JP2015210142A - 魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラム - Google Patents

魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラム Download PDF

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【課題】単体魚をより精確に検出することができる魚群探知機を提供する。
【解決手段】魚群探知機10は、演算処理部11、表示器20、送受切替器121,122,123,124、送受波器100を備える。演算処理部11は、送信制御部12、受信部13、単体魚検出部14、および、表示制御部15を備える。送受波器100は、複数のチャンネルを有し、各チャンネルで受信したエコー信号を、チャンネルエコー信号として、受信部13を介して単体魚検出部14に出力する。単体魚検出部14は、各チャンネルエコー信号の波形に基づいた第1判定、位相差の安定度に基づいた第2判定、振幅の安定度に基づいた第3判定を実行する。単体魚検出部14は、第1、第2、第3判定を満たすピークを単体魚のエコーと判定し、単体魚以外のエコーとを判別する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水中に送信した探知信号のエコー信号から単体魚を探知する魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムに関する。
現在、各種の魚群探知機が利用されている。魚群探知機は、水中に超音波の探知信号を送信し、そのエコー信号から魚群を探知する。このような魚群探知機の中には、単体魚を検出する魚群探知機も各種考案されている。
例えば、特許文献1に記載の計量魚群探知機は、エコー信号からピークを検出し、当該ピーク前後の振幅波形から単体魚を検出している。
より具体的には、特許文献1の計量魚群探知機は、振幅のピーク値より一定レベルだけ低い振幅値を設定する。特許文献1の計量魚群探知機は、振幅のピーク値を含み、且つ、設定した振幅値以上となるエコー信号の時間幅を計測する。特許文献1の計量魚群探知機は、この時間幅が予め設定した閾値時間以上であれば魚群のエコーと判定し、この時間幅が閾値時間未満であれば単体魚のエコーと判定している。
特開2005−249398号公報
しかしながら、上述の方法では、単体魚と魚群とを識別できるものの、より精確に単体魚の検出を行うには、不十分な場合がある。
したがって、本発明の目的は、単体魚をより精確に検出することができる魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムを提供することにある。
この発明の魚群探知機は、周波数変調された超音波信号のエコー信号を、複数チャンネルで受信する受信部と、複数チャンネルのエコー信号から単体魚のエコーを検出する演算処理部と、を備える。
演算処理部は、ピーク検出部、第1判定部、第2判定部、および第3判定部を備える。ピーク検出部は、エコー信号の振幅がピークとなる時間軸上でのピーク位置および該ピーク位置の振幅値を検出する。第1判定部は、エコー信号におけるピーク位置を含み振幅が第1判定用基準値よりも大きな第1範囲を検出し、該第1範囲の時間幅に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する。第2判定部は、エコー信号におけるピーク位置を含み振幅が第2判定用基準値よりも大きな第2範囲を設定し、該第2範囲内での複数方向のエコー信号の位相差に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する。第3判定部は、ピーク位置における各チャンネルのエコー信号の振幅の比較結果に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する。演算処理部は、第1判定、第2判定、および第3判定を満たした場合に、ピークが単体魚のエコーによるものであると判定する。
この構成では、エコー信号のピーク付近の波形、ピーク付近の特定方向に沿った複数方向のエコー信号間の位相差、およびピークでの複数のチャンネルのエコー信号の振幅の安定度に基づいて、単体魚検出が行われる。これにより、単体魚のエコーの特性に基づいた複数の条件で単体魚検出が行われるので、精確に単体魚を検出することができる。
また、この発明の魚群探知機では、第1判定部は、第1範囲の時間幅が、予め設定した単体魚検出用の閾値時間未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する。
この構成では、単体魚のエコーの時間幅が魚群のエコーの時間幅よりも短いことを利用している。したがって、閾値時間を適宜設定することにより、単体魚のエコーを精確に検出することができる。
また、この発明の魚群探知機では、第2判定部は、位相差として、第1方向に沿った異なる二方向のエコー信号の位相差である第1位相差と、第1方向に直交する第2方向に沿った異なる二方向のエコー信号の位相差である第2位相差と、を算出する。第2判定部は、第1位相差と第2位相差とに基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する。
この構成では、複数の方向に沿った位相差によって単体魚検出が行われるので、精確な単体魚検出が可能になる。
また、この発明の魚群探知機では、第2判定部は、第1位相差と第2位相差の加算値が、単体魚検出用の位相差バラツキの閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する。
