JP2015219115A - ステアリング装置用の試験機及びステアリング装置の試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】左右の車輪を同方向又は逆方向のいずれにも転舵することができるステアリング装置の転舵特性や耐久性の試験を簡便に、かつ実車への搭載状態に即して行うこと。【解決手段】左右の車輪を転舵するステアリング装置100のラックバー101、102の左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバー101、102に、その軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向への負荷を与える負荷装置6、9、11と、前記ラックバー101、102に設けられ、このラックバー101、102の軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向に負荷された荷重を測定する荷重変換器8、10、12と、を備えたステアリング装置100用の試験機を構成する。【選択図】図8
Description
この発明は、車両の車輪を左右に独立して転舵することができるステアリング装置の試験機及びステアリング装置の試験方法に関する。
車両に搭載されるステアリング装置は、この車両の左右の車輪を左右に転舵するためのものである。一般的なステアリング装置は、この左右の車輪を同方向に転舵する共通の1本のラックを備えている。このステアリング装置が、所定の転舵特性や耐久性を備えているかどうか確認するために、例えば特許文献1〜3に示す試験機を用いて試験が行われる。
特許文献1に示す試験装置は、ステアリングホイールに回転力を入力するモータと、パワーステアリング装置のピニオンに作用する捩りトルクを検出するトルクセンサと、モータの回転角を検出する角度センサとを備えている。モータを作動して、所定のトルクとなる回転角度を自動的に記憶しておき、この記憶された角度範囲内でモータを繰り返し作動させて耐久性試験を行う。
特許文献2に示す試験装置は、操舵トルクを検出するトルクセンサと、舵取り機構に操舵補助力を与える電動モータと、トルクセンサの出力に基づいて電動モータを制御する車載コントローラとを備えた電動パワーステアリング装置に、試験装置からトルクセンサの出力信号を模擬したサインスイープ波形の試験信号を送り、前記電動モータを駆動して試験を行う。
特許文献3に示す試験装置は、パワーステアリングの出力軸を圧力センサを介して空気圧で押圧することによって負荷を発生させ、圧力センサの出力に応じて空気圧の押圧力を制御するように構成したものである。このように制御を行うことで、脈動や振動等の変動がない一定負荷を出力軸に与えて試験を行い得るようにしている。
小回り性能を向上したり、その場回転や横方向走行等の特殊走行モードを備えたりする車両においては、例えば図9(a)(b)に示すように、左右の車輪を同方向だけでなく逆方向に転舵し得るステアリング装置を出願人は提案している。このステアリング装置は、左右の異なる方向に移動可能な一対のラックバーを備えたものである。このステアリング装置は、一対のラックバーのそれぞれに噛み合うピニオンギアと、各ピニオンギアを連結又は分離したいずれかの状態とする連結機構を備えている。各ピニオンギアを連結し、一対のラックバーが一体に同方向に同距離移動可能とした状態(図9(a)参照)、又は、各ピニオンギアを分離し、各ラックバーが逆方向に同距離移動可能とした状態(図9(b)参照)のいずれかの状態とするように構成されている。
このステアリング装置においては、ステアリングの操作に対するそれぞれのラックバーの挙動を評価しなければならない。ところが、特許文献1、2に記載の試験装置は、共通の1本のラックバーに伝えられるトルクを測定するものであり(特許文献1)、あるいは、舵取り機構に操舵補助力を与える電動モータを駆動するものであるため(特許文献2)、2本のラックバーを備えたステアリング装置の試験に適用することができない。
特許文献3に示すタイプの試験装置を一対のラックバーのそれぞれに設け、各ラックバーへの負荷を同時に制御することによって一対のラックバーを同時に検査することも考えられるが、装置構成が複雑となって、コストが嵩む恐れがある。
また、実車に搭載したステアリング装置は、その軸方向(車両の左右方向)のみならず、垂直方向(車両の上下方向)、及び水平方向(車両の前後方向)にも負荷を受けるが、特許文献1〜3に記載の試験装置では、そのような3次元的な負荷を与える試験を行うことができない。このため、実車への搭載状態に即した評価結果を得ることができない場合があるという問題がある。
