JP2015214435A - 中空カーボン粒子、その製造方法、金属または酸化物のナノ粒子で修飾された中空カーボン粒子及びその製造方法 - Google Patents

中空カーボン粒子、その製造方法、金属または酸化物のナノ粒子で修飾された中空カーボン粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部に複数区画を有するとともにマイクロポーラス及びメソポーラスである細孔を有する中空カーボン粒子を与えること。また、金属またはその酸化物のナノ粒子が担持されたこのような中空カーボン粒子を与えること。【解決手段】小麦粉を不活性雰囲気中で加熱することによって、このような中空カーボン粒子が得られる。小麦粉に金属塩を混ぜて同様に加熱すれば金属または酸化物ナノ粒子が担持された状態の中空カーボン粒子が得られる。図には、ナノサイズの細孔が設けられた区画壁面のSEM像である。一部の細孔にはNiナノ粒子が入りこんでいることが判る。【選択図】図4c

Description

本発明は内部に複数の微小区画を有するカーボン粒子、及び金属または酸化物のナノ粒子で修飾されたこのカーボン粒子に関する。また、本発明はこれらの製造方法に関する。
従来、澱粉等の炭水化物から作製された炭素質材料としては、例えば特許文献1では熱的に生成された炭素材料を熱的活性化または化学的活性化を用いることによって活性化することが報告されている。また、非特許文献1には、液体ベースの、噴霧熱分解合成技法を使用して蔗糖とZn(NOとの混合物から比表面積が1106m/gもの大きさのカーボンナノ粒子を合成したことが報告されている。更に、澱粉ナノ粒子では、あらかじめ形成された天然のサゴ澱粉の炭化により蛍光カーボンナノ粒子を作成したことも非特許文献2で報告されている。更にまた、非特許文献3によれば、カーボン微小球が各種の澱粉材料を使用して、よくある熱水プロセスにより触媒なしで作成された。また、非特許文献4では、カーボン微小球の作成のために麦藁を前駆体として使用し、これを190℃で1時間加水分解した。こうして得られた溶液を炭素源として使用して、カーボン材料を作成した。しかしながら、澱粉や繊維等の炭水化物やタンパク質等の植物の成分を使用して内部に微小区画を有するカーボン微粒子を作製することができるという知見は得られていなかった。
本発明の課題は、単なるカーボン微粒子ではなく、内部に小区画という構造を有するとともに、金属または酸化物のナノ粒子を担持することもできる中空カーボン微粒子を提供することにある。更に、本発明の課題はこのような中空カーボン微粒子をありふれた原料を単純なプロセスで処理することで製造できるようにすることにもある。
本発明の一側面によれば、全体が不規則な形状のカーボン粒子であって、その内部に互いにカーボン壁で区切られた複数の区画を有するとともに、マイクロポーラス及びメソポーラスの細孔を有する中空カーボン粒子が与えられる。
ここで、前記カーボン粒子の外径が100μm以下であってよい。
また、前記複数の区画の大きさが5μm〜25μmであってよい。
また、表面積が400m/gから1000m/gであってよい。
本発明の他の側面によれば、小麦粉を熱分解する、上記何れかの中空カーボン粒子の製造方法が与えられる。
ここで、前記熱分解は不活性雰囲気中で行われてよい。
また、前記不活性雰囲気は窒素、アルゴンまたはヘリウムであってよい。
また、前記熱分解の温度は300℃から2000℃であってよい。
また、前記加熱時間は1分から5時間であってよい。
本発明の更に他の側面によれば、金属または酸化物のナノ粒子で修飾された上記何れかの中空カーボン粒子が与えられる。
ここで、前記ナノ粒子の直径は100nm未満であってよい。
また、前記ナノ粒子の直径は50nm未満であってよい。
また、前記ナノ粒子はNi,Fe、Co、Ag,Au、Pd、Cu及びZnからなる群から選択されてよい。
本発明の更に他の側面によれば、小麦粉を熱分解する、上記何れかの金属または酸化物のナノ粒子で修飾された中空カーボン粒子の製造方法が与えられる。
ここで、前記熱分解は不活性雰囲気中で行われてよい。
また、前記不活性雰囲気は窒素、アルゴンまたはヘリウムであってよい。
また、前記熱分解の温度は300℃から2000℃であってよい。
また、前記加熱時間は1分から5時間であってよい。
また、前記熱分解後に酸素含有雰囲気中で前記ナノ粒子を酸化してよい。
また、前記ナノ粒子の酸化は300℃以下で行われてよい。
本発明によれば、独特の構造であって、大きな表面積及び高い電気化学的活性を有する中空カーボン粒子が与えられる。更に、原料組成に金属元素を添加することにより、金属やその酸化物のナノ粒子で修飾された、触媒その他の応用が期待される中空カーボンが得られる。また、製造方法の面では、小麦粉という入手が容易でしかも低価格な材料から、所定条件での焼成という単純なプロセスで容易に製造できるという効果がある。
