JP2015209998A - 保冷庫 - Google Patents

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山下 隆
Takashi Yamashita
山下  隆
別所 久徳
Hisatoku Bessho
久徳 別所
大治 澤田
Daiji Sawada
大治 澤田
雄一 上村
Yuichi Uemura
雄一 上村
夕香 内海
Yuka Utsumi
夕香 内海
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【課題】本発明は、保冷室内に載置された蓄熱部材の蓄熱材溶液を早く確実に固相に変化させることができる保冷庫を提供することを目的とする。【解決手段】保冷室14と、冷却された空気を保冷室14内に吹出す吹出し口5と、保冷室14内の温度が所定温度未満の場合は吹出し口5から吹出された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、保冷室14内の温度が所定温度以上の場合は蓄熱した冷熱を保冷室14内へ放熱する第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2と、吹出し口5から吹出される空気の吹出し方向に沿う通気路4が形成されるように第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2を離間させて載置する蓄熱部材載置部3とを有する保冷庫10である。第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2は、潜熱蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液1bと、蓄熱材溶液1bを収容する容器1aと、容器1a内で沈殿する固体の過冷却防止材1cとを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、貯蔵物を保冷する保冷室内に蓄熱部材が載置された保冷庫に関し、特に、庫内で冷風の流れが存在するファン式(間冷式)の保冷庫に関する。
ファン式の保冷庫は、冷却器で生成した冷気を保冷室につながる流路中に設けたファンを回転させて送風し、保冷室に冷気を導いて保冷室内を冷却する。従来の保冷庫には、停電等により冷凍機の作動が停止して保冷室内の温度が外気温度に近づいてしまうのを抑制するために、保冷室内に設けられている貯蔵物載置用の棚部材等に蓄熱部材が配置されているものがある(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2には、特定の糖アルコールに過冷却防止材として難溶性の塩を添加することが記載されている。
特開2010−43830号公報 特開平09−249875号公報
保冷室内に蓄熱部材が載置された保冷庫では、運転開始後できるだけ短時間で確実に蓄熱材溶液を固相に変化させることが要求される。このため、蓄熱材溶液に過冷却防止材を添加して固相への相変化に要する時間を短縮することが図られているが、ファン式の保冷庫では冷風の流通経路に依存する温度分布が生じるため、蓄熱部材の最適配置をしなければ短時間で確実に蓄熱材溶液を固相に変化させることができないという課題がある。
本発明の目的は、保冷室内に載置された蓄熱部材の蓄熱材溶液を早く確実に固相に変化させることができる保冷庫を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、
保冷室と、
冷却された空気を前記保冷室内に吹出す吹出し口と、
前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合は前記吹出し口から吹出された前記空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合は蓄熱した前記冷熱を前記保冷室内へ放熱する第1蓄熱部材および第2蓄熱部材と、
前記吹出し口から吹出される前記空気の吹出し方向に沿う通気路が形成されるように前記第1蓄熱部材と前記第2蓄熱部材を離間させて載置する蓄熱部材載置部と
を有することを特徴とする保冷庫であってもよい。
上記本発明の保冷庫であって、
前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材は、
蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液と、
前記蓄熱材溶液を収容する容器と、
前記容器内で沈殿する固体の過冷却防止材とを有すること
を特徴とする保冷庫であってもよい。
上記本発明の保冷庫であって、
前記蓄熱部材載置部は、
前記吹出し口より下方で前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材を載置すること
を特徴とする保冷庫であってもよい。
上記本発明の保冷庫であって、
前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材の下面と前記蓄熱材載置部の上面との間に、前記吹出し口から吹出される前記空気が流通する隙間が設けられていること
を特徴とする保冷庫であってもよい。
本発明によれば、保冷室内に載置された蓄熱部材の蓄熱材溶液を早く確実に固相に変化させることができる。
