以下、歩行機の一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、歩行機の進行方向を前方ともいい、その反対方向を後方ともいう。また、歩行機の進行方向及び鉛直方向の両方向と直交する歩行機の幅方向を左右方向ともいう。
図1に示すように、歩行機10は、腰部20と、対をなす2本の脚部30と、上体支持部40とを備えている。
図1に示すように、腰部20は、左右方向を長手方向とする略棒状をなした腰部フレーム21と、脚部30を腰部フレーム21に連結する第1連結部22と、上体支持部40を腰部フレーム21に連結する第2連結部23とを備えている。ここで、第1連結部22は対をなす脚部30に対応して腰部フレーム21の左右両側に設けられ、第2連結部23は左右方向において対をなす第1連結部22の間に設けられている。
次に、図1〜図4を参照して、第1連結部22について説明する。ここで、図2〜図4は、左側の脚部30を連結する第1連結部22に係る構成を図示している。
図1〜図3に示すように、第1連結部22は、脚部30を支持する脚部支持部24と、脚部支持部24を腰部フレーム21に固定するための中間プレート25及び固定具26とを備えている。
図3及び図4(a)に示すように、脚部支持部24は、正面視逆U字状をなすケーシング241と、板状をなすプレート部242とが一体となって形成されている。脚部支持部24のケーシング241は、脚部30を支持する腰軸243と、脚部30の揺動範囲(角度)を規制する揺動規制部244とを有している。また、ケーシング241には、腰軸243よりも鉛直下方で前方及び後方に突出した左右一対の突片部241aが形成されている。突片部241aには、固定孔241bが腰軸243の軸方向と同方向に貫通形成されている。
図4に示すように、腰軸243は、脚部30の長手方向と直交する方向が軸方向となるように、その軸方向両端がケーシング241に支持されている。また、図3に示すように、腰軸243は、その軸線を中心に脚部30を揺動自在に支持している。なお、以降の説明では、歩行機10が歩行するために、脚部30が腰軸243の軸線を中心として揺動することを「揺動運動」ともいう。
図3に示すように、揺動規制部244は、腰軸243の軸方向を長手方向とする多角柱状をなし、左右一対の突片部241aに対応して、腰軸243の前方且つ鉛直下方の位置と腰軸243の後方且つ鉛直下方の位置とにそれぞれ設けられている。また、図4(a)に示すように、揺動規制部244は、その長手方向における両端部に同長手方向に沿う固定穴245が凹設されている。そして、揺動規制部244は、固定穴245及び固定孔241bに挿入された固定部材248によって、ケーシング241に回転不能に固定されている。また、揺動規制部244において、固定穴245の軸方向と交差する複数の側面のうち隣り合う側面が交わる直線部位は、脚部30に当接可能な当接辺246となっている。すなわち、揺動規制部244は、脚部30が揺動運動する際に、当接辺246に脚部30に当接させることで、同脚部30の揺動範囲を規制する。
また、当接辺246は揺動規制部244の側面視多角形形状の頂点の数に応じて複数設けられ、各当接辺246は、固定穴245の軸線からの距離L(図3では代表の距離のみ図示)がそれぞれ異なっている。このため、固定穴245の軸線からの距離が長い当接辺246が脚部30に当接するように、揺動規制部244をケーシング241に固定する場合には、鉛直下方を基準とする脚部30の揺動角度が小さいときに同脚部30が当接辺246に当接するため、脚部30の揺動可能な範囲が狭くなる。一方、固定穴245の軸線からの距離が短い当接辺246が脚部30に当接するように、揺動規制部244をケーシング241に固定する場合には、鉛直下方を基準とする脚部30の揺動角度が大きくなってから同脚部30が当接辺246に当接するため、脚部30の揺動可能な範囲が広くなる。
したがって、揺動規制部244のケーシング241に対する固定角度を変更することで、脚部30の揺動範囲を任意の角度範囲とすることができる。なお、脚部30の前側の揺動規制部244は脚部30が鉛直下方に伸びた状態から前方に揺動する場合の揺動範囲を規制し、脚部30の後側の揺動規制部244は脚部30が鉛直下方に伸びた状態から後方に揺動する場合の揺動範囲を規制するものである。
また、図4(a)に示すように、脚部支持部24のプレート部242には、基準点RPを中心とする同心円上に複数(本実施形態では4つ)の円弧状をなす長孔247が、その厚み方向に貫通形成されている。プレート部242の正面視において、歩行機10の内側の長孔247は、歩行機10の外側の長孔247よりも鉛直上方に形成されている。
図4(b)に示すように、中間プレート25は、略矩形板状をなしている。図3及び図4(b)に示すように、中間プレート25の後面には腰部フレーム21と係合する係合部251が設けられている。また、中間プレート25には、基準点RPを中心とする同心円上に複数(本実施形態では4つ)のボルト穴252が、その厚み方向に貫通形成されている。ここで、中間プレート25の基準点RPは脚部支持部24の基準点RPと対応し、中間プレート25の四隅に形成されたボルト穴252は脚部支持部24のプレート部242の長孔247に対応して形成されている。また、中間プレート25には、その厚み方向において係合部251と重なる位置に、複数(本実施形態では2つ)のボルト穴253が、同厚み方向に貫通形成されている。
