JP2015217929A - 車両用歩行者保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行時での歩行者保護デバイスの的確な制御を可能にする。【解決手段】ECU22は、圧力センサ28A,28Bが衝突を検知した場合に圧力センサ28A,28Bが出力した信号及び車速センサ44が出力した信号に基づいて衝突体の有効質量の算出を開始する。また、ECU22は、車速センサ44が出力した信号が示す車両12の速度が車速閾値を超えた場合には、車載カメラ106が撮影した車両12前方の画像に基づいて衝突体が歩行者か否かを判別する。ECU22は、当該衝突体を歩行者と判別し、かつ算出した衝突体の有効質量が有効質量閾値を超えた場合には、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54を作動させ、当該衝突体を歩行者以外と判別した場合には、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54並びに車両用フードエアバッグ装置18の作動を禁止する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用歩行者保護装置に関する。
歩行者と車両とが衝突した時の対人衝突時には、ポップアップフード装置及びフードエアバッグ装置等の歩行者保護デバイスを作動させて、歩行者の保護を図ることが提案されている。しかしながら、フードエアバッグ装置は高速走行時に作動させると風圧により、エアバッグが流れてしまうおそれがある。また、高速走行時では、歩行者等がバンパとの衝突によって大きく跳ね上げられるので、エアバッグが展開されている位置に落下しないおそれがある。
特許文献1には、衝突時の車速(衝突速度)が、ウィンドシールド周りの形状又はフロントピラーの傾きに応じて予め定められた閾値を超えた場合に、フードエアバッグ装置の作動を禁止する歩行者保護装置の発明が開示されている。また、ポップアップフード装置を併用することで、高速走行時でフードエアバッグ装置を作動させない場合に、衝突した歩行者の保護を図ることも提案されている。
特開2004−58794号公報
ポップアップフード装置を備えたエンジンフードは、衝突体を保護するために剛性が低めに抑えられているので、高速走行時に作動させると風圧及び車両の振動によりエンジンフードが激しく振動して、運転者の視界を妨げるおそれがある。そこで、衝突時の荷重(衝突荷重)から算出した有効質量に基づいて、衝突体が歩行者等であるか否かを判定し、衝突体が歩行者と判定した場合にポップアップフード装置を作動させ、衝突体が歩行者ではないと判定した場合にポップアップフード装置を作動させない制御が提案されている。かかる制御により、衝突体である歩行者等の保護を図ると共に、衝突体が歩行者でない場合には、ポップアップフード装置を作動させないことにより、運転者の視界を確保することができる。
しかしながら、有効質量に基づいて衝突体が歩行者であるか否かの判定の精度は高いとは言えない。衝突体が歩行者と同程度の質量を有する物体であれば、当該物体が歩行者以外であっても、衝突時に算出される有効質量は歩行者の場合と同程度になるからである。また、衝突後の有効質量の算出及び算出した有効質量に基づく衝突体が歩行者か否かの判定に係る演算処理は時間を要するので、高速走行時ではポップアップフード装置の作動が間に合わなくなるおそれがある。
本発明は、上記事実を考慮し、高速走行時での歩行者保護デバイスの的確な制御を可能にする車両用歩行者保護装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用歩行者保護装置は、車両の前部に設けられ、衝突を検知して該衝突の荷重に応じた信号を出力する荷重検知部と、車両の速度を検知して該速度に応じた信号を出力する速度検知部と、前記車両の前部に対する衝突体が歩行者か否かを判別するための情報を検出する衝突体判定情報検出部と、作動時にエンジンフードの少なくとも後側を押し上げるフードポップアップ機構及び作動時に前記エンジンフードの後部及び前記車両のフロントピラー下部の少なくとも後者を覆うエアバッグを展開させるフードエアバッグ機構を含む歩行者保護デバイスと、前記荷重検知部が衝突を検知した場合に前記荷重検知部が出力した信号及び前記速度検知部が出力した信号に基づいて衝突体の有効質量の算出を開始すると共に、前記速度検知部が出力した信号が示す前記車両の速度及び算出した有効質量に基づいて前