JP2015218609A - 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015218609A JP2015218609A JP2014101064A JP2014101064A JP2015218609A JP 2015218609 A JP2015218609 A JP 2015218609A JP 2014101064 A JP2014101064 A JP 2014101064A JP 2014101064 A JP2014101064 A JP 2014101064A JP 2015218609 A JP2015218609 A JP 2015218609A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coking
- injection amount
- calculated
- fuel ratio
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
Description
このような排気ガス再循環装置が設けられたコモンレール式燃料噴射制御装置におけるエンジンや排気ガス再循環装置の動作制御としては、いわゆる空燃比制御が用いられ、種々の制御方法が提案、実用化されている(例えば、特許文献1等参照)。
ところが、このような実噴射量の目標噴射量からのずれや、エアマスセンサの誤検出に起因する上述のような空燃比制御の精度悪化を補償しようとしても、従来の制御手法においては、制御精度の悪化の原因が実噴射量の目標噴射量からのずれによるものか、エアマスセンサの誤検出によるものかを特定することが困難であったため、原因に応じて適切に対処しつつ、上述のような原因による燃料噴射量のずれの補償や、制御精度の悪化の低減、抑圧を実現することができなかった。
目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいてエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正方法であって、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
前記指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいて電子制御ユニットによりエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の一構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料を内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)3の気筒へ噴射供給する複数のインジェクタ(燃料噴射弁)2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述する燃料噴射量補正処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種のコモンレール式燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
インジェクタ2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数、アクセル開度、外気温度、大気圧などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御、さらには、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理等に供するために入力されるようになっている。
以下、図2を参照しつつ、排気ガス再循環装置101の構成について説明する。
エンジン3のインテークマニホールド14aには、燃料の燃焼のために必要な空気を取り入れる吸気管12が、また、エキゾーストマニホールド14bには、排気ガスを排気するための排気管13が、それぞれ接続されている。
さらに、吸気管12には、先に述べた連通路15と可変ターボ18の間の適宜な位置において、吸入空気の冷却を行うインタークーラ21が設けられている。
そして、このインタークーラ21と連通路15との間には、吸入空気の量を調整するためのインテークスロットルバルブ22が設けられている。
さらに、吸気管12においては、インタークーラ21とインテークスロットルバルブ22との間に、エンジン1の吸入空気の温度を検出するための吸気温度センサ25が設けられると共に、インテークスロットルバルブ22の下流側には、インテークマニホルド14aの吸気圧を検出する吸気圧センサ26が設けられている。
これら、エアマスセンサ24、吸気温度センサ25、吸気圧センサ26、及び、λセンサ27の検出信号は、電子制御ユニット4に入力されて、燃料噴射制御処理や、後述する本発明の実施例における燃料噴射量補正処理等に供されるようになっている。
最初に、本発明の実施例における燃料噴射量補正処理が適用される前提条件について説明する。
本発明の実施例における燃料噴射量補正処理は、詳細は後述するように、特に、エンジン3の吸入空気量が排気ガス再循環装置101を用いて空燃比制御により制御される車両装置に適するものであるため、本発明の実施例における燃料噴射量補正処理が適用される車両装置においては、空燃比制御によりエンジン制御が行われることを前提とする。空燃比制御は、λセンサ27によって検出された実際の空燃比(実測空燃比)が、電子制御ユニット4において算出される目標空燃比となるように吸入空気量、燃料噴射量等が適宜制御されるものであり、その基本的な処理内容は、従来装置におけるものと同様であるとする。
従来、空燃比制御において、例えば、実際の噴射量(実噴射量)が目標噴射量からずれたり、エアマスセンサ24の劣化等により誤った吸入空気量を検出することが生じ得るが、この場合、目標空燃比が本来のあるべき値からずれてしまい、空燃比制御の精度劣化を招くこととなる。
このような実噴射量の目標噴射量からのずれや、エアマスセンサ24の誤検出に起因する上述のような空燃比制御の精度悪化を補償しようとしても、従来の制御手法においては、制御精度の悪化の原因が実噴射量の目標噴射量からのずれによるものか、エアマスセンサ24の誤検出によるものかを特定し、原因に応じた適切な補償制御を行うことができなかった。
効率の良い燃焼を得るには、噴霧を微粒化させる必要があるが、近年、噴霧の微粒化の傾向の要請が強まりつつあり、さらなる噴霧の微粒化のために、噴孔径を小さくするのが一般的である。
しかしながら、噴孔径を小さくことはコーキングがより発生し易くなり、かかるコーキングは、噴孔径を実質的に小さくするため、燃料噴射量の減少を招き、空燃比制御の精度を悪化させる。
かかる知見に基づいて、本願発明者は、車両装置の出荷後の所定走行距離、又は、所定のエンジン運転時間までの間に生ずる目標空燃比と実空燃比とのずれは、コーキングによる燃料噴射量のずれとによるものとして燃料噴射量の補正が可能であることを結論づけるに至った。
以下、具体的に説明する。
最初に、図3を参照しつつ、本発明の実施の形態の燃料噴射量補正処理における学習実行条件判定処理の手順について説明する。
