JP2015218785A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルエア潤滑方式による高速限界を向上させる。
【解決手段】内輪及び外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、内輪と外輪との間に配置されて転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受と、転がり軸受と軸方向に隣接して配置されオイルエアが流通する給油路19が形成された外輪間座4と、を備え、給油路19が、オイルエアを内輪と外輪との間に噴射して給油するための噴射口19c1,19d1を有し、噴射口19c1,19d1からのオイルエアの噴射方向が、外輪間座4の中心線4b及び給油路19を含む仮想平面23に対して傾斜している。
【選択図】図4
【解決手段】内輪及び外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、内輪と外輪との間に配置されて転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受と、転がり軸受と軸方向に隣接して配置されオイルエアが流通する給油路19が形成された外輪間座4と、を備え、給油路19が、オイルエアを内輪と外輪との間に噴射して給油するための噴射口19c1,19d1を有し、噴射口19c1,19d1からのオイルエアの噴射方向が、外輪間座4の中心線4b及び給油路19を含む仮想平面23に対して傾斜している。
【選択図】図4
Description
本発明は、転がり軸受装置に関する。
高速で回転する工作機械の回転軸(主軸)等を支持するための転がり軸受には、従来から、微小油量の潤滑油を圧縮空気に混合させたオイルエアを被潤滑部分に供給するオイルエア潤滑方式を採用しているものがある(例えば、特許文献1,2参照)。この潤滑方式によれば、グリースよりも低粘度の潤滑油を使用しているため撹拌抵抗が小さく、又、強制給油のためグリースのように劣化や寿命の心配がない利点がある。
図9は、上記オイルエア潤滑方式を採用した従来の転がり軸受装置の一部断面図である。図9に示すように、転がり軸受装置51は、回転軸52を支持するための転がり軸受53と、内輪間座54と、外輪間座55と、転がり軸受53に給油するオイルエア潤滑装置(図示省略)とを備えている。
図9は、上記オイルエア潤滑方式を採用した従来の転がり軸受装置の一部断面図である。図9に示すように、転がり軸受装置51は、回転軸52を支持するための転がり軸受53と、内輪間座54と、外輪間座55と、転がり軸受53に給油するオイルエア潤滑装置(図示省略)とを備えている。
転がり軸受53は、回転軸52に嵌合される内輪58と、ハウジング(図示省略)に固定される外輪59と、内輪58と外輪59との間を転動する転動体とされる複数の玉60と、玉60を保持する保持器61とを備えている。保持器61の外周面はガイド面61aとして構成されており、このガイド面61aを外輪59の内周面に摺接させることにより、保持器61の回転が案内されて、外輪59により保持器61が径方向に関して位置決めされる。内輪間座54は内輪58と軸方向に隣接して配置され、又、外輪間座55は外輪59と軸方向に隣接して配置されている。
外輪間座55には、その外周面から径方向内方に向けて形成されて前記オイルエア潤滑装置からのオイルエアが導入される導入路63aと、導入路63aから外輪間座55の端面まで軸方向に貫通形成されて導入路63a内のオイルエアを転がり軸受53の内輪58と外輪59との間に噴射して供給するための供給路63b,63c(外側供給路63b、内側供給路63c)とが形成されている。外側供給路63bの先端開口は外側噴射口63b1とされて、外輪59の内周面と保持器61のガイド面61aとの間の外輪案内隙間64を指向している。又、内側供給路63cの先端開口は内側噴射口63c1とされて、内輪58と保持器61との間を指向している。