この構成では、単体魚によるエコーの位相のバラツキが、複数の魚から同時に得られるエコーやノイズの位相のバラツキよりも小さいことを利用している。したがって、位相差バラツキの閾値を適宜設定することにより、単体魚のエコーを精確に検出することができる。
また、この発明の魚群探知機では、第3判定部は、ピーク位置における各チャンネルのエコー信号の振幅値の標準偏差を算出する。第3判定部は、標準偏差が、単体魚検出用の標準偏差の閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する。
この構成では、単体魚によるエコーのチャンネル毎の振幅のバラツキが、複数の魚から同時に得られるエコーやノイズのチャンネル毎の振幅のバラツキよりも小さいことを利用している。したがって、振幅値の標準偏差の閾値を適宜設定することにより、単体魚のエコーを精確に検出することができる。
また、この発明の魚群探知機では、演算処理部は、第1判定部によって複数の第1範囲が検出された場合に、隣り合う第1範囲の距離に基づいて、各第1範囲が単体魚のエコーであるかを判定する第4判定部を、備える。
この構成では、干渉によるピークが近接することを利用している。したがって、隣り合う第1範囲の距離に対して適宜閾値を設けることで、干渉のピークを除去でき、単体魚のエコーを精確に検出することができる。
また、この発明の魚群探知機では、演算処理部は、エコー信号における単体魚検出の判定対象とする範囲を抽出する判定対象抽出部を、備える。
この構成では、単体魚の検出を行う前処理として、単体魚のエコーを含む部分を、ノイズ等の単体魚検出に利用しない部分と区別して、抽出することができる。これにより、単体魚検出を行う範囲を正確に狭くでき、単体魚検出の処理負荷を軽減できる。
この発明によれば、従来よりも精確に、単体魚を検出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る魚群探知機の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出方法の検出原理を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部14の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の判定対象範囲の抽出処理の概念を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部のピーク検出処理の概念を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の波形による単体魚検出処理の概念を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の位相および位相差による単体魚検出処理の概念を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の振幅安定度による単体魚検出処理の概念を示す図である。 本願発明の構成および処理を用いた場合と、比較例(従来例)を用いた場合の単体魚の誤検出率を表すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出方法の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る魚群探知機の表示画面例を表す図である。 本発明の第2の実施形態に係る単体魚検出方法の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る魚群探知機における干渉等による不要なピークの除外処理の概念を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムについて、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る魚群探知機の構成を示すブロック図である。
魚群探知機10は、演算処理部11、表示器20、送受切替器121,122,123,124、送受波器100を備える。
演算処理部11は、送信制御部12、受信部13、単体魚検出部14、および、表示制御部15を備える。送信制御部12および受信部13は、送受切替器121,122,123,124のそれぞれに接続されている。受信部13は、単体魚検出部14および表示制御部15に接続されている。表示制御部15は、表示器20に接続されている。
送受波器100は、送受波面が水平に保持されるように、例えば、船底に設置されている。送受波器100は、第0チャンネルCH0、第1チャンネルCH1、第2チャンネルCH2、および第3チャンネルCH3の四つに分割されている。この際、4つのチャンネルは、送受波面の中心で交わる2本の線分によって送受波面を分割するように設定されている。そして、例えば、送受波器100の送受波面の中心を基準として、第0チャンネルCH0と第1チャンネルCH1が船首側に配置され、第2チャンネルCH2と第3チャンネルCH3が船尾側に配置される。また、送受波器100の送受波面の中心を基準として、第0チャンネルCH0と第3チャンネルCH3が左舷側に配置され、第1チャンネルCH1と第2チャンネルCH2が右舷側に配置される。第0チャンネルCH0は、送受切替器121に接続されており、第1チャンネルCH1は、送受切替器122に接続されている。第2チャンネルCH2は、送受切替器123に接続されており、第3チャンネルCH3は、送受切替器124に接続されている。