本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理は、コーキングの量をいわゆる学習処理によって取得し(以下、説明の便宜上、この学習処理を「コーキング学習処理」と称する)、その学習値に基づいて補正値を定めるようになっている。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、安定性判定条件演算処理(ステップS102参照)、学習領域判定要素取込処理(ステップS104参照)、及び、初期コーキング状態判定要素取込処理(ステップS106参照)の各々が、タイムシェアリング的にほぼ同時並列的に実行されることとなる。
本発明の形態においては、安定性判定要素として、具体的には、Δ指示噴射量、指示噴射段数、Δ実レール圧、Δ実過給圧、Δ新規吸入空気量、Δエンジン回転数、燃焼モード、λセンサモード、水温範囲、燃料温範囲、吸気温範囲が選定されている。
燃焼モードは、エンジン3の燃焼室における点火、燃焼方法が複数方法の中から選択可能となっている場合に、いずれの方法(燃焼モード)が選択されているかを示すものであり、コーキング学習に際しては、燃焼状態がより安定する方法に選択されていることが望ましい。
水温範囲は、エンジン3の冷却水温についての温度情報であり、コーキング学習に際しては、エンジン3が安定した動作状態にあると判定できる所定の水温範囲にあることが望ましい。
吸気温範囲は、吸気温度センサ25により検出された吸入空気の温度についての温度情報であり、コーキング学習に際しては、燃焼状態が安定状態と判断できる所定の範囲にあることが望ましい。
本発明の実施の形態において、学習領域判定要素としては、具体的には、レール圧範囲と指示通電時間範囲が選定されている。
すなわち、この処理実行の際の実際のレール圧と、噴射の際の指示通電時間が電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に取り込まれることとなる。
コーキングによる燃料噴射量の減少は、先に述べたように、車両装置の出荷後、所定の時間経過の間のみに顕著に進行し、その後、飽和状態となるため、コーキング学習は、車両が使用開始されてから所定の運転時間、所定の走行距離の間のみ意義あるものである。
運転時間は、電子制御ユニット4により機能せしめられるるようになっているエンジンオンタイマによって、走行距離は、車両に設けられるオドメータ(図示せず)によって、それぞれ取得できるものである。
また、学習領域判定要素として取り込まれたレール圧が、コーキング学習を行うに適すると予め定められた所定の圧力範囲にあるか否か、指示通電時間がコーキング学習を行うに適すると予め定められた所定の通電時間の範囲にあるか否かが、それぞれ判定される。
さらに、初期コーキング状態判定要素として取り込まれた走行距離、運転時間が、コーキング学習が有効とされる範囲にあるか否かが、それぞれ判定される。
なお、ステップS108において、上述の安定性判定要素、学習領域判定要素、及び、初期コーキング状態判定要素の各々の要素の値が、コーキング学習を行うに適していると判定する具体的な値や範囲は、車両の具体的な仕様等を考慮して、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定めるのが好適である。
しかして、ステップS110において所定の遅延時間が経過したと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS112の処理へ進む一方、未だ所定の遅延時間は経過していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS102、S104、及び、S106が再度繰り返されることとなる。
ここで、図6を参照しつつ、本発明の実施の形態におけるコーキング学習の概念について説明する。
図6において、横軸は走行距離又は車両の運転時間を、縦軸はインジェクタの実際の噴射量を、それぞれ示している。そして、同図において、実線の特性線は、インジェクタによる実際の燃料噴射量の変化例を模式的に示したものとなっている。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、学習許可がなされているか否かが判定される(図4のステップS202参照)。
すなわち、初期学習許可(図3のステップS116参照)、又は、コーキング学習許可(図3のステップS118参照)がなされているか否かが判定され、いずれかの学習許可がなされていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS204の処理へ進む一方、いずれの学習許可もなされていないと判定された場合(NOの場合)には、これ以後の処理を実行する状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
すなわち、λセンサ27により得られた実際の空燃比である実測空燃比と、車両の動作状態を基に算出される理論上、計算上の空燃比(以下、説明の便宜上「計算空燃比」と称する)との差が空燃比のずれ量、換言すれば、λずれ量として算出される。
次いで、学習フィルタが適用された空燃比のずれ量が、燃料噴射量のずれ量ΔQに変換される(図4のステップS208参照)。
空燃比と燃料噴射量は対応しているため、空燃比のずれ量は燃料噴射量のずれに変換することができ、後述する燃料噴射量の補正を考慮して、このステップS208において、空燃比のずれ量は、燃料噴射量のずれ量に変換されるようになっている。
一方、初期学習は未だ完了していないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS208において算出された燃料噴射量のずれ量ΔQが初期学習値であるとして、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存され、一連の処理が一旦終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ここで、コーキング差分が零以下か否かを判定するのは、次述する理由によるものである。すなわち、コーキングによる燃料噴射量のずれは、本来得られるべき燃料噴射量に対して減少する方向であり、その値は負の値となるため、先にステップS212で算出されたコーキング差分は必ず負の値となるためである。なお、コーキング差分が零以下ではない場合は、コーキングに起因するものではなく、他の要因に起因するものということができる。
一方、コーキング差分が零以下ではないと判定された場合(NOの場合)には、正確なコーキング学習値は確定できないため、コーキング学習値は便宜的に零として、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存されることとなる(図4のステップS220参照)。
なお、ステップ218又はステップS220の処理後は、この図4に示された一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
このコーキング量補正処理は、先に図4を参照しつつ説明したようにして得られたコーキング学習値を基に、燃料噴射量の補正を行う処理である。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、コーキング学習値が取得されているか否かが判定され(図5のステップS302参照)、コーキング学習値が取得されていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS304,S312及びS314の処理へ進む一方、コーキング学習値は取得されていないと判定された場合には(NOの場合)、以後の処理をするに適した状態ではないとして一連の処理は終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
