JP2015218347A - 摺動部材、その製造方法、及び摺動部材を備えるインジェクタ - Google Patents

摺動部材、その製造方法、及び摺動部材を備えるインジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】例えばアルカリ環境下における耐食性に優れ、基材とダイヤモンドライクカーボン膜との密着性に優れた摺動部材、その製造方法、及び該摺動部材を備えるインジェクタを提供すること。
【解決手段】Fe系合金からなる基材11と、その上に形成された第1中間層12と、その上に形成された第2中間層13と、その上に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14とを有する摺動部材1、その製造方法、摺動部材1を備えるインジェクタである。第1中間層12はCrからなる。第2中間層13は、CrとCとを含有する多結晶相からなる。第2中間層13は、C濃度が第1中間層12側からダイヤモンドライクカーボン膜14側に向けて連続的に増加する傾斜組成を有する。ダイヤモンドライクカーボン膜14側における第2中間層13のC濃度が40〜60at%である。第2中間層13の厚みは0.3μm以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイヤモンドライクカーボン膜を備える摺動部材に関する。
鉄鋼等の金属部材からなる摺動部材は、例えばインジェクタ等のピストン機構を備える装置に用いられている。金属部材の摺動特性の向上のためには、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の成膜が有効であることが知られている。
DLC膜と金属製の基材との密着性を高めるために、基材とDLC膜との間に、Cr、Al、W、C等を含む複数の中間層を設ける技術が開発されている(特許文献1参照)。また、中間層におけるCr及び/又はAlの含有量を最表面側に向けて段階的に小さくする技術も提案されている。
特許第4139102号公報
しかしながら、DLC膜には、不可避的にはピンホールと呼ばれる欠陥が存在することが知られている。そのため、腐食環境下においては中間層が腐食溶媒等に晒されるおそれがある。上記のようにW等を含む中間層は、アルカリ等の腐食環境下では溶解するおそれがある。その結果、DLC膜が剥離するおそれがある。この腐食による剥離を回避するために、W等を用いずに、耐食性に優れたCrにより中間層を形成することも想定される。しかし、この場合には、DLC膜と基材との密着性が不十分になるおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、例えばアルカリ環境下における耐食性に優れ、基材とダイヤモンドライクカーボン膜との密着性に優れた摺動部材、その製造方法、及び該摺動部材を備えるインジェクタを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、Fe系合金からなる基材と、
該基材上に形成された第1中間層と、
該第1中間層上に形成された第2中間層と、
該第2中間層上に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを有し、
上記第1中間層はCrからなり、
上記第2中間層は、CrとCとを含有する多結晶相からなり、該第2中間層におけるC濃度が上記第1中間層側から上記ダイヤモンドライクカーボン膜側に向けて連続的に増加する傾斜組成を有し、
上記ダイヤモンドライクカーボン膜側における上記第2中間層のC濃度が40〜60at%であり、
上記第2中間層の厚みは0.3μm以上であることを特徴とすることを特徴とする摺動部材にある。
本発明の他の態様は、上記摺動部材を製造する方法において、
上記基材上に上記第1中間層を形成する第1中間層形成工程と、
上記第1中間層を有する上記基材の温度を150℃以上かつ200℃未満に調整した状態で、物理蒸着法により上記第2中間層を形成する第2中間層形成工程と、
上記第2中間層上に、上記ダイヤモンドライクカーボン膜を形成するDLC膜形成工程とを有することを特徴とする摺動部材の製造方法にある。
本発明のさらに他の態様は、内燃機関の排気通路を流れる排気ガスに尿素水を添加するインジェクタであって、
