JP2015212806A - 波長選択スイッチ - Google Patents

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英久 田澤
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節文 大塚
健一郎 高橋
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健一郎 高橋
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Masateru Suzuki
昌輝 鈴木
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Abstract

【課題】出力される光の帯域幅が狭くなることを抑制可能な波長選択スイッチを提供する。【解決手段】入力ポート11aと出力ポート11bとが第1の方向に配列された入出力部10Aと、入力ポート11aからのビームを波長成分ごとに第2の方向に分光する回折格子40と、波長成分を第1の方向に偏向する光偏向素子60と、空間光学系SOと、を備え、空間光学系SOは、ビームの形状を第1の面内よりも第2の面内で相対的に小さくなるように、且つ、長軸Gと短軸Hとを有するように変換し、長軸Gは、第1の方向に対して傾斜しており、光偏向素子60は、第1の方向に配列された複数の光偏向要素素子60pが第2の方向に配列されてなる光偏向領域Rを含み、光偏向領域Rは、波長成分を独立に位相変調して出力ポートに向けて偏向し、光偏向領域Rは、ビームの形状に対応するように設けられている。【選択図】図1

Description

本発明の一側面は、波長選択スイッチに関する。
近年、通信ネットワークの高速化・大容量化に伴い、波長多重ネットワークにおける光挿入・分岐装置であるROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)が開発されている。このROADMにおいて光を分波させたり合波させたりするためのデバイスとして、波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch:WSS)が開発されている。特許文献1には、位相変調により波長成分毎に光路を独立に制御するWSSが開示されている。
特許文献2には、WSSが記載されている。このWSSにおいては、入力ポートから入力された光信号は、第1及び第2のグループに空間的に分離される。第1及び第2のグループの光信号は、それぞれ、回折格子において波長成分に分離される。そして、第1及び第2のグループに含まれる波長成分は、それぞれ、LCOS SLM(Liquid Crystal On Silicon Spatial Light Modulator)の異なる領域に入射して偏向される。
米国特許第7787720号明細書 米国特許第7397980号明細書
位相変調素子を用いて精度良く光路を制御するためには、ビームの形状を位相変調する方向に長くし、該方向における位相変調素子の画素数を多くする必要がある。この場合、画素数の大きな位相変調素子を用いることが好ましいが、位相変調素子のサイズが大きくなるおそれがあり、波長選択スイッチが大型化してしまう。
また、ビーム形状を楕円に変換してから回折格子に入射させる場合がある。その場合、ビームの光軸が回折格子の法線に対して傾斜していると、位相変調素子でのビーム形状が、位相変調素子の画素が配列する方向に対して傾斜するおそれがある。その場合、ビームに対して画素が割り当てられない部分が生じ、出力される光信号の帯域幅(bandwidth)が制限されてしまうおそれがある。
本発明の一側面は、出力される光の帯域幅が狭くなることを抑制可能な波長選択スイッチを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る波長選択スイッチは、ビームを入力するための入力ポートと、前記ビームを出力するための出力ポートと、が第1の方向に配列された入出力部と、前記入力ポートから入力された前記ビームを、波長成分ごとに前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って分光する波長分散素子と、前記波長成分を所定の前記出力ポートに導くように、前記波長成分を前記第1の方向に偏向する光偏向素子と、前記入出力部と前記波長分散素子と前記光偏向素子とを、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に沿った所定の軸線上において光学的に接続する空間光学系と、を備え、前記空間光学系は、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状を、前記第1の方向と前記第3の方向とを含む第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の方向と前記第3の方向を含む第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように、且つ、前記第1の方向及び前記第2の方向によって張られる第3の面内において長軸と短軸とを有するように変換し、前記長軸は、前記第1の方向に対して傾斜しており、前記光偏向素子は、前記第3の面内に配列された複数の光偏向要素素子と、前記第1の方向に配列された複数の前記光偏向要素素子が前記第2の方向に所定数配列されて構成された光偏向領域と、を含み、前記光偏向領域は、前記波長成分のそれぞれを独立に位相変調することにより、前記波長成分のそれぞれを所定の前記出力ポートに向けて偏向し、前記光偏向領域は、前記ビームの形状に対応するように設けられている。
本発明によれば、出力される光の帯域幅が狭くなることを抑制可能な波長選択スイッチを提供することができる。
図1は、本発明の一側面の第一実施形態として、波長選択スイッチの構成を概略的に示す平面図である。 図2は、図1に示された波長選択スイッチのII−II線に沿った側断面図である。 図3は、位相変調素子の具体的な構成例として、LCOSの構成を示す断面図である。 図4は、回折格子状の位相変調パターンが変調面に呈示されたときの、スイッチング方向における実質的な位相変化を示すグラフである。 図5は、光偏向素子とビーム形状との関係を説明する図である。 図6は、光偏向素子とビーム形状との関係の比較例を説明する図である。 図7は、本発明の一側面の第一実施形態の変形例を説明する図である。 図8は、Z方向からみたときの光偏向素子の一例を示す正面図である。 図9(a)、図9(b)、及び図9(c)は、波動光学的に広がりのあるビームが回折格子に入射する様子を示す図である。 図10は、XZ平面における回折格子へのビームの入射角と、光偏向素子に入射するビームの歪み量と、の関係を示す図である。 図11は、本発明の一側面の第二実施形態に係る波長選択スイッチの構成を示す模式図である。 図12は、本発明の一側面の第二実施形態に係る波長選択スイッチの構成を示す模式図である。 図13は、Z方向からみたときの入出力部の構成を示す図である。 図14は、Y方向からみたときの入出力部の構成を示す側面図である。 図15は、Z方向からみたときの光偏向素子の一例を示す正面図である。 図16は、本実施形態に係る波長選択スイッチにおける出力光のスペクトルと、比較例に係る出力光のスペクトルとを示すグラフである。 図17(a)及び図17(b)は、本発明の一側面の第二実施形態の変形例を示す図である。
[実施形態の説明]
まず、本発明の一側面に係る波長選択スイッチの一実施形態を列記して説明する。
一実施形態に係る波長選択スイッチは、ビームを入力するための入力ポートと、前記ビームを出力するための出力ポートと、が第1の方向に配列された入出力部と、前記入力ポートから入力された前記ビームを、波長成分ごとに前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って分光する波長分散素子と、前記波長成分を所定の前記出力ポートに導くように、前記波長成分を前記第1の方向に偏向する光偏向素子と、前記入出力部と前記波長分散素子と前記光偏向素子とを、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に沿った所定の軸線上において光学的に接続する空間光学系と、を備え、前記空間光学系は、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状を、前記第1の方向と前記第3の方向とを含む第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の方向と前記第3の方向を含む第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように、且つ、前記第1の方向及び前記第2の方向によって張られる第3の面内において長軸と短軸とを有するように変換し、前記長軸は、前記第1の方向に対して傾斜しており、前記光偏向素子は、前記第3の面内に配列された複数の光偏向要素素子と、前記第1の方向に配列された複数の前記光偏向要素素子が前記第2の方向に所定数配列されて構成された光偏向領域と、を含み、前記光偏向領域は、前記波長成分のそれぞれを独立に位相変調することにより、前記波長成分のそれぞれを所定の前記出力ポートに向けて偏向し、前記光偏向領域は、前記ビームの形状に対応するように設けられている。
