JP2015218352A - 高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に自動車用足回り部材等に使用される、低温靭性に優れた高張力鋼板を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.030〜0.100%、Si:0.001〜1.5%、Mn: 0.5〜3.0%、Ti:0.03〜0.20%を含有し、P:0.1%以下、S:0.005%以下、Al:1%以下、N:0.010%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板であって、その平均結晶粒径が8μm以下であり、方位差が15?以上の大角結晶粒界へのCの偏析量が4〜15atoms/nm2であり、上記大角結晶粒界上の球相当径3nm以上のTiC析出物の個数が0.01個/nm2未満であり、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8?1016個/cm3以上である結晶粒の比率が10〜70%であることを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板。【選択図】 なし

Description

本発明は、主に自動車用足回り部材等に使用される、成形性および低温靭性に優れた熱延鋼板及びその製造方法に関する。
最近の主に自動車用足回り部材等を始めとする自動車用部材は、省エネルギー化の視点から軽量化が重視され、これに加えて安全性や耐久性も重視される傾向があり、従来にも増して、高強度化が急速に進んでいる。このような傾向の一例として、自動車の外板パネルだけでなく、構造用部材にも高強度鋼板が適用されるようになっている。この構造用部材に適用される鋼板には、プレス成形性に加えて、穴拡げ性などの加工性も要求される。そのため、バーリング加工、伸びフランジ加工などの加工性の優れた高強度熱延鋼板の開発が進められてきた(例えば、特許文献1、2参照)。また、熱延鋼板の高強度化に伴い、低温靭性が劣化し、延性脆性遷移温度が高くなる。延性脆性遷移温度が高くなった場合、その鋼板が成形後に部品として用いられる際に、その部品への負荷が大きい場合に、部品に対して脆性破壊を生じさせることが懸念される。したがって、延性脆性遷移温度は低温に維持することが求められる。
以上のような問題に対して、微細Ti析出物の密度を制限し、圧延面と並行な[211]面のX線ランダム強度比を限定すること等により、穴拡げ性と低温靭性を向上させた高強度熱延鋼板が開発された(例えば、特許文献3参照)。しかし、上述した特許文献3に開示された技術においては、靭性を向上させるためその鋼板を微細な結晶粒からなる組織に限定する必要があった。また、巻取温度を低温化したときに微細TiC析出物の析出が不十分となり、必ずしも効果的に強度と低温靭性の両立ができない可能性があった。
特開平10−36917号公報 特開2001−172745号公報 特開2013−209723号公報
高橋 淳、杉山 昌章、丸山 直紀「塗装焼付硬化型鋼板の粒界偏析炭素量の定量観察」、新日鉄技報、第381号、2004年10月、pp.26−30
そこで本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、優れた穴拡げ性と延性を両立し、かつ低温靭性に優れた高強度熱延鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、延性脆性遷移温度と結晶粒界への偏析元素種及び粒界上の析出物との相関について検討し、結晶粒内のTiC析出物のサイズと個数密度を制御した上で、結晶粒界に適正な量のCを偏析させ、かつ結晶粒界上の析出物のサイズおよび数密度を適正範囲内とすることにより、低温靭性が極めて優れることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは、以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.030〜0.100%、Si:0.001〜1.5%、Mn: 0.5〜3.0%、Ti:0.03〜0.20%を含有し、P:0.1%以下、S:0.005%以下、Al:1%以下、N:0.010%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板であって、その平均結晶粒径が8μm以下であり、方位差が15°以上の大角結晶粒界へのCの偏析量が4〜15atoms/nm2であり、上記大角結晶粒界上の球相当径3nm以上のTiC析出物の個数が0.01個/nm2未満であり、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が10〜70%であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(2)更に、質量%で、P:0.02%以下に制限し、結晶粒界へのPの偏析量が2atoms/nm2以下であることを特徴とする(1)に記載の高強度熱延鋼板。
