JP2015219363A - 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して、クリーニングブレードの先端稜線部を像担持体の表面に押し当て、像担持体上に残留するトナーなどの付着物をせき止めて掻き落とし除去する。
クリーニングブレードの当接圧を高めると、図8(a)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが捲れてしまう。この捲れたクリーニングブレード62が、その捲れに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが捲れた状態でクリーニングをし続けると、図8(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図8(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
先端稜線部に紫外線硬化樹脂を含浸させた弾性ブレードは、像担持体と当接する先端稜線部が高硬度化することで先端稜線部の弾性が阻害され、先端稜線部に紫外線硬化樹脂を含浸されていない弾性ブレードと比して像担持体への当接幅が大幅に減少する。このため、弾性ブレードの先端稜線部の長手方向の当接状態に誤差が生じ易く、局所的なブレード磨耗が発生し、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的な画像形成後等の経時使用に伴い像担持体表面のクリーニング不良が生じる。
前記被清掃部材に対する前記弾性ブレードの押し込み量が0.5[mm]以上1.5[mm]以下であり、前記被清掃部材の表面移動方向における前記弾性ブレードと前記被清掃部材表面との初期接触幅が0.5[μm]以上4[μm]以下となるように、前記弾性ブレードを前記被清掃部材表面に当接させることを特徴とする。
図1は、本実施形態のクリーニングブレード62の斜視図である。
本実施形態のクリーニングブレード62は、短冊形状の弾性部材622からなり、弾性部材622の先端稜線部62cを高硬度化するための含浸部分62dを有し、支持部材621と、更に必要に応じてその他の部材とを有してなる。このクリーニングブレード62では、弾性部材622は支持部材621に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有し、自由端側の一端である先端稜線部62cが被清掃部材の表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。これにより、前記被清掃部材表面に付着した付着物を除去する。
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、像担持体などが挙げられる。
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。
前記支持部材621としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材621の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材621の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材621の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
前記弾性部材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材622の形状としては、短冊状が挙げられる。前記弾性部材622の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材622の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー、などが好適である。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記弾性部材622としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型した積層物を用いることが、耐摩耗性と追随性を両立できる点で好ましい。
ここで、前記弾性部材622のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1などを用いて測定することができる。
ここで、前記弾性部材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記弾性部材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
前記弾性部材622の少なくとも先端稜線部62cに紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂の硬化物が含まれていれば、前記弾性部材622の先端稜線部62c以外の部位にも紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂の硬化物が含まれていてもかまわない。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができるので、前記弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、前記先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。また、先端稜線部62cに表面層を設けた場合には表面層の割れや剥がれを防止できる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。前記官能基数が、2未満であると、先端稜線部(当接部)の硬度が弱くなることがあり、6を超えると、立体障害が起きる可能性がある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量は、500以下であることが好ましい。前記分子量が500を超えると、分子サイズが大きくなるため弾性部材に含浸しにくくなり、高硬度化が困難となることがある。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物(特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。)が、前記弾性部材622の前記被清掃部材の表面に当接する先端稜線部62cに含まれていることは、例えば、赤外顕微鏡、又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
前記分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線の照射条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500mJ/cm2〜5,000mJ/cm2が好ましい。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段を合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、などが挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記帯電工程は、前記像担持体の表面を帯電させる工程であり、帯電手段により実施される。
前記帯電は、例えば、前記帯電手段を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器が像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものも好ましい。
