JP2015218609A - 燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、コーキングを起因とした本来の燃料噴射量からのずれを確実に補償可能とする。【解決手段】 エンジン3の最初の駆動開始の際に、実際の空燃比である実空燃比と、計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、所定の学習限界時まで、実空燃比と計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として学習してゆき、コーキング学習値と初期学習値との差に基づいて、コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出し、指示噴射量を補正する際の燃料噴射量のずれとコーキング学習値とのずれの相関係数をコーキングベース補正値に乗じて補正値を求め、その補正値で指示噴射量の補正を行うことで、コーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能としたものである。【選択図】図3

Description

本発明は、コモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正制御に係り、特に、インジェクタコーキングに起因する燃料噴射量の変動の抑圧、燃料噴射量制御の信頼性の向上等を図ったものに関する。
いわゆるコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧ポンプによって燃料を加圧して蓄圧器であるコモンレールへ圧送して蓄圧し、その蓄圧された高圧燃料を燃料噴射弁へ供給することにより、燃料噴射弁による内燃機関への高圧燃料の噴射を可能として、燃費やエミッション特性等に優れるものとして良く知られているものである。
かかるコモンレール式燃料噴射制御装置においては、さらなるエミッション低減や燃焼音の低減等の要求が増しつつあり、そのような要求に対応すべく、排気ガス再循環装置が設けられた構成を採ることもある。
このような排気ガス再循環装置が設けられたコモンレール式燃料噴射制御装置におけるエンジンや排気ガス再循環装置の動作制御としては、いわゆる空燃比制御が用いられ、種々の制御方法が提案、実用化されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平11−280525号公報(第2−5頁、図1−図7)
ところで、従来、空燃比制御によりエンジンの動作制御を行う場合、例えば、空燃比センサ(λセンサ)により検出される実際の空燃比と、エンジンの吸気側配管に設けられたエアマスセンサで検出された吸入空気量とエンジン制御処理によって演算算出される目標燃料噴射量とを基に算出される目標空燃比との差を極力小さくするようフィードバック制御する方法などがあるが、従来のこの手法は、次述するような問題を内包している。
すなわち、従来の手法において、例えば、実際の噴射量(実噴射量)が目標噴射量からずれたり、エアマスセンサの劣化等により誤った空気流量が検出値として出力されることが生じ得るが、この場合、目標空燃比が本来のあるべき値からずれてしまい、空燃比制御の精度劣化を招くこととなる。
ところが、このような実噴射量の目標噴射量からのずれや、エアマスセンサの誤検出に起因する上述のような空燃比制御の精度悪化を補償しようとしても、従来の制御手法においては、制御精度の悪化の原因が実噴射量の目標噴射量からのずれによるものか、エアマスセンサの誤検出によるものかを特定することが困難であったため、原因に応じて適切に対処しつつ、上述のような原因による燃料噴射量のずれの補償や、制御精度の悪化の低減、抑圧を実現することができなかった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、コーキングを起因とした本来の燃料噴射量からのずれを確実に補償し、従来に比して信頼性の高い燃料噴射量補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射量補正方法は、
目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいてエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正方法であって、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
前記指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいて電子制御ユニットによりエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなるものである。
