JP2015211992A - シート材の切断装置、切断刃および切断方法 - Google Patents

シート材の切断装置、切断刃および切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シート材切断装置において、切断の際に抜きカスを切断刃に残すことなく切断することを可能とする。【解決手段】シート材2から切断刃11の両側の面11A、11Bに対して反力f’が作用下状態において、刃11が下方に切り込まれると、構造物12がシート材2に当接してシート材2に下向きに力Fを作用する。これにより、シート材2と切断刃11との間に隙間200が生じ、刃11の片方の面11Bに作用する反力f’が無くなる。この結果、その後さらに切り込んだ際、隙間200が生じている側のシート材2は切り込みとともに分離することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、シート材の切断装置、切断刃および切断方法に関し、詳しくは、切断時の抜きカスを除去する技術に関するものである。
シート切断加工の一例である打ち抜き加工では、シート材を支持部材の台上に載置し、このシート材に対しプレス機構によって切断刃をシート材の厚さ方向に打ち抜くようにすることにより、シートを所定の形状に切断する。このような打ち抜き加工では、切断刃として、例えばピナクル刃が用いられる。図1は、従来のピナクル刃の打ち抜き要部を示す断面図である。切断刃100は、並列に配置された刃高h1の刃101を有し、これらの隣接する2つの刃101に挟まれた領域のシートが、上記プレス機構によって打ち抜かれる。
このような切断加工では、切断の際に生じる抜きカスの除去を行うのが一般的である。特許文献1には、プラスチックフィルムのシートを切断後、シートに付着した抜きカスを吸引することによって分離、除去することが記載されている。これにより、切断加工を安定的に行うことが可能となる。
特開2000−326295号公報
しかしながら、シート材を切断した後、切断刃をシート材から離間させる際に切断刃抜きカスが残り、次の切断において切断不良が生じる場合がある。図2は、この抜きカスが切断刃に残る作用を説明する模式的な断面図である。図2に示すように、点Pでは切断刃101からシート材2に押付力fが加えられる。押付力fは、せん断方向の力f1とこのせん断方向に垂直な方向の力f2とに分解される。この結果、切断刃には、点Pにおいて、力f1に対するシート材からの摩擦力および力f2に対する反力f’が作用する。そして、この反力f’によって抜きカスが切断刃に残ることになる。
このような切断刃に残る抜きカスは、特許文献1に記載のような吸引によって除去することも可能であるが、そのための付加的な構成が必要となる。また、特に、抜きカスが細長いスリット形状や複雑かつ微細な形状の場合、機械的な除去機構や、吸引などのエアーを用いるための配管の構成がスペース上困難であるという問題もある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたものであり、切断の際に抜きカスを切断刃に残すことなく切断することが可能なシート材の切断装置、切断刃および切断方法を提供することを目的とする。
そのために本発明は、切断刃によってシート材を打ち抜き切断する切断装置であって、前記切断刃は、当該刃の先端の高さより低い構造物を当該刃に隣接して有し、前記刃の先端から前記構造物の少なくとも一部までの距離が、前記シート材の厚さより短いを特徴とする。
以上の構成によれば、シート材の切断装置において、切断の際に抜きカスを切断刃に残すことなく切断することが可能となる。
従来のピナクル刃の打ち抜き要部を示す断面図である。 従来の切断刃において抜きカスが切断刃に残る作用を説明する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、本発明の第1の実施形態に係るシート材の切断装置を模式的に示す断面図である。 図3(a)および(b)に示す切断装置の平面図である。 (a)および(b)は、第1実施形態と異なる形態に係る切断刃の打ち抜き要部を示す断面図である。 第1実施形態のさらに異なる形態に係る切断刃の打ち抜き要部を示す断面図である。 (a)〜(d)は、図3(a)および(b)に示した、第1実施形態に係る切断装置によるシート材の打ち抜き動作を説明する図である。 (a)および(b)は、第1実施形態の切断刃によるうち抜きにおいてシート材と切断刃との間に作用する力の関係を説明する模式図である。 第1実施形態の切断装置によって打ち抜かれたシート材を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る切断刃の打ち抜き要部およびシート材を示す断面図である。 第2実施形態のシート材打ち抜き切断刃による打ち抜き途中の様子を示す断面図である。 第2実施形態の変形例に係る切断刃の打ち抜き要部およびシート材を示す断面図である。 図12に示す変形例のシート材打ち抜き切断刃による打ち抜き途中の様子を示す断面図である。 第2実施形態のさらに他の変形例に係る切断刃の打ち抜き要部を示す断面図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図3(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態に係るシート材の切断装置を模式的に示す断面図である。また、図4は、図3(a)および(b)に示す切断装置の平面図である。
