JP2015211174A - 樹脂封止シート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性や耐久性が良好で、発電効率を高め、その特性を長期に亘り維持できる、太陽電池用樹脂封止シートを提供する。
【解決手段】(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シート。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
【選択図】なし
【解決手段】(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シート。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂封止シート及び太陽電池モジュールに関する。
近年の地球環境に対する意識の高まりから、風力や水力、地熱等の自然エネルギーを利用した発電システムが注目されている。中でも太陽光を利用した発電システム(太陽電池)は、光起電力効果によって発生するエネルギーを直接電力に変換できるため、クリーン且つ効率的なエネルギーシステムとして盛んに研究開発が行われており、産業用及び家庭用エネルギー用途として注目されている。
前記太陽電池の代表例としては、単結晶、多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものや、アモルファスシリコン、化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられる。
前記太陽電池の代表例としては、単結晶、多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものや、アモルファスシリコン、化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられる。
ところで、太陽電池モジュールは、かなりの長期間、屋外で風雨にさらされるため、セルを長期にわたって保護する目的で、通常、発電素子の非発電面に樹脂等からなるバックシート(保護部材)が配置される。
一方、前記非発電面に対する発電面側においては、発電に必要な光を透過させる必要があるため、当該光に対して透明なガラスや透明樹脂からなる保護部材が配置される。
これらの部材を一体化封止(モジュール化)する方法としては、前記発電素子を2枚の樹脂封止シートで挟んだ後、ガラスやバックシートからなる保護部材でさらに外部を被覆して加熱し、前記樹脂封止シートを溶融させ、部材を一体化する方法が知られている。
一方、前記非発電面に対する発電面側においては、発電に必要な光を透過させる必要があるため、当該光に対して透明なガラスや透明樹脂からなる保護部材が配置される。
これらの部材を一体化封止(モジュール化)する方法としては、前記発電素子を2枚の樹脂封止シートで挟んだ後、ガラスやバックシートからなる保護部材でさらに外部を被覆して加熱し、前記樹脂封止シートを溶融させ、部材を一体化する方法が知られている。
前記発電素子を挟む樹脂封止シートに対する基本的な要求特性としては、<1>ガラス、発電素子、バックシートとの接着性、<2>高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動防止(耐クリープ性)、及び<3>太陽光を阻害しない透明性等が挙げられる。
近年では、これらの特性に加え、更なる発電効率向上が求められている。
近年では、これらの特性に加え、更なる発電効率向上が求められている。
前記発電効率向上の方法としては、大きく分けて2種類の方法が提案されている。
第1の方法としては、発電素子の発電面側に、波長変換材料を含む樹脂封止シートを配置する方法である。
例えば、発電素子の1つである結晶系シリコン太陽電池セルは、太陽光の中でもある特定範囲の波長の光のみを吸収し発電する。それ以外の波長の光、例えば紫外線領域の光では発電できないことから、太陽光のエネルギーを十分に有効に活用できていない。そこで、太陽電池セルの発電面側に、紫外線領域の光の波長を、太陽電池が吸収できる波長に変換させる材料よりなる樹脂封止シートを配置すれば、太陽光のエネルギーをより有効に活用できるようになる。例えば、特許文献1には、波長変換材として有機金属錯体を配合し、太陽電池モジュールの発電効率を向上させた樹脂封止シートが開示されている。
第1の方法としては、発電素子の発電面側に、波長変換材料を含む樹脂封止シートを配置する方法である。
例えば、発電素子の1つである結晶系シリコン太陽電池セルは、太陽光の中でもある特定範囲の波長の光のみを吸収し発電する。それ以外の波長の光、例えば紫外線領域の光では発電できないことから、太陽光のエネルギーを十分に有効に活用できていない。そこで、太陽電池セルの発電面側に、紫外線領域の光の波長を、太陽電池が吸収できる波長に変換させる材料よりなる樹脂封止シートを配置すれば、太陽光のエネルギーをより有効に活用できるようになる。例えば、特許文献1には、波長変換材として有機金属錯体を配合し、太陽電池モジュールの発電効率を向上させた樹脂封止シートが開示されている。
発電効率向上を図る第2の方法としては、太陽電池セルの裏面に抜ける光を、裏面部材で効率よく反射させ、より有効に太陽光を使う方法である。
具体的には、太陽電池セルの裏側に配置される封止材を白く着色し、抜けてきた光を乱反射させ再度セルに吸収、発電させる。
特許文献2には、二酸化チタンを用いて白く着色させ、光を乱反射させて有効利用することができる樹脂封止シートが開示されている。また、無機顔料を用いているため長期間の紫外光照射への耐久性は高いという特徴も有している。
また、特許文献3には、発光色素を含む樹脂のフィラーを用いて、光を乱反射させて有効利用する樹脂封止シートが開示されている。
具体的には、太陽電池セルの裏側に配置される封止材を白く着色し、抜けてきた光を乱反射させ再度セルに吸収、発電させる。
特許文献2には、二酸化チタンを用いて白く着色させ、光を乱反射させて有効利用することができる樹脂封止シートが開示されている。また、無機顔料を用いているため長期間の紫外光照射への耐久性は高いという特徴も有している。
また、特許文献3には、発光色素を含む樹脂のフィラーを用いて、光を乱反射させて有効利用する樹脂封止シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている樹脂封止シートにおいては、紫外光照射への耐久性があるとされている特定の化学構造の有機金属錯体に関して、モジュール化直後からの発電効率の低下がみられるという問題を有している。すなわち、数十年にわたる長期の実使用を想定すると、錯体分解、効率低下の懸念がある、という問題を有している。
また、特許文献2に開示されている樹脂封止シートにおいては、二酸化チタンにより黄色く変色する現象や、樹脂の変色を抑制するために添加する有機化合物が二酸化チタンと接触し、分解して変色する現象があるという問題を有している。
特許文献3に開示されている樹脂封止シートにおいては、樹脂のフィラーと混合する発光色素が、長期の太陽光照射において分解する場合があるという問題を有している。
また、特許文献2に開示されている樹脂封止シートにおいては、二酸化チタンにより黄色く変色する現象や、樹脂の変色を抑制するために添加する有機化合物が二酸化チタンと接触し、分解して変色する現象があるという問題を有している。
特許文献3に開示されている樹脂封止シートにおいては、樹脂のフィラーと混合する発光色素が、長期の太陽光照射において分解する場合があるという問題を有している。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、柔軟性や耐久性などの太陽電池用樹脂封止シートの基本的な要求特性を満たし、発電効率が高く、当該発電効率を長期に亘り維持できる樹脂封止シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点の解決を図るべく、鋭意検討した結果、結晶化度の異なる少なくとも2種類の樹脂を用いることにより、上記課題の解決が図られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
下記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び下記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
下記(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、下記(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シート。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
〔2〕
2層以上の樹脂層を有する、前記〔1〕に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔3〕
前記樹脂層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び前記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層である、前記〔2〕に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔4〕
前記太陽電池用樹脂封止シートの両表面に形成されている2層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主材として含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔5〕