(3)更に、質量%で、B:0.0002〜0.0020%を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の高強度熱延鋼板。
(4)更に、質量%で、V:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.05%、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜1%、Cr:0.01〜1%のうち1種または2種以上を含有することをと特徴とする(1)〜(3)の何れか1に記載の高強度熱延鋼板。
(5) (1)〜(4)の何れかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法であって、(1)〜(4)の何れかに記載の成分からなる鋼片を1200℃以上に加熱し、930℃以上1000℃以下の温度で圧延を完了し、50℃/s以上の冷却速度で650〜550℃かつ下記(式1)を満足する温度(Ar3−150)[℃]以下まで一次冷却し、一次冷却停止温度以下、500℃以上の温度で5〜30秒かけて保持または空冷し、続いて30℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却し巻取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
r3=901−325×C+33×Si+287×P+40×Al−92×(Mn+Mo+Cu)−46×(Cr+Ni) ・・・(式1)
ここで、C、Si、P、Al、Mn、Mo、Cu、Cr、Niは、各元素の含有量[質量%]である。
本発明により、強度と穴拡げ性が共に優れており、かつ低温靭性に優れた高強度熱延鋼板を提供でき、産業上の貢献が極めて顕著である。
粒界偏析C量および結晶粒径と、延性脆性遷移温度の関係を示す図である。 粒界偏析C量および結晶粒界上の球相当径3nm以上のTiC析出物の個数密度と、延性脆性遷移温度の関係を示す図である。 P偏析量と延性脆性遷移温度との関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態として、強度と穴拡げ性のバランス及び低温靭性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法について説明する。
本発明者らは、鋼板の低温靭性に及ぼす組織の影響、即ち、延性脆性遷移温度と、平均結晶粒径、大角結晶粒界に偏析した元素の種類及び偏析量、ならびに結晶粒内および結晶粒界上の析出物の個数密度との相関について検討を行った。
質量%にて、C:0.030〜0.100%、Si:0.001〜1.5%、Mn: 0.5〜3.0%、Ti:0.03〜0.20%を含有し、P:0.1%以下、S:0.005%以下、Al:1%以下、N:0.010%以下に制限し、一部の鋼では、更に、B:0.0002〜0.002%、V:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.20%、Nb:0.05%以下、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜1%、Cr:0.01〜1%のうち1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼片を溶製し、熱延して、種々の熱処理条件で鋼板を製造した。これらの鋼板から、JIS Z 2201の5号試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張特性を評価した。また、日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001−1996記載の試験方法に従って穴拡げ試験を行い、製造した鋼板の穴拡げ性を評価した。
次に、穴拡げ性に優れた引張強さが740MPa以上の高強度熱延鋼板を用いて、低温靭性について調査した。具体的には、鋼板の幅方向中央部より、試験片方向が幅方向、ノッチ方向が長手方向(T−L試験片)の2.5mm厚のサブサイズシャルピー試験片を作製し、温度を20℃、0℃、−30℃、−60℃、−90℃、−120℃、−150℃にてN=3でシャルピー試験を行い、延性破面率を求め、温度と延性破面率の関係から、延性破面率が50%になる温度(延性脆性遷移温度)を求めることにより調査した。
