JP2015211621A - 放熱構造体の製造方法、及び、放熱構造体を備える太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】品質安定性に優れ、十分な強度を有する放熱構造体を、低コスト且つ高い生産性で量産すること。【解決手段】金属箔2の表面に輻射層3が設けられてなる積層体フィルム10の一部に、輻射層3を両外側面とした凸状のたわみ部12Aを形成する、たわみ部形成工程と、たわみ部12Aの両外側面を押圧してたわみ部12Aの両内側面同士を止着することにより、放熱フィン12を形成する放熱フィン形成工程と、を含んでなり、積層体フィルム10の各工程への搬入及び搬出を、ロールトゥロール方式の製造設備内で行い、たわみ部12Aの形成は、たわみ部形成工程に搬入される積層体フィルム10の搬入量を、たわみ部形成工程から次工程へ搬出される積層体フィルム10の搬出量よりも、一時的且つ間欠的に増大させる処理によって、所望のたわみを積層体フィルム10に発生させることによって行う放熱構造体の製造方法とする。【選択図】図5
Description
本発明は、放熱構造体、及び、放熱構造体を備える太陽電池モジュールに関する。
近年、環境に対する意識の高まりとともに太陽電池発電によるエネルギーの供給が注目されている。
太陽光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池の心臓部を構成する太陽電池素子は、単結晶、多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものや、アモルファスシリコン、化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が用いられる。一般に太陽電池素子は、実用的な電気出力を発生させるために複数の太陽電池素子を接続し、太陽電池素子を保護するため、太陽電池モジュールを形成して使用される。
太陽電池モジュールは、受光面をガラス等の透明前面基板で覆い、表面封止材層、太陽電池素子、背面封止材層、及び裏面保護シート等を順次積層し、これらの各部材を熱ラミネーション法により一体化することによって形成される。
太陽電池モジュールにおいて電気を生成する太陽電池素子は、一般に、温度上昇に伴って発電効率が低下することが知られている。温度上昇に伴う発電効率の低下は、結晶タイプのシリコン太陽電池素子で1℃上昇する毎に約0.50%低下し、温度上昇の影響か比較的小さいと言われているアモルファスシリコン太陽電池素子においても、1℃上昇する毎に約0.25%程度低下すると言われている。よって、基本的に屋外の直射日光化に設置される太陽電池モジューの発電効率をより高い範囲に維持するためには、温度上昇を抑えるための所謂ヒートシンク等の放熱手段を備えることが必須となる。
このような温度上昇を抑えるための放熱手段として、従来、太陽電池モジュールに用いられてきたヒートシンクは、材料のコスト、等の観点から、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造品が用いられることが一般的であった。アルミ鋳造品のヒートシンクは、熱伝導率は高いものの、放熱効率は十分な特性があるとは言えず、それのみでは、十分な冷却性能を持っているとは言い難いものであった。これは、アルミ鋳造品のヒートシンクに、熱伝導により熱は移動するが熱の放出が十分でないため、全体として温度が上昇する、「熱がこもる」という状態に陥るためである。
特許文献1〜3には、上記の「熱がこもる」状態を回避して十分な放熱を行うことを目的とした太陽電池モジュールが開示されている。特許文献1では、放熱フィンとヒートポンプを組み合わせて設置し、更にヒートパイプを設けることで放熱を促進する太陽電池モジュールが開示されている。又、特許文献2には、太陽電池モジュールとセット面の間に空冷層を設けることによって、放熱を促進する放熱フィン付の太陽電池モジュールが開示されている。更に特許文献3には、下面側に設置する放熱手段を可撓性を有するフィン付き放熱シートとした太陽電池モジュールが開示されている。
特許文献1及び特許文献2に記載の太陽電池モジュールは、いずれも、放熱手段の追加的構成にかかるコストが嵩み、結果として太陽電池モジュールのコストパフォーマンスを低下させてしまう点で好ましくない。
特許文献3に記載のフィン付き放熱シートのように、一般に金属と比較して輻射による放熱性能に優れる樹脂からなる放熱フィンを備えた放熱構造体とすれば、特許文献1及び2に記載の太陽電池モジュールのようなコスト上昇は回避できる。
しかしながら、特許文献3に記載の放熱構造体は、放熱シートを構成するフィン部分が直接、放熱シートから派生しているため、製造過程における品質のバラツキを抑えて大量生産することが難しく、又、製造後におけるフィン部分の強度にも問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、低コストでありながら品質の安定性に優れ、又、軽量でありながら十分な強度を有する放熱構造体を、高い生産性の下で量産することができる放熱構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、放熱構造体の製造方法を、金属箔の各表面に輻射層が設けられてなる積層体フィルムを用いることとし、当該積層体フィルムへの一部を放熱フィンとする形状付与を、ロールトゥロール方式の製造設備中で、積層体フィルムのたわみ部の形成と、同部裏面の止着を連続的に行う製造方法とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 放熱構造体の製造方法であって、金属箔の表面に輻射層が設けられてなる積層体フィルムの一部に、前記輻射層を両外側面とした凸状のたわみ部を形成する、たわみ部形成工程と、該たわみ部の両外側面を押圧して該たわみ部の両内側面同士を止着することにより、放熱フィンを形成する放熱フィン形成工程と、を含んでなり、前記積層体フィルムの各工程への搬入及び搬出を、ロールトゥロール方式の製造設備内で行い、前記たわみ部の形成は、前記たわみ部形成工程に搬入される前記積層体フィルムの搬入量を、該たわみ部形成工程から次工程へ搬出される前記積層体フィルムの搬出量よりも、一時的且つ間欠的に増大させる処理によって、所望のたわみを積層体フィルムに発生させることによって行う放熱構造体の製造方法。
(1)の発明は、先ず、放熱構造体における放熱フィンの構成を、熱伝導性に優れる金属箔を放射率の高い樹脂材料によって被覆する構成とした。これにより、放熱構造体の放熱性能を向上させることができる。そして、そのような放熱構造体を製造するための製造方法を、上記構成を備える積層体フィルムを、ロールトゥロール方式の製造設備の中で、たわみ部の形成と、同部裏面の止着を連続的に行う製造方法とした。これにより、品質の安定性を維持しながら、高い生産性の下で放熱構造体を、量産することができる。
(2) 前記たわみ部の形成を、棒状又は板状の押し込み部材による、積層体フィルムの間欠的な押し込みによって行う(1)に記載の放熱構造体の製造方法。
(2)の発明によれば、簡易な仕組みで、所望量のたわみを、正確に積層体フィルムに発生させることができる。又、たわみ量をフレキシブルに調整することも容易である。これにより、(1)に記載の製造方法による放熱構造体の製造の品質安定性の向上と放熱フィンサイズの調整のフレキシビリティの拡大を、いずれも実現することができる。
(3) 前記積層体フィルムの前記輻射層が形成されていない側の表面には、熱融着層が設けられていて、前記たわみ部の両内側面同士の止着を、前記熱融着層の加熱処理と圧着処理とによって行う(1)又は(2)に記載の放熱構造体の製造方法。
(3)の発明によれば、簡易な仕組みで、確実に上記たわみ部の両内側面同士を熱融着によって止着することができる。これにより、(1)又は(2)に記載の製造方法による放熱構造体の製造の品質安定性と生産性を更に向上させることができる。
(4) 前記熱融着層の融点が100℃以上200℃以下である(3)に記載の放熱構造体の製造方法。
