JP2015220350A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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淳 石井
智絵 飯野
Chie Iino
智絵 飯野
浩介 盛田
Kosuke Morita
浩介 盛田
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Abstract

【課題】 封止用シートを構成する樹脂の流動により、半導体チップの埋め込み不良が発生することを抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】 チップ付きキャリアを準備する工程A、キャリアの外周を取り囲むように配置することが可能であり、且つ、厚さがキャリアの厚さとチップの厚さとの合計よりも薄い枠ジグを準備する工程B、枠ジグによりキャリアの外周が取り囲まれるように、枠ジグとチップ付きキャリアとを配置する工程C、平面視での形状が、少なくともキャリア内に収まる形状の封止用シートを準備する工程D、工程C及び工程Dの後、半導体チップの上に封止用シートを配置する工程E、半導体チップを封止用シートに埋め込み、半導体チップが封止用シートに埋め込まれた封止体を形成する工程Fとを含む半導体装置の製造方法。【選択図】 図8

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
近年、基板上に配置された半導体チップ上に封止用シートを配置し、所定条件でプレスすることにより、半導体チップを封止用シートに埋め込み、半導体チップが封止された半導体装置を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記半導体装置の製造方法においては、通常、基板上に複数の半導体チップを、間隔をあけて配置し、封止用シートにより一括封止する。
特開2013−7028号公報
しかしながら、上述したような方法により半導体装置を製造する場合、半導体チップの封止用シートへの埋め込みの際に、封止用シートを構成する樹脂が平面方向に流動する。そのため基板の外周近辺では、埋め込みのための充分な圧力が得られない場合がある。そのため、半導体チップの埋め込み不良が発生するといった問題がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、封止用シートを構成する樹脂の流動により、半導体チップの埋め込み不良が発生することを抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、半導体装置の製造方法であって、
キャリアと前記キャリア上に固定された半導体チップとを有するチップ付きキャリアを準備する工程A、
前記キャリアの外周を取り囲むように配置することが可能であり、且つ、厚さが前記キャリアの厚さと前記チップの厚さとの合計よりも薄い枠ジグを準備する工程B、
前記枠ジグにより前記キャリアの外周が取り囲まれるように、前記枠ジグと前記チップ付きキャリアとを配置する工程C、
平面視での形状が、少なくとも前記キャリア内に収まる形状の封止用シートを準備する工程D、
前記工程C及び前記工程Dの後、前記半導体チップの上に前記封止用シートを配置する工程E、
前記半導体チップを前記封止用シートに埋め込み、前記半導体チップが前記封止用シートに埋め込まれた封止体を形成する工程Fとを含むことを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、枠ジグによりキャリアの外周が取り囲まれるように、前記枠ジグと前記チップ付きキャリアとを配置する(工程C)。その後、前記半導体チップを封止用シートに埋め込み、前記半導体チップが前記封止用シートに埋め込まれた封止体を形成する(工程F)。
工程Fにおいては、埋め込み時の圧力により封止用シートを構成する樹脂が平面方向に流動する。しかしながら、枠ジグがチップ付きキャリアの外周を取り囲むように配置されているため、枠ジグが配置されている部分に前記樹脂が逃げることはない。従って、キャリアの外周近辺でも、半導体チップを埋め込むための充分な圧力が得られる。その結果、外周近辺の半導体チップの埋め込みを良好とすることができる。
前記構成において、前記工程Fは、平板プレスにより前記封止体を形成する工程であることが好ましい。
前記構成において、前記枠ジグは、2つの部材からなり、
前記工程Cは、前記チップ付きキャリアを所定位置に配置した後、互いに異なる方向から前記2つの部材を前記チップ付きキャリアに近づけて、前記キャリアの外周を取り囲むように配置する工程であることが好ましい。
この場合、工程Cにおける前記枠ジグと前記チップ付きキャリアとの配置が容易となる。
本発明によれば、キャリアの外周近辺の半導体チップの埋め込みを良好とすることが可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面模式図であり、(b)は、その正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面模式図である。 (a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面模式図であり、(b)は、その正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。 (a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面模式図であり、(b)は、その正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための正面断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、
キャリアと前記キャリア上に固定された半導体チップとを有するチップ付きキャリアを準備する工程A、