外輪間座55には、その外周面から径方向内方に向けて形成されて前記オイルエア潤滑装置からのオイルエアが導入される導入路63aと、導入路63aから外輪間座55の端面まで軸方向に貫通形成されて導入路63a内のオイルエアを転がり軸受53の内輪58と外輪59との間に噴射して供給するための供給路63b,63c(外側供給路63b、内側供給路63c)とが形成されている。外側供給路63bの先端開口は外側噴射口63b1とされて、外輪59の内周面と保持器61のガイド面61aとの間の外輪案内隙間64を指向している。又、内側供給路63cの先端開口は内側噴射口63c1とされて、内輪58と保持器61との間を指向している。
オイルエア潤滑方式は、高速で回転する回転軸52を支持するための転がり軸受53の潤滑には適している。しかし、この潤滑方式でも対応できる回転数には高速側で限界があり、回転軸52の回転数が限界を超えて高速になると、下記の問題が生じる。即ち、回転軸52が回転すると、玉60も保持器61とともに周方向に移動(公転)することから、玉60及び保持器61の周囲に空気の渦が発生する。そして、回転軸52の回転数が高速になるにしたがって、発生する空気の渦の流速も速くなり、この結果、空気の渦が各供給路63b,63cによるオイルエアの転がり軸受53内部への噴射を阻害するエアカーテンとして機能することになる。
このため、回転軸52の回転数が高速になった場合には、外輪59の内周面と保持器61のガイド面61aの両者の間にある外輪案内隙間64へのオイルエアの供給が阻害されて、前記両者の摺接部分の潤滑を良好に行えず、これら両者の間で油膜切れが発生して、両者が焼き付く惧れがあった。この問題を解決するために、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させることが考えられるが、これはコストアップを招来し、好ましくない。
そこで、本発明は、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、オイルエア潤滑方式による高速限界を向上させることが可能となる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の転がり軸受装置は、内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に配置されて前記転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受と、当該転がり軸受と軸方向に隣接して配置されオイルエアが流通する給油路が形成された円環部と、を備え、前記給油路が、前記オイルエアを前記内輪と前記外輪との間に噴射して給油するための噴射口を有する転がり軸受装置であって、前記噴射口からの前記オイルエアの噴射方向が、前記円環部の中心線及び前記給油路を含む仮想平面に対して傾斜していることを特徴とする。
この構成によれば、噴射口からのオイルエアの噴射方向が、円環部の中心線を含む仮想平面に対して傾斜しているので、噴射口から噴射されたオイルエアの噴射速度ベクトルは外輪の内周面に向かうこととなり、オイルエアは外輪の内周面と保持器の外周面との間に供給されやすい。
前記のように、給油路からのオイルエアが外輪の内周面と保持器の外周面の両者の隙間に供給されるので、回転軸の回転数が高速になった場合でも、前記両者の摺接部分の潤滑を良好に行える。したがって、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、前記両者の間で油膜切れが発生することを抑制でき、両者が焼き付くことを抑制できる。
前記のように、給油路からのオイルエアが外輪の内周面と保持器の外周面の両者の隙間に供給されるので、回転軸の回転数が高速になった場合でも、前記両者の摺接部分の潤滑を良好に行える。したがって、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、前記両者の間で油膜切れが発生することを抑制でき、両者が焼き付くことを抑制できる。
なお、前記円環部が、前記外輪とは別体の外輪間座とされていることが好ましい。この構成によれば、円環部に給油路を容易に形成できる。
本発明の転がり軸受装置によれば、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、オイルエア潤滑方式による高速限界を向上させることが可能となる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る転がり軸受装置の一部断面図である。