記歩行者保護デバイスの動作を制御する制御部と、を備えた車両用歩行者保護装置であって、前記制御部は、前記車両の速度が速度閾値以下で、かつ算出した有効質量が有効質量閾値を超えた場合には、前記歩行者保護デバイスの前記フードポップアップ機構及び前記フードエアバッグ機構を作動させ、前記車両の速度が前記速度閾値を超えた場合には、前記衝突体判定情報検出部が検出した情報に基づいて衝突体が歩行者か否かを判別し、該衝突体を歩行者と判別し、かつ算出した有効質量が前記有効質量閾値を超えた場合には、前記歩行者保護デバイスに含まれる前記フードポップアップ機構を作動させ、該衝突体を歩行者以外と判別した場合には、前記歩行者保護デバイスの作動を禁止する。
請求項1に記載の車両用歩行者保護装置は、荷重検知部で衝突を検知した場合に、制御部が、衝突体の有効質量の算出を開始すると共に、衝突速度が閾値を超えるか否かを判定する。衝突速度が閾値を超える高速走行時には、衝突体判定情報検出部が検出した情報に基づいて衝突体が歩行者か否かを判別し、衝突体を歩行者と判別した場合で、かつ算出した有効質量が閾値を超えた場合にフードポップアップ機構を作動させている。
このように、請求項1に記載の車両用歩行者保護装置は、制御部が、演算処理に時間を要する衝突体の有効質量の算出を並列処理で実行しながら、衝突体判定情報検出部が検出した情報に基づいて衝突体が歩行者か否かを判別している。衝突体の有効質量の算出に先行して衝突体が歩行者か否かを判別することにより、高速走行時に歩行者保護デバイスの作動の要否を迅速に決定できる。
請求項2に記載の車両用歩行者保護装置は、請求項1に記載の発明において、前記衝突体判定情報検出部は、車両前方を撮影する撮影装置であり、前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する。
請求項2に記載の車両用歩行者保護装置では、例えば、エッジ検出等の画像処理によって、画像から衝突体の輪郭を抽出することにより、当該衝突体の形状及び大きさを算出することができ、算出した形状及び大きさに基づいて、当該衝突体が歩行者か否か判別できる。
請求項3に記載の車両用歩行者保護装置は、請求項2に記載の発明において、前記衝突体判定情報検出部は、赤外線センサをさらに含み、前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像及び前記赤外線センサが検知した該衝突体が発する赤外線に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する。
請求項3に記載の車両用歩行者保護装置では、歩行者が発する赤外線を検知する赤外線センサをさらに備えることにより、衝突体が歩行者か否かをより正確に判別することができる。
請求項4に記載の車両用歩行者保護装置は、請求項2に記載の発明において、前記衝突体判定情報検出部は、ミリ波レーダーをさらに含み、前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像及び前記ミリ波レーダーの測定結果に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する。
請求項4に記載の車両用歩行者保護装置では、ミリ波レーダーにより、衝突のおそれがある物体を事前に衝突体として検知して、衝突体が実際に衝突する前に、当該衝突体の画像及び車両と当該衝突体との距離に基づいて、当該衝突体の形状及び大きさを算出する。その結果、衝突前に、衝突体とみなされる物体が歩行者か否かを判別することができる。
請求項1に記載の車両用歩行者保護装置によれば、高速走行時での歩行者保護デバイスの的確な制御を可能にする車両用歩行者保護装置を提供することができる。
請求項2に記載の車両用歩行者保護装置によれば、画像処理に基づく衝突体の判別により、高速走行時での歩行者保護デバイスの的確な制御を可能にする車両用歩行者保護装置を提供することができる。
請求項3に記載の車両用歩行者保護装置によれば、赤外線センサの検知結果を考慮した衝突体の判別により、高速走行時での歩行者保護デバイスのより的確な制御を可能にする車両用歩行者保護装置を提供することができる。
