JP2015217234A - 低侵襲手術用処置器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】単孔式腹腔鏡下手術などに用いられ、経皮的に挿入しながら術後にほとんど傷痕を残さない、また、安定した把持でありながら、把持組織に損傷を与えることのない愛護的な把持ができる安全な低侵襲性手術用処置器具を提供すること。【解決手段】外径3mm以下に形成される外筒管1と、該外筒管内を軸方向に摺動するシャフトと、該シャフトの先端部に前記外筒管の先端から進退自在に設けられる、弾性部材により自然状態で拡開する形状に記憶付けられた、先端に3本爪31の把持面を備えた把持部材3と、前記外筒管及びシャフトの近位端に設け、軸方向に相対的に摺動される操作部となる外筒管基4及びシャフト基5より構成されており、前記把持部材は外筒管から突出したさいに拡開されるが、外筒管内に収納された閉じた状態においても、把持部材3の先端部は外筒管先端11より突出されており、その先端形状が先細りに窄んだ曲面として形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、腹腔鏡下手術等の低侵襲手術において、組織を把持、牽引するための低侵襲手術用処置器具に関する。
従来からの低侵襲手術である5mm〜12mmの複数のトロッカーを体表に穿設して行われる腹腔鏡下外科手術は、更なる低侵襲への流れの中で、臍部に設ける20mm程度のただ一つの切開創にポート器具を取り付けて行われる単孔式腹腔鏡下手術(単孔手術)へと発展し、術後にほとんど創痕を残さない整容性に優れた手術として普及してきた。しかし、単孔手術のポート器具に設けられるポート(処置器具等の挿入口)は面積の制約から通常3つのみで、内1つを腹腔鏡が使用するため、一度に2つの処置器具しか適用することができない。また、適用する2つの処置器具も間隔が限定されることから、これが干渉してしまうなど操作が難しく手術の難易度は高くなっている。そこで、近年、この単孔手術のさいにポート器具にプラスして、傷痕のほとんど残らない極めて細径(外径3mm以下)なトロッカーや処置器具をポート器具の近傍に経皮的に穿設して行われる単孔プラス極少穿刺孔による手術が行われるようになり、そのための細径な器具の開発も進められている。
このような単孔手術にプラスされる極少穿刺孔から適用となる組織の把持、回収に使用される処置器具としては、外径3mm以下の尖状端を備える中空ニードルと、該中空ニードル内を進退自在に挿通されたシャフト及びその先端となるエンドエフェクタと、該中空ニードルとシャフトを相対可動する操作部よりなり、エンドエフェクタは相対する一対の弾性体よりなり、中空ニードル先端から出没され、外方に伸延したとき、互いに自動的に開くように付勢されており、中空ニードル内に収納したとき閉じるように形成された最少侵襲的な手術アセンブリが提案されている。(特許文献1)また、前記手術に適用されるものではないが、内視鏡の鉗子孔から挿入されポリープの切除等に用いられる把持具として、シース内に軸方向へ進退自在に挿通配置された操作ワイヤーの先端に、弾性材からなる少なくとも3本の長さの異なる異物捕獲腕を備えて構成し、該異物捕獲腕はシースから突出したとき外方に広がり、シース内に引き込まれるとき窄まるように形成された内視鏡用把持具が提案されている。(特許文献2)
特表2009−529983号公報 特開2002−282266号公報
前記引用文献1の器具によると、前記単孔プラス極少穿刺孔による手術において、外径3mm以下の中空ニードルから一対の弾性体よりなるエンドエフェクタを突出、収容することにより展開、収束されることで組織を摘まんで把持、あるいは、回収することができるが、中空ニードルの外径が3mmと細径であることから、その内腔に挿着される二股に形成されるエンドエフェクタは更に細く、把持部分も小さなものとなることにより、把持力や把持の安定性への懸念もさることながら、小面積に強い挟持力が集中することになり、また、対向する把持面で挟み付けることにもなることから、把持された組織を損傷してしまう懸念が生じる。また、中空ニードルにより経皮的な刺入が容易となるが、刃先により腹腔内で臓器を傷つける危険、あるいは、エンドエフェクタを突出後、組織を把持してニードル内に引き込んださいの意図しない組織への損傷の可能性を払拭することができない。