ゲル分率が1〜65質量%である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔6〕
電離放射線処理が施された、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔7〕
厚み400μmにおけるヘイズ値が20%を超え、70%未満である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔8〕
発電素子と、当該発電素子の裏面側に保護部材を具備する太陽電池モジュールであって、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シートが、
前記保護部材と、前記発電素子との間に配置された、太陽電池モジュール。
下記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び下記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
下記(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、下記(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シート。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
〔2〕
2層以上の樹脂層を有する、前記〔1〕に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔3〕
前記樹脂層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び前記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層である、前記〔2〕に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔4〕
前記太陽電池用樹脂封止シートの両表面に形成されている2層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主材として含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔5〕
ゲル分率が1〜65質量%である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔6〕
電離放射線処理が施された、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔7〕
厚み400μmにおけるヘイズ値が20%を超え、70%未満である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
〔8〕
発電素子と、当該発電素子の裏面側に保護部材を具備する太陽電池モジュールであって、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の太陽電池用樹脂封止シートが、
前記保護部材と、前記発電素子との間に配置された、太陽電池モジュール。
本発明によると、柔軟性や耐久性など、太陽電池用樹脂封止シートの基本的な要求特性を満たし、発電効率を高め、その特性を長期に亘り維持できる、太陽電池用樹脂封止シートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔太陽電池用樹脂封止シート〕
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シート(以下、単に樹脂封止シートと記載する場合がある。)は、
下記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び下記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
下記(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、下記(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シートである。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シート(以下、単に樹脂封止シートと記載する場合がある。)は、
下記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び下記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
下記(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、下記(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シートである。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(樹脂)
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートにおいて使用する樹脂について説明する。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、樹脂(A)と記載する場合がある。)、及び前記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、樹脂(B)と記載する場合がある。)の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有している。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートにおいて使用する樹脂について説明する。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、樹脂(A)と記載する場合がある。)、及び前記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、樹脂(B)と記載する場合がある。)の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有している。
太陽電池用樹脂封止シートとしての柔軟性や、他の部材との密着性を得る観点から、前記樹脂(A)は、結晶化度が25%未満であるものとする。樹脂(A)の結晶化度は、20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましい。
樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選択される樹脂である。
樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選択される樹脂である。
前記樹脂(B)は、高効率の光反射性を得る観点から、結晶化度が25%以上であるものとし、かつ結晶化度が樹脂(A)よりも10%以上高い樹脂であるものとする。
樹脂(B)の結晶化度は、25〜65%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましい。
樹脂(B)は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選択される樹脂である。
樹脂(B)の結晶化度は、25〜65%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましい。
樹脂(B)は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選択される樹脂である。
樹脂(B)に、樹脂(A)より結晶化度が10%以上高い樹脂を選択することによって、樹脂(B)と樹脂(A)との相溶性を低下させ、溶融混練時に非相溶部を意図的に太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成することができる。
太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成された非相溶部のマクロ相分離構造は、それぞれの樹脂の結晶部に起因するヘイズ値を向上させる。その結果、より効率良く入射光を乱反射させる太陽電池用樹脂封止シートが得られる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートのヘイズ値の向上を図るために、(A)結晶化度が25%未満の樹脂と、(B)結晶化度が25%以上の樹脂とを用い、これらの樹脂の結晶化度の差は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。
太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成された非相溶部のマクロ相分離構造は、それぞれの樹脂の結晶部に起因するヘイズ値を向上させる。その結果、より効率良く入射光を乱反射させる太陽電池用樹脂封止シートが得られる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートのヘイズ値の向上を図るために、(A)結晶化度が25%未満の樹脂と、(B)結晶化度が25%以上の樹脂とを用い、これらの樹脂の結晶化度の差は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。
前記樹脂(A)及び樹脂(B)の結晶化度は、以下の装置及び条件で、広角X線回折透過法により各樹脂について測定し、得られた広角X線回折プロファイルより算出することにより得られる。