図1に示すように、本実施形態の転がり軸受装置1は、例えば、工作機械等の回転軸支持装置に用いられ、工作機械等の回転軸(主軸)Sを支持するためのものである。転がり軸受装置1は、一対の転がり軸受2と、これら一対の転がり軸受2の間に配置された内輪(内側)間座3と、内輪間座3の外周側に配置された外輪(外側)間座4とを備えている。なお、図1では、一対の転がり軸受2の内、一方側のみを示している。
図1に示すように、本実施形態の転がり軸受装置1は、例えば、工作機械等の回転軸支持装置に用いられ、工作機械等の回転軸(主軸)Sを支持するためのものである。転がり軸受装置1は、一対の転がり軸受2と、これら一対の転がり軸受2の間に配置された内輪(内側)間座3と、内輪間座3の外周側に配置された外輪(外側)間座4とを備えている。なお、図1では、一対の転がり軸受2の内、一方側のみを示している。
転がり軸受2は、回転軸Sに一体回転可能に外嵌された軌道輪としての内輪6と、この内輪6の径方向外側に同心に配置された軌道輪としての外輪7と、内輪6と外輪7との間に配置された転動体としての複数の玉8と、内輪6と外輪7との間に配置され複数の玉8を保持する環状の保持器9とを備えている。
内輪6は、軸受鋼や機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状の部材であり、外周面には複数の玉8が転動する内輪軌道6aが形成されている。
外輪7も内輪6と同様、軸受鋼や機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状の部材であり、内周面には、複数の玉13が転動する外輪軌道7aと、その軸方向両側に配設された一対の摺接面7bとが形成されている。外輪7の外輪間座4側の軸方向端部には、外輪7の内周面と保持器9の外周面とにわたって後述のオイルエアが供給される外輪給油路11が貫通形成されている。外輪給油路11は、外輪7の外周面に周方向に細長く凹設された外輪凹部11aと、外輪凹部11aの底面と外輪7の内周面とにわたって径方向に貫通形成された外輪供給路11bを有している。外輪供給路11bの前記内周面側の開口が、オイルエアを後述の外輪案内隙間12に噴射する外輪噴射口11b1とされている。外輪給油路11は周方向等間隔に複数(例えば6つ)形成されている。外輪給油路11は単一とされることもあり、この外輪給油路11が形成されないこともある。
外輪7も内輪6と同様、軸受鋼や機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状の部材であり、内周面には、複数の玉13が転動する外輪軌道7aと、その軸方向両側に配設された一対の摺接面7bとが形成されている。外輪7の外輪間座4側の軸方向端部には、外輪7の内周面と保持器9の外周面とにわたって後述のオイルエアが供給される外輪給油路11が貫通形成されている。外輪給油路11は、外輪7の外周面に周方向に細長く凹設された外輪凹部11aと、外輪凹部11aの底面と外輪7の内周面とにわたって径方向に貫通形成された外輪供給路11bを有している。外輪供給路11bの前記内周面側の開口が、オイルエアを後述の外輪案内隙間12に噴射する外輪噴射口11b1とされている。外輪給油路11は周方向等間隔に複数(例えば6つ)形成されている。外輪給油路11は単一とされることもあり、この外輪給油路11が形成されないこともある。
複数の玉8は、軸受鋼等を用いて形成された部材であり、内外輪6,7それぞれの軌道6a,7aの間に転動自在に介在している。玉8は、ラジアル方向に対して所定の角度をもって内輪軌道6a及び外輪軌道7aに接触しており、転がり軸受2は、アンギュラ玉軸受を構成している。
内輪6及び外輪7は、上記構成によって相対回転自在である。また、外輪7の外周面はハウジング(図示省略)に嵌合、固定されている。したがって、内輪6が外嵌された回転軸Sは、内輪6、玉8、及び外輪7を介して前記ハウジングに回転自在に支持されている。
内輪6及び外輪7は、上記構成によって相対回転自在である。また、外輪7の外周面はハウジング(図示省略)に嵌合、固定されている。したがって、内輪6が外嵌された回転軸Sは、内輪6、玉8、及び外輪7を介して前記ハウジングに回転自在に支持されている。