前記キャリアの外周を取り囲むように配置することが可能であり、且つ、厚さが前記キャリアの厚さと前記チップの厚さとの合計よりも薄い枠ジグを準備する工程B、
前記枠ジグにより前記キャリアの外周が取り囲まれるように、前記枠ジグと前記チップ付きキャリアとを配置する工程C、
平面視での形状が、少なくとも前記キャリア内に収まる形状の封止用シートを準備する工程D、
前記工程C及び前記工程Dの後、前記半導体チップの上に前記封止用シートを配置する工程E、
前記半導体チップを前記封止用シートに埋め込み、前記半導体チップが前記封止用シートに埋め込まれた封止体を形成する工程Fとを少なくとも含む。
以下では、まず、本発明のキャリアが、支持体と仮固定用シートとが積層された構成である場合についての実施形態について説明する。
図1〜図10は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図である。
[チップ付きキャリア準備工程(工程A)]
図1(a)には、本実施形態に係るチップ付きキャリアの平面模式図を示しており、図1(b)には、その正面断面図を示している。本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、まず、図1(a)及び図1(b)に示すように、キャリア11とキャリア11上に固定された半導体チップ16とを有するチップ付きキャリア10を準備する。
半導体チップ16の配置のレイアウトや配置数は、キャリア11の形状やサイズ、目的とするパッケージの生産数などに応じて適宜設定することができ、例えば、複数行で、かつ複数列のマトリックス状に整列させて配置することができる。本実施形態では、図面の都合上、キャリア11上に4行4列で16個の半導体チップ16が固定されている場合について説明する。ただし、製造効率の観点から、1つのキャリア上にできるだけ多くの半導体チップを固定することが好ましい。そのため、キャリア11の外周11a近辺まで半導体チップが配置されていることが好ましい。
(キャリア)
キャリア11は、強度母体となる支持体14と仮固定用シート12とが積層された構成である。本実施形態では、キャリア11の平面視形状は、矩形状である。
(仮固定用シート)
仮固定用シート12としては、発泡剤を含有する熱膨張性粘着シートや、イミド基を有し、且つ、少なくとも一部にエーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位を有する熱剥離シートを採用することができる。前記熱膨張性粘着シート、及び、前記熱剥離シートは、常温(23℃)では粘着力があり、所定温度以上に加熱することにより粘着力が低下し、剥離性を呈するシートである。前記熱膨張性粘着シートに関しては、例えば、特開2010−129700号公報に熱膨張性粘着剤層として詳細に説明されている。また、前記熱剥離シートに関しては、特開2013−153122号公報等に詳細に記載されている。従って、ここでの説明は省略する。
なお、仮固定用シート12は、上述した例に限定されず、封止体形成までは半導体チップ16を固定でき、封止体の形成後は、封止体から剥離できるものであれば特に限定されない。例えば、紫外線照射前は粘着力があり、紫外線照射後は、粘着力が低下し、剥離性を呈する紫外線硬化型の粘着シートであってもよい。
(支持体)
支持体14は、キャリア11の強度母体となる薄板状部材である。支持体14の材料としては取り扱い性や耐熱性等を考慮して適宜選択すればよく、例えばSUS等の金属材料、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等のプラスチック材料、ガラス、シリコンウェハ等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性や強度、再利用可能性等の観点から、ガラス、又は、SUSプレートが好ましい。
支持体14の厚さは目的とする強度や取り扱い性を考慮して適宜選択することができ、好ましくは100〜5000μmであり、より好ましくは300〜2000μmである。
(キャリアの形成方法)
キャリア11は、支持体14上に仮固定用シート12を形成することにより得られる。例えば、仮固定用シート12として熱膨張性粘着剤層を採用する場合、熱膨張性粘着剤層は、粘着剤と、発泡剤(熱膨張性微小球など)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤、発泡剤(熱膨張性微小球など)、および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、支持体14上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して熱膨張性粘着剤層を形成し、これを支持体14上に転写(移着)する方法などにより、熱膨張性粘着剤層を形成することができる。
本実施形態に係るチップ付きキャリア準備工程では、キャリア11の仮固定用シート12上に複数の半導体チップ16をその回路形成面16aが仮固定用シート12に対向するように配置し、仮固定する(図1(a)及び図1(b)参照)。半導体チップ16の仮固定には、フリップチップボンダーやダイボンダーなどの公知の装置を用いることができる。以上により、チップ付きキャリア10か得られる。
以上、チップ付きキャリア準備工程の一例を示した。
[枠ジグを準備する工程(工程B)]
図2には、本実施形態に係る枠ジグの平面模式図を示している。本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、図2に示すように、枠ジグ20を準備する。
(枠ジグ)
枠ジグ20は、平面視でL字状の部材20aと部材20bとからなる。枠ジグ20は、部材20aと部材20bとを組み合わせることにより、額縁状の形状とすることができる(図5(a)参照)。枠ジグ20は、部材20aと部材20bとを額縁状の形状となるように組み合わせた際に、平面視で枠ジグ20の内周の形状(図5(a)における枠ジグ20の内周の形状)がキャリア11の外周11aの形状と同一となるように設計されている。