前記露光工程は、帯電された像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接像担持体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーは、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂と比較して、トナーの保存時の安定性を確保しながら、溶融粘度を低下させることができる点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、などが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド、などが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド、などが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン、などが挙げられる。これらのカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、などが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス、などが挙げられる。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜15質量%が好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記外添剤としては、少なくともシリカ粒子を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05μm〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子などを含んでいてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面が疎水化処理されているシリカが特に好ましい。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、などが挙げられる。
前記シリコーン処理シリカとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、RY200、R2T200S、NY50、RY50(以上、日本エアロジル社製)、などが挙げられる。
前記トナーにおけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、像担持体や中間転写体に残存する転写後のトナーを除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法、などが挙げられる。これらの中でも、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の重合法が好ましい。
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
前記トナーの平均円形度は、例えば、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
前記体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.00〜1.40が好ましい。前記比(Dv/Dn)が、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
前記磁性キャリアとしては、粒子径20μm〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
前記被覆樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。前記平均粒子径が、1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
なお、前記トナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写手段を用いて前記像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの等が挙げられる。このとき、加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、定着手段と共に、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、先端部に含浸処理を施した前記クリーニングブレード62が用いられる。前記クリーニングブレード62の弾性部材622は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記像担持体表面に対して前記クリーニングブレードが当接する際の押し込み量は0.5[mm]以上1.5[mm]以下である。前記押し込み量が、0.5[mm]未満であると、クリーニングブレード62の弾性部材622が像担持体表面に当接する当接部位のトナー通過によるクリーニング不良が発生し易くなる。また、前記押し込み量が、1.5[mm]を超えると、当接部位の摩擦力の増加によりクリーニングブレード62の磨耗が進行し、クリーニング不良を引き起こす。
なお、前記押し込み量とは、前記像担持体表面に対して任意の角度で当接した前記クリーニングブレードを、当該当接位置を基準とし、垂直方向に圧力をかけ押し進めた長さである。
前記当接角度θが、70°未満であると、クリーニングブレードの初期当接幅が大きくなり、前記像担持へのピーク圧が減少する。これにより、トナーやシリカすり抜け量が増加する。また、前記当接角度θが85°を超えるとクリーニングブレード62の局所磨耗によりクリーニング不良が発生することがある。
前記当接角度θは、図5(a)に示す、クリーニングブレードの62の弾性部材622の先端面62aと前記弾性部材622が像担持体3表面に当接する部位における接線とから構成される角度であり、この角度は前記クリーニングブレードを前記所定の押し込み量で設置した際に、クリーニングブレード側面の枠体に窓を設け、側面から測定することで得られる。
前記その他の手段としては、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図2は、本発明の画像形成装置500の一例を示す概略構成図である。画像形成装置500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある。)用の4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
また、4つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。前記構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図3に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌及び搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600nm〜800nmの長波長光を有するため、良好に使用される。
まず、図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図2中矢印方向に回転駆動される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、画像形成装置500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