筒状のボディと、該ボディ内を摺動するニードルとを備え、
該ニードルは上記摺動部材からなることを特徴とするインジェクタにある。
上記摺動部材は、上記基材と上記ダイヤモンドライクカーボン膜(以下、「DLC膜」という)との間に上記第1中間層と上記第2中間層とを有する。これらの中間層のうち、基材側に存在する第1中間層はCrからなり、DLC膜側に存在する第2中間層は、CrとCとを含有する多結晶相からなる。このように、第1中間層及び第2中間層は、アルカリ等の腐食環境下において溶出し易いW等の金属元素を含んでおらず、耐食性に優れるCrを金属元素として含有する。そのため、上記摺動部材は、耐食性に優れている。
また、第2中間層は、C濃度が第1中間層側からDLC膜側に向けて連続的に増加する傾斜組成を有していると共に、第1中間層側からDLC膜側までの全ての範囲において多結晶相からなる。また、DLC膜側における第2中間層のC濃度が40〜60at%である。即ち、第2中間層における傾斜組成は、DLC膜側においてDLC膜の組成に完全に近づけるわけではなく、第2中間層におけるC濃度をDLC膜側において所定の範囲内に制御している。換言すれば、第2中間層のC濃度の傾斜組成に所定の範囲内の上限を設けている。さらに第2中間層の厚みが所定値以上に設定されている。
このように、第2中間層を多結晶相により形成し、第2中間層の傾斜組成におけるC濃度の上限を設け、さらに第2中間層の厚みを上記範囲に調整することにより、DLC膜と基材との密着性を向上させることができる。そのため、DLC膜が基材から剥離し難くなる。
上記摺動部材は、第1中間層形成工程と第2中間層形成工程とDLC膜形成工程とを行うことにより製造することができる。
第1中間層形成工程においては、上記のごとく基材上にCrからなる第1中間層を形成する。次いで、第2中間層形成工程においては、第1中間層を有する基材の温度を150℃以上かつ200℃未満に調整した状態で、物理蒸着法(以下、「PVD法」という)により第2中間層を形成する。このように、比較的低温のPVD法により第2中間層を形成しているため、C濃度が比較的低い第1中間層側においても多結晶相が形成される。その結果、第1中間層側からDLC膜側まで多結晶相を有する第2中間層が形成される。また、DLC膜形成工程においては、上記のごとく第2中間層上にDLC膜を形成する。
このようにして、耐食性及び密着性に優れた上述の摺動部材を得ることができる。
上記インジェクタは、内燃機関の排気通路を流れる排ガスに尿素水を添加するために用いられる。上記インジェクタは、筒状のボディと該ボディ内を摺動するニードルとを備え、該ニードルが上記摺動部材からなる。
そのため、上記インジェクタにおいては、上述の第1中間層と第2中間層とDLC膜とを有する摺動部材からなるニードルが優れた耐食性を示すため、尿素水の分解によって生じるアンモニアにより腐食されにくい。また、ニードルにおいてはDLC膜と基材とが優れた密着性を示すため、DLC膜が剥がれ難い。そのため、インジェクタは、耐久性に優れる。
実施例1における摺動部材の側面図。 図1における領域IIの拡大断面図。 実施例1における真空成膜装置の概略図。 実施例1における摺動部材(試料X4)における第2中間層の電子線回折像写真を示す説明図。 実施例1における摺動部材(試料X8)における第2中間層の電子線回折像写真を示す説明図。 実施例3における尿素SCRシステムを示す説明図。 実施例3における、インジェクタの断面構造を示す説明図。 実施例3における、インジェクタの先端の拡大断面構造を示す説明図。
次に、上記摺動部材の好ましい実施形態について説明する。
摺動部材において、基材は、例えばステンレス鋼、炭素鋼等のFe系合金からなる。即ち、Feを主成分とするFe合金等が用いられる。より好ましくは、Fe−C−Cr合金、Fe−C−Cr−Ni合金、Fe−C−Cr−Ni−Al合金、Fe−C−Si−Cr−Ni−Cu−Ti合金、Fe−C−Cr−Ni−Mo合金がよい。この場合には、基材自体の耐食性が向上し、摺動部材の耐食性がより向上する。
第1中間層は、不可避的不純物や本発明の上述の作用効果を損ねない範囲内において他の元素を含有することを許容するが、実質的にCrからなる。第1中間層の厚みは、例えば0.1μm〜5μmにすることができる。第1中間層の厚みは、0.1〜1μmがより好ましく、0.1〜0.3μmであることがさらに好ましい。