また、枠ジグ20の厚さは、キャリア11の厚さと同一程度である。枠ジグ20がキャリア11の厚さと同一程度の厚さを有するため、半導体チップ16を封止用シート40(図7参照)に埋め込む際、封止用シート40を構成する樹脂の平面方向への流動による埋め込み時の圧力低下をより抑制することができる。
ただし、本発明において、枠ジグの厚さは、この例に限定されず、チップ付きキャリアの厚さ、すなわち、キャリアの厚さと半導体チップの厚さとの合計よりも薄ければよい。例えば、枠ジグの厚さは、キャリアの厚さよりも厚く、且つ、キャリアの厚さと半導体チップの厚さとの合計よりも薄くてもよい。この場合、封止用シートを構成する樹脂の平面方向への流動による埋め込み時の圧力低下をより抑制することができる。また、枠ジグの厚さは、キャリアの厚さよりも薄くてもよい。キャリアの厚さよりも薄くても枠ジグが存在していることにより、存在しない場合に比較して、封止用シートを構成する樹脂の平面方向への流動による埋め込み時の圧力低下を抑制することができる。
枠ジグ20の材質としては、特に限定されないが、封止体を形成する工程(工程F)において変形しないものが好ましく、例えば、ステンレス、鋼(スチール)、黄銅等を採用することができる。
[枠ジグとチップ付きキャリアとを配置する工程(工程C)]
工程A及び工程Bの後、枠ジグ20によりキャリア11の外周が取り囲まれるように、枠ジグ20とチップ付きキャリア11とを配置する(工程C)。この点について、以下、図3〜図5を用いて説明する。
工程Cにおいては、まず、図3(a)及び図3(b)に示すように、チップ付きキャリア11を平板プレス機の下側加熱板32上に配置する。この際、半導体チップ16が仮固定された面を上にし、支持体14が下側加熱板32に接するように配置する。
次に、図4に示すように、枠ジグ20を構成する部材20aと部材20bとを、チップ付きキャリア11を挟んで互いに反対側からチップ付きキャリア11に近づける。この際、部材20aと部材20bとで額縁状の形状となるように近づけて、組み合わせる。そうすると、図5(a)及び図5(b)に示すように、組み合わせられて額縁状となった枠ジグ20の内周がキャリア11の外周に接して取り囲まれるように、枠ジグ20とチップ付きキャリア11とが配置される。
この状態で、部材20aと部材20bとがキャリア11から離れないように固定する。例えば、圧力シリンダー等を用いて部材20a、及び、部材20bをキャリア11側に押しつけることとしてもよく、部材20aと部材20bとに係止部を設けて互いを係止して固定することとしてもよい。
本実施形態では、チップ付きキャリア11を下側加熱板32上(本発明の所定位置に相当)に配置した後、互いに異なる方向から枠ジグ20を構成する部材20aと部材20bをチップ付きキャリア11に近づけて、枠ジグ20とチップ付きキャリア11とを配置する場合について説明した。しかしながら、本発明において、枠ジグとチップ付きキャリアとの配置方法、すなわち、工程Cは、この例に限定されない。例えば、平板熱プレス機以外の場所で、枠ジグによりキャリアの外周が取り囲まれるように、枠ジグとチップ付きキャリアとを配置し、その後、枠ジグで外周が取り囲まれたチップ付きキャリアを所定位置(平板熱プレス機の下側加熱板上)に配置してもよい。
また、所定位置に先に、枠ジグを配置しておき、その後、チップ付きキャリアを配置してもよい。この場合、枠ジグを予め額縁状となるように組み合わせた状態として所定位置に配置しておき、その後、枠ジグ内に嵌めこむようにチップ付きキャリアを配置してもよい。また、枠ジグを構成する2つの部材を、少し間隔をあけて配置した後、2つの部材の間にチップ付きキャリアを配置し、その後、2つの前記部材をチップ付きキャリアに近づく方向に移動させて、額縁状の枠ジグの内周がキャリアの外周に接して取り囲まれるように、枠ジグとチップ付きキャリアとを配置してもよい。
[封止用シートを準備する工程(工程D)]
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、図6に示すように、封止用シート40を準備する(工程B)。封止用シート40は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの剥離ライナー41上に積層された状態で準備してもよい。
(封止用シート)
封止用シート40は、平面視での形状が、チップ付きキャリア10を全て覆う形状である。本実施形態では、封止用シート40の平面視での形状がチップ付きキャリア10を全て覆い、且つ、枠ジグ20の一部を覆う形状である場合について説明する。ただし、本発明はこの例に限定されず、封止用シートの平面視での形状は、チップ付きキャリアを全て覆っていればよく、チップ付きキャリアと同一の形状であってもよい。
封止用シートの平面視での形状が、チップ付きキャリアを全て覆っていれば、工程Fにおいて、埋め込み時の圧力により封止用シートを構成する樹脂が平面方向に流動しても、キャリアの外周近辺において、半導体チップを埋め込むための充分な圧力を確保できる。
封止用シート40の構成材料は、エポキシ樹脂、及び、硬化剤としてのフェノール樹脂を含むことが好ましい。これにより、良好な熱硬化性が得られる。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂の硬化後の靭性及びエポキシ樹脂の反応性を確保する観点からは、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃の常温で固形のものが好ましく、なかでも、信頼性の観点から、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