保持器9は、内輪6と外輪7との間に、これら両輪6,7とほぼ同心となるように配置されている。図2は保持器9を径方向から視た説明図である。図2にも示すように、保持器9は、金属製又は合成樹脂製の環状体に玉8を収容するポケット部9aを周方向に沿って所定間隔毎に複数個形成したものである。この保持器9の外周面はガイド面9bとして構成されており、図1に示すように、このガイド面9bを外輪7の摺接面7bに摺接させることにより、保持器9の回転が案内されて、外輪7により保持器9が径方向に関して位置決めされる。すなわち、保持器9はいわゆる外輪案内とされている。なお、ガイド面9bと摺接面7bとの間には、保持器9を円滑に回転させるための外輪案内隙間12が形成されている。
図1に示すように、内輪間座3は、一対の転がり軸受2の軸方向の間隔を規定(設定)するための筒状の部材であり、内輪6と軸方向に隣接して配置され、軸方向両端面に内輪6の端面が当接した状態で、回転軸Sの外周面に一体回転可能に外嵌されている。
外輪間座4は、転がり軸受2に潤滑油を供給するための円環状の円環部(円環部材)であり、外輪6と軸方向に隣接して配置され、転がり軸受装置1が取り付けられる前記ハウジングと内輪間座3との間に配置されている。外輪間座4には、微小油量の潤滑油(油滴)を圧縮空気に混合(混流)させたオイルエアを生成するオイルエア潤滑装置13が接続されている。この潤滑装置13は、外輪7の外輪給油路11にも接続されている。
外輪間座4は、転がり軸受2に潤滑油を供給するための円環状の円環部(円環部材)であり、外輪6と軸方向に隣接して配置され、転がり軸受装置1が取り付けられる前記ハウジングと内輪間座3との間に配置されている。外輪間座4には、微小油量の潤滑油(油滴)を圧縮空気に混合(混流)させたオイルエアを生成するオイルエア潤滑装置13が接続されている。この潤滑装置13は、外輪7の外輪給油路11にも接続されている。
オイルエア潤滑装置13は、圧縮空気を供給するためのエア源15と、エア源15からの圧縮空気から水、油、固形異物を除去して圧縮空気を清浄化するためのエアクリーンユニット16と、潤滑油用ポンプ(図示省略)を間欠的に作動させこのポンプからの微小油量の潤滑油を供給するためのオイルエア潤滑装置本体17と、エアクリーンユニット16からの圧縮空気にオイルエア潤滑装置本体17からの潤滑油を混合するためのミキシングバルブ18とを有する。
図3は外輪間座4の正面図である。図4は外輪間座4の一部平面図である。図5は図4のA−A線矢視断面図である。図1及び図3に示すように、外輪間座4には、転がり軸受2にオイルエアを供給するための外輪間座給油路19が周方向等間隔に複数(図例では3つ)配設されている。なお、給油路19を単一とすることもある。
図1、図3〜図5にも示すように、給油路19は、外輪間座凹部19aと、潤滑装置13からのオイルエアが導入される導入路19bと、導入路19bに導入されたオイルエアを転がり軸受2の内部に供給するための噴射ノズルとされる供給路19c,19d(外側供給路19c、内側供給路19d)とを有する。外輪間座4は、導入路19b及び両供給路19c,19dを流通するオイルエアを転がり軸受2の内部に向けて非常に高い流速で吹き付けることで当該転がり軸受2の内部に供給する。
図1、図3〜図5にも示すように、給油路19は、外輪間座凹部19aと、潤滑装置13からのオイルエアが導入される導入路19bと、導入路19bに導入されたオイルエアを転がり軸受2の内部に供給するための噴射ノズルとされる供給路19c,19d(外側供給路19c、内側供給路19d)とを有する。外輪間座4は、導入路19b及び両供給路19c,19dを流通するオイルエアを転がり軸受2の内部に向けて非常に高い流速で吹き付けることで当該転がり軸受2の内部に供給する。
外輪間座凹部19aは、外輪間座4の外周面に周方向に細長く凹設されている。導入路19bは、外輪間座凹部19aの底面の周方向中央部から径方向内方に形成されて、有底孔状とされている。外側供給路19cは、導入路19bの深さ方向(径方向)中途部と外輪間座4の軸方向端面4aとにわたって貫通形成されている。なお、外側供給路19cの形成方向は、導入路19bに対して垂直な方向とされている。外側供給路19cの軸方向端面4a側の開口が外側噴射口19c1とされており、外側噴射口19c1は、外輪7の摺接面7bと保持器9のガイド面9bとの間の外輪案内隙間12を指向している(図1参照)。