第2中間層は、不可避的不純物や本発明の上述の作用効果を損ねない範囲内において他の元素を含有することを許容するが、実質的にCrとCとからなる。第2中間層のC濃度は、上述のように第1中間層側からダイヤモンドライクカーボン膜側に向けて連続的に増加する。第2中間層のC濃度は、例えばエネルギー分散型X線分光法(EDX)により測定することができる。
DLC膜は、不可避的不純物や本発明の上述の作用効果を損ねない範囲内において他の元素を含有することを許容するが、実質的にCからなる。DLC膜の厚みは、例えば0.1〜5μmにすることができる。DLC膜の厚みは0.5〜3μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。
摺動部材は、上述のように第1中間層形成工程と第2中間層形成工程とDLC膜形成工程とを行うことにより製造することができる。基材上に第1中間層を形成する工程(第1中間層形成工程)は、例えばCrターゲットを用いた物理蒸着法(PVD法)により行うことができる。第1中間層形成工程における基材温度は、第2中間層形成工程と同様に、例えば150℃以上かつ200℃未満に設定することができる。
第1中間層上にCrとCとを含有する第2中間層を形成する工程(第2中間層形成工程)は、上述のごとくPVD法により行われる。PVD法におけるCr供給源としては、Crターゲットを用いることができる。C供給源としては、Cターゲット、又は炭化水素系ガスを用いることができる。
好ましくは、C供給源としては炭化水素系ガスを用いることがよい。この場合には、成膜スピードを向上させることができる。また、炭化水素系ガスはメタンガス及び/又はアセチレンガスであることが好ましい。この場合には、成膜スピードをより向上させることができる。
また、第2中間層上にDLC膜を形成する工程(DLC膜形成工程)は、例えば化学蒸着法(CVD法)によって行うことができる。また、DLC膜形成工程は、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法によって行うこともできる。
摺動部材は、腐食環境下で用いられることが好ましく、アルカリに晒される用途に適用されることがより好ましい。この場合には、摺動部材の優れた耐食性を生かし、腐食環境下において、摺動部材が優れた耐久性を発揮することができる。
摺動部材は、例えば自動車部品などに用いることができる。特に、上述の優れた耐食性及び密着性を生かして、摺動部材は、尿素水を添加するためのインジェクタ用の部品に好適である。摺動部材は、インジェクタにおけるボディ内を摺動するニードルに特に好適である。
(実施例1)
本例においては、実施例及び比較例にかかる複数の摺動部材(試料X1〜試料X10)を作製し、これらを比較評価する。
図1及び図2に示すごとく、実施例の摺動部材1は、棒状の基材11と、この基材11上に積層形成された第1中間層12と、この第1中間層12上に積層形成された第2中間層13と、この第2中間層13上に積層形成されたDLC膜14とを有する。第1中間層12はCrからなり、第2中間層13はCrとCとを含有する多結晶相からなる。
第2中間層13は、C濃度の傾斜組成を有する。即ち、第2中間層13においては、第1中間層12側からDLC膜14側に向けて(矢印100の末端側から先端側へ向けて)C濃度が連続的に増加する(図2参照)。DLC膜14側における第2中間層13のC濃度、即ち第2中間層13とDLC膜14との境界付近における第2中間層13のC濃度が40〜60at%である。換言すれば、矢印100の先端側における第2中間層13のC濃度が40〜60at%であり、第2中間層13におけるC濃度の最大値が40〜60at%の範囲内にある。一方、第2中間層13と第1中間層12との境界付近(矢印100の末端側)における第2中間層13のC濃度は15at%である。また、第2中間層13の厚みは0.5μmである。