本発明によれば、実空燃比と計算値空燃比とのずれに基づいてコーキングに起因する燃料噴射量のずれを把握できるようにしたので、特別な新たな部品を設けることなく、電子制御ユニットにおける処理負担を大きく増大させること無く、コーキングに起因する燃料噴射量の的確な補正が可能となり、従来に比して、より信頼性の高い燃料噴射制御が実現できるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンに適用される排気ガス再循環装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置を構成する電子制御ユニットにより実行されるコーキング学習開始判断処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置を構成する電子制御ユニットにより実行されるコーキング学習処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置を構成する電子制御ユニットにより実行されるコーキング量補正処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるコーキング学習処理の概念を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の一構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料を内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)3の気筒へ噴射供給する複数のインジェクタ(燃料噴射弁)2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述する燃料噴射量補正処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種のコモンレール式燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
高圧ポンプ装置50は、供給ポンプ5と、調量弁6と、高圧ポンプ7とを主たる構成要素として公知・周知の構成を有してなるものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
なお、供給ポンプ5の出力側と燃料タンク9との間には、戻し弁8が設けられており、供給ポンプ5の出力側の余剰燃料を燃料タンク9へ戻すことができるようになっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
インジェクタ2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
電子制御ユニット4は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、インジェクタ2−1〜2−nを通電駆動するための回路(図示せず)や、調量弁6等を通電駆動するための回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数、アクセル開度、外気温度、大気圧などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御、さらには、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理等に供するために入力されるようになっている。
また、本発明の実施の形態においては、エミッションの低減等のために図2に示されたように排気ガス再循環装置101が設けられたものとなっている。
以下、図2を参照しつつ、排気ガス再循環装置101の構成について説明する。
エンジン3のインテークマニホールド14aには、燃料の燃焼のために必要な空気を取り入れる吸気管12が、また、エキゾーストマニホールド14bには、排気ガスを排気するための排気管13が、それぞれ接続されている。
そして、吸気管12と排気管13を連通する連通路15が、吸気管12と排気管13の適宜な位置に設けられると共に、この連通路15の途中には、吸気管12側から、連通路15の連通状態、換言すれば、排気ガスの還流量を調整するためのEGRバルブ16と、通過排気ガスの冷却を行うためのEGRクーラ17が順に配設されている。
また、排気管13において連通路15より下流側に設けられた可変タービン19と、吸気管12において連通路15より上流側に設けられた圧縮機20とを主たる構成要素としてなる公知・周知の構成を有する可変ターボ18が設けられている。そして、可変タービン19により得られた回転力により圧縮機20が回転せしめられて、圧縮された空気が吸入空気としてインテークマニホールド14aへ送出されるようになっている。
さらに、吸気管12には、先に述べた連通路15と可変ターボ18の間の適宜な位置において、吸入空気の冷却を行うインタークーラ21が設けられている。
そして、このインタークーラ21と連通路15との間には、吸入空気の量を調整するためのインテークスロットルバルブ22が設けられている。
また、吸気管12の上流側には、吸入空気を清浄するためのフィルタ23が設けられており、その下流側には、フィルタ23を介して流入する吸入空気量を検出するためのエアマスセンサ24が設けられている。
さらに、吸気管12においては、インタークーラ21とインテークスロットルバルブ22との間に、エンジン1の吸入空気の温度を検出するための吸気温度センサ25が設けられると共に、インテークスロットルバルブ22の下流側には、インテークマニホルド14aの吸気圧を検出する吸気圧センサ26が設けられている。
一方、排気管13においては、可変タービン19の下流側にλセンサ27が設けられている。
これら、エアマスセンサ24、吸気温度センサ25、吸気圧センサ26、及び、λセンサ27の検出信号は、電子制御ユニット4に入力されて、燃料噴射制御処理や、後述する本発明の実施例における燃料噴射量補正処理等に供されるようになっている。
次に、電子制御ユニット4により実行される本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理について、図3乃至図6を参照しつつ説明する。
最初に、本発明の実施例における燃料噴射量補正処理が適用される前提条件について説明する。