そこで、この発明は、左右の車輪を同方向又は逆方向のいずれにも転舵することができるステアリング装置の転舵特性や耐久性の試験を簡便に、かつ実車への搭載状態に即して行うことを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明において、左右の車輪を転舵するステアリング装置の入力軸に設けられ、この入力軸を軸周りに回転するアクチュエータと、前記入力軸に設けられ、この入力軸の軸周りの回転角を測定する角度計と、前記入力軸に設けられ、この入力軸に負荷された回転トルクを測定するトルクメータと、前記入力軸に着脱自在に設けられ、この入力軸の軸周りの回転を阻止する入力軸固定治具と、前記ステアリング装置のラックバーの左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバーに、その軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向への負荷を与える負荷装置と、前記ラックバーの左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバーの移動を阻止するラックバー固定治具と、前記ラックバーに設けられ、このラックバーの移動量を測定する位置検出手段と、前記ラックバーに設けられ、このラックバーの軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向に負荷された荷重を測定する荷重変換器と、を備えたステアリング装置用の試験機を構成した。
このようにラックバーの左右の端部に着脱自在に負荷装置を設けることにより、検査対象のステアリング装置が、一対のラックバーを備え、左右の車輪を同方向又は逆方向のいずれにも転舵することができるタイプの場合、あるいは一本のラックバーを備え、左右の車輪を同方向にのみ転舵するタイプの場合のいずれに対しても、その転舵特性や耐久性の試験を簡便に行うことができる。また、入力軸の回転及びラックバーの移動を阻止する固定治具をそれぞれ着脱自在に設け、入力軸の回転又はラックバーの移動をこの固定治具で固定した状態で、ラックバーを移動又は入力軸を回転する負荷を与えることにより、このステアリング装置の強度評価を容易に行うことができる。
しかも、負荷装置によって、ラックバーに、その軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向への負荷を与えるとともに、荷重変換器によって、このラックバーの軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向への負荷を測定するようにしたことにより、実車に搭載したのに近い環境において、ステアリング装置の性能変化、亀裂及び破壊の有無の調査を行うことができる。
前記構成においては、前記負荷装置と前記荷重変換器が、前記左右の二つのラックバーの先端に当接した状態で追従する構成とするのが好ましい。
このように構成することにより、二つのラックバーに対して常時負荷を与えつつ、その負荷の大きさを測定することができるため、一層実車に近い状態で評価を行うことができる。
前記構成においては、前記位置検出手段が、前記ラックバーに噛合い、このラックバーの移動とともに回転する回転センサである構成とするのが好ましい。
このように回転センサを用いることにより、ラックバーの左右への移動量を、簡便かつ正確に測定することができる。
左右の車輪を転舵するステアリング装置の入力軸に角度計とトルクメータを設けるとともに、前記ステアリング装置のラックバーの左右の端部に位置検出手段と、荷重変換器と、負荷装置とを設け、前記ラックバーに前記負荷装置で、その軸方向、垂直方向、及び水平方向に、予め定めた規定の、又は所定の変動範囲内で変動する負荷を与えつつ、前記入力軸を所定の角度範囲内で往復回転させた際の前記入力軸の周りの回転角を前記角度計で、前記入力軸に負荷された回転トルクを前記トルクメータで、前記ラックバーの移動量を前記位置検出手段で、前記ラックバーに負荷された、その軸方向、垂直方向、及び水平方向への荷重を前記荷重変換器でそれぞれ測定するステアリング装置の試験方法により、ステアリングを操作して入力軸を回転させたときのステアリング装置の内部部品の耐久強度(規定回数後のステアリング装置の性能変化、亀裂及び破壊の有無)に関する基礎評価を行うことができる。
また、ラックバーに対して、その軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれに、予めプログラミングした変動荷重を負荷することで、実車においてステアリング装置が受ける負荷に近い負荷を模擬的に与えることができ、実車に即した評価結果を得ることができる。