送信制御部12は、送受波器100から超音波を送波するための送信制御信号を生成する。送信制御信号は、超音波の周波数帯域の信号であり、例えば、キャリア周波数が38[kHz]の信号である。また、送信制御信号は、周波数が例えば経時的に変化する信号、すなわちFMチャープ信号からなる。周波数の変動幅は、例えば、±2[kHz]である。送信制御信号は、送受切替器121,122,123,124を介して、送受波器100に与えられる。
送受波器100は、送信制御信号によって励振し、探知用の超音波信号を水中に送信する。送受波器100は、全てのチャンネルCH0〜CH3で同期して(同じタイミング)、探知用の超音波信号を送信する。このような送信制御を行うことで、探知用の超音波信号は、送波面に直交する方向、すなわち鉛直下方向が指向性の中心方向となるように、水中に送信される。
送受波器100は、探知用の超音波信号が水中の魚群や単体魚Fiに反射したエコー信号を受信して電気信号に変換する。この際、送受波器100は、チャンネル毎にエコー信号を受信する。第0チャンネルCH0は、超音波のエコー信号を受信し、第0チャンネルエコー信号ECH(0)を、送受切替器121を介して、受信部13に出力する。第1チャンネルCH1は、超音波のエコー信号を受信し、第1チャンネルエコー信号ECH(1)を、送受切替器122を介して、受信部13に出力する。第2チャンネルCH2は、超音波のエコー信号を受信し、第2チャンネルエコー信号ECH(2)を、送受切替器123を介して、受信部13に出力する。第3チャンネルCH3は、超音波のエコー信号を受信し、第3チャンネルエコー信号ECH(3)を、送受切替器124を介して、受信部13に出力する。なお、以下では、個別のチャンネルに特有の内容でなければ、チャンネルエコー信号ECHと称して説明する。
受信部13は、例えば、マッチドフィルタによって構成される。受信部13は、送受波器100から送信する超音波信号と同じ波形からなるレプリカ信号と、各チャンネルエコー信号ECHとを相関処理する。これにより、受信部13からは、パルス圧縮された各チャンネルエコー信号ECHが出力される。このようなパルス圧縮を用いることで、深度方向(時間方向)の分解能を向上させることができる。受信部13は、パルス圧縮後の各チャンネルエコー信号を、単体魚検出部14および表示制御部15に出力する。
単体魚検出部14は、各チャンネルエコー信号ECHを用いて、単体魚を検出する。なお、単体魚検出部14の具体的な処理については、後述する。単体魚検出部14は、単体魚検出結果、具体的には、例えば、検出した単体魚の位置(深度)を、表示制御部15に出力する。
表示制御部15は、各チャンネルエコー信号に基づいて、魚群探知画像データを形成する。表示制御部15は、単体魚検出結果に基づいて、上述の魚群探知画像データに、単体魚の検出結果を重ねあわせる。例えば、表示制御部15は、単体魚の位置を特定のマーク(後述の図11の例では、「×」印)を魚群探知画像データに重ねあわせる。表示制御部15は、単体魚のマークが重ねられた魚群探知画像データを、表示器20に出力する。
表示器20は、例えば、液晶ディスプレイからなり、表示制御部15からの単体魚のマークが重ねられた魚群探知画像データを画面に表示する。
なお、図示していないが、単体魚検出部14の検出結果と、チャンネルエコー信号ECHとを用いて、魚体長を算出する魚体長算出部を備えていてもよい。この場合、魚体長も、後述の図11に示すように、画面に表示するとよい。
また、図示していないが、検出された単体魚数を計測する個数計測部を備えていてもよい。この場合、全ての単体魚数を計測して表示してもよく、後述の図11に示すように、魚体長を階層化し、階層ごとの単体魚数を表示してもよい。
次に、単体魚検出部14の具体的な構成および処理について、図を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出方法の検出原理を説明するための図である。図2では、一回の超音波信号の送信で単体魚からエコーが帰ってきた場合および二匹の魚からエコーが帰ってきた場合の各チャンネルエコー信号ECHの振幅特性、位相特性、振幅の標準偏差、位相差特性を示す。各図の横軸は、深度(時間)であり、DP(i)は、振幅が極大値(ピーク値)となる深度(時間)である。
単体魚検出部14は、各チャンネルエコー信号ECHを用いて、船首方向のエコー信号、船尾方向のエコー信号、左舷方向のエコー信号、および、右舷方向のエコー信号を算出する。
具体的には、上述のように、送受波器100の送受波面の中心を基準として、第0チャンネルCH0と第1チャンネルCH1が船首側に配置され、第2チャンネルCH2と第3チャンネルCH3が船尾側に配置され、第0チャンネルCH0と第3チャンネルCH3が左舷側に配置され、第1チャンネルCH1と第2チャンネルCH2が右舷側に配置される場合、次に示すように、各方向のエコー信号を算出する。
単体魚検出部14は、第0チャンネルCH0で受信したエコー信号(第0チャンネルエコー信号)と第1チャンネルCH1で受信したエコー信号(第1チャンネルエコー信号)を加算することで、船首方向のエコー信号を形成する。エコー信号解析部14は、第2チャンネルCH2で受信したエコー信号(第2チャンネルエコー信号)と第3チャンネルCH3で受信したエコー信号(第3チャンネルエコー信号)を加算することで、船尾方向のエコー信号を形成する。
単体魚検出部14は、第0チャンネルエコー信号と第3チャンネルエコー信号を加算することで、左舷方向のエコー信号を形成する。エコー信号解析部14は、第1チャンネルエコー信号と第2チャンネルエコー信号を加算することで、右舷方向のエコー信号を形成する。
単体魚検出部14は、船首方向のエコー信号の位相と船尾方向のエコー信号の位相との差分から、船首/船尾方向の位相差を算出する。単体魚検出部14は、左舷方向のエコー信号の位相と右舷方向のエコー信号の位相との差分から、左舷/右舷方向の位相差を算出する。
<振幅波形による判定>
図2の振幅特性における各線は、各チャンネルの振幅を示す。
図2に示すように、単体魚の場合には、各チャンネルエコー信号ECH間で波形の相違は殆ど無い。一方、二匹の魚の場合には、チャンネル毎に波形に若干のズレがある。ただし、いずれの場合であっても、振幅特性すなわち波形は、所定の振幅以上となる深度範囲の幅(時間幅)は、特定範囲の長さ(単体魚および二匹の魚を加算した長さに依存)となる。
一方、図示していないが、魚群を検出した場合、エコーが反射する匹数が多くなるので、ピーク値付近の振幅となる深度範囲の幅は長くなる。
したがって、波形では、所定の振幅以上となる深度範囲の幅に基づくことで、少なくとも、魚群のエコーと、単体魚または少数(例えば二匹)の魚のエコーとを、識別することができる。
<位相および位相差による判定>
図2の位相特性における各線は、各チャンネルの位相を示す。また、図2の位相差特性において、実線は、上述のように算出された船首/船尾方向の位相差を示す。破線は、上述のように算出された左舷/右舷方向の位相差を示す。
図2に示すように、単体魚の場合には、各チャンネルエコー信号ECHで位相の相違は殆ど無い。したがって、船首/船尾方向の位相差と、左舷/右舷方向の位相差との双方が、深度方向に沿って殆ど変化しない。
一方、二匹の魚の場合には、チャンネルエコー信号毎に深度方向に沿った位相特性が異なる。したがって、船首/船尾方向の位相差と、左舷/右舷方向の位相差との双方が、深度方向に沿って大きく変化する。
したがって、位相差では、ピーク値となる深度DP(i)を含む所定の深度範囲(時間幅)における位相差のバラツキ(取り得る値の範囲)に基づくことで、単体魚のエコーと少数(例えば二匹)の魚のエコーとを、識別することができる。
<振幅の標準偏差>
図2の振幅の標準偏差のグラフは、各チャンネルエコー信号ECHから得られる標準偏差である。
図2に示すように、単体魚の場合には、ピーク値となる深度DP(i)における標準偏差は極小さくなり、略0となる。
一方、二匹の魚の場合には、ピーク値となる深度DP(i)における標準偏差は大きくなる。
したがって、振幅の標準偏差では、ピーク値となる深度DP(i)における標準偏差に基づくことで、単体魚のエコーと少数(例えば二匹)の魚のエコーとを、識別することができる。なお、ここでは、標準偏差を用いる例を示したが、分散等、ピーク値となる深度DP(i)における振幅のバラツキや安定度を示す他の統計指標を用いてもよい。
このように、波形、位相差特性、振幅の標準偏差を用いることで、単体魚のエコーを、魚群のエコーおよび少数(例えば二匹)の魚のエコーと分離して識別することができる。すなわち、従来では難しかった単体魚のエコーを少数(例えば二匹)の魚のエコーから分離して識別することを、精確に実現することができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部14の構成を示すブロック図である。単体魚検出部14は、前処理部141、ピーク検出部142、第1判定部143、第2判定部144、および第3判定部145を備える。
前処理部141は、各チャンネルエコー信号ECH(n)が入力されると、これらのチャンネルエコー信号ECH(n)の同期を行う。すなわち、送受波器100の各チャンネルから単体魚検出部14までの各チャンネルエコー信号ECH(n)間の伝送遅延による各チャンネルエコー信号ECH(n)間のタイミングのズレを補正する。
前処理部141は、各チャンネルエコー信号ECH(n)に対してTVG(Time Varied Gain)補正を行う。具体的には、前処理部141は、各チャンネルエコー信号ECH(n)に対して、時間に応じたゲイン調整した補正係数を用いて、増幅処理を行う。これにより、水中を超音波信号およびエコー信号が伝搬することによる減衰を補正することができる。すなわち、同じ大きさの単体魚であれば、深度方向の位置に依らず同じ振幅のチャンネルエコー信号が得られるように、各チャンネルエコー信号ECH(n)の振幅補正を行う。前処理部141は、TVG処理後の各チャンネルエコー信号ECH(n)に対して包絡線処理を行う。
前処理部141は、各チャンネルエコー信号ECH(n)における単体魚検出に必要な範囲を抽出する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の判定対象範囲の抽出処理の概念を示す図である。
前処理部141は、判定対象用閾値Athdを記憶している。判定対象用閾値Athdは、予め実験等によって設定されており、実験的に得られたノイズによるチャンネルエコー信号の振幅と、実験的に得られた魚群、単体魚、少数の魚等によるチャンネルエコー信号の振幅との間の値に設定されている。
前処理部141は、包絡線処理後の各チャンネルエコー信号ECH(n)の振幅と、判定対象用閾値Athdとを比較する。前処理部141は、各チャンネルエコー信号ECH(n)における振幅が判定対象用閾値Athdとなる範囲を抽出し、チャンネルエコー信号ECHL(n)を出力する。前処理部141は、チャンネルエコー信号ECHL(n)をピーク検出部142に出力する。
この構成および処理を用いることで、後段の単体魚の検出において不要な範囲を予め除外することができる。したがって、単体魚検出に対する処理負荷を軽減させることができる。
ピーク検出部142は、チャンネルエコー信号ECHL(n)に対してピーク検出を行う。図5は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部のピーク検出処理の概念を示す図である。