本発明の実施例における燃料噴射量補正処理は、詳細は後述するように、特に、エンジン3の吸入空気量が排気ガス再循環装置101を用いて空燃比制御により制御される車両装置に適するものであるため、本発明の実施例における燃料噴射量補正処理が適用される車両装置においては、空燃比制御によりエンジン制御が行われることを前提とする。空燃比制御は、λセンサ27によって検出された実際の空燃比(実測空燃比)が、電子制御ユニット4において算出される目標空燃比となるように吸入空気量、燃料噴射量等が適宜制御されるものであり、その基本的な処理内容は、従来装置におけるものと同様であるとする。
次に、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理について、概括的に説明する。
従来、空燃比制御において、例えば、実際の噴射量(実噴射量)が目標噴射量からずれたり、エアマスセンサ24の劣化等により誤った吸入空気量を検出することが生じ得るが、この場合、目標空燃比が本来のあるべき値からずれてしまい、空燃比制御の精度劣化を招くこととなる。
このような実噴射量の目標噴射量からのずれや、エアマスセンサ24の誤検出に起因する上述のような空燃比制御の精度悪化を補償しようとしても、従来の制御手法においては、制御精度の悪化の原因が実噴射量の目標噴射量からのずれによるものか、エアマスセンサ24の誤検出によるものかを特定し、原因に応じた適切な補償制御を行うことができなかった。
ところで、実噴射量の目標噴射量からのずれを招く原因の一つとして、インジェクタ2−1〜2−nのコーキングがあるが、そのこと自体は従来から知られている。なお、本発明の実施の形態において、「コーキング」とは、エンジン3における燃料の燃焼により、すす等がインジェクタ2−1〜2−nのノズル噴孔(図示せず)付近に堆積する現象を意味するものとする。
効率の良い燃焼を得るには、噴霧を微粒化させる必要があるが、近年、噴霧の微粒化の傾向の要請が強まりつつあり、さらなる噴霧の微粒化のために、噴孔径を小さくするのが一般的である。
しかしながら、噴孔径を小さくことはコーキングがより発生し易くなり、かかるコーキングは、噴孔径を実質的に小さくするため、燃料噴射量の減少を招き、空燃比制御の精度を悪化させる。
本願発明者は、鋭意研究の結果、エアマスセンサ24の検出誤差による吸入空気量の誤検出は、その誤検出の幅が、例えば、時間の経過と共に、ほぼ一定の割合で変化するようなものであるのに対して、インジェクタ2−1〜2−nのコーキングによる燃料噴射量の減少は、車両装置の出荷後、所定の時間経過の間のみに顕著に進行し、その後、飽和状態となることを知見するに至った。
かかる知見に基づいて、本願発明者は、車両装置の出荷後の所定走行距離、又は、所定のエンジン運転時間までの間に生ずる目標空燃比と実空燃比とのずれは、コーキングによる燃料噴射量のずれとによるものとして燃料噴射量の補正が可能であることを結論づけるに至った。
本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理は、上述のような観点に基づくもので、その基本は、車両装置の出荷後の使用開始から所定の間、コーキングによる燃料噴射量の減少量を学習しつつ、その学習値に対応して燃料噴射量の補正を行うことで精度の高い空燃比制御を可能とするものである。
以下、具体的に説明する。
最初に、図3を参照しつつ、本発明の実施の形態の燃料噴射量補正処理における学習実行条件判定処理の手順について説明する。
本発明の実施の形態における燃料噴射量補正処理は、コーキングの量をいわゆる学習処理によって取得し(以下、説明の便宜上、この学習処理を「コーキング学習処理」と称する)、その学習値に基づいて補正値を定めるようになっている。
図3は、そのコーキング学習処理を開始するに適した状態か否かを判定し、学習開始条件が満たされていると判定された場合には学習処理を開始するためのコーキング学習条件判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、安定性判定条件演算処理(ステップS102参照)、学習領域判定要素取込処理(ステップS104参照)、及び、初期コーキング状態判定要素取込処理(ステップS106参照)の各々が、タイムシェアリング的にほぼ同時並列的に実行されることとなる。
安定性判定条件演算処理は、車両の運転状態がコーキング学習処理を開始するに適した状態にあるか否かを判定するため予め選定された複数の判定要素(以下、説明の便宜上「安定性判定要素」と称する)の現時点における値を演算算出するための処理である。
本発明の形態においては、安定性判定要素として、具体的には、Δ指示噴射量、指示噴射段数、Δ実レール圧、Δ実過給圧、Δ新規吸入空気量、Δエンジン回転数、燃焼モード、λセンサモード、水温範囲、燃料温範囲、吸気温範囲が選定されている。
Δ指示噴射量は、所定の単位時間当たりの指示噴射量の変化量であり、Δ実レール圧は、所定の単位時間当たりの実際のレール圧の変化量であり、Δ実過給圧は、所定の単位時間当たりの過給圧の変化量であり、Δ新規吸入空気量は、所定の単位時間当たりの吸入空気量の変化量であり、Δエンジン回転数は、所定の単位時間当たりのエンジン回転数の変化量であり、これらは、コーキング学習を開始する際しては、いずれも基本的に、その変化量が小さいことが望ましい。
指示噴射段数は、燃料噴射がパイロット噴射などにるよ多段噴射制御を行っている場合に、いずれの噴射段階にあるかを示すものであり、コーキング学習にあたっては、主噴射状態にあることが望ましい。
燃焼モードは、エンジン3の燃焼室における点火、燃焼方法が複数方法の中から選択可能となっている場合に、いずれの方法(燃焼モード)が選択されているかを示すものであり、コーキング学習に際しては、燃焼状態がより安定する方法に選択されていることが望ましい。