不活性雰囲気中において600度3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中において600度3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中に置いて900℃3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中に置いて900℃3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中で1000℃3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中で1000℃3時間で作製したカーボン粒子のSEM像。 不活性雰囲気中での小麦粉(以下、図中ではWhと略記する)の熱重量分析結果を示す図。 小麦粉(Wh−powder)及び900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子(Wh900)のFT−IRを示す図。 900℃で作製したカーボン微小粒子のX線回折を示す図。 900℃で作製したカーボン微小粒子のラマンスペクトルを示す図。 900℃で作製したカーボン微粒子のTEM像。 900℃で作製したカーボン微粒子の別の倍率のTEM像。 900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子生成物の窒素吸着(ADS)−脱着(DES)等温線を示す図。 当該900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子生成物の細孔径分布を示す図。 各種の走査速度におけるサイクリックボルタモグラム(CVカーブ)を示す図。 計算された比容量と走査速度との関係を示す図。 カーボンで支持されたNiナノ粒子のSEM像。 カーボンで支持されたNiナノ粒子の別の倍率のSEM像。 カーボンで支持されたNiナノ粒子の別の倍率のSEM像。 図4a〜図4cに示されたカーボンで支持されたNiナノ粒子のXRDパターンを示す図。 Feナノ粒子−カーボン複合体のSEM像。 Coナノ粒子−カーボン複合体のSEM像。 銀−カーボン複合体のSEM像。 銀−カーボン複合体のXRDを示す図。 金−カーボン複合体のSEM像。 金−カーボン複合体のXRDを示す図。 パラジウム−カーボン複合体のSEM像。 パラジウム−カーボン複合体のXRDを示す図。 銅−カーボン複合体のSEM像。 亜鉛−カーボン複合体のSEM像。
本発明によれば、ユニークなモルフォロジーを有する中空カーボン粒子及び金属およびまたは酸化物ナノ粒子がこの中空カーボン粒子を修飾している金属及び/または酸化物−カーボン複合体材料が与えられる。これらの複合材料はその際立った熱的、電気的、機械的、更にはトライボロジー的な性質により、スーパーキャパシタ、磁気材料、電気材料、触媒、触媒支持体及び水素貯蔵システム等(ただし、これらに限定されない)の多様な先端技術の応用が可能である。
本発明を使用すれば、前駆体の濃度を精密に調節することで、カーボン複合材料中への周期表のs、p、d、f−ブロック元素の量及び/または数、従って金属/酸化物:カーボンの比の値を制御することができる。ほとんどの場合、活性化されたカーボンの構造を表すところの、厚いカーボン壁で相互接続された中空の区画を有するカーボン粒子が作製される。各種の元素の塩または酢酸塩を色々な比率で小麦粉と混合して、カーボンホスト−金属/酸化物ゲスト構造が作製される。
本発明の各種の実施例によれば、本発明の複合材料製造方法によって、金属塩あるいは酢酸塩の安定性に従って、粒子のサイズ、形状またそのカーボン支持体上への堆積密度を変化させることができる。プロセスの温度(300℃〜2000℃)及び時間(1分〜5時間)は、最終的に得られる複合体の組成、モルフォロジー及び結晶構造(特に、その黒鉛秩序(graphitic order))に重要な役割を演じる。
本発明の方法では、多数のs−ブロック元素(Mg、Ca、Sr等)、p−ブロック元素(Sn、Sb、Ga等)、d−ブロック元素(Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Pt、Pd、Ag、Au、W)及びf−ブロック元素(Sm、Eu、Gd等)でカーボン表面をその場被覆あるいは修飾することで、各種の新規な構造が作製される。そのような被覆/修飾している元素の粒子は通常はその金属の形態で作製されるが、本発明の方法を実行する際の反応チャンバー中の雰囲気を制御することで、金属形態でもあるいは酸化物形態でも作製することが可能である。この金属/酸化物−カーボン複合体は、通常は短時間かつ比較的低温で作製される。すなわち、被覆/修飾している金属ナノ粒子を更に比較的低温(300℃以下)の大気中(あるいはその他の酸素含有雰囲気中)で酸化することができる。この方法の利点は、そのような金属ナノ粒子をカーボン表面に留めた状態で酸化することができることである。