(4)の発明によれば、熱融着層の加熱温度を100℃程度以上200℃程度以下とすることができる。これにより、実使用での放熱構造体の剥がれを回避することができると共に、輻射層の劣化を回避することができる。
(5) 前記前記熱融着層の加熱処理を、ランプヒーターによって行う(4)又は(5)に記載の放熱構造体の製造方法。
(5)の発明によれば、簡易な仕組みで、確実に上記たわみ部の両内側面同士の熱融着層を溶融させることができる。これにより、(1)又は(2)に記載の製造方法による放熱構造体の製造の品質安定性と生産性を更に向上させることができる。
(6) 前記たわみ部の両内側面同士の止着を、止着糸による縫着によって行う(1)又は(2)に記載の放熱構造体の製造方法。
(6)の発明によれば、(3)から(5)に記載の製造方法を採用した場合と異なり、熱融着層を加熱する温度条件の制約から解放されることによる材料選択の幅が広がる。又、加熱による輻射層の損傷のリスクもなくなる。これにより、(1)又は(2)に記載の製造方法による放熱構造体の製造の品質の安定性をより向上させることができる。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の放熱構造体の製造方法で製造された放熱構造体を備える太陽電池モジュール。
(7)の発明によれば、低コストでありながら、放熱効率が高い放熱構造体を備える太陽電池モジュール、即ち、より安価で発電効率の高いコストパフォーマンスの高い太陽電池モジュールを得ることができる。これは、従来のアルミ鋳造品のヒートシンク等と比較して、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体の製造コストが、上記従来品と同一の放熱性能とした場合にも、大幅に削減できるのみならず、太陽電池モジュールの製造プロセス、使用環境等の点で親和性が非常に高いことによる。
本発明の放熱構造体の製造方法によれば、低コストでありながら品質の安定性に優れ、又、軽量でありながら十分な強度を有する放熱構造体を、高い生産性の下で量産することができる。
以下、先ずは、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体について、その概要を説明した後、本発明の放熱構造体の製造方法について、その詳細を説明する。尚、本発明は、以下の実施形態や実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。尚、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
ここで、本明細書において、「シート面」とは、本発明の一実施形態であるシート状の放熱構造体1の熱伝導体11の平面方向と一致する面のことを意味する。「シート面」とは、通常、シート状の放熱構造体1の熱伝導体11の表面又はこれに平行な面のことを言い、図1においては、XY平面又はこれと平行な面のことを言う。
又、本明細書において「平面視形状」とは「シート面」に平行な面における形状のことを意味する。言い換えると、「平面視形状」とは、「シート面」に立てた法線の方向(図1においては、Z軸方向)から見た形状のことを言うものとする。
[放熱構造体]
放熱構造体1は、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体の好ましい実施形態の一つである。図1に示す通り、放熱構造体1は、熱伝導体11上に、山折り部21を中心とした突起部である放熱フィン12が複数形成されている。熱伝導体11と放熱フィン12は、いずれも金属箔2が輻射層3によって被覆されている積層体フィルム10からなり、積層体フィルム10が、山折り部21で山折りされ、又、谷折り部22で谷折りされる折り加工によって形状を付与されることにより、放熱フィン12が形成されている。又、積層体フィルム10には、更に輻射層3が形成されている面と反対側の面に熱融着層4が形成されていることが好ましい。
放熱構造体1は、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体の好ましい実施形態の一つである。図1に示す通り、放熱構造体1は、熱伝導体11上に、山折り部21を中心とした突起部である放熱フィン12が複数形成されている。熱伝導体11と放熱フィン12は、いずれも金属箔2が輻射層3によって被覆されている積層体フィルム10からなり、積層体フィルム10が、山折り部21で山折りされ、又、谷折り部22で谷折りされる折り加工によって形状を付与されることにより、放熱フィン12が形成されている。又、積層体フィルム10には、更に輻射層3が形成されている面と反対側の面に熱融着層4が形成されていることが好ましい。
熱伝導体11は、金属箔等、熱伝導性の高い材料を含んで形成されるシート状の基材である。当該基材は、可撓性を有するシートやフィルムであることが好ましい。熱伝導体11が可撓性を有するシート等であることにより、設置対象となる太陽電池モジュールの設置対象面の凹凸への追従性や、それらの設置対称面が曲面である場合における当該曲面への追従性が高まり、放熱構造体1の好適な使用可能範囲が広がる。熱伝導体11における輻射層3と反対側の面である他方の表面には、太陽電池モジュール等の熱源との接着面となる熱融着層4が形成されていることが好ましい。
放熱フィン12は、金属箔2が輻射層3によって被覆されている構造を有する突起物である。上記の積層体フィルムの一部であって、山折り部21と谷折り部22との間で、相互に対面している部分は、例えば、熱融着層4を介した接着によって止着されることにより、放熱フィン12を形成している。この止着は、上記のような熱融着層を介した熱融着によるものであることが好ましいが、ミシン糸等の止着糸による縫着による方法であってもよい。又、上記の止着方法の一方を主たる止着手段として他方を補助的な止着手段とした方法であってもよい。
放熱構造体1における放熱フィン12の好ましい配置間隔(ピッチ)とサイズ(高さ)について説明する。図3は放熱構造体1の説明図である。(a)は図1の平面視形状であり、(b)は(a)に図示したA−A断面における断面図である。放熱フィン12のピッチPsx(図3(a)及び(b)参照)は、3〜100mm程度であることが好ましく、5mm〜50mmであることがより好ましく、7mmであることがより好ましい。ピッチPsxが十分に広い場合には、単位面積当りの放熱フィンの個数は多いほど放熱効果は高まるが、放熱フィンのピッチPsxが7mmより少なくなると、近接する放熱フィン同士が相互の放熱作用によって、相互に放熱効率を引き下げてしまうためである。
放熱フィン12の高さHs(図3(b)参照)は、実施可能な範囲で高いほど放熱効率が向上する。但し、一般的な太陽電池モジュールとの一体化時に、外枠フレームから露出しない高さであることが設置の容易性や美観上好ましい。又、放熱構造体1の放熱フィン12は、可撓性を有する素材からなるものであることも鑑みると、概ね、高さ5mm〜500mm程度であることが実施上好ましい範囲となる。尚、放熱フィンの高さHsについては、基本的に各放熱フィンの高さが同一であることが好ましい。同一高さのものを連続して形成するものとすることにより、放熱構造体の生産性を高めることができる。
又、特に、放熱構造体1を設置する太陽電池モジュール等の熱源に均一な温度分布が要求される場合には、放熱フィン12のピッチPsxについては、高温となる部位においては、ピッチPsxを相対的に小さくし、放熱フィンの高さHsについては、相対的に高さHsを大きくし、その一方、比較的熱の発生が少ない定温の部位においては、放熱フィン12のピッチPsxを相対的に大きくし、その高さHsについては、相対的に高さを小さくすることによって、熱分布の均一化を図ることもできる。上述の通り、特に、たわみ部の形成を、棒状又は板状の押し込み部材による、積層体フィルムの間欠的な押し込みによって行う方法とした場合には、このような高さHsの変更を、押し込み量の調整によって容易且つ正確に行うことができる。