この波長選択スイッチにおいては、ビームの形状に対応するように、光偏向領域が設けられている。このため、ビームに対して、光偏向要素素子が割り当てられない部分が生じることが抑制され、出力される波長成分の帯域幅が狭くなることが抑制される。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記光偏向領域は、所定の位相変調パターンを形成する前記第1の方向に配列された複数の前記光偏向要素素子が、前記第2の方向に複数配置されて構成され、前記光偏向領域は、前記所定の位相変調パターンを構成する光偏向要素素子が、前記第2の方向にシフトして配置されることにより、前記ビームの形状に対応するように設けられてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記光偏向領域において、前記第2の方向に隣接する前記光偏向要素素子の位相変調量は、実質的に等しくてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記長軸は、互いに異なる角度で前記第1の方向に対して傾斜する第1の長軸と第2の長軸とを含んでもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記第1の長軸と前記第2の長軸は、前記第1の方向を基準にして、前記第2の方向の同じ側に傾斜していてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状は歪み部を含み、前記歪み部は、前記短軸の端を前記第1の方向に延長した領域から外側にはみ出している領域であってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記波長分散素子に入射するビームの光軸は、前記第1の面内において前記波長分散素子の法線に対して傾斜していてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記入出力部は、第1の光軸を有する第1のビームと第2の光軸を有する第2のビームとを、入射及び出射するように構成されており、前記第1の光軸および前記第2の光軸は、前記第3の方向に対して、互いに異なる角度で前記第1の方向に傾斜しており、前記波長分散素子は、前記第1のビーム及び第2のビームに共通に設けられており、前記光偏向素子は、第1の光偏向部と第2の光偏向部とを含み、前記第1の光偏向部は、複数の前記光偏向領域を含み、前記第1のビームを前記出力ポートに向けて偏向し、前記第2の光偏向部は、複数の前記光偏向領域を含み、前記第2のビームを前記出力ポートに向けて偏向してもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記入出力部は、前記第1のビームを入射する第1の入力ポートと、前記第1のビームを出射する第1の出力ポートと、を含む第1の入出力ポートと、前記第2のビームを入射する第2の入力ポートと、前記第2のビームを出射する第2の出力ポートと、を含む第2の入出力ポートと、を有し、前記第1の光偏向部は、前記第1のビームを前記第1の出力ポートに向けて偏向し、前記第2の光偏向部は、前記第2のビームを前記第2の出力ポートに向けて偏向してもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記入出力部は、前記入力ポートから入力された前記ビームを受け、互いに異なる偏波成分である前記第1のビームと前記第2のビームとに分離して出射する偏波分離素子を有してもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記第1の光偏向部と前記第2の光偏向部とは、互いに同一の波長成分であり、かつ、互いに異なる偏波成分である前記第1のビームと前記第2のビームとを、共通の前記出力ポートに向けて偏向してもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記第1の光軸の前記波長分散素子の法線に対する傾斜角の正負符号と、前記第2の光軸の前記波長分散素子の法線に対する傾斜角の正負符号とは、互いに異なってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記第1の光軸の前記法線に対する傾斜角の絶対値と、前記第2の光軸の前記法線に対する傾斜角の絶対値とは、実質的に等しくてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記空間光学系は、前記入力ポートから入力された前記ビームの形状を変換するアナモルフィック光学系と、前記波長成分を前記光偏向素子に集光する集光素子と、を有し、前記アナモルフィック光学系は、前記ビームの形状を、前記第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の面内に延びるサイズが相対的に大きくなるように変換し、前記集光素子は、前記光偏向素子に入射するビームの形状を、前記第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように変換してもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記長軸の傾斜角の絶対値は、0°よりも大きく、且つ、5°以下であってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記波長分散素子に入射する前記ビームの光軸の前記波長分散素子の法線に対する傾斜角の絶対値は、0°よりも大きく、且つ、5°以下であってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記波長分散素子に入射するビームの前記第3の面内におけるアスペクト比は、10以上であってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記アスペクト比は、40以上であってもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記波長分散素子に入射する前記ビームの前記第1の面内におけるビームウエスト位置を、前記第3の方向における前記波長分散素子の設置位置に合わせる第1の光学系と、前記波長分散素子に入射するビームの前記第2の面内におけるビームウエスト位置を、前記第3の方向における前記波長分散素子の設置位置からずらす第2の光学系と、をさらに備えてもよい。
一実施形態に係る波長選択スイッチは、ビームを入力するための入力ポートと、前記ビームを出力するための出力ポートと、が第1の方向に配列された入出力部と、前記入力ポートから入力されたビームを、波長成分ごとに前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って分光する波長分散素子と、前記波長成分を所定の前記出力ポートに導くように、前記波長成分を前記第1の方向に偏向する光偏向素子と、前記入出力部と前記波長分散素子と前記光偏向素子とを、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に沿った所定の軸線上において光学的に接続する空間光学系と、を備え、前記空間光学系は、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状を、前記第1の方向と前記第3の方向を含む第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の方向と前記第3の方向を含む第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように、かつ、前記第1の方向及び前記第2の方向によって張られる前記第3の面内において長軸と短軸を有するように変換し、前記長軸は前記第1の方向に対して傾斜している。
一実施形態に係る波長選択スイッチにおいては、前記長軸は、互いに異なる角度で前記第1の方向に対して傾斜する第1の長軸と第2の長軸とを含んでもよい。