X線結晶解析装置 : 株式会社リガク製RINT2500型装置
X線源 : CuKα
出力 : 50KV、300mA
検出器 : シンチレーションカウンター
X線結晶解析装置 : 株式会社リガク製RINT2500型装置
X線源 : CuKα
出力 : 50KV、300mA
検出器 : シンチレーションカウンター
なお、樹脂(A)及び樹脂(B)は、高圧法、溶融法等のような公知の方法により重合し製造することができる。
樹脂(A)及び樹脂(B)の製造の際、所定の重合触媒を用いてもよい。当該重合触媒の種類は特に限定されるものではなく、例えば、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等が挙げられる。
また、樹脂(A)及び樹脂(B)のモノマーの重合時の結合形状は、特に限定されず、ランダム結合やブロック結合等であってもよい。
樹脂(A)及び樹脂(B)の製造の際、所定の重合触媒を用いてもよい。当該重合触媒の種類は特に限定されるものではなく、例えば、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等が挙げられる。
また、樹脂(A)及び樹脂(B)のモノマーの重合時の結合形状は、特に限定されず、ランダム結合やブロック結合等であってもよい。
前記樹脂(A)、樹脂(B)における、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の、エチレンと、酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルの各モノマーとの共重合比は、特に限定されず、所望する物性等を考慮して決定できる。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合、光学特性と接着性と柔軟性の観点から、共重合体全体に対する酢酸ビニルの割合は3〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの加工性の観点から、これらの共重合体のメルトフローレート(以下、MFRと記載する。)(190℃、2.16kg:以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体については同条件。)は、0.3〜30g/10分であるものが好ましく、より好ましくは0.5〜30g/10分、さらに好ましくは1.0〜30g/10分である。
MFRは、JIS−K−7210に準じて測定される。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合、光学特性と接着性と柔軟性の観点から、共重合体全体に対する酢酸ビニルの割合は3〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの加工性の観点から、これらの共重合体のメルトフローレート(以下、MFRと記載する。)(190℃、2.16kg:以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体については同条件。)は、0.3〜30g/10分であるものが好ましく、より好ましくは0.5〜30g/10分、さらに好ましくは1.0〜30g/10分である。
MFRは、JIS−K−7210に準じて測定される。
前記樹脂(A)、樹脂(B)における、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAAと記す。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記す。)、エチレン−アクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールのエステル)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールのエステル)共重合体等が挙げられ、これらは更にその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸及び同エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。これらの共重合体において、カルボン酸又はカルボン酸エステル基の含有量は、特に限定されないが、通常3〜35質量%のものが好ましい。
本実施形態において用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン又はエチレンと他の単量体との共重合体であるポリエチレン系樹脂、プロピレン又はプロピレンと他の単量体との共重合体であるポリプロピレン系樹脂、ブテン又はブテンと他の単量体との共重合体であるポリブテン系樹脂等が挙げられる。
なお、ポリオレフィン系樹脂としてのポリエチレン系樹脂は、上述した樹脂(A)、樹脂(B)として選択される「エチレン−酢酸ビニル共重合体」、「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体」、「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体」を除いたものとする。
なお、ポリオレフィン系樹脂としてのポリエチレン系樹脂は、上述した樹脂(A)、樹脂(B)として選択される「エチレン−酢酸ビニル共重合体」、「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体」、「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体」を除いたものとする。
前記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、従来から市販されている長鎖分岐を有するエチレンの単独重合体、エチレンを小量のα−オレフィンで変成したエチレン−α−オレフィン系共重合体等が挙げられる。
具体的には、ポリエチレン系樹脂とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)、α−オレフィン共重合体よりなる軟質重合体(例えば、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンから選ばれる1種、又は2種以上のα−オレフィンの組み合わせからなる共重合体)等が挙げられる。
前記エチレン−α−オレフィン系共重合体は、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合したものが一般的であるが、その中でも、シングルサイト系触媒により重合されたものが好ましい。より好ましくはエチレンコモノマーと、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のコモノマーとを共重合させた共重合体が、入手容易性の観点からより好ましい。
具体的には、ポリエチレン系樹脂とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)、α−オレフィン共重合体よりなる軟質重合体(例えば、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンから選ばれる1種、又は2種以上のα−オレフィンの組み合わせからなる共重合体)等が挙げられる。
前記エチレン−α−オレフィン系共重合体は、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合したものが一般的であるが、その中でも、シングルサイト系触媒により重合されたものが好ましい。より好ましくはエチレンコモノマーと、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のコモノマーとを共重合させた共重合体が、入手容易性の観点からより好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの加工性の観点より、ポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、2.16kg:以下、ポリエチレン系樹脂については同条件。)は、0.5〜30g/10分が好ましく、より好ましくは0.8〜30g/10分、さらに好ましくは1.0〜30g/10分である。
なお、当該ポリエチレン系樹脂は、上述した樹脂(A)、樹脂(B)として選択される「エチレン−酢酸ビニル共重合体」「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体」「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体」以外のポリエチレン系樹脂であるものとする。
なお、当該ポリエチレン系樹脂は、上述した樹脂(A)、樹脂(B)として選択される「エチレン−酢酸ビニル共重合体」「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体」「エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体」以外のポリエチレン系樹脂であるものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂シートにおいて、表面層がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂層よりなる場合、当該表面層に隣接する内側の樹脂層のMFRは、太陽電池用樹脂封止シートの加工性の観点より、表面層のMFRより低いことが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロピレンと、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等からなる群より選ばれるいずれか2種の樹脂のα−オレフィンとの3元共重合体等が挙げられる。
これらのプロピレンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれでもよく、好ましくはプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム3元共重合体である。
前記ポリプロピレン系樹脂を配合することにより、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの硬度を高めることができ、また、シートの腰を高めたり、耐熱性を向上させたりすることができる。
ポリプロピレン系樹脂には、ホモのPP(ポリプロピレン)、プロピレン含量が70質量%以上のプロピレンと他のα−オレフィン(エチレンの他、炭素数4〜8のもの)の1種又は2種以上との共重合体であって、チーグラー・ナッタ触媒のような従来の触媒で重合されたものが挙げられるが、その他、前述のメタロセン系触媒等で重合されたシンジオタクチックPPやアイソタクチックPPも含まれる。
更に、ポリプロピレン系樹脂は、50質量%程度までの濃度のゴム成分を均一微分散したものであってもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂中のプロピレンの含有量は、60〜90質量%が好ましい。
更に、ポリプロピレン系樹脂が3元共重合体であり、プロピレン含有量が60〜80質量%、エチレン含有量が10〜30質量%、ブテン含有量が5〜20質量%であるのものは、良好な熱収縮性が得られるため、より好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のJIS−K−7210に準じて測定されるMFRの値(230℃、2.16kgf:以下、ポリプロピレン系共重合体樹脂については同条件)は、0.3〜15.0g/10分が好ましく、より好ましくは0.5〜12g/10分、さらに好ましくは0.8〜10g/10分である。
これらのプロピレンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれでもよく、好ましくはプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム3元共重合体である。
前記ポリプロピレン系樹脂を配合することにより、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの硬度を高めることができ、また、シートの腰を高めたり、耐熱性を向上させたりすることができる。
ポリプロピレン系樹脂には、ホモのPP(ポリプロピレン)、プロピレン含量が70質量%以上のプロピレンと他のα−オレフィン(エチレンの他、炭素数4〜8のもの)の1種又は2種以上との共重合体であって、チーグラー・ナッタ触媒のような従来の触媒で重合されたものが挙げられるが、その他、前述のメタロセン系触媒等で重合されたシンジオタクチックPPやアイソタクチックPPも含まれる。
更に、ポリプロピレン系樹脂は、50質量%程度までの濃度のゴム成分を均一微分散したものであってもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂中のプロピレンの含有量は、60〜90質量%が好ましい。
更に、ポリプロピレン系樹脂が3元共重合体であり、プロピレン含有量が60〜80質量%、エチレン含有量が10〜30質量%、ブテン含有量が5〜20質量%であるのものは、良好な熱収縮性が得られるため、より好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のJIS−K−7210に準じて測定されるMFRの値(230℃、2.16kgf:以下、ポリプロピレン系共重合体樹脂については同条件)は、0.3〜15.0g/10分が好ましく、より好ましくは0.5〜12g/10分、さらに好ましくは0.8〜10g/10分である。
前記ポリブテン系樹脂は、本実施形態の樹脂封止シートの硬さや腰の強さの調整のために混合することが好ましい。
また、ポリブテン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂との相溶性に優れている。そのため、ポリプロピレン系樹脂と併用することがより好ましい。
前記ポリブテン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ブテン−1の含量量が70モル%以上の、結晶性で他の単量体(エチレン、プロピレンの他、炭素数5〜8のオレフィン系)の1種又は2種以上との共重合体をも含む高分子量のものが好ましい。これは、液状及びワックス状の分子量のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg:以下、ポリブテン系樹脂については同条件。)が、通常0.1〜10g/10分のものである。
また、ポリブテン系樹脂としては、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの流動性の観点から、ビカット軟化点が40〜100℃のものが好ましく、50〜100℃のものがより好ましく、60〜95℃のものがさらに好ましい。ここで、ビカット軟化点は、JIS−K−7206−1982に従って測定することができる。
また、ポリブテン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂との相溶性に優れている。そのため、ポリプロピレン系樹脂と併用することがより好ましい。
前記ポリブテン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ブテン−1の含量量が70モル%以上の、結晶性で他の単量体(エチレン、プロピレンの他、炭素数5〜8のオレフィン系)の1種又は2種以上との共重合体をも含む高分子量のものが好ましい。これは、液状及びワックス状の分子量のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg:以下、ポリブテン系樹脂については同条件。)が、通常0.1〜10g/10分のものである。
また、ポリブテン系樹脂としては、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの流動性の観点から、ビカット軟化点が40〜100℃のものが好ましく、50〜100℃のものがより好ましく、60〜95℃のものがさらに好ましい。ここで、ビカット軟化点は、JIS−K−7206−1982に従って測定することができる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートにおいて、前記(A)群から選ばれる樹脂と、(B)群から選ばれる樹脂の、混合比率については、押し出した樹脂封止シートのヘイズ値を、一定以上に高めるために、選択される全ての種類の樹脂が、混合樹脂全体の10〜90質量%の含有量で混合されるように調整することが好ましく、20〜80質量%の含有量で混合されるように調整することがより好ましい。
〔太陽電池用樹脂封止シートの製造方法〕
本実施形態の太陽電池用樹脂シートの製造方法について説明する。
前記(A)群、(B)群よりそれぞれ選択した2種類以上の樹脂をペレットの状態で混合し、その後、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー押出機、ニーダー、ミキサー等により溶融混練する。その後、その混練物をポリマーパイプにてダイへと移し、開口部からシート状に樹脂シートを押し出す。押し出された樹脂シートは空気もしくは水などの液体に接触させて急速に冷却し、形状(幅や厚み)を確定させる。
前記用いる押出機は1台、複数台のいずれでもよい。押出機は1台であっても製膜は可能であるが、単層シート及び多層シートのどちらの製膜にも用いることができる観点から、複数台の使用が好ましい。
制御の煩雑さ、設置箇所の広さなどの観点から、2〜5台の使用がより好ましい。
押出機とダイは、ポリマーパイプと呼ばれるパイプで接続する。ポリマーパイプには分岐があってもよい。後述する一連の添加剤を液体の状態で圧力をかけて注入するため、添加用の配管が接続されていてもよい。未溶融の樹脂や異物を除去するため、ポリマーパイプの前後に、少なくとも1枚の金属製のメッシュを挟んでもよい。
前記ダイは環状ダイやTダイ等、市販されている公知のダイを用いることができる。
本実施形態の樹脂封止シートの形状は、2層以上の多層シートである場合を考慮し、多層ダイを用いることが望ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂シートの製造方法について説明する。
前記(A)群、(B)群よりそれぞれ選択した2種類以上の樹脂をペレットの状態で混合し、その後、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー押出機、ニーダー、ミキサー等により溶融混練する。その後、その混練物をポリマーパイプにてダイへと移し、開口部からシート状に樹脂シートを押し出す。押し出された樹脂シートは空気もしくは水などの液体に接触させて急速に冷却し、形状(幅や厚み)を確定させる。
前記用いる押出機は1台、複数台のいずれでもよい。押出機は1台であっても製膜は可能であるが、単層シート及び多層シートのどちらの製膜にも用いることができる観点から、複数台の使用が好ましい。
制御の煩雑さ、設置箇所の広さなどの観点から、2〜5台の使用がより好ましい。
押出機とダイは、ポリマーパイプと呼ばれるパイプで接続する。ポリマーパイプには分岐があってもよい。後述する一連の添加剤を液体の状態で圧力をかけて注入するため、添加用の配管が接続されていてもよい。未溶融の樹脂や異物を除去するため、ポリマーパイプの前後に、少なくとも1枚の金属製のメッシュを挟んでもよい。