放熱フィン12の設置角度については、放熱効率を高めるために、少なくともその使用時において、各々の放熱フィン12が相互に平行となる角度で設置されていることが求められる。一般的には、各々の放熱フィン12は、シート面に対して垂直に設置されていることが好ましい。但し、個々の放熱構造体の設置場所の環境や設置態様(地面に対する角度等)によっては、それぞれ最適な設置角度が異なるため、それぞれ個別に最適な設置角度に調整して使用することが更に好ましい。放熱構造体1は、放熱フィン12を形成する材料が、樹脂や金属箔等、可撓性を有するものであるため、従来のアルミ鋳造品等の放熱構造体と異なり、放熱フィン12の設置角度を設置態様に応じて柔軟且つ自在に変更することができる点においてもそれらの従来品より有利である。
又、放熱構造体1は、その可撓性を活かして、図8のように折りたたんで保存、若しくは輸送することが可能である。このことは、アルミ鋳造品のヒートシンクのように嵩張ることがなく、保存及び輸送にかかるコストを削減できる点で有利である。
熱伝導体11及び放熱フィン12を構成する金属箔2は、金属を、その展延性を利用して薄い箔に伸ばしたものである。材質によって多少の相違はあるが、厚みは、概ね300μm以下である。太陽電池モジュール等の熱源から排出される熱を熱伝導によって放熱構造体1に移動し、又は、放熱構造体1の中を熱伝導にて移動し、熱源から放熱部である輻射層3へ熱を伝達させる役割を果たしている。
放熱構造体1は、太陽電池モジュール等の熱源から輻射層3への熱の伝達の役割を、金属箔2に担わせているため、従来のアルミ鋳造品からなるヒートシンクと比較して、軽量且つ廉価に製造可能である。又、鋳造では困難な軽量、且つ、大面積向けの放熱構造体とすることができる。更に、折り曲げや、切断が容易な金属箔2を使用しているため、加工の自由度が高く、熱源との接触面が平滑でない場合にも、熱源との接触面との追従性に優れ放熱性に優れた放熱構造体1とすることが可能である。
金属箔2の材質は、熱源から放熱部への熱の移動が迅速に行われるものであることが必要である。金属箔2の熱伝導率が小さく、熱源から放熱部である輻射層3への熱の移動が妨げられると、輻射層3に十分放熱能力があったとしても熱源及びその近傍に熱量が集中する状態となり、熱源及びその近傍の温度の上昇を招くこととなり十分に放熱の役割が果たせなくなる。従って、熱伝導率が、10W・m−1・K−1以上であることが好ましい。熱伝導率が、10W・m−1・K−1未満であると、熱源から放熱構造体若しくは、熱源中の熱の移動が滞り、放熱が妨げられるため好ましくない。
熱伝導率が、10W・m−1・K−1以上の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、チタン、モリブデン、亜鉛、錫、鉛、鉄、白金をはじめとする金属、真鍮、ステンレス鋼をはじめとする合金等が該当する。又、金属ではないが、高い熱伝導率を示すという点では、用途によっては、ダイヤモンドや、カーボンナノチューブからなるフィルムも使用することが可能である。
金属箔2としては、市販の金属箔を使用することも可能であり、市販されている金属箔としては銅箔、銀箔金箔、アルミニウム箔、チタン箔、ニッケル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ベリリウム箔、タンタル箔、亜鉛箔、錫箔、鉄箔、ジルコニウム箔、鉛箔をはじめ、ステンレス箔、パーマロイ箔、42アロイ箔、燐青銅箔、洋白箔、真鍮箔、ニクロム箔、コバール箔、銀ロウ箔等の合金箔等を、いずれも使用することができる。放熱構造体1の使用目的等と照らし合わせて適宜選択すればよい。
熱伝導率の高さ、入手コスト等を考慮すると、銅又は銅合金、並びに、アルミニウム又はアルミ合金が好適であり、特にアルミニウム又はアルミ合金は、入手コストが廉価である点、比重が軽く軽量化に向いている点で好適である。
又、金属箔は、単一相である必要もなく、金属箔中に任意の材質よりなる金属粒子や、金属ファイバーを含む箔であってもよい。又、金属箔中に酸化物、窒化物等の粒子やファイバーが含まれていてもよい。但し、本実施形態においては、折り加工にて形状付与を行うため、折り加工において破断しない必要がある。
一方、金属箔2の厚みは、軽量化、低価格化、加工の容易さ等の観点からは、厚みは薄い方が好ましい。又、熱の移動の観点、強度の観点からは、厚みは厚い方が好ましい。従って、用途に鑑みてバランスの良い厚みを選択すればよい。これらの条件を満たす金属箔の厚みとしては、目安として6.0μm以上200.0μm以下を目安とすることが出来る。
このような金属箔2として、価格が廉価であり、入手が容易であり、比重が軽く軽量化に適している点で、厚みが6.0μm以上150.0μm以下のアルミニウムやアルミニウム合金のよりなる金属箔(以下、「アルミ箔」とも言う)を好ましく用いることが出来る。
尚、放熱構造体1における金属箔2に代えて、PI等の高分子に高熱伝導性微粒子を充填した、所謂、熱伝導ポリマーを用いた場合であっても、同様の放熱効果を発揮する放熱構造体とすることができる。
放熱構造体1は、金属箔2が、高い熱伝導性を担保するため、熱源から放熱部への熱の移動スピードも速く効率的な放熱に貢献する。単に樹脂に熱伝導性向上のための充填物を添加した放熱シート等が、軽量であっても熱伝導性が十分に得られないために十分な放熱効率が得られていないことと対照的である。
又、薄く軽い金属箔2を用いているため、アルミ鋳造品のヒートシンク等と比べて軽量である。放熱構造体1が軽量であるため輸送コストも安くすることが可能であり、設置する際にも耐荷重設計が軽減されるため設置コストの低減も望める。
更に、薄く軽い金属箔2を用いているため、自由に折り曲げることも可能であり、金切り鋏、場合によっては通常の鋏で切断することも可能である。従って、ロール状、又はシート状で保存若しくは輸送して、現場にて折り加工により形状付与することで放熱構造体1を形成することも可能である。又、折り加工によって形状付与した放熱構造体1を、図8のように平面に折りたたんで保存若しくは輸送することも可能であり、折りたたんだ放熱構造体1は、巻き取ってロールとして保存若しくは輸送することもできる。従って、アルミ鋳造品のヒートシンクのように嵩張ることはなく、保存や輸送するコストを大幅に削減できるものである。
又、市販の金属箔を利用することによって、アルミ鋳造品のヒートシンクと比較して、製造原価を安く抑えることができ、ラミネート加工と折り加工で安いコストで連続的に生産でき、更にロールトゥロール方式での生産も可能とすることが出来る。
又、大面積向けの放熱構造体1の製造も容易であり、自由に折り曲げられる自由度の高さから、熱源の放熱構造体1を設ける面が広く、又、平滑性が悪くても、追従可能であり、密着性良く設けることが可能である。
<輻射層>
金属箔2は熱伝導率が高く、熱伝導によって熱を移動する特性に優れる。但し、主に輻射によって熱を放熱する性能に優れているとは言い難い。金属箔の放射率は、材質に因るが決して高いとは言えない。一般に鏡面であれば放射率は0.1以下であることが多く、粗面化、表面酸化等によって0.8〜0.9程度まで上げることが可能だが、煩雑な処理が必要である。ここで、放射率が低いということは、輻射による熱の放出が少ないことを示している。例えば放熱フィンが金属のみによって形成されている場合には、輻射による熱の放出が不十分となることが多い。放熱構造体1は、金属箔2の一方の面に樹脂を含む輻射層3を設けることにより放熱構造体1から外部への熱輻射を大幅に増加させ、効率的な放熱を可能としたものである。
金属箔2は熱伝導率が高く、熱伝導によって熱を移動する特性に優れる。但し、主に輻射によって熱を放熱する性能に優れているとは言い難い。金属箔の放射率は、材質に因るが決して高いとは言えない。一般に鏡面であれば放射率は0.1以下であることが多く、粗面化、表面酸化等によって0.8〜0.9程度まで上げることが可能だが、煩雑な処理が必要である。ここで、放射率が低いということは、輻射による熱の放出が少ないことを示している。例えば放熱フィンが金属のみによって形成されている場合には、輻射による熱の放出が不十分となることが多い。放熱構造体1は、金属箔2の一方の面に樹脂を含む輻射層3を設けることにより放熱構造体1から外部への熱輻射を大幅に増加させ、効率的な放熱を可能としたものである。