一方、引用文献2の器具は、切除ポリープに対して各異物捕獲腕が適切な範囲に押し付けられるため、切除ポリープ等の異物がちぎれることなく把持回収できるとしているが、内視鏡の鉗子孔を通しての管腔臓器内に適用されるものであり、経皮的な適用となる前記手術にそのまま適応することができない。
そこで、本発明は、単孔式腹腔鏡下手術などに適合して、経皮的に挿入しながら術後にほとんど傷痕を残さない、また、安定した把持でありながら、把持組織に損傷を与えることのない愛護的な把持ができる安全な低侵襲性手術用処置器具を提供することを課題とした。
本発明の低侵襲手術用処置器具は、外径3mm以下に形成される外筒管と、該外筒管内を軸方向に摺動するシャフトと、該シャフトの先端部に前記外筒管の先端から進退自在に設けられる、弾性部材により自然状態で拡開する形状に記憶付けられた、先端に把持面を備えた3本爪より形成される把持部材と、前記外筒管及びシャフトの近位端に設け、軸方向に相対的に摺動される操作部となる外筒管基及びシャフト基より構成されており、前記把持部材は外筒管から突出したさいに拡開されるが、外筒管内に収納された閉じた状態においても、把持部材の先端部は外筒管先端より突出されており、また、その先端形状が先細りに窄んだ曲面として形成されている。
前記把持部材は、次のように形成されることが好ましいか、あるいは、形成されても良い。
・閉じた状態(外筒管内に収容された状態)で先端部が砲弾型、流線形、あるいは頂部を曲面にした錐体形状に形成される。
・先端部の曲面形状は、3本爪の先端を互いに合致させて形成される。
・先端部の曲面形状は、3本爪の1本、または、2本から形成される。
・3本爪の各々の先端部は全てあるいは1本が段違いに形成される。
・3本爪の形状は、全てが同一、全て異なる、あるいは、2本が同一形状のいずれかである。
・先端部は、該把持部材と別に形成されて取り付けられる。
・拡開した状態(外筒管から突出した状態)においての3本爪間の拡開角度は、全て同一、全て異なる、あるいは、2つが同一のいずれかである。
・3本爪の先端部は、内面側に巻き込むように湾曲して形成される。
・把持面は凹凸が形成される。
・外側面に軸方向に平行な溝を備える。
・横断面は、パイプを3分割した形状をなす。
・拡開した状態で外方に放射状に広がるか、各々が「く」の字状に広がる。
前記把持部材は外筒管内との関係において、次のように形成されることが好ましいか、あるいは、形成されても良い。
・把持部の先端部を前記外筒管と同一の外径に形成する。
・外筒管からの突出量を任意に設定する手段を備えて形成する。具体的な手段として、前記外筒管基あるいはシャフト基には、前記把持部材の外筒管内への引き込み量を設定するロック部を備える。
また、外筒管には、該外筒管の軸方向に摺動可能で、かつ、任意の位置で固定しておくことのできるストッパーを取り付けることが好ましく、該ストッパーは、体表への当接面を備える本体部と、該本体部内に収容され、本体部内で軸方向を任意に可変可能で、かつ、任意の位置で固定されるボールリングとで構成とすると一層好ましい。
(作用)
前記手段の低侵襲手術用処置器具によると、外筒管が外径3mm以下に形成されるため、経皮的な挿入であっても極めて小さな切開創から適用でき、ほとんど傷痕を残すことがない。また、把持部材を3本爪とし包み込むような把持としたことにより、相対する2本爪の挟み込むような把持に比較して組織を安定して把持することができるのに加え、組織に掛かる把持力や方向が分散されることで愛護的な把持ができる。更に、把持部材の先端が外筒管先端より突出していることで、例えば、組織を把持したまま、把持部材先端を細径な外筒管内に引き込み、組織を潰してしまう等の危険を防止することができる。加えて、把持部材先端が先細りに窄んだ曲面として形成されることで、前記極少切開創からの挿入をスムーズにすると同時に、鋭利な刃先による腹腔内での組織への損傷を防止することができる。
また、閉じた状態の先端部が砲弾型、流線形、または、頂部を曲線とした錐体形状に形成すると、前記したように腹腔内での組織損傷を防止しながら、極少切開創からのスムーズな挿入を実現する挿入抵抗の小さな形状となる。また、先端部を3つ爪の1本から形成すると、先端に隙間が生じないため挿入に有利で、一方、2本、3本から形成すると、形状を組み合わせることとで1本では加工が難しい形状の先端部を形成することができ、また、形状によっては一層スムーズな挿入が期待できるものを容易に形成することができる。更に、先端部を段違いに形成すると、前記先端部を1本あるは2本から形成する構成が実現されると共に、把持面が段違いとなることで組織への把持力が更に分散され、把持を一層愛護的なものにすることができる。また、3本爪をすべて同一形状とすると製造加工を容易とすることができ、全て異なる、あるいは、2本が同一形状のいずれかとすると前記段違いの構成等が実現されると共に、より保持を安定させたり愛護的にしたりすることができる形状とすることもできる。