請求項4に記載の車両用歩行者保護装置によれば、ミリ波レーダーの測定結果を考慮した衝突体の判別により、高高速走行時での歩行者保護デバイスのより的確な制御を可能にする車両用歩行者保護装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用歩行者保護装置が適用されて構成された車両の前部の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る車両用歩行者保護装置の主要部の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る車両用歩行者保護装置の衝突時の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両用歩行者保護装置において、衝突速度と衝突体の有効質量との関係から対人衝突の判別を行う場合の一例を示した概略図である。
次に、図1及び図2を用いて本実施形態に係る車両用歩行者保護装置10について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車幅方向右側を矢印RHで示す。また、以下の説明で、単に前後、上下の方向を示す場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
図2に示したように、本実施形態に係る歩行者保護デバイスは、車両12の前部上方であるエンジンフード14に各々設けられた、ポップアップフード装置16と、車両用フードエアバッグ装置18とを含んで構成されている。図1及び図2に示したように、ポップアップフード装置16は、エンジンフード14の後端部を持ち上げるリアポップアップフード装置54とエンジンフード14の前端部を持ち上げるフロントポップアップフード装置56とを含んでいる。そして、これらの歩行者保護デバイスを制御する制御装置が、圧力センサ28A,28B、車速センサ44及び車載カメラ106を含むECU(Electronic Control Unit)22である。
以下、リアポップアップフード装置54について説明し、次いでフロントポップアップフード装置56、車両用フードエアバッグ装置18について説明し、最後に圧力センサ28A,28B及び車速センサ44を含むECU22について説明する。
(リアポップアップフード装置)
図1及び図2に示されるように、本実施形態のリアポップアップフード装置54は、エンジンフード14の後部に設けられている。エンジンフード14は、車両前後方向及び車幅方向に延在すると共に車両上方視で略矩形状に形成されると共に、図2に示したように平面視で略D字状のフード骨格部17によって補強され、図示しないパワーユニットが収容されたパワーユニットルーム15を車両上方側から覆っている。エンジンフード14の後端部は左右それぞれに配置された一対のフードヒンジ62によって回動可能に支持されている。また、エンジンフード14の前端部における車幅方向の中間部には、フードストライカ48が設けられており、フードストライカ48がフードロック装置50に拘束されることによってエンジンフード14が固定される構成である。
図2に示したように、リアポップアップフード装置54は、左右一対のポップアップ機構部60を主要部として構成されている。ポップアップ機構部60は、エンジンフード14の後端部における車幅方向両端部にそれぞれ配設されている。これらのポップアップ機構部60は、左右対称に構成されている以外は、同一の構成とされているため、以下の説明では車両右側に配置されたポップアップ機構部60について説明し、車両左側に配置されたポップアップ機構部60についての説明を省略する。
図2に示したように、ポップアップ機構部60は、エンジンフード14を開閉可能に支持するフードヒンジ62と、歩行者等との衝突時に作動するリアアクチュエータ66とによって構成されている。フードヒンジ62は、車体に固定されたヒンジベース68と、ヒンジベース68に回動可能に連結された揺動アーム70と、エンジンフード14のフード骨格部17に固定されたヒンジアーム72とを備えている。これらの部材は、例えば金属板がプレス成形されて形成されたものである。
リアアクチュエータ66は、図示しないシリンダとピストンロッドとを備えている。シリンダには点火装置とガス発生剤が組み込まれており、点火装置は後述するECU22の制御によって発火し、ガス発生剤を燃焼させる。ガス発生剤の燃焼によって生じたガスがシリンダ内の圧力を高め、ピストンロッドを突出させる。突出したピストンロッドは、ヒンジアーム72のヒンジアーム後端部72Aを押し上げ、その結果、エンジンフード14が押し上げられる。
(フロントポップアップフード装置)
