JP2015213694A - 注射器の廃棄容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】リウマチや糖尿病等の患者にとっても使い勝手が良く、廃棄に関しての安全性が十分に配慮された注射器の廃棄容器を提供する。【解決手段】容器本体1と、容器本体1に嵌着される蓋2とを、備え、蓋2は、容器本体1に離脱不可能に嵌着されると共に注射器を投入するための投入口を有する蓋本体8と、蓋本体8の投入口を開閉自在に施蓋する副蓋4とを、有し、投入口を副蓋4により塞いだ閉蓋状態で、副蓋4を開閉不可の封止状態に切換えるロックボタン5を設けている。【選択図】図1

Description

本発明は、注射器の廃棄容器に関する。
一般的に、患者への注射は、医療機関で医師によって行われることがほとんどであるが、リウマチや糖尿病の治療を受ける患者は、医療機関から治療薬の入った注射器を持ち帰り、自宅で治療薬を自己注射することがあった。患者が自己注射した後の使用済みの注射器は、医療廃棄物として廃棄する必要があり、医療機関からは治療薬の入った注射器と共にそれ専用の廃棄容器が患者に配布され、患者は、自宅で使用済みの注射器を廃棄容器に保管して、廃棄容器ごと医療機関に持参して廃棄していた。従来、使用済みの注射器を収納するための廃棄容器として、投入口を開閉できるように蓋を設けたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開平05−42184号公報
しかし、特許文献1に記載された注射器の廃棄容器は、蓋のツマミが小さく、特にリウマチの患者にとっては、痛みや腫れによって手指に力が入らず小さなツマミを握るのが困難である等の理由により、使用しずらいという欠点があった。例えば、リウマチの患者が廃棄容器の蓋を完全に閉めることができないと、注射器の廃棄容器を医療機関に持参する際、廃棄容器を落下させたような場合に、不用意に蓋が開いて注射器が飛び出すような事態が発生する虞れがあり、衛生管理及び安全保持の配慮が不十分であった。
そこで、本発明は、リウマチや糖尿病等の患者にとっても使い勝手が良く、廃棄に関しての安全性が十分に配慮された注射器の廃棄容器を提供することを目的とする。
本発明に係る注射器の廃棄容器は、容器本体と、該容器本体に嵌着される蓋とを、備え、該蓋は、上記容器本体に離脱不可能に嵌着されると共に注射器を投入するための投入口を有する蓋本体と、該蓋本体の投入口を開閉自在に施蓋する副蓋とを、有し、上記投入口を上記副蓋により塞いだ閉蓋状態で、該副蓋を開閉不可の封止状態に切換えるロックボタンを設けたものである。
また、平面視に於て、上記投入口の形状が、上記注射器の鍔部が差し込まれて取付けられる指力不足補強用のフランジ部に対応するように形成されているものである。
また、上記投入口は、その下端縁部から内向きに突出するフラップ部を有し、平面視に於て、上記フランジ部の形状よりも小さな通過窓部が上記フラップ部によって形成され、上記容器本体に投入された注射器の飛び出しを防止するよう構成されているものである。
本発明の注射器の廃棄容器によれば、廃棄する際に、副蓋を閉めてロックボタンを押すことで、副蓋を開閉不可の封止状態に簡単に切換えて、安全に持ち運ぶことができる。手指に力の入らないリウマチの患者でもロックボタンを容易に押すことができ、封止状態に確実に切換えて副蓋が2度と開かないようにロックすることができる。
本発明の実施の一形態を示す閉蓋状態の斜視図である。 本発明の実施の一形態を示す閉蓋状態の平面図である。 図2のA−A断面図である。 閉蓋状態の要部断面図であり、(A)はロックボタンを押す前の要部断面図であり、(B)はロックボタンを指で押した後の封止状態の要部断面図である。 開蓋状態の平面図である。 開蓋状態で投入口に注射器を投入する際の断面図である。 注射器を示す斜視図である。 投入口を示す平面図であり、(A)は図5に示す実施形態の平面図であり、(B)は他の実施形態の平面図であり、(C)は別の実施形態の平面図であり、(D)はさらに別の実施形態の平面図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1と図2に示すように、本発明の注射器の廃棄容器は、合成樹脂から成り、容器本体1と、容器本体1に嵌着される蓋2とを、備えている。
容器本体1及び蓋2は、平面視で角の丸い四角形状に形成されている。容器本体1の上端開口部の周縁部には、外方に向け突出する凸部10が全周にわたって形成され、かつ、容器本体1の上下方向中間部から下端部には、次第に縮径するテーパー状の外周壁部12を有している。容器本体1は、輸送時や保管時には、スタッキング(積み重ね)が可能である。凸部10の4つの角部11は円弧状に形成されている。
