭とを同時に添加する
態様よりも、粉末活性炭の必要添加量を少量とすることができ、処理水中のCOD濃度も低濃度になる。
図5は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集・膜分離処理フローの一例を示す。図5に示す処理装置は、生物処理槽10、処理槽20、膜分離装置41を含む。生物処理槽10と処理槽20との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD濃度を算出し、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置60からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽20にて粉末活性炭が供給された生物処理水は、処理槽20の底部からポンプで揚水されて膜分離装置41に送られ、膜を透過しない濃縮液と膜を透過した透過液とに膜分離される。溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分を吸着した粉末活性炭を含む濃縮液が分離除去された膜分離水は、処理水として放流される。
図6は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した膜分離処理フローの一例を示す。図6に示す処理装置は、生物処理槽10、膜分離槽42を含む。生物処理槽10と膜分離槽42との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD濃度を算出し、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置60からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を膜分離槽42に供給する。膜分離槽42には、分離膜モジュール43が設けられている。膜分離槽42に供給された生物処理水に粉末活性炭が添加され、粉末活性炭は生物処理水からCOD成分、色度成分及び他の難溶性成分を吸着する。溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分が除去された生物処理水は、分離膜モジュール43にて膜分離される。分離膜モジュール43には吸引ポンプが接続されており、吸引ポンプによる吸引圧力を駆動力として分離膜モジュール43を介して膜透過水が得られ、処理水として放流する。分離膜モジュール43の下方には、散気装置29が設けられている。散気装置29は、分離膜表面の閉塞を防止するため、分離膜を連続的に曝気する。さらに、膜分離槽42には、粉末活性炭が槽底部に沈下して、生物処理水との接触が低下することを防止するために、別の散気装置又は攪拌装置(図示せず)を設けてもよい。
図7は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集・膜分離処理フローの一例を示す。図7に示す処理装置は、生物処理槽10、処理槽20、膜分離槽42を含む。生物処理槽10と処理槽20との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD濃度を算出し、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置60からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽20には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90も接続されている。処理槽20にて、粉末活性炭、無機凝集剤及びpH調整が添加された生物処理水は、膜分離槽42に送られる。膜分離槽42には、分離膜モジュール43
が設けられている。膜分離槽42にて、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分が粉末活性炭に吸着されて除去された生物処理水は、分離膜モジュール43にて膜分離される。分離膜モジュール43には吸引ポンプが接続されており、吸引ポンプによる吸引圧力を駆動力として分離膜モジュール43を介して膜透過水が得られ、処理水として放流する。分離膜モジュール43の下方には、散気装置が設けられている。散気装置は、分離膜表面の閉塞を防止するため、分離膜を連続的に曝気する。さらに、膜分離槽42には、粉末活性炭が槽底部に沈下して、生物処理水との接触が低下することを防止するために、別の散気装置又は攪拌装置(図示せず)を設けてもよい。