摺動部材1は、図3に示される真空成膜装置2を用いて製造される。真空成膜装置2は、内部にブラズマを発生する真空槽21を有している。真空槽21内には、内部の清浄度を高め、かつ内部の温度を制御するためのヒータ22が配備されている。また、真空槽21内は、基材11の表面をエッチングにより活性化するためのフィラメント電子源23が配備されている。真空槽21内には、第1中間層12及び第2中間層13の成膜に用いられるCrターゲット3(スパッタ源3)が配置される。成膜品質の向上のために、Crターゲット3の裏側には永久磁石(図示略)又は電磁石(図示略)を配置することもできる。
真空成膜装置2は、成膜及びエッチングに用いられるガスを真空槽21内に導入するためのガス導入管24、25を少なくとも2本以上備える。真空槽21内には、軸260の軸周りに回転可能な治具テーブル26を有し、治具テーブル26には、基材11を配置するための試料台265が設けられている。試料台265は回転機構(図示略)を備え、回転可能である。基材11の温度制御のために、治具テーブル26は、内部に水等の冷媒が循環する冷却機構(図示略)を備えていてもよい。
真空成膜装置2は、基材11にプラズマを発生するためのバイアス電源27を備える。バイアス電源27は、治具テーブル26を介して基材11に電気的に接続されている。バイアス電源27は、安定したプラズマの発生が可能な電源であればよい。バイアス電源27としては、例えばDCパルス電源、バイポーラ電源、高周波電源等が用いられる。本例におけるバイアス電源27は、DCパルス電源である。フィラメント電子源23及びバイアス電源27の出力は、それぞれ独立して切り替えることが可能であり、間欠制御が可能である。
次に、実施例の摺動部材1の製造方法を説明する。代表例として、試料X4の摺動部材1の製造方法を以下に説明する。
具体的には、まず、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2;JIS規格)からなり、直径6mm×長さ50mmの円柱状の基材11を真空成膜装置2の治具テーブル26に設けられた試料台265上に配置した。次いで、真空成膜装置2の真空槽21内の清浄度を高めるために、真空排気を実施して真空槽21内の圧力を0.1Pa以下にした。なお、以下の操作は治具テーブル26及び試料台265を回転させながら行う。
次いで、真空成膜装置2の真空槽21内の清浄度を上げると共に基材11の表面を活性化するために、ヒータ22を用いて予熱を行った。予熱温度及び予熱時間は、基材11の表面温度が150℃になるように調整した。予熱時における表面温度は、例えば100℃以上かつ200℃未満の範囲で適宜調整することができる。
次いで、ガス導入管24から真空槽21内にArガス40を導入し、フィラメント電子源23により真空槽21内のArをイオン化した。また、バイアス電源27を用いて基材11にバイアス電圧を印加した。これにより、Arイオンを基材11に衝突させて、基材11の表面を活性化させた(エッチング処理)。このとき、フィラメント電子源23及びバイアス電源27を制御することにより、基材11の温度を後述の表1に示す所定値に調整した。試料X4の摺動部材11の製造においては、後述の表1に示すように基材11の温度を180℃に調整した。なお、基材11の温度調整には、ヒータ22及び治具テーブル26の冷却機構(図示略)を併用してもよい。
次に、ガス導入管24から真空槽21内にArガス40を導入しつつ、基材11にバイアス電圧を印加した。これにより、Crターゲット3を用いて基材11上にCrからなる第1中間層12を形成した。第1中間層12の厚みは0.2μmである。
続いて、ガス導入管24からのArガス40の導入を継続しつつ、ガス導入管25から真空槽21内にC源としての炭化水素系ガス4を導入した。これにより、第1中間層12上に、CrとCとからなる厚み0.5μmの第2中間層13を形成した。炭化水素系ガスとしては、アセチレンガスを用いた。このとき、基材11に印加するバイアス電圧、及び炭化水素系ガス4の流量を制御することにより、第2中間層13におけるC濃度を連続的に増加させ傾斜組成を形成した。
次に、ガス導入管24、25からそれぞれArガス40、炭化水素系ガス4を導入しつつ、第1中間層12と第2中間層13とが形成された基材11にバイアス電圧を印加した。これにより、真空槽21内にプラズマを発生させ、このプラズマにより第2中間層13上にDLC膜14を形成させた。DLC膜14の厚みは2μmである。このようにして、図1及び図2に示すごとく、基材11と第1中間層12と第2中間層13とDLC膜14とを有する棒状の摺動部材1(試料X4)を作製した。