前記フェノール樹脂は、エポキシ樹脂との間で硬化反応を生起するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが用いられる。これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂との反応性の観点から、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましく、なかでも硬化反応性が高いという観点から、フェノールノボラック樹脂を好適に用いることができる。また、信頼性の観点から、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものも好適に用いることができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基の合計が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2当量である。
封止用シート40中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、2.5重量%以上が好ましく、3.0重量%以上がより好ましい。2.5重量%以上であると、半導体チップ16に対する接着力が良好に得られる。封止用シート40中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。20重量%以下であると、吸湿性を低減できる。
封止用シート40は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。これにより、未硬化時のハンドリング性や、硬化物の低応力性が得られる。
前記熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBTなどの飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、低応力性、低吸水性という観点から、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
封止用シート40中の熱可塑性樹脂の含有量は、1.5重量%以上が好ましく、2.0重量%以上がより好ましい。1.5重量%以上であると、柔軟性、可撓性が得られる。封止用シート40中の熱可塑性樹脂の含有量は、6重量%以下が好ましく、4重量%以下がより好ましい。4重量%以下であると、半導体チップ16との接着性が良好である。
封止用シート40は、無機充填剤を含むことが好ましい。
前記無機充填剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種充填剤を用いることができ、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ(溶融シリカや結晶性シリカなど)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素の粉末が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なかでも、線膨張係数を良好に低減できるという理由から、シリカ、アルミナが好ましく、シリカがより好ましい。
シリカとしては、シリカ粉末が好ましく、溶融シリカ粉末がより好ましい。溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末が挙げられるが、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末が好ましい。なかでも、平均粒径が10〜30μmの範囲のものが好ましく、15〜25μmの範囲のものがより好ましい。
なお、平均粒径は、例えば、母集団から任意に抽出される試料を用い、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することにより導き出すことができる。
封止用シート40中の前記無機充填剤の含有量は、封止用シート40全体に対して、75〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは、78〜95重量%である。前記無機充填剤の含有量が封止用シート40全体に対して75重量%以上であると、熱膨張率を低く抑えられることにより,熱衝撃よる機械的な破壊を抑制することができる。その結果、一方、前記無機充填剤の含有量が封止用シート40全体に対して95重量%以下であると、柔軟性、流動性、接着性がより良好となる。
封止用シート40は、硬化促進剤を含むことが好ましい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化を進行させるものであれば特に限定されず、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの有機リン系化合物;2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;などが挙げられる。なかでも、混練時の温度上昇によっても硬化反応が急激に進まず、封止用シート40を良好に作製できるという理由から、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましい。
封止用シート40は、難燃剤成分を含むことが好ましい。これにより、部品ショートや発熱などにより発火した際の、燃焼拡大を低減できる。難燃剤組成分としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化カルシウム、水酸化スズ、複合化金属水酸化物などの各種金属水酸化物;ホスファゼン系難燃剤などを用いることができる。
少量でも難燃効果を発揮するという観点から、ホスファゼン系難燃剤に含まれるリン元素の含有率は、12重量%以上であることが好ましい。