λセンサモードは、λセンサ27の動作状態がどのような状態にあるかを示すものであり、コーキング学習に際しては、安定した動作モードにあることが望ましい。
水温範囲は、エンジン3の冷却水温についての温度情報であり、コーキング学習に際しては、エンジン3が安定した動作状態にあると判定できる所定の水温範囲にあることが望ましい。
燃料温範囲は、エンジン3における燃焼温度についての温度情報であり、コーキング学習に際しては、燃焼状態が安定状態と判断できる所定の範囲にあることが望ましい。
吸気温範囲は、吸気温度センサ25により検出された吸入空気の温度についての温度情報であり、コーキング学習に際しては、燃焼状態が安定状態と判断できる所定の範囲にあることが望ましい。
次に、学習領域判定要素取込(図3のステップS104参照)は、車両の運転状態がコーキング学習処理を開始するに適した状態にあるか否かを判定するため、予め定められた学習領域判定要素の値を電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に取り込む処理である。
本発明の実施の形態において、学習領域判定要素としては、具体的には、レール圧範囲と指示通電時間範囲が選定されている。
すなわち、この処理実行の際の実際のレール圧と、噴射の際の指示通電時間が電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に取り込まれることとなる。
初期コーキング状態判定要素取込(図3のステップS106)は、車両の使用期間がコーキング学習が有効な期間にあるか否かを判定するための所定の初期コーキング状態判定要素を取り込む処理である。
コーキングによる燃料噴射量の減少は、先に述べたように、車両装置の出荷後、所定の時間経過の間のみに顕著に進行し、その後、飽和状態となるため、コーキング学習は、車両が使用開始されてから所定の運転時間、所定の走行距離の間のみ意義あるものである。
そのため、本発明の実施の形態においては、初期コーキング状態判定要素として、走行時間と運転時間とを用いることとしている。
運転時間は、電子制御ユニット4により機能せしめられるるようになっているエンジンオンタイマによって、走行距離は、車両に設けられるオドメータ(図示せず)によって、それぞれ取得できるものである。
次に、ステップS108においては、上述の安定性判定要素の各々の値が、車両の運転状態がコーキング学習を行うに適した安定状態にあると判定可能であると予め定められた値にあるか、又は、所定の範囲の値にあるか否かが判定される。
また、学習領域判定要素として取り込まれたレール圧が、コーキング学習を行うに適すると予め定められた所定の圧力範囲にあるか否か、指示通電時間がコーキング学習を行うに適すると予め定められた所定の通電時間の範囲にあるか否かが、それぞれ判定される。
さらに、初期コーキング状態判定要素として取り込まれた走行距離、運転時間が、コーキング学習が有効とされる範囲にあるか否かが、それぞれ判定される。
しかして、ステップS108においては、上述の各々の要素が、上述したそれぞれの所定の条件を満たすと判定された場合(YESの場合)にのみ、車両は、安定動作状態にあるとして次のステップS110の処理へ進む一方、いずれか1つの要素でも所定の条件を満たさない場合には、これ以後の処理を実行する状態にはないとして、一連の処理は終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、ステップS108において、上述の安定性判定要素、学習領域判定要素、及び、初期コーキング状態判定要素の各々の要素の値が、コーキング学習を行うに適していると判定する具体的な値や範囲は、車両の具体的な仕様等を考慮して、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定めるのが好適である。
ステップS110においては、ステップS108によって、車両動作が所定の安定動作状態にあると判定されてから、所定の遅延時間経過したか否かが判定される。このように遅延時間を設けるのは、十分に安定動作状態に達してからコーキング学習を開始するためである。
しかして、ステップS110において所定の遅延時間が経過したと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS112の処理へ進む一方、未だ所定の遅延時間は経過していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS102、S104、及び、S106が再度繰り返されることとなる。
ステップS112においては、初期学習が完了しているか否かが判定される。
ここで、図6を参照しつつ、本発明の実施の形態におけるコーキング学習の概念について説明する。
図6において、横軸は走行距離又は車両の運転時間を、縦軸はインジェクタの実際の噴射量を、それぞれ示している。そして、同図において、実線の特性線は、インジェクタによる実際の燃料噴射量の変化例を模式的に示したものとなっている。
車両が使用開始されて最初の噴射が行われた時点における実際の燃料噴射量が、図6の縦軸において符号Aで示された箇所であるとすると、この実際の噴射量は、先に述べたように、時間の経過、換言すれば、走行距離の増大に従ってコーキングによって減少してゆくが、ある程度の時間経過後の減少量は飽和状態となる(図6の実線の変化特性線参照)。
ステップS112における初期学習処理は、車両の使用開始時点、すなわち、図6の符号Aで示された箇所における理論上の空燃比と、λセンサ27を基に得られた実測空燃比とのずれを初期学習値として取得し、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶することである。なお、本発明の実施の形態においては、上述の空燃比のずれは、燃料噴射量のずれ(以下、説明の便宜上、「燃料噴射量ずれ」と称すると共に「ΔQ」と略記する)に換算して初期学習値として保存されるようになっている。