[実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明の一側面は、以下の例示に限定されない。本発明の一側面は、各請求項によって示され、各請求項と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(第一実施形態)
図1及び図2は、本発明の第一実施形態として、波長選択スイッチ1Aの構成を示す。図1及び図2にはXYZ直交座標系Sが示されている。図1は波長選択スイッチ1AをX方向から見た図であり、YZ面(第2の面)における波長選択スイッチ1Aの構成を示す図である。図2は波長選択スイッチ1AをY方向から見た図であり、XZ面(第1の面)における波長選択スイッチ1Aの構成を示す図である。
波長選択スイッチ1Aは、入出力部10Aと、空間光学系SOと、回折格子(波長分散素子)40と、光偏向素子60と、を含む。空間光学系SOは、アナモルフィック光学系30と、集光素子50と、を含む。空間光学系SOは、入出力部10Aと回折格子40と光偏向素子60とを、Z方向に沿った所定の軸線C上において、光学的に接続する。本実施形態では、Z軸は入出力部10Aから入力されるビームの進行方向に対応する方向であり、以降Z方向を光軸方向と称することがある。図1及び図2では光軸方向は一方向に描かれているが、例えば反射鏡等が配置されることにより、光軸方向は屈曲していてもよい。波長選択スイッチ1Aは、さらに光偏向素子60を制御する制御部60bを備えている。
入出力部10Aは、入力ポート11aと複数の出力ポート11bと、コリメータレンズ11dと、を含む。入力ポート11a及び出力ポート11bは、X軸方向(第1の方向)に沿って配置されている。入力ポート11a及び出力ポート11bは、例えば光ファイバといった光導波部材を含む。入力ポート11aから、複数の波長成分を含む波長多重信号L11が入力される。出力ポート11bのいずれかから、各波長成分が任意に選択して出力される。図1及び図2では、波長成分L12a〜12cが例示されている。各波長成分L12a〜12cはX方向に光路が変更されるから、出力ポートが配列するX方向はスイッチング方向として定義される。
コリメータレンズ11dは、入力ポート11a及び出力ポート11bと光学的に接続されている。コリメータレンズ11dは、入力ポート11aから入力されたビームL11をコリメートする。また、各ビームL12a〜12cを、各々に対応する出力ポート11bに向けて集光する。
アナモルフィック光学系30は、ビームL11の形状を、X方向及びZ方向と直交するY方向(第2の方向)に長軸を有する楕円に変換する。アナモルフィック光学系30は、例えばプリズム31a,31bを含む。
アナモルフィック光学系30は、ビームの形状をY方向に扁平な楕円形状に変換するものであれば良い。ビームをY方向に拡大するように構成しても良いし、X方向に縮小しても良い。このようなアナモルフィック光学系30は、一対のプリズムを含む光学系の他、X方向又はY方向に光パワーを有する光学部品(例えば、シリンドリカルレンズやシリンドリカルミラー)を、単独もしくは複数個組み合わせることによって構成してもよい。
回折格子40は、波長多重信号L11を、各波長成分L12a〜12cに分散する波長分散素子である。波長分散素子としては、例えば表面に回折格子が形成された板状部材である。各波長成分L12a〜L12cは、波長に応じてY方向の異なる方向に進む。Y方向は、分散方向として定義される。
集光素子50は、回折格子40と光偏向素子60とを光学的に接続する。集光素子50は、例えば集光レンズや凹面鏡である。集光素子50は、各波長成分L12a〜12cを、光偏向素子60の変調面60aに集光する。ビームL11がアナモルフィック光学系30においてY方向に所定倍率で拡大された場合には、集光素子50においては当該倍率でY方向に縮小される。また、ビームL11がアナモルフィック光学系30においてX方向に所定倍率で縮小された場合には、集光素子50においては当該倍率でX方向に拡大される。これにより、光偏向素子60において、X方向に長軸を有するビームを形成する。
光偏向素子60は、XY面(第3の面)に二次元配列された複数の光偏向要素素子60pを含む。図1に示されるように、波長成分L12a〜12cは、光偏向素子60におけるY方向の異なる領域に入射する。そして、図3に示すように、X方向に配列された複数の光偏向要素素子60pにより、各領域において、波長成分であるビームL12a〜12cを独立して位相変調する。光偏向素子60は、回折格子状の位相変調パターンPをスイッチング方向(X方向:第1の方向)に呈示することにより、ビームL12a〜12cの光路をX方向に偏向する。偏向角は、各ビームL12a〜12cが所望の出力ポート11bに入射するように設定される。
図3を参照して、本実施形態における光偏向素子60であるLCOSの構成を示す。光偏向素子60は、シリコン基板171と、シリコン基板171の主面上に設けられた複数の画素電極172とを有する。画素電極172は、XY面に二次元状に配列されている。シリコン基板171上には、液晶層173、透明電極174、及びカバーガラス175が順に配置されている。透明電極174と複数の画素電極172との間に形成される電界の大きさに応じて、液晶層173に入射した波長成分L12a〜12cの位相が変調される。画素電極172に異なる大きさの電界が形成されることにより、画素ごとに異なる位相変調量が付与され得る。すなわち、画素電極172、液晶層173、透明電極174は、光偏向要素素子60pとして機能する。光偏向要素素子60pのサイズ(X方向及びY方向の一辺の長さ)は、例えば20μm以下である。
変調面60aは、複数の光偏向要素素子60pを含む。グラフPは、変調面60aに回折格子状の位相変調パターンを呈示したときの各画素の位相変調量を概念的に示す。制御部60bは、この位相変調パターンを提示するために、各画素電極172に印加する電圧を制御する。そして、光偏向素子60によって偏向されるビームの偏向角γを制御する。
図4は、回折格子状の位相変調パターンが変調面60aに呈示されたときの、スイッチング方向における実質的な位相変化を示すグラフである。図3に示すように、変調面60aでは、0(rad)から2π(rad)にかけて位相変調量が階段的に増加し、2π(rad)に達すると、0(rad)に戻る。これにより、図4に示す階段状に単調増加する回折格子状の位相変調パターンが実質的に実現される。そして、ビームL12a〜12cを位相変調パターンに応じた偏向角γに偏向する。
制御部60bは、変調面60aに入射するビームの形状に対応するように、光偏向領域を電気的に制御する。制御部60bは、シリコン基板171を介して、複数の画素電極172に電気的にアクセス可能である。これにより、複数の画素電極172に印加する電圧を独立に設定することができ、それぞれの光偏向要素素子60pに異なる位相変調量を付与できる。
光偏向素子60に入射するビームの形状を、詳細に説明する。本実施形態で用いられるビームは、いわゆるガウシアンビームであり、ビーム中心からの距離に対する光強度の分布がガウス分布になっている。通常ガウシアンビームの直径は、ビームの強度がピーク値の1/e(13.5%)になる位置を外縁とすることが一般的である。そこで、本実施形態においてもビーム幅はこのような実際的な幅であるものとして説明する。なお、図5における光偏向要素素子60pの色の濃淡は、位相変調量が異なることを表している。
図5は、XY面(第3の面)内における光偏向素子60とビームBの形状との関係を説明するための図であり、2つの波長成分に対応するビームBの形状が例示されている。光偏向素子60に入射するビームBの形状は、X方向に長軸を有し、Y方向に短軸を有する楕円を歪ませた形状である。ビームBの長軸Gは、X方向を基準にして、Y方向に傾斜している。
長軸Gは、第1の長軸G1と第2の長軸G2とを含む。本実施形態では、第1の長軸G1と第2の長軸G2は、互いに連なっている。そして、ビームBの中心Oで、第1の長軸G1と第2の長軸G2と短軸Hが、互いに交わる。また、第1の長軸G1と第2の長軸G2は、X方向に対して、Y方向の同じ側に向かって傾斜している。すなわち、X方向に対するY方向への傾斜角の正負符号は互いに異なる。一方、X方向に対するY方向への傾斜角の絶対値は、実質的に等しい。
また、回折格子40は、XZ面において軸線Cに対して対称に配置されている。そのため、光軸の上方から入射するビームの成分と、下方から入射するビームの成分とで、光軸のZ方向(本実施形態では、回折格子40の法線に一致)に対する傾斜角の正負符号が互いに異なり、傾斜角の絶対値の分布が等しくなる。これにより、ビームBは中心Oを通りY方向に平行な直線に対して、対称な形状となる。
光偏向素子60は、X方向に配列された複数の光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向に所定数(本実施形態では4つ)配列されて構成された光偏向領域Rを含む。本実施形態では、Y方向に配列された2つの光偏向領域Rを例示する。光偏向領域Rは、波長成分のそれぞれを独立に位相変調することにより、所定の出力ポート11bに向けて偏向する。光偏向領域Rは、ビームBの形状に対応するように設けられている。