封止用シート40中の難燃剤成分の含有量は、全有機成分(無機フィラーを除く)中、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。10重量%以上であると、難燃性が良好に得られる。封止用シート40中の熱可塑性樹脂の含有量は、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましい。30重量%以下であると、硬化物の物性低下(具体的には、ガラス転移温度や高温樹脂強度などの物性の低下)が少ない傾向がある。
封止用シート40は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
封止用シート40中のシランカップリング剤の含有量は、0.1〜3重量%が好ましい。0.1重量%以上であると、硬化物の強度が十分得られ吸水率を低くできる。3重量%以下であると、アウトガス量を低くできる。
封止用シート40は、着色されていることが好ましい。これにより、優れたマーキング性及び外観性を発揮させることができ、付加価値のある外観の半導体装置とすることが可能になる。着色された封止用シート40は、優れたマーキング性を有しているので、マーキングを施し、文字情報や図形情報などの各種情報を付与させることができる。特に、着色の色をコントロールすることにより、マーキングにより付与された情報(文字情報、図形情報など)を、優れた視認性で視認することが可能になる。更に、封止用シート40は、製品別に色分けすることも可能である。封止用シート40を有色にする場合(無色・透明ではない場合)、着色により呈している色としては特に制限されないが、例えば、黒色、青色、赤色などの濃色であることが好ましく、特に黒色であることが好適である。
本実施形態において、濃色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、60以下(0〜60)[好ましくは50以下(0〜50)、さらに好ましくは40以下(0〜40)]となる濃い色のことを意味している。
また、黒色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、黒色において、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10であることが好ましく、より好ましくは−5〜5であり、特に−3〜3の範囲(中でも0又はほぼ0)であることが好適である。
なお、本実施形態において、L***表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L***表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L***)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L***表色系は、日本工業規格では、JISZ 8729に規定されている。
封止用シート40を着色する際には、目的とする色に応じて、色材(着色剤)を用いることができる。本発明の封止用シートは、一層構成であってもよく、複数の層から構成されていてもよいが、少なくとも、仮固定用シートと対向する面とは反対の面側に、着色剤が添加されていることが好ましい。具体的に、封止用シートが1層構成の場合、封止用シート全体に均一に着色剤が含有されていてもよく、仮固定用シートと対向する面とは反対の面側に、着色剤が偏在する態様で着色剤が含有されていてもよい。また、複数の層から構成する場合、仮固定用シートと対向する面とは反対の面側の層に着色剤を添加するとともに、それ以外の層には着色剤を添加しないこととしてもよい。本実施形態では、本発明の封止用シートが1層構成である場合について説明する。封止用シートにおける仮固定用シートと対向する面とは反対の面側に着色剤が添加されていると、レーザーマーキングされた部分の視認性を向上させることができるからである。このような色材としては、黒系色材、青系色材、赤系色材などの各種濃色系色材を好適に用いることができ、特に黒系色材が好適である。色材としては、顔料、染料などいずれであってもよい。色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、染料としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等のいずれの形態の染料であっても用いることが可能である。また、顔料も、その形態は特に制限されず、公知の顔料から適宜選択して用いることができる。
特に、色材として染料を用いると、封止用シート40中には、染料が溶解により均一又はほぼ均一に分散した状態となるため、着色濃度が均一又はほぼ均一な封止用シート40を容易に製造することができ、マーキング性や外観性を向上させることができる。
黒系色材としては、特に制限されないが、例えば、無機の黒系顔料、黒系染料から適宜選択することができる。また、黒系色材としては、シアン系色材(青緑系色材)、マゼンダ系色材(赤紫系色材)およびイエロー系色材(黄系色材)が混合された色材混合物であってもよい。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。もちろん、黒系色材は、黒以外の色の色材と併用することもできる。
具体的には、黒系色材としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾ系顔料(アゾメチンアゾブラックなど)、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。
本発明では、黒系色材としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24等のブラック系染料;C.I.ピグメントブラック1、同7等のブラック系顔料なども利用することができる。