左右の車輪を転舵するステアリング装置の入力軸にアクチュエータを、ラックバーの左右の端部に、その軸方向、垂直方向、及び水平方向に負荷を与える負荷装置を着脱自在に設け、アクチュエータ又は負荷装置を作動させた際のこのステアリング装置の挙動をトルクセンサ等で測定する構成を採用した。このように3方向から負荷を与えることで、より実車が走行時に受ける荷重に近い状態で、ラックバーに荷重が負荷される。さらに、このラックバーに負荷された軸方向、垂直方向、及び水平方向への荷重を荷重変換器で測定することにより、その負荷状態をより正確に把握することができる。
しかも、この構成を備えた試験機を用いると、ステアリング装置の構成(対のラックバーを備えた構成、一本のラックバーを備えた構成)に関係なく、ステアリング操作に対するラックバーの挙動、ラックバーが受けた振動等によるステアリングの挙動、ステアリング装置の耐久性等の各種試験を簡便に行うことができる。このため、検査工程における作業効率を大幅に向上することができ、コスト削減に寄与することが期待される。
この発明に係るステアリング装置の試験機、及び試験方法は、図9(a)(b)に示すように一対のラックバー101、102を備え、左右の車輪を同方向又は逆方向のいずれの方向にも転舵することができるタイプのステアリング装置100に特に適している。以下、このタイプのステアリング装置100の構成を説明した上で、このステアリング装置100への、この発明に係る試験機及び試験方法の適用例について説明する。
このステアリング装置100は、左右の車輪を転舵するための一対のラックバー101、102を備えている。ここでは、左側の車輪に接続されるラックバーを第一ラックバー101、右側の車輪に接続されるラックバーを第二ラックバー102と称する。第一ラックバー101と第二ラックバー102は、図9(a)(b)に示すように、ラックケース103内に収容されている。第一ラックバー101と第二ラックバー102には、それぞれ同期用ラックギア101a、102aが形成されている。両同期用ラックギア101a、102aと噛み合うように、第一同期ギア104が設けられている。この第一同期ギア104は、同期用ラックギア101a、102aの歯の並列方向に沿って一定の間隔で配置された三つのギア104a、104b、104cから構成される。第一ラックバー101が入力軸からの入力によって一方向に移動すると、その動きが第一同期ギア104によって第二ラックバー102の同方向への動きに変換される。このとき、この第一ラックバー101と第二ラックバー102の移動量は同じとなる。
第一同期ギア104の隣り合うギア104a、104b間、ギア104b、104c間には、それぞれ、第二同期ギア105を構成する二つのギア105a、105bが配置されている。第二同期ギア105は同期用ラックギア101a、102aには噛み合わず、第一同期ギア104のみに噛み合っている。この第二同期ギア105は、第一同期ギア104の3つのギア104a、104b、104cを、同方向に同角度だけ回転させるためのものである。この第二同期ギア105によって、第一ラックバー101と第二ラックバー102を、各ラックバー101、102の全長に亘ってスムーズに相対移動することができる。
第一ラックバー101と第二ラックバー102には、同期用ラックギア101a、102aとは別に、それぞれ転舵用ラックギア101b、102bが形成されている。第一ラックバー101の転舵用ラックギア101bには、入力軸と一体に形成された、又は接続された第一ピニオンギア106が噛み合うとともに、第二ラックバー102の転舵用ラックギア102bには、第一ピニオンギア106と同軸上に設けられた第二ピニオンギア(図示せず)が噛み合っている。第一ピニオンギア106と第二ピニオンギアの間には、互いに結合及び分離が可能な連結機構(図示せず。以下同じ。)が設けられている。
この連結機構を分離すると、第一ピニオンギア106と第二ピニオンギアは相対回転可能な状態となる。この状態で入力軸から回転力が入力されて第一ピニオンギア106が回転すると、その回転に伴って第一ラックバー101が一方向に移動する。この移動に伴って、第一同期ギア104の作用により、第二ラックバー102が逆方向に同距離移動する。このように一対のラックバー101、102を逆方向に移動することにより、左右の車輪を互いに逆方向に転舵することができ、小回り走行や横方向移動等の特殊な走行モードを実現できる。