図8は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集・膜分離処理フローの一例を示す。図8に示す処理装置は、生物処理槽10、混和槽21、処理槽20及び膜分離槽42を含む。生物処理槽10と混和槽21との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。混和槽21には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90が接続されており、生物処理水に無機凝集剤及びpH調整剤を添加する。無機凝集剤及びpH調整剤が添加された生物処理水は、処理槽20に送られる。粉末活性炭供給装置70は、処理槽20に接続されており、演算処理装置60からの指令により必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽20にて粉末活性炭が添加された生物処理水は、膜分離槽42に送られる。膜分離槽42には、分離膜モジュール43が設けられている。膜分離槽42にて、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分が粉末活性炭に吸着されて除去された生物処理水は、分離膜モジュール43にて膜分離される。分離膜モジュール43には吸引ポンプが接続されており、吸引ポンプによる吸引圧力を駆動力として分離膜モジュール43を介して膜透過水が得られ、処理水として放流する。分離膜モジュール43の下方には、散気装置が設けられている。散気装置は、分離膜表面の閉塞を防止するため、分離膜を連続的に曝気する。さらに、膜分離槽42には、粉末活性炭が槽底部に沈下して、生物処理水との接触が低下することを防止するために、別の散気装置又は攪拌装置(図示せず)を設けてもよい。
図9は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集沈殿処理フローの一例を示す。図9に示す処理装置は、生物処理槽10、混和槽21、第1凝集槽30、第1固液分離槽26、処理槽20、第2凝集槽31、第2固液分離槽40を含む。生物処理槽10と混和槽21との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。混和槽21には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90が接続されており、生物処理水に無機凝集剤及びpH調整剤を添加する。無機凝集剤及びpH調整剤が添加された生物処理水は、第1凝集槽30に送られる。第1凝集槽30には、有機高分子凝集剤添加装置100が接続されており、生物処理水にさらに有機高分子凝集剤が添加される。次いで、生物処理水は、第1固液分離槽26に送られ、沈殿物と、上澄み液とに分離される。上澄み液は、処理槽20に送られる。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD推定値(1)を算出する。本態様において、第1段凝集沈殿処理によって無機凝集剤により形成されるフロック中に溶解性COD成分が取り込まれて除去されているため、事前に第1段凝集沈殿処理における溶解性COD除去率を求めておき、粉末活性炭の必要添加量の算出には下記式により求められる溶解性COD推定値(2)を用いる。
溶解性COD推定値(2)=溶解性COD推定値(1)×(1−溶解性COD除去率/100)
次いで溶解性COD推定値(2)に基づいて、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置60からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を処理槽20に供給する。処理槽2
0にて粉末活性炭が添加された生物処理水は、第2凝集槽31に送られる。第2凝集槽31には、有機高分子凝集剤添加装置101が接続されており、生物処理水にさらに有機高分子凝集剤が添加される。次いで、生物処理水は、第2固液分離槽40に送られ、沈殿物と、上澄み液とに分離される。沈殿物には、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分を吸着した粉末活性炭、凝集剤により凝集した溶解性COD成分や色度成分、生物処理水に含まれるSS成分を含む汚泥が含まれる。上澄み液は、処理水として放流される。
図10は、本発明の有機性排水の処理方法を適用した凝集・膜分離処理フローの一例を示す。図10に示す処理装置は、生物処理槽10、混和槽21、凝集槽30、固液分離槽40、膜分離槽42を含む。生物処理槽10と混和槽21との間Aに、電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50を設けて生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を計測する。混和槽21には、無機凝集剤添加装置80及びpH調整剤添加装置90が接続されており、生物処理水に無機凝集剤及びpH調整剤を添加する。無機凝集剤及びpH調整剤が添加された生物処理水は、凝集槽30に送られる。凝集槽30には、有機高分子凝集剤添加装置100が接続されており、生物処理水にさらに有機高分子凝集剤が添加される。次いで、生物処理水は、固液分離槽40に送られ、沈殿物と、上澄み液とに分離される。上澄み液は、膜分離槽42に送られる。膜分離槽42には、分離膜モジュール43が設けられている。電気伝導率計測計又は塩素イオン濃度計50は、演算処理装置60に電気的に接続されている。演算処理装置60は、電気伝導率又は塩素イオン濃度の計測値に基づいて溶解性COD推定値(1)を算出する。本態様において、固液分離槽40内での凝集沈殿処理によって無機凝集剤により形成されるフロック中に溶解性COD成分が取り込まれて除去されているため、事前に前段の凝集沈殿処理における溶解性COD除去率を求めておき、粉末活性炭の必要添加量の算出には下記式により求められる溶解性COD推定値(2)を用いる。