このような黒系色材としては、例えば、商品名「Oil Black BY」、商品名「OilBlack BS」、商品名「OilBlackHBB」、商品名「Oil Black803」、商品名「Oil Black860」、商品名「Oil Black5970」、商品名「Oil Black5906」、商品名「Oil Black5905」(オリエント化学工業株式会社製)などが市販されている。
黒系色材以外の色材としては、例えば、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などが挙げられる。シアン系色材としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45等のシアン系染料;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7等のシアン系顔料などが挙げられる。
また、マゼンダ系色材において、マゼンダ系染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。
マゼンダ系色材において、マゼンダ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
また、イエロー系色材としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等のイエロー系染料;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20等のイエロー系顔料などが挙げられる。
シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材を2種以上用いる場合、これらの色材の混合割合(または配合割合)としては、特に制限されず、各色材の種類や目的とする色などに応じて適宜選択することができる。
なお、封止用シート40には、上記の各成分以外に必要に応じて、他の添加剤を適宜配合できる。
封止用シート40の厚さは、特に限定されないが、少なくとも、半導体チップ16を埋め込む観点から、半導体チップ16の厚さと同一か厚いものが好ましい。封止用シートとして使用する観点から、具体的には、例えば、50μm〜2000μmである。
封止用シート40の製造方法は特に限定されないが、封止用シート40を形成するための樹脂組成物の混練物を調製し、得られた混練物を塗工する方法や、得られた混練物をシート状に塑性加工する方法が好ましい。これにより、溶剤を使用せずに封止用シート40を作製できるので、半導体チップ16が揮発した溶剤により影響を受けることを抑制することができる。
具体的には、後述の各成分をミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などの公知の混練機で溶融混練することにより混練物を調製し、得られた混練物を塗工又は塑性加工によりシート状にする。混練条件として、温度は、上述の各成分の軟化点以上であることが好ましく、例えば30〜150℃、エポキシ樹脂の熱硬化性を考慮すると、好ましくは40〜140℃、さらに好ましくは60〜120℃である。時間は、例えば1〜30分間、好ましくは5〜15分間である。
混練は、減圧条件下(減圧雰囲気下)で行うことが好ましい。これにより、脱気できるとともに、混練物への気体の侵入を防止できる。減圧条件下の圧力は、好ましくは0.1kg/cm以下、より好ましくは0.05kg/cm以下である。減圧下の圧力の下限は特に限定されないが、例えば、1×10−4kg/cm以上である。
混練物を塗工して封止用シート40を形成する場合、溶融混練後の混練物は、冷却することなく高温状態のままで塗工することが好ましい。塗工方法としては特に制限されず、バーコート法、ナイフコート法,スロットダイ法等を挙げることができる。塗工時の温度としては、上述の各成分の軟化点以上が好ましく、エポキシ樹脂の熱硬化性および成形性を考慮すると、例えば40〜150℃、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは70〜120℃である。
混練物を塑性加工して封止用シート40を形成する場合、溶融混練後の混練物は、冷却することなく高温状態のままで塑性加工することが好ましい。塑性加工方法としては特に制限されず、平板プレス法、Tダイ押出法、スクリューダイ押出法、ロール圧延法、ロール混練法、インフレーション押出法、共押出法、カレンダー成形法などなどが挙げられる。塑性加工温度としては上述の各成分の軟化点以上が好ましく、エポキシ樹脂の熱硬化性および成形性を考慮すると、例えば40〜150℃、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは70〜120℃である。
なお、封止用シート40は、適当な溶剤に封止用シート40を形成するための樹脂等を溶解、分散させてワニスを調整し、このワニスを塗工して得ることもできる。
[半導体チップの上に封止用シートを配置する工程(工程E)]
工程C及び工程Dの後、図6に示すように、チップ付きキャリア10の半導体チップ16が仮固定された面上に封止用シート40を配置する。この際、封止用シート40は、平面視で、チップ付きキャリア10を全て覆い、且つ、枠ジグ20の一部を覆うように配置する。
[封止体を形成する工程(工程F)]
次に、図7に示すように、枠ジグ20よりも外周側にスペーサ36を配置し、上側加熱板64を降下させる。スペーサ36は、形成する封止体50(図10参照)の厚さに応じて設定する。その後、図8に示すように、上側加熱板64をスペーサ36の上面まで降下させ、下側加熱板32と上側加熱板64とにより熱プレスして、半導体チップ16を封止用シート40に埋め込み、半導体チップ16が封止用シート40に埋め込まれた封止体50を形成する。封止用シート40は、半導体チップ16及びそれに付随する要素を外部環境から保護するための封止樹脂として機能することとなる。これにより、仮固定用シート12上に仮固定されている半導体チップ16が封止用シート40に埋め込まれた封止体50が得られる。