光偏向領域Rにおいては、図3、図4に示す位相変調パターンPを形成する複数の光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、X方向に沿って配列されている。そして、この位相変調パターンPを形成する光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向に複数配置されている。この場合、光偏向領域Rがブロック状となるので、光偏向素子60の制御が容易となる。本実施形態では、このようにX方向に位相変調パターンPを構成する複数の光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向にシフトして配置されることにより、光偏向領域RがビームBの形状に対応するように設けられる。また、光偏向領域Rにおいて、Y方向に隣接する光偏向要素素子60pは、位相変調量が実質的に等しい。
図6は、光偏向素子60とビームBの形状との関係の比較例を示す。ここでは、ビームBの形状は、長軸GがX方向に対して傾斜していない。光偏向領域Rは、位相変調パターンPを構成する光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向にシフトして配置されていない点において、図5に示す光偏向領域Rとは異なる。
図5に示すように、本実施形態ではビームBの長軸GがX方向に対して傾斜する。これにより、図6に示す比較例に比べて、長軸Gが長くなっている。即ち、本実施形態のビームBは、光偏向素子60上に大きな面積を有する。また、短軸Hの端をX方向に延長した領域から外側にはみ出している領域である、歪み部Dが形成される。
例えば、図6の比較例に示す光偏向領域Rが、24個の光偏向要素素子60pを含むのに対し、図5の本実施形態の光偏向領域Rでは、32個の光偏向要素素子60pを含む。すなわち、より多くの光偏向要素素子60pを用いてビームを偏向することができる。これにより、ビームを精度良く偏向できる。
また、第1の長軸G1と第2の長軸G2とがY方向の同じ側に傾斜している。このため、ビームBの形状に合わせて光偏向要素素子60pをより密に割り当てることができる。
なお、回折格子40は、XZ面内においてX方向に対して傾斜されていてもよい。すなわち、回折格子40はY軸周りに回転して配置されていてもよい。図7は、本発明の変形例を説明する図である。図8は、変形例にかかる光偏向素子60とビームBのXY面内における形状との関係を示す。
図8に示されるように、ビームBは、中心Oを通りY方向に平行な直線に対して、非対称な形状となる。そして、第1の長軸G1と第2の長軸G2とが、X方向に対してそれぞれが異なる角度で傾斜する。具体的には、第1の長軸G1のY軸方向へのシフト量S1は、第2の長軸G2のY軸方向へのシフト量S2より大きい。この場合、歪み部Dが大きくなるから、ビームBに割り当てられる光偏向要素素子60pを増やすことができる。
次に、図9を参照して、光偏向素子60上において長軸GがX方向に対して傾斜したビームが形成される原理について説明する。以下では、まず、ビームL11の光軸が、XZ面内において回折格子40に垂直である場合について説明する。
図9は、波動光学的に広がりのあるビームが回折格子に入射する様子を示す。図9(a)及び図9(c)は、XZ面における図であり、図9(b)はYZ面における図である。ビームL11のXZ面内における回折格子40への入射角φと、ビームL11のYZ面内における回折格子40への入射角をαと、ビームL11のYZ面内における回折格子40からの出射角βとの間には、下記式(1)の関係が規定されている。
mは回折格子40の回折次数であり、dは回折格子40の格子ピッチであり、λはビームL11に含まれる各波長成分の波長である。波動光学的に、回折格子40に入射するビームL11はXZ面内における入射角φの異なる成分、及び、YZ面内における入射角αの異なる成分を含む。例えば、図9(a)に示すように、入射角φは、ビームL11の両側の外郭Exに近い成分ほど大きくなり、中心に近い成分ほど小さくなるような分布を有する。また、図9(b)に示すように、入射角αも、ビームL1の両側の外郭Eyに近い成分ほど大きくなり、中心に近い成分ほど小さくなるような分布を有する。
この様子を図10に示す。XZ面における回折格子40への入射角φが大きくなるに従って、長軸GのY方向へのシフト量Sが徐々に大きくなる。これにより、ビームBの形状は、長軸GがX方向を基準にY方向へ傾斜した形状となる。
つまり、式(1)によれば、回折格子40から出射されるビームL11は、入射角φ,αの分布に応じて、出射角βが異なる無数の成分を含む。そのため、図5に示されるように、光偏向素子60に入射するビームBの形状は、XY面内においてv字状に歪んだ形状となる。すなわち、ビームBの形状は、長軸GがX軸方向を基準にY軸方向へ傾斜した形状となる。
また、回折格子40に入射するビームL11の径が大きくなるほど、ビームL11に含まれる角度成分の絶対値は小さくなる。従ってYZ面に長軸を有するビームL11を回折格子40に入射すると、光偏向素子60に入射するビームBの歪み量Dが大きくなる。ビームBの短軸Hの長さに対する長軸Gの長さの比(アスペクト比)は10以上であることが好ましく、30以上であることがさらに好ましい。
さらに、図9(c)に示されるように、回折格子40がXZ面内においてX方向に対して傾斜している場合には、回折格子40に入射するビームL11の光軸Axが、回折格子40の法線Iに対してX軸方向に傾斜する。このため、回折格子40へ入射するビームのXZ面内における入射角φの分布は、軸線Cの上側から入射する場合と下側から入射する場合とを比べると、一様ではなくなる(対称では無くなる)。具体的には、回折格子に入射するビームの光軸は、回折格子40の法線Iに対する傾斜角の正負符号が互いに異なり、傾斜角の絶対値の分布が異なる。
例えば、ビームL11の一方の外郭E1xに近い成分において入射角φが大きくなり、他方の外郭E2xに近い成分ほど入射角φが小さくなる。このため、図8に示されるように、ビームBの形状は、XY面内において、全体としてX方向からY方向に向けて傾斜する。
ビームBのX方向における一方の端点P1と他方の端点P2とを結ぶ直線Lの、X方向に対する傾斜角をψとすると、傾斜角ψは0°よりも大きく、且つ、5°以下の範囲とすることができる。傾斜角ψは0°よりも大きく、且つ、3°以下の範囲としてもよい。
この場合には、式(1)に従って、回折格子40の法線I(軸線C)に対して上側から入射するビームの成分と、下側から入射するビームの成分とで、YZ面における出射角βの分布が異なる。具体的には、上側から入射するビームは、下側から入射するビームに比べて、入射角φが小さくなり、YZ面における出射角βが大きくなる。
以上のように、光偏向素子60に入射するビームBの形状が全体として傾斜している。このため、光偏向要素素子60pを単純にX方向及びY方向に沿った長方形状に配列しても、ビームBの端点P1、P2近傍の部分に、光偏向要素素子60pが割り当てられない場合がある。その場合には、出力される波長成分の帯域幅が狭くなってしまう。
本実施形態では、ビームBの形状の傾斜に対応するように、光偏向領域RをX方向に対してY方向にシフトしながら配列している。このため、ビームBに対して、光偏向要素素子60pが割り当てられない部分が生じることが抑制され、出力される波長成分の帯域幅が狭くなることが抑制される。
(第二実施形態)
図11,12は、本実施形態に係る波長選択スイッチの構成を示す模式図である。なお、以下の図面には、直交座標系Sを示す場合がある。図1は、X方向(第1の方向)とZ方向(第3の方向)とによって張られるXZ面(第1の面)における波長選択スイッチの模式的な構成を示す図である。図2は、Y方向(第2の方向)とZ方向とによって張られるYZ面(第2の面)における波長選択スイッチの模式的な構成を示す図である。
図11及び図12に示されるように、波長選択スイッチ1Bは、入出力部10B、空間光学系SO、回折格子(波長分散素子)40、及び、光偏向素子60を備えている。空間光学系SOは、リレー光学系(第1の光学系、第2の光学系)20、アナモルフィック光学系30、及び、集光素子50を含む。入出力部10B、リレー光学系20、アナモルフィック光学系30、回折格子40、集光素子50、及び光偏向素子60は、Z方向に沿った所定の軸線C上にこの順に配列されている。空間光学系SOは、入出力部10Bと回折格子40と光偏向素子60とを、所定の軸線C上において光学的に接続する。なお、図11及び図12においては、軸線Cが一直線状に描かれているが、例えば反射鏡等が途中に配置されることにより、軸線Cが屈曲していてもよい。