溶解性COD推定値(2)=溶解性COD推定値(1)×(1−溶解性COD除去率/100)
次いで溶解性COD推定値(2)に基づいて、粉末活性炭の必要添加量を決定し、粉末活性炭供給装置70を制御する。粉末活性炭供給装置70は演算処理装置60に電気的に接続されている。粉末活性炭供給装置70は、ホッパーと定量供給装置とを具備し、演算処理装置60からの指令に基づいて必要量の粉末活性炭を膜分離槽42に供給する。膜分離槽42にて、溶解性COD成分、溶解性色度成分及び他の難溶性成分が粉末活性炭に吸着されて除去された生物処理水は、分離膜モジュール43にて膜分離される。分離膜モジュール43には吸引ポンプが接続されており、吸引ポンプによる吸引圧力を駆動力として分離膜モジュール43を介して膜透過水が得られ、処理水として放流する。
比較のため、従来の有機性排水の処理フローを図11に示す。
(a)有機性排水は、生物処理によりSS(懸濁物質)、BOD成分及びCOD成分が除去された後、無機凝集剤や高分子凝集剤が添加されて更にSS(懸濁物質)及びSS性COD成分や溶解性COD成分の一部が除去(凝集沈殿処理)された後、砂ろ過によりSS(
懸濁物質)が除去され、さらに顆粒活性炭吸着塔において残留溶解性COD成分が除去された後、処理水として放流される。
(b)有機性排水は、生物処理によりSS(懸濁物質)、BOD成分及びCOD成分が除去された後、膜分離装置を用いて無機凝集剤が添加されて凝集・膜分離された(凝集・膜分離処理)後、さらに顆粒活性炭吸着塔において残留溶解性COD成分が除去された後、処理水として放流される。
上記(a)及び(b)の従来の処理フローにおいては、顆粒活性炭吸着塔における残留
溶解性COD成分の除去が必要であった。本発明の処理フローにおいては、生物処理後の生物処理水に必要量の粉末活性炭を添加して残留溶解性COD成分を除去することによって、後段の顆粒活性炭吸着塔における残留溶解性COD成分の除去工程を不要とする。
また、従来の有機性排水の処理には、(a)の凝集沈殿処理又は(b)の凝集・膜分離処理の際に、粉末活性炭を添加する方法(c)及び(d)もある。従来の処理フローにおいては、処理水のCOD濃度を測定して、処理水COD濃度測定値と放流基準値とを比較し、粉末活性炭の添加量が不足していないか否かを判断するだけで、処理水COD濃度の変動にあわせて粉末活性炭の必要量を添加することはできなかった。また、処理水のCOD濃度を毎回測定する必要があり煩雑であった。本発明の処理フローにおいては、生物処理水の電気伝導率又は塩素イオン濃度を測定して、予め求めたおいた検量線に従って粉末活性炭の必要量を決定し、必要量だけを添加する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
し尿処理量20kL/日と浄化槽汚泥処理量60kL/日、希釈倍率3〜5倍で処理している標準脱窒素処理方式の屎尿処理施設Aの生物処理水を定期的に採取し、粉末活性炭によるCOD処理試験を行った。希釈倍率は、1日当たりの放流水量をし尿処理量と浄化槽汚泥処理量の合計量で割った値である。表1に屎尿処理施設Aの生物処理水の性状を示す。生物処理水のCOD濃度と色度は、No.5Aろ紙でろ過したろ過水の測定値であり、溶解性COD成分濃度及び溶解性色度を示す。
電気伝導率は、JIS K0102(2013年版)工場排水試験方法の13.電気伝導率に準拠し、電気伝導率計(東亜ディーケーケー(株)製CM−30R)を用いて測定した。
塩化物イオン濃度は、JIS K0102(2013年版)工場排水試験方法の35.2イオン電極法に準拠し、塩化物イオン用イオン電極(東亜ディーケーケー(株)製CL−2021)とマルチ水質計(東亜ディーケーケー(株)製IM−32P)を用いて測定した。
CODは、JIS K0102(2013年版)工場排水試験方法の17.100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量に準拠して測定した。
色度は、下水試験方法(上巻、2012年版)の第4節2.比色法に準拠して測定した。
COD平衡吸着量は、五訂・公害防止の技術と法規「水質編」2.2.8活性炭吸着に準拠して測定して得た等温吸着線から求めた。
(1−1)電気伝導率に基づくCOD濃度推定(COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算))
生物処理水1リットルに粉末活性炭(水ing(株)製、エバダイヤLP5、ヨウ素吸