図3に示すように、第1連結部22の固定具26は、その前面に、腰部フレーム21と係合する係合部261が設けられている。また、固定具26には、貫通孔262がその厚み方向に貫通形成されている。固定具26の貫通孔262は、中間プレート25のボルト穴253に対応して設けられている。
次に、第1連結部22の腰部フレーム21に対する固定態様について説明する。
図3に示すように、中間プレート25のボルト穴253と固定具26の貫通孔262とがその軸線方向に一致するように、中間プレート25と固定具26とで腰部フレーム21を挟みこむように配置する。すなわち、中間プレート25の係合部251を前方から腰部フレーム21に係合させるとともに、固定具26の係合部261を後方から腰部フレーム21に係合させる。そして、中間プレート25と固定具26とを締結部材27で締結することで、中間プレート25と固定具26とが腰部フレーム21に固定される。
続いて、図2及び図3に示すように、中間プレート25のボルト穴252と脚部支持部24のプレート部242の長孔247とをその軸線方向に一致させた状態で、中間プレート25と脚部支持部24とを締結部材28で締結する。こうして、脚部支持部24は、中間プレート25を介して、腰部フレーム21に固定される。なお、ここで、腰部フレーム21に対する中間プレート25及び固定具26の固定位置は、腰部フレーム21の長手方向において変更可能である。したがって、この点で、中間プレート25と、固定具26と、締結部材27とによって、「脚部30の間隔を調整する調整部」の一例が構成される。
さらに、この場合において、図3及び図4に示すように、脚部支持部24を、基準点RPを中心に中間プレート25に対して回転させた状態で、脚部支持部24と中間プレート25とを締結部材28で締結することもできる。この場合、図2に二点鎖線で示すように、腰部フレーム21に対して脚部支持部24が回転した状態で固定されることで、脚部支持部24は、鉛直下方に向かうに連れて脚部30の間隔が長くなるように、同脚部30を支持することが可能となる。この点で、中間プレート25のボルト穴252と、脚部支持部24のプレート部242の長孔247と、締結部材28とによって、「脚部30の間をなす角度を調整する調整部」の一例が構成される。なお、脚部支持部24においては、プレート部242に対する長孔247の形成位置を変更することで、脚部30を支持したときに、脚部30の間隔が鉛直下方に向かうに連れて短くできるようにしてもよい。
次に、図1及び図5を参照して、上体支持部40について説明する。
図1及び図5に示すように、上体支持部40は、使用者の胴体を支持する胴体支持部41と、使用者が把持するグリップ42が設けられたハンドル43と、使用者の腕部が載置される載置部44とを備えている。また、図5に示すように、上体支持部40は、第1サブフレーム451、第2サブフレーム452、第3サブフレーム453及び第4サブフレーム454と、第1ジョイント461、第2ジョイント462、第3ジョイント463、第4ジョイント464及び第5ジョイント465とを備えている。なお、サブフレーム451〜454及びジョイント461〜465は、胴体支持部41、ハンドル43及び載置部44を腰部フレーム21に連結するために設けられている。このため、サブフレーム451〜454及びジョイント461〜465は、歩行機10の剛性を確保しつつ重量を軽減するために、高剛性かつ軽量な材料で形成されていることが望ましい。
図1に示すように、胴体支持部41は、使用者が歩行機10とともに歩行する際に、使用者の胴体と接触する接触面411を有している。接触面411は、使用者の胴体形状に沿った湾曲面となっている。そして、胴体支持部41は、後方且つ鉛直上方に接触面411を向けた状態で腰部20に固定されることで、使用者の胴体を側方(左右方向)及び鉛直下方から支えることが可能となっている。また、胴体支持部41は、歩行時の衝撃を緩和できるような材質(例えばクッション材など)で形成されていることが望ましい。
なお、ここでいう使用者の胴体には、使用者の腰部、腹部及び胸部等が含まれる。すなわち、胴体支持部41によって、使用者の胴体の何れの部分を支持するかは、使用者の体格や好みに応じて選択することが望ましい。また、胴体支持部41の形状及び個数についても同様である。
図5に示すように、ハンドル43(グリップ42)は、使用者が歩行機10とともに歩行する際に、使用者自身が把持したり同使用者以外の者が歩行機10の前方から把持したりすることで、歩行機10の歩行安定性を高めるために設けられている。なお、歩行機10に対するハンドル43及び載置部44の位置を調整することで、使用者の歩行機10に対する前傾姿勢を調整することもできる。
第1サブフレーム451は、鉛直方向が長手方向となるように、腰部20の第2連結部23を介して、腰部フレーム21に連結されている。第2サブフレーム452は、左右方向及び第1サブフレーム451の長手方向の両方向と交差する方向が長手方向となるように、第1ジョイント461を介して、第1サブフレーム451に連結されている。