内側供給路19dは、内輪6の外周面と保持器9の内周面との間にオイルエアを噴射するためのもので、導入路19bの底部と外輪間座4の軸方向端面4aとにわたって貫通形成されており、内側供給路19dの端面4a側の開口が内側噴射口19d1とされている。図5に示すように、内側供給路19dは、内側噴射口19d1に向かうにしたがって漸次外側供給路19cから離間するように、基準面21に対して傾斜状とされている。基準面21は、導入路19bと直交する面と平行な面である。内側供給路19dの基準面21に対する傾斜角θ1は例えば30°とされて、内側噴射口19d1は内輪6の外周面を指向している(図1参照)。なお、必要に応じて傾斜角θ1は0°又は0°に近い角度とされる。
内側供給路19dは、内輪6の外周面と保持器9の内周面との間にオイルエアを噴射するためのもので、導入路19bの底部と外輪間座4の軸方向端面4aとにわたって貫通形成されており、内側供給路19dの端面4a側の開口が内側噴射口19d1とされている。図5に示すように、内側供給路19dは、内側噴射口19d1に向かうにしたがって漸次外側供給路19cから離間するように、基準面21に対して傾斜状とされている。基準面21は、導入路19bと直交する面と平行な面である。内側供給路19dの基準面21に対する傾斜角θ1は例えば30°とされて、内側噴射口19d1は内輪6の外周面を指向している(図1参照)。なお、必要に応じて傾斜角θ1は0°又は0°に近い角度とされる。
図4に示すように、外側供給路19c(内側供給路19d)は、外輪間座4の中心線4b及び導入路19bの中心線19b1(図5参照)を含む仮想平面23に対して傾斜状とされている。これにより、図2に示すように、外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)からのオイルエアの噴射方向も、仮想平面23に対して傾斜状とされている。外側供給路19c(内側供給路19d)及びオイルエアの噴射方向の傾斜角θ2は例えば60°以下とされ、図4では45°とされている。なお、外側供給路19cと内側供給路19dの傾斜角θ2は同一であるが、同一でなくてもよい。
さらに、外側供給路19c(内側供給路19d)の仮想平面23に対する前記傾斜について説明すると、この傾斜には下記のように第1の形態と第2の形態との2種類の傾斜があり、必要に応じていずれかの形態が選択される。図2は、外側供給路19c(内側供給路19d)と保持器9との関係を示している。前記第1の形態では、図2の実線で示す(図2の最も左側に配置されている)ように、外側供給路19c(内側供給路19d)が仮想平面23よりも図2の左側にあるように仮想平面23に対して傾斜状とされている。
このような傾斜を以下の説明ではプラス(+、正)傾斜と呼ぶ。なお、前記「図2の左側にあること」を便宜的に「回転軸S(保持器9)の回転方向(玉8の公転方向、図4の周方向一方)側にある」という場合もある。外側供給路19c(内側供給路19d)の前記傾斜によりオイルエアの噴射方向が回転方向側に向くように傾斜することになる。
これとは逆に、前記第2の形態では、図2の仮想線で示す(図2の最も右側に配置されている)ように、外側供給路19c(内側供給路19d)が仮想平面23よりも図2の右側にあるように仮想平面23に対して傾斜状とされている。このような傾斜を以下の説明ではマイナス(−、負)傾斜と呼ぶ。なお、前記「図2の右側にあること」を便宜的に「回転軸Sの回転方向とは反対の方向(図4の前記周方向他方)側にある」という場合もある。外側供給路19c(内側供給路19d)の前記傾斜によりオイルエアの噴射方向が回転方向とは反対の方向側に向くように傾斜することになる。
なお、図2の点線で示す(図2の中央位置にある)外側供給路63b(内側供給路63c)は、本実施形態と比較するための従来例を示している。この従来例では、外側供給路63b(内側供給路63c)は仮想平面23に沿って配置されて、外側噴射口63b1(内側噴射口63c1)からのオイルエアの噴射方向も仮想平面23に沿った方向とされ、仮想平面23に対するオイルエアの噴射方向の傾斜角は0°である。