その一方で、この連結機構を結合すると、第一ピニオンギア106と第二ピニオンギアは相対回転不能の状態となる。この状態で入力軸から回転力が入力されて第一ピニオンギア106が回転すると、第一及び第二ラックバー101、102は、一体に同方向に同距離移動する。このように一対のラックバー101、102を同方向に移動することにより、通常のステアリング装置と同様に、左右の車輪を同方向に転舵することができる。
各ラックバー101、102には、各ラックバー101、102に形成された転舵用ラックギア101b、102bにそれぞれ噛合い、各ラックバー101、102の移動とともに回転する回転センサ107、108が設けられている。この回転センサ107、108の回転数を検知することによって、各ラックバー101、102の左右への移動量を測定することができる。
なお、実際のステアリング装置100には、ラックバー101、102と車輪とを接続するタイロッドを取り付けるタイロッド取り付け部からラックケース103にかけて、可動部への異物の侵入を防止するためのブーツが設けられるが、本図ではその図示を省略している。
ステアリング装置用の試験機は、図1から図8に示すように、左右の車輪を転舵するステアリング装置100の入力軸1に設けられ、この入力軸1を軸周りに回転するモータ(アクチュエータ)2と、入力軸1に設けられ、この入力軸1の軸周りの回転角を測定する角度計3と、入力軸1に設けられ、この入力軸1に負荷された回転トルクを測定するトルクメータ4と、入力軸1に着脱自在に設けられ、この入力軸1の軸周りの回転を阻止する入力軸固定治具5と、ステアリング装置100のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)に着脱自在に設けられ、このラックバー101、102に負荷を与える負荷装置6と、ラックバー101、102の左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバー101、102の移動を阻止するラックバー固定治具7と、ラックバー101、102に設けられ、このラックバー101、102の移動量を測定する回転センサ(位置検出手段)107、108と、ラックバー101、102に設けられ、このラックバー101、102に負荷された荷重を測定する荷重変換器8とを備えている。
ここで、角度計3はレゾルバである。レゾルバの代わりに、エンコーダ、ホールセンサ、磁気式角度センサ、多回転角度センサ等を用いてもよい。トルクメータ4はトルク変換器である。負荷装置6はエアシリンダである。エアシリンダの代わりに、油圧シリンダ、ロボットシリンダ等を用いてもよい。荷重変換器8はロードセルである。ロードセルの代わりに、プッシュプルゲージ、ひずみ測定器等を用いてもよい。回転センサ107、108は多回転角度センサである。多回転角度センサの代わりに、レゾルバ、エンコーダ、磁気式角度センサ、ホールセンサ等を用いてもよい。
モータ2は入力軸固定治具5と、負荷装置6はラックバー固定治具7と、それぞれ適宜置き換えることができるように構成されている。
さらに、図9(a)(b)に示すステアリング装置100の試験方法について、事例をいくつか挙げて説明する。これらはあくまでも事例であって、この試験機をこれ以外の試験方法、あるいはステアリング装置(例えば、一本のラックバーを備えた構成のもの)にも適用することができる。
(1)入力軸回転試験
入力軸回転試験は、ステアリング装置100の入力軸1を回転させ、出力軸が無負荷時の摩擦抵抗を確認する試験である。
入力軸回転試験は、ステアリング装置100の入力軸1を回転させ、出力軸が無負荷時の摩擦抵抗を確認する試験である。
入力軸回転試験においては、図1(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、入力軸1に接続したモータ2を一定速度で両回転方向に回転駆動してラックバー101、102を左右に移動する。その際の入力軸1の回転角を角度計3で、入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、ラックバー101、102の左右への移動量を回転センサ107、108でそれぞれ測定し、出力軸が無負荷時のステアリング装置100の摩擦抵抗を確認する。この試験では、ラックバー101、102は左右の負荷装置6、6側と接続されておらず、ラックバー101、102は無負荷の状態となっている。
連結機構を結合すると、一対のラックバー101、102は同方向に同距離移動する一方で(図1(a)参照)、連結機構を分離すると、一対のラックバー101、102は逆方向に同距離移動する(図1(b)参照)。