図3(a)は、本実施形態の打ち抜き方式による切断装置におけるシート切断部を示している。図3(a)において、切断刃1は、切断刃用プレート113に位置決めピン115によって位置決め固定される。また、切断刃用プレート113は、上型111に対して位置決めピン114によって所定位置に位置決めして取り付けられている。一方、シート材2は、支持台としての下型112の上に載置される。本実施形態のような打ち抜き方式の切断装置は、上型111と下型112とでシート材2を挟み込むようにプレスするプレス機構(不図示)を備える。この際、位置決めピン114は、シートが載置された下型112の孔と係合しプレスのための位置決めがなされる。
本実施形態の切断刃1は、図4に示すように、切断刃1における刃の最外郭をなす矩形の環状の刃211と、環状の刃211の内側領域にあって、同じく矩形の環状の刃11の複数を有して構成されている。そして、複数の環状の刃11それぞれの2箇所に、一方の刃11に隣接して構造物12が設けられている。なお、これらの刃11、211が環状に構成されるのは、打ち抜くシートの形状に対応したものであり、打ち抜くシートの形状が異なると、それに応じて刃の形態も異なることはもちろんである。なお、図4において、切断刃1には、切断刃1を切断刃用プレート113に位置決めするための位置決め穴103および図示しない固定用穴が設けられている。
図3(b)は、図4に示す一組の環状の刃を横断するA−A線の断面を示し、刃11と構造物12との位置関係を示している。図3(b)に示すように、環状の刃の2箇所(図4参照)において、対向する2つの刃11の一方に構造物12が設けられている。構造物12は、2つの刃の間の切断領域内側において刃11の刃先高さh1より低い高さh2を有している。そして、これらの高さの関係から求められる、刃11の先端(刃先)から構造物12の一部までの距離h1−h2が、シート材2の厚さtより短い(小さい)関係を有している。ここで、h1−h2は、例えば0.1mmとすることができる。尚、本明細書における2点間の「距離」とは、2点間の最短距離を意味する。構造物12は、2つの刃11の間の切断領域において非対称な配置となる。構造物12の先端面121の幅wは、例えば、構造物12の根元の幅Wに対して約1/3〜1/2であることが好ましく、これにより、シート材の切断部近傍を押圧してシート材のくいつきをなくすことが可能となる。また、先端面121は、2つの刃11の頂部を通る面である刃先面に対して平行である。他の形態として、図5(a)に示すように、先端面121が刃先面に対して傾きθを有していてもよい。この傾きθを設けることにより、図5(b)の示すように、シート材2の打ち抜き時に構造物12とシート材2との間にも隙間200を確保でき、これにより、抜きカスが刃11から離れ易くすることができる。また、構造物12は、図3(b)に示す形態に限られず、例えば、図4に示す環状刃の内側である切断領域の全周に渡って設けてもよい。このような切断刃では、構造物12は、図6に示すように、切断領域において対称な配置となる。この形態によれば、切断領域全周に渡って刃先近傍を押圧しながら精度良く打ち抜くことができる。
本実施形態の切断装置で打ち抜くシート材としては、高機能性フィルムやフィルム状接着シートなど様々なものがあるが、図3(b)に示す例は、基材(PET)21と接着層(主剤:PP)22から構成される厚さ0.15〜0.2mmの接着シートである。
図7(a)〜(d)は、図3(a)および(b)に示した、第1実施形態に係る切断装置によるシート材の打ち抜き動作を説明する図である。
図7(a)は、切断刃1が下方へ移動し、2つの刃11の刃先(先端)が支持部材212の上に載置されたシート材2と接触したときの状態を示している。この時点では、先ず刃11の刃先がシート材2に当接する。このとき、一方の刃11の内側に設けられた構造物12は、未だシート材2と接触していない。
図7(b)〜(d)は、上記刃11の刃先がシート材2に当接した後、切断刃1によってシート材2を打ち抜く様子を時系列に示している。図7(b)は、打ち抜き途中の様子を示し、刃11がシート材2に切り込んで、構造物12とシート材2が当接した状態を示している。構造物12の先端面121から刃11の先端までの距離(h1−h2)は、上述したとおり、シート材2の厚さtより短い。これにより、構造物12の先端面121は、刃11がシート材2を切り込んでいる途中でシート材2と接触する。図7(c)は、構造物12の先端面121の一部がシート材2を下方に押圧している様子を示している。シート材2は、構造物12の一部によって、矢印Fの方向に押圧される。これにより、切断刃1の刃11と打ち抜いたシート材2との間に隙間200が形成され、刃11の側面とシート材2を分離することができる。
図8(a)および(b)は、本実施形態の切断刃による打ち抜きにおいてシート材2と切断刃11との間に作用する力の関係を説明する模式図である。切断刃11がシート材2を下方に切り込む際、図8(a)で示すように、シート材2から切断刃11の両側の面11A、11Bに対して反力f’が作用する。さらに、刃11が下方に切り込まれると、構造物12がシート材2に当接してシート材2に下向きに力Fを作用する。これにより、シート材2と切断刃11との間に隙間200が生じ、刃11の片方の面11Bに作用する反力f’が無くなる。この結果、その後さらに切り込んだ際、隙間200が生じている側のシート材2は切り込みとともに分離する。この結果、シート打ち抜きが完了すると、図7(d)に示すように、打ち抜かれたシート材2が分離された状態で切断刃1が上昇する。
