JP2015219768A - 情報処理システム、記憶媒体及び情報処理方法 - Google Patents

情報処理システム、記憶媒体及び情報処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザのコンテキストに応じた個人向けのサービスを提供することが可能な、情報処理システム、記憶媒体及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】ユーザを認識する認識部と、前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、を備える情報処理システム。
【選択図】図1

Description

本開示は、情報処理システム、記憶媒体及び情報処理方法に関する。
近年、ショッピングモール、空港、駅、役所などの多く施設に、サイネージ端末が普及しつつある。サイネージ端末は、広告、天気情報、案内図などの各種情報を表示することで、道行く人々に多様な利便性を提供している。このようなサイネージ端末を用いて、ユーザにさらなる利便性を提供するため、ユーザ個人向けのサービスを提供する技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1には、顔認識によりユーザを認識して、認識したユーザの嗜好に応じたコンテンツをサイネージ端末に表示する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、ユーザの性別や年齢などの属性情報に基づいて、ユーザ個人向けのコンテンツをサイネージ端末に表示する技術が開示されている。
また、下記特許文献3には、ユーザを認証して、ユーザに提供すべき予め登録された情報を、サイネージ端末に表示する技術が開示されている。
特開2013−257697号公報 特開2011−53767号公報 特開2013−238959号公報
しかし、上記特許文献に記載された技術では、ユーザの属性に基づく情報又は事前に登録された情報がサイネージ端末により提供される。このため、ユーザが真に欲している情報であるか否かを問わず、システムに登録された情報が一方的に提供されてしまっていた。そこで、本開示では、ユーザのコンテキストに応じた個人向けのサービスを提供することが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、記憶媒体及び情報処理方法を提案する。
本開示によれば、ユーザを認識する認識部と、前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、を備える情報処理システムが提供される。
また、本開示によれば、コンピュータを、ユーザを認識する認識部と、前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、として機能させるためのプログラムが記憶された記憶媒体が提供される。
また、本開示によれば、ユーザを認識することと、認識されたユーザに固有の固有情報を提供することと、前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう制御することと、を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、ユーザのコンテキストに応じた個人向けのサービスを提供することが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
一実施形態に係る情報提供システムの概要を説明するための図である。 本実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。 本実施形態に係るユーザデバイスの論理的な構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る出力装置の論理的な構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係るサーバの論理的な構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる事前準備処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態に係る情報提供システムによる安全確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る情報提供システムによる事前準備処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.構成例
2−1.全体構成例
2−2.ユーザデバイスの構成例
2−3.出力装置の構成例
2−4.サーバの構成例
3.動作処理
3−1.動作例1
3−2.動作例2
3−3.動作例3
3−4.動作例4
3−5.動作例5
4.まとめ
<1.概要>
近年、様々な情報処理端末の開発及び普及に伴い、アンビエント社会が現実のものとなりつつある。アンビエント社会とは、人間(ユーザ)の周囲のあらゆる場所に情報処理端末が存在し、ユーザが意識せずにそれらの端末を使うことのできる社会である。特に、アンビエント社会では、ユーザによる能動的な操作を要することなく、システム側でユーザのコンテキストをセンシングして、ユーザが欲するサービスを提供することができる。コンテキストとは、例えばユーザの行動履歴、趣味嗜好などのユーザの背景を示す情報、その時々の周囲の環境、周辺で起こった出来事、ユーザの予定などの状況を示す情報などが含まれる情報である。
以下、アンビエント社会において実現され得るサービスの一例を説明する。一例として、外国人旅行者をユーザとして、ユーザが日本に旅行に来た場合に提供されるサービス例を説明する。
例えば、ユーザは、ウェアラブルなユーザデバイスを身に着け、システムとの情報の入出力を行う。ユーザデバイスは、音声の入出力、又は画面表示等が可能であってもよい。システムとは、ユーザデバイス、ユーザの周囲のあらゆる場所に設置される情報処理端末、及びこれらのバックエンドの装置を含む情報処理システムを指す。
ユーザは、例えばスケジュール、食べたい物、禁忌を示す情報を、予めシステムに登録しておく。これにより、ユーザは、スケジュールに沿った道案内サービスの提供を受けたり、現在位置の近く、又はスケジュールが示す経路沿いに位置するレストランの情報の提供を受けたりすることができる。これらの情報の提供は、例えばユーザの母国語によりなされ得る。システムは、レストランの情報の提供に先だって、レストランに設置されたカメラにより空席確認を行ってもよい。また、システムは、ユーザの行先の施設に対して、ユーザの母国語を話すことができるスタッフを配置しておくよう、ユーザの行動に先だって通知してもよい。
また、ユーザは、例えば持病や普段の体温などを示す情報を、予めシステムに登録し得る。システムは、ユーザの体温や心拍数などの生体情報を取得して、ユーザの体調不良を検知し、日本の市販薬を案内したり、周辺の病院を案内したり、スケジュールの変更を提案したりする。また、システムは、例えばユーザに随伴する子供の体調不良を、子供のユーザデバイスから検知して、ユーザに通知してもよい。なお、ユーザがユーザデバイスを取り外した場合、ユーザデバイスは生体情報の変化、及び加速度等の情報に基づいて取り外されたことを検知して、省電力モードに移行してもよい。
また、ユーザは、例えば母国語及び話すことができる言語を示す情報を、予めシステムに登録し得る。ユーザが日本語を話すことができない場合には、システムは、ユーザに対して日本語翻訳サービスを提供する。例えば、ホテルのスタッフもユーザデバイスを装着している場合、ユーザの翻訳後の音声がスタッフの耳元で再生され、スタッフの翻訳後の音声がユーザの耳元で再生され得る。
これらの情報の提供は、音声又は画像によりなされ得るため、ユーザの周囲に他人が存在する場合には、他人にもこれらの情報が流出する可能性がある。また、そもそもこのような情報の提供が不必要な場合もある。このため、システムは、情報の提供の際に、ユーザに対して情報の提供を受けるか否かを問い合わせてもよい。例えば、ユーザは、システムからのサービスの提供を受けることを承認又は拒否するための認証方法を、予めシステムに登録し得る。例えば、いわゆる合言葉のように、システムからの特定の出力に対して、ユーザが特定の入力を行った場合に承認、行わなかった場合に拒否が認識されるよう、システムからの出力とユーザからの入力の組み合わせが、認証方法として登録され得る。なお、システムからの出力を、以下では認証コードとも称し、ユーザからの入力をパスコードとも称する。このような認証コードとパスコードを用いた認証処理を経ることで、例えば路上のサイネージ端末、電車のシートに設置されたディスプレイなどにユーザ個人向けの情報を提供する際に、ユーザのプライバシーを守ったり、不要な情報提供を回避したりすることができる。また、ユーザデバイスに対するログイン処理が、例えばこの認証処理を用いて行われてもよい。なお、例えば自宅やホテルの自室などのプライバシーが守られた環境においては、認証処理が省略されてもよい。