このような傾斜を以下の説明ではプラス(+、正)傾斜と呼ぶ。なお、前記「図2の左側にあること」を便宜的に「回転軸S(保持器9)の回転方向(玉8の公転方向、図4の周方向一方)側にある」という場合もある。外側供給路19c(内側供給路19d)の前記傾斜によりオイルエアの噴射方向が回転方向側に向くように傾斜することになる。
これとは逆に、前記第2の形態では、図2の仮想線で示す(図2の最も右側に配置されている)ように、外側供給路19c(内側供給路19d)が仮想平面23よりも図2の右側にあるように仮想平面23に対して傾斜状とされている。このような傾斜を以下の説明ではマイナス(−、負)傾斜と呼ぶ。なお、前記「図2の右側にあること」を便宜的に「回転軸Sの回転方向とは反対の方向(図4の前記周方向他方)側にある」という場合もある。外側供給路19c(内側供給路19d)の前記傾斜によりオイルエアの噴射方向が回転方向とは反対の方向側に向くように傾斜することになる。
なお、図2の点線で示す(図2の中央位置にある)外側供給路63b(内側供給路63c)は、本実施形態と比較するための従来例を示している。この従来例では、外側供給路63b(内側供給路63c)は仮想平面23に沿って配置されて、外側噴射口63b1(内側噴射口63c1)からのオイルエアの噴射方向も仮想平面23に沿った方向とされ、仮想平面23に対するオイルエアの噴射方向の傾斜角は0°である。
上記構成例によれば、回転軸Sが回転すると、内輪6及び内輪間座3が回転して、玉8も自転しながら保持器9と共に周方向に移動(公転)する。この際、外輪供給路11bの外輪噴射口11b1、外側供給路19cの外側噴射口19c1及び内側供給路19dの内側噴射口19d1から、オイルエアが内輪6と外輪7との間に噴射されて供給されることで、各軌道6a,7aと玉8との摺接部分や外輪7の摺接面7bと保持器9のガイド面9bとの摺接部分でオイルエア潤滑が行われる。
特に、外輪7の摺接面7bと保持器9のガイド面9bとの間にある外輪案内隙間12には外側噴射口19c1及び内側噴射口19d1からオイルエアが下記のように供給される。図6は外輪7、保持器9及び外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)を軸方向から視た説明図である。図6において、F1はプラス傾斜の外側供給路19cから噴射されるオイルエアの噴射速度をベクトル表示したものであり、F2はマイナス傾斜の外側供給路19cから噴射されるオイルエアの噴射速度をベクトル表示したものである。図6に示すように、オイルエアの噴射速度(ベクトル)F1(F2)は外輪7の内周面に向かっているので、オイルエアが外輪案内隙間12に供給されやすい。
なお、オイルエアの噴射速度F1(F2)は外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)から外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)よりも外周側にある外輪7の内周面に向かっているので、噴射速度F1(F2)は図6の中心から径方向外側へ向かう速度成分F1a(F2a)を有している。図6の速度成分F1b(F2b)は、噴射速度F1(F2)における「速度成分F1a(F2a)に対して垂直な方向への速度成分」である。
なお、オイルエアの噴射速度F1(F2)は外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)から外側噴射口19c1(内側噴射口19d1)よりも外周側にある外輪7の内周面に向かっているので、噴射速度F1(F2)は図6の中心から径方向外側へ向かう速度成分F1a(F2a)を有している。図6の速度成分F1b(F2b)は、噴射速度F1(F2)における「速度成分F1a(F2a)に対して垂直な方向への速度成分」である。
ところで、内側噴射口19d1から噴射されたオイルエアについて考察すると、このオイルエアの噴射速度F1(F2)は、前記のように、内側噴射口19d1から内側噴射口19d1よりも外周側にある外輪7の内周面に向かっているので、噴射速度F1(F2)は図6の中心から径方向外側へ向かう速度成分F1a(F2a)を有している。これにより、外側噴射口19c1から噴射されたオイルエアが径方向内側に流れようとしても、この流れが内側噴射口19d1から噴射されたオイルエアによりブロック(阻止)されて、外輪案内隙間12に押し込まれることになり、外輪案内隙間12へのオイルエアの供給量をさらに増加させることができる。