この充填、修飾あるいは被覆しているナノ粒子、プレート、ロッドは、大表面積カーボン粒子の空所、細孔あるいは表面上で、100nmの、通常は1nmから50nmの間の直径を有している。修飾粒子の形状は前駆体及び処理パラメーターに依存する。本発明の方法ではその温度を不活性(N、Ar、He)あるいは大気(酸素)雰囲気中で300℃から2000℃の間で変化させて、ユニークなカーボン支持構造をもたらす。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は本発明を限定するためのものではなく、本発明の理解を助けるために以下で説明されるものであることに注意されたい。
[実施例1:中空カーボンナノ粒子]
図1aに示すSEM像は、固体粉末原料として全粒小麦を使用して不活性な窒素雰囲気中で600℃で3時間かけて作製された、不規則な形状の5〜100μmの直径を有するカーボン粒子を示す。これらのカーボン粒子には、カーボン壁によって分離されて5〜25μmの微小な区画が形成された開口部がその表面に見える。カーボン粒子及びカーボン壁の滑らかな表面が観察される。大部分滑らかな内部及び外部モルフォロジーを有する多数の表面開口及び区画は、600℃、900℃及び1100℃で作成した試料で観察される。このような構造は炭素科学の分野では珍しくユニークなものである。
図2aは不活性雰囲気中での小麦粉の熱重量分析結果を示す図であり、室温から1000℃までの連続的な重量損失を示している。不活性雰囲気中での小麦粉の熱分解の間にガス状炭化水素が除去され、その後に約40%のカーボン生成物が残った。このことは、この方法は不活性雰囲気中で一般に40%の微小区画付きカーボン微小粒子の生成物をもたらすことを意味する。反応条件、すなわち加熱速度、最終温度及び当該設定された温度の保持時間により変わるが、微小区画付きカーボン微小粒子は使用された最初の原料に対して30〜50%の収率で生産される。
図2bは小麦粉のFT−IRスペクトルを示すが、ここでいくつかのC−H、C−C、C−O、O−Hの伸縮結合(stretching bond)は固体の小麦粉から明らかである。これらの伸縮結合の多くは900℃で微小区画付きカーボン微小粒子が形成された後は消えてしまい、純粋カーボンの生成物が形成されたこと、及び重量損失の原因となるある炭化水素が放出されたことが確認される。このことから、放出されたガスが固相のカーボンから離脱する際に空洞及び区画を生成して、最終的に微小区画を生成したことがわかる。
図2cは900℃で作製したカーボン微小粒子のX線回折を示すが、その002及び101回折線により、形成された微小区画付きカーボン微小粒子がほとんどアモルファス性であることが確認できる。このことは更に、図2dのラマンスペクトルが強いD(不規則な)ピーク及び弱い(黒鉛の)結合を示していることからも確認できる。図2e及び図2fは900℃で作製したカーボン粒子を互いに異なる倍率で示すTEM像である。これらの像は、形成されたカーボン粒子は10nm程度の細孔のある多孔質構造を有し、黒鉛としての秩序には乏しいが、結局、大表面積のカーボン生成物が得られたことを示している。
図3aは、典型的な例として、900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子生成物の窒素吸着−脱着を示す。この等温線は自動吸着測定器(米国のQuantachrome Instrument, Autosorb-1)で記録された。測定に当たって、約20mgの試料を使用し、測定に先立って120℃で24時間ガス抜きを行った。吸着−脱着等温泉は液体窒素温度77.35Kにおいて記録した。この等温線はIII型に近いものである。すなわち本発明の材料はマイクロポーラス(microposour)及びメソポーラス(mesoporous)構造を示す。なお、本願においては、多孔質材料を平均細孔直径の大きさに応じてマイクロポーラス(2nm未満)、メソポーラス(2〜50nm)及びマクロポーラス(50nmよりも大きい)と分類する。低い比圧力領域(P/P0<0.1)において大幅な窒素取り込みが見られるのは、本発明の材料のマイクロポーラス構造を示している。更に、相対圧力が高い方の領域で等温線に小さなヒステリシスループが現れることでメソポア構造が確認される。BJH法に基づいて計算された対応する細孔径の分布(図3b)によりこの事実がさらに確認された。図3bにおいて、dpは粒子の直径、Vpは微細孔の容積であり、また縦軸のdVp/d(dp)は微細孔の容積の粒子直径に対する微分である。微小区画付きカーボン微小粒子の比表面積は約782.5m/gであった。SEM像の観察及び窒素吸着等温線から判断して、900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子は二様式細孔モルフォロジー(bimodal pore architecture)を示すと結論付けることができる。これは有機染料の吸着、蒸気検出等の実際の応用に非常に有用である。
大きな表面積を有するマイクロポーラスあるいはメソポーラスのカーボンベース材料は電極材料や電気二重層キャパシタの候補となり得ると考えられている。言うまでもないが、本発明の材料はその優れた表面特性によりスーパーキャパシタへ応用のための良好な候補の一つとなる。この点で、本発明の材料の電気化学的な能力を調べた。図3cは、900℃で作製した微小区画付きカーボン微小粒子に対して、典型的な例として、1M HSO水溶液の電解液中において、−0.2〜1.2V vs.Ag/AgCl基準電極の範囲で各種の走査速度(5、10、20、50、80及び100mVs−1)で測定したサイクリックボルタモグラム(CV)を示す。これらのCV曲線はカーボン電気二重層キャパシタの特性を示す。その重量当たりの比キャパシタンスは、走査速度5mVs−1で約122.38F/gであった。表面積1000〜2000m/gで細孔径分布が2〜5nmの範囲である、商業的に入手可能な活性化されたカーボンは、有機電解液中で100〜120F/gの比キャパシタンスを有することは注目に値する。これに対して、本発明の微小区画付きカーボン微小粒子(表面積が約782.5m/g)の比キャパシタンスは一般のカーボン材料よりも大きい。このような大きな値は微小区画骨格のマイクロポア及びメソポア二様式モルフォロジーによるものであると考えられる。
[実施例2:ナノ粒子で修飾された中空カーボン粒子]
以下で説明するように、本発明の材料に所望の金属や酸化物を付加することで、電気化学的またその他の性能をさらに向上させ、例えば、再生可能エネルギー貯蔵に関する技術の開発に利用できるようになると期待される。
Niナノ粒子が充填された微小区画付きカーボン微小粒子の各種の倍率のSEM像を図4a〜図4cに示す。本実施例では、小麦粉とニッケル(ii)硝酸塩六水和物とを2:1の比率で混合してキュービクル中で700℃、3時間の加熱を行ったところ、ワンポット合成の間にナノサイズ(<50nm)の金属Ni粒子がその場形成されて微小区画付きカーボン微小粒子表面上で拘束され、あるいはこの表面を修飾した。金属酢酸塩と小麦粉との間の比を変化させることで、複合体中のニッケルナノ粒子の量が高くも低くもなる。従って、本プロセスは金属粒子量を実際の用途に向けて調節する手法の候補となり得る能力を有する。図4dに示すカーボン−Ni複合体のXRDパターンは、立方晶系のNiの強いピーク及びカーボンの広いアモルファス状態のピークを示した。これにより、純粋なニッケル粒子が形成されてユニークなカーボン構造の表面をその場で被覆したことが確認される。
同様にして、図5a及び図5bにそれぞれ示すように、コバルトナノ粒子や鉄ナノ粒子のような他の磁性材料をカーボン区画の内側及び外側の壁の上に堆積できる。100nm未満の粒径を有するナノ粒子を大表面積カーボン支持体の内外壁上に被覆することができる。磁性体ナノ粒子がカーボン構造体表面上に強く拘束されている様子がこれからわかるが、これは本構造が磁気デバイスへの応用の可能性があることを示している。
更には、本発明の方法では、新規な貴金属ナノ粒子−カーボン複合体も、図6aから図6fに示すように、非常にうまく作製できた。これらの複合体は光学的、電子的及び触媒の有益な特性を有する可能性がある。図6aはナノサイズの銀粒子が微小区画付きカーボン微小粒子上を一様に被覆している様子を示すSEM像である。これらの立方晶系の銀が純粋なものであることは、図6bに与えられるXRDパターンにより証明される。このような複合体を得るために、銀(ii)酢酸塩を小麦粉と均質化した。支持体カーボンの表面上を修飾した純粋な金のナノ粒子及びプレート並びにそのXRDパターンをそれぞれ図6c及び図6dに示す。同様に、図6eに示すように、小麦粉をPd(ii)酢酸塩の前駆体と混合して700℃で熱処理する本発明の処理により、ナノサイズのパラジウムの純粋な粒子がカーボン支持体を覆う。そのXRDパターンを図6fに示す。
本発明の方法を使用することにより、遷移金属またはその酸化物もまた効果的にカーボン表面を修飾する。例えば、図7a及び図7bに示すように、それぞれ銅ナノ粒子及び亜鉛ナノ粒子がカーボン粒子の表面上を修飾することができる。全ての場合に、被覆しているナノ粒子の粒子直径は100nm未満である。
まとめれば、本発明の1ステップの製造方法により、大表面積であってカーボン壁で分割され、機能性の金属あるいは酸化物のナノ粒子で充填又は修飾された微小区画を有する中空のカーボン粒子が作製される。商用の全粒小麦粉を炭素源となる原料前駆体として使用することは、これまで論文等で報告されていない。粉末のカーボン前駆体と任意の一つの元素の前駆体(塩または酢酸塩)あるいは複数の元素前駆体(塩または酢酸塩)の組み合わせとの混合物を高温のキュービクル内に収容し、不活性(N、Ar、He等)雰囲気中で300℃〜2000℃の範囲内で加熱することで、ユニークなカーボン支持構造がもたらされる。この塩または酢酸塩を添加しない場合には、表面積が400〜1000m/gの範囲の中空の純カーボン支持微小区画付きカーボン微小粒子が作製される。得られた多孔質のカーボンホスト−元素ゲストという構造はマイクロポア及びメソポアを含み、これにより大きな反応速度がもたらされるので、多くの応用が期待される。