(2)ラックバー移動試験
ラックバー移動試験は、ステアリング装置100の出力軸を移動させ、入力軸1が無負荷時の摩擦抵抗を確認する試験である。
ラックバー移動試験は、ステアリング装置100の出力軸を移動させ、入力軸1が無負荷時の摩擦抵抗を確認する試験である。
ラックバー移動試験においては、図2(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、一対のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)に荷重変換器8を介して接続した負荷装置6を駆動して、ラックバー101、102をそれぞれ左右に移動する。その際の入力軸1の回転角を角度計3で、ラックバー101、102の左右への移動量を回転センサ107、108で、ラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8でそれぞれ測定し、入力軸1が無負荷時のステアリング装置100の摩擦抵抗を確認する。この試験では、角度計3はステアリング装置100の抵抗にならないように留意して設けられる。
連結機構を結合した状態においては、一対のラックバー101、102を同方向に一定速度で移動させる一方で(図2(a)参照)、連結機構を分離した状態においては、一対のラックバー101、102を互いに逆方向に一定速度で移動させて試験を行う(図2(b)参照)。
(3)正入力強度試験
正入力強度試験は、ステアリング装置100の出力軸を固定させ、入力軸1より過大入力トルクを静的に負荷して強度を確認する試験である。
正入力強度試験は、ステアリング装置100の出力軸を固定させ、入力軸1より過大入力トルクを静的に負荷して強度を確認する試験である。
正入力強度試験においては、図3(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、一対のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)をラックバー固定治具7に固定し、入力軸1に負荷された回転トルクが予め決めた規定トルク値となるように、モータ2を両回転方向に回転駆動する。その際の入力軸1の回転角を角度計3で、入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、それぞれ測定する。さらに、この規定トルク値を超えるトルクを入力軸1に負荷し、この際の入力軸1の回転角、その回転トルクを同様に測定する。これらの測定結果から、ステアリング装置100の性能変化、亀裂、破壊等の有無を判断する。この試験を、連結機構を結合した状態(図3(a)参照)、及び分離した状態(図3(b)参照)の両状態について行う。
(4)逆入力強度試験
逆入力強度試験は、ステアリング装置100の入力軸1を固定させ、出力軸より過大荷重を静的に負荷して強度を確認する試験である。
逆入力強度試験は、ステアリング装置100の入力軸1を固定させ、出力軸より過大荷重を静的に負荷して強度を確認する試験である。
逆入力強度試験においては、図4(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、入力軸1を入力軸固定治具5に固定し、ラックバー101、102に負荷された荷重が予め定めた規定荷重値となるように、一対のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)に荷重変換器8を介して接続した負荷装置6を駆動する。また、ラックバー101、102の移動量を、このラックバー101、102のそれぞれに設けた回転センサ107、108で測定するとともに、ラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8で、入力軸1の回転角を角度計3で、入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、それぞれ測定する。さらに、この規定荷重値を超える荷重をラックバー101、102に負荷し、この際のラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8で、入力軸1の回転角を角度計3で、その回転トルクをトルクメータ4で同様に測定する。これらの測定結果から、ステアリング装置100の性能変化、亀裂、破壊等の有無を判断する。
連結機構を結合した状態においては、一対のラックバー101、102を同方向に移動させる一方で(図4(a)参照)、連結機構を分離した状態においては、一対のラックバー101、102を互いに逆方向に移動させて試験を行う(図4(b)参照)。