着性能1000mg/g、水分量5%)を添加して、約30分間撹拌して、その後、孔径1.0μmのMF膜で分離し、膜分離水のCOD濃度と色度を測定した。粉末活性炭添加前の電気伝導率を測定し、検量線(図12)を作成し、係数α=0.3を得た。粉末活性炭の添加量は、電気伝導率の測定値に係数αを乗算して求めた溶解性COD濃度推定値をCOD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)で除算して求めた。表2に、電気伝導率から推定した粉末活性炭添加量と処理結果を示す。
表2に示すように、係数α=0.3を用いて求めた溶解性COD濃度推定値を用いた本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
(1−2)塩化物イオン濃度に基づく溶解性COD濃度推定(COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算))
電気伝導率に代えて、生物処理水の塩化物イオン濃度を測定し、検量線(図13)を作成し、係数α=0.2を得た。粉末活性炭の添加量は、塩化物イオン濃度の測定値に係数
αを乗算して求めた溶解性COD濃度推定値をCOD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)で除算して求めた。表3に、塩化物イオン濃度から推定した粉末活性炭添加量と処理結果を示す。
表3に示すように、係数α=0.2を用いて求めた溶解性COD濃度推定値を用いた本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
(1−3)電気伝導率に基づく溶解性COD濃度推定(COD平衡吸着量0.2kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算))
COD平衡吸着量0.2kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)とした以外は、(1−1)と同様にして、検量線(図12)の係数α=0.3に基づき、電気伝導率から溶解性COD濃度を推定して求めた粉末活性炭添加量による活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。結果を表4に示す。
表4に示すように、係数α=0.3を用いて求めた溶解性COD濃度推定値を用いた本
発明の方法により、活性炭処理水COD規制値20mg/L以下を達成することが確認できた。
(1−4)塩化物イオン濃度に基づく溶解性COD濃度推定(COD平衡吸着量0.2kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算))
COD平衡吸着量0.2kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)とした以外は、(1−2)と同様にして、検量線(図13)の係数α=0.2に基づき、塩化物イオン濃度から溶解性COD濃度を推定して求めた粉末活性炭添加量による活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。結果を表5に示す。
表5に示すように、係数α=0.2を用いて求めた溶解性COD濃度推定値を用いた本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値20mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例2]
屎尿処理量20kL/日と浄化槽汚泥処理量60kL/日、希釈倍率3〜5倍で処理している標準脱窒素処理方式の屎尿処理施設Bの生物処理水を定期的に採取し、実施例1(1−1)〜(1−2)と同様に試験し、生物処理水の電気伝導率及び塩化物イオン濃度に基づき検量線(図14及び15)を作成し、それぞれ係数α=0.9及び0.4を得て、COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)について粉末活性炭添加量を算出し、活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。屎尿処理施設Bの生物処理水の性状を表6に示し、処理結果を表7〜8に示す。
表7及び8に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例3]
屎尿処理量40kL/日と浄化槽汚泥処理量40kL/日、希釈倍率1.5〜3倍で処理している標準脱窒素処理方式の屎尿処理施設Cの生物処理水を定期的に採取し、実施例1(1−1)〜(1−2)と同様に試験し、生物処理水の電気伝導率及び塩化物イオン濃度に基づき検量線(図16及び17)を作成し、それぞれ係数α=1.2及び0.6を得て、COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)について粉末活性炭添加量を算出し、活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。屎尿処理施設Cの生物処理水の性状を表9に示し、処理結果を表10〜11に示す。
表10及び11に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例4]
