JP2015214147A - 積層構造体及びその生産方法 - Google Patents

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Yoshiharu Nishigori
義治 錦織
喜寛 太田
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Abstract

【課題】フィルムが被着体に積層された積層構造体であって、フィルムに皺や割れがないものを提供する。【解決手段】複数のフィルムが被着体に積層された積層構造体であって、前記複数のフィルムは、減圧下で非接触方式により前記被着体に順次積層された積層構造体。前記積層の直前に前記複数のフィルムを乾燥するステップを含む積層構造体の生産方法。【選択図】図1

Description

本発明は積層構造体及びその生産方法に関する。
フィルムを被着体に積層させるために用いることができる方法としては、例えば、インサートモールド法が知られている。インサートモールド法は、加熱により成形したフィルムを金型に入れ、金型の中で(フィルムに被着体を)溶着させることによって、被着体とフィルムとを一体化させる方法である。インサートモールド法で被着体とフィルムとを一体化させる方法は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、フィルムを被着体に積層させるために用いることができる他の方法としては、例えば、真空成型法が知られている。例えば、特許文献2には、2以上の成型室間で被成型物の真空成型を行なう真空成型装置であって、加熱軟化せしめられた被成型物の変形量に応じ、予め設定した一定容量の気体が必要な成型室に吸引されるようにし、被成型物の変形を成型室間の差圧により補正するようにすると共に、前記一定容量の気体は複数の気体供給室に留置され、弁の開放により必要な成型室に吸引されるようにした真空成型装置が開示されている。
特開2008−305663号公報 特許第3733564号
しかしながら、インサートモールド法は、被着体が平面等の単純な形状を有している場合のみ、被着体にフィルムを好適に積層することができる。インサートモールド法は、被着体が球面形状や凹凸形状等のような非平面形状を有する場合には、フィルムに皺や割れが発生してしまうため、被着体にフィルムを積層できないという問題があった。本発明者らは、検討の結果、真空成型法の中でも、真空成形室において被成型物の片面側に空気圧を適用するいわゆるTOM成形法を用いることにより、フィルムの皺や割れを少なくできることを見出した。また、本発明者らは、粘着剤又は接着剤を塗布したフィルムを被着体に積層する場合には、加熱によってフィルムから発生するアウトガスによって、フィルムが正常に積層できないという問題がなお生じることを発見した。さらに、本発明者らは、粘着剤層を有する樹脂フィルムを積層する場合には、粘着剤層からだけでなく、樹脂フィルムからもアウトガスが生じるため、アウトガスによる悪影響が更に深刻になるという問題が生じることを発見した。本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。本発明は、フィルムが積層された積層構造体であって、これらのフィルムに皺や割れがないものを提供することを目的とする。
本発明者らは、さらなる検討の結果、複数のフィルムを減圧下で非接触方式により被着体に順次積層すること等により、上記の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]
複数のフィルムが被着体に積層された積層構造体であって、前記複数のフィルムは、減圧下で非接触方式により前記被着体に順次積層されたことを特徴とする積層構造体。
[2]
前記複数のフィルムは、色彩を有する加飾フィルムと、耐擦傷性を有する表面フィルムとを少なくとも含む[1]に記載の積層構造体。
[3]
前記被着体が非平面形状である[1]又は[2]に記載の積層構造体。
[4]
前記加飾フィルムが第1の粘着剤層と加飾樹脂層とを有し、
前記表面フィルムが第2の粘着剤層と耐擦傷性を有する表面層とを有し、
被着体、第1の粘着剤層、加飾樹脂層、第2の粘着剤層、及び、耐擦傷性を有する表面層をこの順に有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層構造体。
[5]
前記第1の粘着剤層又は前記第2の粘着剤層は、積層直前に乾燥ステップに供したものである請求項[4]に記載の積層構造体。
[6]
前記第1の粘着剤層又は前記第2の粘着剤層の積層前後における重量減少が0.5%以下である請求項[4]又は[5]に記載の積層構造体。
[7]
前記表面フィルムは、前記耐擦傷性を有する樹脂層に蒸着された金属層をさらに有する請求項[4]に記載の積層構造体。
[8]
減圧下において複数のフィルムを被着体に順次積層することにより積層構造体を生産することを特徴とする、積層構造体の生産方法。
[9]
前記複数のフィルムは、色彩を有する加飾フィルムと、耐擦傷性を有する表面フィルムとを少なくとも含み、