(5)正入力耐久試験
正入力耐久試験は、ステアリング装置100の出力軸より負荷を加えて耐久強度を確認する試験である。
正入力耐久試験は、ステアリング装置100の出力軸より負荷を加えて耐久強度を確認する試験である。
正入力耐久試験においては、図5(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、一対のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)に荷重変換器8を介して接続した負荷装置6を駆動することによって、予め定めた規定の、又は所定の変動範囲内で変動する右方向又は左方向への荷重を一対のラックバー101、102に負荷する。さらに、入力軸1に接続したモータ2を一定速度で両回転方向に回転駆動してラックバー101、102を左右に移動する。この際の入力軸1の回転角を角度計3で、入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、ラックバー101、102の左右への移動量を回転センサ107、108で、ラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8でそれぞれ測定し、規定回数後のステアリング装置100の性能変化、亀裂及び破壊の有無を調査する。
連結機構を結合した状態においては、一対のラックバー101、102を同方向に移動させる一方で(図5(a)参照)、連結機構を分離した状態においては、一対のラックバー101、102を互いに逆方向に移動させて試験を行う(図5(b)参照)。
(6)逆入力耐久試験
逆入力耐久試験は、ステアリング装置100の繰り返し負荷による耐久強度を確認する試験である。
逆入力耐久試験は、ステアリング装置100の繰り返し負荷による耐久強度を確認する試験である。
逆入力耐久試験においては、図6(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、入力軸1を入力軸固定治具5に固定し、一対のラックバー101、102の左右の端部(車輪側の端部)に荷重変換器8を介して接続した負荷装置6を駆動することによって、この一対のラックバー101、102に繰り返し荷重を負荷する。この際の入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、ラックバー101、102の左右への移動量を回転センサ107、108で、ラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8でそれぞれ測定し、規定回数後のステアリング装置100の性能変化、亀裂及び破壊の有無を調査する。
連結機構を結合した状態においては、一対のラックバー101、102を同方向に移動させる一方で(図6(a)参照)、連結機構を分離した状態においては、一対のラックバー101、102を互いに逆方向に移動させて試験を行う(図6(b)参照)。
(7)3軸負荷正入力耐久試験
3軸負荷正入力耐久試験は、ステアリング装置100の出力軸に、軸方向、垂直方向、水平方向に負荷を加え、転舵動作時におけるステアリング内部部品の耐久強度を確認する試験である。
3軸負荷正入力耐久試験は、ステアリング装置100の出力軸に、軸方向、垂直方向、水平方向に負荷を加え、転舵動作時におけるステアリング内部部品の耐久強度を確認する試験である。
3軸負荷正入力耐久試験においては、図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示すように、ステアリング装置100を取付台(図示せず)に取り付けた上で、入力軸1にトルクメータ4及び角度計3を取り付ける。さらに、左右に独立する2本のラックバー101、102の出力軸それぞれに回転センサ107、108を取り付け、ラックバー101、102の軸方向、垂直方向、及び水平方向それぞれに荷重変換器8、10、12及び負荷装置6、9、11を取り付ける。そして、この負荷装置6、9、11を駆動することによって、予め定めた規定の、又は所定の変動範囲内で変動する右方向又は左方向への荷重を一対のラックバー101、102に負荷する。
さらに、入力軸1に接続したモータ2を一定速度で両回転方向に回転駆動してラックバー101、102を左右に移動する。この際の入力軸1の回転角を角度計3で、入力軸1に負荷された回転トルクをトルクメータ4で、ラックバー101、102の左右への移動量を回転センサ107、108で、ラックバー101、102に負荷された荷重を荷重変換器8、10、12でそれぞれ測定し、規定回数後のステアリング装置100の性能変化、亀裂及び破壊の有無を調査する。