また、把持部材の先端部を本体部分と別部材として形成すると、加工に制限が少ないため挿入性や把持性に優れた複雑な形状の把持部材を比較的容易に形成することができる。
更に、3本爪間の拡開角度を全て同じにすると、3方向から均等な把持力をかけることができ、一方、拡開角度を異として、例えば、大きい爪一つと小さな爪二つを対向するように配置して把持すると、手指の拇指と示指及び中指で掴んだような安定した把持ができる。また、把持部材の先端を内面側に巻き込むように形成したり、把持面に凹凸を形成したりすると、把持部に引掛り部が形成されることで組織を把持したさいに滑り防止となり安定した把持が可能になる。
また、本処置器具は、把持部材を利用して剥離器具として使用することができるが、該剥離に際し把持部材の外周面に軸方向に平行な溝を備えると、組織接触面とのすべりが防止され、回転させながらの剥離を効率よく行うことができる。
更に、把持部材の横断面がパイプを3分割したものとすると、該把持部材をシャフトと一連のものとして形成することができ、また、細径な外筒管内に収容するのに内腔を有効に利用することができる。また、把持部材が放射状に拡開すると組織を把持するため外筒管内に引き戻すさい、近位側から徐々に閉塞するため必要以上に強く把持されることが無く、一方、「く」の字状に拡開すると、外筒管内に引き戻すさい早い段階で先端部が把持され、その後、安定した確実な把持ができる。
把持部材の先端が常に外筒管より突出していることにより、組織を把持する先端が細径な外筒管内に引き込まれないことで、組織を必要以上に押し潰してしまうことがない。そして、このための具体的な手段として把持部の先端部を外筒管と同一の外径に形成することで、該先端部が外筒管内に引き込まれない前記構成を実現できると共に、腹腔内への挿入のさい段差が生じないためスムーズで安全な挿入ができる。また、引き込みの量を任意に設定する手段を備えると必要に応じた把持条件を設定することができ、更には、回収のための切離まで様々な状況に適用することができる。そして、その手段として引き込み量を設定するロック部を備えるとこれを容易に実現できる。
外筒管に該外筒管の軸方向に摺動可能で、かつ、外筒管の任意の位置で固定しておくことのできるストッパーを取り付けると、該ストッパーを体表に当接させて安定的に外筒管を保持しておくことができる。これにより、体腔内に挿入される外筒管の長さを予め調整しておくことで挿入の過不足を防止することができ、また、体表の所望の位置で固定しておくことで、操作中安定した保持ができる。更に、該ストッパーを本体部と、該本体部内に収容され内部で軸方向を可変、及び、固定可能なボールリングとにより構成すると、体表に対する外筒管の挿入方向(角度)を自在に設定、固定できることにより把持対象組織への所望のアプローチが可能になる。
前記手段及び作用により、単孔式手術になどに適合して、経皮的に挿入しながら術後にほとんど傷痕を残すことがない、また、安定した把持ができると共に、把持組織に損傷を与えることのない愛護的な把持を可能とする安全な低侵襲性手術用処置器具を提供することができる。
本発明の低侵襲手術用処置器具の実施の形態で、把持部材が展開された状態を示す構成図。 前記形態の把持部材が外筒管内に収容された状態を示す構成図。 前記形態の把持部材が外筒管から展開された状態の断面図。 前記形態の把持部材が外筒管内に収容された状態の断面図。 前記形態の外筒管に取り付けられるストッパーの構成図。 前記形態の把持部材の展開、閉塞状態を示す拡大図。 前記形態の操作部を示す拡大図。 前記形態のシャフト基を示す断面図。 本発明の把持部材の形態例を示す構成図。
以下、本発明の低侵襲手術用処置器具の実施の形態につき図面を参考に詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の構成図で把持部材が外筒管から突出し展開された状態、図2は、把持部材が外筒管内に収容され閉じた状態、図3は展開した状態の軸方向への断面図、図4は収容され閉じた状態の断面図を示している。