また、図4を用いて後述する本発明の実施の形態におけるコーキング学習処理は、上述のように理論上(計算上)の空燃比とλセンサ27を基に得られた実測空燃比とのずれが飽和するまでの間、そのずれ量、換言すれば、ΔQの大きさをコーキング学習値として取得、更新してゆく処理である(図6参照)。
ここで、再び、図3の説明に戻れば、ステップS112において、初期学習が既に完了していると判定された場合(YESの場合)には、コーキング学習処理の実行が許可される(図3のステップS114参照)一方、未だ、初期学習は完了していないと判定された場合(NOの場合)には、初期学習処理の実行が許可されることとなる(図3のステップS116参照)。ステップS114又はS116の処理実行により、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
次に、図4を参照しつつ本発明の実施の形態の燃料噴射量補正処理におけるコーキング学習処理の手順について説明する。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、学習許可がなされているか否かが判定される(図4のステップS202参照)。
すなわち、初期学習許可(図3のステップS116参照)、又は、コーキング学習許可(図3のステップS118参照)がなされているか否かが判定され、いずれかの学習許可がなされていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS204の処理へ進む一方、いずれの学習許可もなされていないと判定された場合(NOの場合)には、これ以後の処理を実行する状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS204においては、λずれ量の算出が行われる。
すなわち、λセンサ27により得られた実際の空燃比である実測空燃比と、車両の動作状態を基に算出される理論上、計算上の空燃比(以下、説明の便宜上「計算空燃比」と称する)との差が空燃比のずれ量、換言すれば、λずれ量として算出される。
次いで、上述のようにして算出されたλずれ量は、時間的変動を伴うものであるため、平滑化等のために学習フィルタが適用される(図4のステップS206参照)。すなわち、移動平均フィルタ等の従来から良く知られているフィルタが学習フィルタとして用いられ、ステップS204で算出されたずれ量に対してフィルタリングが施されて平滑化が図られる。
次いで、学習フィルタが適用された空燃比のずれ量が、燃料噴射量のずれ量ΔQに変換される(図4のステップS208参照)。
空燃比と燃料噴射量は対応しているため、空燃比のずれ量は燃料噴射量のずれに変換することができ、後述する燃料噴射量の補正を考慮して、このステップS208において、空燃比のずれ量は、燃料噴射量のずれ量に変換されるようになっている。
次いで、初期学習が完了しているか否かが判定され(図4のステップS210参照)、初期学習は完了していると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS212の処理へ進むこととなる。
一方、初期学習は未だ完了していないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS208において算出された燃料噴射量のずれ量ΔQが初期学習値であるとして、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存され、一連の処理が一旦終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS212においては、ステップS208で得られた燃料噴射量のずれ量と、完了している初期学習において得られた燃料噴射量のずれ量ΔQとの差がコーキング差分として算出される。
次いで、上述のようにして算出されたコーキング差分が零以下か否かが判定される(図4のステップS216参照)。
ここで、コーキング差分が零以下か否かを判定するのは、次述する理由によるものである。すなわち、コーキングによる燃料噴射量のずれは、本来得られるべき燃料噴射量に対して減少する方向であり、その値は負の値となるため、先にステップS212で算出されたコーキング差分は必ず負の値となるためである。なお、コーキング差分が零以下ではない場合は、コーキングに起因するものではなく、他の要因に起因するものということができる。
したがって、ステップS216においては、コーキング差分が零以下であると判定された場合(YESの場合)には、ステップS212で算出されたコーキング差分が、新たなコーキング学習値として電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存されることとなる(図4のステップS218参照)。
一方、コーキング差分が零以下ではないと判定された場合(NOの場合)には、正確なコーキング学習値は確定できないため、コーキング学習値は便宜的に零として、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存されることとなる(図4のステップS220参照)。
なお、ステップ218又はステップS220の処理後は、この図4に示された一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
次に、図5を参照しつつ本発明の実施の形態の燃料噴射量補正処理におけるコーキング量補正処理の手順について説明する。