次に、各鋼材中の3箇所以上の大角結晶粒界のC、Pの偏析量を測定し、平均値を求めた。なお、本発明において大角結晶粒界とは、粒界角が15°以上となる結晶粒界とする。本発明の鋼板においては、大角結晶粒界に加えて角度が15°未満の小角結晶粒界も含まれる場合がある。小角結晶粒界では、偏析元素のトラップサイト数等の違いから大角粒界と比べ偏析量が減少する傾向を示したが、大角結晶粒界の偏析量との相関が認められたため、ここでは大角粒界での偏析量を測定した。
偏析元素量の測定方法であるが、このような微小領域の偏析元素の分布を厳密に比較するには、三次元アトムプローブ法を用いて以下のようにExcess量を求めることが適している。つまり、測定対象の試料の結晶粒界部分から、切断及び電解研磨法により針状の試料を作製する。なお、この際、電解研磨法とあわせて集束イオンビーム加工法を活用してもよい。FIMにより比較的広い視野で結晶粒界を含む領域及び粒界角を観察し、三次元アトムプローブ測定を行う。
三次元アトムプローブ測定では、積算されたデータを再構築して実空間での実際の原子の分布像として求めることができる。粒界位置は原子面が不連続となることからこれを粒界面と認識することができ、また種々の元素が偏析している様子が視覚的に観察できる。次に、各元素の偏析量を見積もるため、結晶粒界を含む原子分布像から結晶粒界に対して垂直に直方体を切り出し、ラダーチャートを得た。ラダーチャート解析から、各原子の偏析量を、偏析している、つまり固溶量からの上乗せ分の原子個数を単位粒界面積当たりで表すExcess量を用いて評価した(非特許文献1参照)。
また、三次元原子の分布像からTiC析出物の形成位置を確認し、結晶粒界面上の析出物と結晶粒内の析出物とを区別した。結晶粒界面上の析出物については、単位粒界面積上の析出物個数として表した。結晶粒内の析出物については、TiC析出物の立体分布像の体積とTiC析出物の数から、TiC析出物の個数密度を求めた。TiC析出物のサイズは、観察されたTiC析出物の構成原子数とTiCの格子定数から、析出物を球状と仮定し算出した直径である。結晶粒内の析出物の個数密度については、任意に30個以上のTiC析出物の直径を測定し、その平均値を求めた。
また、結晶粒界は、本来、面であるが、本発明においては下記のように評価される長さを指標とした。鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面が得られるように切り出した試料を研磨し、さらに電解研磨した。続いてEBSP−OIMTM(Electron Back Scatter Diffraction Pattern−Orientation Imaging Microscopy)法を用いて、倍率900倍、70μm×95μmエリア、測定ステップ0.25μmの測定条件でEBSP測定を実施した。
EBSP−OIMTM法は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)内で高傾斜した試料に電子線を照射し、後方散乱して形成された菊池パターンを高感度カメラで撮影し、コンピュータ画像処理することにより照射点の結晶方位を短時間で測定する装置およびソフトウェアで構成されている。EBSP測定ではバルク試料表面の結晶方位の定量的解析ができ、分析エリアはSEMで観察できる領域である。数時間かけて測定し、分析したい領域を等間隔のグリッド状に数万点マッピングして行い、試料内の結晶方位分布を知ることができる。測定結果より、結晶粒の方位差が15°以上となる領域が線上に現れ、これを大角結晶粒界と認識しソフトウェア上で長さを求める。また、その粒界からなる結晶粒の円相当径の数平均値を求め、これをミクロ組織の平均結晶粒径とした。
引張強さが740MPa以上の鋼材において、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が70%を超えると急激に延性脆性遷移温度が低下し、低温靭性が劣化した。なお、上記結晶粒の比率が10%未満であると所望の引張強さが得られなかった。次に、結晶粒径と大角結晶粒界へのCの偏析量(以下、粒界偏析C量という。)と、延性脆性遷移温度との関係を図1に示す。図中の数値が延性脆性遷移温度に相当する。図1に示すように、結晶粒径が8μm以下で、かつ粒界偏析C量が4〜15個/nm2の場合に良好な延性脆性遷移温度が得られている。次に、引張強さが740MPa以上の鋼材において、球相当径で3nm以上の析出物の結晶粒界上の個数密度と粒界偏析C量と、延性脆性遷移温度との関係を図2に示す。図2に示すように、球相当径3nm以上の析出物の、結晶粒界上の個数が0.01個/nm2を超えると、延性脆性遷移温度が低下し、低温靭性が劣化した。