他にも、システムは、ユーザのコンテキストに応じて多様な個人向けのサービスを提供し得る。例えば、システムは、周囲のカメラにより撮像されたユーザの撮像画像に基づいてユーザの視線の先にある視認対象をトラッキングして、視認対象を撮像及び記録して提供する。これにより、例えばユーザがスポーツを鑑賞していた場合には、ユーザが目で追っていた選手の記録映像が提供され得る。
また、ユーザは、荷物を持って移動し得る。システムは、ユーザと荷物とを、例えば周囲に設置されたカメラにより撮像及び認識して関連付ける。これにより、システムは、例えばユーザが荷物を置き忘れた際に警告を発したり、観光前にユーザに対してロッカーの利用を推薦したりする。
以上、アンビエント社会において実現され得るサービスの一例を説明した。本開示では、上記説明した認証処理に関する技術について詳細に説明する。まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報提供システム(情報処理システム)の概要を説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供システム1の概要を説明するための図である。図1に示すように、情報提供システム1は、ユーザデバイス10及び出力装置20を含む。
ユーザデバイス10は、情報提供システム1とユーザとの入出力インターフェースとして機能する装置である。図1に示した例では、ユーザデバイス10は、耳に掛けて装着するウェアラブルデバイスである。ユーザデバイス10は、ユーザの耳元で音声再生可能であり、周囲に聞かれないようユーザに対してだけ音声を再生することができる。同様に、ユーザデバイス10は、ユーザが周囲に分からないよう行う微細な動作を検知可能である。例えば、ユーザデバイス10は、ユーザが上下の歯を噛み合わせて、カチカチと歯を鳴らす音を検知可能である。ユーザデバイス10は、図1に示した例に限らず、例えばHMD(Head Mounted Display)、ヘッドセット、デジタルビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistants)、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置または携帯用ゲーム機器等であってもよい。
出力装置20は、情報提供システム1からユーザへ提供する情報を出力する装置である。図1に示した例では、出力装置20はサイネージ端末であり、画像を用いてユーザへ情報を提供する。出力装置20は、画面に近づいたユーザのユーザデバイス10と通信してユーザを識別し、識別したユーザに提供すべき提供情報の有無を確認する。そして、出力装置20は、認証コードの出力を行い、ユーザからパスコードの入力があった場合に、ユーザによる承認が得られたとして、ユーザへ提供すべき提供情報を出力する。図1に示した例では、出力装置20は、認証コードとして、赤く点滅し、青色に変化して右回りに回転し、最後に黄色に変化してフェードアウトする点を表示する。これに対してユーザは、例えば歯を鳴らして、カチカチと音が鳴るリズムにより構成されるパスコードをユーザデバイス10に入力する。ユーザは、パスコードの入力または非入力によって、情報の提供を受けるか否かを自身で制御することができるので、コンテキストに沿った個人向けの情報提供を選択的に受けることができる。
また、サイネージ端末が個人向けの情報を出力する場合、例えば「山田太郎さん、新着メールがあります」のように、まずどのユーザ宛てであるかを特定してから、情報の通知を行う。このため、このユーザを特定する情報が、周囲の人に見られてしまった場合に、プライバシーを侵害し得る。この点、本実施形態では、ユーザを特定する情報は、認証コードとしてユーザ以外には認識することが困難な形態で出力されるため、プライバシーを守ることができる。
以上、本実施形態に係る情報提供システム1の概要を説明した。続いて、図2〜図5を参照して、本実施形態に係る情報提供システム1の構成例を説明する。
<2.構成例>
[2−1.全体構成例]
図2は、本実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供システム1は、図1を参照して上記説明したユーザデバイス10及び出力装置20に加えて、サーバ30、ユーザ情報DB40、提供情報DB50、ネットワーク60、及び設定用端末70を含む。
(ユーザデバイス10)
ユーザデバイス10は、情報提供システム1からの情報提供をユーザが受けるための、各種情報の入出力及び送受信を行う。例えば、ユーザデバイス10は、出力装置20に対して、ユーザを識別するための識別情報を送信する。また、ユーザデバイス10は、サーバ30に対して、ユーザにより入力されたパスコードを示す情報を送信する。
(出力装置20)
出力装置20は、情報提供システム1から提供される提供情報をユーザに出力する装置である。出力装置20は、そのための情報の送受信及び入出力を行う機能を有する。例えば、出力装置20は、ユーザデバイス10から受信した識別情報をサーバ30に送信する。また、出力装置20は、サーバ30から認証コードを受信して出力し、ユーザによる承認が得られた場合に、サーバ30から提供情報を受信して出力する。
(サーバ30)
サーバ30は、情報提供システム1全体を制御する機能を有する。例えば、サーバ30は、出力装置20から受信したユーザの識別情報を検索キーとして、ユーザ情報DB40から認証コードを取得して出力装置20に出力する。そして、サーバ30は、ユーザデバイス10から受信したパスコードが、予めユーザ情報DB40に登録されたものと一致するか否かを照合する。また、サーバ30は、ユーザの識別情報を検索キーとして、提供情報DB50からユーザに提供すべき提供情報を取得して、出力装置20に出力する。
(ユーザ情報DB40)
ユーザ情報DB40は、ユーザに関するユーザ情報を記憶する機能を有する。ユーザ情報は、例えば、認証コードとパスコードの組み合わせから成る認証情報、年齢や性別、家族関係等の属性情報、母国語や話すことが可能な言語を示す言語情報など、多様な情報を含み得る。認証情報は、各ユーザに固有なものであってもよい。他にも、ユーザ情報DB40は、出力装置20の設置位置や仕様を示す情報を記憶してもよく、また、ユーザが所有する出力装置20の情報を、例えばユーザの識別情報と出力装置20の識別情報とを紐付けることで記憶してもよい。また、ユーザ情報は、ユーザの自宅や宿泊するホテルの部屋などの、ユーザがプライバシーを守ることが可能な場所の位置情報を含んでいてもよい。ユーザ情報DB40は、ユーザの識別情報に対応付けて1つ以上のユーザ情報を記憶する。
(提供情報DB50)
提供情報DB50は、ユーザに提供すべき提供情報を記憶する機能を有する。提供情報は、例えば、道案内のための情報、レストラン情報、天候情報、病院の情報、乗物の時刻表情報など、多様な情報を含み得る。提供情報DB50は、ユーザの識別情報に対応付けて1つ以上の提供情報を記憶する。
(ネットワーク60)
ネットワーク60は、ネットワーク60に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。ネットワーク60は、例えばLAN(Local Area Network)や電話回線、インターネット、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)等により構成される。
(設定用端末70)
設定用端末70は、情報提供システム1に対して各種情報を設定するための装置である。例えば、ユーザは、ユーザ情報を、設定用端末70を介して入力する。また、情報提供システム1の運用者が、各ユーザへの提供情報を、設定用端末70を介して入力してもよい。
[2−2.ユーザデバイスの構成例]
図3は、本実施形態に係るユーザデバイス10の論理的な構成例を示すブロック図である。図3に示すように、ユーザデバイス10は、無線通信部110、音声入出力部120、位置情報取得部130、センサ部140、及び制御部150を有する。
(1)無線通信部110
無線通信部110は、外部機器との間でのデータの送受信を行う通信モジュールである。無線通信部110は、例えば移動体通信網、無線LAN、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near field communication)等の方式で、外部機器と直接、またはネットワークアクセスポイントを介して無線通信する。