放熱構造体1の輻射層3は、少なくとも樹脂を含んでいる。この樹脂は、放射率が、低いものでも0.4以上はあり、上記の金属と比べて輻射による放熱性に優れる。即ち、輻射層3は、熱放射率が0.4以上の層となっている。
輻射層3を形成する樹脂材料は、一般的な高分子材料より選択して使用することが可能である。放熱構造体1の使用用途に鑑みて適切な材料を選択すればよい。例えば放熱構造体1の使用温度が比較的使用温度が低い場合等、ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride)、ポリエチレン(Poly Ethylene)、ポリプロピレン(Poly Propylene)、ポリスチレン(Poly Styrene)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、AS(Acrylonitrile Styrene)、アクリル(Poly Methyl Methacrylate)等の汎用樹脂を用いることができる。
又、例えば放熱構造体1の使用温度がやや高い場合には、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde)、ユリア樹脂(尿素樹脂)(Urea Formaldehyde)、メラミン樹脂(Melamine Formaldehyde)、エポキシ樹脂(Epoxy)、不飽和ポリエステル(Unsaturated Polyester)、シリコン樹脂(Silicone)、ポリウレタン(Poly Urethane)、等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
更に6ナイロン(登録商標)(Poly Amide 6)66ナイロン(登録商標)(Poly Amide 66)に代表されるアミド樹脂、ポリアセタール(Poly Oxy Methylene)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、ポリエチレンテレフタレート(Poly Ethylene Terephtalate)、変性PPE(又は変性PPO)(modified−Poly Phenylene Ether)、ポリブチレンテレフタレート(Poly Butylene Terephtalate)、超高分子量ポリエチレン(UltraHighMolecularWeightPolyEthylene)、等のエンジニアリングプラスチックを用いることも可能である。
PEEK(Poly Ethel Ethel Keton)、ポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene Sulfide)、ポリサルフォン(Poly Sulfone)、ポリエーテルサルフォン(Poly Ethel Sulfone)、ポリアリレート(Poly Arylate)、ポリアミドイミド(Poly Amide Imide)、ポリエーテルイミド(Poly Ether Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化)(Poly Tetra Fluoro Ethylene)、ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化)(Poly Chroro TriFluoro Ethylene)、ポリフッ化ビニリデン(2フッ化)(PolyVinylidene DiFluoride)、ポリフッ化ビニル(Polyvinyl Fluoride)等のフッ素含有樹脂、等のスーパーエンジニアリングプラスチックも使用可能である。
又、輻射層3に用いる樹脂は、耐熱性、熱伝導性や熱放射率を高める目的でフィラー等を添加してもよい。このような目的で添加されるSiZrO4、Cr2O3、酸化鉄系無機顔料等を用いることができる。
輻射層3の形成は、これらの樹脂をフィルム化して、金属箔2に接着剤で貼り合わせる所謂ドライラミネートにより形成することができる。又、熱溶融が可能な樹脂であれば押出しラミネートにより形成してもよい。又、溶剤に溶かした樹脂を塗布後に乾燥することで形成してもよい。又、UVや電子線等の電磁波にて硬化する樹脂材料を塗布後、電磁波を照射して硬化することで形成してもよい。輻射層3の形成の方法は、以上方法のいずれかを、輻射層3として形成したい材料の選択に合わせて適宜選択すればよい。
又、輻射層3は、樹脂材料に放熱効率を高めるフィラーを分散した市販の放熱シートを貼り合わせることにより形成することもできる。市販の放熱シートとしては、沖電線株式会社製 クールスタッフ(登録商標)、ペルノックス株式会社製 熱放射シート ペルクール(登録商標)シートオプテックス株式会社製 黒体テープ HB−250、レック株式会社製 黒体テープ THI−2B−5等が好適である。
又、硬化可能な樹脂材料と硬化剤、溶剤に溶かした樹脂等に放熱効率を高めるための添加物を分散した市販の放熱塗工材を用いて塗工形成してもよい。市販の放熱塗工材としては、ペルノックス株式会社製 熱放射塗料 PELCOOL(登録商標)等を好ましく用いることができる。
輻射層3は金属箔2に比べて熱伝導性に劣るため、厚さが所定以上となると熱の伝達を阻害して放熱効率が悪くなる。又、厚さが所定以上となると、柔軟性も低下して、形状追従性の低下や、形状付与が困難になるため、この点においても好ましくない。具体的には、輻射層3の厚さは150μm以下であることが好ましい。
又、輻射層3を形成する樹脂は、金属箔2よりも、表面加工適性、即ち、様々な表面加工の容易さにおいて優れるため、例えば、その表面にエンボス加工を施すことによって、更に輻射層3の熱放射率を向上させることもできる。
<熱融着層>
放熱構造体1に熱融着層4を設ける場合、熱融着層4は、接着性を有するフィルムをドライラミネートにより金属箔2に貼り合わせることによって形成した層であってもよいし、或いは、接着性の材料を金属箔2の表面に塗布して形成した層であってもよい。いずれの場合であっても、熱融着層4が、所定の厚さ以上となると熱源から放熱構造体1への熱移動が妨げられるため熱融着層4の厚さは150μm以下であることが好ましい。
放熱構造体1に熱融着層4を設ける場合、熱融着層4は、接着性を有するフィルムをドライラミネートにより金属箔2に貼り合わせることによって形成した層であってもよいし、或いは、接着性の材料を金属箔2の表面に塗布して形成した層であってもよい。いずれの場合であっても、熱融着層4が、所定の厚さ以上となると熱源から放熱構造体1への熱移動が妨げられるため熱融着層4の厚さは150μm以下であることが好ましい。
熱融着層4を接着性のあるフィルムによって形成する場合には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等からなる樹脂フィルム等からなる樹脂フィルムを用いることができる。
又、熱融着層4を接着性の材料を金属箔2の表面に塗布して形成する場合には、スチレンブタジエンゴム系、ポリオレフィン系の熱溶融型接着剤等、その他、従来公知の熱溶融型の接着剤を用いることができる。
熱融着層4を形成する、樹脂フィルム、或いは接着剤は、融点が100℃以上200℃以下であることが好ましく、110℃以上160℃以下であることがより好ましい。熱融着層4を形成する接着剤の融点が100℃以上であることによって、実使用での放熱構造体の剥がれを回避することができる。又、同融点を200℃以下とすることによって、輻射層の劣化を軽減することができる。
例えば、ポリエチレン樹脂や、アクリル系、ポリエステル系、EVA系接着剤は、いずれも融点が110℃から160℃程度であるため、熱融着層4を形成する材料として、いずれも好ましく用いることができる。