このコーキング量補正処理は、先に図4を参照しつつ説明したようにして得られたコーキング学習値を基に、燃料噴射量の補正を行う処理である。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、コーキング学習値が取得されているか否かが判定され(図5のステップS302参照)、コーキング学習値が取得されていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS304,S312及びS314の処理へ進む一方、コーキング学習値は取得されていないと判定された場合には(NOの場合)、以後の処理をするに適した状態ではないとして一連の処理は終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
ステップS302においてYESの判定がなされた後の処理は、後述するステップS318の処理へ至る前にあって、ステップS304〜S310の処理と、ステップS312〜S316の処理の二つに大別され、これらは、タイムシェアリング的にほぼ同時並列的に実行されることとなる。
ここで、本発明の実施の形態におけるコーキング量補正処理について概括的に説明する。
まず、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態、すなわち、レール圧やエンジン回転数等と、実際にコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正する時点におけるエンジン3の動作状態とは必ずしも一致しない。
そのため、本発明の実施の形態においては、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態と、実際にコーキング補正を行う際のエンジン3の動作状態との相関係数を算出し、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態において必要とされる補正値をベースにして、実際にコーキング補正を行う際の補正値を上述の相関係数を用いて算出するようにしている。
以下、具体的に説明すれば、先ず、ステップS304においては、コーキング学習値が所定のリミット値(限界値)内か否かが判定され、リミット値内であると判定された場合(YESの場合)には、現時点で取得されているコーキング学習値が後述するステップS310の処理の対象ととして選択される一方、リミット値内ではないと判定された場合(NOの場合)には、所定のリミット値が後述するステップS310の処理の対象として選択されることとなる。
なお、リミット値は、車両の具体的な仕様等を考慮しつつ、試験結果やシミュレーション結果に基づいて選定するのが好適である。
ステップS310においては、コーキング学習値を基に補正値が算出される。
このステップS310において算出される補正値は、コーキング学習値が取得されたエンジン3の動作状態においてコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正するために必要となる補正値である(以下、説明の便宜上「コーキングベース補正値」と称する)。このコーキングベース補正値は、コーキング学習値を基に、予め設定された演算式(以下、説明の便宜上「コーキングベース補正値算出式」と称する)により算出されるようになっている。なお、コーキングベース補正値算出式は、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて設定するのが好適である。
一方、ステップS312においては、この時点の実レール圧が、ステップS314においては指示燃料噴射量がそれぞれ取得される。
実レール圧は圧力センサ11の検出値を電子制御ユニット4に取り入れることで、処理実行時における値が取得される。
一方、指示燃料噴射量は、電子制御ユニット4において別途従来同様実行される燃料噴射制御処理において、エンジン3の回転数やアクセル開度等に基づいて所定の指示噴射量算出式により算出される目標としての燃料噴射量であり、そのため、ステップS314においては、新たに算出する必要はなく、燃料噴射制御処理において算出された直近の指示燃料噴射量を流用するようにすれば良い。
次いで、コーキング相関係数が算出される(図5のステップS316参照)。
ここで、本発明の実施の形態におけるコーキング相関係数は、ステップS312及びS314において取得された実レール圧と指示噴射量における実際の燃料噴射量と指示噴射量とのずれ量と、取得されているコーキング学習値との相関係数である。なお、実際の燃料噴射量と指示噴射量とのずれ量(コーキングずれ量)は、先に説明したように、先ず、空燃比のずれ量を求め、それを変換処理することで得られるものである。
本発明の実施の形態におけるコーキング相関係数は、例えば、試験結果やシミュレーション結果に基づいて予め設定されたコーキング相関係数マップから得られるものとなっている。
このコーキング相関係数マップは、エンジン3と同様の特性のエンジンであって、その動作特性が標準とされるエンジン(以下、説明の便宜上「標準エンジン」と称する)を用いて予め取得され、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶されて用いられるものである。
かかるコーキング相関係数マップは、次述するよう構成されたものである。
すなわち、コーキング相関係数マップは、基準となるコーキング学習点における実レール圧と指示噴射量における実際の燃料噴射のずれ量と、種々の実レール圧と指示噴射量の組み合わせにおける実際の燃料噴射のずれ量との相関係数を、実レール圧と指示噴射量とを入力パラメータとして読み出し可能に構成されたもである。