例えば、無線通信部110は、出力装置20との間で無線通信を行う。この無線通信には、例えば赤外線通信、Bluetooth、NFC等の近距離無線通信方式が用いられ得る。この無線通信により、例えば、ユーザデバイス10は、周辺に位置する出力装置20を発見して、ユーザデバイス10を装着するユーザの識別情報を送信する。無線通信部110は、例えば機器発見のための信号を送受信して、発見した出力装置20に対して識別情報を送信する。無線通信部110の近距離無線通信モジュールは、間欠的に通信可能状態になることで、省電力化を実現してもよい。例えば、後述のセンサ部140が有する加速度センサ等により、ユーザが移動状態から静止状態に遷移したことが検出された場合に、無線通信部110は、間欠動作の動作率を上げる等を行うことで、効率的に周辺にある出力装置20を発見することができる。
また、無線通信部110は、サーバ30との間で、例えば移動体通信網、無線LAN、Wi−Fi等の通信方式を用いて、ネットワーク60を介して通信を行う。この通信により、例えばユーザにより入力されたパスコードがサーバ30へ送信され、また、音声入出力部120等を用いてユーザに出力すべき情報がサーバ30から受信され得る。
(2)音声入出力部120
音声入出力部120は、音声を収音する機能と出力する機能とを有する。例えば、音声を収音する機能は、マイクロホンにより実現され、ユーザデバイス10を装着したユーザの音声又は周囲の音声を収音する。例えば、音声入出力部120は、ユーザが上下の歯を噛み合わせて、カチカチと歯を鳴らす音から成るパスコードを収音する。音声入出力部120は、マイクロホンで得られた音声信号を増幅処理するマイクアンプ部やA/D変換器、音声データに対してノイズ除去、音源分離等の処理を行う信号処理回路を有していてもよい。マイクロホンは、例えば骨伝導マイクロホンであってもよい。
一方、音声を出力する機能は、例えばスピーカにより実現され、ユーザデバイス10を装着したユーザの耳元で、システムから供給された音声を出力する。音声入出力部120は、システムから供給された音声データをアナログ音声信号に変換するD/A変換器、音声信号を増幅するアンプ回路を有していてもよい。音声を出力する機能は、例えば骨伝導スピーカにより実現されてもよい。
(3)位置情報取得部130
位置情報取得部130は、ユーザデバイス10の現在位置を示す位置情報を取得する機能を有する。例えば、位置情報取得部130は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、ユーザデバイス10が存在している位置を検知し、検知した位置情報を出力する。なお、位置情報取得部130は、外部からの取得信号に基づいてユーザデバイス10の位置を検知する位置情報取得部の一例であって、本実施形態による位置情報取得部の例はこれに限定されない。例えば、位置情報取得部は、Wi−Fi、携帯電話・PHS・スマートフォン等との送受信、または近距離通信等により位置を検知するものであってもよい。
(4)センサ部140
センサ部140は、ユーザの動作や状態を取得する機能を有する。例えば、センサ部140は、カメラ、赤外線センサ、光線センサなどのユーザ及びユーザの周囲の状態を観測対象とするセンサにより実現され得る。他にも、センサ部140は、筋電センサ、神経センサ、脈拍センサ、体温センサなどの、ユーザの生体情報を取得するセンサにより実現され得る。また、センサ部140は、ジャイロセンサ、加速度センサなどの、ユーザの動作情報を取得するセンサにより実現され得る。
(5)制御部150
制御部150は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってユーザデバイス10内の動作全般を制御する。制御部150は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。なお、制御部150は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
例えば、本実施形態に係る制御部150は、無線通信部110を制御して、周辺に位置する出力装置20へユーザの識別情報を送信する。また、制御部150は、ユーザからのパスコードの入力を受け付けるよう音声入出力部120を制御し、入力されたパスコードをサーバ30へ送信するよう無線通信部110を制御する。パスコードは、歯の音に限らず、例えば舌を鳴らす音やジェスチャ、表情等であってもよい。パスコードとして検出すべき情報の種別(歯の音/舌の音等)、及び検出する期間がサーバ30から通知されてもよく、制御部150は、この通知に基づいてパスコードを検出し得る。この期間は、認証コードが出力されている期間と同じであってもよい。
[2−3.出力装置の構成例]
図4は、本実施形態に係る出力装置20の論理的な構成例を示すブロック図である。図4に示すように、出力装置20は、通信部210、出力部220、及び制御部230を有する。
(1)通信部210
通信部210は、外部機器との間でのデータの送受信を有線又は無線で行う通信モジュールである。通信部210は、例えば移動体通信網、無線LAN、Wi−Fi、赤外線通信、Bluetooth、NFC等の方式で、外部機器と直接、またはネットワークアクセスポイントを介して無線通信する。
例えば、通信部210は、ユーザデバイス10との間で無線通信を行う。この無線通信には、例えば赤外線通信、Bluetooth、NFC等の近距離無線通信方式が用いられ得る。この無線通信により、例えば出力装置20の近くに位置するユーザデバイス10からユーザの識別情報が受信される。通信部210は、例えば機器発見のための信号を送受信して、所定距離内に発見したユーザデバイス10から識別情報を受信する。近接無線通信モデムは、常時通信可能状態となっていてもよい。なお、通信部210の近距離無線通信用アンテナは、出力装置20の表示画面方向に強い指向性を有していてもよい。この場合、出力装置20は、出力装置20の後ろや横に位置し、表示画面から情報提供を受けることが困難な位置にいるユーザのユーザデバイス10との通信、及び情報の提供を回避することができる。これにより、出力装置20は、表示画面から情報提供を受けることが容易な、出力装置20の前面にいるユーザのユーザデバイス10との通信、及び情報の提供に集中することが可能となる。
また、通信部210は、サーバ30との間で、例えば移動体通信網、有線LAN、無線LAN、Wi−Fi、電話回線等の有線又は無線の通信方式を用いて、ネットワーク60を介して通信を行う。この通信により、例えば出力装置20の前面にいるユーザの識別情報がサーバ30へ送信され、また、認証コード及び提供情報がサーバ30から受信される。
(2)出力部220
出力部220は、映像、画像、音声などによって、サーバ30から受信した情報を出力する。出力部220は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)装置、スピーカ等により実現される。
例えば、出力部220は、ユーザに固有の認証コード(固有情報)を提供する提供部として機能し得る。認証コードは、ユーザにより予め設定された出力パターンであり、その内容は多様に考えられる。例えば、認証コードは、図1を参照して上記説明したように、赤く点滅し、青色に変化して右回りに回転し、最後に黄色に変化してフェードアウトする点の画像であってもよい。他にも、認証コードは、例えば短いメロディ(ジングル)等の音声、ユーザが座っている座席の振動パターンなどであってもよい。また、他の人に聞こえない程度の小さい音又は指向性を有して再生されれば、ユーザの名前等が認証コードとして再生されてもよい。提供される認証コードは、認証コードであること自体を認識することが困難、あるいは、認証コードを設定したユーザ以外に、認証コードが誰に対するものであるかを認識することが困難な形態である。このため、衆人環視の状況下で出力装置20に認証コードが出力されたとしても、ユーザのプライバシーが保護される。
例えば、出力部220は、ユーザへの提供情報を提供する提供部としても機能し得る。提供情報は、例えば文字等を含む画像として出力されてもよいし、音声で出力されてもよい。なお、認証コードを提供する出力部220と、提供情報を提供する出力部220とが、出力装置20内で分かれていてもよい。また、異なる出力装置20が、それぞれ認証コード、提供情報を出力してもよい。
(3)制御部230
制御部230は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って出力装置20内の動作全般を制御する。制御部230は、例えばCPU、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。なお、制御部230は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMを含んでいてもよい。