第3サブフレーム453は、左右方向及び第2サブフレーム452の長手方向の両方向と交差する方向が長手方向となるように、第2ジョイント462を介して、第2サブフレーム452に連結されている。ここで、第2ジョイント462は、第2サブフレーム452と第3サブフレーム453との間をなす角度を変更可能としている。また、第3サブフレーム453は、第3ジョイント463を介して、胴体支持部41と連結されている。
第4サブフレーム454は、左右方向が長手方向となるように、第4ジョイント464を介して、第2サブフレーム452に連結されている。また、第4サブフレーム454には、第5ジョイント465を介して、ハンドル43が連結されている。ここで、第5ジョイント465は、第4サブフレーム454とハンドル43との間をなす角度を変更可能としている。
なお、上述したジョイント461〜465は、サブフレーム451〜454をその長手方向と直交する方向から挟み込んだ状態でボルト等の締結部材で締結されることで、サブフレーム451〜454に固定される。したがって、締結部材を緩めた状態では、ジョイント461〜465に対するサブフレーム451〜454の位置が調整可能となり、腰部フレーム21に対する胴体支持部41、ハンドル43及び載置部44の相対位置を変更可能となる。この点で、ジョイント461〜465は「上体支持部40の位置を調整する調整部」の一例に相当する。
次に、図1及び図6〜図8を参照して、脚部30について説明する。
図1に示すように、一対の脚部30は、腰部フレーム21の長手方向に整列した状態で、第1連結部22に連結されている。脚部30は、大腿部31と、下腿部32と、大腿部31及び下腿部32を屈伸可能に連結する膝関節部34と、膝関節部34の座屈を規制可能な座屈規制部35とを備えている。
図1に示すように、大腿部31は、その長手方向における一端部(上部)を構成する第1大腿部311と、同長手方向における他端部(下部)を構成する第2大腿部312と、第1大腿部311及び第2大腿部312を連結する連結ピン313とを有している。第1大腿部311には、その上端部に、大腿部31の長手方向と直交する方向に貫通形成された挿通孔314が設けられている(図3参照)。こうして、脚部30を構成する大腿部31は、挿通孔314に腰軸243が挿通されることで、脚部支持部24に対して、同腰軸243の軸線を中心に揺動自在に支持されている。また、図6に示すように、第2大腿部312には、その下端部に、大腿部31の長手方向と直交する方向に貫通形成された挿通孔315と、大腿部31の長手方向と交差する当接面316を有する当接部317が設けられている。当接部317は、当接面316を下腿部32に向けた状態で、前方に向かって突出するように設けられている。
また、図7(a),(b)に示すように、第1大腿部311の下端部は筒状をなす被挿入部361とされている。被挿入部361には、単一の係合孔362が第1大腿部311の長手方向と直交する方向に貫通形成されている。一方、第2大腿部312の上端部は第1大腿部311の被挿入部361に挿入可能な筒状をなす挿入部363とされている。挿入部363には、複数の係合孔364が第2大腿部312の長手方向と直交する方向に貫通形成されている。
そして、第1大腿部311の係合孔362と、第2大腿部312の何れかの係合孔364とが一致するように、第1大腿部311の被挿入部361に第2大腿部312の挿入部363を挿入した状態で、両係合孔362,364に連結ピン313を挿入することで、第1大腿部311と第2大腿部312が連結される。
また、第1大腿部311の係合孔362とともに連結ピン313が挿入される第2大腿部312の係合孔を、同第2大腿部312の複数の係合孔364から選択することで、大腿部31の長手方向における長さを調整することが可能となる。例えば、第1大腿部311の係合孔362とともに連結ピン313が挿入される第2大腿部312の係合孔が、上端寄りの係合孔364であるほど、大腿部31の長手方向における長さが長くなる。こうした点で、第1大腿部311の係合孔362と、第2大腿部312の係合孔364と、連結ピン313とによって、「大腿部31の長さを調整する調整部」の一例が構成される。
図1に示すように、下腿部32は、その長手方向における一端部(上部)を構成する第1下腿部321と、同長手方向における他端部(下部)を構成する第2下腿部322と、第1下腿部321及び第2下腿部322を連結する連結ピン323とを有している。図6に示すように、第1下腿部321には、その上端部に、下腿部32の長手方向と直交する方向に貫通形成された挿通孔324と、下腿部32の長手方向と交差する当接面325を有する当接部326とが設けられている。当接部326は、当接面325を大腿部31に向けた状態で、前方に向かって突出するように設けられている。一方、第2下腿部322には、その下端部に、着地面としての床面FL(図9(a)参照)に着地する着地部33が設けられている。ここで、着地面(床面FL)とは、歩行機10が歩行する際に揺動運動する脚部30が着地(接地)する面である。また、着地部33とは、歩行機10が歩行する際に着地面(床面FL)に着地する脚部30の一部である。