蓋2は、平面視中央位置に投入口3を有する蓋本体8と、蓋本体8に揺動自在に取着され投入口3を開閉自在に施蓋する副蓋4とを、有している。
副蓋4は、蓋本体8に枢着されていても良く、あるいは、薄肉状ヒンジ部を介して連設されていても良い。副蓋4は、揺動時に自由端となる一端縁部に掴持用舌片24が突出状に設けられ、舌片24の幅寸法は、副蓋4全体の幅寸法Wの30%〜50%の大きさに設定されている(図2参照)。この構成により、リウマチ患者でも大きめサイズの舌片24を指で容易に掴むことができ、副蓋4が開閉し易いという利点がある。
蓋本体8は、4箇所の角部が切り欠かれて切欠部20が形成され、この切欠部20の各々に凸部10の角部11を差込可能な孔部21を有している。蓋本体8の4つの孔部21に容器本体1の角部11が嵌込まれ、蓋2と容器本体1が離脱不可能に嵌着されている。
図3に示すように、副蓋4には、底面に差込孔23を有する凹部22が形成され、凹部22にロックボタン5が上下方向スライド自在に取着されている。
ロックボタン5は、円盤状のヘッド25と、先端に円錐台状かえし部26aを有する差込ピン26とを、一体に有し、差込ピン26が差込孔23に上方から遊嵌状に差込まれている。差込ピン26は、弾性変形可能とし、円錐台状かえし部26aが差込孔23を通過する際は、差込ピン26はラジアル内方向に弾性変形して縮径し、円錐台状かえし部26aが差込孔23を通過した後は、差込ピン26が弾発的に復元して、円錐台状かえし部26aが差込孔23の下端縁に引っ掛かる。つまり、差込ピン26が差込孔23に挿入されると、円錐台状かえし部26aによって抜止めされ、差込ピン26を差込孔23から抜くことは不可能となる。
また、蓋本体8には、ロックボタン5の差込ピン26に対応してテーパー状係止孔28が形成されている。図4(B)に示すように、ヘッド25を上方から指で押してロックボタン5を凹部22に深く押し込み、差込ピン26を係止孔28に挿入する。円錐台状かえし部26aが係止孔28を通過する際は、差込ピン26はラジアル内方向に弾性変形して縮径し、円錐台状かえし部26aが係止孔28を通過した後は、差込ピン26が弾発的に復元して、円錐台状かえし部26aが係止孔28の下端縁に引っ掛かる。従って、差込ピン26が係止孔28に挿入されると、円錐台状かえし部26aが係止孔28の下端縁に引っ掛って抜止めをし、差込ピン26を係止孔28から抜くことは不可能となる。
つまり、図4(A)に示すように、ロックボタン5を押す前は、図2から図5のように、副蓋4を揺動させて投入口3を自由に開閉でき、投入口3を副蓋4により塞いだ閉蓋状態で、図4(B)に示すように、ロックボタン5を指で深く押し込むことで、差込ピン26が係止孔28に挿入され、副蓋4が2度と開かないように開閉不可の封止状態に切換える。
図5と図6に示すように、投入口3は、特定の1種類の注射器6に対応する形状に形成されている。
図7に示すように、注射器6は、リウマチの治療薬が充填されたものであって、一端に注射針を有し、かつ、他端に鍔部6Bが突設されたシリンジ部6Aと、シリンジ部6Aの他端側から内挿されるプランジャ6Cとを、備え、鍔部6Bに指力不足補強用のフランジ部9が差し込まれて取付けられている。フランジ部9は、患者が自ら注射をするときに、注射器6の保持を容易とするものであり、手指に力が入らないリウマチ患者でも、安全かつ確実に自己注射が行えるように付設されているものである。即ち、平面視に於て、投入口3の形状が、リウマチ治療薬用の注射器6に付設される指力不足補強用のフランジ部9に対応して形成されている。
図5と図6に示すように、投入口3は、その下端縁部3Aから内向きに突出するフラップ部7,7を有している。投入口3の下端縁部3Aには、平面視に於て、フランジ部9の形状よりも小さな通過窓部がフラップ部7,7によって形成されている。つまり、投入口3は、フラップ部7,7により、注射器6が下方からは通過できないように形成され、容器本体1に投入された注射器6の飛び出しを防止している。
図6と図8(A)に示すように、フラップ部7,7は、投入口3の下端縁部3Aの左右から斜め下方向に突出しており、弾性変形可能である。左右のフラップ部7,7の一方が比較的短く、他方が比較的長く形成されている。図6のように投入口3に上方から注射器6を投入する際には、フランジ部9によりフラップ部7を押し開けて、注射器6を容器本体1内部へ移動させる。なお、図8(B)に示すように、投入口3の前後左右の4箇所にフラップ部7,7,7,7を設けても良い。また、図8(C)に示すように、フラップ部7,7が揺動し易い舌片状であって良く、左右の2箇所から斜め下方向又は水平方向に向けて突設するも好ましい。なお、図8(D)に示すように、舌片状のフラップ部7,7,7,7を投入口3の前後左右の4箇所に設けても良い。