例えば、本実施形態に係る制御部230は、通信部210を制御して、出力装置20の前方に位置するユーザデバイス10からユーザの識別情報を受信する。また、制御部230は、通信部210を制御して、ユーザの識別方法をサーバ30へ送信してサーバ30から認証コードを受信し、出力部220を制御して認証コードを出力する。ユーザの承認が得られた場合、制御部230は、通信部210を制御してサーバ30から提供情報を受信し、出力部220を制御して提供情報を出力する。
[2−4.サーバの構成例]
図5は、本実施形態に係るサーバ30の論理的な構成例を示すブロック図である。図5に示すように、サーバ30は、通信部310、及び制御部320を有する。
(1)通信部310
通信部310は、外部機器との間でのデータの送受信を有線又は無線で行う通信モジュールである。通信部310は、例えば移動体通信網、無線LAN、Wi−Fi、赤外線通信、Bluetooth、NFC等の方式で、外部機器と直接、またはネットワークアクセスポイントを介して無線通信する。
例えば、通信部310は、出力装置20から受信したユーザの識別情報をユーザ情報DB40へ転送し、ユーザ情報DB40から受信した認証コードを出力装置20へ転送する。また、通信部310は、ユーザデバイス10から受信したパスコードをユーザ情報DB40へ転送する。また、通信部310は、提供情報DB50から受信して提供情報を、出力装置20へ転送する。なお、通信部310を、認証コードおよび提供情報をユーザに提供する提供部として捉えることも可能である。
(2)制御部320
制御部320は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってサーバ30内の動作全般を制御する。制御部320は、例えばCPU、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。なお、制御部320は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMを含んでいてもよい。図5に示すように、制御部320は、認識部322及び出力制御部324として機能し得る。
(2−1)認識部322
認識部322は、ユーザを認識する機能を有する。例えば、認識部322は、出力装置20を介してユーザデバイス10から受信される識別情報に基づいて、ユーザを認識する。他にも、認識部322は、例えば出力装置20のカメラにより撮像された、出力装置20の前方に位置するユーザの撮像画像を顔認識することで、ユーザを認識してもよい。また、認識部322は、出力装置20へタッチしたユーザの指紋や、人体通信、ボディエリアネットワーク等の技術を用いてユーザを認識してもよい。認識部322がユーザを認識することにより、情報提供システム1は、ユーザに対応する認証コードを出力したり、提供情報を出力したりすることが可能となる。
特に、認識部322は、提供情報の提供先である出力装置20から、提供情報を認識可能な範囲に位置するユーザを認識する。例えば、認識部322は、出力装置20の表示画面方向に強い指向性を有する近距離無線通信用アンテナにより受信されたユーザデバイス10からの信号に基づくことで、出力装置20の前面にいるユーザを認識する。他にも、例えば認識部322は、出力装置20からの距離が短いユーザを、提供情報を認識可能なユーザとして認識してもよい。出力装置20とユーザとの距離は、例えば出力装置20におけるユーザデバイス10から送信された無線信号の受信強度又は到達遅延量などに基づいて算出され得る。
また、認識部322は、ユーザの行動が予め設定された行動パターン(パスコード)と一致するか否かに基づいて、ユーザによる承認を認識する。認識部322は、通信部310によりユーザデバイス10から受信されたパスコードをユーザ情報DB40に送信して、ユーザ情報DB40に登録されたパスコードと一致するか否かを照合する。そして、認識部322は、一致する場合にユーザによる承認が得られたと認識し、一致しない場合に拒否されたと認識する。例えば、認識部322は、ユーザの歯の音に基づいて、ユーザによる承認を認識する。詳しくは、認識部322は、歯の音のカチカチというリズムが、ユーザ情報DB40に登録されたリズムと一致するか否かを照合することにより、ユーザの承認を認識する。
認識部322は、複数のユーザを認識してもよい。例えば、出力装置20の周辺にユーザデバイス10を個々に装着した複数のユーザがいる場合、各ユーザデバイス10から出力装置20を介して受信した識別情報に基づいて、各ユーザを認識する。
(2−2)出力制御部324
出力制御部324は、認識部322により認識されたユーザに対応する認証コードを提供するよう出力装置20を制御する機能を有する。例えば、出力制御部324は、認識部322により認識されたユーザの識別情報を検索キーとして、ユーザに提供すべき提供情報が提供情報DB50に記憶されているか否かを検索する。提供すべき提供情報がある場合、出力制御部324は、ユーザ情報DB40から認証コードを取得して、認証コードを出力するよう出力装置20を制御する。
なお、認証コードは、ユーザごとに複数設定されてもよく、例えば、出力制御部324は、提供情報の緊急度や重要度などにより定まる優先度に応じて、対応する認証コードを出力装置20に出力させてもよい。この場合、ユーザは、詳細な中身を見ることなく、また、他人にはそれが示す意味を認識することが困難な認証コードによって、提供情報の優先度を知得することが可能となる。
また、出力制御部324は、認識部322により認識されたユーザによる承認に応じて、ユーザへの提供情報を提供するよう出力装置20を制御する制御部としての機能を有する。出力制御部324は、認識部322によりユーザの承認が認識された場合、提供情報DB50から提供情報を取得して、出力装置20へ転送する。
出力制御部324は、認識部322により複数のユーザが認識された場合、出力装置20による各ユーザへの提供情報の提供形態を制御する。例えば、出力制御部324は、出力装置20と認識された各ユーザとの距離及び提供情報の優先度に基づいて、提供情報の提供対象となるユーザを選択して、選択したユーザに対する認証処理及び提供情報の出力を行ってもよい。例えば、出力制御部324は、より距離が近いユーザであって、より優先度の高い提供情報があるユーザに対してのみ、認証コードの出力及び提供情報の出力を行う。他にも、出力制御部324は、ユーザによる承認が得られた順に提供情報が提供されるよう提供順序を制御してもよい。例えば、出力制御部324は、パスコードの照合に成功したユーザの順に、提供情報を出力してもよい。この場合、ユーザは、出力装置20を占有して提供情報の提供を受けることができる。出力制御部324は、認証コードの出力をユーザごとに順番に行ってもよく、認証コードが出力されている間にパスコードの照合に成功したユーザへ提供情報を出力してもよい。
ここで、出力制御部324は、認証コードの提供、及びパスコードの入力を用いたユーザによる承認を含む認証処理を、所定条件下で省略してもよい。出力制御部324は、プライバシー侵害の可能性が低い場合に認証処理を省略することで、提供情報の提供をより簡易に行うことができる。
例えば、出力制御部324は、出力装置20がユーザに紐付けられているか否かに基づいて、認証処理を省略するか否かを判定してもよい。例えば、出力装置20がユーザ自身又は家族の所有物である等、安全な機器であるとしてユーザに紐付けて事前登録されている場合、出力制御部324は、認証処理を省略してもよい。出力制御部324は、ユーザ情報DB40を参照して、出力装置20がユーザに紐付けられているか否かを判定する。
例えば、出力制御部324は、出力装置20の位置とユーザとの関係性に基づいて、認証処理を省略するか否かを判定してもよい。例えば、出力装置20がユーザの自宅に位置する場合や、ユーザが宿泊するホテルの自室に位置する場合には、出力制御部324は、認証処理を省略してもよい。出力制御部324は、ユーザ情報DB40を参照して、出力装置20の位置がユーザにとってプライバシーを守ることのできる場所であるか否かを判定する。
例えば、出力制御部324は、ユーザの周辺に位置する人物の属性情報に基づいて、認証処理を省略するか否かを判定してもよい。例えば、ユーザの周辺に位置する他のユーザが、ユーザの家族や親しい友人である場合には、出力制御部324は、認証処理を省略してもよい。出力制御部324は、ユーザ情報DB40を参照して、ユーザ間の人間関係を取得してもよい。また、出力制御部324が認証処理を省略するか否かを判定する根拠となる他のユーザの属性情報として、その人物が理解可能な言語を示す言語情報が含まれていてもよい。例えば、ユーザへの提供情報が日本語であり、ユーザの周辺に位置する人物が日本語を理解することができない場合には、出力制御部324は、認証処理を省略してもよい。
また、出力制御部324は、出力装置20の周辺の状況に応じて、提供情報を加工してもよい。例えば、出力制御部324は、出力装置20の周囲に他の人物がいる場合、提供情報のうち、ユーザに関する個人情報を隠蔽して提供するよう出力装置20を制御する。例えば、出力制御部324は、ユーザの名前や住所等の個人情報を伏せ字にするよう提供情報を加工する。また、出力制御部324は、ユーザからの指示に基づいて、隠蔽された個人情報を開示するよう出力装置20を制御してもよい。例えば、出力制御部324は、伏せ字にしていた内容を、ユーザ指示に基づいて元の内容に復元する。例えば、認識部322は、隠蔽された個人情報の開示を求めるユーザ指示を、例えばユーザデバイス10の音声入出力部120又はセンサ部140により取得された情報から認識し得る。このユーザ指示は、他にも出力装置20により受け付けられてもよい。例えばタッチパネルとして形成された出力装置20の表示画面の伏せ字部分がタッチされることにより、ユーザ指示が受け付けられてもよい。
以上、本実施形態に係る情報提供システム1の構成例を説明した。続いて、図6〜図14を参照して、本実施形態に係る情報提供システム1の動作処理例を説明する。
<3.動作処理>
[3−1.動作例1]
本動作例は、ひとりのユーザに対して認証処理を経て提供情報を提供する、基本的な動作例である。情報提供システム1の動作は、ユーザによる事前の情報の登録を受け付ける事前準備処理と、出力装置20に接近したユーザに対して提供情報を提供する情報提供処理とに分かれ得る。以下では、図6、図7を参照して、この事前準備処理及び情報提供処理について、順に説明する。
(事前準備処理)
図6は、本実施形態に係る情報提供システム1による事前準備処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6に示すように、ステップS10で、情報提供システム1は、ユーザID(識別情報)、パスコード、認証コードを登録する。例えば、ユーザは、設定用端末70を操作してこれらの情報を入力して、ユーザ情報DB40が入力された情報を記憶する。ユーザは、パスコードと認証コードとの組み合わせを複数登録してもよく、提供情報の優先度ごとに出力すべき認証コードを指定してもよい。
(情報提供処理)
図7は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図7に示したシーケンスには、ユーザデバイス10、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50が関与する。
図7に示すように、まず、ステップS102で、ユーザデバイス10と出力装置20とは、互いに機器発見を行う。例えば、ユーザデバイス10及び出力装置20は、他方から受信した機器発見のための信号に返信を行うことで、互いに発見し合う。
次いで、ステップS104で、ユーザデバイス10は、ユーザIDを、出力装置20を介してサーバ30へ送信する。
次に、ステップS106で、サーバ30は、ユーザに提供すべき提供情報の有無を提供情報DB50に参照する。例えば、サーバ30は、上記ステップS104において受信したユーザIDを検索キーとして、ユーザデバイス10のユーザ向けの提供情報の有無を提供情報DB50に問い合わせる。ここでは、ユーザに提供すべき提供情報があったものとして説明する。
次いで、ステップS108で、サーバ30は、ユーザ情報DB40を参照して認証コードを取得する。このとき、サーバ30は、提供情報の優先度等に応じた認証コードを取得してもよい。
次に、ステップS110で、サーバ30は、取得した認証コードを出力装置20へ送信する。
次いで、ステップS112で、出力装置20は、受信した認証コードを出力する。このとき、出力装置20は、例えば表示中であるメインコンテンツの邪魔にならないよう、画面の一部領域に認証コードを出力してもよい。認証コードを出力する領域は、目立つ位置にあることが望ましい。ユーザは、出力装置20の画面の一部に表示された自身の認証コードを認識可能である。一方、周囲にいる人には、その表示されたものが、認証コードであること自体を認識することが困難、あるいは、認証コードが誰に対するものであるかを認識することが困難であるため、ユーザのプライバシーが保護される。
次に、ステップS114で、ユーザデバイス10は、ユーザからのパスコードの入力を受け付ける。例えば、ユーザは、出力装置20に出力された認証コードを確認した後、周囲を確認して、提供情報が出力装置20に出力されても問題ないか否かを判断して、パスコードの入力を行う。例えば、ユーザは、予めユーザ情報DB40に登録しておいたリズムに沿って歯を鳴らすことで、パスフレーズを入力する。ユーザデバイス10は、パスフレーズを音声入出力部120により取得する。パスコードの入力は、例えば認証コードの表示期間中にのみ受け付けられてもよい。
次いで、ステップS116で、ユーザデバイス10は、サーバ30へパスコードを通知する。例えば、ユーザデバイス10は、無線通信部110を用いてパスコードをサーバ30へ送信する。ユーザデバイス10は、移動体通信網等を用いて直接的にサーバ30へ送信してもよいし、出力装置20との近接無線通信を介して間接的にサーバ30へ送信してもよい。
次に、ステップS118で、サーバ30は、受信したパスコードを確認する。詳しくは、認識部322は、通信部310によりユーザデバイス10から受信されたパスコードをユーザ情報DB40に転送して、ユーザ情報DB40に登録されたパスコードと一致するか否かを照合する。ここでは、入力されたパスコードと登録されたパスコードが一致し、ユーザによる承認が得られたものとして説明する。
次いで、ステップS120で、サーバ30は、提供情報DB50から提供情報を取得する。詳しくは、出力制御部324は、通信部310を用いて、提供情報DB50からユーザ向けの提供情報を取得する。
次に、ステップS122で、サーバ30は、取得した提供情報を出力装置20へ通知する。
そして、ステップS124で、出力装置20は、サーバ30から受信した提供情報を出力する。これにより、ユーザは、ユーザ自身による承認を経て出力装置20に出力された提供情報を確認することが可能となる。出力装置20は、この間ユーザデバイス10との間で通信を継続しておき、ユーザとの距離が所定距離以上離れたことが近接無線通信技術により検出された場合に、出力装置20は提供情報の出力を停止してもよい。
[3−2.動作例2]
本動作例は、複数のユーザが出力装置20に接近した場合の動作例である。ここでは、ユーザデバイス10Aを装着したユーザA、及びユーザデバイス10Bを装着したユーザBが、出力装置20の画面前方に接近したものとする。以下、図8を参照して、本動作例について説明する。なお、事前準備処理は上記図6を参照して説明した通りであるので、再度の説明は省略し、情報提供処理について説明する。
図8は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図8に示したシーケンスには、ユーザデバイス10A、10B、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50が関与する。
図8に示すように、まず、ステップS202で、ユーザデバイス10Aと出力装置20とが互いに機器発見を行う。また、ステップS204で、ユーザデバイス10Bと出力装置20とが互いに機器発見を行う。
次いで、ステップS206で、ユーザデバイス10Aは、ユーザAのユーザIDを出力装置20へ送信する。同様に、ステップS208で、ユーザデバイス10Bは、ユーザBのユーザIDを出力装置20へ送信する。このとき、出力装置20の制御部230は、通信部210により受信された近接無線通信の無線信号の信号強度、又は無線信号の到達遅延量などに基づいて、出力装置20と各ユーザデバイス10との距離を算出する。
次に、ステップS210で、出力装置20は、受信した各ユーザID、及び算出したユーザデバイス10との距離を示す距離情報を、サーバ30へ送信する。
次いで、ステップS212で、サーバ30は、ユーザに提供すべき提供情報の有無を提供情報DB50に参照する。ここでは、ユーザAとユーザBの両方に、提供すべき情報があったものとして説明する。
次に、ステップS214で、サーバ30は、情報提供の対象者を選択する。詳しくは、出力制御部324は、出力装置20と各ユーザデバイス10との距離、及び各ユーザ向けの提供情報の優先度に基づいて、対象者を選択する。