まず、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態、すなわち、レール圧やエンジン回転数等と、実際にコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正する時点におけるエンジン3の動作状態とは必ずしも一致しない。
そのため、本発明の実施の形態においては、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態と、実際にコーキング補正を行う際のエンジン3の動作状態との相関係数を算出し、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態において必要とされる補正値をベースにして、実際にコーキング補正を行う際の補正値を上述の相関係数を用いて算出するようにしている。
なお、リミット値は、車両の具体的な仕様等を考慮しつつ、試験結果やシミュレーション結果に基づいて選定するのが好適である。
このステップS310において算出される補正値は、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態においてコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正するために必要となる補正値である(以下、説明の便宜上「コーキングベース補正値」と称する)。このコーキングベース補正値は、コーキング学習値を基に、予め設定された演算式(以下、説明の便宜上「コーキングベース補正値算出式」と称する)により算出されるようになっている。なお、コーキングベース補正値算出式は、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて設定するのが好適である。
実レール圧は圧力センサ11の検出値を電子制御ユニット4に取り入れることで、処理実行時における値が取得される。
一方、指示燃料噴射量は、電子制御ユニット4において別途従来同様実行される燃料噴射制御処理において、エンジン3の回転数やアクセル開度等に基づいて所定の指示噴射量算出式により算出される目標としての燃料噴射量であり、そのため、ステップS314においては、新たに算出する必要はなく、燃料噴射制御処理において算出された直近の指示燃料噴射量を流用するようにすれば良い。
ここで、本発明の実施の形態におけるコーキング相関係数は、ステップS312及びS314において取得された実レール圧と指示噴射量における実際の燃料噴射量と指示噴射量とのずれ量と、取得されているコーキング学習値との相関係数である。なお、実際の燃料噴射量と指示噴射量とのずれ量(コーキングずれ量)は、先に説明したように、先ず、空燃比のずれ量を求め、それを変換処理することで得られるものである。
このコーキング相関係数マップは、エンジン3と同様の特性のエンジンであって、その動作特性が標準とされるエンジン(以下、説明の便宜上「標準エンジン」と称する)を用いて予め取得され、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶されて用いられるものである。
すなわち、コーキング相関係数マップは、基準となるコーキング学習点における実レール圧と指示噴射量における実際の燃料噴射のずれ量と、種々の実レール圧と指示噴射量の組み合わせにおける実際の燃料噴射のずれ量との相関係数を、実レール圧と指示噴射量とを入力パラメータとして読み出し可能に構成されたもである。
そして、実際に取得されたコーキング学習値が、複数用意されたコーキング相関係数マップのそれぞれの基準となるコーキング学習点と異なる場合には、いわゆる補間法によって、必要な相関係数を算出するようにするのが好適である。
すなわち、先のステップS310で算出されたコーキングベース補正値に対して先のステップS316で算出されたコーキング相関係数を乗じることで、指示噴射量補正値が求められる。
次いで、指示噴射量に指示噴射量補正値を加算することで指示噴射量の補正が行われる(図5のステップS320参照)。なお、このように補正された指示噴射量を、以下、説明の便宜上、必用に応じて「補正指示噴射量」と称する。
なお、算出された補正指示噴射量に対応する通電時間は、電子制御ユニット4において別途実行される燃料噴射制御処理に受け渡され、インジェクタ2−1〜2−nの通電制御に供されることとなる。
3…エンジン
4…電子制御ユニット
27…λセンサ
Claims (4)
- 目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいてエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正方法であって、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
前記指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能にしたことを特徴とする燃料噴射量補正方法。 - 前記コーキング学習値が所定のリミット値を超えた場合には、前記リミット値をコーキング学習値の代替値として用いることを特徴とする請求項1記載の燃料噴噴射量補正方法。
- 目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいて電子制御ユニットによりエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 前記電子制御ユニットは、前記コーキング学習値が所定のリミット値を超えた場合に、前記リミット値をコーキング学習値の代替値として用いるよう構成されてなることを特徴とする請求項3記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014101064A JP6223904B2 (ja) | 2014-05-15 | 2014-05-15 | 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014101064A JP6223904B2 (ja) | 2014-05-15 | 2014-05-15 | 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015218609A true JP2015218609A (ja) | 2015-12-07 |
JP6223904B2 JP6223904B2 (ja) | 2017-11-01 |
Family
ID=54778213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014101064A Active JP6223904B2 (ja) | 2014-05-15 | 2014-05-15 | 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6223904B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020159308A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの診断装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007327386A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Nippon Soken Inc | 車載内燃機関の制御装置 |