本発明の一実施の形態による実施例1に係る保冷庫10の保冷室14内の一部を示す斜視図である。 図1に示すA−A線で第1蓄熱部材1を切断した断面を示す図である。 本発明の一実施の形態による実施例1に係る保冷庫10の構成について説明する図である。 比較例に係る保冷庫100の保冷室14内の一部を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態による実施例1に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2と比較例に係る蓄熱部材1´との冷却過程の相違を示す図である。 本発明の一実施の形態による実施例1に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2と比較例に係る蓄熱部材1´との冷却性能の比較を示す図である。 本発明の一実施の形態による実施例2から12に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2を示す図である。
本発明の一実施の形態による保冷庫について、図1〜図7を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。
(実施例1)
図1は、本実施の形態による実施例1に係る保冷庫10の保冷室14内の一部を示す斜視図である。図1に示すように、第1蓄熱部材1は全体として薄い直方体形状をしている。第2蓄熱熱部材2は第1蓄熱部材1と同形状をしている。蓄熱部材載置部3は、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2を並べて載置できる長方形の平面形状を有している。第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2は長辺方向が保冷庫10の扉側と奥側を結ぶ仮想直線に沿うようにして所定距離だけ離間させて蓄熱部材載置部3上に載置されている。このため、当該所定距離を隔てて対面する第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の2つの側面と、両側面間の蓄熱部材載置部3の平面部とで上部が開口した断面コ字状の溝(隙間)が形成されている。
保冷庫10の保冷室14の奥側の壁部には冷却された空気を保冷室14内に吹出す吹出し口5が設けられている。保冷庫10の運転時には、図中破線の矢印Fで示すように吹出し口5から冷却された空気が吹出されるようになっている。蓄熱部材載置部3は、吹出し口5より下方で第1蓄熱部材1および記第2蓄熱部材2を載置するように保冷室14内に配置されている。このため、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の上面側が吹出し口5から吹出された冷気に晒される。さらに、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の対向側面は吹出し口5からの冷風に対し平行になるように配置されており、これら2つの側面と蓄熱部材載置部3の平面部とで形成される溝は、吹出し口5から吹出される空気の吹出し方向(矢印F)に沿う通気路4として機能する。通気路4には吹出し口5から吹き降りる冷気が流通する。第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2は、保冷室14内の温度が所定温度未満の場合は吹出し口5から吹出された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、保冷室14内の温度が所定温度以上の場合は蓄熱した冷熱を保冷室14内へ放熱する。
図2は図1に示すA−A線で第1蓄熱部材1を切断した断面を示している。A−A線で示す断面は保冷庫10の扉側と奥側を結ぶ仮想直線に沿って第1蓄熱部材1の底面にほぼ直交している。第1蓄熱部材1は中空の直方体状の容器1aを有している。容器1a内には蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液1bが充填され、蓄熱材溶液1bに不溶の過冷却防止材1cが容器1a内の底面に沈殿している。また、容器1aの内容積のほぼ半分は空気1dで満たされている。第2蓄熱部材2は、第1蓄熱部材1と同様に中空の直方体状の容器2aを有している。容器2a内には蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液2bが充填され、蓄熱材溶液2bに不溶の過冷却防止材2cが容器2a内の底面に沈殿している。また、容器2aの内容積のほぼ半分は空気2dで満たされている。本例では標準状態における、容器1aと容器2aの形状および内容積、蓄熱材溶液1bと蓄熱材溶液2bの容量および成分、過冷却防止材1cと過冷却防止材2cの沈殿量、空気1dと空気2dの体積は同一である。
蓄熱とは、熱を一時的に蓄え、必要に応じてその熱を取り出す技術をいう。蓄熱方式としては、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学蓄熱等があるが、本実施形態では、潜熱蓄熱を利用する。潜熱蓄熱は、物質の潜熱を利用して、物質の相変化の熱エネルギーを蓄える。潜熱蓄熱は、蓄熱密度が高く、出力温度が一定である。潜熱蓄熱を利用する蓄熱材溶液の材料には、氷(水)、パラフィン(一般式C2n+2で表される飽和鎖式炭化水素の総称)、無機塩、無機塩水和物、包接水和物などが用いられる。
潜熱蓄熱材溶液の材料に用いられる無機塩水溶液として、塩化カリウム(KCl)と塩化アンモニウム(NHCl)とを水に溶解した水溶液、塩化ナトリウム(NaCl)と塩化アンモニウム(NHCl)とを水に溶解した水溶液等が挙げられるが、本実施形態において潜熱蓄熱材溶液はこれらの水溶液に限定されない。
潜熱蓄熱材溶液の材料に用いられる無機塩水和物として、硫酸ナトリウム十水和物(NaSO・10HO)、酢酸ナトリウム三水和物、チオ硫酸ナトリウム五水和物、リン酸水素二ナトリウム十二水和物とリン酸水素二カリウム六水和物との二元系組成物(融解点5℃)、硝酸リチウム三水和物を主成分とする硝酸リチウム三水和物と塩化マグネシウム六水和物との二元系組成物(融解点8〜12℃)又は硝酸リチウム三水和物−塩化マグネシウム六水和物−臭化マグネシウム六水和物の三元系組成物(融解点5.8〜9.7℃)等が挙げられるが、本実施形態において潜熱蓄熱材溶液の材料はこれらの無機塩水和物に限定されない。
潜熱蓄熱材溶液の材料に用いられて包接水和物に変化する塩として、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)等の四級アンモニウム塩があり、これらを水に溶解した水溶液を潜熱蓄熱材溶液として用いることができるが、本実施形態において潜熱蓄熱材溶液はこれらの水溶液に限定されない。
また、蓄熱材溶液はゲル化されていてもよい。ゲル化された蓄熱材溶液にはゲル化剤が含有されている。ゲルとは一般に、分子が部分的に架橋されることで三次元的な網目構造を形成し、その内部に溶媒を吸収し膨潤したものをいう。ゲルの組成はほぼ液相状態であるが、力学的には、固相状態となる。ゲル化した蓄熱材溶液は、固相と液相との間で相変化しても全体として固体状態を維持し、流動性を有しない。ゲル状の蓄熱材溶液は、相変化の前後で全体として固体状態を維持できるので取扱いが容易である。
ゲル化剤としては、ヒドロキシル基もしくはカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基を1つ以上備えた分子を用いた合成高分子、天然系多糖類又はゼラチン等が挙げられる。合成高分子としては、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸誘導体等が挙げられる。天然系多糖類としては、寒天、アルギン酸、ファーセルラン、ペクチン、澱粉、キサンタンガム+ローカストビーンガムの混合物、タマリンド種子ガム、ジュランガム、カラギーナン等が挙げられる。これらは、ゲル化剤の一例として挙げられるが、本実施形態においてゲル化剤はこれらに限定されない。
過冷却防止剤など難溶性物質を偏在させたゲルの作製方法として、例えば、蓄熱材と過冷却防止剤と蓄熱材に可溶なゲル化剤を容器に充填し、過冷却防止剤が沈降してからゲル化反応を開始することで過冷却防止剤が底部に偏在した状態で固定する方法や、過冷却防止剤を含むゲル化させた平板状の蓄熱材と過冷却防止剤を含まないゲル化させた平板状の蓄熱材を貼り合わせる方法があるが、本実施形態に用いるゲル化された蓄熱材を作製する方法は、これらに限られない。
過冷却防止材としては、アンモニウムミョウバン(AlNH(SO・12HO)、カリウムミョウバン(AlK(SO・12HO)、四ホウ酸ナトリウム十水和物(Na・10HO)、リン酸水素二ナトリウム十二水和物(NaHPO・12HO)および硫酸ナトリウム十水和物(NaSO・10HO)等が挙げられる。これらは、過冷却防止材の一例として挙げられるが、本実施形態において過冷却防止材はこれらに限定されない。
容器1aは、例えば、樹脂材料で形成されている。容器1aに用いられる樹脂材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等のプラスチック材料が挙げられる。容器1aには、こられのプラスチック材料を射出成型やブロー成型等によって成型したプラスチック容器からなる硬質包装材、または溶液法、溶融法、カレンダー法等によって成膜されたプラスチックフィルムからなる軟質包装材が用いられる。容器1aは、樹脂に限らずガラス、セラミック、金属等の無機材料を用いて形成されていてもよい。また、容器1aは、繊維質(グラスウール、綿、セルロース、ナイロン、カーボンナノチューブ、炭素繊維等)、粉末(アルミナ粉末、金属粉末、マイクロカプセル等)及びその他改質剤が含まれていてもよい。
次に、図3を用いて、本実施例による保冷庫10の構成について詳細に説明する。図3(a)は、直方体形状の保冷庫10の開閉扉および対向壁部に平行な鉛直平面で切断した断面を扉側から奥側に向かって示している。図3(b)は、直方体形状の保冷庫10の開閉扉および対向壁部に直交し鉛直方向に平行な平面で切断した断面を扉側を左側にして示している。また図3(b)では、開閉扉16が閉じている状態を示している。
保冷庫10は、定常運転時に外気温度(室温)より低い温度で貯蔵物を保管するために用いられる。保冷庫10は設置状態で鉛直方向に高い直方体形状の保冷庫本体12を有している。保冷庫本体12の正面には長方形の開口が設けられている。長方形の開口を開口端として、保冷庫本体12内に中空箱状の保冷室14が設けられている。
保冷庫10は保冷室14を開閉する開閉扉16を有している。開閉扉16は正面の保冷室14の開口端右側に不図示のヒンジ機構を介して開閉可能に取り付けられている。開閉扉16は閉じた状態で保冷室14の長方形開口を塞ぐ領域を備えた長方形平板形状を有している。また、開閉扉16の長方形開口を含む外周囲との対面側には、扉閉鎖時に保冷室14の密閉性を高めるためのドアパッキン18が配置されている。ドアパッキン18に用いられる代表的な材料として、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ネオプレン、ブチルゴム等の合成系ゴムが挙げられるが、本実施形態においてドアパッキンの材料はこられに限定されない。
保冷庫10は、保冷室14内に設置されて食品等の貯蔵物を載置する棚部材20を有している。本例では、保冷室14内の直方体空間を鉛直方向にほぼ2分割するように1枚の棚部材20が設置されている。棚部材20は、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2を載置するための長方形平面が形成された蓄熱部材載置部3を有している。保冷室14の左右の内壁には、水平対向位置に一対の棚受け(不図示)がそれぞれ設けられている。棚受けには、保冷庫10の設置状態で蓄熱部材載置部3が鉛直方向に対して水平になるように棚部材20の端部が載置されている。
第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2は、保冷庫10の定常運転時において、蓄熱材溶液が固相及び液相間の相変化が可逆的に生じる相変化温度より低い温度に冷却されて固相状態に維持されている。第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の蓄熱材溶液の相変化温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2は、停電等による冷却装置の作動停止時に冷熱を放射して保冷室14内を冷却することができる。
本実施例では保冷庫10の冷却方式としてファン式を用いている。保冷室14外に配置された冷却器(不図示)により作られた冷気を吹出し口5に設けたファン(不図示)によって保冷室14内に送風するようになっている。吹出し口5は開閉扉16に対向する庫内奥側壁面に、蓄熱部材載置部3に載置された第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の上面より高い位置に配置されている。吹出し口5から送風される冷気は、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の上面および通気路4を流通する。
保冷庫本体12の内壁と外壁との間には断熱材30が配置されている。また、開閉扉16の内壁と外壁の間には断熱材32が配置されている。断熱材30、32は、所定の温度に冷却されている保冷室14に外部から熱が伝わらないように断熱するために配置されている。断熱材30、32は、繊維系断熱材(グラスウール等)や発泡樹脂系断熱材、真空断熱材等を用いて形成される。
保冷庫10は、定常運転時に第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2を固相状態に維持しておき、停電などによる電力供給の遮断時に、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2を入れ替える必要なくそのままの状態で、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の潜熱を利用して、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2が放射する冷熱により保冷室14内を冷却する。
図4は、比較例に係る保冷庫100の保冷室14内の一部を示す斜視図である。比較例に係る蓄熱部材1´は図1に示す本実施例による第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2より幅広の薄板長方形形状をしている。蓄熱部材載置部3´は、蓄熱部材1´を載置できる長方形の平面形状を有している。
比較例に係る保冷庫100は本実施例の保冷庫10と同様の構成の保冷室14を有している。すなわち、保冷室14の奥側の壁部には冷却された空気を保冷室14内に吹出す吹出し口5が設けられている。保冷庫100の運転時には、図中破線の矢印Fで示すように吹出し口5から冷却された空気が吹出される。蓄熱部材載置部3´は、吹出し口5より下方で蓄熱部材1´を載置するように保冷室14内に配置されている。このため、蓄熱部材1´の上面側が吹出し口5から吹出された冷気に晒される。蓄熱部材1´は、保冷室14内の温度が所定温度未満の場合は吹出し口5から吹出された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、保冷室14内の温度が所定温度以上の場合は蓄熱した冷熱を保冷室14内へ放熱する。比較例の蓄熱部材1´は、中空の直方体状の容器1´aを有している。容器1´a内には蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液1´bが充填され、蓄熱材溶液1´bに不溶の過冷却防止材1´cが容器1´a内の底面に沈殿している。また、容器1´aの内容積のほぼ半分は空気1´dで満たされている。
図5は、本実施例による第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2と比較例に係る蓄熱部材1´による冷却過程の相違を示している。図5(a)〜(d)は、蓄熱部材載置部3上に載置された第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の断面を吹出し口5に向かって見た状態を示している。本例では説明を容易にするため、容器1a、2a内には空気1d、2dの領域も蓄熱材溶液1b、2bで満たされているものとする。つまり、容器1a、2a内底面に過冷却防止材1c、2cが沈殿しており、残余の閉空間に蓄熱材溶液1b、2bが充填されている。図5(a)に示すように、蓄熱部材載置部3上の右側に第1蓄熱部材1が載置され、左側に第2蓄熱部材2が載置されている。第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の間に通気路4が形成されている。
図5(b)に示す下向きの太い矢印zは、不図示の吹出し口5から吹出された冷気が第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の上面および通気路4に流れ込んでいる状態を示している。図5(b)〜(d)は、吹出し口5からの冷気により第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2が冷却されていく状態を時系列で示している。図5(b)は、吹出し口5からの冷気が通気路4に流れ込むことにより、容器1a、2aの側面部から蓄熱材溶液1b、2bおよび沈殿している過冷却防止材1c、2cの冷却が開始された状態を示している。
第1蓄熱部材1の容器1a内の蓄熱材溶液1bと過冷却防止材1cは、通気路4に面する側面から右側の対向側面に向かって徐々に冷却が進んでいく。冷却の速度は容器1aの上面と下面の界面で最も遅く界面から離れるに従って早くなるので、右側が凸の等温度曲線の温度分布となる。図において温度分布D1の温度範囲は温度分布D1より外側の領域の温度範囲より低く、温度分布D2の温度範囲は温度分布D2より外側の温度分布D1の温度範囲より低く、温度分布D3の温度範囲は温度分布D3より外側の温度分布D2の温度範囲より低い。温度分布D3の温度範囲は蓄熱材の相変化温度より低い温度になっている。
同様に第2蓄熱部材2の容器2a内の蓄熱材溶液2bと過冷却防止材2cは、通気路4に面する側面から左側の対向側面に向かって徐々に冷却が進んでいく。冷却の速度は容器2aの上面と下面の界面で最も遅く界面から離れるに従って早くなるので、左側が凸の等温度曲線の温度分布となる。図において温度分布D1の温度範囲は温度分布D1より外側の領域の温度範囲より低く、温度分布D2の温度範囲は温度分布D2より外側の温度分布D1の温度範囲より低く、温度分布D3の温度範囲は温度分布D3より外側の温度分布D2の温度範囲より低い。温度分布D3の温度範囲は蓄熱材の相変化温度より低い温度になっている。
図5(c)は、図5(b)の状態よりさらに冷却が進み、過冷却防止材1c、2cの沈殿層での温度分布D3の領域が拡がって、蓄熱材溶液が固相に相変化した固相領域Sが成長しつつある状態を示している。
図5(d)は、図5(c)の状態よりさらに冷却が進み、過冷却防止材1c、2cの沈殿層での温度分布D3の領域が拡がって、蓄熱材溶液が固相に相変化した固相領域Sがさらに成長している状態を示している。
図5(a´)〜(d´)は、蓄熱部材載置部3´上に載置された比較例に係る蓄熱部材1´の断面を吹出し口5に向かって見た状態を示している。本例では説明を容易にするため、容器1´a内には空気1´dの領域も蓄熱材溶液1´bで満たされているものとする。つまり、容器1´a内底面に過冷却防止材1´cが沈殿しており、残余の閉空間に蓄熱材溶液1´bが充填されている。図5(a´)〜(d´)の各時点は、図5(a)〜(d)の各時点に一致している。図5(a´)に示すように、蓄熱部材載置部3´上に比較例に係る蓄熱部材1´が載置されている。蓄熱部材1´には通気路は形成されていない。
図5(b´)に示す下向きの太い矢印zは、不図示の吹出し口5から吹出された冷気が蓄熱部材1´の上面に流れ込んでいる状態を示している。図5(b´)〜(d´)は、吹出し口5からの冷気により蓄熱部材1´が冷却されていく状態を時系列で示している。図5(b´)は、吹出し口5からの冷気が流れ込むことにより、容器1´aの上面中央部から蓄熱材溶液1´bの冷却が開始された状態を示している。
蓄熱部材1´の容器1´a内の蓄熱材溶液1´bは容器1´aの上面から対向下面に向かって徐々に冷却が進んでいく。冷却の速度は下側が凸の半楕円形の等温度曲線の温度分布となる。図において温度分布D1の温度範囲は温度分布D1より外側の領域の温度範囲より低く、温度分布D2の温度範囲は温度分布D2より外側の温度分布D1の温度範囲より低く、温度分布D3の温度範囲は温度分布D3より外側の温度分布D2の温度範囲より低い。温度分布D3の温度範囲は蓄熱材の相変化温度より低い温度になっている。固相への相変化の核となる過冷却防止材1´cは容器1´a内の底面に沈殿しているため、比較例の構成では、冷却が開始されても温度分布D3の領域が過冷却防止材1´cに到達するのには相当の時間経過が必要となる。
図5(c´)は、図5(b´)の状態よりさらに冷却が進み、温度分布D3の領域が拡がっているが、過冷却防止材1´cの沈殿層までは達していない。
図5(d´)は、図5(c´)の状態よりさらに冷却が進み、漸く過冷却防止材1´cの沈殿層にまで温度分布D3の領域が到達して、蓄熱材溶液が固相に相変化した固相領域Sが成長しつつある状態を示している。
このように、本実施例による保冷庫10では、吹出し口5から吹き降ろされる冷気の吹出し方向に沿う通気路4が形成されるように第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2を離間させて蓄熱部材載置部3に載置しているので、吹出し口5からの冷気が通気路4を介して直接的に過冷却防止材1c、2cを冷却することができるので、通気路4のない比較例に係る保冷庫100より早く確実に蓄熱材溶液1b、2bを固相に変化させることができる。
図6は、本実施例による第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2と比較例に係る蓄熱部材1´との冷却性能を比較した実験結果を示している。実験において、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の容器1a、2aの寸法は、長辺の長さが30cmであり、短辺の長さが15cmであり、厚さが2.5cmである。比較例に係る蓄熱部材1´の容器1´aは、長辺の長さが40cmであり、短辺の長さが30cmであり、厚さが2.0cmである。また、第1蓄熱部材1の蓄熱材溶液1bの成分割合と、第2蓄熱部材2の蓄熱材溶液2bおよび比較例に係る蓄熱部材1´の蓄熱材溶液1´bの成分割合は同一であり、TBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)が35wt%、四ホウ酸ナトリウムが2wt%、水が63wt%であり総量は1kgである。また、蓄熱材溶液の相変化温度は9℃である。
測定条件は、 室温が30℃であり、庫内温度は、庫内中央部の温度を測定している。また、冷却開始時点は庫内温度が20℃にまで低下した時点としている。蓄熱部材の配置位置は、最上部棚上(フレッシュケースの底部)とし、蓄熱部材の温度は容器底部で測定している。
図6は、冷却開始時点から10時間経過時点までの温度変化を示すグラフである。縦軸は温度(℃)を表し、横軸は経過時間(時間)を表している。横軸では冷却開始時点を0時としている。また、図中の点線の曲線(a)は本実施例に係る保冷庫1の保冷室14の庫内温度の変化を示し、実線の曲線(b)は本実施例に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の冷却性能を示している。図中の破線の曲線(c)は比較例に係る保冷庫100の保冷室14の庫内温度の変化を示し、一点鎖線の曲線(d)は比較例に係る蓄熱部材1´の冷却性能を示している。図中横に延びる破線の直線は温度が9℃の位置を示している。
図6の(A)は、本実施例に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2が最低温度(本例では、3.9℃)に到達して凍結を開始した時点を示している。冷却開始時点から凍結開始時点に至るのに195分を要している。また、図6の(C)は、本実施例に係る第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の蓄熱材溶液1b、2bが凍結完了した時点(固相への変化が完了して第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の温度が9℃以下になる時点)を示している。冷却開始時点から凍結完了時点に至るのに425分を要している。従って、凍結に要する時間は、凍結開始時点から凍結完了時点までの時間の230分である。
一方、図6の(B)は、比較例に係る蓄熱部材1´が最低温度(本例では、5.0℃)に到達して凍結を開始した時点を示している。冷却開始時点から凍結開始時点に至るのに268分を要している。また、図6の(D)は、比較例に係る蓄熱部材1´の蓄熱材溶液1´bが凍結完了した時点(固相への変化が完了して蓄熱部材1´の温度が9℃以下になる時点)を示している。冷却開始時点から凍結完了時点に至るのに542分を要している。従って、凍結に要する時間は、凍結開始時点から凍結完了時点までの時間の274分である。
このように、本実施例による保冷庫10の第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の方が、比較例に係る保冷庫100の蓄熱部材1´より44分程度早く凍結が完了している。また、凍結後の顕熱放熱による蓄熱材溶液(固相)の温度低下も、本実施例による保冷庫10の第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の方が比較例に係る保冷庫100の蓄熱部材1´より早くなっている。
過冷却防止材を核として蓄熱材溶液の凍結が始まるため、過冷却防止材が容器内で沈殿していると、容器1´aの上面側から冷却する比較例に係る保冷庫100の構成では蓄熱材溶液1´bを凍結させるのに長時間を要してしまう。本実施例によれば、第1蓄熱部材1および第2蓄熱部材2の側面に吹出し口5からの冷気を流通させる通気路4を設けることで過冷却防止材1c、2cの近傍を優先的に冷却することができるので、蓄熱材溶液1b、2bの凍結を早く開始させることができる。本実施例によれば、蓄熱材溶液1b、2bを早く凍らせることができるので、例えば、突発的な停電にも十分対応することができる。
本実施例に示したように、容器内部の上部の全面もしくは少なくとも一部に空気が存在する場合は、同空気が断熱的な役割を果たし、容器上部からの冷却を阻害する。そのため、本実施例に示した比較例の形態では、上部から冷却が進むため、蓄熱材の凍結開始、および完了にかかるまでの時間が空気が存在しない場合に比べさらにかかる。一方本実施例では、側面から冷却が進むため、空気が存在し上部からの冷却が阻害されていても、ほとんど遅延なく凍結が進む。
(実施例2)
図7(a)は、実施例2に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(a)に示す構成は、容器1aの下面の四隅に突起部を設けて蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に隙間を設け、当該隙間に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例3)
図7(b)は、実施例3に係る第1蓄熱部材1を蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。図7(b)に示す構成は、容器1aの下面の四隅に突起部を設け、当該突起部内にも蓄熱材溶液が充填されている。こうすることにより蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができるとともに、突起部内に過冷却防止材が溜まり易くなるのでより早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例4)
図7(c)は、実施例4に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(c)に示す構成は、容器1aの下面で吹出し口5からの冷気の流通方向に沿う対向端辺に突起部を設けて蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に隙間を設け、蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例5)
図7(d)は、実施例5に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(d)に示す構成は、容器1aの下面で吹出し口5からの冷気の流通方向に沿う2本の平行で容器内方に凹の凹部を設けて蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。また、当該凹部以外の底面は凸状となるので、当該凸状部に過冷却防止材が溜まり易くなり、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例6)
図7(e)は、実施例6に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(e)に示す構成は、容器1aの上面で吹出し口5からの冷気の流通方向に沿う2本の平行した凹部を設けて第1蓄熱部材1の上面に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例7)
図7(f)は、実施例7に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(f)に示す構成は、容器1aの上面から下面に貫通する2本の貫通孔を設けており、吹出し口5から吹出される冷気を当該貫通孔に流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例8)
図7(g)は、実施例8に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(g)に示す構成は、容器1aの上面で吹出し口5からの冷気の流通方向に沿う2本の平行して両端まで延びる凹部を設けて第1蓄熱部材1の上面に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例9)
図7(h)は、実施例9に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(h)に示す構成は、容器1aの下面で吹出し口5からの冷気の流通方向に沿う対向端辺に凹部1lを設けて蓄熱部材載置部3上面に設けた係止爪3aを凹部1lに係止させて第1蓄熱部材1を蓄熱部材載置部に固定することができる。さらに、蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に空間を設けることにより吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例10)
図7(i)は、実施例10に係る第1蓄熱部材1の平面を示し、その右方と下方にそれぞれ蓄熱部材載置部3に載置した状態の側面を示している。また、吹出し口5からの冷気の流通方向を太い矢印で示している。図7(h)に示す構成は、容器1aの下面の四隅に凹部1mを設けて蓄熱部材載置部3上面に設けた四つの凸部3bを当該凹部1mに対応させて第1蓄熱部材1を蓄熱部材載置部に固定することができる。さらに、蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に空間を設けることにより吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例11)