具体的に、ピーク検出部142は、チャンネルエコー信号ECHL(n)の振幅を深度方向(時間方向)に沿って、順次比較する。そして、ピーク検出部142は、チャンネルエコー信号ECHL(n)の振幅が極大となる深度を検出する。ピーク検出部142は、この深度DP(i)を検出し、この深度DP(i)における振幅であるピーク値VP(i)を検出する。例えば、図5の例であれば、深度DP(1)にピーク値VP(1)のピークPeak(1)が存在し、深度DP(2)にピーク値VP(2)のピークPeak(2)が存在し、深度DP(3)にピーク値VP(3)のピークPeak(3)が存在し、深度DP(4)にピーク値VP(4)のピークPeak(4)が存在することを検出する。
ピーク検出部142は、各チャンネルエコー信号ECHL(n)およびピークPeak(i)の情報(深度DP(i)およびピーク値VP(i))を、第1判定部143に出力する。
第1判定部143は、チャンネルエコー信号ECHL(n)の波形、すなわち、チャンネルエコー信号ECHL(n)の振幅の深度(時間)特性に基づいて、各ピークPeak(i)が単体魚または少数の魚によるものか、魚群によるものかを判定する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の波形による単体魚検出処理の概念を示す図である。
第1判定部143は、ピーク値VP(i)から第1判定用基準振幅Vth1を決定する。第1判定用基準値Vth1(i)は、ピーク値VP(i)よりも所定値を低い値に設定されている。例えば、ピーク値VP(i)の半値に設定されている。
第1判定部143は、ピークPeak(i)の深度DP(i)を深度方向に沿ってはさみ、チャンネルエコー信号ECHL(n)における第1判定用基準値Vth1(i)となる2つの深度を検出する。第1判定部143は、この2つの深度によってピークPeak(i)の深度DP(i)が挟まれる第1範囲の時間幅W(i)を算出する。
第1判定部143は、時間幅W(i)と、予め設定した第1判定用基準値Wth1とを比較する。第1判定用基準値Wth1は、単体魚または少数の魚による時間幅と、魚群による時間幅との間の値に設定されている。この値は、予め実験等によって単体魚または少数の魚による時間幅および魚群による時間幅を取得しておき、これらから決定しておけばよい。
第1判定部143は、時間幅W(i)が第1判定用基準値Wth1未満であれば、ピークPeak(i)は、魚群によるものではなく、単体魚によるものであると判定する。
第1判定部143は、各チャンネルエコー信号ECHL(n)、および、単体魚によるものであると判定してピークPeak(i)の情報(深度DP(i)およびピーク値VP(i))を、第2判定部144に出力する。
第2判定部144は、特定方向に沿った異なる二方向のエコー信号間の位相差に基づいて、各ピークPeak(i)が単体魚によるものか少数の魚によるものかを判定する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の位相および位相差による単体魚検出処理の概念を示す図である。
第2判定部144は、ピーク値VP(i)から第2判定用基準振幅Vth2を決定する。第2判定用基準値Vth2(i)は、ピーク値VP(i)よりも所定値を低い値に設定されている。第2判定用基準値Vth2(i)は、第1判定用基準値Vth1と同じであってもよく、異なっていてもよい。第2判定用基準値Vth2(i)と第1判定用基準値Vth1とが同じ場合には、第2判定部144で第1判定用基準値Vth1をそのまま流用することで、第2判定用基準値Vth2の決定処理を省略することができる。第2判定用基準値Vth2(i)は、例えば、ピーク値VP(i)の半値や1/4値に設定されている。
第2判定部144は、ピークPeak(i)の深度DP(i)を深度方向に沿ってはさみ、チャンネルエコー信号ECHL(n)における第2判定用基準値Vth2(i)となる2つの深度を検出する。第2判定部144は、この2つの深度によってピークPeak(i)の深度DP(i)が挟まれる第2範囲(時間幅WJ(i))のチャンネルエコー信号ECHL(n)を取得する。
第2判定部144は、第2範囲の各チャンネルエコー信号ECHL(n)の位相を算出する。位相は、各チャンネルの実数成分と虚数成分から既知の方法で算出することができる。
第2判定部144は、特定方向(船首尾方向および右左舷方向)に沿ったエコー信号の位相差を算出する。具体的な例としては、第2判定部144は、船首方向のエコー信号(第0チャンネルエコー信号ECHL(0)と第1チャンネルエコー信号ECHL(1)とを加算したエコー信号)と、船尾方向のエコー信号(第2チャンネルエコー信号ECHL(2)と第3チャンネルエコー信号ECHL(3)を加算したエコー信号)との位相差(第1位相差)dXiを算出する。また、第2判定部144は、左舷方向のエコー信号(第0チャンネルエコー信号ECHL(0)と第3チャンネルエコー信号ECHL(3)を加算したエコー信号)と、右舷方向のエコー信号(第1チャンネルエコー信号ECHL(1)と第2チャンネルエコー信号ECHL(2)を加算したエコー信号)との位相差(第2位相差)dYiを算出する。
第2判定部144は、第2範囲の位相差dXi,dYiを加算し、加算値が位相差バラツキの閾値と比較する。位相差バラツキの閾値は、単体魚による船首尾方向および右左舷方向のエコー信号の位相差バラツキと、少数の魚による船首尾方向および右左舷方向のエコー信号の位相差バラツキとの差に基づいて設定されている。この値は、予め実験等によって単体魚による各方向のエコー信号の位相差バラツキおよび少数の魚による各方向のエコー信号の位相差バラツキを取得しておき、これらから決定しておけばよい。
第2判定部144は、第1位相差dXiと第2位相差dYiの加算値が、単体魚検出用の位相差バラツキの閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する。
第2判定部144は、各チャンネルエコー信号ECHL(n)、および、単体魚によるものであると判定したピークPeak(i)の情報(深度DP(i)およびピーク値VP(i))を、第3判定部145に出力する。
なお、上述の説明では、第1位相差dXiと第2位相差dYiの加算値を用いて単体魚検出を行ったが、第1位相差dXi、第2位相差dYiを個別に閾値と比較して単体魚検出を行ってもよい。また、上述の説明では、船首/船尾方向、および、左舷/右舷方向の二方向の位相差を用いたが、他の方向に沿った位相差を用いてもよい。
第3判定部145は、チャンネルエコー信号ECHL(n)の振幅安定度、より具体的には、ピークPeak(i)での複数のチャンネルエコー信号ECHL(n)のピーク値の標準偏差に基づいて、各ピークPeak(i)が単体魚によるものか少数の魚によるものかを判定する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出部の振幅安定度による単体魚検出処理の概念を示す図である。
第3判定部145は、Peak(i)における各チャンネルエコー信号ECHL(n)のピーク値VP(i)を取得する。第3判定部145は、複数のピーク値VP(i)の標準偏差σ(i)を算出する。
第3判定部145は、標準偏差の閾値を予め設定している。標準偏差の閾値は、単体魚によるチャンネルエコー信号の標準偏差と少数の魚によるチャンネルエコー信号の標準偏差とによって設定されている。この値は、予め実験等によって単体魚によるチャンネルエコー信号の標準偏差および少数の魚によるチャンネルエコー信号の標準偏差を取得しておき、これらから決定しておけばよい。
第3判定部145は、標準偏差σ(i)が、単体魚検出用の標準偏差の閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する。
以上のように、本実施形態の単体魚検出部14では、複数チャンネルのエコー信号による単体魚のエコーの特徴に基づいて、3種類の判定を行う。これにより、本実施形態の単体魚検出部14は、魚群のエコーと単体魚のエコーとを判別できるだけでなく、少数の魚のエコーと単体魚のエコーとを精確に判別できる。
図9は、本願発明の構成および処理を用いた場合と、比較例(従来例)を用いた場合の単体魚の誤検出率を表すグラフである。図9では、横軸は単体魚間の距離であり、縦軸が誤検出率である。図9に示すように、単体魚間の距離が短くなり、比較例では誤検出率が高くなるような状態であっても、本願発明を用いることで、誤検出率が高くなることを抑制できる。また、本願発明を用いることで、誤検出率が急激に上昇する単体魚間の距離の下限値を、比較例よりも小さくすることができる。すなわち、比較例では誤検出が生じやすい単体魚間の距離が短い状態でも、本願発明では精確に単体魚を検出することができる。
なお、上述の魚群探知機10は、単体魚の検出の各処理を、複数の機能部に分けて実行する例を示したが、各処理をプログラム化して記憶しており、コンピュータで実行するようにしてもよい。図10は、本発明の第1の実施形態に係る単体魚検出方法の処理フローを示すフローチャートである。なお、図10に示す各工程の具体的な処理は上述してあるので、図10に示す処理フローは概略的に説明する。
まず、魚群探知機10は、各チャンネルエコー信号ECH(n)を取得する(S101)。次に、魚群探知機10は、各チャンネルエコー信号ECH(n)に対して検出前処理を実行する(S102)。具体的な検出前処理としては、魚群探知機10は、各チャンネルエコー信号ECH(n)の同期を行い(S201)、各チャンネルエコー信号ECH(n)のTVG補正を行い(S202)、各チャンネルエコー信号ECH(n)を包絡線処理する(S203)。そして、魚群探知機10は、各チャンネルエコー信号ECH(n)に対して、深度方向(時間方向)における検出対象範囲の抽出を行う(S204)。
次に、魚群探知機10は、チャンネルエコー信号ECH(n)のピーク検出を行う(S103)。
魚群探知機10は、検出した各ピークに対して、波形による第1判定(第1判定部143で実行した判定)を行う(S104)。
魚群探知機10は、第1判定で単体魚のエコーと判定されたピークに対して、位相差の安定度による第2判定(第2判定部144で実行した判定)を行う(S105)。
魚群探知機10は、第1、第2判定で単体魚のエコーと判定されたピークに対して、振幅の安定度による第3判定(第3判定部145で実行した判定)を行う(S106)。
魚群探知機10は、第1、第2、第3判定で単体魚のエコーと判定されたピークに関するデータ(深度DP(i)およびピーク値Vp(i))を出力する。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る魚群探知機の表示画面例を表す図である。図11に示すように、表示画面200は、探知結果表示枠201と個体数表示枠202を備える。探知結果表示枠201は、横軸がPINGであり、縦軸が深度である。
探知結果表示枠201には、魚群を表すパターン211と、単体魚を表すマーク212が表示されている。魚群を表すパターン211は、各チャンネルエコー信号ECH(n)の振幅に基づいて描画される。単体魚を表すマーク212は、上述の単体魚検出結果に基づいて描画される。そして、本発明の構成および処理を用いることで、単体魚を精確に検出できるので、単体魚を表すマーク212を水中の状態に基づいて精確に表示することができる。