また、図3にPの偏析量と延性脆性遷移温度との関係を示す。この図3では、Cの偏析量を4〜15atoms/nm2の範囲としている。図3に示すように、結晶粒界においてCの偏析量を一定以上とし、Pを意図的に添加し、Pの偏析量を増加させるにつれて延性脆性遷移温度が上昇した。
以上の結果から、強度確保のためにはある程度の結晶粒内の析出物が必要であるが、過剰に析出すると、固溶Cが低減して粒界に偏析するCが少なくなり、延性脆性遷移温度が上昇することが判った。さらに、結晶粒界上の析出物のサイズと個数密度とが増加すると、延性脆性遷移温度に悪影響を与えることも判った。延性脆性遷移温度が劣化する機構は明らかではないが、Cが結晶粒界に偏析することで結晶粒界を強化し、脆性破壊を起きにくくするものと考えられる。一方で、結晶粒界に粗大な析出物が存在する場合は、結晶粒界での割れを助長し延性脆性遷移温度を上昇させる可能性が考えられる。なお、結晶粒界上の3nm未満の微細な析出物はその存在有無による延性脆性遷移温度との相関は見られなかった。
本発明の詳細な実施の形態について以下に説明する。
(偏析量および結晶粒径)
図1および図2に示されるように、粒界偏析C量を4atoms/nm2以上とすれば、延性脆性遷移温度を低温にすることができる。上述した測定方法で延性脆性遷移温度が−100℃以下であれば、寒冷地での使用に十分に耐えることができる。Cの偏析量が4atoms/nm2未満であると、粒界強化量が不足し、延性脆性遷移温度の上昇が顕著になる。
一方、好ましい結晶粒界のCの偏析量の上限はないが、本発明の鋼板において実質的に偏析できる量の上限は15atoms/nm2程度と考えられる。結晶粒界のCの偏析量の更に好ましい範囲は延性脆性遷移温度が良好となる6〜11atoms/nm2である。
さらに、偏析したCが、その後、セメンタイト等の炭化物として析出することにより、Cの粒界偏析量が低下することを防止するために、また、結晶粒界上のTiC析出物が成長することを防止するために、熱延後の冷却により所定の偏析を達成した後はすみやかに300℃以下まで冷却することで、Cの偏析量は、4〜15atoms/nm2とすることができる。
一方、Pについては、偏析量が少ない方が好ましい。この理由は、Pは粒界を脆化させる効果を持つからであると考えられる。また、Pが偏析サイトを占めることでCの偏析量を低下させてしまう効果も懸念される。Pの偏析量は2atoms/nm2以下とすることが好ましい。Pの偏析量を2atoms/nm2以下とするには、Pの含有量を0.02%以下に制限すればよい。
また、結晶粒径は小さい程延性脆性遷移温度を低下させるために好ましいが、図1に示されるように、結晶粒界のCの偏析量を所定の範囲とすることで最大8μmまで許容できる。
(結晶粒界上のTiC析出物)
図2に示すように、球相当径3nm以上のTiC析出物の結晶粒界上の個数密度が0.01個/nm2以上であると、延性脆性遷移温度が劣化する。このため、結晶粒界上の球相当径3nm以上のTiC析出物の個数密度が0.01個/nm2未満である必要がある。当該サイズ以上の結晶粒界の析出物が延性脆性遷移温度に影響する原因は明らかでないが、結晶粒界に比較的大型の析出物が存在する場合は、結晶粒界での割れを助長することが予想される。ここで、結晶粒界上にはTiC析出物以外の析出物が生成する場合も考えられるが、上述した個数密度以上に析出する可能性がある析出物は、実質的にTiC析出物のみである。
(結晶粒内のTiC析出物)
結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が10%より低いと、強度が低下し、本発明において要求されている引張強度740MPa以上を満たさなくなる。結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下とした理由は、当該サイズの範囲で析出強化を効率良く付与することができ、強度の上昇に有効であるからである。一方で、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が70%を超えると、低温靭性が急激に劣化する。これは、TiCの析出により上記に述べた結晶粒界のCの偏析量が確保できなくなるためと考えられる。したがって、好ましい結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率は10〜70%である。