中間転写ベルト14上に形成された4色トナー像は、第一給紙カセット151又は第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された記録媒体Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が記録媒体P上に定着されて、トナー像が定着された記録媒体Pは画像形成装置500の外に排出され、スタック部88にスタックされる。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
図4(a)及び図4(b)は、図1のクリーニングブレード62の拡大断面図である。図4(a)は、クリーニングブレード62が感光体(像担持体)3の表面に当接している状態の説明図であり、図4(b)は、クリーニングブレード62の先端稜線部(当接部)62c近傍の拡大説明図である。以下、被清掃部材としての像担持体3、付着物としてのトナーを用いて説明する。
図4(a)に示すように、クリーニングブレード62は、支持部材621と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材622とからなる。前記弾性部材622の自由端側の一端である先端稜線部62cが感光体(像担持体)3表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
分子内に紫外線硬化性組成物もしくは熱硬化性組成物を弾性部材の先端稜線部(当接部)62cに含浸させた後、紫外線を照射することで、図4(b)に示す含浸部分62dが形成され、先端稜線部(当接部)62cの硬度が上昇し、耐久性の向上が図れ、弾性部材が像担持体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。更に、経時により表面層の摩耗によって内部が露出したときにも含浸部分62dにより、同様に変形を抑制することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記クリーニング手段としては、本発明の前記クリーニングブレードが用いられる。
前記プロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記クリーニングブレードとを内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、画像形成装置に着脱可能とした装置(部品)である。
弾性部材のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。なお、2層構造の弾性部材については、各面側から測定を行った。
弾性部材の反発弾性率は、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。測定試料は、厚みが4mm以上となるように厚み約2mmのシートを重ね合わせたものとした。
図5(a)及び図5(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、シスメックス株式会社製)により計測した。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料(トナー)を0.1g〜0.5g程度加えた。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理し、分散液の濃度が3,000個/μL〜10,000個/μLとなるようにしたものを前記分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定した。そして、この測定結果に基づき、図5(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図5(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を平均円形度とした。
トナーの体積平均粒径は、コールターカウンター法によって求めた。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(ベックマン・コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析した。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1質量%NaCl水溶液を電解液として用意した。そして、この電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜5mL加えた。更に、これに被検試料としてのトナーを2mg〜20mg加え、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理した。そして、別のビーカーに電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、前記コールターマルチサイザー2e型にかけた。
アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とした。
そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出した。ただし、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
下記に示す検証実験は、クリーニングブレード62の弾性部材622と感光体3との初期当接幅、弾性部材622の先端稜線部62cの表面マルテンス硬度、弾性部材622と感光体3との当接角度をそれぞれ変化させて、評価を行ったものである。
−弾性部材の作製−
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材1とした。
得られた弾性部材1のJIS−A硬度は68度、反発弾性率は30%であった。
−紫外線硬化性組成物1の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物1を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DCP、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・
8質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・12質量部
−紫外線硬化性組成物2の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物2を調製した。
・アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物(出光興産株式会社製、X−DA、官能基数2、分子量276〜304、1,3−アダマンタンジオールとアクリル酸との反応生成物)・・・80質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・
8質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・12質量部
−紫外線硬化性組成物3の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物3を調製した。
・アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物(出光興産株式会社製、X−F−203、官能基数2、分子量556)・・・80質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・
8質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・12質量部