前記ダイは環状ダイやTダイ等、市販されている公知のダイを用いることができる。
本実施形態の樹脂封止シートの形状は、2層以上の多層シートである場合を考慮し、多層ダイを用いることが望ましい。
前記ダイから押出された樹脂シート原反の表面には、最終的に目的とする太陽電池用樹脂封止シートの形態に応じて所定のエンボス加工処理を施してもよい。
例えば、両面にエンボス加工処理を行う場合には2本のエンボス彫刻されたロール間に、片面エンボス加工処理を行う場合には片方のみエンボス彫刻されたロールを用い、他の所定のロールとの間に前記樹脂シート原反を通過させることによりエンボス加工処理を施すことができる。
その他公知のラミネート方法によって、エンボス加工処理と同時に多層構造を形成してもよい。
さらに、後処理として、例えば寸法安定化のためのヒートセット、コロナ処理、プラズマ処理や、他の樹脂封止シート等とのラミネーション処理を行ってもよい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートを構成する樹脂に対する架橋処理、すなわち後述する電離性放射線処理は、それぞれの場合に応じて前記エンボス加工処理の前工程又は後工程として行うかを選択することができる。
例えば、両面にエンボス加工処理を行う場合には2本のエンボス彫刻されたロール間に、片面エンボス加工処理を行う場合には片方のみエンボス彫刻されたロールを用い、他の所定のロールとの間に前記樹脂シート原反を通過させることによりエンボス加工処理を施すことができる。
その他公知のラミネート方法によって、エンボス加工処理と同時に多層構造を形成してもよい。
さらに、後処理として、例えば寸法安定化のためのヒートセット、コロナ処理、プラズマ処理や、他の樹脂封止シート等とのラミネーション処理を行ってもよい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートを構成する樹脂に対する架橋処理、すなわち後述する電離性放射線処理は、それぞれの場合に応じて前記エンボス加工処理の前工程又は後工程として行うかを選択することができる。
〔太陽電池用樹脂封止シートの層構成〕
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、製膜加工性や良好な柔軟性を付与するため、少なくとも2層以上の異なる樹脂層からなる多層構造であることが好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、製膜加工性や良好な柔軟性を付与するため、少なくとも2層以上の異なる樹脂層からなる多層構造であることが好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが2層以上の異なる樹脂層からなる多層構造である場合、2層以上の樹脂層のうち、少なくとも1層は、前述の(A)群から選ばれる1種類の樹脂と、(B)群から選ばれる1種類の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を混練し押し出した層(混合樹脂層)であるものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、2層から構成される場合は、太陽電池モジュールを作製する際に、前記混合樹脂層は、太陽電池モジュールのバックシートと接触するように配置されるものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、3層以上から構成される場合、前記混合樹脂層は、厚み方向に見て最も外側の層(以下「表面層」と表記する。)にあっても、他の2層の樹脂層に挟まれていてもよいが、製膜加工性、柔軟性、及び他部材との接着性を向上させる観点から、他の2層の樹脂層に挟まれている形態が好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、2層から構成される場合は、太陽電池モジュールを作製する際に、前記混合樹脂層は、太陽電池モジュールのバックシートと接触するように配置されるものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、3層以上から構成される場合、前記混合樹脂層は、厚み方向に見て最も外側の層(以下「表面層」と表記する。)にあっても、他の2層の樹脂層に挟まれていてもよいが、製膜加工性、柔軟性、及び他部材との接着性を向上させる観点から、他の2層の樹脂層に挟まれている形態が好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートを構成する樹脂層のうち、混合樹脂層以外の樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる、少なくとも1種類の樹脂から構成されることが好ましい。
また、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートの2つの表面層のうち、少なくとも1層は、柔軟性及び密着性の観点から、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を主材として構成される。
「主材」とは、層構成材料のうちの90質量%以上を占める材料であることを意味し、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
「主材」とは、層構成材料のうちの90質量%以上を占める材料であることを意味し、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、柔軟性や密着性、熱ラミネート時の伝熱性の観点から、全層の合計厚みは、50〜1500μmであることが好ましい。より好ましくは100〜1000μmであり、さらに好ましくは150〜800μmである。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが多層構造である場合において、全層の合計厚みに対する、結晶化度の異なる少なくとも2種類の樹脂を混練し押し出した混合樹脂層の厚みの割合は、密着性、及び高効率の光反射性の観点から、50〜90%であることが好ましく、60〜80%であることがより好ましい。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが多層構造である場合において、全層の合計厚みに対する、結晶化度の異なる少なくとも2種類の樹脂を混練し押し出した混合樹脂層の厚みの割合は、密着性、及び高効率の光反射性の観点から、50〜90%であることが好ましく、60〜80%であることがより好ましい。
〔太陽電池用樹脂封止シートに含まれるその他の材料〕
(添加剤)
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、その本来の特性を損なわない範囲で、カップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、架橋調整剤等の添加剤を含有してもよく、これらの添加剤の添加の方法は、液体状の添加剤を溶融樹脂に添加しても、直接、添加対象となる樹脂層に練り込むことにより添加しても、シーティング後に塗布してもよく、添加剤の効果が発揮できるように公知の方法を適用することができる。
(添加剤)
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、その本来の特性を損なわない範囲で、カップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、架橋調整剤等の添加剤を含有してもよく、これらの添加剤の添加の方法は、液体状の添加剤を溶融樹脂に添加しても、直接、添加対象となる樹脂層に練り込むことにより添加しても、シーティング後に塗布してもよく、添加剤の効果が発揮できるように公知の方法を適用することができる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートに安定した接着性を付与する観点から、カップリング剤を添加することが好ましい。
カップリング剤の添加量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類にもよるが、樹脂に対して0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。
カップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物等が挙げられる。これらのカップリング剤は、押出機内にて樹脂に注入混合したり、押出機ホッパー内に混合して導入したり、事前にマスターバッチ化して混合して添加したりしてもよく、公知の添加方法を採用することができる。しかしながら、押出機を経由するため、押出機内の熱や圧力などにより、本来の機能を阻害される場合があり、カップリング剤の種類によっては添加量を増減する必要がある場合がある。また、カップリング剤の種類は樹脂と混合した場合、樹脂の透明性や分散具合や押出機への腐食や押出安定性の観点から適宜選択すればよい。
カップリング剤は、本実施形態の樹脂封止シートが2層以上の樹脂層を具備する場合、どの層に添加してもよいが、接着性を付与する観点から、少なくとも2つの表面層に添加することが好ましい。
好ましいカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
カップリング剤の添加量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類にもよるが、樹脂に対して0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。
カップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物等が挙げられる。これらのカップリング剤は、押出機内にて樹脂に注入混合したり、押出機ホッパー内に混合して導入したり、事前にマスターバッチ化して混合して添加したりしてもよく、公知の添加方法を採用することができる。しかしながら、押出機を経由するため、押出機内の熱や圧力などにより、本来の機能を阻害される場合があり、カップリング剤の種類によっては添加量を増減する必要がある場合がある。また、カップリング剤の種類は樹脂と混合した場合、樹脂の透明性や分散具合や押出機への腐食や押出安定性の観点から適宜選択すればよい。
カップリング剤は、本実施形態の樹脂封止シートが2層以上の樹脂層を具備する場合、どの層に添加してもよいが、接着性を付与する観点から、少なくとも2つの表面層に添加することが好ましい。
好ましいカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
さらに、上記以外にも、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加することができる。
特に、透明性や接着性を長期間維持する必要がある場合、これらの紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等の添加量は、配合する樹脂層を構成する樹脂全量に対して0.001〜10質量%、好ましくは0.003〜5質量、より好ましくは0.005〜3%である。
添加剤の種類は特に限定されず、例えば、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加してもよい。
好ましい紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン等が挙げられる。
好ましい酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止剤、例えば、n−オクタデシル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジオールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパノアート]、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
好ましい変色防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系、ヒンダードベンゾエート系等の光安定剤、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル等が挙げられる。変色防止剤としては、電離性放射線架橋型樹脂の架橋安定性の観点から、ヒンダードアミン系がより好ましい。
特に、透明性や接着性を長期間維持する必要がある場合、これらの紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等の添加量は、配合する樹脂層を構成する樹脂全量に対して0.001〜10質量%、好ましくは0.003〜5質量、より好ましくは0.005〜3%である。
添加剤の種類は特に限定されず、例えば、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加してもよい。
好ましい紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン等が挙げられる。
好ましい酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止剤、例えば、n−オクタデシル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジオールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパノアート]、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
好ましい変色防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系、ヒンダードベンゾエート系等の光安定剤、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル等が挙げられる。変色防止剤としては、電離性放射線架橋型樹脂の架橋安定性の観点から、ヒンダードアミン系がより好ましい。
〔電離放射線処理〕
本実施形態の樹脂封止シートは、電離性放射線処理がなされていることが好ましい。
これにより、上述した樹脂(A)、樹脂(B)よりなる電離性放射線架橋型樹脂が架橋し、太陽電池モジュールを真空熱ラミネート装置にて製造後のキュア工程が不要となるため、例えば太陽電池の素子を保護し、太陽電池を製造する際の工程が簡易化する効果が得られる。
本実施形態の樹脂封止シートは、電離性放射線処理がなされていることが好ましい。
これにより、上述した樹脂(A)、樹脂(B)よりなる電離性放射線架橋型樹脂が架橋し、太陽電池モジュールを真空熱ラミネート装置にて製造後のキュア工程が不要となるため、例えば太陽電池の素子を保護し、太陽電池を製造する際の工程が簡易化する効果が得られる。
電離性放射線の照射による架橋方法としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を樹脂封止シートに照射して架橋させる方法が挙げられる。
電子線等の電離性放射線の加速電圧は、目的とする太陽電池型樹脂封止シートの厚さに応じて選択すればよい。例えば、500μmの厚さの場合、樹脂封止シート全体を架橋する場合には、加速電圧として300kV以上が必要である。電子線等の電離性放射線の加速電圧は、架橋処理を施す樹脂層に応じて適宜調節が可能であり、100kV〜1000kVが好ましい。
電離性放射線の照射線量は使用される樹脂によって異なるが、一般的に3kGy〜300kGyが好ましい。照射線量が3kGy以上であると、樹脂封止シートを構成する樹脂全体を均一に架橋することができ、樹脂封止シートに実用上十分な耐久性を付与することができる。
また、照射線量を300kGy以下とすると、太陽電池モジュールの真空熱ラミネート時において、実用上十分な熱流動性が得られるようになり、優れた封止効果を発揮できる。
電子線等の電離性放射線の加速電圧は、目的とする太陽電池型樹脂封止シートの厚さに応じて選択すればよい。例えば、500μmの厚さの場合、樹脂封止シート全体を架橋する場合には、加速電圧として300kV以上が必要である。電子線等の電離性放射線の加速電圧は、架橋処理を施す樹脂層に応じて適宜調節が可能であり、100kV〜1000kVが好ましい。
電離性放射線の照射線量は使用される樹脂によって異なるが、一般的に3kGy〜300kGyが好ましい。照射線量が3kGy以上であると、樹脂封止シートを構成する樹脂全体を均一に架橋することができ、樹脂封止シートに実用上十分な耐久性を付与することができる。
また、照射線量を300kGy以下とすると、太陽電池モジュールの真空熱ラミネート時において、実用上十分な熱流動性が得られるようになり、優れた封止効果を発揮できる。
電離性放射線処理された本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、実用上十分な耐久性と、熱流動性の両方を兼ね備えるものとするため、ゲル分率が1〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜60質量%、さらに好ましくは2〜55質量%である。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、表面層と内層とを備える多層構造である場合は、表面層の少なくとも1層のゲル分率が1〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜60質量%、さらに好ましくは2〜55質量%である。
表面層のゲル分率が1質量%以上であると、耐クリープ性が良好となる傾向にあり、65質量%以下であると、隙間埋め性が良好となる傾向にある。
ゲル分率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートが、表面層と内層とを備える多層構造である場合は、表面層の少なくとも1層のゲル分率が1〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜60質量%、さらに好ましくは2〜55質量%である。
表面層のゲル分率が1質量%以上であると、耐クリープ性が良好となる傾向にあり、65質量%以下であると、隙間埋め性が良好となる傾向にある。
ゲル分率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔太陽電池用樹脂封止シートの特性〕
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、太陽電池モジュールにおける発電素子の裏側に配置することで、効率よく裏側に反射した光を取り込み、発電効率を向上させる観点から、透明性が低いことが好ましい。
樹脂封止シートの透明性の指標としてはヘイズ値が用いられる。ヘイズ値が大きいほど、樹脂封止シートの透明性が低いことを示す。また、透明性の低いシートは一般的に結晶化度が高く、柔軟性が低い傾向にある。
本実施形態の樹脂封止シートは、効率よい光反射性と、実用時の十分な柔軟性の観点から、ヘイズ値は20.0%を超え70.0%未満であることが好ましく、より好ましくは25.0%〜70.0%であり、さらに好ましくは30.0〜65.0%である。