図13は、Z方向からみた入出力部の構成を示す。また、図14は、Y方向からみた入出力部の構成を示す。図13及び図14に示されるように、入出力部10Bは、第1の部分10aと第2の部分10bとを有している。第1の部分10aと第2の部分10bとは、X方向に並んで配置されている。入出力部10Bは、X方向に配列された入力ポート及び出力ポートを含む。入力ポートは第1の入力ポート11aと第2の入力ポート12aとを含む。出力ポートは、第1の出力ポート11bと第2の出力ポート12bとを含む。
第1の部分10aは、3個以上の第1の入出力ポート11を含む。第1の入出力ポート11はX方向に配列されている。第1の入出力ポート11は、1つ又は複数の第1の入力ポート11aと、1つ又は複数の第1の出力ポート11bを含む。図13及び図14には、1つの第1の入力ポート11aと、複数の第1の出力ポート11bとが例示されている。第1の入力ポート11aは、波長多重光L11を入力する。第1の出力ポート11bは、光偏向素子60によって偏向された波長成分L12を出力する。
図14に示されるように、第1の入力ポート11aは、軸線Cに対してX方向に傾斜した第1の光軸に沿って、ビームL11を入力する。また、第1の出力ポート11bは、第1の光軸に沿って第1の出力ポート11bに入射したビームL12を出力する。軸線Cを基準とする第1の光軸の傾斜角θ1は、軸線Cを0°としたとき、0°よりも大きく、且つ5°以下としてもよい。また、0°よりも大きく、且つ3°以下としてもよい。
第2の部分10bは、3個以上の第2の入出力ポート12を含む。第2の入出力ポート12はX方向に配列されている。第2の入出力ポート12は、1つ又は複数の第2の入力ポート12aと、1つ又は複数の第2の出力ポート12bとを含む。図13及び図14には、1つの第2の入力ポート12aと、複数の第2の出力ポート12bと、が例示されている。第2の入力ポート12aは、波長多重光L21を入力する。第2の出力ポート12bは、光偏向素子60によって偏向された波長成分L22を出力する。
図14に示されるように、第2の入力ポート12aは、軸線Cに対してX方向に傾斜した第2の光軸に沿って、ビームL21を入力する。また、第2の出力ポート12bは、第2の光軸に沿って第2の出力ポート12bに入射したビームL22を出力する。軸線Cを基準とする第2の光軸の傾斜角は、第1の光軸の傾斜角θ1とは異なっており、例えば−θ1である。
このように、入出力部10Bは、少なくとも入出力部10Bにおいて第1の光軸を有するビーム(第1のビーム)L11,L12、および、第2の光軸を有するビーム(第2のビーム)L21,L22を、入射及び出射するように構成されている。
第1の入力ポート11a及び第1の出力ポート11bは、光ファイバ11c及び集光素子(集光レンズ)11dを含んで構成されている。各集光素子11dは、各光ファイバ11cに対して1対1で設けられ、対応する光ファイバ11cの端面に光学的に結合されている。同様に、第2の入力ポート12a及び第2の出力ポート12bは、光ファイバ12c及び集光素子(集光レンズ)12dを含んで構成されている。各集光素子12dは、各光ファイバ12cに対して1対1で設けられ、対応する光ファイバ12cの端面に光学的に結合されている。
図14に示されるように、各光ファイバ11cの光軸と、各光ファイバ11cそれぞれに対応する各集光素子11dの光軸とは、X方向にオフセットしている。より具体的には、集光素子11dの光軸は、光ファイバ11cの光軸に対して上方に△d(>0)だけオフセットしている。そのオフセット量△dは、第1の入力ポート11a及び第1の出力ポート11bにおいて互いに等しい。これによって、第1のビームL11,L12に第1の光軸に対応する正の傾斜角θ1が付与されている。3個以上の光ファイバ11cは間隔dをあけて、互いに等間隔に配置されている。また、光ファイバ11cに対応する3個以上の集光素子11dもまた、間隔dをあけて、互いに等間隔に配置されている。
各光ファイバ12cの光軸と、各光ファイバ12cそれぞれに対応する各集光素子12dの光軸も、X方向にオフセットしている。より具体的には、集光素子12dの光軸は、光ファイバ12cの光軸に対して下方に−△dだけオフセットしている。すなわち、オフセットする方向は、光ファイバ11cの光軸と集光素子11dの光軸がオフセットする方向とは異なっている。また、そのオフセット量−△dは、第2の入力ポート12a及び第2の出力ポート12bにおいて互いに等しい。これによって、第2のビームL21,L22に第2の光軸に対応する負の傾斜角−θ1が付与されている。3個以上の光ファイバ12cは間隔dをあけて、互いに等間隔に配置されている。また、光ファイバ12cに対応する3個以上の集光素子12dもまた、間隔dをあけて、互いに等間隔に配置されている。
入出力部10は、第1の入出力ポート11及び第2の入出力ポート12とは別に、調芯用ポート13をさらに有している。調芯用ポート13は、軸線Cに沿った光軸を有する調芯用のビームL3を入射及び出射する。この調芯用ポート13もまた、光ファイバ13cと、光ファイバ13cの端面に光結合された集光素子13dと、を含んでいる。ただし、光ファイバ13cの光軸と集光素子13dの光軸とは、互いに一致している。したがって、ビームL3は、軸線Cに沿って伝搬する。
図13及び図14に示されるように、調芯用ポート13は、第1の部分10a及び第2の部分10bに対して共通に設けられてもよい。また、第1の部分10a及び第2の部分10bのそれぞれに少なくとも1つずつ設けられていてもよい。ここでは、第1の部分10aと第2の部分10bとの間に1つの調芯用ポート13が配置されている。
互いに隣接する光ファイバ11c、12c、13cは、間隔dをあけて配置されている。一方、互いに隣接する集光素子11d、12d、13dは、間隔d+△dをあけて配置されている。これによって、光ファイバ11cの光軸と集光素子11dの光軸とのオフセット量△d、及び、光ファイバ12cの光軸と集光素子12dの光軸とのオフセット量−△dが実現されている。換言すれば、光ファイバ11c,12c,13cが等ピッチで配列され、集光素子11d,12d,13dが不等ピッチで配列されている。そして、集光素子11dが、光ファイバ11cに対してX方向の正側にずれており、集光素子12dが、光ファイバ12cに対してX方向の負側にずれている。
図11及び図12に示されるように、リレー光学系20は、レンズ21a,21bを含む。リレー光学系20は、第1の入出力ポート11及び第2の入出力ポート12に対して共通に設けられ、第1のビームL11,L12及び第2のビームL21,L22に対して共通に設けられている。レンズ21aは、例えば、XZ面内及びYZ面内において光パワーを有する凸状の球面レンズである。レンズ21aは、レンズ21bよりも前側(軸線C上における入出力部10B側)に配置されている。なお、レンズ21a,21bは、透過型のものに限られず、ミラーのような反射型のものであってもよい。
レンズ21aの前側焦点は、集光素子11d〜13dの後側焦点と実質的に一致する。つまり、レンズ21aは、集光素子11d〜13dの焦点距離f1及びレンズ21aの焦点距離f2の分だけ集光素子11d〜13dから離れた位置に配置されている。なお、本実施形態における「前側」及び「後側」は、それぞれ、軸線C方向における「入出力部10B側」及び「光偏向素子60側」を意味する。
XZ面内及びYZ面内において、レンズ21aは、入射するビームL11,L21のビームウエスト位置におけるビームサイズと比較して、出射するビームL11,L21のビームウエスト位置におけるビームサイズを、相対的に大きくするようにしてもよい。このようにすると、第1の入出力ポート11及び第2の入出力ポート12におけるロスの増加を抑制することができる。以下、「ビームサイズ」は、ビームウエスト位置におけるビームのサイズを示すものとする。
レンズ21bは、少なくともXZ面内において光パワーを有する。本実施形態においては、レンズ21bはシリンドリカルレンズであり、XZ面内のみに光パワーを有する。レンズ21bを通過したビームL11,L21は、YZ面内におけるビームサイズに対して、XZ面内におけるビームサイズが相対的に小さくなる(すなわち、YZ面内に相対的に拡大される)。
レンズ21bの前側焦点は、レンズ21aの後側焦点と実質的に一致する。また、レンズ21bの後側焦点が集光素子50の前側焦点と実質的に一致する。つまり、レンズ21bは、レンズ21aの焦点距離f2及びレンズ21bの焦点距離f3の分だけレンズ21aから離れた位置に配置されている。また、レンズ21bは、レンズ21bの焦点距離f3及び集光素子50の焦点距離f4の分だけ集光素子50から離れた位置に配置されている。
