JP2015217986A - 包装容器とその製造方法ならびに包装容器の情報表示の可視化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子レンジで加熱したときに初めて、隠蔽層により隠蔽されていた情報表示が見えるようになる包装容器とその製造方法ならびに包装容器の情報表示の可視化方法を提供する。【解決手段】情報表示が表面に設けられた包装容器100であって、情報表示の情報印刷層2が、隠蔽層4で隠蔽されていて、隠蔽層が、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかからなる蒸着層である。そして、包装容器にマイクロ波を照射し、隠蔽層を透視可能として、情報表示を可視化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、包装容器とその製造方法ならびに包装容器の情報表示の可視化方法に関するものである。特に、電子レンジなどでマイクロ波を照射して加熱する用途の包装容器とその製造方法ならびに包装容器の情報表示の可視化方法に関するものである。
包装容器にアタリ、ハズレの籤などの情報表示を設けることが行われている。このような場合、購入前に当落が判明してしまうと、ハズレの商品が売れなくなってしまうため、開封するまでは見えない位置に情報の表示を行うとか、また、情報表示の上にスクラッチ隠蔽層を設けて隠蔽することなどが行われる。スクラッチ隠蔽層を設けた場合、このスクラッチ遮蔽層を物理的に削り落とすことによって、情報表示を見えるようにしている。
開封するまでは見えない位置に情報の表示を行うことは、消費者に購買意欲を促進させることにインパクト性が弱い。そのため、このような販促手段が設けられていることが、外からわかるようにする必要がある。
情報の表示を包装容器の外面に設けてその上にスクラッチ隠蔽層を設ければ、アタリ、ハズレの籤などが行われていることが外からわかり、インパクト性が高められる。このようなスクラッチ遮蔽層は、例えば、アルミニウム粉やアルミニウムフレークを、ゴム系樹脂を主成分とするバインダーに分散させたインキでなり、スクリーン印刷などで情報表示上に部分形成している(特許文献1)。
このスクラッチ遮蔽層は、耐摩耗性が弱く、例えば、包装容器が自動充填カートンでは、充填、製函中に擦れて、遮蔽層の下の情報表示が見えてしまい、使用できなくなってしまう。
隠蔽層としては、下に設けられた情報表示が、見えないことが重要であることから、蒸着などに金属蒸着層を設けることが考えられるが、電子レンジで加熱を行う用途の包装容器では、例えば、隠蔽層としてアルミニウム蒸着層を用いると、マイクロ波で加熱した際に、アルミニウム蒸着層に電流が発生し、スパークしてしまう。
マイクロ波で加熱してもスパークが起こらず、電磁波を透過する金属蒸着層としては、インジウム/酸化インジウムの複合蒸着層がある(特許文献2)。
また、このような金属蒸着層を設けて、隠蔽層とした場合、隠蔽層の下に設けられて情報表示を見るためには、この隠蔽層を剥がす必要がある。そのために、情報表示と隠蔽層の間に剥離層を設けて、隠蔽層にセロハンテープなどに粘着させて剥がすなど、手間がかかる。
マイクロ波で加熱する用途の包装容器においては、このマイクロ波の照射によって、隠蔽層で隠蔽されていた情報表示が、見えるようになれば、隠蔽層を剥がす手間が省け、便利である。
公知文献を以下に示す。
特開2008−155965号公報 特許第3414717号公報
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、電子レンジで加熱したときに初めて、隠蔽層により隠蔽されていた情報表示が見えるようになる包装容器とその製造方法ならびに包装容器の情報表示の可視化方法を提供することを課題としている。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、情報表示が表面に設けられた包装容器であって、前記情報表示が、隠蔽層で隠蔽されていて、前記隠蔽層が、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかからなる蒸着層であることを特徴とする包装容器である。
本発明の請求項2の発明は、前記隠蔽層が転写箔により設けられていて、該転写箔が、基材フィルム、剥離剤層、前記隠蔽層、接着剤層からなることを特徴とする請求項1に記載の包装容器である。