本形態の低侵襲手術用処置器具は、単孔式手術のさい臍部に設ける切開創に取り付けたポート器具の近くに設ける極小切開部から、トロッカーを介さずに経皮的に腹腔内に挿入して用いられる、先端部の3つ爪の把持部により組織を掴んで保持、牽引し、また、必要に応じて組織を回収するために用いられる鉗子器具である。
本形態の処置器具は、金属パイプよりなる外筒管1と、該外筒管1の内腔を軸方向前後に摺動するシャフト2と、該シャフト2の先端に連設され、前記外筒管1から先端部32を僅かに突出した状態から、ほぼ全体を突出させた状態までの可動範囲で進退自在であって、弾性部材により自然状態で拡開する形状に記憶付けられた3つ爪31よりなる把持部3と、前記外筒管1の近位端12と接続し手元操作部となる外筒管基4と、シャフト2の近位端21と接続し、前記外筒管基4と相対的に摺動可動することにより外筒管1から把持部材3を進退するためのシャフト基5、及び、外筒管1に取り付けて該外筒管1を体表に固定すると共に、体腔への挿入長さや方向を調整するストッパー7より基本構成される。
外筒管1は、器具を極小切開部から経皮的に腹腔内に挿入するための誘導外管であり、該極小切開部からの挿入に適用して、外径3mm以下(本例においては、2.7mm)の金属パイプ(本例においては、ステンレスパイプ)より形成し、先端部11は腹腔に挿入しやすいようにテーパー状に面取りしており、近位端12は外筒管基4に接続される。一方、シャフト2は、前記外筒管1の内腔を摺動可能な2重針の内針のように機能しており、前記外筒管1内に収容可能な外径(本例においては、2.1mm)の金属線あるいはパイプ(本例においては、ステンレスパイプ)より形成し、先端部は把持部材3として形成され、近位端21はシャフト基5に接続される。
また、外筒管1には、該外筒管1の体腔内への挿入の長さ(挿入深さ)や方向(挿入角度)を調整し、所望の挿入位置で体表に保持しておくためのストッパー7を備えている。図5は、本形態の外筒管に取り付けられるストッパーを示す構成図で、該ストッパー7は、体表への当接面を備えるプレート状のストッパー本体71と、外筒管1を挿通して、前記ストッパー本体71の内部に収納されるボールリング72と、該ボールリング72のストッパー本体71内での可動を規制する締め付けフック73より構成される。
そして、ボールリング72は、ストッパー本体71内で外筒管1の軸方向の角度を任意に可変可能としているが、この可動は、ボールリング72の外周面の軸方向に複数列設けたスリット721と、ストッパー本体71のボールリング収容部に設ける、前記スリット721に対応する複数の突起711とが係合することにより、前記スリット721に沿って摺動するもので、回転方向への可動を規制しながら、スリット721を設けた方向に対する外筒管1の軸方向の角度を可変可能としている。そして、外筒管1の所望の位置で締め付けフック73をロックすることにより、ボールリング72がストッパー本体71に締め付けられて、外筒管1とボールリング72及びボールリング72とストッパー本体71とを所定の位置に固定することができる。
図6は、シャフト先端部分の把持部材が外筒管から突出して展開されたとき(A)と外筒管内に収容され閉じているとき(B)の拡大図を示している。
把持部材3は、腹腔内挿入のさいは前記外筒管1内に収容され、3つ爪31は閉じられて先細りに窄んだ曲面として形成された先端部32(図B)となり挿入先端として機能し、腹腔内では外筒管1から突出され自然状態の展開した形態(図A)をとり、再び外筒管1内に引き戻されることにより組織を掴み把持、牽引するものである。本例の構成では、前記シャフト2の先端側30mm程度を3分割にスリ割って形成され、3つ爪31が自然状態で外方三方に展開されるように形状付けされている。尚、本例においては、3つ爪31の1つの爪31aの幅が他の2つの爪31b、31cより大きく形成され、また、幅の小さな2つの爪31b、31c間の展開角度(本例においては90°)が大きな幅の爪31aとの角度(本例においては135°)より小さく形成されており、把持するさいに丁度、手指の拇指、示指、中指のような関係に形作られている。また、癖付けされた展開形状は、近位側で拡開し、遠位側は互いに平行となるような「く」の字に展開される様に形状付けされた。