アナモルフィック光学系30は、リレー光学系20の前側または後側に配置されている。アナモルフィック光学系30は、第1の入出力ポート11及び第2の入出力ポート12に対して共通に設けられており、第1のビームL11,L12及び第2のビームL21,L22に対して共通に設けられている。本実施形態では、アナモルフィック光学系30は、第1のビームL11及び第2のビームL21の形状を変換する。より具体的には、アナモルフィック光学系30は、XZ面内におけるビームL11,L21のビームサイズよりも、YZ面内におけるビームL11,L21のビームサイズが相対的に大きくなるようにビームL11,L21の形状を変換する。一例として、アナモルフィック光学系30は、ビームL11,L21のサイズをYZ面内に拡大する。このようなアナモルフィック光学系30は、一対のプリズム31a,31bを含む。
アナモルフィック光学系30から出射されるビームL11,L21のXY面内におけるアスペクト比は、10以上である。或いは、アスペクト比は40以上である。なお、アスペクト比は、YZ面内におけるビームL11,L21のビームサイズをXZ面内におけるビームL11,L21のビームサイズで除した値である。
回折格子40は、第1の入出力ポート11及び第2の入出力ポート12に対して共通に設けられており、第1のビームL11,L12及び第2のビームL21,L22に対して共通に設けられている。回折格子40は、第1のビームL11,L12及び第2のビームL21,L22の光軸を、Y方向に波長に応じた角度で変化させる。つまり、回折格子40は、波長多重光L11,L21をYZ面内において波長成分に分散する。図11及び図12においては、複数の波長成分のうちのある波長成分L12,L22のみを代表して図示する。
XZ面内において、回折格子40に入射するビームL11,L21の光軸は、回折格子40の法線に対して傾斜している。本実施形態では、第1のビームL11の光軸の回折格子40の法線に対する傾斜角の正負符号と、第2のビームL21の光軸の回折格子40の法線に対する傾斜角の正負符号とは、互いに異なる。一方、傾斜角の絶対値が互いに等しい。ビームL11、L21の傾斜角の絶対値は、0°よりも大きく、且つ、5°以下であってもよい。また、0°よりも大きく、且つ、3°以下であってもよい。
集光素子50は、回折格子40から出射された各波長成分L12,L22を集光する。アナモルフィック光学系30においてY方向に所定倍率で拡大されたビームは、当該倍率でY方向に縮小して集光される。つまり、集光素子50は、XZ面内におけるビームL12,L22のビームサイズよりも、YZ面内におけるビームL12,L22のビームサイズが相対的に小さくなるようにビームを集光する。集光素子50は、例えば凸状の球面レンズであり、XZ面内及びYZ面内において光パワーを有する。
光偏向素子60は、ビームL12、L22を、所定の第1の出力ポート11b、第2の出力ポート12bに向けて偏向するそのために、光偏向素子60は、複数の光偏向要素素子を含む。光偏向素子60の構成及び機能は、第1実施形態と同様である。
図15は、Z方向からみた光偏向素子60の一例を示す。光偏向素子60は、X方向に並ぶ第1の光偏向部61及び第2の光偏向部62を有している。
第1の光偏向部61は、複数の第1の光偏向領域R1を含んでいる。そして、各第1の光偏向領域R1は、複数の第1のサブ光偏向領域61aを含む。第1のサブ光偏向領域61aは、XY面内に二次元状に配列された光偏向要素素子60pを含む。第1の光偏向部61は、各波長成分を対応する第1の光偏向領域R1において受け、複数の第1のサブ光偏向領域61aにより第1の出力ポート11bへ偏向する。図15では、1つの波長成分に対して、10個の第1のサブ光偏向領域61aが割り当てられる。
第2の光偏向部62は、複数の第2の光偏向領域R2を含んでいる。そして、各第2の光偏向領域R2は、複数の第2のサブ光偏向領域62aを含む。第2のサブ光偏向領域62aも、XY面内に二次元状に配列された光偏向要素素子60pを含む。そして、第2の光偏向部62は、各波長成分を対応する第2の光偏向領域R2において受け、複数の第2のサブ光偏向領域62aにより第2の出力ポート12bへ向ける。図15では、1つの波長成分に対して、10個の第2のサブ光偏向領域62aが割り当てられる。
第1の光偏向領域R1及び第2の光偏向領域R2において、図3及び図4に示す位相変調パターンPを形成する複数の光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、X方向に沿って配列されている。そして、この位相変調パターンPを形成する光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向に複数配置されている。この場合、第1のサブ光偏向領域61a及び第2のサブ光偏向領域62aがブロック状となるので、光偏向素子60の制御が容易となる。本実施形態では、位相変調パターンPを構成する光偏向要素素子60p(ピクセル列PL)が、Y方向にシフトして配置されることにより、第1の光偏向領域R1および第2の光偏向領域R2が、ビームBの形状に対応するように設けられる。また、第1のサブ光偏向領域61a及び第2のサブ光偏向領域62aにおいて、Y方向に隣接する光偏向要素素子60pは、位相変調量が実質的に等しい。図15における光偏向要素素子60pの色の濃淡は、位相変調量の大小を示している。
本実施形態では、光偏向素子60に、歪んだ形状のビームB(例えばビームL12,L22)が入射する。図15は、光偏向素子60の変調面60aとビームBのXY面内における形状との関係を示し、3つの波長成分に対応するビームBが例示されている。ビームBの長軸Gは、X方向を基準にして、Y方向に傾斜している。
長軸Gは、互いに連なる第1の長軸G1と第2の長軸G2とを含む。第1の長軸G1と第2の長軸G2は、X方向に対して、Y方向の逆側に向かって傾斜している。すなわち、X方向に対するY方向への傾斜角の正負符号が等しい。また、X方向に対するY方向への傾斜角の絶対値が異なる。
回折格子40は、XZ面内において軸線C(本実施形態では、回折格子40の法線に一致)に対して対称に配置されている。そのため、軸線Cの上方から入射するビームの成分と、下方から入射するビームの成分とで、軸線Cに対する傾斜角の正負符号が互いに異なり、傾斜角の絶対値の分布が等しくなる。これにより、第1の光偏向部61と、第2の光偏向部62に入射するビームBの形状は、Y軸に対して対称となる。
歪んだ形状のビームBが光偏向素子60に入射する原理は、第一実施形態と同様である。本実施形態においては、図9(c)に示されるように、回折格子40に入射するビームL11の光軸Axが、回折格子40の法線Iに対してX方向に傾斜している。このため、実際に回折格子40に入射するビームL11のXZ面内における入射角φは、ビームL11の一方の外郭E1xに近い成分ほど大きくなり、ビームL11の他方の外郭E2xに近い成分ほど小さくなる。つまり、XZ面におけるビームL11の入射角φの分布は、ビームL11の光軸Axに対して対称でない。このため、図8に示されるように、回折格子40から出射されて光偏向素子60に入射したビームB(例えばビームL12)の形状は、XY面内において、前述したようなv形状の歪みに加え、全体としてX方向からY方向に向けて傾斜している。
このため、光偏向要素素子60pをX方向及びY方向に沿った長方形状に配列して、単一の光偏向領域を構成すると、ビームBの端点が光偏向領域からはみ出す場合がある。その場合には、出力されるビームの帯域幅が狭くなってしまう。
本実施形態においては、ビームBに対して、複数の第1のサブ光偏向領域61aを割り当てる。そして、第1のサブ光偏向領域61aを、ビームBの傾斜に対応するように一定の方向(ここではY方向)にシフトしながら配列している。このため、ビームBに対して、光偏向要素素子60pが割り当てられない部分が生じることが抑制され、出力されるビームの帯域幅が狭くなることが抑制される。図16は、本実施形態の波長選択スイッチにおける出力ビームのスペクトル(実線)と、比較例の出力光のスペクトル(破線)とを示すグラフである。本実施形態では、トップの平坦な領域が拡大され、帯域幅が拡大されている。
本実施形態においては、図8に示されるように、ビームBの歪みと傾斜に対応するように、第1のサブ光偏向領域61aのシフト量に規則を持たせている。ビームBの一方の端点P1から他方の端点P2に向かうほど、第1のサブ光偏向領域61aのY方向へのシフト量が増すように、光偏向素子60が制御される。具体的には、端点P1側から4つの第1のサブ光偏向領域61aにおいては、X方向について6画素ごとに(つまり2つの第1のサブ光偏向領域61aごとに)Y方向に1画素分シフトするようにしている。