次に、試料X4における第2中間層13のC濃度(C含有量)を計測した。具体的には、まず、下記の装置を用いた集束イオンビーム(FIB)法により、試料X4の断面加工を行った。
装置:(1)エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のSMI3200SE
(2)株式会社日立ハイテクノロジーズ製のFB−2000A Micro Sampling System
(3)FEI社製のStrata400S
次いで、FIB法によって形成した断面について、第1中間層12側(第1中間層12との境界付近)における第2中間層13のC濃度と、DLC膜14側(DLC膜14との境界付近)における第2中間層13のC濃度とを計測した。計測には、日本電子株式会社製の原子分解能分析電子顕微鏡であるJEM−ARM200Fを用いた。検出器としては、日本電子株式会社製のEDX検出器であるCenturio(100mm2シリコンドリフト(SDD)型)を用い、加速電圧200kVの条件で計測を行った。その結果を後述の表1に示す。なお、表1中には、C濃度(at%)を示すが、第2中間層13においては、C濃度(Cの含有量)とCr濃度(Crの含有量)との合計が100at%である。後述の表1に示すように、試料X4における第2中間層13は、C濃度が第1中間層12側(第1中間層12との境界)からDLC膜14側(DLC膜との境界)に向けて15at%から50at%まで連続的に増加する傾斜組成を有する。
次に、試料X4における第2中間層13の結晶性の評価を行った。具体的には、まず、上述のFIB法により、試料X4の断面加工を行った後、電子線回折像を調べることにより結晶性の評価を行った。評価には、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の透過型電子顕微鏡であるH−9000UHR IIを用い、加速電圧300kVの条件で観察を行った。その結果を図4に示す。図4に示す電子線回折像は、試料X4の第2中間層13が多結晶からなることを示している(表1参照)。
次に、試料X4における第2中間層13の硬度及び弾性率E2を測定した。測定は、試料X4の第2中間層13と同じ成膜条件にて別途成膜した厚み1μmの第2中間層を形成した試験片について行った。硬度及び弾性率E2の測定には、ナノインデンタ((株)島津製作所製のダイナミック超微小硬度計「DUH−211S」)を用いた。具体的には、ダイヤモンド圧子を第2中間層の表面から0.2μmの深さまで押し込み、そのときの荷重をナノインデンタにより計測し、荷重から硬度及び弾性率E2を算出した。硬度は、荷重の最大値から算出され、弾性率E2は、荷重の変化(傾斜)から算出される。また、試料X4のDLC膜14と同じ成膜条件にて厚み1μmのDLC膜を別途成膜した試験片を作製した。この試験片のDLC膜の弾性率EDLCを上述の弾性率E2と同様にして測定した。そして、弾性率E2と弾性率EDLCとの差ΔE(ΔE=E2−EDLC)を算出した。
第2中間層の硬度及びΔEの結果を表1に示す。
また、試料X4の摺動部材1におけるDLC膜の密着性の評価を行った。評価は、ロックウェル圧痕試験(HRC試験)によって行った。具体的には、摺動部材1にダイヤモンド圧子を150kgfの荷重で打ち込み、その圧痕周囲の剥離状態を観察した。剥離が観察されなかった場合を「A」と評価し、部分的な剥離が観察された場合を「B」と評価し、圧痕周囲で連続的な剥離が観察された場合を「C」と評価した。その結果を表1に示す。
また、本例においては、成膜時における基材の温度、炭化水素系ガスの供給量、バイアス電圧を上述の例(試料X4)とは変更することにより、表1に示すごとくさらに9種類の摺動部材(試料X1〜X3、試料X5〜X10)を作製した。各試料について、成膜時における基材の温度、第1中間層側における第2中間層のC濃度、DLC膜側における第2中間層のC濃度、第2中間層の厚み、第2中間層の結晶性、第2中間層の硬度、弾性率差ΔE、密着性の評価結果を表1に示す。なお、試料X1は、成膜が不可能であったため、基材温度以外の各項目の記載を省略している。また、図5には、試料X8の第2中間層の電子線回折像を示す。