個体数表示枠202には、魚体長別の個数ヒストグラムが表示されている。魚体長は、上述の構成および処理で単体魚と検出されたピーク値Vp(i)に基づいて、既知の方法で算出することができる。そして、本発明の構成および処理を用いることで、単体魚を精確に検出できるので、水中の状態に基づいた精確なヒストグラムを表示することができる。
次に、第2の実施形態に係る魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムについて、図を参照して説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係る単体魚検出方法の処理フローを示すフローチャートである。
本実施形態の魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムは、第1の実施形態に示した魚群探知機、単体魚検出方法、および単体魚検出プログラムに対して、さらに第4判定を追加したものである。
本実施形態では、第4判定は、第1判定と第2判定との間に実行している。すなわち、魚群探知機は、第1判定を実行した(S104)後に、第4判定を実行する(S111)。そして、魚群探知機は、第4判定を実行した後に、第2判定を実行し(S105)、第3判定を実行する(S106)。
第4判定は単体魚検出部14で実行される。第4判定は、ピーク間の間隔から干渉等による不要なピークの除外処理を行うものであり、次の処理を行う。図13は、本発明の実施形態に係る魚群探知機における干渉等による不要なピークの除外処理の概念を示す図である。
単体魚検出部は、複数のピークPeak(i)を検出すると、隣り合うピークPeak(i)を抽出する。単体魚検出部は、隣り合うピークPeak(i)間の距離を算出し、当該距離が閾値以上であれば、単体魚のエコーによるものだと判定する。
より具体的には、単体魚検出部は、隣り合うピークPeak(i),Peak(i+1)を抽出する。
単体魚検出部は、ピークPeak(i)のピーク値VP(i)から第1判定用基準振幅Vth1(i)を決定する。また、単体魚検出部は、ピークPeak(i+1)のピーク値VP(i+1)から第1判定用基準振幅Vth1(i+1)を決定する。第1判定用基準振幅Vth(i),Vth(i+1)は、上述の実施形態と同様の方法で算出される。
単体魚検出部は、ピークPeak(i)のピークPeak(i+1)側にあり、チャンネルエコー信号ECHL(n)における第1判定用基準値Vth1(i)となる深度DP(i,i+1)を検出する。
単体魚検出部は、ピークPeak(i+1)のピークPeak(i)側にあり、チャンネルエコー信号ECHL(n)における第1判定用基準値Vth1(i+1)となる深度DP(i+1,i)を検出する。
単体魚検出部は、深度DP(i,i+1)と深度DP(i+1,i)との距離DISを算出する。単体魚検出部は、距離DISと距離用の閾値DisTHとを比較する。
距離用の閾値DisTHは、干渉によって生じる隣り合うピーク間の距離、より具体的には、隣り合うピークにおける隣り合う第1判定用基準値の深度間の距離よりも大きくなるように設定されている。干渉の場合、ピークが深度方向に沿って近接して連続に発生するので、距離の小さな隣り合うピークは、干渉によるものであると判定できる。
この原理を用いて、単体魚検出部は、距離DISが距離用の閾値DisTH以上であれば、ピークPeak(i),Peak(i+1)ともに、単体魚のエコーであると判定する。
このように、本実施形態の構成を用いれば、上述の作用効果に加えて、干渉のエコーを精確に除外することができ、単体魚をより精確に検出することができる。
なお、上述の説明では、第1判定、第2判定、第3判定を、この順で実行する例を示したが、これらの判定の実行順序はこれに限るものではない。また、これらの判定の少なくとも2つの判定を平行して実行し、全ての判定結果を満たすピークのみを単体魚のエコーによるものと判定してもよい。
また、上述の説明では、第1判定において1種類の第1判定用基準値を用いる場合を示したが、値が異なる2種類以上の第1判定用基準値を用いて複数段階で判定を行ってもよい。
10:魚群探知機
11:演算処理部
12:送信制御部
13:受信部
14:単体魚検出部
15:表示制御部
20:表示器
100:送受波器
121,122,123,124:送受切替器
141:前処理部
142:ピーク検出部
143:第1判定部
144:第2判定部
145:第3判定部

Claims (9)

  1. 周波数変調された超音波信号のエコー信号を、複数チャンネルで受信する受信部と、
    前記複数チャンネルのエコー信号から単体魚のエコーを検出する演算処理部と、を備え、
    該演算処理部は、
    前記エコー信号の振幅がピークとなる時間軸上でのピーク位置および該ピーク位置の振幅値を検出するピーク検出部と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第1判定用基準値よりも大きな第1範囲を検出し、該第1範囲の時間幅に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第1判定部と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第2判定用基準値よりも大きな第2範囲を設定し、該第2範囲内での複数方向のエコー信号の位相差に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第2判定部と、
    前記ピーク位置における前記各チャンネルのエコー信号の振幅の比較結果に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第3判定部と、