図1及び図2に示したように、フロントポップアップフード装置56は、フードロック装置50と、歩行者等の衝突体との衝突時に作動する左右一対のフロントアクチュエータ74とを備えている。フードロック装置50は、エンジンフード14の前端部における車幅方向中央部に対して車両下方に設けられている。
フードロック装置50は、フードストライカ48を拘束することにより、エンジンフード14を固定する。また、左右一対のフロントアクチュエータ74は、ラジエータサポートの車幅方向両端部にそれぞれ配設されており、各々が図示しないシリンダとピストンロッドとを備えている。シリンダは、軸線方向が車両上下方向に沿う姿勢で、ラジエータサポートに固定されている。また、ピストンロッドは、シリンダに対して同軸的かつ車両上方へ相対移動可能に支持されている。
シリンダには点火装置とガス発生剤が組み込まれており、点火装置は後述するECU22の制御によって発火し、ガス発生剤を燃焼させる。ガス発生剤の燃焼によって生じたガスがシリンダ内の圧力を高め、ピストンロッドを突出させる。突出したピストンロッドは、エンジンフード14の前端部を押し上げる。同時に、ケーブル等の伝達手段を介して、フロントアクチュエータ74のピストンロッドの動きがフードロック装置50に伝達される。フードロック装置50では、フロントアクチュエータ74の作動に伴う前述のケーブルの牽引によってフードストライカ48の拘束が解除されるので、フロントアクチュエータ74の作動によるエンジンフード14の前端部の持上げが可能になる。なお、フードストライカ48は拘束を解除されても、風圧によってエンジンフード14が吹き飛ばされることを防止するために、フードロック装置50との連結は解除しない。
(車両用フードエアバッグ装置)
図2に示されるように、車両用フードエアバッグ装置18は、エンジンフード14の後端部の下面側で、フード骨格部17の車両後方に配置されたエアバッグモジュール92を備えている。エアバッグモジュール92は、車幅方向を長手方向とする長尺な略箱状に形成されたエアバッグケース94(モジュールケース)を備えている。このエアバッグケース94の内部には、フードエアバッグ96が折り畳まれた状態で収納されると共に、歩行者との衝突時にガスを噴出してフードエアバッグ96内に供給する左右一対のインフレータ98が収納されている。なお、インフレータ98の数や配置は、上記に限らず、適宜変更可能である。例えば、エアバッグケース94内の車幅方向中央部に一個のインフレータ98を設けた構成にしてもよい。
図1に示されるように、フードエアバッグ96が膨張展開した状態では、フードエアバッグ96のバッグ本体部96Aがエンジンフード14の後端部に沿って車幅方向に延在し、当該バッグ本体部96Aによってウインドシールドガラス11の下端部の前面が覆われる。また、バッグ本体部96Aの車幅方向両端部からは、左右一対のバッグ側部96Bが車両後方斜め上方へ向けて延出され、これらのバッグ側部96Bによって左右一対のフロントピラー46の前面が覆われる。これらのバッグ側部96Bは、バッグ本体部96Aよりも大容量に形成されている。上記構成のフードエアバッグ96は、蛇腹折り、ロール折りなどの所定の折り畳み方によって折り畳まれた状態でエアバッグケース94内に収納されている。
左右のインフレータ98は、いわゆるシリンダータイプのインフレータであり、軸線方向が略車幅方向に沿う姿勢でエアバッグケース94内の前端側に車幅方向に並んで設けられている。左右のインフレータ98には、ECU22が電気的に接続されている。ECU22は、前述した左右のリアアクチュエータ66及び左右のフロントアクチュエータ74を作動(起動)させてから予め設定された時間が経過すると、左右のインフレータ98を作動させるように構成されている。具体的には、ECU22は、リアアクチュエータ66及び左右のフロントアクチュエータ74の作動によって、エンジンフード14の後端部及び前端部の上昇量が所定量に達すると、左右のインフレータ98を作動させるように設定されている。この場合、ECU22は、左右のリアアクチュエータ66及び左右のフロントアクチュエータ74の作動によってエンジンフード14の持上げ動作を開始させてから持上げ動作が完了するまでの間に左右のインフレータ98を起動する(作動を開始させる)。
上述のように、本実施の形態では、ポップアップフード装置16は、エンジンフード14の後端部を持ち上げるリアポップアップフード装置54とエンジンフード14の前端部を持ち上げるフロントポップアップフード装置56とを含んでいる。しかしながら、リアポップアップフード装置54のみで本実施の形態に係るポップアップフード装置16が構成されるようにしてもよい。高速走行時の衝突の場合、歩行者は低速走行時の衝突の場合よりも後方に投げ出されるので、フロントポップアップフード装置56の作動を要しない場合があるからである。