本発明の請求項3の発明は、請求項2に記載の包装容器の製造方法であって、前記包装容器の表面に設けられた前記情報表示の面に転写箔の前記接着剤層面を接着させた後、前記基材フィルムを剥離して、前記情報表示を前記隠蔽層で隠蔽することを特徴とする包装容器の製造方法である。
本発明の請求項4の発明は、請求項1または2に記載の包装容器の情報表示の可視化方法であって、前記包装容器にマイクロ波を照射し、前記隠蔽層を透視可能として、前記情報表示を可視化させることを特徴とする包装容器の情報表示の可視化方法である。
本発明の包装容器は、設けた情報表示が、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかからなる蒸着層からなる隠蔽層で隠蔽されているので、情報表示が見えてしまうことがなく、包装容器ごと電子レンジで加熱することによって、隠蔽層が透けて、下に設けた情報表示が見える。
このため、遮蔽層を剥がす手間もなく、スクラッチのように屑が出ることもない。また、電子レンジ加熱用包装容器として用いることができる。
また、包装容器が自動充填カートンであっても、擦れて下の情報表示が見えてしまうことがない。このため、カートニングマシーンの改造などの必要がなく、容易に使用することができる。
そして、この包装容器に遮蔽層を設けるのに、転写箔を用いることにより、通常の箔押し加工で行うことができ、特別な設備を必要とせず、また、通常の箔押し加工と同様に、製造された包装容器からの遮蔽層の脱落も起きにくい。
本発明の包装容器の一例の情報表示部分を模式的に断面で示した説明図である。 本発明の包装容器の一例を模式的に斜視で示した説明図である。 本発明の包装容器の一例に用いる転写箔を模式的に断面で示した説明図である。 本発明の包装容器の一例で、転写箔により隠蔽層を設ける方法を説明する断面図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の包装容器の一例の情報表示部分を模式的に断面で示した説明図。図2は、本発明の包装容器の一例を模式的に斜視で示した説明図。図3は、本発明の包装容器の一例に用いる転写箔を模式的に断面で示した説明図である。
本発明の包装容器は、プラスチックボトル、ガラス瓶、あるいは、軟包装袋など特に限定されないが、電子レンジ加熱により調理する食品を包装して、包装のまま電子レンジで加熱調理する紙カートンが特に好ましい。
本例の包装容器100は、図1の断面図に示すように、包装容器本体1の表面に情報表示を印刷した情報印刷層2が設けられ、その情報印刷層2の面に、接着剤層3を介して、遮蔽層4が設けられ、遮蔽層4の表面にコート層5が設けられている。
本例の包装容器100の包装容器本体1は、図2のような紙カートンである。紙カートンの形状は特に限定されないが、電子レンジ加熱により調理する食品を収納して、電子レンジで加熱調理するための電子レンジ加熱用包装容器である。本例の包装容器100では、蓋材の外面中央に、隠蔽層4で遮蔽された情報表示の情報印刷層2が設けられている。
情報表示の情報印刷層2は、オフセット印刷やインキジェット印刷などにより設けられ、アタリやハズレ、あるいは特定の情報を表示するものである。接着剤層3は、情報印刷層2の面に、遮蔽層4を接着させるための層である。
遮蔽層4は、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかの金属を蒸着させてなる蒸着層である。これらの金属を複数用いて多層の蒸着層としてもよい。この錫、鉛、亜鉛、ビスマス、あるいは、アンチモンのいずれかの金属を用いた蒸着層を隠蔽層4とすることによって、電子レンジなどでマイクロ波を照射したときに、隠蔽層4が透明になり、下に設けた情報表示の情報印刷層2が見えるようになる。
最外層のコート層5は特に設けなくても良いが、蒸着層である隠蔽層4に傷が付かないように保護ニス層を設けたり、あるいは、蒸着のアンカーコート剤層を設けたりすることができる。さらには、コート層5に透明着色料を添加して、下の隠蔽層4の金属蒸着を、金属光沢のある金色やピンクや薄緑などに見えるようにしたりすることができる。
このような包装容器100を製造するには、転写箔200を用いて、遮蔽層4を設けることができる。転写箔200は、図3の断面図に示すように、基材フィルム10、離型層20、コート層5、隠蔽層4、接着剤層3からなっている。
包装容器本体1となる板紙に、情報印刷層2を印刷した後、包装容器100の情報印刷層2による情報表示の位置に、図4のように、この転写箔200の接着剤層3面を押し付けて、加熱した転写版30で押圧して接着する。