以降のステップS216〜S232における処理は、図7を参照して上記説明したステップS108〜S124における処理と同様である。図8に示した例では、上記ステップS214において、ユーザAが対象者として選択された場合の、ユーザAに対する認証処理、及び提供情報を出力する処理が示されている。例えば、サーバ30はユーザAの認証コードを取得し(S216)、出力装置20は、ユーザAの認証コードを出力する(S220)。次いで、ユーザデバイス10Aにおいて、ユーザAからのパスコードの入力が受け付けられると(S222)、サーバ30がユーザAのパスコードの照合を行う(S226)。そして、サーバ30は、ユーザAへの提供情報を取得して(S228)、サーバ30はユーザAに対する提供情報を出力する(S232)。
[3−3.動作例3]
本動作例は、複数のユーザが出力装置20に接近した場合の動作例である。ここでは、ユーザデバイス10Aを装着したユーザA、及びユーザデバイス10Bを装着したユーザBが、出力装置20の画面前方に接近したものとする。以下、図9を参照して、本動作例について説明する。なお、事前準備処理は上記図6を参照して説明した通りであるので、再度の説明は省略し、情報提供処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図9に示したシーケンスには、ユーザデバイス10A、10B、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50が関与する。
図9に示すように、まず、ステップS202、S204で、ユーザデバイス10A及び出力装置20は、出力装置20との間で互いに機器発見を行う。次いで、ステップS206、S208で、ユーザデバイス10A及び出力装置20は、それぞれユーザIDを出力装置20へ送信する。
次に、ステップS310で、サーバ30は、ユーザA及びユーザBに提供すべき提供情報の有無を提供情報DB50に参照する。ここでは、ユーザA及びユーザBの双方に提供すべき提供情報があったものとして説明する。
次いで、ステップS312で、サーバ30は、ユーザ情報DB40を参照して、ユーザA及びユーザBの2人分の認証コードを取得する。次に、ステップS314で、サーバ30は、取得した2人分の認証コードを出力装置20へ送信する。次いで、ステップS316で、出力装置20は、受信した2人分の認証コードを出力する。このとき、出力装置20は、各ユーザ向けの提供情報の優先度に応じて、より高い優先度の提供情報に対応する認証コードを、より目立つ位置に表示/より大きな音で再生してもよい。
次に、ステップS318で、ユーザデバイス10Aは、ユーザAからのパスコードの入力を受け付ける。同様に、ステップS320で、ユーザデバイス10Bは、ユーザBからのパスコードの入力を受け付ける。
次いで、ステップS322で、ユーザデバイス10Aは、サーバ30へユーザAのパスコードを通知する。同様に、ステップS324で、ユーザデバイス10Bは、サーバ30へユーザBのパスコードを通知する。
次に、サーバ30は、ステップS326で、ユーザA及びユーザBの2人分のパスコードを確認して、ステップS328で、提供情報DB50から2人分の提供情報を取得し、ステップS330で、取得した2人分の提供情報を出力装置20へ送信する。
そして、ステップS332で、出力装置20は、2人分の提供情報を出力する。このとき、出力装置20は、2人分の提供情報を、例えば表示領域を分けることにより同時に出力してもよい。他にも、出力装置20は、サーバ30からの制御に基づき、ユーザによる承認が得られた順に提供情報を出力してもよい。また、出力装置20は、提供情報のうち個人情報を例えば伏せ字にするよう加工して出力したり、ユーザからの指示に基づいて伏せ字にした個人情報を復元して出力したりしてもよい。
[3−4.動作例4]
本動作例は、ユーザが安全環境にいることを確認して認証処理を省略する場合の動作例である。以下、図10〜図12を参照して、本動作例について説明する。図10は、ひとりのユーザが出力装置20に接近した場合の動作例であり、図11は、複数のユーザが出力装置20に接近した場合の動作例である。なお、事前準備処理は上記図6を参照して説明した通りであるので、再度の説明は省略し、情報提供処理について説明する。
(情報提供処理)
図10は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図10に示したシーケンスには、ユーザデバイス10、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50が関与する。
図10に示すように、まず、ステップS402で、ユーザデバイス10と出力装置20とは、互いに機器発見を行う。次いで、ステップS404で、ユーザデバイス10は、ユーザIDを、出力装置20を介してサーバ30へ送信する。次に、ステップS406で、サーバ30は、ユーザに提供すべき提供情報の有無を提供情報DB50に参照する。
一方で、ステップS408で、ユーザデバイス10は、位置情報を取得する。例えば、ユーザデバイス10は、位置情報取得部130により現在位置を示す位置情報を取得する。そして、ステップS410で、ユーザデバイス10は、取得した位置情報をサーバ30へ送信する。これにより、サーバ30は、ユーザの現在位置を取得可能となる。取得された位置情報は、ユーザ情報DB40に記憶されてもよい。なお、サーバ30がユーザの現在位置を取得する手法は他にも考えられる。例えば、出力装置20とユーザデバイス10とが近距離無線通信を行った場合、ユーザは出力装置20の付近に位置している。このため、サーバ30は、出力装置20の設置位置をユーザの現在位置とみなすことで、位置情報を取得することができる。
そして、ステップS412で、サーバ30は、ユーザ情報DB40を参照して、ユーザの環境が安全な環境であるか否かを確認する。例えば、出力制御部324は、出力装置20がユーザの所有物である等、安全な機器であるとして事前登録されている場合に、安全な環境であると判定する。また、出力制御部324は、ユーザの位置が、例えばユーザの自宅や宿泊するホテルの自室等のプライバシーの観点から安全な場所である場合に、安全な環境であると判定する。このように、安全環境であることが確認された場合、情報提供システム1は、ステップS414〜S418に示すように、認証処理を省略することができる。これにより、例えばユーザが自宅のディスプレイに近づくだけで、認証コードの表示及びパスコードの入力を経ることなく、提供情報が表示される。なお、ステップS414〜S418における処理は、上記図7を参照して説明したステップS120〜S124と同様であるため、再度の説明は省略する。
図11は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図11に示したシーケンスには、ユーザデバイス10A、10B、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50が関与する。
図11示すステップS502〜S510における処理は、図9を参照して上記説明したステップS302〜S310における処理と同様である。また、ステップS512〜S518における処理は、図10を参照して上記説明したステップS408〜S410における処理と同様である。
そして、ステップS520で、サーバ30は、ユーザ情報DB40を参照して、ユーザの環境が安全な環境であるか否かを確認する。例えば、出力制御部324は、ユーザAとユーザBとが家族や親しい友人である場合等、安全な人間関係であるとして事前登録されている場合に、安全な環境であると判定する。このように、安全環境であることが確認された場合、情報提供システム1は、ステップS522〜S526に示すように、認証処理を省略することができる。これにより、例えばユーザが家族と共に自宅のディスプレイに近づくだけで、認証コードの表示及びパスコードの入力を経ることなく、ユーザ及び家族向けの提供情報が表示される。なお、ステップS522〜S526における処理は、上記図9を参照して説明したステップS328〜S332と同様であるため、再度の説明は省略する。
(安全確認処理)
続いて、図12を参照して、上記ステップS412、S520における、出力装置20が安全環境であるか否かをサーバ30が判定するための判定ロジックについて、詳細に説明する。
図12は、本実施形態に係る情報提供システム1による安全確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、まず、ステップS602で、サーバ30は、出力装置20を介してユーザデバイス10からユーザIDを受信する。
次いで、ステップS604で、サーバ30は、出力装置20が個人所有として登録済みであるか否かを判定する。例えば、出力制御部324は、ユーザ情報DB40を参照して、ユーザIDを中継した出力装置20が、個人所有の装置であるとして登録されているか否かを示す情報を取得する。