重合法により、平均円形度が0.98、体積平均粒径が4.9μmのトナー母体粒子を作製した。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、小粒径のシリカ微粒子(クラリアント株式会社製、H2000)1.5質量部、小粒径の酸化チタン微粒子(テイカ株式会社製、MT−150AI)0.5質量部、及び大粒径のシリカ微粒子(電気化学工業株式会社製、UFP−30H)をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナーを作製した。
前記紫外線硬化性組成物1の固形分濃度が80質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を一定時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、先端マルテンス硬度の異なるクリーニングブレード1を作製した。
クリーニングブレード2、3は含浸用塗工液への浸漬時間以外はクリーニングブレード1の製法と同様であり、先端マルテンス硬度をより高くするために、クリーニングブレード1よりも2、2よりも3の方が浸漬時間を長くして作製を行っている。
前記紫外線硬化性組成物2の固形分濃度が80質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を一定時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、リーニングブレード4を作製した。
前記紫外線硬化性組成物1の固形分濃度が70質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を一定時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード5を作製した。
前記紫外線硬化性組成物3の固形分濃度が80質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を一定時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード6を作製した。
前記クリーニングブレードを感光体表面層に用いられる材料を塗布したガラス板上に、表1に記載の取り付け角度(当接角度)で所定の押圧をかけて摺擦させたときの、感光体3の表面移動方向におけるクリーニングブレード62の先端稜線部(当接部)62cの当接状態をガラス板裏から観察し、図6に示すように、クリーニングブレード62の弾性部材622の当接部の幅をCCDカメラ(Nikon CM−5、ニコン社製)で出力した画像を用いて測定した。
<表面マルテンス硬度の測定>
表面のマルテンス硬度は、クリーニングブレードの先端稜線部62cから短辺方向反対側端部に向かって20[μm]離れた位置を測定点とした。測定装置はフィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計 HM−2000を用い、ビッカース圧子で計測を行った。
前記カラー複合機(imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、前記トナーを搭載して、21℃で65%RHの環境下、画像面積率5%のチャート(A4サイズ横)を3プリント/ジョブで、30,000枚の出力を行った後、以下のようにして、トナーすり抜け、局所磨耗の有無、画像上クリーニング不良を評価した。結果を表1に示した。なお、潤滑剤塗布装置は取り外して測定を行った。
クリーニングブレード通過直後の感光体表面上をテープで転写を行い、トナー等の有無を確認し、以下のように判断した。評価は、30,000枚の出力後に上記画像を20枚出力したときに行った。
○ :すり抜けなし
△ :微小なすり抜けあり
× :すり抜けあり
前記10,000枚の出力を行った後、前記クリーニングブレードを長手方向に見たときに前記クリーニングブレードの先端稜線部(先端部)62cが部分的に欠落しているような摩耗状態(局所磨耗)の有無を、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用いて観察し、以下のように判断した。
○ :磨耗なし
△ :局所磨耗が存在するが、大きさが1μm以下と小さいもの
× :局所磨耗が存在し、大きさが1μm以上と大きいもの
なお、通常の普及機におけるクリーニングブレードの先端稜線部の局所磨耗の許容範囲は○又は△である。
前記30,000枚の出力を行った後、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートの評価時画像(A4サイズ横)を20枚出力した後の出力画像を目視観察し、以下の基準でクリーニング性を評価した。なお、異常画像とは、印刷画像にスジ又は帯状に現れる画像や白ポチ画像を意味する。
〔評価基準〕
○:異常画像なし
△:微細な異状画像あり
×:異常画像あり
なお、通常の普及機におけるクリーニング性の許容範囲は○又は△である。
表1の結果から、実施例1〜10は、先端稜線部62cに含浸処理をしたクリーニングブレードの弾性部材622の押し込み量を0.5[mm]以上1.5[mm]以下とし、かつ、弾性部材622と感光体3との初期当接幅が0.5[μm]以上4[μm]以下である。このようなクリーニングブレード62は、先端稜線部62cへの含浸処理により、先端稜線部62cの捲れが抑制され、使用時における先端稜線部62cの磨耗が少なくなる。さらに、クリーニングブレードの弾性部材622の押し込み量と初期当接幅とを前記範囲とすることで、当接部分のピーク圧力が適切な範囲に保たれ、クリーニングブレード全体の磨耗やトナーのすり抜けを防ぐことができ、経時にわたり良好なクリーニング性が維持できる事がわかった。
比較例3は、前記当接角度が大きいため初期当接幅が小さくなり、クリーニングブレードの先端稜線部(先端部)62cのわずかなうねりにより先端稜線部62cと感光体3表面との当接状態にムラが生じた。この当接状態のムラにより、クリーニングブレードの先端稜線部62cの局所的な磨耗が進行し、画像上でクリーニング不良が発生した。
比較例5は、初期当接幅が3[mm]であり、実施例で設定した範囲内であるが、押し込み量が2[mm]と実施例で設定した範囲よりも大きいため、像担持体3との当接部で摩擦力が増加し、クリーニングブレード全体の磨耗が進行してクリーニング不良が発生した。
比較例6は、先端稜線部62cに含浸処理を施していないため、クリーニングブレードの先端稜線部(先端部)62cが捲れて初期当接幅が大きくなり、トナーのすり抜けが多く、画像上クリーニング不良が発生した。また、通紙中に先端稜線部(先端部)62cの捲れた部分が図7(c)に示すように欠落してしまい、クリーニング不良が発生した。
一方、実施例6に示すように、前記角度が角度が70°未満である場合、画像上のクリーニング不良は見られなかったが、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに大きさ1[μm]以下の局所磨耗が生じた。また、実施例8は、画像上のクリーニング不良は見られなかったが、前記角度が角度が85°を超えているため、被清掃部材に対する当接圧により、クリーニングブレード62が磨耗してしまった。
一方、実施例9に示すように、前記マルテンス硬度が15[N/mm]を越える場合、クリーニングブレードの先端の弾性が著しく低下して前記先端の動きが抑制され、クリーニングブレードの先端の耐摩耗性が低下し、大きさが1μm以下の局所磨耗が発生した。また、実施例10は、前記マルテンス硬度が1.0[N/mm2]未満であるため、含浸処理なしのブレード同様、クリーニングブレードの先端稜線部62cの捲れが発生し、微小なトナーのすりぬけが生じた。
実施例1〜9で用いたクリーニングブレード1〜5は、先端部に浸透された紫外線硬化性組成物が含むアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量が500以下であるため、弾性部材への浸透を円滑にすることができる。
(態様A)