前記積層は、前記加飾フィルム及び前記表面フィルムを粘着剤層を介して前記被着体に順次積層させることによって行われる、[8]に記載の積層構造体の生産方法。
[10]
前記積層の直前に前記複数のフィルムを乾燥するステップを含む、[8]又は[9]に記載の積層構造体の生産方法。
本発明によれば、フィルムを被着体に積層した積層構造体であって、フィルムに皺や割れがないものを提供することができる。
図1は、被着体に積層するための粘着剤層付表面フィルム1の構成を示す概略図である。 図2は、被着体に積層するための粘着剤層付表面フィルム2の構成を示す概略図である。 図3は、被着体に積層するための粘着剤層付加飾フィルム5の構成を示す概略図である。 図4は、凸形状の被着体に粘着剤層付加飾フィルム5及び粘着剤層付表面フィルム1を順次積層することによって得た積層構造体100の構成を示す概略図である。 図5は、凸形状の被着体に粘着剤層付加飾フィルム5及び粘着剤層付表面フィルム2を順次積層することによって得た積層構造体200の構成を示す概略図である。
本発明の積層構造体は、複数のフィルムを被着体に積層させたものである。複数のフィルムは、特に枚数の制限はないが、色彩を有する加飾フィルムと、耐擦傷性を有する表面フィルムとを少なくとも含むことが好ましい。以下、本発明の積層構造体及び該構造体を構成するフィルムについて、添付の図面を参照し、実施形態例を示して説明する。
(粘着剤層付表面フィルム)
図1の粘着剤層付表面フィルム1は、耐擦傷性を有する樹脂層11と、粘着剤層12と、セパレーター13とを有する。上記樹脂層11は、樹脂成分を押出成形することによって得られるものであることが好ましい。上記樹脂層11を構成する樹脂成分は、実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明な樹脂成分は、アクリル系樹脂であることが好ましい。アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体成分が主成分である樹脂組成物を重合させることによって得られる樹脂であることが好ましい。単量体成分の主成分は、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、メタクリル酸メチルであることがより好ましい。そのような樹脂成分を用いて得られるフィルムとしては、例えば、アクリプレンHBA001P、HBS010P、HBS010P、HBA002P等の市販品を用いることもできる。粘着剤層12及びセパレーター13については後述する。
図2の粘着剤層付表面フィルム2は、耐擦傷性を有する樹脂層21と、金属蒸着層22と、粘着剤層23と、セパレーター24とをこの順で有する。耐擦傷性を有する樹脂層21の機能及び好ましい形態は、保護対象が異なる以外は、耐擦傷性を有する樹脂層11と同様である。なお、本明細書において、粘着剤層(接着剤層)11,12を第2の粘着剤層(第2の接着剤層)と称することがある。
(金属蒸着層)
金属蒸着層22は、金属光沢を持つ積層構造体を得ること等を目的として、耐擦傷性を有する樹脂層21の一方の面に金属を蒸着することによって形成される層である。金属蒸着層22は、好ましくは、耐擦傷性を有する樹脂層21の裏面側(樹脂層21と粘着剤層23との間)に設けられる。金属蒸着層を形成するための金属としては、あらゆる金属を用いることができる。例えば、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブテン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、セリウム、バリウム、ランタン、セリウム、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマスを用いることが好ましい。これらの合金を用いることもできる。これらの中でも、インジウムが特に好ましい。
金属蒸着層の厚さは、例えば、10〜10000Åであることが好ましい。上記厚さは、より好ましくは50〜1000Åであり、更に好ましくは100〜600Åであり、最も好ましくは200〜400Åである。粘着剤層23及びセパレーター24については後述する。
金属蒸着層を形成するための方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法、スパッタ法、電解メッキ法、無電界メッキ法などが好ましい。蒸着法が特に好ましい。
(粘着剤層付加飾フィルム)
図3の粘着剤層付加飾フィルム5は、加飾樹脂層51と、粘着剤層52と、セパレーター層53とを有している。加飾樹脂層51の材料は、例えば、プラスチック、石膏やコンクリートなどの無機物(繊維等の骨材が含まれていても良い)であることが好ましい。プラスチックとしては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、及び、スチレンの共重合体)、AS樹脂(アクリロニトニル、スチレンの共重合体)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン樹脂等が好ましい。これらの中でも、ABS樹脂又はアクリル系樹脂がより好ましい。ABS樹脂は、カーボン(グラファイト)が配合されている黒色のABS樹脂又はアクリル系樹脂であることが特に好ましい。