また、重複説明を省略するが、図7(a),(b)に示すように、下腿部32は、大腿部31と同様に、その長手方向における長さを調整可能とされている。この点で、第1下腿部321の係合孔362と、第2下腿部322の係合孔364と、連結ピン323とによって、「下腿部32の長さを調整する調整部」の一例が構成される。
次に、図6を参照して、着地部33について説明する。なお、以降の説明では、着地部33における前端部(図6の左端部)を「爪先」とし、着地部33において「爪先」とは反対側となる後端部(図6の右端部)を「踵」として説明する。
図6に示すように、着地部33は、着地部本体としての足部331と、足部331に対して回転可能に支持される回転部材332と、回転部材332を足部331に支持する支持ピン333とを有している。足部331は、その側面視において、略半円柱状に形成されている。足部331の床面FLと対向する面は凸曲面状をなす円弧面334となっている。足部331の円弧面334付近であって爪先と踵との間の中央には、支持孔335が下腿部32の挿通孔324の貫通方向に沿う方向に貫通形成されている。
回転部材332は、円弧面334とほぼ同じ幅の帯状板片を円弧面334に沿って円弧状に折り曲げ形成された円弧部336と、円弧部336の後端を踵付近で直線上に折り曲げて形成された第1屈曲部337と、円弧部336の前端を幅方向の外側から内側に折り曲げて形成された第2屈曲部338とを有している。
円弧部336は、支持孔335から踵にかけての円弧面334に対応する長さを有している。第1屈曲部337には、第1屈曲部337に沿う長孔337aがその厚さ方向に貫通形成されている。第2屈曲部338には、第2屈曲部338を貫通する支持孔338aが形成されている。支持孔335と支持孔338aに支持ピン333が挿通されることで、回転部材332は、足部331に対して、支持ピン333を中心に回転可能に支持されている。本実施形態では、図6に示す回転部材332の位置を「第2の位置」ともいう。第2の位置は、脚部30が床面FLに着地していないときに同脚部30の回転部材332が配置される位置である。
図6に示すように、膝関節部34は、大腿部31の挿通孔315と、下腿部32の挿通孔324と、両挿通孔315,324に挿通される連結軸341とを含んで構成されている。すなわち、膝関節部34は、正面視略U字状をなす下腿部32の上端部が正面視略I字状をなす大腿部31の下端部を、連結軸341の軸方向外側から挟み込んだ状態で、大腿部31の挿通孔315及び下腿部32の挿通孔324に連結軸341を挿通させることで構成されている。これにより、膝関節部34では、連結軸341の軸線を中心に、大腿部31と下腿部32とが相対回転可能とされる。
ところで、膝関節部34において、大腿部31と下腿部32との相対回転可能な角度は、人の膝関節と同様に一定の角度範囲に規制されている。詳しくは、大腿部31の当接面316と下腿部32の当接面325とが当接することで、膝関節部34が伸張した状態から大腿部31に対して下腿部32が前方に回転することが規制されている。一方、膝関節部34が伸長した状態から大腿部31に対して下腿部32が後方に回転することは許容されている。
次に、図6を参照して、座屈規制部35について説明する。
図6に示すように、座屈規制部35は、大腿部31の後面に設けられる第1の係合部の一例としての被係合部351と、下腿部32に沿って延びる第2の係合部の一例としてのロッド37と、ロッド37の下腿部32に沿った移動を案内する案内部352とを有している。また、座屈規制部35は、圧縮変形可能な圧縮ばね353と、圧縮ばね353を配置するためのばね座354とを有している。
被係合部351は、大腿部31(第2大腿部312)の下端部に、後方に向かって突出するように設けられている。被係合部351の下面には、大腿部31の長手方向に係合穴355が凹設されている。係合穴355は、ロッド37の先端が挿入された場合に、同ロッド37と係合することで、挿入方向と直交する方向へのロッド37の移動を規制する。
次に、図6及び図8を参照して、座屈規制部35のロッド37について説明する。
図6に示すように、ロッド37は、その長手方向における一端部(上部)を構成する第1ロッド371と、同長手方向における他端部(下部)を構成する第2ロッド372と、第1ロッド371及び第2ロッド372を連結する連結ねじ373とを有している。なお、ロッド37を構成する各部材は、金属材料などの高剛性の材料から形成されていることが望ましい。
図8(a),(b)に示すように、第1ロッド371は、その下端部に、第1ロッド371の長手方向と直交する方向にねじ穴374が設けられている。一方、第2ロッド372は、その上端部が、第1ロッド371の下端部を挿入可能な筒状をなす被挿入部375とされている。被挿入部375には、同第2ロッド372の長手方向と直交する方向に複数の連通孔376が貫通形成されている。また、図6に示すように、第2ロッド372は、その下端にねじ部377が形成されている。
そして、図8(a),(b)に示すように、第1ロッド371のねじ穴374と、第2ロッド372の何れかの連通孔376とが一致するように、第1ロッド371を第2ロッド372の被挿入部375を挿入した状態で、連通孔376を挿通させた連結ねじ373をねじ穴374に螺合させることで、第1ロッド371と第2ロッド372が連結される。