また、当該4つの第1のサブ光偏向領域61aから、さらに端点P2側の4つの第1のサブ光偏向領域61aにおいては、X方向について3画素ごとに(つまり1つの第1のサブ光偏向領域61aごとに)Y方向に1画素分シフトしている。そして、端点P2側から2つの第1のサブ光偏向領域61aにおいては、X方向について3画素ごとに(つまり1つの第1のサブ光偏向領域61aごとに)Y方向に2画素分シフトしている。
図11及び図12を参照し、ビームL11,L21のビームウエスト位置の調整について説明する。なお、レンズに入射するビームのウエスト位置を「前側ウエスト位置」と称し、レンズから出射したビームのウエスト位置を「後側ウエスト位置」と称する場合がある。
本実施形態では、XZ面内及びYZ面内におけるビームウエスト位置を独立して調整する。
XZ面内においては、リレー光学系20のレンズ21aの前側焦点が、集光素子11d〜13dの後側焦点と実質的に一致する。従って、レンズ21aの前側ウエスト位置がレンズ21aの前側焦点に実質的に一致する。このため、レンズ21aの後側ウエスト位置は、レンズ21aの後側焦点に実質的に一致している。
XZ面内においては、レンズ21aの後側焦点はレンズ21bの前側焦点に実質的に一致している。このため、レンズ21bの前側ウエスト位置はレンズ21bの前側焦点に実質的に一致し、レンズ21bの後側ウエスト位置は、レンズ21bの後側焦点に実質的に一致する。
回折格子40は、レンズ21bの後側焦点に配置されている。すなわち、回折格子40は、レンズ21bの後側ウエスト位置に配置される。このように、リレー光学系20は、ビームL11,21のXZ面内におけるウエスト位置を回折格子40の位置に合わせる第1の光学系として機能する。
YZ面内においても、レンズ21aの前側ウエスト位置がレンズ21aの前側焦点に実質的に一致し、レンズ21aの後側ウエスト位置Pyがレンズ21aの後側焦点に実質的に一致する。レンズ21bは、YZ面内において光パワーを有していない。このため、図12に示されるように、回折格子40に入射するビームL11,L21のYZ面内におけるウエスト位置は、回折格子40の位置と実質的に一致していない。つまり、リレー光学系20は、ビームL11,21のYZ面内におけるウエスト位置を回折格子40の位置からずらす第2の光学系として機能する。
ビームL11,L21は、XZ面内ではビームウエスト位置において回折格子40に入射する。一方、YZ面内ではビームウエスト位置において回折格子40に入射しない。このため、回折格子40へ入射するビームL11,21のXZ面内における入射角φの分布に対して、YZ面内における入射角αの分布が、相対的に小さくなる。その結果、入射角αの分布が、回折格子40から出射するビームL12,22のYZ面内における出射角βに与える影響を、相対的に小さくすることができる。
リレー光学系20から出射されたビームL11,21は、アナモルフィック光学系30によってYZ面内に拡大された後に回折格子40に入射する。このため、回折格子40に入射するビームL11,L21の実質的なビームウエスト位置は、レンズ21aの後側ウエスト位置Pyよりもさらに前側の位置PPとなる。つまり、アナモルフィック光学系30は、回折格子40に入射するビームL11,L21のYZ面内におけるビームウエスト位置から回折格子40までの距離を拡大する光学系として機能する。
これにより、回折格子40に入射するビームL11,L21は、YZ面内においてはビームウエストから十分に離れる。このため、入射角αの分布が小さくなる。その結果、YZ面内における回折格子40からの出射角βに対して、入射角αが与える影響を小さくすることができる。
本発明に係る波長選択スイッチは、上述した実施形態に限定されず、各請求項の要旨を変更しない範囲において変形することができる。
例えば、図17に示される波長選択スイッチ1Cは、入出力部10Cを備える。また、空間光学系SOがλ/2波長板70をさらに有する。図17においては、空間光学系SOのアナモルフィック光学系30が省略されている。
入出力部10Cは、偏波分離素子15を有する。また、入出力部10Cは第1の入出力ポート11を備え、第1の入出力ポート11は第1の入力ポート11a及び第1の出力ポート11bを含む。光ファイバ11cの光軸と集光素子11dの光軸とは、互いに一致している。したがって、第1の入力ポート11aは、軸線Cに沿ってビームを入力する。また、第1の出力ポート11bは、軸線Cに沿って第1の出力ポート11bに入射したビームを出力する。
偏波分離素子15は、第1の入出力ポート11に光学的に接続されている。偏波分離素子15は、第1の入力ポート11aから入力されたビームを、X方向に沿って、互いに異なる偏波(水平偏波及び垂直偏波)を有する2つの偏波成分L11,L21に分離する。偏波成分L11,L21の光軸は、軸線Cに対してX方向に、互いに異なる角度で傾斜する。偏波分離素子15は、複数のウェッジ状の複屈折結晶を組み合わせることによって構成することができる。そして、そのウェッジの角度に応じて偏波成分L11,L21が互いに異なる角度で分離して出力される。
このように、入出力部10Cは、軸線Cに対してX方向に傾斜した第1の光軸を有するビーム(第1のビーム)L11,L12を、入射及び出射する。また、入出力部10Cは、軸線Cに対してX方向に傾斜した第2の光軸を有するビーム(第2のビーム)L21,L22を、入射及び出射する。そして、軸線Cを基準とする第1の光軸の傾斜角と第2の光軸の傾斜角とは、互いに異なっている。
偏波成分L11,L21は、リレー光学系20に入射する。偏波成分L11,L21のうちの一方の光路上には、λ/2波長板70が配置されている。一例として、λ/2波長板70は、レンズ21aとレンズ21bとの間に配置され、レンズ21aの後側焦点に配置されている。これにより、λ/2波長板70を小型化できる。
回折格子40やLCOSである光偏向素子60は偏波依存性を有し、入射するビームの偏波状態により光損失(偏波依存損失(Polarization Dependent Loss:PDL))が発生する。しかし、本実施形態では、入出力部10Cと、λ/2波長板70を含む空間光学系SOと、を備えることにより、偏波成分L11,L21の偏波状態が同じにされる。偏波状態が同じ偏波成分L11,L21及び偏波成分L12,L22を、それぞれ、回折格子40及び光偏向素子60に入射させることができる。これにより、PDLの発生を防止することができる。
回折格子40に入射する波長成分L11の光軸及び波長成分L21の光軸は、XZ面内において、回折格子40の法線に対して傾斜する。そして、各波長成分L12,L22が回折格子40から出射される。波長成分L12,L22は、集光素子50を介して光偏向素子60に入射する。各波長成分L12,L22が入射する位置は、X方向において互いに異なる。光偏向素子60は、波長成分L12を第1の出力ポート11bに向けて偏向する第1の光偏向部61と、波長成分L22を第1の出力ポート11bに向けて偏向する第2の光偏向部62と、を含む。第1の光偏向部61は、複数の第1のサブ光偏向領域61aを含む。第2の光偏向部62は、複数の第2のサブ光偏向領域62aを含む。
波長選択スイッチ1Cにおいても、互いに異なる角度で回折格子40に入射して分光されたビームL12,L22が光偏向素子60に入射する。従って、光偏向素子60に入射するビームL12,L22の形状はX方向を基準としてY方向に傾斜する。したがって、光偏向素子60に入射するビームの形状に対応して光偏向領域を制御することによって、出力される光の帯域幅が狭くなることが抑制される。
1A,1B,1C…波長選択スイッチ、10A,10B,10C…入出力部、11…第1の入出力ポート、11a…入力ポート、11b…出力ポート、12…第2の入出力ポート、12a…第2の入力ポート、12b…第2の出力ポート、15…偏波分離素子、20…リレー光学系(第1の光学系、第2の光学系)、30…アナモルフィック光学系、40…回折格子(波長分散素子)、50…集光素子、60…光偏向素子、60p…光偏向要素素子、61…第1の光偏向部、62…第2の光偏向部、D…歪み部、G…長軸、G1…第1の長軸、G2…第2の長軸、H…短軸、P…位相変調パターン、R…光偏向領域、SO…空間光学系。

Claims (20)

  1. ビームを入力するための入力ポートと、前記ビームを出力するための出力ポートと、が第1の方向に配列された入出力部と、
    前記入力ポートから入力された前記ビームを、波長成分ごとに前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って分光する波長分散素子と、
    前記波長成分を所定の前記出力ポートに導くように、前記波長成分を前記第1の方向に偏向する光偏向素子と、
    前記入出力部と前記波長分散素子と前記光偏向素子とを、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に沿った所定の軸線上において光学的に接続する空間光学系と、
    を備え、