(ECU)
図1に示されるように、ECU22は、キャビン36の前方側に設けられた図示しないフロアトンネル上のセンターコンソール内に設けられている。ECU22には、車両12の前部であるフロントバンパカバー38内に配置された圧力チューブ104内の圧力を検出する圧力センサ28A,28Bからの信号が入力されると共に、車速に応じたフロントタイヤ42の回転数を検出する車速センサ44からの信号が入力される。また、ECU22には車載カメラ106が撮影した画像が入力される。
圧力チューブ104は、管状の中空構造体であり、フロントバンパカバー38の内側に設けられたアッパーアブソーバ32と図示しないバンパリンフォースとの間に配設されている。また、圧力チューブ104の左右の端部には圧力センサ28A,28Bが各々取り付けられている。
アッパーアブソーバ32は、ウレタンフォーム等の発泡樹脂材で構成されると共に、車両幅方向を長手方向とした略長尺状に形成され、平面視でバンパリンフォースに沿うように配置されている。アッパーアブソーバ32は、車両前側から比較的低い圧縮荷重を受けて潰れて変形するが、バンパリンフォースは剛体なので、比較的低い圧縮衝撃を受けても容易には変形しない。その結果、圧力チューブ104は、変形するアッパーアブソーバ32と剛体であるバンパリンフォースとで挟まれることにより押圧され、押し潰されるように変形する。一方、図1に示したように、圧力チューブ104の左右の端に設けられた圧力センサ28A,28Bは、ECU22に電気的に接続されている。そして、圧力センサ28A,28Bは、衝突時の荷重(衝突荷重)によって変化した圧力チューブ104の内圧に応じた信号をECU22に出力する。
車載カメラ106は、一例として、キャビン36内のルームミラー(図示せず)近くに設けられ、ウインドシールドガラス11越しに車両12の前方を撮影する。車載カメラ106が撮影した画像は、ECU22で画像処理され、車両12に対する衝突体の形状及び大きさが算出される。ECU22での画像処理は、一例として、エッジ検出等の既知の技術である。エッジ検出によって衝突体の輪郭を際立たせ、衝突体の輪郭から衝突体の形状及び大きさを算出することにより、衝突体が歩行者か否かを判定する。
ECU22は、圧力センサ28A,28Bの出力信号に基づいて、衝突荷重を算出する。また、ECU22は、車速センサ44が出力した信号に基づいて、衝突時の車速である衝突速度を算出するようになっている。ECU22は、算出された衝突荷重及び衝突速度から衝突体の有効質量を算出する。なお。有効質量mと、衝突荷重をF(t)と、衝突速度をvとの間には、下記の式(1)の関係が成立する。
m×v=∫F(t)dt ・・・(1)
したがって有効質量mは、式(1)の右辺である衝突荷重の時間積分値を衝突速度vで除算して得た下記の式(2)によって算出できる。
m=∫F(t)dt/v ・・・(2)
EUC22は、算出した有効質量が衝突速度を考慮して決定された閾値を超えるか否か判定する。そして、ECU22は、閾値に基づいた判定結果に応じてリアアクチュエータ66、フロントアクチュエータ74及びインフレータ98を作動させる。
なお、特許請求の範囲の記載においては、荷重検知部は圧力チューブ104、圧力センサ28A,28Bに相当し、速度検知部は車速センサ44に相当し、衝突体判定情報検出部は車載カメラ106に相当し、制御部はECU22に相当する。また、フードポップアップ機構はポップアップフード装置16に、フードエアバッグ機構は車両用フードエアバッグ装置18に、各々対応している。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。図3は、本実施の形態に係る車両用歩行者保護装置10の衝突時の処理の一例を示すフローチャートである。ステップ300では、車速センサ44が検知した車速vが車速閾値以下か否かを判定する。車速閾値は、例えば、展開したフードエアバッグ96が風圧で所定の位置に留まらずに流れてしまう速度である。具体的には、本実施の形態では、例えば、50〜60km/hである。