    を備え、
    第1判定、第2判定、および第3判定を満たした場合に、前記ピークが単体魚のエコーによるものであると判定する、魚群探知機。
  2. 請求項1に記載の魚群探知機であって、
    前記第1判定部は、
    前記第1範囲の時間幅が、予め設定した単体魚検出用の閾値時間未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する、
    魚群探知機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の魚群探知機であって、
    前記第2判定部は、
    前記位相差として、
    第1方向に沿った異なる二方向のエコー信号の位相差である第1位相差と、
    前記第1方向に直交する第2方向に沿った異なる二方向のエコー信号の位相差である第2位相差と、を算出し、
    前記第1位相差と前記第2位相差とに基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する、
    魚群探知機。
  4. 請求項3に記載の魚群探知機であって、
    前記第2判定部は、
    前記第1位相差と前記第2位相差の加算値が、単体魚検出用の位相差バラツキの閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する、
    魚群探知機。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の魚群探知機であって、
    前記第3判定部は、
    前記ピーク位置における前記各チャンネルのエコー信号の振幅値の標準偏差を算出し、
    該標準偏差が、単体魚検出用の標準偏差の閾値未満である場合に、単体魚のエコーであると判断する、
    魚群探知機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の魚群探知機であって、
    前記演算処理部は、
    前記第1判定部によって複数の第1範囲が検出された場合に、隣り合う第1範囲の距離に基づいて、各第1範囲が単体魚のエコーであるかを判定する第4判定部を、備える、
    魚群探知機。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の魚群探知機であって、
    前記演算処理部は、
    前記エコー信号における単体魚検出の判定対象とする範囲を抽出する判定対象抽出部を、備える、
    魚群探知機。
  8. 周波数変調された超音波信号のエコー信号を、複数チャンネルで受信する受信工程と、
    前記複数チャンネルのエコー信号から単体魚のエコーを検出する演算処理工程と、を有し、
    該演算処理工程は、
    前記エコー信号の振幅がピークとなる時間軸上でのピーク位置および該ピーク位置の振幅値を検出するピーク検出工程と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第1判定用基準値よりも大きな第1範囲を検出し、該第1範囲の時間幅に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第1判定工程と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第2判定用基準値よりも大きな第2範囲を設定し、該第2範囲内での複数方向のエコー信号の位相差に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第2判定工程と、
    前記ピーク位置における前記各チャンネルのエコー信号の振幅の比較結果に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第3判定工程と、
    を有し、
    第1判定、第2判定、および第3判定を満たした場合に、前記ピークが単体魚のエコーによるものであると判定する、単体魚検出方法。
  9. 周波数変調された超音波信号のエコー信号を、複数チャンネルで受信する受信処理と、
    前記複数チャンネルのエコー信号から単体魚のエコーを検出する演算処理と、をコンピュータに実行させる単体魚検出プログラムであって、
    前記コンピュータは、
    該演算処理において、
    前記エコー信号の振幅がピークとなる時間軸上でのピーク位置および該ピーク位置の振幅値を検出するピーク検出処理と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第1判定用基準値よりも大きな第1範囲を検出し、該第1範囲の時間幅に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第1判定処理と、
    前記エコー信号における前記ピーク位置を含み振幅が第2判定用基準値よりも大きな第2範囲を設定し、該第2範囲内での複数方向のエコー信号の位相差に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第2判定処理と、
    前記ピーク位置における前記各チャンネルのエコー信号の振幅の比較結果に基づいて、単体魚のエコーであるかを判定する第3判定処理と、
    を実行し、
    第1判定、第2判定、および第3判定を満たした場合に、前記ピークが単体魚のエコーによるものであると判定する、単体魚検出プログラム。
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