なお、本実施形態の場合と異なり、外側噴射口19c1から噴射されたオイルエアが外輪案内隙間12に入りにくい場合には、噴射されたオイルエアが外輪間座4の軸方向端面4aと保持器9との間に滞留し易く、このため、内側噴射口19d1から噴射されたオイルエアは外輪7側へ流れにくい。しかし、本実施形態では、前記のように、外側噴射口19c1から噴射されたオイルエアが外輪案内隙間12に供給されやすく、外輪間座4の軸方向端面4aと保持器9との間に滞留しにくい。したがって、この点においても、内側噴射口19d1から噴射されたオイルエアが外輪7側へ流れやすく、外輪案内隙間12へのオイルエアの供給量をさらに増加させることができる。
前記のように、外側供給路19c及び内側供給路19dからオイルエアが外輪案内隙間12に供給されるので、回転軸Sの回転数が高速になった場合でも、外輪7の摺接面7bと保持器9のガイド面9bとの摺接部分の潤滑を良好に行える。したがって、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、摺接面7bとガイド面9bの両者の間で油膜切れが発生することを抑制でき、これら両者が焼き付くことを抑制できる。
前記のように、外側供給路19c及び内側供給路19dからオイルエアが外輪案内隙間12に供給されるので、回転軸Sの回転数が高速になった場合でも、外輪7の摺接面7bと保持器9のガイド面9bとの摺接部分の潤滑を良好に行える。したがって、オイルエアの潤滑油やエアの量を増加させなくても、摺接面7bとガイド面9bの両者の間で油膜切れが発生することを抑制でき、これら両者が焼き付くことを抑制できる。
なお、図2の点線で示す(図2の中央位置にある)従来例では、外側噴射口63b1(内側噴射口63c1)からのオイルエアの噴射方向が仮想平面23に沿った方向とされて、オイルエアの噴射速度ベクトル(図示省略)は径方向に関する速度成分を有していない。
なお、本実施形態では、外輪間座4を円環部として、外輪間座4に外輪間座給油路19を形成したが、外輪7に、外輪間座給油路19を有する円環部を一体に形成してもよい。しかし、このようにすると、外輪間座給油路19、特に、外側供給路19c及び内側供給路19dの形成を本実施形態のように容易に行えない。
つぎに、本実施形態の内側供給路19dの仮想平面23に対する傾斜角θ2をパラメータとして、外輪7に対する冷却性能(効果)を図9に示す従来の転がり軸受装置53(内側供給路63c(外側供給路63b)の傾斜角は0°)の冷却性能と比較するシミュレーションを行った。なお、本実施形態の内側供給路19dと外側供給路19cの仮想平面23に対する傾斜角θ2は同一である。図7はシミュレーション結果を示すグラフで、縦軸が従来の冷却性能に対する本実施形態の冷却性能の比を示し、横軸が内側供給路19dの傾斜角θ2を示している。
図7を見れば、本実施形態の内側供給路19dがプラス傾斜とマイナス傾斜のいずれの場合であっても、傾斜角θ2が大きくなるほど冷却性能比が大となることが分かる。
図7を見れば、本実施形態の内側供給路19dがプラス傾斜とマイナス傾斜のいずれの場合であっても、傾斜角θ2が大きくなるほど冷却性能比が大となることが分かる。
さらに、前記シミュレーション結果を実験で検証するために、本実施形態(内側供給路19d(外側供給路19c)の傾斜角θ2は45°)と図9に示す従来の転がり軸受装置53(内側供給路63c(外側供給路63b)の傾斜角は0°)の冷却性能に関する実験を行った。図8は実験結果を示すグラフで、縦軸が外輪7(59)の昇温(温度上昇)を示し、横軸が回転軸S(52)の回転速度を示す。又、図8のG1が本実施形態の実験結果、G2が従来の実験結果である。
図8を見れば、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも昇温が低い。特に、回転軸S(52)の回転速度が30,000r/minのように高速回転になると、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも8℃も昇温が低く、昇温を30%低減できる。なお、前記実験時に、回転軸S(52)の回転速度が30,000r/minの場合の本実施形態と従来の転がり軸受装置53のサーモグラフィ画像を調べたところ(サーモグラフィ画像は省略した)、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも保持器9(61)の昇温が低いとともに、内輪6(58)や転動体である玉8(60)の昇温も低かった。