また、第1ロッド371のねじ穴374に螺合させる連結ねじ373が挿入される第2ロッド372の連通孔を、同第2ロッド372の複数の連通孔376から選択することで、ロッド37の長手方向における長さを調整することが可能となる。すなわち、第1ロッド371のねじ穴374に螺合させる連結ねじ373が挿入される第2ロッド372の連通孔376が、上端寄りの連通孔376であるほど、ロッド37の長手方向における長さが長くなる。こうした点で、第1ロッド371のねじ穴374と、第2ロッド372の連通孔376と、連結ねじ373とによって、「ロッド37の長さを調整する調整部」の一例が構成される。
また、図6に示すように、案内部352は、下腿部32の後側に、同下腿部32の長手方向に間隔を置いて複数(本実施形態では2つ)設けられている。案内部352には、ロッド37を案内する案内孔356が下腿部32の長手方向に貫通形成されている。案内部352は、案内孔356にロッド37を挿通させることで、ロッド37の長手方向に沿う移動を案内する。
また、図6に示すように、ロッド37は、ねじ部377を第1屈曲部337の長孔337aに挿通させた状態で、同ねじ部377がナット378で固定されている。これにより、ロッド37は、下腿部32に沿って移動する際、第1屈曲部337の長孔337aから外れないように支持されている。また、ロッド37は、回転部材332の回転変位に応じて、下腿部32に沿って移動する場合、回転部材332の長孔337aと摺接する。
図6に示すように、圧縮ばね353は、ロッド37に挿通された状態で、案内部352とばね座354(第1屈曲部337)との間に配置されている。圧縮ばね353は、回転部材332の回転変位に応じて案内部352と第1屈曲部337との間で圧縮したり、圧縮量に応じた復元力によって回転部材332を回転変位させたりする。
なお、図6に示す脚部30において、ロッド37の位置は、同ロッド37が被係合部351に挿入されていない「退避位置」である。この場合、大腿部31と下腿部32との相対的な回転が許容されており、膝関節部34は屈曲可能である。また、ロッド37は、回転部材332が第2の位置に位置する場合に、退避位置に配置される。
次に、図9(a),(b)を参照して、本実施形態の歩行機10の作用について説明する。なお、以降の説明では、使用者及び歩行機10が歩行する際に、床面FLに着地した脚のことを「支持脚」ともいい、床面FLから離れた脚のことを「遊脚」ともいう。また、歩行機10は、使用者からの入力によって歩行することとなるが、ここでいう入力には、使用者の歩行にともなって使用者が歩行機10を前方に向かって押す力、使用者が歩行機10を左右方向に傾ける力、使用者が歩行機10を鉛直下方に押す力などが含まれる。
さて、図9(a)に示すように、使用者が歩行機10とともに円滑に歩行するためには、使用者の歩行態様(例えば、歩行周期や歩幅等)と歩行機10の歩行態様との乖離を小さくするために、使用者の歩行に伴う腰部の動きや重心の移動を歩行機10に伝達することが重要とされる。
一例として、歩行機10に上体支持部40を設けることなく、同歩行機10の後方に使用者が把持するためのハンドルを設けた場合には、使用者はハンドルに頼って歩行機10を歩行させようとする傾向が強くなる。すると、使用者の歩行態様と使用者のハンドルを介した入力によって歩行する歩行機10の歩行態様との乖離が大きくなりやすく、使用者が歩行機10とともに円滑に歩行し難くなる。
これに対し、本実施形態においては、使用者が歩行機10とともに歩行する場合には、自身の腕部を載置部44に載せながらグリップ42を握るだけでなく、自身の胴体を胴体支持部41に鉛直下方から支持させる。こうして、使用者は、胴体支持部41にもたれ掛かることで、胴体支持部41を介して自身の体重を歩行機10に預けることができる。
続いて、使用者は、自身の体重を胴体支持部41に預けた状態で、自身の一方の脚部(例えば右脚)を踏み出す。すなわち、使用者は、自身の一方の脚部(右脚)を遊脚とし、他方の脚部(左脚)を支持脚とする。すると、一方の脚部(右脚)が床面FLから離れたことに伴う使用者の腰部の動き(捻り)や支持脚への重心移動が、胴体支持部41を介して歩行機10に入力される。
すると、歩行機10においては、他方の脚部30(左脚)に対する荷重が、一方の脚部30(右脚)に対する荷重よりも大きくなることで、他方の脚部30(左脚)が床面FLに接地した状態で一方の脚部30(右脚)が床面FLから離れる。すなわち、使用者の支持脚(左脚)に対応する歩行機10の脚部30が支持脚(左脚)となり、使用者の遊脚(右脚)に対応する歩行機10の脚部30(右脚)が遊脚となることで、歩行機10の一方の脚部30(右脚)が踏み出される。こうして、使用者と歩行機10とで、対応する脚部(右脚)が同等のタイミングで振り出される。