ステップ300で否定判定の場合には、ステップ302で圧力センサ28A,28Bが衝突を検知したか否か、すなわち、圧力チューブ104の内圧に変化があったか否かを判定する。本実施の形態では衝突体の有効質量を算出し、算出した有効質量が有効質量閾値を超えた場合にポップアップフード装置16を作動させるが、有効質量の算出には時間を要するので、ステップ302では、有効質量の算出に先行して衝突の有無だけを判定する。なお、ステップ300での車速vの判定は、ステップ302で衝突を検知した時に、車速センサ44が検知した速度に基づいて行ってもよい。
ステップ302で肯定判定の場合には、圧力センサ28A,28Bが検知した圧力チューブ104の内圧の変化に基づいて衝突荷重を算出し、算出した衝突荷重と車速センサ44が検知した衝突速度とから衝突体の有効質量を算出する処理を並列処理で開始する。また、当該並列処理と共に、ステップ304で、衝突体が歩行者か歩行者以外かを判定する。本実施の形態では、衝突時に車載カメラ106が撮影した画像をエッジ検出等の画像処理をして衝突体の形状及び大きさを算出することにより、当該衝突体が歩行者か否かを判定する。しかしながら、車載カメラ106に加えて、図示しない赤外線センサ又はミリ波レーダー等を用いてもよい。
衝突体から出る赤外線を赤外線センサで検知することにより、衝突体が歩行者等の生物であるか否かを判定することが可能となる。また、前方の障害物までの距離を検出するミリ波レーダーを併用することにより、衝突のおそれがある物体を事前に衝突体として検知することができる。さらに、衝突体とみなした物体が実際に衝突する前に、当該物体の画像及び車両と当該物体との距離に基づいて、当該物体の形状及び大きさを算出することができる。具体的には、衝突体とみなした物体の距離と車載カメラ106が撮影した画像から算出された当該物体の当該画像上での見かけの大きさを、ミリ波レーダーが検出した当該物体と車両との距離に基づいて補正する。かかる補正により、衝突体とみなした物体の実際の大きさを、衝突前であっても算出することができる。また、ミリ波レーダーによって、衝突のおそれがある物体を衝突前に検知した場合は、車載カメラ106が撮影した画像の処理及び有効質量の算出が即時開始できるようにECU22をスタンバイさせておくようにしてもよい。
ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306で、車両用歩行者保護装置の車速制限を解除する。本実施の形態では、衝突時の車速が車速閾値を超えている場合には、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54並びに車両用フードエアバッグ装置18の作動を原則として禁止する。しかしながら、衝突体が歩行者の場合には、車速が車速閾値を超えている場合であっても、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54を作動させるので、ステップ306では、車両用歩行者保護装置の車速制限を解除する。
ステップ308では、並列処理で算出した衝突体の有効質量が有効質量閾値を超えたか否かを判定する。図4は、本実施の形態に係る車両用歩行者保護装置10において、衝突速度と衝突体の有効質量との関係から対人衝突の判別を行う場合の一例を示した概略図である。図4では、衝突速度に対してプロットされた有効質量が、実線で示す有効質量閾値78を超えた場合に対人衝突と判別される。
図4では、プロットされた有効質量80,82,84,86は、いずれも有効質量閾値78を超えているので、対人衝突と判別される。しかしながら、有効質量88は、有効質量閾値78未満なので、対人衝突とは判別されず、衝突体は、ロードサイドマーカー等の路上の設置物であると判別される。なお、本実施の形態の有効質量閾値78は、コンピュータを用いたシミュレーション及び実車を用いた衝突実験を通じて決定する。
ステップ310では、車両用フードエアバッグ装置18の作動を禁止し、ステップ312では、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54、又はリアポップアップフード装置54のみを作動させて処理を終了する。
また、ステップ302,304,308のいずれかで否定判定の場合には、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54並びに車両用フードエアバッグ装置18を作動させずに処理を終了する。
なお、ステップ300で肯定判定の場合には、ステップ314で、圧力センサ28A,28Bが衝突を検知したか否かを判定する。ステップ314で肯定判定の場合には、圧力センサ28A,28Bが検知した圧力チューブ104の内圧の変化に基づいて衝突荷重を算出し、算出した衝突荷重と車速センサ44が検知した衝突速度とから衝突体の有効質量を算出する処理を開始し、ステップ316で、算出した有効質量が有効質量閾値を超えたか否かを判定する。