尚、熱融着層4を形成する接着材には、接着性を維持できる範囲で、熱伝導性を向上するために金属粒子、無機粒子等を添加することが更に好ましい。
<その他の層>
又、本実施形態の放熱構造体1は、金属箔2の保護や、放熱構造体1の強度を考慮して金属箔2と輻射層3の間、金属箔2の輻射層3と反対面、金属箔2と熱融着層4の間に金属箔2の保護を目的とした保護層や放熱構造体1の強度アップを目的としたポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムの強化層を設けてもよい。
又、本実施形態の放熱構造体1は、金属箔2の保護や、放熱構造体1の強度を考慮して金属箔2と輻射層3の間、金属箔2の輻射層3と反対面、金属箔2と熱融着層4の間に金属箔2の保護を目的とした保護層や放熱構造体1の強度アップを目的としたポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムの強化層を設けてもよい。
又、放熱構造体1は、最外層、即ち、輻射層3の表面に更に各種の機能層を追加的に積層してもよい。そのような機能強化層の具体例として、自浄層、吸水層、保護層、反射層又は遮熱層等を挙げることができる。
自浄層は、輻射層3の表面に、蒸着又はスパッタ法により、酸化チタン層を形成することによって得ることができる。この層によって、輻射層3のセルフクリーニング機能の発現が可能となる。
吸水層としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性モノマーを重合した高分子等、各種の吸水性樹脂からなる層を挙げることができる。これらの層を最外層に形成することによって、例えば、一日のうちの温度が極めて大きい砂漠地帯等での使用を想定した場合等、低温時(夜)に、結露水分を吸収し、高温時(昼)に、この水分を蒸発させることで、その気化熱により、高温時の放熱構造体1の温度上昇を抑制することができる。
保護層としては、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、単体からなる塗布液、上記樹脂とエポキシ基やイソシアネート基を有する架橋剤との組合せからなる熱硬化性塗布液、又は、上記樹脂と(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び熱又は光ラジカル発生剤との組合せからなるラジカル硬化性塗布液等によるコーティング層が挙げられる。これらの層を最外層に形成することによって、放熱構造体1の耐候性、耐久性を更に向上させることができる。
又、反射層又は遮熱層を設けることによって、放熱構造体1の温度上昇を抑制して、高温環境下においても、放熱効果を好ましい範囲に維持することができる。
上記構成を有する放熱構造体1は、その表面積の増大効果と、輻射層3による単位表面積あたりの放熱効率の向上の効果によって、高い放熱効率を有し、優れた冷却性能を発揮しえるものである。よって、このような放熱構造体1を、図6に示すように、太陽電池モジュール5の太陽光入射面Lと反対側の面に設置することによって、太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して、太陽電池モジュールの発電効率の低下を防止することができる。
尚、放熱構造体1は、太陽電池モジュールの他の様々な熱源の冷却用途にも使用することができる。特に、大面積、軽量化を必要とする用途に好適に使用することができ、又、屋外での用途にも高い耐久性を示す。
<放熱構造体の製造方法>
本発明の放熱構造体の製造方法によれば、放熱構造体1を、高い品質安定性を保持しつつ、高い生産性の下で量産することができる。本発明の放熱構造体の製造方法の第1の実施態様は、熱融着層4を有する積層体フィルム10を材料とし、積層体フィルム10へのたわみ部12Aの形成と、たわみ部12Aの裏面の止着をロールトゥロール方式の製造設備の中で連続的に行う製造方法である。
本発明の放熱構造体の製造方法によれば、放熱構造体1を、高い品質安定性を保持しつつ、高い生産性の下で量産することができる。本発明の放熱構造体の製造方法の第1の実施態様は、熱融着層4を有する積層体フィルム10を材料とし、積層体フィルム10へのたわみ部12Aの形成と、たわみ部12Aの裏面の止着をロールトゥロール方式の製造設備の中で連続的に行う製造方法である。
[第1の実施態様]
図5は、本発明の放熱構造体の製造方法の第1の実施態様を実施可能な製造装置の構成を模式的に示す説明図面である。この放熱構造体の製造装置100は、巻出しロール101、搬送ロール102、押圧ロール103、巻取りロール104からなるロールトゥロール方式のフィルム搬送機構と、押し込み部材105、及び、ランプヒーター106とフォトマスク107とからなる加熱手段を備える。以下、本発明の製造方法を放熱構造体の製造装置100によって実施する第1の実施態様について説明する。
図5は、本発明の放熱構造体の製造方法の第1の実施態様を実施可能な製造装置の構成を模式的に示す説明図面である。この放熱構造体の製造装置100は、巻出しロール101、搬送ロール102、押圧ロール103、巻取りロール104からなるロールトゥロール方式のフィルム搬送機構と、押し込み部材105、及び、ランプヒーター106とフォトマスク107とからなる加熱手段を備える。以下、本発明の製造方法を放熱構造体の製造装置100によって実施する第1の実施態様について説明する。
押し込み部材105は、図5に示す通り、積層体フィルム10を所定の速度と移動量でロールトゥロール方式での積層体フィルム10の搬送方向に向けて押し込むことができる部材であればよい。材質は必要な強度を有するものであれば特に限定されない。但し、その形状と併せて、押し込み時に積層体フィルム10を破損したり傷つけたりしないものであることが求められる。例えば耐熱性樹脂からなる先端部が滑らかな曲面となっている棒状の部材等を用いることができる。
押し込み部材105は、押し込み部材105の押し込みと引き抜きの往復運動を適当に制御できる駆動装置に接続されていることが必要である。具体的には、シリンダー方式の駆動装置や、電気モーター方式の駆動装置を例として挙げることができるが、但し、押し込み深さの制御の精度を高めて放熱フィン12の高さをより厳密に制御するためには、電気モーター方式の駆動装置をより好ましく用いることができる。
ランプヒーター106は、積層体フィルム10の熱融着層を加熱して次の工程で速やかに圧着できるように熱溶融することができるものであればよい。又、フォトマスク107を更に備えることによって、溶融範囲を特定範囲に限定することができ、これにより放熱フィン12の形成の品質のバラツキを抑え、又、加熱が不要な部分への加熱を回避し、放熱構造体1の品質安定性を更に高めることができる。
(たわみ部形成工程)
図5に示す通り、本発明の放熱構造体の製造方法においては、先ず、積層体フィルム10を巻出しロール101から搬出し、搬送ロール102によって、たわみ部を形成する全体プロセス内の所定位置まで搬送する。そして当該位置において、押し込み部材105による積層体フィルム10の間欠的な押し込みによって、積層体フィルム10の一部に所望の大きさの凸状のたわみ部12Aを形成する。そして、この、たわみ部12Aの形成時に、同時若しくは連続的に、たわみ部12Aの裏面(凹部側の面)側をランプヒーター106によって加熱し、熱融着層4を融着可能に溶融する。
図5に示す通り、本発明の放熱構造体の製造方法においては、先ず、積層体フィルム10を巻出しロール101から搬出し、搬送ロール102によって、たわみ部を形成する全体プロセス内の所定位置まで搬送する。そして当該位置において、押し込み部材105による積層体フィルム10の間欠的な押し込みによって、積層体フィルム10の一部に所望の大きさの凸状のたわみ部12Aを形成する。そして、この、たわみ部12Aの形成時に、同時若しくは連続的に、たわみ部12Aの裏面(凹部側の面)側をランプヒーター106によって加熱し、熱融着層4を融着可能に溶融する。
(放熱フィン形成工程)