表1より知られるように、第2中間層が単結晶からなる場合には、密着性が不十分であるが、第2中間層13が多結晶からなる場合には、密着性に優れている。したがって、密着性に優れた摺動部材1を得るためには、第2中間層13は多結晶相からなることが好ましいことがわかる。また、図4には、多結晶からなる第2中間層13の電子線回折像の代表例(試料X4)が示されており、図5には、単結晶の第2中間層の電子線回折像の代表例(試料X8)が示されている。図4においては、環状のぼやけた回折像が示されており、図5においては、はっきりとした斑模様状の回折像が示されている。このことは、試料X4の第2中間層13は、比較的微細な多結晶相からなり、試料X8の第2中間層は、比較的粗大な単結晶相からなることを示している。なお、図示を省略するが、試料X2、試料X3、試料X5、及び試料X6は、試料X4と同様の電子線回折像を示し、試料X7、試料X9、試料X10は、試料X8と同様の電子線回折像を示すことを確認している。
多結晶からなる第2中間層13を形成するためには、成膜時の基材11の温度を150℃以上かつ200℃未満という温度範囲内に調整することが好ましい。この温度範囲を超えて基材の温度を高くすると、単結晶からなる第2中間層が形成されるおそれがある(試料X7〜X10参照)。一方、この温度範囲よりも基材の温度を低くすると、成膜ができなくなるおそれがある(試料X1参照)。成膜時の基材11の温度は、170℃以上かつ190℃以下であることがより好ましい。
また、本例の摺動部材1は、第2中間層13におけるC濃度が第1中間層12側からDLC膜14側に向けて連続的に増加する傾斜組成を有する。この傾斜組成に関して、DLC膜14側における第2中間層13のC濃度が40〜60at%の場合に、優れた密着性を示すことがわかる(表1の試料X3〜試料X5参照)。より好ましくは、DLC膜14側における第2中間層13のC濃度は45〜55at%であることがよい。
また、第1中間層12側における第2中間層13のC濃度は、可能な限り低くすることが好ましく、15at%以下であることが好ましい。この場合には、密着性をより向上させることができる。
また、表1より知られるように、従来密着性の指標として重要視されていた硬度は必ずしも重要ではないことがわかる。一方、弾性率差ΔEを±50GPa以内に制御することにより密着性が向上することがわかる。この弾性率差ΔEは、第2中間層13におけるC濃度及び結晶性を上述のように制御することにより±50GPa以内に調整することができる。
また、摺動部材1においては、第1中間層12がCrからなり、第2中間層13がCrとCとからなる(図2参照)。即ち、摺動部材1は、アルカリ等の腐食環境下において溶出し易いW等の金属元素を含んでおらず、第1中間層12及び第2中間層13中に金属元素として耐食性に優れるCrを含有する。そのため、摺動部材1は、耐食性に優れている。
このように、本例によれば、例えばアルカリ環境下における耐食性に優れ、基材とダイヤモンドライクカーボン膜との密着性に優れた摺動部材1及びその製造方法を提供することができる。
(実施例2)
本例は、膜厚の異なる第2中間層13を有する複数の摺動部材1を作製し、これらの密着性を評価する例である。まず、第2中間層13の厚みを後述の表2に示すように変更した点を除いては、実施例1の試料X4と同様にして複数の摺動部材1(試料X4、試料X11〜試料X14)を作製した。そして、実施例1と同様にして、密着性の評価を行った。各試料の第2中間層13の厚み、第2中間層13におけるC濃度勾配、密着性の評価結果を表2に示す。
第2中間層13におけるC濃度勾配Cg(at%/μm)は、DLC膜14側における第2中間層13のC濃度をC1(at%)、第1中間層12側における第2中間層13のC濃度をC2、第2中間層13の膜厚をT(μm)とすると、以下の式(1)により算出される。
g=(C1−C2)/T ・・・(1)
表2より知られるごとく、第2中間層13の厚みを0.3μm以上にすることにより、摺動部材1は優れた密着性を示すことがわかる(表2の試料X4、試料X11、試料X12参照)。また、成膜が困難になるという観点から、第2中間層13の厚みは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。また、第2中間層13の厚みを変えることにより、第2中間層13におけるC濃度勾配を調整することができる。密着性をより確実に高めるという観点から、第2中間層におけるC濃度勾配は、120at%/μm以下であることが好ましく、110at%/μm以下であることがより好ましい。