そして、遊脚であった使用者の一方の脚部(右脚)が床面FLに着地することで支持脚となると、使用者の一方の脚部(右脚)が支持脚になることに伴う同使用者の腰部の動きや支持脚(右脚)への重心移動が、胴体支持部41を介して歩行機10に入力される。すると、歩行機10においては、一方の脚部30(右脚)に対する荷重が次第に大きくなることで、一方の脚部30(右脚)が床面FLに着地する。こうして、使用者と歩行機10とで、対応する脚部(右脚)が同等のタイミングで床面FLに着地する。
したがって、使用者の歩行に伴う腰部の動きや支持脚への重心移動が胴体支持部41を介して歩行機10に入力されると、その入力に従って歩行機10が歩行する。このため、本実施形態によれば、使用者の歩行態様と歩行機10の歩行態様との乖離が小さくなり、使用者は歩行機10とともに円滑に歩行することができる。こうした点で、胴体支持部41は、使用者の歩行に伴う腰部の動きや重心の移動を歩行機10に伝達するインターフェースとして機能するということもできる。
また、使用者が歩行機10とともに円滑に歩行するためには、使用者の歩行に伴う腰部20の動きや重心の移動を、歩行機10に正しく伝達する必要がある。その点、上記実施形態の歩行機10によれば、使用者の体格に合わせて、上体支持部40の位置、大腿部31及び下腿部32の長さ、脚部30の間隔、脚部30の間をなす角度、脚部30の揺動範囲等が調整される。したがって、体格の異なる使用者であっても、歩行機10を用いた円滑な歩行が実現される。
続いて、図9(a),(b)を参照して、座屈規制部35の作用について説明する。
さて、図9(a)に示すように、歩行機10が歩行する場合、支持脚となる脚部30は、膝関節部34が伸長し、大腿部31と下腿部32とが直線上に配置される。ここで、支持脚となる脚部30には、使用者の体重や歩行機10の自重による圧縮荷重が、脚部30の長手方向に作用する。
すなわち、図9(a)に示すように、遊脚から支持脚となる脚部30(右脚)の着地部33が床面FLに着地すると、その着地部33の回転部材332が床面FLから反力を受ける。このため、脚部30(右脚)の回転部材332は、支持ピン333を中心に回転し、第2の位置から図9に示す「第1の位置」へ移動する。すると、回転部材332により支持されているロッド37が、案内部352に摺接しつつ、大腿部31に向けて下腿部32に沿って移動する。また、脚部30(右脚)の回転部材332が第1の位置に配置されることで、ロッド37に挿通されている圧縮ばね353が、回転部材332と案内部352との間で圧縮される。
図9(b)に示すように、脚部30(右脚)の回転部材332が回転してロッド37が大腿部31に向けて移動することにより、ロッド37の先端が被係合部351の係合穴355に挿入される。こうして、ロッド37は、被係合部351の係合穴355に挿入されることで、被係合部351の係合穴355に係合された「係合位置」に配置される。なお、回転部材332の第1の位置は、支持脚となった脚部30の回転部材332が取り得る位置であり、ロッド37を係合位置に配置させる位置でもある。
そして、ロッド37が係合位置に配置されることで、大腿部31と下腿部32の相対回転が規制され、膝関節部34が屈伸不能となる。すなわち、座屈規制部35は、着地部33が床面FLに着地した際、ロッド37を退避位置から係合位置へ移動させて、膝関節部34の屈曲動作を規制する。その結果、使用者の体重や歩行機10の自重が支持脚となった脚部30に作用しても、膝関節部34の座屈が起こり難くなる。上述したようにロッド37が高剛性である理由は、使用者の体重や歩行機10の自重による圧縮荷重に耐え得るためである。
続いて、支持脚から遊脚となる脚部30(右脚)の着地部33が床面FLから離れることで、回転部材332に作用していた床面FLからの反力が解消される。このため、案内部352と回転部材332とにより圧縮されていた圧縮ばね353の圧縮状態が解消される。そして、圧縮ばね353の復元力が回転部材332に作用することで、回転部材332は、案内部352から離れる方向に回転する。すなわち、回転部材332は、第1の位置から第2の位置へ移動する。
そして、回転部材332により支持されているロッド37は、下腿部32に沿って鉛直下方に移動することで、ロッド37の先端が被係合部351から引き抜かれる。こうして、ロッド37が退避位置へ配置されることで、大腿部31と下腿部32との相対回転を規制した状態が解消され、膝関節部34が屈伸可能となる。すなわち、座屈規制部35は、着地部33が床面FLから離れた際、ロッド37を係合位置から退避位置へ移動させて、膝関節部34の屈曲動作を許容する。
こうして、遊脚となった脚部30の膝関節部34の屈曲動作が許容される一方、支持脚となった脚部30の膝関節部34の屈曲動作が規制されるため、使用者が歩行機10と歩行する際に、歩行機10の脚部30に不用意な座屈が生じることが抑制される。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)胴体支持部41を設けたことで、使用者が歩行機10とともに歩行する際には、使用者の胴体を歩行機10の胴体支持部41が鉛直下方から支持するため、使用者は歩行機10に自身の体重を預けることができ、自身の脚部に対する負荷を軽減できる。また、使用者が歩行機10とともに歩行する際に、使用者が歩行機10に体重を預けることで、歩行に伴う使用者の腰部20の動きが歩行機10に伝わりやすくなる。その結果、使用者の歩行に伴う腰部20の動きに連動して、歩行機10が対応する脚を踏み出しやすくなる。こうして、使用者の歩行態様と歩行機10の歩行態様との乖離が小さくなり、使用者は歩行機10とともに円滑に歩行することができる。