(成分)
本発明において、鋼板組織として上記結晶粒径、粒界偏析量、結晶粒内のTiC析出物を有し、穴拡げ率を70%以上、引張強度を740MPa以上とし、延性脆性遷移温度を−100℃以下とするためには、鋼板の成分組成を以下のように規定することが好ましい。なお、以下に示す「%」は特に説明がない限り、「質量%」を意味するものとする。
また、以下に説明する基本成分により本発明の目的とする効果は十分に発揮されるものであるが、本発明の目的とする上記鋼板特性を阻害しない範囲で、その他の成分を含有することは許容されるものである。
C:0.030〜0.100%
Cは、強度の向上に寄与する元素であり、本発明において規定したTiC析出物を形成し、また粒界への炭素偏析量を十分確保するために、0.030%以上の添加が必要である。一方、C含有量が0.100%を超えると、セメンタイトの生成や、パーライトやマルテンサイトなどの変態組織の形成が必要以上に促進され、伸びや穴拡げ性が低下する。したがって、C量は、0.030〜0.100%とする。
Si:0.001〜1.5%
Siは、固溶強化元素として強度上昇に有効であり、効果を得るには0.001%以上の添加が必要である。一方、Si含有量が1.5%を超えると加工性が劣化する。したがって、Si含有量は0.001〜1.5%の範囲とする。
Mn:0.5〜3.0%
Mnは脱酸、脱硫のために必要であり、また固溶強化元素としても有効であるため、Mn含有量を0.5%以上とすることが必要である。一方、Mn含有量が3.0%を超えると偏析が生じやすくなり加工性を劣化させる。したがって、Mn含有量は0.5〜3.0%とすることが必要である。
P:0.1%以下
Pは不純物であり、P含有量は0.1%以下に制限することが必要である。また、Pの粒界への偏析を抑制して、低温靭性を劣化させないためには、P含有量を0.02%以下に制限することが好ましい。
Ti:0.03〜0.20%
Tiは本発明において重要な元素であり、主に結晶粒内に炭化物を析出し、析出強化により鋼板の強度を上昇させる元素である。炭化物を十分に生成させるには、Tiの添加量を0.03%以上することが好ましい。一方、Tiの添加量が0.20%超になると、炭化物及び窒化物が粗大化することがある。したがって、Ti含有量を0.03〜0.20%とすることが好ましい。
更に、本発明では、必要に応じて、B、V、Nb、Mo、Cu、Cr、Niのうちの1種又は2種以上を含有させることができる。
B:0.0002〜0.0020%
Bは焼き入れ性を向上させ鋼板の高強度化に有効な元素である。しかし、添加量が0.0002%未満ではこの効果が得られない。また、0.0020%を超えて添加すると、加工性が劣化する。したがって、Bを添加する場合は、その含有量を0.0002〜0.0020%とすることが好ましい。
V:0.01〜0.20%Nb:0.01〜0.05%
V、Nbは結晶粒内に炭化物及び窒化物を析出し、析出強化により鋼板の強度を上昇させる元素である。炭化物及び窒化物を十分に生成させるには、V、Nbのそれぞれの添加量を0.01%以上にすることが好ましい。一方、V、Nbのそれぞれの添加量が0.20%超および0.05%超になると、炭化物及び窒化物が粗大化することがある。したがって、V、Nbの含有量を、それぞれ、0.01〜0.20%、0.01〜0.05%とすることが好ましい。
Mo:0.01〜0.20%
Moは、炭化物形成元素であり、結晶粒内に炭化物を析出し、析出強化に寄与させる目的で含有することができる。炭化物を十分に生成させるには、Moを0.01%以上添加することが好ましい。一方、Moの添加量が0.20%を超えると粗大な炭化物が生成することがある。したがって、Moの含有量を0.01〜0.20%とすることが好ましい。
なお、V、Nb、MoはTiC析出物と複合し(Ti,M)Cとして存在する。ここで、MはNb、V、Moの一種または二種以上である。本実施形態において「TiC析出物」と記載されているものは(Ti,M)C析出物も含むものとする。
Cu、Ni、Cr:0.01〜1%
Cu、Ni、Crは固溶強化または析出強化により熱延鋼板の強度を向上させる効果がある元素である。しかし、Cu、Ni、Crにおけるそれぞれの添加量が0.01%未満であると十分な強度上昇の効果が得られない。一方で、Cu、Ni、Crがそれぞれ1%を超えて添加されても、その効果は飽和し経済性が低下する。したがって、Cu、Ni、Crを添加する場合は、それぞれ0.01〜1%とすることが好ましい。
更に、N、S、及び、Alの含有量の上限を以下のように制限するのが好ましい。
N:0.010%以下