そして、組織を掴む部位となる把持部材先端は、分割された3つ爪31の先端部32として閉じたさいにシャフト2の外径と同じ径に形成されており、前記幅の小さな2つの爪31b、31cにより把持部材3の最先端部32が形成されるが、先端部外面は各々内方に向け先細りに窄んだ曲面に形成され、内方の側面には把持面33が形成される。そして、該2つの先端部32b、32cを合せることにより把持部全体の最先端部32を形成しているが、該2つの先端部32b、32cを段違いに設けることにより、閉じたさいに全体として流線形の先端部32となるように形成している。一方、幅の大きな爪31aは前記2つの爪31b、31cより短く形成し、先端内方の側面には把持面33を設け、閉じられたさいに前記2つの爪32b、32cで形成した先端部32の傘の中に収まり、全体として断面がシャフト2の外径と同じ円形を保持するように、また、最先端が先細りに窄んだ流線形の形状となるように形成された。また本例においては、前記把持面33に凹凸加工34を施し組織把持のさいの滑り止めとした。尚、本形態においては適用していないが、必要に応じて把持部材3の外側面に軸方向に平行な溝を設けることで、本器具を剥離器具として回転させながら剥離を進めていく場合に、該溝が組織との滑り止めとなることで外側面を用いた組織の剥離をしやすくすることができる。
本例の把持部によると、先端部32を曲線で形成される流線形とすることにより、極小切開創に経皮的に挿入するさいや、腹腔内部での操作中に針のように組織を損傷する危険がなく、また、挿入抵抗が小さな形状となることでスムーズな挿入ができる。また、流線形を2つの爪の先端部32b、32cで形成すると、各々同様な形状の先端を段違いに設けることで流線形が形成可能であり、例えば1つの爪から形成したり、3つの爪の組合せにより形成したりするよりも容易に該流線形を形成することができる。更に、3つ爪31それぞれを段違いに設けることで、前記形成を可能とすると同時に、組織把持のさい把持面33がずれることにより、組織にあたる把持面33が互い違いとなり、また、把持面32相互で押し潰すような把持とならないため一層安定した愛護的な把持とすることができる。
尚、本例においては、把持部材3がシャフト2のパイプをスリ割った一体のものとして形成したが、超弾性合金など別部材で形成したものをシャフト2の先端に接続して用いても良く、また、全体の断面も円形に限るものではない。また、把持部分となる把持部先端部32は別に形成して3つ爪31の先端に接続するものであっても良く、その場合は、全体の外径を外筒管1の外径と同様とすると、挿入のさいの段差が生じないことでスムーズな挿入ができる。
また、把持部先端部32は、流線形に限らず、例えば、砲弾型や錐体形状の先端を曲面に形成したものでも、また、3つ爪31各々の先端を段違いに配置しないものであっても良く、また、その大きさや形状、拡開角度などは同じであっても、各々が異なるものであっても良い。これらの形態に関わらず、全体として挿入に大きな抵抗が掛からない、かつ、安定的で愛護的な把持を可能とする、先端部32が先端に向け先細りに窄んだ曲面となるものであれば良い。
前記外筒管1とシャフト2及び把持部材3の操作部となる外筒基4とシャフト基5は、互いに軸方向に摺動する動作を片手で容易にできるものであって、樹脂により形成される。図7は、本形態の外筒管基とシャフト基を示す拡大図で、Aが把持部材を展開した状態、Bが把持部材を収容した状態を示し、図8はシャフト基の断面図を示している。
外筒基4は、遠位端41に外筒管1を接続し、近位端は拇指を通すためのリング42を設けて形成し、中間部の2本のロット43がシャフト基5の内腔を摺動可能に貫通して設けられる。一方、シャフト基6は、中心部の接続凸部51でシャフト2と接続し、外周面は示指及び中指の2本の指で挟みやすい括れ53を設けて形成し、前記外筒管基4のロット43に適合して設ける内腔となる通孔52に外筒管基4を摺動可能に貫通して形成される。そして、シャフト基5に貫通される外筒管基4には可動上限部44と可動下限部45が設けられ、中間部が可動域としてシャフト基5の貫通孔52に摺動可能に適用される。このように外筒管基4とシャフト基5との摺動範囲を規制することで、外筒管1からの把持部材3の突出の長さ、収納されたときの先端部32の位置が規制される。
また、シャフト基5には、外筒管基4とシャフト基5の摺動を任意の位置で留め置くことのできるロック6部を備えて、所望の位置での保持も可能な構成としている。