図9は、本実施形態の切断装置によって打ち抜かれたシート材を示す平面図である。打ち抜きによって、矩形のシート材200と、そのシート材の中の、複数の細長いスリット状の貫通穴201が形成される。図中、202は上記打ち抜きで同時に形成された貫通穴を示す。これは上記のように打ち抜き加工したシート材を、被接着物に位置決めする際に用いられるものである。但し、この貫通穴の位置、形状はこれに限るものではなく、被接着物の形状に応じて最適な位置に配置してよい。
以上説明したように、本実施形態の切断装置によれば、構造物12が設けられていることによって、切断刃の下降中、シート材2は、図7(c)の矢印Fで示すように、押圧されながら切り込まれる。これにより、切断刃の刃11と打ち抜いたシート材2との間に隙間200を形成してシート材から切断刃に作用する反力をなくすことができる。その結果、打ち抜いたシート材2の抜きカスを分離することができる。また、打ち抜き後の抜きカスは容易に除去できるので生産タクトをアップせずに打ち抜き加工をすることが可能となる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る切断刃の打ち抜き要部およびシート材2を示す断面図である。図10に示すように、第1実施形態と同様2つの刃11の一方に連続して構造物12が設けられるとともに、2つの刃11の間の領域に高さh3(h1>h3)の構造物13が設けられる。構造物12は、第1実施形態と同様、h1−h2(刃の先端から構造物の先端面までの距離)<t(シート材の厚さ)を満たす凸型の構造物である。また、構造物13は、h2以下の高さからなる凸形状を有し、先端には先端面(フラット面)131が設けられている。この構造物13は、図に示す例では、2つの刃11の間の領域のほぼ中央に設けられているが、その領域における任意の位置に、複数箇所設けてもよい。
図11は、本実施形態のシート材打ち抜き切断刃による打ち抜き途中の様子を示す断面図である。本実施形態によれば、切断刃1が下方に切り込んでいる際に、第1実施形態と同様、構造物12の先端面121の一部がシート材2を押すことにより、刃11とシート材2との間に隙間203が形成される。これとともに、シート材2は、構造物13の先端面131によって下方に押される。これにより、打ち抜いたシート材2(抜きカス)が、図11に示すように湾曲したとしても、シート材2を、構造物13の先端面131によって押し出すことができ、打ち抜きと同時に抜きカスを確実に分離することができる。
図12は、第2実施形態の変形例に係る切断刃の打ち抜き要部およびシート材2を示す断面図である。また、図13は、図12に示す変形例のシート材打ち抜き切断刃による打ち抜き途中の様子を示す断面図である。これらの図に示すように、2つの刃11に挟まれた内側に、h1−h2(刃の先端から構造物端部までの距離)<t(シート材の厚さ)を満たす、刃先面に対して非平行な面をもつ構造物122が設けられている。構造物122は、シート材2と線接触で押圧するものであり、刃先面に対して非平行な面を有している。この構造を有する構造物122によって、上述した第2実施形態2と同様、打ち抜いたシート材2が湾曲したとしても、抜きカスを切断刃に残すことなく分離することができる。
図14は、第2実施形態のさらに他の変形例に係る切断刃の打ち抜き要部を示す断面図である。本変形例では、構造物13の頂部が曲面で形成されており、シート材の打ち抜き時に抜きカスが湾曲したとしても、構造物と点接触して押し出すことができる。これにより、同様の作用で、抜きカスを切断刃に残すことなく分離することができる。
1 切断刃
2 シート材
11 刃
12、13、122 構造物
100 隙間

Claims (9)

  1. 切断刃によってシート材を打ち抜き切断する切断装置であって、
    前記切断刃は、当該刃の先端の高さより低い構造物を当該刃に隣接して有し、前記刃の先端から前記構造物の少なくとも一部までの距離が、前記シート材の厚さより短いことを特徴とする切断装置。
  2. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の間の領域に非対称な位置に配置されている請求項1に記載の切断装置。
  3. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の間の領域に対称な位置に配置されている請求項1に記載の切断装置。
  4. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の先端を通る面に対して平行でない面を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の切断装置。
  5. シート材を打ち抜き切断するための切断刃であって、
    前記切断刃は、当該刃の先端の高さより低い構造物を当該刃に隣接して有する切断刃。
  6. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の間の領域に非対称な位置に配置されている請求項5に記載の切断刃。
  7. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の間の領域に対称な位置に配置されている請求項5に記載の切断刃。
  8. 前記切断刃は2つの前記刃を備え、前記構造物は、前記2つの刃の先端を通る面に対して平行でない面を有する請求項5ないし7のいずれかに記載の切断刃。
  9. 切断刃によってシート材を打ち抜き切断するための切断方法であって、
    シート材に対して前記切断刃を移動させて、前記切断刃の刃を前記シートに切り込ませるとともに、当該切り込む刃に隣接した前記シート材の一部を押し込むことを特徴とする切断方法。
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