加飾樹脂層51を構成するアクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体成分が主成分である樹脂組成物を重合させることによって得られる樹脂であることが好ましい。単量体成分の主成分は、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、メタクリル酸メチルであることが好ましい。そのような樹脂成分を用いて得られるプラスチックフィルムとしては、例えば、アクリプレンHBA001P、HBS010P、HBS010P、HBA002P等の市販品を用いることもできる。また、加飾樹脂層51は、樹脂成分を押出成形することによって得られるものであってもよい。なお、本明細書において、粘着剤層(接着剤層)52を第1の粘着剤層(第1の接着剤層)と称することがある。
(粘着剤層)
粘着剤層12を構成する粘着剤としては、公知の粘着剤を利用することができる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。これらのなかでも、透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点から、アクリル系粘着剤、特に溶剤系のものが好ましい。
粘着剤には、必要に応じて他の助剤が添加されてもよい。他の助剤としては、酸化防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、増粘剤、pH調整剤、バインダ、架橋剤、粘着性粒子、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤などが挙げられる。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族(C5)系石油樹脂、芳香族(C9)系石油樹脂、共重合(C5/C9)系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、およびこれらの水添型樹脂等が挙げられる。
粘着剤中の粘着付与剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。
粘着剤層12の厚みは、10〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。粘着剤層12の厚みが上記範囲内であると、充分な粘着性と経済性とを両立することができる。
粘着剤層23,52の機能及び好ましい形態は、接着剤層12と同様である。これらの粘着剤層は、後述するように、接着剤層であってもよい。
粘着剤層12を構成するポリマーの平均分子量は、1〜500万であることが好ましく、30〜200万であることがより好ましい。ポリマーの平均分子量を上記範囲内とすることにより、真空条件下又は減圧条件下での成形(TOM成形)時に、成形体への追従性を高めることができ、複雑な形状の成形体も加飾することができる。また、ポリマーの分子量の分布(Mw/Mn)は2〜30が好ましく、4〜20であることが特に好ましい。目的の分子量分布を得るために平均分子量の異なる2種類以上のポリマーを混合して使用することができる。
ポリマーの分子量の分布を広くすることにより、真空条件下又は減圧条件下での成形(TOM成形)時に、成形体への追従性を高めることができ、複雑な形状の成形体も加飾することができる。
粘着剤層の粘着力としては、JIS Z 0237に基づいて測定する粘着力が、10〜100N/25mmであることが好ましく、25〜75N/25mmであることが更に好ましい。
粘着剤層を構成するポリマーは、アクリル系ポリマーを少なくとも1種を含むことが好ましい。またアクリル系ポリマー以外に脂肪族(C5)系石油樹脂、芳香族(C9)系石油樹脂、共重合(C5/C9)系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、αメチルスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、およびこれらの水添型樹脂等を含有しても構わない。
アクリル系ポリマーを構成する単量体単位としては、アルキル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、等が挙げられ、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレートを好ましく挙げることができる。