(2)使用者の胴体を胴体支持部41が側方から支持することで、使用者と歩行機10との一体感が増すとともに、歩行に伴う使用者の腰部の動きが胴体支持部41を介して歩行機10に伝わりやすくなる。これにより、使用者は歩行機10とともにより円滑に歩行することができるようになる。
(3)上体支持部40において、腰部フレーム21に対する胴体支持部41、ハンドル43及び載置部44の固定位置を変更することができる。これにより、腰部20に対する胴体支持部41、ハンドル43及び載置部44の相対位置を使用者の体格に応じた好適な位置に調整することができる。これにより、使用者が歩行機10に自身の体重を預けやすくすることができるとともに、歩行に伴う使用者の腰部の動きが上体支持部40を介して歩行機10により伝わりやすくすることができる。
(4)腰部フレーム21の長手方向において、同腰部フレーム21に対する第1連結部22の固定位置を変更することで、脚部30の間隔を使用者の脚部の間隔に適した間隔とすることができる。例えば、体格が大きい使用者は、体格が小さい使用者に比べ、その両脚の間隔が長くなりやすい。その点、歩行機10の脚部30の間隔を長くすることで、体格が大きい使用者が歩行機とともに歩行する際に、使用者の脚部と歩行機の脚部30が接触することを抑制することができる。
(5)第1大腿部311の係合孔362とともに連結ピン313が挿入される第2大腿部312の係合孔を、同第2大腿部312の複数の係合孔364から選択することで、歩行機10の大腿部31の長さを、使用者の大腿部の長さに適した長さとすることができる。また、第1下腿部321の係合孔362とともに連結ピン323が挿入される第2下腿部322の係合孔を、同第2下腿部322の複数の係合孔364から選択することで、歩行機10の下腿部32の長さを、使用者の下腿部の長さに適した長さとすることができる。こうして、使用者の歩幅と歩行機10の歩幅の乖離を小さくしたり、歩行機10の腰部20の高さを使用者の腰部の高さに適した高さとしたりすることができる。
(6)第1連結部22において、中間プレート25に対して、脚部支持部24の取付角度を変更することで、両脚部30の間をなす角度を変更することができる。ここで、対をなす脚部30の間をなす角度を大きくする場合には、対をなす脚部30の間隔が鉛直下方に向かうに連れて長くなることで、歩行機10の直進歩行時の安定性が向上しやすい。一方、対をなす脚部30の間をなす角度を小さくする場合には、対をなす脚部30の間隔が鉛直下方に向かうに連れて短くなることで、歩行機10の操作性が向上しやすい。したがって、歩行機10の脚部30の間をなす角度を調整することで、使用者の体格や好みに応じて歩行機10の安定性及び操作性を変更することが可能となる。
(7)使用者によっては、脚部の長さが等しくても歩幅が異なることがある。その点、上記実施形態によれば、揺動規制部244によって、歩行機10の脚部30の揺動範囲を任意の角度範囲に規制することで、歩行機10の歩幅を調整することができる。したがって、歩行機10の歩幅を、脚部30の長さを変更することなく使用者の歩幅に適した歩幅とすることができる。
(8)使用者が歩行機10とともに歩行する際に、歩行機10の下腿部32の着地部33が床面FLに着地すると、ロッド37が係合位置に配置されることで、膝関節部34の屈曲動作が規制される。このため、使用者が歩行機10とともに歩行する際、不用意な膝関節部34の座屈を抑制することができる。
(9)また、第1ロッド371のねじ穴374に螺合させる連結ねじ373が挿入される第2ロッド372の連通孔を、同第2ロッド372の複数の連通孔376から選択することで、ロッド37の長さを下腿部32の長さに合った長さとすることができる。すなわち、下腿部32の長さを調整した場合であっても、ロッド37の長さを調整することで、座屈規制部35を正常に機能させることができる。
(10)使用者は、胴体支持部41を介して歩行機10に体重を預けることで、起立したまま自身の脚部等を休息させることができる。このため、休息のために、使用者が着座及び起立を繰り返すことによる自身の脚部への負担を軽減することができる。
(11)使用者は、歩行機10とともに歩行する際、前傾姿勢を取ることで、歩行機10の脚部30の揺動運動を視認できる。このため、使用者は、脚部30の揺動運動に合わせて、自身の歩行態様を意識的に修正することもできる。
(12)使用者は、歩行機10とともに歩行する際、歩行機10の脚部30の揺動運動に伴う反力や脚部30が床面FLに着地した際の反力等を、胴体支持部41を介して自身の胴体に受ける。このため、使用者は、これらの反力に合わせて、自身の歩行態様を意識的又は無意識的に修正することもできる。