そして、離型層20から基材フィルム10を剥離して、断面が、図1のような、情報表示部分を遮蔽層4で遮蔽した包装容器100の構造材を作成する。このとき、離型層20は基材フィルム10から剥がれて、コート層5側に残っても良いが、基材フィルム10とともに剥離されることが好ましい。
このようにすると、包装容器100の包装容器本体1の情報表示の情報印刷層2には、
その表面に、接着剤層3と隠蔽層4とコート層5が残る。そして、金属の蒸着層である隠蔽層4により、情報表示の情報印刷層2が隠蔽される。
この情報表示の情報印刷層2や隠蔽層4を設けた板紙を用いて、包装容器100を製函する。金属の蒸着層である隠蔽層4は、接着剤層3で強固に情報印刷層2に接着しているので、容易に剥離することがなく、製函工程においても、擦れて落ちることがない。特に、コート層5を設けていれば、コート層5により隠蔽層4が保護されて簡単には削られることもない。
転写箔200を製造するには、まず、基材フィルム10に離型層20を塗布形成し、次いで、コート層5を塗布形成する。そして、コート層5の面に真空蒸着により、遮蔽層4を設け、さらに、接着剤層3を塗布して製造する。
基材フィルム10には、耐熱性を有するものであればよく、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルや、ポリプロピレン等のフィルムを用いることができる。また、基材フィルム10の厚みとしては5〜200μmが好ましく、さらには、7〜20μmが好ましい。表面平滑性、寸法安定性、耐熱性、加工性、経済性、強靭性等の点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく用いられる。
離型層20の材料としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、繊維素系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂などを用いることができる。また、必要に応じてワックス等を使用することができる。
離型層20の厚さとしては10μm以下が好ましく、さらには、1〜3μmが好ましい。その形成方法としてはグラビアコートやロールコートなどの塗布方法が好ましい。
コート層5は、蒸着層である隠蔽層4に傷が付かないように保護ニスを塗布して設けたり、あるいは、蒸着のためのアンカーコート剤を塗布して設けたりすることができる。さらには、このコート層5に透明着色顔料を添加して、下の隠蔽層4の金属蒸着を着色し、金属光沢のある金色やピンクや薄緑などに見えるようにしたりすることができる。
隠蔽層4は、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかの金属からなる蒸着層であって、真空蒸着法などにより設けられる。蒸着された隠蔽層4の厚みは、20nm以上40nm以下が好ましい。この範囲より薄いと隠蔽性の不足という問題が生じ、厚いとマイクロ波照射によって、透けるようになることができず、下に設けた情報印刷層2の情報表示が見えにくくなる。
接着剤層3には、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとの共重合樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、アクリル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂などを用いることができる。接着層4の厚みは、1.5μm以上、3μm以下が好ましい。この範囲より薄いと十分な接着力が得られないという問題が生じ、厚いと転写時の箔切れ性の問題がある。
以上のように、転写箔200を用いて、遮蔽層4を設けた包装容器100の紙カートンは、電子レンジ加熱により調理する食品を包装して、マイクロ波を照射して加熱調理することにより、初めて、隠蔽層4が透視可能になり、下に設けた情報表示の情報印刷層2が見えるようになる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
包装容器本体1となる坪量310g/mの板紙のおもて面に絵柄印刷層とともに、情報表示の情報印刷層2を設けた。印刷インキはカルトン(登録商標)X(東洋インキ製造株式会社)を使用した。また、印刷層面を保護するオーバープリントニスとして、カルトン(登録商標)AceOPニスLS(東洋インキ製造株式会社)を塗布した。
別途、転写箔として、基材フィルム10のポリエチレンテレフタレート2軸延伸フィルム12μmの片面に、離型層20の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂を塗布し、さらに、コート層5として、アクリル系樹脂からなる保護ニスを塗布して設けた。