以上説明したように、本発明の中空カーボン粒子はその内部にカーボン壁で仕切られた複数の区画を有するとともにマクロポーラス及びメソポーラズの二重構造となっているため、大きな表面積を有するとともに、その表面に機能性を有するナノ粒子で修飾を行うことが可能になる。そのため、本発明の中空カーボン粒子は、スーパーキャパシタ、磁気材料、電気材料、触媒、触媒支持体及び水素貯蔵システム等を含む多様な分野への応用が期待される。
国際公開公報WO2007/114849号
Chengwei Wang, Yuan Wang, Jake Graser, Ran Zhao, Fei Gao, and Michael J. O’Connell, ACS Nano, 7, 11156, 2013. Suk Fun Chin, Siti Nur Akmar Mohd Yazid, Suh Cem Pang, Sing Muk Ng, Materials Letters, 2012, 85, 50-52. S. Ratchahat, N. Viriya-empikul, K. Faungnawakij, T. Charinpanitkul, A. Soottitantawat, Sci. J. UBU, 1, 40, 2010. Chen Leishan, Wang Cunjing, Miao Yu, and Chen Gairong, Scientific World Journal. 2013: 146930.

Claims (20)

  1. 全体が不規則な形状のカーボン粒子であって、その内部に互いにカーボン壁で区切られた複数の区画を有するとともに、マイクロポーラス及びメソポーラスの細孔を有する中空カーボン粒子。
  2. 前記カーボン粒子の外径が100μm以下である、請求項1に記載の中空カーボン粒子。
  3. 前記複数の区画の大きさが5μm〜25μmである、請求項2に記載の中空カーボン粒子。
  4. 表面積が400m/gから1000m/gである、請求項1から3の何れかに記載の中空カーボン粒子。
  5. 小麦粉を熱分解する、請求項1から4の何れかの中空カーボン粒子の製造方法。
  6. 前記熱分解は不活性雰囲気中で行われる、請求項5に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  7. 前記不活性雰囲気は窒素、アルゴンまたはヘリウムである、請求項6に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  8. 前記熱分解の温度は300℃から2000℃である、請求項5から7の何れかに記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  9. 前記加熱時間は1分から5時間である、請求項6から8の何れかに記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  10. 金属または酸化物のナノ粒子で修飾された請求項1から4の何れかに記載の中空カーボン粒子。
  11. 前記ナノ粒子の直径は100nm未満である、請求項10に記載の中空カーボン粒子。
  12. 前記ナノ粒子の直径は50nm未満である、請求項11に記載の中空カーボン粒子。
  13. 前記ナノ粒子はNi,Fe、Co、Ag,Au、Pd、Cu及びZnからなる群から選択される、請求項10から12の何れかに記載の中空カーボン粒子。
  14. 小麦粉を熱分解する、請求項10から13の何れかの中空カーボン粒子の製造方法。
  15. 前記熱分解は不活性雰囲気中で行われる、請求項14に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  16. 前記不活性雰囲気は窒素、アルゴンまたはヘリウムである、請求項15に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  17. 前記熱分解の温度は300℃から2000℃である、請求項15または16に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  18. 前記加熱時間は1分から5時間である、請求項15から17の何れかに記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  19. 前記熱分解後に酸素含有雰囲気中で前記ナノ粒子を酸化する、請求項14から18の何れかに記載の中空カーボン粒子の製造方法。
  20. 前記ナノ粒子の酸化は300℃以下で行われる、請求項19に記載の中空カーボン粒子の製造方法。
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