個人所有として登録済みである場合(S604/YES)、ステップS606で、サーバ30は、受信したユーザIDに出力装置20が紐付けられているか否かを判定する。例えば、出力制御部324は、出力装置20の所有者のユーザIDと、ステップS602において受信したユーザIDとが一致するか否か、又は家族関係等の親しい人間関係にある人物のユーザIDであるかを判定する。
一方で、個人所有として登録されていない場合(S604/NO)、ステップS608で、サーバ30は、ユーザの所在地は安全環境であるか否かを判定する。例えば、出力制御部324は、ユーザの位置が、ユーザの自宅や宿泊するホテルの自室等のプライバシーの観点から安全な場所であるか否かにより、安全環境であるか否かを判定する。
出力装置20が個人所有であってユーザIDに紐付いている場合(S606/YES)、又は出力装置20が個人所有ではないもののユーザが安全環境にいる場合(S608/YES)、ステップS610で、サーバ30は、周辺に安全でない他のユーザデバイス10が存在するか否かを判定する。例えば、出力制御部324は、出力装置20を介して受信された複数のユーザIDが、互いに家族又は親しい友人関係にある等、安全な人間関係であるとして事前登録されているか否かを、ユーザ情報DB40を参照して判定する。
出力装置20が個人所有であってユーザIDに紐付いていない場合(S606/NO)、出力装置20が個人所有ではなくユーザが安全環境にいない場合(S608/NO)、又は周辺に安全でない他のユーザデバイス10が存在する場合(S610/YES)、ステップS612で、サーバ30は、認証処理を実行すると判定する。
一方で、周辺に安全でない他のユーザデバイス10が存在しない場合(S610/NO)、ステップS614で、サーバ30は、認証処理を省略すると判定する。
[3−5.動作例5]
本動作例は、ユーザによる承認を経て翻訳サービスを提供する場合の動作例である。以下では、図13、図14を参照して、本動作例に係る事前準備処理及び情報提供処理について、順に説明する。
(事前準備処理)
図13は、本実施形態に係る情報提供システム1による事前準備処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップS10で、情報提供システム1は、ユーザID、パスコード、認証コードを登録する。次いで、ステップS20で、情報提供システム1は、言語情報を登録する。例えば、ユーザは、設定用端末70を操作して、ユーザの母国語や話すことが可能な言語を示す言語情報を入力し、ユーザ情報DB40が入力された情報を記憶する。
(情報提供処理)
図14は、本実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図14に示したシーケンスには、ユーザデバイス10、出力装置20、サーバ30、及びユーザ情報DB40が関与する。
図14に示すように、まず、ステップS702で、ユーザデバイス10と出力装置20とは、互いに機器発見を行う。次いで、ステップS704で、ユーザデバイス10は、ユーザIDを、出力装置20を介してサーバ30へ送信する。
次に、ステップS706で、サーバ30は、翻訳能力を確認する。例えば、出力制御部324は、ユーザ情報DB40からユーザの言語情報を参照して、ユーザの現在位置の言語とユーザの母国語との翻訳することが可能であるか否かを判定する。ここでは、サーバ30が翻訳能力を有しているものとして説明する。
続くステップS708〜S716までの処理は、図7を参照して上記説明したS108〜S118と同様であるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップS720で、サーバ30は、出力装置20へ音声取得指示を送信する。これにより、ステップS722で、出力装置20は、周囲の音声の取得を開始する。次に、ステップS724で、出力装置20は、取得した音声データをサーバ30へ返信する。
次いで、ステップS726で、サーバ30は、翻訳処理を行う。例えば、サーバ30は、ユーザが母国語で話した言葉を、ユーザの現在位置の言語に翻訳した音声データを生成する。また、例えばレストランのスタッフ等のユーザの話し相手が現地の言葉で話した言葉を、ユーザの母国語に翻訳した音声データを生成する。なお、この翻訳後の音声を、提供情報とも捉えることができる。
次に、ステップS728で、サーバ30は、生成した翻訳後の音声データを出力装置20へ送信する。
そして、ステップS730で、出力装置20は、受信した翻訳後の音声データを出力する。
なお、音声データの取得及び翻訳後の音声データの再生は、出力装置20により行われるものとして説明したが、ユーザデバイス10により行われてもよい。この場合、ユーザデバイス10のユーザのみが、翻訳サービスを享受することができる。さらに、レストランのスタッフ等がユーザデバイス10を装着している場合には、レストランのスタッフが装着したユーザデバイス10に関しても、図14を参照して上記説明した処理が行われてもよい。
<4.まとめ>
ここまで、図1〜図14を用いて、本開示に係る技術の実施形態を詳細に説明した。上述した実施形態によれば、情報提供システムは、ユーザを認識して、認識したユーザに固有の認証コードを提供し、認証コードに対するユーザによる承認に応じてユーザへの提供情報を提供する。情報提供システムは、ユーザの承認を経ることにより、ユーザが望むタイミングで、望むサービスを提供するという、ユーザのコンテキストに応じた個人向けのサービスの提供が可能となる。
ユーザの承認は、予め設定されたパスコードの入力により行われる。このため、情報提供システム1は、本人確認が取れた場合にのみ情報提供を行うことが可能となり、他人に誤って情報提供を行うことが回避される。また、認証コードは、それを設定したユーザ以外に、認証コードであることを認識することが困難な形態であるため、ユーザに対する提供情報があることを他人が判別することは困難であり、ユーザのプライバシーが保護される。さらに、パスコードは、歯の音のように、他人には認識することが困難な形態であるため、ユーザのプライバシーはさらに保護される。
また、情報提供システム1は、認証処理を、所定条件下で省略し得る。例えば、情報提供システム1は、ユーザが自宅にいる場合や、提供情報の提供先がユーザの所有デバイスである場合等、安全な環境にいる場合に認証処理を省略し得る。情報提供システム1は、このようなプライバシー侵害の可能性が低い場合に認証処理を省略することで、提供情報の提供をより簡易に行うことができる。
近年の、文字や映像等の視覚的に認識される情報が多い社会において、ユーザは、周囲に設けられた出力装置20により情報提供を受けることができるため、表示デバイスを持ち歩く必要がない。また、ユーザが表示デバイスの携帯を忘れた場合であっても、情報提供を受けることができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、情報提供システム1がユーザデバイス10、出力装置20、サーバ30、ユーザ情報DB40、及び提供情報DB50を含み、各装置が連携するものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術が、出力装置20単体で実現されてもよい。また、ユーザデバイス10、出力装置20、及びサーバ30が有する機能の一部又は全部を、他の装置が有していてもよい。
また、上記実施形態では、ユーザは音声入出力等が可能なユーザデバイス10を用いるものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、ユーザデバイス10に変わって、RFID(radio frequency identifier)等の識別情報を格納可能なタグが用いられてもよい。この場合、出力装置20がRFIDを読み取ることにより、サーバ30はユーザに対応する認証処理及び情報提供を行うことが可能である。パスコードの入力は、例えば出力装置20に設けられたカメラによるジェスチャ認識や、タッチパネルへの入力により実現され得る。さらに、ユーザデバイス10に相当する機器が無くてもよい。この場合、例えば出力装置20は、顔認識や指紋認証等によりユーザを識別する。
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
ユーザを認識する認識部と、
前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、
前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、
を備える情報処理システム。
(2)