図7(j)の上段は、実施例11に係る第1蓄熱部材1の側面図であり、下段は、実施例11の変形例1に係る第1蓄熱部材1の側面図である。実施例11と変形例1は共に容器1aの底面部の厚さを相対的に薄く形成して底面部からの冷熱を容器1a内部に伝達し易くしている。実施例11は容器1a底面全体が蓄熱部材載置部3の上面に接触しており、蓄熱部材載置部3上面からの冷熱を直接容器1a底面で受けて容器1a内部に伝達している。変形例1は、容器1a底面の四隅に突起部を設けており、蓄熱部材載置部3上面と第1蓄熱部材1の下面との間に吹出し口5から吹出される冷気を流通させることができる。こうすることにより、より早く確実に過冷却防止材が沈殿している領域を冷却することができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
(実施例12)
図7(k)の上段は、実施例12に係る第1蓄熱部材1の側面図であり、下段は、実施例12の変形例2に係る第1蓄熱部材1の側面図である。実施例12は容器1aの底面部に熱伝導性の高い材料(例えば、金属、金属フィラ混入樹脂)を用いている。変形例2は、底部を含む側面に熱伝導性の高い材料を用いている。これらにより、底面部からの冷熱を容器1a内部に伝達し易くすることができる。なお、図示は省略しているが、第2蓄熱部材2も同様の構成が適用可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、通気路を介して蓄熱部材の容器の底部もしくは側面下部を冷却することができるので、過冷却防止材が容器内に沈殿している場合であっても、早く確実に過冷却防止材を核とした凍結を開始することができるようになる。また、複数の蓄熱材容器を使用することで、蓄熱容器を成型しやすくなるという効果も生じる。さらに、蓄熱材容器の肉厚を薄くすることができるので、従来よりさらに冷却性能を向上させることができるようになる。また、不透明な蓄熱容器または蓄熱材溶液であっても通気路を通して光を下方に導光できるので、蓄熱部材より下方の庫内下側を暗くせずに済むようになる。さらに、蓄熱部材の容器の表面積に関し側面部を含めた全体の表面積を拡げることができるので、保冷性に優れる蓄熱部材を実現できる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の長辺側の側面部を対向させて通気路4を形成しているが本発明はこれに限られない。例えば、短辺側の側面部を対向させて通気路4を形成するようにしてもよい。また、第1蓄熱部材1と第2蓄熱部材2の形状は薄板正方形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、蓄熱部材載置部3上面に2個の蓄熱部材を並設しているが、本発明はこれに限られない。例えば、3個以上の蓄熱部材を並設して2つ以上の通気路を設けるようにしてももちろんよい。
なお、上述の各実施例に記載されている技術的特徴(構成要件)は相互に組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、蓄熱部材を備えた冷蔵庫等において広く利用可能である。
1 第1蓄熱部材
2 第2蓄熱部材
3 蓄熱部材載置部
4 通気路
5 吹出し口
10 保冷庫
14 保冷室
16 開閉扉

Claims (4)

  1. 保冷室と、
    冷却された空気を前記保冷室内に吹出す吹出し口と、
    前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合は前記吹出し口から吹出された前記空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合は蓄熱した前記冷熱を前記保冷室内へ放熱する第1蓄熱部材および第2蓄熱部材と、
    前記吹出し口から吹出される前記空気の吹出し方向に沿う通気路が形成されるように前記第1蓄熱部材と前記第2蓄熱部材を離間させて載置する蓄熱部材載置部と
    を有することを特徴とする保冷庫。
  2. 請求項1に記載の保冷庫であって、
    前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材は、
    蓄熱材が溶解した蓄熱材溶液と、
    前記蓄熱材溶液を収容する容器と、
    前記容器内で沈殿する固体の過冷却防止材とを有すること
    を特徴とする保冷庫。
  3. 請求項2に記載の保冷庫であって、
    前記蓄熱部材載置部は、
    前記吹出し口より下方で前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材を載置すること
    を特徴とする保冷庫。
  4. 請求項2または3に記載の保冷庫であって、
    前記第1蓄熱部材および前記第2蓄熱部材の下面と前記蓄熱材載置部の上面との間に、前記吹出し口から吹出される前記空気が流通する隙間が設けられていること
    を特徴とする保冷庫。
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