Nは窒化物を形成し、鋼板の加工性を低下させるため、含有量を0.010%以下に制限することが好ましい。
S:0.005%以下
Sは、MnSなどの介在物として伸びフランジ性を劣化させ、更に熱間圧延時に割れを引き起こすので極力低下させるのが好ましい。特に、熱間圧延時に割れを防止し、加工性を良好にするためには、S含有量を0.005%以下に制限することが好ましい。
Al:1%以下
Alは、窒化物などの析出物を形成して鋼板の加工性を損なうため、1%以下に制限することが好ましい。なお、溶鋼脱酸のためには、0.002%以上を添加することが好ましい。
また、本発明において、上記基本成分の他に、鋼板の強度の向上する目的で固溶強化元素として、Wを添加してもよい。
(製造条件)
鋼を常法によって溶製、鋳造し、得られた鋼片を熱間圧延する。鋼片は、生産性の観点から、連続鋳造設備で製造することが好ましい。熱間圧延の加熱温度は、炭化物形成元素と炭素を十分に鋼材中に分解溶解させるため、1200℃以上とする。加熱温度を過度に高温にすることは、経済上好ましくないため、加熱温度の上限は1300℃以下とすることが好ましい。鋳造後、鋼片を冷却して、1200℃以上の温度で圧延を開始しても良い。1200℃以下に冷却された鋼片を加熱する場合は、1時間以上の保持を行うことが好ましい。
熱間圧延の終了温度は、粗大な炭化物の生成を抑えるために、930℃以上とすることが必要である。熱間圧延の終了温度の上限は、変態後の結晶粒を微細化し8μm以下とするため、1000℃以下とすることが好ましい。なお、仕上げ圧延はオーステナイトの結晶粒径を微細化するために、最終スタンドから3スタンドの合計で60%以上の圧下率とすることが好ましい。圧下率はできるだけ高いことが好ましいが、生産性や設備負荷の観点から95%が実質的な上限である。
熱間圧延終了後は、オーステナイト域における粗大なTiCの析出を極力抑制するために、冷却速度を50℃/s以上とし、冷却の停止温度を650℃以下、550℃以上にすることが必要である。冷却速度が50℃/s未満であると、冷却途中に粗大なTiCが析出し、その後に粒界に偏析するCが減少して延性脆性遷移温度を上昇させる恐れがあり、また結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下の炭化物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下し強度が低下する恐れがある。冷却速度の上限は特に定めないが、冷却設備の能力上300℃/s以下が妥当な冷却速度である。また冷却の終了温度が650℃超であると、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が増加しすぎて結晶粒界のCの偏析量が確保できなくなり、さらに結晶粒界のTiC析出物が成長し、低温靭性が急激に劣化する。一方で、冷却の終了温度が550℃より低いと上記結晶粒の比率が低下し、強度が低下する。
さらに、本発明ではオーステナイト域に保持されることによる粗大な炭化物の生成を極力抑制するために、成分による変態温度の変化にあわせ一時冷却停止温度を限定する。すなわち、(式1)で示されるAr3温度[℃]よりも十分に冷却した温度(Ar3−150)[℃]以下まで冷却することが好ましい。上記温度より高温で冷却を停止してしまうと、フェライト変態が冷却停止後早期に起きずオーステナイト域で保持され、析出強化や粒界偏析に寄与しない粗大なTiC析出物が生成してしまう恐れがある。温度(Ar3−150)[℃]は十分にフェライト変態が開始する目安として用いる。
r3温度は、下記(式1)により算出される。
r3=901−325×C+33×Si+287×P+40×Al−92×(Mn+Mo+Cu)−46×(Cr+Ni) ・・・(式1)
ここで、C、Si、P、Al、Mn、Mo、Cu、Cr、Niは、各元素の含有量[質量%]である。
続いて、上述の微細なTiC析出物を生成させるため、一次冷却停止温度以下、500℃以上の温度で5〜30秒かけて保持または空冷することが必要である。500℃以上としたのは、当該温度以下では結晶粒内の微細なTiC析出物の生成が期待できないからである。保持または空冷時間は5秒未満であると、上述の微細析出物の生成が不十分になり、所望の鋼材の引張強度が得られない。一方で、30秒を超えて保持または空冷すると、上述のTiC析出物を含む結晶粒の比率が上昇し、粒界偏析C量が低下し、延性脆性遷移温度が上昇する。なお、保持または空冷時間は、好ましくは8〜20秒である。 続いて、300℃以下の温度まで30℃/s以上で冷却する。この理由は300℃より高い温度で保持または30℃/s未満で冷却すると、結晶粒界のTiC析出物が成長し、球相当径3nm以上のTiC析出物の個数が増加し、延性脆性遷移温度を上昇させるためである。冷却速度の上限は特に定めないが、冷却設備の能力上200℃/s以下が妥当な冷却速度である。300℃以下室温以上まで冷却し巻取ることで、結晶粒界のTiC析出物の成長が抑えられ、結晶粒界に偏析するCが確保される。より好ましくは100℃以上で巻取ることで、結晶粒内の固溶Cがより安定な結晶粒界へ移動し偏析量を増加させることができる。