前記制御部は、前記提供情報の提供先である出力装置が前記ユーザに紐づけられているか否かに基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、前記(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記制御部は、前記出力装置の位置と前記ユーザとの関係性に基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、前記(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記認識部は、前記提供情報の提供先である出力装置から前記提供情報を認識可能な範囲に位置するユーザを認識する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(5)
前記制御部は、前記ユーザの周辺に位置する人物の属性情報に基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(6)
前記属性情報は、前記人物が理解可能な言語を示す言語情報を含む、前記(5)に記載の情報処理システム。
(7)
前記認識部は、前記ユーザの行動が予め設定された行動パターンと一致するか否かに基づいて前記ユーザによる承認を認識する、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(8)
前記認識部は、前記ユーザの歯の音に基づいて前記ユーザによる承認を認識する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(9)
前記固有情報は、前記ユーザにより予め設定された出力パターンである、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(10)
前記制御部は、前記提供情報のうち前記ユーザに関する個人情報を隠蔽して提供するよう前記提供部を制御する、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(11)
前記制御部は、前記認識部により認識された前記ユーザからの指示に基づいて隠蔽された個人情報を開示するよう前記提供部を制御する、前記(10)に記載の情報処理システム。
(12)
前記制御部は、前記認識部により複数のユーザが認識された場合、前記提供部による各ユーザへの前記提供情報の提供形態を制御する、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(13)
前記制御部は、前記提供情報の提供先である出力装置と認識された各ユーザとの距離および前記提供情報の優先度に基づいて、前記提供情報の提供対象となる前記ユーザを選択する、前記(12)に記載の情報処理システム。
(14)
前記制御部は、前記ユーザによる承認が得られた順に前記提供情報を提供する、前記(12)に記載の情報処理システム。
(15)
前記提供情報は、前記ユーザの言葉を翻訳した音声である、前記(1)〜(14)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(16)
前記提供情報の提供先である出力装置はサイネージ端末である、前記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(17)
コンピュータを、
ユーザを認識する認識部と、
前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、
前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、
として機能させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
(18)
ユーザを認識することと、
認識されたユーザに固有の固有情報を提供することと、
前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう制御することと、
を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法。
1 情報提供システム
10 ユーザデバイス
110 無線通信部
120 音声入出力部
130 位置情報取得部
140 センサ部
150 制御部
20 出力装置
210 通信部
220 出力部
230 制御部
30 サーバ
310 通信部
320 制御部
322 認識部
324 出力制御部
40 ユーザ情報DB
50 提供情報DB
60 ネットワーク
70 設定用端末

Claims (18)

  1. ユーザを認識する認識部と、
    前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、
    前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、
    を備える情報処理システム。
  2. 前記制御部は、前記提供情報の提供先である出力装置が前記ユーザに紐づけられているか否かに基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記制御部は、前記出力装置の位置と前記ユーザとの関係性に基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、請求項2に記載の情報処理システム。
  4. 前記認識部は、前記提供情報の提供先である出力装置から前記提供情報を認識可能な範囲に位置するユーザを認識する、請求項1に記載の情報処理システム。
  5. 前記制御部は、前記ユーザの周辺に位置する人物の属性情報に基づいて、前記固有情報の提供および前記ユーザによる承認を省略するか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
  6. 前記属性情報は、前記人物が理解可能な言語を示す言語情報を含む、請求項5に記載の情報処理システム。
  7. 前記認識部は、前記ユーザの行動が予め設定された行動パターンと一致するか否かに基づいて前記ユーザによる承認を認識する、請求項1に記載の情報処理システム。
  8. 前記認識部は、前記ユーザの歯の音に基づいて前記ユーザによる承認を認識する、請求項1に記載の情報処理システム。
  9. 前記固有情報は、前記ユーザにより予め設定された出力パターンである、請求項1に記載の情報処理システム。
  10. 前記制御部は、前記提供情報のうち前記ユーザに関する個人情報を隠蔽して提供するよう前記提供部を制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
  11. 前記制御部は、前記認識部により認識された前記ユーザからの指示に基づいて隠蔽された個人情報を開示するよう前記提供部を制御する、請求項10に記載の情報処理システム。
  12. 前記制御部は、前記認識部により複数のユーザが認識された場合、前記提供部による各ユーザへの前記提供情報の提供形態を制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
  13. 前記制御部は、前記提供情報の提供先である出力装置と認識された各ユーザとの距離および前記提供情報の優先度に基づいて、前記提供情報の提供対象となる前記ユーザを選択する、請求項12に記載の情報処理システム。
  14. 前記制御部は、前記ユーザによる承認が得られた順に前記提供情報を提供する、請求項12に記載の情報処理システム。
  15. 前記提供情報は、前記ユーザの言葉を翻訳した音声である、請求項1に記載の情報処理システム。
  16. 前記提供情報の提供先である出力装置はサイネージ端末である、請求項1に記載の情報処理システム。
  17. コンピュータを、
    ユーザを認識する認識部と、
    前記認識部により認識されたユーザに固有の固有情報を提供する提供部と、
    前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう前記提供部を制御する制御部と、
    として機能させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
  18. ユーザを認識することと、
    認識されたユーザに固有の固有情報を提供することと、
    前記ユーザによる承認に応じて前記ユーザへの提供情報を提供するよう制御することと、
    を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法。
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