上述した本発明の注射器の廃棄容器の使用方法(作用)について説明する。
図5に示すように、舌片24を指で掴んで副蓋4を開け、図6のように投入口3に使用済みの注射器6を投入する。投入口3は、リウマチ治療薬用の注射器6に対応する平面形状に形成されている為、患者が誤ってリウマチ治療薬用注射器6以外の注射器を投入することのないよう注意を喚起する。投入口3から投入された使用済みの注射器6は、そのまま落下して容器本体1に収容される。投入口3にはフラップ部7,7が設けてある為、注射器6が飛び出すのを防止し、なおかつ、注射器6に僅かに残存する薬液や付着した血液等が外部に飛び出るのを防止する。
次に、図2に示すように、副蓋4を閉め、図4(B)のように指でロックボタン5を指で押し込むことで、副蓋4を開閉不可の封止状態に切換える。こうして、副蓋4が2度と開かないようにロックされ、患者が持ち運びする際に、廃棄容器を落下させたような場合でも、不用意に副蓋4が開いて注射器6が飛び出すようなことがなく、注射器6を廃棄容器と共に安全に廃棄できる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、容器本体1及び蓋2の形状は自由に変更しても良い。また、図示省略するが、ロックボタン5を指で押すことができない程度の小ささに設定し、ピンや棒等の押圧部材を用いてロックボタン5を押すように構成するも好ましい。このようにすることで、副蓋4の開閉操作中にロックボタン5を不用意に押してしまうことが無くなり、副蓋4が開かなくなってしまうのを防止できる。
以上のように、本発明に係る注射器の廃棄容器は、容器本体1と、容器本体1に嵌着される蓋2とを、備え、蓋2は、容器本体1に離脱不可能に嵌着されると共に注射器6を投入するための投入口3を有する蓋本体8と、蓋本体8の投入口3を開閉自在に施蓋する副蓋4とを、有し、投入口3を副蓋4により塞いだ閉蓋状態で、副蓋4を開閉不可の封止状態に切換えるロックボタン5を設けたので、廃棄する際に、副蓋4を閉めてロックボタン5を押すことで、副蓋4を開閉不可の封止状態に簡単に切換えて、安全に持ち運ぶことができる。手指に力の入らないリウマチの患者でもロックボタン5を容易に押すことができ、封止状態に確実に切換えて副蓋4が2度と開かないようにロックすることができる。
また、平面視に於て、投入口3の形状が、注射器6の鍔部6Bが差し込まれて取付けられる指力不足補強用のフランジ部9に対応するように形成されているので、特定の注射器6のみを投入口3に投入するように患者に注意を喚起することができる。特に、患者が誤ってリウマチ治療薬用注射器6以外の注射器を投入口3に投入することを防止でき、異なる種類の注射器が混在しないので、廃棄物処理がし易い。
また、投入口3は、その下端縁部3Aから内向きに突出するフラップ部7,7を有し、平面視に於て、フランジ部9の形状よりも小さな通過窓部がフラップ部7,7によって形成され、容器本体1に投入された注射器6の飛び出しを防止するよう構成されているので、患者が持ち運びする際に、廃棄容器を落下させたような場合でも、注射器6が飛び出すのを防止でき、かつ、注射器6に僅かに残存する薬液や付着した血液等が外部に飛び出るのを防止できる。
1 容器本体
2 蓋
3 投入口
3A 下端縁部
4 副蓋
5 ロックボタン
6 注射器
6B 鍔部
7 フラップ部
8 蓋本体
9 フランジ部

Claims (3)

  1. 容器本体(1)と、該容器本体(1)に嵌着される蓋(2)とを、備え、該蓋(2)は、上記容器本体(1)に離脱不可能に嵌着されると共に注射器(6)を投入するための投入口(3)を有する蓋本体(8)と、該蓋本体(8)の投入口(3)を開閉自在に施蓋する副蓋(4)とを、有し、
    上記投入口(3)を上記副蓋(4)により塞いだ閉蓋状態で、該副蓋(4)を開閉不可の封止状態に切換えるロックボタン(5)を設けたことを特徴とする注射器の廃棄容器。
  2. 平面視に於て、上記投入口(3)の形状が、上記注射器(6)の鍔部(6B)が差し込まれて取付けられる指力不足補強用のフランジ部(9)に対応するように形成されている請求項1記載の注射器の廃棄容器。
  3. 上記投入口(3)は、その下端縁部(3A)から内向きに突出するフラップ部(7)(7)を有し、平面視に於て、上記フランジ部(9)の形状よりも小さな通過窓部が上記フラップ部(7)(7)によって形成され、上記容器本体(1)に投入された注射器(6)の飛び出しを防止するよう構成されている請求項1又は2記載の注射器の廃棄容器。
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