本例の操作部によると、把持部材3を外筒管1に収納した状態で、示指と中指でシャフト基5の括れ53を挟み、拇指を外筒管基4のリング42に通して、相対的に離間させることにより把持部材3を突出させ展開することができ、3つ爪31により組織を掴むさいは、組織の所望の位置を把持するために突出した把持部材3を極力動かさないようにシャフト基5を固定し、外筒管基4を拇指で押し出すように前進させることで、外筒管1により把持部材3が閉じられて組織を把持するといった操作を容易に実施ことができる。尚、この様に把持部材3の位置を動かさないように外筒管1を押し出す動作を実現するには、本形態に適用する3本の指を使っての操作として、示指と中指を固定して拇指を前進させるといった操作が人の動きとして最も自然にできる動きとなっている。
本処置器具の単孔手術への適用方法は次のようなものである。
1.単孔手術のための臍部の切開創にポート器具を取り付けて気腹し、ポート器具からトロッカーを通して腹腔鏡を挿入する。
2.挿入した腹腔鏡の観察下に、前記切開創とは別に設けるごく小さな切開創から本処置器具を閉じた状態で腹腔内まで挿入する。
3.腹腔鏡の画像を確認しながら、外筒管基4とシャフト基5を離間させることで外筒管1から把持部材3を展開する。
4.把持したい組織の周囲に3つ爪31を囲うように配置し、シャフト基5を固定して、外筒管基4を前方に押し出すことで把持部材3が展開状態から閉じられ、組織が把持される。
5.適度に把持力が得られる位置でシャフト基5に設けたロック部6を掛けることでシャフト基5と外筒管基4の摺動を固定し、該位置で組織が保持される。
図9は、本発明の把持部材先端部の形状例を示し、Aが流線型、Bが砲弾型、Cが先端を曲面に形成した錐体の例を示している。
本例の流線形の先端部は、前記実施の形態のもので、前述の通り3つ爪31の2つの爪31b、31cを段違いに配置して、先端部32の流線形を形成し、該形成された先端部32の傘の中にもう一つの爪31aを収めることにより全体として断面円形として形成される。
本例の砲弾型の先端部は、前記流線形と同様に3つ爪31の内、2つの爪31e、31fにより先端部が形成されるが、2つの爪31e、31fは同一の形状に形成され組み合わせて砲弾型の先端部32とされる。そして、前記流線形のものと同様にもう一つの爪31dが形成された先端部の傘の中に収められ全体として断面円形に形成される。砲弾型の先端部32は、流線形のものと比較すると先端が鈍となることで腹腔内への挿入性に劣るが、2つの爪31e、31fを同一形状とできるため製造に有利となる。
本例の錐体形状の先端部は、3つ爪31の最先端部を別部材で形成し接続するものとし、先端部を外筒管1とほぼ同じ外径として形成した。形状は、3つ爪の1つ31gを円錐の先端部を曲面に形成したものとし、該一つの爪31gで先端部32を形成し、他の2つの爪31h、31iを形成した先端部32の傘の中に収めて全体として断面形状となるように形成した。本例のように先端部を別部材で形成すると先端加工に制約がないがないため自在な形状が形成でき、また、大きさも制約されず、外径を外筒管と同じ大きさとすることができる。
尚、前記形態は、本発明の一部の例を示すもので、前記のような形状を3つ爪31の組み合わせにより適宜形成すればよい。
本発明の基本思想によれば、単孔式手術などの小切開を施しての手術においてのみではなく、美容上手術の傷痕を極力残したくない処置への適用や、また、トロッカー内腔から挿入するには大きさや形状に制約がある把持器具以外の用途での処置器具に対しても適用することができる。
1. 外筒管
11. 遠位端
12. 近位端
2. シャフト
21. 近位端
3. 把持部材
31a、31b、31c. 3つ爪
32. 把持部先端
33. 把持面
4. 外筒管基
41. 遠位端
42. リング
43. ロット
44. 可動上限部
45. 可動下限部
5. シャフト基
51. シャフト接続部
52. 貫通孔
53. 括れ
6. ロック部
7. ストッパー
71. ストッパー本体部
72. ボールリング
73. 締め付けフック

Claims (19)