図8を見れば、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも昇温が低い。特に、回転軸S(52)の回転速度が30,000r/minのように高速回転になると、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも8℃も昇温が低く、昇温を30%低減できる。なお、前記実験時に、回転軸S(52)の回転速度が30,000r/minの場合の本実施形態と従来の転がり軸受装置53のサーモグラフィ画像を調べたところ(サーモグラフィ画像は省略した)、本実施形態のほうが従来の転がり軸受装置53よりも保持器9(61)の昇温が低いとともに、内輪6(58)や転動体である玉8(60)の昇温も低かった。
なお、上記実施形態では、本発明を「保持器9のガイド面9bを外輪7の摺接面7bに摺接させることにより、保持器9の回転が案内されて、外輪7により保持器9が径方向に関して位置決めされる」転がり軸受2、すなわち、「保持器9が外輪案内である」転がり軸受2に適用したが、本発明は、「保持器が転動体案内である」転がり軸受や「保持器が内輪案内である」転がり軸受にも適用可能である。また、上記実施形態では、転がり軸受2をアンギュラ玉軸受とした場合を例示したが、本発明は、転がり軸受2を円筒ころ軸受や円すいころ軸受等、その他の転がり軸受にした場合にも適用することができる。
1:転がり軸受装置 S:回転軸 4:外輪間座(円環部) 4b:中心線6:内輪 7:外輪 8:玉(転動体) 9:保持器
12:外輪案内隙間 13:オイルエア潤滑装置 19:外輪間座給油路
19c:外側供給路 19d:内側供給路 19c1:外側噴射口
19d1:内側噴射口 23:仮想平面 θ2:傾斜角
12:外輪案内隙間 13:オイルエア潤滑装置 19:外輪間座給油路
19c:外側供給路 19d:内側供給路 19c1:外側噴射口
19d1:内側噴射口 23:仮想平面 θ2:傾斜角
Claims (2)
- 内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に配置されて前記転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受と、
当該転がり軸受と軸方向に隣接して配置されオイルエアが流通する給油路が形成された円環部と、を備え、
前記給油路が、前記オイルエアを前記内輪と前記外輪との間に噴射して給油するための噴射口を有する転がり軸受装置であって、
前記噴射口からの前記オイルエアの噴射方向が、前記円環部の中心線及び前記給油路を含む仮想平面に対して傾斜していることを特徴とする転がり軸受装置。 - 前記円環部が、前記外輪とは別体の外輪間座とされている請求項1に記載の転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
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JP2014101442A JP2015218785A (ja) | 2014-05-15 | 2014-05-15 | 転がり軸受装置 |
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Citations (5)
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JP2007092886A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Jtekt Corp | 転がり軸受装置 |
-
2014
- 2014-05-15 JP JP2014101442A patent/JP2015218785A/ja active Pending
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