たわみ部形成工程後、連続的に或いは速やかに、積層体フィルム10における相互に対面して放熱フィン12を形成する部分、即ち、たわみ部12Aの内側面の、溶融した熱融着層4同士を、押圧ロール103によって押圧することによって接着させる。
たわみ部形成工程後、連続的に或いは速やかに、積層体フィルム10における相互に対面して放熱フィン12を形成する部分、即ち、たわみ部12Aの内側面の、溶融した熱融着層4同士を、押圧ロール103によって押圧することによって接着させる。
たわみ部形成工程と放熱フィン形成工程において放熱フィン12の形状付与が行われた積層体フィルム10は、巻取りロール104に巻き取られる。
尚、積層体フィルム10は、例えば、押圧ロール若しくは、その下流側に更に設けられた搬送ロール(図示せず)の通過時に、図8に示すような態様で更に押圧されて、所謂Z織りの形態で、放熱構造体1とすることもできる。このような形態とすることで、保存、輸送の際に省スペース化を実現することが可能である。更に、巻き取り形態のままでの保存、輸送も可能であり、大面積での輸送を可能とすることが出来る。
又、放熱構造体1においては、放熱フィンやシート面の端部からの金属箔2が露出した状態となると、例えば太陽電池モジュールの金属枠との間の短絡の危険があるため、金属箔2の形成を端面からの安全幅をとって、通常形成可能な範囲よりも若干狭い範囲に形成するか、或いは、輻射層3や熱融着層4を形成する樹脂シート等に予め適当な延設部分を設けてこの部分で封止することにより、上記の短絡を防止することが好ましい。
又、放熱構造体1は、薄く、加工性に優れる為、放熱フィン12のピッチPsx、放熱フィン12の高さHsは、同一のものを連続製造した上で、鋏等で切り取ることでフィンの高さを最終調整し熱分布の均一性を図ることもできる。
[第2の実施態様]
本発明の放熱構造体の製造方法は、たわみ部12Aの両内側面同士の止着を、上記の熱融着層を介した接着に代えて、ミシン糸等の止着糸による縫着によって行うこともできる。この場合、積層体フィルム10において熱融着層4は必須ではない。又、積層体フィルム10に対する加熱手段が不要で、加熱条件の限定もなくなるため、本発明の製造方法をより広い条件範囲の中で柔軟に実施することが可能となる。尚、熱融着層4を介した接着を補助する形でこの縫着を併用する態様で本発明の製造方法を実施してもよい。
本発明の放熱構造体の製造方法は、たわみ部12Aの両内側面同士の止着を、上記の熱融着層を介した接着に代えて、ミシン糸等の止着糸による縫着によって行うこともできる。この場合、積層体フィルム10において熱融着層4は必須ではない。又、積層体フィルム10に対する加熱手段が不要で、加熱条件の限定もなくなるため、本発明の製造方法をより広い条件範囲の中で柔軟に実施することが可能となる。尚、熱融着層4を介した接着を補助する形でこの縫着を併用する態様で本発明の製造方法を実施してもよい。
<放熱構造体を備える太陽電池モジュール>
図10に示すように、放熱構造体1を、太陽電池モジュール5の太陽光入射面Lと反対側の面に積層して、熱ラミネーション方法等により、熱融着することによって、放熱構造体1を有する太陽電池モジュール5とすることが出来る。
図10に示すように、放熱構造体1を、太陽電池モジュール5の太陽光入射面Lと反対側の面に積層して、熱ラミネーション方法等により、熱融着することによって、放熱構造体1を有する太陽電池モジュール5とすることが出来る。
放熱構造体1は、熱融着層4を介して太陽電池モジュール5の非受光側の面に接着される。この接着は、太陽電池モジュール5の作成のための熱ラミネーション処理時に、同処理の中で同時にこの熱融着層を熱圧着することによって行うことができる。又、放熱構造体1の太陽電池モジュール5への接着はその他の各種の接着手段によるものであってもよい。又、ビス止めや、ねじによる固定、ナットによる固定、治具による固定等物理的な固定手段を補助的に用いてもよい。
尚、太陽電池モジュール5の太陽電池素子と太陽電池素子の間に照射される反射層を設けることが知られているが、本実施形態の放熱構造体1は、太陽光の入射面側に反射率の高いアルミ箔が存在しているため、反射層を省略若しくは反射層に添加する酸化チタンの量を減らすことも可能であり、太陽電池モジュール5の耐久性の向上、全体としてのコスト削減にも貢献することが出来る。
又、太陽電池モジュール5を、適当な高さ、適当な角度で設置するために、比較的熱伝導率の高い素材からなる架台上に設置して使用する場合、放熱構造体1を、それらの架台側に設置することも、放熱構造体1の好ましい一実施形態の一つである。上記の架台を形成する比較的熱伝導率の高い素材の具体例としては、アルミや鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、錫等の金属、又はこれら金属の組合せからなる合金や、これら金属又は合金に各種メッキ処理を施した金属、若しくは、グラファイト等を挙げることができる。放熱構造体1は、取付け場所に応じたサイズ調整が容易であり、形状追従性にも優れるため、様々な形状、形態の架台に適用できる。これにより、架台からの熱伝導による太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して発電力低下を防ぐことができる。
又、太陽電池モジュールに最終的に設置される金属フレーム等に放熱構造体1を予めドライラミネート等により設置しておき、熱ラミネーション処理を終えた太陽電池モジュール用の積層体への金属フレーム取付け時に、放熱構造体を太陽電池モジュールと一体化することもできる。これにより、太陽電池モジュールの熱ラミネーション時の加熱処理条件が放熱構造体の物性へ与える影響に起因する製造条件の制約を回避できる。
[実施例1]
厚み50μmの帝人社製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「白PETフィルム」とも記載)表面に、ロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、金属箔2である40μmのアルミ箔上にドライラミネートした。次に金属箔2としてのアルミ箔の白PETフィルムとは逆の面にロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、厚み80μmの三菱樹脂製ポリプロピレンフィルムを熱融着層4として重ね合わせ、白PETフィルム/アルミ箔(金属箔2)/ポリプロピレンフィルム(熱融着層4)よりなる積層フィルムを作製した。次に白PETフィルムが表となるように、作製した積層フィルムを図3に記載したようなフィンの高さHs=10mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmの形状に手折加工し、更にフィン部分を圧着接合した後、平面視形状が38mm×38mmとなる様に裁断した。次に厚さ100μmの黒体テープ(レック社製 THI−2B−5(熱放射率カタログ値=0.95))で覆い輻射層3を有する図3に記載したような放熱構造体を作製し、実施例1の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は1.5倍となった。
厚み50μmの帝人社製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「白PETフィルム」とも記載)表面に、ロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、金属箔2である40μmのアルミ箔上にドライラミネートした。次に金属箔2としてのアルミ箔の白PETフィルムとは逆の面にロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、厚み80μmの三菱樹脂製ポリプロピレンフィルムを熱融着層4として重ね合わせ、白PETフィルム/アルミ箔(金属箔2)/ポリプロピレンフィルム(熱融着層4)よりなる積層フィルムを作製した。次に白PETフィルムが表となるように、作製した積層フィルムを図3に記載したようなフィンの高さHs=10mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmの形状に手折加工し、更にフィン部分を圧着接合した後、平面視形状が38mm×38mmとなる様に裁断した。次に厚さ100μmの黒体テープ(レック社製 THI−2B−5(熱放射率カタログ値=0.95))で覆い輻射層3を有する図3に記載したような放熱構造体を作製し、実施例1の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は1.5倍となった。