  1. 外径3mm以下に形成される外筒管と、該外筒管内を軸方向に摺動するシャフトと、該シャフトの先端部に前記外筒管の先端から進退自在に設け、弾性部材により自然状態で拡開する形状に記憶付けられた、先端に把持面を備えた3本爪より形成される把持部材と、前記外筒管及びシャフトの近位端に設け、軸方向に相対的に摺動される操作部となる外筒管基及びシャフト基より構成し、前記把持部材は外筒管から突出したさい拡開されるが、外筒管内に収納した閉じた状態でも、先端部は外筒管先端より突出した位置にあり、該先端形状が先細りに窄んだ曲面として形成されることを特徴とする低侵襲手術用処置器具。
  2. 前記把持部材の先端部は、閉じた状態で砲弾型、流線形、あるいは頂部を曲面とした錐体形状に形成される請求項1の低侵襲手術用処置器具。
  3. 前記把持部材の先端部は、3本爪の先端が互いに合致して形成される請求項1乃至2のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  4. 前記把持部材の先端部は、3本爪の1本、または、2本から形成される請求項1乃至2のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  5. 前記把持部材の3本爪の先端部は、全てあるいは1本が段違いに形成される請求項1乃至4のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  6. 前記把持部材の3本爪の形状は、全てが同一、全て異なる、あるいは、2本が同一形状のいずれかである請求項1乃至5のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  7. 前記把持部材の先端部は、該把持部材と別に形成して取り付けられる請求項1乃至6のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  8. 前記把持部材を拡開した状態において、3本爪間の角度は、全て同一、全て異なる、あるいは、2つが同一のいずれかである請求項1乃至7のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  9. 前記把持部材の3本爪の先端部は、内面側に巻き込むように湾曲して把持面が形成される請求項1乃至8のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  10. 前記把持部材の把持面には、凹凸が形成される請求項1乃至9のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  11. 前記把持部材の外側面には、軸方向に平行な溝を備える請求項1乃至10のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  12. 前記把持部材の横断面は、パイプを3分割した形状をなす請求項1乃至11のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  13. 前記把持部材は、拡開したとき外方に放射状に広がる請求項1乃至12のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  14. 前記把持部材は、拡開したとき各々が「く」の字状に広がる請求項1乃至12のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  15. 前記把持部材の先端部は、前記外筒管と同一の外径に形成される請求項1乃至14のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  16. 前記把持部材の外筒管からの突出量を任意に設定する手段を備える請求項1乃至15のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  17. 前記外筒管基あるいはシャフト基には、前記把持部材の外筒管からの突出量を設定するロック部を備える請求項16の低侵襲手術用処置器具。
  18. 前記外筒管に取り付け、該外筒管の軸方向に摺動可能でかつ任意の位置で固定可能なストッパーを備える請求項1乃至18のいずれかの低侵襲手術用処置器具。
  19. 前記ストパーは、体表への当接面を備える本体部と、該本体部内に収容され、本体部内で軸方向を任意に可変可能で、かつ、任意の位置で固定されるボールリングを備える請求項18の低侵襲手術用処置器具。
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