屎尿40kL/日と浄化槽汚泥40kL/日、希釈倍率1.5〜3倍で処理している膜分離高負荷脱窒素処理方式の屎尿処理施設Dの膜分離生物処理水を定期的に採取し、実施例1(1−1)〜(1−2)と同様に試験し、生物処理水の電気伝導率及び塩化物イオン濃度に基づき検量線(図18及び19)を作成し、それぞれ係数α=0.3及び0.15を得て、COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)について粉末活性炭添加量を算出し、活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。屎尿処理施設Dの生物処理水の性状を表12に示し、処理結果を表13〜14に示す。
表13及び14に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例5]
BOD200−500mg/L、COD150−250mg/L、塩素イオン1800−2300mg/Lの漬物製造排水を活性汚泥処理(BOD汚泥負荷0.15kg/kg日)と無機凝集剤として硫酸バンドとアニオンポリマで凝集沈殿処理、活性炭処理を経て放流している排水処理施設Eから、活性汚泥処理後の生物処理水を定期的に採取し、実施例1(1−1)〜(1−2)と同様に試験し、生物処理水の電気伝導率及び塩化物イオン濃度に基づき検量線(図20及び21)を作成し、それぞれ係数α=0.12及び0.05を得て、COD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−AC(乾燥重量換算)について粉末活性炭添加量を算出し、活性炭処理水のCOD及び色度を測定した。排水処理施設Eの生物処理水の性状を表15に示し、処理結果を表16〜17に示す。本実施例においては、生物処理水を孔径0.45μmのMF膜で膜ろ過したろ過水及び活性炭処理水のCODCr及びTOCも測定した。
表16及び17に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成し、且つCODCr及びTOCも大幅に低減できることが確認できた。
[実施例6]中性凝集沈殿処理
図3に示す処理フローを用いて、実施例5の生物処理水500mLに、電気伝導率(係数α=0.12)または塩化物イオン濃度(係数α=0.05)から溶解性COD濃度を推定し、その値から算出した粉末活性炭(水ing(株)製、エバダイヤLP5、ヨウ素吸着性能1000mg/g、水分量5%)と、無機凝集剤として硫酸バンド(8%Al品)200mg/L、凝集pHを6.5−7に調整するためにアルカリ剤を添加し、
10分間撹拌後、アニオンポリマ(水ing(株)製、エバグロースA−151)1mg/Lを添加、凝集後、5分間静置し、その上澄み水を採取し、その全量をNo.5Aろ紙(東洋濾紙(株)製)でろ過し、そのろ過水のCODと色度を測定した。電気伝導率を用いた場合の結果を表18に、塩化物イオン濃度を用いた場合の結果を表19に示す。
表18及び19に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例7]酸性凝集沈殿処理
凝集pHを5.0−5.5に調整するために酸を添加した以外は実施例6と同様にして、ろ過水のCODと色度を測定した。電気伝導率を用いた場合の結果を表20に、塩化物イオン濃度を用いた場合の結果を表21に示す。
表20及び21に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
粉末活性炭を添加しなかった以外は実施例6と同様に行い、凝集沈殿処理水のろ過水のCODと色度を測定した結果を表22に示す。中性凝集沈殿処理における溶解性COD除去率は15%、色度除去率は10%、酸性凝集沈殿処理における溶解性COD除去率は25%、色度除去率は30%であった。
[実施例8]2段凝集沈殿処理
図9に示す処理フローを用いて、実施例8を説明する。
実施例5で用いた生物処理水500mLに、無機凝集剤として硫酸バンド(8%Al品)200mg/L、凝集pHを6.5−7に調整するためにアルカリ剤を添加し、10分間撹拌後、アニオンポリマ(水ing(株)製、エバグロースA−151)1mg/Lを添加、凝集後、5分間静置し、第1凝集沈殿処理水を得た。第1凝集沈殿処理水の性状を表22に示す。
実施例5において求めた生物処理水の電気伝導率(係数α=0.12)又は塩化物イオン濃度(係数α=0.05)を用いて算出した溶解性COD推定値(1)から、実施例7
で求めた溶解性COD除去率15%を加味して、下記式に従って溶解性COD推定値(2)を算出した。
溶解性COD推定値(2)=溶解性COD推定値(1)×(1−15/100)
溶解性COD推定値(2)とCOD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−ACから算出した粉末活性炭(水ing(株)製、エバダイヤLP5、ヨウ素吸着性能1000mg/g、水分量5%)の必要添加量を添加し、30分間攪拌後、ノニオン系ポリマ(水ing(株)製、エバグロースN−800)1mg/L添加凝集後、5分間静置し、第2凝集沈殿処理水を得た。第2凝集沈殿処理水のCODと色度を測定した。電気伝導率を用いた場合の結果を表23に、塩化物イオン濃度を用いた場合の結果を表24に示す。