本発明の実施例を、比較例とともに説明する。
表1に示す成分組成を有する鋼を種々溶解した。表の成分値は鋼の化学分析値であり、単位は質量%である。
Figure 2015218352
次に、表2に示す製造条件で熱間圧延を行い、板厚3mmの熱延鋼板を製造した。1次冷却は、熱延終了直後の冷却であり、2次冷却は、1次冷却後で巻取前の冷却である。
Figure 2015218352
これらの鋼板より、JIS Z 2201に記載の5号試験片を加工して、JIS Z 2241に記載の試験方法に沿って、引張特性を評価した。穴拡げ性の評価として、穴拡げ試験は日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001−1996記載の試験方法に従って評価した。また、鋼板の幅方向中央部より、試験片方向が幅方向、ノッチ方向が長手方向(T−L試験片)の2.5mm厚のサブサイズシャルピー試験片を作製し、温度を20℃、0℃、−30℃、−60℃、−90℃、−120℃、−150℃にてN=3でシャルピー試験を行い、延性破面率を求め、温度と延性破面率の関係から、延性破面率が50%になる温度(延性脆性遷移温度)を求めることより低温靭性を調査した。
また鋼板から0.3mm×0.3mm×10mmの柱状試料を切り出し、その目的粒界部分を電解研磨又は集束イオンビーム加工法により先鋭な針状形状とし、三次元アトムプローブ測定を行った。粒界における各元素の偏析量を見積もるため、結晶粒界を含む原子分布像から結晶粒界に対して垂直に直方体を切り出し、ラダーチャートを得た。ラダーチャート解析から、各原子の偏析量を、Excess量を用いて評価した。各鋼材において、3つ以上の粒界について各元素の偏析量を調べ、その平均値を各鋼材の各元素偏析量とした。また三次元原子の分布像からTiC析出物の形成位置を確認し、結晶粒界面上の析出物については、単位粒界面積上の析出物個数として表し、結晶粒内の析出物については、TiC析出物の立体分布像の体積とTiC析出物の数から、TiC析出物の個数密度を求めた。TiC析出物のサイズは、観察されたTiC析出物の構成原子数とTiCの格子定数から、析出物を球状と仮定し算出した直径として求め、結晶粒内の析出物の個数密度については、任意に30個以上のTiC析出物の直径を測定し、その平均値を求めた。結晶粒界の析出物については、球相当径が3nm以上の析出物の個数と粒界の面積とから単位面積当たりの個数を求めた。
また鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面が得られるように切り出した試料を研磨し、さらに電解研磨し、前述のEBSP−OIMTM法を用いて、倍率900倍、70μm×95μmエリア、測定ステップ0.25μmの測定条件でEBSP測定を実施した。各鋼材の測定結果より、結晶粒の方位差が15°以上となる領域を大角結晶粒界と認識し、その粒界からなる結晶粒の円相当径の数平均値を求め、これをミクロ組織の平均結晶粒径とした。
上記各試験結果について、表3に示す。以下、表3の各データ項目について、その概略を説明する。
試験No.2、4、8、12、13、14、15、16は、鋼板の成分及び製造条件を本発明の範囲内とした例であり、高強度で、穴拡げ性が良好であり、低温靱性にも優れる。
一方、No.1は巻取温度が高く、結晶粒界のTiC析出物が成長し球相当径3nm以
上のTiC析出物の個数密度が増加し、延性脆性遷移温度が上昇した例である。No.3は一次冷却の終了温度が低く、No.9は一次冷却後の空冷時間が短く、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下し、強度が低下した例である。No.5は熱延の終了温度が低く、高温で粗大なTiCが析出し、Cの粒界偏析量が不足したため、延性脆性遷移温度が上昇した例である。No.6は熱延終了温度が高く、また一次冷却の冷却速度が小さく、結晶粒径が粗大化しかつCの粒界偏析量が低下したため延性脆性遷移温度が上昇し、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下したため強度も不足した例である。