感光体3などの被清掃部材と、硬化用樹脂を先端稜線部に含浸処理することで前記先端稜線部を高硬度化した短冊形状の弾性部材622などの弾性ブレードを有するクリーニングブレード62などのクリーニングブレードとを備え、前記クリーニングブレードを前記被清掃部材表面に当接させて前記被清掃部材表面の付着物を除去する画像形成装置において、
前記被清掃部材に対する前記弾性ブレードの押し込み量が0.5[mm]以上1.5[mm]以下であり、前記被清掃部材の表面移動方向における前記弾性ブレードと前記被清掃部材表面との初期接触幅が0.5[μm]以上4[μm]以下となるように、前記弾性ブレードを前記被清掃部材表面に当接させることを特徴とする。
態様Aにおいて、前記被清掃部材表面の前記弾性ブレードとの当接する部位における接線と、前記弾性ブレードの端面とから構成される角度が、70°以上85°以下であることを特徴とする。これにより、上記検証実験で示したように、前記角度を70°以上85°以下とすることで、クリーニングブレード62が感光体3に対して適度な当接圧を保ち、クリーニングブレードの磨耗を防ぎ、クリーニング性を向上させることができる。
態様A又は態様Bにおいて、前記弾性ブレードの先端稜線部から短辺方向反対側端部に向かって20[μm]離れた位置における表面のマルテンス硬度が1.0[N/mm2]以上15[N/mm2]以下であることを特徴とする。これにより、上記検証実験で示したように、クリーニングブレードの先端が捲れを防止し、かつ、像担持体への所定の当接幅を確保しえる適度な弾性を有することができる。
態様A乃至態様Cにおいて、弾性部材622などの前記弾性ブレードの先端稜線部は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂によって含有処理されていることを特徴とする。
これにより、弾性ブレードの先端稜線部を高硬度化し、弾性ブレードの先端稜線部の局所的な磨耗を防ぎ、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
態様Dにおいて、前記紫外線硬化樹脂または前記熱硬化性樹脂は、少なくともトリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレート、または、少なくともトリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するメタクリレートを含むことを特徴とする。
本態様においては、前記紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂は、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有している。前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。したがって、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。
態様Eにおいて、前記アクリレート、または前記メタクリレートの分子量が500以下であることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記分子量が500を超えると、分子サイズが大きくなるため弾性部材に含浸しにくくなり、高硬度化が困難となることがある。
感光体3などの被清掃部材と、硬化用樹脂を先端稜線部に含浸処理することで前記先端稜線部を高硬度化した短冊形状の弾性部材622などの弾性ブレードを有するクリーニングブレード62などのクリーニングブレードとを備え、前記被清掃部材が前記弾性ブレードの先端稜線部を表面移動し、前記クリーニングブレードを前記被清掃部材表面に当接させて前記被清掃部材表面の付着物を除去し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体に対する前記弾性ブレードの押し込み量が0.5[mm]以上、1.5[mm]以下であり、前記弾性ブレードと前記像担持体表面との初期接触幅が0.5[μm]以上、4[μm]以下となるように、前記弾性ブレードを前記像担持体表面に当接させたことを特徴とする。
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
14 中間転写ベルト
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62c 先端稜線部
80 定着ユニット
100Y,100C,100M,100K トナーカートリッジ
123 像担持体
500 画像形成装置
622 弾性部材
P 記録媒体
θ 当接角度
Claims (7)
- 被清掃部材と、硬化用樹脂を先端稜線部に含浸処理することで前記先端稜線部を高硬度化した短冊形状の弾性ブレードを有するクリーニングブレードとを備え、前記被清掃部材が前記弾性ブレードの先端稜線部を表面移動し、前記クリーニングブレードを前記被清掃部材表面に当接させて前記被清掃部材表面の付着物を除去する画像形成装置において、前記被清掃部材に対する前記弾性ブレードの押し込み量が0.5[mm]以上1.5[mm]以下であり、前記被清掃部材の表面移動方向における前記弾性ブレードと前記被清掃部材表面との初期接触幅が0.5[μm]以上4[μm]以下となるように、前記弾性ブレードを前記被清掃部材表面に当接させることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、前記被清掃部材表面の前記弾性ブレードとの当接する部位における接線と、前記弾性ブレードの端面とから構成される角度が、70°以上85°以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2の画像形成装置において、前記弾性ブレードの先端稜線部から短辺方向反対側端部に向かって20[μm]離れた位置における表面のマルテンス硬度が1.0[N/mm2]以上15[N/mm2]以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3いずれか一の画像形成装置において、前記弾性ブレードの先端稜線部は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂の含有処理によって高硬度化されていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4の画像形成装置において、前記紫外線硬化樹脂または前記熱硬化性樹脂は、少なくともトリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレート、または、少なくともトリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するメタクリレートを含むことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項5の画像形成装置において、前記アクリレート、または、前記メタクリレートの分子量が500以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 被清掃部材と、硬化用樹脂を先端稜線部に含浸処理することで前記先端稜線部を高硬度化した短冊形状の弾性ブレードを有するクリーニングブレードとを備え、前記クリーニングブレードを前記被清掃部材表面に当接させて前記被清掃部材表面の付着物を除去し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体に対する前記弾性ブレードの押し込み量が0.5[mm]以上、1.5[mm]以下であり、前記弾性ブレードと前記像担持体表面との初期接触幅が0.5[μm]以上、4[μm]以下となるように、前記弾性ブレードを前記像担持体表面に当接させたことを特徴とするプロセスカードリッジ。
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