このコート層5の面に、真空蒸着装置を用いて、錫を蒸着し、30nmの蒸着層を設け、遮蔽層4とした。さらに、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとの共重合樹脂を塗布して接着剤層3を設けた。
この転写箔を情報表示の情報印刷層2の位置に合わせ、加熱圧着した後、基材フィルム10と離型層20を剥離して、包装容器本体1となる板紙の情報表示の情報印刷層2の面に、順次、接着剤層3、遮蔽層4、コート層5となる積層を転写して設け、製函して、実施例1の包装容器を得た。
<実施例2>
転写箔の遮蔽層4を、鉛を蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4が鉛蒸着層である実施例2の包装容器を得た。
<実施例3>
転写箔の遮蔽層4を、亜鉛を蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4が亜鉛蒸着層である実施例3の包装容器を得た。
<実施例4>
転写箔の遮蔽層4を、ビスマスを蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4がビスマス蒸着層である実施例4の包装容器を得た。
<実施例5>
転写箔の遮蔽層4を、アンチモンを蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4がアンチモン蒸着層である実施例5の包装容器を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
転写箔の遮蔽層を、インジウムを蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4がインジウム蒸着層である比較例1の包装容器を得た。
<比較例2>
転写箔の遮蔽層を、アルミニウムを蒸着して同様に設けた以外は実施例1と同様にして、遮蔽層4がアルミニウム蒸着層である比較例2の包装容器を得た。
<試験方法>
実施例と比較例の包装容器を、それぞれ500Wの電子レンジ入れて、3分間マイクロ波を照射し、観察し、比較評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2015217986
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
上記実施例1から5の本発明の包装容器は、いずれも良好であり、マイクロ波照射によりスパークすることもなく、照射後、遮蔽層が透けて、情報表示が見えるようになった。
一方、比較例1の包装容器は、マイクロ波照射によりスパークすることはなかったが、照射後、遮蔽層が透けることなく、情報表示が見えるようにはならなかった。また、比較例2の包装容器は、マイクロ波照射によりスパークしてしまい、電子レンジに掛けることは不適当であって、また、情報表示も見えるようにはならなかった。
100・・・包装容器
1・・・包装容器本体
2・・・情報印刷層
3・・・接着剤層
4・・・遮蔽層
5・・・コート層
200・・・転写箔
10・・・基材フィルム
20・・・離型層

Claims (4)

  1. 情報表示が表面に設けられた包装容器であって、前記情報表示が、隠蔽層で隠蔽されていて、前記隠蔽層が、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモンのいずれかからなる蒸着層であることを特徴とする包装容器。
  2. 前記隠蔽層が転写箔により設けられていて、該転写箔が、基材フィルム、剥離剤層、前記隠蔽層、接着剤層からなることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
  3. 請求項2に記載の包装容器の製造方法であって、前記包装容器の表面に設けられた前記情報表示の面に転写箔の前記接着剤層面を接着させた後、前記基材フィルムを剥離して、前記情報表示を前記隠蔽層で隠蔽することを特徴とする包装容器の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の包装容器の情報表示の可視化方法であって、前記包装容器にマイクロ波を照射し、前記隠蔽層を透視可能として、前記情報表示を可視化させることを特徴とする包装容器の情報表示の可視化方法。
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