ヘイズ値は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、太陽電池モジュールにおける発電素子の裏側に配置することで、効率よく裏側に反射した光を取り込み、発電効率を向上させる観点から、透明性が低いことが好ましい。
樹脂封止シートの透明性の指標としてはヘイズ値が用いられる。ヘイズ値が大きいほど、樹脂封止シートの透明性が低いことを示す。また、透明性の低いシートは一般的に結晶化度が高く、柔軟性が低い傾向にある。
本実施形態の樹脂封止シートは、効率よい光反射性と、実用時の十分な柔軟性の観点から、ヘイズ値は20.0%を超え70.0%未満であることが好ましく、より好ましくは25.0%〜70.0%であり、さらに好ましくは30.0〜65.0%である。
ヘイズ値は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔太陽電池モジュール〕
本実施形態の太陽電池モジュールは、発電素子と、当該発電素子の裏面側に保護部材を具備する。
上述した本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、前記保護部材と前記発電素子との間に配置されているものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートを太陽電池モジュールの裏面側に配置することにより、透明性、接着性、耐クリープ特性を維持したまま、発電素子の裏面に抜ける光を効率よく反射させ、発電効率を向上させることができる。
また、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、従来の樹脂封止シートを用いた場合よりも簡便かつ安価に、太陽電池モジュールの発電効率を向上できる。
本実施形態の太陽電池モジュールは、発電素子と、当該発電素子の裏面側に保護部材を具備する。
上述した本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、前記保護部材と前記発電素子との間に配置されているものとする。
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートを太陽電池モジュールの裏面側に配置することにより、透明性、接着性、耐クリープ特性を維持したまま、発電素子の裏面に抜ける光を効率よく反射させ、発電効率を向上させることができる。
また、本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートは、従来の樹脂封止シートを用いた場合よりも簡便かつ安価に、太陽電池モジュールの発電効率を向上できる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の評価方法及び原料を以下に示す。
実施例及び比較例の評価方法及び原料を以下に示す。
〔評価方法〕
<照射処理>
先ず、実施例及び比較例で製造した樹脂封止シートに、電子線照射装置 EPS−800(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧750kV、照射密度90kGyで電子線架橋処理した。
この電子線架橋処理を施した後の樹脂封止シートを用いて、下記の<ゲル分率>、<隙間埋め性>、<ヘイズ値>の測定評価を行った。
なお、<結晶化度>に関しては、原料樹脂に対して測定を行った。
<照射処理>
先ず、実施例及び比較例で製造した樹脂封止シートに、電子線照射装置 EPS−800(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧750kV、照射密度90kGyで電子線架橋処理した。
この電子線架橋処理を施した後の樹脂封止シートを用いて、下記の<ゲル分率>、<隙間埋め性>、<ヘイズ値>の測定評価を行った。
なお、<結晶化度>に関しては、原料樹脂に対して測定を行った。
<結晶化度>
樹脂の結晶化度は、以下の装置及び条件で、広角X線回折透過法により各樹脂について測定し、得られた広角X線回折プロファイルより算出することにより得た。
X線結晶解析装置:株式会社リガク製RINT2500型装置
X線源 :CuKα
出力 :50KV、300mA
検出器 :シンチレーションカウンター
樹脂の結晶化度は、以下の装置及び条件で、広角X線回折透過法により各樹脂について測定し、得られた広角X線回折プロファイルより算出することにより得た。
X線結晶解析装置:株式会社リガク製RINT2500型装置
X線源 :CuKα
出力 :50KV、300mA
検出器 :シンチレーションカウンター
<ゲル分率>
樹脂封止シートを沸騰p−キシレン中で12時間抽出し、不溶解部分の割合を下記式により算出し、樹脂封止シートの架橋度の尺度とした。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
樹脂封止シートを沸騰p−キシレン中で12時間抽出し、不溶解部分の割合を下記式により算出し、樹脂封止シートの架橋度の尺度とした。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
<太陽電池セルの隙間埋め性評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス15cm×15cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電素子(単結晶シリコンセル:厚さ250μm)/樹脂封止シート/PETフィルム(東レ社製 ルミラー(商標登録):厚さ100μm)、の順序で積層し、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃にて真空ラミネートした。
ラミネート後、発電素子の単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触状況を目視にて確認し、以下の基準により発電部分の隙間埋め性を評価した。
(隙間埋め性の評価基準)
○:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分がすべて隙間なし(良好)。
×:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分に隙間が生じた(不良)。
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス15cm×15cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電素子(単結晶シリコンセル:厚さ250μm)/樹脂封止シート/PETフィルム(東レ社製 ルミラー(商標登録):厚さ100μm)、の順序で積層し、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃にて真空ラミネートした。
ラミネート後、発電素子の単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触状況を目視にて確認し、以下の基準により発電部分の隙間埋め性を評価した。
(隙間埋め性の評価基準)
○:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分がすべて隙間なし(良好)。
×:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分に隙間が生じた(不良)。
<ヘイズ値>
ASTM D−1003に準拠して測定した。
測定用サンプルとして、太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cm×10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートしたものを使用した。
真空ラミネート直後、及び加速試験後の2回、ヘイズ値を測定し、比較評価した。
評価基準として、加速試験後のヘイズ値低下が5%以内であれば、長期にわたり、太陽電池セルの裏面に抜ける光を効率よく反射させ、良好な発電効率を維持できるシートであると判断した。
加速試験においては、アイスーパーUVテスター SUV−W161(岩崎電気社製)を用いて、ヘイズ値測定用サンプルを温度70℃、湿度80%RHの環境下、放射照度100mW/cm2で250時間照射した。
ASTM D−1003に準拠して測定した。
測定用サンプルとして、太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cm×10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートしたものを使用した。
真空ラミネート直後、及び加速試験後の2回、ヘイズ値を測定し、比較評価した。
評価基準として、加速試験後のヘイズ値低下が5%以内であれば、長期にわたり、太陽電池セルの裏面に抜ける光を効率よく反射させ、良好な発電効率を維持できるシートであると判断した。
加速試験においては、アイスーパーUVテスター SUV−W161(岩崎電気社製)を用いて、ヘイズ値測定用サンプルを温度70℃、湿度80%RHの環境下、放射照度100mW/cm2で250時間照射した。
〔原料〕
<樹脂>
LDPE:(低密度ポリエチレン)サンテックLD M1920(旭化成ケミカルズ製:MFR=2g/10min、結晶化度42%)
LLDPE:(直鎖状低密度ポリエチレン)ノバテックLL UF442(日本ポリケム製:MFR=1.7g/10min、結晶化度48%)
VLDPE:(超低密度ポリエチレン)ENGAGE 8411(DOW製:MFR=18g/10min、結晶化度24%)
PP:(ポリプロピレン)ノバテックPP MA4(日本ポリケム製:MFR=5g/10min、結晶化度52%)
EVA(1):(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)ウルトラセン 540(VA=10%、東ソー製:MFR=3g/10min、結晶化度38%)
EVA(2):(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)ウルトラセン 751(VA=28%、東ソー製:MFR=5.7g/10min、結晶化度16%)
ここで、各原料樹脂のMFRは、JIS−K7210に準拠し、190℃もしくは230℃、2.16kg荷重におけるMFRを測定した。
<紫外線吸収剤>
Seesorb151(シプロ化成製:1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、分子量=428.5)
<シランカップリング(SC)剤>
KBM−503(信越化学工業製:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、分子量=248)
<樹脂>
LDPE:(低密度ポリエチレン)サンテックLD M1920(旭化成ケミカルズ製:MFR=2g/10min、結晶化度42%)
LLDPE:(直鎖状低密度ポリエチレン)ノバテックLL UF442(日本ポリケム製:MFR=1.7g/10min、結晶化度48%)
VLDPE:(超低密度ポリエチレン)ENGAGE 8411(DOW製:MFR=18g/10min、結晶化度24%)
PP:(ポリプロピレン)ノバテックPP MA4(日本ポリケム製:MFR=5g/10min、結晶化度52%)
EVA(1):(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)ウルトラセン 540(VA=10%、東ソー製:MFR=3g/10min、結晶化度38%)
EVA(2):(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)ウルトラセン 751(VA=28%、東ソー製:MFR=5.7g/10min、結晶化度16%)
ここで、各原料樹脂のMFRは、JIS−K7210に準拠し、190℃もしくは230℃、2.16kg荷重におけるMFRを測定した。
<紫外線吸収剤>
Seesorb151(シプロ化成製:1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、分子量=428.5)
<シランカップリング(SC)剤>
KBM−503(信越化学工業製:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、分子量=248)
〔実施例1〜12〕
2台ないし3台の押出機に、それぞれ、下記表1〜表4に記載の樹脂及び添加剤を投入し、押出機に接続された多層Tダイから下向きにシート状に溶融押出し、冷却ロールを用いて急冷し、厚み400μmの二種三層の樹脂封止シートを製造した。
この樹脂封止シートに対し、上述した方法で電子線処理を行い、各種評価を行った。
表1〜表4の結果に示すように、実施例の樹脂封止シートは、柔軟性や耐久性などの、太陽電池用樹脂封止シートの基本的な要求特性を保持したまま、長期間に亘り発電効率を向上できたことが分かった。
2台ないし3台の押出機に、それぞれ、下記表1〜表4に記載の樹脂及び添加剤を投入し、押出機に接続された多層Tダイから下向きにシート状に溶融押出し、冷却ロールを用いて急冷し、厚み400μmの二種三層の樹脂封止シートを製造した。
この樹脂封止シートに対し、上述した方法で電子線処理を行い、各種評価を行った。
表1〜表4の結果に示すように、実施例の樹脂封止シートは、柔軟性や耐久性などの、太陽電池用樹脂封止シートの基本的な要求特性を保持したまま、長期間に亘り発電効率を向上できたことが分かった。
〔比較例1〜3〕
実施例と同等の製膜方法にて、表5に記載の樹脂を投入し、樹脂封止シートを製造した。
この樹脂封止シートに対し、上述した方法で電子線処理を行い、各種評価を行った。
表5に示すように、比較例1は全層が単一の樹脂で構成された樹脂封止シートであり、所定の2種以上の樹脂を含む混合樹脂層を有していないため、ヘイズ値は発電効率を向上できるとされるヘイズ値範囲よりも低かった。
比較例3は混合樹脂層中において混合されている2種類の樹脂の結晶化度の差が小さいため、樹脂封止シートのヘイズ値は比較例1と同様に低くなった。
また、比較例2は、ヘイズ値が加速試験の前後ともに良好であったが、中間層が結晶化度の高い樹脂のみで構成されており、混合樹脂層を用いる場合と比べ、樹脂封止シート内の結晶量が多くなり、その結果樹脂封止シートの柔軟性に乏しく、セルと樹脂封止シートとの間に隙間を生じた。
樹脂(B)に、樹脂(A)より結晶化度が10%以上高い樹脂を選択することによって、樹脂(B)と樹脂(A)との相溶性を低下させ、溶融混練時に非相溶部を意図的に太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成することができる。
太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成された非相溶部のマクロ相分離構造は、それぞれの樹脂の結晶部に起因するヘイズ値を向上させる。その結果、より効率良く入射光を乱反射させる太陽電池用樹脂封止シートが得られる。
実施例と同等の製膜方法にて、表5に記載の樹脂を投入し、樹脂封止シートを製造した。
この樹脂封止シートに対し、上述した方法で電子線処理を行い、各種評価を行った。
表5に示すように、比較例1は全層が単一の樹脂で構成された樹脂封止シートであり、所定の2種以上の樹脂を含む混合樹脂層を有していないため、ヘイズ値は発電効率を向上できるとされるヘイズ値範囲よりも低かった。
比較例3は混合樹脂層中において混合されている2種類の樹脂の結晶化度の差が小さいため、樹脂封止シートのヘイズ値は比較例1と同様に低くなった。
また、比較例2は、ヘイズ値が加速試験の前後ともに良好であったが、中間層が結晶化度の高い樹脂のみで構成されており、混合樹脂層を用いる場合と比べ、樹脂封止シート内の結晶量が多くなり、その結果樹脂封止シートの柔軟性に乏しく、セルと樹脂封止シートとの間に隙間を生じた。
樹脂(B)に、樹脂(A)より結晶化度が10%以上高い樹脂を選択することによって、樹脂(B)と樹脂(A)との相溶性を低下させ、溶融混練時に非相溶部を意図的に太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成することができる。
太陽電池用樹脂封止シートの内部に形成された非相溶部のマクロ相分離構造は、それぞれの樹脂の結晶部に起因するヘイズ値を向上させる。その結果、より効率良く入射光を乱反射させる太陽電池用樹脂封止シートが得られる。
本発明の太陽電池用樹脂封止シートは、太陽電池モジュール用の樹脂封止シートとして産業上の利用可能性を有している。
Claims (8)
- 下記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び下記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層を有し、
下記(B)群から選ばれる樹脂の結晶化度が、下記(A)から選ばれる樹脂の結晶化度よりも10%以上高い、太陽電池用樹脂封止シート。
(A):結晶化度が25%未満の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体
(B):結晶化度が25%以上の、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体 - 2層以上の樹脂層を有する、請求項1に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- 前記樹脂層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂、及び前記(B)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の、少なくとも2種類の樹脂を含む混合樹脂層である、請求項2に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- 前記太陽電池用樹脂封止シートの両表面に形成されている2層のうち、少なくとも1層は、前記(A)群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主材として含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- ゲル分率が1〜65質量%である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- 電離放射線処理が施された、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- 厚み400μmにおけるヘイズ値が20%を超え、70%未満である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
- 発電素子と、当該発電素子の裏面側に保護部材を具備する太陽電池モジュールであって、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シートが、
前記保護部材と、前記発電素子との間に配置された、太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014093132A JP2015211174A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 樹脂封止シート及び太陽電池モジュール |
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