また粘着力向上のために、必要に応じて下記の成分を含有してもよい。例えば、カルボキシル基と有する成分、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、及び/又は水酸基を有する成分、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒトロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒロドキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロオクチル(メタ)アクリレート、及び/又は共重合可能な不飽和成分、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトニル、マクロマーを挙げることができる。これらカルボキシル基を有する成分、水酸基を有する成分、共重合可能な成分は、アクリル系ポリマーの0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%含まれていることが好ましい。
上記接着剤層としては、通常のドライラミネーションに使用できるものが適用できる。例えば、水酸基(−OH)を有するアルキド樹脂、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、セルロース系誘導体樹脂等と、イソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート樹脂、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等とを任意に混合して用いることができる。さらに、ポリエステル系ホットメルト接着剤などのホットメルト系接着剤を用いることもできる。接着塗布量は、通常のドライラミネーションにおけるように、約2〜10g/m2であり、塗布方式としてはダイレクトグラビヤコーティング、リバースコーティング、リバースグラビヤコーティング等を用いることができる。これらの中でもポリエステルポリオールにポリイソシアネートを配合したものであることが好ましい。
また、本発明において、前記粘着剤層又は接着剤層は、積層直前に乾燥ステップに供したものであることが好ましい。上記乾燥ステップの温度および時間は、例えば、60〜100℃で1〜20分間であることが好ましく、70〜90℃で5〜15分間であることがより好ましい。なお、上記乾燥ステップは、積層ステップ前の1時間以内に行うことが好ましい。上記乾燥ステップは、より好ましくは積層ステップを行う前の30分以内に行い、更に好ましくは積層ステップを行う前の15分以内に行う。また、前記粘着剤層又は接着剤層は、真空乾燥機において乾燥させたものであることが好ましい。また、上記乾燥ステップは、粘着剤層を塗布した直後に行う最初の乾燥であってもよいし、最初の乾燥とは別に積層直前に再度乾燥するための再乾燥であってもよい。
粘着剤層又は接着剤層の積層前後における重量減少は、粘着剤層又は接着剤層を被着体に積層させる前の全重量を100%としたとき、0.5%以下であることが好ましい。上記重量減少は、より好ましくは0.4%以下であり、更に好ましくは0.3%以下である。重量減少が上記の好ましい範囲内であれば、粘着剤層又は接着剤層から生じるアウトガスの影響が最小化される。
本明細書において、粘着剤層又は接着剤層の積層前後における重量減少は、フィルムに塗布した粘着剤又は接着剤を80℃で10分間乾燥した後の該粘着剤層又は接着剤層の重量と、該フィルムを被着体に積層させた直後の該粘着剤層又は接着剤層の重量との差を意味する。
また、本明細書において、フィルムの積層前後における重量減少は、フィルムを80℃で10分間乾燥した後の該フィルムの重量と、該フィルムを被着体に積層させた直後の該フィルムの重量との差を意味する。
(セパレーター)
セパレーター13は、粘着剤層付表面フィルム1を被着体に積層するまで粘着剤層12を一時的に保護する層である。セパレーター13は、特に限定されず、例えば、クラフト紙若しくはグラシン紙等、又は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムにシリコーン等の剥離層を設けたものが良い。なお、本明細書において、セパレーターはセパレーター又はセパレートフィルムと称することもある。セパレーター24及びセパレーター53の機能及び好ましい形態は、セパレーター13と同様である。
(被着体)
本発明において、被着体の形状、すなわち、粘着剤層付表面フィルム1,2又は粘着剤層付加飾フィルム5を積層させる対象の形状は、非平面であることが好ましい。この形状は、例えば、略球面形状であってもよいし、又は、図4及び図5に示されている凸形状等の凹凸形状であってもよい。
(成形方法)
粘着剤層付加飾フィルムは、減圧された成形室において、該フィルムの片面側(粘着剤層が形成されていない面)を非接触方式で加圧することによって被着体に積層されることが好ましい。粘着剤層付表面フィルムも同様の方法で積層されることが好ましい。非接触方式で加圧するとは、粘着剤層付加飾フィルム等に対して、金型等を物理的に接触させることなく、空気やガス等の気体による圧力を加えることを意味する。本明細書において、減圧下とは、成形室の気圧が5kPa以下であることを意味する。また、成形室を略真空状態とした状態で粘着剤層付加飾フィルムの片面側(粘着剤層が形成されていない面)に対して大気圧又は圧縮空気を適用することがより好ましい。