(13)また、歩行に障がいがある使用者は、(11)及び(12)に記載したように、歩行機10の歩行態様に合わせて自身の歩行態様を修正することで、自身の脚部のリハビリテーションを行うことができる。すなわち、歩行機10が円滑に歩行している場合における同歩行機10の歩行態様は、自然でエネルギー効率が良く、使用者にとっても理想的な歩行態様(一般的に「受動歩行」と呼ばれている)といえる。したがって、歩行機10が円滑に歩行している場合に、使用者と歩行機10とが、それらの歩行態様の乖離がなく円滑に歩行しているときには、使用者が理想的な歩行態様を実現できているといえる。こうして、使用者は、歩行機10の理想的な歩行態様を手本として、脚部のリハビリテーションを行うことができる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・使用者がハンドルの操作に頼って歩行機10を無理に歩行させるときには、胴体支持部41から使用者の胴体が離れることにより、胴体支持部41の接触面411と使用者の胴体(例えば胸部)との接触圧力が全体的に低くなりやすい。
これに対し、胴体支持部41を介した使用者からの入力によって歩行機10を自然に歩行させるときには、上記接触圧力が高くなりやすい。さらに、この場合、上記接触圧力は、使用者の重心の移動によって、左右方向において支持脚となる側が高くなりやすい。例えば、使用者及び歩行機10の右脚が遊脚になる一方で左脚が支持脚になる場合には、接触圧力は左側の方が高くなりやすい。
そこで、胴体支持部41は、接触面411に単位面積毎の接触圧力を検出可能な圧力センサを備えてもよい。この場合、使用者が歩行機10とともに歩行する際の接触圧力の変化をモニタ等の表示部で可視化できるようにしてもよいし、同接触圧力の変化を記憶媒体に記憶してもよい。
例えば、接触圧力の変化をモニタにリアルタイムで可視化する場合、使用者は、接触面411との接触圧力の変化を確認しながら歩行することができる。これによれば、使用者は、接触面411との接触圧力が、理想的な歩行態様である場合の接触圧力分布となるように、自身の歩行態様を修正することができる。また、接触圧力の変化を記憶媒体に記憶させる場合、記憶媒体に記憶された情報を、使用者の脚部の診断やリハビリテーションのために使用することができる。なお、接触圧力を検出する圧力センサは、モニタ等と有線で接続される圧力センサであってもよいし、無線で接続される圧力センサであってもよい。
・ハンドル43及び載置部44を備えなくてもよい。この場合でも、使用者の歩行に伴う腰部の動きを、胴体支持部41を介して、歩行機10に入力させることができる。
・前方に対する脚部30の開き具合を変更してもよい。すなわち、脚部30の着地部33において、指先側が左右方向における外側を向く一方、踵側が左右方向における内側を向くように、着地部33の向きを変更するようにしてもよい。
・上体支持部40の腰部フレーム21に対する相対位置、大腿部31の長さ、下腿部32の長さ及びロッド37の長さ、脚部30の間隔、及び脚部30の間をなす角度を調整不能であってもよい。
・上体支持部40(胴体支持部41)を、複数のサブフレーム451〜454及び複数のジョイント461〜465を介さずに、腰部フレーム21に固定してもよい。
・胴体支持部41は、例えば、ベルトのように、使用者の胴回りを全周に亘って囲うような形状をしていてもよい。また、胴体支持部41の接触面411と使用者の胴体(例えば胸部)とを面ファスナー等で着脱可能としてもよい。すなわち、胴体支持部41は、使用者の胴体の一部を鉛直下方から支持できれば、その形状を任意に変更してもよい。
・揺動規制部244の側面視形状は楕円形状をなしていてもよいし、円形状をなしていてもよい。
・着地面の一例としての床面FLは、平滑な舗装路面であってもよいし、凹凸を有する非舗装路面であってもよい。また、床面FLは、平坦路であってもよいし、登坂路又は降坂路であってもよい。
・歩行機10は、荷物を載置したり収容したりする荷台を備えてもよい。また、その荷台には、荷台を鉛直下方から支持する車輪(補助輪)が付いていてもよい。
・胴体支持部41は、側方から使用者の胴体を支持できなくてもよい。
・揺動規制部244を備えなくてもよい。
・座屈規制部35を備えなくてもよい。
以上説明した、実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記歩行機において、脚部は、腰軸に対して揺動自在に支持される大腿部と、着地部を有する下腿部と、大腿部と下腿部とを屈伸可能に連結する膝関節部と、を有し、調整部は、大腿部及び下腿部の少なくとも一方の長さを調整することが望ましい。
(ロ)上記歩行機は、脚部の揺動範囲を制限する揺動規制部をさらに備えることが望ましい。
(ハ)上記歩行機において、脚部は、腰軸に対して揺動自在に支持される大腿部と、着地部を有する下腿部と、大腿部と下腿部とを屈伸可能に連結する膝関節部とを備えていることが望ましい。また、脚部は、大腿部に設けられる第1の係合部と、第1の係合部に係合可能な係合位置と第1の係合部から退避した退避位置との間を下腿部に沿って移動可能な第2の係合部とを有する座屈規制部とを有していることが望ましい。この場合、座屈規制部は、着地部が着地面に着地した際、第2の係合部を退避位置から係合位置へ移動させて第1の係合部に係合させることにより、膝関節部の屈曲動作を規制し、調整部は、下腿部の長さと、第2の係合部の移動方向における同第2の係合部の長さとを調整することが望ましい。