本例の摺動部材1(試料X4、試料X11、試料X12)は、その他に実施例1と同様の効果を奏する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
(実施例3)
次に、摺動部材を用いた自動車用インジェクタの例について説明する。
図6に示すごとく、本例のインジェクタ5は、内燃機関の排気通路61を流れる排気ガスに、尿素水7を添加するために用いられ、車両のNOXを浄化するための尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システム6(図6参照)に用いられる。尿素SCRシステム6においては、排気系に設けられたパティキュレートフィルタ62の例えば下流側において排気通路61内にインジェクタ5から尿素水7が添加される。尿素水7は排気通路61内において分解されてアンモニアが生じる。このアンモニアがさらに下流側に設けられたSCR触媒(図示略)において、排ガス中のNOXを選択的に還元し、排ガスが浄化される。尿素SCRシステム6は、尿素水7を貯蔵する貯蔵タンク64と、貯蔵タンク64内の尿素水7をインジェクタ5に送るポンプ65と、尿素水7を排気通路61内に噴射するインジェクタ5とを備える。
以下に、本例のインジェクタ5の構成について説明する。
図7、図8に示すごとく、インジェクタ5は、ボディ51、ニードル52、電磁コイル53、磁性体54、ばね部材55を備える。ボディ51は、インジェクタ5の先端50に設けられている。ニードル52は、インジェクタ1内に設けられており、軸線方向(Z方向)に進退することにより、ボディ51に接離するよう構成されている。ニードル52は、筒状のボディ51内を摺動する。
ばね部材55は、ニードル52をZ方向における先端側へ加圧している。電磁コイル53に通電すると、磁性体54をZ方向の後端側に引き付ける磁力が発生する。そのため、ばね部材55の加圧力に抗して、ニードル52が後端側へ移動する。また、電磁コイル53への通電を停止すると、磁力が消失し、ばね部材55の加圧力によって、ニードル52が先端側へ移動する。このようにニードル52を進退動作させることにより、後述する弁部70を開閉し、噴射する尿素水7の量を制御できるよう構成されている(図7及び図8参照)。
インジェクタ5は、制御装置(図示略)に接続するためのコネクタ56を備える。コネクタ56内には、制御ピン57が設けられている。制御ピン57は、電磁コイル53に接続している。制御装置から、制御ピン57を介して電磁コイル53に制御電流を流すことにより、ニードル52を進退動作させるよう構成されている。
ニードル52は、中空になっている。また、ニードル52には、貫通孔521が形成されている。ニードル52とボディ51との間には、これらが接離することによって開閉する弁部70が形成されている。ニードル52は、SUS633(JIS規格)からなる基材11上に、実施例1の試料X4と同様の構成の第1中間層12、第2中間層13、及びDLC膜14を有する摺動部材1からなる(図2参照)。なお、ニードル52に用いられる基材11の材質としては、その他にSUS631、SUS632J1等の析出硬化系ステンレス鋼を用いることもでき、この場合にもSUS633を用いた場合と同様に、優れた耐食性の効果が得られる。
ボディ51には、Z方向に貫通した穴部511が形成されている。また、ボディ51には、ノズルプレート512を取り付けてある。ノズルプレート512には、噴射孔513が形成されている。
尿素水7は、インジェクタ5の後端500から導入され、ばね部材55の内側、及びニードル52の内側空間Sを流れる。そして、貫通孔521、弁部70、噴射孔513を通って、外部に噴射される。
ニードル52がZ方向に後退すると弁部70が開き、尿素水7が流れて、噴射孔513から尿素水7が噴射される。本例のインジェクタ5は、弁部70を開閉する単位時間当たりの回数を制御することにより、尿素水7の噴射量を制御できるよう構成されている。