[実施例2]
フィンの高さHs=21mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmで形状付与した以外は実施例1と同様に放熱構造体1を作製し、実施例2の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は、2.0倍となった。
フィンの高さHs=21mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmで形状付与した以外は実施例1と同様に放熱構造体1を作製し、実施例2の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は、2.0倍となった。
[実施例3]
フィンの高さHs=42mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmで形状付与した以外は実施例1と同様に放熱構造体1を作製し、実施例3の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は、3.0倍となった。
フィンの高さHs=42mm、フィン幅Y=38mm、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mmで形状付与した以外は実施例1と同様に放熱構造体1を作製し、実施例3の放熱構造体とした。この放熱構造体1を評価サンプルとして取り付けることで、評価サンプルを含んだ全体の表面積は、3.0倍となった。
[実施例4]
黒体テープを貼らなかった以外は実施例2と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例4の放熱構造体とした。ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱放射率は0.80である。
黒体テープを貼らなかった以外は実施例2と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例4の放熱構造体とした。ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱放射率は0.80である。
[実施例5]
帝人社製白PETフィルムに変えて、厚み25μmのデュポン社製白色ポリフッ化ビニルフィルム(以下、PVFフィルム)を用いた以外は実施例4と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例5の放熱構造体とした。PVFフィルムの熱放射率は0.73である。
帝人社製白PETフィルムに変えて、厚み25μmのデュポン社製白色ポリフッ化ビニルフィルム(以下、PVFフィルム)を用いた以外は実施例4と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例5の放熱構造体とした。PVFフィルムの熱放射率は0.73である。
[実施例6]
帝人社製白PETフィルムに変えて、厚み25μmの旭硝子社製白色エチレンテトラフロロエチレン共重合樹脂フィルム(以下ETFEフィルム)を用いた以外は実施例4と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例6の放熱構造体とした。ETFEフィルムの熱放射率は0.71である。
帝人社製白PETフィルムに変えて、厚み25μmの旭硝子社製白色エチレンテトラフロロエチレン共重合樹脂フィルム(以下ETFEフィルム)を用いた以外は実施例4と同様にして放熱構造体1を作製し、実施例6の放熱構造体とした。ETFEフィルムの熱放射率は0.71である。
[比較例1]
厚み2.0mm、X=50mm、Y=50mmの東洋アルミ社製A1050のアルミ板33に熱伝導テープ32、放熱構造体1を設置しない場合を比較例1とした。アルミ板表面の熱放射率は0.09である。
厚み2.0mm、X=50mm、Y=50mmの東洋アルミ社製A1050のアルミ板33に熱伝導テープ32、放熱構造体1を設置しない場合を比較例1とした。アルミ板表面の熱放射率は0.09である。
[比較例2]
比較例1のアルミ板33に厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 U48)をドライラミネートにて貼り付け輻射層3として比較例2とした。ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱放射率は0.80である。
比較例1のアルミ板33に厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 U48)をドライラミネートにて貼り付け輻射層3として比較例2とした。ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱放射率は0.80である。
[比較例3]
比較例1のアルミ板33に輻射層3としての黒体テープ(レック社製 THI−2B−5)を貼り付けて比較例3とした。黒体テープの熱放射率は0.95である。
比較例1のアルミ板33に輻射層3としての黒体テープ(レック社製 THI−2B−5)を貼り付けて比較例3とした。黒体テープの熱放射率は0.95である。
[比較例4]
図6、図7に記載したような形状のアルミ鋳造品のヒートシンクを比較例4とした。本アルミ鋳造品のヒートシンクは、三東化工社製38SQ38H20WAであり、X=38mm、Y=38mm、土台高さHb=4mm、放熱突起の高さHr=16mm、放熱突起のX軸方向でのピッチPrx=2mm、放熱突起のY軸方向でのピッチPry=2mmであった。このアルミ鋳造品はアルマイト処理されており、ヒートシンクの熱放射率は0.80である。
図6、図7に記載したような形状のアルミ鋳造品のヒートシンクを比較例4とした。本アルミ鋳造品のヒートシンクは、三東化工社製38SQ38H20WAであり、X=38mm、Y=38mm、土台高さHb=4mm、放熱突起の高さHr=16mm、放熱突起のX軸方向でのピッチPrx=2mm、放熱突起のY軸方向でのピッチPry=2mmであった。このアルミ鋳造品はアルマイト処理されており、ヒートシンクの熱放射率は0.80である。
[簡易評価]
放熱効率を測定する目的で図9に記載したような、簡易評価装置30にて放熱特性の測定を行った。簡易評価装置30は、熱源31に加熱電源35より電流1.8A、電圧2.1Vを加え加熱した。熱源31の一方の面には、厚み2.0mmで50mm角のアルミ板33を熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して貼り付けら。測定サンプルは、このアルミ板33に、熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して貼り付けた。又、熱源31の他方の面には熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して熱電対34を貼り付け、熱電対による起電力をデータレコーダ36を介して記録装置37に記録し90分放置した後の測定値を温度に換算した。熱源は、38Wの熱を発生し、単独での温度は、75℃に到達した。