すなわち、本発明において、粘着剤層付加飾フィルムは、いわゆるTOM成形法により被着体に積層されることが好ましい。TOM成形法は、本明細書において異なるように記載されていない限り、特開第2002−079573号公報「真空成型装置」(布施真空株式会社)、特開第2002−067137号公報「真空成型装置」(布施真空株式会社)、特開第2012−116094号公報「真空成型方法」(布施真空株式会社)、及び、特開第2012−096416号公報「真空成型機、真空成型機用基板及び真空成型方法」(布施真空株式会社)に記載の方法に従って行うことが好ましい。
また、TOM成型法に用いる装置は、例えば、NGF成形機(布施真空株式会社製)が好ましい。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
実施例1
セパレートフィルム(藤森工業株式会社製、帯電防止グレードPET系セパレーター:GT AS、厚さ:50μm、本明細書において、「セパレーター」ともいう。)上に乾燥後の厚さが25μmとなるようにアクリル系粘着剤1(組成及び製法は後述する。)を塗布して90℃で3分間にわたって乾燥した。その後、得られた粘着フィルムを、表面フィルム(アクリプレンHBA001P、鉛筆硬度2H、厚さ:125μm[三菱レイヨン社製])の裏面に積層した。このようにして粘着剤層付表面フィルムAを得た。
次に別のセパレートフィルム上に乾燥後の厚さが60μmとなるようにアクリル系粘着剤を塗布して乾燥した。その後、得られた粘着フィルムを、ABSフィルム(VALUETECH NSG400、厚さ:200μm[テクノポリマー社製])の裏面(鏡面側)に積層することによって、粘着剤層付加飾フィルムXを得た。
次に、その粘着剤層付加飾フィルムXからセパレーターを取り外し、80℃10分間真空乾燥機で処理した。その加飾フィルムXをTOM成形機にセットした。防雨入線カバー(品番:WP9171[パナソニック株式会社製])を、該カバーの外面(凸面)側と加飾フィルムXの粘着剤層とが向き合うように、TOM成形機(商品名:NGF成形機、布施真空株式会社製)にセットした。TOM成形機を用いて130℃で上記加飾フィルムXを上記被着体に積層させることによって、中間積層体を得た。
次に、粘着剤層付表面フィルムAからセパレータを取り外し、80℃で10分間真空乾燥機で処理した。その表面フィルムAをTOM成形機にセットした。先に作成した中間積層体の表面(被着体が存在しない側)側と表面フィルムAの粘着剤層とが向き合うように、その表面フィルムAをTOM成形機(商品名:NGF成形機、布施真空株式会社製)にセットした。TOM成形機を用いて130℃で表面フィルムAを上記被着体に積層させることによって、積層構造体を得た。得られた積層構造体の傷付き性を評価するために、軍手を装着した手で積層構造体の表面を10往復擦った後、表面の傷付きの有無を確認した。傷付きは発生しなかった。
実施例2
セパレートフィルム上に乾燥後の厚さが30μmとなるようにアクリル系粘着剤2(組成及び製法は後述する。)を塗布して乾燥した。表面フィルム(アクリプレンHBA001P、鉛筆硬度2H、厚さ:125μm[三菱レイヨン社製])の裏面に、インジウム蒸着(蒸着層の厚さ:300Å)を施すことによって金属蒸着層付きのフィルムを得た。表面フィルムの裏面(金属蒸着層側)に粘着剤を積層することによって、粘着剤層付表面フィルムBを得た。粘着剤層付表面フィルムAの代わりに粘着剤層付表面フィルムBを使用する以外、実施例1と同様に被着体への積層を行うことによって積層構造体を得た。得られた積層構造体の傷付き性を評価するために、積層構造体の表面を、軍手を装着した手で10往復擦った後、表面の傷付きの有無を確認した。傷付きは発生しなかった。
実施例1で用いたアクリル系粘着剤1は、下記のようにして得た。
ブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート30質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部を窒素雰囲気の反応容器(温度コントローラー、攪拌機、還流器付)に投入し、酢酸エチル200質量部とアソビスイソブチロニトリル0.1質量部を加えた。この混合物を75℃にて10時間重合反応させることにより、ポリマーB1を得た。得られたポリマーB1の分子量(Mw)をGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)で測定した。ポリマーB1の分子量(Mw)は80万であった。また、ポリマーB1のガラス転移温度(Tg)を示差操作型熱量計(セイコウインスルメント製DSC−6100)を用いて測定した。ポリマーB1のTgは−35℃であった。
次にメチルメタクリレート90質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10質量部を窒素雰囲気の反応容器に投入し、酢酸エチル200質量部とアソビスイソブチロニトリル2質量部として加えた。この混合物を75℃にて10時間重合させることにより、ポリマーB2を得た。ポリマーB1と同様に分子量(Mw)とTgを測定した。ポリマーB2の分子量(Mw)は1万であった。ポリマーB2のTgは95℃であった。