    前記空間光学系は、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状を、前記第1の方向と前記第3の方向とを含む第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の方向と前記第3の方向を含む第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように、且つ、前記第1の方向及び前記第2の方向によって張られる第3の面内において長軸と短軸とを有するように変換し、
    前記長軸は、前記第1の方向に対して傾斜しており、
    前記光偏向素子は、
    前記第3の面内に配列された複数の光偏向要素素子と、
    前記第1の方向に配列された複数の前記光偏向要素素子が前記第2の方向に所定数配列されて構成された光偏向領域と、
    を含み、
    前記光偏向領域は、前記波長成分のそれぞれを独立に位相変調することにより、前記波長成分のそれぞれを所定の前記出力ポートに向けて偏向し、
    前記光偏向領域は、前記ビームの形状に対応するように設けられている、
    波長選択スイッチ。
  2. 前記光偏向領域は、所定の位相変調パターンを形成する前記第1の方向に配列された複数の前記光偏向要素素子が、前記第2の方向に複数配置されて構成され、
    前記光偏向領域は、前記所定の位相変調パターンを構成する前記光偏向要素素子が、前記第2の方向にシフトして配置されることにより、前記ビームの形状に対応するように設けられる、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  3. 前記光偏向領域において、前記第2の方向に隣接する前記光偏向要素素子の位相変調量は、実質的に等しい、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  4. 前記長軸は、互いに異なる角度で前記第1の方向に対して傾斜する第1の長軸と第2の長軸とを含む、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  5. 前記第1の長軸と前記第2の長軸は、前記第1の方向を基準にして、前記第2の方向の同じ側に傾斜している、
    請求項4に記載の波長選択スイッチ。
  6. 前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状は歪み部を含み、
    前記歪み部は、前記短軸の端を前記第1の方向に延長した領域から外側にはみ出している領域である、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  7. 前記波長分散素子に入射するビームの光軸は、前記第1の面内において前記波長分散素子の法線に対して傾斜している、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  8. 前記入出力部は、第1の光軸を有する第1のビームと第2の光軸を有する第2のビームとを、入射及び出射するように構成されており、
    前記第1の光軸および前記第2の光軸は、前記第3の方向に対して、互いに異なる角度で前記第1の方向に傾斜しており、
    前記波長分散素子は、前記第1のビーム及び前記第2のビームに共通に設けられており、
    前記光偏向素子は、第1の光偏向部と第2の光偏向部とを含み、
    前記第1の光偏向部は、複数の前記光偏向領域を含み、前記第1のビームを前記出力ポートに向けて偏向し、
    前記第2の光偏向部は、複数の前記光偏向領域を含み、前記第2のビームを前記出力ポートに向けて偏向する、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  9. 前記入出力部は、
    前記第1のビームを入射する第1の入力ポートと、前記第1のビームを出射する第1の出力ポートと、を含む第1の入出力ポートと、
    前記第2のビームを入射する第2の入力ポートと、前記第2のビームを出射する第2の出力ポートと、を含む第2の入出力ポートと、
    を有し、
    前記第1の光偏向部は、前記第1のビームを前記第1の出力ポートに向けて偏向し、
    前記第2の光偏向部は、前記第2のビームを前記第2の出力ポートに向けて偏向する、
    請求項8に記載の波長選択スイッチ。
  10. 前記入出力部は、前記入力ポートから入力された前記ビームを受け、互いに異なる偏波成分である前記第1のビームと前記第2のビームとに分離して出射する偏波分離素子を有する、
    請求項8に記載の波長選択スイッチ。
  11. 前記第1の光偏向部と前記第2の光偏向部とは、互いに同一の波長成分であり、かつ、互いに異なる偏波成分である前記第1のビームと前記第2のビームとを、共通の前記出力ポートに向けて偏向する、
    請求項10に記載の波長選択スイッチ。
  12. 前記第1の光軸の前記波長分散素子の法線に対する傾斜角の正負符号と、
    前記第2の光軸の前記波長分散素子の法線に対する傾斜角の正負符号とは、
    互いに異なる、
    請求項8に記載の波長選択スイッチ。
  13. 前記第1の光軸の前記法線に対する傾斜角の絶対値と、
    前記第2の光軸の前記法線に対する傾斜角の絶対値とは、
    実質的に等しい、
    請求項12に記載の波長選択スイッチ。
  14. 前記空間光学系は、
    前記入力ポートから入力された前記ビームの形状を変換するアナモルフィック光学系と、
    前記波長成分を前記光偏向素子に集光する集光素子と、
    を有し、
    前記アナモルフィック光学系は、前記ビームの形状を、前記第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の面内に延びるサイズが相対的に大きくなるように変換し、
    前記集光素子は、前記光偏向素子に入射するビームの形状を、前記第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように変換する、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  15. 前記長軸の傾斜角の絶対値は、0°よりも大きく、且つ、5°以下である、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  16. 前記波長分散素子に入射するビームの前記第3の面内におけるアスペクト比は、10以上である、
    請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  17. 前記アスペクト比は、40以上である、請求項16に記載の波長選択スイッチ。
  18. 前記波長分散素子に入射する前記ビームの前記第1の面内におけるビームウエスト位置を、前記第3の方向における前記波長分散素子の設置位置に合わせる第1の光学系と、
    前記波長分散素子に入射するビームの前記第2の面内におけるビームウエスト位置を、前記第3の方向における前記波長分散素子の設置位置からずらす第2の光学系と、
    をさらに備える請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  19. ビームを入力するための入力ポートと、ビームを出力するための出力ポートと、が第1の方向に配列された入出力部と、
    前記入力ポートから入力されたビームを、波長成分ごとに前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って分光する波長分散素子と、
    前記波長成分を所定の前記出力ポートに導くように、前記波長成分を前記第1の方向に偏向する光偏向素子と、
    前記入出力部と前記波長分散素子と前記光偏向素子とを、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に沿った所定の軸線上において光学的に接続する空間光学系と、
    を備え、
    前記空間光学系は、前記光偏向素子に入射する前記ビームの形状を、前記第1の方向と前記第3の方向を含む第1の面内に延びるサイズよりも前記第2の方向と前記第3の方向を含む第2の面内に延びるサイズが相対的に小さくなるように、かつ、前記第1の方向及び前記第2の方向によって張られる第3の面内において長軸と短軸を有するように変換し、
    前記長軸は前記第1の方向に対して傾斜している、
    波長選択スイッチ。
  20. 前記長軸は、互いに異なる角度で前記第1の方向に対して傾斜する第1の長軸と第2の長軸とを含む、
    請求項19に記載の波長選択スイッチ。
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