表23及び24に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。
[実施例9]凝集沈殿処理−膜分離処理
図10に示す処理フローを用いて、実施例9を説明する。
実施例8で得た第1凝集沈殿水に、実施例8で求めたCOD推定値(2)とCOD平衡吸着量0.1kg−COD/kg−ACから算出した粉末活性炭(水ing(株)製、エバダイヤLP5、ヨウ素吸着性能1000mg/g、水分量5%)の必要添加量を添加し、30分間攪拌後、孔径0.45μmのMF膜で分離し、膜分離水のCODと色度を測定
した。電気伝導率を用いた場合の結果を表25に、塩化物イオン濃度を用いた場合の結果を表26に示す。
表25及び26に示すように、本発明の方法により、活性炭処理水COD規制値10mg/L以下を達成することが確認できた。

Claims (8)

  1. 生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定して、予め求めておいた検量線を用いて溶解性COD濃度を推定し、推定した溶解性COD濃度と粉末活性炭のCOD平衡吸着量とに基づいて粉末活性炭の必要量を算出し、当該粉末活性炭の必要量を当該生物処理水に添加して処理水を得ることを特徴とする、有機性排水の処理方法。
  2. 前記検量線は、処理対象となる排水処理設備における生物処理水の電気伝導率(mS/m)又は塩化物イオン濃度(mg/L)と溶解性COD濃度とを測定して求めることを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  3. 生物処理を経た後の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定する測定手段と、当該電気伝導率又は塩化物イオン濃度に相当する溶解性COD濃度を推定して、当該推定溶解性COD濃度と粉末活性炭のCOD平衡吸着量とに基づいて粉末活性炭の必要量を決定する演算手段と、当該必要量の粉末活性炭を当該生物処理水に添加する粉末活性炭添加手段と、を具備することを特徴とする有機性排水の処理装置。
  4. 生物処理水に凝集剤を添加する混和槽をさらに具備し、
    前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
    前記粉末活性炭添加手段は、当該混和槽中の生物処理水に粉末活性炭を添加する
    ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  5. 生物処理水に凝集剤を添加する混和槽と、当該混和槽の後段に設けられている処理槽と、をさらに具備し、
    前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
    前記粉末活性炭添加手段は、当該処理槽中の凝集剤混和後の生物処理水に粉末活性炭を添加する
    ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  6. 生物処理水を受け容れる膜分離槽をさらに具備し、
    前記測定手段は、当該膜分離槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
    前記粉末活性炭添加手段は、当該膜分離槽中の生物処理水に粉末活性炭を添加する
    ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  7. 生物処理水に凝集剤を添加する第1混和槽と、
    当該第1混和槽の後段に設けられている第1凝集沈殿槽と、
    当該第1凝集沈殿槽の後段に設けられている処理槽と、
    当該処理槽の後段に設けられている第2混和槽と、当該第2混和槽の後段に設けられている第2凝集沈殿槽と、
    をさらに具備し、
    前記測定手段は、当該第1混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
    前記粉末活性炭添加手段は、当該処理槽中の第1凝集沈殿処理を経た生物処理水に粉末活性炭を添加する
    ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  8. 生物処理水に凝集剤を添加する混和槽と、
    当該混和槽の後段に設けられている凝集沈殿槽と、
    当該凝集沈殿槽の後段に設けられている膜分離槽と、
    をさらに具備し、
    前記測定手段は、当該混和槽に導入される前の生物処理水の電気伝導率又は塩化物イオン濃度を測定し、
    前記粉末活性炭添加手段は、当該膜分離槽中の凝集沈殿処理を経た生物処理水に粉末活性炭を添加する
    ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
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