連結機構を結合した状態においては、一対のラックバー101、102を同方向に移動させる一方で(図7(a)(b)参照)、連結機構を分離した状態においては、一対のラックバー101、102を互いに逆方向に移動させて試験を行う(図8(a)(b)参照)。
1 入力軸
2 アクチュエータ(モータ)
3 角度計
4 トルクメータ
5 入力軸固定治具
6、9、11 負荷装置
7 ラックバー固定治具
8、10、12 荷重変換器
100 ステアリング装置
101、102 ラックバー
107、108 位置検出手段(回転センサ)
2 アクチュエータ(モータ)
3 角度計
4 トルクメータ
5 入力軸固定治具
6、9、11 負荷装置
7 ラックバー固定治具
8、10、12 荷重変換器
100 ステアリング装置
101、102 ラックバー
107、108 位置検出手段(回転センサ)
Claims (4)
- 左右の車輪を転舵するステアリング装置(100)の入力軸(1)に設けられ、この入力軸(1)を軸周りに回転するアクチュエータ(2)と、
前記入力軸(1)に設けられ、この入力軸(1)の軸周りの回転角を測定する角度計(3)と、
前記入力軸(1)に設けられ、この入力軸(1)に負荷された回転トルクを測定するトルクメータ(4)と、
前記入力軸(1)に着脱自在に設けられ、この入力軸(1)の軸周りの回転を阻止する入力軸固定治具(5)と、
前記ステアリング装置(100)のラックバー(101、102)の左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバー(101、102)に、その軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向への負荷を与える負荷装置(6、9、11)と、
前記ラックバー(101、102)の左右の端部に着脱自在に設けられ、このラックバー(101、102)の移動を阻止するラックバー固定治具(7)と、
前記ラックバー(101、102)に設けられ、このラックバー(101、102)の移動量を測定する位置検出手段(107、108)と、
前記ラックバー(101、102)に設けられ、このラックバー(101、102)の軸方向、垂直方向、及び水平方向のそれぞれの方向に負荷された荷重を測定する荷重変換器(8、10、12)と、
を備えたステアリング装置用の試験機。 - 前記負荷装置(6、9、11)と前記荷重変換器(8、10、12)が、前記左右2つのラックバーに当接した状態で追従し得るようにした請求項1に記載のステアリング装置用の試験機。
- 前記位置検出手段(107、108)が、前記ラックバー(101、102)に噛合い、このラックバー(101、102)の移動とともに回転する回転センサ(107、108)である請求項1又は2に記載のステアリング装置用の試験機。
- 左右の車輪を転舵するステアリング装置(100)の入力軸(1)に角度計(3)とトルクメータ(4)を設けるとともに、前記ステアリング装置(100)のラックバー(101、102)の左右の端部に位置検出手段(107、108)と、荷重変換器(8、10、12)と、負荷装置(6、9、11)とを設け、前記ラックバー(101、102)に前記負荷装置(6、9、11)で、その軸方向、垂直方向、及び水平方向に負荷を与えつつ、前記入力軸(1)を所定の角度範囲内で往復回転させた際の前記入力軸(1)の周りの回転角を前記角度計(3)で、前記入力軸(1)に負荷された回転トルクを前記トルクメータ(4)で、前記ラックバー(101、102)の移動量を前記位置検出手段(107、108)で、前記ラックバー(101、102)に負荷された、その軸方向、垂直方向、及び水平方向への荷重を前記荷重変換器(8、10、12)でそれぞれ測定するステアリング装置の試験方法。
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WO2020067156A1 (ja) | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 国際計測器株式会社 | 試験装置、試験プロセスの設定方法及びステアリング装置の試験方法 |
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- 2014-05-19 JP JP2014103019A patent/JP2015219115A/ja active Pending
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