No.7は、一次冷却の冷却速度が小さくオーステナイト域で粗大なTiC析出物が生成し、さらに一時冷却後の保持または空冷を行わなかったため、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下したため強度が不足し、またCの粒界偏析量が低下したため延性脆性遷移温度が上昇した例である。No.10は、一次冷却の終了温度が高く、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が増加しすぎて結晶粒界のCの偏析量が確保できなくなり、さらに結晶粒界のTiC析出物が成長し、延性脆性遷移温度が上昇した例である。No.11は一次冷却の冷却速度が小さくオーステナイト域で粗大なTiC析出物が析出し、Cの粒界偏析量が低下したため延性脆性遷移温度が上昇し、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下したため強度が不足した例である。
No.17は、Cの添加量が不足しており、粒界偏析量を達成することができず、また結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が低下し、強度が低下し延性脆性遷移温度が上昇した例である。No.18は、Tiの添加量が不足しており、強度が低下した例である。
Figure 2015218352

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.030〜0.100%、
    Si:0.001〜1.5%、
    Mn: 0.5〜3.0%、
    Ti:0.03〜0.20%
    を含有し、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Al:1%以下、
    N:0.010%以下
    に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板であって、
    その平均結晶粒径が8μm以下であり、方位差が15°以上の大角結晶粒界へのCの偏析量が4〜15atoms/nm2であり、上記大角結晶粒界上の球相当径3nm以上のTiC析出物の個数が0.01個/nm2未満であり、結晶粒内の球相当径0.8nm以上2nm以下のTiC析出物の個数密度が8×1016個/cm3以上である結晶粒の比率が10〜70%であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
  2. 更に、質量%で、
    P :0.02%以下
    に制限し、結晶粒界へのPの偏析量が2atoms/nm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  3. 更に、質量%で、
    B:0.0002〜0.0020%
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板。
  4. 更に、質量%で、
    V:0.01〜0.20%、
    Mo:0.01〜0.20%、
    Nb:0.01〜0.05%以下、
    Cu:0.01〜1%、
    Ni:0.01〜1%、
    Cr:0.01〜1%
    のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の高強度熱延鋼板。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の高強度熱延鋼板の製造方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載の成分からなる鋼片を1200℃以上に加熱し、930℃以上1000℃以下の温度で圧延を完了し、50℃/s以上の冷却速度で650〜550℃かつ下記(式1)を満足する温度(Ar3−150)[℃]以下まで一次冷却し、一次冷却停止温度以下、500℃以上の温度で5〜30秒かけて保持または空冷し、続いて30℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却し巻取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
    r3=901−325×C+33×Si+287×P+40×Al−92×(Mn+Mo+Cu)−46×(Cr+Ni) ・・・(式1)
    ここで、C、Si、P、Al、Mn、Mo、Cu、Cr、Niは、各元素の含有量[質量%]である。
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