放熱効率を測定する目的で図9に記載したような、簡易評価装置30にて放熱特性の測定を行った。簡易評価装置30は、熱源31に加熱電源35より電流1.8A、電圧2.1Vを加え加熱した。熱源31の一方の面には、厚み2.0mmで50mm角のアルミ板33を熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して貼り付けら。測定サンプルは、このアルミ板33に、熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して貼り付けた。又、熱源31の他方の面には熱伝導テープ32(日立マクセル社製SLION TAPE)を介して熱電対34を貼り付け、熱電対による起電力をデータレコーダ36を介して記録装置37に記録し90分放置した後の測定値を温度に換算した。熱源は、38Wの熱を発生し、単独での温度は、75℃に到達した。
簡易評価の結果を表1に記載する。
表1の結果より、何も加工していないアルミ面(比較例1)に対して、輻射層としてポリエチレンテレフタレートフィルムを設けたアルミニウム表面(比較例2)、輻射層として黒体テープを設けたアルミニウム表面(比較例3)は、優れた放熱効果を示し、更に、折り加工により形状付与することによる表面積拡大の効果により(実施例1、実施例2、実施例3)優れた放熱効果を示すことが明瞭となった。この放熱効果は、同一の表面積を持つアルミ鋳造品のヒートシンク(比較例4)より優れることが明瞭となった。(実施例3)そして種々の熱放射層を用いても、同様に優れた放熱効果を示すことが判明した。(実施例4、実施例5、実施例6)
[ソーラーシュミレーターによる評価]
太陽電池モジュールに放熱構造体を設けた際に効果をソーラーシュミレーターにて評価した。使用したソーラーシュミレーターは、三永電気製作所社製XES−180SIであり、1000W/m2の照射量で90分間測定した。下記表2に記載のモジュール温度は、照射後40分経過時から90分経過時までの太陽電池モジュールの中央部の平均温度である。この時、測定サンプルは、130mm×130mmの太陽電池モジュールの太陽光入射面Lの反対面(バックシート)に図10に記載したように38mm×38mmの放熱構造体5つを熱伝導テープ32を介し貼り付けたものである。アルミ鋳造品のヒートシンク(比較例4)と本実施形態の放熱構造体(実施例2)の測定結果を表2に記載する。尚、REFは、放熱構造体をつけていない太陽電池モジュールの値である。
太陽電池モジュールに放熱構造体を設けた際に効果をソーラーシュミレーターにて評価した。使用したソーラーシュミレーターは、三永電気製作所社製XES−180SIであり、1000W/m2の照射量で90分間測定した。下記表2に記載のモジュール温度は、照射後40分経過時から90分経過時までの太陽電池モジュールの中央部の平均温度である。この時、測定サンプルは、130mm×130mmの太陽電池モジュールの太陽光入射面Lの反対面(バックシート)に図10に記載したように38mm×38mmの放熱構造体5つを熱伝導テープ32を介し貼り付けたものである。アルミ鋳造品のヒートシンク(比較例4)と本実施形態の放熱構造体(実施例2)の測定結果を表2に記載する。尚、REFは、放熱構造体をつけていない太陽電池モジュールの値である。
表2により、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体は、太陽電池モジュールへ使用時に、従来のアルミ鋳造品のヒートシンクと類似の放熱効果を示し、太陽電池モジュールの起電力向上に効果があることが明らかとなった。
本実施形態の放熱構造体は、様々な熱源の冷却用途に使用できる。特に、大面積、軽量化を必要とする用途に好適に使用でき、屋外での用途にも高い耐久性を示す適用できる。
1 放熱構造体
10 積層体フィルム
11 熱伝導体
12 放熱フィン
12A たわみ部
2 金属箔
3 輻射層
4 熱融着層
5 太陽電池モジュール
21 山折り部
22 谷折り部
30 簡易評価装置
31 熱源
32 熱伝導テープ
33 アルミ板
34 熱電対
35 加熱電源
36 データレコーダ
37 記録装置
40 アルミ鋳造品のヒートシンク
100 放熱構造体の製造装置
101 巻出しロール
102 搬送ロール
103 押圧ロール
104 巻取りロール
105 押し込み部材
106 ランプヒーター
107 フォトマスク
Hs (本実施形態における)フィンの高さ
Hr (比較例における)放熱突起の高さ
Hb (比較例における)土台高さ
Psx (本実施形態における)X軸方向でのフィンのピッチ
Prx (比較例における)放熱突起のX軸方向でのピッチ
Pry (比較例における)放熱突起のY軸方向でのピッチ
L 太陽光入射面
10 積層体フィルム
11 熱伝導体
12 放熱フィン
12A たわみ部
2 金属箔
3 輻射層
4 熱融着層
5 太陽電池モジュール
21 山折り部
22 谷折り部
30 簡易評価装置
31 熱源
32 熱伝導テープ
33 アルミ板
34 熱電対
35 加熱電源
36 データレコーダ
37 記録装置
40 アルミ鋳造品のヒートシンク
100 放熱構造体の製造装置
101 巻出しロール
102 搬送ロール
103 押圧ロール
104 巻取りロール
105 押し込み部材
106 ランプヒーター
107 フォトマスク
Hs (本実施形態における)フィンの高さ
Hr (比較例における)放熱突起の高さ
Hb (比較例における)土台高さ
Psx (本実施形態における)X軸方向でのフィンのピッチ
Prx (比較例における)放熱突起のX軸方向でのピッチ
Pry (比較例における)放熱突起のY軸方向でのピッチ
L 太陽光入射面
Claims (7)
- 放熱構造体の製造方法であって、
金属箔の表面に輻射層が設けられてなる積層体フィルムの一部に、前記輻射層を両外側面とした凸状のたわみ部を形成する、たわみ部形成工程と、
該たわみ部の両外側面を押圧して該たわみ部の両内側面同士を止着することにより、放熱フィンを形成する放熱フィン形成工程と、を含んでなり、
前記積層体フィルムの各工程への搬入及び搬出を、ロールトゥロール方式の製造設備内で行い、
前記たわみ部の形成は、前記たわみ部形成工程に搬入される前記積層体フィルムの搬入量を、該たわみ部形成工程から次工程へ搬出される前記積層体フィルムの搬出量よりも、一時的且つ間欠的に増大させる処理によって、所望のたわみを積層体フィルムに発生させることによって行う放熱構造体の製造方法。 - 前記たわみ部の形成を、棒状又は板状の押し込み部材による、積層体フィルムの間欠的な押し込みによって行う請求項1に記載の放熱構造体の製造方法。
- 前記積層体フィルムの前記輻射層が形成されていない側の表面には、熱融着層が設けられていて、
前記たわみ部の両内側面同士の止着を、前記熱融着層の加熱処理と圧着処理とによって行う請求項1又は2に記載の放熱構造体の製造方法。 - 前記熱融着層の融点が100℃以上200℃以下である請求項3に記載の放熱構造体の製造方法。
- 前記前記熱融着層の加熱処理を、ランプヒーターによって行う請求項3又は4に記載の放熱構造体の製造方法。
- 前記たわみ部の両内側面同士の止着を、止着糸による縫着によって行う請求項1又は2に記載の放熱構造体の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の放熱構造体の製造方法で製造された放熱構造体を備える太陽電池モジュール。
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JP2014094033A JP2015211621A (ja) | 2014-04-30 | 2014-04-30 | 放熱構造体の製造方法、及び、放熱構造体を備える太陽電池モジュール |
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- 2014-04-30 JP JP2014094033A patent/JP2015211621A/ja active Pending
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