JP2010071126A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Nissan Motor Co Ltd | 直接噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2012102650A (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 内燃機関の異常判定装置 |
JP2012241677A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Bosch Corp | インジェクタ噴射タイミング補正・診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
-
2014
- 2014-05-15 JP JP2014101064A patent/JP6223904B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007327386A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Nippon Soken Inc | 車載内燃機関の制御装置 |
JP2010071126A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Nissan Motor Co Ltd | 直接噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2012102650A (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 内燃機関の異常判定装置 |
JP2012241677A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Bosch Corp | インジェクタ噴射タイミング補正・診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020159308A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの診断装置 |
JP7243371B2 (ja) | 2019-03-27 | 2023-03-22 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの診断装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6223904B2 (ja) | 2017-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2167805B1 (en) | Fuel injection control apparatus and fuel injection control method for internal combustion engine | |
JP4525729B2 (ja) | Egr分配ばらつき検出装置 | |
JP4462315B2 (ja) | 内燃機関制御装置 | |
US8347863B2 (en) | Method for controlling a fuel delivery device on an internal combustion engine | |
JP2009103062A (ja) | 吸気量補正装置 | |
JP2009108712A (ja) | 気筒特性ばらつき検出装置 | |
JP2008095615A (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
US8281768B2 (en) | Method and apparatus for controlling fuel rail pressure using fuel pressure sensor error | |
JP2008014152A (ja) | 噴射特性の学習方法及び燃料噴射制御装置 | |
JP2010525228A (ja) | 内燃機関での噴射制御方法および内燃機関での噴射制御装置 | |
JP2005320964A (ja) | ディーゼル機関の噴射量制御装置 | |
US9103294B2 (en) | Fuel drift estimation and compensation for operation of an internal combustion engine | |
JP2008088837A (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
US11078864B2 (en) | Method of controlling fuel injection amount of internal combustion engine | |
JP5040902B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6223904B2 (ja) | 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 | |
JP2009243471A (ja) | 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム | |
JP4513895B2 (ja) | 燃料噴射システム制御装置 | |
JP2009057853A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置及び内燃機関の燃料噴射量学習方法 | |
JP2015190397A (ja) | 内燃機関のスート排出量推定装置 | |
JP4667324B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US8126633B2 (en) | Method for operating an internal combustion engine | |
JP5692130B2 (ja) | 内燃機関制御装置 | |
US8843298B2 (en) | Engine control system for actuator control | |
JP2017014946A (ja) | Egr制御方法及びegr装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171004 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6223904 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |