JP2015211008A - 透明電極、及び、電子デバイス - Google Patents

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【課題】十分な導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極を提供すること、およびこの透明電極を用いることによって性能の向上が図られた電子デバイスを提供する。
【解決手段】
透明基板11と、銀を主成分とする導電性層2と、透明基板11と導電性層2との間に設けられたフッ化カリウム層1とを有する透明電極10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明電極、及び、電子デバイスに関し、特には導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極、さらにはこの透明電極を用いた電子デバイスに関する。
近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、無機及び有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等の表示装置、タッチパネル、太陽電池等の各種電子デバイスに、低抵抗な透明電極が求められている。
また、各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明光源等の面発光体として、有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELと記す)を利用した有機電界発光素子(いわゆる有機EL素子)が注目されている。有機EL素子は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有する。
このような有機EL素子は、2枚の電極間に有機材料を用いて構成された発光層を挟持した構成であり、発光層で生じた発光光は電極を透過して外部に取り出される。このため、2枚の電極のうちの少なくとも一方は、低抵抗で光透過性の高い透明電極が求められている。
ここで、透明電極としては、光透過性の高い酸化インジウムスズ(SnO−In:Indium Tin Oxide:ITO)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられているが、ITOと銀とを積層して低抵抗化を狙った検討もなされている(例えば下記特許文献1,2参照)。しかしながら、ITOはレアメタルのインジウムを使用しているため、材料コストが高く、また抵抗を下げるために成膜後に300℃程度でアニール処理する必要があり、更なる低抵抗には限界があった。
そこで、電気伝導率の高い銀等の金属材料を薄膜化した構成や、銀にアルミニウムを混ぜることにより銀単独よりも薄い膜厚で導電性を確保する構成も提案されている(例えば下記特許文献3参照)。
特開2002−15623号公報 特開2006−164961号公報 特開2009−151963号公報
しかしながら、電気伝導率が高い銀等の金属材料で透明電極を構成した場合には、通常真空中での金属の膜成長はVolmer−Waber成長様式を取るため、初期段階で三次元的な核を形成し、それらの核が成長していき、核同士が合体することで連続膜を形成する。このため、透明電極の膜厚を薄く形成した場合には、膜が島状に孤立しやすく、また、連続膜まで成長させた場合には、膜厚が厚くなり、導電性と光透過性とのトレードオフを解消できない。また、銀−アルミニウム合金で透明電極を構成した場合には、銀−アルミニウム合金のアルミニウムが酸化されやすく、これにより抵抗が上がる。
このように、透明電極においては、十分な導電性と光透過性との両立を図ることは困難であった。
そこで本発明は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極を提供すること、およびこの透明電極を用いることによって性能の向上が図られた電子デバイスを提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の透明電極は、透明基板と、銀を主成分とする導電性層と、透明基板と導電性層との間に設けられたフッ化カリウム層とを有する。
また本発明の電子デバイスは、上記構成の透明電極を有することを特徴としている。電子デバイスは、例えば有機電界発光素子であることとする。
以上のように構成された透明電極は、透明基板と銀を主成分とする導電性層との間にフッ化カリウム層を有する構成である。これにより、透明電極は、後述する実施例に示されるように面抵抗が低くなると共に、透過率の向上が図られたものとなる。すなわち、透明電極は、フッ化カリウム層に隣接して導電性層が形成されることにより、薄いながらも均一な厚さで、安定な膜質の導電性層を有するものとなる。また、この透明電極を用いた電子デバイスは、駆動電圧が抑えられたものとなる。
したがって、このような透明電極は、導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることが可能になる。またこの透明電極を用いた電子デバイスは、性能の向上が図られたものとなる。
以上説明したように本発明によれば、透明電極における導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることができ、またこの透明電極を用いた電子デバイスの性能の向上を図ることが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る透明電極(3層構造)の構成を示す断面模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る透明電極(4層構造)の構成を示す断面模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る透明電極(5層構造)の構成を示す断面模式図である。 本発明の透明電極を用いた電子デバイス(有機EL素子)の一例を示す断面構成図である。 実施例1で作製した試料101の透明電極のSEM画像である。 実施例1で作製した試料111の透明電極のSEM画像である。 実施例1で作製した試料112の透明電極のSEM画像である。 実施例1で作製した試料113の透明電極のSEM画像である。 実施例1で作製した試料128の透明電極のSEM画像である。 実施例2で作製したボトムエミッション型の有機EL素子を説明する断面構成図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて次に示す順に説明する。
1.第1実施形態:3層構造の透明電極
2.第2実施形態:下地層を設けた4層構造の透明電極
3.第3実施形態:光学調整層を設けた5層構造の透明電極
4.第4実施形態:透明電極の用途
5.第5実施形態:電子デバイス(有機EL素子)
6.第6実施形態:電子デバイス(有機EL素子)の用途
≪1.第1実施形態:3層構造の透明電極≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る透明電極(3層構造)の構成を示す断面模式図である。この図に示すように、透明電極10は、透明基板11と、銀を主成分とする導電性層2と、透明基板11と導電性層2との間に設けられたフッ化カリウム層1を積層した3層構造である。すなわち、例えば透明基板11の上部に、フッ化カリウム層1、導電性層2の順に設けられている。このうち、透明電極10における電極部分を構成する導電性層2は、銀(Ag)を主成分として構成された層である。
以下に、このような積層構造の透明電極10を構成する各構成要素の詳細を、透明基板11、フッ化カリウム層1、及び導電性層2の順に説明する。尚、本発明の透明電極10の透明とは波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
<透明基板>
透明基板11は、例えばガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができるが、これらに限定されない。
ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、フッ化カリウム層1との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理を施したり、無機物または有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成される。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物または有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。このような被膜およびハイブリッド被膜は、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m2・24時間)以下のバリア性フィルム(バリア膜等ともいう)であることが好ましい。またさらには、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が10-3ml/(m2・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が10-5g/(m2・24時間)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
以上のようなバリア性フィルムを形成する材料としては、水分や酸素等の素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該バリア性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア性フィルムの形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載の大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
<フッ化カリウム層>
フッ化カリウム層1は、フッ化カリウムを用いて構成され、透明基板11と導電性層2との間に設けられた層である。このようなフッ化カリウム層1は、後述する実施例にも示されるように導電性層2の膜質を良好にするための層であって、導電性層2の下地として隣接して配置されているところが特徴的である。
以上のようなフッ化カリウム層1は、透明電極10の光透過性を阻害することなく、導電性層2との相互作用が得られる程度の膜厚であることが重要である。このため、フッ化カリウム層1は、透明基板11上にフッ素カリウム分子(KF)が1分子層以上形成されていればよく、島状に孤立して成膜されていてもよいし、複数の孔を有する膜であってもよいし、連続膜であってもよい。
このようなフッ化カリウム層1の平均厚みは、0.5〜3nmの範囲とすることが好ましく、0.5〜2.0nmの範囲とすることがさらに好ましい。
フッ化カリウム層1の平均厚みを0.5nm以上とすることで、導電性層2を構成する銀原子と十分な相互作用を得ることが可能となり、薄いながらも均一な厚みで、安定な膜質の導電性層2を形成できる。また、平均厚みを3.0nm以下とすることで、透明電極10の光学特性を阻害することなく、導電性層2を構成する銀原子と十分な相互作用を得ることができる。そして特に2.0nm以下とすることで、透明電極10は、後述する実施例に示されるように面抵抗が低くなると共に、透過率の向上が図られたものとなる。すなわち、薄いながらも均一な厚さで、安定な膜質の導電性層2を形成することができる。
尚、フッ化カリウム層1の平均厚みは、形成速度及び形成時間により調整する。
以上のようなフッ化カリウム層1の成膜方法としては、特に限定されることはないが、高い生産性を確保する観点から、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)のドライプロセスが好ましく適用される。
<導電性層>
導電性層2は、銀を主成分として構成された層であって、銀または銀を主成分とした合金を用いて構成され、透明基板11の一主面上にフッ化カリウム層1を介して設けられた層である。
導電性層2は、固有吸収が小さく、かつ電気伝導率が大きいとの観点から、銀又は銀(Ag)を主成分として構成された層であることが好ましい。導電性層2を構成する銀(Ag)を主成分とする合金としては、銀を50質量%以上含む合金であることが好ましい。銀(Ag)を主成分とする合金としては、例えば、銀マグネシウム(AgMg)、銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、銀パラジウム銅(AgPdCu)、銀インジウム(AgIn)、銀アルミニウム(AgAl)、銀金(AgAu)等が挙げられる。
以上のような導電性層2は、銀または銀を主成分とした合金の層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
導電性層2の膜厚は、4〜12nmの範囲とすることが好ましい。導電性層2の膜厚を12nm以下とすることにより、導電性層2の吸収成分または反射成分が低く抑えられ、透明電極10の光透過性が維持されるため好ましい。また、導電性層2の膜厚を4nm以上とすることにより、導電性層2の導電性も確保される。
さらに、透明電極10の光透過性を阻害しないために、導電性層2とフッ化カリウム層1との合計の厚さが、15nm以下となるように導電性層2の厚さを設定することが好ましく、特に合計の厚さを12nm以下とすることが好ましい。導電性層2とフッ化カリウム層1との合計の厚さを15nm以下とすることにより、この2層の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、透明電極10の光透過性が維持されるため好ましい。また特に、導電性層2とフッ化カリウム層1との合計の厚さを12nm以下とすることにより、透明電極10の光透過性がさらに向上するため好ましい。
以上のような導電性層2の成膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。
例えば、スパッタ法を適用した導電性層2の成膜であれば、銀を主成分とした合金のスパッタターゲット用意し、このスパッタゲートを用いたスパッタ成膜を行う。上述した合金の全ての場合において、スパッタ法を適用した導電性層2の成膜が行われるが、特に銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、または銀パラジウム銅(AgPdCu)を成膜する場合には、スパッタ法を適用した導電性層2の成膜が行われる。
また特に、銀アルミニウム(AgAl)、銀マグネシウム(AgMg)、銀インジウム(AgIn)を成膜する場合であれば、蒸着法を適用した導電性層2の成膜も行われる。蒸着法の場合、合金成分と銀(Ag)とを共蒸着する。この際、合金成分の蒸着速度と銀(Ag)の蒸着速度とをそれぞれ調整することにより、主材料である銀(Ag)に対する合金成分の添加濃度を調整した蒸着成膜を行う。
また導電性層2は、フッ化カリウム層1上に成膜されることにより、成膜後の高温アニール処理等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、成膜後に高温アニール処理等を行ったものであっても良い。
尚、以上のような、透明基板11と、フッ化カリウム層1と、導電性層2とを積層した3層構造の透明電極10は、導電性層2の上部が保護膜で覆われていたり、別の導電性層(補助電極)が積層されていても良い。この場合、透明電極10の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び他の導電性層が光透過性を有することが好ましい。また、フッ化カリウム層1の下部、すなわち、フッ化カリウム層1と透明基板11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としても良い。
<効果>
以上のように構成された透明電極10は、透明基板11と導電性層2との間にフッ化カリウム層1を有する構成である。これにより、透明電極10は、後述する実施例に示されるように面抵抗が低くなると共に、透過率の向上が図られたものとなる。
すなわち、このような構成によれば、フッ化カリウム層1上に導電性層2を成膜する際に導電性層2を構成する銀又は銀合金は、フッ化カリウム層との界面で相互作用することにより、表面拡散距離が減少して凝集が抑えられたものとなる。つまり、導電性層2の膜を成長させるための核(成長核)の数が通常よりも増えるため、この成長核を起点として、より薄い膜厚で導電性層2の連続膜を形成することができる。そして、フッ化カリウム層1を構成するフッ化カリウムと相互作用することにより、導電性層2を構成する銀原子のマイグレーションが抑制されるものと考えられる。
したがって、本実施形態の透明電極10は、薄いながらも均一な厚さで、安定な膜質の導電性層2を有するものとなり、導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることが可能となる。
またこのような透明電極10は、レアメタルであるインジウム(In)を用いていないため低コストであり、またZnOのような化学的に不安定な材料を用いていないことからも長期信頼性に優れたものとなる。
≪2.第2実施形態:下地層を設けた4層構造の透明電極≫
図2は、本発明の第2の実施形態に係る透明電極(4層構造)の構成を示す断面模式図である。この図に示す透明電極20が、先の図1を用いて説明した透明電極10と異なるところは、透明基板11とフッ化カリウム層1との間に、下地層(光学調整層)を設けて4層構造としたところにあり、他の構成は同一である。このため、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、4層構造の透明電極20は、例えば透明基板11の上部に、下地層21、フッ化カリウム層1、導電性層2の順に設けられている。
<下地層>
下地層21は、透明基板11とフッ化カリウム層1との間に設けられた層である。このような下地層21は、後述する実施例にも示されるように透明電極20の導電性及び光透過性を向上させるための層であって、フッ化カリウム層1の下地として隣接して配置されているところが特徴的である。
以上のような下地層21は、特に制限はないが、目的に応じて適宜選択することができ、高屈折率又は低屈折率の層で構成することにより、透明電極20の光透過性(光学アドミッタンス)を調整する層であってもよい。また、導電性層2の平滑性や膜質を高める層あってもよい。また、下地層21は、無機材料で構成されていてもよいし、有機材料で構成されていてもよい。
中でも、導電性層2の反射率や透過率等の光学特性を調整し、透明電極20の光透過性を向上できる観点から、下地層21は光学調整層であることが好ましい。
[1.光学調整層]
光学調整層は、導電性層2の反射率や透過率等の光学特性を調整するための層である。このような光学調整層は、透明基板11よりも屈折率の高い層(高屈折率層)であることが好ましい。
高屈折率層の屈折率は、1.8以上であることが好ましく、より好ましくは2.1以上2.5以下である。高屈折率層の屈折率が1.8より高いと、導電性層2の光透過性が高まりやすい。また、高屈折率層の屈折率は、透明基板11の屈折率よりも、0.1〜1.1以上大きいことが好ましく、0.4〜1.0以上大きいことがより好ましい。高屈折率層の屈折率は、波長510nmの光の屈折率であり、エリプソメーターで測定される。高屈折率層の屈折率は、高屈折率層を構成する材料や、高屈折率層中の材料の密度等によって調整される。
高屈折率層は、誘電性材料又は酸化物半導体材料を含んで構成されていることが好ましい。また、高屈折率層を構成する材料は、金属酸化物または金属硫化物であることが好ましい。金属酸化物又は金属硫化物の例には、酸化チタン(TiO:n=2.1〜2.4)、酸化インジウムスズ(ITO:n=1.9〜2.2)、酸化亜鉛(ZnO:n=1.9〜2.0)、硫化亜鉛(ZnS:n=2.0〜2.2)、酸化ニオブ(Nb:n=2.2〜2.4)、酸化ジルコニウム(ZrO:n=2.0.〜2.1)、酸化セリウム(CeO:n=1.9〜2.2)、五酸化タンタル(Ta:n=1.9〜2.2)、酸化錫(SnO:n=1.8〜2.0)、酸化インジウム亜鉛(IZO:1.9〜2.4)等が含まれ、屈折率や生産性の観点からTiO、Nbであることが好ましい。高屈折率層には、誘電性材料または酸化物半導体材料が1種のみ含まれてもよく、2種以上が含まれてもよい。
高屈折率層の厚みは、10〜150nmであることが好ましく、より好ましくは20〜80nmである。ここで、高屈折率層の厚みが10nm未満であると、導電性層2の光透過性を十分に高めることが難しい。一方、高屈折率層の厚みが150nmを超えると、導電性層2の透明性(反射防止性)が高まらない。高屈折率層の厚みは、エリプソメーターで測定される。
尚、光学調整層は、透明基板11よりも屈折率の低い層(低屈折率層)であってもよい。また、上述した高屈折率層に加えてさらに低屈折率層を設けてもよいし、高屈折率層と低屈折率層とを複数積層した構成とすることも可能である。このような低屈折率層を高屈折率層に隣接して形成することにより、透明電極20の光透過性がさらに向上する。
尚、光学調整層が、高屈折率層と低屈折率層とで構成されている場合には、透明基板11上に高屈折率層と低屈折率層とがこの順に積層された構成とする。
低屈折率層は、透明基板11よりも低い屈折率を有する層であり、高屈折率層と共に用いた場合には、透明基板11及び高屈折率層よりも低い屈折率を有する層である。このとき、透明基板11を高屈折率層よりも屈折率の低い材料から構成し、特に波長510nmにおける屈折率が、透明基板11よりも0.1以上低いことが好ましい。このような低屈折率層は、特に限定されないが、透明基板11を構成する材料よりも屈折率が低い材料を含んで構成される。
(光学調整層の成膜方法)
以上のような光学調整層が透明基板11上に成膜されたものである場合、その成膜方法としては、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)またはスパッタ法が挙げられる。特に、EB蒸着であれば、イオンアシストを用いた方法が好適である。このような光学調整層の成膜方法は、これを構成する材料によって適切な方法が選択されることとする。例えば、酸化亜鉛(ZnO)または酸化チタン(TiO)を用いた光学調整層の成膜であれば蒸着法が適用される。また酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、または酸化ニオブ(Nb)を用いた光学調整層の成膜であればスパッタ法が適用される。
[2.その他の層]
下地層21は、例えば導電性層2の平滑性を高めるための平滑層であってもよい。また、下地層21は、導電性層2を構成する銀原子と相互作用し、安定的に結合するような化合物で構成された層であってもよく、例えば窒素を含有する窒素含有化合物が用いられる。フッ化カリウム層1の下地にこのような層を設けることにより、導電性層2の平滑性や、フッ化カリウム層との相乗効果により膜質を良好にすることが可能となる。
尚、以上のような、透明基板11と、下地層21と、フッ化カリウム層1と、導電性層2とを積層した4層構造の透明電極20は、導電性層2の上部が保護膜で覆われていたり、別の導電性層が積層されていても良い。この場合、透明電極20の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び他の導電性層が光透過性を有することが好ましい。また、下地層21の下部、すなわち、下地層21と透明基板11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としても良い。
<効果>
以上のように構成された透明電極20は、図1に示す透明電極10における透明基板11とフッ化カリウム層1との間に、下地層(光学調整層)21を設けて4層構造とした構成である。これにより、透明電極20は、第1実施形態の効果に加えてさらに導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることが可能となり信頼性が図られたものとなる。
そして特に、下地層21を光学調整層で形成した場合には、導電性層2の反射率や透過率等の光学特性を調整することが可能となり、金属材料本来の吸収を低減することができる。すなわち、導電性層2の光学アドミッタンスを、導電性層2の光が入射する側の媒質に合わせて調整することが可能となり、その媒質との界面における反射を防止することができる。これにより、透明電極20は、さらに光透過性が向上するとともに、色度の視野角特性の向上が図られたものとなる。また、複数の光学調整層を用いた場合には、透明電極20の光学アドミッタンスの最適化できる範囲が広がるため、設計自由度が向上する。
≪3.第3実施形態:光学調整層を設けた5層構造の透明電極≫
図3は、本発明の第3の実施形態に係る透明電極(5層構造)の構成を示す断面模式図である。この図に示す透明電極30が、先の図2を用いて説明した透明電極20と異なるところは、導電性層のフッ化カリウム層が設けられた側とは逆側の面に光学調整層を設けて5層構造としたところにあり、他の構成は同一である。このため、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、5層構造の透明電極30は、例えば透明基板11の上部に、下地層21、フッ化カリウム層1、導電性層2、光学調整層31の順に設けられている。
<光学調整層>
光学調整層31は、先の図2に示した4層構造の透明電極20に用いた下地層21における光学調整層と同様のものであって良い。すなわち、光学調整層31は、高屈折率又は低屈折率の層で構成することにより光透過性(光学アドミッタンス)を調整する層である。尚、光学調整層31が、高屈折率層と低屈折率層とで構成されている場合には、導電性層2上に高屈折率層と低屈折率層とがこの順に積層された構成とする。
また、光学調整層31を構成する材料は、図2に示す下地層21の高屈折率層と同じ材料で構成されたものであってもよいし、異なる材料で構成されたものであっても良い。
また、光学調整層31の厚みは、図2に示す下地層21の光学調整層と同じ膜厚であっても良いし異なる膜厚であってもよいが、10〜100nmの厚さで形成されていることが好ましい。この範囲の厚さとすることにより、導電性層2と光学調整層31の界面における反射を防止することができる。特に、20nm以上の厚さとすることにより、反射抑制に効果的である。
ここで、光学調整層31は、導電性層2上に形成された層である。このため、このような透明電極30を電子デバイスに用いる際には、電極の主体となる導電性層2と、透明電極30上に配置される素子や電子部品等との間に光学調整層31が介在する構成となる。このように、光学調整層31が介在する場合であっても、光学調整層31は透明電極30を用いた電子デバイスの導電性に影響を与えない。これは、導電性層2を構成する銀又は銀合金は導電性が非常に高いため、透明電極30の導電性に光学調整層31はほとんど影響を与えないからである。
例えば、光学調整層31の厚さが小さく、光学調整層31の面方向の抵抗値が高い場合にも、導電性層2の導電性が非常に高いため、透明電極30の面方向の導電性は光学調整層31からの影響を受けない。
すなわち、光学調整層31の厚さ程度では、光学調整層31の厚さ方向の抵抗が非常に小さく、また、導電性層2の導電性が非常に高いため、透明電極30の厚さ方向の導電性はその影響を受けない。
尚、光学調整層31の膜厚は、上述した範囲内であれば、この透明電極30を用いて構成される電子デバイスによって適宜設定された値とすればよい。
また、光学調整層31は、例えば、上述した蒸着法(抵抗加熱、EB法など)またはスパッタ法の製法を用いることにより、緻密な層を形成することができる。このように、導電性層2上に接して緻密な光学調整層31を形成することにより、導電性層2を構成する銀又は銀合金を安定化(不導体化)することができる。このため、導電性層2の信頼性が向上し、透明電極30の信頼性や、この透明電極30を備える電子デバイスの性能が向上する。
尚、以上のような、透明基板11と、下地層21と、フッ化カリウム層1と、導電性層2と、光学調整層31とを積層した5層構造の透明電極30は、光学調整層31の上部が保護膜で覆われていたり、別の導電性層が積層されていても良い。この場合、透明電極30の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び他の導電性層が光透過性を有することが好ましい。また、下地層21の下部、すなわち、下地層21と透明基板11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としても良い。
また、本実施形態は、図2に示す透明電極20に光学調整層31を設ける構成を説明し
たが、図1に示す透明電極10と組み合わせても良い。
<効果>
以上のように構成された透明電極30は、図2に示す透明電極20における導電性層2のフッ化カリウム層1が設けられた側とは逆側の面に光学調整層31を設けて5層構造とした構成である。これにより、透明電極30は、第2実施形態の効果に加えてさらに光透過性の向上を図ることが可能となる。
すなわち、このような構成によれば、導電性層2と光学調整層31との界面においての反射を防止することができる。また、上述した高屈折率層の材料は一般的に緻密な膜質を有しているため、導電性層2に隣接して配置されることで導電性層2を構成する銀(Ag)のマイグレーションを防止できる。これにより、信頼性の向上がさらに図られたものとなる。
そして特に、下地層21を光学調整層で形成した場合には、透明電極30は、導電性層2とフッ化カリウム層1が光学調整層により挟持された構成となる。これにより、導電性層2の反射率や透過率等の光学特性を調整することが可能となり、金属材料本来の吸収を低減することができる。すなわち、導電性層2の光学アドミッタンスを、導電性層2の光が入射する側の媒質に合わせて調整することが可能となり、その媒質との界面における反射を防止することができる。これにより、透明電極30は、さらに光透過性が向上するとともに、色度の視野角特性の向上が図られたものとなる。
また、本第3実施形態と第1実施形態とを組み合わせた場合の透明電極は、第1実施形態の効果に加えてさらに光透過性の向上を図ることが可能となり、信頼性の向上がさらに図られたものとなる。
≪4.第4実施形態:透明電極の用途≫
上述した第1〜3実施形態の透明電極は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、有機EL素子、LED(light Emitting Diode)、液晶素子、太陽電池、タッチパネル等が挙げられる。そして、これらの電子デバイスの電極部材として光透過性が必要とされる場合には、第1〜3実施形態の透明電極を好ましく用いることができる。
以下では、用途の一例として、本発明の透明電極を陽極又は/及び陰極として用いた電子デバイス(有機EL素子)の実施の形態を説明する。尚、ここでは本発明の透明電極として、第1実施形態に係る透明電極10を一例として用いて説明する。
≪5.第5実施形態:電子デバイス(有機EL素子)≫
<有機EL素子の構成>
図4は、本発明の電子デバイスの一例として、上述した透明電極10を用いた有機EL素子の一構成例を示す断面構成図である。以下にこの図に基づいて有機EL素子40の構成を説明する。
図4に示す有機EL素子40は、透明基板11側から順に、透明電極10、発光機能層3、および対向電極5が積層されている。このうち、透明電極として、先に説明した本発明の透明電極10を用いているところが特徴的である。また、発光機能層3は、少なくとも有機材料で構成された発光層3aを有する。このため有機EL素子40は、少なくとも透明基板11側から発光光hを取り出すボトムエミッション型として構成されている。
また、有機EL素子40の全体的な層構造が限定されることはなく、一般的な層構造であって良い。
また、有機EL素子40は、有機材料等を用いて構成された発光機能層3の劣化を防止することを目的として、透明基板11上において後述する封止材で封止されている。この封止材は、接着剤を介して透明基板11側に固定されている。ただし、透明電極10および対向電極5の端子部分は、透明基板11上において発光機能層3によって互いに絶縁性を保った状態で封止材から露出させた状態で設けられていることとする。
以下、上述した有機EL素子40を構成するための主要各層の詳細を、透明電極10、発光機能層3、対向電極5、封止材、及び保護部材の順に説明する。その後、有機EL素子40の作製方法を説明する。
[1.透明電極]
透明電極は、先に説明した本発明の透明電極10であり、有機EL素子40の陽極又は陰極を構成する電極であって、発光機能層3で生じた発光光hの取り出す側に設けられた電極である。この透明電極10は、透明基板11の上部に、フッ化カリウム層1、導電性層2がこの順に設けられた構成である。ここでは特に、導電性層2を構成する層が実質的な電極となる。
尚、本実施形態の有機EL素子40においての透明電極は、図1に示す透明電極10を用いて説明するが、例えば図3に示す透明電極30の場合には、発光機能層3と、実質的な電極として用いられる導電性層2との間に、光学調整層31が配置された構成となる。このように発光機能層3との間に光学調整層31が介在する透明電極30であっても、銀(Ag)を主成分とする導電性層2の導電性が極めて高いため、光学調整層31に対して導電性が求められることはない。したがって、光学調整層31の材料は、適宜選択すれば良い。
また光学調整層31は、電極として必要な膜厚を備えている必要はなく、光学調整層31を備えた透明電極30が用いられる有機EL素子中における透明電極30の配置状態によって、適切に設定された膜厚を有していれば良い。
[2.発光機能層]
発光機能層3は、少なくとも有機材料で構成された発光層3aを含む層である。このよう発光機能層3の全体的な層構造が限定されることはなく、一般的な層構造であって良い。このような発光機能層3は、一例として、透明電極10および対向電極5のうち陽極として用いられる電極側から順に[正孔注入層/正孔輸送層/発光層3a/電子輸送層/電子注入層]を積層した構成が例示されるが、発光層3a以外の層は必要に応じて設けられることとする。
このうち、発光層3aは、陰極側から注入された電子と、陽極側から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層3aの層内であっても発光層3aにおける隣接する層との界面であってもよい。このような発光層3aは、発光材料として燐光発光材料が含有されていても良く、蛍光発光材料が含有されていても良く、燐光発光材料および蛍光発光材料の両方が含有されていても良い。また発光層3aは、これらの発光材料をゲスト材料とし、さらにホスト材料を含有する構成であることが好ましい。
正孔注入層および正孔輸送層は、正孔輸送性と正孔注入性とを有する正孔輸送注入層として設けられても良い。尚、光学調整層31が金属酸化物で構成されている場合、例示した金属酸化物の多くは正孔輸送性または正孔注入性を有するため、この光学調整層31を正孔注入層、正孔輸送層、または正孔輸送注入層として用いることもできる。
また電子輸送層および電子注入層は、電子輸送性と電子注入性とを有する電子輸送注入層として設けられても良い。またこれらの各層のうち、例えば正孔注入層および電子注入層は無機材料で構成されている場合もある。
また発光機能層3は、これらの層の他にも正孔阻止層や電子阻止層等が必要に応じて必要箇所に積層されていて良い。
さらに発光機能層3は、各波長領域の発光光を発生させる各色発光層3aを含む複数の発光機能層を積層した構成であっても良い。各発光機能層は、異なる層構造であって良く、直接積層されていても中間層を介して積層されていてもよい。中間層は、一般的に中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層の何れかであり、陽極側の隣接層に電子を、陰極側の隣接層に正孔を供給する機能を持った層であれば、公知の材料構成を用いることができる。
(発光機能層の成膜方法)
以上のような発光機能層3は、各層を構成する材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法、印刷法等の公知の薄膜形成方法により順次成膜することによって得ることができる。均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法またはスピンコート法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる成膜法を適用してもよい。これらの各層の成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般に化合物を収蔵したボート加熱温度50℃〜450℃、真空度10-6Pa〜10-2Pa、蒸着速度0.01nm/秒〜50nm/秒、基板温度−50℃〜300℃、膜厚0.1μm〜5μmの範囲で、各条件を適宜選択することが望ましい。
[3.対向電極]
対向電極5は、透明電極10との間に発光機能層3を挟持する状態で設けられ、透明電極10が陽極である場合には陰極として用いられ、透明電極10が陰極である場合には陽極として用いられる。この対向電極5は、金属、合金、有機または無機の導電性化合物、およびこれらの混合物のなかから、仕事関数を考慮して適宜に選択された導電性材料を用いて構成される。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO、SnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
尚、この有機EL素子40が、透明基板11側からのみ発光光hを取り出す構成であれば、上述した導電性材料の中から発光光hの反射特性が良好な材料を選択して対向電極5を構成することが好ましい。一方、この有機EL素子40が、対向電極5側からも発光光hを取り出す、両面発光型であれば、上述した導電性材料のうち光透過性の良好な導電性材料を選択して対向電極5を構成すれば良い。
陰極の厚さは、材料にもよるが、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200
nmの範囲で透過性または反射性を考慮して選ばれる。
(対向電極の成膜方法)
以上のような対向電極5は、選択された導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により成膜される。
[4.封止材]
封止材は、有機EL素子40を覆うものであって、光透過性を有していてもいなくても良い。ただし、この有機EL素子40が、対向電極5側からも発光光hを取り出すものである場合、封止材としては、光透過性を有する透明封止材が用いられる。このような封止材は、板状(フィルム状)の封止部材であって接着剤によって透明基板11側に固定されるものであっても良く、封止膜であっても良い。
板状(フィルム状)の封止材としては、具体的には、光透過性を有するものであれば、ガラス基板、ポリマー基板が挙げられ、これらの基板材料をさらに薄型のフィルム状にして用いても良い。なかでも、素子を薄膜化できるということから、封止材としてポリマー基板を薄型のフィルム状にしたものを好ましく使用することができる。
さらには、フィルム状としたポリマー基板は、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10-3ml/(m2・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が、1×10-3g/(m2・24h)以下のものであることが好ましい。
また以上のような基板材料は、凹板状に加工して封止材として用いても良い。また板状の封止材の他の例として、金属材料で構成されたものを用いることができる。
また以上のような板状の封止材を透明基板11側に固定するための接着剤は、封止材と透明基板11との間に挟持された有機EL素子40を封止するためのシール剤として用いられる。なお、有機EL素子40を構成する有機材料は、熱処理により劣化する場合がある。このため、接着剤は、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。
また板状の封止材と透明基板11と接着剤との間に隙間が形成される場合、この間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
一方、封止材として封止膜を用いる場合、有機EL素子40における発光機能層3を完全に覆い、かつ有機EL素子40における透明電極10および対向電極5の端子部分を露出させる状態で、透明基板11上に封止膜が設けられる。
このような封止膜は、無機材料や有機材料を用いて構成され、特に、水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する材料、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等の無機材料が用いられる。さらに封止膜の脆弱性を改良するために、これら無機材料からなる膜と共に、有機材料からなる膜を用いて積層構造としても良い。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
以上のような封止材は、有機EL素子40における透明電極10および対向電極5の端子部分を露出させると共に、少なくとも発光機能層3を覆う状態で設けられている。また封止材に電極を設け、有機EL素子40の透明電極10および対向電極5の端子部分と、この電極とを導通させるように構成されていても良い。
[5.保護部材]
ここでの図示は省略したが、透明基板11との間に有機EL素子40および封止材を挟んで保護部材を設けても良い。この保護部材は、有機EL素子40を機械的に保護するためのものであり、特に封止材が封止膜である場合には、有機EL素子40に対する機械的な保護が十分ではないため、このような保護部材を設けることが好ましい。
以上のような保護部材は、ガラス板、ポリマー板、これよりも薄型のポリマーフィルム、金属板、これよりも薄型の金属フィルム、またはポリマー材料膜や金属材料膜が適用される。このうち特に、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
<有機EL素子の作製方法>
以上のような有機EL素子40の作製は、次のように行う。
先ず透明基板11上に、所望の膜厚でフッ化カリウム層1を成膜する。次いで、銀(または銀を主成分とした合金)からなる導電性層2を、4nm〜12nmの膜厚になるように成膜する。以上の成膜においては、上述した蒸着法やスパッタ法などの適宜選択された成膜法を適用する。また導電性層2の成膜においては、必要に応じて例えばマスクを用いた成膜を行うことにより、透明基板11の周縁に端子部分を引き出した形状に導電性層2を形成する。
次に導電性層2上に、発光層3aを含む発光機能層3を成膜する。発光機能層3を構成する各層の成膜は、適宜選択された成膜法を適用して行われる。また発光機能層3を構成する各層の成膜においては、必要に応じて例えばマスクを用いた成膜を行うことにより、導電性層2の端子部分を露出させる形状に発光機能層3を構成する各層を形成する。
次いで発光機能層3上に、対向電極5を成膜する。対向電極5の成膜は、蒸着法やスパッタ法などの適宜の成膜法を適用して成膜する。また対向電極5の成膜においては、必要に応じて例えばマスクを用いた成膜を行うことにより、発光機能層3によって導電性層2との間の絶縁状態を保ちつつ、透明基板11の周縁に対向電極5の端子部分を引き出した形状に形成する。
以上により、透明基板11側から発光光hを取り出すボトムエミッション型の有機EL素子40が得られる。またその後には、有機EL素子40における導電性層2および対向電極5の端子部分を露出させた状態で、少なくとも発光機能層3を覆う封止材を設ける。この際、接着剤を用いて、封止材を透明基板11側に接着し、これらの封止材−透明基板11間に有機EL素子40の発光機能層3を封止する。
以上のような有機EL素子40の作製においては、一回の真空引きで一貫して発光機能層3から対向電極5まで作製するのが好ましいが、途中で真空雰囲気から透明基板11を取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
尚、上述したフッ化カリウム層1〜対向電極5の形成は、各層を成膜した後に、成膜された各層を所定形状にパターニングするようにしても良い。また導電性層2の形成前後には、必要に応じて補助電極のパターン形成を行っても良い。
このようにして得られた有機EL素子40に直流電圧を印加する場合には、導電性層2と対向電極5との間に電圧2V以上40V以下程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
<効果>
以上のように構成された有機EL素子40は、導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極10を発光光hの取り出す側の電極として用い、透明電極10のフッ化カリウム層1との間に導電性層2を挟持する位置に設けられた発光機能層3と、透明電極10との間に発光機能層3を挟持する状態で設けられた対向電極5とを備えた構成である。
これにより、有機EL素子40は、後述する実施例に示されるように所定輝度を得るための駆動電圧の低減により、寿命の向上が図られたものとなる。したがって、素子の性能の向上が図られたものとなる。
すなわち、有機EL素子40は、導電性及び光透過性の良好な透明電極10を備えたことで、所定輝度を得るための駆動電圧の低減により、寿命の向上が図られ、性能の向上が図られたものとなる。
また、透明電極として、図2に示す透明電極20、又は図3に示す透明電極30を用いた場合には、有機EL素子は、上記効果に加えてさらに駆動電圧を抑制できることにより、寿命の向上が図られ、さらに性能の向上が図られたものとなる。
そして特に、透明電極20、又は透明電極30の下地層21を光学調整層で形成した場合には、導電性層2の反射率や透過率等の光学特性を調整することが可能となり、金属材料本来の吸収を低減することができる。したがって、このような光学調整層を有する透明電極を用いた場合には、有機EL素子は、上記効果に加えてさらに駆動電圧を抑制できることにより、寿命の向上が図られ、そして特に色度の視野角特性の向上が図られたものとなる。したがって、素子の性能の向上がさらに図られたものとなる。
≪6.第6実施形態:電子デバイス(有機EL素子)の用途≫
図4に示す有機EL素子40は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源などの電子デバイスとして適用することができる。発光光源としては、例えば、家庭用照明や車内照明などの照明装置、時計や液晶用のバックライト、看板広告用照明、信号機の光源、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これに限定するものではない。特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪透明電極の作製≫
以降の表1に構成を示すように、試料101〜136の各透明電極を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。
<試料101の透明電極の作製手順>
以下のようにして、ガラス製の透明基板上に、膜厚10nmで銀(Ag)からなる導電性層を透明電極として形成した。
先ず、透明な無アルカリガラス製の基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、銀(Ag)をタングステン製の抵抗加熱ボートに入れた。次に、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空槽内に取り付けた。次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、膜厚10nmの銀(Ag)からなる導電性層を形成した。
<試料102の透明電極の作製手順>
透明基板をポリエチレンテレフタレート(PET)製の基板で形成したこと以外は、上記試料101と同様の手順で試料102の透明電極を作製した。
<試料103の透明電極の作製手順>
透明基板をポリエチレンナフタレート(PEN)製の基板で形成したこと以外は、上記試料101と同様の手順で試料103の透明電極を作製した。
<試料104の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を形成する前に酸化チタン(TiO)で構成された下地層を形成したこと以外は、上記試料101と同様の手順で、試料104の透明電極を作製した。
先ず、ガラス製の透明基板を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化チタン(TiO)を銅(Cu)製のハースライナーに入れた。次に、これらの基板ホルダーとハースライナーとを電子ビーム蒸着装置の真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、市販の真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次いで、電子ビーム蒸着装置の真空槽を2×10-2Paまで減圧した後、酸化チタン(TiO)の入った銅(Cu)製のハースライナーに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、膜厚30nmの酸化チタン(TiO)で構成された下地層を設けた。
次いで、下地層まで形成した透明基板上に、銀からなる導電性層を試料101の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
<試料105の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を形成する前に酸化ニオブ(Nb)で構成された下地層を形成したこと以外は、上記試料101と同様の手順で、試料105の透明電極を作製した。
先ず、ガラス製の透明基板を市販のスパッタ成膜装置の基材ホルダーに固定し、酸化ニオブ(Nb)で構成されたスパッタターゲットをスパッタ成膜装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、市販の真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、スパッタ成膜装置の真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、アルゴンガスを導入し、真空槽内を0.4Paに調整し、RF(高周波)バイアス300Wとし、成膜速度0.2nm/秒で、膜厚30nmの酸化ニオブ(Nb)で構成された下地層を設けた。
次いで、下地層まで形成した透明基板上に、銀からなる導電性層を試料101の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
<試料106〜110の透明電極の作製手順>
下地層を下記表1に示す各化合物で形成したこと以外は、上記試料105と同様の手順で試料106〜110の透明電極を作製した。
<試料111、112の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を形成する前に下記表1に示す各化合物で構成された下地層を形成したこと以外は、上記試料101と同様の手順で、試料111、112の透明電極を作製した。
先ず、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記表1に示す各化合物をタンタル製の抵抗加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと抵抗加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付けた。
ここで、用いた化合物の有機材料A、有機材料Bは、窒素を含有する窒素含有化合物である。
次に、第1真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、各化合物の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で透明基板上に膜厚30nmの下地層を成膜した。
次いで、下地層まで形成した透明基板を真空のまま第2真空槽に移し、銀からなる導電性層を試料101の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
<試料113の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を形成する前にフッ化リチウム(LiF)で構成されたフッ化リチウム層(塩)を形成したこと以外は、上記試料112の透明電極と同様の手順で、試料113の透明電極を作製した。
先ず、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、有機材料Bをタンタル製の抵抗加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと抵抗加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タンタル製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム(LiF)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付け、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第3真空槽内に取り付けた。
次に、第1真空槽において有機材料Bで構成された下地層を試料112の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
次いで、第2真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、フッ化リチウム(LiF)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で下地層上に膜厚1nmのフッ化リチウム層(塩)を成膜した。
次いで、フッ化リチウム層(塩)まで形成した透明基板を真空のまま第3真空槽に移し、銀からなる導電性層を試料101の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
<試料114の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を形成する前にフッ化リチウム(LiF)で構成されたフッ化リチウム層(塩)を形成したこと以外は、上記試料101の透明電極と同様の手順で、試料114の透明電極を作製した。
先ず、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、フッ化リチウム(LiF)をタンタル製の抵抗加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと抵抗加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付けた。
次に、第1真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、フッ化リチウム(LiF)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で透明基板上に膜厚1nmのフッ化リチウム層(塩)を成膜した。
次いで、フッ化リチウム層(塩)まで形成した透明基板を真空のまま第2真空槽に移し、銀からなる導電性層を試料101の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
<試料115、116の透明電極の作製手順>
透明基板を下記表1に示す材料で形成した以外は、上記試料114と同様の手順で試料115、116の透明電極を作製した。
<試料117〜119の透明電極の作製手順>
塩をフッ化カリウム(KF)で構成されたフッ化カリウム層(塩)で形成したこと以外は、上記試料114〜116と同様の手順で試料117〜119の透明電極を作製した。
<試料120〜126の透明電極の作製手順>
フッ化カリウム層(塩)を形成する前に下記表1に示すそれぞれの化合物で構成された下地層を形成したこと以外は、上記試料117と同様の手順で、試料120〜126の透明電極を作製した。尚、各化合物で構成された下地層は、上記試料104〜110と同様の手順を用いて作製した。
<試料127、128の透明電極の作製手順>
フッ化カリウム層(塩)を形成する前に下記表1に示すそれぞれの化合物で構成された下地層を形成したこと以外は、上記試料117と同様の手順で、試料127、128の透明電極を作製した。尚、各化合物で構成された下地層は、上記試料111、112と同様の手順を用いて作製した。
<試料129の透明電極の作製手順>
以下のようにして、導電性層を銀パラジウム(AgPd)で形成したこと以外は、上記試料121と同様の手順で、試料129の透明電極を作製した。
先ず、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記表1に示す各化合物をタンタル製の抵抗加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと抵抗加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タンタル製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム(LiF)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付け、タングステン製の各抵抗加熱ボートに銀(Ag)とパラジウム(Pd)をそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第3真空槽内に取り付けた。
次に、第1真空槽において酸化ニオブ(Nb)で構成された下地層を試料105の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
次に、第2真空槽においてフッ化カリウム(KF)で構成されたフッ化カリウム層を試料121の作製手順で説明したのと同様の手順で形成した。
次いで、第3真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートへの電流調整によって蒸着速度を調整した共蒸着により、Agにパラジウム(Pd)を5atm%で添加した導電性層を形成した。
<試料130、131の透明電極の作製手順>
導電性層を下記表1に示すそれぞれの化合物で形成したこと以外は、上記試料129と同様の手順で、試料130、131の透明電極を作製した。
<試料132〜135の透明電極の作製手順>
フッ化カリウム層(塩)を下記表1に示すそれぞれの膜厚で形成したこと以外は、上記試料121と同様の手順で、試料132〜135の透明電極を作製した。
<試料136の透明電極の作製手順>
導電性層を形成した後に、酸化ニオブ(Nb)で構成された光学調整層を形成したこと以外は、上記試料121と同様の手順で、試料136の透明電極を作製した。尚、酸化ニオブ(Nb)で構成された光学調整層は、上記試料105の下地層と同様の手順を用いて作製した。
<実施例1の各試料の評価>
上記で作製した試料101〜136の各透明電極について、(1)波長550nmの光に対する光透過率、および(2)面抵抗を測定した。
(1)光透過率の測定は、分光光度計(日立製作所製U−3300)を用い、試料と同じ基材をベースラインとして行った。
(2)面抵抗の測定は、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で行った。
試料101〜136の構成、並びに、透過率(%)、及び、面抵抗(Ω/sq.)の測定結果を下記表1に示す。
<実施例1の評価結果>
表1から明らかなように、試料117〜136の各透明電極、すなわち透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有する構成の透明電極は、光透過率が60%以上であるにもかかわらず、面抵抗値も19Ω/sq.未満であり、導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ると共に、信頼性の向上が図られた透明電極であることが確認された。
また、図5〜図9は、試料101、111〜113、128の透明電極の走査型電子顕微鏡による二次電子像(SEM画像 倍率:10万倍)を示している。これらを比較すると、次に説明するとおり、透明電極の層構成によって銀からなる導電性層の成膜状態が異なることが明らかであった。すなわち、図5〜図8に示すように、比較例の試料101、111〜113は、導電性層を構成する銀(図中の白表示部)の連続性が低く、導電性層で被覆されていない部分(図中の黒表示部)が目立っている。一方、図9に示すように、本発明の試料127は、導電性層を構成する銀が連続していた。また特に、層構成が同様な試料113(図8)と試料128(図9)とを比べると、透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有する構成の試料128の方が銀に被覆されていない部分が少なく、導電性層を構成する銀の連続性が高いことが確認された。
また層構成が同様な試料114〜119の各透明電極の評価結果を比較すると、試料117〜119の各透明電極、すなわち透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有する構成の透明電極は、光透過率が62%以上、面抵抗が13.3Ω/sq.以下に抑えられている。一方で、透明基板と導電性層との間の層がフッ化リチウム層である試料114〜119の透明電極は、透過率が31%以下と低く、面抵抗は測定不可能であった。
したがって、透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有する透明電極は、薄いながらも均一な厚さで、安定な膜質の導電性層を有していることが確認された。
これは、層構成が同様で透明基板と導電性層との間の層のみ異なる試料104〜113と、試料120〜128との各透明電極の評価結果の比較からも確認された。
さらに、試料117と試料120〜128の各透明電極、すなわち透明基板とフッ化カリウム層との間にさらに下地層を有することのみが異なる各透明電極を比較すると、下地層を有する試料120〜128の各透明電極の方が、面抵抗が9.9Ω/sq.以下とさらに抑制できることが確認された。
また、試料120〜128の各透明電極、すなわち下地層を構成する化合物のみが異なる各透明電極を比較すると、高い屈折率を有する酸化ニオブ(Nb)で構成された下地層を有する試料121は、その他の試料と比べて光透過率と共に面抵抗が良好な結果であることが確認された。また、有機材料Bで構成された下地層を有する試料128も同様に、光透過率と共に面抵抗が良好な結果となることが確認された。この結果から、下地層としては、屈折率の高い酸化ニオブ(Nb)で構成された光学調整層であったり、銀原子と相互作用し、安定的に結合する窒素の含有量が多い層であることが好ましいと考えられる。
また、試料121と試料129〜131の各透明電極、すなわち導電性層を構成する化合物のみが異なる各透明電極を比較すると、銀を主成分とした合金で構成された導電性層を有する試料129〜131の各透明電極は、さらに光透過率が良好な結果となることが確認された。
また、試料121と試料132〜135の各透明電極、すなわちフッ化カリウム層の膜厚のみが異なる各透明電極を比較すると、膜厚が0.5〜2nmの範囲で構成されているフッ化カリウム層を有する試料121、133、134の各透明電極は、特に透過率が66%以上と高く、かつ、面抵抗が8.5Ω/sq.以下に抑えられている。
また、試料121と試料136の各透明電極、すなわち導電性層上にさらに光学調整層を有することのみが異なる各透明電極を比較すると、導電性層上にさらに光学調整層を有する試料136の透明電極は、さらに光透過率が高く、面抵抗が抑制されていることが確認された。
以上の結果は、透明基板がポリエチレンテレフタレート(PET)製の基板であってもポリエチレンナフタレート(PEN)製の基板であっても同様であった。
一方、透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有しない試料101〜116の各透明電極は、面抵抗の測定が不可能であり、光透過率が低く透明電極として用いることはできないものであった。したがって、試料101〜116の各透明電極の中には、導電性の向上と光透過性の向上との両立と共に、信頼性の向上が図られた透明電極は得られなかった。
以下、実施例2に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例2に限定されるものではない。
≪ボトムエミッション型の有機EL素子の作製≫
試料201〜235のボトムエミッション型の各有機EL素子を、発光領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。図10及び下記表2を参照し、作製手順を説明する。尚、下記表2には、試料201〜235の有機EL素子に用いた透明電極の構成を示した。
[透明電極10の作製]
先ず、試料201〜235において、まず、上記表1に示した構成の各透明電極を形成した。各構造の透明電極の形成手順は、実施例1で対応する構造の透明電極の作製と同様におこなった。
[発光機能層3の作製]
(正孔輸送・注入層51)
正孔輸送注入材料として先に構造式を示した有機材料A(α−NPD)が入った加熱ボートに通電して加熱し、α−NPDよりなる正孔注入層と正孔輸送層とを兼ねた正孔輸送・注入層51を、透明電極10上に成膜した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、膜厚20nmとした。
(発光層52)
次に、下記構造式に示すホスト材料H4の入った加熱ボートと、下記構造式に示す燐光発光性化合物Ir−4の入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、ホスト材料H4と燐光発光性化合物Ir−4とよりなる発光層52を、正孔輸送・注入層51上に成膜した。この際、蒸着速度がホスト材料H4:燐光発光性化合物Ir−4=100:6となるように、加熱ボートの通電を調節した。また、発光層52の膜厚は、30nmとした。
(正孔阻止層53)
次いで、正孔阻止材料として下記構造式に示すBAlqが入った加熱ボートに通電して加熱し、BAlqよりなる正孔阻止層53を、発光層52上に成膜した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、膜厚10nmとした。
(電子輸送・注入層54)
その後、電子輸送・注入材料として、先に構造式を示した有機材料Bの入った加熱ボートと、フッ化カリウムの入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、有機材料Bとフッ化カリウムとで構成された電子注入層と電子輸送層とを兼ねた電子輸送・注入層54を、正孔阻止層53上に成膜した。この際、蒸着速度が有機材料B:フッ化カリウム=75:25になるように、加熱ボートの通電を調節した。また膜厚30nmとした。
[対向電極5の作製]
次いで、発光機能層3が形成された透明基板11を、真空蒸着装置の真空槽内に移送し、真空槽内を4×10-4Paまで減圧した後、真空槽内に取り付けられたアルミニウムの入った加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.3nm/秒で膜厚100nmのアルミニウムからなる対向電極5を形成した。この対向電極5は、陰極として用いられる。
(素子の封止)
その後、有機EL素子50を、厚さ300μmのガラス基板からなる封止材(図示を省略する)で覆い、有機EL素子50を囲む状態で、封止材と透明基板11との間に接着剤(シール材)を充填した。接着剤としては、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を用いた。封止材と透明基板11との間に充填した接着剤に対して、ガラス基板からなる封止材側からUV光を照射し、接着剤を硬化させて有機EL素子50を封止した。
尚、有機EL素子50の形成においては、各層の形成に蒸着マスクを使用し、5cm×5cmの透明基板11における中央の4.5cm×4.5cmを発光領域とし、発光領域の全周に幅0.25cmの非発光領域を設けた。また、アノードである透明電極10の導電性層2と、カソードである対向電極5とは、正孔輸送・注入層51〜電子輸送・注入層54によって絶縁された状態で、透明基板11の周縁に端子部分を引き出された形状で形成した。
以上のようにして、有機EL素子50を封止材と接着剤とで封止した試料201〜235の有機EL素子50の各発光パネルを得た。これらの各発光パネルにおいては、発光層52で発生した各色の発光光hが、透明基板11側から取り出される。
<実施例2の各試料の評価>
試料201〜235で作製した有機EL素子50について、(1)駆動電圧(V)、および(2)色度差(Δxy)を測定した。この結果を下記表2に合わせて示す。
(1)駆動電圧の測定は、各試料201〜235の有機EL素子50の透明基板11側での正面輝度が1000cd/mとなるときの電圧を駆動電圧として測定した。なお、輝度の測定には分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。得られた駆動電圧の数値が小さいほど、好ましい結果であることを表わす。
(2)色変化の測定は、各試料201〜235の有機EL素子50に2.5mA/cmの電流を加え、角度の異なる位置からCIE1931表色系における色度を測定した。この際、透明基板11側の発光面に対する法線方向となる0°の位置と、垂直水平(上下左右)方向にそれぞれ45°の各位置とで色度を測定した。角度の異なる位置において測定した色度の差を、色変化(Δxy)として下記表2に示した。色変化は、色度の視野角特性を表し、数値が小さいほど好ましい結果となる。
試料201〜235の構成、並びに、駆動電圧(V)、及び、色度差(Δxy)の測定結果を下記表2に示す。
<実施例2の評価結果>
表2から明らかなように、透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有する構成の透明電極を備える試料217〜235の有機EL素子は、これを有しない試料201〜216の有機EL素子と比較して、駆動電圧、及び、色変化において良好な結果が得られた。したがって、本発明の構成の有機EL素子は、駆動電圧の向上と色度の視野角特性の向上と共に、性能の向上が図られたものであることが確認された。
ここで、透明基板と導電性層との間にフッ化カリウム層を有しない比較例の試料201〜216の有機EL素子では、有機材料B及び導電性層を形成した試料212、213を除き、発光しなかった。また、試料212、213の有機EL素子においては、本発明の構成の試料217〜235の有機EL素子と比較して、駆動電圧が5.8V以上と高く、色変化も0.1以上と大きいことから視野角特性が悪く、十分な結果が得られなかった。
以上より、本発明構成の透明電極を用いた有機EL素子は、駆動電圧の向上と色度の視野角特性の向上と共に、性能の向上が図られたものであることが確認された。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,20,30 透明電極、11 透明基板、1 フッ化カリウム層、2 導電性層、21 下地層、31 光学調整層、40,50 有機EL素子、3 発光機能層、3a,52 発光層、51 正孔輸送・注入層、53 正孔阻止層、54 電子輸送・注入層

Claims (6)

  1. 透明基板と、
    銀を主成分とする導電性層と、
    前記透明基板と前記導電性層との間に設けられたフッ化カリウム層とを有する
    透明電極。
  2. 前記フッ化カリウム層の膜厚が0.5〜2nmの範囲である
    請求項1に記載の透明電極。
  3. 前記透明基板と前記フッ化カリウム層との間に、光学調整層を有する
    請求項1又は2に記載の透明電極。
  4. 前記導電性層と前記フッ化カリウム層が光学調整層により挟持されている
    請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極を有する
    電子デバイス。
  6. 前記電子デバイスが有機電界発光素子である
    請求項5に記載の電子デバイス。
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