工程Fにおいては、図8に示すように、埋め込み時の圧力により封止用シート40を構成する樹脂が平面方向に流動する。しかしながら、枠ジグ20がチップ付きキャリア10の外周を取り囲むように配置されているため、枠ジグ20が配置されている部分に前記樹脂が逃げることはない。従って、キャリア11の外周近辺でも、半導体チップ16を埋め込むための充分な圧力が得られる。その結果、外周近辺の半導体チップ16の埋め込みを良好とすることができる。
半導体チップ16を封止用シート40に埋め込む際の熱プレス条件としては、特に限定されないが、温度が、例えば、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、圧力が、例えば、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜8MPaであり、時間が、例えば0.3〜10分間、好ましくは0.5〜5分間である。これにより、半導体チップ16が封止用シート40に埋め込まれた半導体装置を得ることができる。また、封止用シート40の半導体チップ16及び仮固定用シート12への密着性および追従性の向上を考慮すると、減圧条件下においてプレスすることが好ましい。
前記減圧条件としては、圧力が、例えば、0.1〜5kPa、好ましくは、0.1〜100Paであり、減圧保持時間(減圧開始からプレス開始までの時間)が、例えば、5〜600秒であり、好ましくは、10〜300秒である。
工程F(封止体を形成する工程)は、枠ジグが存在しなければ、封止用シートを構成する樹脂が平面方向に流動する可能性のある方法により封止体を形成する工程が挙げられ、例えば、本実施形態のように、平板プレスにより封止体50を形成する工程が挙げられる。
[剥離ライナー剥離工程、トリミング工程]
次に、図9に示すように、剥離ライナー41を剥離する。また、工程Fによってはみ出た樹脂(封止用シート40を構成する樹脂)をトリミングする。
[熱硬化工程]
次に、封止用シート40を熱硬化させる。具体的には、例えば、封止体50全体を加熱する。
熱硬化処理の条件として、加熱温度が好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。一方、加熱温度の上限が、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。加熱時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。一方、加熱時間の上限が、好ましくは180分以下、より好ましくは120分以下である。ただし、仮固定シート12が剥離しない程度の温度、及び、時間とすることが好ましい。また、必要に応じて加圧してもよく、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上である。一方、上限は好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下である。
[仮固定用シート剥離工程]
次に、仮固定用シート12を加熱し、図10に示すように、封止体50から仮固定シート12と支持体14とを剥離する。封止体50から、仮固定シート12と支持体14とを剥離する方法としては、封止体50から、直接、仮固定シート12と支持体14とを剥離してもよく、まず、支持体14のみを剥離し、その後、仮固定シート12を剥離してもよい。いずれも場合であっても、仮固定用シート12を加熱し、粘着力を低下させることで、仮固定用シート12と封止体50との界面での剥離を容易に行うことができる。特に、仮固定シート12は、前記熱硬化工程における加熱では剥離せず、この仮固定用シート剥離工程における加熱において剥離する構成であることが好ましい。
[再配線形成工程]
その後、封止体50の半導体チップ16の回路形成面16aに再配線を形成する再配線形成工程を含むことが好ましい。再配線形成工程では、仮固定用シート12の剥離後、露出した半導体チップ16の回路形成面16aと電気的接続する再配線を封止体上に形成する(図示せず)。
再配線の形成方法としては、例えば、露出している半導体チップ16上へ真空成膜法などの公知の方法を利用して金属シード層を形成し、セミアディティブ法などの公知の方法により、再配線を形成することができる。
かかる後に、再配線及び封止体上へポリイミドやPBOなどの絶縁層を形成してもよい。
[バンプ形成工程]
さらに、形成した再配線上にバンプを形成するバンピング加工を行ってもよい(図示せず)。バンピング加工は、半田ボールや半田メッキなど公知の方法で行うことができる。
[ダイシング工程]
最後に、半導体チップ16、封止用シート40及び再配線などの要素からなる積層体のダイシングを行う(図示せず)。これにより、チップ領域の外側に配線を引き出した半導体装置を得ることができる。
上述した実施形態では、枠ジグが分離可能な部材20aと部材20bの2つの部材から構成されている場合について説明した。しかしながら、本発明において枠ジグは、この例に限定されず、1つの部材で構成されていてもよい。また、分離可能な2以上の部材から構成され、これらを組み合わせて枠ジグとしてもよい。
上述した実施形態では、キャリア11の平面視形状が矩形状である場合について説明した。しかしながら、本発明においてキャリアの形状は特に限定されない。なお、枠ジグは、キャリアの形状に応じて、キャリアの外周が取り囲まれるように設定すればよい。
上述した実施形態では、本発明のキャリアが、支持体と仮固定用シートとが積層された構成である場合について説明した。しかしながら、本発明におけるキャリアはこの例に限定されない。例えば、プリント配線基板等の配線が形成されている配線基板であってもよい。この場合、半導体チップは、キャリアとしての配線基板上に、例えば、フリップチップ接続により接続されていることが好ましい。すなわち、本発明のチップ付きキャリアは、キャリアとしての配線基板と、配線基板上にフリップチップ接続により固定された半導体チップとを有する構成であってもよい。