得られたポリマーB1とポリマーB2と架橋剤(三菱瓦斯化学社製、テトラドX)とビストリフルオロメタンスルホンイミドを乾燥重量比で46:40:2:2となるように配合してアクリル系粘着剤1を得た。アクリル系粘着剤1の分子量分布は18であった。
実施例2で用いたアクリル系粘着剤2は下記のようにして得た。
ブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート30質量部、アクリル酸5質量部を窒素雰囲気の反応容器(温度コントローラー、攪拌機、還流器付)に投入し、酢酸エチルを200質量部と、アソビスイソブチロニトリル0.1質量部を加えた。この混合物を75℃にて10時間重合させることにより、ポリマーAを得た。上記と同様に測定したポリマーAの分子量(Mw)は80万であった。また、上記と同様に測定したポリマーAのガラス転移温度(Tg)は−25℃であった。
このポリマーAとポリαメチルスチレン(分子量Mw=850,000、Tg=105℃、和光純薬製)と架橋剤(三菱瓦斯化学社製、テトラドX)を乾燥重量比で98:10:2となるように配合してアクリル系粘着剤2を得た。このアクリル系粘着剤2の分子量分布は、6.5であった。
比較例1
粘着剤層付表面フィルムAを被着体に積層しない以外、実施例1と同様に加飾フィルムXを被着体に積層させることによって、積層構造体を得た。積層構造体の傷付き性を評価するために、積層構造体の表面を、軍手を装着した手で10往復擦った後、表面の傷付きの有無を確認した。傷付きが発生した。
比較例2
実施例1で作成した粘着剤層付表面フィルムAからセパレーターを取り外した。その表面フィルムAを、実施例1で作成した加飾フィルムXの表面(粘着剤層が存在しない面)側にラミネーターにて貼合することによって、積層体AXを得た。
次いでその積層体AXをTOM成形機にセットした。防雨入線カバー(品番:WP9171[パナソニック株式会社社製])を、該カバーの外面(凸面)側と上記積層体AXの粘着剤層とが向き合うように、TOM成形機(商品名:NGF成形機、布施真空株式会社製)にセットした。TOM成形機を用いて130℃で上記積層体AXを上記被着体に積層させることによって、積層構造体を得た。TOM成形加工時にハードコートフィルムとABSフィルムとの間でガスが発生した。得られた積層構造体の外観は不良であった。
比較例3
比較例2の表面フィルムAの代わりに表面フィルムBを使用して作成した積層体BXを被着体に積層させた以外、比較例2と同様に行った。TOM成形加工時にアウトガスが発生した。得られた積層構造体の外観は不良であった。
Figure 2015214147
1…粘着剤層付表面フィルム、11…耐擦傷性を有する樹脂層、12…粘着剤層(接着剤層)、13…セパレーター、2…粘着剤層付表面フィルム、21…耐擦傷性を有する樹脂層、22…金属蒸着層、23…粘着剤層(接着剤層)、24…セパレーター、5…粘着剤層付加飾フィルム、51…加飾樹脂層、52…粘着剤層(接着剤層)、53…セパレーター、100、200…被着体

Claims (10)

  1. 複数のフィルムが被着体に積層された積層構造体であって、前記複数のフィルムは、減圧下で非接触方式により前記被着体に順次積層されたことを特徴とする積層構造体。
  2. 前記複数のフィルムは、色彩を有する加飾フィルムと、耐擦傷性を有する表面フィルムとを少なくとも含む請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記被着体が非平面形状である請求項1又は2に記載の積層構造体。
  4. 前記加飾フィルムが第1の粘着剤層と加飾樹脂層とを有し、
    前記表面フィルムが第2の粘着剤層と耐擦傷性を有する表面層とを有し、
    被着体、第1の粘着剤層、加飾樹脂層、第2の粘着剤層、及び、耐擦傷性を有する表面層をこの順に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層構造体。
  5. 前記第1の粘着剤層又は前記第2の粘着剤層は、積層直前に乾燥ステップに供したものである請求項4に記載の積層構造体。
  6. 前記第1の粘着剤層又は前記第2の粘着剤層の積層前後における重量減少が0.5%以下である請求項4又は5に記載の積層構造体。
  7. 前記表面フィルムは、前記耐擦傷性を有する樹脂層に蒸着された金属層をさらに有する請求項4に記載の積層構造体。
  8. 減圧下において複数のフィルムを被着体に順次積層することにより積層構造体を生産することを特徴とする、積層構造体の生産方法。
  9. 前記複数のフィルムは、色彩を有する加飾フィルムと、耐擦傷性を有する表面フィルムとを少なくとも含み、
    前記積層は、前記加飾フィルム及び前記表面フィルムを粘着剤層を介して前記被着体に順次積層させることによって行われる、請求項8に記載の積層構造体の生産方法。
  10. 前記積層の直前に前記複数のフィルムを乾燥するステップを含む、請求項8又は9に記載の積層構造体の生産方法。
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