図6〜図8に示すごとく、インジェクタ5の先端50は、排気通路61内に挿入されている。そのため、先端50に設けられたボディ51及びニードル52は、排気通路61内を流れる排気ガスによって加熱される。また、インジェクタ5には、冷却器(図示略)が取り付けられている。この冷却器によりインジェクタ5を冷却し、ボディ51及びニードル52が、予め定められた温度よりも高くならないようにしてある。
本例のインジェクタ5においては、ニードル52が、例えばFe−C−Cr−Ni−Al合金、Fe−C−Si−Cr−Ni−Cu−Ti合金、Fe−C−Cr−Ni−Mo合金等からなる基材11を有すると共に、基材11上に、実施例1の試料X4と同様構成の第1中間層12、第2中間層13、及びDLC膜14を有している(図2、図7、図8参照)。そのため、本例のニードル52は、アルカリ環境下における耐食性に優れ、さらにDLC膜14と基材11との密着性が優れ、DLC膜14が基材11から剥離し難い。そのため、インジェクタ5は、耐久性に優れる。
本例におけるニードル52は、その他に実施例1の摺動部材1と同様の効果を奏する。なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
1 摺動部材
11 基材
12 第1中間層
13 第2中間層
14 DLC膜

Claims (7)

  1. Fe系合金からなる基材(11)と、
    該基材(11)上に形成された第1中間層(12)と、
    該第1中間層(12)上に形成された第2中間層(13)と、
    該第2中間層(13)上に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜(14)とを有し、
    上記第1中間層(12)はCrからなり、
    上記第2中間層(13)は、CrとCとを含有する多結晶相からなり、該第2中間層(13)におけるC濃度が上記第1中間層(12)側から上記ダイヤモンドライクカーボン膜(14)側に向けて連続的に増加する傾斜組成を有し、
    上記ダイヤモンドライクカーボン膜(14)側における上記第2中間層(13)のC濃度が40〜60at%であり、
    上記第2中間層(13)の厚みは0.3μm以上であることを特徴とすることを特徴とする摺動部材(1)。
  2. 上記第1中間層側(12)における上記第2中間層(13)のC濃度は15at%以下であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材(1)。
  3. 上記摺動部材(1)はアルカリに晒される用途に適用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動部材(1)。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の摺動部材(1)を製造する方法において、
    上記基材(11)上に上記第1中間層(12)を形成する第1中間層形成工程と、
    上記第1中間層(12)を有する上記基材(11)の温度を150℃以上かつ200℃未満に調整した状態で、物理蒸着法により上記第2中間層(13)を形成する第2中間層形成工程と、
    上記第2中間層(13)上に、上記ダイヤモンドライクカーボン膜(14)を形成するDLC膜形成工程とを有することを特徴とする摺動部材(1)の製造方法。
  5. 上記第2中間層形成工程においては、上記物理蒸着法におけるCr供給源としてCrターゲット(3)を用い、C供給源として炭化水素系ガス(4)を用いることを特徴とする請求項4に記載の摺動部材(1)の製造方法。
  6. 上記炭化水素系ガス(4)はメタンガス及び/又はアセチレンガスであることを特徴とする請求項5に記載の摺動部材(1)の製造方法。
  7. 内燃機関の排気通路(61)を流れる排気ガスに尿素水(7)を添加するインジェクタ(5)であって、
    筒状のボディ(51)と、該ボディ(51)内を摺動するニードル(52)とを備え、
    該ニードル(52)は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の摺動部材(1)からなることを特徴とするインジェクタ(5)。
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