本発明は、前記工程A〜前記工程Fさえ行なわれればよく、それ以外の工程は任意であり、行なってもよく行なわなくてもよい。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、各例中、部は特記がない限りいずれも重量基準である。
<封止用シートの準備>
以下の成分をミキサーにてブレンドし、2軸混練機により120℃で2分間溶融混練し、続いてTダイから押出しすることにより、厚さ350μmの封止用シートAを作製した。その後、縦240mm、横240mmの矩形にカットした。
エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製、YSLV−80XY(エポキン当量200g/eq.軟化点80℃)) 332.7部
フェノール樹脂:ビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−SS(水酸基当量203g/eq.、軟化点67℃))
351.9部
硬化促進剤:硬化触媒としてのイミダゾール系触媒(四国化成工業(株)製、2PHZ−PW) 11.7部
無機充填剤:球状溶融シリカ粉末(電気化学工業社製、FB−9454、平均粒子径20μm) 8800部
シランカップリング剤:エポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403) 5部
カーボンブラック(三菱化学(株)製、#20) 30部
エラストマー:スチレン‐イソブチレン‐スチレントリブロック共重合体((株)カネカ製、SIBSTAR 072T) 298.4部
<支持体の準備>
支持体Aとして、縦200mm×横200mm、厚さ1.1mmの矩形のガラス板を準備した。
<仮固定シートの準備>
仮固定シートAとして、熱発泡テープ(日東電工社製、製品名:リバアルファ(品番:No.3195V)、厚さ:100μm)を準備した。
<チップ付きキャリアの準備>
仮固定シートAを縦200mm×横200mmの矩形にカットし、支持体Aの上に貼り付け、キャリアAとした。
次に、半導体チップ(7mm角、厚み200μm)を、仮固定シートA上に縦9個×横9個に整列させて仮固定した。なお、半導体チップの間隔(チップの端とチップの端との間隔)は、13mmである。以上によりチップ付きキャリアAを準備した。
<枠ジグの準備>
外周の縦300mm×横300mm、内周の縦200mm×横200mm、厚さが1.2mmの額縁状の枠ジグAを準備した。
[ボイド評価]
(実施例1)
チップ付きキャリアA(縦200mm×横200mm)を、枠ジグA(内周の縦200mm×横200mm)に嵌め込んだ。なお、枠ジグAの厚さとキャリアAの厚さは、ついずれも1.2mmである。
これを平板熱プレス機の下側加熱板上に配置した。
次に、平面視でチップ付きキャリアAの中心と封止用シートAの中心が一致するように、チップ付きキャリアAの半導体チップ上に封止用シートAを裁置した。
次に、下側加熱板上の枠ジグよりも外周側にスペーサを配置した。スペーサの厚さは、1.5mmである。
その後、真空熱プレスを行なった。
真空熱プレスの条件は下記の通りである。
<真空熱プレス条件>
真空プレス装置(商品名「VACUUM ACE」、ミカドテクノス社製)
真空圧力10Pa
プレス圧力3.0MPa
プレス温度90℃
プレス時間5分
次に、真空熱プレスによりはみ出た樹脂(封止用シートを構成する樹脂)をトリミングした。
次に、大気圧下、150℃で1時間の条件で封止用シートAを硬化させた。
次に、175℃に設定したホットプレートを用いて仮固定シートAを加熱し、支持体Aを剥離した。
その後、100℃に設定したホットプレートを用いて仮固定シートAを、封止体から剥離した。以上により、実施例1に係る封止体Aを得た。
封止体Aの裏面外周付近を目視にて観察したところ、ボイドは確認されなかった。
(比較例1)
枠ジグを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして封止体Bを形成した。
封止体Bの裏面外周付近を目視にて観察したところ、ボイドが多数確認された。
10 チップ付きキャリア
11 キャリア
11a (キャリア11の)外周
12 支持体
14 仮固定用シート
16 半導体チップ
16a (半導体チップ16の)回路形成面
20 枠ジグ
20a、20b 枠ジグ20を構成する部材
40 封止用シート
41 剥離ライナー
50 封止体

Claims (3)

  1. キャリアと前記キャリア上に固定された半導体チップとを有するチップ付きキャリアを準備する工程A、
    前記キャリアの外周を取り囲むように配置することが可能であり、且つ、厚さが前記キャリアの厚さと前記チップの厚さとの合計よりも薄い枠ジグを準備する工程B、
    前記枠ジグにより前記キャリアの外周が取り囲まれるように、前記枠ジグと前記チップ付きキャリアとを配置する工程C、
    平面視での形状が、少なくとも前記キャリア内に収まる形状の封止用シートを準備する工程D、
    前記工程C及び前記工程Dの後、前記半導体チップの上に前記封止用シートを配置する工程E、
    前記半導体チップを前記封止用シートに埋め込み、前記半導体チップが前記封止用シートに埋め込まれた封止体を形成する工程Fとを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程Fは、平板プレスにより前記封止体を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記枠ジグは、2つの部材からなり、
    前記工程Cは、前記チップ付きキャリアを所定位置に配置した後、互いに異なる方向から前記2つの部材を前記チップ付きキャリアに近づけて、前記キャリアの外周を取り囲むように配置する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
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