ステップ316肯定判定の場合には、ステップ318でフロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54を作動させ、ステップ320で車両用フードエアバッグ装置18を作動させて処理を終了する。
ステップ314,316のいずれかで否定判定の場合には、フロントポップアップフード装置56及びリアポップアップフード装置54並びに車両用フードエアバッグ装置18を作動させずに処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、高速走行時に車両に対する衝突体が歩行者か否かを判定し、算出した有効質量に応じてポップアップフード装置16を作動させる制御をしている。かかる制御により、衝突体が歩行者であるか否かを迅速に判定することにより、高速走行時において歩行者保護デバイスの的確な制御を可能とすることができる。
10 車両用歩行者保護装置
12 車両
14 エンジンフード
16 ポップアップフード装置(フードポップアップ機構)
18 車両用フードエアバッグ装置(フードエアバッグ機構)
22 ECU(制御部)
28A,28B 圧力センサ(荷重検知部)
44 車速センサ(速度検知部)
46 フロントピラー
54 リアポップアップフード装置(フードポップアップ機構)
56 フロントポップアップフード装置(フードポップアップ機構)
78 有効質量閾値
96 フードエアバッグ
104 圧力チューブ(荷重検知部)
106 車載カメラ(衝突体判定情報検出部)

Claims (4)

  1. 車両の前部に設けられ、衝突を検知して該衝突の荷重に応じた信号を出力する荷重検知部と、
    車両の速度を検知して該速度に応じた信号を出力する速度検知部と、
    前記車両の前部に対する衝突体が歩行者か否かを判別するための情報を検出する衝突体判定情報検出部と、
    作動時にエンジンフードの少なくとも後側を押し上げるフードポップアップ機構及び作動時に前記エンジンフードの後部及び前記車両のフロントピラー下部の少なくとも後者を覆うエアバッグを展開させるフードエアバッグ機構を含む歩行者保護デバイスと、
    前記荷重検知部が衝突を検知した場合に前記荷重検知部が出力した信号及び前記速度検知部が出力した信号に基づいて衝突体の有効質量の算出を開始すると共に、前記速度検知部が出力した信号が示す前記車両の速度及び算出した有効質量に基づいて前記歩行者保護デバイスの動作を制御する制御部と、
    を備えた車両用歩行者保護装置であって、
    前記制御部は、前記車両の速度が速度閾値以下で、かつ算出した有効質量が有効質量閾値を超えた場合には、前記歩行者保護デバイスの前記フードポップアップ機構及び前記フードエアバッグ機構を作動させ、前記車両の速度が前記速度閾値を超えた場合には、前記衝突体判定情報検出部が検出した情報に基づいて衝突体が歩行者か否かを判別し、該衝突体を歩行者と判別し、かつ算出した有効質量が前記有効質量閾値を超えた場合には、前記歩行者保護デバイスに含まれる前記フードポップアップ機構を作動させ、該衝突体を歩行者以外と判別した場合には、前記歩行者保護デバイスの作動を禁止する。
  2. 前記衝突体判定情報検出部は、車両前方を撮影する撮影装置であり、
    前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する請求項1に記載の車両用歩行者保護装置。
  3. 前記衝突体判定情報検出部は、赤外線センサをさらに含み、
    前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像及び前記赤外線センサが検知した該衝突体が発する赤外線に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する請求項2に記載の車両用歩行者保護装置。
  4. 前記衝突体判定情報検出部は、ミリ波レーダーをさらに含み、
    前記制御部は、前記衝突体判定情報検出部が撮影した衝突体の画像及び前記ミリ波レーダーの測定結果に基づいて該衝突体が歩行者か否かを判別する請求項2に記載の車両用歩行者保護装置。
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