このコーキング相関係数マップは、実際に取得されるコーキング学習値が如何なる値となるかは不明であるため、基準となるコーキング学習点を違えて複数のマップを設けるのが好適である。
そして、実際に取得されたコーキング学習値が、複数用意されたコーキング相関係数マップのそれぞれの基準となるコーキング学習点と異なる場合には、いわゆる補間法によって、必要な相関係数を算出するようにするのが好適である。
次いで、指示噴射量補正値の算出が行われる(図5のステップS318参照)。
すなわち、先のステップS310で算出されたコーキングベース補正値に対して先のステップS316で算出されたコーキング相関係数を乗じることで、指示噴射量補正値が求められる。
次いで、指示噴射量に指示噴射量補正値を加算することで指示噴射量の補正が行われる(図5のステップS320参照)。なお、このように補正された指示噴射量を、以下、説明の便宜上、必用に応じて「補正指示噴射量」と称する。
このように、本発明の実施の形態においては、コーキングベース補正値を用いて、指示噴射量をコーキング相関係数に基づいて補正することで補正指示噴射量を求める具体例として、コーキングベース補正値にコーキング相関係数を乗じて、その乗算結果を指示噴射量に対する補正値として、指示噴射量に加算して補正指示噴射量を求める例を示したが、補正値の求め方は、コーキングベース補正値とコーキング相関係数との乗算に限定されるものではなく、除算や加算等であっても良く、また、求められた補正値は必ずしも指示噴射量に加算することに限定されるものではなく、乗算や減算等を用いても勿論良いものである。
次いで、補正指示噴射量に対応するインジェクタ2−1〜2−nの通電時間が算出され(図5のステップS322参照)、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、算出された補正指示噴射量に対応する通電時間は、電子制御ユニット4において別途実行される燃料噴射制御処理に受け渡され、インジェクタ2−1〜2−nの通電制御に供されることとなる。
コーキングに起因する燃料噴射量のずれの確実な補償が所望されるコモンレール式燃料噴射制御装置に適用できる。
1…コモンレール
3…エンジン
4…電子制御ユニット
27…λセンサ

Claims (4)

  1. 目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいてエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正方法であって、
    前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
    次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
    次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
    前記指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
    前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能にしたことを特徴とする燃料噴射量補正方法。
  2. 前記コーキング学習値が所定のリミット値を超えた場合には、前記リミット値をコーキング学習値の代替値として用いることを特徴とする請求項1記載の燃料噴噴射量補正方法。
  3. 目標空燃比と実際の空燃比との比較結果に基づいて電子制御ユニットによりエンジンの動作制御が行われるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記エンジンの最初の駆動開始の際に、予め定められた安定運転状態において、実際の空燃比である実空燃比と、前記エンジンの動作状態に基づいて算出される計算上の空燃比である計算空燃比との差を燃料噴射量のずれ量に変換して初期学習値として取得し、
    次いで、前記エンジンの走行時間又は駆動時間に基づいて定められた学習限界時まで、前記エンジンが前記安定運転状態にある場合に、実空燃比と前記計算空燃比との差を、燃料噴射量のずれ量に換算してコーキング学習値として算出し、
    次いで、前記コーキング学習値と前記初期学習値との差に基づいて、前記コーキング学習値が取得されたエンジンの動作状態における指示噴射量の補正値をコーキングベース補正値として算出する一方、
    指示噴射量の補正の際、指示噴射量を取得し、前記取得された指示噴射量と実際の燃料噴射量とのずれ量をコーキングずれ量として算出すると共に、前記コーキングずれ量と前記コーキング学習値との相関係数を算出し、前記コーキングベース補正値を用いて、前記取得された指示噴射量を前記相関係数に基づいて補正し、その補正結果を補正された指示噴射量としての補正指示噴射量とし、
    前記補正指示噴射量に対応する通電時間でインジェクタへの通電を行うことによりコーキングに起因する燃料噴射量のずれを補正可能に構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  4. 前記電子制御ユニットは、前記コーキング学習値が所定のリミット値を超えた場合に、前記リミット値をコーキング学習値の代替値として用いるよう構成されてなることを特徴とする請求項3記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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